(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】せん孔装置
(51)【国際特許分類】
B23B 45/02 20060101AFI20220516BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20220516BHJP
【FI】
B23B45/02
H01M50/244 Z
(21)【出願番号】P 2019523376
(86)(22)【出願日】2018-04-12
(86)【国際出願番号】 JP2018015379
(87)【国際公開番号】W WO2018225379
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-01-15
(31)【優先権主張番号】P 2017112662
(32)【優先日】2017-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉兼 聖展
(72)【発明者】
【氏名】多田 祥朗
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102013213120(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0328764(US,A1)
【文献】登録実用新案第3200079(JP,U)
【文献】特開2002-160110(JP,A)
【文献】特開2017-001149(JP,A)
【文献】特開2014-231129(JP,A)
【文献】特開2015-199175(JP,A)
【文献】特開2014-155989(JP,A)
【文献】特開2003-039423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 45/02、14
H01M 50/244
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、該ベースから上方に延びる支柱と、該支柱に上下方向に移動可能に支持された上下可動部と、該上下可動部に設けられたモータと、該モータによって駆動する出力軸と、前記モータの電源として複数個のバッテリを着脱可能なバッテリ取付部と、を備えた定置式のせん孔装置であって、
前記出力軸には、有底円筒形の回転体の先端部にダイヤモンド粒子を付着させて切削部とした回転刃具が取り付けられており、
前記モータの上方に前記バッテリ取付部を備え
、
前記複数個のバッテリは、前記バッテリ取付部に上下に並んで取り付けられ、該取り付け状態において前記複数個のバッテリは、当該複数個のバッテリの上方を覆う天板部の端縁からはみ出さない状態に取り付けられる構成としたせん孔装置。
【請求項2】
ベースと、該ベースから上方に延びる支柱と、該支柱に上下方向に移動可能に支持された上下可動部と、該上下可動部に設けられたモータと、該モータによって駆動する出力軸と、前記モータの電源として複数個のバッテリを着脱可能なバッテリ取付部と、を備えた定置式のせん孔装置であって、
前記出力軸には、有底円筒形の回転体の先端部にダイヤモンド粒子を付着させて切削部とした回転刃具が取り付けられており、
前記モータの上方に前記バッテリ取付部を備え
、
前記バッテリ取付部に取り付けられた前記複数個のバッテリの上方を覆う天板部を有し、
前記天板部の上面に、起動操作用の操作部を設けたせん孔装置。
【請求項3】
請求項1
又は2記載のバッテリ取付部であって、前記複数個のバッテリは、前記上下可動部の移動方向に交差する横方向に移動させて前記バッテリ取付部に取り付け、取り外しされる構成としたせん孔装置。
【請求項4】
ベースと、該ベースから上方に延びる支柱と、該支柱に上下方向に移動可能に支持された上下可動部と、該上下可動部に設けられたモータと、該モータによって駆動する出力軸と、前記モータの電源
として複数個のバッテリを着脱可能なバッテリ取付部と、を備えた定置式のせん孔装置であって、
前記出力軸には、有底円筒形の回転体の先端部にダイヤモンド粒子を付着させて切削部とした回転刃具が取り付けられており、
前記バッテリ取付部は、前記支柱に対して前記モータの反対側に
おいて前記上下可動部に設けられ
ており、
前記複数個のバッテリは、前記バッテリ取付部に上下に並んで取り付けられ、且つ前記上下可動部の移動方向に交差する横方向に移動させて前記バッテリ取付部に取り付け、取り外しされる構成としたせん孔装置。
【請求項5】
請求項
1~4の何れか1項に記載したせん孔装置であって、
前記バッテリ取付部に、バッテリカバーを備えたせん孔装置。
【請求項6】
請求項
1~5の何れか1項に記載したせん孔装置であって、
前記バッテリ取付部は、前記上下可動部に対して位置変更可能に設けられたせん孔装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載したせん孔装置であって、
前記モータは冷却ファンを備えており、該冷却ファンの回転により前記モータの冷却を行うための冷却風の流れが発生し、該冷却風の流れについて前記モータの風上側に各種制御用の制御基板を含むコントローラを配置したせん孔装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば材料の孔開け作業等に用いるせん孔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
せん孔装置の中には、有底円筒形の回転体の先端部にダイヤモンド粒子を付着させて切削部としたダイヤモンドコアビットと称されるせん孔用の回転刃具を出力軸に取り付けて、コンクリート等のせん孔作業に用いるダイヤコアドリルと称されるものが提供されている。このようなせん孔装置は、回転刃具の径が大きく、硬い材料をせん孔する用途で用いられるため、一つの孔を開けるのに高い出力と長い作業時間を要する。このため、この種のせん孔装置には、手持ち式に加えて定置式のものが提供されている。
【0003】
定置式のせん孔装置によれば、せん孔装置のベースを壁や床等の作業面に固定させることから、材料から受ける大きな反力を受けつつ、長い作業時間の中で安定した作業を行うことができる。特許文献1(独国特許発明第10064173号明細書)には、ダイヤモンドコアビットとバッテリ1個を備えた可搬式せん孔装置を定置式スタンドに取り付ける構成について記載されている。特許文献2(特開2014-231129号公報)には、非ダイヤコアのドリルとバッテリ1個を備え、ベース部分が電磁石となっている定置式のせん孔装置について記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダイヤコアドリルによるせん孔作業は、高出力と長い作業時間の作業であるために、大容量の電源が必要となる。このため、DC電源としてバッテリ1個では充分とは言えず、バッテリを複数個備える等によって電力供給をすることが望ましい。バッテリを複数個備えるにあたっては、使用者の使用感を損ねないように限られたスペースを有効に活用してバッテリ取付部を配置する必要がある。
【0005】
本発明は、ダイヤコアドリルと称される定置式のせん孔装置において、バッテリをバランスの良い位置や作業の妨げにならない位置に取り付けることで、使用者の使用感を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は以下の各発明により解決される。第1の発明は、ベースと、ベースから上方に延びる支柱と、支柱に上下方向に移動可能に支持された上下可動部と、上下可動部に設けられたモータと、モータによって駆動する出力軸と、モータの電源として複数個のバッテリを着脱可能なバッテリ取付部と、を備えた定置式のせん孔装置である。第1の発明では、出力軸には、有底円筒形の回転体の先端部にダイヤモンド粒子を付着させて切削部とした回転刃具が取り付けられている。第1の発明では、モータの上方にバッテリ取付部を備えた構成となっている。
