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  • 特許-安全性を向上可能なバッテリモジュール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】安全性を向上可能なバッテリモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/581 20210101AFI20220516BHJP
   H01M 50/583 20210101ALI20220516BHJP
   H01M 50/509 20210101ALI20220516BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20220516BHJP
【FI】
H01M50/581
H01M50/583
H01M50/509
H01M50/507
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020149704
(22)【出願日】2020-09-07
(65)【公開番号】P2021044241
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2020-12-22
(31)【優先権主張番号】108132525
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】509343390
【氏名又は名称】新盛力科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】侯金定
(72)【発明者】
【氏名】呉道成
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-532890(JP,A)
【文献】特開2015-159105(JP,A)
【文献】特開2004-031268(JP,A)
【文献】特開2014-135856(JP,A)
【文献】特開2017-084603(JP,A)
【文献】特開2014-229681(JP,A)
【文献】特開2006-244982(JP,A)
【文献】実開昭62-123066(JP,U)
【文献】登録実用新案第3231814(JP,U)
【文献】国際公開第2011/151981(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/169524(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0118920(KR,A)
【文献】中国実用新案第210489708(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全性を向上可能なバッテリモジュールであって、
少なくとも1つの固定フレーム、及び
前記固定フレームに設置される複数のセルを含み
複数の前記セルは、第1の方向及び第2の方向に沿ってマトリクス形式で配列され、前記第1の方向は前記第2の方向と垂直であり、前記第1の方向において隣り合う前記セルの設置方向は互いに反対であり、前記第2の方向において隣り合う前記セルの設置方向は互いに同じであり、
前記第1の方向に沿って配列された複数の前記セルを自身を介して直列に接続することで直列セル群が形成されるように、第1の方向において隣り合うそれぞれ2つの前記セルを接続する複数の導電片、及び
前記第2の方向において隣り合う2つの直列セル群の2つの前記導電片を接続することで、2つの前記導電片に対応する直列セル群を並列に接続する少なくとも1つの保護手段を更に含み、
前記保護手段の温度が所定の温度よりも高くなった場合、或いは、前記保護手段を流れる電流が所定の電流よりも大きくなった場合、前記保護手段は切断されるバッテリモジュール。
【請求項2】
前記保護手段は、温度ヒューズ、電流ヒューズ、はんだワイヤ、単芯銅線、リセッタブルヒューズ又は抵抗である請求項1に記載の安全性を向上可能なバッテリモジュール。
【請求項3】
前記固定フレームの一方の表面は、前記セルを収容及び固定するための複数のセル凹溝を含み、前記固定フレームの他方の表面は、前記導電片を収容するための複数の導電片凹溝を含み、前記セル凹溝は前記導電片凹溝と連通する請求項1に記載の安全性を向上可能なバッテリモジュール。
