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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】教育目的用プログラマブルロボット
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20220516BHJP
   G09B 1/00 20060101ALI20220516BHJP
   G09B 1/02 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
G09B1/00
G09B1/02
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019529693
(86)(22)【出願日】2017-08-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 EP2017070478
(87)【国際公開番号】W WO2018029354
(87)【国際公開日】2018-02-15
【審査請求日】2020-08-11
(31)【優先権主張番号】16184033.5
(32)【優先日】2016-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519046030
【氏名又は名称】クボ・ロボティクス・エーピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リンデガールド、ダニエル・フリス
(72)【発明者】
【氏名】オツェン、トミー・ショウ・ルンド
【審査官】長谷川 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/183328(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0199194(US,A1)
【文献】実開昭57-054499(JP,U)
【文献】特開2003-001578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56
G09B 17/00-19/26
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作中にロボットを動かすように適合されたドライブシステム、外部情報伝達要素から情報を取得するように構成された少なくとも1つの情報取得装置、及び、第1接続要素を備えるボディと、
制御システム及び第2接続要素を備えるヘッドとを備え
前記ヘッドの前記制御システムは、データ記憶要素及びプロセッサ要素を備え、前記プロセッサ要素は、前記少なくとも1つの情報取得装置から送信されたデータ信号を受信し、前記データ記憶要素に記憶されたデータを必要に応じて使用して、前記データ信号を処理、前記情報を解釈して、1つ以上の命令を達成、かつ、前記ドライブシステムが前記1つ以上の命令に従って前記ロボットを動作させるように構成され
前記データ信号は、前記外部情報伝達要素から取得された前記情報を備え、
前記ボディ及び前記ヘッドは、前記第1接続要素と前記第2接続要素を互いに接続することにより、互いに取り外し可能に結合されるように適合され、
前記ロボットは、前記ヘッドの前記制御システムに電流を供給するための電気エネルギー源をさらに備え、前記ボディは、電気回路をさらに備え、前記ヘッドは、電気回路をさらに備え、前記ボディの前記電気回路及び前記ヘッドの前記電気回路は、前記電気エネルギー源からの電流が、前記制御システムに供給される前に、前記ヘッドの前記電気回路の少なくとも一部を通り、かつ、前記ボディの前記電気回路の少なくとも一部を通って流れるように構成される、
教育目的用プログラマブルロボット。
【請求項2】
前記ヘッドの前記制御システムの前記データ記憶要素は、予め決められた教育トピックに関する記憶したデータを備える、
請求項1に記載の教育目的用プログラマブルロボット。
【請求項3】
前記第1接続要素及び前記第2接続要素は、前記ボディ上の予め決められた唯一の向きに前記ヘッドが取り付けられるように構成及び配置され、及び/又は、
前記第1接続要素及び前記第2接続要素の一方が少なくとも1つの磁石を備え、前記第1接続要素及び前記第2接続要素の他方が磁石に引き付けられる金属要素及び/又は少なくとも1つの磁石を備え、又は、
