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特許7072949戸籍解析プログラム及び戸籍解析システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】戸籍解析プログラム及び戸籍解析システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20220516BHJP
【FI】
G06Q50/18 320
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021143327
(22)【出願日】2021-09-02
【審査請求日】2021-09-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521389262
【氏名又は名称】株式会社COLORS
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】中村 章吾
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 慶
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-009499(JP,A)
【文献】特開2021-099627(JP,A)
【文献】特開2007-316902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸籍謄本の画像を示す戸籍画像を取得し、前記戸籍画像の解析を行って戸籍情報を生成する画像解析部、
前記戸籍情報を取得し、前記戸籍情報を記憶部に記憶させる情報取得部
記戸籍情報に基づいて、前記戸籍画像に含まれる人物のうちの選択された一人である被選択人を示す従前戸籍情報及び次戸籍情報の少なくとも一方が存在するか否かを判定する判定部、及び、
前記判定部による判定結果をユーザーに通知する通知部
としてコンピューターを機能させ、
前記記憶部は、複数の前記戸籍情報を蓄積し、
前記戸籍情報は、
前記戸籍謄本に関する情報を示す戸籍事項情報と、
前記戸籍画像に含まれる前記人物に関する情報を示す身分事項情報と
を含み、
前記従前戸籍情報は、前記戸籍情報の1つ前の戸籍情報を示し、
前記次戸籍情報は、前記戸籍情報の次の戸籍情報を示
前記画像解析部は、前記戸籍画像の解析の結果、前記戸籍画像に含まれる文字を示すテキストデータと、前記文字の配置を示す配置情報とを取得し、前記テキストデータ及び前記配置情報に基づいて戸籍事項欄を決定し、前記戸籍事項欄の記載内容を示す前記戸籍事項情報を生成する、戸籍解析プログラム。
【請求項2】
前記戸籍事項情報は、改製された戸籍謄本である旨の情報、戸籍謄本の改製日を示す情報、及び、改製理由が改製された理由を示す情報のうち、少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載の戸籍解析プログラム。
【請求項3】
前記画像解析部は、前記戸籍事項情報に基づいて、前記戸籍謄本の年式を判定し、前記年式に応じた前記戸籍事項欄及び身分事項欄に含まれる記載内容に基づいて、戸籍情報を生成し、
前記身分事項欄は、前記被選択人に関する情報が記載された領域を示す、請求項1又は請求項2に記載の戸籍解析プログラム。
【請求項4】
記従前戸籍情報及び前記次戸籍情報が前記記憶部に記憶されていない場合、
前記通知部は、前記従前戸籍情報及び前記次戸籍情報を前記ユーザーに通知する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の戸籍解析プログラム。
【請求項5】
前記判定部は、前記従前戸籍情報又は前記次戸籍情報に示す本籍地を特定し、
前記通知部は、前記本籍地を通知する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の戸籍解析プログラム。
【請求項6】
前記判定部は、前記記憶部に記憶された1以上の前記戸籍情報に基づいて、被相続人として選択された前記人物の配偶者と、第1順位の第1相続人、第2順位の第2相続人又は第3順位の第3相続人とを、それぞれ相続人として特定し、相続人戸籍情報として、前記1以上の戸籍情報のうち、前記配偶者と、前記第1相続人、前記第2相続人又は前記第3相続人とに関する前記戸籍情報をそれぞれ前記記憶部から取得し、
前記被相続人又は前記相続人をそれぞれ前記被選択人として、前記従前戸籍情報及び前記次戸籍情報の少なくとも一方が存在するか否かを判定する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の戸籍解析プログラム。
【請求項7】
前記被相続人と、前記相続人との関係を示す相続関係説明図を生成する生成部としてコンピューターを更に機能させ、
前記生成部は、被相続人戸籍情報として、前記1又は複数の戸籍情報のうち、前記被相続人に関する前記戸籍情報を前記記憶部から取得し、
前記被相続人戸籍情報及び前記判定部によって取得された相続人戸籍情報に基づいて、前記相続関係説明図を生成する、請求項に記載の戸籍解析プログラム。
【請求項8】
戸籍謄本の画像を示す戸籍画像を取得し、前記戸籍画像の解析を行って戸籍情報を生成する画像解析部と、
前記戸籍情報を取得し、前記戸籍情報を記憶部に記憶させる情報取得部と、
前記戸籍情報に基づいて、前記戸籍画像に含まれる人物のうちの選択された一人である被選択人を示す従前戸籍情報及び次戸籍情報の少なくとも一方が存在するか否かを判定する判定部と
前記判定部による判定結果をユーザーに通知する通知部と
を備え、
前記記憶部は、複数の前記戸籍情報を蓄積し、
前記戸籍情報は、
前記戸籍謄本に関する情報を示す戸籍事項情報と、