【0007】
第1の発明によれば、モータの上方の空きスペースを有効に活用して、複数個のバッテリを取り付けることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、複数個のバッテリは、上下可動部の移動方向に交差する横方向に移動させてバッテリ取付部に取り付け、取り外しされる構成としたせん孔装置である。
【0009】
第2の発明によれば、複数個のバッテリの取り付け、取り外し方向が横方向とされることにより当該取り付け、取り外し時の操作性が確保される。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記複数個のバッテリは、前記バッテリ取付部に上下に並んで取り付けられ、この取り付け状態において複数個のバッテリは、当該複数個のバッテリの上方を覆う天板部の端縁からはみ出さない状態に取り付けられる構成としたせん孔装置である。
【0011】
第3の発明によれば、複数個のバッテリが上下に並んで取り付けられることにより取り付け状態のコンパクト性が確保されるとともに、天板部について、バッテリに対して他部材が干渉することを回避させるガードとして機能させることができる。
【0012】
第4の発明は、第1~第3の何れか一つの発明において、天板部の上面に、起動操作用の操作部を設けたせん孔装置である。
【0013】
第4の発明によれば、天板部の上面であって、作業者から見えやすく、かつ手を伸ばして操作しやすい位置に、起動操作用の操作部が配置される。これにより、当該せん孔装置の操作性を高めることができる。
【0014】
第5の発明は、ベースと、ベースから上方に延びる支柱と、支柱に上下方向に移動可能に支持された上下可動部と、上下可動部に設けられたモータと、モータによって駆動する出力軸と、モータの電源であるバッテリを着脱可能なバッテリ取付部と、を備えた定置式のせん孔装置である。第5の発明において、出力軸には、有底円筒形の回転体の先端部にダイヤモンド粒子を付着させて切削部とした回転刃具が取り付けられている。第5の発明において、バッテリ取付部は、支柱に対してモータの反対側に設けられている。
【0015】
第5の発明によれば、モータとバッテリ取付部とが対向する方向(前後方向)における上下可動部の重量バランスを調整することが容易になる。これにより、上下可動部を支柱にバランス良く支持させることができる。また、第5の発明によれば、せん孔作業で発生した粉塵のバッテリ取付部への飛散を抑制することができる。また、第5の発明によれば、支柱を間に設けることで、発熱源であるモータとバッテリとを分散させ、排熱効率を高めることができる。
【0016】
第6の発明は、第5の発明において、バッテリ取付部が上下可動部に設けられたせん孔装置である。
【0017】
第6の発明によれば、バッテリとモータとの間の配線を短くまとめること(配線経路の簡略化)ができる。
【0018】
第7の発明は、第5又は第6の発明において、バッテリ取付部にバッテリカバーを備えたせん孔装置である。
【0019】
第7の発明によれば、水の使用や粉塵の発生が多いダイヤモンドコアビットによるせん孔作業において、バッテリカバーによってバッテリの防水や防塵をすることができる。
【0020】
第8の発明は、第5~第7の何れか一つの発明において、バッテリ取付部が、上下可動部に対して位置変更可能に設けられたせん孔装置である。
【0021】
第8の発明によれば、バッテリをどの方向からバッテリ取付部に着脱させるか選ぶことができる。これにより、例えば上下可動部を動かすためのハンドルを上下可動部の左右どちら側にも付け替え可能である場合に、当該バッテリ取付部の位置を変更してハンドルが邪魔にならないようにすることでバッテリの取り付け、取り外しの操作性を確保することができる。
【0022】
第9の発明は、第5~第8の何れか一つの発明において、上下可動部の側部であって、支柱に対してモータと反対側の側部に沿って、バッテリ取付部のバッテリ取付面が設定されたせん孔装置である。
【0023】
第9の発明によれば、上下可動部の一方側にモータを配置し、他方側にバッテリ取付部が配置されて、当該せん孔装置のコンパクト化を図ることができる。
【0024】
第10の発明は、ベースと、ベースから上方に延びる支柱と、支柱に上下方向に移動可能に支持された上下可動部と、上下可動部に設けられたモータと、モータによって駆動する出力軸と、モータの電源であるバッテリを着脱可能なバッテリ取付部と、を備えた定置式のせん孔装置である。第10の発明において、出力軸には、有底円筒形の回転体の先端部にダイヤモンド粒子を付着させて切削部とした回転刃具が取り付けられている。第10の発明において、バッテリ取付部は、支柱とモータとの間に設けられている。
【0025】
第10の発明によれば、支柱とモータとの間のスペースを有効活用してバッテリ取付部を配置することができ、これにより当該せん孔装置のコンパクト化を図ることができる。
【0026】
第11の発明は、第5~第10の何れか一つの発明において、バッテリを複数個取り付け可能なせん孔装置である。
【0027】
第11の発明によれば、高出力かつ長い作業時間の作業に十分な電力を供給することができる。
【0028】
第12の発明は、ベースと、ベースから上方に延びる支柱と、支柱に上下方向に移動可能に支持された上下可動部と、上下可動部に設けられたモータと、モータによって駆動する出力軸と、モータの電源であるバッテリを着脱可能なバッテリ取付部と、を備えた定置式のせん孔装置である。第12の発明において、出力軸には、有底円筒形の回転体の先端部にダイヤモンド粒子を付着させて切削部とした回転刃具が取り付けられている。第12の発明において、モータの側部にバッテリ取付部を設けている。
【0029】
第12の発明によれば、モータの側部のスペースを有効活用して、バッテリ取付部をコンパクトに配置することができる。
【0030】
第13の発明は、ベースと、ベースから上方に延びる支柱と、支柱に上下方向に移動可能に支持された上下可動部と、上下可動部に設けられたモータと、モータによって駆動する出力軸と、モータの電源であるバッテリを着脱可能なバッテリ取付部と、を備えた定置式のせん孔装置である。第13の発明では、出力軸には、有底円筒形の回転体の先端部にダイヤモンド粒子を付着させて切削部とした回転刃具が取り付けられている。第13の発明では、モータは冷却ファンを備えており、この冷却ファンの回転によりモータの冷却を行うための冷却風の流れが発生する。第13の発明では、冷却風の流れについてモータの風上側に、各種制御を行う制御基板を含むコントローラを配置した構成となっている。
【0031】
第13の発明によれば、モータの冷却に加えて、コントローラの冷却が効率よくなされる。例えば、モータとしてブラシレスモータを用いる場合に、その動作制御するための制御基板を内装する結果比較的大型化するコントローラの冷却を効率よく行うことができる。モータの動作制御用のコントローラに限らず、警報音の発生や照明の点灯等の各種制御を行うための制御基板を含むコントローラについて第13の発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】第1実施形態に係るせん孔装置の全体側面図である。
【
図2】第1実施形態に係るせん孔装置の全体平面図である。
