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特許7073310患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータを生成するための、コンピュータ装置の作動方法、コンピュータ装置、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および患者の関節用の整形外科インプラントを製造する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータを生成するための、コンピュータ装置の作動方法、コンピュータ装置、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、および患者の関節用の整形外科インプラントを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/46 20060101AFI20220516BHJP
【FI】
A61F2/46
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019118400
(22)【出願日】2019-06-26
(62)【分割の表示】P 2017229094の分割
【原出願日】2012-02-24
(65)【公開番号】P2019177209
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2019-06-26
(31)【優先権主張番号】2011900673
(32)【優先日】2011-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】505414768
【氏名又は名称】コリン リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CORIN LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】マイルス,ブラッド ピーター
(72)【発明者】
【氏名】オコナー,ピーター ビード
(72)【発明者】
【氏名】ロー,ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】フリッチュ,ブレット
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター,レン
(72)【発明者】
【氏名】マレル,エド
(72)【発明者】
【氏名】ソロモン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ベルジョン,ミルトン スコット
(72)【発明者】
【氏名】ピエールポン,ジェイムス ウィリアム
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-516594(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0029091(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0076563(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科インプラント咬交表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータを生成するための、コンピュータ装置の作動方法であって、かつ各工程をコンピュータのプロセッサが実行するコンピュータ装置の作動方法であって、
上記各工程は、
1つまたはそれ以上の動的および運動学的な特徴を示す患者固有情報データを受信する工程と、
上記患者の関節における組織を示すデータを取り除くために、上記患者固有情報データを篩い分ける工程と、
篩い分けられた後の上記患者固有情報データに基づいて、上記整形外科インプラントのためのデザインデータを算出する工程と、
上記デザインデータに基づき、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータを生成する工程とを含み、
上記組織は、筋肉、脂肪、および皮膚のうちの少なくとも1つを含んでおり、上記患者固有情報データは、上記関節の骨格の外形の映像データおよび上記組織を示すデータを含んでおり、
上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データをさらに備えている、コンピュータ装置の作動方法。
【請求項2】
上記患者取得データは、質問表を介して取得される、請求項1に記載のコンピュータ装置の作動方法。
【請求項3】
上記1つまたはそれ以上の動的および運動学的な特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている請求項1に記載のコンピュータ装置の作動方法。
【請求項4】
上記患者取得データは、移植後活動嗜好データを備えており、
上記移植後活動嗜好データに基づき、上記整形外科インプラントのための移植後デザインデータを算出する工程と、
上記移植後デザインデータにさらに基づき、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータを生成する工程とをさらに含む請求項1に記載のコンピュータ装置の作動方法。
【請求項5】
ライブラリデータのデータベースにアクセスする工程をさらに含んでおり、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータは、上記ライブラリデータに基づきさらに生成される請求項4に記載のコンピュータ装置の作動方法。
【請求項6】
上記ライブラリデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている請求項5に記載のコンピュータ装置の作動方法。
【請求項7】
上記ライブラリデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている請求項5に記載のコンピュータ装置の作動方法。
【請求項8】
整形外科インプラント咬交表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造する方法であって、
請求項1から7のいずれか1項に記載のコンピュータ装置の作動方法を用いて、製造パラメータを生成する工程と、
上記製造パラメータに基づき、上記整形外科インプラントを製造する工程とを含む方法。
【請求項9】
整形外科インプラント咬交表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータを生成するコンピュータ装置であって、
デジタルデータを処理するプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいるデジタルデータを格納し、かつバスを介して上記プロセッサに接続されている記憶装置と、
デジタルデータを送受信し、かつ上記バスを介して上記プロセッサに接続されているデータインタフェースとを備え、
上記プロセッサは、上記データインタフェースを介して、1つまたはそれ以上の動的および運動学的な特徴を示す患者固有情報データを受信するように、上記コンピュータプログラムコードによって制御され、
上記患者固有情報データは、上記関節の骨格の外形の映像データを含んでおり、
上記プロセッサは、上記患者の関節における組織を示すデータを取り除くために、上記患者固有情報データを篩い分けるように、上記コンピュータプログラムコードによって制御され、
上記組織は、筋肉、脂肪、および皮膚のうちの少なくとも1つを含んでおり、
上記プロセッサは、
篩い分けられた後の上記患者固有情報データに基づいて、上記整形外科インプラントのためのデザインデータを算出し、かつ、
上記デザインデータに基づき、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータを算出するように、上記コンピュータプログラムコードによって制御される、コンピュータ装置。
【請求項10】
上記プロセッサは、
上記データインタフェースを介して提供された質問表に応じて、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データを受信し、
上記移植後活動嗜好データに基づき、上記整形外科インプラントのための移植後デザインデータを算出し、
上記移植後デザインデータに基づき、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータを算出するように、上記コンピュータプログラムコードによってさらに制御される請求項9に記載のコンピュータ装置。
【請求項11】
上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である請求項10に記載のコンピュータ装置。
【請求項12】
ライブラリデザインデータを含んでいるデジタルデータを格納するための、上記プロセッサに接続されているデータベースをさらに備えており、
上記プロセッサは、上記データベースから、上記ライブラリデザインデータを読み出すように、上記コンピュータプログラムコードによってさらに制御され、
上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータは、上記ライブラリデザインデータに基づきさらに算出される請求項10に記載のコンピュータ装置。
【請求項13】
コンピュータによって実行されることが可能なコンピュータプログラムコード指令を備えている、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
上記コンピュータプログラムコード指令は、データインタフェースを介して、(i)1つまたはそれ以上の動的および運動学的な特徴、および/または、(ii)1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データ、を示す患者固有情報データ、を受信するように、上記コンピュータによって実行されることが可能であり、
上記患者固有情報データは、整形外科インプラントを装着する患者の関節の骨格の外形の映像データを含んでおり、
上記コンピュータプログラムコード指令は、上記患者の関節における組織を示すデータを取り除くために、上記患者固有情報データを篩い分けるように、上記コンピュータによって実行されることが可能であり、
上記組織は、筋肉、脂肪、および皮膚のうちの少なくとも1つを含んでおり、
上記コンピュータプログラムコード指令は、
篩い分けられた後の上記患者固有情報データに基づいて、整形外科インプラントのためのデザインデータを算出し、かつ、
上記整形外科インプラントを製造するための製造パラメータを算出するように、上記コンピュータによって実行されることが可能である、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の関節用の整形外科インプラントの位置合わせのための位置合わせ情報データを提供するコンピュータ実行方法、コンピュータ装置、およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
上記発明は、主に、患者の膝または臀部の関節用の整形外科インプラントの位置合わせのための位置合わせ情報データを提供することと、患者の膝または臀部の関節への整形外科インプラントの位置合わせの手助けするためのツールを提供することとの用途のために開発されており、本明細書を参照してここに記述される。しかしながら、上記発明はこの特定の用途分野に制限されないことが理解される。
【背景技術】
【0003】
長年、怪我または変成のために関節を整形外科インプラントで置換することが、一般的になっている。より年配の世代が、より健康的な容姿および活発なライフスタイルを追求することによって、より若い年代の頃から関節の変成または怪我を引き起こす頻度が増加している。
【0004】
それゆえ、膝および臀部の関節などの関節は、手術によって修復されるか、またはいくつかの場合には完全に置換されなければならない。関節を置換する現在の方法は、典型的に、整形外科インプラントを配置するための、関節の機能軸の位置合わせを含む。これは、患者の一次機能体重負荷軸に対して整形外科インプラントを位置合わせするための数多くの定位置での物理測定を含む。たとえば、膝関節のために、これは臀部の中心、肘の中心、およびかかとの中心に交わる機能体重負荷軸に基づく整形外科インプラントの位置合わせを含む。
【0005】
現在の標準的な手術の実践では、インプラントを参照点に位置合わせする器具(機械的およびコンピュータ駆動)を用いる。膝における機能軸、および、類似する幾何学的基準系が用いられる(例えば、45度カップ傾斜、15から20度カップ前捻、中性大腿骨軸位置)。
【0006】
インプラントの位置を変えることによって関節の可動範囲を調整する試みもまた知られている。これは、術者の卓越した取り扱いまたは感覚を通じて、あるいは、可動範囲の中央軸のコンピュータによる同定を通じて、いずれも手動で行われる。
【0007】
商業的に入手可能なコンピュータナビゲーションシステムが、現在、機械的位置合わせに関する情報および当該情報からインプラント位置をカスタマイズする能力を提供することもまた、注目される。
【0008】
機能軸位置合わせを用いて位置合わせされる全関節置換は、存続性および長寿命の対しては望ましい結果を示すにも関わらず、機能的患者結果の観点から測定されるときには、しばしば失望的である。すなわち、関節は、人が行うことを望むだろう活動に合致しておらず、それゆえ、人に対して痛みおよび不快感を与える。いくつかの場合、そのような活動によってインプラントが取れてしまいかねない。
【0009】
全関節置換された人が、関節炎のない同類の人に等しいライフスタイルを達成することは、滅多にない。すなわち、全関節置換後の患者機能および生活の質における改善を示す技術が欠けている。
【0010】
上述した問題は、「既製品」の整形外科インプラント設計によって提案される患者の特有さが欠如していることに起因しうる。全ての患者は、年齢、性別、活動レベル、および体型にかかわらず、同じ位置に同じインプラント設計が適用される。しかしながら、すべての患者は同じではない。
【0011】
最近、患者の多様性は、整形外科の技術資料の範囲内では、大きな興味を引いている。話題の例は、男性および女性の膝の大きさの違いである。これによって、全部膝置換(TKR)製造者は、男性および女性のインプラント用に、別々のサイズ範囲を採用するようになっている。
【0012】
これは、今日の実践の場で整形外科術者が出くわす多様性に対処するための、ある程度の方法に過ぎない。多くの出版された研究は、サンプル化された患者の母集団に存在するもっと多くの形態的相違に焦点を当てている。
【0013】
関連する例は、患者の脛骨プラトーの傾きである。男性は、女性において測定された後部傾きとは平均して顕著に異なる後部傾きを有することが測定されている。さらには、顕著なインターセックス変動が観察されている。しかし製造者は、全ての「標準の」推奨された人工関節位置合わせに合致する1つの大きさに脛骨部品を位置合わせするように、膝代用品を移植する術者に推奨する。この位置合わせ推奨は、あなたかが男性または女性であるのなら、あなたがひどい脛骨傾きまたは穏やかな脛骨傾きを持つかに関わらず、あなたが長身か短身かに関わらず、あるいはあなたが高い要求のライフスタイルまたは低い要求のライフスタイルを持つかに関わらず、変わらない。
【0014】
これは、脛骨部品の位置合わせの場合に限ったことではない。術者に一般的に推奨される全ての位置合わせパラメータは、すべての一般化に合致する1つの大きさである。TKR手術に対するこの1つのサイズに合致させるアプローチによって、実用本位の成果が比較的貧しいものになってしまう。
【0015】
同様の一般化は、臀部置換領域にも見いだされうる。すべての患者のための至適基準「臼蓋位置」は、45度の傾きと、前骨盤平面に対する24度の前傾である。骨盤傾斜、骨盤移動、または骨盤こわばりなどの骨盤解剖学的な変化が患者にある場合には、この標準的な位置合わせは不適当になる。
【0016】
映像データおよび高速試作品製造技術を用いた全関節置換手術における機能軸位置合わせを達成するための方法の例は、数ある中でも、Prophecy(登録商標)(Wright MedicalTechnology, Inc.)、Trumatch(登録商標)(DePuy Orthopaedics, Inc. a Johnson & Johnson Company)、Signature(登録商標) Personalized Total Knee Replacement (Biomet, Inc.)、MyKnee(登録商標)(Medacta, International SA)、Zimmer(登録商標)Patient Specific Instruments(Zimmer, Inc.)、Otis Knee(登録商標)(OtisMed, Corp.)、およびVisionaire(登録商標)(Smith & Nephew, Inc.)を含む。
【0017】
コンピュータナビゲーションソフトウェアを用いた全関節置換手術における機能軸位置合わせを達成するための方法の例は、eNact Knee Navigation System(登録商標)(Stryker)およびBrainLab(登録商標)Knee Navigation(BrainLab, Inc.)を含む。
【0018】
ロボット工学システムを用いた全関節置換手術における機能軸位置合わせを達成するための方法の例は、MAKOplasty(登録商標)Partial Knee Resurfacing(Mako Surgical Corp.)を含む。
【0019】
しかしながら、既知の位置合わせプロセスについては、特定の位置合わせに対して患者が以下に反応するに究極的に影響する、数ある中でも年齢、性別、活動レベル、または体型の、プロセスへの考慮(factoring)がない。
【0020】
本発明は、従来技術の少なくともいくつかの欠点を克服または実質的に改良するか、または、代替物を少なくとも提供する、患者の関節用の整形外科インプラントの位置合わせのための位置合わせ情報データを提供するコンピュータ実行方法、コンピュータ装置、およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供しようとする。
【0021】
どなどの従来技術情報がここに参照されていようとも、そのような参照は、上記情報がオーストラリアまたはいかなる他の国において当業界における共通の一般知識の一部を形成することを認めることではないことが、理解される。
【発明の概要】
【0022】
本発明の他の局面によれば、患者の関節用の整形外科インプラントの位置合わせのための位置合わせ情報データを提供するコンピュータ実行方法であって、
患者データを得るための、1つまたはそれ以上の動的特徴を示す患者固有情報データに応答する工程と、
上記整形外科インプラントのための上記位置合わせ情報データを提供する上記患者データに応答する工程とを含むコンピュータ実行方法が提供される。
【0023】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記患者に固有の位置合わせ情報データに基づき、患者の関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0024】
好ましくは、上記位置合わせ情報データは、上記関節の実際の3Dモデルデータを備えている。
【0025】
有利には、3Dモデルデータを備えている上記位置合わせ情報データによって、上記関節に合致するための上記整形外科インプラントの正確な位置合わせが保証される。
【0026】
好ましくは、上記位置合わせ情報データは、1つまたはそれ以上の、上記整形外科インプラントのための位置情報データ、および、上記整形外科インプラントのための回転情報データを備えている。
【0027】
有利には、上記整形外科インプラントのための位置情報データおよび回転情報データを備えている位置合わせ情報データによって、患者の関節に対して整形外科インプラントが正確に配置および回転されることが保証される。
【0028】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データを備えている。
【0029】
有利には、上記整形外科インプラントは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うことできるように、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされる。
【0030】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の動的特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている。
【0031】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記関節運動学データ、関節負荷データ、および、関節咬交挙動データの上記仮想予測によって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされることができ、これにより、対応する上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を上記患者が行うことを可能にする。
【0032】
好ましくは、上記仮想予測は、コンピュータモデル予測を備えている。
【0033】
有利には、上記関節運動学データ、関節負荷データ、および、関節咬交挙動データの上記仮想予測は、上記一つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントの性能を予測するためのコンピュータモデル予測として提供される。
【0034】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の静的特徴を示す。
【0035】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記患者の関節の一つまたはそれ以上の静的特徴を考慮した上記患者の固有の位置合わせ情報データを取得することによって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0036】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、1つまたはそれ以上の、生体機械基準系の耐荷重性軸である。
【0037】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記患者の関節の生体機械基準系の耐荷重性軸を考慮した上記患者の固有の位置合わせ情報データを取得することによって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0038】
好ましくは、上記生体機械基準系の耐荷重性は、一次耐荷重性軸を備えている。
【0039】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記患者の関節の上記一次耐荷重性軸を考慮した上記患者の固有の位置合わせ情報データを取得することによって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0040】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、寛骨基準系、大腿骨基準系、脛骨基準系、および背骨基準系を備えている一群の生体機械基準系のうち少なくとも1つの基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を備えている。
【0041】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2D映像データを備えている。
【0042】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記患者の関節の2D映像データを考慮した位置合わせ情報データを取得することによって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0043】
好ましくは、上記2D映像データは、1つまたはそれ以上の、X線データおよび視覚的透視撮影データを備えている。
【0044】
好ましくは、上記患者固有情報データは、3D映像データを備えている。
【0045】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記患者の関節の3D映像データを考慮した位置合わせ情報データを取得することによって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0046】
好ましくは、上記3D映像データは、1つまたはそれ以上の、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、放射線学データ、およびモーションキャプチャーデータを備えている。
【0047】
好ましくは、上記患者固有情報データは、4D映像データを備えている。
【0048】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記患者の関節の4D映像データを考慮した位置合わせ情報データを取得することによって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0049】
好ましくは、上記4D映像データは、モーションキャプチャーデータを備えている。
【0050】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2Dおよび3D映像データを備えている。
【0051】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記患者の関節の2Dおよび3D映像データを考慮した位置合わせ情報データを取得することによって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0052】
好ましくは、上記患者固有情報データは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を示すデータを備えている。
【0053】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を考慮した位置合わせ情報データを取得することによって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0054】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の身体特徴は、1つまたはそれ以上の、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BMIデータ、体調データ、および体型データを備えている。
【0055】
好ましくは、上記コンピュータ実行方法は、
上記患者データと、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データとに基づき、一組の位置合わせ情報データ候補を決定する工程と、
上記移植後活動嗜好データに基づき、上記一組の位置合わせ情報データ候補から上記位置合わせ情報データを選択する工程とをさらに含んでいる。
【0056】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記一つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うことに対する患者の嗜好を考慮した位置合わせ情報データを取得することによって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0057】
好ましくは、上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である。
【0058】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記一つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うことに対する上記患者の相対的な嗜好を考慮した位置合わせ情報データを取得することによって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0059】
好ましくは、上記コンピュータ実行方法は、ライブラリ位置合わせ情報データのデータベースにアクセスする工程をさらに含んでおり、上記位置合わせ情報データは、上記ライブラリ位置合わせ情報データに基づきさらに選択される。
【0060】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記一つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うためのライブラリ位置合わせ情報データを考慮した位置合わせ情報データを取得することによって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0061】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ情報データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0062】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するライブラリ位置合わせ情報データを考慮した位置合わせ情報データを取得することによって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0063】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ情報データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0064】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するライブラリ位置合わせ情報データを考慮した位置合わせ情報データを取得することによって、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0065】
本発明の他の局面によれば、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法によって生成された位置合わせ情報データに基づき整形外科インプラントを位置合わせする位置合わせシステムを制御する方法が提供される。
【0066】
有利には、上記整形外科インプラントは、上述のように取得された位置合わせ情報データに基づく位置合わせシステムを用いて、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0067】
好ましくは、上記位置合わせシステムは、ロボット位置合わせシステム、ハプティックフィードバック位置合わせシステム、およびコンピュータ補助位置合わせシステムを備えている一群の位置合わせシステムから選択される。
【0068】
有利には、上記整形外科インプラントは、上述のように取得された位置合わせ情報データに基づくロボット位置合わせシステム、ハプティックフィードバック位置合わせシステム、およびコンピュータ補助位置合わせシステムを用いて、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0069】
本発明の他の局面によれば、患者の関節用の整形外科インプラントの位置合わせのための位置合わせ情報データを提供するコンピュータ装置であって、
デジタルデータを処理するプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいるデジタルデータを格納し、かつバスを介して上記プロセッサに接続されている記憶装置と、
デジタルデータを送受信し、かつ上記バスを介して上記プロセッサに接続されているデータインタフェースとを備え、
上記プロセッサは、
上記データインタフェースを介して、1つまたはそれ以上の動的特徴を示す患者固有情報データを受信し、
