(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、方法、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20220516BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20220516BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/80 D
(21)【出願番号】P 2019116730
(22)【出願日】2019-06-24
(62)【分割の表示】P 2018088190の分割
【原出願日】2018-05-01
【審査請求日】2021-04-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(A)平成29年11月15日https://www.youtube.com/watch?v=QxSMRB9NjWo
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(B)平成29年11月28日https://www.youtube.com/watch?v=3xzuiHMP_G8
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(C)平成29年12月13日https://www.youtube.com/watch?v=4jhm29ImFw0
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(D)平成30年1月17日https://www.youtube.com/watch?v=FrZsoNgDV08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(E)平成30年1月29日https://www.youtube.com/watch?v=PVSYooDDxZA
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(F)平成30年2月12日https://www.youtube.com/watch?v=JQMd507uCk0
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(G)平成30年2月18日https://www.youtube.com/watch?v=aclcQI3V_xQ
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(H)平成30年3月13日https://www.youtube.com/watch?v=UNsHQhS2dhk
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(I)平成30年3月20日https://www.youtube.com/watch?v=nfrgYdaz2bQ
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(J)平成30年3月28日https://www.youtube.com/watch?v=XV0u099Bxlk
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(K)平成30年4月10日https://www.youtube.com/watch?v=W29sSUQndac
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(L)平成30年4月11日https://www.youtube.com/watch?v=F1Wu4cx1DjM
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(M)平成30年4月24日https://www.youtube.com/watch?v=WV02irly59o
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトによる発表(Z)平成29年10月27日https://twitter.com/colopl_quiz
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年10月30日~平成30年4月26日ゲーム・アプリケーション「魔法使いと黒猫のウィズ」のリリースによる発表(Ver2.8.03~Ver3.0.08)
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】森 耕平
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-148160(JP,A)
【文献】特開2014-161740(JP,A)
【文献】特開2005-312624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F13/00-13/98
G09B 7/00- 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行されるものであり、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
ユーザが所有する1以上のキャラクタを、該ユーザの入力操作にしたがってデッキに組み入れて該デッキを編成するステップと、
前記デッキに組み入れられた各キャラクタに基づいて、前記ユーザがプレイするゲームパートを進行させるステップと、を実行させ、
前記デッキを編成するステップは、さらに、前記
デッキごとに生成されるデッキ情報、および、前記
ユーザごとに設定されるユーザ情報の少なくともいずれか一方に対応付けて、前記ゲームパートを有利に進行させる効果を有する
アイテムを設定し、
前記ゲームパートを進行させるステップは、
前記ゲームパート内で出題される問題に正解することを含む条件が成立することにより、設定された前記
アイテムが有する前記効果を発動させる
、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記ゲームパートを進行させるステップは、前記問題に正解しない場合には、前記効果を発動させない、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲームパートを進行させるステップは、予め定められた時間内において前記問題に正解することにより条件が成立して、前記効果を発動させる、請求項1または請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記デッキを編成するステップは、前記
アイテムを、前記
ユーザ情報として
該ユーザに割り当てられたアバターに対応付け
て設定し、
前記アバターは、前記デッキに組み入れ不可能であ
るものの、当該アバターに設定されているアイテムを介して前記ゲームパートの進行に影響を与えることを可能とする、請求項1
から3のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
複数のデッキのうち前記ゲームパートで使用するデッキを選択する入力操作を前記ユーザから受け付けるステップ、を実行させ、
前記ゲームパートを進行させるステップは、いずれのデッキが選択されても、前記
ユーザ情報に対応付けて設定された前記
アイテムが有する前記効果を発動させる、請求項
4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
複数のデッキのうち前記ゲームパートで使用するデッキを選択する入力操作を前記ユーザから受け付けるステップ、を実行させ、
前記ゲームパートを進行させるステップは、選択されたデッキ
のデッキ情報に対応付けて設定された前記
アイテムが有する前記効果を発動させる、請求項1から
5のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
前記デッキを編成するステップにおいて前記ユーザの入力操作を受け付けるためのゲーム画面を表示部に表示するステップ、を実行させ、
前記表示するステップは、
前記ユーザが保有する1以上のキャラクタを前記デッキに組み入れるための入力操作を受け付ける第1ゲーム画面と、
前記デッキ
情報、および、前記
ユーザ情報の少なくともいずれか一方に
対応付けて設定する前記
アイテムを選択するための入力操作を受け付ける第2ゲーム画面とを切り替え可能にまたは同時に表示する、請求項1から
6のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
抽選を実行し、当選したキャラクタを前記ユーザに所有させるステップと、
前記キャラクタと引き換えに、該キャラクタに基づいて生成された前記
アイテムを前記ユーザに所有させるステップと、を実行させる、請求項1から
7のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記
アイテムには、前記効果および該効果が得られる条件の少なくとも一方に応じて複数の種類があり、
前記
アイテムを前記ユーザに所有させるステップは、1つの前記キャラクタに基づいて生成される
アイテムの種類を抽選で決定する、請求項
8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記ゲームパートを進行させるステップは、前記ユーザのプレイの結果、該ゲームパートの進行が、
前記ゲームパート内で出題される問題に正解することを含む所定の条件を満足する場合に、前記効果を発動させる、請求項1から
9のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
前記ゲームパートを進行させるステップにおいて前記ユーザの入力操作を受け付けるための第3ゲーム画面を表示部に表示するステップ、を実行させ、
前記第3ゲーム画面を表示するステップは、前記ゲームパートの進行が前記所定の条件を満足するまでの進捗状況を前記ユーザに通知する第1UI部品を前記第3ゲーム画面に配置する、請求項
10に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
コンピュータがゲームプログラムを実行する方法であって、
前記コンピュータは、プロセッサおよびメモリを備え、
前記プロセッサが請求項1に記載の各ステップを実行する方法。
【請求項13】
情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、
請求項1に記載のゲームプログラムを記憶する記憶部と、
該ゲームプログラムを実行することにより、情報処理装置の動作を制御する制御部とを備えている、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はゲームプログラム、ゲームプログラムを実行する方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャラクタカードなどのゲーム媒体を用いてユーザがプレイするゲームが知られている。ゲーム媒体とは、該ゲームのゲームプログラムが実行されている間、該ゲームプログラム実行するコンピュータによって処理されるデジタルデータのことである。具体的には、上述したキャラクタカード(以下、キャラクタと称する)、または、ゲームを有利に進めるためのアイテムなどである。このようなゲームの中でも、とりわけ、1以上のキャラクタで編成されたデッキに基づいて、ユーザがプレイするゲームパートが進行するというゲームが、様々な事業者により広く提供されている。このようなゲームには、一般的に、メインとなる上述のゲームパートに加えて、デッキを編成するためのデッキ編成パートが含まれる。デッキ編成パートでは、ユーザが、ゲームパートに登場させるキャラクタを選択し、その配置を決定することができる。
【0003】
ゲームでは、それぞれのキャラクタに、固有の能力値または得意技などを持たせることが一般的に行われている。これにより、デッキ編成パートにおける興趣性が高まる。例えば、キャラクタの特性を活かしゲームパートを有利に進めるために、いかにうまくデッキを編成するかという点が、ユーザの腕の見せ所となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】ファミ通App、“『拡散性ミリオンアーサー』にグループチャットシステム“ナカマップ”導入!……っていったいどういうこと?”、[online]、2012年6月19日、KADOKAWA DWANGO CORPORATION、[2017年2月23日検索]、インターネット(URL:http://app.famitsu.com/20120619_71594/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、ユーザに長くプレイさせることを意図して開発されたゲームにおいては、ユーザがゲームに飽きるという問題に如何に対処するかは重要である。ゲームには、常に、ユーザにプレイを動機付けるような魅力的なコンテンツを提供することが求められる。
【0006】
本開示の一態様は、ゲームの興趣性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るゲームプログラムは、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行される。ゲームプログラムは、プロセッサに、ユーザが所有する1以上のキャラクタを、該ユーザの入力操作にしたがってデッキに組み入れて該デッキを編成するステップと、デッキに組み入れられた各キャラクタに基づいて、ユーザがプレイするゲームパートを進行させるステップと、を実行させる。デッキを編成するステップは、さらに、デッキ、および、1以上のキャラクタを包括するエンティティの少なくともいずれか一方に対応付けて、ゲームパートを有利に進行させる効果を有するゲーム媒体を設定し、ゲームパートを進行させるステップは、設定されたゲーム媒体が有する効果を発動させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、ゲームの興趣性を向上させる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ゲームシステムのハードウェア構成を示す図である。
【
図2】ユーザ端末およびサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係るゲームプログラムに基づいて実行されるゲームにおける基本的な進行についてその一例を示すフローチャートである。
【
図4】ユーザ情報およびデッキ情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】カードDBのデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】ユーザ端末の表示部に表示されるデッキ編成画面の例を示す図である。
【
図7】表示部に表示される拡張アイテム画面の例を示す図である。
【
図8】表示部に表示される包括アイテム画面の例を示す図である。
【
図9】表示部に表示される包括アイテム画面の他の例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係るゲームシステムが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】クエスト進行部がクエストを進行させるときの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】表示部に表示される戦闘画面の例を示す図である。
【
図13】カードDBのデータ構造の一例をより詳細に示す図である。
【
図14】タイプ定義データのデータ構造の一例を示す図である。
【
図15】パネルデータのデータ構造の一例を示す図である。
【
図16】問題DBのデータ構造の一例を示す図である。
【
図17】クエスト進捗カウンタのデータ構造の一例を示す図である。
【
図18】表示部に表示される戦闘画面の他の例を示す図である。
【
図19】表示部に表示される戦闘画面のさらに他の例を示す図である。
【
図20】表示部に表示される戦闘画面のさらに他の例を示す図である。
【
図21】表示部に表示される戦闘画面のさらに他の例を示す図である。
【
図22】本実施形態に係るゲームシステムが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図23】確率表のデータ構造の一例を示す図である。
【
図24】表示部に表示されるアイテム生成画面の例を示す図である。
【
図25】表示部に表示される生成結果画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
本開示に係るゲームシステムは、複数のユーザにゲームを提供するためのシステムである。以下、ゲームシステムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
【0011】
<ゲームシステム1のハードウェア構成>
図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示す図である。ゲームシステム1は図示の通り、複数のユーザ端末100と、サーバ200とを含む。各ユーザ端末100は、サーバ200とネットワーク2を介して接続する。ネットワーク2は、インターネットおよび図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。この移動通信システムとしては、例えば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、および所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が挙げられる。
【0012】
サーバ200(コンピュータ、情報処理装置)は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。サーバ200は、プロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信IF23と、入出力IF24とを備える。サーバ200が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。
【0013】
ユーザ端末100(コンピュータ、情報処理装置)は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、またはタブレット型コンピュータ等の携帯端末であってよい。ユーザ端末100は、ゲームプレイに適したゲーム装置であってもよい。ユーザ端末100は図示の通り、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信インターフェース(IF)13と、入出力IF14と、タッチスクリーン15(表示部)と、カメラ17と、測距センサ18とを備える。ユーザ端末100が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。なお、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15に代えて、または、加えて、ユーザ端末100本体とは別に構成されたディスプレイ(表示部)を接続可能な入出力IF14を備えていてもよい。
【0014】
また、
図1に示すように、ユーザ端末100は、1つ以上のコントローラ1020と通信可能に構成されることとしてもよい。コントローラ1020は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に従って、ユーザ端末100と通信を確立する。コントローラ1020は、1つ以上のボタン等を有していてもよく、該ボタン等に対するユーザの入力操作に基づく出力値をユーザ端末100へ送信する。また、コントローラ1020は、加速度センサ、および、角速度センサ等の各種センサを有していてもよく、該各種センサの出力値をユーザ端末100へ送信する。
【0015】
なお、ユーザ端末100がカメラ17および測距センサ18を備えることに代えて、または、加えて、コントローラ1020がカメラ17および測距センサ18を有していてもよい。
【0016】
