(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】液冷プラズマアークトーチ用カートリッジフレーム
(51)【国際特許分類】
H05H 1/28 20060101AFI20220516BHJP
B23K 10/00 20060101ALI20220516BHJP
H05H 1/34 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
H05H1/28
B23K10/00 501A
B23K10/00 504
H05H1/34
(21)【出願番号】P 2018505620
(86)(22)【出願日】2016-08-04
(86)【国際出願番号】 US2016045589
(87)【国際公開番号】W WO2017024155
(87)【国際公開日】2017-02-09
【審査請求日】2019-07-19
(32)【優先日】2015-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500036037
【氏名又は名称】ハイパーサーム インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】サンダース、ニコラス エイ.
(72)【発明者】
【氏名】シプルスキー、イー.マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ホッファ、マイケル
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-513072(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0103946(US,A1)
【文献】国際公開第03/089183(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/28
H05H 1/34
H01J 37/32
B23K 9/285
B23K 9/00
B23K 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液冷プラズマアークトーチ用の消耗カートリッジフレームであって、
トーチヘッドとカートリッジ先端との間に配置されるように構成される絶縁体本体と、
前記絶縁体本体の近位部分に位置する実質的に平面の端面であって、前記トーチヘッドに嵌め合い係合するように構成された端面と、
前記絶縁体本体に配置され、前記トーチヘッドから受け取る第1の流体流を導いて前記消耗カートリッジフレームに接続されたカートリッジ先端のコンポーネントに接触させる第1の冷却路と、
前記絶縁体本体に配置され、前記第1の流体流の少なくとも一部を前記コンポーネントから前記トーチヘッドまで導くように構成される第1の帰還路と、を備え、
前記第1の冷却路と前記第1の帰還路とが、前記絶縁体本体の中心長手軸線に対して非同心であり、
前記第1の冷却路の開口部及び前記第1の帰還路の開口部は前記端面に位置している、消耗カートリッジフレーム。
【請求項2】
所定の配向で前記カートリッジ先端を前記トーチヘッドに径方向に固定するように構成されるトーチ係合機構をさらに備える、請求項1に記載の消耗カートリッジフレーム。
【請求項3】
前記カートリッジ先端が前記トーチ係合機構を介して前記トーチヘッドに径方向に固定されるとき、前記第1の冷却路が前記トーチヘッドの対応する第1の冷却路と実質的に位置合わせされるように構成され、前記第1の冷却路が、前記トーチヘッドから前記カートリッジ先端内へ冷却液を導くように構成される、請求項2に記載の消耗カートリッジフレーム。
【請求項4】
前記カートリッジ先端が前記トーチ係合機構を介して前記トーチヘッドに径方向に固定されるとき、前記第1の帰還路が前記トーチヘッドの対応する第1の帰還路と実質的に位置合わせされるように構成され、前記第1の帰還路が、前記カートリッジ先端から前記トーチヘッド内へ冷却液を導くように構成される、請求項3に記載の消耗カートリッジフレーム。
【請求項5】
以下のa)からf)のうち少なくとも1つを備える請求項1に記載の消耗カートリッジフレームであって、
a)前記第1の冷却路と前記第1の帰還路が、前記絶縁体本体の近位領域から遠位領域まで長手方向に延在しており重複していない、
b)前記絶縁体本体に配置され、前記絶縁体本体の前記中心長手軸線に対して同心である中心路をさらに備え、前記中心路が、(i)前記トーチヘッドから電極まで前記第1の流体流を導く、および(ii)前記トーチヘッドから前記電極まで電流を流す、の少なくとも一方を実行するように構成される、
c)前記コンポーネントが第1のコンポーネントであり、
前記消耗カートリッジフレームが、
前記絶縁体本体に配置され、前記トーチヘッドから受け取る前記第1の流体流の少なくとも一部を導いて、前記第1のコンポーネントと異なる前記カートリッジ先端の第2のコンポーネントに接触させる第2の冷却路と、
前記絶縁体本体に配置され、前記第1の流体流の少なくとも一部を前記第2のコンポーネントから前記トーチヘッドまで導くように構成される第2の帰還路と、をさらに備え、
前記第2の冷却路と前記第2の帰還路が前記絶縁体本体の前記中心長手軸線に対して非同心である、
d)前記第1の流体流が冷却液流を備える、
e)前記カートリッジ先端の前記コンポーネントがノズルおよびシールドの一方を備える、
f)前記絶縁体本体に配置され、第2の流体流を前記カートリッジ先端の第2のコンポーネントまで導くように構成される少なくとも1つのガス路をさらに備え、前記少なくとも1つのガス路が前記絶縁体本体の前記中心長手軸線に対して非同心であり、前記第2の流体流がプラズマガス流またはシールドガス流を備えるか或いは前記第2のコンポーネントがノズルおよびシールドの一方を備える、
消耗カートリッジフレーム
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して液冷プラズマアークトーチ用のカートリッジフレームに関し、特に、一体型コンポーネントを有する1つ以上の交換可能な低コストカートリッジフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマアークトーチなどの熱処理トーチは、材料の高温処理(たとえば、加熱、切断、溝切り、刻印)に幅広く使用される。プラズマアークトーチは一般的に、トーチヘッド、トーチヘッド内に搭載される電極、電極の穴に配置される放射インサート、トーチヘッド内に搭載される中央出口孔付きのノズル、シールド、電気接続部、冷却用通路、アーク制御流体(たとえば、プラズマガス)用の通路、電源を含む。旋回リングは、電極とノズルとの間に形成されるプラズマチャンバ内の流体流パターンを制御するために使用することができる。トーチによっては、保持キャップが、プラズマアークトーチ内にノズルおよび/または旋回リングを保持するために使用される。動作時、トーチは高温および十分な運動量でイオン化ガスの狭いジェット流であるプラズマアークを生成し、溶融金属の除去を助ける。トーチで使用されるガスは非反応性ガス(たとえば、アルゴンまたは窒素)または反応性ガス(たとえば、酸素または空気)とすることができる。
【0003】
既存のプラズマ切断システムは、様々な流および/または動作モードで利用可能であり、熱処理動作を実行するユーザによって現場で反復的に組立および分解される広範な独立した消耗品を含む。多数の消耗オプションは、ユーザにとって大量の部品数と在庫を必要とするため、ユーザを混乱させ、誤った消耗品を設置する可能性を高めることがある。また、多数の消耗オプションは、長いトーチセットアップ時間を要し、切断工程間の移行を困難にする可能性がある。こうした切断工程はトーチ内の消耗品の様々な配置を必要とし、現場では1度に1つのコンポーネントずつ配置されることが多い。たとえば、切断動作前、特定の切断タスクに対して正確なセットの消耗品を選択し設置することは面倒で時間がかかる可能性がある。さらに、現場でのこれらのコンポーネントの選択、組立、設置は、旧コンポーネントが新コンポーネントと共に使用されるとき、位置合わせまたは互換性の問題を引き起こす可能性がある。トーチ動作中、既存の消耗品は、適切な消耗品の位置合わせと間隔設定を維持できないなどの性能上の問題を有することがある。さらに、現存の消耗品は、相当量の高価な材料(たとえば、Vespel(登録商標))を含み、比較的複雑な製造工程を必要とすることが多く、高額な製造コストを要し、広範囲に及ぶ商品化、製造、採用を阻む。必要とされるのは、製造コスト、時間、部品数を低減し、システム性能(たとえば、コンポーネントの位置合わせ、切断品質、消耗品寿命、多様性/汎用性など)を高め、エンドユーザによる消耗品の設置と使用を簡易化する、新規かつ改良された液冷プラズマアークトーチ用の消耗プラットフォームである。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、1つ以上の一体型のコスト効果の高い液冷プラズマアークトーチ用のカートリッジ設計を提供する。概して、本カートリッジは一揃いの2つ以上の消耗コンポーネントを含むため、各消耗コンポーネントを個別に設置/交換することに比べて、使い易く、プラズマアークトーチへの設置時間を短縮する。また、消耗カートリッジの使用は、オペレータが誤った消耗部品を配置して、設置中の部品を汚染する、および/または脆弱または不良部品を偶然にトーチに戻す可能性を低減する。これらの利点のため、経験豊かなオペレータが液冷プラズマアークトーチを動作させる必要性がなくなる。また、液冷トーチにおいてカートリッジを使用することによって、コンポーネントの位置合わせ、切断の一貫性、切断品質が向上する。さらに、消耗カートリッジの使用により、在庫として保管する必要がある消耗部品の数が少なくなるため、供給業者が恩恵を得る。場合によっては、供給業者は、他の用途のために、使用済みカートリッジを買い戻し、再利用することができる。しかしながら、製造コストと材料コストはカートリッジの幅広い商品化と生産を阻む可能性がある。本発明は、カートリッジの商品化と生産を簡易化し、設置を改善する1つ以上のコスト効果の高いカートリッジ設計を提供することによって、この問題を解決する。
【0005】
1側面によると、本発明は液冷プラズマアークトーチ用の消耗カートリッジフレームを特徴とし、該消耗カートリッジフレームは、トーチヘッドとカートリッジ先端との間に配置されるように構成される絶縁体本体と、本体に配置され、トーチヘッドから受け取る第1の流体流を導いてカートリッジフレームに接続されたカートリッジ先端のコンポーネントに接触させる第1の冷却路と、本体に配置され、第1の流体流の少なくとも一部をコンポーネントからトーチヘッドまで導くように構成される第1の帰還路とを含む。第1の冷却路と第1の帰還路は本体の中心長手軸線に対して非同心である。
【0006】
いくつかの実施形態では、消耗カートリッジフレームは、所定の配向でカートリッジ先端をトーチヘッドに径方向に固定するように構成されるトーチ係合機構をさらに含む。カートリッジ先端がトーチ係合機構を介してトーチヘッドに径方向に固定されるとき、第1の冷却路は、トーチヘッドの対応する第1の冷却路と実質的に位置合わせされるように構成することができる。第1の液体冷却路は、トーチヘッドからカートリッジ先端内へ冷却液を導くように構成することができる。カートリッジ先端がトーチ係合機構を介してトーチヘッドに径方向に固定されるとき、第1の帰還路は、トーチヘッドの対応する第1の帰還路と実質的に位置合わせされるように構成することができる。第1の帰還路は、カートリッジ先端からトーチヘッド内へ冷却液を帰還させるように構成することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、消耗カートリッジフレームは、絶縁体本体に配置され、絶縁体本体の中心長手軸線に対して同心である中心路をさらに備え、中心路は、(i)トーチヘッドから電極まで第1の流体流を導く、および(ii)トーチヘッドから電極まで電流を流す、の少なくとも一方を実行するように構成される。消耗カートリッジフレームは、絶縁体本体に配置され、トーチヘッドから受け取る第1の流体流の少なくとも一部を導いて第1のコンポーネントと異なるカートリッジ先端の第2のコンポーネントと接触させる第2の冷却路と、絶縁体本体に配置され、第2のコンポーネントからトーチヘッドまで第1の流体流の少なくとも一部を導くように構成される第2の帰還路とをさらに含むことができる。第2の冷却路と第2の帰還路は、絶縁体本体の中心長手軸線に対して非同心にすることができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、消耗カートリッジフレームは、絶縁体本体に配置され、第2の流体流をカートリッジ先端の第2のコンポーネントに導くように構成される少なくとも1つのガス路をさらに含む。少なくとも1つのガス路は絶縁体本体の中心長手軸線に対して非同心である。第2の流体流はプラズマガス流またはシールドガス流を備えることができる。第2のコンポーネントはノズルおよびシールドの少なくとも一方を備えることができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の流体流は冷却液流を備える。いくつかの実施形態では、カートリッジ先端のコンポーネントはノズルおよびシールドの一方を備える。いくつかの実施形態では、第1の冷却路と第1の帰還路は絶縁体本体の近位領域から遠位領域まで長手方向に延在し重複しない。
【0010】
別の側面によると、液冷プラズマアークトーチカートリッジ消耗品用のカートリッジフレームが提供される。カートリッジフレームは中心領域と、内面と、外面と、近位部分と、遠位部分とを有するカートリッジフレーム本体を含み、カートリッジフレーム本体は少なくとも実質的に非導電性の材料で作製される。カートリッジフレームは、カートリッジフレーム本体の近位部分に位置するトーチ係合インタフェース面をさらに含み、トーチ係合インタフェース面はトーチヘッドと係合する。カートリッジフレームは中心領域に形成される複数のコンポーネント位置合わせ機構と、近位部分と遠位部分との間の複数の路とをさらに含む。複数の通路は中心領域の中心軸から外れて位置する。複数の通路は液体とガスをカートリッジフレームに通過させるように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコンポーネント位置合わせ機構は、ノズルをカートリッジフレームの内面と位置合わせし、ノズルを内面に嵌め合い係合させるように構成される。1つ以上のコンポーネント位置合わせ機構は、ノズルをカートリッジフレームと軸方向に位置合わせし、嵌め合い係合させるように構成される1つ以上の段部を備えることができる。1つ以上のコンポーネント位置合わせ機構は、カートリッジフレームの内面の一部に沿って変動する径を備え、ノズルをカートリッジフレームに径方向に位置合わせして、嵌め合い係合させることができる。いくつかの実施形態では、コンポーネント位置合わせ機構の1つ以上は、シールドをカートリッジフレームの外面と位置合わせし、シールドを外面に嵌め合い係合させるように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数の通路は、計量されたシールドガス流を供給するように構成されるシールドガス路を備える。カートリッジフレームは、カートリッジフレーム本体の遠位部分に配置されるバッフルとシールド旋回リングとをさらに含むことができる。バッフルとシールド旋回リングは、シールドガス路と流体連通して、該シールドガス路を通るシールドガス流の少なくとも1つのパラメータを調節することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、カートリッジフレームは、カートリッジフレームの内面に開口部をさらに含む。複数の通路は冷却液をノズルに供給するように構成される冷却液路を含み、開口部は冷却液路と流体連通し、冷却液をノズルから離れるように導く。いくつかの実施形態では、カートリッジフレームは、カートリッジフレームの外面に開口部をさらに含む。複数の通路は冷却液をシールドに供給するように構成される冷却液路を含み、開口部は冷却液路と流体連通し、冷却液をシールドから離れるように導く。
【0014】
いくつかの実施形態では、カートリッジフレームは、カートリッジフレームの内面から外面に延在する通気路をさらに含む。
別の側面によると、液冷プラズマアークトーチ用の消耗カートリッジが提供される。消耗カートリッジは遠位領域と近位領域を有する本体部、遠位領域にありプラズマエミッタとプラズマアークコンストリクタとを含む先端部、体の遠位領域において近位領域から先端部まで延在する2つ以上の非同心路を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、2つ以上の非同心路は、絶縁体材料からなるカートリッジフレームに配置される。いくつかの実施形態では、カートリッジフレームは先端部とトーチヘッドとの間のインタフェースを形成する。
【0016】
いくつかの実施形態では、先端部はノズル、シールド、および電極のうちの少なくとも1つを備える。いくつかの実施形態では、2つ以上の非同心路は、(i)ノズルと流体連通する冷却液路と帰還路とを含み、ノズルとの間で冷却液をやり取りする第1のセットの通路、(ii)シールドと流体連通する冷却液路と帰還路とを含み、シールドとの間で冷却液の少なくとも一部をやり取りする第2のセットの通路を含む。いくつかの実施形態では、2つ以上の非同心路は、プラズマガスを旋回リングとノズルとの間の通路に供給するプラズマガス路を含む。いくつかの実施形態では、2つ以上の非同心路は、シールドガスをシールドとノズルとの間の通路に供給するシールドガス路を含む。いくつかの実施形態では、消耗カートリッジは電極と流体連通する中心路をさらに含み、中心路は冷却液および電流の少なくとも一方を電極に流すように構成される。
【0017】
別の側面によると、液冷プラズマアークトーチ用の消耗カートリッジフレームが提供される。消耗カートリッジフレームはプラズマアークトーチのトーチヘッドに接続するように構成される第1のインタフェースと、消耗品の長手軸線に沿って第1の面に対して軸方向に間隔をおいて配置される第2のインタフェースとを含み、第2のインタフェースが、少なくともノズル、シールド、電極、旋回リングを含む複数のコンポーネントに接続するように構成される。消耗カートリッジフレームは、長手軸線に沿って延在して第1のインタフェースと第2のインタフェースとを接続する本体部をさらに含む。本体部は、第1のインタフェースと第2のインタフェースを通って液体とガスをトーチヘッドと複数のコンポーネントとの間に導くように構成される複数の通路を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1のインタフェースは、所定の配向でトーチヘッドに径方向に固定するように構成される位置合わせ機構を含む。複数の通路は、所定の配向でトーチヘッドの対応する通路と位置合わせして、トーチヘッドと複数のコンポーネントとの間に液体とガスを導くように構成することができる。いくつかの実施形態では、複数の通路の2つ以上は非同心である。
【0019】
いくつかの実施形態では、第2のインタフェースは、(i)消耗カートリッジフレームの内面にノズルをカートリッジフレームに嵌め合い係合させて軸方向に位置合わせする少なくとも1つの段部、(ii)径が変動し、ノズルをカートリッジフレームに嵌め合い係合させて径方向に位置合わせする消耗カートリッジフレームの内面の少なくとも一部、を備える。第2のインタフェースは、シールドをカートリッジフレームと軸方向および径方向に位置合わせし、シールドをカートリッジフレームに嵌め合い係合させる位置合わせ機構をさらに含むことができる。位置合わせ機構は、消耗カートリッジの外面に段部および嵌合部の少なくとも一方を備えることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、消耗カートリッジフレームは、第1のインタフェースに隣接して本体部に配置される空隙をさらに含むことができる。空隙は、トーチヘッドのリーダ装置との通信のためにRFIDタグを収容するように構成される。
【0021】
さらに別の側面によると、液冷プラズマアークトーチカートリッジ消耗品用のカートリッジフレームが提供される。カートリッジフレームは、近位部分と、遠位部分と、外面と、カートリッジフレーム本体の中心路への内側開口部とを有するカートリッジフレーム本体を含む。カートリッジフレームは、カートリッジフレーム本体の近位部分からカートリッジフレーム本体の遠位部分まで延在するシールドガス路、カートリッジフレーム本体の近位部分から内側開口部まで延在するノズル冷却液供給路、カートリッジフレーム本体の内側開口部から近位部分まで延在するノズル冷却液帰還路をさらに含む。カートリッジフレームは、カートリッジフレーム本体の外面の周冷却液流路、近位部分から周冷却液流路まで延在するシールド冷却液供給路、周冷却液流路から近位部分まで延在するシールド冷却液帰還路をさらに含む。
【0022】
さらに別の側面によると、プラズマアークトーチ用の液冷消耗カートリッジが提供される。カートリッジは(i)電極、(ii)外面に第1の外側保持機構と第2の外側保持機構を有し、電極が固定される旋回リング、(iii)内面に内側保持機構を有するノズルを含み、ノズルの内側保持機構が旋回リングの第1の外側保持機構と嵌合する。カートリッジは、内面に内側保持機構と外面に外側保持機構とを有するカートリッジフレームをさらに含む。カートリッジフレームの内側保持機構は旋回リングの第2の外側保持機構と嵌合する。カートリッジは、内面にカートリッジフレームの外側保持機構と嵌合する内側保持機構を有するシールドをさらに含む。少なくともノズル、旋回リング、カートリッジフレーム、シールドは嵌合後に軸方向に所定位置に固定されて、カートリッジフレームからシールドまたはノズルまでの少なくとも1つの液体流路を提供する。
【0023】
いくつかの実施形態では、電極とノズルは、電極とノズルとの間の物理的接触なしに軸方向および径方向に相互に位置合わせされる。いくつかの実施形態では、ノズルとシールドは、ノズルとシールドとの間の物理的接触なしに軸方向および径方向に相互に位置合わせされる。
【0024】
いくつかの実施形態では、シールド、ノズル、旋回リングのうち少なくとも1つがカートリッジフレームと直接嵌合する。電極は旋回リングおよび電極絶縁体の少なくとも一方を介して、カートリッジフレームと間接的に嵌合する。
【0025】
いくつかの実施形態では、ノズルの内側保持機構と旋回リングの第1の外側保持機構との嵌合により、ノズルと旋回リングが位置合わせされる。いくつかの実施形態では、カートリッジフレームの内側保持機構と旋回リングの第2の外側保持機構との嵌合により、カートリッジフレームと旋回リングとの間で軸方向位置合わせと径方向位置合わせの少なくとも一方が実行される。いくつかの実施形態では、シールドの内側保持機構とカートリッジフレームの外側保持機構との嵌合により、カートリッジフレームとシールドとの間で軸方向位置合わせと径方向位置合わせの少なくとも一方が実行される。いくつかの実施形態では、カートリッジフレームは、ノズルの外面の外側保持機構と嵌合される第2の内側保持機構を内面にさらに備える。カートリッジフレームとノズルとの嵌合により、カートリッジフレームとノズルとの間で軸方向位置合わせと径方向位置合わせの少なくとも一方が実行される。
【0026】
いくつかの実施形態では、ノズルはノズルジャケットに連結される非通気ノズルである。いくつかの実施形態では、ノズルはノズルライナーに連結される通気ノズルである。