上記患者固有情報データに基づき、患者データを算出し、かつ、
上記患者データに基づき、上記整形外科インプラントのための上記位置合わせ情報データを算出するように、上記コンピュータプログラムによって制御されるコンピュータ装置が提供される。
【0070】
好ましくは、上記位置合わせ情報データは、上記関節の実際の3Dモデルデータを備えている。
【0071】
好ましくは、上記位置合わせ情報データは、1つまたはそれ以上の、上記整形外科インプラントのための位置情報データ、および、上記整形外科インプラントのための回転情報データを備えている。
【0072】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データを備えている。
【0073】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の動的特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている。
【0074】
好ましくは、上記仮想予測は、コンピュータモデル予測を備えている。
【0075】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の静的特徴を示す。
【0076】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、1つまたはそれ以上の、生体機械基準系の耐荷重性軸である。
【0077】
好ましくは、上記生体機械基準系の耐荷重性は、一次耐荷重性軸を備えている。
【0078】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、寛骨基準系、大腿骨基準系、脛骨基準系、および背骨基準系を備えている一群の生体機械基準系のうち少なくとも1つの基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を備えている。
【0079】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2D映像データである。
【0080】
好ましくは、上記2D映像データは、1つまたはそれ以上の、X線データおよび視覚的透視撮影データを備えている。
【0081】
好ましくは、上記患者固有情報データは、3D映像データを備えている。
【0082】
好ましくは、上記3D映像データは、1つまたはそれ以上の、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、放射線学データ、およびモーションキャプチャーデータを備えている。
【0083】
好ましくは、上記患者固有情報データは、4D映像データを備えている。
【0084】
好ましくは、上記4D映像データは、モーションキャプチャーデータを備えている。
【0085】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2Dおよび3D映像データを備えている。
【0086】
好ましくは、上記患者固有情報データは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を示すデータを備えている。
【0087】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の身体特徴は、1つまたはそれ以上の、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BMIデータ、体調データ、および体型データを備えている。
【0088】
好ましくは、上記プロセッサは、
1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データを、上記データインタフェースを介して受信し、
上記患者データおよび上記患者取得データに基づき、一組の位置合わせ情報データ候補を決定し、
上記移植後活動嗜好データに基づき、上記一組の位置合わせ情報データ候補から上記位置合わせ情報データを選択するように、上記コンピュータプログラムによってさらに制御される。
【0089】
好ましくは、上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である。
【0090】
好ましくは、ライブラリ位置合わせ情報データを含んでいるデジタルデータを格納するための、上記プロセッサに接続されているデータベースをさらに備えており、
上記プロセッサは、上記データベースから上記ライブラリ位置合わせ情報データを読み出すように、上記コンピュータプログラムによってさらに制御され、
上記位置合わせ情報データは、上記ライブラリ位置合わせ情報データに基づきさらに選択される。
【0091】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ情報データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0092】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ情報データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0093】
本発明の他の局面によれば、データインタフェースを介して、1つまたはそれ以上の動的特徴を示す患者固有情報データを受信し、
上記患者固有情報データに基づき、患者データを算出し、かつ、
上記患者データに基づき、上記整形外科インプラントのための上記位置合わせ情報データを算出するための、コンピュータによって実行されることが可能なコンピュータプログラムコード指令を備えているコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0094】
好ましくは、上記位置合わせ情報データは、上記関節の実際の3Dモデルデータを備えている。
【0095】
好ましくは、上記位置合わせ情報データは、1つまたはそれ以上の、上記整形外科インプラントのための位置情報データ、および、上記整形外科インプラントのための回転情報データを備えている。
【0096】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データを備えている。
【0097】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の動的特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている。
【0098】
好ましくは、上記仮想予測は、コンピュータモデル予測を備えている。
【0099】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の静的特徴を示す。
【0100】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、1つまたはそれ以上の、生体機械基準系の耐荷重性軸である。
【0101】
好ましくは、上記生体機械基準系の耐荷重性は、一次耐荷重性軸を備えている。
【0102】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、寛骨基準系、大腿骨基準系、脛骨基準系、および背骨基準系を備えている一群の生体機械基準系のうち少なくとも1つの基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を備えている。
【0103】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2D映像データである。
【0104】
好ましくは、上記2D映像データは、1つまたはそれ以上の、X線データおよび視覚的透視撮影データ。
【0105】
好ましくは、上記患者固有情報データは、3D映像データを備えている。
【0106】
好ましくは、上記3D映像データは、1つまたはそれ以上の、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、放射線学データ、およびモーションキャプチャーデータを備えている。
【0107】
好ましくは、上記患者固有情報データは、4D映像データを備えている。
【0108】
好ましくは、上記4D映像データは、モーションキャプチャーデータを備えている。
【0109】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2Dおよび3D映像データを備えている。
【0110】
好ましくは、上記患者固有情報データは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を示すデータを備えている。
【0111】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の身体特徴は、1つまたはそれ以上の、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BMIデータ、体調データ、および体型データを備えている。
【0112】
好ましくは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データを、上記データインタフェースを介して受信し、
上記患者データおよび上記患者取得データに基づき、一組の位置合わせ情報データ候補を決定し、
上記移植後活動嗜好データに基づき、上記一組の位置合わせ情報データ候補から上記位置合わせ情報データを選択するための指令をさらに備えている。
【0113】
好ましくは、上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である。
【0114】
好ましくは、データベースから、ライブラリ位置合わせ情報データを読み出すための指令をさらに備えており、上記位置合わせ情報データは、上記ライブラリ位置合わせ情報データに基づきさらに選択される。
【0115】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ情報データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0116】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ情報データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0117】
本発明の他の局面によれば、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ装置にデータリンクを介して接続され、かつデジタルデータを送受信するためのインタフェースを備えており、上記インタフェースは、上述したいずれかの段落において言及されたデジタルデータを送受信するように適合されているクライアントコンピュータ装置が提供される。
【0118】
本発明の他の局面によれば、利用可能な一群の整形外科インプラントから、患者の関節用の整形外科インプラントを選択するコンピュータ実行方法であって、
上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法に基づき、患者のための位置合わせ情報データを取得する工程と、
上記利用可能な一群の整形外科インプラントから上記整形外科インプラントを選択するために、上記位置合わせ情報データに応答する工程とを含むコンピュータ実行方法が提供される。
【0119】
好ましくは、上記コンピュータ実行方法は、ライブラリ位置合わせ情報データデータベースを上記位置合わせ情報データで更新するために、選択された上記整形外科インプラントに対して応答する工程をさらに含んでいる。
【0120】
有利には、上記ライブラリ情報データベースは、上記固有の位置合わせ情報データに基づき上記患者の関節に合致することに適した整形外科インプラントが上記一群の整形外科インプラントからいったん選択されると、上記患者の関節に関連づけられる上記位置合わせ情報データで更新されうる。
【0121】
本発明の他の局面によれば、利用可能な一群の整形外科インプラントから、患者の関節用の整形外科インプラントを選択するコンピュータ装置であって、
デジタルデータを処理するプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいるデジタルデータを格納し、かつバスを介して上記プロセッサに接続されている記憶装置と、
デジタルデータを送受信し、かつ上記バスを介して上記プロセッサに接続されているデータインタフェースとを備え、
上記プロセッサは、
上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法に基づき、患者のための位置合わせ情報データを取得し、
上記利用可能な一群の整形外科インプラントから上記整形外科インプラントを選択するために、上記位置合わせ情報データに応答するように、上記コンピュータプログラムによって制御されるコンピュータ装置が提供される。
【0122】
好ましくは、ライブラリ位置合わせ情報データを含んでいるデジタルデータを格納するための、上記プロセッサに接続されているデータベースをさらに備えており、
上記プロセッサは、選択された上記整形外科インプラントに基づき上記データベースを上記位置合わせ情報データで更新するように、上記コンピュータプログラムコードによってさらに制御される。
【0123】
本発明の他の局面によれば、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法に基づき、患者のための位置合わせ情報データを受信し、かつ、
上記利用可能な一群の整形外科インプラントから上記整形外科インプラントを選択するために、上記位置合わせ情報データに応答するための、コンピュータによって実行されることが可能なコンピュータプログラムコード指令、を備えているコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0124】
好ましくは、選択された上記整形外科インプラントに基づき、データベースを上記位置合わせ情報データで更新するための指令をさらに備えている。
【0125】
本発明の他の局面によれば、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ装置にデータリンクを介して接続されている、デジタルデータを送受信するためのインタフェースを備えており、上記インタフェースは、上述したいずれかの段落において言及されたデジタルデータを送受信するように適合されているクライアントコンピュータ装置が提供される。
【0126】
本発明の他の局面によれば、患者の関節に整形外科インプラントを位置合わせするコンピュータ実行方法であって、
上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法に基づき、患者のための位置合わせ情報データを取得する工程と、
上記整形外科インプラントが上記患者の上記関節に対して位置合わせされるように、上記位置合わせ情報データに応答する工程とを含むコンピュータ実行方法が提供される。
【0127】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記患者に固有の上記取得された位置合わせ情報データに基づき、上記患者の関節に対して正確に位置合わせされうる。
【0128】
好ましくは、上記整形外科インプラントは、上記位置合わせ情報データを受信する位置合わせシステムによって位置合わせされる。
【0129】
有利には、上記整形外科インプラントは、上述のように取得された位置合わせ情報データに基づく位置合わせシステムを用いて、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0130】
好ましくは、上記位置合わせシステムは、ロボット位置合わせシステム、ハプティックフィードバック位置合わせシステム、およびコンピュータ補助位置合わせシステムを備えている一群の位置合わせシステムから選択される。
【0131】
有利には、上記整形外科インプラントは、上述のように取得された位置合わせ情報データに基づくロボット位置合わせシステム、ハプティックフィードバック位置合わせシステム、およびコンピュータ補助位置合わせシステムを用いて、上記患者の上記関節に合致するように正確に位置合わせされうる。
【0132】
好ましくは、上記コンピュータ実行方法は、ライブラリ位置合わせ情報データデータベースを上記位置合わせ情報データで更新するために、位置合わせされた上記整形外科インプラントに対して応答する工程をさらに含んでいる。
【0133】
有利には、上記ライブラリ情報データベースは、上記固有の位置合わせ情報データに基づき、上記整形外科インプラントが上記患者の関節に合致するようにいったん位置合わせされると、上記患者の関節に関連づけられる上記位置合わせ情報データで更新されうる。
【0134】
本発明の他の局面によれば、患者の関節に整形外科インプラントを位置合わせするコンピュータ装置であって、
デジタルデータを処理するプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいるデジタルデータを格納し、かつバスを介して上記プロセッサに接続されている記憶装置と、
デジタルデータを送受信し、かつ上記バスを介して上記プロセッサに接続されているデータインタフェースとを備え、
上記プロセッサは、
上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法に基づく、患者のための位置合わせ情報データを、データインタフェースを介して受信し、かつ、
上記整形外科インプラントを上記患者の上記関節に対して位置合わせする位置合わせシステムに、上記データインタフェースを介して上記位置合わせ情報データを送信するように、上記コンピュータプログラムによって制御されるコンピュータ装置が提供される。
【0135】
好ましくは、上記位置合わせシステムは、ロボット位置合わせシステム、ハプティックフィードバック位置合わせシステム、およびコンピュータ補助位置合わせシステムを備えている一群の位置合わせシステムから選択される。
【0136】
好ましくは、ライブラリ位置合わせ情報データを含んでいるデジタルデータを格納するための、上記プロセッサに接続されているデータベースをさらに備えており、
上記プロセッサは、選択された上記整形外科インプラントに基づき上記データベースを上記位置合わせ情報データで更新するように、上記コンピュータプログラムコードによってさらに制御される。
【0137】
本発明の他の局面によれば、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法に基づく患者のための位置合わせ情報データを、データインタフェースを介して受信し、かつ、
上記整形外科インプラントを上記患者の上記関節に対して位置合わせする位置合わせシステムに、上記データインタフェースを介して上記位置合わせ情報データを送信するように、コンピュータによって実行されることが可能なコンピュータプログラムコード指令を備えているコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0138】
本発明の他の局面によれば、上記位置合わせシステムは、ロボット位置合わせシステム、ハプティックフィードバック位置合わせシステム、およびコンピュータ補助位置合わせシステムを備えている一群の位置合わせシステムから選択される請求項90にコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0139】
好ましくは、位置合わせされた上記整形外科インプラントに基づき、データベースを上記位置合わせ情報データで更新するための指令をさらに備えている。
【0140】
本発明の他の局面によれば、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ装置にデータリンクを介して接続され、かつデジタルデータを送受信するためのインタフェースを備えており、上記インタフェースは、上述したいずれかの段落において言及されたデジタルデータを送受信するように適合されているクライアントコンピュータ装置が提供される。
【0141】
本発明の他の局面によれば、患者の関節用の整形外科インプラントの位置合わせをモデル化するコンピュータ実行方法であって、
1つまたはそれ以上の動的特徴を示す、患者データを得るための患者固有情報データに応答する工程と、
上記患者固有情報データに基づき上記整形外科インプラントを位置合わせ形態において示すような上記関節の3Dモデルデータを提供する上記患者データに応答する工程とを含むコンピュータ実行方法が提供される。
【0142】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために正確にモデル化される。
【0143】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の動的特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている。
【0144】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、上記関節運動学データ、関節負荷データ、および関節咬交挙動データに基づく仮想予測によって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために正確にモデル化される。
【0145】
好ましくは、上記仮想予測は、コンピュータモデル予測を備えている。
【0146】
有利には、上記関節運動学データ、関節負荷データ、および関節咬交挙動データに基づく仮想予測は、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に合致させるための上記整形外科インプラントの位置合わせ形態を予測するためのコンピュータモデル予測として提供される。
【0147】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の静的特徴を示す。
【0148】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、上記患者の関節の1つまたはそれ以上の静的特徴を考慮した、上記患者の関節に関連づけられた上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために正確にモデル化される。
【0149】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、1つまたはそれ以上の、生体機械基準系の耐荷重性軸である。
【0150】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、上記患者の関節の上記生体機械基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を考慮した、上記患者の関節に関連づけられた上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために正確にモデル化される。
【0151】
好ましくは、上記生体機械基準系の耐荷重性は、一次耐荷重性軸を備えている。
【0152】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、上記患者の関節の上記一次耐荷重性軸を考慮した、上記患者の関節に関連づけられた上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために正確にモデル化される。
【0153】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、寛骨基準系、大腿骨基準系、脛骨基準系、および背骨基準系を備えている一群の生体機械基準系のうち少なくとも1つの基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を備えている。
【0154】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2D映像データを備えている。
【0155】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、上記患者の関節の上記2D映像データを考慮した、上記患者の関節に関連づけられた上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために正確にモデル化される。
【0156】
好ましくは、上記2D映像データは、1つまたはそれ以上の、X線データおよび視覚的透視撮影データを備えている。
【0157】
好ましくは、上記患者固有情報データは、3D映像データを備えている。
【0158】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、上記患者の関節の上記3D映像データを考慮した、上記患者の関節に関連づけられた上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために正確にモデル化される。
【0159】
好ましくは、上記3D映像データは、1つまたはそれ以上の、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、放射線学データ、およびモーションキャプチャーデータを備えている。
【0160】
好ましくは、上記患者固有情報データは、4D映像データを備えている。
【0161】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、上記患者の関節の上記4D映像データを考慮した、上記患者の関節に関連づけられた上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために正確にモデル化される。
【0162】
好ましくは、上記4D映像データは、モーションキャプチャーデータを備えている。
【0163】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2Dおよび3D映像データを備えている。
【0164】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、上記患者の関節の上記2Dおよび3D映像データを考慮した、上記患者の関節に関連づけられた上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために正確にモデル化される。
【0165】
好ましくは、上記患者固有情報データは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を示すデータを備えている。
【0166】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を考慮した、上記患者の関節に関連づけられた上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために正確にモデル化される。
【0167】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の身体特徴は、1つまたはそれ以上の、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BMIデータ、体調データ、および体型データを備えている。
【0168】
好ましくは、上記コンピュータ実行方法は、上記患者データと、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データとに基づき、一組の位置合わせ形態候補を決定する工程と、
上記移植後活動嗜好データに基づき、上記一組の位置合わせ形態候補から上記位置合わせ形態を選択する工程とをさらに含んでいる。
【0169】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うことへの上記患者の嗜好を考慮した、上記患者の関節に関連づけられた上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために選択される。
【0170】
好ましくは、上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である。
【0171】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うことへの相対的な上記患者の嗜好を考慮した、上記患者の関節に関連づけられた上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために選択される。
【0172】
好ましくは、上記コンピュータ実行方法は、ライブラリ位置合わせ形態データのデータベースにアクセスする工程をさらに含んでおり、上記位置合わせ形態は、上記ライブラリ位置合わせ形態データに基づきさらに選択される。
【0173】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うことに適したライブラリ位置合わせ形態を考慮した、上記患者の関節に関連づけられた上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために選択される。
【0174】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ形態データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0175】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するために以前に他の患者によって選択された利用可能な一群の整形外科インプラントに関連するライブラリ位置合わせ形態を考慮した、上記患者の関節に関連づけられた上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために選択される。
【0176】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ情報データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0177】
有利には、上記整形外科インプラントの上記位置合わせ形態は、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが以前に取り付けられた一群の患者に関連するライブラリ位置合わせ形態を考慮した、上記患者の関節に関連づけられた上記患者固有情報データによって、上記整形外科インプラントを上記患者の関節に対して合致させるために選択される。
【0178】
本発明の他の局面によれば、患者の関節用の整形外科インプラントの位置合わせをモデル化するコンピュータ装置であって、
デジタルデータを処理するプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいるデジタルデータを格納し、かつバスを介して上記プロセッサに接続されている記憶装置と、
デジタルデータを送受信し、かつ上記バスを介して上記プロセッサに接続されているデータインタフェースとを備え、
上記プロセッサは、
上記データインタフェースを介して、1つまたはそれ以上の動的特徴を示す患者固有情報データを受信し、
上記患者固有情報データに基づき、患者データを算出し、かつ、
上記患者固有情報データに基づき上記整形外科インプラントを位置合わせ形態において示すような上記関節の3Dモデルデータを上記患者データに基づき算出するように、上記コンピュータプログラムによって制御されるコンピュータ装置が提供される。
【0179】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の動的特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている。
【0180】
好ましくは、上記仮想予測は、コンピュータモデル予測を備えている。
【0181】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の静的特徴を示す。
【0182】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、1つまたはそれ以上の、生体機械基準系の耐荷重性軸である。
