(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】燃焼設備
(51)【国際特許分類】
F23N 5/00 20060101AFI20220516BHJP
【FI】
F23N5/00 J
(21)【出願番号】P 2020209171
(22)【出願日】2020-12-17
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】川端 健介
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-023820(JP,A)
【文献】特開昭57-202428(JP,A)
【文献】特開平04-283313(JP,A)
【文献】特開昭59-212622(JP,A)
【文献】特開昭57-166416(JP,A)
【文献】特開2016-008803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23N 5/00
F23N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気供給管を通して供給される空気と、燃料供給管を通して供給される燃料ガスとを所望の割合になるように混合させて、バーナーにより燃焼させる燃焼設備において、前記の燃料供給管に均圧弁を設け、この均圧弁に前記の空気供給管から導圧管を通して空気を導くと共に、前記のバーナーにより燃焼された後の燃焼排ガス中における酸素濃度を検出する酸素センサーを設け、前記の酸素センサーによって検出された燃焼排ガス中における酸素濃度に基づいて、前記の空気供給管から導圧管を通して前記の均圧弁に導かれる空気の圧力を制御する空気比制御装置を設け
ると共に、前記のバーナーに空気を供給する前記の空気供給管の途中の位置に空気の流量を制御する流量制御弁を設け、この流量制御弁の上流側の位置に設けた第1導圧管と、流量制御弁の下流側の位置に設けた第2導圧管と、前記の均圧弁に空気を導く第3導圧管とを三方調整弁に接続させ、前記の空気比制御装置により前記の三方調整弁を調整して、前記の第3導圧管を通して前記の均圧弁に導かれる空気の圧力を制御することを特徴とする燃焼設備。
【請求項2】
請求項1に記載の燃焼設備において、空気をバーナーに供給する前記の空気供給管の途中の位置に、前記の空気を加熱させる加熱装置を設けたことを特徴とする燃焼設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気供給管を通して供給される空気と、燃料供給管を通して供給される燃料ガスとを所望の割合になるように混合させて、バーナーにより燃焼させる燃焼設備に関するものである。特に、バーナーにおける燃焼状態を検知して、バーナーに供給する空気と燃料ガスとが所望の割合になるように簡単な機構により調整できるようにし、バーナーに導かれる空気の温度が変化した場合等においても、空気と燃料ガスとが所望の割合になるようにして空気比を調整し、良好な燃焼状態が簡単に得られるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、空気供給管を通して供給される空気と、燃料供給管を通して供給される燃料ガスとを混合させてバーナーにより燃焼させるにあたり、バーナーにおいて良好な燃焼状態を維持させるため、バーナーに供給する空気と燃料ガスとが適切な割合になるように調整し、供給する空気の空気量と、燃料ガスを完全燃焼させるために必要な理論空気量との比である空気比(空気量/理論空気量)が適切な(所望の)値になるようにして燃焼させることが行われている。
【0003】
そして、従来においては、特許文献1に示されているように、流量係数と開度の関係が既知の燃料制御弁の開度の測定値と、流量係数と開度の関係が既知の燃焼空気制御弁の開度の測定値と、流量係数が既知のバーナーに供給される燃料の供給温度及び供給圧力の測定値と、上記バーナーに供給される空気の供給温度及び供給圧力の測定値と、炉内温度の測定値と、炉内圧力の測定値とをバーナー制御装置に入力し、上記バーナー制御装置により、炉内温度の測定値と設定値との偏差からバーナーの燃焼量を決定し、決定されたバーナーの燃焼量を維持する燃料流量と空気流量に対応する燃料制御弁及び空気制御弁の開度を、予め設定された空気比を維持するように複合絞り演算により演算し、燃料制御弁及び空気制御弁の開度の測定値が上記複合絞り演算により求めた燃料制御弁及び空気制御弁の開度の演算値と一致するよう各制御弁の開度を調整して燃料及び空気の流量を制御するようにしたものが提案されている。