さらに別の側面によると、プラズマアークトーチ用の液冷消耗カートリッジが提供される。カートリッジは、(i)電極、(ii)外面に外側保持機構と内面に内側保持機構とを有する旋回リングであって、電極が旋回リングの内側保持面に固定される旋回リング、(iii)外面に外側保持機構を有するノズルを含む。カートリッジは、内面に第1の内側保持機構と第2の内側保持機構と外面に外側保持機構とを有するカートリッジフレームをさらに含む。カートリッジフレームの第1の内側保持機構は旋回リングの外側保持機構に嵌合し、カートリッジフレームの第2の内側保持機構はノズルの外側保持機構に嵌合する。カートリッジは、カートリッジフレームの外側保持機構に嵌合する内側保持機構を内面に有するシールドをさらに含む。少なくともノズル、旋回リング、カートリッジフレーム、シールドは、嵌合時に所定位置で軸方向に固定される。
【0027】
さらに別の側面によると、液冷プラズマアークトーチ用の消耗カートリッジが提供される。消耗カートリッジは、非導電性のカートリッジフレームと、プラズマプレナムを部分的に画定するセットの導電消耗コンポーネントとを含む。セットの導電コンポーネントはカートリッジフレームに装着される。消耗カートリッジは体積で少なくとも50%非導電性材料からなる。いくつかの実施形態では、消耗カートリッジは体積で約60%~約80%非導電性材料からなる。
【0028】
いくつかの実施形態では、消耗カートリッジは使い捨てカートリッジである。セットの導電消耗コンポーネントは、カートリッジフレームへの装着後、個別に処理または保守することができない。
【0029】
いくつかの実施形態では、カートリッジフレームは、セットの導電コンポーネントと流体連通する液体路とガス路を備える。液体路とガス路はカートリッジフレームの中心長手軸線に対して非同心である。
【0030】
いくつかの実施形態では、セットの導電消耗コンポーネントはシールド、ノズル、電極を備える。
別の側面によると、複数のコンポーネントから一体型消耗カートリッジを製造する方法が提供される。該方法は、電極を旋回リングに軸方向および径方向に固定することと、旋回リングの外面の保持機構をカートリッジフレームまたはノズルの内面の嵌合保持機構の少なくとも1つに軸方向および径方向に固定することと、カートリッジフレームの外面の保持機構をシールドの内面の嵌合保持機構に軸方向および径方向に固定することとを含む。消耗コンポーネント間の軸方向および径方向の固定により、カートリッジフレームの少なくとも1つの内側流体路と(i)ノズルの流体通路または(ii)シールドの流体通路とが位置合わせされる。
【0031】
いくつかの実施形態では、電極を旋回リングに軸方向および径方向に固定することは、電極を電極絶縁体に軸方向および径方向に固定することと、電極絶縁体を旋回リングに軸方向および径方向に固定することとを備える。
【0032】
いくつかの実施形態では、該方法は、カートリッジフレーム内のプラズマガス路を、旋回リングとノズルとの間のガス通路と径方向に位置合わせすることをさらに備える。いくつかの実施形態では、該方法は、カートリッジフレーム内のシールドガス路を、ノズルとシールドとの間のガス通路と径方向に位置合わせすることをさらに備える。いくつかの実施形態では、該方法は、カートリッジフレーム内の中心路を電極と径方向に位置合わせすることをさらに備える。いくつかの実施形態では、該方法は、カートリッジフレーム内の第1の冷却液路および第2の冷却液路をノズルと径方向に位置合わせすることと、カートリッジフレーム内の第3の冷却液路および第4の冷却液路をシールドと径方向に位置合わせすることとをさらに備える。
【0033】
いくつかの実施形態では、該方法は、亜鉛を用いてダイカストによって旋回リングを形成することをさらに備える。いくつかの実施形態では、該方法は、非導性電材料を用いて鋳造によってカートリッジフレームを形成することをさらに備える。いくつかの実施形態では、該方法は、導電性材料を用いて打抜き加工によってシールドを形成することをさらに備える。いくつかの実施形態では、複数のコンポーネントの軸方向および径方向の固定は、スナップ嵌め、プレス嵌めまたは干渉、クリンピング、糊付け、セメント付け、および溶接のうちの1つ以上によって実行される。
【0034】
別の側面によると、プラズマアーク切断トーチ用の液冷消耗カートリッジを組み立てる方法が提供される。該方法は、中心領域と、外面と、遠位端と、近位端とを有する絶縁体カートリッジフレームを設けることを含む。該方法は、中心領域において旋回コンポーネントをカートリッジフレームに連結することと、中心領域において電極をカートリッジフレームに連結することと、中心領域においてノズルをカートリッジフレームに連結することと、外面においてシールドをカートリッジフレームに連結することとをさらに含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、旋回コンポーネントをカートリッジフレームに連結することは、旋回コンポーネントの外面とカートリッジフレームの内面とを嵌合させて、旋回コンポーネントのカートリッジフレームへの軸方向位置合わせと径方向位置合わせの少なくとも一方を提供することを備える。いくつかの実施形態では、ノズルをカートリッジフレームに連結することは、ノズルの外面をカートリッジフレームの内面に連結して、ノズルのカートリッジフレームへの軸方向位置合わせと径方向位置合わせの少なくとも一方を提供することを備える。いくつかの実施形態では、外面でシールドをカートリッジフレームに連結することにより、シールドのカートリッジフレームへの軸方向位置合わせと径方向位置合わせの少なくとも一方が提供される。いくつかの実施形態では、該方法は、旋回コンポーネントおよび電極絶縁体の少なくとも一方を介して電極をカートリッジフレームに連結することをさらに備える。いくつかの実施形態では、該連結により、カートリッジフレームの少なくとも1つの内側流体路と(i)ノズルの流体通路または(ii)シールドの流体通路とが位置合わせされる。
【0036】
いくつかの実施形態では、該方法は、中心領域のカートリッジフレームの遠位端にバッフルと第2の旋回コンポーネントとを配置することをさらに備える。
液冷プラズマアークトーチ用の消耗カートリッジが提供される。消耗カートリッジは、端面を有する近位端と、遠位端と、中心長手軸線が延在する本体とを備える。カートリッジは、トーチヘッドとのRFIDインタフェースを形成するように構成される。消耗カートリッジは、遠位端でカートリッジフレームに装着されるアークエミッタおよびアークコンストリクタと、端面に隣接してカートリッジフレーム上または内に形成されるRFID搭載機構とをさらに備える。RFID搭載機構は本体の中心長手軸線に対して非同心である。消耗カートリッジは、カートリッジがトーチヘッドに接続されたとき、カートリッジに関する情報をトーチヘッドのリーダ装置に送信するためにRFID搭載機構上または内に配置されるRFIDタグと、カートリッジのトーチヘッドへの接続時、RFIDタグをトーチヘッドのリーダ装置に回転方向に位置合わせするように構成されるクロッキング機構とをさらに備える。
【0037】
いくつかの実施形態では、RFID搭載機構は、カートリッジフレームの本体に配置される空隙を備える。RFIDタグはカートリッジフレームの本体の空隙に埋め込み、本体の絶縁体材料で覆うことができる。いくつかの実施形態では、端面は実質的に平面状であり、RFIDリーダがプラズマアークトーチの外部からRFIDタグを問い合わせることができる。いくつかの実施形態では、RFIDタグはプラズマアークトーチの内部または外部から読み取り可能である。
【0038】
いくつかの実施形態では、カートリッジフレームの本体は絶縁体材料からなる。いくつかの実施形態では、カートリッジフレームの本体は、冷却液を導く少なくとも1つの通路を備える。少なくとも1つの通路は、クロッキング機構による回転方向位置合わせ時、トーチヘッドの対応する通路と実質的に位置合わせされて、トーチヘッドとカートリッジとの間に冷却液を導くように構成することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、回転方向位置合わせ時、カートリッジフレームのRFIDタグとトーチヘッドのリーダ装置は、中心軸がRFIDタグの中心線とリーダ装置の中心線を延在するように配向される。いくつかの実施形態では、回転方向位置合わせ時、RFIDタグとリーダ装置との間の第1の距離は、RFIDタグとトーチヘッドまたはカートリッジに配置される隣接金属材料との間の第2の距離より短い。
【0040】
いくつかの実施形態では、クロッキング機構は、トーチヘッドから延在するクロッキングピンを収容するように構成される空隙を備える。
さらに別の側面によると、液冷プラズマアーク切断トーチ用の消耗カートリッジが提供される。消耗カートリッジは、カートリッジの第1の部分に位置するカートリッジ先端を含む。カートリッジ先端は電極、ノズル、シールドを有する。消耗カートリッジは、消耗カートリッジの第2の部分のプラズマガス入口開口部、第2の部分のシールドガス入口開口部、第2の部分の電極冷却液入口開口部、第2の部分のノズル冷却液入口開口部およびノズル冷却液出口開口部、第2の部分のシールド冷却液入口開口部およびシールド冷却液出口開口部を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、第2の部分はカートリッジの近位部分の端面を備える。端面は実質的に平面状とすることができる。
いくつかの実施形態では、プラズマガス入口開口部、シールドガス入口開口部、ノズル冷却液入口開口部、ノズル冷却液出口開口部、シールド冷却液入口開口部、シールド冷却液出口開口部は、カートリッジの中心長手軸線に対して非同心である。
【0042】
いくつかの実施形態では、プラズマガス入口開口部は、トーチヘッドの対応する開口部と位置合わせされて、トーチヘッドからノズルまでプラズマガス流を方向付けるように構成される。いくつかの実施形態では、シールドガス入口開口部はシールドと流体連通する。シールドガス入口開口部は、トーチヘッドの対応する開口部と位置合わせされて、シールドガス流をシールドまで方向付けるように構成される。いくつかの実施形態では、電極冷却液入口開口部は、電極との電気的接続および流体連通の少なくとも一方を維持する。電極冷却液入口開口部は、トーチヘッドの対応する開口部と位置合わせされて、冷却液および電流の少なくとも一方を電極まで方向付けるように構成される。いくつかの実施形態では、ノズル冷却液入口開口部とノズル冷却液出口開口部はノズルと流体連通する。ノズル冷却液入口開口部とノズル冷却液出口開口部は、トーチヘッドの対応する開口部とそれぞれ位置合わせされて、冷却液をトーチヘッドとノズルとの間に導くように構成される。いくつかの実施形態では、シールド冷却液入口開口部とシールド冷却液出口開口部はシールドと流体連通する。シールド冷却液入口開口部とシールド冷却液出口開口部は、トーチヘッドの対応する開口部とそれぞれ位置合わせされて、冷却液をトーチヘッドとシールドとの間に導くように構成される。いくつかの実施形態では、ノズル冷却液出口開口部はシールド冷却液入口開口部に流体接続される。
【0043】
いくつかの実施形態では、消耗カートリッジは第2の部分にクロッキングピン受けをさらに備える。クロッキングピン受けは、所定の配向でカートリッジをトーチヘッドに径方向に固定するトーチヘッドのクロッキングピンを収容するように構成される。
【0044】
いくつかの実施形態では、消耗カートリッジは絶縁体本体を有するカートリッジフレームをさらに備える。カートリッジフレームはカートリッジ先端に連結される。プラズマガス入口開口部、シールドガス入口開口部、電極冷却液入口開口部、ノズル冷却液入口開口部、ノズル冷却液出口開口部、シールド冷却液入口開口部、シールド冷却液出口開口部は絶縁体本体の近位端に位置する。いくつかの実施形態では、消耗カートリッジは、カートリッジフレームの絶縁体本体に配置される非同心空隙と、空隙に配置されるRFIDタグとをさらに備える。
【0045】
さらに別の側面によると、液冷プラズマアーク切断トーチ用の消耗カートリッジが提供される。消耗カートリッジはカートリッジの第1の部分に位置するカートリッジ先端を含む。カートリッジ先端は電極、ノズル、シールドを有する。消耗カートリッジはカートリッジの第2の部分にカートリッジフレームをさらに含む。カートリッジフレームはカートリッジ先端に接続される遠位端と近位端とを備える。カートリッジフレームは、近位端においてノズルとの流体連通を維持してプラズマガス流をノズルに導入するように構成されるプラズマガス入口開口部、近位端にシールドとの流体連通を維持してシールドガス流をシールドに導入するように構成されるシールドガス入口開口部、近位端において電極との電気的接続および流体連通の少なくとも一方を維持して、冷却液流および電流の少なくとも一方を電極に導入するように構成される電極インタフェースを含む。カートリッジフレームは、近位端においてカートリッジフレームとノズルとの間で冷却液流を循環させるように構成されるノズル冷却液入口開口部およびノズル冷却液出口開口部と、近位端においてカートリッジフレームとシールドとの間で冷却液流を循環させるように構成されるシールド冷却液入口開口部およびシールド冷却液出口開口部とをさらに含む。
【0046】
別の側面によると、液冷プラズマアークトーチ用のトーチヘッドが提供される。トーチヘッドはトーチ本体と、実質的に非導電性の絶縁体本体を有するトーチ絶縁体とを含む。トーチ絶縁体はトーチ本体に連結される。トーチ絶縁体は以下を含む。(i)絶縁体本体に配置され、第1の既存の流路に沿ってトーチヘッドから消耗カートリッジ内へ流体流を導くように構成される第1の冷却液路、(ii)絶縁体本体に配置され、第1の既存の流路に沿ってカートリッジからトーチヘッドまで流体流の少なくとも一部を帰還させる第1の液体帰還路、(iii)絶縁体本体に配置され、第2の既存の流路に沿ってトーチヘッドからカートリッジまで第1のガス流を導くように構成されるガス路。第1および第2の既存の流路は相互に流体隔離される。
【0047】
いくつかの実施形態では、トーチヘッドは、所定の配向でトーチヘッドをカートリッジに径方向に固定して、トーチ絶縁体とカートリッジを延在する第1および第2の既存の流路を維持するように構成される位置合わせ機構をさらに備える。トーチヘッドが位置合わせ機構を介してカートリッジに径方向に固定されるとき、第1の冷却液路は、カートリッジの対応する第1の冷却液路と実質的に位置合わせされるように構成することができる。トーチヘッドが位置合わせ機構を介してカートリッジに径方向に固定されるとき、第1の液体帰還路は、カートリッジの対応する第1の液体帰還路と実質的に位置合わせされるように構成することができる。第1の既存の流路は、トーチヘッドの第1の冷却液路、カートリッジの対応する第1の冷却液路、カートリッジの対応する第1の液体帰還路、トーチヘッドの第1の液体帰還路を備えることができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体は、絶縁体本体に埋め込まれ、ガス路と流体連通し、ガス路への供給のために複数のガスのうちの1つを選択するように構成されるガスバルブをさらに備える。いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体は、絶縁体本体に配置され、第3の既存の流路に沿ってトーチヘッドからカートリッジまで第2のガス流を導くように構成される第2のガス路をさらに備える。第2の既存の流路と第3の既存の流路は相互に流体隔離される。いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体は絶縁体本体に配置される中心路をさらに備え、中心路は、トーチヘッドからカートリッジまで(i)電流および(ii)流体流の少なくとも一部の少なくとも一方を供給するように構成される。いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体は絶縁体本体に配置される電気路をさらに備え、電気路はトーチヘッドとカートリッジとの間のオーム接触を確立するオーム接触接続部を収容するように構成される。
【0049】
いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体は、(i)絶縁体本体の遠位端において、カートリッジからパイロットアーク電流を受け取るように構成される電流リング、(ii)電流リングと電気的に接続して、パイロットアーク電流をカートリッジからトーチヘッドに流すパイロットアーク接続部を収容するように構成されるパイロットアーク路、をさらに備える。
【0050】
いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体は、(i)絶縁体本体に配置され、第1の既存の流路に沿ってトーチヘッドからカートリッジ内へ流体流の少なくとも一部を導くように構成される第2の冷却液路、(ii)絶縁体本体に配置され、第1の既存の流路に沿ってカートリッジからトーチヘッドまで流体流の少なくとも一部を帰還させる第2の液体帰還路、(iii)絶縁体本体に配置され、第1の液体帰還路と第2の冷却液路を接続する分配路、をさらに備える。第1の既存の流路は、第1の冷却液路と、第1の液体帰還路と、分配路第2の冷却液路と、第2の液体帰還路とを絶縁体本体に備える一連の路全体を流れることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1の冷却液路、第1の液体帰還路、ガス路は、絶縁体本体を延在する長手軸線に対して非同心である。
別の側面によると、液冷プラズマアークトーチ用のトーチヘッドが提供される。トーチヘッドは、(i)絶縁体本体を有するトーチ絶縁体、(ii)絶縁体本体に配置され、トーチヘッドからカートリッジ内へ第1の流体流を導くように構成される第1の冷却路および第3の冷却路、(iii)絶縁体本体に配置され、カートリッジからトーチヘッドまで第1の流体流の少なくとも一部を帰還させるように構成される第2の冷却路および第4の冷却路、(iv)、絶縁体本体に配置され、第2の冷却路と第3の冷却路を接続する第1の分配路、を含む。第1の分配路は、第2の通路から第3の通路まで第1の流体流を方向付けるように構成される。
【0052】
いくつかの実施形態では、第1の分配路は、第2の冷却路と第3の冷却路を接続するように周方向に配向される。いくつかの実施形態では、第1の冷却路、第2の冷却路、第3の冷却路、第4の冷却路は、絶縁体本体を延在する長手軸線に対して非同心である。いくつかの実施形態では、第1の冷却路、第2の冷却路、第3の冷却路、第4の冷却路はそれぞれ、絶縁体本体を延在する中心長手軸線に対して非対称である。
【0053】
さらに別の側面によると、液冷プラズマアークトーチ用のトーチヘッドが提供される。トーチヘッドは、(i)近位端と遠位端とを含む絶縁体本体を有するトーチ絶縁体、(ii)絶縁体本体の近位端から遠位端まで実質的に延在する複数のガスおよび液体路、(iii)絶縁体本体の空隙、(iv)回路盤とRFIDアンテナコイルとを備える通信装置、を含む。RFIDアンテナコイルは、回路盤に電気的に接続され、通信装置の遠位端に隣接して配置される。通信装置は、RFIDアンテナコイルが絶縁体本体の遠位端に位置するように空隙に配置される。
【0054】
いくつかの実施形態では、通信装置は、液体が侵入するのを防ぐ封止ハウジングをさらに備える。いくつかの実施形態では、通信装置の回路盤はアンテナコイルに電力を供給し、アンテナコイルが受信するRFID信号を読み取るように構成される。アンテナコイルは通信装置の遠位端の端面に位置付けることができる。いくつかの実施形態では、通信装置は通信装置の近位端にコネクタをさらに備える。
【0055】
いくつかの実施形態では、複数のガス路および液体路と空隙とは、絶縁体本体の中心長手軸線に対して非同心である。
上述の本発明の利点はその他の利点と共に、添付図面と併せて以下の説明を参照することによってさらに適切に理解することができる。図面は必ずしも等縮尺ではなく、その代わりに、本発明の原理を示すことに重点を置く。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1a】本発明の例示的な実施形態に係る、概してトーチヘッドとカートリッジとを備える液冷プラズマアークトーチ10を示す展開図である。
【
図1b】本発明の例示的な実施形態に係る、概してトーチヘッドとカートリッジとを備える液冷プラズマアークトーチ10を示す組立図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態に係る、
図1bの組立後のプラズマアークトーチを示す断面図である。
【
図3】本発明の例示的な実施形態に係る、
図1のトーチヘッドの近位端を示す図である。
【
図4】本発明の例示的な実施形態に係る、
図1のトーチヘッドの遠位端を示す図である。
【
図5】本発明の例示的な実施形態に係る、
図1のトーチヘッドのカソードの例示的設計を示す図である。
【
図6】本発明の例示的な実施形態に係る、
図1のトーチヘッドの冷却液管の例示的設計を示す図である。
【
図7】本発明の例示的な実施形態に係る、プラズマアークトーチのトーチヘッドとカートリッジとの間の例示的パイロットアーク電流流路を示すように配向された
図2のプラズマアークトーチの断面図である。
【
図8】本発明の例示的な実施形態に係る、例示的オーム接触路を示すように配向された
図2のプラズマアークトーチの断面図である。
【
図9】本発明の例示的な実施形態に係る、
図1のトーチヘッドの電流リングの例示的設計を示す図である。
【
図10】本発明の例示的な実施形態に係る、トーチヘッド102の通信装置の例示的設計を示す図である。
【
図11a】本発明の例示的な実施形態に係る、プラズマアークトーチのトーチヘッドからカートリッジまでの例示的シールドガス流路を示すように配向された
図2のプラズマアークトーチの断面図である。
【
図11b】本発明の例示的な実施形態に係る、プラズマアークトーチのトーチヘッドからカートリッジまでの例示的シールドガス流路を示すように配向された
図2のプラズマアークトーチの断面図である。
【
図12a】本発明の例示的な実施形態に係る、プラズマアークトーチのトーチヘッドからカートリッジまでの例示的プラズマガス流路を示すように配向された
図2のプラズマアークトーチの断面図である。
【
図12b】本発明の例示的な実施形態に係る、プラズマアークトーチのトーチヘッドからカートリッジまでの例示的プラズマガス流路を示すように配向された
図2のプラズマアークトーチの断面図である。
【
図12c】本発明の例示的な実施形態に係る、プラズマアークトーチのトーチヘッドからカートリッジまでの例示的プラズマガス流路を示すように配向された
図2のプラズマアークトーチの断面図である。
【
図13a】本発明の例示的な実施形態に係る、プラズマアークトーチのトーチヘッドとカートリッジとの間で循環する例示的冷却液流路を示すように配向された
図2のプラズマアークトーチの断面図である。
【
図13b】本発明の例示的な実施形態に係る、プラズマアークトーチのトーチヘッドとカートリッジとの間で循環する例示的冷却液流路を示すように配向された
図2のプラズマアークトーチの断面図である。
【
図14a】本発明の例示的な実施形態に係る、トーチヘッドのカソードブロックを示す例示的側面図である。
【
図14b】本発明の例示的な実施形態に係る、トーチヘッドのカソードブロックを示す例示的近位図である。
【
図15】本発明の例示的な実施形態に係る、
図1のカートリッジのカートリッジフレームの近位端を示す図である。