【0183】
好ましくは、上記生体機械基準系の耐荷重性は、一次耐荷重性軸を備えている。
【0184】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、寛骨基準系、大腿骨基準系、脛骨基準系、および背骨基準系を備えている一群の生体機械基準系のうち少なくとも1つの基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を備えている。
【0185】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2D映像データを備えている。
【0186】
好ましくは、上記2D映像データは、1つまたはそれ以上の、X線データおよび視覚的透視撮影データを備えている。
【0187】
好ましくは、上記患者固有情報データは、3D映像データを備えている。
【0188】
好ましくは、上記3D映像データは、1つまたはそれ以上の、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、放射線学データ、およびモーションキャプチャーデータを備えている。
【0189】
好ましくは、上記患者固有情報データは、4D映像データを備えている。
【0190】
好ましくは、上記4D映像データは、モーションキャプチャーデータを備えている。
【0191】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2Dおよび3D映像データを備えている。
【0192】
好ましくは、上記患者固有情報データは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を示すデータを備えている。
【0193】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の身体特徴は、1つまたはそれ以上の、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BMIデータ、体調データ、および体型データを備えている。
【0194】
本発明の他の局面によれば、上記プロセッサは、
1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データを、上記データインタフェースを介して受信し、
上記患者データおよび上記患者取得データに基づき、一組の位置合わせ形態候補を算出し、かつ、
上記移植後活動嗜好データに基づき上記一組の位置合わせ形態候補から上記位置合わせ形態を選択するように、上記コンピュータプログラムによってさらに制御される請求項h115に定義されたコンピュータ装置が提供される。
【0195】
好ましくは、上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である。
【0196】
好ましくは、ライブラリ位置合わせ形態データを含んでいるデジタルデータを格納するための、上記プロセッサに接続されているデータベースをさらに備えており、
上記プロセッサは、上記データベースから、上記ライブラリ位置合わせ形態データを読み出すように、上記コンピュータプログラムによってさらに制御され、
上記位置合わせ形態は、上記ライブラリ位置合わせ形態データに基づきさらに選択される。
【0197】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ形態データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0198】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ形態データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0199】
本発明の他の局面によれば、データインタフェースを介して、1つまたはそれ以上の動的特徴を示す患者固有情報データを受信し、
上記患者固有情報データに基づき、患者データを算出し、かつ、
上記患者固有情報データに基づき上記整形外科インプラントを位置合わせ形態において示すような上記関節の3Dモデルデータを上記患者データに基づき算出するように、コンピュータによって実行されることが可能な、コンピュータプログラムコード指令を備えているコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0200】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の動的特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている。
【0201】
好ましくは、上記仮想予測は、コンピュータモデル予測を備えている。
【0202】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の静的特徴を示す。
【0203】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、1つまたはそれ以上の、生体機械基準系の耐荷重性軸を備えている。
【0204】
好ましくは、上記生体機械基準系の耐荷重性は、一次耐荷重性軸を備えている。
【0205】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、寛骨基準系、大腿骨基準系、脛骨基準系、および背骨基準系を備えている一群の生体機械基準系のうち少なくとも1つの基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を備えている。
【0206】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2D映像データを備えている。
【0207】
好ましくは、上記2D映像データは、1つまたはそれ以上の、X線データおよび視覚的透視撮影データを備えている。
【0208】
好ましくは、上記患者固有情報データは、3D映像データを備えている。
【0209】
好ましくは、上記3D映像データは、1つまたはそれ以上の、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、放射線学データ、およびモーションキャプチャーデータを備えている。
【0210】
好ましくは、上記患者固有情報データは、4D映像データを備えている。
【0211】
好ましくは、上記4D映像データは、モーションキャプチャーデータを備えている。
【0212】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2Dおよび3D映像データを備えている。
【0213】
好ましくは、上記患者固有情報データは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を示すデータを備えている。
【0214】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の身体特徴は、1つまたはそれ以上の、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BMIデータ、体調データ、および体型データを備えている。
【0215】
好ましくは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データを、上記データインタフェースを介して受信し、
上記患者データおよび上記患者取得データに基づき、一組の位置合わせ形態候補を算出し、かつ、
上記移植後活動嗜好データに基づき、上記一組の位置合わせ形態候補から上記位置合わせ形態を選択するための指令をさらに備えている。
【0216】
好ましくは、上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である。
【0217】
好ましくは、データベースから、ライブラリ位置合わせ形態データを読み出すための指令をさらに備えており、上記位置合わせ形態は、上記ライブラリ位置合わせ形態データに基づきさらに選択される。
【0218】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ形態データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0219】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ形態データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0220】
本発明の他の局面によれば、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ装置にデータリンクを介して接続され、かつデジタルデータを送受信するためのインタフェースを備えており、上記インタフェースは、上述したいずれかの段落において言及されたデジタルデータを送受信するように適合されているクライアントコンピュータ装置が提供される。
【0221】
本発明の他の局面によれば、一群の整形外科インプラントから、患者の関節用の整形外科インプラントを選択するコンピュータ実行方法であって、
1つまたはそれ以上の動的特徴を示す、患者データを得るための患者固有情報データに応答する工程と、
実際の3Dモデルデータを提供するための上記患者データに応答する工程と、
上記関節の好ましい3Dモデルデータを提供するための上記患者データに応答する工程と、
上記一群の整形外科インプラントから上記整形外科インプラントを選択するために、上記実際の3Dモデルデータおよび上記好ましい3Dモデルデータを用いる工程とを含むコンピュータ実行方法が提供される。
【0222】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記1つまたはそれ以上の動的特徴に基づき上記関節の上記実際の3Dモデルと好ましい3Dモデルとを比較することによって、上記患者の関節に取り付けるための上記一群の整形外科インプラントから選択されうる。
【0223】
好ましくは、上記コンピュータ実行方法は、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データを受信する工程と、
上記関節の上記好ましい3Dモデルデータをさらに最適化するための上記移植後活動嗜好データに応答する工程とをさらに含んでいる。
【0224】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記関節の上記実際の3Dモデルと、移植後活動嗜好データを考慮した好ましい3Dモデルとを比較することによって、上記患者の関節に取り付けるための上記一群の整形外科インプラントから選択されうる。
【0225】
好ましくは、上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である。
【0226】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記関節の上記実際の3Dモデルと、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うことへの相対的な上記患者の嗜好を考慮した好ましい3Dモデルとを比較することによって、上記患者の関節に取り付けるための上記一群の整形外科インプラントから選択されうる。
【0227】
好ましくは、上記コンピュータ実行方法は、ライブラリ位置合わせ形態データのデータベースにアクセスする工程をさらに含んでおり、上記関節の上記好ましい3Dモデルデータは、上記ライブラリ位置合わせ形態データに基づく上記実際の3Dモデルデータの最適化によってさらに提供される。
【0228】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記関節の上記実際の3Dモデルと、ライブラリ位置合わせ形態データを考慮した好ましい3Dモデルとを比較することによって、上記患者の関節に取り付けるための上記一群の整形外科インプラントから選択されうる。
【0229】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ形態データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0230】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記関節の上記実際の3Dモデルと、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するために以前に他の患者によって選択された利用可能な一群の整形外科インプラントに関連するライブラリ位置合わせ形態データを考慮した好ましい3Dモデルとを比較することによって、上記患者の関節に取り付けるための上記一群の整形外科インプラントから選択されうる。
【0231】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ形態データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0232】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記関節の上記実際の3Dモデルと、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが以前に取り付けられた一群の患者に関連するライブラリ位置合わせ形態データを考慮した好ましい3Dモデルとを比較することによって、上記患者の関節に取り付けるための上記一群の整形外科インプラントから選択されうる。
【0233】
好ましくは、上記コンピュータ実行方法は、上記関節の上記好ましい3Dモデルデータを少なくとも備えているグラフィカルユーザインターフェースを表示する工程をさらに含んでいる。
【0234】
有利には、上記整形外科インプラントは、上記関節の上記実際の3Dモデルと、上記グラフィカルユーザインターフェースに表示された好ましい3Dモデルとを視覚的に比較することによって、上記患者の関節に取り付けるための上記一群の整形外科インプラントから選択されうる。
【0235】
本発明の他の局面によれば、一群の整形外科インプラントから、患者の関節用の整形外科インプラントを選択するコンピュータ装置であって、
デジタルデータを処理するプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいるデジタルデータを格納し、かつバスを介して上記プロセッサに接続されている記憶装置と、
デジタルデータを送受信し、かつ上記バスを介して上記プロセッサに接続されているデータインタフェースとを備え、
上記プロセッサは、
1つまたはそれ以上の動的特徴を示す、患者データを得るための患者固有情報データを受信し、
上記患者データに基づき、実際の3Dモデルデータを算出し、
上記患者データに基づき、上記関節の好ましい3Dモデルデータを算出し、かつ、
上記実際の3Dモデルデータおよび上記好ましい3Dモデルデータに基づき、上記一群の整形外科インプラントから上記整形外科インプラントを選択するように、上記コンピュータプログラムによって制御されるコンピュータ装置が提供される。
【0236】
好ましくは、上記プロセッサは、
1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データを受信し、かつ、
上記移植後活動嗜好データに基づき、上記関節の上記好ましい3Dモデルデータを算出するように、上記コンピュータプログラムによって制御される。
【0237】
好ましくは、上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である。
【0238】
好ましくは、ライブラリ位置合わせ形態データを含んでいるデジタルデータを格納するための、上記プロセッサに接続されているデータベースをさらに備えており、
上記プロセッサは、上記データベースから上記ライブラリ位置合わせ形態データを読み出すように、上記コンピュータプログラムによって制御され、
上記関節の上記好ましい3Dモデルデータは、上記ライブラリ位置合わせ形態データに基づく上記実際の3Dモデルデータの最適化によってさらに算出される。
【0239】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ形態データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0240】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ情報データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0241】
好ましくは、上記プロセッサに接続されている表示装置をさらに備え、
上記表示装置は、上記関節の上記好ましい3Dモデルデータを少なくとも備えているグラフィカルユーザインターフェースを表示するように、上記コンピュータプログラムコードによって制御され、
上記データインタフェースは、少なくとも上記好ましい3Dモデルデータを受信するように、上記コンピュータプログラムコードによって制御される。
【0242】
本発明の他の局面によれば、データインタフェースを介して、1つまたはそれ以上の動的特徴を示す患者固有情報データを受信し、
上記患者データに基づき、上記関節の実際の3Dモデルデータを算出し、
上記患者データに基づき、上記関節の好ましい3Dモデルデータを算出し、かつ、
上記実際の3Dモデルデータおよび上記好ましい3Dモデルデータに基づき、上記一群の整形外科インプラントから上記整形外科インプラントを選択するように、コンピュータによって実行されることが可能な、コンピュータプログラムコード指令を備えているコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0243】
好ましくは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データを、上記データインタフェースを介して受信し、かつ、
上記移植後活動嗜好データに基づき、上記関節の上記好ましい3Dモデルデータを算出するための指令をさらに備えている。
【0244】
好ましくは、上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である。
【0245】
好ましくは、データベースからライブラリ位置合わせ形態データを読み出すための指令をさらに備え、
上記関節の上記好ましい3Dモデルデータは、上記ライブラリ位置合わせ形態データに基づく上記実際の3Dモデルデータの最適化によってさらに算出される。
【0246】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ形態データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0247】
好ましくは、上記ライブラリ位置合わせ形態データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0248】
好ましくは、上記関節の上記好ましい3Dモデルデータを少なくとも備えているグラフィカルユーザインターフェースを表示するための指令をさらに備えている。
【0249】
本発明の他の局面によれば、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ装置にデータリンクを介して接続され、かつデジタルデータを送受信するためのインタフェースを備えており、上記インタフェースは、上述したいずれかの段落において言及されたデジタルデータを送受信するように適合されているクライアントコンピュータ装置が提供される。
【0250】
本発明の他の局面によれば、整形外科インプラント咬交表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータを生成するコンピュータ実行方法であって、
1つまたはそれ以上の動的特徴を示す、患者データを得るための患者固有情報データに応答する工程と、
上記整形外科インプラントのためのデザインデータを算出するために、上記患者データに応答する工程と、
上記デザインデータに基づき、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータを生成する工程とを含むコンピュータ実行方法が提供される。
【0251】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、上記整形外科インプラントのためのデザインデータを算出するための1つまたはそれ以上の動的特性を示す患者固有情報データを考慮することによって、生成されうる。
【0252】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2D映像データを備えている。
【0253】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の2D映像データを考慮することによって、生成されうる。
【0254】
好ましくは、上記2D映像データは、1つまたはそれ以上の、X線データおよび視覚的透視撮影データを備えている。
【0255】
好ましくは、上記患者固有情報データは、3D映像データを備えている。
【0256】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の3D映像データを考慮することによって、生成されうる。
【0257】
好ましくは、上記3D映像データは、1つまたはそれ以上の、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、放射線学データ、およびモーションキャプチャーデータを備えている。
【0258】
好ましくは、上記患者固有情報データは、4D映像データを備えている。
【0259】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の4D映像データを考慮することによって、生成されうる。
【0260】
好ましくは、上記4D映像データは、モーションキャプチャーデータを備えている。
【0261】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2Dおよび3D映像データを備えている。
【0262】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の2Dおよび3D映像データを考慮することによって、生成されうる。
【0263】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データを備えている。
【0264】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を考慮することによって、生成されうる。
【0265】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の動的特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている。
【0266】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、上記関節運動学データ、関節負荷データ、および関節咬交挙動データに基づく仮想予測を考慮することによって、生成されうる。
【0267】
好ましくは、上記仮想予測は、コンピュータモデル予測を備えている。
【0268】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、コンピュータモデル予測として提供される、関節運動学データ、関節負荷データ、および関節咬交挙動データに基づく上記仮想予測を考慮することによって、生成されうる。
【0269】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の静的特徴を示す。
【0270】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の1つまたはそれ以上の静的特徴を考慮することによって、生成されうる。
【0271】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、1つまたはそれ以上の、生体機械基準系の耐荷重性軸である。
【0272】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の生体機械基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を考慮することによって、生成されうる。
【0273】
好ましくは、上記生体機械基準系の耐荷重性は、一次耐荷重性軸を備えている。
【0274】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の上記一次耐荷重性軸を考慮することによって、生成されうる。
【0275】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、寛骨基準系、大腿骨基準系、脛骨基準系、および背骨基準系を備えている一群の生体機械基準系のうち少なくとも1つの基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を備えている。
【0276】
好ましくは、上記患者固有情報データは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を示すデータを備えている。
【0277】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を考慮することによって、生成されうる。
【0278】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の身体特徴は、1つまたはそれ以上の、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BMIデータ、体調データ、および体型データを備えている。
【0279】
好ましくは、上記コンピュータ実行方法は、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データを受信する工程と、
上記整形外科インプラントのための移植後デザインデータを算出するために、上記移植後活動嗜好データに応答する工程と、
上記移植後デザインデータにさらに基づき、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータを生成する工程とをさらに含んでいる。
【0280】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うことへの上記患者の嗜好を考慮することによって、生成されうる。
【0281】
好ましくは、上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である。
【0282】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うことへの相対的な上記患者の嗜好を考慮することによって、生成されうる。
【0283】
好ましくは、上記コンピュータ実行方法は、ライブラリデザインデータのデータベースにアクセスする工程をさらに含んでおり、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータは、上記ライブラリ位置合わせ情報データに基づきさらに生成されうる。
【0284】
好ましくは、上記ライブラリデザインデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0285】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するライブラリデザインデータを考慮することによって、生成されうる。
【0286】
好ましくは、上記ライブラリデザインデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0287】
有利には、所望の関節表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するライブラリデザインデータを考慮することによって、生成されうる。
【0288】
本発明の他の局面によれば、整形外科インプラント咬交表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造する方法であって、
上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法を用いて、製造パラメータを生成する工程と、
上記製造パラメータに基づき、上記整形外科インプラントを製造する工程とを含む方法が提供される。
【0289】
有利には、所望の関節表面を有する整形外科インプラントは、上述のように生成される製造パラメータを考慮することによって、製造されうる。
【0290】
好ましくは、上記整形外科インプラントは、付加製造法および減製造法のうち1つまたは両方を備えている製造法を用いて製造される。
【0291】
有利には、所望の関節表面を有する整形外科インプラントは、付加製造法および減製造法のうちいずれかに基づき製造されうる。
【0292】
好ましくは、上記付加製造法は、1つまたはそれ以上の、ステレオリソグラフィー(SLA)、選択的レーザ焼結(SLS)、直接金属レーザ焼結(DMLS)、電子ビーム融解(EBM)、および3D印刷(3DP)を備えている。
【0293】
好ましくは、上記減製造法は、1つまたはそれ以上の、バイオマシニング、砥粒流動加工、アブレイシブジェット加工、ミリング、レーザ切断、および水ジェット切断を備えている。
【0294】
本発明の他の局面によれば、上述したいずれかの段落に定義された方法を用いて製造される、整形外科インプラント咬交表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントが提供される。
【0295】
本発明の他の局面によれば、整形外科インプラント咬交表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータを生成するコンピュータ装置であって、
デジタルデータを処理するプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいるデジタルデータを格納し、かつバスを介して上記プロセッサに接続されている記憶装置と、
デジタルデータを送受信し、かつ上記バスを介して上記プロセッサに接続されているデータインタフェースとを備え、
上記プロセッサは、
上記データインタフェースを介して、1つまたはそれ以上の動的特徴を示す患者固有情報データを受信し、
上記患者固有情報データに基づき、患者データを算出し、
上記患者データに基づき、上記整形外科インプラントのためのデザインデータを算出し、かつ、
上記デザインデータに基づき、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータを算出するように、上記コンピュータプログラムによって制御されるコンピュータ装置が提供される。
【0296】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2D映像データを備えている。
【0297】
好ましくは、上記2D映像データは、1つまたはそれ以上の、X線データおよび視覚的透視撮影データを備えている。
【0298】
好ましくは、上記患者固有情報データは、3D映像データを備えている。
【0299】
好ましくは、上記3D映像データは、1つまたはそれ以上の、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、放射線学データ、およびモーションキャプチャーデータを備えている。
【0300】
好ましくは、上記患者固有情報データは、4D映像データを備えている。
【0301】
好ましくは、上記4D映像データは、モーションキャプチャーデータを備えている。
【0302】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2Dおよび3D映像データを備えている。
