(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】封止材
(51)【国際特許分類】
C09K 3/10 20060101AFI20220516BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20220516BHJP
C08K 5/14 20060101ALI20220516BHJP
C08F 299/06 20060101ALI20220516BHJP
F16J 15/14 20060101ALI20220516BHJP
F16J 15/10 20060101ALI20220516BHJP
C08J 7/04 20200101ALI20220516BHJP
【FI】
C09K3/10 R
C09K3/10 E
C09K3/10 D
C08L101/00
C08K5/14
C08F299/06
F16J15/14 C
F16J15/10 X
C08J7/04 Z CEY
C08J7/04 CFD
C08J7/04 CFF
(21)【出願番号】P 2019521646
(86)(22)【出願日】2017-10-11
(86)【国際出願番号】 EP2017075944
(87)【国際公開番号】W WO2018077617
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-08
(32)【優先日】2016-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】514056229
【氏名又は名称】ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】レドウィズ、 デアドラ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェソー、 ローラ
(72)【発明者】
【氏名】ドハーティ、 マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ホウリハン、 ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ニーフセイ、 ブレンダン
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-524061(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01647511(EP,A1)
【文献】特表2019-500438(JP,A)
【文献】特表2019-505636(JP,A)
【文献】米国特許第4373077(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/00-3/12
C08L 101/00
C08K 5/14
C08F 299/06
F16J 15/14
F16J 15/10
C08J 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも一方の雄雌嵌合部品への巻き付けに適する細長柔軟糸、および
(b)固体形態の嫌気硬化性組成物
である接合封止組成物
を含み、柔軟糸が嫌気硬化性組成物で被覆されている、雄雌嵌合部品間の接合部を封止するための封止材
であって、
嫌気硬化性組成物が、
(a)嫌気硬化性成分、および
(b)嫌気硬化性成分を硬化するための硬化成分
を含み、30℃~100℃の範囲の融点を有する封止材。
【請求項2】
嫌気硬化性組成物が硬化性成分を含み
、アクリレート、メタクリレート、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の官能基を有する、請求項1に記載の封止材。
【請求項3】
嫌気硬化性組成物が固体タックフリー形態である、請求項1
または2に記載の封止材。
【請求項4】
嫌気硬化性組成物
が40℃
~100℃の融点を有する、請求項1~
3のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項5】
嫌気硬化性組成物
が50℃
~100℃の融点を有する、請求項1~
4のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項6】
嫌気硬化性組成物が嫌気硬化性モノマーを含む嫌気硬化性成分を含む、請求項1~
5のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項7】
嫌気硬化性組成物が嫌気硬化性モノマーおよび樹脂成分を含む嫌気硬化性成分を含む、請求項1~
6のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項8】
樹脂成分が嫌気硬化性である、請求項
7に記載の封止材。
【請求項9】
樹脂成分および嫌気硬化性モノマーがそれぞれ固体であり、それぞ
れ30℃
~100℃の範囲の融点を有する、請求項
7または
8に記載の封止材。
【請求項10】
嫌気硬化性組成物が少なくとも2つのパートの形態で提供され、第1パートが樹脂成分を含み、第2パートが嫌気硬化性モノマーを含む、請求項
7~9のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項11】
嫌気硬化性成分が、樹脂成分および嫌気硬化性モノマーを溶融し、それらを混合し、固体混合生成物を形成することにより形成される生成物を含む、請求項
7~10のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項12】
嫌気硬化性組成物の総量
の80重量%
~99重
量の量で存在する嫌気硬化性成分を
嫌気硬化性組成物が含む、請求項1~
11のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項13】
樹脂成分が
嫌気硬化性組成物の総重量に対し
て10
~60重量
%の量で存在する、請求項
7~12のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項14】
樹脂成分が
、2,000g/mol以上の分子量を有する(メタ)アクリレート化ポリウレタン樹脂
;2,000g/mol以上の分子量を有するノボラック樹脂
、2,000g/mol以上の分子量を有する(メタ)アクリレート化ポリエステル樹脂、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項
7~11および13のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項15】
嫌気硬化性モノマーが、
嫌気硬化性組成物の総重量に対し
て40
~90重量
%の量で存在する、
請求項7、9および10のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項16】
嫌気硬化性組成物が少なくとも1個のアクリレートまたはメタクリレートエステル基を含む嫌気硬化性モノマーを含む、請求項1~
15のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項17】
嫌気硬化性組成物が嫌気硬化性成分を含み、嫌気硬化性成分
が1000g/mol未満の分子量を有する(メタ)アクリレート化ポリウレタン樹脂、カプセル化(メタ)アクリレートモノマーを含む(メタ)アクリレートモノマー、およびこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項1~
16のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項18】
嫌気硬化性組成物の総重量に対し
て0.1
~10重量