前記第1接続要素及び前記第2接続要素は、スナップロック又はクリックロック又は摩擦ロックの接続の互いに整合する雄型及び雌型構成要素である、
請求項1に記載のプログラマブルロボット。
【請求項4】
前記ボディは、前記ボディの互いに反対側に配置され、かつ、前記ドライブシステムに結合された一組のホイールをさらに備え、
前記情報取得装置は、前記ボディの下面より下の前記一組のホイールの間の領域を前記情報取得装置がスキャンすることができるように、前記ボディの前記下面の前記一組のホイールの間に配置される、
請求項1に記載のプログラマブルロボット。
【請求項5】
前記情報取得装置は、センサ装置及び/又は近距離無線通信装置を備え、
前記ヘッドは、フィードバック装置を備える、
請求項1に記載のプログラマブルロボット。
【請求項6】
情報を備える少なくとも1つのグループの外部情報伝達要素及びロボットを備え、
前記ロボットは、
動作中に前記ロボットを動かすように適合されたドライブシステム、前記少なくとも1つのグループの外部情報伝達要素から前記情報を取得するように構成された少なくとも1つの情報取得装置、及び、第1接続要素を備えるボディと、
制御システム及び第2接続要素を備えるヘッドと備え、
前記ヘッドの前記制御システムは、データ記憶要素及びプロセッサ要素を備え、
前記プロセッサ要素は、前記少なくとも1つの情報取得装置から送信されたデータ信号を受信し、前記データ記憶要素に記憶されたデータを必要に応じて使用して、前記データ信号を処理、前記情報を解釈して、1つ以上の命令を達成、かつ、前記ドライブシステムが前記1つ以上の命令に従って前記ロボットを動作させるように構成され
前記データ信号は、前記少なくとも1つのグループの外部情報伝達要素から取得された前記情報を備え、
前記ボディ及び前記ヘッドは、前記第1接続要素と前記第2接続要素を互いに接続することにより、互いに取り外し可能に結合されるように適合され、
前記ロボットは、前記ヘッドの前記制御システムに電流を供給するための電気エネルギー源をさらに備え、前記ボディは、電気回路をさらに備え、前記ヘッドは、電気回路をさらに備え、前記ボディの前記電気回路及び前記ヘッドの前記電気回路は、前記電気エネルギー源からの電流が、前記制御システムに供給される前に、前記ヘッドの前記電気回路の少なくとも一部を通り、かつ、前記ボディの前記電気回路の少なくとも一部を通って流れるように構成される、
教育キット。
【請求項7】
前記ロボットの前記ヘッドの前記制御システムの前記データ記憶要素は、予め決められた教育トピックに関する記憶したデータを備える、
請求項6に記載の教育キット。
【請求項8】
前記少なくとも1つのグループの外部情報伝達要素は、所定の教育トピックに関する情報を備え、又は、
前記教育キットは、複数のグループの外部情報伝達要素をさらに備え、各グループの外部情報伝達要素は、所定の教育トピックに関する情報を備える、
請求項6に記載の教育キット。
【請求項9】
前記第1接続要素及び前記第2接続要素は、前記ボディ上の予め決められた唯一の向きに前記ヘッドが取り付けられるように構成及び配置され、及び/又は、
前記第1接続要素及び前記第2接続要素の一方が少なくとも1つの磁石を備え、前記第1接続要素及び前記第2接続要素の他方が磁石に引き付けられる金属要素及び/又は少なくとも1つの磁石を備え、又は、
前記第1接続要素及び前記第2接続要素は、スナップロック又はクリックロック又は摩擦ロックの接続の互いに整合する雄型及び雌型構成要素である、
請求項6に記載の教育キット。
【請求項10】
前記ロボットの前記ボディは、前記ドライブシステムに結合され、前記ボディの互いに反対側に配置され、前記少なくとも1つのグループの外部情報伝達要素の前記外部情報伝達要素の幅より大きいか、前記少なくとも1つのグループの外部情報伝達要素の前記外部情報伝達要素の幅と等しいか、又は、前記少なくとも1つのグループの外部情報伝達要素の前記外部情報伝達要素の幅から一組のホイールの合計厚さを引いたものに等しいような、前記少なくとも1つのグループの外部情報伝達要素の前記外部情報伝達要素の幅よりも小さい、のいずれか1つの距離を離して間隔があけられた前記一組のホイールをさらに備え、
前記情報取得装置は、前記ボディの下面より下の前記一組のホイールの間の領域を前記情報取得装置がスキャンすることができるように、前記ボディの前記下面の前記一組のホイールの間に配置される、
請求項6に記載の教育キット。
【請求項11】
前記少なくとも1つのグループの外部情報伝達要素の各外部情報伝達要素は、タグを備え、前記ロボットの前記情報取得装置は、前記タグを登録するように構成された近距離通信装置を備え、及び/又は、