【0004】
しかし、特許文献1に示されるように燃料及び空気の流量を制御して、空気比が適切な値になるようにする操作は非常に困難かつ面倒であり、また設備コストも高くつくなどの問題があった。
【0005】
また、特許文献2においては、空気を空気流量調整機構で流量調整してバーナーに供給する空気供給ラインと、バーナーに燃料ガスを供給する燃料ガス供給ラインとを備えたガス燃焼装置において、燃料ガス供給ラインに均圧弁を設け、前記の空気供給ラインにおける空気流量調整機構より下流に設けたパイロット圧取得部より均圧空気を前記の均圧弁に導いて、空気比が制御された予混合ガスをバーナーで燃焼させるようにしたものが示されている。
【0006】
しかし、特許文献2に示されるものにおいては、前記の空気や燃料ガスの温度が変化して、これらの体積が変化した場合には、空気比を一定に保つことができないという問題があった。
【0007】
また、特許文献3においては、バーナーに空気を供給する空気流路に固定オリフィスを設けると共に、バーナーに燃料を供給する燃料流路に開口面積を変化させられる可変オリフィスを設け、前記の燃料流路における可変オリフィスの上流側に、その位置における燃料の圧力を前記の空気流路における固定オリフィスの上流側における空気の圧力と等しい圧力にする第1均圧弁を設けると共に、前記の燃料流路における可変オリフィスの下流側の位置における燃料の圧力を前記の空気流路における固定オリフィスの下流側における空気の圧力と等しい圧力にする第2均圧弁を設け、前記の空気流路における燃焼空気の温度を検出する空気温度検出器を設け、この空気温度検出器が検出した温度に応じて、制御装置により前記の可変オリフィスの開口面積を制御するようにしたバーナー燃焼装置が示されている。
【0008】
ここで、特許文献3に示されるバーナー燃焼装置においては、前記の空気温度検出器により検出した空気流路における空気の温度に応じて、制御装置によって可変オリフィスの開口面積を制御し、これにより空気比を一定に保つようにしているが、この場合、2つの均圧弁やその間に可変オリフィスを設け、空気温度検出器によって検出した空気流路における空気の温度に基づいて、前記の可変オリフィスの開口面積を制御することが必要になり、装置の構造が複雑になって設備コストが高くつくと共に、その制御も複雑になるなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許4234309号公報
【文献】特開2010-230279号公報
【文献】特開2012-189299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、空気供給管を通して供給される空気と、燃料供給管を通して供給される燃料ガスとを所望の割合になるように混合させて、バーナーにより燃焼させる燃焼設備における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0011】
すなわち、本発明は、前記のような燃焼設備において、バーナーに供給する空気と燃料ガスとが所望の割合になるように簡単な機構により調整できるようにし、バーナーに導かれる空気の温度が変化した場合等においても、空気と燃料ガスとが所望の割合になるようにして空気比を調整し、良好な燃焼状態が簡単に得られるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る燃焼設備においては、前記のような課題を解決するため、空気供給管を通して供給される空気と、燃料供給管を通して供給される燃料ガスとを所望の割合になるように混合させて、バーナーにより燃焼させる燃焼設備において、前記の燃料供給管に均圧弁を設け、この均圧弁に前記の空気供給管から導圧管を通して空気を導くと共に、前記のバーナーにより燃焼された後の燃焼排ガス中における酸素濃度を検出する酸素センサーを設け、前記の酸素センサーによって検出された燃焼排ガス中における酸素濃度に基づいて、前記の空気供給管から導圧管を通して前記の均圧弁に導かれる空気の圧力を制御する空気比制御装置を設けると共に、前記のバーナーに空気を供給する前記の空気供給管の途中の位置に空気の流量を制御する流量制御弁を設け、この流量制御弁の上流側の位置に設けた第1導圧管と、流量制御弁の下流側の位置に設けた第2導圧管と、前記の均圧弁に空気を導く第3導圧管とを三方調整弁に接続させ、前記の空気比制御装置により前記の三方調整弁を調整して、前記の第3導圧管を通して前記の均圧弁に導かれる空気の圧力を制御するようにした。