【請求項4】
前記固定フレームの数は2つであり、それぞれ前記セルの両端に設置される請求項に記載の安全性を向上可能なバッテリモジュール。
【請求項5】
第1導電片及び第2導電片を含み、前記第1導電片及び前記第2導電片は、それぞれ一部の前記セルを並列に接続するとともに、前記安全性を向上可能なバッテリモジュールの出力端子又は入力端子となる請求項1に記載の安全性を向上可能なバッテリモジュール。
【請求項6】
複数の第1導電片及び複数の第2導電片を含み、各前記第1導電片及び各前記第2導電片はそれぞれ1つの前記セルに接続され、2つの前記第1導電片が前記保護手段を介して接続され、2つの前記第2導電片が前記保護手段を介して接続される請求項1に記載の安全性を向上可能なバッテリモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、並列に接続されたセルが故障したセルを異常充電することで故障したセルが溶融又は爆発するとの事態を防止可能とし、バッテリモジュールの安全性向上に有利となる安全性を向上可能なバッテリモジュールを提供する。
【背景技術】
【0002】
充電式バッテリは、例えば、ノートパソコン、タブレットPC、モバイル通信装置、電動自転車、電動バイク又は電気自動車といった多くの製品に幅広く応用されている。通常は、複数のセル(Cell)を接続してバッテリ群を形成し、各セルの直列及び/又は並列を調整することでバッテリ群から製品が要する電圧を出力可能とする。
【0003】
一般的には、複数のセルを固定フレームに設置し、導電片を介して各セルを直列及び並列に接続することでバッテリ群を形成するとともに、バッテリ群を製品に取り付ける。
【0004】
実際に応用する際には、バッテリ群の1つのセルが故障して短絡した場合、その他の正常なセルが短絡したセルを大電流で充電することで、短絡したセルの温度が異常に上昇する。そして、温度がセル内部のセパレータの耐熱温度を上回ると、セパレータが溶解してセルの正極及び負極材料を短絡させるため、セルの溶融又は爆発が誘発される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の一つは、複数のセル、複数の導電片及び複数の保護手段を含み、導電片がセルを直列に接続するために用いられ、保護手段がセルを並列に接続するために用いられる安全性を向上可能なバッテリモジュールを提供することである。保護手段の温度が過剰に高くなった場合、及び/又は、電流が過剰に大きくなった場合には、保護手段が溶融して、故障したセルと並列に接続された正常なセルとを切断することで、故障したセルの溶融又は爆発を防止する。
【0006】
本発明の目的の一つは、複数のセル、少なくとも1つの固定フレーム、複数の導電片及び複数の保護手段を含み、セルが固定フレームに設置されるとともに、マトリクス形式で配列され得る安全性を向上可能なバッテリモジュールを提供することである。第1の方向において隣り合うセルは、正極と負極が互いに反対となるよう設置され、第2の方向におけるセルは正極と負極が同じとなるよう設置される。各導電片は、それぞれ第1の方向において隣り合う2つのセルを直列に接続する。また、各保護手段は、第2の方向において隣り合う2つの導電片を接続するために用いられる。これにより、第2の方向において隣り合う2つの導電片に接続されているセルは、保護手段を介して並列に接続される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、安全性を向上可能なバッテリモジュールを提供する。前記バッテリモジュールは、少なくとも1つの固定フレーム、固定フレームに設置される複数のセル、それぞれ2つのセルを直列に接続する複数の導電片、及び、2つの導電片を接続することで、導電片に接続されているセルを並列に接続する少なくとも1つの保護手段を含む。保護手段の温度が所定の温度よりも高くなった場合、或いは、保護手段を流れる電流が所定の電流よりも大きくなった場合、保護手段は切断される。
【0008】
上記の安全性を向上可能なバッテリモジュールにおいて、保護手段は、温度ヒューズ、電流ヒューズ、はんだワイヤ、単芯銅線、リセッタブルヒューズ又は抵抗である。
【0009】
上記の安全性を向上可能なバッテリモジュールにおいて、複数のセルは、第1の方向及び第2の方向に沿ってマトリクス形式で配列される。第1の方向は第2の方向と垂直である。第1の方向において隣り合うセルの設置方向は互いに反対であり、第2の方向において隣り合うセルの設置方向は互いに同じである。