前記ロボットの前記情報取得装置は、センサ要素を備え、前記少なくとも1つのグループの外部情報伝達要素の各外部情報伝達要素は、前記センサ要素により測定可能であり、かつ、前記ロボットの前記プロセッサ要素が前記情報に基づいて1つ以上の命令を識別することが可能であるように、及び/又は、前記外部情報伝達要素及び/又は前記少なくとも1つのグループの外部情報伝達要素内の外部情報伝達要素のタイプを区別するように、構成された情報を備え、及び/又は、
前記ロボットの前記ヘッドは、フィードバック装置を備える、
請求項6に記載の教育キット。
【請求項12】
前記教育キットは、複数の交換可能なロボット用ヘッドをさらに備え、前記複数のヘッドのそれぞれは、データ記憶要素とプロセッサ要素とを備え、前記プロセッサ要素は、前記少なくとも1つの情報取得装置から送信されたデータ信号を受信するように、前記データ信号は、前記外部情報伝達要素から取得された前記情報を備え、前記データ記憶要素に記憶されたデータを必要に応じて使用して、前記データ信号を処理するように、前記情報を解釈して、1つ以上の命令を達成するように、かつ、前記ドライブシステムが前記1つ以上の命令に従って前記ロボットを動作させるように、構成され、及び、第2接続要素を備え、
前記複数のヘッドのそれぞれは、前記第1接続要素と前記第2接続要素を互いに接続することにより、1つずつ前記ボディに取り外し可能に結合されるように適合される、
請求項6に記載の教育キット。
【請求項13】
前記教育キットは、複数の交換可能なロボット用ヘッドをさらに備え、前記複数のヘッドのそれぞれは、データ記憶要素とプロセッサ要素とを備え、前記プロセッサ要素は、前記少なくとも1つの情報取得装置から送信されたデータ信号を受信するように、前記データ信号は、前記外部情報伝達要素から取得された前記情報を備え、前記データ記憶要素に記憶されたデータを必要に応じて使用して、前記データ信号を処理するように、前記情報を解釈して、1つ以上の命令を達成するように、かつ、前記ドライブシステムが前記1つ以上の命令に従って前記ロボットを動作させるように、構成され、及び、第2接続要素を備え、
前記複数のヘッドのそれぞれの前記制御システムの前記データ記憶要素は、予め決められた教育トピックに関して記憶した情報を備える、
請求項6に記載の教育キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に学校又はその他の場所で子供を教育するための教育目的用プログラマブルロボットに関する。より具体的には、本発明は、ボディとヘッドを備える教育目的用プログラマブルロボットに関する。
ここで使用される用語「情報」は、プロセッサ要素で直接実行可能な命令と、プロセッサ要素で実行可能な特定の命令を識別するために使用可能な情報との両方を含むことを意図する。
【0002】
ここで使用される用語「情報伝達要素」は、直接的又は間接的に情報を伝達するように適合された任意の実現可能な要素を含むことを意図し、限定されない例は、カード類又はブロック類などであり、その上又は中に配置される、別個のデータキャリア、タグ、又は、バーコードなどを伴う又は伴わないものである。
【0003】
ここで使用される用語「情報取得装置」は、最も広い意味では、情報要素で提供される情報の読み取り又は検知などの取得が可能な任意の装置を含むことを意図する。
また、ここで使用される用語「トピック」及び「教育トピック」は、生徒を教育することが望まれる可能性がある任意の実現可能なトピック又は主題を包含することを意図する。限定されない例は、言語、数学及び科学に加えサブトピックであり、数学トピックのサブトピックの限定されない例は、加算、減算、乗算、除算、及び、分数である。
【背景技術】
【0004】
教育目的用ロボットは、特に、プログラミング言語の事前の知識が全く又はほとんどない子供達にコンピュータをプログラミングする方法を教える目的で、よく知られている。
米国特許出願公開第2011/0199194号明細書は、レッグ、アーム及びヘッドを有するボディ、コントローラ、出力装置、及び、ボディに配置された情報取得装置を備えるプログラムマブル歩行ロボットを記載している。ロボットは、それぞれが1つ以上の複数の命令を含み、かつ、それぞれが送信タグを含むいくつかのキャリアを所望の順序で提供及び配置することによりプログラムされ、続いてロボットに情報取得装置により送信タグを読み取らせて、このようにして読み取られた命令をコントローラにより実行する。
【0005】
