(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】切断補助器具及び構造物の切断方法
(51)【国際特許分類】
E21D 9/01 20060101AFI20220516BHJP
E21D 11/40 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
E21D9/01
E21D11/40 Z
(21)【出願番号】P 2018106582
(22)【出願日】2018-06-04
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000216025
【氏名又は名称】鉄建建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 満
(72)【発明者】
【氏名】本田 諭
(72)【発明者】
【氏名】大塚 隆人
(72)【発明者】
【氏名】丸子 文之
(72)【発明者】
【氏名】小泉 秀之
(72)【発明者】
【氏名】堤 直之
(72)【発明者】
【氏名】長尾 達児
(72)【発明者】
【氏名】竹田 茂嗣
(72)【発明者】
【氏名】栗栖 基彰
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 隆
【審査官】三笠 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-163892(JP,A)
【文献】特開2005-059384(JP,A)
【文献】特開2014-201931(JP,A)
【文献】特開平07-329052(JP,A)
【文献】特開平11-030359(JP,A)
【文献】特開平06-088496(JP,A)
【文献】特開平09-287299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 1/00-19/06
23/00-23/26
B28D 1/00- 7/04
E04G 23/00-23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮力がかかる構造物を
切断機の刃で切断する際に用いる切断補助器具であって、
前記構造物を切断する仮想線上に形成された孔に挿入され、前記仮想線を挟むように配置される一対の外側くさび部材と、
前記一対の外側くさび部材の間に挿入され、前記一対の外側くさび部材を前記孔の内壁面に向けて押圧する内側くさび部材と、
を備え
、
前記内側くさび部材によって前記一対の外側くさび部材が前記孔の内壁面に向けて押圧されて、前記仮想線部分にかかる圧縮力が緩和された状態で、前記切断機を用い、前記仮想線に沿って前記構造物を切断することを可能にするように構成されていることを特徴とする切断補助器具。
【請求項2】
前記一対の外側くさび部材は、前記内側くさび部材を挟む内側面の間隔が先端側ほど狭くなるように、前記孔の奥側に配される先端側ほど厚く形成されており、
前記一対の外側くさび部材の外側面は、前記孔の内壁面の形状に対応する形状を有し、その内壁面に密接可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切断補助器具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の切断補助器具を用いた構造物の切断方法であって、
構造物を切断する仮想線上に複数の孔を形成する工程と、
前記複数の孔に前記一対の外側くさび部材を設置する工程と、
前記一対の外側くさび部材の間に前記内側くさび部材を圧入する工程と、
前記仮想線に沿って前記構造物を切断する工程と、
を有することを特徴とする構造物の切断方法。
【請求項4】
前記仮想線に沿って前記構造物を切断する過程で前記孔部分を切断する場合、前記孔から前記切断補助器具を一旦外し、前記孔部分を切断した後、再度その孔に前記切断補助器具を設置することを特徴とする請求項3に記載の構造物の切断方法。
【請求項5】
前記仮想線に沿って移動しつつ前記構造物を切断する切断機を使用する場合、
前記切断機の移動方向前方に近付いた前記孔から前記切断補助器具を一旦外し、前記切断機が通過した後、再度その孔に前記切断補助器具を設置することを特徴とする請求項3に記載の構造物の切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮力がかかる構造物を切断する際に用いる切断補助器具及びその切断補助器具を用いた構造物の切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のセグメントをボルトで連結してなる円筒状の一次覆工と、その一次覆工の内側に形成したコンクリート製の二次覆工とによって構築されたトンネルを解体する場合に、そのトンネルの内側から一次覆工及び二次覆工を円弧状のピースに切断して、それらピースを搬出撤去する解体装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、シールド工法によって複数のセグメントを組み上げて構築したシールドトンネルには、そのトンネル軸方向に高い圧縮力が導入されている。
