(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】クラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システム
(51)【国際特許分類】
A01G 9/24 20060101AFI20220516BHJP
F24F 11/58 20180101ALI20220516BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20220516BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20220516BHJP
F24F 11/54 20180101ALI20220516BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20220516BHJP
F24F 110/20 20180101ALN20220516BHJP
F24F 110/70 20180101ALN20220516BHJP
F24F 110/65 20180101ALN20220516BHJP
F24F 110/60 20180101ALN20220516BHJP
F24F 110/30 20180101ALN20220516BHJP
F24F 130/20 20180101ALN20220516BHJP
F24F 130/30 20180101ALN20220516BHJP
F24F 130/40 20180101ALN20220516BHJP
【FI】
A01G9/24 A
F24F11/58
F24F11/89
F24F11/64
F24F11/54
F24F110:10
F24F110:20
F24F110:70
F24F110:65
F24F110:60
F24F110:30
F24F130:20
F24F130:30
F24F130:40
(21)【出願番号】P 2021082250
(22)【出願日】2021-05-14
【審査請求日】2021-05-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517052091
【氏名又は名称】リバティーポートジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189865
【氏名又は名称】下田 正寛
(74)【代理人】
【識別番号】100094215
【氏名又は名称】安倍 逸郎
(72)【発明者】
【氏名】角 裕二
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 正博
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-193591(JP,A)
【文献】国際公開第2020/045543(WO,A1)
【文献】特開2021-029162(JP,A)
【文献】特開2021-007339(JP,A)
【文献】国際公開第2020/195768(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業ハウス内の環境因子を計測して計測値データを取得するセンサを有する第1子機と、
上記環境因子の数量を増減させるアクチュエータの駆動状態をコントロールするコントローラおよび上記センサによる計測値データと同一種の計測値データを得るセンサを有する第2子機と、
これらの第1子機及び第2子機のそれぞれと無線でのデータ通信が可能であって、かつ無線にてインターネットを介してクラウドサーバと接続する親機とを備え、
上記2つのセンサによる計測値データに基づいて上記アクチュエータの駆動状態を制御するクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システムであって、
上記計測値データは、親機を介してクラウドサーバに送信され、
クラウドサーバは、
上記2つのセンサによる計測値データに基づき、
アクチュエータの駆動状態を制御するための制御パラメータを求め、この制御パラメータとこの計測値データとをデータベースに格納するとともに、この制御パラメータが、直近に格納された制御パラメータと異なるとき、格納された制御パラメータと直前に格納された制御パラメータからの変更量を変更量データとして算出し、この変更量データは親機を介して第2子機に送信され、第2子機は、この変更量データに応じて、アクチュエータの駆動状態をコントローラによってコントロールするクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システム。
【請求項2】
上記第1子機には第1のCO
2センサが接続され、
上記第2子機には第2のCO
2センサが接続され、
上記コントローラはCO
2コントローラであって、
上記アクチュエータはこのCO
2コントローラにより制御され、この農業ハウス内にCO
2ガスを供給するCO
2発生機である請求項1に記載のクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システム。
【請求項3】
上記アクチュエータは上記農業ハウス内に複数個設けられ、複数個のアクチュエータのそれぞれは
上記2つのセンサにより計測された環境因子の
計測値データに基づいて独立してまたは関連して制御される請求項1に記載のクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システム、詳しくは農業ハウス内の環境因子についての制御を行うシステムとしてクラウドサーバを利用することにより、そのセンサ装置、制御プログラムなどを自由に変更可能とし、閉鎖空間内の環境因子の数量に対応した適切な制御を行うことができる安価で汎用性のあるクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