ユーザ端末100は、例えばゲーム開始時に、コントローラ1020を使用するユーザに、該ユーザの名前またはログインID等のユーザ識別情報を、該コントローラ1020を介して入力させることが望ましい。これにより、ユーザ端末100は、コントローラ1020とユーザとを紐付けることが可能となり、受信した出力値の送信元(コントローラ1020)に基づいて、該出力値がどのユーザのものであるかを特定することができる。
【0017】
ユーザ端末100が複数のコントローラ1020と通信する場合、各コントローラ1020を各ユーザが把持することで、ネットワーク2を介してサーバ200などの他の装置と通信せずに、該1台のユーザ端末100でマルチプレイを実現することができる。また、各ユーザ端末100が無線LAN(Local Area Network)規格等の無線規格により互いに通信接続する(サーバ200を介さずに通信接続する)ことで、複数台のユーザ端末100によりローカルでマルチプレイを実現することもできる。1台のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、ユーザ端末100は、さらに、サーバ200が備える後述する種々の機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、複数のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、複数のユーザ端末100は、サーバ200が備える後述する種々の機能を分散して備えていてもよい。
【0018】
なお、ローカルで上述のマルチプレイを実現する場合であっても、ユーザ端末100はサーバ200と通信を行ってもよい。例えば、あるゲームにおける成績または勝敗等のプレイ結果を示す情報と、ユーザ識別情報とを対応付けてサーバ200に送信してもよい。
【0019】
また、コントローラ1020は、ユーザ端末100に着脱可能な構成であるとしてもよい。この場合、ユーザ端末100の筐体における少なくともいずれかの面に、コントローラ1020との結合部が設けられていてもよい。該結合部を介して有線によりユーザ端末100とコントローラ1020とが結合している場合は、ユーザ端末100とコントローラ1020とは、有線を介して信号を送受信する。
【0020】
図1に示すように、ユーザ端末100は、外部のメモリカード等の記憶媒体1030の装着を、入出力IF14を介して受け付けてもよい。これにより、ユーザ端末100は、記憶媒体1030に記録されるプログラム及びデータを読み込むことができる。記憶媒体1030に記録されるプログラムは、例えばゲームプログラムである。
【0021】
ユーザ端末100は、サーバ200等の外部の装置と通信することにより取得したゲームプログラムをユーザ端末100のメモリ11に記憶してもよいし、記憶媒体1030から読み込むことにより取得したゲームプログラムをメモリ11に記憶してもよい。
【0022】
以上で説明したとおり、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100に対して情報を入力する機構の一例として、通信IF13、入出力IF14、タッチスクリーン15、カメラ17、および、測距センサ18を備える。入力する機構としての上述の各部は、ユーザの入力操作を受け付けるように構成された操作部と捉えることができる。
【0023】
例えば、操作部が、カメラ17および測距センサ18の少なくともいずれか一方で構成される場合、該操作部が、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出し、当該物体の検出結果から入力操作を特定する。一例として、物体1010としてのユーザの手、予め定められた形状のマーカーなどが検出され、検出結果として得られた物体1010の色、形状、動き、または、種類などに基づいて入力操作が特定される。より具体的には、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像からユーザの手が検出された場合、該撮影画像に基づき検出されるジェスチャ(ユーザの手の一連の動き)を、ユーザの入力操作として特定し、受け付ける。なお、撮影画像は静止画であっても動画であってもよい。
【0024】
あるいは、操作部がタッチスクリーン15で構成される場合、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15の入力部151に対して実施されたユーザの操作をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が通信IF13で構成される場合、ユーザ端末100は、コントローラ1020から送信される信号(例えば、出力値)をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が入出力IF14で構成される場合、該入出力IF14と接続されるコントローラ1020とは異なる入力装置(図示せず)から出力される信号をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。
【0025】
<ゲーム概要>
ゲームシステム1が実行するゲームは、特定のジャンルに限らず、あらゆるジャンルのゲームであってもよい。例えば、テニス、卓球、ドッジボール、野球、サッカーおよびホッケーなどのスポーツを題材としたゲーム、パズルゲーム、クイズゲーム、RPG、アドベンチャーゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、育成ゲーム、ならびに、アクションゲームなどであってもよい。
【0026】
また、ゲームシステム1は、特定のプレイ形態に限らず、あらゆるプレイ形態のゲームを実行するためのシステムであってもよい。例えば、単一のユーザによるシングルプレイゲーム、および、複数のユーザによるマルチプレイゲーム、また、マルチプレイゲームの中でも、複数のユーザが対戦する対戦ゲーム、および、複数のユーザが協力する協力プレイゲームなどであってもよい。
【0027】
本実施形態では、一例として、本ゲームで利用できる1以上のゲーム媒体がユーザに対して提供される。ゲーム媒体は、一例として、ゲームパートにおいて、ユーザの操作にしたがって何らかの動作を行い、ゲームパートの進行内容に作用するキャラクタである。あるいは、ゲーム媒体は、キャラクタの性能を拡張するためにキャラクタに関連付けられる拡張アイテムである。あるいは、ゲーム媒体は、ゲームパートに参加する1以上のキャラクタにとって有利な影響を与えることができる包括アイテムである。本実施形態では、一例として、包括アイテムは、ゲームパートに参加する1以上のキャラクタを包括するエンティティに関連付けて使用される。その他、ゲーム媒体は、キャラクタの性能を強化するために消費される合成素材である。これらのゲーム媒体は、本実施形態では、カードに見立てたデジタルデータとしてユーザに獲得される。
【0028】
本実施形態では、一例として、ゲームシステム1において実現されるゲームは、デッキを編成するデッキ編成パートと、該デッキを用いてユーザがプレイするゲームパートとを含むゲームである。
【0029】
本実施形態では、一例として、ゲームシステム1において実現されるゲームは、クイズRPGである。クイズRPGは、一例として、1以上の味方キャラクタをデッキに編成するためのデッキ編成パートを含み、ゲームパートとして、該デッキ内の味方キャラクタが敵キャラクタと戦う戦闘を1回以上進行させるクエストを含む。該クエストを構成する1回または複数回の戦闘に味方キャラクタが勝利すれば、ユーザは、該クエストをクリアできる。
【0030】
例えば、味方キャラクタは、デジタルデータであるカードとして提供されることがあり、特に、ゲームの文脈に応じて、精霊、選手などと呼ばれることがある。デッキは、ゲームの文脈に応じて、パーティー、チーム、オーダーなどと呼ばれることがある。
【0031】
なお、本実施形態では、一例として、味方キャラクタは、カードに見立てたデジタルデータとしてユーザに提供される。ここで、カードをユーザに提供する形態は、特に限定されない。デジタルデータとしてのカードが、通信ネットワークを介して、サーバ200からユーザ端末100に送信されてもよい。あるいは、サーバ200において、カードが該ユーザのユーザ識別情報と関連付けてメモリ21に記憶されており、ユーザ端末100が、サーバ200から任意に、ユーザが所有するカードを読み出すことができる構成であってもよい。あるいは、カードは、コード、パスワード、バーコード、QRコード(登録商標)などが印字された物理媒体で、ユーザに販売または提供されてもよい。この場合、該物理媒体に印字された情報をユーザ端末100に読み取らせて、カードに関連付けられた情報(例えば、味方キャラクタ)をユーザ端末100が実行するゲーム上で利用できる状態にする。
【0032】
本実施形態では、一例として、クエストに含まれる戦闘のそれぞれにおいて、クイズを実施し、該クイズに対するユーザのプレイ結果に応じて各戦闘が進行する。具体的には、ゲームシステム1は、出題された問題に対するユーザの解答の正否に応じて味方キャラクタの動作を決定し、各味方キャラクタに所定の動作を実施させる。所定の動作としては、例えば、敵キャラクタへダメージを与えるための攻撃動作が想定される。
【0033】
また、戦闘は、ターン制に則って進行してもよい。例えば、1つのターンは、少なくとも、味方キャラクタの攻撃の機会(すなわち、ユーザへの出題、ユーザによる解答、それに伴う味方キャラクタの攻撃)と、敵キャラクタの攻撃の機会とを含む。
【0034】
戦闘は、終了条件が満たされるまで継続される。戦闘は、例えば、(1)味方キャラクタの攻撃を受けた敵キャラクタが全滅することにより、ユーザが編成したデッキのパーティーが勝利すること、(2)敵キャラクタの攻撃を受けた味方キャラクタが全滅することにより該パーティーが敗北すること、または、(3)ユーザによってリタイヤ(途中棄権)の操作がなされること、などを終了条件として終了する。
【0035】
ゲームシステム1は、例えば、マルチプレイゲームを実行するためのシステムであってもよい。マルチプレイゲームとしてのクイズRPGは、ユーザが操作するユーザ端末100(クライアントのコンピュータ)と、1以上の他のユーザが操作する1以上の他のユーザ端末100(他のクライアントのコンピュータ)との間で、該ゲームに係るデータの少なくとも一部を共有する。例えば、複数のユーザのそれぞれが所有するデッキが複数のユーザで共有される。これにより、1つのクエストのプレイに複数のデッキを用いることが可能なクイズRPGが実現される。
【0036】
ゲームシステム1がマルチプレイRPGである場合、サーバ200を介して通信する第1のユーザ端末100、第2のユーザ端末100、および、第3のユーザ端末100・・・のそれぞれにおいて、デッキが編成される。そして、それぞれ編成されたデッキの内容を表すデッキ情報D1、D2、・・・が、サーバ200を介してユーザ端末100間で共有される。
【0037】
<各装置のハードウェア構成要素>
プロセッサ10は、ユーザ端末100全体の動作を制御する。プロセッサ20は、サーバ200全体の動作を制御する。プロセッサ10および20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、およびGPU(Graphics Processing Unit)を含む。
【0038】
プロセッサ10は後述するストレージ12からプログラムを読み出し、後述するメモリ11に展開する。プロセッサ20は後述するストレージ22からプログラムを読み出し、後述するメモリ21に展開する。プロセッサ10およびプロセッサ20は展開したプログラムを実行する。
【0039】
メモリ11および21は主記憶装置である。メモリ11および21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で構成される。メモリ11は、プロセッサ10が後述するストレージ12から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ10に作業領域を提供する。メモリ11は、プロセッサ10がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。メモリ21は、プロセッサ20が後述するストレージ22から読み出した各種プログラムおよびデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ20に作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0040】
本実施形態においてプログラムとは、ゲームをユーザ端末100により実現するためのゲームプログラムであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームをユーザ端末100とサーバ200との協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。なお、ユーザ端末100とサーバ200との協働により実現されるゲームは、一例として、ユーザ端末100において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームを複数のユーザ端末100の協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。また、各種データとは、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、ならびに、ユーザ端末100とサーバ200との間または複数のユーザ端末100間で送受信する指示または通知を含んでいる。
【0041】
ストレージ12および22は補助記憶装置である。ストレージ12および22は、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。ストレージ12およびストレージ22には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0042】
通信IF13は、ユーザ端末100における各種データの送受信を制御する。通信IF23は、サーバ200における各種データの送受信を制御する。通信IF13および23は例えば、無線LAN(Local Area Network)を介する通信、有線LAN、無線LAN、または携帯電話回線網を介したインターネット通信、ならびに近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
【0043】
入出力IF14は、ユーザ端末100がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またユーザ端末100がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF14は、USB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行ってもよい。入出力IF14は、例えば、ユーザ端末100の物理ボタン、カメラ、マイク、または、スピーカ等を含み得る。サーバ200の入出力IF24は、サーバ200がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またサーバ200がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF24は、例えば、マウスまたはキーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0044】
ユーザ端末100のタッチスクリーン15は、入力部151と表示部152とを組み合わせた電子部品である。入力部151は、例えばタッチセンシティブなデバイスであり、例えばタッチパッドによって構成される。表示部152は、例えば液晶ディスプレイ、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
【0045】
入力部151は、入力面に対しユーザの操作(主にタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等の物理的接触操作)が入力された位置を検知して、位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部151は、図示しないタッチセンシング部を備えていればよい。タッチセンシング部は、静電容量方式または抵抗膜方式等のどのような方式を採用したものであってもよい。
【0046】
図示していないが、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100の保持姿勢を特定するための1以上のセンサを備えていてもよい。このセンサは、例えば、加速度センサ、または、角速度センサ等であってもよい。ユーザ端末100がセンサを備えている場合、プロセッサ10は、センサの出力からユーザ端末100の保持姿勢を特定して、保持姿勢に応じた処理を行うことも可能になる。例えば、プロセッサ10は、ユーザ端末100が縦向きに保持されているときには、縦長の画像を表示部152に表示させる縦画面表示としてもよい。一方、ユーザ端末100が横向きに保持されているときには、横長の画像を表示部に表示させる横画面表示としてもよい。このように、プロセッサ10は、ユーザ端末100の保持姿勢に応じて縦画面表示と横画面表示とを切り替え可能であってもよい。
【0047】
カメラ17は、イメージセンサ等を含み、レンズから入射する入射光を電気信号に変換することで撮影画像を生成する。
【0048】
測距センサ18は、測定対象物までの距離を測定するセンサである。測距センサ18は、例えば、パルス変換した光を発する光源と、光を受ける受光素子とを含む。測距センサ18は、光源からの発光タイミングと、該光源から発せられた光が測定対象物にあたって反射されて生じる反射光の受光タイミングとにより、測定対象物までの距離を測定する。測距センサ18は、指向性を有する光を発する光源を有することとしてもよい。
【0049】
ここで、ユーザ端末100が、カメラ17と測距センサ18とを用いて、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出した検出結果を、ユーザの入力操作として受け付ける例をさらに説明する。カメラ17および測距センサ18は、例えば、ユーザ端末100の筐体の側面に設けられてもよい。カメラ17の近傍に測距センサ18が設けられてもよい。カメラ17としては、例えば赤外線カメラを用いることができる。この場合、赤外線を照射する照明装置および可視光を遮断するフィルタ等が、カメラ17に設けられてもよい。これにより、屋外か屋内かにかかわらず、カメラ17の撮影画像に基づく物体の検出精度をいっそう向上させることができる。
【0050】
プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対して、例えば以下の(1)~(5)に示す処理のうち1つ以上の処理を行ってもよい。(1)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し画像認識処理を行うことで、該撮影画像にユーザの手が含まれているか否かを特定する。プロセッサ10は、上述の画像認識処理において採用する解析技術として、例えばパターンマッチング等の技術を用いてよい。(2)また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状から、ユーザのジェスチャを検出する。プロセッサ10は、例えば、撮影画像から検出されるユーザの手の形状から、ユーザの指の本数(伸びている指の本数)を特定する。プロセッサ10はさらに、特定した指の本数から、ユーザが行ったジェスチャを特定する。例えば、プロセッサ10は、指の本数が5本である場合、ユーザが「パー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が0本である(指が検出されなかった)場合、ユーザが「グー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が2本である場合、ユーザが「チョキ」のジェスチャを行ったと判定する。(3)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し、画像認識処理を行うことにより、ユーザの指が人差し指のみ立てた状態であるか、ユーザの指がはじくような動きをしたかを検出する。(4)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像の画像認識結果、および、測距センサ18の出力値等の少なくともいずれか1つに基づいて、ユーザ端末100の近傍の物体1010(ユーザの手など)とユーザ端末100との距離を検出する。例えば、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像から特定されるユーザの手の形状の大小により、ユーザの手がユーザ端末100の近傍(例えば所定値未満の距離)にあるのか、遠く(例えば所定値以上の距離)にあるのかを検出する。なお、撮影画像が動画の場合、プロセッサ10は、ユーザの手がユーザ端末100に接近しているのか遠ざかっているのかを検出してもよい。(5)カメラ17の撮影画像の画像認識結果等に基づいて、ユーザの手が検出されている状態で、ユーザ端末100とユーザの手との距離が変化していることが判明した場合、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラ17の撮影方向において振っていると認識する。カメラ17の撮影範囲よりも指向性が強い測距センサ18において、物体が検出されたりされなかったりする場合に、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラの撮影方向に直交する方向に振っていると認識する。
【0051】
このように、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対する画像認識により、ユーザが手を握りこんでいるか否か(「グー」のジェスチャであるか、それ以外のジェスチャ(例えば「パー」)であるか)を検出する。また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状とともに、ユーザがこの手をどのように移動させているかを検出する。また、プロセッサ10は、ユーザがこの手をユーザ端末100に対して接近させているのか遠ざけているのかを検出する。このような操作は、例えば、マウスまたはタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いた操作に対応させることができる。ユーザ端末100は、例えば、ユーザの手の移動に応じて、タッチスクリーン15においてポインタを移動させ、ユーザのジェスチャ「グー」を検出する。この場合、ユーザ端末100は、ユーザが選択操作を継続中であると認識する。選択操作の継続とは、例えば、マウスがクリックされて押し込まれた状態が維持されること、または、タッチパネルに対してタッチダウン操作がなされた後タッチされた状態が維持されることに対応する。また、ユーザ端末100は、ユーザのジェスチャ「グー」が検出されている状態で、さらにユーザが手を移動させると、このような一連のジェスチャを、スワイプ操作(またはドラッグ操作)に対応する操作として認識することもできる。また、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像によるユーザの手の検出結果に基づいて、ユーザが指をはじくようなジェスチャを検出した場合に、当該ジェスチャを、マウスのクリックまたはタッチパネルへのタップ操作に対応する操作として認識してもよい。
【0052】
<ゲームシステム1の機能的構成>
図2は、ゲームシステム1に含まれるサーバ200およびユーザ端末100の機能的構成を示すブロック図である。サーバ200およびユーザ端末100のそれぞれは、図示しない、一般的なコンピュータとして機能する場合に必要な機能的構成、および、ゲームにおける公知の機能を実現するために必要な機能的構成を含み得る。
【0053】
ユーザ端末100は、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能と、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能を有する。ユーザ端末100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、および入出力IF14等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。
【0054】
サーバ200は、各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100がゲームを進行させるのを支援する機能を有する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、サーバ200は、ゲームに参加する各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100同士のやりとりを仲介する機能を有していてもよい。サーバ200は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信IF23、および入出力IF24等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。
【0055】
記憶部120および記憶部220は、ゲームプログラム131、ゲーム情報132およびユーザ情報133を格納する。ゲームプログラム131は、ユーザ端末100およびサーバ200で実行するゲームプログラムである。ゲーム情報132は、制御部110および制御部210がゲームプログラム131を実行する際に参照するデータである。ユーザ情報133は、ユーザのアカウントに関するデータである。記憶部220において、ゲーム情報132およびユーザ情報133は、ユーザ端末100ごとに格納されている。
【0056】
本実施形態では、ゲーム情報132の一例として、デッキ情報121およびカードデータベース(以下、DB)122などが記憶部220および記憶部120に格納されている。デッキ情報121およびカードDB122のデータ構造については後述する。
【0057】
(サーバ200の機能的構成)
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、サーバ200を統括的に制御する。例えば、制御部210は、ユーザ端末100に各種データおよびプログラム等を送信する。制御部210は、ゲーム情報もしくはユーザ情報の一部または全部をユーザ端末100から受信する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、制御部210は、ユーザ端末100からマルチプレイの同期の要求を受信して、同期のためのデータをユーザ端末100に送信してもよい。
【0058】
制御部210は、ゲームプログラム131の記述に応じて、進行支援部211および共有支援部212として機能する。制御部210は、実行するゲームの性質に応じて、ユーザ端末100におけるゲームの進行を支援するために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
【0059】
進行支援部211は、ユーザ端末100と通信し、ユーザ端末100が、クイズRPGに含まれる各種のゲームパートを進行するための支援を行う。例えば、ゲームパートとしてのクエストを進行するための支援を行う。
【0060】
特に、進行支援部211は、ユーザ端末100が、ゲームパートを進行させるとき、該ゲームパートを進行させるために必要な情報をユーザ端末100に提供する。例えば、ユーザ端末100がクイズRPGのクエストを進行させるとき、クエストを構成する各戦闘において、クイズを出題するために必要な情報をユーザ端末100に提供する。
【0061】
共有支援部212は、複数のユーザ端末100と通信し、複数のユーザが、各々のユーザ端末100にて互いのデッキを共有し合うための支援を行う。それぞれのユーザが編成したデッキのデッキ情報が、ユーザごとに、ゲーム情報132として記憶部220に保存されている。共有支援部212は、ユーザのユーザ端末100からリクエストを受け付けると、他のユーザのデッキ情報を、ユーザ端末100に供給する。これにより、ユーザ端末100のユーザは、供給されたデッキ情報に基づく他のユーザのデッキを用いて、クエストをプレイすることができる。
【0062】
本実施形態では、共有支援部212は、どのユーザのデッキ情報を供給するのかをランダムで決定してもよい。また、共有支援部212は、フレンド登録したユーザのデッキ情報を供給対象としてもよいし、オンラインのユーザ端末100のユーザが所有するデッキ情報を供給対象としてもよい。
【0063】
(ユーザ端末100の機能的構成)
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、ユーザ端末100を統括的に制御する。例えば、制御部110は、ゲームプログラム131およびユーザの操作にしたがって、ゲームを進行させる。また、制御部110は、ゲームを進行させている間、必要に応じて、サーバ200と通信して、情報の送受信を行う。
【0064】
制御部110は、ゲームプログラム131の記述に応じて、操作受付部111、表示制御部112、ユーザインターフェース(以下、UI)制御部113、アニメーション生成部114、デッキ編成部115、出撃準備部116、および、クエスト進行部117として機能する。制御部110は、実行するゲームの性質に応じて、ゲームを進行させるために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
【0065】
操作受付部111は、入力部151に対するユーザの入力操作を検知し受け付ける。操作受付部111は、タッチスクリーン15およびその他の入出力IF14を介したコンソールに対してユーザが及ぼした作用から、いかなる入力操作がなされたかを判別し、その結果を制御部110の各要素に出力する。
【0066】
例えば、操作受付部111は、入力部151に対する入力操作を受け付け、該入力操作の入力位置の座標を検出し、該入力操作の種類を特定する。操作受付部111は、入力操作の種類として、例えばタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等を特定する。また、操作受付部111は、連続して検知されていた入力が途切れると、タッチスクリーン15から接触入力が解除されたことを検知する。
【0067】
UI制御部113は、UIを構築するために表示部152に表示させるグラフィカルユーザインターフェース(以下、GUI)を制御する。GUIは、ユーザが、ゲームの進行上必要な入力をユーザ端末100に対して行うためのツール、または、ゲームの進行中に出力される情報をユーザ端末100から得るためのツールである。GUIは、これには限定されないが、例えば、アイコン、ボタン、リスト、メニュー画面などである。
【0068】
アニメーション生成部114は、各種デジタルデータの制御態様に基づいて、各種デジタルデータのモーションを示すアニメーションを生成する。例えば、キャラクタのカードの抽選が実行されている様子などを表現したアニメーションを生成してもよい。あるいは、ゲームパート(クエスト)において、味方または敵キャラクタの行動などを表現したアニメーションを生成してもよい。
【0069】
表示制御部112は、タッチスクリーン15の表示部152に対して、上述の各部によって実行された処理結果が反映されたゲーム画面を出力する。表示制御部112は、アニメーション生成部114によって生成されたアニメーションを含むゲーム画面を表示部152に表示してもよい。また、表示制御部112は、上述のGUIを、該ゲーム画面に重畳して描画してもよい。
【0070】
デッキ編成部115は、操作受付部111を介して受け付けられたユーザの操作にしたがって、デッキ編成パートを実行する。デッキ編成部115は、ユーザの操作にしたがってデッキ情報を処理するデッキ編成機能を有する。デッキ情報は、デッキを示す情報であり、ゲームパートにて利用する味方キャラクタの編成を示す。
【0071】
デッキ編成機能は、例えば、カードデータベース(以下、DB)から必要なカード(ゲーム媒体)を読み出すこと、デッキ情報が有する1以上のポジションに、読み出したゲーム媒体を関連付けること、および、該ポジションとゲーム媒体との関連付けを解除することなどを含む。デッキ情報は、ポジションごとにゲーム媒体を関連付けることが可能なデータ構造を有する。デッキ編成部115は、デッキの種類またはポジションの種類に応じて、そのポジションに関連付けることができるゲーム媒体の種類に制約を設けてもよい。デッキ編成部115は、デッキ情報において、あるポジションには、キャラクタのみを関連付けてもよいし、別の種類のポジションには、拡張アイテムのみを関連付けてもよいし、さらに別の種類のポジションには、包括アイテムのみを関連付けてもよい。デッキ情報は、ゲーム情報132の一部として記憶部120に格納されている。
【0072】
また、デッキ編成部115は、各ゲーム媒体に設定されている各種パラメータに基づいて、あらゆる条件に合致するゲーム媒体をカードDBから検索したり、抽出したり、ソートしたりするデータベース処理機能も有していることが好ましい。
【0073】
出撃準備部116は、操作受付部111を介して受け付けられたユーザの入力操作にしたがって、出撃準備パートを実行する。出撃準備パートは、ユーザが、デッキ編成パートにおいてデッキの編成を完了させてからクエストのプレイに移行するまでの間に、クエストに臨むための各種設定を行うためのパートである。
【0074】
出撃準備パートは、例えば、クエストが複数種類ある場合に、プレイするクエストをユーザに選択させるためのパートであってもよい。また、出撃準備パートは、該クエストに参加させる助っ人としての他のユーザがデッキに組み入れたキャラクタを、上述のユーザに選択させるためのパートであってもよい。
【0075】
本実施形態では、ユーザは、フレンド登録した他のユーザのデッキから、キャラクタを助っ人として、クエスト内の戦闘に召喚することができる。ユーザは、召喚した助っ人のキャラクタを、自身のデッキに組み入れた味方キャラクタと同様に操作し、戦闘で利用することができる。
【0076】
クエスト進行部117は、デッキ編成部115によって編成されたデッキに基づいて、クエストを進行させる。本実施形態では、一例として、クエスト内の各戦闘をクイズを実行しながら進行させる。本実施形態では、クエスト内に予め用意された1以上のすべての戦闘において、ユーザが該クエストをプレイした結果、所定の要件が満たされれば、ユーザは1つのクエストをクリアすることができる。本実施形態では、ユーザがクエストをクリアすると、クエスト進行部117は、該クエストに応じた報酬をユーザに付与する。ユーザは、クリアを目指してクエストをプレイすることになる。本実施形態では、一例として、クエスト進行部117は、クエストが含むすべての戦闘において、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することにより、ユーザが該クエストをクリアしたと判定してもよい。あるいは、クエスト進行部117は、クエストが含む1または複数の戦闘において、敵の攻撃を凌いで、所定ターンの間味方キャラクタの全滅を回避することにより、ユーザが該クエストをクリアしたと判定してもよい。
【0077】
また、クエスト進行部117は、UI制御部113、アニメーション生成部114および表示制御部112を制御して、ユーザが本クイズRPGをプレイするために必要な上述のUIをユーザに提供する。クエスト進行部117は、UI制御部113またはアニメーション生成部114に、GUIを含むゲーム画面を生成させる。クエスト進行部117は、表示制御部112に、生成された該ゲーム画面を表示部152に表示させる。これにより、ユーザがクイズRPGをプレイするためのUIが実現される。
【0078】
したがって、後に図に基づいて詳述するゲーム画面は、UI制御部113が生成するGUI、アニメーション生成部114が生成するアニメーション、または、これらを組み合わせによって構成される。UI制御部113またはアニメーション生成部114によって生成されたゲーム画面は、表示制御部112によって、ユーザ端末100の表示部152に表示される。表示制御部112、UI制御部113およびアニメーション生成部114は、クエスト進行部117の制御下で、ゲーム画面を表示部152に表示するための処理を実行する。よって、「クエスト進行部117が、ゲーム画面を表示部152に表示する、または、提示する」という記載は、「クエスト進行部117が、UI制御部113またはアニメーション生成部114を制御して、GUIまたはアニメーションを生成させ、表示制御部112を制御して、生成された該GUIまたはアニメーションを含むゲーム画面を表示部152に表示させる」ことを意味する。
【0079】
本実施形態では、クエストは、難易度、および、戦闘で登場する敵キャラクタの属性などに応じて複数種類提供され、ユーザが複数のクエストの中から挑戦したいクエストを選択できるようになっている。クエスト進行部117は、ユーザによって選択されたクエストをサーバ200の進行支援部211からロードしてユーザ端末100において進行させる。
【0080】
<ゲームの構成>
図3は、本クイズRPGの基本的なゲーム進行についてその一例を示すフローチャートである。
【0081】
ステップS1において、デッキ編成部115は、デッキ編成パートを実行する。具体的には、デッキ編成部115は、デッキに1以上のゲーム媒体を組み入れて、該デッキを編成するための入力操作をユーザから受け付ける。そして、デッキ編成部115は、該入力操作にしたがって、デッキを編成する。具体的には、デッキ編成部115は、デッキが有する各ポジションに、ユーザにより指定されたゲーム媒体(例えば、キャラクタ)を紐付ける。そして、デッキ編成部115は、編成されたデッキを示すデッキ情報121を生成して、
図2に示すとおり記憶部120に保存する。
【0082】
ステップS2において、出撃準備部116は、ゲームパートへ移行するための移行準備パートを、実行してもよい。本実施形態では、ゲームパートは、1以上の戦闘を含むクエストである。したがって、本実施形態では、移行準備パートは、一例として、編成したデッキで出撃するための準備を行う出撃準備パートである。出撃準備パートでは、出撃準備部116は、ユーザが挑戦したいクエストを指定する入力操作を受け付ける。また、出撃準備部116は、複数のデッキのうちゲームパートで使用するデッキを選択する入力操作をユーザから受け付けてもよい。
【0083】
ステップS3において、クエスト進行部117は、ゲームパート、すなわち、上述のクエストを実行する。クエスト進行部117は、該ゲームパートを、ステップS1においてデッキ編成部115が生成したデッキに基づいて進行させる。
【0084】
クエスト進行部117は、ステップS3のゲームパートを完了させた後、図示しないステップにおいて、該ゲームパートにおけるユーザのプレイ結果に応じて、報酬を該ユーザに付与してもよい。
【0085】
ここでユーザに付与される報酬は、例えば、ゲーム上で利用可能なデジタルデータとしてユーザに提供される。報酬の具体的な内容としては、例えば、キャラクタ、拡張アイテム、包括アイテムなどのカード(ゲーム媒体)などである。あるいは、報酬は、ゲーム上でユーザが行使できる権利であってもよい。報酬としての権利は、例えば、キャラクタを強化する権利、特殊なクエストをプレイする権利、カード所持枠を拡張する権利、ロックされているクエストまたはアイテムを解除する権利またはコスト上限値を上げる権利などが想定される。
【0086】
報酬としてのデジタルデータをユーザに付与することは、一例として、ユーザに対応付けて管理されているデジタルデータのステータスを、使用不可から使用可能に遷移させることであってもよい。あるいは、デジタルデータを、ユーザ識別情報に対応付けて、ゲームシステム1に含まれる少なくともいずれかのメモリ(メモリ11、メモリ21)に記憶させることであってもよい。
【0087】
ユーザは、目標とするゲームパート(クエスト)を巧くクリアできるように、デッキ編成パートにおいてデッキを編成する。そして、編成したデッキを用いて、ゲームパートをプレイする。ユーザは、自分が戦略を練って組んだデッキによって巧くゲームパートをクリアすることができたことに喜びを感じ、ゲームをより面白く感じることができる。ユーザは、デッキ編成パートとゲームパートとを繰り返しプレイすることができる。