【
図16】本発明の例示的な実施形態に係る、
図1の保持キャップ120の例示的設計を示す断面図である。
【
図17】本発明の例示的な実施形態に係る、
図1のカートリッジの断面図である。
【
図18】本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジのカートリッジフレームの例示的設計を示す図である。
【
図19】本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジの電極の例示的設計を示す図である。
【
図20】本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジのカートリッジフレームに固定されるバッフルおよびシールド旋回リングを示す断面図である。
【
図21】本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジのシールド旋回リングを示す断面図である。
【
図22】本発明の例示的な実施形態に係る、様々な路開口部を示す
図17のカートリッジのカートリッジフレームの透視図である。
【
図23】本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジの旋回リングの例示的設計を示す図である。
【
図24a】本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジの非通気ノズルとノズルジャケットを示す外面図である。
【
図24b】本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジの非通気ノズルとノズルジャケットを示す外面図である。
【
図25】本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジのシールドを示す断面図である。
【
図26】本発明の例示的な実施形態に係る、
図1のプラズマアークトーチのトーチヘッドと互換性のある例示的通気カートリッジを示す図である。
【
図27a】本発明の例示的な実施形態に係る、
図26のカートリッジのノズルライナーと通気ノズルを示す外面図である。
【
図27b】本発明の例示的な実施形態に係る、
図26のカートリッジのノズルライナーと通気ノズルを示す外面図である。
【
図28】本発明の例示的な実施形態に係る、
図1のトーチヘッドと互換性があるカートリッジを形成するように好適に構成することができる別の例示的カートリッジフレームを示す図である。
【
図29】本発明の例示的な実施形態に係る、非平面状近位端を含む例示的通気カートリッジを示す図である。
【
図30】本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジの展開図である。
【
図31】本発明の例示的な実施形態に係る、通信装置および信号装置の例示的位置を示す
図2のプラズマアークトーチの一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明は、トーチヘッドと消耗カートリッジとを含む液冷プラズマアークトーチを提供する。いくつかの実施形態では、消耗カートリッジは、カートリッジのコンポーネントを個別に保守も処理もできない一体型コンポーネントである。よって、消耗カートリッジの1つのコンポーネントを交換する必要がある場合、カートリッジ全体が交換される。いくつかの実施形態では、消耗カートリッジは、従来のトーチ設計のように個々の消耗品を修理および交換するのではなく、任意のコンポーネントの耐用年数の終了後、オペレータによって交換される「使い捨て」カートリッジである。いくつかの実施形態では、カートリッジは、複数のアークを含むことができる1回の使用後に交換される。いくつかの実施形態では、カートリッジは単独のアーク事象後に交換される。
【0058】
図1aおよび1bは、本発明の例示的な実施形態に係る、概してトーチヘッド102とカートリッジ104とを備える液冷プラズマアークトーチ10を示す展開図と組立図である。複数の消耗トーチコンポーネントを備えるカートリッジ104は、プラズマアークトーチ10の中心長手軸線Aに沿って近位端(領域)14と遠位端(領域)16とを有する。トーチヘッド102は長手軸線Aに沿ってトーチ本体18、近位端(領域)20、遠位端(領域)22を含む。トーチ本体18は真鍮などの導電性材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジ104の近位端14は保持キャップ120によってトーチヘッド102の遠位端22と位置合わせされ、固定される。いくつかの実施形態では、カートリッジ104の近位端14はトーチ102の遠位端22に嵌め合い係合/接続される。たとえば、近位端14と遠位端22は7つ以上の個々の嵌合点/接合点/接続点を介して接続することができる。ネジ込み、締まり嵌め、スナップ嵌め、クイックロックなど、トーチヘッド102とカートリッジ104との間のその他の係合手段も可能である。以後、コンポーネントの近位端は、トーチ10が被加工物の処理に使用されるとき、長手軸線Aに沿って被加工物から離れたコンポーネントの領域を画定し、コンポーネントの遠位端は、トーチ10が被加工物の処理に使用されるとき、近位端の反対側で被加工物に近いコンポーネントの領域を画定する。
【0059】
図2は、本発明の例示的な実施形態に係る、
図1bの組立後のプラズマアークトーチ10を示す断面図である。図示するように、
図1のインタフェース106は、カートリッジ104とトーチヘッド102との係合後に両者間の境界を画定する。実質的に一体型要素であるカートリッジ104は、中心長手軸線Aを中心に同心に配置される電極108(すなわち、アークエミッタ)と、ノズル110(すなわち、アークコンストリクタ)と、シールド114とを備えるカートリッジ先端を含む。カートリッジ先端のコンポーネントは、カートリッジ104のカートリッジフレーム112に接続することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジ104は、長手軸線Aの周囲に配置される旋回リング150をさらに含む。カートリッジ104に関する詳細は
図15および
図17~25を参照して以下で説明する。トーチヘッド102は、トーチ本体18内で長手軸線Aの周囲に配置されるトーチ絶縁体118を含む。トーチヘッド102に関する詳細は
図2~
図14bを参照して以下で説明する。
【0060】
トーチヘッド
図2に示すように、トーチヘッド102のトーチ絶縁体118は中心長手軸線Aを中心にしてトーチ本体18に実質的に配置され、覆われる。トーチ本体18は真鍮などの導電性材料で作製することができる。近位端21と遠位端23とを含むトーチ絶縁体118はプラスチックなどの電気絶縁材料で作製することができる。カソード130、通信装置122、パイロットアーク接続部124、オーム接続部131を互いに、およびトーチ絶縁体118から電気的に絶縁しつつ、トーチ絶縁体118は近位端21で、これらのコンポーネントのうちの1つ以上に連結することができる。いくつかの実施形態では、カソード130、通信装置122、パイロットアーク接続部124、オーム接続部131のうちの少なくとも1つがトーチ絶縁体118に固定される(たとえば、トーチ絶縁体118にねじ込まれる、あるいは埋め込まれる)ため、トーチ絶縁体118から容易にまたは迅速に脱離される可能性がない。また、トーチ絶縁体118は、ガス源(図示せず)に連結しガスをトーチ10に導入するための少なくとも1つのガス開口部126aを含むことができる。トーチ絶縁体118は、冷却液源(図示せず)に連結し冷却液をトーチ10に導入するための少なくとも1つの冷却液開口部128aをさらに含むことができる。
図3は、本発明の例示的な実施形態に係るトーチヘッド102の近位端20を示す図であり、トーチ絶縁体118の近位端21における各種電流開口部、ガス開口部、液体開口部を示す。
図4は、本発明の例示的な実施形態に係るトーチヘッド102の遠位端22を示す図であり、トーチ絶縁体118の遠位端23における各種電流開口部、ガス開口部、液体開口部を示す。
【0061】
a.パイロットアークと移行式アークの接続
1側面によると、トーチ絶縁体118は、トーチヘッド102とカートリッジ104との間のパイロットアーク電流および/または移行式アーク電流を維持するために使用される複数のコンポーネントを相互接続することができる。たとえば、トーチ絶縁体118は、トーチヘッド102とカートリッジ104との間のパイロットアーク電流と移行式アーク電流の両方の伝達をサポートする構成において、カソード130、冷却液管116、パイロットアーク接続部124、電流リング800を接続するように構成される。
【0062】
いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体118は、トーチ絶縁体118の近位端21(
図3に示す)の開口部132aからトーチ絶縁体118の遠位端23(
図4に示す)の開口部132bまで延在する主路132(
図2に示す)を含む。主路132は、中心長手軸線Aに対して同心となるようにトーチ絶縁体118内の中心に位置させることができる。主路132は絶縁体118内で実質的に直線状に延在して開口部132aおよび132bを接続することができる。主路132はカソード130の少なくとも一部を収容するように構成することができる。
図2に示すように、カソード130はトーチ絶縁体118の長に沿って主路132内を延在することができる。いくつかの実施形態では、カソードブロック係止コンポーネント250が、トーチ絶縁体118の内側でカソード130を主路132に固定するために使用される。
【0063】
図5は、本発明の例示的な実施形態に係る、トーチヘッド102のカソード130の例示的設計を示す図である。カソード130はカソード管604に連結される遠位端を有するカソード取付具602を含み、カソード管604の遠位端がカソードブロック606に連結される。カソード取付具602、カソード管604、カソードブロック606はそれぞれ真鍮や銅などの導電性材料で作製することができる。1例示的設計では、カソード取付具602とカソードブロック606は真鍮で作製され、カソード管604は銅で作製される。
【0064】
図2に示すように、カソードブロック606の遠位端は、トーチ絶縁体118の主路132内の冷却液管116に電気的および/または物理的に連結することができる。いくつかの実施形態では、冷却液管116は、Oリング133を収容し、冷却液管116の外面とカソードブロック606の内面との間のインタフェースを形成するOリング溝を画定する。冷却液管116の少なくとも近位部分は、カソードブロック606の遠位端に挿入される。一般的に、動作中、いったんトーチヘッド102がカートリッジ104に連結されると、冷却液管116は冷却液をカートリッジ104に分配する。いくつかの実施形態では、さらに、冷却液管116はカソード130からカートリッジ104、たとえばカートリッジ104の電極108まで電流を流すように構成される。いくつかの実施形態では、カソードブロック電極管252(
図2に示す)は非導電性材料で作製することができ、近位端でカソードブロック606と遠位端で電極108と接続する(たとえば、ねじ込む、または締まり嵌めによって封止する)ように構成することができる。結果として得られるハウジングはカソード130、カソードブロック電極管252、電極108を備え、冷却液管116を実質的に覆い、冷却液流を収容する。
【0065】
図6は、本発明の例示的な実施形態に係る、トーチヘッド102の冷却液管116の例示的設計を示す図である。冷却液管116は真鍮などの導電性材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、冷却液管116はカソードブロック606の遠位端に(たとえばねじ込むことによって)装着されるため、容易または迅速に脱離される可能性がない。いくつかのその他の実施形態では、冷却液管116はカソードブロック606の遠位端に(締まり嵌めによって)装着されるため、容易または迅速に脱離させることができない。冷却液管116は近位端740で外面の周囲にLouvertac(登録商標)バンド702などの電気コネクタを有することができ、近位端740はカソードブロック606と嵌合するように構成される端部である。いったん冷却液管116の近位端740がカソードブロック606の遠位端に挿入および装着されると、Louvertacバンド702は、カソードブロック606の内面から冷却液管116の外面まで搬送される切断電流を導くように構成される。もしくは、冷却液管116は、Louvertacバンド702を設けずにネジまたはその他の流搬送方法を介してカソード130に固定することができる。いくつかの実施形態では、冷却液管116は冷却液管116の遠位端742で外面の周囲にLouvertac(登録商標)バンド704などの電気コネクタを有し、遠位端742は、いったんトーチヘッド102がカートリッジ104に固定されると、電極108の内面と嵌合するように構成される端部である。いくつかの実施形態では、冷却液管116は、遠位端742でLouvertacバンド704の下方の外面に1つ以上の長手路744を含み、冷却液管116と電極108との間の冷却液流の圧力低下を制限する。電流の伝達に加えて、冷却液管116は冷却液流を電極108に導くように構成することができる。たとえば、冷却液管116は、冷却液管116に冷却液流を出入りさせるために近位端740に開口部745と遠位端742に開口部746とを有する。いくつかの実施形態では、遠位端742および近位端740の一端または両端でLouvertac(登録商標)バンド702または704を使用することにより、冷却液管116がトーチヘッド102に摺動可能に連結されると共に、カートリッジ104が冷却液管116に摺動可能に連結される。この特徴を以下で詳細に説明する。
【0066】
いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体118は、トーチ絶縁体118の近位端21(
図3に示す)に開口部148aを有する空隙148(
図2に示す)を含む。
図2に示すように、空隙148は、パイロットアーク接続部124を収容するように構成することができる。いくつかの実施形態では、空隙148は長手軸線Aに沿ってトーチ絶縁体118に部分的に延在する。
【0067】
いくつかの実施形態では、導電性材料(たとえば、真鍮)で作製される電流リング800はトーチ絶縁体118の遠位端23に位置する。
図9は、本発明の例示的な実施形態に係る、トーチヘッド102におけるトーチ絶縁体118の電流リング800の例示的設計を示す図である。図示するように、電流リング800はリング部800aと凸部800bを有する。リング部800aは薄遠位縁部802を有し、凸部800bは遠位面805を有する。電流リング800のリング部800aはトーチ絶縁体118の冷却液管116とカソード130に対して同心に配置され、電流リング800の凸部800bは、空隙148に収容されるパイロットアーク接続部124の近位端と電気的および/または物理的に接触するように配向させることができる。いくつかの実施形態では、電流リング800はカソード絶縁体804(
図2に示す)によって冷却液管116とカソード130から電気的に絶縁されるため、電流は電流リング800とカソード130との間にも電流リング800と冷却液管116との間にも実質的に流れない。いくつかの実施形態では、
図4に示すように、少なくとも電流リング800の表面が主電気路開口部132bを介してトーチ絶縁体118の遠位端23から露出するため、いったんカートリッジ104がトーチヘッド102に装着されると、カートリッジ104のコンポーネントが電流リング800に物理的に接触することができる。たとえば、電流リング800のリング部800aの薄遠位縁部802と凸部800bの遠位面805の両方を開口部132bから露出させることができる。
【0068】
図7は、本発明の例示的な実施形態に係る、プラズマアークトーチ10のトーチヘッド102とカートリッジ104との間の例示的パイロットアーク電流流路752を示すように配向された
図2のプラズマアークトーチ10を示す断面図である。パイロットアークを開始させるため、高周波高電圧(HFHV)信号に対応付けられるパイロットアーク電流752は電源(図示せず)からプラズマアークトーチ10までの電力線に連結される。パイロットアーク電流752は、カソード取付具602を介して電源からカソード130まで流れることができる。その後、カソード取付具602に接続されるカソード管604はパイロットアーク電流752をカソードブロック606に流し、その電流を冷却液管116の近位端740でLouvertacバンド702を介して冷却液管116に伝送する。パイロットアーク電流752は冷却液管116を通じて遠位方向に流れ、冷却液管116の遠位端742でLouvertacバンド704を介して電極108の内面に送られることによって、電極108の内面に通電する。別の実施形態では、パイロットアーク電流は、冷却液管116を使用せずに、たとえばカソード130と電極108との間の物理的接続によってカソード130から電極108に流される。いったん電極108に到達すると、パイロットアーク電流流路752は電極108とノズル110との間のギャップを流れるプラズマガス内で火花放電を引き起こすことによって、ギャップ内でパイロットアークを生成する。パイロットアーク回路を完成させるため、パイロットアーク電流流路752は、ノズル110から旋回リング150(導電性材料で作製することができる)に、そしてトーチヘッド102の電流リング800まで近位方向に流れることによってトーチヘッド102に帰還することができる。図示するように、旋回リング150の遠位端はインタフェース758でノズル110と物理的に接触する。旋回リング150の近位端は、Louvertac電気コネクタ756を介して少なくとも電流リング800のリング部800aの遠位縁部802と物理的に接触する。よって、旋回リング150は、カートリッジ104のノズル110からトーチヘッド102へパイロットアーク電流752を帰還させるように構成される。電流リング800のリング部800aは、パイロットアーク電流752を電流リング800の凸部800bに伝送し、パイロットアーク電流752を空隙148内のパイロットアーク電流接続部124に流し、パイロットアーク電流を電源に帰還させることができる。
【0069】
電極108とノズル110との間のギャップ内のガス流はパイロットアークによってイオン化されるため、電極108と被加工物(図示せず)との間の電気抵抗は小さくなる。パイロットアークを始動させるために使用される電圧よりも高い電圧を電極108と被加工物全体にわたって印加して、アークを生成してギャップのイオン化後の被加工物に伝達することができる。この電極108と被加工物との間のアークが移行式アークである。移行式アークを維持するため、電源からのより高い電圧を供給する移行式アーク電流は、冷却液管116とLouvertacバンド702、704とを介して、遠位パイロットアーク電流752と実質的に同様にカソード130から電極108に流れる。移行式アーク回路を完成させるため、移行式アーク電流は別々の配線(図示せず)を通じて被加工物から電源に帰還する。
【0070】
b.通信装置(RFIDリーダ)
別の側面によると、トーチ絶縁体118は、トーチヘッド102とカートリッジ104との間の無線通信をサポートするように構成することができる。いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体118は、トーチ絶縁体118の近位端21(
図3に示す)に開口部144aを有する空隙144(
図2に示す)を含む。空隙144は、通信装置122をトーチ絶縁体118内に保持するように構成することができる。通信装置122は開口部144aを介して空隙144から取外し可能である。いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体118の遠位端23に対応する開口部が存在しないように、空隙144は中心長手軸線Aに沿ってトーチ絶縁体118に部分的に延在する。
【0071】
図10は、本発明の例示的な実施形態に係る、トーチヘッド102の通信装置122の例示的設計を示す図である。通信装置122は、カートリッジ104に位置する近傍の信号装置160(たとえば、RFIDタグ)から無線送信されるRFID信号を受信するように構成されたRFIDリーダを備えることができる(
図2に示す)。通信装置122は、これらの信号を処理して、信号装置160によって送信されるカートリッジ104に関する関連データ(および/またはその他のトーチ情報)を抽出し、分析のためにデータをプロセッサ(図示せず)に送信するように構成される。概して、通信装置122は、トーチ絶縁体118などのプラズマアークトーチ10内に配置されて、プラズマアークとアーク点火が信号装置160と通信装置122との間の無線通信を邪魔する可能性を最小限に抑えることができる。通信装置122は、近位端にコネクタ806、遠位端にアンテナアセンブリ808、コネクタ806とアンテナアセンブリ808との間に処理アセンブリ810を含むことができる。
【0072】
アンテナアセンブリ808は、RF信号を信号装置160に無線送信して、信号装置160に問い合わせる、および/または問い合わせに応答して信号装置160からRF信号を受信するように構成されるアンテナコイル814を含むことができる。このアンテナコイル814はアンテナアセンブリ808の遠位端(すなわち、通信装置122の遠位端)に配置させることができるため、通信装置122が空隙144に挿入されるとき、アンテナコイル814はトーチ絶縁体118の遠位端23に埋め込まれる。このような配置は、アンテナコイル814とカートリッジ104の信号装置160との間の無線通信距離を最小化し、両者の間の通信干渉を低減させる。いくつかの実施形態では、アンテナコイル814は通信装置の遠位端の端面に位置付けられる。たとえば、アンテナコイル814は、アンテナアセンブリ808の遠位端でポスト812に巻き付けることができる。アセンブリ808は、アンテナコイル814に接続された1つ以上の配線を処理アセンブリ810に送るように構成されるプラスチック製円柱状ハウジングをさらに含むことができる。処理アセンブリ810は、1つ以上のハードウェアコンポーネント(たとえば、プリント配線盤(PCB))を内部に配置したプラスチック製円柱状ハウジングを含むことができる。アンテナアセンブリ808のアンテナコイル814から配線に接続されるPCBは、(i)アンテナアセンブリ808を含む通信装置122に電力を供給する、(ii)信号装置160に電力を供給する、および/または(iii)通信プロトコル(たとえば、ISO/IEC15693などのRFIDプロトコル)を用いてアンテナコイル814を介して信号装置160と無線通信し、信号装置160からのデータを処理するように構成される。いくつかの実施形態では、PCBは、通信装置122と、信号装置160と、関連コンポーネントとを含むトーチ10に搭載されたトーチ通信回路全体に電力を供給することができる。処理アセンブリ810のPCBと電気通信するコネクタ806は、処理アセンブリ810によって処理されたデータをトーチ10の外部の計算装置(たとえば、中央処理装置など)に送信するように構成される。たとえば、コネクタ806は、処理アセンブリ810のPCBと協働して、無線または有線接続を使用して信号装置160から取得した情報を外部計算装置に伝送することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、通信装置122と信号装置160との間の無線通信を可能にする回路がアナログである一方、通信装置122と外部計算装置との間の(有線または無線)通信を可能にする回路はデジタルである。この構成では、PCBを含む通信装置122をトーチ10内に置くことによって、通信装置122と信号装置160との間の通信距離を減少させることで、対応するアナログ回路でのノイズ傍受を低減する。しかしながら、通信装置122をトーチ10に配置することで、通信装置122と遠隔計算装置との間の通信距離を増加させ、対応するデジタル回路のノイズ傍受を増加させる可能性もあるが、デジタル回路はアナログ回路よりもノイズ傍受に強い(すなわち、影響を受けにくい)。