【0303】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データを備えている。
【0304】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の動的特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている。
【0305】
好ましくは、上記仮想予測は、コンピュータモデル予測を備えている。
【0306】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の静的特徴を示す。
【0307】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、1つまたはそれ以上の、生体機械基準系の耐荷重性軸である。
【0308】
好ましくは、上記生体機械基準系の耐荷重性は、一次耐荷重性軸を備えている。
【0309】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、寛骨基準系、大腿骨基準系、脛骨基準系、および背骨基準系を備えている一群の生体機械基準系のうち少なくとも1つの基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を備えている。
【0310】
好ましくは、上記患者固有情報データは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を示す。
【0311】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の身体特徴は、1つまたはそれ以上の、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BMIデータ、体調データ、および体型データを備えている。
【0312】
好ましくは、上記プロセッサは、
1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データを、上記データインタフェースを介して受信し、
上記移植後活動嗜好データに基づき、上記整形外科インプラントのための移植後デザインデータを算出し、
上記移植後デザインデータに基づき、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータを算出するように、上記コンピュータプログラムによってさらに制御される。
【0313】
好ましくは、上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である。
【0314】
好ましくは、ライブラリデザインデータを含んでいるデジタルデータを格納するための、上記プロセッサに接続されているデータベースをさらに備えており、
上記プロセッサは、上記データベースから、上記ライブラリデザインデータを読み出すように、上記コンピュータプログラムによってさらに制御され、
上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータは、上記ライブラリデザインデータに基づきさらに算出される。
【0315】
好ましくは、上記ライブラリデザインデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0316】
好ましくは、上記ライブラリデザインデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0317】
本発明の他の局面によれば、患者データを取得するための、1つまたはそれ以上の動的特徴を示す患者固有情報データを、データインタフェースを介して受信し、
上記患者固有情報データに基づき、患者データを算出し、
上記患者データに基づき、整形外科インプラントのためのデザインデータを算出し、かつ、
上記整形外科インプラントを製造するための製造パラメータを算出するように、コンピュータによって実行されることが可能な、コンピュータプログラムコード指令を備えているコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0318】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2D映像データを備えている。
【0319】
好ましくは、上記2D映像データは、1つまたはそれ以上の、X線データおよび視覚的透視撮影データを備えている。
【0320】
好ましくは、上記患者固有情報データは、3D映像データを備えている。
【0321】
好ましくは、上記3D映像データは、1つまたはそれ以上の、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、放射線学データ、およびモーションキャプチャーデータを備えている。
【0322】
好ましくは、上記患者固有情報データは、4D映像データを備えている。
【0323】
好ましくは、上記4D映像データは、モーションキャプチャーデータを備えている。
【0324】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2Dおよび3D映像データを備えている。
【0325】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データを備えている。
【0326】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の動的特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている。
【0327】
好ましくは、上記仮想予測は、コンピュータモデル予測を備えている。
【0328】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の静的特徴を示す。
【0329】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、1つまたはそれ以上の、生体機械基準系の耐荷重性軸である。
【0330】
好ましくは、上記生体機械基準系の耐荷重性は、一次耐荷重性軸を備えている。
【0331】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、寛骨基準系、大腿骨基準系、脛骨基準系、および背骨基準系を備えている一群の生体機械基準系のうち少なくとも1つの基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を備えている。
【0332】
好ましくは、上記患者固有情報データは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を示す。
【0333】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の身体特徴は、1つまたはそれ以上の、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BMIデータ、体調データ、および体型データを備えている。
【0334】
好ましくは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データを、上記データインタフェースを介して受信し、
上記移植後活動嗜好データに基づき、上記整形外科インプラントのための移植後デザインデータを算出し、かつ、
上記移植後デザインデータに基づき、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータを算出するための指令をさらに備えている。
【0335】
好ましくは、上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である。
【0336】
好ましくは、上記ライブラリデザインデータをデータベース読み出すための指令をさらに備えており、
上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータは、上記ライブラリデザインデータに基づきさらに算出される。
【0337】
好ましくは、上記ライブラリデザインデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0338】
好ましくは、上記ライブラリデザインデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0339】
本発明の他の局面によれば、整形外科インプラントへのアタッチメントのためのカスタム咬交を製造するための製造パラメータを生成するコンピュータ実行方法であって、
上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法に基づき、デザインデータを受信する工程と、
上記デザインデータに基づき、上記カスタム咬交を製造するための上記製造パラメータを生成する工程とを含むコンピュータ実行方法が提供される。
【0340】
有利には、整形外科インプラントへのアタッチメントのためのカスタム咬交を製造するための製造パラメータは、上記整形外科インプラントのための上記製造パラメータを生成するために算出される上記デザインデータを考慮することによって、生成されうる。
【0341】
好ましくは、上記コンピュータ実行方法は、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法に基づき、移植後デザインデータを受信する工程と、
上記移植後デザインデータに基づき、上記カスタム咬交を製造するための上記製造パラメータを生成する工程とをさらに含んでいる。
【0342】
有利には、整形外科インプラントへのアタッチメントのためのカスタム咬交を製造するための製造パラメータは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うことへの上記患者の嗜好に対応する上記移植後デザインデータを考慮することによって、さらに生成されうる。
【0343】
好ましくは、上記コンピュータ実行方法は、ライブラリデザインデータのデータベースにアクセスする工程をさらに含み、
上記カスタム咬交を製造するための上記製造パラメータは、上記ライブラリデザインデータに基づきさらに生成されうる。
【0344】
有利には、整形外科インプラントへのアタッチメントのためのカスタム咬交を製造するための製造パラメータは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うことに適した上記ライブラリデザインデータを考慮することによって、さらに生成されうる。
【0345】
好ましくは、上記ライブラリデザインデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0346】
有利には、整形外科インプラントへのアタッチメントのためのカスタム咬交を製造するための製造パラメータは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するために以前に他の患者によって選択された利用可能な一群の整形外科インプラントに関連するライブラリデザインデータを考慮することによって、さらに生成されうる。
【0347】
好ましくは、上記ライブラリデザインデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0348】
有利には、整形外科インプラントへのアタッチメントのためのカスタム咬交を製造するための製造パラメータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが以前に取り付けられた一群の患者に関連するライブラリデザインデータを考慮することによって、さらに生成されうる。
【0349】
本発明の他の局面によれば、整形外科インプラントへのアタッチメントのためのカスタム咬交を製造するコンピュータ実行方法であって、
上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法を用いて、製造パラメータを生成する工程と、
上記製造パラメータに基づき、上記カスタム咬交を製造する工程とを含む方法が提供される。
【0350】
有利には、カスタム咬交は、上述のように生成される上記製造パラメータを考慮することによって、製造されうる。
【0351】
好ましくは、上記カスタム咬交は、付加製造法および減製造法のうち1つまたは両方を備えている製造法を用いて製造される。
【0352】
有利には、カスタム咬交は、付加製造法または減製造法のいずれかによって製造されうる。
【0353】
好ましくは、上記付加製造法は、1つまたはそれ以上の、ステレオリソグラフィー(SLA)、選択的レーザ焼結(SLS)、直接金属レーザ焼結(DMLS)、電子ビーム融解(EBM)、および3D印刷(3DP)を備えている。
【0354】
好ましくは、上記減製造法は、1つまたはそれ以上の、バイオマシニング、砥粒流動加工、アブレイシブジェット加工、ミリング、レーザ切断、および水ジェット切断を備えている。
【0355】
本発明の他の局面によれば、上述したいずれかの段落に定義された方法を用いて製造される、整形外科インプラントへのアタッチメントのためのカスタム咬交が提供される。
【0356】
本発明の他の局面によれば、整形外科インプラントへのアタッチメントのためのカスタム咬交を製造するための製造パラメータを生成するコンピュータ装置であって、
デジタルデータを処理するプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいるデジタルデータを格納し、かつバスを介して上記プロセッサに接続されている記憶装置と、
デジタルデータを送受信し、かつ上記バスを介して上記プロセッサに接続されているデータインタフェースとを備え、
上記プロセッサは、
上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法に基づき、デザインデータを受信し、かつ、
上記デザインデータに基づき、上記カスタム咬交を製造するための上記製造パラメータを生成するように、上記コンピュータプログラムによって制御されるコンピュータ装置が提供される。
【0357】
好ましくは、上記プロセッサは、
上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法に基づき、上記データインタフェースを介して、移植後デザインデータを受信し、かつ、
上記移植後デザインデータに基づき、上記カスタム咬交を製造するための上記製造パラメータを生成するように、上記コンピュータプログラムによってさらに制御される。
【0358】
好ましくは、ライブラリデザインデータを含んでいるデジタルデータを格納するための、上記プロセッサに接続されているデータベースをさらに備えており、
上記プロセッサは、上記データベースから上記ライブラリデザインデータを読み出すように、上記コンピュータプログラムによってさらに制御され、
上記カスタム咬交を製造するための上記製造パラメータは、上記ライブラリデザインデータに基づきさらに算出される。
【0359】
好ましくは、上記ライブラリデザインデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0360】
好ましくは、上記ライブラリデザインデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0361】
本発明の他の局面によれば、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法に基づき定義されたデザインデータを、データインタフェースを通じて受信し、かつ、
上記デザインデータに基づき、カスタム咬交を製造するための製造パラメータを生成するようにコンピュータによって実行されることが可能な、コンピュータプログラムコード指令を備えているコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0362】
好ましくは、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法に基づく移植後デザインデータを、上記データインタフェースを通じて受信し、かつ、
上記移植後デザインデータに基づき、上記カスタム咬交を製造するための上記製造パラメータを生成するための指令をさらに備えている。
【0363】
好ましくは、データベースから、ライブラリデザインデータを読み出すための指令をさらに備え、
上記カスタム咬交を製造するための上記製造パラメータは、上記ライブラリデザインデータに基づきさらに算出される。
【0364】
好ましくは、上記ライブラリデザインデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている。
【0365】
好ましくは、上記ライブラリデザインデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている。
【0366】
本発明の他の局面によれば、患者の関節に整形外科インプラントを位置合わせするための患者固有の治具を製造するための製造パラメータを生成するコンピュータ実行方法であって、
1つまたはそれ以上の動的特徴を示す、患者データを得るための患者固有情報データに応答する工程と、
上記患者固有の治具のための治具デザインデータを算出するための上記患者データに応答する工程と、
上記デザインデータに基づき、上記患者固有の治具を製造するための上記製造パラメータを生成する工程とを含むコンピュータ実行方法が提供される。
【0367】
有利には、患者固有の治具を製造するための製造パラメータは、上記患者固有の治具を上記患者の上記関節に取り付けることを可能にする治具デザインデータを算出するための患者固有情報データを考慮することによって、生成されうる。
【0368】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データを備えている。
【0369】
有利には、患者固有の治具を製造するための製造パラメータは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を考慮することによって、生成されうる。
【0370】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の動的特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている。
【0371】
好ましくは、上記仮想予測は、コンピュータモデル予測を備えている。
【0372】
有利には、患者固有の治具を製造するための製造パラメータは、上記関節運動学データ、関節負荷データ、および関節咬交挙動データに基づく仮想予測を考慮することによって、生成されうる。
【0373】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の静的特徴を示す。
【0374】
有利には、患者固有の治具を製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の1つまたはそれ以上の静的特徴を考慮した患者固有情報データことによって、生成されうる。
【0375】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、1つまたはそれ以上の、生体機械基準系の耐荷重性軸である。
【0376】
有利には、患者固有の治具を製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の上記生体機械基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を考慮した患者固有情報データを取得することによって、生成されうる。
【0377】
好ましくは、上記生体機械基準系の耐荷重性は、一次耐荷重性軸を備えている。
【0378】
有利には、患者固有の治具を製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の上記一次耐荷重性軸を考慮した患者固有情報データを取得することによって、生成されうる。
【0379】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、寛骨基準系、大腿骨基準系、脛骨基準系、および背骨基準系を備えている一群の生体機械基準系のうち少なくとも1つの基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を備えている。
【0380】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2D映像データを備えている。
【0381】
有利には、患者固有の治具を製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の2D映像データを考慮した患者固有情報データを取得することによって、生成されうる。
【0382】
好ましくは、上記2D映像データは、1つまたはそれ以上の、X線データおよび視覚的透視撮影データを備えている。
【0383】
好ましくは、上記患者固有情報データは、3D映像データを備えている。
【0384】
有利には、患者固有の治具を製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の3D映像データを考慮した患者固有情報データを取得することによって、生成されうる。
【0385】
好ましくは、上記3D映像データは、1つまたはそれ以上の、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、放射線学データ、およびモーションキャプチャーデータを備えている。
【0386】
好ましくは、上記患者固有情報データは、4D映像データを備えている。
【0387】
有利には、患者固有の治具を製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の4D映像データを考慮した患者固有情報データを取得することによって、生成されうる。
【0388】
好ましくは、上記4D映像データは、モーションキャプチャーデータを備えている。
【0389】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2Dおよび3D映像データを備えている。
【0390】
有利には、患者固有の治具を製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の2Dおよび3D映像データを考慮した患者固有情報データを取得することによって、生成されうる。
【0391】
好ましくは、上記患者固有情報データは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を示す。
【0392】
有利には、患者固有の治具を製造するための製造パラメータは、上記患者の関節の1つまたはそれ以上の静的特徴を考慮した患者固有情報データを取得することによって、生成されうる。
【0393】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の身体特徴は、1つまたはそれ以上の、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BMIデータ、体調データ、および体型データを備えている。
【0394】
本発明の他の局面によれば、患者の関節に整形外科インプラントを位置合わせするための患者固有の治具を製造する方法であって、
上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法を用いて、製造パラメータを生成する工程と、
上記製造パラメータに基づき、上記患者固有の治具を製造する工程とを含む方法が提供される。
【0395】
好ましくは、上記患者固有の治具は、付加製造法および減製造法のうち1つまたは両方を備えている製造法を用いて製造される。
【0396】
好ましくは、上記付加製造法は、1つまたはそれ以上の、ステレオリソグラフィー(SLA)、選択的レーザ焼結(SLS)、直接金属レーザ焼結(DMLS)、電子ビーム融解(EBM)、および3D印刷(3DP)を備えている。
【0397】
好ましくは、上記減製造法は、1つまたはそれ以上の、バイオマシニング、砥粒流動加工、アブレイシブジェット加工、ミリング、レーザ切断、および水ジェット切断を備えている。
【0398】
本発明の他の局面によれば、上述したいずれかの段落に定義された方法を用いて製造される、整形外科インプラントを患者の関節に位置合わせするための患者固有の治具が提供される。
【0399】
本発明の他の局面によれば、整形外科インプラントを患者の関節に位置合わせするための患者固有の治具を製造するための製造パラメータを生成するコンピュータ装置であって、
デジタルデータを処理するプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいるデジタルデータを格納し、かつバスを介して上記プロセッサに接続されている記憶装置と、
デジタルデータを送受信し、かつ上記バスを介して上記プロセッサに接続されているデータインタフェースとを備え、
上記プロセッサは、
1つまたはそれ以上の動的特徴を示す、患者データを得るための患者固有情報データに受信し、
上記患者固有情報データに基づき、患者データを算出し、
上記患者データに基づき、上記患者固有の治具のための治具デザインデータを算出し、かつ、
上記治具デザインデータに基づき、上記患者固有の治具を製造するための上記製造パラメータを算出するように上記コンピュータプログラムによって制御されるコンピュータ装置が提供される。
【0400】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データを備えている。
【0401】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の動的特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている。
【0402】
好ましくは、上記仮想予測は、コンピュータモデル予測を備えている。
【0403】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の静的特徴を示す。
【0404】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、1つまたはそれ以上の、生体機械基準系の耐荷重性軸である。
【0405】
好ましくは、上記生体機械基準系の耐荷重性は、一次耐荷重性軸を備えている。
【0406】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、寛骨基準系、大腿骨基準系、脛骨基準系、および背骨基準系を備えている一群の生体機械基準系のうち少なくとも1つの基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を備えている。
【0407】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2D映像データを備えている。
【0408】
好ましくは、上記2D映像データは、1つまたはそれ以上の、X線データおよび視覚的透視撮影データを備えている。
【0409】
好ましくは、上記患者固有情報データは、3D映像データを備えている。
【0410】
好ましくは、上記3D映像データは、1つまたはそれ以上の、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、放射線学データ、およびモーションキャプチャーデータを備えている。
【0411】
好ましくは、上記患者固有情報データは、4D映像データを備えている。
【0412】
好ましくは、上記4D映像データは、モーションキャプチャーデータを備えている。
【0413】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2Dおよび3D映像データを備えている。
【0414】
好ましくは、上記患者固有情報データは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を示すデータ。
【0415】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の身体特徴は、1つまたはそれ以上の、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BMIデータ、体調データ、および体型データを備えている。
【0416】
本発明の他の局面によれば、1つまたはそれ以上の動的特徴を示す、患者データを得るための患者固有情報データを、データインタフェースを介して受信し、
上記患者固有情報データに基づき、患者データを算出し、
上記患者データに基づき、上記患者固有の治具のための治具デザインデータを算出し、かつ、
上記治具デザインデータに基づき、上記患者固有の治具を製造するための上記製造パラメータを算出するように、コンピュータによって実行されることが可能な、コンピュータプログラムコード指令を備えているコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0417】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データを備えている。
【0418】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の動的特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている。
【0419】
好ましくは、上記仮想予測は、コンピュータモデル予測を備えている。
【0420】
好ましくは、上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の静的特徴を示す。
【0421】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、1つまたはそれ以上の、生体機械基準系の耐荷重性軸である。
【0422】
好ましくは、上記生体機械基準系の耐荷重性は、一次耐荷重性軸を備えている。
【0423】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、寛骨基準系、大腿骨基準系、脛骨基準系、および背骨基準系を備えている一群の生体機械基準系のうち少なくとも1つの基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を備えている。
【0424】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2D映像データを備えている。
【0425】
好ましくは、上記2D映像データは、1つまたはそれ以上の、X線データおよび視覚的透視撮影データを備えている。
【0426】
好ましくは、上記患者固有情報データは、3D映像データを備えている。
【0427】
好ましくは、上記3D映像データは、1つまたはそれ以上の、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、放射線学データ、およびモーションキャプチャーデータを備えている。
【0428】
好ましくは、上記患者固有情報データは、4D映像データを備えている。
【0429】
好ましくは、上記4D映像データは、モーションキャプチャーデータを備えている。
【0430】
好ましくは、上記患者固有情報データは、2Dおよび3D映像データを備えている。
【0431】
好ましくは、上記患者固有情報データは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を示す。
【0432】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上の身体特徴は、1つまたはそれ以上の、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BMIデータ、体調データ、および体型データを備えている。
【0433】
本発明の他の局面によれば、一群の整形外科インプラントのためのインプラントデザインデータを算出するコンピュータ実行方法であって、
患者ライブラリデータを受信する工程と、
インプラント範囲データを受信する工程と、