前記戸籍画像に含まれる前記人物に関する情報を示す身分事項情報と
を含み、
前記従前戸籍情報は、前記戸籍情報の1つ前の戸籍情報を示し、
前記次戸籍情報は、前記戸籍情報の次の戸籍情報を示
前記画像解析部は、前記戸籍画像の解析の結果、前記戸籍画像に含まれる文字を示すテキストデータと、前記文字の配置を示す配置情報とを取得し、前記テキストデータ及び前記配置情報に基づいて戸籍事項欄を決定し、前記戸籍事項欄の記載内容を示す前記戸籍事項情報を生成する、戸籍解析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸籍解析プログラム及び戸籍解析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の相続関係説明図の作成装置は、選択される専門用語の解説と、戸籍の様式と、戸籍に関する解説及び法律の解説を表示部に表示して、相続関係説明図作成の際の入力作業を補助する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-128892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の相続関係説明図の作成装置では、ユーザー自身が読み取り対象の戸籍の内容を読み取って必要事項を作成装置に対して入力する必要がある。また、相続関係説明図を作成するのに、読み取り対象の戸籍に対する前後の戸籍が必要になる場合がある。特許文献1の相続関係説明図の作成装置では、読み取り対象の戸籍に対する前後の戸籍が存在するか否かをユーザー自身で判断する必要がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、読み取り対象の戸籍に対する前後の戸籍が存在するか否かを容易に判別することが可能な戸籍解析プログラム及び戸籍解析システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る戸籍解析プログラムは、画像解析部、情報取得部、及び、判定部としてコンピューターを機能させる。前記画像解析部は、戸籍謄本の画像を示す戸籍画像を取得し、前記戸籍画像の解析を行って戸籍情報を生成する。前記情報取得部は、前記戸籍情報を取得し、前記戸籍情報を記憶部に記憶させる。前記判定部は、前記戸籍情報に基づいて、前記戸籍画像に含まれる人物のうちの選択された一人である被選択人を示す従前戸籍情報及び次戸籍情報の少なくとも一方が存在するか否かを判定する。前記記憶部は、複数の前記戸籍情報を蓄積する。前記戸籍情報は、前記戸籍謄本に関する情報を示す戸籍事項情報と、前記戸籍画像に含まれる前記人物に関する情報を示す身分事項情報とを含む。前記従前戸籍情報は、前記戸籍情報の1つ前の戸籍情報を示す。前記次戸籍情報は、前記戸籍情報の次の戸籍情報を示す。
【0007】
本発明の戸籍解析プログラムにおいて、前記画像解析部は、前記戸籍事項情報に基づいて、前記戸籍謄本の年式を判定することが好ましい。
【0008】
本発明の戸籍解析プログラムにおいて、前記判定部による判定結果をユーザーに通知する通知部としてコンピューターを更に機能させることが好ましい。前記従前戸籍情報及び前記次戸籍情報が前記記憶部に記憶されていない場合、前記通知部は、前記従前戸籍情報及び前記次戸籍情報を前記ユーザーに通知することが好ましい。
【0009】
本発明の戸籍解析プログラムにおいて、前記判定部は、前記記憶部に記憶された1以上の前記戸籍情報に基づいて、被相続人として選択された前記人物の配偶者と、第1順位の第1相続人、第2順位の第2相続人又は第3順位の第3相続人とを、それぞれ相続人として特定することが好ましい。前記判定部は、相続人戸籍情報として、前記1以上の戸籍情報のうち、前記配偶者と、前記第1相続人、前記第2相続人又は前記第3相続人とに関する前記戸籍情報をそれぞれ前記記憶部から取得することが好ましい。前記判定部は、前記被相続人又は前記相続人をそれぞれ前記被選択人として、前記従前戸籍情報及び前記次戸籍情報の少なくとも一方が存在するか否かを判定することが好ましい。
【0010】
本発明の戸籍解析プログラムにおいて、前記被相続人と、前記相続人との関係を示す相続関係説明図を生成する生成部としてコンピューターを更に機能させることが好ましい。前記生成部は、被相続人戸籍情報として、前記1又は複数の戸籍情報のうち、前記被相続人に関する前記戸籍情報を前記記憶部から取得することが好ましい。前記生成部は、前記被相続人戸籍情報及び前記判定部によって取得された相続人戸籍情報に基づいて、前記相続関係説明図を生成することが好ましい。
【0011】
本発明の他の局面に係る戸籍解析システムは、画像解析部と、情報取得部と、判定部とを備える。前記画像解析部は、戸籍謄本の画像を示す戸籍画像を取得し、前記戸籍画像の解析を行って戸籍情報を生成する。前記情報取得部は、前記戸籍情報を取得し、前記戸籍情報を記憶部に記憶させる。前記判定部は、前記戸籍情報に基づいて、前記戸籍画像に含まれる人物のうちの選択された一人である被選択人を示す従前戸籍情報及び次戸籍情報の少なくとも一方が存在するか否かを判定する。前記記憶部は、複数の前記戸籍情報を蓄積する。前記戸籍情報は、前記戸籍謄本に関する情報を示す戸籍事項情報と、前記戸籍画像に含まれる前記人物に関する情報を示す身分事項情報とを含む。前記従前戸籍情報は、前記戸籍情報の1つ前の戸籍情報を示す。前記次戸籍情報は、前記戸籍情報の次の戸籍情報を示す。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、読み取り対象の戸籍に対する前後の戸籍が存在するか否かを容易に判別することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る戸籍解析システムを含む戸籍入力システムを示す図である。