%の量で存在する
嫌気硬化性成分を硬化するための硬化成分を含み、および/または、硬化成分がカプセル化過酸化物を含む、請求項
1に記載の封止材。
【請求項19】
嫌気硬化性組成物が
嫌気硬化性組成物の総重量に対して1重量%未満の溶媒を含む溶媒フリーであり、溶媒が
、有機溶媒または水である、請求項1~
18のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項20】
接合封止組成物が硬化性固体形態で提供される、請求項1~
19のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項21】
嫌気硬化性組成物
が30
~50℃の範囲の再凝固点を有する、請求項1~
20のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項22】
5~90重量
%の量で存在する接合封止組成物を含み、細長柔軟糸が
、10~95重量
%の量で存在する、請求項1~
21のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項23】
糸がポリアミ
ド、ポリプロピレン、ポリエステル、PTFE、ポリフェニレンスルフィド
、綿、およびそれらの組み合わせ
からなる群から選択される1種以上から作られている、請求項1~
22のいずれか1項に記載の封止材。
【請求項24】
封止される接合部への直接塗布のために封止材を供給できるディスペンサーに収容されている請求項1~
23のいずれか1項に記載の封止材を含む製造物品。
【請求項25】
(a)
嫌気硬化性組成物を溶融する工程、および
(b)溶融形態の
嫌気硬化性組成物を細長柔軟糸に塗布する工程
を含む、
嫌気硬化性組成物
である接合封止組成物を細長柔軟糸に塗布する方法
であって、
嫌気硬化性組成物が、
(a)嫌気硬化性成分、および
(b)嫌気硬化性成分を硬化するための硬化成分
を含み、30℃~100℃の範囲の融点を有する方法。
【請求項26】
溶融形態の
嫌気硬化性組成物の細長柔軟糸への塗布が、大量の溶融形態の
嫌気硬化性組成物に通して細長柔軟糸を引くことにより達成される、請求項
25に記載の方法。
【請求項27】
請求項1~
23のいずれか1項に記載の封止材を形成する、請求項
25または
26に記載の方法。
【請求項28】
(a)(i)少なくとも一方の部品への巻き付けに適する細長柔軟糸、および(ii)固体形態の嫌気硬化性組成物
である接合封止組成物を含み、柔軟糸は嫌気硬化性組成物で被覆されている、封止材を
供する工程、
(b)封止材を少なくとも一方の部品へ巻き付ける工程、および
(c)接合が封止材で封止されるように部品を嵌合する工程
により雄雌嵌合部品間の接合部を封止する方法
であって、
嫌気硬化性組成物が、
(a)嫌気硬化性成分、および
(b)嫌気硬化性成分を硬化するための硬化成分
を含み、30℃~100℃の範囲の融点を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は封止材に関する。接合部を封止するのに有用な封止材が興味深い。封止される接合部は、流体用導管を接続するものを含む。例えば、接合部は管の継手部であってよい。本発明は配管産業において有用である。特に興味深いのは、ねじ込み管継手を封止するための材料である。
【背景技術】
【0002】
管接合部を封止するための材料はよく知られている。例えば、国際公開第98/47805号には、コーティング材料を含浸させた糸材料が記載されている。
LOCTITE(登録商標)55は、そこに開示されている技術に基づいて販売されている製品である。そのような材料は非常に有用であり、そしてLOCTITE(登録商標)55は商業的に非常に成功してきたが、性能の改善が有利となり得る用途および/または環境条件がある。
【0003】
振動や圧力および温度変化を受けている管継手からの気体および液体の漏れを防止するために、非硬化性および溶剤ベースのシーリングコンパウンド、PTFEテープおよびヘンプペーストが一般的に使用されてきた。これらはオイルとフィラーから作られたペーストで、潤滑剤として使用され、ねじに詰め込まれて封止を形成するが、固定はできない。さらに、これらは加圧下で絞り出され、耐溶剤性が劣り、そして平行ねじに対して作用しない。
【0004】
溶媒ベースのシーリングコンパウンドも潤滑剤として使用され、ねじに詰め込まれて封止を形成するが、空隙を最小にするためには接続金具を締め直さなければならない。これらの最大の欠点は、溶媒が揮発するため硬化中に収縮し、封止性能が損なわれることにある。
【0005】
PTFEテープは良好な初期封止を与えそして化学腐食に耐性がある。潤滑剤として作用するその性能は利点であるが、この作用はまた、動的荷重下で接続金具を緩めて、締付け力の損失および漏れを引き起こす。それはまた、締め具の過剰な締め付け、応力の付加、または部品の破断を助長する。特に接続金具を特定の位置またはトルクに締め付ける必要がある場合は、一貫した結果を得るためにたくさんのPTFEテープの使用経験が必要となる。
【0006】
ヘンプペーストは長年使用されているが、扱いにくく、組み立てに時間がかかり、完全な封止を達成するためには、ある程度の経験および技術を必要とする。この封止方法のもう1つ欠点は、飲料水を輸送する接続金具には使用できないことである。
【0007】
独国特許公開第254915号は、ゴム被覆を使用した管継手用のシーラントを記載している。欧州特許第1647511号明細書は、架橋シリコーンゴムで被覆されたポリマーコアを有するワイヤを記載している。特開2007-16173号公報には、繊維を含むマトリックス樹脂であるロータリージョイントシーラントが記載されている。米国特許第4,502,364号は複合繊維充填材料を記載している。国際特許公開WO01/36537は硬化性シリコーン組成物を記載している。欧州特許公開第0399682号明細書にも硬化性シロキサンシーラントが記載されている。米国特許公開第2001/0044486号はプラスチゾル組成物を記載している。中国特許公開第1127774号は、連絡継手用の封止材料を記載している。中国特許公開第1092459号明細書は封止材料を記載している。特開昭52-28548号公報は、コーキング材を記載している。国際特許公開WO2016/113076号は、マルチフィラメントまたは紡糸ポリフェニレンスルフィド糸であるねじ込み管継手を封止するための封止材料、および約230℃以上の発煙点を有するシリコーンオイルまたは天然オイルを含む接合封止組成物を記載している。ポリフェニレンスルフィド糸は接合封止組成物で被覆されている。この材料は効果的な封止を形成し、280℃を超える温度に曝される系での使用にも耐久性がある。この材料をディスペンサーに入れてもよい。国際特許公開WO2016/11307号は、管システムにおける接合部を封止するために接合封止組成物で被覆されたマルチフィラメントまたは紡糸である封止材の使用を記載しており、この管システムではジモリブデン酸二アンモニウムまたはベンゾトリアゾールのような腐食防止剤、および/またはスラッジ除去剤、および/またはプロパンジオール、エチレングリコールなどのアルコール、および/またはバイオディーゼル、燃料オイル、または油圧オイル等のディーゼル等の炭化水素、および/または少なくとも180℃の温度および少なくとも10bar(1000kPa)の圧力の蒸気を有する流体が、封止された接合部を通過することとなる。驚くべきことに、本発明の封止材料は、このような材料に曝されても封止された接合部を維持できる。
【0008】
欧州特許公開第1122220号明細書は、管シーラントを管に巻くための巻取り装置を記載している。米国特許第5,172,841号はコード分配装置を記載している。