上記患者ライブラリデータおよび上記インプラント範囲データに基づき、上記一群の整形外科インプラントのためのインプラントデザインデータを算出する工程とを含むコンピュータ実行方法が提供される。
【0434】
有利には、インプラントデザインデータは、患者ライブラリデータおよびインプラント範囲データを考慮することによって、一群の整形外科インプラントのために算出されうる。
【0435】
好ましくは、上記患者ライブラリデータは、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法によって提供される複数の患者の複数の整形外科インプラントの位置合わせ情報データを備えている。
【0436】
有利には、インプラントデザインデータは、複数の患者の複数の整形外科インプラントの位置合わせ情報データを考慮することによって、一群の整形外科インプラントのために算出されうる。
【0437】
好ましくは、上記インプラント範囲データは、ユーザ入力要求に基づき選択される上記患者ライブラリデータの、1つまたはそれ以上のサブセットを示す。
【0438】
有利には、インプラントデザインデータは、上記患者ライブラリデータの1つまたはそれ以上のサブセットを選択することによって、一群の整形外科インプラントのために算出されうる。
【0439】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上のサブセットの少なくとも1つは、1つまたはそれ以上の移植後活動を実行するための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者から選択される満足した患者の数に関する患者満足データを備えている。
【0440】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上のサブセットの少なくとも1つは、1つまたはそれ以上の移植後活動のための一群の整形外科インプラントから選択される整形外科インプラントの数に関するインプラント活動データを備えている。
【0441】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上のサブセットの少なくとも1つは、1つまたはそれ以上の移植後活動のための一群の整形外科インプラントから選択される整形外科インプラントの特定のサイズ範囲に関するインプラントサイズデータを備えている。
【0442】
好ましくは、上記インプラント範囲データに基づく上記患者ライブラリデータの篩い分けに基づき、改定された患者ライブラリデータが算出される。
【0443】
有利には、インプラントデザインデータは、インプラント範囲データに基づき篩い分けされる上記患者ライブラリデータを考慮することによって、一群の整形外科インプラントのために算出されうる。
【0444】
好ましくは、上記インプラントデザインデータは、上記改定された患者ライブラリデータの統計的分析に基づき算出される。
【0445】
有利には、インプラントデザインデータは、上記インプラント範囲データに基づき改訂された上記患者ライブラリデータの統計的分析によって、一群の整形外科インプラントのために算出される。
【0446】
好ましくは、上記統計的分析は、回帰分析および最小二乗分析を備えている一群の統計的分析から選択される。
【0447】
本発明の他の局面によれば、一群の整形外科インプラントのためのインプラントデザインデータを算出するコンピュータ装置であって、
デジタルデータを処理するプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいるデジタルデータを格納し、かつバスを介して上記プロセッサに接続されている記憶装置と、
デジタルデータを送受信し、かつ上記バスを介して上記プロセッサに接続されているデータインタフェースとを備え、
上記プロセッサは、
データインタフェースを介して、患者ライブラリデータを受信し、
上記データインタフェースを介して、インプラント範囲データを受信し、かつ、
上記患者ライブラリデータおよび上記インプラント範囲データに基づき、一群の整形外科インプラントのためのインプラントデザインデータを算出するように、上記コンピュータプログラムによって制御されるコンピュータ装置が提供される。
【0448】
好ましくは、上記患者ライブラリデータは、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法によって提供される複数の患者の複数の整形外科インプラントの位置合わせ情報データを備えている。
【0449】
好ましくは、上記インプラント範囲データは、ユーザ入力要求に基づき選択される上記患者ライブラリデータの、1つまたはそれ以上のサブセットを示す。
【0450】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上のサブセットの少なくとも1つは、1つまたはそれ以上の移植後活動を実行するための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者から選択される満足した患者の数に関する。
【0451】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上のサブセットの少なくとも1つは、1つまたはそれ以上の移植後活動のための一群の整形外科インプラントから選択される整形外科インプラントの数に関するインプラント活動データを備えている。
【0452】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上のサブセットの少なくとも1つは、1つまたはそれ以上の移植後活動のための一群の整形外科インプラントから選択される整形外科インプラントの特定のサイズ範囲に関するインプラントサイズデータを備えている。
【0453】
好ましくは、上記インプラント範囲データに基づく上記患者ライブラリデータの篩い分けに基づき、改定された患者ライブラリデータが算出される。
【0454】
好ましくは、上記インプラントデザインデータは、上記改定された患者ライブラリデータの統計的分析に基づき算出される。
【0455】
好ましくは、上記統計的分析は、回帰分析および最小二乗分析を備えている一群の統計的分析から選択される。
【0456】
本発明の他の局面によれば、データインタフェースを介して、患者ライブラリデータを受信し、
上記データインタフェースを介して、インプラント範囲データを受信し、かつ、
上記患者ライブラリデータおよび上記インプラント範囲データに基づき、一群の整形外科インプラントのためのインプラントデザインデータを算出するように、コンピュータによって実行されることが可能な、コンピュータプログラムコード指令を備えているコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0457】
好ましくは、上記患者ライブラリデータは、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ実行方法によって提供される複数の患者の複数の整形外科インプラントの位置合わせ情報データを備えている。
【0458】
好ましくは、上記インプラント範囲データは、ユーザ入力要求に基づき選択される上記患者ライブラリデータの、1つまたはそれ以上のサブセットを示す。
【0459】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上のサブセットの少なくとも1つは、1つまたはそれ以上の移植後活動を実行するための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者から選択される満足した患者の数に関する。
【0460】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上のサブセットの少なくとも1つは、1つまたはそれ以上の移植後活動のための一群の整形外科インプラントから選択される整形外科インプラントの数に関するインプラント活動データを備えている。
【0461】
好ましくは、上記1つまたはそれ以上のサブセットの少なくとも1つは、1つまたはそれ以上の移植後活動のための一群の整形外科インプラントから選択される整形外科インプラントの特定のサイズ範囲に関するインプラントサイズデータを備えている。
【0462】
好ましくは、上記インプラント範囲データに基づく上記患者ライブラリデータの篩い分けに基づき、改定された患者ライブラリデータが算出される。
【0463】
好ましくは、上記インプラントデザインデータは、上記改定された患者ライブラリデータの統計的分析に基づき算出される。
【0464】
好ましくは、上記統計的分析は、回帰分析および最小二乗分析を備えている一群の統計的分析から選択される。
【0465】
本発明の他の局面によれば、上述したいずれかの段落に定義されたコンピュータ装置にデータリンクを介して接続され、かつデジタルデータを送受信するためのインタフェースを備えており、上記インタフェースは、上述したいずれかの段落において言及されたデジタルデータを送受信するように適合されているクライアントコンピュータ装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0466】
以下の説明において、それぞれの実施形態で類似または同一の部材番号は、同じまたは類似の特徴を示すことに留意されたい。
【0467】
図1は、ここで説明する種々の実施形態が備え得るコンピュータ装置100を示している。コンピュータプログラムコード指令は、ダイナミックリンクライブラリ(dynamic link libraries, DLL)のように、1つ以上のコンピュータプログラムコード指令ライブラリに分割されていてよく、それぞれのライブラリはメソッドにおいて1つ以上の工程を実行する。加えて、上記1つ以上のサブセットのライブラリの一部は、上記メソッドの上記工程に関連するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)のタスクを実行する。
【0468】
コンピュータ装置100は、ランダムアクセスメモリ(RAM)またはリードオンリーメモリ(ROM)などの揮発性メモリで構成された、半導体メモリ110を備えている。メモリ100は、RAMか、ROMか、RAMとROMとの組み合わせかのいずれかで構成される。
【0469】
コンピュータ装置100は、コンピュータプログラムコード指令をコンピュータプログラムコード記憶媒体120から読み出す、コンピュータプログラムコード記憶媒体リーダ130を備えている。記憶媒体120は、CD-ROMディスクなどの光学媒体、フロッピーディスクおよびテープカセットなどの磁気媒体、および、USBメモリスティックなどのフラッシュメディアであってもよい。
【0470】
コンピュータ装置100はさらに、1つ以上の周辺装置と通信するI/Oインタフェース140を備える。I/Oインタフェース140は、シリアルインタフェースとパラレルインタフェースとの両方で接続可能であってよい。例えば、I/Oインタフェース140は、スモールコンピュータシステムインタフェース( Small Computer System Interface, SCSI)、ユニバーサルシリアルバス( Universal Serial Bus, USB)、または類似のI/Oインタフェースを、記憶媒体リーダ130と接続するために含んでいてもよい。I/Oインタフェース140はまた、キーボードやポインティングデバイス、ジョイスティック等などの、1つ以上のヒューマンインプットデバイス( human input device HID)160と通信してもよい。I/Oインタフェース140はまた、Recommended Standard 232(RS-232)インタフェースなどのコンピュータ-コンピュータ間のインタフェースを含んでいてもよい。I/Oインタフェース140はまた、スピーカまたはブザーなどの、1つ以上のオーディオデバイス1050に音声信号を伝達するために、オーディオインタフェースを含んでいてもよい。
【0471】
コンピュータ装置100はまた、1つ以上のコンピュータネットワーク180と通信するためのネットワークインタフェース170を備えている。上記ネットワーク180は、有線イーサネット(登録商標)ネットワークなどの有線ネットワークであってもよく、Bluetooth(登録商標)ネットワークやIEEE802.11ネットワークなどの無線ネットワークであってもよい。上記ネットワーク180は、自宅または社用コンピュータのネットワークなどのローカルエリアネットワーク(LAN)であってもよいし、インターネット230やプライベートWANなどの広域ネットワーク(WAN)であってもよい。
【0472】
コンピュータ装置100は、コンピュータプログラムコード指令を実行する演算論理ユニットまたはプロセッサ1000を備えている。プロセッサ1000は、reduced instruction set computer(RISC)またはcomplex instruction set computer(CISC)プロセッサ等であってもよい。コンピュータ装置100はさらに、磁気ディスクハードドライブ、またはソリッドステートディスクドライブなどの記憶媒体1030を備えている。
【0473】
コンピュータプログラムコード指令は、記憶媒体リーダ130によって記憶媒体120から記憶媒体1030へと読み込まれてもよいし、ネットワークインタフェース170によってネットワーク180から読み込まれてもよい。ブートストラップフェイズの間、制御システムおよび1つ以上のソフトウェアアプリケーションは記憶媒体1030からメモリ110へとロードされる。フェッチデコードサイクルの間、プロセッサ1000はメモリ110からコンピュータプログラムコード指令をフェッチし、当該指令を機械言語にデコードし、当該指令を実行し、そして1つ以上の中間結果をメモリ100へと記憶する。
【0474】
コンピュータ装置100はまた、映像信号を、液晶ディスプレイ(LCD)やブラウン管(cathode- ray tube, CRT)、または類似の表示装置などの表示装置1020へと伝達するビデオインタフェース1010を備えている。
【0475】
コンピュータ装置100はまた、上述した種々の装置を内部接続するコミュニケーションバスサブシステム150を備えている。上記バスサブシステム150は、ISA(Industry Standard Architecture)、従来のPCI(Peripheral Component Interconnect)等またはPCIe(PCI Express)のように直列接続性のもの、シリアルATA(Serial Advanced Technology Attachment, Serial ATA)のように並行接続性を提供するものであってよい。
【0476】
図2は、本明細書に示した種々の実施形態が備え得る、コンピュータ装置100のネットワーク200を示している。ネットワーク200は、インターネットを介して1つ以上のクライアントコンピュータ装置220にウェブページを提供する、ウェブサーバ210を備えている。
【0477】
ウェブサーバ210は、ウェブサーバアプリケーション240を提供する。ウェブサーバアプリケーション240は、ハイパーテキストトランスファープロトコル(Hypertext Transfer Protocol、HTTP)リクエストおよびファイルトランスファープロトコル(File Transfer Protocol、FTP)リクエストなどのリクエストを受信し、当該リクエストに応じて、ハイパーテキストウェブページまたはファイルを提供する。ウェブサーバアプリケーション240は、例えばApache(登録商標)またはMicrosoft(登録商標)IIS HTTPサーバであってもよい。
【0478】
ウェブサーバ210はまた、ハイパーテキストプリプロセッサ250を提供する。ハイパーテキストプリプロセッサ250は、ハイパーテキストウェブページを生成するために、1つ以上のウェブページテンプレート260、および、1つ以上のデータベース270からのデータを処理する。ハイパーテキストプリプロセッサは、例えば、PHPすなわちハイパーテキストプリプロセッサ(PHP)、またはMicrosoft Asp(登録商標)ハイパーテキストプリプロセッサであってもよい。ウェブサーバ210はまた、1つ以上のPHPまたはASPファイルなどのウェブページテンプレート260を提供する。
【0479】
ハイパーテキストプリプロセッサ250は、ウェブサーバアプリケーション240からリクエストを受信すると、ハイパーテキストウェブページを構築するため、ウェブページテンプレートをウェブページテンプレート260から引き出し、当該テンプレートに含まれる、1つ以上のデータベース270からのアップデート情報またはローディング情報を含むあらゆる動的内容を実行する。構築されたハイパーテキストウェブページは、Javaスクリプト、ドキュメントオブジェクトモデル(Document Object Model、DOM)処理、非同時性のHTTPリクエスト等などのクライアント側のコードを含む。
【0480】
クライアントコンピュータ装置220は、Mozilla Firefox(登録商標)ブラウザアプリケーション、またはMicrosoft Internet Explorer(登録商標)ブラウザアプリケーションなどのブラウザアプリケーション280を供する。ブラウザアプリケーション280は、ウェブサーバ210を介してハイパーテキストウェブページをリクエストするとともに、当該ハイパーテキストウェブページを表示装置1020に描画する。
【0481】
コンピュータ装置100は、遠隔地にいるユーザとの小型軽量クライアント通信(thinclient communication)を可能にする。しかしながら、他の実施形態においては、遠隔地のユーザは、コンピュータ装置100と通信するために、クライアントコンピュータ装置220に関連する特定のソフトウェアをインストールする必要がある。
【0482】
〔位置合わせ情報データの提供〕
図3は、本発明の一実施形態における、患者の関節の整形外科インプラントを位置合わせするための位置合わせ情報データを供するコンピュータ実行方法300を示す図である。コンピュータ実行方法300は、1つ以上のコンピュータ装置100においての実行に適しており、特に、図2で要点を示すように、1つ以上のコンピュータ装置100がネットワーク200を介して通信することに適している。
【0483】
特に、このようなコンピュータ装置100は、プロセッサ1000と、メモリデバイス110と、データインタフェース(180および140)と、格納装置とを備える。プロセッサ1000はデジタルデータを処理する。記憶装置110はコンピュータプログラムコードを含むデジタルデータを格納し、プロセッサ1000と通信バス150を介して対になっている。データインタフェース(180および140)は、デジタルデータを送受信し、プロセッサ1000と上記バス150を介して対になっている。格納装置は、データベース1030などの、位置合わせ情報データを含むデジタルデータ、およびライブラリデータを格納し、プロセッサ1000と上記バス150を介して対になっている。
【0484】
〔ライブラリデータ〕
ライブラリデータは、ライブラリ位置合わせ情報データ、ライブラリ位置合わせ形態データ、およびライブラリデザインデータを含むデータベース1030に格納される。ライブラリデザインデータは、一般化および理想化された関節が、それぞれ規定のインプラント後に活動する間の動きについて規定されたシミュレーションモデルのうち、利用可能なシミュレーションモデルの1組を示す。各シミュレーションモデルは、特定の予め定められた活動のための動きを行うようなテスト項目のサンプルについて様々な測定を行うことにより、生成される。これらの測定は、理想的なシミュレーションモデルを供するために照合および処理される。各実施形態においては、理想的なシミュレーションモデルは移植後活動だけで区別されるのではなく、性別データ、年齢データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BIMデータ、体調データ、体型データ、病歴、職業、および人種など他の要因によっても区別される。
【0485】
ライブラリデータはまた、移植後活動を行うための利用可能な整形外科インプラントの一群に係るライブラリ位置合わせ形態データを含む。また、ライブラリ位置合わせ形態データは、移植後活動を行うための整形外科インプラントを装着した患者に関係する。整形外科インプラントは、市販で入手可能な整形外科インプラントであってもよいし、従来の患者のために特にあつらえた整形外科インプラントであってもよい。
【0486】
ライブラリデータはまた、整形外科インプラントの構造的パラメータから由来し得る、利用可能な整形外科インプラントの一群のライブラリデザインデータを含む。ライブラリデザインデータを含む。ライブラリデザインデータは例えばCADファイルなどの形式で供されてもよい。
【0487】
ライブラリデータはまた、先だって患者に装着されている整形外科インプラントの耐久性および消耗(度合い)に係るデータを含む。そのようなデータは、例えば核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、および放射線学データなどの2Dおよび3D映像技術を使用することにより得られ、様々な時間間隔で記録される。そのようにして得られた、整形外科インプラントに関した耐久性および消耗スコアのデータは、外科医などのオペレータを補助するため、当該インプラント施術に先だって現時点で装着済みの整形外科インプラントと同じ構造的パラメータを持つ整形外科インプラントが、他の患者においてどの程度良い性能を示すかについて予測する際に使用され得る。
【0488】
ライブラリデータはまた、インプラント施術後に、関節および整形外科インプラントが実際はどの程度の性能を示すのかを定量的な観点から知るため、移植後の関節における生物力学的性能についての、患者自身の見立てに係る主観的測定基準を含んでいてもよいし、外科医などの施術者が患者を診断した客観的な測定基準を含んでいてもよい。
【0489】
コンピュータ実行方法300は、工程310から開始する。工程310では、プロセッサ1000が、データインタフェース(180、140)を介して、整形外科インプラントを装着する患者を特定する情報で、1つ以上の動的特徴を示す情報である患者固有情報データを受信するために、コンピュータプログラムコードにより制御される。患者固有情報データは、コンピュータ装置100によってデータベース1030に格納するための電気的形式である患者ファイル7としてバッファおよびコンパイルされる。工程320において、プロセッサ1000はさらに、コンピュータプログラムコードによって、患者ファイル7を含む患者固有情報データに応じて患者データを計算するよう制御される。この工程において、コンピュータ装置100はバス150を介して、データベース1030から患者ファイル7を受信し、患者データ7からあらゆる不要なデータを分割または篩い分けて除くことにより、患者データの少なくとも一部分を得る。そのような不要なデータは、例えば筋肉、脂肪、および皮膚などの中で、関節において必須でない組織を示す種々の情報を含んでいてもよい。これにより関連するデータの単離が可能になり、当該関連するデータのみについて更に能率化された分析を行うことが可能になる。このような不要なデータの篩い分けは、概して手操作入力が要求される本実施形態以外においては、部分的に自動化することも可能である。
【0490】
〔患者固有情報データ〕
患者固有情報データは、関節の骨格の外形の2Dおよび3D映像データにより構成される。2D映像データは、X線および視覚的蛍光透視撮影法(visual fluoroscopy)などの技術を使用することにより得られるデータを含み、3D映像データは、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、および放射線データなどの技術を使用することにより得られるデータを含む。患者固有情報データはまた、モーションキャプチャなどの技術を使用することにより得られる4D映像データを含んでいてもよい。そのような4D映像は、関節に応じて、当該関節と関連する骨の上での種々の位置に位置マーカ(図示せず)を伴い、当該マーカの動きを、所望の活動において患者が従事する動きとして追跡してもよい。
【0491】
患者固有情報データはまた、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BIMデータ、体調データ、人種、および体型データなどのように、患者の身体特徴を1つ以上示すデータを含んでいてもよい。他の患者固有情報データは、患者に現れている、または将来患者に現れ得る、あらゆる遺伝的欠陥を特定するために患者の病歴、および患者以外の家族の病歴を示すデータを含んでいても良い。
【0492】
患者ファイル7が一度篩い分けられると、関節の関連解剖学的目印は手動で特定され、特定指示はデータインタフェース(180、140)を介して実行される。コンピュータ装置100は、上記特定指示に反応し、少なくとも、ハイライトしている特定目印と、患者データの他の部分との境界を明確にする。関節はそれぞれ、考慮すべき固有の解剖学的特徴を有している。そのような目印の例としては、プロミネンス(prominence)と呼ばれる骨の隆起、目印を結んだ線、ならびに靭帯および腱の差し込みおよび付着などが含まれる。
【0493】
各実施形態において、関節の関連解剖学的目印は、機能的参照、身体のアルゴリズム的な特定、および腕の動きのアルゴリズム的な特定などの処理を採用することにより、自動的に特定される。他の実施形態においては、関連解剖学的目印の半自動的な特定が、視覚的蛍光透視法(visual fluoroscopy)および内視鏡を含む機能的映像の様式として用いられる。
【0494】
図13に示すように、患者ファイル7は第1のデータ15および第2のデータ16を含む。データ15は1つ以上の動的特徴を示す情報レコードを含み、データ16は1つ以上の静的特徴を示す情報レコードを含む。
≪動的特徴≫
関節の動的特徴は、インプラント後に患者が望む活動に関連した、仮想予測(すなわち関節運動学データに基づいたコンピュータモデル予測の形式のデータ)、負荷データ、特定の動作に対応する関節咬交挙動データ、患者固有の負荷、モーメントアーム、接触ストレス、外的負荷、および筋力などを含む。
【0495】
データ15はレコードの配列に基づいており、各レコードは、データベース1030に格納されたライブラリ位置合わせ情報データ、ライブラリ位置合わせ形態データ、およびライブラリデザインデータを含む、利用可能な予め定められた理想的シミュレーションモデルの組のうち、選択された1組に対応している。
【0496】
上記モデルの組における各モデルは、特定の活動を行っている特定の関節に対応する。例えば、レコード21は人間がテニスのゲームに参加しているとき一般的な膝関節で行われると予測される運動のモデルに対応するデータ15を含む。すなわち、このモデルは、テニスをする人が行う固有の動作に基づいて、テニスをしているある人間の、膝関節の配置および関節の角度の理想形などの定量的要素を供する。レコード22は人間が階段を昇降するときの一般化された膝関節の動作モデルに対応し、(種々の特定量における)複数の定量化の結果を含む。
【0497】
他の実施形態においては、データ15は単一のレコードに基づく。
【0498】
ある1つの実施形態においては、データ15を少なくとも2つのシミュレーションモデルを示す。さらに他の実施形態では、データ15は2つ以上のシミュレーションモデルを示す。
【0499】
〔静的特徴〕
データ16は、関節の静的特徴を示しており、患者固有の他の生理学的要素に関連する関節および/または関節の位置合わせについて行われた1つ以上の定位置測定を含む。利用可能な定位置測定としては、機械的な軸合わせ、インプラントの形状および患者の人体に基づいた動作シミュレーションの範囲など、当業者がここで示す利点を得ることになるようなものを含む。機械的な軸合わせデータの場合、そのデータは、その関節に関連する生体機械基準系における特定の機械的な耐荷重性軸に対応する。上記関節が膝関節または股関節である場合、上述の生体機械基準系は、寛骨の基準系、大腿骨の基準系、脛骨の基準系、および、背骨の基準系を含む。機械的一次耐荷重性軸合わせの結果と合わせられた機械的な耐荷重性軸は、関節の上記機械的な軸の位置合わせの全体に対応する。上記生体機械基準系は、上述した肘関節および股関節に係るものに限定されないが、肩、足首等他の人体の関節に係る座標基準計を同様に含んでいることが望ましい。
【0500】
図13に示す通り、データ16は静的性質、または関節の特徴に対応したレコードの配列を含む。より具体的には、本実施形態においてデータ16は関節の画像を複数含んでいる。当該複数の画像はレコード25に示す核磁気共鳴画像法(MRI)画像、レコード26に示すコンピュータ断層撮影(CT)画像、レコード27に示すX線画像を含む。すなわち、これらの画像は、当該画像に埋め込まれて、および本質的に内在していて、そして当該画像から抽出可能である関節についての多数の定位置の、および静的な測定基準を含む。
【0501】
レコード25,26、および27は、以下に記載するように、関節の静的特徴の自動的な抽出を可能にするためにDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)形式である。他の実施形態では、レコード25、26、および27は、要求された特徴を抽出することを可能にするためにデジタル化された、1つの画像である。他の形態では、レコード25、26、および27は、やはり関節における多数の静的特徴を自動的に抽出することを可能にするため、DICOM以外の形式である。
【0502】
他の実施形態では、データ16は画像以外の情報を示し、さらなる実施形態では種々の画像が代わりに、または上記で明示したものに追加で使用される。他の画像の例としては、超音波画像、レーザースキャン画像、ポイントマッチングからのスキャン画像、表層マッチングおよび/または表層認識の画像等が含まれる。そのような画像は、例えば、データ15に含まれている1つ以上のレコードを得るために使用されるなどして、当業者がここで示す利点を得られるようにすることが望ましい。
【0503】
要約すると、患者ファイル7から篩い分けられ同定された情報が、データベース1030に格納されている患者データを定義している。
【0504】
工程330において、プロセッサ1000はさらにコンピュータプログラムコードによって制御され、患者データに応じた関節に整形外科インプラントを位置合わせするための位置合わせ情報データを算出する。この工程では、データベース1030から患者データが検索され、物理エンジンを用いた患者データにおける、決定した患者固有の剛体力学シミュレーション、すなわち、マルチボディシミュレーションソフトウェアを用いた関節のシミュレーションが行われる。
【0505】
上記シミュレーションは、膝関節または股関節のシミュレーション結果を得るため、順および/または逆動力学を使用することを含み得る、マルチボディシミュレーションである。
【0506】
上記位置合わせ情報データは、データ16に格納された種々の2Dおよび3D映像データから得られた、関節の実際の3Dモデルデータを含む。データ15およびデータ16から、シミュレーション中の整形外科インプラントに係る力ベクトル、負荷、せん断応力、およびモーメントの大きさおよび方向に対応したデータを生成することが可能である。上記位置合わせ情報データはこのように、関節に係る整形外科インプラントの位置決めおよび回転をそれぞれ行うため、位置情報データと回転情報データとの両方を考慮する。
【0507】
工程340において、プロセッサ1000はコンピュータプログラムコードに制御され、データインタフェース(180、140)から、1つ以上の、所望のインプラント後の患者の活動を示す患者取得データ58を受信する。上記1つ以上の移植後活動は、インプラント手術が施された後に、患者が手術の結果として実現するであろう活動の数および種類に関連する。この実施形態では、移植後活動は、日常活動(例えば、階段の昇降、車の乗り降り、孫を抱きあげるといった活動)、アウトドア活動(例えば、ガーデニングのため庭でひざまずく、軽いジョギングをするといった活動)、およびスポーツ活動(例えばテニス、ゴルフ、スキー、フットボールなど、すなわち定義されている運動目的全て)に分類される。他の実施形態では、移植後活動は上述した活動に限定されないが、患者が所望する活動を全て含むことが望ましい。このような患者取得データ58は、クライアントコンピュータ装置220を介してコンピュータ装置100と遠隔通信している患者によって取得される。クライアントコンピュータ装置220は、データリンクを通じコンピュータ装置100とデジタルデータを送受信するためのインタフェースを1対備えている。患者は、患者取得データ58を、電子質問表(図示せず)の形式で提供する。当該患者取得データ58は、上記患者またはヘルスケアの専門家から、クライアントコンピュータ装置220を介してコンピュータ装置100へと与えられる。患者取得データ58は、データベース1030において、患者ファイル7のデータ15内のレコードとして格納される。