図2】本実施形態に係る戸籍解析システムの機能ブロック図である。
図3】本実施形態に係る平成6年式の戸籍謄本の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る昭和23年式の戸籍謄本の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る明治31年式の戸籍謄本の一例を示す図である。
図6】本実施形態に係る大正4年式の戸籍謄本の一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る相続関係説明図の一例を示す図である。
図8】本実施形態に係る戸籍判定方法を示すフローチャートである。
図9】本実施形態に係る戸籍入力システムにおける戸籍の年式判定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0015】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る戸籍解析システムを含む戸籍入力システムの構成について説明する。図1は、本実施形態に係る戸籍解析システムを含む戸籍入力システムを示す図である。図1に示すように、戸籍入力システム100は、情報処理装置1と、戸籍画像生成装置2と、ネットワーク3とを備える。情報処理装置1は、戸籍解析システム10を含む。
【0016】
情報処理装置1と戸籍画像生成装置2とは、ネットワーク3を介して通信を行うことができる。ネットワーク3は、例えば、LAN(Local Area Network)、無線LAN、携帯電話通信網、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)等のうちの少なくとも1つを含み得る。情報処理装置1は、ユーザーが使用する端末であり、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピューター、ノート型パーソナルコンピューター、タブレット端末、又はスマートフォンであり得る。
【0017】
戸籍画像生成装置2は、例えば、画像読取装置(スキャナー)21、カメラ22、スマートフォン23であり得る。戸籍画像生成装置2は、戸籍謄本の画像を示す戸籍画像を生成する。具体的には、画像読取装置21は、戸籍謄本R1を読み取り、戸籍謄本R1に形成されている画像(戸籍画像P1)を示す戸籍画像データを生成する。
【0018】
カメラ22及びスマートフォン23は、戸籍謄本R1の静止画を撮像して戸籍画像データを生成する。
【0019】
戸籍画像生成装置2は、ネットワーク3を介して戸籍画像データを情報処理装置1に送信する。
【0020】
情報処理装置1は、筐体11と、表示部12と、操作部13と、制御部14と、記憶部15とを備える。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等を含む。操作部13は、キーボード、マウス、トラックパッド等を含む。制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーを含む。記憶部15は、半導体メモリー及びハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置を含む。制御部14は、表示部12、操作部13及び記憶部15を制御する。記憶部15は、データ及びコンピュータープログラム等を記憶する。
【0021】
例えば、記憶部15は、戸籍解析プログラムを記憶する。制御部14は、戸籍解析プログラムを実行することで、戸籍解析システム10として機能する。戸籍解析システム10は、画像解析部101と、情報取得部102と、判定部103と、通知部104と、生成部105とを備える。具体的には、制御部14は、戸籍解析プログラムを実行することで、画像解析部101、情報取得部102、判定部103、通知部104、及び、生成部105として機能する。
【0022】
次に、図2を参照して、戸籍解析システム10について説明する。図2は、本実施形態に係る戸籍解析システムの機能ブロック図である。
【0023】
画像解析部101は、戸籍画像P1を取得し、戸籍画像P1の解析を行って戸籍情報J1を生成する。戸籍情報J1は、戸籍謄本R1に関する情報を示す戸籍事項情報JR1と、戸籍画像に含まれる人物に関する情報を示す身分事項情報JM1とを含む。
【0024】
情報取得部102は、画像解析部101によって生成された戸籍情報J1を取得する。また、情報取得部102は、戸籍情報J1を記憶部15に記憶させる。
【0025】
判定部103は、戸籍情報J1に基づいて、戸籍画像P1に含まれる人物のうちの選択された一人である被選択人H1を示す従前戸籍情報J1B及び次戸籍情報J1Aの少なくとも一方が存在するか否かを判定する。従前戸籍情報J1Bは、戸籍情報J1の1つ前の戸籍情報を示す。次戸籍情報J1Aは、戸籍情報J1の次の戸籍情報を示す。
【0026】
本実施形態では、戸籍解析システム10において、画像解析部101による戸籍画像の解析、及び判定部103による判定の結果、例えば戸籍に関する知識が乏しいユーザーでも、戸籍情報J1に対して、従前戸籍情報J1B及び次戸籍情報J1Aが存在するか否かを容易に判別することができる。したがって、読み取り対象の戸籍に対する前後の戸籍が存在するか否かを容易に判別することが可能となる。
【0027】
次に、図1図3を参照して、画像解析部101、情報取得部102、判定部103における各処理の詳細を説明する。図3は、本実施形態に係る平成6年式の戸籍謄本の一例を示す図である。
【0028】
以下、図3に示す平成6年式の戸籍謄本R1Aを例に、画像解析部101、情報取得部102、判定部103における各処理の詳細を説明する。図3は、戸籍謄本R1Aを示すとともに、戸籍画像P1Aを示す。