【0074】
いくつかの実施形態では、通信装置122は、たとえば、電気的絶縁、冷却液漏れからの保護(および冷却液流によって運ばれるゴミからの保護)、その他の環境要因に対する保護を提供する1つ以上の保護材層に包囲される。いくつかの実施形態では、処理アセンブリ810のハウジングおよび/またはアンテナアセンブリ808のハウジングは、液体とゴミからコンポーネントを保護するために耐久性のあるプラスチックで作製される。ハウジングはPCBのLED信号がハウジングの外部から可視となるように半透明とすることができる。いくつかの実施形態では、液体による損傷から通信装置122を保護し、電気絶縁バリアを生成するために1つ以上のOリング封止を使用することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体118内の通信装置122は、たとえば約30000Vの電気的絶縁によって、プラズマ出力点火回路から電気的に絶縁することができる。いくつかの実施形態では、通信装置122は、上述したトーチ絶縁体118のその他すべてのコンポーネントだけでなく通信装置122の周囲の保護層も収容し、嵩を追加しながら、トーチ絶縁体118の内部に嵌合するように構成される。たとえば、通信装置122は、トーチ絶縁体118内に適合するように長く、細く、および/または柔軟に設計することができる。
【0076】
動作中、プラズマアークトーチ100は大気温度で最高100℃まで上昇し、動作温度の上昇の余裕をほとんど残さない可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、通信装置122は、最低動作温度を生成するように設計される。たとえば、通信装置122は、低回路電力電圧、低多地点制御装置(MCU)クロック周波数、低動作デューティサイクル、および/または実行されない間に発熱を最小限に抑えるスリープモードを有することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、通信装置122と信号装置160とを含むトーチ通信回路は、プラズマアークトーチ10の中心長手軸線Aから軸がずれている。この偏位により、通信回路を、プラズマ処理性能を定義するトーチ領域から離すことができる。概して、通信回路が置かれる領域は、プラズマ処理設計の変動に強く、プラズマ処理の設計自由度と通信回路性能の安定性とを実現する。いくつかの実施形態では、トーチ通信回路と近傍の金属コンポーネントとの間の不所望の連結を低減するため、アンテナコイル814のサイズが最小化される(たとえば、コイル径が低減される)、および/またはRFID出力が最小化されて結果として生じるRFID領域のサイズが低減される。概して、RFID領域と潜在的に連結させることができる隣接金属コンポーネントを考慮に入れ、サイズとトーチ通信回路との近接度を実質的に一定に保つことができる。
【0078】
他の実施形態では、プラズマアークトーチ10は、たとえば、トーチヘッド102の通信装置122またはカートリッジ104の信号装置106を含む通信システムを含んでいない。たとえば、通信システムは、カートリッジ104がトーチヘッド102または急速着脱トーチヘッドに接続され、次にトーチ受けに接続されるトーチには設けなくてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、
図2および
図10に示すように、プラズマアークトーチ10の通信システムは、トーチ絶縁体118の通信装置122内または上に、たとえばアンテナコイル814近傍の通信装置122のアンテナアセンブリ808に配置される第2の信号装置162(たとえば、RFIDタグ)をさらに含む。もしくは、第2の信号装置162は、通信装置122および/またはトーチ絶縁体118の外部のトーチヘッド102に配置することができる。任意のベース164を使用して、第2の信号装置162を適所に保持することができる。第2の信号装置162はプラズマアークトーチ10に関する情報(たとえば、発射されるアークの数)の読出しおよび/または書込みを実行し、その情報をプラズマ切断システムに伝達するように構成され、該システムは情報をカートリッジ104の第1の信号装置160に中継することができる。一般的に、第1および第2の信号装置160、162は両装置間で情報をやり取りすることができる。
【0080】
c.オーム接触
別の側面によると、トーチ絶縁体118は、トーチ10と被加工物との間の相対的高さを制御してトーチ動作を簡易化する目的でオーム接触をサポートするように構成することができる。いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体118は、トーチ絶縁体108の近位端21に開口部146a(
図3に示す)を有するオーム接触空隙146(
図8に示す)を含む。
図8は、本発明の例示的な実施形態に係る、例示的オーム接触路780を示すように配向された
図2のプラズマアークトーチ10を示す断面図である。図示するように、トーチヘッド102のトーチ絶縁体118のオーム接触空隙146は、開口部146a(
図3に示す)を介して空隙146から取外し可能であるオーム接触接続部131を保持するように構成することができる。いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体118の遠位端23に対応する開口部が存在しないように、オーム接触空隙146は長手軸線Aに沿ってトーチ絶縁体118に部分的に延在する。
【0081】
図8のオーム接触路780により、トーチ10のコントローラ(図示せず)は、トーチ動作前またはトーチ動作中にトーチ10と被加工物/プレート782との間の相対的高さを制御するため、被加工物/プレート782を検出および感知することができる。オーム接触路780に関しては、トーチヘッド102がトーチ動作中に搭載されるとき、引込みピン(図示せず)がオーム接触接続部131と電気的に接触して電気接触路780を形成する。その後、路780はオーム接触接続部131の長全体を延在して、止めネジ784を介してトーチ本体18と電気的に接触する。路780はトーチ本体18と保持キャップ120にわたって遠位方向に延び、カートリッジ104のシールド114に至る。この路780により、コントローラは被加工物/プレート782の位置を感知して、それにしたがって相対的高さを調節することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジ104のシールド114はカートリッジ104のノズル110から電気的に隔離されて、オーム接触路780がトーチヘッド102からトーチ10の外面のシールド114まで延びることができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、
図8のオーム接触路780は、トーチ絶縁体118の使用によって、パイロットアーク電流流路752および/または移行式アーク電流流路から電気的に隔離される。たとえば、パイロットアーク電流流路752と移行式アーク電流流路がトーチ絶縁体118全体を延在できる一方、オーム接触路780はトーチ本体18の大部分を延在する。
【0083】
d.シールドガス
別の側面によると、トーチ絶縁体118は、トーチヘッド102からカートリッジ104まで1つ以上のガス流を方向付けるように構成することができる。いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体118は、トーチヘッド102からカートリッジ104まで少なくとも1つのシールドガスを方向付けるように構成される。例示的シールドガスは空気、酸素(すなわち、O
2)、アルゴンを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるシールドガス流路と通路は、トーチヘッド102とカートリッジ104との間に水などのシールド流体を導くことと両立させることもできる。トーチ絶縁体118は、トーチ絶縁体118の近位端21の開口部126a(
図3に示す)からトーチ絶縁体118の遠位端23のシールドガス開口部126b(
図4に示す)まで延在するシールドガス路850を含むことができる。
【0084】
図11aおよび11bは、本発明の例示的な実施形態に係る、シールドガス路850(シールドガス路区分850aおよび850cを含む)にわたるトーチヘッド102からカートリッジ104までの例示的シールドガス流路868を示すように配向された
図2のプラズマアークトーチ10の断面図である。図示するように、シールドガス路850はいくつかの区分を備えることができる。第1の路区分850aは、トーチ絶縁体118の近位端21の開口部126aと絶縁体118内または絶縁体118上の内側開口部860とを接続する。第1の路区分850aは長手軸線Aと実質的に平行に延在することができる。第2の路区分(図示せず)は、開口部860と絶縁体118内または絶縁体118上の別の内側開口部862とを接続することができ、第2の内側開口部862は第1の内側開口部860から径方向に偏位する。たとえば、内側開口部860、862は、約30度~約90度径方向に偏位させることができる。第2の路区分はトーチ絶縁体118の周囲を周方向(または異なる配向)に延在して内側開口部860、862を接続することができる。第3の路区分850cは内側開口部862をトーチ絶縁体118の遠位端23の開口部126bに接続する。第3の路区分850cは長手軸線Aと実質的に平行に延在することができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、カートリッジ104のトーチヘッド102への装着時、カートリッジ104のカートリッジフレーム112内の対応するシールドガス路864はシールドガス路区分850cと流体的に位置合わせされる。シールドガス流868は、カートリッジフレーム112においてシールドガス路864の近位開口部864aを介してカートリッジ104に入ることができる。シールドガス路864は、シールド114とノズル110との間のガス通路872と流体接続されるカートリッジフレーム112の遠位端に開口部864bをさらに有する。よって、シールドガス路864は、トーチヘッド102からガス通路872へシールドガスを導入することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジフレーム112はシールドガス路864の経路に、シールドガス流868の1つ以上のパラメータ(たとえば、流パターンおよび流量)を調節する1つ以上のコンポーネントを含む。シールドガス路864、カートリッジフレーム112の旋回コンポーネント、カートリッジ104を通るシールドガス流868に関する詳細は後述する。
【0086】
図11aおよび11bに示すシールドガス流路868に関しては、シールドガスは、トーチ絶縁体118の近位端21でシールドガス開口部126aを介してトーチヘッド102に導入される。ガス868はシールドガス路区分850aを通って遠位方向に流れて内側開口部860に至る。その後、ガス868は、シールドガス路850の第2の区分を介してトーチ絶縁体118の周囲を周方向(または別の配向)に流れて、内側開口部860と間隔をおいて配置された内側開口部862に到達する。ガス868はシールドガス路区分850cを介して開口部862からトーチ絶縁体118の遠位端23の開口部126bまで長手方向に流れて、カートリッジ104に到達する。開口部126bを介してトーチヘッド102を脱出すると、シールドガス流868はカートリッジ104のカートリッジフレーム112のシールドガス路864に入る。ガス868はカートリッジフレーム112のシールドガス路864を通じて遠位方向に流れ、シールドガス路864の開口部864bからシールド114とノズル110との間のガス通路872へと脱出して2つのコンポーネントを冷却する。シールドガス868はシールド出口孔870を介してカートリッジ104を脱出するように構成される。
【0087】
e.プラズマガス
いくつかの実施形態では、トーチヘッド102のトーチ絶縁体118は、トーチヘッド102からカートリッジ104まで1つ以上のプラズマガスを方向付けることができる。たとえば、トーチ絶縁体118は、複数のガス源を収容し、ガスの一つを選択するかガスを混合し、選択されたガスまたはガス混合物をカートリッジ104に導入するように構成することができる。
図12a~12cは、本発明の例示的な実施形態に係る、トーチヘッド102からカートリッジ104までの例示的プラズマガス流路900を示すように配向される
図2のプラズマアークトーチ10の断面図である。
【0088】
トーチ絶縁体118はトーチ絶縁体118の近位端21に2つのプラズマガス開口部200aおよび200bを含み、各開口部は酸素(O
2)、空気、窒素(N
2)、水素系ガス(たとえば、H35)、F5燃料ガス、またはこれらの化学物質の1つ以上の混合物などのプラズマガスを受け取るように構成される。また、トーチ絶縁体118は、プラズマガスバルブ204を収容するように構成される空隙202(
図12a~12cに示す)を含むことができる。空隙202はトーチ絶縁体118の近位端21(
図3に示す)の開口部202aに接続され、該開口部202aを通じてプラズマガスバルブ204を空隙202に脱着可能に配置することができる。プラズマガスバルブ204は、プラズマガス開口部200aおよび200bから受け取ったガスまたは混合ガスの一方を選択し、トーチ絶縁体118の遠位端23(
図4に示す)の開口部200cを介してプラズマガス路206(
図12a~12cに示す)全体にわたって、結果として生じるガスまたはガス混合物をカートリッジ104に導入するように構成される。
【0089】
図12aに示すように、例示的プラズマガス流路900は、接続路902を介してプラズマガス開口部200aから空隙202に位置するプラズマガスバルブ204へ導入される第1のプラズマガス流900aを備える。接続路902は第1のプラズマガス流902をバルブ204に導入するために開口部200aとプラズマガスバルブ204の入口904を流体接続する。
図12bに示すように、プラズマガス流路900は、接続路906を介してプラズマガス開口部200bからプラズマガスバルブ204に導入される第2のプラズマガス流900bを備える。接続路906は、第2のプラズマガス流900bをプラズマガスバルブ204に導入するために開口部200bと第2の入口908を流体接続する。
図12cに示すように、プラズマガスバルブ204はガスおよび混合ガスの一方を選択し、プラズマガス路206全体にわたって結果として生じるプラズマガス流900cを伝送して、トーチ絶縁体118の遠位端23で開口部200cから脱出する。プラズマガス路206は、トーチ10の長に沿って長手方向に延在し、プラズマガスバルブ204の出口910をトーチ絶縁体118の遠位端23の開口部200cに流体接続するように構成される。
【0090】
図12cに示すプラズマガス流路900cに関して、開口部200cを介してトーチヘッド102を出ると、プラズマガス流900cは、カートリッジフレーム112の近位端15の開口部912aを介してカートリッジ104内のカートリッジフレーム112の対応するプラズマガス路912に入る。ガス900cはカートリッジフレーム112のプラズマガス路912を通って長手方向に流れ、カートリッジフレーム112の遠位端17で開口部912bから脱出し、カートリッジ104の電極108とノズル110との間のプラズマガス通路918にガスを導入する。プラズマガス900cは、通路918を遠位方向に流れて、中心ノズル出口孔916と中心シールド出口孔870を介してカートリッジ104を出るように構成される。いくつかの実施形態では、プラズマガス流900cの路の旋回リング150は旋回運動をプラズマガス流900cに導入することができる。プラズマガス路912、旋回リング150、カートリッジ104を流れるプラズマガス流900cに関する詳細は後述する。
【0091】
いくつかの実施形態では、シールドガス流868とプラズマガス流900は、トーチヘッド102とカートリッジ104の両方において相互に流体隔離されるため、通路を横断することも同じ通路を共有することもない。たとえば、プラズマガス路206とシールドガス路850は相互に流体隔離される。いくつかの実施形態では、トーチヘッド102のトーチ絶縁体118は、カートリッジ104内の適切なガス通路(たとえば、ノズル110とシールド114との間のシールドガス流868用の通路872と、電極108とノズル110との間のプラズマガス流900c用の通路918)への分配のため、シールドガス流868とプラズマガス流900をカートリッジフレーム112内の適切な通路に方向付けることによって、トーチ10を通るガス流を制御するように構成される。
【0092】
f.冷却液流
別の側面によると、トーチ絶縁体118は、トーチヘッド102とカートリッジ104との間で循環させるために一連の冷却液流を方向付けるように構成することができる。例示的冷却液は、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、またはプラズマ切断システム用に特別に設計された任意の数の市販の冷却液を含む。
図3に示すように、トーチ絶縁体118は、冷却液をトーチヘッド102に導入するための冷却液開口部128aをトーチ絶縁体118の近位端21に含むことができる。
【0093】
図13aおよび13bは、本発明の例示的な実施形態に係る、一連の流区分においてトーチヘッド102とカートリッジ104との間を循環する例示的冷却液流路950を示すように配向された
図2のプラズマアークトーチ10の断面図である。
図13aの冷却液流路950に沿って、冷却液はまず、トーチ絶縁体118の近位端21の開口部128aを介してトーチヘッド102に導入される。冷却液950は接続路952全体にわたって開口部128aからトーチ絶縁体118内のカソードブロック606まで流れ、カソードブロック606の少なくとも1つの入口を介してカソードブロック606に入る。
図14aおよび14bはそれぞれ、本発明の例示的な実施形態に係る、トーチヘッド102のカソードブロック606を示す例示的側面図と近位図である。
図14bに示すように、カソードブロック606は、カソードブロック606の内周に分散される第1のセットの3つの液体入口620a~620cを含むことができる。他の実施形態では、より多いまたはより少ない入口が画定される。接続路952はトーチ絶縁体開口部128aを第1のセットの液体入口620a~620cに流体接続して、冷却液をカソードブロック606に導く。さらに、カソードブロック606の液体入口620a~620cは冷却液を冷却液管116の近位端740の開口部745に導くことができ、該近位端740は上述したようにカソードブロック606に物理的に装着することができる。いくつかの実施形態では、入口620a~620cと冷却液管116の近位端の開口部745との間の接続は(たとえば、スペースを節減するため)交差して、カソードブロック606から冷却液管116まで冷却液を送る。
【0094】
いったん冷却液管116に入ると、冷却液流路950は冷却液管116の遠位端742に向かって長手方向に流れ続ける。冷却液流950は冷却液管116の遠位開口部746を介して冷却液管116を出て、カートリッジ104の電極108の内面に画定される空隙954に入ることによって、電極108を実質上冷却する。したがって、最初の冷却液流路950は、(カソード130と冷却液管116の少なくとも一部を収容する)トーチ絶縁体118の主路132と(電極108の空隙954に接続される)カートリッジフレーム112の対応する主路1020内に実質的に限定される。空隙954の壁によって誘導されながら、冷却液流950は方向を逆転させて、冷却液管116の外面に沿って主路1020、132を近位方向に流れ続ける。また、この逆転流は、冷却液管116の遠位端742の外側部を囲むLouvertacバンド704を実質上冷却する。
【0095】
冷却液流950はトーチヘッド102のカソードブロック606に向かって流れ続ける。冷却液流950はカソードブロック606の遠位開口部622(
図14aに示す)を介してカソードブロック606に入ることができる。いったんカソードブロック606に入ると、冷却液950はカソード130の出口路624にわたって径方向外方に流れる。出口路624はカソード606とトーチヘッド102の長に沿って長手方向に延在するトーチ絶縁体118の第1の冷却液路958とを流体接続して、トーチヘッド102からカートリッジ104へ冷却液流950を再度導く。具体的には、第1の冷却液路958は、出口路624とトーチ絶縁体118の遠位端23(
図4にも示す)の第1の冷却液開口部960aとを流体接続する。第1の冷却液路958はトーチ絶縁体118の開口部960aを介してカソード130からカートリッジ104まで冷却液流950を導き、冷却液流950をカートリッジフレーム112の近位端15の開口部962aに導入する。近位開口部962aは、カートリッジ104のカートリッジフレーム112の対応する第1の冷却液路962に接続される。
【0096】
冷却液950は第1の冷却液路962にわたってカートリッジフレーム112を遠位方向に流れて、カートリッジフレーム112の遠位端17で開口部962bに到達し、該遠位端はカートリッジフレーム112の第1の冷却液路962と、ノズル110に対応付けられるノズル開口部966とを流体接続する。具体的には、ノズル110は外側ノズルコンポーネント111(たとえば、非通気ノズル用のノズルジャケットまたは通気ノズル用のノズルライナー)に連結することができ、開口部966は、ノズル110の外面と外側ノズルコンポーネント111の内面との間で遠位冷却液路開口部962bからノズル冷却液流チャンバ965まで冷却液流を導入するように、外側ノズルコンポーネント111に配置することができる。ノズル開口部966を介してノズル冷却液流チャンバ965を通じて遠位方向に導かれる間、冷却液流950は実質上ノズル110と外側ノズルコンポーネント111を冷却する。ノズル110の遠位先端に到着後、冷却液流950はノズル110の外面に配置される周路(図示せず)を介して、ノズル110の周の少なくとも一部の周囲で旋回することができる。冷却液流950は、流チャンバ965内のノズル110の反対側で近位方向に外側ノズルコンポーネント111の別の開口部967に向かって帰還させることができる。次に、第2のノズル開口部967は、カートリッジフレーム112内の第2の冷却液路968に流体接続される。具体的には、第2の冷却液路968は、カートリッジフレーム112の遠位端17の開口部968bで外側ノズルコンポーネント111の第2の開口部967とインタフェースをとる。カートリッジフレーム112の第2の冷却液路968は、カートリッジフレーム112の近位端15の第2の冷却液路開口部968aとトーチ絶縁体118の遠位端23の第2の冷却液路開口部960b(