【0013】
そして、本発明の燃焼設備においては、前記のようにバーナーにより燃焼された後の燃焼排ガス中における酸素濃度を酸素センサーによって検出し、検出された燃焼排ガス中の酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御装置により、空気供給管から導圧管を通して前記の均圧弁に導かれる空気の圧力を制御して、バーナーに空気供給管を通して供給する空気の量と、燃料供給管を通して供給する燃料ガスの量とを調整する。
【0014】
このようにすると、空気供給管からバーナーに供給される空気の温度が変化した場合等においても、前記の酸素センサーによって検出された燃焼排ガス中の酸素濃度に基づいて制御するので、空気や燃料ガスの温度が変化しても、バーナーに供給させる空気の量と燃料ガスの量とを適切な量に調整することが簡単に行えるようになる。
【0015】
ここで、本発明の燃焼設備においては、前記の空気比制御装置により、空気供給管から導圧管を通して前記の均圧弁に導かれる空気の圧力を調整して、バーナーに空気供給管を通して供給される空気の量と、燃料供給管を通して供給される燃料ガスの量とを制御するにあたって、前記のようにバーナーに空気を供給する前記の空気供給管の途中の位置に空気の流量を制御する流量制御弁を設け、この流量制御弁の上流側の位置に設けた第1導圧管と、流量制御弁の下流側の位置に設けた第2導圧管と、前記の均圧弁に空気を導く第3導圧管とを三方調整弁に接続させ、前記の空気比制御装置により前記の三方調整弁を調整して、前記の第3導圧管を通して前記の均圧弁に導かれる空気の圧力を制御するようにした。
【0017】
また、本発明の燃焼設備においては、空気をバーナーに供給する前記の空気供給管の途中の位置に、前記の空気を加熱させる加熱装置を設け、この加熱装置によって加熱された空気を、バーナーに供給して燃焼させるようにすることができる。
【0018】
ここで、前記のようにバーナーに供給する空気を加熱装置によって加熱させた場合においても、本発明の燃焼設備においては、前記のようにバーナーにより燃焼された後の燃焼排ガス中における酸素濃度を酸素センサーによって検出し、検出された燃焼排ガス中の酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御装置により、空気供給管から導圧管を通して前記の均圧弁に導かれる空気の圧力を制御して、バーナーに空気供給管を通して供給する空気の量と、燃料供給管を通して供給する燃料ガスの量とを調整させるようにしたため、空気や燃料ガスの温度が変化しても、空気と燃料ガスとが所望の割合になるように調整することが簡単に行えるようになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明における燃焼設備においては、前記のようにバーナーにより燃焼された後の燃焼排ガス中における酸素濃度を酸素センサーによって検出し、検出された燃焼排ガス中の酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御装置により、空気供給管から導圧管を通して前記の均圧弁に導かれる空気の圧力を制御して、バーナーに空気供給管を通して供給する空気の量と、燃料供給管を通して供給する燃料ガスの量とを調整するようにしたため、空気供給管からバーナーに供給される空気の温度が変化した場合等においても、バーナーに供給させる空気の量と燃料ガスの量とを適切な量に調整することが簡単に行えるようになる。
【0020】
この結果、本発明における燃焼設備においては、従来の燃焼設備に比べて、バーナーに供給する空気と燃料ガスとが所望の割合になるように簡単な機構により調整することができ、バーナーに導かれる空気の温度が変化した場合等においても、空気と燃料ガスとが所望の割合になるようにして空気比を調整し、良好な燃焼状態が簡単に得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態1に係る燃焼設備において、バーナーに空気を供給する空気供給管の途中の位置に空気の流量を制御する流量制御弁を設け、この流量制御弁の上流側の位置に設けた第1導圧管と、流量制御弁の下流側の位置に設けた第2導圧管と、均圧弁に空気を導く第3導圧管とを三方調整弁に接続させ、空気比制御装置により前記の三方調整弁を調整して、第3導圧管を通して燃料供給管に設けた均圧弁に導かれる空気の圧力を制御する状態を示した概略説明図である。