【0088】
ユーザ端末100の制御部110が、機能ブロックとして備える図示しない抽選実行部は、上述のステップS1~S3のいずれかの前または後で、図示しない抽選パートを実行してもよい。抽選実行部は、抽選パートにおいて、抽選を実行し、当選したキャラクタをユーザに所有させるステップを実行する。
【0089】
<処理概要>
本実施形態では、ゲームシステム1は、ゲームプログラム131に基づいて、ゲームの興趣性を向上させるために以下のステップを、サーバ200およびユーザ端末100の少なくともいずれか一方において実行させる機能を有する。具体的には、ゲームシステム1は、ユーザが所有する1以上のキャラクタを、該ユーザの入力操作にしたがってデッキに組み入れて該デッキを編成するステップ(
図3のS1)と、デッキに組み入れられた各キャラクタに基づいて、ユーザがプレイするゲームパートを進行させるステップ(
図3のS3)と、を実行する。ゲームシステム1は、デッキを編成するステップにおいて、さらに、デッキ、および、1以上のキャラクタを包括するエンティティの少なくともいずれか一方に対応付けて、ゲームパートを有利に進行させる効果を有するゲーム媒体を設定する(
図10のS108)。ゲームシステム1は、ゲームパートを進行させるステップにおいて、設定されたゲーム媒体が有する効果を発動させる(
図10のS111)。
【0090】
上述の構成によれば、ユーザは、キャラクタをゲームパートの進行に有利なように強化することに加えて、該キャラクタを包括する、デッキまたはデッキ以外の包括的なエンティティに対してゲーム媒体を設定することが可能となる。そして、ユーザは、上述のエンティティに対して設定したゲーム媒体の効力により、ゲームパートをさらに有利に進行させることができる。
【0091】
例えば、デッキに組み入れられたキャラクタの個々の特性が戦闘などのゲームパートの結果を大きく左右するようなRPGにおいては、キャラクタのそれぞれにゲーム媒体を設定して各キャラクタの性能を向上させるという要素は従来存在していた。しかし、各キャラクタを包括する概念を設けて、それに対してゲーム媒体を設定するという発想は従来存在しなかった。このような包括的なエンティティに対してもゲーム媒体を設定できるようにしたことにより、デッキ編成の戦略性が高まる。結果として、ゲーム、とりわけ、RPGなどのキャラクタの個性がゲームの主要要素であるようなゲームの興趣性を一層向上させることが可能となる。
【0092】
上述のキャラクタを包括するエンティティは、ゲームパートにおいて動作するようにデッキに組み入れられるキャラクタとは異なり、ユーザに対応して割り当てられた包括的なエンティティである。例えば、エンティティは、本ゲームをプレイするユーザ自身、または、該ユーザがなりきる対象である。このようなエンティティは、ゲームパートにおいて動作するようにデッキに組み入れられるキャラクタとは区別される。エンティティは、一例として、第三者視点のゲームにおいて、該ユーザに割り当てられたアバターように、ゲーム画面上に具現化可能なものであってもよい。あるいは、エンティティは、本人視点(一人称視点)のゲームにおいて、ゲーム画面上に具現化されない単なる存在であってもよい。
【0093】
上述の構成によれば、ゲームパートにおいてエンティティは直接動作はしないが、エンティティは、それ自体に対応付けて設定されたゲーム媒体を介して、該ゲームパートの進行に影響を与えることができる。したがって、デッキに組み入れられたキャラクタ達とともに、ユーザ自身と同等の存在であるエンティティもゲームパートに参加しているという意識をユーザに持たせることができる。結果として、ゲームの世界への没入感をより高め、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0094】
また、特に、エンティティが具現化されない本人視点のゲームにおいては、ユーザは、エンティティの存在に対して、ゲームパートの進行に影響を与えるようなゲーム媒体を設定できることに意外性を感じ、該ゲーム媒体の効力について、より一層面白さを感じながらゲームパートをプレイすることができる。
【0095】
なお、ゲームシステム1は、上述のゲームパートを進行させるステップにおいて、設定されたゲーム媒体が有する効果を、上述のデッキに組み入れられた1以上のキャラクタに有利に作用するように発動させてもよい。あるいは、ゲームシステム1が進行させるゲームパートが、デッキに組み入れられた味方キャラクタ対敵キャラクタの戦闘を1回以上進行させるものである場合に、ゲームシステム1は、該ゲームパートを進行させるステップにおいて、上述のゲーム媒体が有する効果を、敵キャラクタに不利に作用するように発動させてもよい。
【0096】
なお、
図2に示すサーバ200およびユーザ端末100の機能は一例にすぎない。サーバ200は、ユーザ端末100が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、ユーザ端末100は、サーバ200が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。さらに、ユーザ端末100およびサーバ200以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、該他の装置にゲームシステム1における処理の一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、ユーザ端末100、サーバ200、および他の装置の何れであってもよいし、これらの複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0097】
<データ構造>
(デッキ情報)
図4は、ユーザ情報133およびデッキ情報121のデータ構造の一例を示す図である。ユーザ情報133は、ゲームシステム1を利用するユーザごとに設定されている各種情報で構成されている。デッキ情報121は、ユーザが編成したデッキの内容を表す情報である。1つのデッキにつき1つのデッキ情報121が生成される。ユーザが、複数のデッキを所有している場合には、所有しているデッキごとにデッキ情報121が生成される。
【0098】
ユーザ情報133は、ユーザ端末100の記憶部120に格納されている。デッキ情報121も、例えば、記憶部120において、ゲーム情報132として格納されている。ユーザ情報133およびデッキ情報121は、カードDB122と同様に、サーバ200の記憶部220に格納されていてもよい。
【0099】
ユーザ情報133は、少なくとも、エンティティに対応付けて設定されるゲーム媒体、具体的には、包括アイテムの項目を含む。包括アイテムの項目には、ユーザのエンティティに対応付けて設定されるカードを一意に識別するためのカードIDが格納される。これにより、クエスト進行部117は、当該項目に格納されているカードIDに基づいて、エンティティに設定されている包括アイテムを特定し、該包括アイテムに基づく効果をクエスト進行中に発動させることができる。
【0100】
ユーザ情報133は、図示されている以外の項目を含んでいてもよい。一例として、ユーザID、ユーザ名、および、コスト上限値を含む。ユーザ情報133は、他にも、レベル、および、経験値などを含んでいてもよい。
【0101】
ユーザIDは、ゲームシステム1においてユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報である。ユーザ名は、ゲームシステム1をプレイするユーザ本人を指す名称である。ユーザ名は、例えば、ユーザ本人および他のユーザが、該ユーザ本人を識別するために用いられる。コスト上限値は、デッキにおけるデッキコスト合計の上限を示す。コスト上限値は、ユーザごとに設定されている。
【0102】
本実施形態では、デッキ情報121は、少なくとも、ゲームパートに参加させるキャラクタを配置するための第1サブデッキ125を含んで構成される。デッキ情報121は、さらに、それぞれのキャラクタに設定可能な拡張アイテムを設定するための第2サブデッキ126を含んでいてもよい。さらに、デッキ情報121は、デッキに対して包括アイテムを設定するための第3サブデッキ127を含んでいてもよい。
【0103】
本実施形態では、一例として、包括アイテムは、ユーザのエンティティに対してのみ設定可能とし、デッキに対しては設定しないものとする。すなわち、デッキ情報121に第3サブデッキ127を設けないものとする。この場合、出撃準備パートを実行するステップS2では、出撃準備部116は、ユーザが保有する複数のデッキのうちゲームパートで使用するデッキを選択する入力操作を、操作受付部111を介して、ユーザから受け付ける。そして、クエスト進行部117は、ステップS3において、選択されたデッキに基づいてゲームパートを進行させる。しかし、クエスト進行部117は、いずれのデッキが選択されても、ゲームパートにおいては、上述のエンティティに対して設定された包括アイテムが有する効果を発動させる。
【0104】
他の実施形態では、包括アイテムは、デッキごとにのみ設定可能であってもよいし、エンティティとデッキとにそれぞれ設定可能であってもよい。デッキに包括アイテムを設定できる構成の場合、デッキ編成パートを実行するステップS1では、デッキ編成部115は、操作受付部111を介して、デッキに対応付ける包括アイテムを選択する入力操作をユーザから受け付ける。そして、デッキ編成部115は、該入力操作にしたがって、デッキごとに包括アイテムを設定する。ステップS2では、出撃準備部116は、ゲームパートで使用するデッキを選択する入力操作をユーザから受け付ける。ステップS3では、クエスト進行部117は、選択されたデッキに対して設定された包括アイテムが有する効果を発動させる。
【0105】
さらに、デッキ情報121は、「デッキコスト」の項目(以下、デッキコスト128)を含んでいてもよい。デッキコスト128には、そのデッキに組み入れられたゲーム媒体のそれぞれに設定されているデッキコストを合計した値(以下、デッキコスト合計)が格納される。さらに、デッキコスト128は、サブデッキごとのデッキコスト小計の項目を含んでいてもよい。
【0106】
キャラクタを配置するための第1サブデッキ125は、少なくとも、第1サブデッキ125に設けられたポジションを識別するためのポジション識別情報と、該ポジション識別情報に紐付けてデッキに組み入れられるキャラクタのカードIDとを含む。本実施形態では、第1サブデッキ125は、「リーダー」と「第2キャラクタ」~「第5キャラクタ」との5つのポジションで構成される。そこで、デッキ情報121は、5つのポジションの名称をポジション識別情報として含む。ユーザがどのポジションにどのキャラクタを配置するのかを指定する操作を入力すると、デッキ編成部115は、該入力にしたがって、ポジション識別情報のそれぞれに紐付けて、カードIDを格納する。
【0107】
デッキ編成部115は、第1サブデッキ125に組み入れられたすべてのキャラクタのコストの合計を、キャラクタのデッキコスト小計として、デッキコスト128に格納してもよい。
【0108】
拡張アイテムを設定するための第2サブデッキ126は、キャラクタに対応付けて、拡張アイテムを特定するためのカードIDを含む。一例として、キャラクタ1体に対して、2個の拡張アイテムを設定することが可能である。この場合、図示のとおり、キャラクタ1体につき、カードIDを格納するための項目が2つずつ設けられる。デッキ編成部115は、第2サブデッキ126に設定されたすべての拡張アイテムのコストの合計を、拡張アイテムのデッキコスト小計として、デッキコスト128に格納してもよい。
【0109】
デッキに対する包括アイテムを設定するための第3サブデッキ127が設けられている場合には、デッキ編成部115は、第3サブデッキ127に設けられているカードIDの項目に、該デッキに設定すべき包括アイテムのカードIDを格納する。
【0110】
本実施形態では、デッキ編成部115は、キャラクタのデッキコスト小計と、拡張アイテムのデッキコスト小計との2つを合算して、デッキコスト合計を求める。デッキ編成部115は、デッキコスト合計が、ユーザに予め設定されているコスト上限値を超過する場合には、そのような編成を受け付けないように構成されている。あるいは、デッキ編成部115は、何らかのペナルティと引き換えに、コストが超過したデッキ編成を許可する構成であってもよい。
【0111】
他の実施形態では、デッキ編成部115は、第3サブデッキ127に設定された包括アイテムのデッキコストも合算して、デッキコスト合計を求めてもよい。さらに他の実施形態では、デッキ編成部115は、ユーザのエンティティに設定された包括アイテムのデッキコストも合算して、デッキコスト合計を求めてもよい。
【0112】
出撃準備パートでは、クエスト進行部117は、ユーザが保有する複数のデッキの中から、ユーザの入力操作にしたがって、1つのデッキを特定する。そして、クエスト進行部117は、特定したデッキのデッキ情報121と、ユーザ情報133の包括アイテムとを記憶部120から読み出し、読み出した情報に基づいてクエストを進行させる。
【0113】
(カードDB)
図5は、カードDB122のデータ構造の一例を示す図である。カードDB122は、ユーザが所持するカードを一元管理するためのデータベースである。カードDB122は、例えば、ユーザ端末100の記憶部120において、ゲーム情報132として格納されている。各ユーザ端末100が保持するゲーム情報132は、サーバ200にフィードバックされ、サーバ200の記憶部220に格納されていてもよい。この場合、カードDB122には、ユーザ識別情報が紐付けられ、サーバ200においてユーザごとに管理される。あるいは、カードDB122は、サーバ200の記憶部220においてユーザごとに格納されていてもよい。この場合、ユーザ端末100は、必要に応じてサーバ200に対してユーザのカードDB122を要求し、取得する。
【0114】
カードDB122は、一例として、カードID、カード名、基本パラメータ、および、戦闘能力パラメータの各項目を含む。
【0115】
カードIDは、ユーザの手持ちのカードをゲームシステム1上で一意に管理するためのものである。本実施形態では、ユーザは、同じゲーム媒体を複数枚重複して所持することができる。したがって、同じゲーム媒体のカードが複数枚ある場合には、それぞれのカードを識別するために、それぞれのカードに異なるカードIDが付与される。カード名は、該カードに対応するゲーム媒体の名称を指す。
【0116】
基本パラメータは、ゲーム媒体の性質に関する各種パラメータを指す。基本パラメータは、ゲームパートの進行中に変動することのないパラメータである。基本パラメータとしては、一例として、分類、希少度、コスト、および、属性などがある。
【0117】
分類は、カード(ゲーム媒体)の種類を示す。本実施形態では、上述のとおり、ゲーム媒体の種類として、キャラクタ、包括アイテム、拡張アイテム、および、合成素材がある。
【0118】
希少度は、カード(ゲーム媒体)の希少価値を等級で表したものである。一般に、ゲーム上、特に、ゲームパートにおいて良好な結果をもたらすゲーム媒体、例えば、戦闘能力の高いキャラクタには、上級の希少度が設定されている。本実施形態では、希少価値の高い等級から順に、「S」、「A」、「B」、および、「C」のアルファベットにより希少度が設定される。
【0119】
なお、希少度は、例えば、カードの入手困難性、より具体的には、カードが当たる抽選における当選確率、クエストのクリア報酬として入手される場合のクエストの難易度、または、有償入手の場合の価格などと相関があってもよい。カードの希少度が高いほど、該カードの入手困難性は高くなる。
【0120】
コストは、ゲーム媒体をデッキに組み入れる対価として消費される値であり、キャラクタごとに設定されている。一般的に、ゲーム媒体が持つゲーム内の価値が高いほど、例えば、戦闘能力が高いキャラクタまたは効果が高い拡張アイテムほど、コストは高く設定されている。本実施形態では、一例として、コストが設定されているのは、キャラクタおよび拡張アイテムであり、包括アイテムおよび合成素材にはコストが設定されない。
【0121】
属性は、ゲーム媒体を性質で分類した場合にどの性質グループに属するのかを示すパラメータである。本実施形態では、一例として、各ゲーム媒体は、火、雷、および、水の3つの属性のいずれかに分類される。属性は、敵キャラクタにも設定されていてもよい。
【0122】
デッキに組み入れられたキャラクタおよび包括アイテムの属性は、例えば、戦闘における各種の値を決定するために、クエストの進行中において参照される。各属性には、互いに、有利な属性および不利な属性が設定されていてもよい。例えば、火は雷に、雷は水に、水は火に対して有利であるように設定されていてもよい。より具体的には、戦闘において、火属性のキャラクタは、雷属性の敵キャラクタに対して、通常よりも多くのダメージを与えられるなどが考えられる。また、戦闘において、同属性同士の味方キャラクタが戦闘に有利な相互作用を与え合うことなどが考えられる。また、戦闘において出題されるクイズにも、属性が設定されていてもよい。例えば、正答したクイズに設定されている属性と同じ属性を持つキャラクタだけが攻撃動作を実施できるように、クエスト進行部117が制御してもよい。あるいは、包括アイテムの効果は、該包括アイテムの属性が敵キャラクタの属性に対して有利な属性である場合に、特に、効果が割り増しされるようにクエスト進行部117が制御してもよい。
【0123】
拡張アイテムの属性は、例えば、デッキ編成パートにおいて、キャラクタの性能を拡張するときの効果値を算出するために参照される。キャラクタに対して、該キャラクタと同じ属性の拡張アイテムを設定すると性能の拡張が有効となるように、あるいは、特に効果が高くなるように、デッキ編成部115が制御してもよい。
【0124】
合成素材の属性は、例えば、デッキ編成パートにおいて、キャラクタを強化するときの効果値を算出するために参照される。キャラクタに対して、該キャラクタと同じ属性の合成素材を合成すると、特に、該キャラクタが強化されるように、デッキ編成部115が制御してもよい。
【0125】
戦闘能力パラメータは、ゲームパートにおけるキャラクタの性能を規定するものである。戦闘能力パラメータは、ゲームパートの進行中に変動し得るパラメータである。戦闘能力パラメータとしては、一例として、図示を省略したが、体力、攻撃力、および、スキルなどがある。
【0126】
体力は、キャラクタの体力を規定するパラメータであり、例えば数値で表される。該数値は、戦闘において、敵キャラクタから攻撃を受けることによって減じられ、体力が0になれば、そのキャラクタは戦闘不能となる。体力は、敵キャラクタにも設定されており、味方キャラクタの攻撃によって、すべての敵キャラクタの体力を0にすることで、戦闘に勝利できる。
【0127】
攻撃力は、敵キャラクタに対してダメージを与える力を規定するパラメータであり、例えば数値で表される。数値が大きいほど、ダメージを与える力が強いことを意味する。本実施形態では、攻撃力は、キャラクタが通常行う攻撃、および、一定の条件下で後述するスキルを発動することによりキャラクタが行う特別攻撃(以下、特攻)によって、敵キャラクタの体力をどれだけ奪えるのかに影響する。
【0128】
スキルは、キャラクタのそれぞれが固有に備える特殊能力であり、戦闘において所定の条件に基づいて発動される。スキルは、戦闘において、味方キャラクタにとって有利な効果をもたらす。スキルの作用は、味方キャラクタに直接及んでもよいし、敵キャラクタに及ぶことによって間接的に味方キャラクタが有利になってもよい。
【0129】
スキルは、例えば、スキルの内容と、該スキルによる効果の程度とによって定義される。効果の程度は、例えば、数値で表される。スキルを定義する要素として、さらに、該スキルが発動可能となる条件が含まれていてもよい。
【0130】
スキルの具体例として、例えば、敵キャラクタに対して特攻によりダメージを与えるスキル、味方キャラクタの攻撃力が一時的にアップするスキル、味方キャラクタの体力が回復するスキル、敵キャラクタからの攻撃により受けるダメージを軽減するスキル、および、敵キャラクタの守備力を下げるスキルなどがあってもよい。これらのスキルが発動可能となる条件は、すべてのキャラクタにおいて共通であってもよいし、キャラクタごとに異なっていてもよい。
【0131】
スキルの効果の程度を表す数値として、例えば、「300%(のダメージ)」とは、通常の攻撃したときの3倍のダメージを与えることを意味する。
