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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】衝撃吸収機構
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/34 20060101AFI20220516BHJP
   B60R 19/03 20060101ALI20220516BHJP
   F16F 7/00 20060101ALI20220516BHJP
   F16F 7/12 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
B60R19/34
B60R19/03 Z
F16F7/00 A
F16F7/00 K
F16F7/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019102724
(22)【出願日】2019-05-31
(65)【公開番号】P2020196307
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 豪軌
(72)【発明者】
【氏名】水谷 義輝
(72)【発明者】
【氏名】三浦 寿久
(72)【発明者】
【氏名】西村 拓也
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-7598(JP,A)
【文献】特開2009-113767(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0158443(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0321631(US,A1)
【文献】特開2015-155704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/00-19/56
F16F 7/00- 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に加わる衝突荷重を軽減するための衝撃吸収機構であって、
衝突荷重を受ける荷重受け部材と前記衝突荷重が前記荷重受け部材から伝達される被伝達部材の間に設けられ、
部材軸方向の一方の端部が前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち一方の部材の内部空間に挿入された木製の柱状の衝撃吸収材と、
前記一方の部材に連結され、衝突時に前記衝撃吸収材を押圧する第1の連結材と、
を具備し、
衝突時に前記衝撃吸収材が前記第1の連結材に押し分けられ、前記第1の連結材から見て前記衝撃吸収材の部材軸直交方向の側方にある空間に進入し、
前記部材軸直交方向に沿った前記第1の連結材の幅を2D、前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち他方の部材側に面した前記第1の連結材の平面部または凹面部の幅を2Cとして、
前記第1の連結材の前記部材軸方向に沿った断面の中心を通る前記部材軸方向の断面中心線と、前記衝撃吸収材の前記第1の連結材に近い方の側面との間の距離Xが、
≦{D-(1-ε)C}/ε
により定められ、
εは、前記衝撃吸収材を前記部材軸直交方向に圧縮した際の応力とひずみの関係を示す応力-ひずみ分布において、前記衝撃吸収材の弾性変形域を超えて前記衝撃吸収材の剛性が低下した後、前記衝撃吸収材の剛性が再度上昇するひずみ硬化域に対応するひずみの値であることを特徴とする衝撃吸収機構。
【請求項2】
車両に加わる衝突荷重を軽減するための衝撃吸収機構であって、
衝突荷重を受ける荷重受け部材と前記衝突荷重が前記荷重受け部材から伝達される被伝達部材の間に設けられ、
部材軸方向の一方の端部が前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち一方の部材の内部空間に挿入された木製の柱状の衝撃吸収材と、
前記一方の部材に連結され、衝突時に前記衝撃吸収材を押圧する複数の第1の連結材と、
を具備し、
衝突時に前記衝撃吸収材が前記第1の連結材に押し分けられ、前記第1の連結材から見て前記衝撃吸収材の部材軸直交方向の側方にある空間に進入し、
前記部材軸直交方向に沿った前記第1の連結材の幅を2D、前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち他方の部材側に面した前記第1の連結材の平面部または凹面部の幅を2Cとして、