しかしながら、当技術分野では、特にプログラミングの経験が全く又はほとんどない小さな子供のために、所定のトピックにおける教育のための準備をすることだけでなく、操作及びプログラムが簡単で早く、そして、それにより、いくつかの異なる教育トピックに使用することが容易である、教育目的用ロボットを提供することが依然として望まれている。さらに、教育機関は資金が限られていることが多いので、さらに調達するのが安価であるそのようなロボットを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
したがって、上記に照らして、本発明の目的は、たとえ小さな子供でも、所定のトピックでの教育のための準備をすることが簡単で早く、生産するのに簡単で安価であり、調達するのに安価である、教育目的用ロボットを開発し提供することである。
さらに、本発明の目的は、所定のトピックにおける教育のための準備ができているときに、ロボットが準備されているトピックを識別することが簡単で容易である、教育目的用ロボットを提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、特に技術的な見識を必ずしも有していない小さな子供のために、使用が簡単で直接的である、教育目的用ロボットを提供することである。
これらの目的及び他の目的は、教育目的用ロボットにより本発明が解決される場合の第1の態様であり、教育目的用ロボットは、動作中に前記ロボットを動かすように適合されたドライブシステム、外部情報伝達要素から情報を取得するように構成された少なくとも1つの情報取得装置、及び、第1接続要素を備えるボディと、制御システム、前記制御システムは、データ記憶要素及びプロセッサ要素を備え、前記プロセッサ要素は、前記少なくとも1つの情報取得装置から送信されたデータ信号を受信するように、前記データ信号は、前記外部情報伝達要素から取得された前記情報を備え、前記データ記憶要素に記憶されたデータを必要に応じて使用して、前記データ信号を処理するように、前記情報を解釈して、1つ以上の命令を達成するように、かつ、前記ドライブシステムが前記1つ以上の命令に従って前記ロボットを動作させるように、構成され、及び、第2接続要素を備えるヘッドと、前記ボディ及び前記ヘッドは、前記第1接続要素と前記第2接続要素を互いに接続することにより、互いに取り外し可能に結合されるように適合される。
【0008】
このようなロボットを提供することによって、特に、ボディの第1接続要素とヘッドの第2接続要素を互いに接続することにより互いに取り外し可能に結合されるように適合されたヘッドとボディを備えるロボットを提供することによって、小さな子供でも、ヘッドをボディに単に取り付けることにより、又は必要に応じてロボットのヘッドを交換することにより、所定の教育トピックでの教育のための準備をすることが簡単で早いロボットが提供される。
【0009】
さらに、そのようなロボットは生産が簡単で安価であり、したがって調達も安価である。
1つの実施形態では、プログラマブルロボットは、複数の交換可能なヘッドをさらに備え、前記複数のヘッドのそれぞれは、データ記憶要素とプロセッサ要素とを備え、前記プロセッサ要素は、前記少なくとも1つの情報取得装置から送信されたデータ信号を受信するように、前記データ信号は、前記外部情報伝達要素から取得された前記情報を備え、前記データ記憶要素に記憶されたデータを必要に応じて使用して、前記データ信号を処理するように、前記情報を解釈して、1つ以上の命令を達成するように、かつ、前記ドライブシステムが前記1つ以上の命令に従って前記ロボットを動作させるように、構成され、前記ボディと前記複数のヘッドのそれぞれは、前記第1接続要素と前記第2接続要素を互いに接続することにより、互いに取り外し可能に結合されるように適合される。
【0010】
そのようなロボットを調達する場合、複数のヘッドごとに1つのボディしか取得する必要がない。従って、そのようなロボットは調達するのに特に安価である。
さらに、このような教育目的用ロボットでは、ロボットが所定のトピックにおける教育の準備ができている場合、ロボットが準備されているトピックを識別するのが簡単で容易である。さらに、どのヘッドがどのトピックに構成されているかを生徒が識別することも簡単で容易になり、したがって、ロボットを簡単で迅速に準備することができる。それにより、利用可能なレッスンのうちの最小のものが使用されて、生徒は所定のトピックで教育を受ける準備ができる。
【0011】