【
図3】第1実施形態に係るせん孔装置の全体前面図である。
【
図4】第1実施形態に係るバッテリ取付部を前側から見た図である。本図では、バッテリがバッテリ取付部から取り外された状態を示している。
【
図6】第2実施形態に係るせん孔装置の全体側面図である。
【
図7】第2実施形態に係るせん孔装置の全体平面図である。
【
図8】第2実施形態に係るせん孔装置の全体前面図である。
【
図9】第3実施形態に係るせん孔装置の全体側面図である。
【
図10】第3実施形態に係るせん孔装置の全体平面図である。
【
図11】第3実施形態に係るせん孔装置の全体前面図である。
【
図12】第4実施形態に係るせん孔装置の全体側面図である。
【
図13】第4実施形態に係るせん孔装置の全体平面図である。
【
図14】第4実施形態に係るせん孔装置の全体前面図である。
【
図15】第5実施形態に係るせん孔装置を右側から見た全体側面図である。
【
図16】第5実施形態に係るせん孔装置の全体平面図である。
【
図17】第5実施形態に係るせん孔装置の全体後面図である。
【
図18】第6実施形態に係るせん孔装置を右側から見た全体側面図である。
【
図19】第6実施形態に係るせん孔装置の全体平面図である。
【
図20】第6実施形態に係るせん孔装置の全体後面図である。
【
図21】第7実施形態に係るせん孔装置を右側から見た全体側面図である。
【
図22】第7実施形態に係るせん孔装置の全体平面図である。
【
図23】第7実施形態に係るせん孔装置の全体後面図である。
【
図24】第8実施形態に係るせん孔装置を右側から見た全体側面図である。
【
図25】第8実施形態に係るせん孔装置の全体平面図である。
【
図26】第8実施形態に係るせん孔装置のバッテリ取付部の平面図である。本図では、バッテリカバーを開けてバッテリ取付部からバッテリを取り外した状態を示している。
【
図27】第8実施形態に係るせん孔装置の全体後面図である。
【
図28】第9実施形態に係るせん孔装置を右側から見た全体側面図である。本図では、バッテリ取付部を回動させてバッテリの着脱操作側を右側にした状態を示している。
【
図29】第9実施形態に係るせん孔装置の全体平面図である。本図では、バッテリ取付部を回動させてバッテリの着脱操作側を右側にした状態を示している。
【
図30】第9実施形態に係るせん孔装置の全体後面図である。本図では、バッテリ取付部を回動させてバッテリの着脱操作側を右側にした状態を示している。
【
図31】第9実施形態に係るせん孔装置を右側から見た全体側面図である。本図では、バッテリ取付部を回動させてバッテリの着脱操作側を左側にした状態を示している。
【
図32】第9実施形態に係るせん孔装置の全体平面図である。本図では、バッテリ取付部を回動させてバッテリの着脱操作側を左側にした状態を示している。
【
図33】第9実施形態に係るせん孔装置の全体後面図である。本図では、バッテリ取付部を回動させてバッテリの着脱操作側を左側にした状態を示している。
【
図34】第10実施形態に係るせん孔装置を右側から見た全体側面図である。
【
図35】第10実施形態に係るせん孔装置の全体平面図である。
【
図36】第10実施形態に係るせん孔装置の全体後面図である。
【
図37】第11実施形態に係るせん孔装置を右側から見た全体側面図である。
【
図38】第11実施形態に係るせん孔装置の全体平面図である。
【
図39】第11実施形態に係るせん孔装置の全体後面図である。
【
図40】第12実施形態に係るせん孔装置を右側から見た全体側面図である。
【
図41】第12実施形態に係るせん孔装置の全体平面図である。
【
図42】第12実施形態に係るせん孔装置の全体後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、本発明の実施形態を
図1~
図42に基づいて説明する。まず、第1~第12実施形態で共通の構成について第1実施形態を基に説明する。
図1~
図3に示すように、第1実施形態で例示する定置式のせん孔装置101は、作業台や床面等の設置面Fに固定可能なベース2と、ベース2から上方に延びる支柱3と、支柱3に上下方向に移動可能に支持された上下可動部4と、駆動源としてのモータ10と、モータ10によって駆動する出力軸13と、モータ10の電源であるバッテリ30を着脱可能なバッテリ取付部20と、を備えている。出力軸13に取り付けられる回転刃具15は、有底円筒形の回転体の先端部にダイヤモンド粒子を付着させて切削部としたもので、通常ダイヤモンドコアビットと呼ばれるものが用いられている。通常使用者は、せん孔装置101の前側(
図1において左側)に位置して当該せん孔装置101を操作する。以下の説明において、上下前後左右方向については使用者を基準とする。
【0034】
ベース2は、金属製で平板形状の台座として設けられており、その概ね中心部には板厚方向(上下方向)に貫通するボルト孔2aが設けられている。ボルト孔2aを通してアンカーボルトを壁や床等の設置面Fに打ち付け、このアンカーボルトをナットで締め付けることで、ベース2を設置面Fに固定することができる。また、ベース2の四隅には上下方向に延びるレベル調整ねじ孔2bが複数設けられている。レベル調整ねじ孔2bにレベル調整ねじを下向きに突出するように取り付け、その突出長さをそれぞれ調整することで、ベース2を設置面Fに対して水平にすることができる。
【0035】
支柱3は、ベース2から上方に向かってまっすぐ延びた柱状を有している。支柱3の後面には、支柱3に沿って上下方向に延びる棒状のラックギヤ3aが設けられている。ラックギヤ3aには、後述するピニオンギヤ5cが噛み合わされている。
【0036】
上下可動部4は、支柱3に対して上下方向に移動可能に支持された可動支持部5と、可動支持部5の前面下部から前方に向かって水平に延びるモータ支持部6とで構成されている。可動支持部5の概ね中心部には、上下方向に延びる支柱貫通孔5aが設けられている。支柱貫通孔5aは、支柱3が貫通可能な大きさと形を有しており、上下可動部4が支柱3に対して上下方向に相対移動できるように設けられている。可動支持部5の内部には、ピニオンギヤ5cがピニオン回転軸5bを介して回転可能に支持されている。ピニオンギヤ5cは、ピニオン回転軸5bに固定されて一体で回転する。このピニオンギヤ5cがラックギヤ3aに噛み合わされている。
図2に示すようにピニオン回転軸5bの両側は、それぞれ可動支持部5の側部から側方へ突き出されている。
図1~
図3では、左側の突き出し部分に、T字形のハンドル7が取り付けられた状態が示されている。ハンドル7は、右側の突き出し部分に付け替えることができる。
【0037】
ハンドル7は、軸部7aと、軸部7aから径方向外向きに延びるアーム部7bとを有するT字形を有している。このハンドル7の回転操作により、ピニオンギヤ5cを回転させてラックギヤ3aに対する噛み合い位置を変化させることにより、可動支持部5を上下に移動させることができる。可動支持部5を上下に移動させることにより、回転刃具15を上下に移動させて加工材Wに対して接近、離間させることができる。また、使用者は、ハンドル7のアーム部7bを把持して回転操作することにより、回転刃具15に対して下方への大きな押し下げ力(せん孔力)を付加させることができる。
【0038】
モータ支持部6の上面には、駆動部8が搭載されている。駆動部8は、側面視でコ字形の駆動部ケース9を備えている。駆動部ケース9の底部9aにモータ10が内装されている。モータ10には、小型で高出力のブラシレスモータが用いられている。モータ10は、ブラシレスモータであることによりモータ軸方向にコンパクト化が図られた薄型モータで、高さ方向のスペースが限られた底部9aにコンパクトに収容されている。