前記第1の連結材の前記部材軸方向に沿った断面の中心を通る前記部材軸方向の断面中心線と、隣り合う前記第1の連結材の間を二等分する前記部材軸方向の線分との間の距離Xが、
≦{D-(1-ε)C}/ε
により定められ、
εは、前記衝撃吸収材を前記部材軸直交方向に圧縮した際の応力とひずみの関係を示す応力-ひずみ分布において、前記衝撃吸収材の弾性変形域を超えて前記衝撃吸収材の剛性が低下した後、衝撃吸収材の剛性が再度上昇するひずみ硬化域に対応するひずみの値であることを特徴とする衝撃吸収機構。
【請求項3】
前記第1の連結材の前記断面が略円形であり、前記距離Xが、C=0として
≦D/ε
により定められることを特徴とする請求項1または請求項2記載の衝撃吸収機構。
【請求項4】
前記第1の連結材が、前記衝撃吸収材の端面に突き当てられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の衝撃吸収機構。
【請求項5】
前記第1の連結材が、前記衝撃吸収材を貫通することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の衝撃吸収機構。
【請求項6】
前記衝撃吸収材の前記部材軸方向の他方の端部は、前記他方の部材の内部空間に挿入され、
前記他方の部材に連結され、衝突時に前記衝撃吸収材を押圧する複数の第2の連結材を更に具備し、
前記第1、第2の連結材は、前記部材軸方向から見た時に異なる位置に配置され、
衝突時に前記衝撃吸収材が前記第2の連結材に押し分けられ、前記第2の連結材から見て前記部材軸直交方向の側方にある空間に進入し、
前記部材軸直交方向に沿った前記第2の連結材の幅を2D、前記一方の部材側に面した前記第2の連結材の平面部または凹面部の幅を2Cとして、
前記第2の連結材の前記部材軸方向に沿った断面の中心を通る前記部材軸方向の断面中心線と、隣り合う前記第2の連結材の間を二等分する前記部材軸方向の線分との間の距離Xが、
≦{D-(1-ε)C}/ε
により定められることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の衝撃吸収機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に加わる衝撃を吸収する衝撃吸収機構に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の衝突時の衝突荷重を受けてその衝撃を吸収できるように構成された衝撃吸収機構に関する技術が、特許文献1、2に記載されている。
【0003】
特許文献1、2には、車両前方衝突時にバンパーリインフォースがサイドメンバ側に押された際に、バンパーリインフォースとサイドメンバの間に設けた木材がボルト等の連結材に押されて部材軸方向に圧縮するか、または当該木材に部材軸方向のせん断が生じることで衝撃が吸収される衝撃吸収機構について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2014/077314号
【文献】特開2017-7598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの衝撃吸収機構では木材に部材軸方向の圧縮やせん断が生じる際に衝撃が吸収されるが、このような衝撃吸収機構では、より効果的に衝撃を吸収し、車両の衝突時の被害を軽減できる工夫が求められている。
【0006】
本発明は前述した問題点に鑑みてなされたものであり、より効果的に衝撃吸収を行うことのできる衝撃吸収機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するための第1の発明は、車両に加わる衝突荷重を軽減するための衝撃吸収機構であって、衝突荷重を受ける荷重受け部材と前記衝突荷重が前記荷重受け部材から伝達される被伝達部材の間に設けられ、部材軸方向の一方の端部が前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち一方の部材の内部空間に挿入された木製の柱状の衝撃吸収材と、前記一方の部材に連結され、衝突時に前記衝撃吸収材を押圧する第1の連結材と、を具備し、衝突時に前記衝撃吸収材が前記第1の連結材に押し分けられ、前記第1の連結材から見て前記衝撃吸収材の部材軸直交方向の側方にある空間に進入し、前記部材軸直交方向に沿った前記第1の連結材の幅を2D、前