1つの実施形態では、ロボットのヘッド又は複数の交換可能なヘッドの各ヘッドのプロセッサ要素は、情報を含むデータ信号を少なくとも1つの情報取得装置に送信することにより情報を外部情報伝達要素に送信及び/又は書き込むようにさらに構成され、これにより、データ信号を外部情報伝達要素に送信する。それにより、外部情報伝達要素により伝達された情報を変更することができるロボットが提供される。
【0012】
追加の実施形態では、ヘッド又は複数の交換可能なヘッドの各ヘッドは、マーキング若しくはタグなど、又は、特定の形状、色若しくは形態を備えてもよく、それにより、学校の子供のようなユーザが各ヘッドを特定の教育トピックに対して構成されていると容易に識別することを可能にする。
【0013】
1つの実施形態では、前記ロボットの前記ヘッドの前記制御システムの前記データ記憶要素は、予め決められた教育トピックに関して記憶したデータを備える。
1つの実施形態では、前記複数のヘッドのそれぞれの前記制御システムの前記データ記憶要素は、予め決められた教育トピックに関して記憶した情報を備える。
【0014】
このようなロボットを調達する場合、複数のヘッドのそれぞれについてだけでなく、複数の教育的トピックについても、1つのボディのみを取得する必要がある。したがって、そのようなロボットは、特に小学校及び中学校などの教育機関にとって、調達するのに特に安価である。
【0015】
1つの実施形態では、前記第1接続要素及び前記第2接続要素は、前記ボディ上の予め決められた唯一の向きに前記ヘッドが取り付けられように構成及び配置される。
それにより、ヘッドを誤った方法でボディに取り付けることができないことが保証される。したがって、そのようなロボットは、組み立て及び使用するための準備が特に小さな子供にとって簡単である。
【0016】
さらなる実施形態では、前記第1接続要素及び前記第2接続要素の一方が少なくとも1つの磁石を備え、前記第1接続要素及び前記第2接続要素の他方が磁石に引き付けられる金属要素及び/又は少なくとも1つの磁石を備える。
あるいは、第1接続要素及び第2接続要素は、スナップロック又はクリックロック又は摩擦ロックの接続の互いに一致する雄型及び雌型構成要素である。
【0017】
それにより、ヘッドとボディとが特に簡単な方法で接続可能及び取り外し可能であることが確実にされる。このようなロボットでは、例えば、クラス又はトピック間において、あるヘッドを別のものと交換することができ、したがって、特に小さな子供にとっては、特に簡単で直接的である。
【0018】
1つの実施形態では、前記ロボットは、前記制御システムに電流を供給するための電気エネルギー源をさらに備え、前記ボディは、電気回路をさらに備え、前記ヘッドは、電気回路をさらに備え、前記ボディの前記電気回路及び前記ヘッドの前記電気回路は、前記電気エネルギー源からの電流が、前記制御システムに供給される前に、前記ヘッドの前記電気回路の少なくとも一部を通り、かつ、前記ボディの前記電気回路の少なくとも一部を通るように流されるように構成される。
【0019】
それによって、ロボットは、電気的接続の前に、電源を入れることができず、それにより動くことができず、構造によってはヘッドとボディとの間の機械的接続も確立されることが保証される。これにより、ロボットのセキュリティが強化される。
1つの実施形態では、前記ボディは、前記ロボットの前記ボディの互いに反対側に配置され、かつ、前記ドライブシステムに結合された一組のホイールをさらに備え、前記情報取得装置は、前記ロボットの前記ボディの下面より下の前記一組のホイールの間の領域を前記情報取得装置がスキャンすることができるように、前記ロボットの前記ボディの前記下面の前記一組のホイールの間に配置される。
【0020】
それにより、ロボットに一連の外部情報伝達要素をスキャンさせ、それによりロボットをプログラミングさせるプロセスが、スキャンされる第1情報伝達要素の各側の1つのホイールと共にロボットが単に配置され、これにより、情報取得装置は自動的かつ必然的にスキャンして情報伝達要素から情報を取得する、という点で非常に簡単にされる、プログラマブルロボットが提供される。したがって、そのようなロボットは、特に小さな子供にとって、操作及びプログラムすることが特に簡単である。
【0021】
1つの実施形態では、前記情報取得装置はセンサ装置を備える。代替的又は追加的に、前記情報取得装置は近距離無線通信装置を備える。
1つの実施形態では、前記ヘッドはフィードバック装置を備える。前記フィードバック装置は、触覚、視覚又は聴覚のうちの任意の1つ以上のフィードバックを提供してもよい。
