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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】中詰材の投入補助装置
(51)【国際特許分類】
   E02D 23/02 20060101AFI20220516BHJP
   E02D 23/00 20060101ALI20220516BHJP
   E02B 3/06 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
E02D23/02 E
E02D23/00 D
E02B3/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019174976
(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公開番号】P2021050564
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2021-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000155034
【氏名又は名称】株式会社本間組
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(72)【発明者】
【氏名】岩田 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】本間 義信
(72)【発明者】
【氏名】山本 誠
(72)【発明者】
【氏名】安藤 恭平
(72)【発明者】
【氏名】中野 大貴
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-140612(JP,A)
【文献】特開昭61-274005(JP,A)
【文献】特開平10-147935(JP,A)
【文献】特開2000-085884(JP,A)
【文献】特開2006-315722(JP,A)
【文献】特開2005-068863(JP,A)
【文献】特開2000-303442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 23/02
E02D 23/00
E02B 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁体で仕切られた複数の投入箇所を有する水中構造物に用いられ、前記投入箇所に中詰材を投入し、投入された中詰材を目標高さに仕上げるために中詰材の投入時に前記投入箇所に設けられる中詰材の投入補助装置において、
前記投入箇所の上部に挿入配置する装置本体は、前記中詰材が投入される上段ユニットと、この上段ユニットの下に昇降可能に設けられる下段ユニットとを備え、
前記上段ユニットには、前記中詰材が落下する上落下路が複数設けられ、
前記下段ユニットには、下落下路が設けられると共に、該下段ユニットが上方位置で前記上落下路を塞ぐ閉塞部材が設けられていることを特徴とする中詰材の投入補助装置。
【請求項2】
前記上落下路はスリット状をなすと共に幅方向に間隔を置いて複数設けられ、前記上落下路に対応して前記閉塞部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の中詰材の投入補助装置。
【請求項3】
前記上落下路は下方に向かって拡大形成され、前記閉塞部材は断面上部が湾曲状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の中詰材の投入補助装置。
【請求項4】
前記上段ユニットには、前記壁体の天端に係止して該上段ユニットを前記投入箇所に吊設する上アームが設けられ、
前記下段ユニットには、前記上段ユニットに係止して該下段ユニットを前記上段ユニットの下方に保持する下アームが設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の中詰材の投入補助装置。
【請求項5】
前記下段ユニットに吊り上げ手段を連結したことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の中詰材の投入補助装置。
【請求項6】
前記上段ユニットの一方向の両側に設けた前記上アーム同士は、前記一方向と交差方向に異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項4記載の中詰材の投入補助装置。
【請求項7】
前記上段ユニットは複数の分割上段ユニットを組み立ててなり、前記下段ユニットは複数の分割下段ユニットを組み立ててなることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の中詰材の投入補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中詰材の投入補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
護岸工事や水中構造物築造工事などにおいては、ケーソンや鋼製セル等からなる構造物中に土砂、岩ズリ、砕石などの中詰材を投入して水中構造物を構築する施工方法が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
また、中詰材の投入を管理する装置として、隔壁で仕切られた複数の投入箇所を有する水中構造物に、投入手段により中詰材を投入する水中構造物における中詰材の投入管理装置において、前記中詰材の投入量を各投入箇所毎に表示する管理用制御手段を備え、この管理用制御手段は、前記投入箇所に対応して設けられた投入箇所表示部と、前記隔壁に対応して設けられた隔壁表示部と、前記投入手段により定まる投入量により前記投入箇所における中詰材の高さを表示する高さ表示部と、前記隔壁を挟んで隣合う前記投入箇所の中詰材の高低差を表示する高低差表示部とを備えた水中構造物における中詰材の投入管理装置(例えば特許文献2)などがある。