【
図2】前記の実施形態1における燃焼設備において、空気をバーナーに導く空気供給管に空気を加熱させる加熱装置を設けるにあたり、(A)は加熱装置を前記の流量制御弁より上流側の位置に設けた状態を示した概略説明図、(B)は加熱装置を前記の流量制御弁の下流側の位置に設けた状態を示した概略説明図である。
【
図3】本発明の
参考形態に係る燃焼設備において、バーナーに空気を供給する空気供給管の途中の位置に空気の流量を制御する流量制御弁を設け、この流量制御弁の上流側の位置に空気を均圧弁に導く導圧管を設けると共に、この導圧管の途中の位置に、導圧管を通して均圧弁に導かれる空気の圧力を調整する圧力調整弁を設け、空気比制御装置により前記の圧力調整弁を調整して、前記の導圧管を通して前記の均圧弁に導かれる空気の圧力を制御する状態を示した概略説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る燃焼設備を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る燃焼設備は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0023】
(実施形態1)
実施形態1における燃焼設備においては、
図1に示すように、バーナー10に、空気供給管20を通して空気を供給すると共に、燃料供給管30を通して燃料ガスを供給し、このように供給された空気と燃料ガスとを所望の割合になるように混合させて、これを前記のバーナー10により炉1内において燃焼させるようにしている。なお、この実施形態においては、空気と燃料ガスとを混合させて、これをバーナー10により炉1内において燃焼させるようにしたが、燃焼させる場所は特に限定されず、図示していないが、ラジアントチューブ内で燃焼させるようにすることも可能である。
【0024】
また、この実施形態1においては、前記の空気供給管20の途中の位置に、バーナー10に供給する空気の流量を制御する流量制御弁21を設ける一方、前記の燃料供給管30の途中の位置に均圧弁31を設けている。
【0025】
ここで、空気供給管20の途中に設けた前記の流量制御弁21により、空気供給管20を通してバーナー10に供給される空気の流量を制限しない全開の状態では、前記の流量制御弁21の上流側における空気の圧力Pa1と流量制御弁21の下流側における空気の圧力Pa2とが一致する(Pa1=Pa2)が、流量制御弁21により、空気供給管20を通してバーナー10に供給される空気の流量を減少させた場合には、前記の流量制御弁21の上流側における空気の圧力Pa1よりも流量制御弁21の下流側における空気の圧力Pa2が低くなる(Pa1>Pa2)。
【0026】
そして、この実施形態1においては、前記の空気供給管20において、前記の流量制御弁21よりも上流側の位置に第1導圧管41aを設け、この第1導圧管41aを電動式の三方調整弁42の第1ポート42aに接続させ、この第1導圧管41aを通して圧力Pa1の空気を第1ポート42aに送るようにすると共に、前記の流量制御弁21よりも下流側の位置に第2導圧管41bを設け、この第2導圧管41bを前記の三方調整弁42の第2ポート42bに接続させ、この第2導圧管41bを通して圧力Pa2の空気を第2ポート42bに送るようにし、また第3導圧管41cを前記の三方調整弁42の第3ポート42cと前記の均圧弁31との間に設け、前記の三方調整弁42によって所定の圧力Pa3に調整した空気を前記の均圧弁31に送るようにしている。
【0027】
このとき、第3導圧管41cの下流は、均圧弁31の内部のダイアグラム(図示せず)で閉止されているので、空気は流れずに圧力だけが伝達する。
【0028】
三方調整弁42は、第3ポート42cが第1ポート42a、第2ポート42bと連通しており、内部の弁板(図示せず)は中間位置で停止ができるようになっている。それにより、第3ポート42cの開度(100%)に対する第1ポート42aの開度(0~100%)と、第2ポート42bの開度(100~0%)の割合を変化できる。