図4にも示す)とを介して、ノズル冷却液流チャンバ965から離れてトーチヘッド102内のトーチ絶縁体118の対応する第2の冷却液路970まで冷却液流950を導くように構成される。トーチヘッド102の第2の冷却液路970内のトーチ絶縁体118を近位方向に移動する間、冷却液流はトーチ絶縁体118の第2の冷却液路970の内側開口部972に衝突する。すなわち、第2の冷却液路970は、内側開口部972をトーチ絶縁体118の遠位端23の開口部960bと接続する。
【0097】
図13bに示すように、第2の冷却液路970の内側開口部972はトーチ絶縁体118の周囲を周方向に延在する分配路(図示せず)を介して、トーチ絶縁体118の第3の冷却液路976の内側開口部974に流体接続することができる。第2の冷却液路970と第3の冷却液路976は、約30度~約90度(たとえば、70度)相互に径方向に偏位させることができる。よって、分配路は内側開口部972、974を接続して、第2の冷却液路970から第3の冷却液路976まで冷却液流950を送る。第3の冷却液路976内で、冷却液950はトーチ絶縁体118の遠位端23(
図4にも示す)の第3の冷却液路開口部960cに向かって遠位方向に流れて、再びカートリッジ104に入る。具体的には、冷却液流950は開口部960cを介してトーチヘッド102のトーチ絶縁体118の第3の冷却液路976を出ると、カートリッジフレーム112の第3の冷却液路978に接続されるカートリッジフレーム112の近位端15において、対応する第3の冷却液路開口部978aを介してカートリッジ104に入り、カートリッジ104のシールド114に向かって遠位方向に流れ続ける。冷却液流950はカートリッジフレーム112の遠位端17で開口部978bを介して第3の冷却液路978を出て、カートリッジフレーム112の外面とシールド114の対応する内面との間に画定される周シールド冷却液流領域1222に入る。冷却液流950はシールド冷却液流領域1222の周囲を周方向に移動することによって、シールド114を冷却することができる。冷却液流950は周シールド冷却液流領域1222をたどってカートリッジフレーム112の遠位端17の開口部982bに入ることによって、流領域1222の別の側でカートリッジフレーム112に帰還させることができる。開口部982bはシールド冷却液流領域1222と流体連通し、カートリッジフレーム112の第4の冷却液路982に接続される。その後、冷却液流950は第4の冷却液路982で近位方向に移動し、カートリッジフレーム112の近位端15で開口部982aを介して第4の冷却液路982を出て、トーチヘッド102に流れ込む。冷却液流950はトーチ絶縁体118の遠位端23で第4の冷却液路開口部960dを介してトーチヘッド102に入る(
図4にも示す)。トーチ絶縁体118の遠位端23の開口部960dは、カートリッジ104から、カソードブロック606に流体接続されるトーチ絶縁体118の内側開口部986まで冷却液流950を送るように構成されたトーチ絶縁体118の第4の冷却液路984に流体接続される。
【0098】
図14aおよび14bに示すように、カソードブロック606は、カソードブロック606の外面から内面まで延在する第2のセットの1つ以上の液体入口626を備える。いくつかの実施形態では、カソードブロック606は、カソードブロック606の外周の周囲に分散される第2のセットの3つの液体入口626a~626cを含む。他の実施形態では、より多いまたは少ない入口が画定される。
図13bに示すように、接続路988はトーチ絶縁体118の第4の冷却液路984の内側開口部986と第2のセットの液体入口626a~626cとを流体接続して、第4の冷却液路984からカソードブロック606へ冷却液950を導く。いくつかの実施形態では、第2のセットの入口626a~626cと内側開口部986との間の接続は(たとえば、スペースの節減のため)交差されて、第4の冷却液路984からカソードブロック606まで旋回しながら冷却液を送る。いったんカソードブロック606の内部に入ると、冷却液流950は近位方向に流れ続けて、カソード管604とカソード取付具602とをその順序で通ってトーチ絶縁体118を出る。
【0099】
トーチ絶縁体118のいくつかの実施形態では、第1の冷却液路958と第2の冷却液路970は、約30度~90度(たとえば、約90度)相互に径方向に偏位させることができる。第3の冷却液路976と第4の冷却液路984は約30度~90度(たとえば、約90度)相互に径方向に偏位させることができる。カートリッジフレーム112のいくつかの実施形態では、第1の冷却液路962と第2の冷却液路968は、トーチ絶縁体118の第1の冷却液路958と第2の冷却液路970との間の偏位と同じ角度(たとえば、約90度)、相互に径方向に偏位させることができる。第3の冷却液路978と第4の冷却液路982は、トーチ絶縁体118の第3の冷却液路976と第4の冷却液路984との間の偏位と同じ角度(たとえば、約90度)、相互に径方向に偏位させることができる。プラズマアークトーチ10のいくつかの実施形態では、第2の冷却液路970、968は、約30度~約90度(たとえば、70度)第3の冷却液路976、978から相互に径方向に偏位させる。
【0100】
概して、トーチヘッド102のトーチ絶縁体118はカートリッジ104のカートリッジフレーム112と協働して、
図13aおよび13bを参照して上述したように、トーチヘッド102とカートリッジ104からカートリッジ先端の各種コンポーネントとの間での冷却液流950の分布を制御するように構成される。たとえば、トーチ絶縁体118とカートリッジフレーム112は以下の順序で冷却液流950を方向付けることができる。(i)カソード600から冷却液管116へ流れ、トーチ絶縁体118の主路132とカートリッジフレーム112の主路1020において反転し、電極108を冷却する。主路132、1020はそれぞれ供給路と帰還路の両方として機能する。(ii)トーチ絶縁体118の第1の冷却液路958(すなわち、供給路)から、カートリッジ104の第1の冷却液路962(すなわち、供給路)、カートリッジ104の第2の冷却液路968(すなわち、帰還路)、トーチ絶縁体118の第2の冷却液路970(すなわち、帰還路)へ流れてノズル110を冷却する。(iii)トーチ絶縁体118の第3の冷却液路976(すなわち、供給路)から、カートリッジ104の第3の冷却液路978(すなわち、供給路)、カートリッジ104の4つの冷却液路982(すなわち、帰還路)、トーチ絶縁体118の第4の冷却液路984(すなわち、帰還路)へ流れてシールド114を冷却する。別の実施形態では、冷却液流950は、カートリッジ先端コンポーネントを冷却する3セットの供給路と帰還路のうちの1つのみを備える。別の実施形態では、冷却液流950は、2つのカートリッジ先端コンポーネントを冷却するために3セットの供給路と帰還路のうち2つを備える。
【0101】
図13aおよび13bの冷却液流路950は電極108、ノズル110、カートリッジ先端のシールド114を冷却する順序で示されているが、他の冷却順序も同等に適用可能である。たとえば、異なる冷却順序には、シールド114、ノズル110、電極108の順序での冷却を含むことができる。さらに他の冷却順序には、ノズル110、シールド114、電極108の順序での冷却を含むことができる。いくつかの実施形態では、本発明によりカートリッジ先端のこれらの3つのコンポーネントの任意の順序での冷却が企図される。
【0102】
いくつかの実施形態では、シールドガス流路868、プラズマガス流路900、冷却液流路950はトーチヘッド102とカートリッジ104の両方において相互に流体隔離されるため、これらの流体は路を横断することも同じ路を供給することもない。いくつかの実施形態では、シールドガス流路868、プラズマガス流路900、冷却液流路950は、所定の配向でのトーチヘッド102とカートリッジ104との係止に基づき予め画定される。この係止機構については後で詳述する。トーチ絶縁体118のいくつかの実施形態では、冷却液路968、970、976、984、プラズマガス路206、シールドガス路850のうちの1つ以上が中心長手軸線Aに対して非同心である。パイロットアーク接続空隙148、通信装置空隙144、プラズマガスバルブ空隙202のうちの1つ以上が中心長手軸線Aに対して非同心である。トーチ絶縁体118のいくつかの実施形態では(
図3に示す)、プラズマガスバルブ204を収容する開口部202a、プラズマガス開口部200a、200b、パイロットアーク接続部123を収容する空隙開口部148a、冷却液開口部128a、オーム接続部131を収容する空隙開口部146a、シールドガス開口部126a、通信装置122を収容する空隙開口部144a、主路開口部132aのうちの1つ以上がトーチ絶縁体118の近位端21の端面に配置され、端面は実質的に平面状とすることができる。これらの開口部は、主路開口部132aを例外として、近位端面に中心長手軸線Aに対して非同心に配置することができる。トーチ絶縁体118のいくつかの実施形態では(
図4に示す)、プラズマガス開口部200c、冷却液開口部960a~960d、シールドガス開口部126b、主路開口部132bのうちの1つ以上がトーチ絶縁体118の遠位端23の端面に配置され、端面は実質的に平面状とすることができる。これらの開口部は、主路開口部132aを例外として、遠位端面に中心長手軸線Aに対して非同心に配置することができる。本発明の文脈では、「非同心」とは、利用可能な路、空隙、または開口部が長手軸線Aから偏位していることを意味する。いくつかの実施形態では、非同心路、空隙、または開口部はそれぞれ、長手軸線Aに対して非対称に配向される。
【0103】
いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体118の近位端21の主路開口部132a、主路132、トーチ絶縁体118の遠位端23の主路開口部132bは中心に配置され、中心長手軸線Aに対して同心に配置される。上述したように、主路132はトーチヘッドからカートリッジまで(i)パイロットアークまたは移行式アーク電流、および(ii)冷却液流950の少なくとも一部の、少なくとも一方を供給するように構成される。
【0104】
トーチヘッドとカートリッジとのインタフェース
図4を参照すると、トーチ絶縁体118の遠位端23は、トーチヘッド102とカートリッジ104との係合時、所定の径配向でトーチ絶縁体118とカートリッジフレーム112を固定するように構成されるクロッキング機構220(たとえば、ピン)をさらに含むことができる。
図15は、本発明の例示的な実施形態に係る、カートリッジフレーム112の近位端15を示す図である。カートリッジフレーム112の近位端15は、トーチ絶縁体118の遠位端23の対応するクロッキング機構220と相互作用して、トーチヘッド102とカートリッジ104との間のインタフェース106の少なくとも1部(
図2に示す)を形成するクロッキング機構(たとえば、ピン空隙)1002を含むことができる。このようなインタフェース106により、トーチヘッド102とカートリッジ104との間の各種電流路、冷却液路、ガス路を位置合わせして、
図7、8、11a~13bを参照して上述した所定の電流路、冷却液路、ガス流路を維持することができる。いくつかの実施形態では、トーチ絶縁体118の遠位端23の端面は実質的に平面状である。カートリッジフレーム112の近位端15の端面も実質的に平面状とすることができ、両端面間のインタフェース106は実質的に平面状である。
【0105】
トーチヘッド102とカートリッジ104との間の冷却液流の連続性に関して、所定の径配向でのトーチ絶縁体118とカートリッジフレーム112とのクロッキング時、トーチ絶縁体118の遠位端23の第1の冷却液路開口部960a(
図4および
図13aに示す)は、カートリッジフレーム112の近位端15の第1の冷却液路開口部962a(
図13aおよび
図15に示す)と位置合わせされて、トーチ絶縁体118の第1の冷却液路958をカートリッジフレーム112の第1の冷却液路962(
図13aに示す)に流体接続する。同一の所定の径配向で、トーチ絶縁体118の第2の冷却液路開口部960b(
図4および
図13aに示す)はカートリッジフレーム112の近位端15で第2の冷却液路開口部968aと位置合わせされて(
図13aおよび
図15に示す)、トーチ絶縁体118の第2の冷却液路970をカートリッジフレーム112の第2の冷却液路968(
図13aに示す)と流体接続する。同一の所定の径配向で、トーチ絶縁体118の第3の冷却液路開口部960c(
図4および
図13bに示す)はカートリッジフレーム112の近位端15で第3の冷却液路開口部978aと位置合わせされて(
図13bおよび
図15に示す)、冷却液絶縁体118の第3の冷却液路976をカートリッジフレーム112の第3の冷却液路978(
図13bに示す)と流体接続する。同一の所定の径配向で、トーチ絶縁体118の第4の冷却液路開口部960d(
図4および
図13bに示す)はカートリッジフレーム112の第4の冷却液路開口部982a(
図13bおよび
図15に示す)と位置合わせされて、冷却液絶縁体118の第4の冷却液路984をカートリッジフレーム112の第4の冷却液路982(
図13bに示す)と流体接続する。
【0106】
トーチヘッド102とカートリッジ104との間のガス流の連続性に関して、所定の径配向で、トーチ絶縁体118の遠位端23のシールドガス開口部126b(
図4および
図11bに示す)はカートリッジフレーム112の近位端15でシールドガス開口部864aと位置合わせされて(
図11bおよび
図15に示す)、トーチ絶縁体118の第3のシールドガス路区分850cをカートリッジフレーム112のシールドガス路864(
図11bに示す)と流体接続する。同一の所定の径配向で、トーチ絶縁体118の遠位端23のプラズマガス開口部200c(
図4および
図12cに示す)はカートリッジフレーム112の近位端15でプラズマガス近位開口部912aと位置合わせされて(
図12cおよび
図15に示す)、トーチ絶縁体118のプラズマガス路206をカートリッジフレーム118のプラズマガス路912(
図12cに示す)と流体接続する。
【0107】
トーチヘッド102とカートリッジ104との間のデータ通信に関しては、クロッキング機構220、1002によって可能とされる所定の径配向で、リーダ装置122が信号装置160と回転方向に位置合わせされる。たとえば、トーチ絶縁体118に埋め込まれたアンテナコイル814は、トーチ絶縁体118の遠位端23の領域230(
図4に示す)にマッピングされ、中心232がカートリッジフレーム112の近位端15の領域1016の中心1018(
図15に示す)と実質的に位置合わせされ、カートリッジ104に埋め込まれた信号装置160にマッピングされる。中心232と1018とのこのような回転方向位置合わせにより、リーダ装置122と信号装置160との間の通信干渉が低減される。
【0108】
図31は、本発明の例示的な実施形態に係る、トーチヘッド102とカートリッジ104が相互に所定の径方向に配向されたときの通信装置122と信号装置160の例示的位置を示す
図2のプラズマアークトーチ10の一部を示す図である。いくつかの実施形態では、位置合わせされた位置において、アンテナコイル814の長手方向径中心と信号装置160の長手方向径中心との間の距離816は、信号装置160の長手方向径中心とトーチヘッド102またはカートリッジ104に配置される任意の隣接金属材料との間の距離よりも短い。いくつかの実施形態では、アンテナコイル814によって生成されるRFID領域は、ディスク状のRFIDタグ160の周を中心としたドーナツ形である。どの地点でもドーナツ形領域の断面は円形である。干渉を防止するため、(該領域の円形断面の中心点で測定される)x軸に沿ったRFIDタグ160とリーダ装置122との間の距離は、RFIDタグ160と任意の隣接金属との間のY軸に沿った距離よりも短いまたは近い。よって、RFID領域がドーナツ形の周囲の円形路を移動するとき、該領域はRFIDタグ160に相対する前にいかなる金属とも衝突しないように構成される。いくつかの実施形態では、位置合わせされる位置において、信号装置160とリーダ装置122は、直線軸が信号装置160の中心線とリーダ装置122の中心線を延在するように配向される。いくつかの実施形態では、リーダ装置122のアンテナコイル814は信号装置160と実質的に平行に配向される。いくつかの実施形態では、アンテナコイル814とRFIDタグ160は約13.5MHzの周波数で通信する。
【0109】
図2に示すようなトーチヘッド102とカートリッジ104との間の電気的接続の連続性に関しては、トーチ絶縁体118とカートリッジフレーム112との連結時、トーチ絶縁体118の主路132の遠位開口部132bはカートリッジフレーム112の近位端15の開口部1020aと位置合わせされて、カートリッジフレーム112の主路1020と接続するように構成される。よって、冷却液管116の遠位端742は、開口部1020aを介してカートリッジフレーム112の主路1020に挿入されるように構成される。カートリッジフレーム112の遠位端17における主路1020の開口部1020bは電極108の空隙954に接続されて、冷却液管116が開口部1020bを通って空隙954へと延在する。上述したように、電源からのパイロットアーク電流および/または移行式アーク電流はトーチヘッド102のカソード130から冷却液管116まで送ることができ、カソード130と冷却液管116はいずれも電極空隙954の内面を介して、トーチ絶縁体118とカートリッジ104の電極108に装着される。よって、電流を搬送する冷却液管116は電極108の内面を励磁する。いくつかの実施形態では、電源から電極108の内面への通電を簡易化するため、冷却液管116の端部740、742の一方または両方の1つ以上のLouvertacバンド702、704が使用される。冷却液管116の遠位端742における少なくともLouvertacバンド704の使用により、電極108は冷却液管116に対して径方向に位置合わせされる/中心合わせされるが、どの特定の径配向にも電極108は固定されない。たとえば、組み立て中、冷却液管116の遠位端742でLouvertacバンド704が電極108の空隙954内に完全に据えられ、空隙954の大部分によって覆われるまで、オペレータは軸方向の力を加えて、近位方向に電極108を冷却液管116に押し当てることができる。よって、冷却液管116のLouvertacバンド704により、係合または脱離時、ねじ込み(またはその他のクロッキング移動)を行わずに電極108を軸方向に前進または後退させて、ツール不要および/またはネジ不要の電極108を実現することができる。
【0110】
また、この簡易な前進/後退特徴は、トーチ絶縁体118のクロッキング機構220とカートリッジフレーム112のクロッキング機構1002とを係合させてインタフェース106を形成することと両立可能である。すなわち、トーチヘッド102とカートリッジ104との連結は、電極108と冷却液管116との間のねじ込みやその他のクロッキング要件を考慮する必要なく、係止機構220、1002によって制御することができる。概して、冷却液管116とLouvertacバンド704にパイロットアーク/移行式アーク電流をカートリッジ104まで搬送させることで、(i)トーチ絶縁体118とカートリッジフレーム112との間の物理的インタフェースと、(ii)カソード130/冷却液管116と電極108との間の電気的接続とが分離される。この分離は、設計空間を最大化し、トーチの組立を簡易化するように構成される。また、冷却液管116(よって、トーチヘッド102)と電極108(よって、カートリッジ104)との間の比較的直線状の軸方向脱着のため、消耗品がより迅速に交換および設置される。さらに、Louvertacバンド704は冷却液管116に対して(たとえば、冷却液管116の外面に)配置されるため、容易に検査し保守することができる。別の実施形態では、Louvertacバンド704を使用する代わりに、ねじ接着や締まり嵌めなどその他の電流担持および/または保持機構を使用することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、切断電流が冷却液管116によって電源から電極108まで搬送されるため、電極108は電流移送のためにトーチヘッド102と直接電気的または物理的に接触する必要はない。いくつかの実施形態では、電極108は、電極108をカソード130および冷却液管116に接続するカソードブロック電極管252によってトーチヘッド102から電気的に隔離される。カソードブロック電極管252はプラスチックなどの非導電性材料で作製することができる。別の側面によると、電極108は、カソードから電流を直接受け取るために使用される電極よりも短い。この場合、電極108はもはやカソード130と物理的にも電気的にも接触していないため、直接接触電極よりもたとえば25%超短くすることができる。
【0112】
冷却液管116の電極108の空隙954への軸挿入、および(たとえば、トーチ絶縁体118のクロッキングピン220のカートリッジフレーム112のクロッキングピン空隙/受け1002への挿入による)トーチ絶縁体118とカートリッジフレーム112との径方向クロッキング後、カートリッジ104は保持キャップ120(
図1に示す)を用いてトーチヘッド102に対して保持することができる。ねじ込み、スナップ嵌め、締まり嵌めなど、トーチヘッド102とカートリッジ104との間のその他の係合方法も可能である。
図16は、本発明の例示的な実施形態に係る、カートリッジ104とトーチヘッド102を相互に固定するために使用される
図1の保持キャップ120の例示的設計を示す断面図である。保持キャップ120は、長手軸線Aに沿って延在する本体764と、近位端760と、遠位端762とを含む。保持キャップ本体764の近位端760は、内面に周方向に配置されて、トーチヘッド102を保持キャップ本体764に捕捉する係合機構766(たとえば、溝、ねじ山、または段部)を含む。同様に、保持キャップ本体764の遠位端762は、内面に配置され、カートリッジ104を保持キャップ本体764に捕捉する係合機構768(たとえば、溝、ねじ山、または段部)を含む。よって、カートリッジ104とトーチヘッド102とのクロッキング時、保持キャップ120は、トーチヘッド102の遠位端22でトーチヘッド102の外面と、カートリッジ104の近位端14でカートリッジ104の外面とを確実に周方向に囲むことができる。いくつかの実施形態では、トーチヘッド102および/またはカートリッジは保持キャップ120に対して回転しない。この場合、オペレータはカートリッジ104および/またはトーチヘッド102上で保持キャップ120を摺動させて、回転移動を使用せずにそれらの部品を係止することができる。いくつかの実施形態では、保持キャップ120はトーチヘッド102の一部として設けられる。いくつかの実施形態では、保持キャップ120はカートリッジ104の一部として設けられる。いくつかの実施形態では、保持キャップ120は、カートリッジ104またはトーチヘッド102とは別個のコンポーネントとして設けられる。
【0113】
カートリッジ
図17は、本発明の例示的な実施形態に係る、非通気カートリッジである