【0004】
そして、中詰材の天端上にはコンクリート蓋などが設けられるため、その天端が目標高さになるように均さなければならない。
【0005】
これに対して、比較的大型のケーソを扱う場合、中詰材の投入にはグラブバケットなどの機械を用いることができるが、均し作業にバックフォーなどの重機を用いようとしても、バックフォーが走行すると隔壁を損傷する虞があり、隔壁の天端に金属製の敷板などを敷いて作業をする必要があり、品質や作業性の面で問題が発生する。これに対し、人力による作業では、作業に手間が掛かるという問題がある。投入された中詰材の山を人力で崩すため、作業に多くの労力と時間を要すると共に、余剰に投入された中詰材も人力で除去しなければならず、作業員の負担増加を招いていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平9-268563号公報
【文献】特開2013-87482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記した問題点に鑑み、中詰材の均し作業の省力化が可能な中詰材の投入補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、壁体で仕切られた複数の投入箇所を有する水中構造物に用いられ、前記投入箇所に中詰材を投入し、投入された中詰材を目標高さに仕上げるために中詰材の投入時に前記投入箇所に設けられる中詰材の投入補助装置において、前記投入箇所の上部に挿入配置する装置本体は、前記中詰材が投入される上段ユニットと、この上段ユニットの下に昇降可能に設けられる下段ユニットとを備え、前記上段ユニットには、前記中詰材が落下する上落下路が複数設けられ、前記下段ユニットには、下落下路が設けられると共に、該下段ユニットが上方位置で前記上落下路を塞ぐ閉塞部材が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記上落下路はスリット状をなすと共に幅方向に間隔を置いて複数設けられ、前記上落下路に対応して前記閉塞部材が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記上落下路は下方に向かって拡大形成され、前記閉塞部材は断面上部が湾曲状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記上段ユニットには、前記壁体の天端に係止して該上段ユニットを前記投入箇所に吊設する上アームが設けられ、前記下段ユニットには、前記上段ユニットに係止して該下段ユニットを前記上段ユニットの下方に保持する下アームが設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、前記下段ユニットに吊り上げ手段を連結したことを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、前記上段ユニットの一方向の両側に設けた前記上アーム同士は、前記一方向と交差方向に異なる位置に配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、前記上段ユニットは複数の分割上段ユニットを組み立ててなり、前記下段ユニットは複数の分割下段ユニットを組み立ててなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の構成によれば、装置本体を目標高さに対応して投入箇所に配置し、中詰材を上段ユニット上に投入すると、上落下路と下落下路を通って投入箇所に中詰材が投入される。投入後、下段ユニットを上方位置まで引き上げると、上落下路が閉塞部材により塞がれ、この後、装置本体を吊り上げることにより余分な中詰材を撤去することができる。
【0016】
請求項2の構成によれば、上落下路をスリット状にすることにより、中詰材がスムーズに落下すると共に、中詰材が詰まり難くなる。
【0017】
請求項3の構成によれば、下方に向かって拡大する上落下路に、断面上部が湾曲状の閉塞部材が嵌入することにより、上落下路を閉塞することができる。
【0018】
請求項4の構成によれば、壁体の天端に上アームを係止して投入箇所に上段ユニットを吊設すると共に、その上段ユニットに下アームを係止して下段ユニットを所定高さに保持することができる。
【0019】
請求項5の構成によれば、中詰材の投入後、吊り上げ手段により下段ユニットを上方位置まで引き上げると、上落下路が閉塞部材により塞がれ、さらに、引き上げると、上段ユニットと共に下段ユニットを投入箇所から撤去することができる。
【0020】
請求項6の構成によれば、隣り合う投入箇所の上アーム同士が干渉することがない。
【0021】
請求項7の構成によれば、車載寸法を超えた装置本体であっても、装置本体を分割して現場に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例1を示す断面説明図である。
図2】同上、中詰材の投入を説明する概略説明図である。
図3】同上、投入補助装置の使用方法を説明する概略説明図である。
図4】同上、下段ユニットの正面図である。
図5】同上、上段ユニットの正面図である。
図6】同上、投入補助装置の平面説明図である。
図7】同上、上段ユニットの平面図である。
図8】同上、下段ユニットの平面図である。
図9】同上、投入装置の要部の拡大正面図である。
図10】同上、上段ユニットの閉塞部材周りの拡大正面図である。
図11】同上、本発明の実施例2を示す分割下段ユニットの平面図である。
図12】同上、下段ユニットの正面図である。
図13】同上、下段ユニットの平面図である。
図14】同上、下段ユニットの斜視図である。
図15】同上、分割上段ユニットの平面図である。
図16】同上、上段ユニットの正面図である。
図17】同上、上段ユニットの平面図である。
図18】同上、上段ユニットの斜視図である。