【0039】
駆動部ケース9の縦部9bには、モータ10の動作制御を行うためのコントローラ12が内装されている。コントローラ12は、矩形平板形の制御基板を矩形底浅のケースに内装して樹脂モールドしたもので、図示するようにその長手方向を上下方向に沿わせた縦置き姿勢で縦部9bに内装されている。モータ10の出力は、モータ支持部6に内装した減速ギヤ列(図では見えていない)を経て減速されて出力軸13に伝達される。出力軸13の延びる方向は、上下可動部4の移動方向に沿っている。出力軸13は、モータ支持部6に回転可能に支持されている。
【0040】
出力軸13に対して固定された回転刃具15は、出力軸13の軸方向及び上下可動部4の移動方向に沿って下方にまっすぐ延びた円柱形状をしている。回転刃具15の回転中心は、出力軸13の軸中心と一致している。回転刃具15の下端部は、ダイヤモンド粒子を付着させた切削部15aになっている。回転刃具15の下方に、穴あけ加工が施される加工材Wが固定されている。モータ10により回転する回転刃具15の切削部15aを、ハンドル7の回転操作により加工材Wの上面に押し付けることにより、当該加工材Wに穴あけ加工がなされる。
【0041】
モータ10への電力供給は2個のバッテリ30を電源としてなされる。2個のバッテリ30は、それぞれバッテリ取付部20に取り付けられている。第1実施形態の場合、バッテリ取付部20は、モータ10の上方であって、駆動部ケース9の縦部9bの前面に設けられている。
【0042】
バッテリ取付部20の詳細が
図4に示され、バッテリ30の詳細が
図5に示されている。
図4に示すように第1実施形態の場合、2つのバッテリ取付部20は、上下に縦並び状態に設けられている。上下2つのバッテリ取付部20は、相互に同じ構成を備えており、それぞれバッテリ30を左右方向(横方向)に移動させて取り付け、取り外しする横向きに配置されている。バッテリ取付部20は、上下一対のレール部20aを備えている。上下のレール部20aの内側に沿って正負の電源端子20b、20cが設けられている。レール部20aと正負の電源端子20b、20cはそれぞれバッテリ30の取り付け、取り外し方向(スライド方向)である左右方向に長く延びている。電源端子20b、20cの右側には、後述するバッテリ30のロック爪部30eが係合されるロック凹部20dが設けられている。
【0043】
図5に示すようにバッテリ30は、概ね6面体の直方体形状を有するバッテリケースに複数本のバッテリセルを収容したもので、ねじ締工具等の他の充電式電動工具の電源としても用いられる汎用性の高い18V出力のリチウムイオンバッテリが用いられている。2個のバッテリ30の合計電圧36Vを電源としてモータ10が起動する。バッテリ30の図示上面(取付面)には上記レール部20aに係合する一対のレール受け部30aが設けられている。一対のレール受け部30aの内側には、正負の電源端子20b、20cが接続される正負の接続端子30b、30cが設けられている。正負の接続端子30b、30c間には、当該バッテリ30を図では省略した充電器に装着した場合に、当該充電器との間で各種制御信号等を送受信するための信号用接続コネクタ30dが設けられている。以下の説明、特に図において、バッテリ30の向き(姿勢)を明確にするために、その上面(取付面)に符合「30U」を付し、下面に符合「30D」を付して、その上下面を特定する。また、バッテリ30のバッテリ取付部20に対する取り付け方向の前側となる側面(取付前面)に符合「30F」を付し、取り付け方向の後面となる側面(取付後面)に符合「30R」を付してその前後面を特定する。
【0044】
バッテリ30の上面(取付面30U)に、上記したロック爪部30eが設けられている。ロック爪部30eは、上方へ突き出す側にばね付勢されている。
図4において、バッテリ30を図中白抜き矢印で示すように取り付け方向(
図4では左方向)へスライドさせてバッテリ取付部20に取り付けることができる。バッテリ30がバッテリ取付部20に取り付けられてロック爪部30eがロック凹部20dに係合されることにより、当該バッテリ30がバッテリ取付部20に対して取り付け状態にロックされる。
【0045】
図5では見えていないが、ロック爪部30eの図示下方であって取付前面30Fにロック解除ボタン30fが設けられている。
図1では、ロック解除ボタン30fが示されている。ばね付勢力に抗してロック解除ボタン30fを指先で押し下げ操作すると、ロック爪部30eが引き込み方向に退避してバッテリ取付部20に対するバッテリ30の取り付けロック状態が解除されて当該バッテリ30をバッテリ取付部20から取り外し可能となる。バッテリ30は、
図4において白抜き矢印で示す取り外し方向(
図4では右方向)へスライドさせることによりバッテリ取付部20から取り外すことができる。バッテリ30は、バッテリ取付部20から取り外して別途用意した充電器によって充電することにより、繰り返し電源として使用することができる。
【0046】
図1に示すようにモータ10の出力軸には冷却ファン16が取り付けられている。駆動部ケース9の縦部9bの上部には水平に張り出す天板部9cが設けられている。天板部9cは、底部9aと同様縦部9bから左側へ張り出している。駆動ケース部9の内部であって、底部9aと縦部9bと天板部9cの内部は相互に連通されている。天板部9cの左側部には、複数の吸気口9dが設けられている。底部9aの左側部には、複数の排気口9eが設けられている。モータ10が起動して冷却ファン16が回転すると、吸気口9dを経て駆動部ケース9内に外気が導入される。導入された外気は、
図1中白抜き矢印で示すように縦部9bを下方へ向かって流れ、その後底部9aの排気口9eを経て外部へ排気される。冷却ファン16の回転により駆動部ケース9の上部から下部へ至るモータ冷却風の流れが発生する。
図1中白抜き矢印で示すモータ冷却風の流れによりモータ10とコントローラ12の冷却がなされる。
【0047】
図2に示すように駆動部ケース9の天板部9cの上面には、起動スイッチ等のスイッチ類を含む操作部17が設けられている。図示するように操作部17には、起動スイッチ17aと、負荷状態表示部17bと、バッテリ残容量表示部17cが設けられている。起動スイッチ17aをオン操作するとモータ10が起動して回転刃具15が回転する。負荷状態表示部17bによりモータ10の負荷状態が表示され、バッテリ残容量表示部17cによりバッテリ30の残容量が表示される。操作部17には、バッテリ切替スイッチを配置する構成としてもよい。バッテリ切替スイッチを押し操作して、使用バッテリを1個(18V出力)又は2個(36V出力)に切り替え可能な構成とすることができる。
【0048】
2個のバッテリ30は、平面的に見ると、天板部9cから側方へはみ出さない状態に取り付けられている。また、駆動部ケース9の底部9a及び縦部9bに対しても2個のバッテリ30がはみ出さない状態に取り付けられている。このことから、天板部9cひいては駆動部ケース9が、バッテリ30に対して他部材が干渉しないようにするためのガードとして機能している。
【0049】
以上説明した第1実施形態のせん孔装置101によれば、モータ10がブラシレスモータであることにより確保される上方の空きスペースを有効に活用して2個のバッテリ30が配置された構成となっている。
【0050】
また、第1実施形態のせん孔装置101によれば、側面視でコ字形を有する駆動部ケース9の上部から外気を導入して、モータ10とコントローラ12の双方の冷却が効率よくなされる。
【0051】
図6~