閉鎖空間(例えば、農業ハウス(ビニールハウス)、温室、植物育成工場などが含まれるが、この他ではエンタテインメント施設、ショッピング施設、交通車両の客室、宿泊施設の客室、アパートメントの居室などを含む)における環境(温度・湿度・光度など)を最適化することで、集客につなげたり、作物等の生産性を上げることは、従来から検討されていることである。
閉鎖空間の環境の最適化は、狭い閉鎖空間であれば、環境制御装置(例えば冷暖房装置や照明機器)と、環境制御装置に付随するセンサによって、容易にコントロールすることはできる。また、広い閉鎖空間であっても、空気の循環がなされ、環境の均一化ができている場合においても、特に問題は生じない。
【0003】
しかし、広い閉鎖空間において、空気の循環が不十分で、室内環境の均一化ができていない場合にあっては、センサ機能を有する環境制御装置のみでは不十分である。環境制御装置が設置された所とその周辺においては環境の最適化できるものの、空間内の空気の循環が不十分であるため、環境にばらつきが生じるからである。
このような環境下において、閉鎖空間の環境の最適化を行うために、一例として、従来の温室内の栽培環境要素を測定する装置としては、例えば特許文献1に記載のものが提案されている。
特許文献1に記載の技術では、ケーシング内に複数の室を設けてCO2濃度センサと、その制御部とを別室に配置してこれらの室間を伝熱制御することとしている。センサなどへの半導体装置による発熱の影響を排除することとしている。
また、この装置にあっては、収集したデータは通信回線を介してコンピュータ(サーバ)に送信する構成とされている。コンピュータではこれらデータを収集し、栽培情報としての利用を図ることとしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方式では、この装置で計測したCO2濃度に基づいてハウス内のCO2濃度を制御するものであるが、CO2濃度を制御するために、コンピュータが別途必要となり、コンピュータにより、CO2発生機を制御している。また、CO2濃度など環境データをホストコンピュータに収集し、ユーザが必要と判断される情報を提供している。このように、環境を制御するためには、センサと環境制御装置(特許文献1におけるCO2発生機に相当する。)、コンピュータとホストコンピュータが必要となり、大掛かりなシステムを構築していく必要がある。
これにより、システム構築のための費用、メンテナンス費用などがかかり、中小企業・個人事業において、特許文献1における環境制御システムを導入することは困難であった。
【0006】
また、特許文献1には、センサと環境制御装置がハブを介してコンピュータに接続していることを前提とするものであり、有線での接続であると考えられる(直接コンピュータに接続する方式も記載されているが、有線接続を前提とするものであると想到できる)。このため、室内にケーブルを配線させる必要があり、室内作業に影響を与えることもありえるものである。特に、農業ハウスのような場所にあっては、害虫などによる断線や農機具の誤動作による断線もありえる。このため、特許文献1における方式の場合には、汎用性のある環境制御システムとはいえなかった。
【0007】
さらに、新しい環境制御の方式が開発された場合には、コンピュータに新たなプログラムを導入する必要があり、複数の環境制御システムを有している場合には、それぞれ個別に新たなプログラムを導入する必要があった。
【0008】
そこで、発明者は、コントローラに供給されるセンサ計測値をワイヤレスでクラウドサーバに送信し、クラウドサーバにおいて演算を行い、この演算結果を用いてアクチュエータの駆動を制御することによって、安価で汎用性のある環境制御装置を提供することができることを知見し、この発明を完成させた。
【0009】
この発明は、農業ハウス内の環境因子についての制御を行うシステムとしてクラウドサーバを利用することにより、そのセンサ装置、制御プログラムなどを自由に変更可能とし、農業ハウス内の環境因子の数量に対応した適切な制御を行うことができる安価で汎用性のあるクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、農業ハウス内の環境因子を計測して計測値データを取得するセンサを有する第1子機と、上記環境因子の数量を増減させるアクチュエータの駆動状態をコントロールするコントローラおよび上記センサによる計測値データと同一種の計測値データを得るセンサを有する第2子機と、これらの第1子機及び第2子機のそれぞれと無線でのデータ通信が可能であって、かつ無線にてインターネットを介してクラウドサーバと接続する親機とを備え、上記2つのセンサによる計測値データに基づいて上記アクチュエータの駆動状態を制御するクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システムであって、上記計測値データは、親機を介してクラウドサーバに送信され、クラウドサーバは、上記2つのセンサによる計測値データに基づき、アクチュエータの駆動状態を制御するための制御パラメータを求め、この制御パラメータとこの計測値データとをデータベースに格納するとともに、この制御パラメータが、直近に格納された制御パラメータと異なるとき、格納された制御パラメータと直前に格納された制御パラメータからの変更量を変更量データとして算出し、この変更量データは親機を介して第2子機に送信され、第2子機は、この変更量データに応じて、アクチュエータの駆動状態をコントローラによってコントロールするクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システムである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、上記第1子機には第1のCO2センサが接続され、上記第2子機には第2のCO2センサが接続され、上記コントローラはCO2コントローラであって、上記アクチュエータはこのCO2コントローラにより制御され、この農業ハウス内にCO2ガスを供給するCO2発生機である請求項1に記載のクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システムである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記アクチュエータは上記農業ハウス内に複数個設けられ、複数個のアクチュエータのそれぞれは上記2つのセンサにより計測された環境因子の計測値データに基づいて独立してまたは関連して制御される請求項1に記載のクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システムである。