図19】本発明の実施例3を示す後側の分割下段ユニットの平面図である。
図20】同上、前側の分割下段ユニットの平面図である。
図21】同上、調整下段ユニットを示し、図20(A)は平面図、図20(B)は正面図である。
図22】同上、分割上段ユニットの平面図である。
図23】同上、調整上段ユニットを示し、図23(A)は平面図、図23(B)は正面図である。
図24】本発明の実施例4の調整下段ユニットを示し、図24(A)は平面図、図24(B)は正面図である。
図25】同上、下段ユニットの斜視図である。
図26】同上、調整下段ユニットを示し、図25(A)は平面図、図25(B)は正面図である。
図27】本発明の実施例5を示す上段ユニットの要部の正面図である。
図28】本発明の実施例6を示す上段ユニットの要部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0024】
図1図10は、本発明の実施例1を示し、同図に示すように、コンクリート製などの水中構造物である据付ケーソン1は、既設水中構造物である既設防波堤に沿って海底のマウンド上に据え付けられ、底板2の四方に壁体たる外壁3,3,3,3を設け、これら周囲の外壁3,3,3,3間に平面で前後左右方向の壁体たる隔壁4,4を設けて複数の投入箇所5,5・・・を升目状に配置している。この例では、左右(図中でも左右)に並んだ3つの枡目が前後に3列に並んで配置されている。
【0025】
図2及び図3に示すように、投入船たるガット船8は投入手段たるクレーン8Aを備え、大型土嚢9に中詰材10を詰め、この大型土嚢9をクレーン8Aにより吊り上げて大型土嚢9内の中詰材10を前記投入箇所5に投入する。この例では中詰材10として砂が用いられ、海での施工では海砂を用いることができる。
【0026】
図1に示すように、中詰材10の投入補助装置11は、前記投入箇所5の上部に挿入配置する装置本体12を備え、この装置本体12は、前記投入箇所の平面形状に対応した下段ユニット13と、この下段ユニット13の上に配置される上段ユニット14とを有し、下段ユニット13及び上段ユニット14はH型鋼などの硬質材料からなる。前記下段ユニット13は、前記投入箇所5内に挿脱可能な下外枠21を備え、この下外枠21は、平行に配置した対を成す前後の前後枠部材22,22と、平行に配置した対を成す左右の左右枠部材23,23とを方形に組み立ててなる。前記下外枠21には、前後方向に長い複数の下横部材24,24・・・を左右方向に間隔を置いて配置し、前記下横部材24の端部を前記前後枠部材22,22の上面に固定し、左右方向に隣り合う下横部材24,24の隙間により、スリット状の下落下路25を構成し、下落下路25は下外枠21の前後方向全長に設けられている。そして、前記下横部材24が、上段ユニット14の後述する上落下路を塞ぐ閉塞部材である。尚、下外枠21は投入箇所5と相似形状で僅かに小さく、投入箇所5と所定のクリアランスを有するように形成され、例えば、下外枠21の四方において、投入箇所5の内面と下外枠21の隙間は100~200mm程度であり、前後及び左右方向において下外枠21の外縁は投入箇所5に比べて200~400mm程度小さい。
【0027】
尚、前記前後枠部材22,22は下外枠21の一側方向(前後方向)の両側に位置して他側方向に長く形成され、前記左右枠部材23,23は下外枠21の他側方向(左右方向)の両側に位置して一側方向に長く形成されている。そして、この例では、一側方向と他側方向の一方である一側方向に長いスリット状をなす前記下落下路25が、一側方向と他側方向の他方である他側方向に間隔を置いて複数設けられ、前記下落下路25は一側方向が長さ方向であり、他側方向が幅方向である。
【0028】
前記上段ユニット14は、前記下外枠21より平面形状が小さな上外枠31を備え、この上外枠31は、平行に配置した対を成す前後枠部材32,32と、平行に配置した対を成す左右枠部材33,33とを方形に組み立ててなる。前記上外枠31には、前記下落下路25を閉塞する上横部材34が設けられ、前後方向に長い複数の上横部材34,34・・・を左右方向(上横部材34の幅方向)に間隔を置いて配置し、前記上横部材34の端部を前記枠部材32,32の下面に固定し、左右方向に隣り合う上横部材34の隙間により、スリット状の上落下路35を構成している。尚、投入箇所5が長方形の場合は、長方形の短辺方向を上落下路35及び前記下落下路25の長さ方向とすることが好ましい。
【0029】
前記下横部材24は前記上落下路35に対応して配置され、前記下横部材24が下方から前記上落下路35に挿入されることにより該上落下路35が閉され、閉塞位置から下横部材24が降下することにより上落下路35が開成する。同様に、下落下路25は上横部材34により閉塞される。このように上横部材34は下落下路25に嵌入して該下落下路25を閉塞する閉塞部材である。
【0030】
前記下段ユニット13の下外枠21の周囲には、前記上段ユニット14に係止可能な吊下げ用の下アーム26が複数設けられている。この下アーム26は、H型鋼などからなる縦部27とこの縦部27の上部に設けられた横部28とを備え、前記縦部27は前記下外枠21の上面から上方に突出され、前記横部28は前記縦部27の上部側から横方向中央向きに突設され、この横部28が前記上外枠31の上面に係止する。尚、前記縦部27の内側に前記上外枠31が近接して配置され、複数の前記縦部27,27・・・により前記上外枠31を挟んだ状態で、前記下外枠21が昇降可能に設けられていると共に、複数の横部28,28・・・により下外枠21に対して上外枠31が抜け止め状態で連結されている。
【0031】
尚、前記下アーム26は、1つの枠部材22,23に少なくとも1つ設けられ、この例では間隔を置いて1つの枠部材22,23に複数、この例では2つずつ設けられている。また、下段ユニット15には、該下段ユニット15を吊り上げるための吊り上げ手段29が連結され、この吊り上げ手段29としてはロープ材などの可撓性を有する紐状部材が連結されている。尚、吊り上げ手段29は下外枠21の四方に連結することが好ましい。