【0029】
画像解析部101は、戸籍画像生成装置2によって生成された戸籍謄本R1Aの画像を示す戸籍画像P1Aを取得する。具体的には、画像解析部101は、戸籍画像生成装置2から送信された戸籍画像P1Aを示す戸籍画像データを受信する。
【0030】
画像解析部101は、戸籍画像P1Aの解析を行って戸籍情報J1を生成する。具体的には、画像解析部101は、OCR(Optical Character Recognition)処理等を行なって、戸籍画像P1Aに含まれる文字を認識する。具体的には、画像解析部101は、OCR処理の結果、戸籍画像P1Aに含まれる文字をテキストデータとして取得する。また、画像解析部101は、戸籍画像P1Aにおける文字の配置を示す配置情報を取得する。配置情報は、例えば、戸籍画像P1Aに含まれる文字の向き及び位置を示す。
【0031】
画像解析部101は、認識した文字に基づいて、戸籍事項情報JR1A及び身分事項情報JM1Aを生成する。具体的には、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍事項情報JR1A及び身分事項情報JM1Aを生成する。
【0032】
戸籍画像P1Aの例では、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1Aにおける領域ER1Aが戸籍事項欄であり、領域ER1Aの記載内容を戸籍事項情報であると判定する。画像解析部101は、領域ER1Aの記載内容を示す戸籍事項情報JR1Aを生成する。
【0033】
具体的には、画像解析部101は、取得したテキストデータのうち、配置情報に基づいて、領域ER1Aから取得したテキストデータの一部又は全部を選択して戸籍事項情報JR1Aを生成する。つまり、戸籍事項情報JR1Aは、領域ER1Aから取得したテキストデータの一部又は全部である。
【0034】
例えば、戸籍事項情報JR1Aには、戸籍謄本R1Aが改製された戸籍謄本である旨の情報、戸籍謄本R1Aの改製日が「平成20年2月23日」である旨の情報、及び、改製理由が法令に基づく改製である旨の情報が含まれる。
【0035】
また、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1Aにおける領域ER2Aが身分事項欄であり、領域ER2Aの記載内容を身分事項情報であると判定する。
【0036】
また、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1Aにおける領域EHAが筆頭者事項欄であり、領域EHAの記載内容を筆頭者情報であると判定する。
【0037】
画像解析部101は、領域EHAの記載内容を示す筆頭者情報JHAを生成する。筆頭者情報JHAは、戸籍謄本R1Aの筆頭者が「山田 太朗」であることを示す。
【0038】
画像解析部101は、領域ER2Aの記載内容を示す身分事項情報JM1Aを生成する。
【0039】
戸籍画像P1Aの例では、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、領域ER2Aに領域ER21A及び領域ER22Aが含まれると判定する。画像解析部101は、戸籍画像P1Aに2つの身分事項欄が含まれると判定する。
【0040】
画像解析部101は、領域ER21Aが第1身分事項欄であり、領域ER21Aの記載内容を第1身分事項情報であると判定する。第1身分事項欄の記載内容は、戸籍画像P1Aに含まれる人物のうちの一人の身分事項情報である。例えば、第1身分事項欄の記載内容は、戸籍謄本R1Aの筆頭者に関する情報である。
【0041】
画像解析部101は、領域ER22Aが第2身分事項欄であり、領域ER22Aの記載内容を第2身分事項情報であると判定する。第1身分事項欄の記載内容は、戸籍画像P1Aに含まれる人物のうち、筆頭者以外の一人の身分事項情報である。
【0042】
画像解析部101は、領域ER21Aの記載内容を示す第1身分事項情報JM11Aと、領域ER22Aの記載内容を示す第2身分事項情報JM12Aとを含む身分事項情報JM1Aを生成する。
【0043】
具体的には、画像解析部101は、取得したテキストデータのうち、筆頭者情報JHAと配置情報とに基づいて、領域ER21Aから取得したテキストデータの一部又は全部を選択して第1身分事項情報JM11Aを生成する。
【0044】
例えば、第1身分事項情報には、領域ER22Aの記載内容が筆頭者に関する情報である旨の情報、筆頭者の「名前」、「生年月日」、「父」及び「母」等を示す情報が含まれる。
【0045】
また、画像解析部101は、取得したテキストデータのうち、筆頭者情報JHAと配置情報とに基づいて、領域ER22Aから取得したテキストデータの一部又は全部を選択して第2身分事項情報JM12Aを生成する。
【0046】
例えば、第2戸籍事項情報には、領域ER22Aの記載内容が筆頭者の配偶者に関する情報である旨の情報、配偶者の「名前」、「生年月日」、「父」及び「母」等を示す情報が含まれる。
【0047】
情報取得部102は、画像解析部101によって生成された戸籍事項情報JR1A及び身分事項情報JM1Aを取得し、記憶部15に記憶させる。記憶部15には、複数の戸籍事項情報JR1A及び身分事項情報JM1Aが蓄積される。
【0048】
例えば、情報取得部102は、取得した身分事項情報JM1Aに基づいて、戸籍画像P1Aに含まれる1又は複数の人物を特定する。図3の例では、情報取得部102は、「山田 太朗」と「山田 花子」とを特定する。
【0049】
情報取得部102は、特定した「山田 太朗」と「山田 花子」とが表示される選択画面を生成し、選択画面を表示部12に表示する処理を行う。選択画面は、判定部103による従前戸籍情報J1B及び次戸籍情報J1Aの少なくとも一方が存在するか否かの判定対象をユーザーに選択させるための画面である。