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち他方の部材側に面した前記第1の連結材の平面部または凹面部の幅を2Cとして、前記第1の連結材の前記部材軸方向に沿った断面の中心を通る前記部材軸方向の断面中心線と、前記衝撃吸収材の前記第1の連結材に近い方の側面との間の距離Xが、X≦{D-(1-ε)C}/εにより定められ、εは、前記衝撃吸収材を前記部材軸直交方向に圧縮した際の応力とひずみの関係を示す応力-ひずみ分布において、前記衝撃吸収材の弾性変形域を超えて前記衝撃吸収材の剛性が低下した後、前記衝撃吸収材の剛性が再度上昇するひずみ硬化域に対応するひずみの値であることを特徴とする衝撃吸収機構である。
【0008】
第2の発明は、車両に加わる衝突荷重を軽減するための衝撃吸収機構であって、衝突荷重を受ける荷重受け部材と前記衝突荷重が前記荷重受け部材から伝達される被伝達部材の間に設けられ、部材軸方向の一方の端部が前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち一方の部材の内部空間に挿入された木製の柱状の衝撃吸収材と、前記一方の部材に連結され、衝突時に前記衝撃吸収材を押圧する複数の第1の連結材と、を具備し、衝突時に前記衝撃吸収材が前記第1の連結材に押し分けられ、前記第1の連結材から見て前記衝撃吸収材の部材軸直交方向の側方にある空間に進入し、前記部材軸直交方向に沿った前記第1の連結材の幅を2D、前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち他方の部材側に面した前記第1の連結材の平面部または凹面部の幅を2Cとして、前記第1の連結材の前記部材軸方向に沿った断面の中心を通る前記部材軸方向の断面中心線と、隣り合う前記第1の連結材の間を二等分する前記部材軸方向の線分との間の距離Xが、X≦{D-(1-ε)C}/εにより定められ、εは、前記衝撃吸収材を前記部材軸直交方向に圧縮した際の応力とひずみの関係を示す応力-ひずみ分布において、前記衝撃吸収材の弾性変形域を超えて前記衝撃吸収材の剛性が低下した後、衝撃吸収材の剛性が再度上昇するひずみ硬化域に対応するひずみの値であることを特徴とする衝撃吸収機構である。
【0009】
本発明では、上記の連結材と衝撃吸収材の側面との間の距離(第1の発明)や、隣り合う連結材間の距離(第2の発明)を、衝撃吸収材の圧縮時の上記したひずみの値εに基づき定める所定値以下とする。こうしてこれらの距離を狭めることにより、衝突時に連結材によって押し分けられた衝撃吸収材の通り道が狭くなり、部材軸直交方向に発生する圧縮により衝撃吸収材が硬化して高い衝撃吸収効果が得られ、連結材の位置を適切に設定するだけの簡易な構成にて効果的に衝撃吸収を行うことが可能になる。
【0010】
前記第1の連結材の前記断面が略円形であり、前記距離Xが、C=0としてX≦D/εにより定められることも望ましい。
連結材に通常のボルトのような断面円形の部材を用いる場合、C=0とし、前記の距離XをD/ε以下とすればよい。連結材の断面を円形とすることにより衝撃吸収材の押し分けが生じやすく、上記した衝撃吸収効果を発揮させやすくなる。
【0011】
前記第1の連結材は、例えば前記衝撃吸収材の端面に突き当てられる。あるいは、前記第1の連結材が、前記衝撃吸収材を貫通してもよい。
前者の場合、衝撃吸収材に孔を空ける必要が無く簡易な構成となる。後者の場合、連結材により衝撃吸収材を好適に保持できる。
【0012】
前記衝撃吸収材の前記部材軸方向の他方の端部は、前記他方の部材の内部空間に挿入され、前記他方の部材に連結され、衝突時に前記衝撃吸収材を押圧する複数の第2の連結材を更に具備し、前記第1、第2の連結材は、前記部材軸方向から見た時に異なる位置に配置され、衝突時に前記衝撃吸収材が前記第2の連結材に押し分けられ、前記第2の連結材から見て前記部材軸直交方向の側方にある空間に進入し、前記部材軸直交方向に沿った前記第2の連結材の幅を2D、前記一方の部材側に面した前記第2の連結材の平面部または凹面部の幅を2Cとして、前記第2の連結材の前記部材軸方向に沿った断面の中心を通る前記部材軸方向の断面中心線と、隣り合う前記第2の連結材の間を二等分する前記部材軸方向の線分との間の距離Xが、X≦{D-(1-ε)C}/εにより定められることも望ましい。