【0032】
前記上段ユニット14の上外枠31の周囲には、前記外壁3及び隔壁4の天端に係止可能な吊下げ用の上アーム36が複数設けられている。この上アーム36は、縦部37と、この縦部37の上部に設けられた横部38とを備え、前記縦部37は前記上外枠31の上面から上方に突出され、前記横部38は前記縦部37の上部側から横方向外側向きに突設され、この横部38が前記外壁3及び隔壁4の天端上に上下方向から係脱する。尚、前記上アーム36は、1つ枠部材32,33に少なくとも1つ設けられ、この例では間隔を1つ枠部材32,33に置いて2つずつ設けられている。また、図6に示すように、平面において上アーム36と下アーム26を干渉しないようにずらして配置している。また、隣り合う投入箇所5,5に装置本体12,12を同時に配置するためには、対向する前後枠部材32,32に設ける上アーム36,36同士は左右方向に位置をずらし、対向する左右枠部材33,33に設ける上アーム36,36同士は前後方向に位置をずらして設けることが好ましい。
【0033】
図5などに示すように、前記上段ユニット14上には、中詰材10が下外枠21の周囲から落下することを防止するために壁体41が設けられている。この壁体41は、上外枠31の内側上角部31Kから上方に突設され、前後壁部42,42と左右壁部43,43を備える。
【0034】
前記下横部材24は、断面円形のパイプからなり、湾曲状の上部たる半円筒部51を備え、断面上部が凸の湾曲状に形成されている。また、前記下横部材24を上部に前記半円筒部51を有する逆U字状の部材から構成してもよい。図9などに示すように、前記上横部材34は、断面三角形である直角三角形状の鋼材からなり、上部に横方向の平面部52を有し、この平面部52の幅方向両側から下向きに斜め面部53,53を有し、両側の斜め面部53,53が下端で略直交している。尚、前記上横部材34,34A及び下落下路25は等間隔に設けられている。前記隣り合う斜め面部53,53の隙間により前記上落下路35が構成され、このように上落下路35は下方に向かって拡大形成されている。尚、上落下路35の両側の斜め面部53,53の角度は等しい。また、図9に示すように、左右方向端部の上横部材34Aは、内側に向いた1つの斜め面部53と、縦面部54を有する。尚、図6の平面図においては、上横部材34,34A及び下横部材24は図示省略している。また、上横部材34,34Aは平面部52がないものでもよい。尚、複数の下落下路25,25・・・同士は同一幅であり、複数の上落下路35,35・・同士は同一幅である。
【0035】
図9では、前後枠部材22,32としてH型鋼を用いており、前後枠部材22のウエブ部22Uの上部のフランジ部22Fの上面に、前記下横部材24が固定され、前後枠部材32のウエブ部32Uの下部のフランジ部32Fの下面に、前記上横部材34,34Aの平面部52が固定されている。
【0036】
前記上横部材34の下面である左右斜め面部53,53にはシール部材55,55がそれぞれ取り付けられ、このシール部材55としては弾性を有するパッキンなどが例示され、帯板状のシール部材55が上横部材34の全長に設けられており、図9に示すように、上横部材34が下落下路25を閉塞した状態で、前記シール部材55の下面が前記下横部材24の上部に当接する。
【0037】
また、前記上外枠31の前記前後枠部材32,32の下面において、図10に示すように、左右のシール部材55,55の上部に連結するシール連結部56が設けられ、このシール連結部56はシール部材55と同一材質からなる。従って、上落下路35を下横部材24により閉塞した状態で、下横部材24の上部と前後枠部材32の下面との隙間S(図9)が前記連結部56により塞がれ、上段ユニット14上の中詰材10が前記隙間Sから外側周囲に漏れることを防止できる。この場合、上落下路35は、図9に示すように、両側のシール部材55,55に下横部材24の断面上部が当接すると共に、上外枠31の下面において、連結部56に下横部材24の断面上部が当接するように、両側の斜め面部53,53の間隔や角度などを設定することが好ましい。尚、図5ではシール部材55を図示省略している。
【0038】
次に、前記投入箇所5への中詰材10の投入作業について説明する。吊り上げ手段29により装置本体12を吊り上げ、投入箇所5に吊り下し、上アーム36を外壁3及び隔壁4の天端に係止する。この状態で下アーム26が上外枠31の上に係止し、下段ユニット13は上段ユニット14の下方に吊設した状態で位置する。
【0039】
このように投入箇所5に装置本体12を配置したら、上外枠31上に中詰材10を投入する。この場合、クレーン8Aなどの動力を用いた投入手段により、壁体41内に中詰材10を投入する。投入した中詰材10は上落下路35から下段ユニット13上に落下し、下落下路25を通って下方に落下する。この場合、幅方向に等間隔で配置されたスリット状の下落下路25を落下することにより、中詰材10がほぼ均等に落下供給される。
【0040】
全ての上横部材34が埋まる程度に中詰材10を投入したら、投入を終了する。この後、吊り上げ手段29により下段ユニット13を上部位置まで引き上げと、上落下路35に下横部材24が嵌入し、上落下路35が閉塞される。この場合、上落下路35の内面たる斜め面部53にはシール部材55が設けられているため、シール部材55に下横部材24が圧接してシール部材55が弾性変形し、下横部材24に中詰材10が部分的に付着していても、上落下路35を確実に塞ぐことができ、また、上外枠31の下面側の隙間Sも連結部56により塞ぐことができる。
【0041】
下落下路25を閉塞した後、図3に示すように、吊り上げ手段29により投入補助装置11を吊り上げ、余分な中詰材10を撤去する。この場合、壁体41により中詰材10の漏れを防止できる。撤去後は、スリット状の下落下路25により残った多少の凹凸などを均し、ほぼ下落下路25の高さに中詰材10の天端を仕上げる。
【0042】