【0022】
触覚のフィードバックは、例えば、ロボットのヘッドの一部を移動又は振動させるフィードバック装置により与えられてもよい。視覚のフィードバックは、例えば光信号でもよく、その場合、フィードバック装置は、発光装置でもよく、例えばロボットの目のように見えるように設けられてもよい。聴覚のフィードバックは、例えば、音声信号又は一連の音声信号でもよく、その場合、フィードバック装置は、ラウドスピーカーとして提供されてもよく、例えば、ロボットが話している印象を与えるように配置されて提供されてもよい。
【0023】
いずれにせよ、フィードバック装置の提供は、ロボットが正しく組み立てられ及び/又は操作されているかどうか、及び、提起された質問に対する答えが正しいかどうかを示すなど、教育プロセス中の適切な案内をユーザに提供することを可能にする。
上記及び他の目的は、本発明の第2の態様において、情報を備える少なくとも1つのグループの情報伝達要素、本発明の第1の態様による教育目的用プログラマブルロボット、及び、上述及び下記の詳細な説明に記載された任意の1以上の特徴を備える教育キットにより解決される。
【0024】
教育キットの1つの実施形態では、少なくとも1つのグループの情報伝達要素は、所定の教育トピックに関する情報を備える。
1つの実施形態では、教育キットは、複数のグループの情報伝達要素をさらに備え、各グループの情報伝達要素は、所定の教育トピックに関する情報を備える。
【0025】
それにより、ヘッド及び所定の教育トピックに関する情報を備える1つのグループの情報伝達要素は、所定の学習目的のための完全に機能的な教育キットを提供するために選択されてもよい。
教育キットの1つの実施形態では、前記ロボットの前記ボディは、前記ドライブシステムに結合され、前記ロボットの互いに反対側に配置され、前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素の前記情報伝達要素の幅より大きいか、前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素の前記情報伝達要素の幅と等しいか、又は、前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素の前記情報伝達要素の幅から前記一組のホイールの合計厚さを引いたものに等しいような、前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素の前記情報伝達要素の幅よりも小さい、のいずれか1つの距離を離して間隔があけられた一組のホイールをさらに備え、前記情報取得装置は、前記ロボットの下面より下の前記一組のホイールの間の領域を前記情報取得装置がスキャンすることができるように、前記ボディの前記下面の前記一組のホイールの間に配置される。
【0026】
さらに、上述の利点は、そのような教育キットでは、ロボットは、その距離が情報伝達要素の幅以上に大きい場合、そのスキャン中に情報伝達要素を駆動しない。これは次に、情報伝達要素の耐久性に加えて、動作中のロボットの安定性を向上させる。
さらに、上述の利点は、ロボットのホイールの間の距離が、少なくとも1つのグループの情報伝達要素の情報伝達要素の幅からその組の合計の厚さを引いたものに等しい、このような教育キットにより、上述のようにロボットのボディの下面の一組のホイールの間に情報取得装置を設けることに関連する利点を犠牲にすることなく、ロボットをよりコンパクトにして材料を節約することができる。
【0027】
前記教育キットの1つの実施形態では、前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素の各情報伝達要素は、タグを備え、前記ロボットの前記情報取得装置は、前記タグを登録するように構成された近距離通信装置を備える。
適切なタグの例には、それだけには限定されないが、RFIDタグ、バーコード、及びQRコード(登録商標)、が含まれる。同様に、適切な近距離通信装置の例には、それだけには限定されないが、RFIDタグリーダ、バーコードリーダ、及び、QRコードリーダが含まれる。RFIDタグ及びRFIDタグリーダは、ロボットが情報伝達要素に対して、情報を読み取り、かつ、情報を書き込むことができるという特別な利点を有する。
【0028】
タグは、ロボットのプロセッサ要素が情報に基づいて1つ以上の命令を識別することを可能にするように構成された前記情報を備えてもよく、典型的には、適切なプログラムコードの形式、及び/又は、情報伝達要素を区別するように構成された情報、及び/又は、少なくとも1つのグループの情報伝達要素内の情報伝達要素のタイプである。
