(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】掘削ロッド
(51)【国際特許分類】
E02D 3/12 20060101AFI20220516BHJP
【FI】
E02D3/12 102
(21)【出願番号】P 2018113264
(22)【出願日】2018-06-14
【審査請求日】2021-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000133881
【氏名又は名称】株式会社テノックス
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】堀切 節
(72)【発明者】
【氏名】村山 篤史
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健太
(72)【発明者】
【氏名】長山 浩二郎
(72)【発明者】
【氏名】大木 政士
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-021477(JP,A)
【文献】特開2016-005252(JP,A)
【文献】特開平08-246779(JP,A)
【文献】特開2017-101498(JP,A)
【文献】特開2001-323454(JP,A)
【文献】特開2008-192587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ロッドに当該回転ロッドの軸方向に延びる電気・通信回路を
備え、前記電気・通信回路は、前記回転ロッド内に前記回転ロッドの軸方向に連続して形成された中空部内に配線されたケーブルからなる電気・通信回線と、前記回転ロッドの軸部自体からなる電気・通信回線とを備え
た掘削ロッド
において、前記中空部内に配線されたケーブルからなる電気・通信回線は、前記回転ロッドの接続部において雌型コネクタと雄型コネクタとからなる配線コネクタによって接続され、前記雌型コネクタと前記雄型コネクタはそれぞれ端子本体と前記端子本体の外周を被覆する端子カバーと、前記端子本体と前記端子カバーとの間に介在された絶縁材とを備え、前記端子カバーは電気伝導体であり、かつ前記雌型コネクタの端子本体は前記雄型コネクタの端子本体に当接するようにスプリングによって付勢されていることを特徴とする掘削ロッド。
【請求項2】
請求項1記載の掘削ロッドにおいて、前記
中空部内に配線されたケーブルからなる電気・通信回線
と、前記回転ロッドの軸部自体からなる電気・通信回線
は、それぞれ地上
のカウンター装置からの電気・通信回線と電磁結合式の非接触コネクタ
を介して接続されていることを特徴とする掘削ロッド。
【請求項3】
請求項1または2記載の掘削ロッドにおいて、前記ケーブルからなる電気・通信回線または前記回転ロッド自体からなる電気・通信回線の一方は、プラス極の電気・通信回線であり、他方はマイナス極の電気・通信回線であることを特徴とする掘削ロッド。
【請求項4】
請求項2または3記載の掘削ロッドにおいて、前記電磁結合式の非接触コネクタは、前記回転ロッド上端の回転軸上に設置されていることを特徴とする掘削ロッド。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかひとつに記載の掘削ロッドにおいて、前記電気・通信回線は掘削土の共回りまたは地盤状況を検知するセンサーに接続されていることを特徴とする掘削ロッド。
【請求項6】
請求項5記載の掘削ロッドにおいて、前記センサーは前記回転ロッドに設置された共回り防止翼の相対回転数を検知するカウントセンサーであることを特徴とする掘削ロッド。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかひとつに記載の掘削ロッドにおいて、前記回転ロッドの中心部に形成された中空部の外側に、固化材注入流路となる中空部が
、前記中心部の中空部と同心円状にかつ前記回転ロッドの軸方向に連続して形成されていることを特徴とする掘削ロッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地盤改良等に用いられる掘削ロッドに関し、例えば、共回り監視装置を備えた掘削撹拌ロッドに用いられ、掘削土の共回りを監視するカウントセンサーとの送受信およびカウントセンサーへの電力供給を確実にかつ安定的に行えるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