このシールドトンネルなどのように圧縮力が導入されて、圧縮力がかかっている構造物を解体するのに切断しようとしても、切断機の刃が構造物の切断面間に挟まれてしまい、切断作業効率が低下することがあったり、場合によっては切断不能になったりすることがあった。
そこで、本発明者らが鋭意検討して、高い圧縮力がかかる構造物であっても切断するのを可能にする技術を開発するに至った。
【0005】
本発明の目的は、圧縮力がかかる構造物であっても好適な切断を可能にする切断補助器具及び切断補助器具を用いた構造物の切断方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本出願に係る一の発明は、
圧縮力がかかる構造物を切断する際に用いる切断補助器具であって、
前記構造物を切断する仮想線上に形成された孔に挿入され、前記仮想線を挟むように配置される一対の外側くさび部材と、
前記一対の外側くさび部材の間に挿入され、前記一対の外側くさび部材を前記孔の内壁面に向けて押圧する内側くさび部材と、
を備えるようにした。
【0007】
上記目的を達成するため、本出願に係る一の発明は、
圧縮力がかかる構造物を切断機の刃で切断する際に用いる切断補助器具であって、
前記構造物を切断する仮想線上に形成された孔に挿入され、前記仮想線を挟むように配置される一対の外側くさび部材と、
前記一対の外側くさび部材の間に挿入され、前記一対の外側くさび部材を前記孔の内壁面に向けて押圧する内側くさび部材と、
を備え、
前記内側くさび部材によって前記一対の外側くさび部材が前記孔の内壁面に向けて押圧されて、前記仮想線部分にかかる圧縮力が緩和された状態で、前記切断機を用い、前記仮想線に沿って前記構造物を切断することを可能にするように構成されているようにした。
【0008】
また、望ましくは、
前記一対の外側くさび部材は、前記内側くさび部材を挟む内側面の間隔が先端側ほど狭くなるように、前記孔の奥側に配される先端側ほど厚く形成されており、
前記一対の外側くさび部材の外側面は、前記孔の内壁面の形状に対応する形状を有し、その内壁面に密接可能に形成されているようにする。
【0009】
このような形状の一対の外側くさび部材を有する切断補助器具であれば、孔の内壁面を良好に押圧することができるので、圧縮力がかかる構造物をより好適に切断することができる。
【0010】
また、本出願に係る他の発明は、
請求項1又は2に記載の切断補助器具を用いた構造物の切断方法であって、
構造物を切断する仮想線上に複数の孔を形成する工程と、
前記複数の孔に前記一対の外側くさび部材を設置する工程と、
前記一対の外側くさび部材の間に前記内側くさび部材を圧入する工程と、
前記仮想線に沿って前記構造物を切断する工程と、
を有するようにした。
【0011】
かかる構成の構造物の切断方法であれば、構造物に形成した複数の孔に設置した切断補助器具の一対の外側くさび部材が孔の内壁面を押圧し、仮想線と交差する方向に孔を押し広げるような拡張力をかけることで、構造物の仮想線部分にかかる圧縮力を緩和することができるので、好適に構造物を切断することができる。
【0012】
また、望ましくは、
前記仮想線に沿って前記構造物を切断する過程で前記孔部分を切断する場合、前記孔から前記切断補助器具を一旦外し、前記孔部分を切断した後、再度その孔に前記切断補助器具を設置するようにする。
【0013】
こうすることで、構造物を切断した箇所にかかる圧縮力を切断前と同様に緩和することができるので、より好適に構造物を切断することができる。
【0014】
また、望ましくは、
前記仮想線に沿って移動しつつ前記構造物を切断する切断機を使用する場合、
前記切断機の移動方向前方に近付いた前記孔から前記切断補助器具を一旦外し、前記切断機が通過した後、再度その孔に前記切断補助器具を設置するようにする。
【0015】
こうすることで、構造物を切断した箇所にかかる圧縮力を切断前と同様に緩和することができ、その切断面間に切断機の刃(ブレード)が挟まれてしまうことを防ぎ易くなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、圧縮力がかかる構造物であっても好適に切断することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態の切断補助器具を示す概略図であり、内側くさび部材を挿入する前の側面図(a)と、内側くさび部材を挿入した後の側面図(b)と、
図1(b)のc-c線における断面図(c)である。
【
図2】本実施形態の切断補助器具を示す概略側面図であり、内側くさび部材を引き抜く態様を示している。
【
図3】切断補助器具を使用して構造物を切断する手順に関する上面視した説明図(a)(b)である。
【
図4】切断補助器具を使用して構造物を切断する手順に関する説明図であり、側面視したもの(a)と、上面視したもの(b)である。
【
図5】切断補助器具を使用して構造物を切断する手順に関する説明図であり、側面視したもの(a)と、上面視したもの(b)である。
【