このように本実施例では、請求項1に対応して、壁体たる外壁3及び隔壁4で仕切られた複数の投入箇所5,5・・・を有する水中構造物たる据付ケーソン1に用いられ、投入箇所5に中詰材10を投入し、投入された中詰材10を目標高さに仕上げるために中詰材10の投入時に投入箇所5に設けられる中詰材10の投入補助装置11において、投入箇所5の上部に挿入配置する装置本体12は、前記所定の高さに対応して投入箇所5に配置する中詰材10が投入される上段ユニット14と、この上段ユニット14の下に昇降可能に設けられる下段ユニット13とを備え、上段ユニット14には、中詰材10が落下する上落下路35が複数設けられ、下段ユニット13には、下落下路25が設けられると共に、該下段ユニット13が上方位置で上落下路35を塞ぐ閉塞部材たる下横部材24が設けられ、上落下路35を塞いだ状態で上段ユニット14上に余剰の中詰材10が載置可能であるから、装置本体12を目標高さに対応して投入箇所5に配置し、中詰材10を上段ユニット14上に投入すると、上落下路35と下落下路25を通って投入箇所5に中詰材10が投入される。投入後、下段ユニット13を上方位置まで引き上げると、上落下路35が下横部材24により塞がれ、この後、装置本体12を吊り上げることにより余分な中詰材10を撤去することができる。
【0043】
このように本実施例では、請求項2に対応して、上落下路35はスリット状をなすと共に幅方向に間隔を置いて複数設けられ、上落下路35に対応して閉塞部材たる下横部材24が設けられているから、中詰材10がスムーズに落下すると共に、升目状のものに比べて中詰材10が詰まり難くなる。
【0044】
このように本実施例では、請求項3に対応して、上落下路35は下方に向かって拡大形成され、閉塞部材たる下横部材24は断面上部が湾曲状に形成されているから、下方に向かって拡大する上落下路35に、断面上部が湾曲状の閉塞部材たる下横部材24が嵌入することにより、上落下路35を閉塞することができる。
【0045】
このように本実施例では、請求項4に対応して、上段ユニット14には、壁体たる外壁3及び隔壁4の天端に係止して該上段ユニット14を投入箇所5に吊設する上アーム36が設けられ、下段ユニット13には、上段ユニット14に係止して該下段ユニット13を上段ユニット14の下方に保持する下アーム26が設けられているから、外壁3及び隔壁4の天端に上アーム36を係止して投入箇所5に上段ユニット14を吊設すると共に、その上段ユニット14に下アーム26を係止して下段ユニット13を所定高さに保持することができる。
【0046】
このように本実施例では、請求項5に対応して、下段ユニット13に吊り上げ手段29を連結したから、中詰材10の投入後、吊り上げ手段29により下段ユニット13を上方位置まで引き上げると、上落下路35が閉塞部材たる下横部材24により塞がれ、さらに、引き上げると、上段ユニット14と共に下段ユニット13を投入箇所5から撤去することができる。
【0047】
以下、実施例上の効果として、下段ユニット13の下外枠21を上段ユニット14の上外枠31より大きく形成したから、装置本体12の周囲から投入箇所5内に中詰材10が零れ難くなる。また、上段ユニット14の四方で複数の上落下路35を囲むように壁体41を突設したから、上段ユニット14上に中詰材10を保持することができる。さらに、下横部材24,24の間の隙間により下落下路25を構成したから、下段ユニット13の構成を簡略化できる。また、下段ユニット13の上面たる下外枠21の上面に下横部材24を設け、上段ユニット14の下面たる上外枠31の上面に上横部材34を設けたから、下外枠21及び上外枠31内に設ける場合に比べて、上段ユニット14と下段ユニット13の前後位置がずれても、確実に上落下路35を閉塞することができる。
【0048】
また、上落下路35の内面である斜め面部53,53にシール部材55,55を設けたから、閉塞部材たる下横部材24の湾曲状の外面が当接することにより、上落下路35を確実に閉塞することができる。しかも、前記上外枠31の前記前後枠部材32,32の下面に、左右のシール部材55,55の上部に連結するシール連結部56を設けたから、下横部材24の上部と前後枠部材32の下面との隙間S(図9)が前記連結部56により塞がれ、上段ユニット14上の中詰材10が前記隙間Sから外側周囲に漏れることを防止できる。
【0049】
さらに、下段ユニット13の下横部材24を断面円形とし、隣り合う下横部材24,24の隙間により下落下路25を構成したから、装置本体12の撤去時に中詰材10の天端が凹凸の少ないものとなる。この場合、下横部材24を頂点が上向きの断面三角形にすると、下落下路25が下方に向かって幅狭になるため、中詰材10の天端に凹凸でき易いのに対して、断面円形であるから、下方に向かって下落下路25が幅広になるため、前記凹凸が少なくなることが実験で確認できた。
【0050】
また、幅方向に間隔を置いて配置した上横部材34,34,34Aの間に上落下路35を設けることにより、上段ユニット14に篩機能が付与され、例えば中詰材10が砂で、固形分や夾雑物が含まれていた場合、上落下路35の幅より大きなものを上横部材34,34,34Aにより補足することができる。さらに、図9などに示したように、上落下路35の最小幅である平面部52,52の間隔は、下落下路25の最小幅より小さいから、上落下路35を通過したものは下落下路25に詰まることなく、下方に落下する。
【実施例2】
【0051】
図11図18は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、中詰材10の投入補助装置11を分割する例を示す。尚、本例は投入箇所5の前後幅及び左右幅が車載可能な幅より大きな場合に有効である。
【0052】