図1のカートリッジ104を示す断面図である。上述したように、カートリッジ104は一般的にカートリッジ先端に連結されるカートリッジフレーム112を含み、カートリッジ先端は、電極108と、ノズルジャケット111に装着される非通気ノズルであるノズル110と、シールド114とを含む。カートリッジフレーム112はカートリッジ先端とトーチヘッド102との間のインタフェースを形成することによって、カートリッジ先端をトーチヘッド102に接続するように構成される。カートリッジ104の各種コンポーネントはカートリッジフレーム112、電極108、ノズル110、ノズルジャケット111、シールド114を含み、プラズマアークトーチ10の長手軸線Aを中心に同心に配置することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジ104がカートリッジ先端のコンポーネントをカートリッジフレーム112の1つ以上の通路と位置合わせして係合させる複数の保持機構を含むため、これらの通路はトーチヘッド102からカートリッジフレーム112を通ってカートリッジ先端の所望のコンポーネントに液体とガスを導くことができる。いくつかの実施形態では、カートリッジフレーム112の近位端15を含むカートリッジ104の近位端14は実質的に平面状である。
【0114】
概して、カートリッジ先端の各種コンポーネントは、カートリッジフレーム112に対する軸方向位置合わせと径方向位置合わせ(すなわち、中心合わせ)を実現しながら、直接的または間接的にカートリッジフレーム112に固定することができる。電極108はカートリッジフレーム112に固定することができ、電極108の少なくとも一部がカートリッジフレーム112の中心路1020に配置される。いくつかの実施形態では、電極108は、主路1020の少なくとも一部を囲む旋回リング150を介してカートリッジフレーム112に固定される。具体的には、電極108の少なくとも近位部分が旋回リング150の遠位部分に挿入されるように、電極108の外径を旋回リング150の内径に固定することができる。旋回リング150が導電性を有する場合、旋回リング150は電極絶縁体754を介して電極108に固定することができる。図示するように、電極108は外側保持機構1066(たとえば、電極108の径が変動する1つ以上の段部)を外面に含み、外側保持機構1066は電極絶縁体754の内面の内側保持機構1068(たとえば、1つ以上の補完的な段部または凸部)と嵌め合い係合して、電極108と電極絶縁体754の相対的軸方向移動を防止するように構成される。保持機構1066、1068間の嵌合はスナップ嵌め、プレス嵌め、締まり嵌めのうちの1つによって実行することができる。また、結果として得られる電極108と電極絶縁体754との間のインタフェース1067は2つのコンポーネントを径方向に位置合わせする/中心合わせする。次に、電極絶縁体754は外側保持機構1056(たとえば、電極絶縁体754の径が変動する段部)を外面に含み、外側保持機構1056は旋回リング150の内面の内側保持機構1054(たとえば、補完的な段部または凸部)と嵌め合い係合して、電極絶縁体754と旋回リング150の相対的軸方向移動を防止する。保持機構1054、1056間の嵌合は、スナップ嵌め、プレス嵌め、締まり嵌めのうちの1つによって実行することができる。結果として生じる電極絶縁体754と旋回リング150との間のインタフェース1055は2つのコンポーネントを径方向に位置合わせする/中心合わせする。旋回リング150が実質的に非導電性である場合、旋回リング150は電極絶縁体754を使用せずに電極108に直接固定することができる。いくつかの実施形態では、旋回リング150の外径がカートリッジフレーム112の内径と嵌め合い係合されて、電極108をカートリッジフレーム112に連結する。たとえば、旋回リング150は、外面の外側保持機構1052(たとえば、旋回リング150の径が変動する段部)とカートリッジフレーム112の内面の内側保持機構1058(たとえば、補完的な段部または凸部)とを嵌め合い係合させて、旋回リング150とカートリッジフレーム112の相対的軸方向移動を防止することによって、カートリッジフレーム112に固定することができる。保持機構1052、1058間の嵌合は、スナップ嵌め、プレス嵌め、締まり嵌めのうちの1つによって実行することができる。また、結果として生じる旋回リング150とカートリッジフレーム112との間のインタフェース1053が2つのコンポーネントを径方向に位置合わせする/中心合わせする。
【0115】
ノズル110およびノズルジャケット111は、旋回リング150とカートリッジフレーム112との間で係合させることができる。いくつかの実施形態では、旋回リング150の外径がノズル110の内径と係合される。旋回リング150は、外面の外側保持機構1050(たとえば、旋回リング150の径が変動する1つ以上の段部)とノズル110の内面の内側保持機構1060(たとえば、補完的な段部または凸部)とを嵌め合い係合させて、旋回リング150とノズル110の相対的軸方向移動を防止することによって、ノズル110に固定することができる。保持機構1050、1060間の嵌合は、スナップ嵌め、プレス嵌め、締まり嵌めのうちの1つによって実行することができる。また、結果として得られる旋回リング150とノズル110との間のインタフェース1051が、2つのコンポーネントを径方向に位置合わせする/中心合わせする。いくつかの実施形態では、ノズル110の外径がカートリッジフレーム112の内径に固定される。ノズル110は、外面の少なくとも1つの外側保持機構1070(たとえば、ノズル110の径が変動する1つ以上の段部)をカートリッジフレーム112の内面の少なくとも1つの内側保持機構1072(1つ以上の補完的な段部または凸部)に嵌め合い係合させて、ノズル110とカートリッジフレーム112の相対的軸方向移動を防止することによって、カートリッジフレーム112に固定することができる。保持機構1070、1072間の嵌合は、スナップ嵌め、プレス嵌め、締まり嵌めのうちの1つによって実行することができる。また、結果として生じるノズル110とカートリッジフレーム112との間のインタフェース1071が、2つのコンポーネントを径方向に位置合わせする/中心合わせする。
【0116】
シールド114はカートリッジフレーム112の外面に連結することができる。たとえば、カートリッジフレーム112の外径は、カートリッジフレーム112の外面の外側保持機構1062(たとえば、カートリッジフレーム112の径が変動する段部)とシールド114の内面の内側保持機構1064(たとえば、補完的な段部または凸部)とを嵌め合い係合させて、カートリッジフレーム112とシールド114の相対的軸方向移動を防止することによってシールド114の内径に固定される。保持機構1062、1064間の嵌合は、スナップ嵌め、プレス嵌め、締まり嵌めのうちの1つによって実行することができる。また、結果として生じるカートリッジフレーム112とシールド114との間のインタフェース1063が、2つのコンポーネントを径方向に位置合わせする/中心合わせする。また、カートリッジフレーム112は、クリンピングを介してシールド114の遠位部分を収容し、さらにシールド114をカートリッジフレーム112に固定し位置合わせするように構成される窪み1065を外面に含むことができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、上述の保持機構1050~1072は、スナップ嵌め、プレス嵌め、締まり嵌め、クリンピング、摩擦係合、糊付け、セメント付け、溶接のうちの1つによって、対応する保持機構と嵌合させることができる。いくつかの実施形態では、保持機構1050~1072は、たとえば硬化エポキシまたはゴムなどで作製される1つ以上の封止Oリングまたはガスケットを含む。いくつかの実施形態では、保持機構1050~1072により、カートリッジ先端のノズル110、ジャケット111、シールド114、および/または電極108をカートリッジフレーム112の1つ以上の通路と位置合わせし係合させることができるため、これらの通路はトーチヘッド102から、カートリッジフレーム112を通じて、カートリッジ先端の所望のコンポーネントまで液体および/またはガスを導くことができる。カートリッジフレーム112とカートリッジ先端との間の液体とガスの接続は後述する。
【0118】
図18は、本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジ104のカートリッジフレーム112の例示的設計を示す図である。カートリッジフレーム112は、トーチヘッド102とカートリッジ先端との間に配置される実質的に円柱状絶縁体本体1100を含む。より具体的には、絶縁体本体1100は、内側領域1106と、外側面1108と、主路1020を囲み形成する内側面1110と、端面1102を有する近位端15と、端面1104を有する遠位端17とを含む。
図15を参照して上述したカートリッジフレーム112の近位端15は、トーチヘッド102の冷却液管116から電流および/または冷却液流950を収容する中心開口部1020a、トーチ絶縁体118からプラズマガス流900cを収容するプラズマガス開口部912a、トーチ絶縁体118からシールドガス流868を収容するシールドガス開口部864a、カートリッジ104との間で冷却液流950を導く4つの冷却液開口部968a、978a、962a、982aを備える。いくつかの実施形態では、これらの開口部は絶縁体本体1100の近位端15の端面1102に配置される。いくつかの実施形態では、端面1102は、カートリッジ104の近位端14と実質的に共面である。概して、いったんトーチヘッド102がカートリッジフレーム112の係止機構1002とトーチ絶縁体118の対応する係止機構220とを介して、所定の配向でカートリッジ104と位置合わせされ接続されると、これらの開口部は、トーチ絶縁体118の遠位端23の対応する開口部と電気的に接続する、および/または流体連通するように構成される。
【0119】
カートリッジ内の電気的接続
いくつかの実施形態では、電極108は、カートリッジフレーム112の絶縁体本体1100に配置される主路1020と位置合わせされ接続される。通路1020は絶縁体本体110の中心に配置することができ、中心長手軸線Aは該本体を延在してカートリッジフレーム112の近位端15の端面1102の開口部1020aを、カートリッジフレーム112の遠位端17の端面1104の開口部1020bと接続する。次に、遠位開口部1020bは、電極108の空隙954(
図2に示す)と接続され位置合わせされる。このような電極インタフェースにより、冷却液管116を主路1020に挿入して、上述したようにトーチヘッド102のカソード130から電極108の内面まで電流(すなわち、パイロットアークまたは移行式アーク電流)を流すことができる。このような場合、電極108は、上述したようにカソード130から電気的に絶縁することができる。別の実施形態では、電極108はカソード130に電気的に接続されて、カソード130から直接電流を受け取る。いくつかの実施形態では、同じ電極インタフェース(すなわち、カートリッジフレーム112の主路1020を介する電極108とトーチヘッド102との間のインタフェース)によって、トーチヘッド102は冷却液管116の内側から電極118へ冷却液を導入することができる。このカートリッジフレーム112の主路1020の冷却液の伝達特徴は以下で詳述する。
【0120】
図19は、本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジ104の電極108の例示的設計を示す図である。放射インサート1200は、放射面が露出するように、電極108の遠位端1202に配置することができる。インサート1200は、耐食性や熱電子放射率などの適切な物理的特性を有するハフニウムまたはその他の材料で作製することができる。鍛造、衝撃押出し、または冷間成形を利用して、コンポーネントの機械加工の終了前に最初に電極108を形成することができる。電極108の近位端1204はカートリッジフレーム112の主路1020に配置し、カートリッジフレーム112の遠位開口部1020bを介して主路1020と位置合わせすることができる。電極108は、少なくとも旋回リング150と電極絶縁体754を用いてカートリッジフレーム112に接続することができる。いくつかの実施形態では、電極108は、電極絶縁体754または旋回リング150に接続するためのネジを含んでいない。上述したように、このような接続は、プレス嵌め、締まり嵌め、クリンピング、スナップ嵌めのうちの1つによって行うことができる。いくつかの実施形態では、電極108は、カソード130から直接電流を受け取るために使用される(すなわち、冷却液管116を使用しない)電極よりも短い。これらの場合、電極108はカソード130と物理的にも電気的にも接触しないため、電極108は直接接触電極よりもたとえば25%超短くすることができる。いくつかの実施形態では、電極108は近位端1204にOリング溝1205を含み、Oリング溝1205は、電極108とノズル110とによって協働して画定されるプラズマチャンバ/プレナム109を封止するために使用可能なOリングを収容するように構成される。このような封止は、プラズマガス流900cが電極108と電極絶縁体754(
図17に示す)の間を流れることを防止する。
【0121】
カートリッジ内のシールドガス接続
いくつかの実施形態では、シールド114とノズルジャケット111との間で形成されるシールドガス通路872は、カートリッジフレーム112の絶縁体本体1100(
図11aおよび11bに示す)に配置されるシールドガス路864と位置合わせされる。シールドガス路864(
図11aおよび11bに示す)は絶縁体本体1100の内側領域1106で長手軸線Aに実質的に平行に延在することができるが、中心長手軸線Aから偏位させることもできる(すなわち、長手軸線Aに対して非同心である)。シールドガス路864は、カートリッジフレーム112の近位端15の端面1102の開口部864aをカートリッジフレーム112の遠位端17の開口部864bに接続する。いくつかの実施形態では、開口部864bはカートリッジフレーム112の遠位端17の端面1104に配置される。別の実施形態では、シールドガス路864の開口部864bは、長手軸線Aに沿って開口部864aの遠位に位置し、カートリッジフレーム本体1100の外側面1108または内側面1110に配置される(すなわち、通路864は長手方向に本体1100の全長を延在しない)。次いで、開口部864bはシールドガス通路872と流体接続されて、シールドガス流868をカートリッジ104のカートリッジフレーム112を通じてトーチヘッド102からシールドガス通路872(
図11aおよび11bに示す)へ送り込むことができる。いくつかの実施形態では、シールドガス路864は、シールドガス流868に計量機能を提供するように構成することができる。たとえば、シールドガス路864の径は、通路の長にわたって変動して、計量機能を提供することができる。カートリッジフレーム112の遠位端17におけるシールドガス路864の径は、カートリッジフレーム112の近位端15におけるシールドガス路864の径の約半分にし、シールドガス流868の流量を低減することができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、カートリッジフレーム112はシールドガス路864の経路に、シールドガス流868の1つ以上の特性を調節する1つ以上のコンポーネントを含む。たとえば、カートリッジフレーム112は、バッフル1112とシールド旋回リング1114とを備える2ピースのコンポーネントなどの調節コンポーネントを含むことができる。
図17に示すように、バッフル1112とシールド旋回リング1114は、遠位端17でカートリッジフレーム112の絶縁体本体1100内に周方向に配置され、この2つのコンポーネントはシールドガス路開口部864bの経路に位置するため、シールドガス流868がカートリッジフレーム112を出てシールドガス通路872に入るとき、特定の流パラメータを調節して、旋回運動をシールドガス流868に導入することができる。これらの2つの別々のコンポーネント1112、1114を使用することで、オペレータはバッフルとシールド旋回リングの異なる組み合わせを使用して異なる種類のシールドガス流を生成することができるため、製造および組み立て上の利点が得られる。
【0123】
図20は、本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジ104のカートリッジフレーム112に装着されるバッフル1112とシールド旋回リング1114とを示す断面図である。いくつかの実施形態では、バッフル1112およびシールド旋回リング1114の少なくとも一方がTorlon(登録商標)などの非導電性材料で作製される。いくつかの実施形態では、バッフル1112およびシールド旋回リング1114の少なくとも一方が導電性材料で作製される。バッフル1112とシールド旋回リング1114は、鋳造、打抜き加工、またはダイカストによって個別に製造することができる。
【0124】
図示するように、バッフル1112はシールド旋回リング1114の近位に位置するため、シールドガス流868が遠位方向に移動するとき、シールドガス流868はまずバッフル1112によって、次にシールド旋回リング1114によって調節される。他の実施形態では、バッフル1112とシールド旋回リング1114の位置が反転される。バッフル1112は、カートリッジフレーム112の絶縁体本体1100内、たとえば絶縁体本体1100の遠位端17の空隙1116内に周方向に配置することができる。バッフル1112は、締まり嵌めおよびプレス嵌めの一方によって空隙1116に固定することができる。バッフル1112は長手部1118と、長手部1118に斜めに接続される径方向部1120とを含むため、径方向部1120は空隙1116の幅1122の一部を覆うが、径方向部1120の外径と空隙1116の内面との間に径方向間隙1124を残す。シールドガス路864内のシールドガス流868は、バッフル1112によって分散されて、径方向間隙1124を通って外径の周囲を旋回リング1114へ均等に流れ込むように構成される。径方向間隙1124は、シールドガス流868の少なくとも1つのパラメータを調節するような形状と大きさに設定される。たとえば、径方向間隙1124はシールドガス流868の流量および/または流体圧力を調節することができる。いくつかの実施形態では、径方向間隙1124のサイズを拡張することでシールドガス流868の流量を増やす。その場合、プラズマアークトーチシステムはそれに応じて一定の圧力を維持するように調節することができる。いくつかの実施形態では、径方向間隙1124のサイズを拡張することでガス圧力を低減する。その場合、プラズマアークトーチシステムはそれに応じて一定の流量を維持するように調節することができる。
【0125】
シールド旋回リング1114はバッフル1112に対して遠位に位置するように、締まり嵌めおよびプレス嵌めの少なくとも一方によって空隙1116の少なくとも一部に挿入することができる。
図21は、本発明の例示的な実施形態に係る、シールド旋回リング1114を示す断面図である。シールド旋回リング1114は旋回リング1114の第1の周に第1のセットのポート1126と、旋回リング1114の第2の周に第2のセットのポート1128を画定することができ、各ポートはカートリッジフレーム112の内面とカートリッジフレーム112の外面とを接続する。第1のセットのポート1126は、対応する第2のセットのポート1128から偏位される。このような偏位は、シールドガス流868に旋回運動を与える。したがって、バッフル1112とシールド旋回リング1114との組み合わせは、シールドガス路864を通ってシールドガス通路872まで遠位方向に移動するときにシールドガス流868のパラメータを調節することができる。一般的に、プラズマアークトーチ10内のシールドガス流868は、バッフルの間隙1124のサイズおよび/またはシールド旋回リング1114の第1および第2のセットのポート1126、1128のサイズを変動させることによって構成可能である。
【0126】
カートリッジ内のプラズマガスの接続
いくつかの実施形態では、電極108とノズル110との間に形成されるプラズマガス通路918は、カートリッジフレーム112の絶縁体本体1100(
図12a~12cに示す)に配置されるプラズマガス路912と位置合わせされる。プラズマガス路912(
図12a~12cに示す)は絶縁体本体1100の内側領域1106において長手軸線Aに実質的に平行に延在することができるが、長手軸線Aに対して偏位される(すなわち、長手軸線Aに対して非同心である)。プラズマガス路912は、カートリッジフレーム112の近位端15の近位面1102の開口部912aを開口部912bに接続する。いくつかの実施形態では、プラズマガス路912の開口部912bは長手軸線Aに沿って開口部912aの遠位に位置し、カートリッジフレーム本体1100の内側面1110に配置され、中心路1020と流体連通する。よって、この構成では、プラズマガス路912は、長手方向にカートリッジフレーム本体1100の全長にわたって延在していない。
【0127】
図22は、本発明の例示的な実施形態に係る、プラズマガス路912の開口部912bを含む各種路開口部を示すカートリッジフレーム112の透視図である。図示するように、開口部912bはカートリッジフレーム112の中心領域の内側面1110に設けられ、開口部912bは中心路1020に流体接続される。別の実施形態では、プラズマガス路912はカートリッジフレーム112の全長にわたって延在し、開口部912bはカートリッジフレーム絶縁体本体1100の遠位端面1104に位置する。開口部912bはプラズマガス通路918に流体接続される。このような接続により、プラズマガス流900cはトーチヘッド102からカートリッジフレーム112を通ってプラズマガス通路918へ流れ込み、中心ノズル出口孔916と中心シールド出口孔870(
図12a~12cに示す)を介してトーチ10を出る前に中心主路1020に融合する。
【0128】
いくつかの実施形態では、カートリッジフレーム112は、プラズマガス路912の経路に、プラズマガス流900cの1つ以上の特性を調節するように構成されるもう1つのコンポーネントを含む。たとえば、カートリッジフレーム112は、電極絶縁体754とノズル110との間で主路1020の周囲に配置される旋回リング150を含むことができる。旋回リング150は遠位プラズマガス路開口部912bと位置合わせされるため、プラズマガス流900cがカートリッジフレーム112の内側面1110の開口部912bを介してプラズマガス路912を出てプラズマガス通路918に入るとき、旋回リング150がプラズマガス流900cに旋回運動を与えることができる。
【0129】
図23は、本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジ104の旋回リング150の例示的設計を示す図である。図示するように、旋回リング150は、プラズマアークトーチ10の中心長手軸線Aに沿って近位端1174と遠位端1172を有する実質的に中空の細長本体1170によって画定することができる。いくつかの実施形態では、旋回リング102の中空本体1170は遠位端1172に、直接的にまたは電極絶縁体754を介して間接的に電極104の少なくとも一部を収容する大きさを有する。いくつかの実施形態では、旋回リング150は、細長本体1170の遠位端1172の周囲、たとえば遠位端1172の周に径方向に間隔をおいて配置されたガス流開口部1176のセットを含む。各ガス流開口部1176は細長本体1170の内面から外面まで延在することができ、電極108とノズル110との間のガス通路918を移動するプラズマガス流900cに接線速度成分を与えるように配向されることによって、ガス流900cを旋回させる。この旋回はプラズマアークを制限する渦流を生成し、電極108のインサート1200上のアークの位置を安定化させる。