この場合、衝撃吸収材の部材軸方向のせん断による衝撃吸収が可能になるが、この場合も、衝突時に連結材によって押し分けられる衝撃吸収材の通り道を上記のように狭くすることで、部材軸直交方向に発生する圧縮によって衝撃吸収材が硬化し、高い衝撃吸収効果が得られる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、より効果的に衝撃吸収を行うことのできる衝撃吸収機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】衝撃吸収機構2の配置を示す概略図。
図2】衝撃吸収機構2を示す図。
図3】応力-ひずみ分布の概略を示す図。
図4】衝突荷重が加わった状態の衝撃吸収機構2を示す図。
図5】バンパーリインフォース11の変位と衝撃吸収材1の圧縮によって吸収される荷重の関係を示す図。
図6】平面部5と凹面部6の例。
図7】衝撃吸収機構2’を示す図。
図8】衝撃吸収機構2aを示す図。
図9】衝突荷重が加わった状態の衝撃吸収機構2aを示す図。
図10】衝撃吸収機構2bを示す図。
図11】衝撃吸収機構2cを示す図。
図12】衝突荷重が加わった状態の衝撃吸収機構2cを示す図。
図13】衝撃吸収機構2c’を示す図。
図14】衝撃吸収機構2dを示す図。
図15】衝突荷重が加わった状態の衝撃吸収機構2dを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
図1は本発明の実施形態に係る衝撃吸収機構2の配置を示す概略図である。衝撃吸収機構2は車両10に設けられ、衝突時に車両10に加わる衝撃を吸収して衝突荷重を軽減するためのものである。衝撃吸収機構2は、フロントバンパー(不図示)のバンパーリインフォース11と車両10のサイドメンバ9の間に配置される。
【0017】
図1の左右は車両前後方向に対応し、図1の上下は車両幅方向に対応する。以下、「前」というときは車両10の前側を指し、図1の左側に対応する。「後」は車両10の後側を指し、図1の右側に対応する。
【0018】
バンパーリインフォース11は車両前方衝突時の衝突荷重を受ける荷重受け部材であり、車両10の前部で車両幅方向に延びるように配置される。
【0019】
サイドメンバ9はバンパーリインフォース11で受けた衝突荷重が伝達される被伝達部材である。サイドメンバ9は車両幅方向の左右に配置され、各サイドメンバ9とバンパーリインフォース11の間に衝撃吸収機構2が設けられる。
【0020】
図2は衝撃吸収機構2を示す図である。図2(a)は衝撃吸収機構2の水平方向の断面を示す図であり、図2(b)は図2(a)の線a-aに沿った鉛直方向の断面を示す図である。
【0021】
図2に示すように、衝撃吸収機構2は、衝撃吸収材1、ボルト3等を有する。
【0022】
衝撃吸収材1は木製の柱状部材であり、部材軸方向を車両前後方向(図2(a)、(b)の左右方向に対応する)として、部材軸方向の両端部がそれぞれバンパーリインフォース11側、サイドメンバ9側となるように配置される。本実施形態では衝撃吸収材1の部材軸方向が木材の年輪の軸心方向(木材の繊維方向)に対応しているが、これに限ることはない。
【0023】
衝撃吸収材1の前端部はバンパーリインフォース11に当接し、ブラケット13によりバンパーリインフォース11に固定される。
【0024】
サイドメンバ9の前端部は筒状となっており、衝撃吸収材1の後端部(一方の端部)はサイドメンバ9(一方の部材)の筒状部分の内部空間に挿入される。
【0025】
ボルト3は金属製の頭付ボルトであり、衝撃吸収材1の後方で衝撃吸収材1の後端面に突き当てて配置される。ボルト3はサイドメンバ9の前端部に連結される棒状の連結材であり、衝突時に衝撃吸収材1を前方に押圧する。ボルト3は長手方向を鉛直方向(図2(b)の上下方向に対応する)に合わせて配置され、車両幅方向に複数本設けられる。車両幅方向は図2(a)の上下方向に対応し、衝撃吸収材1の部材軸方向と直交する部材軸直交方向である。図の例ではボルト3が2本配置されるが、その本数は特に限定されず、1本のみでもよい。
【0026】
ここで、衝撃吸収材1の部材軸方向から見た時(図2(a)の矢印参照)に、ボルト3とバンパーリインフォース11(他方の部材)の間では、ボルト3と重複する位置にサイドメンバ9に連結された他のボルト3等が存在せず、このボルト3が衝撃吸収に大きく寄与することとなる。
【0027】
ボルト3の軸部はサイドメンバ9の下面からサイドメンバ9を貫通し、軸部の先端がナット4によってサイドメンバ9の上面に固定される。これによりボルト3がサイドメンバ9の前端部に連結固定される。
【0028】