【0010】
上記の安全性を向上可能なバッテリモジュールにおいて、導電片はセルを直列に接続して直列セル群を形成し、保護手段は、2つの直列セル群におけるセルを並列に接続する。
【0011】
上記の安全性を向上可能なバッテリモジュールにおいて、固定フレームの一方の表面は、セルを収容及び固定するための複数のセル凹溝を含み、固定フレームの他方の表面は、導電片を収容するための複数の導電片凹溝を含む。且つ、前記セル凹溝は導電片凹溝と連通する。
【0012】
上記の安全性を向上可能なバッテリモジュールにおいて、固定フレームの数は2つであり、それぞれセルの両端に設置される。
【0013】
上記の安全性を向上可能なバッテリモジュールは、第1導電片及び第2導電片を含む。第1導電片及び第2導電片は、それぞれ一部のセルを並列に接続するとともに、安全性を向上可能なバッテリモジュールの出力端子又は入力端子となる。
【0014】
上記の安全性を向上可能なバッテリモジュールは、複数の第1導電片及び複数の第2導電片を含む。各第1導電片及び各第2導電片はそれぞれ1つのセルに接続される。また、2つの第1導電片が保護手段を介して接続され、2つの第2導電片が保護手段を介して接続される。
【0015】
上記の安全性を向上可能なバッテリモジュールにおいて、導電片はセルを直列に接続するために用いられ、保護手段はセルを並列に接続するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の安全性を向上可能なバッテリモジュールの一実施例の分解斜視図である。
図2図2は、本発明の安全性を向上可能なバッテリモジュールの一実施例の斜視図である。
図3図3は、本発明の安全性を向上可能なバッテリモジュールの一実施例の一方の表面の側面図である。
図4図4は、本発明の安全性を向上可能なバッテリモジュールの一実施例の他の表面の側面図である。
図5図5は、本発明の安全性を向上可能なバッテリモジュールの別の実施例の一方の表面の側面図である。
図6図6は、本発明の安全性を向上可能なバッテリモジュールの別の実施例の他の表面の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の安全性を向上可能なバッテリモジュールの一実施例の分解斜視図である図1と、斜視図である図2を参照する。図示するように、本発明の実施例で記載するバッテリモジュール10は、少なくとも1つの固定フレーム11、複数のセル13、複数の導電片15及び複数の保護手段17を含む。固定フレーム11はセル13を固定するために用いられ、導電片15はセル13を直列に接続するために用いられ、保護手段17はセル13を並列に接続するために用いられる。
【0018】
本発明の実施例において、複数のセル13はマトリクス形式で配列可能であり、セル13は第1の方向X及び第2の方向Yに沿って配列される。且つ、第1の方向Xは第2の方向Yと垂直である。第1の方向Xにおいて隣り合うセル13の設置方向は互いに反対であり、隣り合うセル13の正極と負極がそれぞれ反対方向を向いている。例えば、第1の方向Xに沿って設置されるセル13は、正極と負極が交互となるよう配列されている。一方、第2の方向Yにおいて隣り合うセル13の設置方向は互いに同じである。なお、言うまでもなく、上記のセル13の配列形式は本発明の一実施例にすぎず、実際に応用する際にはセル13をマトリクス形式で配列しなくてもよい。
【0019】
固定フレーム11は、主にセル13を固定するために用いられる。固定フレーム11は、セル13を収容及び固定するための複数のセル凹溝111を含んでいてもよい。例えば、セル凹溝111をマトリクス形式で固定フレーム11の一方の表面に設置し、各セル13をそれぞれ各セル凹溝111に挿入することで、セル13をマトリクス形式で固定フレーム11に配列すればよい。
【0020】
本発明の実施例において、固定フレーム11の数は、類似又は同一の構造を有する2つとし、それぞれをセル13の両端に設置することで、セル13を2つの固定フレーム11の間に固定すればよい。例えば、セル13の一端を一方の固定フレーム11に設置して図3又は図5に記載した構造を形成し、セル13の他端を他方の固定フレーム11に設置して図4及び図6に記載の構造を形成する。