図6】構造物であるシールドトンネルを示す概略斜視図(a)と、シールドトンネルをその軸方向と交差する方向に切断する場合の一例を示す説明図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る切断補助器具とその切断補助器具を用いた構造物の切断方法の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0019】
切断補助器具は、圧縮力がかかっている構造物を切断する場合に、その切断箇所での圧縮力を低減するために、構造物に設置して使用する器具である。
本実施形態では、シールド工法によって複数のセグメントを組み上げて構築した構造物であるシールドトンネルTを切断する場合を例に説明する。
図6(a)は、シールドトンネルTを示す概略斜視図であり、
図6(b)は、シールドトンネルTをその軸方向と交差する方向にウォールソーCで切断する場合の一例を示す説明図である。
シールドトンネルTには、そのトンネル軸方向に高い圧縮力が導入されているので、
図6(a)に示す仮想線Lに沿って、シールドトンネルTをその軸方向(長手方向)と交差する方向に切断する場合に、切断補助器具をシールドトンネルTに設置して使用する。シールドトンネルTをその軸方向に切断する場合(
図6(a)に示す仮想線Laに沿って切断する場合)には切断補助器具を使用しなくてもよい。
なお、シールドトンネルTをその軸方向と交差する方向に2箇所の仮想線Lで切断し、その間の切断ピースを撤去すれば、シールドトンネルTに導入されていた圧縮力(軸力)が抜けるので、少なくともこの2箇所の切断に切断補助器具を使用することになる。
つまり、シールドトンネルTをその軸方向と交差する方向に切断する場合でも、2箇所の仮想線L間の切断ピースを撤去した後であれば、
図6(a)に示す仮想線Lbに沿って切断する場合には切断補助器具を使用しなくてもよい。
【0020】
本実施形態の切断補助器具100は、例えば、
図1(a)(b)(c)に示すように、構造物(ここではシールドトンネルT)を切断する仮想線L上に形成された孔Hに挿入され、仮想線Lを挟むように配置される一対の外側くさび部材10と、一対の外側くさび部材10の間に挿入され、一対の外側くさび部材10を孔Hの内壁面に向けて押圧する内側くさび部材20と、一対の外側くさび部材10を接近/離間可能に保持している架台30等を備えている。
【0021】
一対の外側くさび部材10は、例えば、金属製の部材であり、内側くさび部材20を挟む内側面の間隔が先端側ほど狭くなるように、孔Hの奥側に配される先端側ほど厚く形成されている。
また、一対の外側くさび部材10の外側面は、孔Hの内壁面に密接する形状に形成されている。
具体的には、
図1(c)に示すように、外側くさび部材10は、その外側面が円筒状の孔Hの内壁面に密接可能な曲面に形成された断面視略半円形状を呈する部材であり、その先端側ほど断面積が大きくなる態様に形成されている。
なお、外側くさび部材10の内側面は、平坦な傾斜面に形成されている。
【0022】
架台30は、例えば、金属製の部材であり、後述するセンターホールジャッキ50が据え付けられる支持台部31と、支持台部31に上端が固定されている一対の板状脚部32と、板状脚部32の下端に固定されている連結部33とを備えている。
【0023】
支持台部31の中央には、後述する引き抜きボルト51が挿通される貫通孔31aが設けられている。
一対の板状脚部32は、復元可能な可撓性を有しており、その下端の連結部33を接近/離間させることができる。
連結部33には、外側くさび部材10がボルト33aによって固定されている。
この連結部33を介して一対の板状脚部32に連結されている一対の外側くさび部材10は、互いに接離可能になっている。
【0024】
内側くさび部材20は、例えば、金属製の部材であり、下端側の先端ほど厚みが薄くなるテーパー形状を有している。
この内側くさび部材20は、その両側面を一対の外側くさび部材10の内側面に密接させて、一対の外側くさび部材10の間に嵌合するようになっている。
なお、内側くさび部材20の上端部には、後述する引き抜きボルト51を螺着するためのボルト穴20aが設けられている。
【0025】
このような切断補助器具100は、構造物であるシールドトンネルTを切断する仮想線L上に形成された孔Hに設置して使用される。
具体的には、
図1(a)に示すように、シールドトンネルTに形成された孔Hに一対の外側くさび部材10を挿入した後、
図1(b)に示すように、一対の外側くさび部材10の間に内側くさび部材20をハンマーなどで打ち込むように挿入して設置される。
このとき、
図1(c)に示すように、一対の外側くさび部材10は、仮想線Lを挟む配置に設置されているので、一対の外側くさび部材10の間に内側くさび部材20が打ち込まれたことで、一対の外側くさび部材10は互いに離間し仮想線Lから離れる向きに付勢されており、孔Hの内壁面に向けて押圧されている。
この一対の外側くさび部材10が孔Hの内壁面を押圧する拡張力が、シールドトンネルTにかかっている圧縮力に抗するように作用し、シールドトンネルTにかかる圧縮力を緩和するようにしている。
【0026】
また、一対の外側くさび部材10の間に打ち込んだ内側くさび部材20を引き抜く場合は、例えば、