環境因子には、農業ハウス内の、炭酸ガス濃度、温度、湿度、日照度、酸素濃度、水温などを含む。農業ハウスの広さによりこれらの因子は複数のセンサにより計測されることがある。例えば計測した時刻によって農業ハウス内の一部が日陰となる場合などが想定される。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、クラウドサーバに対して計測値データを送信し、この計測値データに基づいて制御プログラムにより制御値を演算し、コントローラを介してアクチュエータを制御する。このため、センサやコントローラとのデータのやり取りにコンピュータを必要とせず、クラウドサーバのみで複数のセンサを含む農業ハウスにおいてもそのアクチュエータによる制御を適正に行うことが可能となる。
また、クラウドサーバの制御プログラムを更新するだけで、より効率的な装置制御を行うことも可能である。
さらに、クラウドサーバを用いることで、センサによる計測値データだけでなく、他の農業用ハウスでの計測値(炭酸ガス濃度)などを参考として当該ハウス内の環境因子を適切に制御することもできる。
【0014】
なお、農業ハウス内の該環境因子の数量を測定する第2のセンサを備えた環境測定装置をさらに有し、この第2のセンサの計測値データは上記クラウドサーバに送信され、この計測値データに基づいて上記環境因子の制御値が算出されるように構成してもよい。この場合、第2のセンサによる計測値データをもクラウドサーバに送信することで、同種の環境因子センサについての計測値データによる制御を可能となる。
また、アクチュエータは複数個設けられ、制御値に基づいて各アクチュエータは制御されるように構成してもよい。複数個のアクチュエータは、それぞれ計測値データによる制御値に基づいて独立してまたは関連して制御されることで、より適切なハウス内環境の制御、すなわち育成環境を最適化することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、クラウドサーバに対してセンサによる計測値データを送信し、この計測値データに基づいて制御プログラムにより制御値を演算し、コントローラを介してアクチュエータを制御する。このため、センサやコントローラとのデータのやり取りにコンピュータを必要とせず、クラウドサーバのみで複数のセンサを含む農業ハウスにおいてもそのアクチュエータによる制御を適正に行うことが可能となる。
また、クラウドサーバの制御プログラムを更新するだけで、より効率的な装置制御を行うことも可能である。
さらに、クラウドサーバを用いることで、センサによる計測値データだけでなく、他の農業用ハウスでの計測値(炭酸ガス濃度)などを参考として当該ハウス内の環境因子を適切に制御することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この発明の一実施例に係るクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】この発明の一実施例に係るクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システムのセンサ適用例を説明するブロック図である。
【
図3】この発明の一実施例に係るクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システムのCPUの拡張例を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の一実施例に係るクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システムについて、以下、図面を参考にして説明する。この実施例にあっては、閉鎖空間の一例として農業ハウスを提示する。
図1に示すように、この発明の一実施例に係るクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システム10は、農業ハウス11内に子機である環境測定装置12と、同じく子機であるCO
2コントローラ13とを有して構成されている。これらの子機、環境測定装置12およびCO
2コントローラ13は同じくハウス内に設置された親機(サーバ)14を介してクラウドサーバ20にインターネット回線を介して接続されている。
環境測定装置12には各種センサ15、例えば湿度センサ、温度計、日照度計などが接続されているとともに、ハウス内の二酸化炭素の濃度を検出する第1のCO
2センサ16が接続されている。
CO
2コントローラ13においては、ハウス内の炭酸ガス濃度を計測する第2のCO
2センサ17が接続されているとともに、ハウス内にCO
2ガスを供給するCO
2発生機18が接続されている。これは例えばバーナなどで構成することができる。
また、クラウドサーバ20については上記親機14(ハウス内サーバ)を介してハウス内のCO
2センサ16,17に接続可能とされている。
【0018】
コントローラ13は、一般的な構成を有している。入出力部I/Oには、センサおよび制御対象となるアクチュエータが接続されている。そのCPU(MPU)は入力信号に基づいて制御プログラムにより所定の演算を行う。その出力は制御対象となるアクチュエータに出力されることとなる。