米国特許第4,606,134号は打ち出し線ディスペンサーを記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
過去に製造された様々な製品があるにもかかわらず、代替品に対する要求が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様において、本発明は、(i)少なくとも一方の雄雌嵌合部品への巻き付けに適する細長柔軟糸、および(ii)固体形態の嫌気硬化性組成物を含む接合封止材料を含む接合封止組成物を含み、柔軟糸が嫌気硬化性組成物で被覆されている、雄雌嵌合部品間の接合部を封止するための封止材を提供する。
【0011】
嵌合部品は、例えば、部品間の係合のために1つの部品(ねじ)が他方の部品にねじ込まれる一対のねじ部品であってよい。部品が嵌合すると、嫌気硬化性組成物を硬化させるのに十分な空気(酸素)の排除がある。
【0012】
本発明の封止材に使用するための嫌気硬化性組成物は、ドライタッチである。
【0013】
細長柔軟糸は、接合封止組成物のキャリアとして作用する。
【0014】
嫌気硬化性組成物は、望ましくは溶融形態で糸(嫌気硬化性組成物のキャリアとして作用する)に塗布される。
【0015】
本発明は、嫌気硬化性の接合封止組成物で事前にコーティングされている、マルチフィラメント糸のような細長柔軟糸を含む、封止用材料および固定されているねじ込み管継手を物品として提供する。この反応性封止材は、液体嫌気性封止材のすべての従来の利点、即ち、液体を使用せずに、熱、腐食、化学物質、衝撃および振動に対する耐性を、使いやすい形式で与える。
【0016】
本発明は、硬化性組成物と柔軟糸キャリア材料との組み合わせであり、嫌気硬化性接合封止組成物で事前に被覆されたマルチフィラメント糸のような細長柔軟糸を含む接合管を封止および固定するのに適する材料を提供する。本発明は、封止と固定の両方が可能な新しい製品を提供し、封止される接合部、例えばねじ部品の接合に嫌気的に硬化可能な接着剤または封止材を供給する新しい方法を実証する。
【0017】
嫌気性組成物は、それらを硬化させるために空気の欠乏および金属との接触に依拠する。空気の欠乏は、封止材がねじの間のエアギャップを排出することによって達成される。このタイプの組成物は、清潔で塗布が簡単で、最も一般的なサイズの管継手に使用でき、嵌合ネジ部を腐食から保護し、他の封止系とは異なり、接合部を固定して振動のゆるみにも耐える。本発明の嫌気性組成物は固体である。
【0018】
本発明は、エンドユーザーが反応性糸を使用して接合されたアセンブリを製造することを可能にする。
【0019】
本発明に係る部材を封止するまたは固定する糸において、硬化反応性組成物が細長柔軟糸に塗布後に柔軟であることが望ましい。これは、その固体形態において柔軟である。例えば、塗布された細長柔軟糸が少なくとも約60度、例えば少なくとも約70度、例えば少なくとも約80度、例えば少なくとも約90度の角度で曲げられる場合、硬化性組成物が柔軟であると考えられる。硬化性組成物は、亀裂または細長柔軟糸に対してずれがあっても同様である。
【0020】
嫌気硬化性組成物の硬化は、接合部における漏れに対するさらなる封止を提供することが理解されるであろう。さらに、空気が排除されるまで組成物は未硬化状態のままであるので、嫌気硬化性組成物の使用は特に簡便である。このことは、本発明において使用するための組成物は硬化性であるが未硬化状態のままであることを意味し、従って本発明の封止材は長期間にわたる貯蔵に適している。そして当然ながら、接合部を封止するのに使用される封止材だけが硬化するため、必要に応じて、例えば断続して使用することができる。
【0021】
嫌気硬化性組成物を担持する糸に関する、用語「柔軟」は、巻き付けおよび封止を可能とする柔軟性を意味する。嫌気硬化性組成物を担持する糸に関する、用語「糸」は、巻き付け可能な材料を意味し、シングルフィラメント材料およびマルチフィラメント材料を包含する。2種以上のフィラメントを含むもの、例えば、2種以上のフィラメントが一緒に編み込まれているものなどの、複数の糸を含むマルチフィラメント材料が挙げられる。
【0022】
部品は、何れの嵌合部品であってよいが、本発明において特に興味深いものは、第1(例えば、雄)の部品が、第2(例えば、雌)の部品にねじ込まれている、ねじ込み管継手である。
【0023】
嫌気硬化性組成物は、レドックス硬化性である組成物を含むフリーラジカル硬化性組成物であってよい。ラジカル発生成分は、過酸化物、ヒドロペルオキシド、ヒドロペルオキシド前駆体、過硫酸塩またはエステル、およびそれらの組み合わせから選択され得る。適切な材料としては、クメンヒドロペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシド、過酸化水素、2-ブタノンペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、2,4-ペンタンジオンペルオキシド、ペンタメチル-トリオキセパン[Trigonox(登録商標)311の商品名で販売されているものなど]、ベンゾイルペルオキシドおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0024】
望ましくは、硬化性成分は、アクリレート、メタクリレート、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の官能基を有する。
【0025】
本発明において使用するための嫌気硬化性組成物は、望ましくは、
(i)嫌気硬化性成分、および
(ii)嫌気硬化性成分を硬化するための硬化成分
を含み、組成物は、約30℃~約100℃の範囲の融点を有する。
【0026】
本発明において使用するための嫌気硬化性組成物は、望ましくは、
(i)a)固体樹脂成分およびb)固体嫌気硬化性モノマーを含む嫌気硬化性成分、および
(ii)嫌気硬化性成分を硬化するための硬化成分
を含み、組成物は固体であり、30℃~100℃の範囲の融点を有する。
【0027】
本発明において使用するための嫌気硬化性組成物は、望ましくは固体である。この点において、固体は、周囲温度において非流動性であり、約30℃超の融点を有することを意味する。従って、固体はゲルを意味するものではない。
【0028】
硬化成分は、硬化性成分を硬化するためのものである。
【0029】
本発明において使用するための組成物の配合は、固体タックフリー形態で組成物を提供する。本発明において使用するための組成物は、細長柔軟キャリア糸への塗布に適する。
【0030】
本発明において使用するための組成物の嫌気硬化性成分、例えば反応性樹脂成分および/または反応性モノマー成分は、組成物の他の任意の成分のキャリアとして作用する。本発明において使用するための全体的に強靭な組成物は固体である。
【0031】
このような組成物を使用することの主な利点の1つは、事実上ほとんど100%反応性であることにある。嫌気硬化に自身で関与する成分が、他の成分を担持する、例えば分散するキャリア(例えば母体)を形成する。
【0032】
組成物の全ての成分が固定である必要はないことが理解されるであろう。例えば、硬化性成分は、通常では液体形態である。また、本発明において使用するための組成物は、液体形態の嫌気硬化性モノマーを含んでよい。
【0033】
しかしながら、このような成分が存在する場合であっても、本発明において使用するための組成物は全体として固体となるように配合される。
【0034】
液体形態となり得る任意の成分、例えば開始剤またはモノマーはカプセル化することが望ましい。液体成分のカプセル化は、全体として固体形態にある組成物の達成がカプセル化により容易となるために有利である。
【0035】
望ましくは、カプセル化されていてもいなくとも、液体成分は、組成物の10重量%未満である(組成物の総重量に基づく)。
【0036】