図11に示すように、前記下段ユニット13を前後左右に4分割した分割下段ユニット61L,61R,62L,62Rを形成する。尚、図11において、左下が前左の分割下段ユニット61Lであり、右下が前右の分割下段ユニット61Rであり、左上が後左の分割下段ユニット62Lであり、右上が後右の分割下段ユニット61Rである。尚、前記前後枠部材22,22は左右方向中央で分割された分割端部22T,22Tを有する。また、前記左右枠部材23,23は前後方向中央で分割された分割端部23T,23Tを有する。
【0053】
前記分割下段ユニット61L,61Rの分割された上外枠31の後端には、左右方向の連結枠部材63,63が設けられている。また、前記分割下段ユニット62L,62Rの分割された上外枠31の前端には、左右方向の連結枠部材64,64が設けられている。尚、これら後連結枠部材63,63及び連結枠部材64,64の下面には、前記下横部材24の分割端部側が固定されている。
【0054】
左側の前記分割下段ユニット61L,62Lの左右中央側(右側)には、前後方向の中央横部材65が設けられ、この中央横部材65は前記前後枠部材22,22と前記連結枠部材63,64とを連結する。
【0055】
右側の前記分割下段ユニット61R,62Rの左右中央側(左側)には、前後方向の中央横部材65が設けられ、この中央横部材65は前記前後枠部材22,22と前記連結枠部材63,64とを連結する。
【0056】
前記下横部材24及びシール部材55を除いて、前記分割下段ユニット61L,61R,62L,62RはH型鋼やI型鋼などからなり、図14に示すように、分割箇所を連結する連結手段57は、隣り合うH型鋼のフランジ部やウエブ部に跨ると共に重ねて配置した板片状の連結部材58と、この連結部材58と前記フランジ部やウエブ部に挿通した固定部材たるボルト59と、このボルト59に螺合するナット(図示せず)を有する。
【0057】
そして、下段ユニット13において、左右方向中央の前記分割端部22T,22T同士が前記連結手段57により連結され、前後方向中央において前記連結枠部材63,64を並べた状態で、前後方向中央の前記分割端部23T,23T同士が連結手段57により連結されると共に、前後方向中央で連結枠部材63,64,63,64の端部同士が連結手段57により連結されて、下段ユニット13が一体に組み立てられる。
【0058】
図14を参照して前後枠部材22の分割端部22T,22Tの連結について説明すると、前後枠部材22の分割端部22T,22Tのフランジ部22F,22Fの外面に跨って、該フランジ部22F,22Fの外面(上面)に、前記連結部材58を重ね合わせ、この連結部材58と前記フランジ部22F,22Fに複数のボルト59,59・・・を挿通し、これらボルト59,59・・・にナットを螺合することにより、分割端部22T,22T同士が連結される。この場合、連結部材58をフランジ部22Fの内面に重ね合わせたり、ウエブ部22Uに重ね合わせたりしてもよい。尚、連結手段57による連結を解除すれば、分解することができる。
【0059】
図17に示したように、上段ユニット14の左右の上アーム36,36同士は、相互に干渉しないように、前後の位置をずらして配置されており、また、上段ユニット14の前後の上アーム36,36同士は、相互に干渉しないように、左右に位置をずらして配置されている。このように上段ユニット14の一方向(左右方向)の両側に設けた上アーム36,36同士は、前記一方向と交差方向(前後方向)に異なる位置に配置され、また、上段ユニット14の一方向(前後方向)の両側に設けた上アーム36,36同士は、前記一方向と交差方向(左右方向)に異なる位置に配置されている。
【0060】
従って、ケーソン1の縦横に複数並んだ投入箇所5,5・・・の隔壁4に、隣り合う下段ユニット13,13の上アーム36,36を掛装することができる。
【0061】
図15に示すように、前記上段ユニット14を前後左右に4分割した分割上段ユニット71L,71R,72L,72Rを形成する。尚、図15において、左下が前左の分割上段ユニット71Lであり、右下が前右の分割上段ユニット71Rであり、左上が後左の分割上段ユニット72Lであり、右上が後右の分割上段ユニット71Rである。尚、前記前後枠部材32,32は左右方向中央で分割された分割端部32T,32Tを有する。また、前記左右枠部材33,33は前後方向中央で分割された分割端部33T,33Tを有する。
【0062】
前記分割上段ユニット71L,71Rの分割された上外枠31の後端には、左右方向の連結枠部材73,73が設けられている。また、前記分割上段ユニット72L,72Rの分割された上外枠31の前端には、左右方向の連結枠部材74,74が設けられている。尚、これら後連結枠部材73,73及び連結枠部材74,74の下面には、前記上横部材34の分割端部側が固定されている。
【0063】
左側の前記分割上段ユニット71L,72Lの左右中央側(右側)には、前後方向の中央横部材75が設けられ、この中央横部材75は前記前後枠部材32,32と前記連結枠部材73,74とを連結する。
【0064】
右側の前記分割上段ユニット71R,72Rの左右中央側(左側)には、前後方向の中央横部材75が設けられ、この中央横部材75は前記前後枠部材32,32と前記連結枠部材73,74とを連結する。
【0065】
そして、上段ユニット14において、左右方向中央の前記分割端部32T,32T同士が前記連結手段57により連結され、前後方向中央において、前記連結枠部材73,74を並べた状態で、前後方向中央の前記分割端部33T,33T同士が連結手段57により連結されると共に、前後方向中央で連結枠部材73,74,73,74の端部同士が連結手段57により連結されて、上段ユニット14が一体に組み立てられる。
【0066】
このように本実施例では、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
【0067】
このように本実施例では、請求項6に対応して、上段ユニット14の一方向の両側に設けた上アーム36,36同士は、前記一方向と交差方向に異なる位置に配置されているから、隣り合う投入箇所5,5の上アーム36,36同士が干渉することがない。
【0068】