【0130】
カートリッジ内の冷却液の接続
いくつかの実施形態では、上述したように、カートリッジ先端のコンポーネント(たとえば、電極108、ノズル110、またはシールド114)は、カートリッジフレーム112の絶縁体本体1100の少なくとも1つの冷却路(たとえば、路1002、962、または978)および少なくとも1つの冷却液帰還路(通路1002、968または982)と位置合わせされて、トーチヘッド102から冷却液流を受け取り、流体流の少なくとも一部をトーチヘッド102に帰還させることができる。冷却路と帰還路はそれぞれ、主路1002を例外として、中心長手軸線Aに対して非同心かつ非対称とすることができる。いくつかの実施形態では、主路1002を例外として、冷却路と帰還路はいずれも重複していない。すなわち、主路1002を例外として、冷却路と帰還路はそれぞれ液体入口路または液体出口路である。
【0131】
いくつかの実施形態では、中心路1020はカートリッジフレーム112の絶縁体本体1100を延在して、カートリッジフレーム112の近位端15の端面1102の開口部1020aをカートリッジフレーム112の遠位端17の開口部1020bに接続する。近位開口部1020aは、トーチ絶縁体118の主路開口部132bと位置合わせされ接続される。遠位開口部1020bは電極108の空隙954と位置合わせされ接続されるため、トーチヘッド102から冷却液管116内部のカートリッジフレーム112を通じて電極108の空隙954(
図13aおよび13bに示す)まで冷却液流950を流すことができる。また、この接続により、冷却液流950が空隙954の遠位端の内面に作用して、冷却液流950の方向を反転させ、冷却液管116の外面に沿ってトーチヘッド102に向かって主路1020を近位方向に移動させることができる(
図13aおよび13bに示す)。冷却液管116の外面をわたるこの反転冷却液流はまた、冷却液管116の遠位端742に装着されるLouvertacバンド704を実質上冷却する。いくつかの実施形態では、反転冷却液流は、Louvertacバンド704の下方の冷却液管116の外面の長手路744を移動することによって、冷却液管116と電極108との間の圧力低下を制限することができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、ノズルジャケット111に形成することができるノズル開口部966は、カートリッジフレーム112の絶縁体本体1100に配置される第1の冷却液路962(
図13aおよび13bに示す)と位置合わせされる。ノズル開口部966により、冷却液流950が第1の冷却液路962からノズル110の外面とノズルジャケット111の内面との間のノズル冷却液流チャンバ965内に入ることができる。第1の冷却液路962(
図13aおよび13bに示す)は絶縁体本体1100の内側領域1106の長手軸線Aに実質的に平行に延在することができるが、長手軸線Aから偏位する(すなわち、長手軸線Aに対して非同心である)。第1の冷却液路962は、カートリッジフレーム112の近位端15の端面1102の開口部962aを、長手軸線Aに沿って開口部962aの遠位に位置するカートリッジフレーム112の開口部962bに接続することができる。次に、開口部962bはノズル開口部966と流体接続されることで、冷却液流950がトーチヘッド102からカートリッジ104のカートリッジフレーム112を通じてノズル冷却液流チャンバ965(
図13aおよび13bに示す)内へ遠位方向に移動することができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、第1の冷却液路962の開口部962bがカートリッジフレーム本体1100の内側面1110に配置され、中心路1020と流体連通する。よって、この構成では、第1の冷却液路962は、長手方向にカートリッジフレーム本体1100の全長にわたって延在しない。第1の冷却液路962の開口部962bを
図22に示す。図示するように、開口部962bはカートリッジフレーム112の遠位端17に向いて内側面1110に位置し、開口部962bは中心路1020に流体接続される。別の実施形態では、第1の冷却液路962はカートリッジフレーム112の全長にわたって延在し、開口部962bはカートリッジフレーム絶縁体本体1100の遠位端面1104に位置する。開口部962bは、ノズルジャケット111のノズル開口部966に流体接続される。このような接続により、冷却液流950はトーチヘッド102からカートリッジフレーム112を通ってノズル110とノズルジャケット111との間のノズル冷却液流チャンバ965まで流れ込み、2つのノズルコンポーネントを冷却することができる。
【0134】
上述したように、ノズル開口部966は、カートリッジフレーム112の第1の冷却液路962と位置合わせされて、第1の冷却液路962からノズル開口部966を介してノズル冷却液流チャンバ965に冷却液流950を導入できるように構成される。ノズル開口部966はノズルジャケット111の第2のノズル開口部967と流体連通させることができ、2つの冷却液開口部966、967は相互に径方向に(すなわち、ノズル110の異なる側で)偏位する。冷却液流950はノズル開口部966を介してノズル冷却液流チャンバ965に入り、流チャンバ965を近位方向に流れ、遠位方向へチャンバ965の反対側に帰還し、第2の開口部967を介してチャンバ965を出ることができる。いくつかの実施形態では、第2の開口部967は、カートリッジフレーム112に配置される第2の冷却液路968(
図13aおよび13bに示す)と位置合わせされ接続される。第2の冷却液路968は、絶縁体本体1100の内側領域1106内の長手軸線Aと実質的に平行に延在することができるが、長手軸線Aから偏位する(すなわち、長手軸線Aに対して非同心である)。第2の冷却液路968は、カートリッジフレーム112の近位端15の端面1102の開口部968aを、カートリッジフレーム112の遠位端17の開口部968bに接続し、さらに第2のノズル開口部967に接続させる。このような接続により、冷却液流950はノズル冷却液チャンバ965からカートリッジ104のカートリッジフレーム112を通ってトーチヘッド102まで近位方向に移動することができる(
図13aおよび13bに示す)。いくつかの実施形態では、第2の冷却液路968の開口部968bは、長手軸線Aに沿って開口部968aの遠位に位置し、カートリッジフレーム本体1100の内側面1110に配置される。よって、第1および第2の冷却液路962、968がノズル開口部966、967と協働することで、冷却液流950がノズル冷却液流チャンバ965を介してノズル110およびノズルジャケット111を冷却することができる。
【0135】
図24aおよび24bはそれぞれ、本発明の例示的な実施形態に係る
図17の非通気ノズル110とノズルジャケット111の外面図である。非通気ノズル110は、トーチ10の長手軸線Aに沿って近位端/部分1206、中間部1208、遠位端/部分1210を含む。ノズル108の遠位端1210は、イオン化ガスジェット流などのプラズマアークを切断対象の被加工物(図示せず)に導入するための中央に配置されたノズル出口孔916を含む。ノズルジャケット111は、長手軸線Aに沿って近位端1214と遠位端1216とを画定する実質的に中空本体1212を含む。ノズル108の遠位端1210がノズルジャケット111の遠位端1216の開口部を通じて延在するように、ノズル110はノズルジャケット111の中空本体1212に挿入するように構成される。
【0136】
いくつかの実施形態では、ノズルジャケット111は、近位端1214にノズル開口部966、967を含み、各開口部がノズルジャケット本体1212の内面と外面を接続する。開口部966、967は、ノズルジャケット111の実質的に反対側(たとえば、相互に約180度)に配向させることができる。いくつかの実施形態では、ノズル111の中間部1208の外面とノズルジャケット111の対応する内面は併せてノズル冷却液流チャンバ965を画定する。流チャンバ965は、長手軸線Aに沿っておよび/または最大径区分においてノズル110とノズルジャケット111との実質的に中間に配置することができる。いくつかの実施形態では、ノズル110の遠位部分1210は、ノズルジャケット111の遠位端1216の開口部を通じて配置されるノズル110の周囲の周流路1218(すなわち、ノズル110の周囲に約360度延在する流路)を含む。周路1218により、冷却液はノズル110の先端の外面を流れて、トーチ動作中のノズル先端の対流冷却を促進し、流れる液体の停滞を低減することができる。周流路1218は、ノズル110の曲面によって少なくとも部分的に画定することができる。
【0137】
動作時、冷却液流950は、ノズルジャケット111の一方の側の開口部966を介して流チャンバ965に進入することができる。冷却液流950は、流チャンバ965の一方の側に長手方向に周流路1218に向かって遠位方向に移動することができる。周流路1218に到達後、冷却液流950はノズル先端の周囲で旋回し、近位方向へ流れて遠位流の実質的に反対の(たとえば、約180度)ノズル110の反対側に帰還することができる。帰還流950は、開口部967を介してノズル冷却液流チャンバ965を出て、カートリッジフレーム112に至ることができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、シールド114の内面は、カートリッジフレーム112の絶縁体本体1100に配置される第3の冷却液路978(
図13aおよび13bに示す)と流体連通する。第3の冷却液路978は絶縁体本体1100の内側領域1106において長手軸線Aと実質的に平行に延在することができるが、長手軸線Aから偏位する(すなわち、長手軸線Aに対して非同心である)。第3の冷却液路978は、カートリッジフレーム112の近位端15の端面1102の開口部978aを、長手軸線Aに沿って開口部978aの遠位に位置するカートリッジフレーム112の開口部978bに接続することができる。いくつかの実施形態では、第3の冷却液路978の開口部978bはカートリッジフレーム本体1100の外側面1108に配置される。よって、この構成では、第3の冷却液路978は、長手方向にカートリッジフレーム本体1100の全長にわたって延在しない。第3の冷却液路978の開口部978bを
図22に示す。図示するように、開口部978bはカートリッジフレーム112の中間部の外側面1108に位置する。別の実施形態では、第3の冷却液路978はカートリッジフレーム112の全長にわたって延在し、開口部978bはカートリッジフレーム絶縁体本体1100の遠位端面1104に位置する。開口部978bはシールド114の内面に流体露出させることができるため、冷却液流950はトーチヘッド102からカートリッジ104のカートリッジフレーム112を通ってシールド114内へ遠位方向に移動することができる(
図13aおよび13bに示す)。
【0139】
いくつかの実施形態では、
図22に示すように、カートリッジフレーム112の中間部の外側面1108はカートリッジフレーム112の周囲の周流路1220(すなわち、カートリッジフレーム112の周囲を約360度延在する流路)を画定する。周路1220は第3の冷却液路978の開口部978bに流体接続される。周路1220はシールド114の内周と併せてシールド冷却液流領域1222(
図13bに示す)を形成し、冷却液流950がこの領域を流れてシールド114の内周を冷却する。いくつかの実施形態では、周路1220はカートリッジフレーム112の第4の冷却液路982の開口部982bと流体連通し、該開口部982bはまたカートリッジフレーム112の外側面1108に配置することができる。開口部982bは、長手軸線Aに沿って開口部982aに遠位方向に位置する。開口部978b、982bは、径方向にたとえば180度相互に偏位させることができるため、カートリッジフレーム112の対向側に位置する。第4の冷却液路982は長手軸線Aに実質的に平行に延在させることができるが、長手軸線Aから偏位する(すなわち、長手軸線Aに対して非同心である)。第4の冷却液路982は、カートリッジフレーム112の近位端15の端面1102の開口部982aを開口部982bに接続するように構成される。
【0140】
動作時、冷却液流950は、第3の冷却液路978の開口部978bを介してシールド114に遠位方向に移動することができる。シールド冷却液流領域1222(すなわち、カートリッジフレーム112の外側面1108とシールド114の対応する内周の周流路1220によって画定される)を出た後、冷却液流950はシールド冷却液流領域1222の周囲で旋回し、遠位流の実質的に反対側(たとえば、約180度)のシールド冷却液流領域1222の他方の側へ近位方向に帰還することができる。帰還流950は、第4の冷却液路982の開口部982bを介してシールド冷却液流領域1222を出て、カートリッジフレーム112に至ることができる。
【0141】
図25は、本発明の例示的な実施形態に係る、
図17のカートリッジ104のシールド114の断面図である。シールド114は、中心にシールド出口孔870を含む実質的に中空本体と、任意でシールド114の内面から外面まで延在する1つ以上のガス通気孔(図示せず)とを備える。シールド114は銅を用いて冷間成形し、打抜き加工することができる。
【0142】
概して、カートリッジフレーム112の近位端15に関し、第1の冷却液路開口部962aはノズル110への冷却液入口として機能することができ、第2の冷却液路開口部968aはノズル110からの冷却液出口として機能することができ、第3の冷却液路開口部978aはシールド114への冷却液入口として機能することができ、第4の冷却液路開口部982aはシールド114からの冷却液出口として機能することができる。いくつかの実施形態では、トーチヘッド102がカートリッジ104に連結されるとき、ノズル110からの冷却液出口として機能する第2の冷却液路開口部968aは、シールド114への冷却液入口として機能する第3の冷却液路開口部978aに流体接続される。具体的には、
図13aおよび13bを参照して上述したように、トーチ絶縁体118の内側開口部972、974を接続するトーチ絶縁体118の分配路は、第2の冷却液路968から第3の冷却液路978まで冷却液流950を方向付けて、ノズルとシールドの両方を冷却することができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、冷却液路開口部962a、968a、978a、982a、プラズマガス路開口部912a、シールドガス路開口部864a、主路開口部1020aのうちの1つ以上がトーチ絶縁体118の近位端21の端面1102に配置され、端面は実質的に平面状とすることができる。これらの開口部は、主路開口部1020aを例外として、近位端面1102上に中心長手軸線Aに対して非同心に配置することができる。いくつかの実施形態では、カートリッジフレーム112の冷却液路962、968、978、982、プラズマガス路912、シールドガス路864の1つ以上が中心長手軸線Aに対して非同心である。
【0144】
カートリッジ内のRFID通信
いくつかの実施形態では、カートリッジフレーム112は、トーチヘッド102とカートリッジ先端との間の通信インタフェース(たとえば、RFID通信インタフェース)を形成する。
図17を参照すると、カートリッジフレームの絶縁体本体1100は、カートリッジフレーム112の近位端15の端面1102に隣接するカートリッジフレーム112上または内に形成されるRFID搭載機構1230を含む。たとえば、搭載機構1230は、端面1102からカートリッジフレーム本体1110に配置される空隙とすることができる。RFID搭載機構1230(たとえば、空隙)はカートリッジフレーム112の内側領域1106に配置することができ、中心長手軸線Aに対して非同心に配置/配向させることができる。
【0145】
信号装置160は、トーチヘッド102がカートリッジ104に連結されるとき、カートリッジ104に関する(たとえば、電極108、ノズル110、シールド114および/またはカートリッジフレーム112自体に関する)情報を、近接リーダ装置、たとえばトーチ絶縁体118の通信装置122に送信する搭載機構1230内または上に配置することができる。たとえば、信号装置160は空隙1230に埋め込み、カートリッジフレーム本体1100の絶縁体材料で覆うことができる。信号装置160は電気的に書込み可能なおよび/または読取り可能なRFIDタグとすることができる。信号装置160で符号化される例示的情報は、コンポーネントの名称、登録商標、製造業者、製造番号、および/または種類などの一般的または固定的情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、コンポーネントの金属組成、コンポーネントの重量、コンポーネントが製造されたときの日付、時間および/または位置など、符号化された情報はコンポーネントにとって一意である。また、信号装置160に符号化される情報は、コンポーネントの検出可能な物理的特徴とは無関係であるコンポーネントに関する動作パラメータおよび/またはデータを明示することができる。信号装置160はRFIDタグまたはカード、バーコードラベルまたはタグ、集積回路(IC)板などとすることができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、カートリッジフレーム112の近位端15の端面1102は実質的に平面状である。この構成では、カートリッジ104がトーチヘッド102に連結されない場合、オペレータは携帯装置に搭載されるRFIDリーダなどのリーダを実質的に平面状端面1102に対して水平に置き、信号装置160に問い合わせて、信号装置160に記憶される情報を抽出することができる。したがって、カートリッジフレーム112は、カートリッジフレーム112内または上に搭載される信号装置160が(たとえば、トーチヘッド102の通信装置122によって)プラズマアークトーチ10の内側から、または(たとえば、外部リーダによって)プラズマアークトーチ10の外側から読み取ることができるように構成することができる。
【0147】
本発明の別の側面によると、トーチヘッド102は、通気ノズルを含むカートリッジに連結することができ、その場合、トーチヘッド102は非通気カートリッジ104の場合と実質的に同一の機能を提供する。
図26は、本発明の例示的な実施形態に係る、
図1のプラズマアークトーチ10のトーチヘッド102と両立可能な例示的通気カートリッジ1300を示す図である。通気カートリッジ1300のカートリッジフレーム1302は非通気カートリッジ104のカートリッジフレーム112と実質的に同一の構成および/または材料組成であるため、カートリッジフレーム1302はトーチヘッド102とカートリッジ先端のコンポーネントとの間の同じインタフェースを維持し、電極1308、ノズルライナー1311に連結される通気ノズル1310、シールド1314を含む。たとえば、電極1308は非通気カートリッジ104の電極108と実質的に同一とすることができ、電極108のカートリッジフレーム112への装着と同じように電極1308もカートリッジフレーム1302に装着することができる。シールド1314は非通気カートリッジ104のシールド114と実質的に同一とすることができ、シールド114カートリッジフレーム112への装着と同じようにシールド1314もカートリッジフレーム1302に装着することができる。
【0148】
ノズルライナー1311は通気ノズル1310の内面に配置され固定されることができる。ノズルライナー1311とノズル1310はそれぞれ、軸方向および径方向にカートリッジフレーム1302に位置合わせされるように、カートリッジフレーム1302に直接装着することができる。いくつかの実施形態では、
図26に示すように、通気カートリッジ1300の旋回リング1316の内面と電極1308の外面との間の径方向距離1360は約2.03ミリメートル(約0.08インチ)である。いくつかの実施形態では、電極108の外面とノズルライナー1311の内面との間の最短の絶縁破壊距離1352は約1.27ミリメートル(約0.05インチ)である。
【0149】
図27aおよび27bはそれぞれ、本発明の例示的な実施形態に係る、
図26のカートリッジ1300のノズルライナー1311と通気ノズル1310の外面図である。
図27bに示すように、通気ノズル1310は、トーチ10の長手軸線Aに沿って近位端/部分1326と遠位端/部分1328とを有する実質的に中空本体を含む。ノズル1310の遠位端1328は、イオン化ガスジェットなどのプラズマアークを切断対象の被加工物(図示せず)に導入するためのノズル出口孔1332を中心に配置する。いくつかの実施形態では、ノズル1310は、近位端1326に位置するノズル1310の外面の周囲の周冷却液路1339(すなわち、ノズル110の周囲を約360度延在する流路)を含む。周路1339により、冷却液はノズル1310の外面を旋回パターンで流れることによって、対流冷却を促進し、流れる液体の停滞を低減することができる。
【0150】
図27aに示すように、ノズルライナー1311は、長手軸線Aに沿って近位端1334と遠位端1336とを画定する実質的に中空本体を含む。ノズルライナー1311は、遠位端1336の中心開口部1338と、中心開口部1338の周囲にライナー1311の外面に長手方向に配向される1つ以上のプラズマガス路1337とを含む。いくつかの実施形態では、ノズルライナー1311は、通気プラズマガス流をノズルライナー1311の内面から外面に移動させるために、近位端1334に1つ以上の通気孔1346を含む。通気孔1346は、1つ以上の流パラメータを制御するように適切に計量することができる。ノズルライナー1311は、ノズル1310の遠位部分1326の開口部からノズル1310の中空本体に配置されるように構成される。ノズルライナー1311は、ノズル1310に対して径方向に位置合わせ/中心合わせすることができる。いったんノズルライナー1311がノズル1310に配置されると、中心開口部1338はノズル出口孔1332と流体連通することができる。ノズルライナー1311の遠位端1334は、通気孔1346がノズル1310によって遮られないように露出させることができる。
【0151】
いくつかの実施形態では、通気カートリッジ1300を通るシールドガス流は、非通気カートリッジ104を通るシールドガス流868と実質的に同一である。いくつかの実施形態では、カートリッジフレーム1302を通るプラズマガス流はカートリッジフレーム112を通るプラズマガス流900cと同一である。カートリッジフレーム112から出た後のプラズマガス流路を
図26に示す。カートリッジフレーム112のプラズマガス流路900bと実質的に同様に、旋回リング1316は、プラズマガス流1340が遠位方向に流れて、カートリッジフレーム1302を出るとき、プラズマガス流1340に旋回運動を導入するように構成することができる。その後、プラズマガス流1340は電極1308とノズルライナー1311との間を遠位方向に移動して、電極1308と、ノズルライナー1311と、ノズル1310とによって協働で画定されるプレナム1342に到達する。プラズマガス流1340は、プレナム1342、ノズルライナー1311の中心開口部1338、中心ノズル出口孔1332、中心シールド出口孔1344を通じて移動することによってプラズマアークトーチ10を出ることができる。プレナム1342のプラズマガス流1340の小さな部分1341は、ライナー1311の外面とノズル1310の内面との間の1つ以上のプラズマガス路1337を介して遠位方向に排出させることができる。