ボルト3の軸部の車両幅方向の中央部には、バンパーリインフォース11側に面した平面部5が形成される。本実施形態では、衝撃吸収材1の部材軸方向に沿ったボルト3の断面(以下、単に断面ということがある)が略正六角形状となっており、平面部5はその一辺に対応する。平面部5の両側には部材軸方向に対して傾斜した傾斜面が形成される。平面部5はボルト3の軸部を加工して形成されるが、これに限ることはない。例えば平面部5を有する別部品をボルトの軸部に別途取付けてもよい。
【0029】
衝撃吸収機構2では、車両幅方向に沿ったボルト3の幅(最大幅)を2D、平面部5の幅を2Cとした時に、ボルト3の断面中心を通る部材軸方向の断面中心線Lと、衝撃吸収材1の当該ボルト3に近い方の側面との間の距離Xを{D-(1-ε)C}/ε以下とする。なお、本実施形態では衝撃吸収材1の当該側面がサイドメンバ9の内面に接する。
【0030】
ここで、εは衝撃吸収材1を車両幅方向に圧縮した際のひずみによって定める値である。ひずみとは、図3(a)に示すように、圧縮による衝撃吸収材1の幅の減少分の元の幅に対する割合をいうものとする。
【0031】
図3(b)は、木材(衝撃吸収材1)を車両幅方向に圧縮した際の応力とひずみの関係を示す応力-ひずみ分布の概略を示す図である。図に示すように、木材の弾性変形域では応力の上昇に伴いひずみが直線状に増加する関係となり、弾性変形域におけるひずみの最大値εに達した後は、木材の剛性が低下し、応力がほぼ一定の状態でひずみが進行する。この領域を高原域とし、高原域のひずみの最大値εに達した後は、木材が硬化して剛性が再度上昇するひずみ硬化域となる(例えば、棚橋、大岡、伊津野、鈴木「木材のめり込み降伏メカニズムと均等めり込み弾塑性変位の定式化」、日本建築学会構造系論文集、Vol.76、No.662、pp.811-819や劉、則元、師岡「木材の横圧縮大変形(II)応力-ひずみ繰返し図」、木材研究・資料、No.31、44-55などの文献参照)。
【0032】
本実施形態では前記のεを上記のε以上とし、ひずみ硬化域に対応する値とする。例えば図3(b)のεで示すようなひずみ硬化域中のひずみの値や、ε’で示すように応力が上昇してもひずみがほぼ増加しなくなる最大ひずみの値を用いる。これらの値は、例えば図2等に示す衝撃吸収機構2の使用状態を反映した条件下で前記の文献で示されたような圧縮試験を予め行うことによって得られる。あるいは木材の種類に応じて公知の値を用いたりすることも可能である。
【0033】
図4は衝突荷重が加わった状態の衝撃吸収機構2を示す図である。図4(a)は衝撃吸収機構2の水平方向の断面を示し、図4(b)はボルト3付近の拡大図を示す。
【0034】
衝撃吸収機構2では、図4(a)の矢印Aに示す方向に衝突荷重が加わりバンパーリインフォース11がサイドメンバ9側に押されると、ボルト3が衝撃吸収材1を前方に押圧し、ボルト3の平面部5に当たる部分では衝撃吸収材1が部材軸方向に圧縮されて木材が硬化し、圧縮部15aが形成される。一方、平面部5の両側の傾斜面に当たる部分では、衝撃吸収材1が図4(b)の矢印Bに示すように押し分けられ、ボルト3から見て車両幅方向の側方にある空間からサイドメンバ9内へと進入する。
【0035】
この時、ボルト3で押し分けられた衝撃吸収材1がボルト3とサイドメンバ9との間の狭い空間を通り、当該空間において車両幅方向に圧縮され、木材が硬化して圧縮部15が形成される。
【0036】
図4(b)を参照して、衝撃吸収材1のうちボルト3で押し分けられてボルト3とサイドメンバ9との間を通る部分について考えると、ボルト3で押し分けられる前にボルト3の平面部5と衝撃吸収材1の側面との間の幅(X-C)の範囲にある衝撃吸収材1が、ボルト3とサイドメンバ9の間を通るときに車両幅方向に圧縮され、幅(X-D)となる。
【0037】
この時、車両幅方向の圧縮による衝撃吸収材1の幅の減少分(D-C)の元の幅(X-C)に対する割合(D-C)/(X-C)がε以上であれば、車両幅方向の圧縮により木材が硬化して高い衝撃吸収効果が得られる。
【0038】
すなわち、前記の距離Xについて下式(1)が成り立てば、衝撃吸収材1が車両幅方向に充分に圧縮され、ひずみ硬化現象が生じて衝突荷重が吸収される。
≦{D-(1-ε)C}/ε…(1)
【0039】
図5は、上記の衝突過程におけるバンパーリインフォース11の変位と衝撃吸収材1の圧縮によって吸収される荷重の関係を、縦軸を荷重、横軸をバンパーリインフォース11のサイドメンバ9側への変位として示した図である。
【0040】
実線19は本実施形態のように距離Xを{D-(1-ε)C}/ε以下とした場合であり、本実施形態では前記の圧縮部15aに加え、衝撃吸収材1がボルト3で押し分けられてボルト3とサイドメンバ9との間の狭い空間に進入し、この時衝撃吸収材1が車両幅方向に圧縮されて圧縮部15が形成されることにより、衝突直後から大きな荷重を安定して受け止めることができる。