図8には、第2実施形態のせん孔装置102が示されている。第2実施形態に係るせん孔装置102は、駆動部ケース9の向きが前後反転されている点で第1実施形態のせん孔装置101と異なっている。その他の構成については第1実施形態と同じであるので、同位の符号を用いてその説明を省略する。
【0052】
第2実施形態では、側面視コ字形を有する駆動部ケース9は、底部9aと天板部9cを縦部9bからそれぞれ後方へ張り出させた向きに配置されている。底部9aに、ブラシレスモータであるモータ10が収容されている。縦部9bにモータ10の動作制御を行うためのコントローラ12がその長手方向を上下方向に沿わせた縦置き姿勢で収容されている。
【0053】
駆動部ケース9の縦部9bの後面に、出力電圧が18Vのバッテリ30を2個取り付けるためバッテリ取付部20が設けられている。2個のバッテリ30は、上下に縦並びの状態で取り付けられている。2個のバッテリ30は、第1実施形態と同じく左右方向にスライドさせて取り付け、取り外しすることができる。2個のバッテリ30の合計電力(出力電圧36V)を電源としてモータ10が起動する。
【0054】
天板部9cの後面に複数の吸気口9dが設けられ、底部9aの後面に複数の排気口9eが設けられている。モータ10の起動により冷却ファン16が回転すると、吸気口9dから外気が導入される。導入された外気は縦部9bを下方へ流れてモータ10とコントローラ12の冷却がなされる。モータ冷却風は、排気口9eから排気される。
【0055】
図7に示すように天板部9cの上面には、第1実施形態と同じく操作部17が設けられている。また、
図6中白抜き矢印で示すように天板部9cの後面に設けた複数の吸気口から外気が導入される。駆動部ケース9内に導入された外気(冷却風)は下方へ流れてモータ10及びコントローラ12の冷却がなされる。導入された冷却風は、底部9aの後面に設けた複数の排気口から排気される。
【0056】
第2実施形態のせん孔装置102によっても、上下方向(モータ軸方向)にコンパクト化されたブラシレスモータをモータ10として用いることにより確保される上方の空きスペースを有効に活用して2個のバッテリ30を配置することができる。また、第1実施形態と同様、駆動部ケース9内に外気が導入されて、モータ10及びコントローラ12の冷却が効率よくなされる。
【0057】
図9~
図11には第3実施形態に係るせん孔装置103が示されている。第3実施形態の駆動部8では、第1及び第2実施形態の駆動部ケース9とは異なる駆動部ケース25を備えている。第3実施形態に係る駆動部ケース25は、高さの低い概ね箱形を有している。駆動部ケース25は、第1及び第2実施形態と同じくモータ支持部6の上面に設置されている。駆動部ケース25には、モータ10とコントローラ12が収容されている。モータ10の出力軸には冷却ファン16が取り付けられている。モータ10の出力は、モータ支持部6に内装した減速ギヤ列を経て出力軸13に出力される。
図9に示すようにコントローラ12は、モータ10の上側において、その面方向を横方向(水平方向)に沿わせた横置き姿勢で収容されている。
【0058】
駆動部ケース25の上面に2つのバッテリ取付部20が設けられている。2つのバッテリ取付部20は、第1及び第2実施形態とは異なって前後に横並び状態で平面的に配置されている。第3実施形態では、2つのバッテリ30は、その下面30Dを上方へ向けた姿勢で取り付けられている。
図10中白抜き矢印で示すようにバッテリ取付部20に対して左方へ向けてスライドさせてバッテリ30を取り付けることができ、バッテリ取付部20から右方へ向けてスライドさせてバッテリ30を取り外すことができる。
【0059】
駆動部ケース25の前面上側に吸気口25aが設けられ、下側に排気口25bが設けられている。モータ10が起動して冷却ファン16が回転すると、上側の吸気口25aから駆動部ケース25内に外気が導入される。導入された外気は、下方へ流れてモータ10とコントローラ12の冷却がなされる。下方へ流れた冷却風は、下部側の排気口25bから排気される。
図9において、冷却風の流れが白抜き矢印で示されている。
【0060】
駆動部ケース25の前面には、起動スイッチ27が設けられている。この起動スイッチ27をオンさせるとモータ10が起動し、オフさせるとモータ10が停止する。また、図では、省略されているが、駆動部ケース25の前面には、起動スイッチ27に加えて、負荷状態表示部とバッテリ残容量表示部が設けられている。このことから、駆動部ケース25の前面は、操作パネル部としての機能を併せ持っている。
【0061】
第3実施形態に係るせん孔装置103によれば、上下方向(モータ軸方向)にコンパクト化されたブラシレスモータをモータ10として備えることにより、当該モータ10の上方スペースを確保して、2個のバッテリ30を配置することができる。しかも、2個のバッテリ30が前後に横並びであって平面的に配置されていることにより、当該駆動部8の高さ方向のコンパクト化が図られ、ひいては当該せん孔装置103の高さ方向のコンパクト化が図られている。
【0062】
図12~
図14には、第4実施形態のせん孔装置104が示されている。第4実施形態において、駆動部8の駆動部ケース26以外の構成については、第1~第3実施形態と同様であるので、同位の符合を用いてその説明を省略する。
【0063】
第4実施形態の駆動部8は、モータ支持部6の上面に設置されている。駆動部8は、駆動部ケース26を備えている。駆動部ケース26は、駆動部ケース26は、第3実施形態の駆動部ケース25に相当する基台部26aと、基台部26aの上面中央から上方へ延びる台座部26bを備えている。台座部26bの左右両側面にそれぞれ一つのバッテリ取付部20が設けられている。
【0064】
図14中白抜き矢印で示すように両バッテリ取付部20に向けて下方へスライドさせてバッテリ30を取り付けることができ、バッテリ取付部20から上方へスライドさせてバッテリ30を取り外すことができる。第4実施形態では、2個のバッテリ30がそれぞれの取付面30Uを相互に向い合せて、その長手方向を上下方向に沿わせた縦姿勢で取り付けられている。この2個のバッテリ30の合計電力(定格電圧36V)がモータ10に供給される。
【0065】
駆動部ケース26の基台部26aに、モータ10とコントローラ12が収容されている。モータ10の出力軸には、冷却ファン16が取り付けられている。モータ10の出力は、モータ支持部6に内装した減速ギヤ列を出力軸13に出力される。コントローラ12はモータ10の上側に配置されている。矩形平板形状を有するコントローラ12は、その面方向を横方向(水平方向)に位置させた横置き姿勢で配置されている。
【0066】
第4実施形態の場合、基台部26aの前面上側に複数の吸気口26cが設けられ、前面下側の複数の排気口26dが設けられている。モータ10の起動により冷却ファン16が回転すると、上側の吸気口26cから外気が導入される。基台部26a内に導入された外気は下方へ流れてモータ10とコントローラ12の冷却がなされる。冷却風は、下側の排気口26dから排気される。
図12において、冷却風の流れが白抜き矢印で示されている。基台部26aの前面には、起動スイッチ27が配置されている。また、図では省略されているが、基台部26aの前面には、起動スイッチ27に加えて、負荷状態表示部とバッテリ残容量表示部が設けられている。このことから、基台部26aの前面は、操作パネル部としての機能を併せ持っている。
【0067】