このように本実施例では、請求項7に対応して、上段ユニット14は複数の分割上段ユニット71L,71R,72L,72Rを組み立ててなり、下段ユニット13は複数の分割下段ユニット61L,61R,62L,62Rを組み立ててなるから、車載寸法を超えた装置本体12であっても、装置本体12を分割して現場に搬送することができる。
【0069】
以下、実施例上の効果として、連結部材58と締付手段たるボルト59を備えた連結手段57により分割箇所を連結したから、組立作業及び分解作業が容易になる。また、分割下段ユニット61L,61R,62L,62Rには、分割した下横部材24を工場での製造時に一体に設け、分割上段ユニット71L,71R,72L,72Rには上横部材34を工場での製造時に一体に設けたから、現場での組立作業が容易となる。さらに、下段ユニット13及び上段ユニット14を前後左右で4分割したから、運搬し易くなると共に、下アーム26の横部28が上外枠31の上面に係止するように現場で下段ユニット13を組み立てることができる。
【実施例3】
【0070】
図19図23は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、実施例2で示した投入補助装置11の下外枠21及び上外枠31の他側方向(左右方向)の幅を拡張する例を示す。
【0071】
図19図21に示すように、前記下段ユニット13を左右方向に拡張する調整下段ユニット15は、前記分割下段ユニット61L,61R,62L,62Rと前後幅の等しい中間外枠81を備え、この中間外枠81は、前後枠部材82と、この前後枠部材82と平行な中枠部材83と、左右枠部材84,84とを備え、前後枠部材82と中枠部材83の上面に前記下横部材24が設けられている。
【0072】
そして、図19及び図20に示すように、前側と後側の調整下段ユニット15,15は、前後枠部材82を外側、中枠部材83を中央側にして、上記図11で示した前側の分割下段ユニット61L,61Rの間と後側の分割下段ユニット62L,62Rの間に配置され、それら下段ユニット15,15,61L,61R,62L,62Rを前記連結手段57により連結して、下段ユニット13が一体に組み立てられる。また、組立状態で調整下段ユニット15の前記下横部材24及び下落下路25が、分割下段ユニット61L,61R,62L,62Rの前記下横部材24及び下落下路25と連続する。尚、前記下落下路25の前後中央には、前記中枠部材83,83が位置する。
【0073】
尚、実施例4の図25に示すように、左右中央の左右隣の下横部材24,24は、下段ユニット13の組立後に取り付けられ、図21では連結手段57の箇所に対応する箇所を取り除いているが、この箇所には、連結手段57による連結が完了した後、下横部材24に連続する前記半円筒部51や下横部材24が設けられ、前後方向全長に閉塞部材の湾曲状の断面上部が連続して設けられる。
【0074】
図22及び図23に示すように、前記上段ユニット14を拡張する調整上段ユニット15Jは、前記分割上段ユニット71L,71R,72L,72Rと前後幅の等しい中間外枠81Jを備え、この中間外枠81Jは、前後枠部材82Jと、この前後枠部材82Jと平行な中枠部材83Jと、左右枠部材84J,84Jとを備え、前後枠部材82Jと中枠部材83Jの下面に前記上横部材34,34を設け、これら上横部材34,34の間に上落下路35が設けられている。
【0075】
そして、前側と後側の調整上段ユニット15J,15Jは、前後枠部材82Jを外側、中枠部材83Jを中央側にして、前側の分割上段ユニット71L,71Rの間と後側の分割上段ユニット72L,72Rの間に配置されており、それら上段ユニット15J,15J,71L,71R,72L,72Rを連結手段57により連結して、上段ユニット14が一体に組み立てられる。また、組立状態で調整上段ユニット15Jの前記上横部材34及び上落下路35が、分割上段ユニット71L,71R,72L,72Rの前記上横部材34及び上落下路35と連続する。
【0076】
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0077】
また、この例では、調整下段ユニット15と調整上段ユニット15Jを備えるから、装置本体12の左右方向の幅を拡張することができる。
【実施例4】
【0078】
図24図26は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、実施例3で示した投入補助装置11の下外枠21及び上外枠31の一側方向(前後方向)の幅を拡張する例を示す。
【0079】
図24に示すように、前記下段ユニット13を前後方向に拡張する調整下段ユニット16は、該下段ユニット13と左右幅の等しい中間外枠91を備え、この中間外枠91は前後枠部材92,92と左右枠部材93,93とを備え、前後枠部材92,92の上面に前記下横部材24及び下落下路25が複数設けられ、組立状態で調整下段ユニット16の前記下横部材24及び下落下路25が、分割下段ユニット61L,61R,62L,62Rの前記下横部材24及び下落下路25と連続する。
【0080】
そして、前側の分割下段ユニット61L,61Rと後側の分割下段ユニット62L,62Rの間に、前記調整下段ユニット15を挟むように配置し、それら下段ユニット16,61L,61R,62L,62Rを前記連結手段57により連結して、下段ユニット13が一体に組み立てられる。
【0081】
図26に示すように、前記上段ユニット14を前後方向に拡張する調整上段ユニット16Jは、該上段ユニット14と左右幅の等しい中間外枠91Jを備え、この中間外枠91Jは前後枠部材92J,92Jと左右枠部材93J,93Jとを備え、前後枠部材92J,92Jの下面に前記上横部材34及び上落下路35が複数設けられ、組立状態で調整上段ユニット16Jの前記上横部材34及び上落下路35が、分割上段ユニット71L,71R,72L,72Rの前記上横部材34及び上落下路35と連続する。
【0082】