【0132】
スキルは、例えば、クイズが出題されてから所定時間内に、ユーザが早く正答できた場合に、発動可能となってもよい。このように正答の速さに基づいて発動するスキルを速答スキルと称してもよい。あるいは、スキルは、例えば、複数ターンに亘って、所定数以上正答できた場合に、発動可能となってもよい。このように累積の正答数に基づいて発動するスキルを累積スキルと称してもよい。あるいは、スキルは、複数ターンに亘って、誤答することなく所定回数以上連続で正答した場合に、発動可能となってもよい。このように連続正答数に基づいて発動するスキルを連答スキルと称してもよい。
【0133】
以上で説明したとおり、キャラクタには、それぞれに、基本パラメータと戦闘能力パラメータとが設定されている。ユーザは、手持ちのキャラクタに設定されている、基本パラメータと戦闘能力パラメータとを考慮して、
図4に示すデッキに組み入れる5体のキャラクタを、上述のカードデータベースから選択する。
【0134】
<画面例>
図6は、デッキ編成パートが実行されているときに表示部152に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
図6に示すゲーム画面は、デッキ編成画面400である。デッキ編成画面400は、ユーザがデッキを編成するための各種のUI部品を含む。例えば、デッキ編成画面400は、少なくとも、デッキ401と、控えリスト402とを含む。デッキ401は、ゲームパートに参加させる1以上のキャラクタをデッキ401の各ポジションに配置するためのUI部品である。デッキ401は、
図4に示す第1サブデッキ125に対応している。控えリスト402は、デッキに組み入れる候補となる、ユーザの手持ちの控えのキャラクタを一覧表示するUI部品である。デッキが複数ある場合には、デッキ編成画面400は、編成したいデッキをユーザが1つ選択するためのUI部品を含んでいることが好ましい。
【0135】
さらに、本実施形態では、デッキ編成画面400(第1ゲーム画面)は、サブデッキごとの編成画面をユーザが呼び出すためのUI部品として、タブ407~409を含んでいることが好ましい。タブ407は、キャラクタを配置する第1サブデッキ125を編成するためのデッキ編成画面400を呼び出すためのUI部品である。すでにデッキ編成画面400が表示されている状態では、タブ407が現在されているということが分かるように、他の非選択タブ408、409とは異なる表示態様にて表示されることが好ましい。タブ408は、拡張アイテムを設定する第2サブデッキ126を編成するための拡張アイテム画面をユーザが呼び出すためのUI部品である。タブ409は、ユーザのエンティティに包括アイテムを設定するための包括アイテム画面をユーザが呼び出すためのUI部品である。
【0136】
デッキ編成画面400において、操作受付部111は、キャラクタをデッキ401に配置するためのユーザの入力操作を受け付ける。該入力操作は、例えば、控えリスト402に表示されている1体のキャラクタのカードのアイコン(R1~R15)をドラッグして、デッキ401上の配置したいポジションに対応する枠(F1~F5)の上でドロップするドラッグアンドドロップ操作によって実現される。
【0137】
デッキ編成部115は、該入力操作にしたがって、選択されたキャラクタを、デッキ401内のドロップ先の枠に配置する。一例として、デッキには、最大で5体のキャラクタを配置することができる。例えば、デッキ401の一番左の枠F1は、第1サブデッキ125の「リーダー」のポジションに対応していてもよい。
図6に示す例は、デッキ401の5つの枠すべてにキャラクタが配置されている状態を示す。
【0138】
デッキ編成部115は、デッキ401の各枠において、配置されたキャラクタの各種パラメータを表示させることが好ましい。これにより、ユーザは、デッキ401に組み入れた各キャラクタの性能を確認することができる。コスト超過に関わるパラメータとして、本実施形態では、一例として、各キャラクタのコスト403が表示されてもよい。ゲームパートにおいて参照されるパラメータ(例えば、「体力」など)がさらに表示されてもよい。
【0139】
デッキ編成部115は、さらに、ユーザに設定されているコスト上限値404、および、デッキ401のデッキコスト合計405を、デッキ編成画面400に表示させることが好ましい。これにより、ユーザは、現在のデッキコスト合計405が、自身のコスト上限値404を超えているのか、以下であるのかを確認することができる。
【0140】
ユーザは、ドラッグアンドドロップ操作を繰り返して、デッキ401に、所望のキャラクタを配置することができたら、デッキ401の内容を確定させる指示をユーザ端末100に対して入力する。この指示の入力は、例えば、決定ボタン406をタップ操作することなどにより実現される。
【0141】
操作受付部111は、決定ボタン406に対するタップ操作を受け付ける。この指示にしたがい、デッキ編成部115は、デッキ401の内容を表すデッキ情報を生成または更新し、デッキ情報121として、記憶部120に保存する。ゲームパートでは、クエスト進行部117は、記憶部120に保存されたデッキ情報121を参照し、デッキ情報121が表すデッキに基づいてクエストを進行させる。
【0142】
図7は、デッキ編成パートが実行されているときに表示部152に表示されるゲーム画面の他の例を示す図である。
図7に示すゲーム画面は、拡張アイテム画面430である。例えば、
図6に示すデッキ編成画面400において、タブ408がタップ操作されると、デッキ編成部115は、デッキ編成画面400から拡張アイテム画面430に切り替える。拡張アイテム画面430は、ユーザが各キャラクタに拡張アイテムを設定するための各種のUI部品を含む。拡張アイテム画面430において、
図6に示すデッキ編成画面400と異なる点は、デッキ401が、さらに、拡張アイテムを設定するためのUI部品431を有している点である。UI部品431は、
図4に示す第2サブデッキ126に対応している。UI部品431は、デッキに配置されたキャラクタごとに2つの枠を有する構成である。
【0143】
デッキ編成部115は、拡張アイテム画面430を表示するとき、控えリスト402に挙げる拡張アイテムが優先的に表示されるように、カードDBのカードを分類に基づいてソートすることが好ましい。
【0144】
例えば、ユーザは、キャラクタをデッキ401に配置するときと同様に、ドラッグアンドドロップ操作により拡張アイテムをキャラクタごとに設定することができる。
【0145】
デッキ編成部115は、拡張アイテムがキャラクタに設定されたとき、該拡張アイテムの効果を発動させて、デッキに配置されているキャラクタの性能を更新してもよい。あるいは、性能の更新は、クエスト進行部117が、クエストの開始時に、保存されているデッキ情報121(特に、第2サブデッキ126)を参照して実施してもよい。
【0146】
図8は、デッキ編成パートが実行されているときに表示部152に表示されるゲーム画面のさらに他の例を示す図である。
図8に示すゲーム画面は、包括アイテム画面460(第2ゲーム画面)である。例えば、
図6に示すデッキ編成画面400において、タブ409がタップ操作されると、デッキ編成部115は、デッキ編成画面400から包括アイテム画面460に切り替える。図示の例は、包括アイテムが設定される前の状態における包括アイテム画面460を示している。
【0147】
包括アイテム画面460は、ユーザが、包括アイテムを設定するための各種のUI部品を含む。包括アイテム画面460は、少なくとも、包括アイテムを設定するためのUI部品461を有している。UI部品461は、例えば、包括アイテムを配置するための枠で構成される。UI部品461の枠は、
図4に示すユーザ情報133の包括アイテムの項目に対応している。
【0148】
デッキ編成部115は、包括アイテム画面460を表示するとき、控えリスト402に挙げる包括アイテムが優先的に表示されるように、カードDBのカードを分類に基づいてソートすることが好ましい。
【0149】
例えば、ユーザは、キャラクタをデッキ401に配置するときと同様に、ドラッグアンドドロップ操作により包括アイテムを設定することができる。
【0150】
図9は、包括アイテム画面460の他の例を示す図である。図示の例は、包括アイテムが設定された後の状態における包括アイテム画面460を示している。
【0151】
デッキ編成部115は、包括アイテムが設定されたことがユーザに分かるように、UI部品461に包括アイテムのカードを表示させてもよい。さらに、控えリスト402において、UI部品461の枠に設定した包括アイテムのアイコンが目立たないように、その表示態様を変更してもよい。
【0152】
デッキ編成部115は、包括アイテムが設定されたとき、該包括アイテムのカードIDを
図4に示すユーザ情報133の包括アイテムの項目に格納する。クエスト進行部117が、クエストの開始時に、保存されているユーザ情報133の包括アイテムの項目を参照して、該包括アイテムに規定されている内容にしたがって、該包括アイテムの効果をクエストの進行中に発動させる。
【0153】
<処理フロー>
図10は、本実施形態に係るゲームシステム1が実行する処理の流れを示すフローチャートである。同図のステップS101からステップS109までが、
図3に示すステップS1のデッキ編成パートに対応し、ここで、デッキ編成部115は、ユーザの入力操作をデッキ編成パートにおいて受け付けるためのゲーム画面を表示部152に表示する。ステップS110が、ステップS2の出撃準備パートに対応し、ステップS111が、ステップS3のゲームパートに対応する。本実施形態では、ゲームパートは、一例として、クエストを進行させるクエスト進行パートである。本実施形態では、クエストは、デッキに組み入れられた味方のキャラクタ(以下、味方キャラクタ)と、敵キャラクタとが戦う戦闘を1回以上含む。
【0154】
ステップS101では、デッキ編成部115は、ユーザが保有する1以上のキャラクタをデッキに組み入れるための入力操作を、該ユーザから受け付ける第1ゲーム画面を表示する。例えば、デッキ編成部115は、
図6に示すデッキ編成画面400(第1ゲーム画面)を表示部152に表示させる。例えば、操作受付部111が、図示しないメニュー画面において、カードを管理するための項目に対するユーザの選択を受け付けたことに応じて、デッキ編成部115は、ステップS101を実行する。
【0155】
ステップS102では、操作受付部111は、別のタブに対するユーザの入力操作を受け付けてもよい。例えば、デッキ編成部115は、デッキ編成画面400に対応するタブ407とは別の、タブ408またはタブ409がタップされた場合には、ステップS102のYESからステップS104に進む。あるいは、デッキ編成部115は、これらの別のタブがタップされないうちは、ステップS102のNOからステップS103に進む。
【0156】
ステップS103では、デッキ編成部115は、操作受付部111を介してデッキ編成画面400に対するユーザの入力操作を受け付け、該入力操作にしたがって、デッキ401に対応する第1サブデッキ125を編成する。
【0157】
ステップS104では、デッキ編成部115は、ステップS102にて受け付けられたタップ操作によって選択されたタブを判定する。デッキ編成部115は、選択されたタブが、拡張アイテム画面430を呼び出すためのタブ408であると判定した場合、ステップS104のAからステップS105に進む。デッキ編成部115は、選択されたタブが、包括アイテム画面460を呼び出すためのタブ409であると判定した場合、ステップS104のBからステップS107に進む。
【0158】
ステップS105では、デッキ編成部115は、例えば、
図7に示す拡張アイテム画面430を表示部152に表示させる。本実施形態では、一例として、デッキ編成部115は、デッキ編成画面400から拡張アイテム画面430に画面を切り替えるが、表示部152が十分な表示領域を有している場合には、デッキ編成画面400と拡張アイテム画面430とを同時に並べて表示してもよい。
【0159】
ステップS106では、デッキ編成部115は、操作受付部111を介して、拡張アイテム画面430に対するユーザの入力操作を受け付け、該入力操作にしたがって、キャラクタごとに拡張アイテムを設定する。具体的には、デッキ編成部115は、UI部品431に対応する第2サブデッキ126を編成する。
【0160】
ステップS107では、デッキ編成部115は、デッキ、および、エンティティの少なくともいずれか一方に設定する包括アイテムを選択するための入力操作をユーザから受け付ける第2ゲーム画面を、表示部152に表示する。デッキ編成部115は、例えば、
図8に示す包括アイテム画面460(第2ゲーム画面)を表示部152に表示させる。本実施形態では、一例として、デッキ編成部115は、デッキ編成画面400または拡張アイテム画面430から包括アイテム画面460に画面を切り替えるが、表示部152が十分な表示領域を有している場合には、デッキ編成画面400と拡張アイテム画面430と包括アイテム画面460を同時に並べて表示してもよい。
【0161】
ステップS108では、デッキ編成部115は、操作受付部111を介して、包括アイテム画面460に対するユーザの入力操作を受け付け、該入力操作にしたがって、包括アイテムを設定する。具体的には、デッキ編成部115は、UI部品461に対応する、ユーザ情報133の包括アイテムの項目を更新する。
【0162】
ステップS109では、デッキ編成部115は、上述の各ゲーム画面に含まれている決定ボタン406に対する入力操作を操作受付部111が受け付けたことに応答して、当該ゲーム画面を介して設定された内容を、デッキ情報121またはユーザ情報133に反映させる。すなわち、デッキ編成部115は、記憶部120に保存されている、デッキ情報121の第1サブデッキ125、第2サブデッキ126またはユーザ情報133の包括アイテムの項目を更新する。
【0163】
ステップS110では、出撃準備部116は、クエストの開始がユーザによって指示されたか否かを判定する。例えば、操作受付部111が、図示しないクエスト選択画面において、クエストの選択を受け付けたことに応じて、出撃準備部116は、クエストの開始が指示されたと判断し、ステップS110のYESからステップS111に進む。なお、クエストの開始が指示されないうちは、クエストは開始されることなく一連の処理は終了する。その後、ゲームシステム1は、ユーザの入力操作を受け付けるまで待機する。
【0164】
ステップS111では、クエスト進行部117は、ステップS109にて保存されたデッキ情報121およびユーザ情報133に基づいてクエストを進行させる。具体的には、クエスト進行部117は、第1サブデッキ125に配置された味方キャラクタを戦闘に参加させる。また、クエスト進行部117は、第2サブデッキ126に配置された拡張アイテムがある場合には、味方キャラクタのそれぞれに設定されている拡張アイテムに基づいて、各味方キャラクタの性能を向上させる。さらに、クエスト進行部117は、ユーザ情報133の包括アイテムの項目に設定されている包括アイテムの効果を、所定のタイミングで発動させる。ここでは、戦闘が味方キャラクタにとって有利に進行するような効果が発動される。
【0165】
なお、包括アイテムには、効果が得られる条件が予め設定されていてもよい。例えば、クエスト進行部117は、ゲームパートにおいて、ユーザがプレイした結果、該ゲームパートの進行が所定の条件を満足する場合に、前記効果を発動させる構成であってもよい。また、ゲームパートの進行が上記の所定の条件を満足する場合に、上記効果を発動可能であることをユーザに報知し、ユーザの入力操作を受け付けることで、上記効果を発動させる構成であってもよい。
【0166】
上述の方法によれば、ユーザは、キャラクタをゲームパートの進行に有利なように強化することに加えて、該キャラクタを包括する、デッキまたはデッキ以外の包括的なエンティティに対してゲーム媒体(包括アイテム)を設定することが可能となる。そして、ユーザは、上述のエンティティに対して設定したゲーム媒体の効力により、ゲームパートをさらに有利に進行させることができる。
【0167】
各キャラクタを包括する概念に対してゲーム媒体を設定するという発想は従来存在しなかった。このような包括的なエンティティに対してもゲーム媒体を設定できるようにしたことにより、デッキ編成の戦略性が高まる。結果として、ゲーム、とりわけ、RPGなどのキャラクタの個性がゲームの主要要素であるようなゲームの興趣性を一層向上させることが可能となる。
【0168】
また、包括アイテムが設定される対象のエンティティは、例えば、デッキに組み入れること可能なキャラクタとは別のエンティティ、例えば、ユーザ本人、ユーザの分身、アバター、ユーザがなりきる対象である主人公などである。これにより、本来、ゲームパートに参加できないはずのエンティティがゲームパートの進行に影響を与えるように、当該ゲームを構成することができる。したがって、デッキに組み入れられたキャラクタ達とともに、ユーザ自身がゲームパートに参加しているという参加意識をユーザに持たせることが可能となり、結果として、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0169】
特に、本人視点のゲームにおいては、ユーザは、一人称のエンティティに対して、ゲームパートの進行に影響を与えるようなゲーム媒体を設定できることに意外性を感じ、該ゲーム媒体の効力についてより一層面白さを感じながらゲームパートをプレイすることができる。
【0170】
〔実施形態2〕
<処理概要>
本実施形態では、ゲームシステム1は、ゲームプログラム131に基づいて、ゲームの興趣性を向上させるために以下のステップは、サーバ200およびユーザ端末100の少なくともいずれか一方において実行させる機能を有する。具体的には、ゲームシステム1は、ユーザがプレイするゲームパートを有利に進行させる効果を有するゲーム媒体を設定するステップ(
図22のS501)と、前記ゲームパートの進行が第1条件を満足している場合に(S504でYES)、前記ユーザに提示する複数の選択肢のうち少なくとも1つの選択肢に、前記設定するステップにて設定された前記ゲーム媒体が有する前記効果を付与するステップ(S507)と、前記複数の選択肢を、前記ユーザが、選択可能に、かつ、前記効果が付与された選択肢を識別可能に提示するステップ(S508)と、前記ユーザにより選択された前記選択肢に基づいて前記ゲームパートを進行させるステップ(S505)であって、該選択肢に前記ゲーム媒体が有する前記効果が付与されている場合には、進行状況に応じて該効果を発動させた上で(S509~S511)、該ゲームパートを進行させるステップと、を実行する。
【0171】
上述の構成によれば、ゲームの進行内容をユーザの選択に応じて異ならせるために従来設けられていた選択肢それ自体に効果を付与することができる。ただし、この効果の付与を可能とするために第1条件が設けられる。そして、ユーザが選択した選択肢に応じてゲームが進行することに加えて、当該進行がさらに第2条件を満足した場合には、該選択肢に付与された効果が発動される。ユーザは、効果が発動されたことによってより有利にゲームを進行させることができる。
【0172】
ユーザは、従来、思い通りにゲームを進行させるために、単に、所望の選択肢を選ぶだけであった。しかし、本願発明によれば、ユーザは、ゲームをより有利に進めるために、選択肢に効果を付与する機会を与えられ、効果を付与した選択肢をいつ選択するのかを検討したり、付与した効果の内容を考慮したりして、熟慮を重ねて最適な選択肢を選ぶようになる。結果として、戦略性が高まり、ゲームの興趣性を向上させることが可能となる。さらに、効果を付与するために第1条件というハードルが設けられる。そのため、ユーザは、効果を得ようとして、第1条件を満足するためにどのようにすればよいのかを工夫しながらプレイすることになる。結果として、戦略性およびやりがいがより高まり、ゲームの興趣性をより一層向上させることが可能となる。
【0173】
なお、ゲームシステム1は、上述のゲームパートを進行させるステップにおいて、選択肢に付与された効果を、上述のデッキに組み入れられた1以上のキャラクタに有利に作用するように発動させてもよい。あるいは、ゲームシステム1が進行させるゲームパートが、デッキに組み入れられた味方キャラクタ対敵キャラクタの戦闘を1回以上進行させるものである場合に、ゲームシステム1は、該ゲームパートを進行させるステップにおいて、上述の選択肢に付与された効果を、敵キャラクタに不利に作用するように発動させてもよい。