溶融と再凝固は、何れもDSC(示差走査熱量計)により測定できる。
【0037】
本発明において使用するための組成物は、任意の方法で細長柔軟糸に塗布してよい。1つの利点は、本発明において使用するための組成物および本発明の封止材が、有機溶媒または水などの溶媒の使用を必要としない方法で製造および/または基材に塗布できることである。これにより、組成物のための液体キャリアの必要性が回避される。従って、本発明の封止材は、本質的にドライタッチであり、この結果、取扱い上の利点を有する。例えば、本発明において使用するための組成物は、溶融時または粒状形態時に流動し、液体キャリアを必要とせず、細長柔軟糸への塗布を行って本発明の封止材を形成するために、溶媒または水の乾燥を必要としない。
【0038】
例えば製造ラインでの封止材の乾式処理は、このように達成可能でありかつ有利である。例えば(細長柔軟糸に)に、一旦塗布されると、本発明において使用するための組成物はまた、ドライタッチとなるであろう。ドライタッチ製品は、取り扱いの観点から望ましく、汚染、付着物、こぼれ、基材からの組成物の減少などが無い。
【0039】
本発明の封止材は、部品に塗布された場合でも、例えば輸送中における、保管または取扱いに適している。この貯蔵または取扱いは塗布された組成物の状態に悪影響を及ぼさない。
【0040】
例えば、本発明において使用するための組成物は、(溶融によって)例えば80℃で液体として細長柔軟糸に塗布できるが、例えば5分未満で、急速に冷えて急速にドライタッチとなる。
【0041】
本発明において使用するための溶融した組成物の粘度は、温度を上げ下げすることにより調節できる。組成物は、追加の外部冷却手段を必要とせずに、例えば室温で2~3分以内に、急速に固化し、細長柔軟糸への被覆形態をとり得る、ドライタッチであり移動にも耐え得る固体材料を生成する。
【0042】
さらに、本発明において使用するための組成物は長期安定性を示した。例えば、6ヶ月を超える安定性が達成された。
【0043】
本発明において使用するための組成物のさらなる利点は、本発明の封止材が他の物品に触れるときに相互汚染がないことである。
【0044】
本発明において、タックフリーとは、取り扱いまたは使用時に組成物が剥がれ落ちないにもかかわらず、ドライタッチであることを意味する。例えば、本発明の封止材はドライタッチであろう。20個のこのような封止材を4時間乾燥ティッシュペーパー上にそれぞれ置き、ティッシュの外観に変化がない場合に、封止材はドライタッチであると考えられる。
【0045】
本発明において使用するための組成物を塗布するためには、付着するように十分に溶融を行って、細長柔軟糸への組成物の塗布を行うことが当業者に理解される。塗布する材料の溶融により組成物において液体キャリアの必要性がなくなる。タックフリーおよびドライタッチという表現は、細長柔軟糸へ(溶融して)塗布し、(再)凝固した後の組成物に関する。物品がドライタッチであることを決定する試験は、組成物が溶融形態でなくなった後にのみ実施されるべきである。例えば、この試験は、組成物を塗布した後少なくとも約30分後に行われるべきである。
【0046】
本発明において使用するための組成物は、約40℃~約100℃、例えば約50℃~約100℃の融点を有してよい。このような温度は、液体ベースの組成物を乾燥するのに用いる温度と比較して遜色ない。
【0047】
組成物を溶融形態とすることができ、組成物が約30℃~約100℃の範囲の融点を有するのであれば、嫌気硬化性モノマーなど任意の好適な嫌気硬化性成分を組成物に用いてよい。
【0048】
嫌気硬化性成分は、嫌気硬化性モノマーを含んでよい。嫌気硬化性成分は、嫌気硬化性樹脂成分を含んでよい。この樹脂成分は、レドックス開始重合により硬化させる官能性を有する。
【0049】
嫌気硬化性樹脂成分は、約50~約80℃の範囲の融点を有してよい。約30~約50℃の範囲の(溶融後)再凝固点を有してよい。この範囲の再凝固点を有するということは、環境条件が30℃以下の温度である場合に物質が再凝固することを意味する。従って、組成物は、典型的な環境条件下で再凝固する。再凝固は、1点の温度で生じない場合があるが、その代わりにある温度範囲にわたって生じると理解される。本発明の目的についてのいかなる状況においても、再凝固の終点温度は望ましくは約30℃以上であり、即ち、再凝固点温度未満の温度とした場合に組成物は固体形態に戻る。嫌気硬化性成分は嫌気硬化性モノマーおよび樹脂成分を含んでよい。
【0050】
本発明において使用するための組成物において、嫌気硬化性成分は、別個の/異なる成分の組み合わせであってよい。嫌気硬化性成分が別個の/異なる成分の組み合わせである場合、2種以上または実に全ての嫌気硬化性成分を形成する成分が、約30℃~約100℃の範囲の融点を有することが望ましい。少なくとも2種、望ましくは全ての本発明の組成物の成分が約30℃~約100℃の範囲の融点を有することが望ましい。
【0051】
嫌気硬化性成分が別個の/異なる成分の組み合わせである場合、2種以上、または実に全ての成分が個別でも混合されても固体であることが望ましい。
【0052】
嫌気硬化性成分が別個の/異なる成分の組み合わせである場合、少なくとも2種、望ましくは全ての成分が嫌気硬化性であることが望ましい。2種以上の成分が存在する場合、嫌気硬化反応に関与する限りにおいて、望ましくは少なくとも2種、望ましくは全てが官能性である。これらは反応性である。
【0053】
他の成分が嫌気硬化反応に関与しない場合もあることが理解されるであろう。これらは非反応性である。しかしながら、そのような成分は、他の成分の硬化中に中に組み込まれた硬化生成物の一部になり得る。
【0054】
本発明において使用するための組成物が、樹脂成分を含む場合、樹脂は嫌気硬化性である(組成物の嫌気硬化に関与する)ことが望ましい。
【0055】
本発明において使用するための組成物が、樹脂成分および嫌気硬化性モノマーを含む場合、それぞれが約30℃~約100℃の範囲の融点を有することが望ましい。そのような場合、それぞれが固体である。
【0056】
本発明において使用するための組成物は、第1パートが樹脂成分を含み、第2パートが嫌気硬化性モノマーを含む、少なくとも2つのパートの形態で提供されてもよい。
【0057】
嫌気硬化性成分は、細長柔軟糸に塗布するために粉末形態で提供されてもよい。
【0058】
本発明において使用するための組成物が、樹脂成分を含む場合、樹脂成分は流動性粒子形態、例えば細長柔軟糸に塗布するために粉末形態で提供されてもよい。
【0059】
本発明において使用するための組成物が、嫌気硬化性モノマーを含む場合、嫌気硬化性モノマーは、流動性粒子形態、例えば細長柔軟糸に塗布するために粉末形態で提供されてもよい。
【0060】
嫌気硬化性成分が、別個の/異なる成分の組み合わせである場合、嫌気硬化性成分は、成分を溶融しそしてそれらを一緒に混合して固体混合生成物を形成することにより形成される生成物であり得る。
【0061】
例えば、嫌気硬化性成分は、樹脂成分と嫌気硬化性モノマーとを溶融し、それらを混合して固体混合生成物を形成することにより形成される生成物を含み得る。この混合生成物は(硬化性組成物の)他の成分を保持するためのマトリックスとして機能できる。
【0062】
本発明において使用するための組成物は、固体混合生成物を流動性粒子形態にすることによって形成された生成物を含み得る。
【0063】
本発明において使用するための組成物において、粒子形態は、約500μm未満、例えば約20μm~約500μmの平均粒子径を有することが望ましい。例えば、約500μm未満、例えば約20μm~約500μmの粒子径を有する粒子を通過させるふるいに、組成物を通すことが望ましい。
【0064】
本発明において使用するための組成物において、嫌気硬化性成分は、典型的には、組成物の総量の約80重量%~約99重量%、例えば約93~約97重量%の量で存在するであろう。