【0041】
一方、点線17は距離Xが{D-(1-ε)C}/εより大きい場合であり、ボルト3で押し分けられてボルト3とサイドメンバ9との間に進入した衝撃吸収材1が充分に圧縮されず、実線19の例に比べて低荷重で変位が進む。衝撃吸収材1の衝撃吸収量は変位による荷重の積分値で表され、実線19で示す衝撃吸収機構2では、点線17で示す例と比較して衝撃吸収量が大幅に増加する。
【0042】
以上説明したように、第1の実施形態では、ボルト3と衝撃吸収材1の側面との間の距離Xを、式(1)のように衝撃吸収材の車両幅方向の圧縮時の前記したひずみの値εに基づき定める所定値以下とする。こうしてこれらの間隔を狭めることにより、衝突時にボルト3によって押し分けられた衝撃吸収材1の通り道が狭くなり、車両幅方向に発生する圧縮によって衝撃吸収材1が硬化し高い衝撃吸収効果が得られる。本実施形態ではボルト3の位置を適切に設定するだけの簡易な構成にて効果的に衝撃吸収を行うことが可能になり、工程やコストが増加することも無い。
【0043】
しかしながら本発明はこれに限らない。例えば本実施形態では金属製のボルト3を連結材として用いているが、連結材はサイドメンバ9に連結されたものであればよく、ボルトに限らずピン等でもよい。その材質も金属に限らず、セラミックなどでもよい。
【0044】
また連結材の断面形状も特に限定されない。例えば図6(a)に示すように円の一部を直線で切り欠いた形状としてもよく、この場合、直線部分が平面部5となる。その他、断面を五角形としたり、七角形以上の多角形状としてその直線部分を平面部5とすることなども可能である。
【0045】
あるいは、平面部5の代わりに凹面部を設けてもよく、例えば図6(b)のように円の一部を円弧で切り取った断面形状として凹面部6を設けることができる。また凹面部6は円弧状に限らず、例えば図6(c)のように円の一部を楔形に切り取った断面形状とし、直線によって楔状に形成された凹面部6を設けてもよい。この場合、図6(b)で例示するように前記した幅2Cを凹面部6の幅とすればよい。
【0046】
さらに、図7(a)の衝撃吸収機構2’に示すように、衝撃吸収材1を被覆材1aで被覆してもよい。衝撃吸収機構2’では、衝撃吸収材1の全面が樹脂などの被覆材1aにより被覆され、衝撃吸収材1が外界から保護される。この場合も、図7(b)に示すように前記の距離Xをボルト3の断面中心線Lとボルト3に近い方の衝撃吸収材1の側面との間の距離とし、前記の式(1)によりボルト3の位置を設定することができる。
【0047】
以下、本発明の別の例について、第2~第5の実施形態として説明する。各実施形態はそれまでに説明した実施形態と異なる点について説明し、同様の構成については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明する構成は必要に応じて組み合わせることができる。
【0048】
[第2の実施形態]
図8は本発明の第2の実施形態に係る衝撃吸収機構2aを示す図である。衝撃吸収機構2aは、ボルト3aの断面が略円形であり、前記の平面部5や凹面部6を有していない点で第1の実施形態と主に異なる。
【0049】
図9は衝突荷重が加わった状態の衝撃吸収機構2aを示す図である。図9(a)は衝撃吸収機構2aの水平方向の断面を示し、図9(b)はボルト3a付近の拡大図を示す。
【0050】
衝撃吸収機構2aでは、図9(a)の矢印Aに示す方向に衝突荷重が加わりバンパーリインフォース11がサイドメンバ9側に押されると、ボルト3aが衝撃吸収材1を前方に押圧し、衝撃吸収材1がボルト3aの断面中心線Lの両側で図9(b)の矢印Bに示すように押し分けられ、ボルト3aから見て車両幅方向の側方にある空間からサイドメンバ9内に進入する。
【0051】
この時、ボルト3aで押し分けられた衝撃吸収材1がボルト3aとサイドメンバ9との間の狭い空間を通り、当該空間において車両幅方向に圧縮され、木材が硬化して圧縮部15が形成される。
【0052】
図9(b)を参照して、衝撃吸収材1のうちボルト3aで押し分けられてボルト3aとサイドメンバ9との間を通る部分について考えると、ボルト3aで押し分けられる前にボルト3aの断面中心線Lと衝撃吸収材1の側面との間の幅Xの範囲にある衝撃吸収材1が、ボルト3aとサイドメンバ9の間を通るときに車両幅方向に圧縮され、幅(X-D)となる。
【0053】