第4実施形態のせん孔装置104によっても、モータ軸方向にコンパクト化されたブラシレスモータをモータ10として用いることにより確保される上方の空きスペースを有効に活用して2個のバッテリ30を配置することができる。また、第4実施形態のせん孔装置104によれば、回転刃具15の軸線に対して2個のバッテリ30及びバッテリ取付部20を後方へずれた位置に配置したことから切削部15aに対する上方からの視認性が高められ、これにより当該せん孔装置104の作業性を高めることができる。
【0068】
以上説明した第1~第4実施形態では、駆動部ケース9,25,26に、モータ10とコントローラ12を収容し、その上方において駆動部ケース9,25,26にバッテリ取付部20を配置して駆動部8を構成し、係る駆動部8をモータ支持部6の上面に搭載した構成を例示した。以下説明する第5~第9実施形態では、駆動部ケースが省略されて、バッテリ30が支柱3に対してモータ10とは反対側に離間して配置された構成となっている。コントローラ12はモータ10に隣接して配置されている。
【0069】
続いて、第5~第9実施形態で異なる構成について、各実施形態ごとに説明する。第5~第9実施形態では、モータ支持部6の上部には、前記駆動部ケース9に代えて、モータ10を収容したモータケース11と、モータ10の動作を制御する制御基板等を収容したコントローラ12とが搭載されている。モータ10には、小型で高出力のブラシレスモータが用いられている。ブラシレスモータを用いることで、コントローラ12に収容された制御基板等による負荷に応じた回転数制御等が容易になっている。モータケース11の下方には、モータ支持部6の下面から下方向に延びる出力軸13が設けられている。第1~第4実施形態とおなじく出力軸13の延びる方向は、上下可動部4の移動方向(上下方向)に沿っている。出力軸13は、モータ支持部6に回転可能に支持されている。モータ10の出力は、モータ支持部6の内部に設けられた減速ギヤ列の噛み合い等を経て出力軸13に伝達される。
【0070】
図15~
図17に示すように第5実施形態において、バッテリ取付部20は、可動支持部5の後面に設けられている。第1及び第2実施形態と同じく、第5実施形態においても2つのバッテリ取付部20は、上下方向に並んで、かつ取り付け、取り外しのためのスライド方向を左右方向とする横向きで設けられている。
図17中の白抜き矢印で示すようにバッテリ30は、その取付面30Uを前方に向けた横倒し姿勢で、バッテリ取付部20に対して右方から左方へスライドさせることで取り付けることができる。また、バッテリ30は、バッテリ取付部20に対して左方から右方へスライドさせることで取り外すことができる。第5実施形態では、可動支持部5の左側にハンドル7を取り付けている。このため、上記したようにバッテリ30の取り外し方向を可動支持部5に対して右向き(ハンドル7とは反対側)とすることにより、バッテリ30の取り付け、取り外しの際にハンドル7が邪魔にならないようになっている。
【0071】
以上説明した第5実施形態のせん孔装置1によれば、上下可動部4においてモータ10とバッテリ取付部20とが支柱3を挟んで前後方向相互に反対側に配置されている。これにより、支柱3の前側における上下可動部4の荷重と、支柱3の後側における上下可動部4の荷重との重量バランスが適切に取られて、上下可動部4を支柱3にバランス良く支持させることができる。また、せん孔装置1によれば、バッテリ30とモータ10とを上下可動部4に配置することで、バッテリ30とモータ10との間の配線を短くし、またその配線の取り回し経路の簡略化を図ることができる。また、せん孔装置1によれば、支柱3を間にしてバッテリ取付部20と回転刃具15とが離間していることにより、せん孔作業で発生した粉塵のバッテリ取付部20への飛散を抑制することができる。また、せん孔装置1によれば、支柱3を間に配置したことで、発熱源であるモータ10とバッテリ30とを離間させて、それぞれの排熱効率を高めることができる。また、せん孔装置1によれば、バッテリ取付部20を2箇所設け、バッテリ30を2つ取り付けて使用できることにより、ダイヤモンドコアビットの回転刃具15を用いた高出力かつ長い作業時間の作業に十分な電力を供給することができる。さらに、
図5に示すようにバッテリ30は、取付前面30Fと取付後面30Rとの間の長さよりも、取付面30Uと下面30Dとの間の長さの方が短い略直方体形状を有している。これによりせん孔装置1によれば、バッテリ30が、取付面30Uと下面30Dとの間の長さを前後方向にとってバッテリ取付部20に取り付けられることで、せん孔装置1の前後方向の機長をコンパクトにすることができる。
【0072】
図18~
図20には、第6実施形態のせん孔装置40が示されている。
図18~
図20に示すように第6実施形態において、バッテリ取付部20は、可動支持部5の後部から後方に延びる突出部5eに設けられている。突出部5eは、板厚方向を上下方向とする平板形状を有している。第6実施形態において2つのバッテリ取付部20は、一方が突出部5eの上面に、他方が突出部5eの下面に設けられている。
図18中の白抜き矢印で示すように突出部5eの上面側のバッテリ取付部20に取り付けられるバッテリ30は、その取付面30Uを下方に向けた下向き姿勢で、バッテリ取付部20に対して後方から前方へスライドさせることで取り付けることができる。また、突出部5eの下面側のバッテリ取付部20に取り付けられるバッテリ30は、その取付面30Uを上方に向けた上向き姿勢で、バッテリ取付部20に対して後方から前方へスライドさせることで取り付けられる。上面側に取り付けたバッテリ30及び下面側に取り付けたバッテリ30は、それぞれバッテリ取付部20に対して前方から後方へスライドさせることで取り外すことができる。
【0073】
以上説明した第6実施形態のせん孔装置40によれば、上下可動部4においてモータ10とバッテリ取付部20とが支柱3を挟んで前後方向相互に反対側に配置されている。これにより、支柱3の前側における上下可動部4の荷重と、支柱3の後側における上下可動部4の荷重との重量バランスが適切に取られて、上下可動部4を支柱3にバランス良く支持させることができる。また、第6実施形態のせん孔装置40によれば、第5実施形態と同じく、バッテリ30とモータ10とを上下可動部4に配置することで、バッテリ30とモータ10との間の配線を短くし、またその配線の取り回し経路の簡略化を図ることができる。また、せん孔装置40によれば、支柱3を間にしてバッテリ取付部20と回転刃具15とが離間していることにより、せん孔作業で発生した粉塵のバッテリ取付部20への飛散を抑制することができる。また、せん孔装置40によれば、支柱3を間に配置したことで、発熱源であるモータ10とバッテリ30とを離間させて、それぞれの排熱効率を高めることができる。また、せん孔装置40によれば、バッテリ取付部20を2箇所設け、バッテリ30を2つ取り付けて使用できることにより、ダイヤモンドコアビットの回転刃具15を用いた高出力かつ長い作業時間の作業に十分な電力を供給することができる。
【0074】
図21~
図23には、第7実施形態のせん孔装置50が示されている。
図21~
図23に示すように第7実施形態において、バッテリ取付部20は、第5実施形態と同じく、可動支持部5の後面に設けられている。また、第7実施形態において2つのバッテリ取付部20は、第5実施形態と同じく、上下方向に並んで設けられているが、バッテリ30の取り付け、取り外し方向となるスライド方向が上下方向に設定されている点で第5実施形態とは異なっている。第5、第6実施形態と同じ部材又は構成については同位の符合を用いてその説明を省略する。
【0075】
しかも、第7実施形態では、上側のバッテリ取付部20と下側のバッテリ取付部20とで、取り付け、取り外しのスライド方向が相互に逆向きになっている。