【0508】
患者取得データ58は移植後活動嗜好データを含む。移植後活動嗜好データは、移植後活動のうち、1つ以上の所望の活動についての患者の相対的な嗜好を示す嗜好比率である。ここで、患者は、個人固有の好みに基づいて、移植後活動のうち、より好みの活動を指定することができる。例えば、とある患者が、ガーデニングに参加するため庭でひざまずくことが可能になることを望んでおり、時折テニスをすることも望んでいるとすると、この場合の嗜好比率の順は、庭でひざまずくことがテニスをすることより上位になる。膝関節の場合、ひざまずくという活動は関節の高角度の屈曲が必要とするが、関節の内反/外反や関節の内側/外側への回転は最小限でよい。一方、テニスをするという活動は、関節の内反/外反および内側/外側への回転がより大きく必要である。
【0509】
上記質問表に現れる他の患者の測定基準は、インプラント手術前の関節における生化学的な能力についての、患者自身の見立てに関連する主観的測定基準、および、インプラント手術前に関節が実際にはどの程度の能力を有するかを知るために、外科医などの手術者によって患者が診断される客観的測定基準を含み得る。外科医は、そのような患者の測定基準を用いることにより、その患者の関節に現在かかっている制限を知ることができる。
【0510】
基本的に、上記質問表は、患者が個人的嗜好を評価した移植後活動についての、既定のリストの形で提供される。移植後活動嗜好データはこのように、マルチボディシミュレーションにおいて、オペレータが、患者が所望の移植後活動を達成するために最も適切な整形外科インプラントを特定することを助けるため、境界の状態を定義するために使用される患者の機能的スコアを形作る。
【0511】
他の実施形態においては、上記質問表は患者によって書き込まれた紙の調査表(図示せず)であり、例えば、1人のオペレータまたは外科医によって、データインタフェース(180、140)を介して、データベース1030に手入力される。
【0512】
他の実施形態においては、患者取得データ58は、例えばiPhone(登録商標)および/またはiPhoneアプリケーション(図示せず)などのPDA(personal digital assistant)を介し、遠隔操作で上記質問表に入力される。
【0513】
工程350において、ユーザにより一旦患者取得データ58が入力されると、プロセッサ1000はコンピュータプログラムコードに制御され、患者データおよび患者取得データ58に応じた1組の位置合わせ情報データ候補を算出する。この工程において、患者取得データ58に対し、移植後活動に関する関節のシミュレーションがテストされる。これは、改良的試みとして知られている。基本的にこの工程では、移植後活動における所望の動きについてシミュレートされた関節を試験することにより、そのような特定の動作を行う患者の関節において、特にどこで最大の機能運動学的反応が起こり得るかを示す。ゆえに、位置合わせ情報データ候補は、実際の患者の関節の現在の状態に関係する位置合わせ情報データと、その患者が所望の移植後活動を行える位置合わせ情報データとを考慮する。
【0514】
工程360では、プロセッサ1000はコンピュータプログラムコードに制御され、移植後活動嗜好データに応じた位置合わせ情報データ候補の組から、位置合わせ情報データを選択する。この工程では、機能運動学的反応が最大になるポイントが1つ以上特定され、変化が確定される。例えば、位置取りおよび整形外科インプラント咬交表面の形は、オペレータ、または1人以上の遠隔地にいるユーザが将来アクセスするためにデータベース1030に格納されているシミュレーションファイルを提供するために、所望の通りに変化する。選択された位置合わせ情報データはこれにより、患者の個人的嗜好に応じた所望の移植後活動を行うことが可能になる位置合わせ情報データと、関連付けられる。そして、上述の例では、選択された位置合わせ情報データは、患者が、庭でひざまずく、という優先的行動を行うことができるようにするため、膝関節の高角度の屈曲を可能にし、さらに時折テニスの試合をする能力を与える余裕がある程度の関節の妥当な内反/外反角度および関節の妥当な内側/外側への回転を有する。
【0515】
上記シミュレーションファイルは、2D断面画像を含むDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)ファイルである。2D断面画像は、画像プロセシングソフトウェアを用いてコンパイルすることにより、3Dで閲覧可能である。他の実施形態では、STL、JPEG,GIF,およびTIFなどの他ファイルタイプの画像が用いられる。
【0516】
他の実施形態では、オペレータは、所望の移植後活動において最良の生化学的能力をもたらすと予測される整形外科インプラントの、最適な配置および回転を特定するため、患者の関節内に、仮想的に整形外科インプラントを差し込むことができる。
【0517】
工程370では、プロセッサ1000はコンピュータプログラムコードに制御され、データベース1030から、1つ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを行うために使用できる整形外科インプラントの一群に関連する位置合わせ情報データに対応するライブラリ位置合わせ情報データ、または、1つ以上の所望のインプラント活動のうち少なくとも1つを行うための整形外科インプラントに適合する患者の一群に関連した位置合わせ情報データを読み出す。この工程では、整形外科インプラントを患者の関節と位置合わせするための位置合わせ情報データは、マルチボディシュミレーションにより拡張された関節のシミュレーションから選択される位置合わせ情報データと、市販の利用可能な整形外科インプラントに係るライブラリ位置合わせ情報データ、または1つ以上の所望の患者の移植後活動のうち少なくとも1つを行うことに適している整形外科インプラントに適合する患者に係るライブラリ位置合わせ情報データとを比較することにより、さらに改良することができる。
【0518】
データインタフェース(180、140)は、例えばシミュレーションファイルから得られる関節のグラフ表示を生成、増幅、および表示するためにデータベース1030のシミュレーションファイルにアクセスするようなリモートユーザ(例えば外科医などのユーザ)を許可するため、クライアントコンピュータ装置220からのユーザの入力に応じる。データインタフェース(180、140)はまた、例えば既定のユーザネームおよび/またはパスワード等を用い、インターネット230を介しウェブページ(図示せず)にログインしたリモートユーザによってアクセス可能である。
【0519】
データベース1030に格納された全てのデータがセキュリティレベルにより分類され、全てのリモートユーザは、割り当てられたセキュリティアクセス権限を持つクライアントコンピュータ装置220を介してデータにアクセスすることが望ましい。あらゆる特定のデータにアクセスすることはデータ自体のセキュリティレベルおよびアクセスするデータを要求しているリモートユーザのセキュリティアクセス権限だけでなく、そのデータが由来する患者と当該ユーザとの関係性にも基づいて制限される。このように、オペレータは、患者のCTスキャンおよびMRIスキャンなどの少なくともいくつかの患者固有情報データを、移植後活動についての個人的嗜好と同様に患者が選択入力できるように補助する。他の実施形態においても、情報へのアクセスは同様に、選択された人毎に供される。
【0520】
〔インプラントの一群からのインプラントの選択〕
図4は、本発明の他の実施形態において利用可能な整形外科インプラントの一群から、患者の関節のため1つの整形外科インプラントを選択するための、コンピュータ実行方法400を示している。コンピュータ実行方法400は、プロセッサ1000がコンピュータプログラムコードによって制御され、上述したコンピュータ実行方法300に応じて導き出された整形外科インプラントの位置合わせについての位置合わせ情報データを、データインタフェース(180、140)を介しデータベース1030から受信する、工程410から開始する。そして、導き出されたこの位置合わせ情報データは、1つの整形外科インプラントを利用可能な整形外科インプラントの一群から選択するため工程420にて使用される。
【0521】
ある実施形態では、利用可能な整形外科インプラントの一群は、ある一定範囲の患者に適合するようなインプラントを提供することを目的として製造されている、一般に市販され利用可能なインプラントの一群に関係している。一般の整形外科インプラントの一群内の各インプラントは構造的パラメータを持つ。当該構造的パラメータは、コンピュータ実行方法400において、外科医などの施術者が患者の関節に対し最も好適な整形外科インプラントを選択することを助けるため、患者の位置合わせ情報データと一般的な整形外科インプラントの既知の構造的パラメータデータとを比較できるようにするため使用され得る。
【0522】
最も好適な整形外科インプラントが選択されると、プロセッサ1000はさらに、コンピュータプログラムコードにより制御され、工程430において、同じ患者または別の患者の整形外科インプラントの選択に係る将来のデータ要求において使用するため、患者の関節に係る対応位置合わせ情報データを、データインタフェース(180、140)を介しデータベース1030へと送信することにより、データベース1030をアップデートする。
【0523】
〔インプラントの位置合わせ〕
図5は、本発明の他の実施形態における、ある患者の関節における整形外科インプラントの位置合わせをするための、コンピュータ実行方法500を示している。コンピュータ実行方法500は工程510から開始し、工程510ではプロセッサ1000が、データインタフェース(180、140)を介し、上述のコンピュータ実行方法に応じて導き出された位置合わせ情報データを受信するようにコンピュータプログラムコードによって制御される。工程520では、プロセッサ1000は、位置合わせシステムを、外科的手順に則った患者の関節の整形外科インプラントの物理的位置合わせの制御に使用するために、当該導き出された位置合わせ情報データをデータインタフェース(180、140)を介して、ロボット位置合わせシステム、ハプティックフィードバック位置合わせシステム、コンピュータ補助位置合わせシステム、またはあらゆる標準的なもしくはカスタムのシステムなどの位置合わせシステム(図示せず)へと送信するように、コンピュータプログラムコードによって制御される。この位置合わせにおいて位置合わせシステムは、有線イーサネット(Ethernet、登録商標)ネットワークなどの有線ネットワーク、または、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、もしくはIEEE 802.11ネットワークなどの無線ネットワークによりコンピュータ装置100と接続される。
【0524】
ある実施形態では、導き出された位置合わせ情報データは、インターネット230またはプライベートWANなどの広域エリアネットワーク(WAN)を超えた直接のネットワーク接続により、データインタフェース(180、140)を介し直接位置合わせシステムへと送られる。
【0525】
ある実施形態では、位置合わせ情報データは、位置合わせシステムが関節の整形外科インプラントの位置合わせを実行するように制御する指令として上記位置合わせ情報データを含むロボットファイル(robotics file、図示せず)の形式で、位置合わせシステムへ間接的に送信される。
【0526】
ある実施形態では、上記ロボットファイルは、例えばCD-ROMディスク、フロッピーディスク、テープカセット、またはUSBメモリスティックなどの、1つ以上のストレージメディア(図示せず)に読み出され、位置合わせシステムのオペレータが位置合わせシステムに直接入力するため、当該オペレータへと物理的に転送される。
【0527】
〔インプラントの位置合わせのモデル化〕
図6は、本発明の他の実施形態における、患者の関節のための整形外科インプラントの位置合わせをモデル化するためのコンピュータ実行方法600を示している。コンピュータ実行方法600は、工程610において、上述のコンピュータ実行方法300に応じた患者固有情報データから患者データを得ることにより開始する。プロセッサ1000はさらに、コンピュータプログラムコードによって制御され、工程620において、位置合わせ情報データに応じた関節の3Dモデルデータを算出する。表示装置1020上にグラフ表示として示された上記3Dモデルデータは、外科医などのオペレータによって望む通りに操作可能であり、オペレータが、整形外科インプラントを配置した際の効果および動きを視覚化するために利用可能である関節の概観動的3Dモデルを提供する。
【0528】
ある実施形態では、プロセッサ1000はコンピュータプログラムコードによって制御され、工程630にて、位置合わせ情報データおよび患者取得データ58に対応した1組の位置合わせ形態候補を算出する。導き出された1組の位置合わせ形態候補は、このように、3Dモデルと、患者が望む移植後活動を行うことを可能にするであろう位置合わせ形態を決めるために整形外科インプラントを装着した後患者がしたいと望む1つ以上の移植後活動とを考慮している。移植後活動を行うための患者の能力に係る移植後活動能力データを考慮することにより、プロセッサ1000はさらにコンピュータプログラムコードにより制御され、工程640において、上記で移植後活動能力データから導き出された上記1組の位置合わせ形態候補から、位置合わせ形態を選択する。結果として、表示装置1020上にグラフ表示として示された際に選択された位置合わせ形態は、オペレータに対し、患者の関節を視覚化するとともに、所望の移植後活動を達成するために、関節に適した整形外科インプラントをどのように位置合わせできるかを視覚化することを可能にする。
【0529】
〔3Dモデルデータに応じたインプラントの一群からのインプラントの選択〕
図7は、本発明の他の実施形態における、患者の関節のための整形外科インプラントを整形外科インプラントの一群の中から選択するためのコンピュータ実行方法700を示している。コンピュータ実行方法700は、工程720において、工程310および320に対応する患者固有情報データから患者データを得ることにより開始し、そして工程720において、その患者データを、関節の実際の3Dモデルデータを算出するために使用する。
【0530】
プロセッサ1000はさらに、コンピュータプログラムコードによって制御され、工程730において、患者データに対応する関節の3Dモデルデータのうち、より好ましい3Dモデルデータを算出する。オペレータにより上述のコンピュータ実行方法700に則ってシミュレーションが実行されたときに、上述した動的特徴および静的特徴の両方を考慮した「好ましい」関節のシミュレーションモデルを供するため、この工程では、決定された関節のモデルは拡張される。プロセッサ1000はさらにコンピュータプログラムコードによって制御され、工程740において、関節の実際の3Dモデルデータおよび好ましい3Dモデルデータに対応した整形外科インプラントの一群から、整形外科インプラントが選択される。この工程において、オペレータは、好ましい3Dモデルデータによって示された結果を最も良く再現する整形外科インプラントを選択するため、関節の好ましい3Dモデルデータを使用することができる。
【0531】
ある実施形態では、プロセッサ1000はコンピュータプログラムコードによって制御され、工程750において、1つ以上の所望の移植後活動を示しており、移植後活動嗜好データを含んでいる患者取得データ58が、データインタフェース(180、140)を介して受信される。移植後活動を行う際の患者の嗜好に関連する移植後活動嗜好データを考慮することにより、プロセッサ1000はさらにコンピュータプログラムコードによって制御され、工程760において、移植後活動嗜好データに対応した、関節の好ましい3Dモデルデータが導き出される。つまり、好ましい3Dモデルデータは、所望する移植後活動を患者が行うことを可能にするような関節のシミュレーションモデルを提供するために、患者の所望の移植後活動を考慮する。
【0532】
ある実施形態において、コンピュータ実行方法700は、1つ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを行うために利用可能な整形外科インプラントの一群に関連するライブラリ位置合わせ形態データ、または、1つ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを行うための整形外科インプラントが装着された患者の一群に関連するライブラリ位置合わせ形態データをさらに考慮する1つの工程を行う。この実施形態においては、プロセッサ1000はコンピュータプログラムコードによって制御され、工程770においてデータベース1030からライブラリ位置合わせ形態データが読み出され、そしてライブラリ位置合わせ形態データに対応する整形外科インプラントが選択される。この工程において、関節の好ましい3Dモデルはさらに、既知のライブラリ位置合わせ形態データとの比較結果に応じて実際の3Dモデルデータを改良したものに基づいて算出される。
【0533】
上記実施形態の結果、表示装置1020上にグラフ表示として示された、関節の好ましい3Dモデルデータは、オペレータに対し、上記関節の好ましい3Dモデルが、ライブラリ位置合わせ形態データからから選択された整形外科インプラントの形とどの程度整合するか、および、上記整形外科インプラントが、特定の移植後活動において機能的にどの程度振る舞えるかについて、視覚化および比較を可能にする。オペレータはこれにより、利用可能な整形外科インプラントの一群の中から、患者が、彼らの望む嗜好に応じた所望の移植後活動を行えるようにするための、患者に最も良く適合する整形外科インプラントを選択することができる。
【0534】
使用において、上述のモデル化技術は、既定の位置合わせ形態における既定の整形外科インプラントのテストに適用される。上記シミュレーションファイルはここで、患者の関節における機能的運動反応が、既定の整形外科インプラントおよび既定の位置合わせ形態と適合するとみなして情報を抽出し得るオペレータによって、例えばグラフ表示などで閲覧され得る。そして、外科医は、例えば、最初のシミュレーション操作に基づいた、患者の関節にかかる負荷などの見立てに応じて、異なる既定の整形外科インプラントおよび/または異なる既定の位置合わせ形態に基づく他のシミュレーションを実行することを選択できる。そしてこの処理は、外科医が既定のインプラントおよび既定の位置合わせ形態で満足するまで、望むだけ繰り返される。
【0535】
グラフ表示は関節の概要3Dモデルに限らず、種々の実施形態において、上記グラフック表示は、既定の整形外科インプラントを用いる際の関節のモデル、既定の位置合わせ形態を用いる際の患者の関節のモデル、または、整形外科インプラントおよび配列構成の選択に対する関節の負荷などの情報を示すグラフのレスポンスカーブを含んでいてよい。図12のグラフ40は、関節のモデルにおける屈曲の強度を示すレスポンスカーブの一例である。
【0536】
〔製造パラメータ〕
整形外科インプラント
図8は、本発明の他の実施形態において、整形外科インプラントとの咬交表面を有するとある患者の関節のために製造された整形外科インプラントの、製造パラメータを拡張するコンピュータ実行システム800を示している。コンピュータ実行システム800は、工程310および320に応じて患者固有情報データから患者データが得られることにより工程810から開始する。工程820において、プロセッサ1000は、患者データに応じた整形外科インプラントのデザインデータを算出するため、コンピュータプログラムコードによりさらに制御される。この工程において、デザインデータは、当該整形外科インプラント咬交表面を含む、整形外科インプラント全体の構造パラメータと関連付けられる。他の実施形態において、デザインデータは上記咬交表面の構造パラメータのみと関連づけられる。
【0537】
工程830において、プロセッサ1000は、3D CADモデルなどの、デザインデータに応じた整形外科インプラントを製造するための製造パラメータを算出するため、コンピュータプログラムコードによりさらに制御される。拡張された製造パラメータは、1つ以上の適切な製造工程を用いて整形外科インプラントの製造に使用され得る。そのような製造プロセスは、ステレオリソグラフィー(stereolithography、SLA)、選択的レーザ焼結(selective laser sintering、SLS)、直接金属焼結(direct metal laser sintering、DMLS)、電子ビーム融解(electron beam melting、EBM)、3D印刷(3D printing、3DP)などの付加製造法を含んでいてもよいし、または、バイオマシニング、砥粒流動加工、アブレイシブジェット加工、ミリング、レーザ切断、および水ジェット切断などの減製造法を含んでいてもよい。
【0538】
ある実施形態では、コンピュータ実行方法800はさらに、患者の所望の移植後活動のうち1つ以上を考慮するという1工程を踏む。この実施形態では、プロセッサ1000は、工程840において、1つ以上の所望の移植後活動を示しており移植後活動嗜好データを構成している患者取得データ58を、データインタフェース(180、140)を介して受信するため、コンピュータプログラムコードにより制御される。プロセッサ1000はそして工程850において、移植後活動嗜好データに基づいた整形外科インプラントのインプラント後デザインデータを算出するため、コンピュータプログラムコードにより制御される。この工程において、上記インプラント後デザインデータは1つの整形外科インプラント、特に、当該整形外科インプラントが一度適合したことのある移植後活動の嗜好に応じた所望の移植後活動を患者が行うことを可能にするような整形外科インプラントの結合部位を定義している。プロセッサ1000はさらに、工程860において、さらにインプラント後デザインデータに対応した整形外科インプラントの製造のための製造パラメータを算出するため、コンピュータプログラムコードにより制御される。
【0539】
ある実施形態では、コンピュータ実行方法800はさらに、1つ以上の所望のインプラント活動のうち、少なくとも1つを行うために利用可能な整形外科インプラントの一群のデザインデータと関連付けられているライブラリデザインデータ、または、1つ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを行うための、ある整形外科インプラントに適合する患者の一群に関連付けられているデザインデータを考慮するという1工程を踏む。この実施形態では、プロセッサ1000は、工程870において、データベース1030から上記ライブラリデザインデータを読み出し、そして、さらに既知の上記ライブラリデザインデータに対応する整形外科インプラントを製造するための製造パラメータを算出するため、コンピュータプログラムコードにより制御される。
【0540】
上述の実施形態の結果として、オペレータはこのように、患者の関節の構造的パラメータと、利用可能な整形外科インプラントの一群で、データベース1030内にある、患者が自己の望む嗜好に応じた所望の移植後活動を行うことを可能にするために患者に最も適合するであろう整形外科インプラントの一群における既知の機能的性能との比較に基づいて、製造パラメータを、患者の関節の整形外科インプラントの製造において用いるために拡張することができる。
【0541】
〔カスタム咬交〕
図9は、本発明の他の実施形態において、整形外科インプラントのアタッチメントのためのカスタム咬交(図示せず)を製造するための、製造パラメータを拡張するためのコンピュータ実行方法900を示している。上記カスタム咬交は上述のように拡張された製造パラメータを有した整形外科インプラントの一部(一般的に、装着される、機械的に固定される、またはそれらに接着される部分)であり、関節が所望の機能的結果を最も良くあげることを可能にする。コンピュータ実行方法900は、工程910にて、上述したコンピュータ実行方法800に対応した整形外科インプラントのために導き出されたデザインデータを受信することにより開始される。そして工程920において、プロセッサ1000はさらに、デザインデータに対応するカスタム咬交を製造するための製造パラメータを算出するため、コンピュータプログラムコードにより制御される。この工程において、カスタムされたインプラントのための製造パラメータは、整形外科インプラントのためのデザインデータ、特に、整形外科インプラント咬交表面に関連付けられたデザインデータで、当該データを、整形外科インプラントの結合部位を補う、カスタムされたインプラントの結合部位の拡張のために使用するデザインデータを考慮する。上記拡張された製造パラメータは、上で挙げた1つ以上の製造工程を用いているカスタム咬交を製造する際に利用可能である。
【0542】
上述の実施形態の結果として、オペレータはこのように、上述した大量生産の整形外科インプラント咬交表面に対し、相補的な咬交表面を有するカスタム咬交のインプラントの製造において使用されるように、製造パラメータを拡張することができる。この点において、整形外科インプラントおよびカスタム咬交は、対応するインプラント(例えば脛骨トレー)と装着、接着、または機械的に固定され、整形外科インプラントおよびカスタム咬交は、患者が望む嗜好に対応した所望の移植後活動を実行可能なように、患者の関節に適合することができる。
【0543】
図10は、本発明の他の実施形態において、患者の関節に整形外科インプラントの位置合わせを行うための、当該関節の準備において使用するための患者固有の治具(jig、図示せず)を製造するために、製造パラメータを拡張するコンピュータ実行方法1200を示している。この実施形態では、製造パラメータは、コンピュータナビゲーションソフトウェアシステムで使用するコンピュータファイル形式であるか、ロボット工学システムで使用するロボットファイル形式である。患者固有の治具は、関節の特定の骨に設置可能な切断ガイド装置であり、整形外科インプラントを、特定の移植後活動のため、全体的に最も良い能力を供する空間的方向と同じ空間的方向で位置合わせするために、再選択や関節の骨に孔を作成するためのカッティングを行う間の外科医のガイドを目的として設置可能な切断ガイド装置である。
【0544】
図14から20は、上述したコンピュータ実行方法300を用いて導き出された位置合わせ情報データに基づいて予測された患者の膝関節のコンピュータシミュレーション結果を、種々のグラフィック描写で示している。
【0545】
図14は、膝の湾曲または屈曲としての膝関節の内反角度(単位:度)の変化をシミュレーションした際の運動学的結果を示しており、患者が行う、一般的に起立している姿勢すなわち屈曲角度が0度(図14の(i)を参照)の姿勢から、一般的にひざまずいている姿勢すなわち屈曲角度が100度(図14の(iii)参照)の姿勢になるまでの変化の工程を示している。
【0546】
図15は、膝の湾曲または屈曲としての膝関節の四頭筋の力(単位:ニュートン)の変化をシミュレーションした際の運動学的結果を示しており、患者が行う、一般的に起立している姿勢すなわち屈曲角度が0度(図15の(i)を参照)の姿勢から、一般的にひざまずいている姿勢すなわち屈曲角度が100度(図15の(ii)参照)の姿勢になるまでの変化の工程を示している。
【0547】
図16は、膝の湾曲または屈曲としての膝関節の内側および外側への回転(単位:度)の変化をシミュレーションした際の運動学的結果を示しており、患者が行う、一般的に起立している姿勢すなわち屈曲角度が0度(図16の(i)を参照)の姿勢から、一般的にひざまずいている姿勢すなわち屈曲角度が100度(図16の(ii)参照)の姿勢になるまでの変化の工程を示している。
【0548】
図17は、膝の湾曲または屈曲としての膝関節の膝蓋側面の力(単位:ニュートン)の変化をシミュレーションした際の運動学的結果を示しており、患者が行う、一般的に起立している姿勢すなわち屈曲角度が0度(図17の(i)を参照)の姿勢から、一般的にひざまずいている姿勢すなわち屈曲角度が120度(図17の(ii)参照)の姿勢になるまでの変化の工程を示している。
【0549】
図18は、膝の湾曲または屈曲としての膝関節の内側および外側への回転(単位:度)の変化をシミュレーションした際の運動学的結果を示しており、患者が行う、一般的に起立している姿勢すなわち屈曲角度が0度(図18の(i)を参照)の姿勢から、一般的にかがんでいる、またはうずくまる姿勢すなわち屈曲角度が112.5度(図18の(ii)参照)の姿勢になるまでの変化の工程を示している。上記の結果は、3つの異なる内反/外反角度においての内側および外側への回転角度の変化は、膝関節の一次機能軸に関連していることを示している。
【0550】
図19は、膝の湾曲または屈曲としての膝関節の種々のパラメータの変化をシミュレーションした際の運動学的結果を示しており、患者が行う、一般的に起立している姿勢すなわち屈曲角度が0度の姿勢から、一般的にひざまずいている姿勢すなわち屈曲角度が140度の姿勢になるまでの変化の工程を示している。この応用例では、例えば外科医などのオペレータは、内反角度(単位:度)、内側および外側への回転(単位:角度)、および傾斜(単位:角度)などの膝関節に係る種々のパラメータを調整することにより、患者の膝関節についてのシミュレーションされた運動学的結果を予測することができる。例えば、図19(i)において、内反角(単位:度)、および、大腿骨および脛骨の内側および外側への回転(単位:度)は、脛骨の傾斜と同様に全てゼロにセットされている。しかしながら、大腿骨の内反角が3.0度に調整されたとき(図19(ii)参照)、中心軸(図19(ii)のAにおける屈曲面中心(flexion facet centre、FFC)の結果を参照)、膝関節における内側および外側への回転角度(図19(ii)のB参照)、外側側副靭帯(lateral collateral ligament、LCL)における靭帯の伸張、前部内側側副靭帯(anterior medial collateral ligament、anterior MCL)および後部内側側副靭帯(posterior medial collateral ligament、posterior MCL)(図19(ii)のD参照)、および膝蓋の中間/側面のせん断応力(単位:ニュートン)(図19(ii)のE参照)において明確な違いが存在する。この点において、膝関節に係る種々のパラメータを調整することにより、外科医は、患者の関節と関連する整形外科インプラントの位置合わせの最適解を予測することができる。
【0551】
図20(i)は、ライブラリ位置合わせ情報データおよびライブラリ位置合わせ形態データとしてデータベース1030に格納されている、それぞれ整形外科インプラントを装着した8人の患者の一群から得られた患者の測定を示している。上記測定結果は、膝の湾曲または屈曲としての、患者それぞれの左右の膝関節の内側および外側への回転(単位:度)の変化を示しており、患者が、一般的に起立している姿勢から一般的にかがんだ、またはうずくまった姿勢になるまでの変化の工程を示している。左の膝関節の測定結果によると、全ての結果は概して、装着された整形外科インプラントに対して同じ内側および外側への回転を示した。右膝の測定結果によると、他の患者と比べ、1名の患者(pat004)が異なる内側および外側への回転を示した。
【0552】
図20(ii)は、一般的に立っている姿勢から一般的に屈んだりあぐらをかいたりする姿勢に移行する工程を実行する患者を代表するために、それぞれの膝を曲げるかまたは屈折したときの、8人の患者の左と右の膝接合の膝蓋骨剪断力(ニュートンで)における変化を示す、8人の患者の同じグループから得られた対応する一組の結果を示す。研究された左膝の結果を基に、左膝のほとんど1つ(pat2ERyanLeftTECHSIM)は、取り付けられた整形外科インプラントに関する一般的に同じ膝蓋骨剪断力を示す。研究された右膝の結果については、患者の右膝(pat008)は、他人と比べた時異常な膝蓋骨剪断力を示す。
【0553】