現場造成杭として、例えば、現地掘削土と地上から注入される固化材(例えば、セメントミルク)とを撹拌混合して地盤内に柱状に形成される地盤改良杭が知られている。
【0003】
この種の地盤改良杭の施工には、動力を伝達する回転ロッドの先端に掘削翼、これより上方に複数の撹拌翼と共回り防止翼、さらに回転ロッドの回転に対する共回り防止翼の相対回転数を検知するカウントセンサーを備えた掘削撹拌ロッドが用いられる。
【0004】
例えば、特許文献1には、回転ロッド(1)と、当該回転ロッド(1)と共に回転して掘削土と固化材とを攪拌・混合する攪拌翼(3)と、攪拌翼(3)より長尺に設置され、回転ロッド(1)に回転自在に取り付けられた共回り防止翼(4)と、当該共回り防止翼(4)の回転ロッド(1)に対する相対回転数を検出して掘削土の共回りを監視するカウントセンサー(6)とを備えた地盤改良用撹拌・混合装置の発明が開示されている(特許文献1
図1~4参照)。
【0005】
カウントセンサー(6)は、回転ロッド(1)内にその軸方向に沿って配線された送受信ケーブル(7)と回転ロッド(1)の上端部に取り付けられたスリップリング(8)とを介して地上のカウンター装置(9)に接続されている。また、送受信ケーブル(7)どうしは、回転ロッド(1)の接続部において、電磁結合方式の非接触センサー(10)によって互いに接続されている。
【0006】
そして、カウントセンサー(6)において、掘削時の回転ロッド(1)の回転数に対する共回り防止翼(4)の相対回転数を検知し、これをカウンター装置(9)において情報処理することにより掘削土の共回りを監視する。
【0007】
スリップリング(8)は、回転ロッド(1)内に配線された送受信ケーブル(7)を地上のカウンター装置(9)に繋いでカウントセンサー(6)とカウンター装置(9)間の送受信およびカウントセンサー(6)への電力供給を可能にする集電装置である。
【0008】
また、電磁結合方式の非接触センサー(10)は、その一端側の非接触端子(10a)となる共振コイルが回転ロッド(1)のロッド本体(1a)側に、他端側の非接触端子(10b)となる共振コイルがヘッド(1b)側にそれぞれ内蔵され、両コイル間の電磁誘導によってカウントセンサー(6)とカウンター装置(9)間の送受信を可能にする装置である。
なお、文中の符号は、特許文献1内で用いられている符号をかっこ付で引用したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許3788721号公報
【文献】特許3260709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、スリップリング(8)は、接触不良やブラシ部の摩耗による故障が多い上に、防水が困難でショートしやすいため、カウントセンサー(6)とカウンター装置(9)間の送受信を安定して継続的に行うのが困難であった。また、電磁結合方式の非接触センサー(10)による送受信ケーブル(7)どうしの接続は、特に電力の損失が大きいため複数段の設置は電気ロスの元となりきわめて不経済であった。
【0011】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、掘削時の共回りや地盤の固さなどの地盤状況を検知するセンサーとの送受信およびセンサーへの電力供給を確実かつ安定的に行えるようにした掘削ロッドを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、回転ロッドと、当該回転ロッドの軸方向に配線された電気・通信回路とを備えた掘削ロッドの発明であり、前記電気・通信回路は、前記回転ロッド内に前記回転ロッドの軸方向に連続して形成された中空部内に配線されたケーブルからなる電気・通信回線と、前記回転ロッドの軸部自体からなる電気・通信回線とから構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