【0050】
例えば、ユーザーは、表示部12に表示された選択画面に従い、戸籍画像P1Aに含まれる1又は複数の人物のうちから1人の人物を選択する。具体的には、ユーザーは、操作部13を介して、複数の人物のうちから1人の人物を選択する選択指示を、情報処理装置1に対して入力する。
【0051】
判定部103は、入力された選択指示に従い、被選択人H1を設定する。一例として、筆頭者である「山田 太朗」が被選択人H1に設定された場合を説明する。
【0052】
判定部103は、記憶部15に蓄積された複数の戸籍事項情報JR1A及び身分事項情報JM1Aに基づいて、被選択人H1を示す従前戸籍情報J1B及び次戸籍情報J1Aの少なくとも一方が存在するか否かを判定する。
【0053】
例えば、判定部103は、記憶部15に蓄積された複数の戸籍事項情報JR1A及び身分事項情報JM1Aのうち、戸籍事項情報JR1A及び第1身分事項情報JM11Aに基づいて、「山田 太朗」を示す従前戸籍情報J1B及び次戸籍情報J1Aの少なくとも一方が存在するか否かを判定する。
【0054】
具体的には、戸籍謄本R1Aが改製された戸籍謄本である旨の情報が戸籍事項情報JR1Aに含まれることから、判定部103は、「山田 太朗」を示す従前戸籍情報J1Bが存在すると判定する。
【0055】
また、第1身分事項情報JM11Aに「除籍」の文字がないことから、判定部103は、「山田 太朗」を示す次戸籍情報J1Aが存在しないと判定する。
【0056】
仮に、第1身分事項情報JM11Aに「除籍」の文字がある場合、判定部103は、「山田 太朗」を示す次戸籍情報J1Aが存在すると判定する。
【0057】
ただし、第1身分事項情報JM11Aに「除籍」及び「死亡」の文字がある場合、「山田 太朗」を示す次戸籍情報J1Aが存在しないと判定する。
【0058】
通知部104は、判定部103による判定結果をユーザーに通知する。例えば、通知部104は、判定部103による判定結果を示す判定結果画面を生成し、判定結果画面を表示部12に表示する処理を行う。
【0059】
本実施形態において、画像解析部101は、平成6年式の形式の戸籍謄本の解析も可能である。例えば、画像解析部101は、戸籍事項情報に基づいて、戸籍謄本の年式を判定する。したがって、古い形式の戸籍謄本の解析を容易に行うことができる。
【0060】
次に、図1図6を参照して、画像解析部101による戸籍謄本の年式の判定を説明する。図4は、本実施形態に係る昭和23年式の戸籍謄本の一例を示す図である。図5は、本実施形態に係る明治31年式の戸籍謄本の一例を示す図である。図6は、本実施形態に係る大正4年式の戸籍謄本の一例を示す図である。
【0061】
画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1A(戸籍謄本R1A)に含まれる文字が縦書きであるか、横書きであるかを判定する。画像解析部101は、戸籍画像P1Aに含まれる文字が横書きである場合、戸籍画像P1A(戸籍謄本R1A)の年式を平成6年式であると判定する。
【0062】
例えば、図4に示す昭和23年式の戸籍謄本R1Bに形成されている戸籍画像P1Bが生成された場合、画像解析部101は、戸籍画像P1B(戸籍謄本R1B)に含まれる文字が縦書きであると判定し、戸籍画像P1B(戸籍謄本R1B)の年式が平成6年式以外であると判定する。
【0063】
次に、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1B(戸籍謄本R1B)に戸籍事項欄の領域ER1Bが含まれるか否かを判定する。
【0064】
画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、領域ER1Bが戸籍事項欄であると判定すると、戸籍画像P1B(戸籍謄本R1B)の年式を昭和23年式であると判定する。
【0065】
画像解析部101は、平成6年式の場合と同様、領域ER1Bの記載内容を示す戸籍事項情報JR1Bを生成する。
【0066】
また、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1Bにおける領域ER2Bが身分事項欄であり、領域ER2Bの記載内容を身分事項情報であると判定する。
【0067】
また、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1Bにおける領域EHBが筆頭者事項欄であり、領域EHBの記載内容を筆頭者情報であると判定し、領域EHBの記載内容を示す筆頭者情報JHBを生成する。
【0068】
次に、画像解析部101は、領域ER2Aの記載内容を示す身分事項情報JM2Bを生成する。詳細には、画像解析部101は、領域ER21B、領域ER22B、及び領域ER23Bの記載内容を、それぞれ、第1身分事項情報JM21B、第2身分事項情報JM22B及び第3身分事項情報JM23Bとして生成する。
【0069】
また、例えば、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1Bに「改製原戸籍」の文字が含まれると判定すると、戸籍謄本R1Bが「改製原戸籍」である旨の戸籍事項情報JR2Bを生成する。
【0070】
情報取得部102は、画像解析部101によって生成された戸籍事項情報JR1B、戸籍事項情報JR2B、第1身分事項情報JM21B、第2身分事項情報JM22B及び第3身分事項情報JM23Bを取得し、記憶部15に記憶させる。記憶部15には、第1身分事項情報JM21B、第2身分事項情報JM22B及び第3身分事項情報JM23Bが蓄積される。
【0071】
一方、画像解析部101は、領域ER1Bが戸籍事項欄であると判定できない場合、戸籍画像(戸籍謄本)の年式を昭和23年式以外の年式であると判定する。