図20(i)および図20(ii)の結果を基に、外科医などのオペレータは、8人の患者のそれぞれに取り付けられるときの特定の整形外科インプラントの効果を観察し、かつ、対応する患者の生体機械的行動に対してそれがどのように影響するかを観察できる。外科医は、それから、位置合わせ情報データと、データベース1030に記憶された対応するライブラリデータで患者の位置合わせ形態との比較を通じて、患者に組み込むときに同じ整形外科インプラントがそれらの生体機械的行動にどのように影響するか予測するためにこれらの結果を使用できる。
【0554】
図21から図23は、上述のコンピュータ-実行方法300を用いて算出された位置合わせ情報データに基づく、患者の股関節の予測されたコンピュータシミュレーション結果のさまざまなグラフィカル表現を示す。
【0555】
図21は、患者が、一般的に立っている姿勢(図21の(i))から、一般的にしゃがむ姿勢(図21の(ii))に、および一般的に立っている姿勢(図22の(iii))に移行する工程を実行するときの、患者の左股関節および右の股関節の股関節負荷(大きさと方向)における変化のシミュレートされた運動学的結果を示す。この例では、左股関節にシミュレートされた整形外科インプラントは、大腿部の軸と、これに対応する、大腿部の軸を受け入れる寛骨臼カップとを含む。
【0556】
図22は、寛骨臼カップ70と大腿部の軸75を有する大腿骨75との形態におけるシミュレートされた整形外科インプラントの配置(度)のためのシミュレートされた運動学的結果を示す。膝関節の寛骨臼カップ70は、45度の傾き角度と、前方骨盤面に対する25度の前傾を有する。股関節負荷の方向は、図22の(i)および図22の(ii)の4つの画像(A、B、C、D)のそれぞれの矢印80によって示される。
【0557】
図22の(i)は、一般的に立っている姿勢におけるシミュレートされた整形外科インプラントが取り付けられた患者に対応し、図22の(ii)は、一般的な座る姿勢に対応する。図22の(i)および図22の(ii)の4つの画像(A、B、C、D)は、立つ姿勢と座る姿勢との間を変遷する際の、同じ股関節の異なる視点に対応する。
【0558】
図22の(iii)は、カップ70の内側咬交表面および合成された股関節負荷80の代表である対応する2Dプロットを示し、これは、患者が、一般的に立っている姿勢(図22の(i))から、一般的に座っている姿勢(図22の(ii))に移行する工程を実行するときに、カップ70の咬交表面に作用する大腿部軸75Aによって生成されるトレース線85として示される。トレース線85は、股関節負荷(股関節負荷の大きさおよび方向を含む)に対応する。2Dプロットの中央は、カップ70の咬交表面の中央に対応し、一方、2Dプロットの外側表面は、カップ70の大腿部表面の端部に対応する。
【0559】
図23は、寛骨臼カップ70と、大腿部軸75を有する大腿骨75との形態でシミュレートされた整形外科インプラント配置のシミュレートされた運動学の結果(度)を示す。股関節の寛骨臼カップ70が、-35度の傾斜角度と、前方の骨盤面に対する15度の前傾(図23の(i)を参照)を有する。股関節負荷の方向は、図23の(i)および23の(ii)の両方において4画像(A、B、CとD)のそれぞれにおける矢印80によって示される。
【0560】
図23の(iii)は、カップ70の内側咬交表面と、結果として生ずる股関節負荷80の代表である対応する2Dプロットを示し、これは、患者が、一般的に立っている姿勢(図23の(i))から、一般的に座っている姿勢(図23の(ii))に移行する工程を実行するときに、カップ70の咬交表面に作用する大腿部軸75Aによって生成されるトレース線90として示される。トレース線90は、股関節負荷(股関節負荷の大きさおよび方向を含む)に対応する。2Dプロットの中央は、一方2Dプロットの外側表面は、カップ70の咬交表面の端に対応する。
【0561】
図22の(iii)および図23の(iii)のシミュレーション結果は、図22の(iii)のトレース線85が、一般的に、トレース線90(図23の(iii)参照)よりも2Dプロット(咬交表面の中央部)の中央に近いことを示す。さらに、トレース線90もまた、トレース線85よりも、2Dプロットの外側周辺にわずかにさらに広がる。
【0562】
図14から23のシミュレートされた運動学的結果は、示されたものに限定されないが、他の動的な測定基準を含んでもよいということが賛同される。
【0563】
〔インプラントデザインデータ〕
図11は、本発明の別の実施形態に基づく一群の整形外科インプラントのためのインプラントデザインデータを算出するためのコンピュータ実行方法1300を示す。コンピュータ実行方法1300は、プロセッサ1000が、データインターフェース(180,140)を介して、上述のコンピュータ実行方法300によって提供された多様な患者の多様な整形外科インプラントの位置合わせ情報データに対応する、患者ライブラリデータを受信するためのコンピュータプログラムコードによって制御される工程1310で開始する。工程1320では、プロセッサ1000は、データインターフェース(180,140)を介して、ユーザ入力要求に基づき選択された患者ライブラリデータの1つまたはそれ以上のサブセットを表すインプラント範囲データを受信するためのコンピュータプログラムコードによって、さらに制御される。工程1330では、プロセッサ1000は、患者ライブラリデータおよびインプラント範囲データに基づき一群の整形外科インプラントのためのインプラントデザインデータを算出するためのコンピュータプログラムコードによって、さらに制御される。改変された患者ライブラリデータは、インプラント範囲データに基づく患者ライブラリデータの篩い分けを基礎として算出される。グループまたは整形外科インプラントのためのインプラントデザインデータは、適切な統計分析方法を用いた、改変された患者ライブラリデータの統計学上の分析に基づき算出される。回帰分析および最小二乗分析などを含むがこれに限られない多くの統計分析手法は、そのような目的に利用可能である。
【0564】
一実施形態において、オペレータは、ある移植後活動を行うため整形外科インプラントが取り付けられた患者グループから選ばれる多くの満足した患者に関する患者満足データによって、患者ライブラリデータを篩い分けることを選択できる。患者満足データは、移植後活動を行うときの生体機械性能に対する、特定の整形外科インプラントの全体的な性能、特定の移植後活動を行うときの患者によって経験された快適度、および、特定の移植後活動を行うときの動きの自由度に関しても良い。それゆえ、もし多くの患者が特定の整形外科インプラントと生体機械的性能で満足するのなら、この整形外科インプラントは患者が期待する整形外科インプラントである可能性があることをオペレータに警告するために、この結果は図表に線図で示されることができる。
【0565】
一実施形態において、オペレータは、1つまたはそれ以上の患者の移植後活動の少なくとも1つを行うための一群の整形外科インプラントから選ばれる整形外科インプラントの数に基づき患者のライブラリデータを篩い分けることを、選択できる。
【0566】
一実施形態において、オペレータは、1つまたはそれ以上の移植後活動の少なくとも1つを患者が行うことを可能にするための特定のサイズの利用可能な整形外科インプラントの数に基づき患者のライブラリデータを篩い分けることを、選択できる。
【0567】
図24は、外科医などのオペレータが、患者が1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を実行することを可能にする患者の関節に最も適切に取り付けられる整形外科インプラントを特定するため用いることができる模範的なグラフィカル図を示す。第一に、患者の関節のサイズが、関節の前方-後方(A-P)および中央-外側(M-L)の寸法に基づき決定される。関節の寸法はそれから整形外科インプラントの範囲(たとえばX、Y、およびZ)に対して描かれ、患者用の最も適切なサイズの整形外科インプラントを特定するために、データベース1030に記憶された対応するライブラリデータから得られる。この例では、図24の(i)に示すように、関節のA-PおよびM-Lの寸法は、それぞれサイズ3および3であり、最も適切にサイズの整形外科インプラントはZである。整形外科インプラントZ、ZA、ZB、およびZCは、関節として、全て同じA-PとM-L寸法を有するが、それらの咬交表面は、変化する程度によって異なる。この例では、整形外科インプラントZのため滑車の深さは、一度移植された関節が安定するよう、整形外科インプラントZA、ZB、およびZCよりも大きくてもよい。
【0568】
図24の(i)に示すように、関連する咬交表面における違いによって、選択された整形外科インプラント(Z,ZA、ZBとZC)は、関連する移植後活動(たとえば、テニス、ゴルフ、スキーまたは、あらゆる定義された運動学上の提案)に対応する。たとえば、整形外科インプラントZAは変形が制限される咬交表面を備えているので、テニスなどの活動に適している。一方、整形外科インプラントZBは、回転に融通が利く咬交表面を備えているので、ゴルフなどの活動に適している。患者が、他の2つの移植後活動(ゴルフとスキー)よりもテニスをすることをより望むと仮定すると、図24の(ii)に示すように、外科医は整形外科インプラントZAを選ぶ。
【0569】
図25は、外科医などのオペレータが、あるサイズの範囲内でライブラリデータとしてデータベース1030に記憶された左と右の膝関節両方の整形外科インプラントの範囲を特定するため用いることができる、別の模範的なグラフィカル図を示す。第一に、所望の左および右の整形外科インプラントのサイズ範囲は、各整形外科インプラントの前方-後方(A-P)および中央-外側(M-L)の寸法の両方によってインプラント範囲として入力される。この例では、選択されたサイズ範囲は、それぞれ左(L)および右(R)のインプラントの両方の1~6のサイズを含む。対応するプロットは、図25に示すように鐘状の曲線を提供する。
【0570】
プロットに示すように、そのような結果を生じ、3D鐘曲線を生成するとき、移植後活動(テニス、ゴルフ、スキー、サッカー、または、任意の定義された運動学的提案)もまた考慮される。この例において、図25に示すように、サイズ3の右(R)の整形外科インプラントのA-PおよびM-L寸法は、対応する右(R)の整形外科インプラント3A、3B、3C、3DのA-PおよびM-L寸法と同じであるが、各インプラントの咬交表面は異なり、上の例(図24参照)で記述されているように、3Aはテニス、3Bはゴルフ、3Cはスキー、3Dはサッカーをするのに適する咬交表面を有する。
【0571】
特定サイズ範囲の整形外科インプラントを特定できることによって、たとえば顧客が1つまたはそれ以上の公衆分野の整形外科インプラントの目録を生成することを可能にする。
【0572】
患者ライブラリデータおよびインプラント範囲データは上述したものに限られず、かつ、患者ライブラリデータまたはインプラント範囲データは後の参照のためにデータベース1030に記憶されてもよいということが、賛同される。
【0573】
〔利点〕
上述した様々な実施形態によって、以下を含む一定範囲の利点が提供される:
インプラント手術の前に、一定範囲の可能な位置合わせ形態を考慮することによって、改良された患者固有の位置合わせを提供すること。改良された患者固有の位置合わせがいったん特定されたら、外科は、要求された精度でこの位置合わせを伝えるために、切断ガイドまたは外科手術のナビゲーションなどの、現代的かつ正確なコンピュータ補助外科技術を選択できる。
【0574】
患者が1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うのに適した位置合わせ形態としてオペレータによって定義された、名目の位置合わせ形態の範囲を考慮することによって、改良された患者固有の位置合わせを提供すること。
【0575】
利用可能な整形外科インプラントの選択の患者固有の改良を提供すること。当業者は、各インプラントがわずかな差を有する商業上利用可能な予め決められた整形外科インプラントの数を知っている。上述した実施形態に基づき算出された位置合わせ情報データと位置合わせ形態データは、様々な形態、たとえば、外科が患者の関節と彼らの所望の移植後活動に関して、最も適切な整形外科インプラントを選択できるようなグラフィカル図で現わされてもよい。
【0576】
膝関節に対する患者固有の関節挿入物の位置合わせ/配置と、患者固有の改良から得られる形状を有する咬交表面を有するカスタマイズされたインプラントを備える特定の関節挿入物(たとえば、膝の脛骨挿入物)の基準とを可能にすること。
【0577】
1つまたはそれ以上のデータファイルの型におけるシミュレーション結果の供給によって、たとえば、物的生産物の製造が可能になる:
カスタムメイドされた患者固有の治具、すなわち、手術中に外科医を物理的に導く患者の関節に配置できる切断ガイド。
【0578】
カスタムメイドされたコンピュータナビゲーションファイル、本質的には、患者の関節に対して整形外科インプラントの位置を定めることおよび配置に対してインプラント手術に特化した相互作用デモストレーション。
【0579】
患者の関節に対して整形外科インプラントを位置合わせする位置合わせシステムによって用いられうる、カスタムメイドされたロボット学ファイル。
【0580】
患者固有の改良過程から得られた形状を有する咬交部を有するカスタマイズされたインプラント。カスタム関節は、次に、関節挿入物のインプラント(脛骨挿入物用の脛骨トレイなど)に取り付けられ、付着され、または機械的に固定されうる。
【0581】
患者固有のカスタム咬交表面を有するカスタムメイド整形外科インプラント。
【0582】
〔使用〕
本発明の好ましい実施形態の段階的な一般例は、以下に説明されており、仮想的な運動学的シミュレータを提供する。
【0583】
一般的な方法によって、CTまたはMRI画像の形態の膝関節の骨構造の3D画像が取得され、かつオペレータによってDICOMファイルに変換される。
【0584】
DICOMファイルは、たとえば、インターネット230またはプライベートWANを介してコンピュータ100に接続されるクライアントコンピュータ220を用いてコンピュータ100に伝送される。
【0585】
DICOMファイルは、不要データを取り除くため、篩い分けられ、かつ、分画される。
【0586】
解剖学的目印は、DICOMファイルから識別される。
【0587】
手術は、膝用の機能軸位置合わせなおよび選択されたインプラントデザインなどの一般的な標準位置のために計画する。これは、改良がされないならそのような標準位置が達成されるようなインプラントの位置合わせを本質的に含む。
【0588】
決定論的な患者固有の厳密な身体力学シミュレーションは、コンピュータ100によってなされる。
【0589】
決定論的なモデルは、シミュレーション結果を生成するために特定のインプラント位置においてシミュレーションが実行されるとき、生成される。
【0590】
オペレータは、インターネット230を介してコンピュータ100に接続されるクライアントコンピュータ220を用いて、たとえばグラフィカル図の形態において選択された整形外科インプラントの標準位置のシミュレーション結果を視認することができる。
【0591】
オペレータは、従来の標準から位置を修正し、および/または、選択された整形外科インプラントを修正し、かつ、新しいシミュレーション結果を見ることができる。修正を左右する要因は、オペレータのスキルおよび経験に基づきオペレータによって理解されるものである。これらは、患者固有のまたはより一般的であることでありえ、たとえば、大腿骨の要素のより外側の回転のための特定の患者の要求に関連することができ、または、末端の大腿骨の切除を増加することによって全ての伸張が達成されるというより単純な認識も可能である。
【0592】
外科医などのオペレータがいったんシミュレーションに満足したら、外科医は、インターネット230を介してコンピュータ100に接続されるクライアントコンピュータ220を用いて、患者固有の外科施術実行計画を注文できる。
【0593】
外科手術計画実行ツールが生成される:これは、実際の患者の特定の治具、すなわち、骨にピンで留められ深く切るのに用いられ、かつ、外科医がフォローできるようなビジュアルナビゲーション指示も提供する切断ガイドを含む。
【0594】
本発明の好ましい段階的一般的な実施例は、下記に説明されており、たとえば、インプラントデザイン、位置、および関節を含む、グラフィカル表現の形態でのシミュレーションの結果を提供する目標駆動的改良に注目する:
一般的な方法によって、CTまたはMRI画像の形態の膝関節の3D画像が取得され、かつ外科医によってDICOMファイルに変換される。
【0595】
DICOMファイルは、たとえば、インターネット230またはプライベートWANを介してコンピュータ100に接続されたクライアントコンピュータ220を用いてコンピュータ100に伝送される。
【0596】
DICOMファイルは、不要データを取り除くため、篩い分けられ、かつ、分画される。
【0597】
解剖学的目印は、DICOMファイルから識別される。
【0598】
咬交表面の損傷は、仮想的に訂正された自然モデルを生成するため、形状の改変によって、損傷していない咬交表面から識別されかつ訂正される。
【0599】
決定論的な患者固有の厳密な身体力学シミュレーションは、コンピュータ100、特にプロセッサ1000によってなされる。
【0600】
整形外科インプラントのデザイン、形、および咬交は、
A.既存のデザイン
B.既存のデザインとカスタムメイド要素との組み合せ
C.完全にカスタムメイドされた整形外科インプラント
であってもよい。
【0601】
たとえば、外科および/またはインプラント製造業者などのオペレータは、六段階の自由度内でインプラント位置の許容できる幅を定義できる(抹消大腿骨オフセットおよび後部顆オフセットを維持している間、抹消大腿骨切断-3度外反から3度内反、末端大腿骨切断-0から5度の抹消大腿骨の屈曲、回転-トランス上顆軸に対する3度内部から3度外部)。
【0602】
たとえば、インターネット230またはプライベートWANを介してコンピュータ100に接続されるクライアントコンピュータ220を用いて、外科医は、たとえばグラフィカル表現の形態において、選択された整形外科インプラントの標準位置のシミュレーション結果を視認することができる。
【0603】
外科医は、それから、従来の標準から位置を修正し、かつ/または、選択されたインプラントを修正し、かつ、新しいシミュレーション結果を視認することができる。修正を左右する要因は、外科医のスキルおよび経験に基づき外科医によって理解されるものである。これらは、患者固有またはより一般的でありえ、たとえば、大腿骨の要素のより外側の回転のための特定の患者の要求に関連することができ、または、末端の大腿骨の切除を増加することによって全ての伸張が達成されるというより単純な認識も可能である。
【0604】
外科医がいったんシミュレーションに満足したら、外科医は次に、患者に、インターネット230またはプライベートWANを介してコンピュータ100に接続されるクライアントコンピュータ220を用いて、特定の外科手術実行計画を注文できる。
【0605】
外科手術実行計画ツールは生成される:これは、実際の患者固有の治具、すなわち、骨にピンで留められ深く切るのに用いられ、外科医がフォローできるようなビジュアルナビゲーション指示も提供することを含む。
【0606】
本発明の好ましい実施形態の段階的な一般例は、以下に説明されており、患者固有の機能性目標に向けられた複数の客観的な目標による改良に注目する。
【0607】
患者の機能性目的、すなわち、所望の移植後活動と、移植後活動のための患者の好みは、アンケートによって一般の用語で得られる。
【0608】
機能性目標は、それから、関節が移植後活動を実行する際の好みに基づき、患者によって、そして外科医によって、階層的に分類される:たとえば(ひざを曲げる能力がもっとも重要で、階段を上る能力が二番目にもっとも重要で、ローンボールズをプレイする能力が三番目にもっとも重要であり、およびその他)。
【0609】
一般的な方法によって、たとえばCTまたはMRI画像の形態の膝関節の3D画像が取得され、かつ外科医によってDICOMファイルに変換される。
【0610】
DICOMファイルは、たとえば、インターネット230またはプライベートWANを介して、クライアントコンピュータ220を用いてコンピュータ100に伝送される。
【0611】
DICOMファイルは、不要データを取り除くため、篩い分けられ、かつ、分画される。
【0612】
解剖学的目印は、DICOMファイルから識別される。
【0613】
決定論的な患者固有の厳密な身体力学シミュレーションは、コンピュータ100、特にプロセッサ1000によってなされ、適切な整形外科インプラントはオペレータによって選択される。整形外科インプラントのデザイン、形、および咬交は、
A.既存のデザイン
B.既存のデザインとカスタムメイド要素との組み合せ
C.完全にカスタムメイドされた整形外科インプラント
であってもよい。
【0614】
複数目標駆動型改良は、次のように実行される。
【0615】
i.外科および/またはインプラント製造業者は、六段階の自由度内でインプラント位置の許容できる幅を定義できる(抹消大腿骨オフセットおよび後部顆オフセットを維持している間、抹消大腿骨切断-3度外反から3度内反、末端大腿骨切断-0から5度の抹消大腿骨の屈曲、回転-トランス上顆軸に対する3度内部から3度外部)。
【0616】
ii.患者の機能性目的、すなわち、所望の移植後活動と、移植後活動のための患者の好みは、コンピュータ100によって数値目標に転換される:たとえば(「私はテニスをしたい」は、「伸長時における、脛骨に対する大腿骨の最大可能な外側の回転」になる)
iii.外科医および製造業者によって生成される、パラメータの外側に存在する患者固有の数値目標は、除外される。
【0617】
iv.外科医および製造業者によって生成される、パラメータの内側に存在する患者固有の数値目標は、包含される。
【0618】
改良された位置は、多数の目標を最もよく満たすシミュレーション結果に基づき生成される。
【0619】
外科医は、それから、インターネット230またはプライベートWANを介してコンピュータ100に接続されるクライアントコンピュータ220を用いて、たとえばグラフィカル表現の形態において、選択された整形外科インプラントの標準位置のシミュレーション結果を視認することができる。
【0620】
外科医は、それから、従来の標準から位置を修正し、かつ/または、選択されたインプラントを修正し、かつ、新しいシミュレーション結果を視認することができる。修正を左右する要因は、外科医のスキルおよび経験に基づき外科医によって理解されるものである。これらは、患者固有またはより一般的でありえる。
【0621】
外科医がいったんシミュレーションに満足したら、外科医は次に、患者に、インターネット230またはプライベートWANを介してコンピュータ100に接続されるクライアントコンピュータ220を用いて、特定の外科手術実行計画を注文できる。
【0622】
外科手術実行計画ツールは生成される:これは、実際の患者固有の治具、すなわち、骨にピンで留められ深く切るのに用いられ、外科医がフォローできるようなビジュアルナビゲーション指示も提供することを含む。
【0623】
理想のシミュレーションモデルは、車の乗り降り、階段の昇り降りなどの簡単な毎日の動作からネットボールおよびスキーなどのより厳しい活動までの、様々な異なる移植後活動および行動に対応するということが強調される。
【0624】
患者の特有の位置合わせが、かなり改良された機能的な結果を患者に提供するということは、当業者によって称賛される。これは一般的に、上述したコンピュータ-実行方法によってなされる:
手術前に、個々の患者の正確な患者固有モデルを生成する。
【0625】
個々の機能的要求を満たすために、各患者への位置合わせを改良する。
【0626】
ダイナミックモデリング技術は、関節運動学、負荷、および咬交行動の仮想予測のための価値のあるツールであることが示されている。関節交換に適用されるとき、動的モデリングは、これらのデザインを患者にテストする必要がある前に、デザインバリエーションが関節運動学、関節負荷、および関節咬交行動を有する一般化された効果を識別するのに用いられる。これは、異なるデザインの一般的特徴および利点を比較するときに価値がある。
【0627】
一般化された「平均」パラメータよりもむしろ、患者固有のパラメータを入力することによる患者固有のシナリオのシミュレーションは、特有の「実生活」シナリオにおける特定の患者に適切な予測を与える。
【0628】
これは、たとえば、インターネット230またはプライベートWANを介してコンピュータ装置100に接続されたクライアントコンピュータ装置220を用いた外科医の場面から直接にアクセスされる外科手術の実行計画を作るという、特別な利点である。
【0629】
発明の他の利点は以下を含む:
手術後の運動範囲、関節運動学、関節負荷、関節行動、摩擦と機能を予測するための固定体の力学シミュレーションで逆動学を使用した完全な生体機械的シミュレーションを提供することは、結果的に、ある状況を生ずる。たとえば:ある整形外科インプラントXが、特定の患者Yに、特定の方向Zで配置されたなら、その結果は正確に予測できる。さらに、全ての位置および形の望ましい範囲はテストされ/サンプルを採られる。
【0630】
動作、運動学、負荷、摩擦、および機能的な結果の非病理学上の平常の範囲を予測するための、堅い本体メカニクスシミュレーションで逆の力学を用いることによって患者固有の平常の運動学の予測を提供すること。外科手術の目的としてこれを設定すること、それから、インプラントデザイン、形、サイズ、咬交、および位置の選択を経て、もっとも近い可能な表現に達するための目標駆動型改良を用いること。
【0631】
患者固有の機能的目的を満たすこと、すなわち、強固体機械学シミュレーションで逆動力学を用いた複数の客観的な改良のための数値目標に、アンケートからの患者一般用語を翻訳することによる移植後活動。インプラントデザイン、形、サイズ、咬交、および位置の選択を経て、最も近い可能な方法で、改良された姿勢に達すること。
【0632】
外科医にシミュレーション環境にアクセスさせることと、パラメータおよび境界を予め機能的かつ固有的に変化させ、かつ、結果として生じる衝撃を観察する機会を提供すること。
【0633】
上記の例および実施形態は膝関節交換に対するものであるが、同様の一般的技術は、同様の方法で股関節交換に提供されてもよいことが強調される。したがって、上記の一般的な原則は、関節が股関節である実施形態に適用されてもよいことが、当業者には分かる。
【0634】
他の実施形態において、STL、JPEG、GIF、およびTIF画像ファイルなど他の画像ファイルタイプが用いられる。
【0635】
他の実施形態において、上記の一般的な原則は、肩交換、背骨のディスク交換と足首の交換などの、これらに制限されないが、全ての関節のある移植可能な装置に適用可能である。
【0636】
他の実施形態において、上記の一般的な原則は、咬交関節において用いられる全ての移植可能な装置に適用されうる。しかし、移植可能な装置自体は咬交交換ではなく、膝前方の十字形の靭帯の再建および肩回転カフ修復を含むが、これらに制限されない。
【0637】
〔解釈〕
〔無線:〕
発明は、たとえば他のWLAN規格および他の無線規格を含む他のネットワーク規格に従う装置を用いて、かつ、他の用途のために、具体化されてもよい。適用されうる用途は、IEEE802.11無線LAN、およびリンクと無線イーサネットを含む。
【0638】
本文書の文脈において、「無線」という用語およびその派生語は、非固体の媒体を通じた変調電磁放射の使用を通じてデータを通信する回路、装置、システム、方法、技術、通信チャネル等を説明するのに用いてもよい。用語は、ある実施形態では有線を含まないかもしれないが、関連する装置がいかなる有線をも含まないこと、を意味するものではない。この文書の文脈において、「有線」という用語およびその派生語は、固体の媒体を通じた使用を通じた変調電磁放射のデータを通信する回路、装置、システム、方法、技術、通信チャネル等を説明するのに用いてもよい。用語は、関連する装置が、導電配線によって結合されたことは意味しない。
【0639】
〔処理〕
他に特に言及されない限り、次の議論から明白なように、明細書を通じて、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「決定する」、「分析する」等などの用語を用いる議論は、電気的などの物理的な量として表わされたデータを、物理的な量として同様に表される他のデータに操作および/または転送するコンピュータ、またはコンピュータシステム、あるいは類似の電気的コンピュータ装置の行為および/または処理を意味することが分かる。
【0640】
〔プロセッサ:〕
同様に、「プロセッサ」という用語は、たとえば、レジスタおよび/またはメモリからの電子データを、たとえばレジスタおよび/またはメモリに記憶されてもよい他の電子データに変換するために処理する装置または装置の一部を意味してもよい。「コンピュータ」または「コンピュータ装置」または「コンピュータ機械」または「コンピュータプラットフォーム」は、1つまたはそれ以上のプロセッサを含んでもよい。
【0641】
一実施形態において、ここに記載された方法論は、1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行されるときに、ここに記載された方法の少なくとも1つを実施する命令を含むコンピュータ読み取り可能(機械読み取り可能とも呼ばれる)なコードを受け入れる1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行可能である。実行される行為を特定する一組の命令(順次的なまたは他の)を実行できるいかなるプロセッサも含まれる。このように、一例は、1つまたはそれ以上のプロセッサを含む典型的な処理システムである。処理システムは、さらに主RAMおよび/またはスタティックRAMおよび/またはROMを含むメモリサブシステムを含んでもよい。
【0642】
〔コンピュータ読み取り可能な媒体:〕
さらに、コンピュータ読み取り可能なキャリア媒体は、コンピュータプログラム製品を形成するか、またはこれを含んでいてもよい。ここで説明された方法をプロセッサに実施させるためのコンピュータ読み取り可能な可能プログラム手段を備えているコンピュータプログラム製品は、コンピュータが使用できるキャリア媒体に記憶されればよい。
【0643】
〔ネットワーク化されたまたは複数のプロセッサ:〕
他の実施例において、1つまたはそれ以上のプロセッサはスタンドアロン装置として動作するか、または、ネットワーク化された配置において他のプロセッサに接続たとえばネットワーク化されてもよく、1つまたはそれ以上のプロセッサは、クライアントサーバ通信環境におけるサーバまたはクライアントマシンの容量において、またはピアツーピアまたは分散ネットワーク環境のピアマシンとして、動作する。1つまたはそれ以上のプロセッサは、ウェブ機器、ネットワークルータ、スイッチまたはブリッジ、または、マシンによってなされる動作を明記する一連の命令(順次的なまたは他の)を実行することができるマシンを形成してもよい。
【0644】
なお、いくつかの図が、コンピュータ読み取り可能なコードを実行する単一のプロセッサおよび単一のメモリのみを示すとはいえ、当業者は、上記で説明された部材の多くは、発明の様相を不明確にすることがないよう記述され、または明示的に示されないが、含まれることを理解する。たとえば、単一のマシンのみが図示されているとはいえ、「機械」という用語は、ここで論じられている1つまたはそれ以上のどの方法論を実行するための一連の(または複数の)命令を独立してまたは共同で実行する機械の集合を含むように、取り扱われる。
【0645】
〔追加の実施形態:〕
それゆえ、ここに記述されたそれぞれの方法の一実施形態は、たとえば、1つまたはそれ以上のプロセッサの実行のためコンピュータプログラムの一連の指示を伝えるコンピュータ読み込み可能なキャリア媒体の形をとる。それゆえ、当業者には分かるように、本発明の実施形態は、方法、特別な目的の装置などの装置、データ処理システムなどの装置、またはコンピュータ読み取り可能なキャリア媒体などの装置として、具体化される。コンピュータ読み取り可能なキャリア媒体は、1つまたはそれ以上のプロセッサにおいて実行されるときにプロセッサまたはプロセッサ群に方法を実行させる一組の指示を含むコンピュータ読み取り可能なコードを保持する。従って、本発明の態様は、方法、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、または、ソフトウェアおよびハードウェアの様相を組み合わせた実施形態を取ってもよい。さらに、本発明は、媒体において実体化されるコンピュータ読み取り可能なプログラムコードを保持するキャリア媒体(たとえば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体上のコンピュータプログラム製品)の形をとってもよい。