【0029】
ここで、このように第3導圧管41cから均圧弁31に対して所定の圧力Pa3に調整した空気を送ると、前記の燃料供給管30を通して均圧弁31に送られる燃料ガスの圧力Pg1が前記の均圧弁31によって均圧化され、この均圧弁31の下流側における燃料供給管30を通してバーナー10に送られる燃料ガスの圧力Pg2が、前記の第3導圧管41cから均圧弁31に送られる圧力Pa3と同じ圧力(Pg2=Pa3)になる。
【0030】
また、この実施形態1においては、前記のように空気と燃料ガスとを混合させてバーナー10により炉1内で燃焼させた後の燃焼排ガス中における酸素濃度を検出する酸素センサー51を設け、この酸素センサー51によって検出された燃焼排ガス中における酸素濃度を空気比制御装置50に出力するようにしている。
【0031】
そして、この実施形態1において、空気供給管20を通してバーナー10に送られる空気の圧力Pa2と、燃料供給管30を通してバーナー10に送られる燃料ガスの圧力Pg2とを調整して、バーナー10に送られる空気比を適切な値に制御するにあたっては、前記の酸素センサー51により検出された燃焼排ガス中における酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御装置50により前記の三方調整弁42を制御し、前記の第1ポート42aと第2ポート42bとに接続された第3ポート42cから第3導圧管41cを通して均圧弁31に導かれる空気の圧力Pa3を調整して、燃料供給管30を通してバーナー10に送られる燃料ガスの圧力Pg2を調整するようにしている。なお、前記の圧力Pa1、圧力Pa2、圧力Pa3、圧力Pg2の関係は、前記の流量制御弁21による流量の制限を行わない全開の場合を含めると、Pa1≧Pa3(=Pg2)≧Pa2の関係になる。
【0032】
三方調整弁42の作用としては、圧力の高いPa1と圧力の低いPa2とを混ぜ合わせる割合を調整することによってPa3の圧力を変化させることができ、簡単な構造で圧力の調整ができる。
【0033】
ここで、前記の酸素センサー51により検出される燃焼排ガス中における酸素濃度が低くなるように、バーナー10に送られる空気と燃料ガスの割合を変更させて空気比を低くする場合には、前記の空気比制御装置50により前記の三方調整弁42を制御し、前記の第1導圧管41aを通して圧力Pa1の空気を、第1ポート42aから第3ポート42cを通して第3導圧管41cに導く割合を増加させる一方、前記の第2導圧管41bを通して圧力Pa2の空気を、第2ポート42bから第3ポート42cを通して第3導圧管41cに導く割合を減少させて、前記の第3導圧管41cを通して前記の均圧弁31に送られる空気の圧力Pa3を高くし、これにより燃料供給管30を通してバーナー10に送られる燃料ガスの圧力Pg2を高くして、バーナー10に送られる燃料ガスの割合を多くする。
【0034】
一方、前記の酸素センサー51により検出される燃焼排ガス中における酸素濃度が高くなるように、バーナー10に送られる空気と燃料ガスの割合を変更させて空気比を高くする場合には、前記の空気比制御装置50により前記の三方調整弁42を制御し、前記の第1導圧管41aを通して圧力Pa1の空気を、第1ポート42aから第3ポート42cを通して第3導圧管41cに導く割合を減少させる一方、前記の第2導圧管41bを通して圧力Pa2の空気を、第2ポート42bから第3ポート42cを通して第3導圧管41cに導く割合を増加させて、前記の第3導圧管41cを通して前記の均圧弁31に送られる空気の圧力Pa3を低くし、これにより燃料供給管30を通してバーナー10に送られる燃料ガスの圧力Pg2を低くして、バーナー10に送られる燃料ガスの割合を少なくする。
【0035】
このため、この実施形態1の燃焼設備においては、酸素センサー51によって検出された燃焼排ガス中の酸素濃度に基づいて、前記のようにしてバーナー10に供給させる空気の量と燃料ガスの量とを適切な量に調整することが簡単に行えるようになる。
【0036】
また、この実施形態1の燃焼設備において、燃料ガスを効率の良く燃焼させるため、
図2(A),(B)に示すように、バーナー10に空気を供給する空気供給管20における前記の流量制御弁21の上流側や下流側の位置に熱交換器等の加熱装置23を設け、この加熱装置23によりバーナー10に供給する空気を加熱させるようにすることができる。
【0037】