前記中空部内にプラス極またはマイナス極の一方の電気・通信回線用ケーブルのみを配線することで、接続部でのショート等を起きにくくして回転ロッドの先端側との送受信および回転ロッドの先端側への電力供給を安定的に行うことができる。
【0014】
また、他方の電気・通信回線は、前記回転ロッドの軸部自体とすることで、ケーブルによる電気・通信回線の半分を無くして電気・通信回線を簡単化することができる。
【0015】
さらに、前記回転ロッドの接続部における電気・通信回線用ケーブル間の接続は、回転ロッドの中空部内において金属または樹脂製のコネクタによって行うことにより防水処理を確実に行うことができる。
【0016】
また、前記中空部の外側に回転ロッドの軸方向に連続する一また複数の中空部を形成して地盤内に注入されるセメントミルク等の固化材の注入流路などとすることができる。
【0017】
また、前記電気・通信回線用ケーブルと前記回転ロッドの軸部自体からなる電気・通信回線は、それぞれ前記回転ロッドの上端部に設置された電磁結合式の非接触コネクタを介して地上の電気・通信回線に接続することにより、非接触コネクタによる接続部が回転ロッドと相対回転しても平面的なずれを生じないようすることができる。
【0018】
これにより、非接触コネクタによる接続部の接触不良、損耗、ショート等といったトラブルを防止することができるため、回転ロッドの先端側と地上との送受信および地上から回転ロッドの先端方向への電力供給を確実かつ安定的に行うことができる。
【0019】
例えば、回転ロッドの先端側に共回り防止翼を備えた掘削撹拌ロッドの場合、回転ロッドの先端側に共回り防止翼の共回りを監視するカウントセンサーを設置し、当該カウントセンサーとの送受信およびカウントセンサーへの電力供給を前記電気・通信回線と非接触コネクタを介してきわめて安定的に行うことができる。
【0020】
なお、前記電気・通信回線には掘削時の共回り防止翼の共回りを監視するカウントセンサーの他、地盤の固さを検知するセンサー等も接続することができ、接続可能なセンサーは特に限定されることはない。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、回転ロッドに当該回転ロッドの軸方向に連続して形成された中空部内にプラス極またはマイナス極の一方の電気・通信回線用ケーブルのみが配線されていることで、接続部でのショートが起きにくく、回転ロッドの先端側との送受信および前記回転ロッドの先端側への電力供給を安定的に行うことができる。また、他方の電気・通信回線は前記回転ロッドの軸部自体であるため、電気・通信回線用ケーブルの多くを省略して電気・通信回路を簡単化することができる。
【0022】
また、前記中空部の外側に一また複数の中空部が前記回転ロッドの軸方向に連続して形成されているため、当該中空部を地盤内に注入されるセメントミルク等の固化材の注入流路として利用することができる。
【0023】
さらに、前記電気・通信回線用ケーブルと前記回転ロッドの軸部自体からなる電気・通信回線は、前記回転ロッドの上端部に設置された電磁結合式の非接触コネクタを介して地上の電気・通信回線とそれぞれ接続されているため、非接触コネクタによる接続部の接触不良、損耗、ショート等といったトラブルを防止することができ、これにより回転ロッドの先端側と地上との送受信および地上から回転ロッドの先端方向への電力供給を確実にかつ安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態であり、共回り監視装置を備えた掘削ロッドの正面図である。
【
図2】
図1に図示する掘削ロッドが備える共回り監視装置を図示したものであり、
図2(a)は回転ロッドの一部縦断面図、
図2(b)は、
図2(a)におけるA-A線断面図である。
【
図3】
図1に図示する掘削ロッドが備える共回り監視装置を図示したものであり、
図3(a)は回転ロッドの縦断面図、
図3(b)は
図3(a)におけるB部拡大図である。
【
図4】回転ロッドの接続部における電気・通信ケーブル間のコネクタによる接続を図示したものであり、
図4(a)は接続後、
図4(b)は接続前の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1~