【0646】
〔キャリア媒体〕
ソフトウェアはさらに、ネットワークインタフェース装置を介して、ネットワーク上を送受信されてもよい。キャリア媒体が、実施例において単一の媒体であることを示すとはいえ、「キャリア媒体」という用語は、1つまたはそれ以上の指示を記憶する単一媒体または複数媒体(たとえば、集中化または分散化されたデータベース、および/または結合されたキャッシュおよびサーバ)を含むべきである。「キャリア媒体」という用語はまた、1つまたはそれ以上のプロセッサによる実行のための一連の命令を格納し、符号化し、または実行でき、かつ、1つまたはそれ以上のプロセッサが、本発明の1つまたはそれ以上の方法論のいずれか1つまたはそれ以上を実行させる、いかなる媒体も含むよう取り扱われる。キャリア媒体は、非揮発性媒体、揮発性媒体、そして伝送媒体に制限されない多くの形態を有する。
【0647】
〔実行:〕
議論された方法の工程は、記憶部に記憶された命令(コンピュータ読み取り可能なコード)を実行する処理システム(たとえばコンピュータ)の適切なプロセッサ(またはプロセッサ群)によって、一実施形態において実行されることが、理解される。発明は、いかなる特定の実行またはプログラミング技術に制限されないこと、および、発明は、ここに記述されている機能を実行するための適切な技術を用いて実行されてもよいことが理解される。発明は、特定のプログラム言語またはオペレーティングシステムに制限されない。
【0648】
〔方法または機能の実行のための方法〕
さらに、実施形態のいくつかは、プロセッサ装置、コンピュータシステムのプロセッサによってまたは、機能を実行する他の方法によって実行され得る方法または方法の要素の組み合わせとしてここに記載されている。したがって、そのような方法または方法の要素を実行する必要な指示と共にあるプロセッサは、方法または方法の要素を実行する手段を形成する。さらに、装置実施形態のここに記載された要素は、発明を実施する目的のための要素によって実行される機能を実行するための方法の例である。
【0649】
〔接続〕
同様に、接続されるという用語がクレームで使用される時、直接の接続のみに解釈されるべきではないということが注意されるべきである。したがって、装置Bに接続される装置Aという表現の範囲は、装置Aの出力が装置Bの入力に直接接続する装置またはシステムに制限されるべきでない。Aの出力とBの入力との間に、他の装置または手段を含んでもよい経路があることを意味する。「接続された」は、2つ以上の要素が物理的または電気的に直接接続すること、または、2つ以上の要素が互いに直接には接続しないが互いに相互に作用しまたは共同で動作することを意味する。
【0650】
〔実施形態:〕
この明細書を通じての「一実施形態」または「実施形態」への参照は、実施形態に関して記載された特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。このように、この明細書を通じて様々な箇所における「一実施形態において」または「実施形態において」の句の出現は、必ずしも全ての`同じ実施形態を参照しておらず、しかし参照してもよいのである。さらに、当業者にとっては自明であるように、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたはそれ以上の実施形態において、いかなる適当な様式で組み合わせてもよい。
【0651】
同様に、発明の実施形態例の上記記載において、発明の様々な特徴は、開示を簡素化しかつ1つまたはそれ以上の様々な発明の態様の理解を手助けする目的で、単一の実施形態、図、または、記載において、時に共にグループ化されることが理解されるべきである。この開示の方法は、しかしながら、クレーム化された発明が、各クレームに明白に列挙されたことよりも多くの特徴を要するという意図が反映されたものとして解釈されることはない。むしろ、以下のクレームが示すように、発明の態様は、前に開示された単一の実施形態の全ての特徴よりも少ない点にある。したがって、特定の実施形態の詳細な記載に続くクレームは、各クレームのみがこの発明の別の実施形態としてあるように、この特定の実施形態の詳細な記載にここに明白に組み込まれる。
【0652】
さらに、ここに記載されたいくつかの実施形態が、他の実施形態において含まれた他の特徴ではないいくつかの特徴を含んでいるとはいえ、当業者によって理解されるように、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、発明の範囲内であることを意味し、かつ、異なる実施形態を形成する。たとえば、次のクレームにおいて、クレーム化された任意の実施形態は、任意の組み合わせで用いられうる。
【0653】
〔オブジェクトの異なるインスタンス〕
ここで使用されているように、他に特定されない限り、共通のオブジェクトを記載するための「第一の」「第二の」「第三の」等の順序の形容詞を用いることは、同じオブジェクトの異なるインスタンスを言及していることを単に示すに過ぎず、そのように記載されたオブジェクトが時間的に、空間的に、順序的において、またはいかなる他の様式において、所定の順序でなければならないことを意味する意図ではない。
【0654】
〔特定の詳細〕
ここに提供される記載において、非常に多くの特定の詳細が示される。しかしながら、発明の実施形態が、これらの特定の詳細なく実行されてもよいことが理解される。他の事例において、周知の手法、構造、技術は、この記載の理解をわかり難くしないために、詳細には示されない。
【0655】
〔専門用語〕
図に示される発明の好ましい実施形態の記載において、特定の用語は、明瞭さのために用いられる。しかしながら、発明は、そのように選択される特定の用語に制限されることを意図せず、それぞれの特定の用語は、同様の技術目的を果たすために同様の様式で動作する全ての技術的に同等なものを含むことが理解される。「前方に」、「後方に」、「放射状に」、「周辺に」、「上に」、「下に」などの用語は、制限する用語であると解釈されるのではなく、参照部分を提供するのに便利な語として用いられる。
【0656】
〔備えているおよび含んでいる〕
後に続くクレームにおいて、そして前述の発明の記載において、言語および必要な意味を説明するために文脈が他を要求する場合を除き、「備えている」という語または「備える」などの変形は、包括的な意味で、すなわち、発明のさまざまな実施形態におけるさらなる特徴の存在または追加を除外するものではなく、言及される特徴の存在を特定するために使用される。
【0657】
用語のいずれか1つ:ここで用いられている、含んでいるまたは含むもまた、他を除外するのではなく、用語の後に続く要素/特徴を少なくとも包含することを意味するオープン用語である。このように、含んでいるは、備えているに類義し、かつ、備えているを意味する。
【0658】
〔発明の範囲〕
したがって、発明の好ましい実施形態であると信じられる記載があるとはいえ、当業者は、他のさらなる変更修正が、発明の思想から離れることなくなされてもよく、かつ、全てのそのような変更および修正が発明の範囲内にあるようにクレームすることを意図することを認識する。たとえば、前に与えられた製法は、使用されてよい工程を表すに過ぎない。機能性はブロック図から追加または削除されてもよく、動作は機能ブロック間で置き換えられてもよい。工程は、本発明の範囲内で記載された方法に対して追加または削除してもよい。
【0659】
発明は、特定の例を参照して記載されているが、発明が、多くの他の形態で具体化されてもよいことが当業者には分かる。
【産業上の利用可能性】
【0660】
記載された仕組みがヘルスケアメディカル装置およびメディカルSaaS産業に適用できることは、上記から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0661】
いかなる他の形態も本発明の権利範囲に含まれるが、一例として、本発明の好ましい実施形態について、添付の図面を参照して以下で説明する。
図1図1は、種々の実施形態にて実現され得るコンピュータ装置を好適な実施形態において示した図である。
図2図2は、種々の実施形態にて実現され得るコンピュータ装置のネットワークを好適な実施形態において示した図である。
図3図3は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を示す。
図4図4は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を示す。
図5図5は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を示す。
図6図6は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を示す。
図7図7は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を示す。
図8図8は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を示す。
図9図9は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を示す。
図10図10は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を示す。
図11図11は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を示す。
図12図12は、膝関節の機能運動学的反応を示すレスポンスカーブをグラフで示した図である。
図13図13は、図1に示すコンピュータ装置のデータベースに格納されたファイルの概要を示した図である。
図14図14は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を用いて計算された位置合わせ情報データに基づいて、患者の膝関節の内反の角(単位:度)の変化をコンピュータシミュレーションにより予測した結果をグラフで示した図である。
図15図15は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を用いて計算された位置合わせ情報データに基づいて、患者の膝関節の四頭筋の力(単位:ニュートン)の変化をコンピュータシミュレーションにより予測した結果をグラフで示した図である。
図16図16は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を用いて計算された位置合わせ情報データに基づいて、患者の膝関節の内側および外側への回転(単位:度)の変化をコンピュータシミュレーションにより予測した結果をグラフで示した図である。
図17図17は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を用いて計算された位置合わせ情報データに基づいて、患者の膝関節の膝蓋側面の力(単位:ニュートン)の変化をコンピュータシミュレーションにより予測した結果をグラフで示した図である。
図18図18は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を用いて計算された位置合わせ情報データに基づいて、3つの異なる内反および外反角度における、患者の膝関節の内側および外側への回転(単位:度)の変化をコンピュータシミュレーションにより予測した結果をグラフで示した図である。
図19図19は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を用いて計算された位置合わせ情報データに基づいて、患者の膝関節に係る様々なパラメータの変化をコンピュータシミュレーションにより予測した結果をグラフで示した図である。
図20図20は、本発明の一実施形態における患者の関節の整形外科インプラントの位置合わせのための位置合わせ情報データの選択において使用するために、整形外科インプラントをそれぞれ装着した8人の患者の一群から得たライブラリ位置合わせ情報データを、グラフで示した図である。
図21図21は、本発明の一実施形態におけるコ1ンピュータ実行方法を用いて計算された位置合わせ情報データに基づいて、患者の左右の股関節にかかる負荷(単位:ニュートン)の変化をコンピュータシミュレーションにより予測した結果をグラフで表示したものである。
図22図22は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を用いて計算された位置合わせ情報データに基づいて、患者の股関節の臼がいの配置(単位:度)の変化をコンピュータシミュレーションにより予測した結果をグラフで表示したものである。
図23図23は、本発明の一実施形態におけるコンピュータ実行方法を用いて計算された位置合わせ情報データに基づいて、患者の股関節の臼がいの配置(単位:度)の変化をコンピュータシミュレーションにより予測した結果をグラフで表示したものである。
図24図24は、本発明の一実施形態において、整形外科インプラントの一群から計算されたインプラントの形状データをプロットした図である。
図25図25は、本発明の一実施形態において、整形外科インプラントの一群から計算されたインプラントの形状データをプロットした図である。
【0662】
〔本発明の別の表現〕
(態様1)
インプラントパラメータデータを提供するために、各工程がコンピュータによって実行される方法であって、
1つまたはそれ以上の動的特徴を示しかつ患者のインプラントまたはインプラント領域を映像化することによって得られる患者固有情報データに応じて、上記患者のインプラントまたはインプラント領域に関する患者生体機械データを得る工程と、
上記患者生体機械データと、移植後活動嗜好データから決定されかつ1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データとに応じて、それぞれが上記インプラントのための製造インプラントパラメータデータと上記インプラントの位置合わせ情報データとに少なくとも関係する一組のインプラントパラメータデータ候補を決定する工程と、
上記一組のインプラントパラメータデータ候補から、上記患者が自己の望む嗜好に応じた上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うことを可能にするために上記患者に最も適合するであろうインプラントパラメータデータを選択する工程とを含むコンピュータによって実行される方法。
【0663】
(態様2)
上記位置合わせ情報データは、整形外科インプラントの位置合わせに関係する態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0664】
(態様3)
上記インプラントパラメータデータは、1つまたはそれ以上の、上記整形外科インプラントのための位置情報データ、および、上記整形外科インプラントのための回転情報データを備えている態様2に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0665】
(態様4)
上記インプラントパラメータデータは、患者関節の実際の3Dモデルデータを備えている態様2に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0666】
(態様5)
上記インプラントパラメータデータは、整形外科インプラントの位置合わせのモデル化データを含む態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0667】
(態様6)
上記製造インプラントパラメータデータは、整形外科インプラントの製造に関係する請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0668】
(態様7)
上記インプラントパラメータデータは、患者固有の治具を製造するための製造パラメータを含む態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0669】
(態様8)
上記1つまたはそれ以上の動的特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0670】
(態様9)
上記仮想予測は、コンピュータモデル予測を備えている態様8に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0671】
(態様10)
上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の静的特徴を示す態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0672】
(態様11)
上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、1つまたはそれ以上の、生体機械基準系の耐荷重性軸である態様10に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0673】
(態様12)
上記生体機械基準系の耐荷重性は、一次耐荷重性軸を備えている態様11に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0674】
(態様13)
上記1つまたはそれ以上の静的特徴は、寛骨基準系、大腿骨基準系、脛骨基準系、および背骨基準系を備えている一群の生体機械基準系のうち少なくとも1つの基準系の1つまたはそれ以上の耐荷重性軸を備えている態様10に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0675】
(態様14)
上記患者固有情報データは、2D映像データを備えている態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0676】
(態様15)
上記2D映像データは、1つまたはそれ以上の、X線データおよび視覚的透視撮影データを備えている態様14に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0677】
(態様16)
上記患者固有情報データは、3D映像データを備えている態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0678】
(態様17)
上記3D映像データは、1つまたはそれ以上の、核磁気共鳴画像法(MRI)データ、コンピュータ断層撮影(CT)データ、超音波データ、放射線学データ、およびモーションキャプチャーデータを備えている態様16に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0679】
(態様18)
上記患者固有情報データは、4D映像データを備えている態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0680】
(態様19)
上記4D映像データは、モーションキャプチャーデータを備えている態様18に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0681】
(態様20)
上記患者固有情報データは、2Dおよび3D映像データを備えている態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0682】
(態様21)
上記患者固有情報データは、上記患者の1つまたはそれ以上の身体特徴を示すデータを備えている態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0683】
(態様22)
上記1つまたはそれ以上の身体特徴は、1つまたはそれ以上の、年齢データ、性別データ、身長データ、体重データ、活動レベルデータ、BMIデータ、体調データ、および体型データを備えている態様21に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0684】
(態様23)
上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0685】
(態様24)
ライブラリインプラントパラメータデータのデータベースにアクセスする工程をさらに備えており、上記インプラントパラメータデータは、上記ライブラリインプラントパラメータデータに応じてさらに選択される態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0686】
(態様25)
上記ライブラリインプラントパラメータデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている態様24に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0687】
(態様26)
上記ライブラリインプラントパラメータデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている態様24に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0688】
(態様27)
態様1から26のいずれか1項に記載のコンピュータによって実行される方法によって生成されたインプラントパラメータデータに応じて整形外科インプラントを位置合わせする位置合わせシステムを制御する方法。
【0689】
(態様28)
上記位置合わせシステムは、ロボット位置合わせシステム、ハプティックフィードバック位置合わせシステム、およびコンピュータ補助位置合わせシステムを備えている一群の位置合わせシステムから選択される態様27に記載の方法。
【0690】
(態様29)
一群の整形外科インプラントのためのインプラントデザインデータを算出するために、各工程がコンピュータによって実行される方法であって、
患者ライブラリデータを受信する工程と、
インプラント範囲データを受信する工程と、
上記患者ライブラリデータおよび上記インプラント範囲データに基づき、上記一群の整形外科インプラントのためのインプラントデザインデータを算出する工程とを含み、
上記患者ライブラリデータは、態様1から26のいずれか1項に記載のコンピュータによって実行される方法によって提供される複数の患者の複数の整形外科インプラントのインプラントパラメータデータを備えているコンピュータによって実行される方法。
【0691】
(態様30)
上記インプラント範囲データは、ユーザ入力要求に基づき選択される上記患者ライブラリデータの、1つまたはそれ以上のサブセットを示す態様29に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0692】
(態様31)
上記1つまたはそれ以上のサブセットの少なくとも1つは、1つまたはそれ以上の移植後活動を実行するための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者から選択される満足した患者の数に関する患者満足データを備えている態様30に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0693】
(態様32)
上記1つまたはそれ以上のサブセットの少なくとも1つは、1つまたはそれ以上の移植後活動のための一群の整形外科インプラントから選択される整形外科インプラントの数に関するインプラント活動データを備えている態様30に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0694】
(態様33)
上記1つまたはそれ以上のサブセットの少なくとも1つは、1つまたはそれ以上の移植後活動のための一群の整形外科インプラントから選択される整形外科インプラントの特定のサイズ範囲に関するインプラントサイズデータを備えている態様30に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0695】
(態様34)
上記インプラント範囲データに基づく上記患者ライブラリデータの篩い分けに基づき、改定された患者ライブラリデータが算出される態様29に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0696】
(態様35)
上記インプラントデザインデータは、上記改定された患者ライブラリデータの統計的分析に基づき算出される態様34に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0697】
(態様36)
上記統計的分析は、回帰分析および最小二乗分析を備えている一群の統計的分析から選択される態様35に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0698】
〔本発明の別の表現2〕
(態様1)
整形外科インプラント咬交表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータを生成するために、各工程がコンピュータによって実行される方法であって、
1つまたはそれ以上の動的および/または運動学的な特徴を示す患者固有情報データに基づいて、患者データを得る工程と、
上記患者データに基づいて、上記整形外科インプラントのためのデザインデータを算出する工程と、
上記デザインデータに基づき、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータを生成する工程とを含み、
上記患者固有情報データは、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データを備えている、コンピュータによって実行される方法。
【0699】
(態様2)
上記患者取得データは、質問表を介して取得される、態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0700】
(態様3)
上記1つまたはそれ以上の動的および/または運動学的な特徴は、1つまたはそれ以上の、関節運動学データ、関節負荷データ、および、所望の移植後活動間の関節咬交挙動データ、に基づく仮想予測を備えている態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0701】
(態様4)
1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データを受信する工程と、
上記移植後活動嗜好データに基づき、上記整形外科インプラントのための移植後デザインデータを算出する工程と、
上記移植後デザインデータにさらに基づき、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータを生成する工程とをさらに含む態様1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0702】
(態様5)
ライブラリデータのデータベースにアクセスする工程をさらに含んでおり、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータは、上記ライブラリデータに基づきさらに生成される態様4に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0703】
(態様6)
上記ライブラリデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動のうち少なくとも1つを実行するための利用可能な一群の整形外科インプラントに関するデータを備えている態様4に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0704】
(態様7)
上記ライブラリデータは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を行うための整形外科インプラントが取り付けられた一群の患者に関するデータを備えている態様5に記載のコンピュータによって実行される方法。
【0705】
(態様8)
整形外科インプラント咬交表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造する方法であって、
態様1から7のいずれか1つに記載のコンピュータによって実行される方法を用いて、製造パラメータを生成する工程と、
上記製造パラメータに基づき、上記整形外科インプラントを製造する工程とを含む方法。
【0706】
(態様9)
整形外科インプラント咬交表面を有する、患者の関節用の整形外科インプラントを製造するための製造パラメータを生成するコンピュータ装置であって、
デジタルデータを処理するプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含んでいるデジタルデータを格納し、かつバスを介して上記プロセッサに接続されている記憶装置と、
デジタルデータを送受信し、かつ上記バスを介して上記プロセッサに接続されているデータインタフェースとを備え、
上記プロセッサは、
患者データを取得するために、上記データインタフェースを介して、(i)1つまたはそれ以上の動的および/または運動学的な特徴を示す患者固有情報データ、および/または、(ii)1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データを示す患者固有情報データ、を受信し、
上記患者固有情報データに基づき、上記患者データを算出し、
上記患者データに基づき、上記整形外科インプラントのためのデザインデータを算出し、かつ、
上記デザインデータに基づき、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータを算出するように、上記コンピュータプログラムコードによって制御されるコンピュータ装置。
【0707】
(態様10)
上記プロセッサは、
上記データインタフェースを介して提供された質問表に応じて、1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示し、かつ、移植後活動嗜好データを備えている患者取得データを受信し、
上記移植後活動嗜好データに基づき、上記整形外科インプラントのための移植後デザインデータを算出し、
上記移植後デザインデータに基づき、上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータを算出するように、上記コンピュータプログラムコードによってさらに制御される態様9に記載のコンピュータ装置。
【0708】
(態様11)
上記移植後活動嗜好データは、上記1つまたはそれ以上の所望の移植後活動への相対的な患者の嗜好を示す嗜好比率である態様10に記載のコンピュータ装置。
【0709】
(態様12)
ライブラリデザインデータを含んでいるデジタルデータを格納するための、上記プロセッサに接続されているデータベースをさらに備えており、
上記プロセッサは、上記データベースから、上記ライブラリデザインデータを読み出すように、上記コンピュータプログラムコードによってさらに制御され、
上記整形外科インプラントを製造するための上記製造パラメータは、上記ライブラリデザインデータに基づきさらに算出される態様10に記載のコンピュータ装置。
【0710】
(態様13)
患者データを取得するために、データインタフェースを介して、(i)1つまたはそれ以上の動的および/または運動学的な特徴を示す患者固有情報データ、および/または、(ii)1つまたはそれ以上の所望の移植後活動を示す患者取得データを示す患者固有情報データ、を受信し、
上記患者固有情報データに基づき、上記患者データを算出し、
上記患者データに基づき、整形外科インプラントのためのデザインデータを算出し、かつ、
上記整形外科インプラントを製造するための製造パラメータを算出するように、コンピュータによって実行されることが可能な、コンピュータプログラムコード指令を備えているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19(i)】
図19(ii)】
図20(i)】
図20(ii)】
図21
図22
図23
図24
図25