【0019】
すなわち、この実施例に係るクラウドサーバを用いた農業ハウスの内部環境制御システムにあっては、ハウス10内に環境測定装置12と、CO2コントローラ13とを配置してある。これは第1,第2のCO2センサ16,17が同一ハウス内に設置されていることを意味する。
この場合、このシステムにあっては、クラウドサーバ20を通じてこれらのセンサ情報(CO2濃度計測値の情報)を共有する。
CO2センサからの計測値情報は、無線により親機14を介してクラウドサーバ20に提供される。この計測値情報はクラウドサーバ20から親機14を介して環境測定装置12などに供給される。
【0020】
ハウス内のCO2濃度を制御する場合について説明する。すなわち、ハウスに2個のCO2センサを有する場合、これらのセンサからの2つの計測値をクラウドサーバにおいては平均し、目標値との差を求め(演算し制御値を求め)、単一のアクチュエータ(CO2発生器)に出力し、例えばそのon時間を制御する。または、センサ値が目標値となるまでフィードバック制御をかける。
【0021】
以上の結果、本システムにあっては、同一種のセンサ(例えばCO2センサ)をハウス内にて複数個設置する必要がなくなり、単一のセンサによる計測値を他の子機について用いることが容易となる。統一的な制御が可能となり、センサを単数化することでコスト削減効果も得られる。
また、ハウス外のクラウドサーバを用いることにより、ハウス内での各種のセンサを組み合わせた制御が可能となる。例えば当初は温度制御を目的としてハウス内制御装置を構築したとしても、後から湿度制御も併せて行うとした場合、このクラウドサーバを用いた制御システムにおいて、湿度センサは子機に対して接続することでこれが可能となる。このことはハウス内温度と湿度とを組み合わせた複合制御も可能とする。
さらには、このシステムによれば例えば当該ハウス外の隣接ハウスのセンサなどの情報を有効に活用することができる。ハウス栽培を開始した当初の作業者にとっても、その地域にて経験の深い農家の援助によりハウス栽培についての環境制御情報を得ることも容易となる。
なお、このシステムによれば、ハウス農家のみに限られることなく、各種の業態、例えば農林水産業、また二次産業である各種製造業にあってもこのシステムにより容易に事業を開始すること、操業を続行することも可能となる。センサにより得られた製造業、その他(例えばパン屋さん、レストランなど)での他社情報などを有効利用することができるからである。
【0022】
ここでは、コントローラ13の制御をon/offによる制御を例に挙げているが、よりコントローラ・アクチュエータの信頼性を高める(故障率を下げる)ために、負荷の高いon/offによる制御ではなく、変圧器による電圧の制御であってもよい。
【0023】
図2はクラウドサーバを用いた制御システムを示している。この例はクラウドサーバに対して子機1,子機2およびコントローラを接続したものであり、これらの子機1にはセンサBが、子機2にはセンサCが、さらにコントローラにはセンサAがそれぞれ接続されており、これらのセンサ情報はクラウドサーバに提供され、サーバでは必要な制御値を演算してこれらの機器に送信・制御する。このシステムにあっては。コントローラとセンサB,Cが接続された場合と同等の制御が可能となる。コントローラについてはそのセンサ、また、制御における拡張、追加などが容易となる。なお、クラウドサーバでの制御プログラムについても任意に追加、変更、拡張などができることを意味する。
【0024】
図3ではこのシステムでのCPUの演算能力の拡張について説明する。独立した子機による制御を行う従来の場合は、その仕様によりCPUでの演算能力に限界が生じることがあるが、
図3では、クラウドサーバに子機、親機、コントローラを接続することにより、CPUの演算能力を他のサーバ、親機などのCPU、TPUを使用することにより、その演算能力を飛躍的に増大させることが可能である。1の農園の複数のハウスの制御に限られず、複数の農園の環境制御を統一して行うなどの場合に、その制御値の演算を行う場合に有利である。これらはハウス単位、農家単位での制御についても、クラウドサーバを用いることにより、その環境制御が極めて容易になることを意味しており、その場合のコスト低減にも寄与している。
また、閉鎖空間の一例として例えば病室とすると、環境因子としては室内温度、湿度、病原菌(各種のウイルスを含む)濃度などを制御することとなる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
この発明は、農業ハウスを対象としたクラウドサーバを用いた農業ハウスの環境制御システムの技術として有用である。
【符号の説明】
【0026】
10 農業ハウスの環境制御システム、
11 農業ハウス、
12 環境測定装置、
13 CO2コントローラ、
14 親機、
16 CO2センサ、
17 CO2センサ、
18 CO2発生機、
20 クラウドサーバ。
【要約】
【課題】1の閉鎖空間での異なるセンサにより、安価で環境因子のコントロールを容易にする。
【解決手段】1の農業ハウス内のセンサ、他のセンサ、さらに他の農業ハウス内のセンサの各計測値に基づいて当該閉鎖空間内の温度、湿度、炭酸ガス濃度をコントロールすることがきわめて容易となる。センサ計測値をクラウドサーバに集約し、制御プログラムを実行することにより、制御値を算出する。この制御値に基づいて農業ハウス内のアクチュエータ、ヒータ、ミスト発生器などの運転状況をコントロールすることにより、目標とするハウス内環境を得ることとする。農業ハウス内環境に限られることなく、例えば野菜工場内部での環境因子を制御することもできる。さらには例えば病室環境を制御することもできる。温度、湿度の他、病原菌濃度等をコントロールすることもできる。患者の体調に合わせてこれらをコントロールする。
【選択図】
図1