この場合、加熱装置23による加熱により空気の体積が増加し、体積あたりの酸素量が少なくなる。そのため、バーナー10に加熱しない空気を供給した場合に比べると、加熱した空気は同体積においてバーナー10に供給される酸素の量が少なくなる。すると、燃焼排ガス中の体積あたりの酸素濃度が低下(すなわち空気比が低下)してしまう。
【0038】
しかし、実施形態1の燃焼設備においては、前記のように酸素センサー51によって検出された燃焼排ガス中における酸素濃度に基づいて、バーナー10に供給させる空気の量と燃料ガスの量を調整する。
【0039】
例えば、上記のように空気比が低下した場合は、三方調整弁42の調整によって燃料ガスの圧力を下げてバーナー10に供給する燃料ガスの量を減らし、空気比を高くさせようとすることによって空気比が一定に保たれる。
【0040】
それにより、空気が膨張して体積が増加しても、空気と燃料ガスとが適切な割合になるように空気比を調整して、良好な燃焼状態が簡単に得られるようになる。
【0041】
(
参考形態)
参考形態における燃焼設備においても、
図3に示すように、前記の実施形態1における燃焼設備と同様に、バーナー10に、空気供給管20を通して空気を供給すると共に、燃料供給管30を通して燃料ガスを供給し、このように供給された空気と燃料ガスとを所望の割合になるように混合させて、前記のバーナー10により炉1内において燃焼させるようにしている。
【0042】
また、この参考形態においても、前記の空気供給管20の途中の位置に、バーナー10に供給する空気の流量を制御する流量制御弁21を設ける一方、前記の燃料供給管30の途中の位置に均圧弁31を設けており、前記の実施形態1の場合と同様に、空気供給管20の途中に設けた前記の流量制御弁21により、空気供給管20を通してバーナー10に供給される空気の流量を制限しない全開の状態では、前記の流量制御弁21の上流側における空気の圧力Pa1と流量制御弁21の下流側における空気の圧力Pa2とが一致する(Pa1=Pa2)が、流量制御弁21により、空気供給管20を通してバーナー10に供給される空気の流量を減少させた場合には、前記の流量制御弁21の上流側における空気の圧力Pa1よりも流量制御弁21の下流側における空気の圧力Pa2が低くなる(Pa1>Pa2)。
【0043】
そして、この参考形態においては、前記の空気供給管20における前記の流量制御弁21よりも上流側の位置に、この空気供給管20から空気を前記の均圧弁31に送る導圧管41を設けると共に、この導圧管41によって圧力Pa1の空気を前記の均圧弁31に送る途中の位置に、圧力調整弁43が設けられた排気管44を設け、導圧管41を通して均圧弁31に送られる空気を、この排気管44を通して排気させる量を前記の圧力調整弁43によって調整して、前記の導圧管41を通して均圧弁31に送られる空気の圧力Pa3を制御するようにしている。このようにすると、前記の燃料供給管30を通して均圧弁31に送られる燃料ガスの圧力Pg1が前記の均圧弁31によって均圧化され、この均圧弁31の下流側における燃料供給管30を通してバーナー10に送られる燃料ガスの圧力Pg2が、前記の第3導圧管41cから均圧弁31に送られる圧力Pa3と同じ圧力(Pg2=Pa3)になる。
【0044】
また、この参考形態においても、前記のように空気と燃料ガスとを混合させてバーナー10により炉1内で燃焼させた後の燃焼排ガス中における酸素濃度を検出する酸素センサー51を設け、この酸素センサー51によって検出された燃焼排ガス中における酸素濃度を空気比制御装置50に出力するようにしている。
【0045】
そして、この参考形態において、空気供給管20を通してバーナー10に送られる空気の圧力Pa2と、燃料供給管30を通してバーナー10に送られる燃料ガスの圧力Pg2とを調整して、バーナー10に送られる空気比を適切な値に制御するにあたっては、前記の酸素センサー51により検出された燃焼排ガス中における酸素濃度に基づいて、前記の空気比制御装置50により前記の圧力調整弁43を制御して、前記の排気管44を通して排気させる空気の量を調整して均圧弁31に送られる圧力Pa3を制御し、燃料供給管30を通してバーナー10に送られる燃料ガスの圧力Pg2を調整するようにしている。なお、前記の圧力Pa1、圧力Pa2、圧力Pa3、圧力Pg2の関係は、前記の流量制御弁21による流量の制限を行わない全開の場合を含めると、Pa1≧Pa3(=Pg2)≧Pa2の関係になる。