【0152】
プラズマガス流1341がライナー1311とノズル1310との間を遠位方向に移動すると、ノズルライナー131の近位端1324に到達して、近位端1324のノズルライナー本体1311の内面と外面とを接続する通気孔1346を介して、ノズルライナー1311を出ることができる。通気孔1346は通気路1348と流体連通するように構成され、通気路1348は、カートリッジフレーム1302の内側面と外側面とを接続するようにカートリッジフレーム1302の本体において径方向に配向され、次に大気に対して露出される。いくつかの実施形態では、同様の通気路が非通気カートリッジ112用のカートリッジフレーム112の絶縁体本体1100に構成されるため、同じカートリッジフレームを通気および非通気カートリッジ設計の両方で使用可能である。よって、遠位プラズマガス流1341は、通気孔1346を介してノズル1310を出て、カートリッジフレーム1302の本体に配置される通気路1348に入ることができる。遠位プラズマガス流1341は、カートリッジフレーム1302の内側面から外側面まで通気路1348をたどることによって大気に排出させることができる。いくつかの実施形態では、保持キャップ120がカートリッジフレーム1302をトーチヘッド102に接続するために使用される場合、保持キャップ120の本体に配置される通気孔がカートリッジフレームの通気路1348と位置合わせされて、遠位プラズマガス流1341をトーチ10から脱出させることができる。概して、トーチヘッド102は反復的に使用することができる耐久性の高いコンポーネントである一方、カートリッジ1300は定期的に(たとえば、8動作時間毎などの2~20動作時間毎に)交換することができる、あるいは使用毎に交換することができる消耗コンポーネントであるため、プラズマガス流1341をトーチヘッド102の代わりにカートリッジ1300から排出させることによって、プラズマガス流1341内のオゾンがトーチ10を破損しない。
【0153】
いくつかの実施形態では、カートリッジフレーム1302を流れる冷却液流は、カートリッジフレーム112を流れる冷却液流950と実質的に同じである。通気カートリッジ1300では、冷却液流は、同一の冷却液路および通路/流領域を用いて、非通気カートリッジ104用の冷却液流950と実質的に同様に電極1308およびシールド1314を冷却することができる。たとえば、電極108の空隙954に接続される主冷却液路1002を使用することによって、通気カートリッジ1300の電極1308の冷却は、非通気カートリッジ104の電極108の冷却と同一にすることができる。別の例として、シールド114のシールド冷却液流領域1222に接続される第3の冷却液路978と第4の冷却液路982を使用することによって、通気カートリッジ1300のシールド1314の冷却は、非通気カートリッジ104のシールド114の冷却と同一にすることができる。
【0154】
通気カートリッジ1300内の通気ノズル1310を冷却するため、カートリッジフレーム1302を通る冷却液流は、第1および第2の冷却液路962、968にわたってカートリッジフレーム112を通る冷却液流950と実質的に同一である。カートリッジフレーム112から出た後に通気ノズル1310に向かう冷却液流路を
図26に示す。図示するように、第1の冷却液路962の開口部962bはカートリッジフレーム1302の内側面に位置し、カートリッジフレーム1302の内側領域から中心主路1351(たとえば、カートリッジフレーム112の主路1020と同じ主路)まで冷却液流1350を導く。冷却液流1350は、カートリッジ1302から主路1351をわたってノズル1310の外面の周路1339とシールド1314の内面との間に画定されるノズル冷却液流領域1352まで遠位方向に移動することができる。たとえば、第1の冷却液路962の開口部962bは周路1339(およびノズル冷却液流領域1352)と流体連通して、カートリッジフレーム1302から冷却液流1350をノズル冷却液流領域1352までノズル1310の一方の側から中心に導くことができる。冷却液流1350は、周流路1339に向かって長手方向にノズル冷却液流領域1352の一方の側全体に遠位方向に移動することができる。周流路1339に到達すると、冷却液流1350はノズル1310の周囲で旋回し、遠位流の実質的に反対側(たとえば、約180度)のノズル1310の他方の側に近位方向に帰還することができる。また、周流路1339も第2の冷却液路968の開口部968bと流体連通して、帰還流1350がノズル冷却液流領域1352から出て、第2の冷却液路968の開口部968bを介してカートリッジフレーム1302に入ることができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、非通気ノズル110に対する冷却液流950とは異なり、通気カートリッジ1300用の冷却液流1350は、ライナー1311と通気ノズル1310との間の領域に進入しない。その代わりに、冷却液流1350は、ライナー1311に対して遠位方向に離れたノズル1310の外周を流れる。
【0156】
一般的に、非通気カートリッジ104用のカートリッジフレーム112と通気カートリッジ1300用のカートリッジフレーム1302は同一とすることができる。いくつかの実施形態では、同じカートリッジフレームは、様々な種類のコンポーネントをカートリッジフレームと位置合わせし装着することによって様々な種類のカートリッジで使用することができる。たとえば、上述したように、本発明のカートリッジフレームは、プラズマガス通気能力をカスタマイズするために通気または非通気ノズルに連結させることができる。別の例として、様々な旋回リング(たとえば、旋回リング150または旋回リング1316)を、カートリッジを通るプラズマガス流の旋回パターンをカスタマイズするためにカートリッジフレームに装着することができる。さらに別の例として、様々なバッフル(たとえば、バッフル1112)またはシールド旋回リング(たとえば、シールド旋回リング1114)を、カートリッジを通るシールドガス流の流特性をカスタマイズするためにカートリッジフレームに装着することができる。よって、本発明のカートリッジフレームにより、消耗カートリッジは様々な切断目的を実現するように構成及びカスタマイズ可能である。
【0157】
図28は、本発明の例示的な実施形態に係る、
図1のトーチヘッド102と両立可能なカートリッジを形成するように適切に構成することができる別の例示的カートリッジフレーム1400を示す図である。カートリッジフレーム1400はカートリッジフレーム112またはカートリッジフレーム1302と実質的に同一である。主な差異は、カートリッジフレーム1400の近位端1402の形状であり「花弁」構成を有する。入口および出口開口部と路を含むカートリッジフレーム1400のその他のすべての機構は、カートリッジフレーム112の機構と同じである。カートリッジフレーム112と同様、カートリッジフレーム1400はTorlon(登録商標)またはポリフェニレンサルファイドなどの絶縁体材料で作製することができる。カートリッジフレーム1400の近位端1402の「花弁」構成により、カートリッジフレーム1400は射出成形技術によって製造することができ、射出成形は従来の工程よりも高速で安価な製造アプローチであり、少ない質量で、侵食なくより適切かつ均一に冷却することができる。別の実施形態では、カートリッジフレーム112または1400は機械加工することができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、ノズルジャケット111および電極絶縁体754の少なくとも一方は、Torlon(登録商標)またはポリフェニレンサルファイドなどの非導性電材料で作製される。電極108、1308、インサート1200、非通気ノズル110、通気ノズル1310、ノズルライナー1311、シールド114、1314のうち少なくとも1つは銅や真鍮などの導電性材料で作製することができる。旋回リング150、1316は亜鉛(たとえば、Zamac3)などの導電性材料で作製することができる。バッフル1112またはシールド旋回リング1114はそれぞれ絶縁体材料または導電性材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、非通気カートリッジ104または通気カートリッジ1300はそれぞれ、体積で少なくとも約50%プラスチックからなる。いくつかの実施形態では、長手軸線Aに沿ったカートリッジ104または1300の全長は約5.1センチメートル(約2インチ)であり、長手軸線Aと垂直な平面に沿ったカートリッジ104または1300の最大径は約4.3センチメートル(約1.7インチ)である。
【0159】
電極108、1308、シールド114、1314は、冷間成形、打抜き加工、または機械加工技術によって製造することができる。非通気ノズル110、または通気ノズル1310は、冷間成形、打抜き加工、または機械加工によって、穿孔機構(たとえば、穴)を有するように製造することができる。旋回リング150、1316は、ダイカスト、射出成形、または機械加工によって旋回穴を有するように製造することができる。バッフル1112は打抜き加工、ダイカスト、機械加工、または鋳造によって製造することができる。シールド旋回リング1114はダイカスト、鋳造、または機械加工によって形成することができる。概して、製造コストと複雑度を低減するため、カートリッジ104または1300はVespel(登録商標)、溶岩、アルミニウムをほとんどか全く含まず、銅を最小限しか使用せず、および/またはOリング溝をほとんど有していない。さらに、カートリッジ104、1300のコンポーネントは穿孔穴を最小限にするように製造される。
【0160】
いくつかの実施形態では、カートリッジ104またはカートリッジ1300は、近位端で非平面状に設計されるため、カートリッジとトーチヘッド102との間のインタフェースも非平面である。
図29は、本発明の例示的な実施形態に係る、非平面状の近位端1452を含む例示的通気カートリッジ1450を示す図である。通気カートリッジ1450は、カートリッジフレーム1454に配置される端面1458と突出遠位部分1460とを備えることができる。具体的には、突出遠位部分1460は、主中心路1456を形成するカートリッジフレーム1454の一部である。突出遠位部分1460は、カートリッジフレーム1454の内側領域1462の端面1458を超えて長手軸線Aに沿って遠位方向に延在することができる。カートリッジ1450のその他すべての機構/機能は、上述した通気カートリッジ1300と実質的に同じにすることができる。
【0161】
図30は、本発明の例示的な実施形態に係る、
図18のカートリッジ104の展開図である。カートリッジ104を組み立てるため、放射インサート1200はまず、電極108の遠位端1202で電極108に挿入することができる。次に、電極108は電極絶縁体754の遠位端から電極絶縁体754に連結することができる。たとえば、電極108の外側保持機構1066は電極754の内側保持機構1068と嵌め合い係合させて、コンポーネントと軸方向に位置合わせし、インタフェース1067に沿って両者を径方向に位置合わせ/中心合わせすることができる。結果として得られるコンポーネントは旋回リング150に連結して、第1のサブアセンブリ1502を形成することができる。たとえば、電極絶縁体754の外側保持機構1056は旋回リング150の内側保持機構1054と嵌め合い係合して、コンポーネントと軸方向に位置合わせし、インタフェース1055に沿って両者を径方向に位置合わせ/中心合わせすることができる。いくつかの実施形態では、第1のサブアセンブリ1502においてコンポーネント(たとえば、旋回リング150、電気絶縁体75、電極108)を相互にさらに固定するために、1つ以上のOリングが使用される。第2のサブアセンブリ1504はノズル110をノズルジャケット111に装着することによって形成することができ、ノズル110はノズルジャケット111の中空本体に配置することができる。いくつかの実施形態では、第2のサブアセンブリ1504においてノズル110とノズルジャケット111を相互にさらに固定するために、1つ以上のOリングが使用される。
【0162】
第1のサブアセンブリ1502、第2のサブアセンブリ1504、シールド114は、カートリッジフレーム112に直接装着してカートリッジ104を形成することができる。たとえば、旋回リング150の外側保持機構1052はカートリッジフレーム112の内側保持機構1058と嵌め合い係合して、コンポーネントと軸方向に位置合わせし、インタフェース1053に沿って両者を径方向に位置合わせ/中心合わせすることができる。ノズル110の外側保持機構1070はカートリッジフレーム112の別の内側保持機構1072と嵌め合い係合し、コンポーネントと軸方向に位置合わせし、インタフェース1071に沿って両者を径方向に位置合わせ/中心合わせすることができる。カートリッジフレーム112の外側保持機構1062はシールド114の内側保持機構1064と嵌め合い係合し、コンポーネントと軸方向に位置合わせし、インタフェース1063に沿って両者を径方向に位置合わせ/中心合わせすることができる。また、シールド114の遠位端をカートリッジフレーム112の外面の窪み1065に圧着し、2つのコンポーネントを共にさらに固定することができる。いくつかの実施形態では、第1のサブアセンブリ1502、第2のサブアセンブリ1504、および/またはシールド114とカートリッジフレーム112との係合を助けるため、1つ以上のOリングが使用される。
【0163】
[付記1]
プラズマアークトーチ用の液冷消耗カートリッジであって、
電極と、
外面に第1の外側保持機構と第2の外側保持機構とを有し、前記電極が固定される旋回リングと、
内面に内側保持機構を有し、前記内側保持機構が前記旋回リングの前記第1の外側保持機構と嵌合するノズルと、
内面に内側保持機構と外面に外側保持機構を有するカートリッジフレームであって、前記内側保持機構が前記旋回リングの前記第2の外側保持機構と嵌合するカートリッジフレームと、
前記カートリッジフレームの前記外側保持機構と嵌合する内側保持機構を内面に有するシールドと、
を備え、
少なくとも前記ノズル、前記旋回リング、前記カートリッジフレーム、前記シールドが、嵌合時、所定位置に軸方向に固定されて、前記カートリッジフレームから前記シールドまたは前記ノズルまでの少なくとも1つの液体流路を提供する、液冷消耗カートリッジ。
[付記2]
前記電極と前記ノズルが、前記電極と前記ノズルとの間の物理的接触なしに軸方向および径方向に相互に位置合わせされる、付記1に記載の液冷消耗カートリッジ。
[付記3]
前記ノズルと前記シールドが、前記ノズルと前記シールドとの間の物理的接触なしに軸方向および径方向に相互に位置合わせされる、付記1に記載の液冷消耗カートリッジ。
[付記4]
前記シールド、前記ノズル、前記旋回リングのうちの少なくとも1つが前記カートリッジフレームと直接嵌合する、付記1に記載の液冷消耗カートリッジ。
[付記5]
前記電極が、前記旋回リングおよび電極絶縁体の少なくとも一方を介して前記カートリッジフレームと間接的に嵌合する、付記1に記載の液冷消耗カートリッジ。
[付記6]
前記ノズルの前記内側保持機構と前記旋回リングの前記第1の外側保持機構との嵌合により、前記ノズルと前記旋回リングとが径方向に位置合わせされる、付記1に記載の液冷消耗カートリッジ。
[付記7]
前記カートリッジフレームの前記内側保持機構と前記旋回リングの前記第2の外側保持機構との嵌合により、前記カートリッジフレームと前記旋回リングとの間で軸方向位置合わせと径方向位置合わせの少なくとも一方が実行される、付記1に記載の液冷消耗カートリッジ。
[付記8]
前記シールドの内側保持機構と前記カートリッジフレームの前記外側保持機構との嵌合により、前記カートリッジフレームと前記シールドとの間で軸方向位置合わせと径方向位置合わせの少なくとも一方が実行される、付記1に記載の液冷消耗カートリッジ。
[付記9]
内面に前記ノズルの外面の外側保持機構と嵌合するように構成される第2の内側保持機構をさらに備え、前記カートリッジフレームと前記ノズルとの嵌合により、前記カートリッジフレームと前記ノズルとの間で軸方向位置合わせと径方向位置合わせの少なくとも一方が実行される、付記1に記載の液冷消耗カートリッジ。
[付記10]
前記ノズルがノズルジャケットに連結される非通気ノズルである、付記1に記載の液冷消耗カートリッジ。
[付記11]
前記ノズルがノズルライナーに連結される通気ノズルである、付記1に記載の液冷消耗カートリッジ。
[付記12]
液冷プラズマアークトーチ用の消耗カートリッジであって、
非導電性のカートリッジフレームと、
プラズマプレナムを部分的に画定し、前記カートリッジフレームに固定されるセットの導電消耗コンポーネントと、
を備え、
前記消耗カートリッジが体積で少なくとも50%が非導電性材料からなる、消耗カートリッジ。
[付記13]
前記消耗カートリッジが体積で約60%~約80%が非導電性材料からなる、付記12に記載の消耗カートリッジ。
[付記14]
使い捨てカートリッジである、付記12に記載の消耗カートリッジ。
[付記15]
前記セットの導電消耗コンポーネントが前記カートリッジフレームに固定された後に個別に処分不能である、付記12に記載の消耗カートリッジ。
[付記16]
前記カートリッジフレームが前記セットの導電コンポーネントと流体連通する液体路とガス路を備え、前記液体路とガス路が前記カートリッジフレームの中心長手軸線に対して非同心である、付記12に記載の消耗カートリッジ。
[付記17]
前記セットの導電性の消耗コンポーネントがシールド、ノズル、電極を備える、付記12に記載の消耗カートリッジ。
[付記18]
複数のコンポーネントから一体型の消耗カートリッジを製造する方法であって、
電極を旋回リングに軸方向および径方向に固定することと、
前記旋回リングの外面の保持機構をカートリッジフレームまたはノズルの内面の被嵌合保持機構のうちの少なくとも1つに軸方向および径方向に固定することと、
前記カートリッジフレームの外面の保持機構をシールドの内面の被嵌合保持機構に軸方向および径方向に固定することと、
を備え、
前記消耗コンポーネント間の前記軸方向および径方向の固定により、前記カートリッジフレームの少なくとも1つの内側流体路が(i)前記ノズルの流体通路または(ii)前記シールドの流体通路と位置決めされる、方法。
[付記19]
電極を旋回リングに軸方向および径方向に固定することが、
前記電極を電極絶縁体に軸方向および径方向に固定することと、
前記電極絶縁体を前記旋回リングに軸方向および径方向に固定することと、
を備える、付記18に記載の方法。
[付記20]
前記カートリッジフレーム内のプラズマガス路を前記旋回リングと前記ノズルとの間のガス通路と径方向に位置合わせすることをさらに備える、付記18に記載の方法。
[付記21]
前記カートリッジフレーム内のシールドガス路を前記ノズルと前記シールドとの間のガス通路と径方向に位置合わせすることをさらに備える、付記18に記載の方法。
[付記22]
前記カートリッジフレーム内の中心路を前記電極と径方向に位置合わせすることをさらに備える、付記18に記載の方法。
[付記23]
前記カートリッジフレーム内の第1の冷却液路および第2の冷却液路を前記ノズルと径方向に位置合わせすることと、
前記カートリッジフレーム内の第3の冷却液路および第4の冷却液路を前記シールドと径方向に位置合わせすることと、
をさらに備える、付記18に記載の方法。
[付記24]
亜鉛を用いてダイカストによって前記旋回リングを形成することをさらに備える、付記18に記載の方法。
[付記25]
非導電性材料を用いて鋳造によって前記カートリッジフレームを形成することをさらに備える、付記18に記載の方法。
[付記26]
導電性材料を用いて打抜き加工によって前記シールドを形成することをさらに備える、付記18に記載の方法。
[付記27]
前記複数のコンポーネントの軸方向および径方向の固定がスナップ嵌め、プレス嵌め、締まり嵌めのうちの1つ以上によって実行される、付記18に記載の方法。
[付記28]
プラズマアーク切断トーチ用の液冷消耗カートリッジを組み立てる方法であって、
中心領域と、外面と、遠位端と、近位端とを有する絶縁体カートリッジフレームを設けることと、
前記中心領域において旋回コンポーネントを前記カートリッジフレームに連結することと、
前記中心領域において電極を前記カートリッジフレームに連結することと、
前記中心領域においてノズルを前記カートリッジフレームに連結することと、
前記外面においてシールドを前記カートリッジフレームに連結することと、
を備える方法。
[付記29]
旋回コンポーネントを前記カートリッジフレームに連結することが、前記旋回コンポーネントの外面を前記カートリッジフレームの内面に嵌合して、前記旋回コンポーネントと前記カートリッジフレームとの間で軸方向位置合わせと径方向位置合わせの少なくとも一方を提供することを備える、付記28に記載の方法。
[付記30]
前記旋回コンポーネントおよび電極絶縁体の少なくとも一方を介して前記電極を前記カートリッジフレームに連結することをさらに備える、付記28に記載の方法。
[付記31]
ノズルを前記カートリッジフレームに連結することが、前記ノズルの外面を前記カートリッジフレームの内面に連結して、前記ノズルと前記カートリッジフレームとの間で軸方向位置合わせと径方向位置合わせの少なくとも一方を提供することを備える、付記28に記載の方法。
[付記32]
前記外面においてシールドを前記カートリッジフレームに連結することにより、前記シールドと前記カートリッジフレームとの間で軸方向位置合わせと径方向位置合わせの少なくとも一方が提供される、付記28に記載の方法。
[付記33]
前記中心領域において前記カートリッジフレームの遠位端でバッフルと第2の旋回コンポーネントを配置することをさらに備える、付記28に記載の方法。
[付記34]
前記連結により、前記カートリッジフレームの少なくとも1つの内側流体路と(i)前記ノズルの流体通路または(ii)前記シールドの流体通路とが位置合わせされる、付記28に記載の方法。
[付記35]
プラズマアークトーチ用の液冷消耗カートリッジであって、
電極と、
外面に外側保持機構と内面に内側保持機構とを有し、前記電極が前記内側保持機構に固定される旋回リングと、
外面に外側保持機構を有するノズルと、
内面に第1の内側保持機構と第2の内側保持機構と外面に外側保持機構を有するカートリッジフレームであって、前記カートリッジフレームの前記第1の内側保持機構が前記旋回リングの前記外側保持機構に嵌合し、前記カートリッジフレームの前記第2の内側保持機構が前記ノズルの前記外側保持機構に嵌合する、カートリッジフレームと、
前記カートリッジフレームの前記外側保持機構と嵌合する内側保持機構を内面に有するシールドと、
を備え、
少なくとも前記ノズル、前記旋回リング、前記カートリッジフレーム、前記シールドが嵌合時に所定位置に軸方向に固定される、液冷消耗カートリッジ。
本発明の各種側面および実施形態は様々な形で組み合わせることができると理解すべきである。本明細書の教示に基づき、当業者はこれらの各種実施形態を組み合わせる方法を容易に判定することができる。明細書に目を通すことで当業者は変更も思いつくことができる。