【0072】
例えば、図5に示す明治31年式の戸籍謄本R1Cに形成されている戸籍画像P1Cが生成された場合、画像解析部101は、戸籍画像P1C(戸籍謄本R1C)に含まれる文字が縦書きであると判定し、更に、領域ER1Bが戸籍事項欄であると判定できないため、戸籍画像P1C(戸籍謄本R1C)の年式が平成6年式及び昭和23年式以外の年式であると判定する。
【0073】
次に、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1C(戸籍謄本R1C)に特別事項欄及び特別事項情報ES1が含まれるか否かを判定する。
【0074】
画像解析部101は、取得したテキストデータに「戸主ト為リタル原因及ビ年月日」の文字が含まれる場合、戸籍画像P1C(戸籍謄本R1C)に特別事項欄及び特別事項情報ES1が含まれると判定し、戸籍画像P1C(戸籍謄本R1C)の年式を明治31年式であると判定する。明治31年式の戸籍謄本R1Cでは、戸籍事項情報は、1人目の戸籍事項欄に含まれる。
【0075】
画像解析部101は、戸籍画像P1C(戸籍謄本R1C)の年式を明治31年式であると判定すると、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、領域ER2Cが身分事項欄であると判定する。
【0076】
また、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1Cにおける領域EHCが筆頭者(戸主)事項欄であり、領域EHCの記載内容を筆頭者(戸主)情報であると判定し、領域EHCの記載内容を示す筆頭者情報JHCを生成する。
【0077】
画像解析部101は、領域ER2Cのうち、領域ER21Cの記載内容から、第1身分事項情報JM21Cと、戸籍事項情報JR1Cとを抽出して生成する。
【0078】
また、画像解析部101は、領域ER22C、領域ER23C、領域ER24C、及び領域ER25Cの記載内容を、それぞれ、第2身分事項情報JM22C、第3身分事項情報JM23C、第4身分事項情報JM24C及び第5身分事項情報JM25Cとして生成する。
【0079】
情報取得部102は、画像解析部101によって生成された戸籍事項情報JR1C、第1身分事項情報JM21C、第2身分事項情報JM22C、第3身分事項情報JM23C、第4身分事項情報JM24C及び第5身分事項情報JM25Cを取得し、記憶部15に記憶させる。記憶部15には、戸籍事項情報JR1C、第1身分事項情報JM21C、第2身分事項情報JM22C、第3身分事項情報JM23C、第4身分事項情報JM24C及び第5身分事項情報JM25Cが蓄積される。
【0080】
一方、例えば、図6に示す大正4年式の戸籍謄本R1Cに形成されている戸籍画像P1Dが生成された場合、画像解析部101は、取得したテキストデータに特別事項情報ES1が含まれると判定できないため、戸籍画像P1D(戸籍謄本R1D)の年式が平成6年式、昭和23年式及び明治31年式のいずれでもなく、大正4年式であると判定する。
【0081】
大正4年式の戸籍謄本R1Cの記載内容は、特別事項情報ES1以外、明治31年式の戸籍謄本R1Cの記載内容と同じである。画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1Dにおける領域EHDが筆頭者(戸主)事項欄であり、領域EHDの記載内容を筆頭者(戸主)情報であると判定し、領域EHDの記載内容を示す筆頭者情報JHDを生成する。
【0082】
画像解析部101は、領域ER2Dのうち、領域ER21Dの記載内容から、第1身分事項情報JM21Dと、戸籍事項情報JR1Dとを抽出して生成する。
【0083】
また、画像解析部101は、領域ER22D及び領域ER23Dの記載内容を、それぞれ、第2身分事項情報JM22D及び第3身分事項情報JM23Dとして生成する。
【0084】
情報取得部102は、画像解析部101によって生成された戸籍事項情報JR1D、第1身分事項情報JM21D、第2身分事項情報JM22D及び第3身分事項情報JM23Dを取得し、記憶部15に記憶させる。記憶部15には、戸籍事項情報JR1D、第1身分事項情報JM21D、第2身分事項情報JM22D及び第3身分事項情報JM23Dが蓄積される。
【0085】
判定部103は、記憶部15に蓄積された複数の戸籍情報J1に基づいて、被選択人H1を示す従前戸籍情報J1B及び次戸籍情報J1Aの少なくとも一方が存在するか否かを判定する。
【0086】
例えば、判定部103は、従前戸籍情報J1B又は次戸籍情報J1Aが存在すると判定すると、従前戸籍情報J1B又は次戸籍情報J1Aが記憶部15に記憶されているか否かを判定する。
【0087】
具体的には、判定部103は、被選択人H1を示す戸籍情報J1と、記憶部15に蓄積された複数の戸籍情報を照合し、被選択人H1を示す従前戸籍情報J1B及び次戸籍情報J1Aを特定する。
【0088】
判定部103が従前戸籍情報J1B及び次戸籍情報J1Aを特定できた場合、通知部104は、被選択人H1を示す戸籍謄本が充足している旨をユーザーに通知する。具体的には、通知部104は、判定部103による判定結果として、戸籍謄本が充足を示す画面を生成し、表示部12に表示する処理を行う。
【0089】
一方、判定部103が従前戸籍情報J1B又は次戸籍情報J1Aを特定できない場合、通知部104は、特定できなかった従前戸籍情報J1B又は次戸籍情報J1Aが存在する旨をユーザーに通知する。したがって、被選択人H1を示す戸籍謄本の過不足をユーザーが容易に判別できる。
【0090】
例えば、判定部103は、従前戸籍情報J1B又は次戸籍情報J1Aを特定できない場合、被選択人H1を示す戸籍情報J1に基づいて、従前戸籍情報J1B又は次戸籍情報J1Aに示す「本籍地」を特定する。