【0046】
三方調整弁42の作用としては、一定圧で供給されている空気の圧力Pa1の一部を放出する量を調整することによってPa3の圧力を変化させることができ、簡単な構造で圧力の調整ができる。
【0047】
ここで、前記の酸素センサー51により検出される燃焼排ガス中における酸素濃度が低くなるように、バーナー10に送られる空気と燃料ガスの割合を変更させて空気比を低くする場合には、前記の空気比制御装置50により前記の圧力調整弁43を制御して、前記の排気管44を通して排気させる空気の量を減少させ、前記の導圧管41を通して前記の均圧弁31に送られる空気の圧力Pa3を高くし、これにより燃料供給管30を通してバーナー10に送られる燃料ガスの圧力Pg2を高くして、バーナー10に送られる燃料ガスの割合を多くする。
【0048】
一方、前記の酸素センサー51により検出される燃焼排ガス中における酸素濃度が高くなるように、バーナー10に送られる空気と燃料ガスの割合を変更させて空気比を高くする場合には、前記の空気比制御装置50により前記の圧力調整弁43を制御して、前記の排気管44を通して排気させる空気の量を増加させ、前記の導圧管41を通して前記の均圧弁31に送られる空気の圧力Pa3を低くし、これにより燃料供給管30を通してバーナー10に送られる燃料ガスの圧力Pg2を低くして、バーナー10に送られる燃料ガスの割合を少なくする。
【0049】
このため、この参考形態の燃焼設備においても、前記の実施形態1の燃焼設備と同様に、酸素センサー51によって検出された燃焼排ガス中の酸素濃度に基づいて、前記のようにしてバーナー10に供給させる空気の量と燃料ガスの量とを適切な量に調整することが簡単に行えるようになる。
【0050】
また、この参考形態の燃焼設備において、図示していないが、前記の実施形態1の燃焼設備と同様に、燃料ガスを効率の良く燃焼させるため、バーナー10に空気を供給する空気供給管20における前記の流量制御弁21の上流側や下流側の位置に熱交換器等の加熱装置23を設け、この加熱装置23によりバーナー10に供給する空気を加熱させるようにすることができる。
【0051】
この場合、加熱装置23による加熱により空気の体積が増加し、体積あたりの酸素量が少なくなる。そのため、バーナー10に加熱しない空気を供給した場合に比べると、加熱した空気は同体積においてバーナー10に供給される酸素の量が少なくなる。すると、燃焼排ガス中の体積あたりの酸素濃度が低下(すなわち空気比が低下)してしまう。
【0052】
しかし、参考形態の燃焼設備においては、前記のように酸素センサー51によって検出された燃焼排ガス中における酸素濃度に基づいて、バーナー10に供給させる空気の量と燃料ガスの量を調整する。
【0053】
例えば、上記のように空気比が低下した場合は、三方調整弁42の調整によって燃料ガスの圧力を下げてバーナー10に供給する燃料ガスの量を減らし、空気比を高くさせようとすることによって空気比が一定に保たれる。
【0054】
それにより、空気が膨張して体積が増加しても、空気と燃料ガスとが適切な割合になるように空気比を調整して、良好な燃焼状態が簡単に得られるようになる。
【符号の説明】
【0055】
1 :炉
10 :バーナー
20 :空気供給管
21 :流量制御弁
23 :加熱装置
30 :燃料供給管
31 :均圧弁
41 :導圧管
41a :第1導圧管
41b :第2導圧管
41c :第3導圧管
42 :三方調整弁
42a :第1ポート
42b :第2ポート
42c :第3ポート
43 :圧力調整弁
44 :排気管
50 :空気比制御装置
51 :酸素センサー
【要約】
【課題】 バーナーにおける燃焼状態を検知し、簡単に燃焼用空気と燃料ガスとが所望の割合になるように調整して、良好な燃焼状態を維持できるようにする。
【解決手段】 空気供給管20を通して供給される空気と、燃料供給管30を通して供給される燃料ガスとを混合させて、バーナー10により燃焼させる燃焼設備において、燃料供給管に均圧弁31を設け、この均圧弁に空気供給管から導圧管41を通して空気を導くと共に、バーナーにより燃焼された後の燃焼排ガス中における酸素濃度を検出する酸素センサー51を設け、酸素センサーによって検出された燃焼排ガス中における酸素濃度に基づいて、空気供給管から導圧管を通して前記の均圧弁に導かれる空気の圧力を制御する空気比制御装置50を設けた。
【選択図】
図1