この時、車両幅方向の圧縮による衝撃吸収材1の幅の減少分Dの元の幅Xに対する割合D/Xがε以上であれば、車両幅方向の圧縮により木材が硬化して高い衝撃吸収効果が得られる。
【0054】
すなわち、前記の距離Xについて下式(2)が成り立てば、衝撃吸収材1が車両幅方向に充分に圧縮され、ひずみ硬化現象が生じて衝突荷重が吸収され、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態ではボルト3aの断面が円形なので、衝撃吸収材1を容易に押し分けることができ、上記の衝撃吸収効果を発揮させやすい。
≦D/ε…(2)
【0055】
なお、式(2)は、前記の式(1)においてC=0としたものに等しい。すなわち、前記の式(1)は、C=0として、本実施形態のようにボルト3aに平面部5や凹面部6が存在しない(C=0)場合にも適用できる式となっている。
【0056】
[第3の実施形態]
図10は本発明の第3の実施形態に係る衝撃吸収機構2bを示す図である。衝撃吸収機構2bは、ボルト3aが衝撃吸収材1を貫通するように設けられる点で第2の実施形態と主に異なる。
【0057】
このようにボルト3aが衝撃吸収材1を貫通する場合でも、前記の式(2)によりボルト3aの位置を定めることで第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、ボルト3aが衝撃吸収材1を貫通することで、ボルト3aにより衝撃吸収材1を好適に保持できる。一方、第2の実施形態のようにボルト3aを衝撃吸収材1の端面に突き当てる場合、衝撃吸収材1に孔を空ける必要が無く簡易な構成となる。
【0058】
なお、ボルト3aに代えて第1の実施形態のような平面部5を有するボルト3を衝撃吸収材1を貫通するように配置してもよく、この場合は前記の式(1)によりボルト3の位置を定めればよい。
【0059】
[第4の実施形態]
図11は本発明の第4の実施形態に係る衝撃吸収機構2cを示す図である。この衝撃吸収機構2cは、ボルト3aの断面中心線Lと、隣り合うボルト3aの間を二等分する部材軸方向の線分Laとの間の距離Xを前記の式(2)により定める点で第2の実施形態と主に異なる。
【0060】
図12は衝突荷重が加わった状態の衝撃吸収機構2cを示す図である。図12(a)は衝撃吸収機構2cの水平方向の断面を示し、図12(b)はボルト3a付近の拡大図を示す。
【0061】
衝撃吸収機構2cでは、図12(a)の矢印Aに示す方向に衝突荷重が加わりバンパーリインフォース11がサイドメンバ9側に押されると、各ボルト3aが衝撃吸収材1を前方に押圧し、衝撃吸収材1が各ボルト3aの断面中心線Lの両側で図12(b)の矢印Bに示すように押し分けられ、各ボルト3aから見て車両幅方向の側方にある空間からサイドメンバ9内に進入する。
【0062】
この時、ボルト3aで押し分けられた衝撃吸収材1が両ボルト3aの間の狭い空間を通り、当該空間において車両幅方向に圧縮され、木材が硬化して圧縮部15が形成される。
【0063】
図12(b)を参照して、衝撃吸収材1のうちボルト3aで押し分けられて両ボルト3aの間を通る部分について考えると、ボルト3aで押し分けられる前に両ボルト3aの断面中心線Lの間の幅2Xの範囲にある衝撃吸収材1が、両ボルト3aの間を通るときに車両幅方向に圧縮され、幅(2X-2D)となる。
【0064】
この時、車両幅方向の圧縮による衝撃吸収材1の幅の減少分2Dの元の幅2Xに対する比2D/2Xがε以上であれば、車両幅方向の圧縮により木材が硬化して高い衝撃吸収効果が得られる。
【0065】
すなわち、前記の距離Xについて下式(2’)が成り立てば、衝撃吸収材1が車両幅方向に充分に圧縮され、ひずみ硬化現象が生じて衝突荷重が吸収され、第1の実施形態と同様の効果が得られる。この式(2’)は、前記の式(2)と同じ式である。
≦D/ε…(2’)
【0066】
これは、図13の衝撃吸収機構2c’に示すように平面部5を有するボルト3を用いる場合も同様であり、この場合は、前記の式(1)によりボルト3の位置を定めればよい。
【0067】
なお、ボルト間の距離をこのように設定すると同時に、ボルトと衝撃吸収材1の側面との間の距離についても第1、第2の実施形態で説明したように定めることで、ボルト間、およびボルトとサイドメンバ9の間で衝撃吸収材1が圧縮されることによる衝撃吸収効果を同時に生じさせることも可能である。
【0068】
[第5の実施形態]
図14は本発明の第5の実施形態の衝撃吸収機構2dを示す図である。図14(a)は衝撃吸収機構2dの水平方向の断面を示す図であり、図14(b)、(c)はそれぞれ図14(a)の線b-b、c-cに沿った鉛直方向の断面を示す図である。