図2に示すように、内側くさび部材20のボルト穴20aに引き抜きボルト51を螺着するとともに、架台30の支持台部31にセンターホールジャッキ50が据え付け、そのセンターホールジャッキ50によって引き抜きボルト51を引き上げるようにして、内側くさび部材20を引き抜くようにする。
一対の外側くさび部材10の間から内側くさび部材20を引き抜けば、孔Hから一対の外側くさび部材10を抜き出すことができる。
【0027】
次に、本実施形態の切断補助器具100を用いた構造物(シールドトンネルT)の切断方法について説明する。
【0028】
まず、
図3(a)に示すように、シールドトンネルTを切断する仮想線L上に複数の孔Hを形成する。
また、その仮想線Lに沿う位置にウォールソーCの走行レールRを設置する。
なお、ウォールソーCは、走行レールRに沿って移動しつつ対象物を切断する切断機であり、正確な切断が可能で、騒音、振動、粉塵が少ないものであるので、シールドトンネルTを切断するのに適している。
【0029】
次いで、
図3(b)に示すように、複数の孔Hに切断補助器具100を設置する。
具体的には、複数の孔Hに一対の外側くさび部材10を設置した後、一対の外側くさび部材10の間に内側くさび部材20を圧入するようにして、複数の孔Hに切断補助器具100を設置する。
こうして孔Hに設置した切断補助器具100の一対の外側くさび部材10が孔Hの内壁面を押圧し、仮想線Lと交差する方向(図中、直交する方向)に孔Hを押し広げるような拡張力をかけることで、シールドトンネルTの仮想線L部分にかかる圧縮力を緩和することができる。
【0030】
次いで、
図4(a)(b)、
図5(a)(b)に示すように、仮想線Lに沿ってシールドトンネルTを切断する。
ここで、仮想線L上の複数の孔Hには切断補助器具100が設置されており、シールドトンネルTの仮想線L部分にかかる圧縮力が緩和されているので、好適にシールドトンネルTを切削し、切断することができる。
【0031】
特に、仮想線Lに沿ってシールドトンネルTを切断する過程で孔H部分を切断する場合、その孔Hから切断補助器具100を一旦外し、孔H部分を切断した後、再度その孔Hに切断補助器具100を設置するようにする。
本実施形態では、仮想線Lに沿う走行レールRに沿って移動しつつシールドトンネルTを切断するウォールソーCを使用しているので、ウォールソーCの移動方向前方に近付いた孔Hから切断補助器具100を一旦外し、ウォールソーCが通過した後、再度その孔Hに切断補助器具100を設置するようにする。
こうすることで、シールドトンネルTを切断した箇所にかかる圧縮力を切断前と同様に緩和することができ、その切断面間にウォールソーCの刃(ブレード)が挟まれてしまうことを防ぎ易くなる。
【0032】
なお、シールドトンネルTのセグメント厚が例えば300mmの場合、その厚さのセグメント(シールドトンネルT)を切断可能なブレード径を有するウォールソーCを用いて1段階でシールドトンネルTを切断してもよいが、例えば100mm切削用のウォールソーC、200mm切削用のウォールソーC、300mm切削用のウォールソーCを段階的に使用し、3段階に分けてシールドトンネルTを切断するようにしてもよい。
その場合、少なくともウォールソーCの刃(ブレード)がシールドトンネルTを抜ける300mm切削用のウォールソーCを使用する3段階目に切断補助器具100を用いればよい。
もちろん100mm切削用のウォールソーCを使用する1段階目の切削や、200mm切削用のウォールソーCを使用する2段階目の切削に、切断補助器具100を用いてもよい。
【0033】
このように、本実施形態の切断補助器具100を用いれば、圧縮力がかかるシールドトンネルTを好適に切断することができる。
【0034】
なお、以上の実施の形態においては、一対の外側くさび部材10の間に打ち込んだ内側くさび部材20を引き抜く場合に、センターホールジャッキ50(引き抜きボルト51)を使用するとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の駆動装置を使って内側くさび部材20を引き抜くようにしてもよい。
【0035】
また、以上の実施の形態においては、一対の外側くさび部材10の間に内側くさび部材20をハンマーなどで打ち込むように挿入するとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、架台30に据え付け可能であって、内側くさび部材20を押し下げることができる駆動装置などを使って内側くさび部材20を一対の外側くさび部材10の間に挿入するようにしてもよい。
【0036】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0037】
10 外側くさび部材(一対の外側くさび部材)
20 内側くさび部材
20a ボルト穴
30 架台
31 支持台部
31a 貫通孔
32 板状脚部
33 連結部
33a ボルト
50 センターホールジャッキ
51 引き抜きボルト
100 切断補助器具
T シールドトンネル(構造物)
L 仮想線
H 孔
C ウォールソー(切断機)
R 走行レール