図3は本発明の一実施形態であって、共回り監視装置を備えた掘削ロッドを図示したものである。図において、掘削ロッド1は、回転ロッド2と当該回転ロッド2の先端部に設置された掘削翼3、当該掘削翼3の位置より上方向に間隔をおいて設置された複数の撹拌翼4および共回り防止翼5、さらに掘削土の共回りを監視する共回り監視装置6を備えている。
【0026】
回転ロッド2は、二重管または三重管の同心円状に形成され、その中心部の中空部は後述する電力供給および送受信用回路(以下、「電気・通信回路」)7の配線ダクト2aを形成し、その外側の中空部は地盤内に注入されるセメントミルク等の固化材の注入流路2bを形成し、さらに当該注入流路2bの下端部は固化材の吐出口2cになっている。
【0027】
共回り防止翼5は、回転ロッド2の外周を自在に回転する円筒体5aと、当該円筒体5aの両側部に対称かつ水平に設置され、かつ回転ロッド2の外周を円筒体5aと共に自在に回転する一対の水平翼5bとから構成されている。
【0028】
また、共回り防止翼5は、最下段の撹拌翼4の上側と下側にそれぞれ設置され、先端の水平翼5bは掘削翼3および撹拌翼4の先端より前方に所定長延長され、かつ垂直翼5cによって連結されている。
【0029】
このように構成された上下共回り防止翼5,5は、撹拌翼4と干渉することなく回転ロッド2の外周を上下一体となって自在に回転する。また、ソイルセメント杭の施工中、掘削翼3および撹拌翼4が回転ロッド2と共に回転しても、上下共回り防止翼5,5の先端部(垂直翼5c)が孔壁に食い込んで回転しないことで掘削土の共回りが防止される。
【0030】
また、上下共回り防止翼5,5と複数の撹拌翼4が相対的に回転することにより、注入流路2bを介して地上から注入されるセメントミルク等の固化材と掘削翼3によって掘削された掘削土が撹拌混合されてソイルセメント杭が形成される。
【0031】
共回り監視装置6は掘削土の共回りを監視する装置であり、回転ロッド2の回転に対する共回り防止翼5の相対回転数を検知する二線式のカウントセンサー8、カウントセンサー8からの信号を情報処理するカウンター装置9およびカウントセンサー8とカウンター装置9との間に配線された電気・通信回路7とから構成されている。
【0032】
カウントセンサー8は、回転ロッド2に設置された磁気式近接スイッチ8aと共回り防止翼5に設置されたマグネット8bとを備え、当該磁気式近接スイッチ8aとマグネット8bは、回転ロッド2の側部と共回り防止翼5の円筒体5aの内側に対向して設置されている。
【0033】
電気・通信回路7は、回転ロッド2の配線ダクト2a内に配線されたプラス極の電気・通信回線用ケーブル(以下「プラス極ケーブル」)7aと回転ロッド2自体からなるマイナス極の電気・通信回線用ケーブル(以下「マイナス極ケーブル」)7bとから構成されている。
【0034】
なお、マイナス極ケーブル7bが回転ロッド2の配線ダクト2a内に配線され、プラス極ケーブル7aが回転ロッド2自体とされていてもよい。また、配線ダクト2a(後述する端子カバー16も含む)が金属やカーボン等の電気伝導体である場合には、当該配線ダクト2aをプラス極ケーブル7aまたはマイナス極ケーブル7bとすることもできる。
【0035】
プラス極ケーブル7aは、回転ロッド2の配線ダクト2a内に回転ロッド2の上端部からカウントセンサー8の位置まで連続して配線され、その先端部は磁気式近接スイッチ8aに接続されている。また、マイナス極ケーブル7bは回転ロッド2が兼ね、回転ロッド2は磁気式近接スイッチ8aに接続されている。
【0036】
さらに、カウントセンサー8から配線されたプラス極ケーブル7aとマイナス極ケーブル7bとしての回転ロッド2の上端部は、回転ロッド2の上端部に設置された電磁結合式の非接触コネクタ10を介して、地上のカウンター装置9から配線されたプラス極ケーブル7aとマイナス極ケーブル7bにそれぞれ接続されている。
【0037】
非接触コネクタ10は、一対の非接触端子10aと10bを備え、非接触端子10aは回転ロッド2の上端部に設置されている。また、当該非接触端子10aと10bはカウントセンサー8とカウンター装置9からそれぞれ配線されたプラス極ケーブル7aおよびマイナス極ケーブル7bの端部に接続され、また、回転ロッド2上端の中心部(回転軸上)で上下に対向する状態で設置されている。