【0021】
各導電片15は、それぞれ2つのセル13を接続することで2つのセル13を直列に接続する。例えば、導電片15は、スポット溶接又はレーザー溶接等で、隣り合う2つのセル13の正極と負極をそれぞれ接続する。セル13をマトリクス形式で配列している場合、導電片15は第1の方向Xに沿って設置される隣り合う2つのセル13を接続する。第1の方向Xにおいて隣り合う2つのセル13の正極と負極は互いに反対方向を向いている。これにより、図3及び図4に示すように、第1の方向Xにおける複数のセル13を複数の導電片15を介して直列に接続し、直列セル群131を形成する。また、導電片15は金属材質で作製すればよい。例えば、金属材質は、ニッケルプレート、銅プレート等の低抵抗の材料とすればよい。
【0022】
本発明の実施例において、固定フレーム11のうちセル凹溝111が設けられていない表面には、複数の導電片凹溝113を設ければよい。各セル凹溝111は、それぞれ導電片凹溝113と連通する。導電片15は導電片凹溝113内に設置され、導電片凹溝113と連通するセル凹溝111内のセル13と電気的に接続可能である。
【0023】
各保護手段17は、それぞれ2つの導電片15を接続する。これにより、2つの導電片15が並列に接続されて、導電片15に接続されているセル13もまた保護手段17を介して並列に接続される。保護手段17の温度が所定の温度よりも高くなった場合、或いは、保護手段17を流れる電流が所定の電流よりも大きくなった場合、保護手段17は切断される。
【0024】
バッテリモジュール10の1つのセル13が故障により短絡した場合、その他の正常なセル13は、保護手段17を介して並列に接続された短絡セル13を充電する。これにより、保護手段17を流れる電流が増加して、保護手段17の温度が上昇する。保護手段17の電流が所定の電流よりも大きくなった場合、及び/又は、保護手段17の温度が所定の温度よりも高くなった場合には、保護手段17が溶断されて、その他の正常なセル13と並列に接続された短絡セル13とが開回路を形成することで、正常なセル13が並列に接続された短絡セル13を充電し得なくなる。
【0025】
本発明の前記バッテリモジュール10によれば、従来技術のように前記その他の正常なセル13が短絡したセル13に大電流充電を行い続けるとの事態を防止可能となる。これにより、短絡したセル13の異常な温度上昇を回避可能なため、セル13の溶融又は爆発の発生を効果的に減少させることができ、バッテリモジュール10の使用上の安全性が向上する。
【0026】
具体的に、本発明で記載する保護手段17には、温度ヒューズ、電流ヒューズ、はんだワイヤ、単芯銅線、リセッタブルヒューズ(PTC)、抵抗等の電流及び/又は温度の上昇に伴って切断される部材が含まれ得るが、これらに限らない。例えば、はんだワイヤの融点は相対的に低い。そのため、はんだワイヤの温度が上昇した場合には、はんだワイヤが溶断されることで、短絡したセルと並列に接続された正常なセルとが切断される。はんだワイヤは設置コストが低い。且つ、一般的な電気はんだごて又は溶接トーチを使用するだけで、はんだワイヤ(保護手段17)を2つの導電片15に接続し、セル13を並列に接続することが可能である。また、単芯銅線及び抵抗の特性もはんだワイヤに近く、類似の方式で設置することが可能である。よって、同様に、設置コストが低く、設置が容易であるとの利点を有する。
【0027】
実際に応用する際には、保護手段17の材料、長さ、幅及び/又は断面積によって、所定の温度及び/又は所定の電流の大きさを変更可能である。所定の温度で説明すると、一般的に、鉛含有はんだワイヤは摂氏190度程度で溶断し、鉛フリーはんだワイヤは摂氏220度程度で溶断する。セル13が機能を喪失した場合に発生する温度が摂氏600度以上の場合には、セル13が過熱、溶融又は爆発する前にはんだワイヤ(保護手段17)が先に溶断し、機能を喪失したセル13と並列に接続された正常なセル13との接続が切断される。また、所定の電流で説明すると、一般的なはんだワイヤは、約40~50Aの電流が流れた場合に高温となって溶断する。セル13が短絡した場合に流れる電流は100~200Aのため、セル13の電流が大きくなりすぎる前に、はんだワイヤ(保護手段17)が先に溶断し、機能を喪失したセル13と並列に接続された正常なセル13との接続が切断される。なお、セル13が短絡した場合に流れる電流値は、セル13の特性及び並列に接続されたセル13の数量に関係する。