【0174】
<クエストについて>
本実施形態では、一例として、ゲームシステム1は、包括アイテムの効果を、ゲームパートの進行に有利になるようにゲームパートの進行中に発動する構成である。本実施形態では、ゲームパートは、一例として、クエストを進行させるクエスト進行パートである。本実施形態では、クエストは、デッキに組み入れられた味方のキャラクタ(以下、味方キャラクタ)と、敵キャラクタとが戦う戦闘を1回以上含む。さらに、本実施形態に係るクイズRPGにおいて、戦闘は、クイズ要素を含んで構成されており、ターンごとに進行する。例えば、戦闘において、基本的に1ターンにつき1問のクイズが出題され、出題されたクイズに対する答えの正否に応じて、戦闘が進行する。以下、本クイズRPGにおけるクエストの進行に関し、その一例をフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0175】
図11は、クエスト進行部117がクエストを進行させるときの処理の流れを示すフローチャートである。出撃準備部116がクエストの選択と出撃の指示とをユーザから受け付けると、クエスト進行部117は、クエストを開始する。
【0176】
ステップS301において、クエスト進行部117は、例えば、エンカウント処理を実行してもよい。一例として、エンカウント処理は、(1)クエストをクリアしたときの進行率を100%とした場合の現在の進行率をカウントし、表示すること、(2)主人公またはデッキに編成した味方キャラクタを含むパーティーが進軍中であることを演出するアニメーションを表示すること、(3)敵キャラクタと遭遇したことを演出するアニメーションを表示すること、(4)パーティーを、所定の進行率にて所定の敵キャラクタ群と遭遇させること、および、(5)パーティーを、ランダムでまたは所定の確率でレアな敵キャラクタ群と遭遇させることなどを含む。
【0177】
ステップS302において、クエスト進行部117は、ゲームパートを進行させるステップにおいてユーザの入力操作を受け付けるための第3ゲーム画面を表示部に表示する。一例として、クエスト進行部117は、パーティーを敵キャラクタと遭遇させると、後述する戦闘画面(第3ゲーム画面)を表示部152に表示させて、戦闘の進行を開始する。具体的には、クエスト進行部117は、1つのターンを開始して、当該ターンの初期状態である戦闘画面を表示する。
【0178】
図12は、クエスト進行部117がステップS302において表示部152に表示させる戦闘画面の一例を示す。戦闘画面300は、一例として、出題パネル301~304と、1または複数の敵キャラクタから成る敵キャラクタ群305と、味方キャラクタのデッキ306と、連続正答ポイントを示すGUIである連続正答ポイント308とを含む。連続正答ポイントとは、1問も間違えずに連続して正答している問題数に応じて獲得されたポイントである。さらに、クエスト進行部117は、ゲームパートの進行が所定の条件(例えば、効果付与条件)を満足するまでの進捗状況をユーザに通知する第1UI部品を戦闘画面300に配置することが好ましい。具体的には、戦闘画面300は、設定された包括アイテムのGUIであるアイコン309と、包括アイテムの効果が、選択肢(具体的には出題パネル)に付与される条件としての第1条件に、ユーザのプレイ結果がどこまで到達しているのかを示す進捗310(第1UI部品)とを含む。
【0179】
ステップS303において、クエスト進行部117は、ゲームプログラムにしたがって、味方キャラクタの行動の前に、敵キャラクタに所定の先制行動を実施させてもよい。
【0180】
ステップS304において、クエスト進行部117は、ターゲッティング処理を実施してもよい。ターゲッティング処理とは、ユーザの指示にしたがって、どの味方キャラクタにどの敵キャラクタを攻撃させるのかを決定する処理である。ユーザは、例えば、戦闘画面300において、味方キャラクタのカードが表示されている領域を始点として、攻撃相手の敵キャラクタのカードが表示されている領域までスライド操作する。このスライド操作により、ユーザは、攻撃主体と攻撃対象とを指定することができる。
【0181】
ステップS305において、クエスト進行部117は、ユーザの指示にしたがって、スキルを発動する処理を実施してもよい。本実施形態では、味方キャラクタには、スキルと称される能力が設定されている。味方キャラクタがスキルを発動すると、戦闘に有利に効果がもたらされる。スキルについては後に詳述する。ここでは、例えば、クエスト進行部117は、味方キャラクタに累積スキルを発動させてもよい。
【0182】
ステップS306において、クエスト進行部117は、操作受付部111を介して出題パネルの選択を受け付ける。例えば、ユーザは、戦闘画面300の出題パネル301~304のうちの1つをタップ操作して選択する。クエスト進行部117は、操作受付部111が検知したタップ位置に基づいて、いずれの出題パネルが選択されたのかを判別する。
【0183】
ステップS307において、クエスト進行部117は、クイズを実行する。具体的には、選択された出題パネルに紐付けられている問題を提示し、併せて解答GUIを提示して、ユーザの解答を受け付ける。解答GUIは、
図12に示す戦闘画面300には示されていないが、ユーザが出された問題に対して解答を入力するためのUI部品で構成されている。
【0184】
ステップS308において、クエスト進行部117は、クイズの進行に応じて、攻撃などの所定の行動を味方キャラクタに実施させる。味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃することにより、味方キャラクタは、敵キャラクタにダメージを与えることができる。クエスト進行部117は、与えたダメージの大きさに相当するダメージ値を、敵キャラクタの体力から減算する。
【0185】
ステップS309において、クエスト進行部117は、敵キャラクタ群305を構成するすべての敵キャラクタの体力が0になったか否かを判定する。そして、体力が0を超える敵キャラクタが1体でも残っている場合には(NO)、ステップS310に進む。
【0186】
ステップS310において、クエスト進行部117は、生き残っている該敵キャラクタに、味方キャラクタを攻撃させる。
【0187】
一方、ステップS9において、すべての敵キャラクタの体力が0になった場合には(YES)、クエスト進行部117は、ステップS311に進み、味方キャラクタの勝利により当該戦闘が終了したと判断する。
【0188】
ステップS312において、クエストに含まれているすべての戦闘が終了した場合には(YES)、クエスト進行部117は、ステップS313に進む。
【0189】
ステップS313において、クエスト進行部117は、該クエストをクリアしたと判断し、該クエストを終了する。クエスト終了の前後のタイミングで、クエスト進行部117は、クリア報酬をユーザに供給してもよい。
【0190】
一方、ステップS312において、まだプレイしていない戦闘が残っている場合には(NO)、クエスト進行部117は、ステップS301に戻り、次の戦闘に関して、以降の処理を同様に繰り返す。
【0191】
なお、次の戦闘が開始されるとき、ステップS2において、クエスト進行部117は、終了した先の戦闘において提示した各出題パネル(例えば、
図12に示す出題パネル301~304)のいずれとも異なる出題パネルを含んだ戦闘画面300を新たに表示部152に表示させてもよい。あるいは、クエスト進行部117は、先の戦闘において提示した出題パネルのうち、未使用(すなわち、ユーザが選択しなかった出題パネル)について、そのまま、次の戦闘で提示してもよい。
【0192】
ここで、クエスト進行部117は、効果を付与するステップにおいて、先の戦闘(第1の戦闘)において効果が付与された出題パネル(選択肢)が選択されることなく該先の戦闘が終了した場合に、次の戦闘(第2の戦闘)で提示される複数の出題パネルの少なくとも1つに上述の効果を付与してもよい。つまり、クエスト進行部117は、先の戦闘において提示した出題パネルの中で、ユーザが選択しないまま効果付きの出題パネルが残った場合には、その効果を次の戦闘に持ち越してもよい。この場合、先の戦闘で提示された出題パネルに対して、第1条件が満たされたことに基づいて付与された包括アイテムの効果は、ユーザが該効果が付与された出題パネルを選択するまで、または、クエストが終了するまでは、以降の戦闘で提示される出題パネルに引き継がれる。これにより、包括アイテムの効果が付与された出題パネルを選択するタイミングについて、ユーザは、クエストにおいて最大の利益を得られるように、最適なタイミングを熟考するように促される。結果として、クエストにおける戦略性が高まり、ゲームの興趣性が向上する。
【0193】
これに対し、ステップS310の後、ステップS314において、敵キャラクタからの攻撃を受けても、デッキ306に編成されたすべての味方キャラクタの体力が0にならないうちは(NO)、クエスト進行部117は、ステップS2に戻り、次のターンに関して、以降の処理を同様に繰り返す。
【0194】
なお、次のターンが開始されるとき、ステップS2において、クエスト進行部117は、終了した先のターンにおいて提示した各出題パネルのうち、ユーザが該先のターンを選択しなかったものについては、次のターンの出題パネルとして残留させてもよい。そして、先のターンにおいてステップS7が実行されたことにより、第1条件が満たされた場合には、クエスト進行部117は、上述の次のターンのステップS2において、提示される出題パネルのいずれかに包括アイテムの効果を付与する。
【0195】
一方、ステップS314において、すべての味方キャラクタの体力が0になった場合には(YES)、クエスト進行部117は、ステップS315に進み、味方キャラクタの敗北により当該戦闘が終了したと判断する。
【0196】
ステップS316において、クエスト進行部117は、該クエストのクリアに失敗したと判断し、クリア報酬を付与することなく、該クエストを終了する。
【0197】
<データ構造>
(カードDB)
図13は、カードDB122のデータ構造の一例を示す図である。とりわけ、
図13は、カードDB122のうち、「包括アイテム」に分類されるカードについてデータ構造を詳細に示す。
【0198】
カードDB122は、上述したとおり、カードID、カード名、基本パラメータ、および、戦闘能力パラメータの各項目を含む。基本パラメータには、分類、希少度、コスト、および、属性があるが、本実施形態では、包括アイテムにはコストが設定されないので、同図では、コストのカラムについて図示を省略した。戦闘能力パラメータには、体力、攻撃力、および、スキルがあるが、本実施形態では、包括アイテムは、デッキに配置されず、体力および攻撃力が設定されない。そこで、同図では、体力および攻撃力のカラムについて図示を省略した。
図5に基づいて説明済みのパラメータについては、ここでは説明を繰り返さない。
【0199】
包括アイテムには、
図13に示すとおり、ゲームパートで発動するスキルが設定される。本実施形態では、包括アイテムが有するスキルは、選択肢(出題パネル)に付与されたのちに効果が発動されるスキルであるので、以下では、効果付与スキルと称する。効果付与スキルは、一例として、(1)効果付与条件、(2)発動条件、および、(3)効果の3つの項目によって定義される。
【0200】
効果付与条件とは、効果付与スキルの効果が出題パネルに付与される条件を示し、上述の第1条件に対応している。効果付与条件は、例えば、クイズの成績に関連して設けられる。具体的には、「N問正解」という効果付与条件は、クエストが開始されてから、出題された問題に対して、ユーザが、累積で何問正解することができたかを問うものである。例えば、「8問正解」という効果付与条件が包括アイテムに設定されている場合、ユーザが、1つのクエスト内で、累積で8問正解した場合に、クエスト進行部117は、効果付与条件が満たされたと判断し、該包括アイテムの効果をいずれかの出題パネルに付与する。他の例では、効果付与条件として、「2色以上パネルでN問正解」というものがある。これは、出題パネルのうち、属性が2色以上対応付けられている出題パネル(
図12に示す例では、出題パネル301、303、304)からの問題に正解した数がN問に到達することを条件とするものである。出題パネルの属性(色)数と、出題される問題との関係については後に詳述する。
【0201】
発動条件とは、包括アイテムの効果が戦闘において実際に発動する条件を示し、上述の第2条件に対応している。発動条件は、例えば、ユーザの解答の正否に関連して設けられる。具体的には、「問題に正解する」という効果付与条件は、ユーザが、包括アイテムの効果が付与された出題パネルからの問題に正解することを条件とするものである。クエスト進行部117は、ユーザが、効果が付与された出題パネルからの問題に正解した場合に、該包括アイテムの効果を発動させる。他の例では、発動条件として、「*秒以内に正解する」というものがある。これは、効果が付与された出題パネルからの問題にただ正解するだけでなく、指定秒以内にユーザが解答の入力を終え、その上で、正解することを条件とするものである。
【0202】
なお、すべての包括アイテムについて、発動条件が「問題に正解する」のように一律である場合には、当該発動条件のカラムを設けることは省略されてもよい。
【0203】
効果のカラムには、包括アイテムが戦闘中にもたらす有利な効果の内容が具体的に規定される。包括アイテムの効果は、味方キャラクタに直接有利な作用を及ぼすものであってもよいし、敵キャラクタに対して不利な作用を及ぼすことにより、間接的に味方キャラクタに有利な作用を及ぼすものであってもよい。
【0204】
(タイプ定義データ)
図14は、タイプ定義データのデータ構造の一例を示す図である。タイプ定義データは、ユーザに出題される問題のタイプを定義する情報である。タイプ定義データは、ゲームプログラム131の一部として記憶部120および記憶部220の少なくともいずれかに格納されている。タイプ定義データは、「難易度」、「正答率」および「初期設定」の各項目を有する。
【0205】
難易度は、ユーザに提示される問題の難易度を定義する情報である。本実施形態では、一例として、問題の難易度は、該問題の正答率に基づいて決定される。具体的には、問題の正答率が低いほど、該問題の難易度は高く設定される。例えば、難易度は、正答率に応じて、「低」、「中」、「高」の3段階で、問題ごとに設定される。
【0206】
正答率は、複数のユーザのプレイ履歴をサーバ200が集約することにより得られる。例えば、1つの問題が、100人のユーザの各ユーザ端末100に配信されたとする。80人のユーザのユーザ端末100から、正答の履歴がフィードバックされ、残り20人のユーザのユーザ端末100から、誤答の履歴がフィードバックされた場合、サーバ200は、該問題の正答率を80%と特定する。サーバ200は、正答率が80%であることに基づいて、該問題の難易度を「中」と決定することができる。サーバ200は、常に流動する正答率に応じて、各問題の難易度を変更してもよい。
【0207】
初期設定は、出題パネルに最初に設定する属性の数を定義する情報である。本実施形態では、出題パネルから出題される問題は、問題の難易度に応じて、属性の数が定義されている。
【0208】
クエスト進行部117は、戦闘画面300を生成するとき、上述のタイプ定義データを参照し、出題パネルに紐付けられている問題の難易度に応じて、該出題パネルに設定する属性の数を決定する。
【0209】
本実施形態では、属性は、一例として、水、火、雷の3種類が定められているため、出題パネルには、最大で3つの属性を設定することができる。クエスト進行部117は、出題パネルに最初に設定する属性数を、該出題パネルに紐付いている問題の難易度に基づいて決定する。例えば、クエスト進行部117は、出題パネルに紐付いている問題の難易度が高いほど、多くの数の属性を該出題パネルに設定する。
【0210】
具体的には、クエスト進行部117は、タイプ定義データにしたがって、難易度「高」の問題が紐付けられた出題パネルに対して、属性を3つ設定し、難易度「中」の問題が紐付けられた出題パネルに対して、属性を2つ設定し、難易度「低」の問題が紐付けられた出題パネルに対して、属性を1つ設定する。なお、キャラクタが有するスキルによって、属性が変更されたり、属性の数が変更されたりした場合には、クエスト進行部117は、それにしたがって、各出題パネルの属性を、難易度に依存せずに初期設定から変更する。出題パネルに設定される属性(色)数が多い方が、戦闘の難易度が下がる(味方キャラクタの攻撃の機会が増えやすい)。したがって、出題パネルに設定される属性数は、該出題パネルに紐付けられる問題の難易度が高いほど、多くなることが好ましい。これにより、ユーザは、より多くの攻撃の機会を得るために、難易度が高い問題に挑戦しようとする意欲を持つことができる。
【0211】
(パネルデータ)
図15は、パネルデータのデータ構造の一例を示す図である。パネルデータは、戦闘中に表示部152に表示される戦闘画面300(
図12)において提示されている出題パネルを定義する情報である。パネルデータは、ゲーム情報132の一部として、クエストが進行している間、記憶部120に格納されている。
【0212】
本実施形態では、一例として、戦闘画面300において一度に提示される出題パネルは4つである。したがって、
図15に示すパネルデータは、4つの出題パネルをそれぞれ定義する。パネルデータは、一例として、「パネル名」、「出題タイプ」、「属性」、「問題ID」、および、「効果」の各項目を有している。
【0213】
パネル名は、出題パネルが配置されている位置に基づいて各出題パネルを識別するための呼称を示す。
図12を参照して、4つの出題パネル301~304は、それぞれ、右上、左上、右下、左下に配置されている。一例として、右上に配置されている出題パネルを第1パネル、左上の出題パネルを第2パネル、右下の出題パネルを第3パネル、左下の出題パネルを第4パネルと称する。図示の例では、第1パネルのレコードは、右上に配置されている出題パネル301を定義する情報を有している。
【0214】
出題タイプは、クエスト進行部117が各位置の出題パネルに紐付けた出題タイプを示す。具体的には、クエスト進行部117は、出題パネルに紐付ける問題の難易度を設定する。クエスト進行部117は、各位置の出題パネルに紐付ける難易度を、サーバ200の進行支援部211の指示にしたがって決定してもよいし、選択されたクエストの特性にしたがって決定してもよい。あるいは、ゲームプログラムによって、複属性が設定された出題パネルの出現タイミングまたは出現頻度が予め規定されている場合には、該規定にしたがって、出題パネルに紐付ける難易度を決定してもよい。
【0215】
属性は、クエスト進行部117が各位置の出題パネルに設定した属性を示す。例えば、クエスト進行部117は、出題パネルに設定する属性の数を、上述の難易度にしたがって決定する。本実施形態では、属性は、水、火、雷の3種類である。したがって、出題パネルに設定する属性の数が2つの場合には、設定される属性の組み合わせパターンは3通りあり、また、属性の数が1つの場合にも、設定される属性は、種類の数だけ3通りある。クエスト進行部117は、出題パネルに設定する属性の数が2つ以下の場合には、設定する属性をランダムに決定する。
【0216】
問題IDは、出題パネルに紐付けられた問題を一意に識別するための識別情報である。各位置の出題パネルに紐付ける問題は、クエスト進行部117によって選択されてもよいし、サーバ200の進行支援部211によって選択されてもよい。
【0217】
例えば、クエスト進行部117は、出題パネルに紐付ける問題として、該出題パネルについて先に決定した難易度に合致する問題を、後述する問題データベース(以下、DB)から抽出する。図示の例では、クエスト進行部117は、第1パネルの出題タイプを「難易度/中」と決定した。そこで、クエスト進行部117は、難易度が「中」の問題を問題DBから1問抽出し、該問題の問題IDを、第1パネルのレコードに紐付ける。
【0218】
クエスト進行部117は、サーバ200の進行支援部211からの指示にしたがって、戦闘画面300に提示する出題パネルのパネルデータを
図15に示すようにして生成してもよい。あるいは、クエスト進行部117は、ランダムに、または、進行中のクエストに予め定められている制約にしたがって、出題パネルのパネルデータを生成してもよい。