図21中の白抜き矢印で示すように上側のバッテリ取付部20に取り付けられるバッテリ30は、その取付面30Uを前方に向けた前向き姿勢で、バッテリ取付部20に対して上方から下方へスライドさせることで取り付けることができる。逆に、上側のバッテリ取付部20に取り付けられたバッテリ30は、バッテリ取付部20から上方へスライドさせることで取り外すことができる。下側のバッテリ取付部20に取り付けられるバッテリ30は、その取付面30Uを同じく前方に向けた前向き姿勢で、バッテリ取付部20の下方から上方へ向けてスライドさせることにより当該下側のバッテリ取付部20に対して取り付けることができる。逆に、下側のバッテリ取付部20に取り付けたバッテリ30は、下方へスライドさせて当該下側のバッテリ取付部20から取り外すことができる。
【0076】
以上説明した第7実施形態のせん孔装置50によれば、上下可動部4においてモータ10とバッテリ取付部20とが支柱3を挟んで前後方向相互に反対側に配置されている。これにより、支柱3の前側における上下可動部4の荷重と、支柱3の後側における上下可動部4の荷重との重量バランスが適切に取られて、上下可動部4を支柱3にバランス良く支持させることができる。また、せん孔装置50によれば、バッテリ30とモータ10とを上下可動部4に配置することで、バッテリ30とモータ10との間の配線を短くし、またその配線の取り回し経路の簡略化を図ることができる。また、せん孔装置50によれば、支柱3を間にしてバッテリ取付部20と回転刃具15とが離間していることにより、せん孔作業で発生した粉塵のバッテリ取付部20への飛散を抑制することができる。また、せん孔装置50によれば、支柱3を間に配置したことで、発熱源であるモータ10とバッテリ30とを離間させて、それぞれの排熱効率を高めることができる。また、せん孔装置50によれば、バッテリ取付部20を2箇所設け、バッテリ30を2つ取り付けて使用できることにより、ダイヤモンドコアビットの回転刃具15を用いた高出力かつ長い作業時間の作業に十分な電力を供給することができる。さらに、
図5に示すようにバッテリ30は、取付前面30Fと取付後面30Rとの間の長さよりも、取付面30Uと下面30Dとの間の長さの方が短い略直方体形状を有している。これによりせん孔装置50によれば、バッテリ30が、取付面30Uと下面30Dとの間の長さを前後方向にとってバッテリ取付部20に取り付けられることで、せん孔装置50の前後方向の機長をコンパクトにすることができる。
【0077】
図24~
図27には、第8実施形態のせん孔装置60が示されている。
図24~
図27に示すように第8実施形態において、バッテリ取付部20の配置やバッテリ30の取り付け方向、取り外し方向は第5実施形態と同様になっている。せん孔装置60の可動支持部5の後部には、バッテリ30を取り付けた状態において、2つのバッテリ取付部20と2つのバッテリ30とを覆うバッテリカバー21が設けられている。バッテリカバー21は、収容部21aと扉部21bとを備えている。収容部21aは、バッテリ30の着脱操作を行う側(右側)が開放側となった箱形を有している。扉部21bは、収容部21aの開放側に対して蝶番21dで連結されて開閉可能に設けられている。収容部21aと扉部21bとが蝶番21dで連結した部分は、バッテリカバー21の後面側に設けられている。バッテリ30は、扉部21bを開けた状態のとき、バッテリ取付部20に対して着脱可能となる。
図26に示すように扉部21bには、蝶番21d部分と逆側(バッテリカバー21の前面側)にロック爪21cが設けられている。ロック爪21cは、扉部21bを閉じたときに収容部21aと係合するように設けられており、ロック爪21cの弾性保持によって、バッテリカバー21がバッテリ取付部20とバッテリ30を覆った閉じ状態でロックされる。収容部21aの開口部分と扉部21bとは、扉部21bが閉じた状態で収容部21a内部に水が浸入することを防ぐように、合わせ部分が水密に密着されるシール構造になっている。
【0078】
以上説明した第8実施形態のせん孔装置60によれば、バッテリカバー21により、水の使用や粉塵の発生が多いダイヤモンドコアビットによるせん孔作業において、バッテリ30の防水や防塵を確実に行うことができる。また、せん孔装置60は、バッテリ取付部20の配置やバッテリ30の取り付け方向、取り外し方向が第5実施形態のせん孔装置1と同様になっている。これによりせん孔装置60は、せん孔装置1と同様の作用効果も奏するものである。
【0079】
図28~
図33には、第9実施形態のせん孔装置70が示されている。
図28~
図33に示すように第9実施形態において、2つのバッテリ取付部20は、その前面中央に設けた回動軸5dを介して可動支持部5の後部に設けられている。2つのバッテリ取付部20は、バッテリ30の取り付け、取り外しのためのスライド方向を左右方向とした横向き姿勢で上下に並んで配置されている。バッテリ取付部20は、回動軸5dの軸線周りにほぼ180°の範囲で回転可能(左右反転可能)な状態で支持されている。バッテリ取付部20の回転位置は、図示省略したプランジャの付勢力により保持される。バッテリ取付部20は、回動軸5dと一体に軸回りに回動(左右反転)させることにより、バッテリ30の着脱方向を変更することができる。
図28~
図30では、バッテリ30の着脱操作側がせん孔装置1の右側に向いた状態を示している。バッテリ取付部20が
図30に示す姿勢で固定されている時、
図30中の白抜き矢印で示すようにバッテリ30は、その取付面30Uを前方に向けた状態で、バッテリ取付部20に対して右方から左方へスライドさせることで取り付けることができ、バッテリ取付部20に対して左方から右方へスライドさせることで取り外すことができる。
図28~
図30では、可動支持部5の左側にハンドル7を取り付けて、バッテリ30の着脱操作の邪魔にならないように配置されている。
図31~
図33では、ハンドル7が可動支持部5の右側に付け替えられたことに合わせて、バッテリ取付部20を回動軸5d周りに回転(左右反転)させてその回転位置を変更することにより、バッテリ30の着脱操作側がせん孔装置1の左側に向いた状態を示している。バッテリ取付部20が
図33に示す姿勢で固定されている時は、
図33中の白抜き矢印で示すようにバッテリ30は、バッテリ取付部20に対して左方から右方へスライドさせることで取り付けることができ、バッテリ取付部20に対して右方から左方へスライドさせることで取り外すことができる。
図31~
図33では、可動支持部5の右側にハンドル7を取り付けて、バッテリ30の着脱操作の邪魔にならないように配置されている。
【0080】
以上説明した第9実施形態のせん孔装置70によれば、バッテリ取付部20が回動軸5dを介して回転可能な状態で可動支持部5の後面に支持されている。これにより、バッテリ30の取り付け方向、取り外し方向を変更することができる。このため、例えばハンドル7の位置を左右付け替えることに合わせて、バッテリ取付部20を回転させてバッテリ30の取り付け方向、取り外し方向を変えることで、ハンドル7が邪魔にならないようにすることができ、これによりバッテリ30の取り付け、取り外しの操作性を確保することができる。また、せん孔装置70は、2つのバッテリ取付部20が上下に縦並びに配置され、かつバッテリ30の取り付け方向、取り外し方向が左右方向である点で第5実施形態のせん孔装置1と同様になっている。これによりせん孔装置70は、せん孔装置1と同様の作用効果も奏するものである。
【0081】
図34~
図36には、第10実施形態のせん孔装置80が示されている。
図34~