【0091】
通知部104は、例えば、従前戸籍情報J1B又は次戸籍情報J1Aが存在する旨とともに、従前戸籍情報J1B又は次戸籍情報J1Aに示す「本籍地」を示す画面を生成し、表示部12に表示する処理を行う。
【0092】
[相続人の特定]
本実施形態において、被選択人H1を民法に規定する被相続人として、相続人を特定することができる。相続人は、被選択人H1の配偶者と、民法に規定する第1順位の相続人である第1相続人、第2順位の相続人である第2相続人又は第3順位の相続人である第3相続人とである。
【0093】
具体的には、判定部103は、記憶部15に記憶された1以上の戸籍情報に基づいて、被相続人として選択された被選択人H1の相続人を特定する。
【0094】
例えば、ユーザーは、操作部13を介して、被選択人H1を被相続人として選択する指示を、情報処理装置1に対して入力する。判定部103は、入力された指示に従い、選択された被選択人H1を被相続人として設定する。
【0095】
例えば、判定部103は、被選択人H1を示す戸籍情報J1と、記憶部15に蓄積された複数の戸籍情報を照合し、被選択人H1の配偶者を特定する。判定部103は、記憶部15に蓄積された複数の戸籍情報のうち、配偶者に関する戸籍情報J2を、相続人戸籍情報として抽出して取得する。
【0096】
同様に、判定部103は、被選択人H1を示す戸籍情報J1と、記憶部15に蓄積された複数の戸籍情報を照合し、第1相続人を特定する。判定部103は、記憶部15に蓄積された複数の戸籍情報のうち、第1相続人に関する戸籍情報J3を、相続人戸籍情報として抽出して取得する。
【0097】
第1相続人が存在しない場合、判定部103は、被選択人H1を示す戸籍情報J1と、記憶部15に蓄積された複数の戸籍情報を照合し、第2相続人を特定する。判定部103は、記憶部15に蓄積された複数の戸籍情報のうち、第2相続人に関する戸籍情報J4を、相続人戸籍情報として抽出して取得する。
【0098】
第1相続人及び第2相続人が存在しない場合、判定部103は、被選択人H1を示す戸籍情報J1と、記憶部15に蓄積された複数の戸籍情報を照合し、第3相続人を特定する。判定部103は、記憶部15に蓄積された複数の戸籍情報のうち、第3相続人に関する戸籍情報J5を、相続人戸籍情報として抽出して取得する。
【0099】
判定部103は、相続人をそれぞれ被選択人として、従前戸籍情報及び次戸籍情報の少なくとも一方が存在するか否かを判定する。したがって、被相続人を起点とした相続関係説明図を作成するために必要な戸籍謄本の過不足を容易に判定できる。
【0100】
[相続関係説明図の生成]
生成部105は、被相続人と、相続人との関係を示す相続関係説明図を生成する。
【0101】
次に、図2及び図7を参照して、相続関係説明図の生成を説明する。図7は、本実施形態に係る相続関係説明図の一例を示す図である。
【0102】
例えば、ユーザーは、操作部13を介して、被相続人として選択された被選択人H1を起点とした相続関係説明図を作成する作成指示を、情報処理装置1に対して入力する。生成部105は、入力された作成指示に従い、相続関係説明図を作成する。
【0103】
具体的には、生成部105は、記憶部15に蓄積された複数の戸籍情報のうち、被選択人H1に関する戸籍情報J6を被相続人戸籍情報として取得する。
【0104】
また、生成部105は、判定部103によって取得された相続人戸籍情報を取得する。生成部105は、被相続人戸籍情報及び相続人戸籍情報に基づいて、例えば図7に示す相続関係説明図T1を生成する。したがって、相続関係説明図を容易に作成できる。
【0105】
相続関係説明図T1は、被相続人戸籍情報(戸籍情報J6)及び相続人戸籍情報を含む。相続人戸籍情報は、戸籍情報J2及び戸籍情報J3である。戸籍情報J3は、戸籍情報J3A及び戸籍情報J3Bを含む。
【0106】
戸籍情報J2と戸籍情報J6との間には、2重線が配置される。2重線は婚姻関係を示す。戸籍情報J2と戸籍情報J6との間及び戸籍情報J3の間には、1重線が配置される。2重線は親子関係を示す。
【0107】
次に、図8を参照して、本発明の実施形態に係る戸籍判定方法について説明する。図8は、本実施形態に係る戸籍判定方法を示すフローチャートである。
【0108】
画像解析部101は、戸籍画像P1Aを取得する(ステップS11)。
【0109】
画像解析部101は、戸籍画像P1の解析を行って戸籍情報J1を生成する(ステップS12)。
【0110】
情報取得部102は、画像解析部101によって生成された戸籍情報J1を取得し、記憶部15に記憶させる(ステップS13)。
【0111】
判定部103は、ユーザーによって入力された戸籍画像P1Aに含まれる1又は複数の人物のうちから1人の人物を選択する選択指示に従い、被選択人H1を設定する(ステップS14)。
【0112】
判定部103は、戸籍情報J1に基づいて、被選択人H1を示す従前戸籍情報J1Bが存在するか否かを判定する(ステップS15)。
【0113】
従前戸籍情報J1Bが存在する場合(ステップS15でYes)、判定部103は、従前戸籍情報J1Bが記憶部15に記憶されているか否かを判定する(ステップS16)。
【0114】
従前戸籍情報J1Bが記憶部15に記憶されていない場合(ステップS16でNo)、通知部104は、従前戸籍情報J1Bが存在する旨をユーザーに通知する(ステップS17)。戸籍解析システム10において、新たな戸籍画像が読み取られると、画像解析部101は、新たな戸籍画像を取得する(ステップS11)。
【0115】
一方、従前戸籍情報J1Bが記憶部15に記憶されている場合(ステップS16でYes)、判定部103は、戸籍情報J1に基づいて、被選択人H1を示す次戸籍情報J1Aが存在するか否かを判定する(ステップS18)。
【0116】