図11に示すステップS302において、クエスト進行部117は、上述のようにして生成したパネルデータを参照し、該パネルデータに基づいて、
図12に示す戦闘画面300に出題パネルを配置する。ここでは、各出題パネルには、効果が付与されていない。したがって、効果の項目には、ステップS302の時点では、何の値も格納されていない。
【0219】
効果は、出題パネルに付与されている包括アイテムの効果の有無を示す情報である。ステップS2において、これまでのターンにおけるクイズの成績が、効果付与条件を満足する場合、クエスト進行部117は、ユーザ情報133を参照し、包括アイテムに対応付けられている効果付与スキルにしたがって、該包括アイテムの効果を、出題パネルに紐付ける。クエスト進行部117は、4つの出題パネルのうち、いずれの1つに効果を付与するのかをランダムで決定してもよい。クエスト進行部117は、複数の出題パネルに包括アイテムの効果を付与してもよいし、すべての出題パネルに包括アイテムの効果を付与してもよい。
【0220】
クエスト進行部117は、ユーザが、選択した出題パネルからの問題に正答した場合に、まず、該正答に伴う、1問分のポイントを、連続正答ポイントおよび累積正答ポイントのそれぞれに加算する。そして、
図15に示すパネルデータを参照し、ユーザが正答した上述の出題パネルに包括アイテムの効果が紐付けられている場合には、該効果を発動させる。本実施形態では、クエスト進行部117は、ユーザが問題に正答しなかった場合には、該問題の出題パネルに効果が付与されていたとしても該効果を発動させない。すなわち、効果が付与された出題パネルは、ユーザが誤答した場合、効果が発動することなく消却される。
【0221】
(問題DB)
図16は、問題DBのデータ構造の一例を示す図である。問題DBは、クエスト進行部117が戦闘中にユーザに提示する問題を集約したものである。同図には、数問の問題が図示されているだけであるが、実際には、膨大な数の問題が該問題DBに登録されている。ユーザに提示される問題は、条件に基づいて抽出された問題の中からランダムに1つ選択される。したがって、問題DBに登録する問題数が多いほど、同じユーザに同じ問題が出題される確率を下げることができる。
【0222】
問題DBは、基本的には、サーバ200の記憶部220に格納されており、問題は、進行支援部211からクエスト進行部117へ必要に応じて供給される。例えば、クエスト開始のタイミングで、問題DBごとユーザ端末100に提供されてもよいし、戦闘開始のタイミングの都度、問題DBの一部を抜粋したものがユーザ端末100に提供されてもよいし、戦闘進行中のユーザ端末100において出題パネルを提示するタイミングの都度、1問ずつサーバ200からユーザ端末100に提供されてもよい。
【0223】
問題DBは、一例として、「問題ID」、「ジャンル」、「解答形式」、「問題文」、「解答GUI」、「正答」、および、「正答率」の各項目を有している。問題IDは、問題を一意に識別するための識別情報を示す。ジャンルは、問題が属しているジャンルを示す。例えば、ジャンル「芸能」は、その問題が芸能に関する事物を問う問題であることを意味する。解答形式は、問題の解答形式を示す。上述したとおり、単解答問題にはさまざまな解答形式がある。問題文は、問題としてユーザに提示する文章を示す。問題文は例えばテキストデータとして格納されている。
【0224】
解答GUIは、上述の問題文によって問われたことに対する解答をユーザが入力するための解答GUIを構築するために必要な情報を示す。解答GUIは、どのようなデータ形式で格納されていても構わない。ユーザ端末100のクエスト進行部117が、該解答GUIの項目に格納されている情報を処理して、表示部152に解答GUIを表示させることが可能なデータ形式であれば何でもよい。例えば、クエスト進行部117は、1問1答形式の、問題IDが「SQ001」の問題に対して、該第1DBにおける解答GUIの項目を参照し、「SQ001」の問題に対応する解答GUIを構築する。より具体的には、クエスト進行部117は、解答Aを示した第1選択肢、解答Bを示した第2選択肢、解答Cを示した第3選択肢、解答Dを示した第4選択肢、の4つのボタンを配置し、4つのうちのいずれか1つのボタンだけをユーザがタッチ操作で選択できるように解答GUIを構築する。
【0225】
正答は、問題に対する正しい答えを示す。クエスト進行部117は、上述の解答GUIを介してユーザから入力された解答と、該正答の項目に格納されている答えとを比較して、ユーザの解答の正否判定を行う。
【0226】
正答率は、問題の正答率を示す。上述したとおり、サーバ200は、各ユーザのユーザ端末100からプレイ履歴を集約しており、各ユーザがどの問題に正答したか、あるいは誤答したかを記録している。サーバ200は、本ゲームがプレイされているすべてのユーザ端末100における問題の総出題回数と、すべてのユーザ端末100において該問題が正答された総正答回数とに基づいて正答率を求めることができる。サーバ200は、定期的にプレイ履歴を分析して、各問題の正答率を更新してもよい。進行支援部211またはクエスト進行部117は、問題に対応付けられている正答率に基づいて、出題パネルに紐付けるべき問題を、問題DBから抽出することができる。
【0227】
(クエスト進捗カウンタ)
図17は、クエスト進捗カウンタのデータ構造の一例を示す図である。クエスト進捗カウンタは、クエストの開始時に初期化され、該クエストの進行中、該クエストが終了するまでの間、クエスト進行部117によって編集されたり、読み出されたりする。クエスト進捗カウンタは、ユーザ端末100の記憶部120に格納されている。クエスト進捗カウンタは、一例として、「連続正答ポイント」、「出題数」、「総正答数」および「多色パネル正答ポイント」の各項目を有している。
【0228】
連続正答ポイントは、ユーザが複数のターンに亘って連続で問題に正答した数である連続正答数に基づいてユーザに付与されるポイントの累計を示す。本実施形態では、基本的に、連続正答数1問を、連続正答ポイント1問に対応させる。例えば、連続正答ポイント「5問」は、後述する例外を除いて、ユーザが、5ターンの間、一度も誤答することなく、5問連続で正解していることを示す。クエスト進行部117は、ユーザが誤答しない間、ユーザが問題に正答する度に、連続正答ポイントを1つ増分する。ユーザが誤答した場合、クエスト進行部117は、連続正答ポイントを0にリセットする。連続正答ポイントは、クエスト進行部117が、戦闘中に発動された味方キャラクタのスキルによって得られる効果値を特定したり、スキルの発動条件が満たされたか否かを判定したりするために参照される。
【0229】
なお、連続正答ポイントを所定数消費することを発動条件とする累積スキルが存在してもよい。例えば、「連続正答ポイントN問を消費して、敵にダメージ」といった累積スキルがある場合、クエスト進行部117は、該スキルを発動させるときに、連続正答ポイントをN問分だけ減じる。あるいは、戦闘中、所定の条件下で、連続正答ポイントを加算する効果が発動してもよい。例えば、「この問題に正答したら、連続正答ポイント+2問加算」といった効果が発動した場合、通常付与される連続正答ポイント1問に加えて、2問分のポイントが加算される。このような場合に、例外として、連続正答ポイントが、ユーザが実際に成し遂げた連続正答数と一致しないことが起こり得る。
【0230】
出題数は、クエスト内で出題された問題の数を示す。本実施形態では、戦闘の1ターンにつき1問、問題が出題される。したがって、出題数は、ユーザがクエストのクリアのためにかけたターン数(以下、所要ターン数)を示している。例えば、「Nターン以内にクエストをクリアする」などのミッションがクエストに課されている場合、クエスト進行部117は、ミッションがクリアされたか否かを出題数、すなわち、所要ターン数に基づいて判定することができる。
【0231】
総正答数は、クエスト内で複数の戦闘に亘って出題された問題に対してユーザが正答できた問題の総数を示す。出題数と総正答数とによって、そのクエスト内での正答率が分かる。例えば、「クエストを全問正解でクリアする」などのミッションがクエストに課されている場合、クエスト進行部117は、ミッションがクリアされたか否かを、出題数と総正答数とが一致しているか否か、すなわち、正答率が100%か否かによって判定することができる。
【0232】
多色パネル正答ポイントは、2つ以上の属性が対応付けられた出題パネル(以下、多色パネル)に紐付けられた問題に対してユーザが正答できた数に基づいて、ユーザに付与されるポイントの累計を示す。本実施形態では、基本的に、多色パネルから出題された問題の正答数1問を、多色パネル正答ポイント1問に対応させる。クエスト進行部117は、ユーザが多色パネルを選択し、それによって提示された問題に正答した場合に、多色パネル正答ポイントを1つ増分する。ユーザが誤答した場合、あるいは、単属性の出題パネルから問題が提示された場合は、正答であっても、多色パネル正答ポイントは増分されない。多色パネル正答ポイントは、包括アイテムの効果付与条件が満足されたか否かを判定するために用いられる。したがって、クエスト進行部117は、多色パネル正答ポイントが効果付与条件を満足したと判定した後、包括アイテムの効果を出題パネルに付与したときに、多色パネル正答ポイントを0問にリセットする。そして、次のターンから多色パネルの正答数のカウントを開始し、多色パネル正答ポイントの積算を再開する。
【0233】
累積正答ポイントは、あるターンからカウントを開始して、ユーザが連続であるか否かに関わらず、また、出題パネルの属性数に関わらず、問題に正答した数を示す累積正答数に基づいて付与されるポイントの累計を示す。本実施形態では、基本的に、正答数1問を、累積正答ポイント1問に対応させる。例えば、累積正答ポイント「7問」は、後述する例外を除いて、あるターンから数え始めて、ユーザが累積で7問正解していることを示す。クエスト進行部117は、ユーザが問題に正答した場合、累積正答ポイントを1つ増分する。ユーザが誤答した場合は、現状の累積正答ポイントを維持する。累積正答ポイントは、クエスト進行部117が、包括アイテムの効果付与条件が満足されたか否かを判定するために参照される。したがって、クエスト進行部117は、累積正答ポイントが効果付与条件を満足したと判定した後、包括アイテムの効果を出題パネルに付与したときに、累積正答ポイントを0問にリセットする。そして、次のターンから累積正答数のカウントを開始し、累積正答ポイントの積算を再開する。
【0234】
<画面例>
図18および
図19は、クエスト進行パートが実行されているときに表示部152に表示されるゲーム画面の他の例を示す図である。
図18および
図19に示すゲーム画面は、包括アイテムの効果付与条件が満たされる前のフェーズにおける戦闘画面300である。
【0235】
クエスト進行部117は、上述のとおり、戦闘画面300を表示するステップS302において、アイコン309(第3UI部品)を戦闘画面300に配置している。このアイコン309は、本実施形態では、効果付与条件(第1条件)をユーザに通知する簡易情報311(第2UI部品)を出力することを指示するための指示ボタンとして機能する。
【0236】
クエスト進行部117は、
図12に示す戦闘画面300において、操作受付部111を介して、アイコン309に対するタッチ操作を受け付ける。クエスト進行部117は、このタッチ操作に応答して、
図18に示すとおり、設定されている包括アイテムの効果付与条件を簡単に示した簡易情報311を表示させてもよい。
【0237】
ここで、クエスト進行部117は、効果付与条件(第1条件)の詳細と包括アイテム(ゲーム媒体)が有する効果とをユーザに通知する詳細情報313(第4UI部品)を出力することを指示するための詳細ボタン312(第5UI部品)を、簡易情報311(第2UI部品)とともに出力することが好ましい。具体的には、図示のとおり、簡易情報311は、包括アイテムに関する詳細な情報を呼び出すためのUI部品として、詳細ボタン312を含んでいる。クエスト進行部117は、操作受付部111を介して、詳細ボタン312に対するタッチ操作を受け付ける。クエスト進行部117は、このタッチ操作に応答して、
図19に示すとおり、設定されている包括アイテムの性能を詳細に示した詳細情報313を表示させてもよい。
【0238】
これにより、ユーザは、戦闘中、必要に応じて必要な量の情報を簡易な操作で呼び出して確認することができる。
【0239】
図20および
図21は、クエスト進行パートが実行されているときに表示部152に表示されるゲーム画面のさらに他の例を示す図である。
図20および
図21に示すゲーム画面は、包括アイテムの効果付与条件が満たされた時点以降の戦闘画面300である。
【0240】
ここでは、効果付与条件が「2色以上パネルで6問正解」であり、発動条件が「問題に正解する」であると定義されている効果付与スキルを持つ包括アイテムが設定されている場合について説明する。
【0241】
ある第1のターンにおいて、ユーザが多色パネルに基づいて提示された問題に正答すると、クエスト進行部117は、
図17に示す進捗カウンタの各項目を更新する。ここで、クエスト進行部117は、多色パネル正答ポイントを「5問」から「6問」に増分したとする。
【0242】
この次の第2のターンにおいて、クエスト進行部117は、
図12に示すように4つの出題パネルを提示したあと、上述の多色パネル正答ポイントを参照し、該多色パネル正答ポイントが、包括アイテムの効果付与条件を満足するか否かを判定する。この時点で、多色パネル正答ポイントは「6問」であり、上述の効果付与条件を満足する。そこで、クエスト進行部117は、包括アイテムの効果を、提示した出題パネルに付与する処理を実行する。なお、包括アイテムの効果付与条件を満足する場合に、包括アイテムの効果を出題パネルに付与することが可能であることをユーザに報知し、ユーザから包括アイテムの効果を出題パネルに付与するための入力操作(例えば、アイコン309へのタッチ操作など)を受け付けることとしてもよい。クエスト進行部117は、この入力操作を受け付けることで、包括アイテムの効果を、提示した出題パネルに付与する処理を実行する。
【0243】
本実施形態では、一例として、クエスト進行部117は、効果を、提示されている4つの出題パネルのうちのいずれか1つに付与する。クエスト進行部117は、付与先の出題パネルをランダムに決定してもよい。ここで、例えば、クエスト進行部117は、出題パネル303に効果を付与すると決定したとする。この場合、クエスト進行部117は、
図15に示すパネルデータのうち、第3パネルの効果の項目を、「なし」から「あり」に更新する。ここで、クエスト進行部117は、付与する効果の内容を、
図13から読み出して、当該項目に書き加えてもよい。さらに、クエスト進行部117は、包括アイテムの効果が付与された出題パネルについて、難易度はそのまま変更することなく、属性だけを、1色または2色から、3色へと変更してもよい。これにより、包括アイテムの効果が付与された出題パネルを選択するメリットがユーザにとってより一層大きくなる。
【0244】
なお、包括アイテムの効果付与条件が、多色パネルに限らず、単に「N問正解」である場合には、クエスト進行部117は、
図17に示す進捗カウントのうち、累積正答ポイントを参照し、該累積正答ポイントが、包括アイテムの効果付与条件を満足するか否かを判定する。
【0245】
クエスト進行部117は、
図20に示すとおり、包括アイテムの効果が出題パネルに付与される演出を戦闘画面300において出力してもよい。例えば、クエスト進行部117は、画面の右上に配置されていた包括アイテムのアイコン309を、付与先である出題パネル303の属性アイコンの位置まで移動させるアニメーションを出力してもよい。
【0246】
図21は、上述のアニメーションの出力後に表示される戦闘画面300を示す。アイコン309は、画面右上の位置では表示されなくなり、代わりに、出題パネル303の属性アイコンの位置に表示される。これにより、ユーザは、出題パネル303に包括アイテムの効果が付与されていることを一目で理解することができる。
【0247】
ユーザは、アイコン309が表示された出題パネル303をタップして、出題パネル303に紐付けられた問題を呼び出すことができる。ユーザが、この問題に正答すると、クエスト進行部117は、包括アイテムの発動条件が満たされたと判断し、出題パネル303に付与されている効果を発動させる。クエスト進行部117は、
図13に示すカードDBにおいて規定されているとおりに、上述の包括アイテムの効果を発動させる。
【0248】
<処理フロー>
図22は、本実施形態に係るゲームシステム1が実行する処理の流れを示すフローチャートである。同図のステップS501は、一例として、実施形態1で説明したデッキ編成パートの一部として実行されてもよいが、これに限定されない。ステップS501は、デッキを編成する要素を持たないゲームにおいても実行され得る。ステップS502からステップS511までが、
図3に示すステップS3のゲームパートおよび
図10に示すステップS111に対応する。
【0249】
ステップS501では、デッキ編成部115は、後に実行されるクエストにおいて包括アイテムが有効に機能するように、包括アイテムを設定する。包括アイテムの設定は、例えば、実施形態1で既に説明したとおり、
図8および
図9に示す包括アイテム画面460を介して行われてもよい。
【0250】
ステップS502では、クエスト進行部117は、クエストの進行を開始する。一例として、クエスト進行部117は、
図11に示すステップS301を開始する。
【0251】
ステップS503では、クエスト進行部117は、ユーザが選択可能なように複数の出題パネルを提示する(
図11のステップS302に対応)。一例として、クエスト進行部117は、
図12に示す戦闘画面300を表示部152に表示する。
【0252】
ステップS504では、クエスト進行部117は、設定されている包括アイテムについて第1条件が満たされたか否かを判定する。具体的には、クエスト進行部117は、
図17に示す進捗カウンタにおける多色パネル正答ポイントまたは累積正答ポイントが、効果付与条件を満足しているか否かを判定する。クエスト進行部117は、効果付与条件が満たされていないと判定した場合には、ステップS504のNOからステップS505に進む。一方、クエスト進行部117は、効果付与条件が満足されていると判定した場合には、ステップS504のYESからステップS507に進む。
【0253】
ステップS505では、クエスト進行部117は、ユーザにより選択された選択肢にしたがってクエストを進行させる。具体的には、クイズを含む戦闘の1つのターンを進行させる。戦闘におけるターンごとの進行は、
図11に基づいて、ステップS307~S316として説明したとおりである。すなわち、クエスト進行部117は、ユーザにより選択された出題パネルに紐付けられた問題を提示し(
図11のステップS307に対応)、該問題に対する解答をユーザより受け付け(ステップS307に対応)、受け付けた解答の正否を判定し(ステップS308に対応)、判定結果に応じた1以上の処理を実行する(ステップS308に対応)。クエスト進行部117は、ステップS505におけるターン進行に応じて、
図17に示すクエスト進捗カウンタを更新する。
【0254】
ステップS506では、クエスト進行部117は、上述のようにクエストを進行させたことにより、クエストがクリアされたか否かを判定する。例えば、クエスト進行部117は、クエストに含まれているすべての戦闘に勝利した場合、クエストがクリアされたと判定し、ステップS506のYESへ進んで一連の処理を終了する。一方、戦闘が終了していない場合、または、未進行の戦闘が残っている場合、クエスト進行部117は、クエストがまだクリアされていないと判定し、ステップS506のNOからステップS503に戻って以降の処理を繰り返す。
【0255】
例えば、ステップS505でクエスト進行部117がクエストを進行させた結果、進捗カウンタが更新され、再び、ステップS504に戻ってきたときには、第1条件が満たされていることが考えられる。
【0256】
ステップS507では、クエスト進行部117は、第1条件が満たされたことに基づいて、提示された出題パネルに包括アイテムの効果を付与する。例えば、クエスト進行部117は、ステップS501で設定された包括アイテムの効果を、ステップS503で提示された出題パネル(例えば、
図12に示す出題パネル301~304)のいずれか1つに対して付与する。どの出題パネルに効果を付与するのかについて、クエスト進行部117は、ランダムに決定してもよいし、予め定められた規則に基づいて決定してもよい。