図36に示すように第10実施形態において、制御基板等を収容したコントローラ12は、モータ10の上方に配置されている。第10実施形態において、バッテリ取付部20は、前後方向について可動支持部5の前側、かつモータ10の後側の開いたスペースに設けられている。2つのバッテリ取付部20は、モータケース11の後面に沿って上下方向に並んで、かつ取り付け、取り外しのためのスライド方向を左右方向とする横向きで設けられている。第10実施形態においてバッテリ30の取り付け方向、取り外し方向は、第5実施形態と同様になっている。すなわち、
図36中の白抜き矢印で示すようにバッテリ30は、その取付面30Uを前方に向けた横倒し姿勢で、バッテリ取付部20に対して右方から左方へスライドさせることで取り付けることができる。また、バッテリ30は、バッテリ取付部20に対して左方から右方へスライドさせることで取り外すことができる。
【0082】
以上説明した第10実施形態のせん孔装置80によれば、コントローラ12をモータ10の上方に配置することにより、モータ支持部6の上側であって、前後方向についてモータ10と可動支持部5との間に空きスペースが設けられている。この空きスペースにバッテリ30を配置することで、バッテリ30を含めた上下可動部4の前後方向の長さをコンパクトにすることができる。また、せん孔装置80によれば、バッテリ30とモータ10とを上下可動部4に配置することで、バッテリ30とモータ10との間の配線を短くし、またその配線の取り回し経路の簡略化を図ることができる。また、せん孔装置80によれば、バッテリ取付部20を2箇所設け、バッテリ30を2つ取り付けて使用できることにより、ダイヤモンドコアビットの回転刃具15を用いた高出力かつ長い作業時間の作業に十分な電力を供給することができる。さらに、
図5に示すようにバッテリ30は、取付前面30Fと取付後面30Rとの間の長さよりも、取付面30Uと下面30Dとの間の長さの方が短い略直方体形状を有している。これによりせん孔装置80によれば、バッテリ30が、取付面30Uと下面30Dとの間の長さを前後方向にとってバッテリ取付部20に取り付けられることで、せん孔装置80の前後方向の機長をコンパクトにすることができる。
【0083】
図37~
図39には、第11実施形態のせん孔装置90が示されている。
図37~
図39に示すように第11実施形態において、2つのバッテリ取付部20は、モータ10が収容されたモータケース11の左右側部にそれぞれ1つずつ設けられている。
図39中の白抜き矢印で示すようにバッテリ30は、その取付面30Uをそれぞれモータ10側に向けた状態で、バッテリ取付部20に対して上方から下方へスライドさせることで取り付けることができる。また、バッテリ30は、バッテリ取付部20に対して下方から上方へスライドさせることで取り外すことができる。コントローラ12は、モータ10の後側に隣接配置されている。
【0084】
第11実施形態のせん孔装置90によれば、2つのバッテリ30をモータケース11の左右側部にそれぞれ1つずつ取り付けることにより、上下可動部4の左右方向の重量バランスを調整することができる。また、せん孔装置90によれば、モータケース11の左右側部のスペースを有効活用することで、バッテリ取付部20をモータケース11の周りにコンパクトに配置することができる。また、せん孔装置90によれば、バッテリ30とモータ10とを上下可動部4に配置することで、バッテリ30とモータ10との間の配線を短くし、またその配線の取り回し経路の簡略化を図ることができる。また、せん孔装置90によれば、バッテリ取付部20を2箇所設け、バッテリ30を2つ取り付けて使用できることにより、ダイヤモンドコアビットの回転刃具15を用いた高出力かつ長い作業時間の作業に十分な電力を供給することができる。
【0085】
図40~
図42には、第12実施形態のせん孔装置100が示されている。
図40~
図42に示すように第12実施形態において、2つのバッテリ取付部20は、ベース2の後部に設けたバッテリ取付ベース2cの後面に左右横並びで設けられている。
図42中の白抜き矢印で示すようにバッテリ30は、その取付面30Uを前方に向けた状態で、バッテリ取付部20に対して上方から下方へスライドさせることで取り付けることができる。また、バッテリ30は、バッテリ取付部20に対して下方から上方へスライドさせることで取り外すことができる。第12実施形態においてバッテリ取付部20は、当該バッテリ取付部20やバッテリ30がボルト孔2aやレベル調整ねじ孔2bの機能を妨げない位置に配置されている。
【0086】
第12実施形態のせん孔装置100によれば、モータ10(および回転刃具15)とバッテリ取付部20とが支柱3を挟んで前後方向相互に反対側に配置されている。これにより、せん孔装置100の前後方向の荷重のバランスを良くすることができる。また、第12実施形態のせん孔装置100によれば、設置面Fの近くにバッテリ取付部20を配置するため、バッテリ取付部20やバッテリ30の重量による回転刃具15の切削に伴うせん孔装置100の振動を抑えることができる。また、せん孔装置100によれば、支柱3を間にしてバッテリ取付部20と回転刃具15とが離間していることにより、せん孔作業で発生した粉塵のバッテリ取付部20への飛散を抑制することができる。また、せん孔装置100によれば、支柱3を間に配置したことで、発熱源であるモータ10とバッテリ30とを離間させて、それぞれの排熱効率を高めることができる。また、せん孔装置100によれば、バッテリ取付部20を2箇所設け、バッテリ30を2つ取り付けて使用できることにより、ダイヤモンドコアビットの回転刃具15を用いた高出力かつ長い作業時間の作業に十分な電力を供給することができる。さらに、
図5に示すようにバッテリ30は、取付前面30Fと取付後面30Rとの間の長さよりも、取付面30Uと下面30Dとの間の長さの方が短い略直方体形状を有している。これによりせん孔装置100によれば、バッテリ30が、取付面30Uと下面30Dとの間の長さを前後方向にとってバッテリ取付部20に取り付けられることで、バッテリ取付ベース2cを含めたベース2の前後方向の長さをコンパクトにすることができる。
【0087】
以上説明した第1~第4実施形態のせん孔装置101,102,103,104あるいは第5~第12実施形態のせん孔装置1~100には種々変更を加えることができる。例えば、各実施形態を適宜組み合わせた構成としてもよい。各実施形態ではバッテリ30を2個取り付ける構成としたが、3個以上取り付ける構成としてもよい。バッテリ30として18V出力のリチウムイオンバッテリを用いる構成を例示したが、バッテリ30の出力等を適宜変更した構成としてもよい。複数のバッテリ30間の電気的な接続は、製品の仕様に応じて適切な形態とすればよい。例えば、2つの実施形態を組み合わせて18Vバッテリを4個設けた場合、同じ実施形態のバッテリ2個ずつを直列接続し、直列接続した当該2組を並列接続する形態とすることで、36Vで長時間の出力を得ることができる。モータ10にブラシレスモータを用いる構成を例示したが、駆動部ケース9に内装でき、あるいは上下可動部4やバッテリ取付ベース2c等に備えることができる大きさで高出力であり、かつ制御のしやすいモータであれば、別種類のモータを用いる構成としてもよい。バッテリカバー21の構成は、バッテリ30及びバッテリ取付部20の防水や防塵がなされるカバー形状であれば、第8実施形態で例示した構成に限定されない。
【0088】
また、せん孔装置101~104(1,40,50,60,70,80,90,100)として、ダイヤモンドコアビット(回転刃具15)を取り付けたダイヤコアドリルを例示したが、回転刃具としてドリルビットを取り付けたせん孔装置について、例示したバッテリ取付構造を適用することができる。