また、従前戸籍情報J1Bが存在しない場合(ステップS15でNo)、判定部103は、戸籍情報J1に基づいて、被選択人H1を示す次戸籍情報J1Aが存在するか否かを判定する(ステップS18)。
【0117】
次戸籍情報J1Aが存在する場合(ステップS18でYes)、判定部103は、次戸籍情報J1Aが記憶部15に記憶されているか否かを判定する(ステップS19)。
【0118】
次戸籍情報J1Aが記憶部15に記憶されていない場合(ステップS19でNo)、通知部104は、次戸籍情報J1Aが存在する旨をユーザーに通知する(ステップS20)。戸籍解析システム10において、新たな戸籍画像が読み取られると、画像解析部101は、新たな戸籍画像を取得する(ステップS11)。
【0119】
一方、次戸籍情報J1Aが記憶部15に記憶されている場合(ステップS16でYes)、通知部104は、被選択人H1を示す戸籍謄本が充足している旨をユーザーに通知する(ステップS21)。戸籍判定方法は、終了する。
【0120】
また、次戸籍情報J1Aが存在しない場合(ステップS18でNo)、通知部104は、被選択人H1を示す戸籍謄本が充足している旨をユーザーに通知する(ステップS21)。戸籍判定方法は、終了する。
【0121】
なお、ステップS15~S17と、ステップS18~S20とは、順番が入れ替わってもよい。
【0122】
次に、図9を参照して、本発明の実施形態に係る戸籍入力システムにおける戸籍の年式判定方法について説明する。図9は、本実施形態に係る戸籍入力システムにおける戸籍の年式判定方法を示すフローチャートである。
【0123】
画像解析部101は、戸籍画像の解析の結果、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像に含まれる文字が縦書きであるか否かを判定する(ステップS31)。
【0124】
戸籍画像P1Aに含まれる文字が横書きである場合(ステップS31でYes)、画像解析部101は、戸籍画像の年式を平成6年式であると判定する(ステップS32)。
【0125】
一方、戸籍画像P1Aに含まれる文字が縦書きである場合(ステップS31でNo)、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像に戸籍事項欄が含まれるか否かを判定する(ステップS33)。
【0126】
戸籍画像に戸籍事項欄が含まれる場合(ステップS33でYes)、画像解析部101は、戸籍画像の年式を昭和23年式であると判定する(ステップS34)。
【0127】
一方、戸籍画像に戸籍事項欄が含まれない場合(ステップS33でNo)、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像に特別事項欄が含まれるか否かを判定する(ステップS35)。
【0128】
戸籍画像に特別事項欄が含まれる場合(ステップS35でYes)、画像解析部101は、戸籍画像の年式を明治31年式であると判定する(ステップS36)。
【0129】
一方、戸籍画像に特別事項欄が含まれない場合(ステップS35でNo)、画像解析部101は、戸籍画像の年式を大正4年式であると判定する(ステップS37)。
【0130】
本実施形態において、戸籍解析システム10は、情報処理装置1に含まれる構成としたが、これに限らず、戸籍解析システム10は、各部が複数の装置に分散された構成であってもよい。
【0131】
本実施形態において、画像解析部101は、戸籍画像生成装置2から送信された戸籍画像データを受信して戸籍画像P1Aを取得する構成としたが、これに限らず、例えば、画像解析部101は、記憶部15に記憶された戸籍画像P1Aを取得する構成であってもよい。
【0132】
以上、図面(図1図9)を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0133】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、画像解析の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0135】
1 :情報処理装置
2 :戸籍画像生成装置
3 :ネットワーク
10 :戸籍解析システム
15 :記憶部
100 :戸籍入力システム
101 :画像解析部
102 :情報取得部
103 :判定部
104 :通知部
105 :生成部
H1 :被選択人
J1~J6、J3A、J3B :戸籍情報
J1A :次戸籍情報
J1B :従前戸籍情報
JM1、JM1A、JM2B :身分事項情報
JR1、JR1A、JR1B、JR1C、JR1D、JR2B :戸籍事項情報
P1、P1A、P1B、P1C、P1D :戸籍画像
R1、R1A、R1B、R1C、R1D :戸籍謄本
T1 :相続関係説明図
【要約】
【課題】読み取り対象の戸籍に対する前後の戸籍が存在するか否かを容易に判別する。
【解決手段】戸籍解析プログラムは、画像解析部101、情報取得部102、及び判定部103としてコンピューターを機能させる。画像解析部101は、戸籍画像P1を取得し、解析を行って戸籍情報J1を生成する。情報取得部102は、戸籍情報J1を取得し記憶部15に記憶させる。判定部103は、戸籍情報J1に基づいて、戸籍画像P1に含まれる被選択人H1を示す従前戸籍情報J1B及び次戸籍情報J1Aの少なくとも一方が存在するかを判定する。記憶部15は、複数の戸籍情報を蓄積する。戸籍情報J1は、戸籍謄本R1に関する情報を示す戸籍事項情報JR1Aと、戸籍画像P1に含まれる人物に関する情報を示す身分事項情報JM1Aとを含む。従前戸籍情報J1Bは、戸籍情報J1の1つ前の戸籍情報を示す。次戸籍情報J1Aは、戸籍情報J1の次の戸籍情報を示す。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9