【0257】
ステップS508では、クエスト進行部117は、上述の効果が付与された出題パネル(以下、効果付与パネル)とそうでない出題パネルとをユーザが識別できるように、各出題パネルを提示する。例えば、クエスト進行部117は、戦闘画面300を、
図18に示す状態から、
図20に示す状態を経て、
図21に示す状態へと変化させる。これにより、ユーザは、効果付与パネル(出題パネル303)とそうでない出題パネル(出題パネル301、302、304)とを識別した上で、所望のパネルを選択することが可能となる。
【0258】
ステップS509では、クエスト進行部117は、効果付与パネルが選択されたか否かを判定する。クエスト進行部117は、効果が付与されていない出題パネルが選択された場合には、ステップS509のNOからステップS505に進み、上述と同様の処理を繰り返す。一方、効果付与パネルが選択された場合には、クエスト進行部117は、ステップS509のYESからステップS510に進む。
【0259】
ステップS510では、クエスト進行部117は、第2条件が満たされた否かを判定する。本実施形態では、一例として、クエスト進行部117は、ステップS509にて選択された、効果付与パネルに紐付けられた問題を出題する(S307に対応)。そして、クエスト進行部117は、該問題に対してユーザによって入力された解答が正答であるか否かを判定する(S308に対応)。クエスト進行部117は、ユーザが上述の問題に誤答した場合には、第2条件、すなわち、上述の効果の発動条件が満たされなかったと判定し、ステップS510のNOからステップS505に進み、上述と同様の処理を繰り返す。一方、クエスト進行部117は、ユーザが上述の問題に正答した場合には、発動条件が満たされたと判定する。そして、クエスト進行部117は、ステップS510のYESからステップS511に進む。
【0260】
ステップS511では、クエスト進行部117は、発動条件が満たされたことに基づいて、選択された出題パネルに付与された効果を発動させる。ここで発動される効果は、例えば、味方キャラクタに有利に戦闘が進行するように、味方キャラクタまたは敵キャラクタに何らかの作用を及ぼすものと想定される。クエスト進行部117は、上述の効果を発動させた後、ステップS505に復帰して、上述と同様の処理を繰り返す。この繰り返しは、ステップS506において、クエストがクリアされたと判定されるまで、あるいは、クエストの進行がゲームオーバー(例えば、すべての味方キャラクタの体力が0になった)と判定されるまで、継続される。
【0261】
〔変形例〕
<包括アイテムの入手方法>
上述の各実施形態において、ユーザが包括アイテムを獲得する方法は、特に限定されず、様々な方法が想定される。例えば、包括アイテムのカードは、無償で配布されてもよいし、クエストのクリア報酬として条件付きで配布されてもよいし、有価媒体と引き換えに配布されてもよい。その他、以下のようにして、包括アイテムをユーザに獲得させることが考えられる。
【0262】
具体的には、ユーザが所有しているキャラクタのカードを材料にして、包括アイテムのカードを生成し、該包括アイテムのカードを新たにユーザに獲得させるためのパートを、本ゲームに追加することが考えられる。キャラクタと引き換えに包括アイテムを生成する上述のパートを、以下では、包括アイテム生成パートと称する。包括アイテム生成パートは、例えば、
図3に示すステップS1のデッキ編成パートの前後に設けられてもよいし、デッキ編成パートの一部として設けられてもよい。本実施形態では、一例として、デッキ編成部115が、デッキ編成パートの一部として包括アイテム生成パートを実行する。包括アイテム生成パートでは、デッキ編成部115は、例えば、キャラクタと引き換えに、該キャラクタに基づいて生成された包括アイテムをユーザに所有させるステップを実行する。
【0263】
包括アイテム生成パートで材料となるキャラクタは、一例として、図示しない抽選実行部が抽選を実行したことにより、当選したキャラクタであってもよい。
【0264】
本実施形態では、包括アイテムには、性能に応じて複数の種類がある。性能とは、例えば、包括アイテムが有する効果および該効果を得られる条件の少なくとも一方によって定義される。条件とは、一例として、効果付与条件(第1条件)または発動条件(第2条件)である。デッキ編成部115は、包括アイテムをユーザに所有させるステップにおいて、1つのキャラクタに基づいて生成される包括アイテムの種類を抽選で決定してもよい。
【0265】
本実施形態では、一例として、デッキ編成部115は、新たにユーザに獲得させる包括アイテムの性能を、材料になるキャラクタの性能に応じて決定してもよい。さらに、デッキ編成部115は、上述の包括アイテムの性能を、抽選により決定してもよい。さらに、デッキ編成部115は、材料になるキャラクタの性能と、抽選でランダムに決定される性能とを融合させて、1つの包括アイテムの性能を定義してもよい。
【0266】
図23は、確率表のデータ構造の一例を示す図である。確率表は、ユーザ端末100の記憶部120またはサーバ200の記憶部220に保存されており、包括アイテム生成パートの実行時にデッキ編成部115によって参照される。
【0267】
確率表は、一例として、キャラクタ、性能、および、確率の3つの項目を含む。キャラクタの項目には、材料となるキャラクタを識別する情報が格納されている。図示の例では、カード名が格納されている。さらに、キャラクタの希少度によっても、抽選の結果を異ならせたい場合には、キャラクタ名および希少度の組み合わせごとに確率を設定できるようなデータ構造を持つように、当該確率表を適宜変更すればよい。
【0268】
性能の項目には、キャラクタを材料にして新たに得られる成果物としての包括アイテムの性能が格納されている。本実施形態では、一例として、包括アイテムの性能は、希少度、効果付与条件、および、効果で定義される。図示していないが、本実施形態では、発動条件は、一律、「問題に正解する」であるとする。本実施形態では、効果付与条件と効果とが包括アイテムの性能の良し悪しを左右する。例えば、効果付与条件が緩く、効果が高い包括アイテムほど性能が良いと考えられる。図示のとおり、1つのキャラクタにつき、性能が異なる複数の結果が対応付けられていることが好ましい。これにより、同じキャラクタであっても、得られる包括アイテムの性能には、様々な可能性が残されている。これにより、包括アイテムを生成することの遊戯性が高まり、ユーザの楽しみを増やすことが可能となる。
【0269】
確率の項目には、1つのキャラクタから、その性能の包括アイテムを得ることができる確率が格納されている。例えば、図示のとおり、1つのキャラクタ「クゥ」から排出される包括アイテムは、性能によって12パターンある。確率は、それぞれのパターンがどの確率で排出されるのかを規定する。パターンごとに異なる確率が設定されてもよいし、確率は希少度ごとに設定されてもよい。
【0270】
以上のように、デッキ編成部115は、上述の包括アイテム生成パートをさらに実行する構成である。この構成は、特に、キャラクタが抽選の実行により、ユーザの希望とは関係なくランダムに提供されるような抽選要素が含まれているゲームにおいて特に大きなメリットがある。キャラクタが抽選によってユーザの希望とは関係なくランダムに提供されるということは、当然、ユーザがすでに所有しているのと同じキャラクタが当選する可能性が十分にある。ユーザは、同じキャラクタが当選しても喜びを感じられない。そして、カードDBには、重複していて利用されないキャラクタのカードが増えていくという事態を招来する。しかしながら、上述の構成によれば、重複した不要のカードを、包括アイテムの材料として新たに活用することができる。しかも、同じ材料からは、性能の異なる複数のパターンの包括アイテムが排出される可能性がある。したがって、ユーザは、当選したカードが重複したとしても落胆することなく、当該カードを包括アイテムの生成に活用することにより、性能のよい包括アイテムが獲得できるかもしれない、といった、新たな期待を持つことができる。
【0271】
図24は、包括アイテム生成パートが実行されているときに表示部152に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
図24に示すゲーム画面は、アイテム生成画面500である。アイテム生成画面500は、ユーザがキャラクタから包括アイテムを生成するための各種のUI部品を含む。例えば、アイテム生成画面500は、材料となるキャラクタを配置するための材料枠501と、材料から得られる成果物について予告を行うための成果物枠502と、材料となるキャラクタと引き換えに包括アイテムを生成することを指示するための指示ボタン503と、控えリスト402とを含む。
【0272】
ユーザは、デッキ401に所望のキャラクタのアイコンをドラッグアンドドロップ操作で配置したのと同様にして、材料にしたいキャラクタのアイコンを、ドラッグアンドドロップ操作で材料枠501に配置する。デッキ編成部115は、材料枠501に配置されたキャラクタに応じて生成され得る包括アイテムのアイコンを成果物枠502に表示させてもよい。ただし、包括アイテムの抽選の楽しみが損なわれないように、成果物枠502には、性能に関する情報が伏された状態で上述のアイコンを表示させることが好ましい。要するに、成果物枠502にアイコンを表示させる意図は、どのような性能の包括アイテムが生成されるのかをユーザに予告することではなく、単に、いくつの包括アイテムが生成されるのかを予告することにある。
【0273】
以上のように、簡単な操作で、ユーザは、キャラクタを材料にして包括アイテムを獲得することができる。
【0274】
ユーザは、材料枠501に配置したキャラクタを消費して、成果物枠502に表示された包括アイテムを生成することを望む場合に、指示ボタン503をタップする。
【0275】
デッキ編成部115は、指示ボタン503に対するタップ操作を操作受付部111を介して受け付け、以下に説明する包括アイテム生成処理を実行する。デッキ編成部115は、確率表を参照し、材料枠501に配置されたキャラクタに対応するすべてのパターンに対応付けられた確率に基づいて、抽選を実行する。そして、デッキ編成部115は、抽選により、ユーザに獲得させる包括アイテムの性能を1つ決定する。デッキ編成部115は、決定した性能を有する包括アイテムのカードを生成し、ユーザのカードDBに追加する。
【0276】
図25は、包括アイテム生成パートが実行されているときに表示部152に表示されるゲーム画面の他の例を示す図である。
図25に示すゲーム画面は、包括アイテム生成処理が実行された後に表示部152に表示される生成結果画面550を示す。生成結果画面550は、少なくとも、当選した包括キャラクタを通知するための通知UI551を含む。通知UI551は、当選した包括キャラクタのアイコンを含んでいてもよいし、当選した包括キャラクタの性能に関する詳細な情報を含んでいてもよい。例えば、通知UI551に含まれるアイコン552がタップされると、デッキ編成部115は、
図19に示す詳細情報313のように、当選した包括キャラクタの性能に関する詳細な情報を表示させてもよい。
【0277】
以上のように、簡単な操作で、ユーザは、新たに獲得した包括アイテムの性能を確認することができる。
【0278】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部210の制御ブロック(特に、進行支援部211および共有支援部212)、ならびに、制御部110の制御ブロック(特に、操作受付部111、表示制御部112、UI制御部113、アニメーション生成部114、デッキ編成部115、出撃準備部116およびクエスト進行部117)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0279】
後者の場合、制御部210または制御部110、もしくはその両方を備えた情報処理装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0280】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0281】
〔付記事項〕
本発明の一側面に係る内容を列記すると以下のとおりである。
【0282】
(項目1) ゲームプログラム(131)について説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラムは、プロセッサ(10、20)、メモリ(11、21)および操作部(入力部151など)を備えるコンピュータ(ユーザ端末100およびサーバ200の少なくとも一方)により実行される。ゲームプログラムは、プロセッサに、ユーザが所有する1以上のキャラクタを、該ユーザの入力操作にしたがってデッキに組み入れて該デッキを編成するステップ(S1)と、デッキに組み入れられた各キャラクタに基づいて、ユーザがプレイするゲームパート(クエスト)を進行させるステップ(S3)と、を実行させ、デッキを編成するステップは、さらに、デッキ、および、1以上のキャラクタを包括するエンティティの少なくともいずれか一方に対応付けて、ゲームパートを有利に進行させる効果を有するゲーム媒体(包括アイテム)を設定し(S108)、ゲームパートを進行させるステップは、設定されたゲーム媒体が有する効果を発動させる(S111)。これにより、ゲームの興趣性を向上させるという効果を奏する。
【0283】
(項目2) (項目1)において、デッキを編成するステップは、エンティティとして、ユーザ自身、または、該ユーザに割り当てられたアバターに対応付けて、ゲーム媒体を設定し、該アバターは、デッキに組み入れ不可能であって、ゲームパートにおいて動作しないものであってもよい。これにより、通常、ゲームパートの進行に作用しないユーザのエンティティが、該エンティティに設定されているゲーム媒体を介して、該ゲームパートの進行に何らかの作用を与えることが可能となる。この意外性により、ユーザは、より一層ゲームに興趣性を見出すことができる。
【0284】
(項目3) (項目2)において、ゲームプログラムは、プロセッサに、複数のデッキのうちゲームパートで使用するデッキを選択する入力操作をユーザから受け付けるステップ(S2)、を実行させ、ゲームパートを進行させるステップは、いずれのデッキが選択されても、エンティティに設定されたゲーム媒体が有する効果を発動させる。これにより、通常、ゲームパートの進行に作用しないユーザのエンティティが、どのデッキを使用した場合であっても、該エンティティに設定されているゲーム媒体を介して、該ゲームパートの進行に何らかの作用を与えることが可能となる。この意外性により、ユーザは、より一層ゲームに興趣性を見出すことができる。
【0285】
(項目4) (項目1)から(項目3)までのいずれか1項目において、ゲームプログラムは、プロセッサに、複数のデッキのうちゲームパートで使用するデッキを選択する入力操作をユーザから受け付けるステップ(S2)、を実行させ、ゲームパートを進行させるステップは、選択されたデッキに設定されたゲーム媒体が有する効果を発動させてもよい。従来、選択されたデッキそのものがゲームパートの進行に影響を与えることはなかったが、上述の構成によれば、選択されたデッキ自体が、該デッキに設定されているゲーム媒体を介して、該ゲームパートの進行に何らかの作用を与えることが可能となる。この意外性により、ユーザは、より一層ゲームに興趣性を見出すことができる。また、ユーザは、ゲームパートの攻略を見据えて戦略的にデッキを選択するようになる。
【0286】
(項目5) (項目1)から(項目4)までのいずれか1項目において、ゲームプログラムは、プロセッサに、デッキを編成するステップにおいてユーザの入力操作を受け付けるためのゲーム画面を表示部に表示するステップ(S101、S107)、を実行させ、表示するステップは、ユーザが保有する1以上のキャラクタをデッキに組み入れるための入力操作を受け付ける第1ゲーム画面(デッキ編成画面400)と、デッキ、および、エンティティの少なくともいずれか一方に設定するゲーム媒体を選択するための入力操作を受け付ける第2ゲーム画面(包括アイテム画面460)とを切り替え可能にまたは同時に表示してもよい。これにより、ユーザは、デッキの編成に加えて、ゲーム媒体の設定を、ゲーム画面を介して容易に行うことができ、利便性が向上する。
【0287】
(項目6) (項目1)から(項目5)までのいずれか1項目において、ゲームプログラムは、プロセッサに、抽選を実行し、当選したキャラクタをユーザに所有させるステップと、キャラクタと引き換えに、該キャラクタに基づいて生成されたゲーム媒体をユーザに所有させるステップと、を実行させてもよい。これにより、デッキに組み入れてゲームパートで動作させるというのとは別のキャラクタの活用方法を、ユーザに対して提供することができる。ユーザは、抽選で手に入れたがデッキでの使い道がない剰余のキャラクタを、ゲーム媒体の入手のために活用することができる。
【0288】
(項目7) (項目6)において、ゲーム媒体には、効果および該効果が得られる条件の少なくとも一方に応じて複数の種類があり、ゲーム媒体をユーザに所有させるステップは、1つのキャラクタに基づいて生成されるゲーム媒体の種類を抽選で決定することが好ましい。これにより、ユーザは、抽選で手に入れた使い道がない剰余のキャラクタを活用して、実質もう1回抽選に興じながら、ゲーム媒体を手に入れることができる。
【0289】
(項目8) (項目1)から(項目7)までのいずれか1項目において、ゲームパートを進行させるステップは、ユーザのプレイの結果、該ゲームパートの進行が所定の条件を満足する場合に、効果を発動させてもよい。これにより、ユーザは、効果を発動させたいために、所定の条件を満たすべく、戦略を練ってゲームパートをプレイすることを促される。結果として、ゲームの興趣性が一層向上する。
【0290】
(項目9) (項目8)において、ゲームプログラムは、プロセッサに、ゲームパートを進行させるステップにおいてユーザの入力操作を受け付けるための第3ゲーム画面(戦闘画面300)を表示部(152)に表示するステップ(S302)、を実行させ、第3ゲーム画面を表示するステップは、ゲームパートの進行が所定の条件を満足するまでの進捗状況をユーザに通知する第1UI部品(進捗310)を第3ゲーム画面に配置してもよい。これにより、ユーザは、効果を発動させるために、どのようなプレイが必要であるのかを確認しながらゲームパートをプレイすることができる。結果として、ユーザの利便性が向上する。
【0291】
(項目10) ゲームプログラムを実行する方法を説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラムは、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行される。該方法は、プロセッサが(項目1)に記載の各ステップを実行する方法である。(項目10)に係る方法は、(項目1)に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
【0292】
(項目11) 情報処理装置を説明した。本開示のある局面によると、該情報処理装置は、(項目1)に係るゲームプログラムを記憶する記憶部(120)と、該ゲームプログラムを実行することにより、情報処理装置(ユーザ端末100)の動作を制御する制御部(110)とを備える。(項目11)に係る情報処理装置は、(項目1)に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0293】
1 ゲームシステム、2 ネットワーク、10,20 プロセッサ、11,21 メモリ、12,22 ストレージ、13,23 通信IF(操作部)、14,24 入出力IF(操作部)、15 タッチスクリーン(表示部、操作部)、17 カメラ(操作部)、18 測距センサ(操作部)、100 ユーザ端末(情報処理装置)、110,210 制御部、111 操作受付部、112 表示制御部、113 UI制御部、114 アニメーション生成部、115 デッキ編成部、116 出撃準備部、117 クエスト進行部、120,220 記憶部、131 ゲームプログラム、132 ゲーム情報、133 ユーザ情報、151 入力部(操作部)、152 表示部、200 サーバ、211 進行支援部、212 共有支援部、1010 物体、1020 コントローラ(操作部)、1030 記憶媒体