【0069】
この衝撃吸収機構2dは、衝撃吸収材1のせん断による衝撃吸収を行う点で第1の実施形態と主に異なる。すなわち、衝撃吸収機構2dでは、衝撃吸収材1の前端部(他方の端部)が筒状のバンパーリインフォース11aの後壁に設けられた開口110からバンパーリインフォース11a(他方の部材)の内部空間に挿入される。
【0070】
衝撃吸収機構2dは、第1の実施形態の衝撃吸収機構2の構成に加え、バンパーリインフォース11aに連結されるボルト3を有する。当該ボルト3の軸部はバンパーリインフォース11aの下面からバンパーリインフォース11aを貫通し、軸部の先端がナット4によってバンパーリインフォース11aの上面に固定される。ボルト3は衝撃吸収材1の前端面に突き当てて配置され、サイドメンバ9側に面した平面部5を有する。
【0071】
ここで、部材軸方向から見た時(図14(a)の矢印参照)に、衝撃吸収材1の前端部のボルト3と後端部のボルト3は異なる位置に配置される。また部材軸方向から見た時に、衝撃吸収材1の前端部のボルト3とサイドメンバ9の間では、前端部のボルト3と重複する位置にバンパーリインフォース11aに連結された他のボルト3等が存在しない。
【0072】
バンパーリインフォース11aの前壁において衝撃吸収材1の後端部のボルト3と車両幅方向に対応する位置には開口111が形成される。
【0073】
衝撃吸収材1の後端部のボルト3は、ボルト3の断面中心線Lと、ボルト3に近い方の衝撃吸収材1の側面との間の距離Xが、第1の実施形態と同様に定められる。
【0074】
一方、衝撃吸収材1の前端部のボルト3は、ボルト3の断面中心線Lと、隣り合うボルト3の間を二等分する部材軸方向の線分Laとの距離Xを、図13等で説明したものと同様、式(1)により{D-(1-ε)C}/ε以下となるように定める。ここで、衝撃吸収材1の前端部のボルト3の幅が2Dであり、その平面部5の幅が2Dである。
【0075】
衝撃吸収機構2dでは、図15の矢印Aに示す方向に衝突荷重が加わりバンパーリインフォース11aがサイドメンバ9側に押されると、前端部のボルト3が衝撃吸収材1を後方に押圧し、後端部のボルト3が衝撃吸収材1を前方に押圧することで、前端部のボルト3と後端部のボルト3の車両幅方向の間で衝撃吸収材1のせん断が誘発される。
【0076】
せん断が誘発されると、前端部のボルト3と車両幅方向に対応する位置の衝撃吸収材1-1の後端部はサイドメンバ9内に進入する。衝撃吸収材1-1の前端部は前端部のボルト3で押し分けられ、前端部のボルト3間の狭い空間で車両幅方向の圧縮部15が形成される。
【0077】
一方、後端部のボルト3と車両幅方向において対応する位置の衝撃吸収材1-2の前端部は、開口111に向かってバンパーリインフォース11a内に進入する。衝撃吸収材1-2の後端部は後端部のボルト3で押し分けられ、ボルト3とサイドメンバ9の間の狭い空間で車両幅方向の圧縮部15が形成される。
【0078】
第5の実施形態でも、後端部のボルト3を衝撃吸収材1の側面に近づけて配置し、前端部の隣り合う2本のボルト3を近づけて配置する構成とすることにより、圧縮部15の形成により高い衝撃吸収効果が得られる。これは断面円形のボルト3aを用いた場合も同様であり、この場合、前端部のボルト3aの位置は前記の式(2’)すなわち式(2)により定めればよい。
【0079】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0080】
例えば前記の各実施形態では車両10のバンパーリインフォースとサイドメンバの間に衝撃吸収機構を設置しているが、衝撃吸収機構は車両10において衝突時の荷重を受ける荷重受け部材と当該荷重が伝達される被伝達部材の間に設ければよく、上記のバンパーリインフォースとサイドメンバの間に設けるものに限らない。例えば車両側突時の衝突荷重を軽減することを目的として、車両側部のボディー本体と車両内部のバッテリーケース等の間に設けてもよい。また車両10の種類も特に限定されない。
【符号の説明】
【0081】
1、1-1、1-2:衝撃吸収材
2、2’、2a、2b、2c、2c’、2d:衝撃吸収機構
3、3a:ボルト
4:ナット
5:平面部
6:凹面部
9:サイドメンバ
10:車両
11、11a:バンパーリインフォース
15、15a:圧縮部
L:断面中心線
La:線分
、X:距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15