【0028】
このほか、0603サイズの1Ωの抵抗を保護手段17として選択した場合には、約1/10Wのエネルギーに耐えることができる。そのため、瞬間電流が100Aになった場合には、発生するエネルギーが抵抗の耐え得る範囲を遥かに超えて抵抗が溶断するため、同様に、機能を喪失したセル13と並列に接続された正常なセル13との接続を切断可能となる。
【0029】
バッテリモジュール10は、更に、少なくとも1つの第1導電片151及び少なくとも1つの第2導電片153を含む。図1図4に示すように、第1導電片151及び第2導電片153は、一部のセル13を並列に接続するために用いられるとともに、バッテリモジュール10の出力端子及び/又は入力端子となる。例えば、セル13は充電式バッテリとし、第1導電片151及び第2導電片153から電気エネルギーを出力可能とするか、第1導電片151及び第2導電片153を経由して各セル13に充電する。一般的に、第1導電片151及び第2導電片153は、通常は最も側辺寄りの1又は複数のセル13に接続され、例えば、最も側辺寄りの第2の方向Yに沿って設置される複数のセル13を接続又は並列に接続する。
【0030】
本発明の他の実施例において、第1導電片151及び第2導電片153の数は複数とし、図5及び図6に示すように、各第1導電片151及び各第2導電片153をそれぞれ1つのセル13に接続すればよい。また、隣り合う2つの第1導電片151及び隣り合う第2導電片153をそれぞれ保護手段17を介して接続することで、第1導電片151及び第2導電片153に接続されているセル13を保護する。
【0031】
本発明の実施例において、複数のセル13は9×3のマトリクスとなるよう配列される。図3及び図4に示すように、第1の方向Xには9つのセル13を配列し、第2の方向Yには3つのセル13を配列する。且つ、第1の方向Xは第2の方向Yと略垂直である。換言すると、バッテリモジュール10は、27個のセル13、24個の導電片15及び16個の保護手段17を含み得る。第1の方向Xにおける9つのセル13は、8つの導電片15を介して直列に接続されて、直列セル群131を形成する。また、第2の方向Yにおける3つのセル13は、2つの保護手段17を介して並列に接続される。例えば、3つの直列セル群131を積層し、8つの保護手段17によって隣り合う2つの直列セル群131を接続する。保護手段17は、隣り合う2つの導電片15を接続することで、隣り合う2つの直列セル群131のセル13を並列に接続する。
【0032】
換言すると、本発明の上記実施例では、主に、第1の方向Xにおける9つのセル13を直列に接続することでバッテリモジュール10から出力される電圧を上昇させ、第2の方向Yにおける3つのセル13を並列に接続することでバッテリモジュール10の電気量を増加させる。具体的に、セル13が3.7Vのリチウム電池セルの場合、バッテリモジュール10は33.3Vの電圧を発生させられる。なお、言うまでもなく、前記セル13、導電片15及び保護手段17の数及び設置方式は本発明の一実施例にすぎず、本発明の権利範囲を制限するものではない。実際に応用する際には、セル13、導電片15及び保護手段17の数及び設置方式を製品要求に応じて調整すればよい。
【0033】
本発明の実施例において、バッテリモジュール10は、セル13に電気的に接続される保護プレート19を含み得る。保護プレート19は、保護回路基板及びPTC(リセッタブルヒューズ)等の電流デバイスを含み、セル13の電圧及び充放電を正確に監視・制御することで、電流回路の開閉を速やかに制御し、高温環境下でのセル13の破損を防止可能とする。
【0034】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。即ち、本発明の特許請求の範囲に記載する形状、構造、特徴及び精神に基づきなされる等価の変形及び補足は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
10 バッテリモジュール
11 固定フレーム
111 セル凹溝
113 導電片凹溝
13 セル
131 直列セル群
15 導電片
151 第1導電片
153 第2導電片
17 保護手段
19 保護プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6