【0065】
本発明において使用するための組成物が、樹脂成分を含む場合、樹脂成分はラジカル重合性固体樹脂であってよい。
【0066】
本発明において使用するための組成物が、樹脂成分を含む場合、樹脂成分は、組成物の総重量に対して約10~約60重量%、例えば約25~50重量%、例えば約20~約30重量%の量で存在し得る。
【0067】
樹脂成分は、約2,000g/mol以上の分子量を有する(メタ)アクリレート化ポリウレタン樹脂、約2,000g/mol以上の分子量を有するノボラック樹脂、約2,000g/mol以上の分子量を有する(メタ)アクリレート化ポリエステル樹脂、およびそれらの組み合わせから選択され得る。例えば、樹脂成分は、2,500~40,000g/molの範囲の分子量を有していてもよい。樹脂成分は、80℃で約0.5~約20Pa.sの溶融粘度を有してよい。そのような組成物を分配するためにそれらを溶融し、その後冷却してよい。
【0068】
本発明において使用するための組成物が、嫌気硬化性モノマーを含む場合、嫌気硬化性モノマーは、組成物の総重量に対して約40~90重量%、例えば約45~85重量%、例えば50~80重量%、例えば約45~約70重量%の量で存在し得る。
【0069】
嫌気硬化性モノマーは、望ましくは、少なくとも1個のアクリレートまたはメタクリレートエステル基を含む。
【0070】
本発明において使用するための組成物において、嫌気硬化性成分は、約1000g/mol未満の分子量を有する(メタ)アクリレート化ポリウレタン樹脂、カプセル化(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートモノマー、およびそれらの組み合わせの少なくとも1つを含んでよい。
【0071】
1種以上の反応性種をマイクロカプセル化してよいことが理解されるであろう。例えば、嫌気硬化性モノマーをカプセル化してよい。嫌気硬化性モノマーが液体である場合、カプセル化は固体形態の組成物の調製に役立つ。
【0072】
一般的に、本発明において使用するための組成物は、液体形態の嫌気硬化性モノマーを含む。これは、存在する嫌気硬化性モノマー全体の50%(組成物の総重量に基づく重量%)未満であろう。大部分は固体形態の嫌気硬化性モノマーであろう。
【0073】
任意の種がカプセル化、例えばマイクロカプセル化される場合、粒子形態を作製した後の段階で組成物に添加できる。例えば、粉砕や研削を行った後である。これは、カプセル化した物質が、本発明において使用するための組成物に組み込まれる前にカプセル化形態が解除されないことを意味する。
【0074】
カプセル化した嫌気硬化性モノマーの1例としては、GRUF Lipocapsules RDの商品名でLipo Technologies Inc.から入手可能なエトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートである。
【0075】
【化1】
式中、mおよびnはそれぞれ独立に整数であり、m+n=2である。
【0076】
カプセル化は、CAS 9011-05-6などの尿素-ホルムアルデヒドポリマーを用いることによって達成できる。カプセル化は、CAS 9000-7-8などのゼラチン材料を用いることによって達成できる。カプセル化は、CAS 108-46-3などのレゾルシノール材料(1,3-ベンゼンジオール)を用いることによって達成できる。これらの組み合わせをカプセル化に使用できる。例えば、これらの物質の組み合わせを使用してエトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートをカプセル化してよい。
【0077】
硬化成分は、典型的には、組成物の総重量に基づいて、約0.1~約10重量%、例えば約1~約5重量%、例えば約5重量%の量で存在する。
【0078】
嫌気硬化を誘発および促進するための望ましい硬化誘発組成物は、サッカリン、トルイジン、例えばN、N-ジエチル-p-トルイジン(「DE-pT」)およびN、N-ジメチル-o-トルイジン(「DM-oT」)、ならびにアセチルフェニルヒドラジン(「APH」)とマレイン酸の1つ以上を含み得る。米国特許第3,218,305号(Krieble)、第4,180,640号(Melody)、第4,287,330号(Rich)および第4,321,349号(Rich)を参照されたい。
【0079】
キノンまたはヒドロキノンなどの安定剤を含んでよい。
【0080】
本発明において使用するための組成物は、液体キャリア成分を有さず、したがって本質的に溶媒フリーであると見なすことができることが理解され、例えば、組成物の総重量に対して0.05重量%未満や0.01重量%未満など約0.5重量%未満の溶媒などの約1重量%未満の溶媒を含む。このため、本発明の利点は、液体キャリアを必要としないことにあり、その結果、組成物がほとんどまたは全く溶媒(例えば有機溶媒または水)を含まない。
【0081】
本発明の封止材において、接合封止組成物は、約5~約90重量%、例えば約10~80重量%、好適には約20~約70重量%、例えば約30~約65重量%、場合により約40~約60重量%の量で存在してよく、細長柔軟糸は、細長柔軟糸の約10~約95重量%、例えば約15~約80重量%、好適には約20~70重量%、例えば約30~約65重量%、場合により約40~約60重量%の量で存在してよい。
【0082】
本発明は、
(i)嫌気硬化性組成物を溶融する工程、および
(ii)溶融形態の嫌気硬化性組成物を細長柔軟糸に塗布する工程
を含む、嫌気硬化性組成物を含む接合封止組成物を細長柔軟糸に塗布する方法に関する。
【0083】
溶融形態の嫌気硬化性組成物の細長柔軟糸への塗布は、大量の溶融形態の嫌気硬化性組成物に通して細長柔軟糸を引くことにより達成できる。
【0084】
本発明は、
(i)(a)少なくとも一方の部品への巻き付けに適する細長柔軟糸、および(b)固体形態の嫌気硬化性組成物を含む接合封止組成物を含み、細長柔軟糸は嫌気性硬化組成物で被覆されている、封止材を共する工程、
(ii)封止材を少なくとも一方の部品へ巻き付ける工程、および
(iii)接合部が封止材で封止されるように部品を嵌合する工程
により雄雌嵌合部品間の接合部を封止する方法に関する。
【0085】
本発明において使用するためのポリウレタン(「PU」)樹脂成分は、OH:NCOが1~最大で1.6、例えば1~最大で1.5、例えば1:1.36など約1:1.4の比率でポリオールをジイソシアネートと反応させることにより形成できる。OH:NCOが最大で1.6~1、例えば最大で1.5~1、例えば1.4:1の化学当量比(但し、OHの量は先に添加されたポリオールのものを含む。)で、反応生成物に(メタ)アクリレートを添加し、ポリウレタン(メタ)アクリレート樹脂を形成してよい。
【0086】
例えば、本発明は、少なくとも1種の反応性成分を含む嫌気硬化性組成物が塗布される細長柔軟糸を含む製造物品を提供し、ここで組成物は、固体形態であり、組成物の少なくとも1種の反応性成分によって付与された、細長柔軟糸から組成物を分離することなく柔軟糸を取り扱うのに十分な構造的完全性を有する。
【0087】
さらに、製造物品は、硬化性固体タックフリー形態で提供できる。このことは、物品と接触する機器や梱包物の汚れなどがないことを意味する。
【0088】
製造物品は、被覆されている柔軟伸長糸を分注できるディスペンサーの形態で提供でき、柔軟伸長糸とそのディスペンサーを含む。
【0089】
本発明の製造物品は、本発明において使用するための組成物から形成できる。これは、例えば、本発明において使用するための組成物を溶融し、溶融した組成物に通して糸を引くことにより細長柔軟糸を組成物で被覆し、組成物を(糸上で)再凝固させることにより実施できる。
【0090】