そして、前側の分割上段ユニット71L,71Rと後側の分割上段ユニット72L,72Rの間に、前記調整上段ユニット16Jを挟むように配置し、それら上段ユニット16J,71L,71R,72L,72Rを前記連結手段57により連結して、上段ユニット14が一体に組み立てられる。
【0083】
また、図25に示すように、左右中央の左右隣の下横部材24,24は、下段ユニット13の組立後に取り付けられ、図25では連結手段57の箇所に対応する箇所を取り除いているが、この箇所には、連結手段57による連結が完了した後、下横部材24に連続する前記半円筒部51が設けられる。
【0084】
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0085】
また、この例では、調整下段ユニット16と調整上段ユニット16Jを備えるから、装置本体12の前後方向の幅を拡張することができる。さらに、調整下段ユニット15,16及び調整上段ユニット15J,16Jを組み立てることにより、下外枠21,上外枠31の前後幅及び左右幅を任意に変更することができる。
【実施例5】
【0086】
図27は本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、上アーム36の高さ調整手段を示す。
【0087】
前記縦部37はH型鋼などからなり、その外側のフランジ部37Fに上下に間隔を置いて複数の透孔101,101・・・を穿設し、前記横部38の基端に縦方向の板材102を設け、この板材102に前記透孔101に対応して透孔103が穿設されている。尚、外側のフランジ部37F及び前記板材102が取付部である。
【0088】
そして、それら透孔101,103に固定部材たるボルト104を挿通し、このボルト104にナット105を螺合することにより、縦部37の上側に横部38が固定され、縦部37の透孔101の位置を選択することにより、横部38の高さを中詰材10の目標高さに対応して、選択することができる。
【0089】
このように本実施例では上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。また、この例では、上アーム36の高さを調整することにより、上段ユニット14を中詰材10の目標高さに対応して設置することができる。
【実施例6】
【0090】
図28は本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、上アーム36の高さ調整手段の変形例を示す。
【0091】
前記縦部37を高さ方向途中で分割し、上アーム上部37Jと上アーム下部37Kを形成する。前記上外枠31の上面に固定した前記上アーム下部37Kの上端には横方向の板材111を設け、この板材111に前記透孔112が穿設され、前記上アーム上部37Jの下端には横方向の板材113を設け、この板材113に前記透孔114が穿設されている。また、上アーム上部37J,37J・・・の高さの異なる上アーム36,36・・・を複数形成しておく。尚、板材111,113が取付部である。
【0092】
そして、複数の上アーム上部37J,37J・・・の中から中詰材10の目標高さに対応した高さのものを選択し、選択した上アーム上部37Jの透孔114と上アーム下部37Kの透孔112に固定部材たるボルト104を挿通し、このボルト104にナット105を螺合することにより上アーム36の高さを中詰材10の目標高さに対応して調整することができる。
【0093】
このように本実施例では上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0094】
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上横部材を上下逆にして下外枠に取り付けて閉塞部材を構成し、下横部材を上外枠の下面に固定すると共に、その下横部材の間により上落下路を構成してもよい。また、上横部材と下横部材の形状は、実施例で示した底辺(平面部)を上側にした三角形と円形の組み合わせ以外でも、角を下向きにした角型と円形、底辺を上側にした三角形と底辺を下側にした三角形、円形と円形など適宜選定することができる。さらに、上外枠を下外枠に比べて小さく形成したが、下外枠を上外枠より大きく形成してもよく、この場合は下アームを上外枠内に挿通するように設ければよい。また、実施例では、上外枠及び下外枠を平面で4分割にしたが、2分割にしてもよいし、前後方向又は左右方向で3分割にしてもよい。さらに、連結手段は実施例のものに限定されず、各種タイプのものを用いることができる。また、下段ユニットを吊り上げるために、該下段ユニットに吊り上げ手段を連結したが、請求項5以外では、例えば上段ユニットと下段ユニットとの間に流体圧シリンダなどの昇降装置を設け、該昇降装置により下段ユニットを上方位置まで引き上げたり、上段ユニットと下段ユニットとの間に螺子式の昇降機構を設け、該昇降機構により下段ユニットを上方位置まで引き上げたりしてもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 据付ケーソン(水中構造物)
3 外壁(壁体)
4 隔壁(壁体)
5 投入箇所
10 中詰材
11 投入補助装置
12 装置本体
13 下段ユニット
14 上段ユニット
24 下横部材(閉塞部材)
25 下落下路
26 下アーム
29 吊り上げ手段
34 上横部材
35 上落下路
36 上アーム
61L 分割下段ユニット
61R 分割下段ユニット
62L 分割下段ユニット
62R 分割下段ユニット
71L 分割上段ユニット
71R 分割上段ユニット
72L 分割上段ユニット
72R 分割上段ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図11
図12
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図15
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図28