【0038】
非接触端子10aと10bは共振コイルであり、両コイル間の電磁誘導によってカウントセンサー8とカウンター装置9間の送受信および地上からカウントセンサー8への電力供給が可能になっている。
【0039】
非接触コネクタ10がこのように設置されていることで、非接触端子10aと10bが相対的に回転しても平面的なずれは生じないため、スリップリングのような接触不良や損耗、あるいはショート等によるトラブルを減らすことができる。
【0040】
また、回転ロッド2の接続部イにおいては、プラス極の電気・通信用ケーブル7aは金属または樹脂からなる配線コネクタ11を介して接続され、しかも回転ロッド2の中心部に形成された配線ダクト2a内において接続されていることにより接続がきわめて容易であり、かつ接続部イの防水が容易で漏水によるショート等の不具合を未然に防止することができる。
【0041】
配線コネクタ11は、
図4(a),(b)に図示するように、一対の雌型コネクタ12と雄型コネクタ13とから構成され、それぞれロッド状の端子本体14,15の外周が端子カバー16によって被覆され、かつ各端子本体14,15と端子カバー16との間に絶縁材17が介在されている。
【0042】
また、雌型コネクタ12の端子本体14は、その材軸方向に一定量スライド自在に設置され、かつスプリング18によって前方に常時付勢され、これにより端子カバー16の先端部に形成された凹部19の底部に端子本体14の先端部14aが一定量常時突出している。
【0043】
一方、雄型コネクタ13の端子本体15の先端部15aは端子カバー16および絶縁材17の先端面より一定量突出している。また、端子カバー16の先端部は雌型コネクタ12の端子カバー18の凹部19に挿入され、これにより端子本体14の先端部14aと端子本体15の先端部15aが互いに当接し、しかも端子本体14は端子本体15側にスプリング18によって常時付勢されていることで、端子本体14と15の先端部14a,15aが離れることはない。
【0044】
なお、端子カバー16が金属やカーボン等の電気伝導体である場合には、当該端子カバー16を電気・通信回路7のプラス極ケーブル7aまたはマイナス極ケーブル7bとすることができる。
【0045】
以上の構成により、配線コネクタ11の雌型コネクタ12と雄型コネクタ13は電気的に接続されている。また、端子本体14および15の外周は絶縁材17によって被覆され、かつ雌型コネクタ12の凹部19の内周に防水パッキン20を二重に取り付けることにより凹部19の内周面と端子カバー16の外周面管の防水処理がなされている。
【0046】
また、マイナス極ケーブル7bとしての回転ロッド2は、接続部イより上側部分と下側部分が直接接合されていることにより、導電および通信上、接続部のない連続する一本のケーブルとみなすことができるため、接続に伴う導電および通信のロスをほぼ無くすることができ、これにより地盤内のカウントセンサー8と地上のカウンター装置9間の送受信およびカウントセンサー8への電力供給を確実にかつ安定的に行うことができる。なお、符号21は掘削ロッド1を回転させるオーガーモータである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、例えば、共回り監視装置を備えた掘削撹拌ロッドに用いて、掘削土の共回りを監視するカウントセンサーとの送受信およびカウントセンサーへの電力供給を確実にかつ安定的に行うことができる。
【符号の説明】
【0048】
1 掘削ロッド
2 回転ロッド
2a 配線ダクト
2b 固化材注入流路
2c 固化材の吐出口
3 掘削翼
4 撹拌翼
5 共回り防止翼
5a 円筒体
5b 水平翼
5c 垂直翼
6 共回り監視装置
7 電気・通信回路
7a プラス極ケーブル(プラス極の電気・通信回線ケーブル)
7b マイナス極ケーブル(マイナス極の電気・通信回線ケーブル)
8 カウントセンサー
8a 磁気式近接スイッチ
8b マグネット
9 カウンター装置
10 電磁結合式の非接触コネクタ
11 配線コネクタ
12 雌型コネクタ
13 雄型コネクタ
14 端子本体
14a 先端部
15 端子本体
15a 先端部
16 端子カバー
17 絶縁材
18 スプリング
19 凹部
20 防水パッキン
21 オーガーモータ