溶融形態は、塗布に十分であることが理解されるであろう。液体キャリアは必要ではない。
【0091】
本発明において使用するための組成物が少なくとも2つのパートの形態で提供される場合、これらの2つのパートは別々に塗布してよい。
【0092】
本発明において使用するための組成物は、例えば以下のような(長鎖の)(メタ)アクリレート化ポリウレタンを(樹脂として)含んでよい。
【0093】
【化2】
式中、nは2~10の整数であり、例えば、約6,000g/molの分子量を有する上記式の化合物は、75~85℃の融点を有し得る。
【0094】
本発明において使用するための組成物は、例えば以下のようなノボラックビニルエステルを(樹脂として)含んでよい。
【0095】
【化3】
式中、nは2~10の整数である。例えば、約6,000g/molの分子量を有する上記式の化合物は、75~85℃の融点を有し得る。
【0096】
本発明において使用するための組成物は、以下の約70~75℃の融点を有する2-メタクリロキシエチルフェニルウレタンを(嫌気硬化性モノマーとして)含んでよい。
【0097】
【0098】
しかしながら、本発明において使用するための組成物は、短時間、例えば約30分後に、ドライタッチとなり得ることが理解されるであろう。
【0099】
本発明において使用するための組成物は、1パートまたは2(またはそれ以上)パートの組成物として配合され得る。組成物または組成物の各パートは、固体であり、場合により流動形態であることが望ましい場合がある。例えば、組成物または組成物の各パートは、粉末形態のような流動性粒子形態であることが望ましい場合がある。
【0100】
当然ながら、嫌気硬化性成分が約30℃~約100℃の範囲の融点を有する場合は、下に記載されるものなどの任意の好適な嫌気硬化性材料(または任意の材料の組み合わせ)から選択できる。
【0101】
嫌気硬化性組成物は、好適な(メタ)アクリレート成分に基づく嫌気硬化性成分を有してよい。
【0102】
1種以上の好適な(メタ)アクリレート成分は、式:H2C=CGCO2R8を有する(メタ)アクリレートモノマーの中から選択され得る。ここで、Gは、水素、ハロゲン、または1~約4個の炭素原子を有するアルキル基であってよく、R8は、1~約16個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルカリール、アラルキルまたはアリール基から選択されてよく、これらは、場合によってはシラン、ケイ素、酸素、ハロゲン、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、尿素、ウレタン、ポリウレタン、カーボネート、アミン、アミド、硫黄、スルホネート、およびスルホンで置換または割込されてもよい。
【0103】
1種以上の好適な(メタ)アクリレートモノマーは、多官能(メタ)アクリレートモノマーから選択されてよく、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラン(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(「HPMA」)、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(「TMPTMA」)、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(「TRIEGMA」)、テトラエチレンジグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ジ(ペンタメチレングリコール)ジメタクリレート、テトラエチレンジグリコールジアクリレート、ジグリセロールテトラメタクリレート、テトラメチレンジメタクリレート、エチレンジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、およびビスフェノールAモノおよびジ(メタ)アクリレート、例えばエトキシル化ビスフェノールA(メタ)アクリレート(「EBIPMA」)、およびビスフェノールFモノおよびジ(メタ)アクリレート、例えばエトキシル化ビスフェノール-F(メタ)アクリレートなどの二官能性または三官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0104】
例えば、嫌気硬化性成分は、約72~74℃の融点を有するビスフェノールAジメタクリレートを嫌気硬化性モノマーとして含んでよい。
【0105】
【0106】
ここでの使用に適切となり得るさらに他の(メタ)アクリレートモノマーは、その記載が参照により本明細書に明示的に組み込まれる米国特許第5,605,999号(Chu)に教示および請求されているものなどシリコーン(メタ)アクリレート部分(「SiMA」)である。
【0107】
他の適切なモノマーは、以下式により表されるポリアクリレートエステルから選択され得る。
【0108】
【0109】
式中、R4は水素、ハロゲン、または1~約4個の炭素原子のアルキルから選択される基であり、qは1以上、好ましくは1~約4の整数であり、Xは、少なくとも2個の炭素原子を含み、合計でq+1の結合能を有する有機基である。X中の炭素原子数の上限に関して、使用可能なモノマーは本質的に任意の値である。しかしながら、実際問題として、一般的な上限は、望ましくは約30個など約50個の炭素原子であり、望ましくは約20個である。
【0110】
例えば、Xは以下式の有機基であってよい。
【0111】
【0112】
式中、Y1およびY2のそれぞれは、少なくとも2個の炭素原子、望ましくは2~約10個の炭素原子を含む、炭化水素基などの有機基であり、Zは少なくとも1個の炭素原子、好ましくは2~約10個の炭素原子を含む有機基、好ましくは炭化水素基である。他のモノマーは、仏国特許第1,581,361に記載されるものなどのジ-またはトリ-アルキロールアミン(例えば、エタノールアミンまたはプロパノールアミン)とアクリル酸との反応生成物から選択され得る。
【0113】
(メタ)アクリレート官能性を有する適切なオリゴマーもまた使用され得る。そのような(メタ)アクリレート官能化オリゴマーとしては、例えば、以下一般式を有するものが挙げられる。
【0114】
【0115】
式中、R5は、水素、1~約4個の炭素原子のアルキル、1~約4個の炭素原子のヒドロキシアルキル、または
【0116】
【化9】
から選択される基を表し、但しR
4は水素、ハロゲン、または1~約4個の炭素原子のアルキルから選択される基であり、R
6は、水素、ヒドロキシル、または
【0117】
【0118】
mは、1以上、例えば1~約15以上、望ましくは1~約8の整数であり、nは、1以上、例えば、1~約40以上、望ましくは約2~約10の整数であり、pは0または1である。
【0119】
上記の一般式に対応する典型的なアクリルエステルオリゴマーとしては、例えば、ジ-、トリ-およびテトラエチレングリコールジメタクリレート、ジ(ペンタメチレングリコール)ジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(クロロアクリレート)、ジグリセロールジアクリレート、ジグリセロールテトラメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、およびトリメチロールプロパントリアクリレートが挙げられる。
【0120】
ジ-およびその他のポリアクリレートエステル、特に上の段落に記載されるポリアクリレートエステルが望ましいが、単官能アクリレートエステル(1個のアクリレート基を含むエステル)も使用してよい。
【0121】
適切な化合物は、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、t-ブチルアミノエチルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、およびクロロエチルメタクリレートから選択できる。
【0122】
他の有用な種類の材料は、全てのイソシアネート基をそれぞれウレタンまたはウレイド基に反応させるのに適した割合における、(メタ)アクリレート官能化ヒドロキシルまたはアミノ含有材料とポリイソシアネートとの反応生成物である。
【0123】
そのように形成された(メタ)アクリレートウレタンまたは尿素エステルは、その非アクリレート部分にヒドロキシまたはアミノ官能基を含有し得る。使用に適した(メタ)アクリレートエステルは、以下の式のものから選択され得る。
【0124】
【0125】
【化12】
から選択され、但しR
9は、水素または1~7個の炭素原子を有する低級アルキルから選択され、R
7は、水素、ハロゲン(例えば塩素)またはアルキル(例えばメチルおよびエチル基)から選択され、R
8は、1~8個の炭素原子を有するアルキレン、フェニレンおよびナフチレンから選択される2価の有機基である。
【0126】
これらの基は、ポリイソシアネートと適切に反応すると、以下の一般式のモノマーを生成する。
【0127】
【0128】
式中、nは2~約6の整数であり、Bは、置換または無置換のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルカリール、アルカリールおよび複素環式基、ならびにそれらの組み合わせから選択される多価有機基であり、R7、R8およびXは上で与えられる意味を有する。
【0129】
Bの性質に応じて、尿素またはウレタン結合を有するこれらの(メタ)アクリレートエステルは、それらをオリゴマークラス(例えば、約1,000g/mol~約5,000g/mol)またはポリマークラス(例えば、約5,000g/mol超)とする分子量を有してよい。
【0130】
当然ながら、これらの(メタ)アクリレートモノマーの組み合わせも使用できる。
【0131】
望ましくは、嫌気硬化性成分はアクリレートまたはメタ―アクリレートエステル基の少なくとも一方を含む。
【0132】
望ましくは、嫌気硬化性成分は、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ウレタンジ(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ビスフェノール-A-(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノール-A-(メタ)アクリレート、ビスフェノール-F-(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノール-F-(メタ)アクリレート、ビスフェノール-A-ジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノール-A-ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール-F-ジ(メタ)アクリレート、およびエトキシル化ビスフェノール-F-ジ(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種を含む。
【0133】
例えば、嫌気硬化性成分は、(嫌気硬化性モノマーとして)例えば以下のものなどのヒドロキシエチルメタクリレート封止ジイソシアネートを含んでよい。
【0134】
【0135】
組成物はまた、フリーラジカル開始剤、フリーラジカル促進剤、フリーラジカル発生抑制剤、ならびに鉄および銅などの金属触媒などの他の従来成分を含んでもよい。
【0136】
多くの公知のフリーラジカル重合開始剤を組成物に組み込んでよく、限定されるものではないが、CHP、パラ-メンタンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド(「TBH」)およびt-ブチルペルベンゾエートなどのヒドロペルオキシドが挙げられる。他の過酸化物としては、ベンゾイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、1,3-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジアセチルペルオキシド、ブチル4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バレレート、p-クロロベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、t-ブチルペルベンゾエート、ジ-t-ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルペルオキシヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチル-ペルオキシヘキサ-3-イン、4-メチル-2,2-ジ-t-ブチルペルオキシペンタン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0137】
このような過酸化物化合物は、組成物の総重量に対して典型的には約0.1~約10重量%、望ましくは約1~約5重量%の範囲で本発明に用いられる。
【0138】
所望であれば、開始剤成分をカプセル化してよい。例えば、開始剤成分は、カプセル化ベンゾイルペルオキシドなどのカプセル化過酸化物であってよい。
【0139】
本発明において使用するための組成物は、さらに増粘剤および/または充填剤を含んでよい。
【0140】
上述した通り、本発明において使用するための組成物は、樹脂を含む非反応性種を含み得ることが理解されるであろう。このような成分は、嫌気硬化反応に関与しない。これらは非反応性である。しかしながら、このような成分は、他の成分の硬化時にそこに組み込まれて硬化生成物の一部となり得る。そのような非反応性種としては、例えば、ヒュームドシリカ、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、マイカ、ポリアミドワックス、二酸化チタン、硫酸バリウムが挙げられる。
【0141】
本発明は、封止材および反応生成物の調製方法および使用方法も提供する。
【0142】
本発明において使用するための組成物は、当業者によく知られている従来方法を用いて調製できる。例えば、組成物の成分は、その成分が組成物中で果たすべき役割および機能に適合するやりやすい任意の順序で一緒に混合することができる。公知の装置を用いた従来の混合技術を使用することができる。
【0143】
(メタ)アクリレート成分は組成物の約25~約95重量%含んでよく、組成物の約40~約90重量%、例えば組成物の総重量に基づいて約45~約85重量%、例えば約45~約70重量%含んでよい。
【0144】
糸は、繊維状材料などの任意の適切な天然または合成材料のものであってよい。糸は、ポリアミド(例えばナイロン)、ポリプロピレン、ポリエステル、PTFE、またはポリフェニレンスルフィドなど合成ポリマーであってよい。糸は綿のような天然材料から作られてもよい。
【0145】
本発明において使用するための組成物の他の可能性のある成分としては、炭酸カルシウム、タルク、必要な場合にはレオロジー改質剤(例えば有機粘土)などの不活性充填剤、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリマー充填剤から選択される1種以上が挙げられ、PMMAが使用される場合、これは望ましくはマイクロビーズの形態である。
【0146】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照しながら、ほんの一例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【
図1】
図1は、以下の実施例で使用される試験アセンブリの図面である。
【
図2】
図2は、細長柔軟糸に組成物を塗布する容器および方法の概略図である。
【
図3】
図3は、実施例2の平均破断トルクの結果を示す。
【
図4】
図4は、実施例3の平均破断トルクの結果を示す。
【
図5】
図5は、実施例4の比較用の平均破断トルクの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0148】
<詳細な説明>
(100%)固体嫌気性組成物の配合における主成分と考えられる組成物の例を以下の表1に示す。
【0149】
【0150】
使用される樹脂およびモノマーの重要な必要条件は、それらが一般にRT(室温)で固体であり、100℃未満の融点を有することである。
【0151】
使用可能な材料の種類の一般的な例を以下の表2に示す。
【0152】
【0153】
<調製>
原料は、個々の成分の融点をわずかに上回る温度で一緒に配合される。組成物が均質な外観となったら、室温に冷却する。この時点で、これは固体である。
【実施例】
【0154】
実施例1
樹脂合成例:
Dynacoll 7380(90.89g)、ブチル化ヒドロキシトルエン(0.03g)、4-メトキシフェノール(0.03g)、およびリン酸(0.007g)を反応容器に投入し、120℃に加熱しながら混合した。温度を下げ、100℃で20分間混合した。反応の間はずっと100℃に温度を維持しながら、DBTDL(0.037g)を混合しながら添加し、その後容器にトルエンジイソシアネート(6.28g)を徐々に添加した。2~3時間、あるいはイソシアネート(NCO)重量%が平衡に達するまで混合を継続した。残留NCOを滴定した。滴定量に対して90%の必要とされるHEMA(~2.5g)を加えた。ジブチルスズジラウレート(0.037g)を加えた。3時間反応させ、滴定によりNCO消費量をモニターした。残留NCOの%が0.2%超の場合には、調製した2回目のHEMAの添加を投入した。NCO含有量が0.2%未満である場合には、反応を停止した。
【0155】
適切な樹脂を調製したら、原材料を個々の成分の融点をわずかに超える温度で、ともに配合する。組成物が均質な外観であれば、
図2に示されるように容器に注がれる。次に糸に被覆/吸収される溶融接着組成物に通してコードを引く。余剰の接着組成物は、糸を容器内の他の小さな開口部に通すことによって除去される。次いで、被覆された糸を室温に冷却して嫌気性被覆/含浸糸を製造する。
【0156】
適切な糸は、ポリアミドまたはポリプロピレンを含むシングルストランド糸またはマルチフィラメント糸であってよい。
【0157】
実施例2
配合:
以下の組成物を実施例1の通りに調製した。
【0158】
【0159】
ねじ止め:
上記組成物を、
図2および上記のように950dtexのナイロン6,6糸に被覆して、糸1g当たり約1gの嫌気性組成物を与えた。標準的なナットとボルトのアセンブリを使用して、ねじ止め機能を調べた。DIN 267-27に従ってコードを雌ねじに取り付け、取り付け時にはねじの高さを超えていなかった。破断トルクをISO10964に従って決定した。これらの試験の結果を
図3に示す。
【0160】
ねじ封止:
ISO 7-1に準拠した切削ねじを有する管および接続具を使用した。使用した試験体は以下の特徴を有する。
【0161】
鋼製テーパねじニップル、長さ250mm
【0162】
亜鉛被覆された可鍛鉄製減速平行ねじブッシュ
【0163】
亜鉛被覆された可鍛鉄製平行ねじブッシュ
【0164】
亜鉛被覆された可鍛鉄製テーパねじストッパー
【0165】
上記部品の雌ネジに反応性コードを用い、ネジ当たりに1つのコードの被覆があるようにした。糸の封止性能をEN 751-1(硬化化合物用)に従って試験した。以下の試験を連続して実施した。
【0166】
使用した試験アセンブリ1を下の
図1に示し、これは圧力接続2を含む。
【0167】
ネジ当たり1つのコードがあるように、反応性コードをテスト継手4、5、および6の雌ネジ3に用いた。トルクレンチを用いて150Nmの入力トルク当てて、試験片を
図1に示すように組み立てた。サンプルは室温で試験された。
【0168】
以下の通り、部品、特に継手を標準EN751-1スクリーニングテストにより連続して試験した。
【0169】
試験1:組立後の内圧試験
試験片を組み立て後30~60分の間に試験した。管を約23℃の水浴に浸した。 7.5bar7.5±3bar(0.75MPa±0.3MPa)の圧縮空気を用いて試験片を加圧した。5分間の浸漬中の気泡の出現でガス漏を決定した。但し、浸漬の最初の15秒間に見られた気泡は無視した。
【0170】
試験2:耐熱水試験
試験アセンブリを水道水で半分満たし、減速ブッシュをテフロンテープで封止したR1/2”プラグで閉じた。このアセンブリを横向きで130℃のオーブンに168時間置いた。この期間の後、アセンブリを2時間で室温に冷却し、プラグを外して水を排出した。圧縮空気を用いて漏れについての内圧試験を繰り返した。
【0171】
試験3:温度サイクル試験
試験アセンブリを150℃の温度チャンバーに22時間置き、その後20℃に2時間で冷却した。この温度サイクル試験を5回繰り返した。試験片を次に-20℃に4時間で冷却し、20℃に2時で間温めた。圧縮空気を用いて漏れについての内圧試験を繰り返した。結果は以下の通りである。
【0172】
【0173】
実施例3
以下の組成物を実施例1と同様に調製した。
【0174】
【0175】
ねじ止め:
上記組成物を
図2および上記に示される通り950dtexのナイロン6,6糸に被覆して、糸1g当たり約1gの嫌気性組成物を与えた。標準的なナットとボルトのアセンブリを使用して、ねじ止め機能を調べた。DIN 267-27に従ってコードを雌ねじに取り付け、取り付け時にはねじの高さを超えていなかった。破断トルクをISO10964に従って決定した。これらの試験の結果を
図4に示す。
【0176】
ねじ封止性能:
実施例2の上述した手順を本実施例の組成物を用いて繰り返したところ、以下の結果が得られた。
【0177】
【0178】
実施例4:フレキシブルPUMA樹脂を基礎とする組成物 vs 結晶性PUMA樹脂を基礎とする組成物
【0179】
【0180】
ねじ止め:
上記組成物を
図2および上記に示される通り950dtexのナイロン6,6糸に被覆して、糸1g当たり約1gの嫌気性組成物を与えた。標準的なナットとボルトのアセンブリを使用して、ねじ止め機能を調べた。DIN 267-27に従って糸を雌ねじに取り付け、取り付け時にはねじの高さを超えていなかった。破断トルクをISO10964に従って決定した。これらの試験の結果を
図5に示す。
【0181】
本発明の封止材が他の組成物と比較して明らかに利点を提供し、そして最適な性質のために注意深く配合されてきたことは前述の実験研究から明らかである。
【0182】
本発明に関して本明細書で使用される場合に、用語「含む(comprise)/含んでいる(comprising)」および「有する(having)/含んでいる(including)」は、記載された特徴、整数、工程または成分の存在を特定するために使用されるが、その他1種以上の特徴、整数、工程、成分、またはこれらの群の存在または追加を除外するものではない。
【0183】
明確にするために別々の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は、1つの実施形態で組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために1つの実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴は、別々にまたは任意の適切な部分的な組み合わせで提供されてもよい。