【0029】
教育キットの1つの実施形態では、タグは、情報取得装置を用いて、ロボットがタグに情報を書き込むことを可能にするような情報を受け取るように適合されている。
教育キットの1つの実施形態では、前記ロボットの前記情報取得装置は、センサ要素を備え、前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素の各情報伝達要素は、前記センサ要素により測定可能であり、かつ、前記ロボットの前記プロセッサ要素が前記情報に基づいて1つ以上の命令を識別することが可能であるように、及び/又は、前記情報伝達要素及び/又は前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素内の情報伝達要素のタイプを区別するように、構成された情報を備える。
【0030】
適切なセンサ要素の例は、カラーセンサ及びOCRセンサが含まれるが、これらに限定されない。同様に、センサ要素により測定可能で情報伝達要素に提供される適切な情報の例は、異なる命令を示す異なる色、及び、OCRセンサによる認識に適したテキストを含むが、これらに限定されない。
【0031】
本発明の第1の態様によるプログラマブルロボット及び本発明の第2の態様による教育キットの両方のさらなる実施形態は、各従属クレームに加え、以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
ここで、本発明は、現在好ましい実施形態の限定されない例を用い、概略図を参照して、以下に詳細に説明される。
図1A図1Aは、本発明の第1の態様に係る教育目的用プログラマブルロボットであって、ボディと複数の交換可能なヘッドから選択されたヘッドを備えたものを示す概略斜視図である。
図1B図1Bは、本発明の第1の態様に係る教育目的用プログラマブルロボットであって、ボディと複数の交換可能なヘッドから選択されたヘッドを備えたものを示す正面図である。
図1C図1Cは、本発明の第1の態様に係る教育目的用プログラマブルロボットであって、ボディと複数の交換可能なヘッドから選択されたヘッドを備えたものを示す側面図である。
図2図2は、図1に係るロボットのボディとヘッドを接続するための接続要素の実施形態の概略斜視図である。
図3図3は、図1に係るロボットのボディとヘッドを接続するための図2の接続要素の概略側面図である。
図4A図4Aは、図1に係るロボットのボディの電気回路を示す概略図である。
図4B図4Bは、図1に係るロボットのヘッドの電気回路を示す概略図である。
図5図5は、本発明の第2の態様に係る教育キットであって、本発明の第1の態様による教育目的用プログラマブルロボット及び複数の情報伝達要素を備えたものの概略斜視図を示す。
図6図6は、図5に係る教育キットの概略正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の現在好ましい実施形態が示されている添付の図面を参照して、本発明を以下により十分に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は徹底的かつ完全にするために提供され、本発明の範囲を当業者に十分に伝える。
【0034】
まず、図1A図1B及び図1Cを参照すると、本発明に係る教育目的用プログラマブルロボット1が示されている。ロボット1は、通常、ボディ2及びヘッド3を備える。
ボディ2は、外部情報伝達要素101~105(図5及び図6参照)、ホイール25,26及び下面271から情報を取得するための情報取得装置22を備える。情報取得装置22は、センサ装置及び/又は近距離無線通信装置でもよいし、含めてもよい。図示された実施形態では、情報取得装置22は、ボディ2の下面271に、接続されているか、取り付けられているか、又は、関連しているが、他の実施形態では、ボディ2の別の部分又はヘッド3に配置又は取り付けられてもよい。情報取得装置22がボディ2の下面271に接続又は取り付けられた場合、情報取得装置22は、ボディ2の下面271より下の一組のホイール25,26の間の領域5をスキャンすることが可能になる。
【0035】
一組のホイール25,26は、ボディ2の下面271と上面272とを接続する表面又は側面273の両側に接続されている。したがって、情報取得装置22は、ボディ2の下面271のホイール25,26間に配置されている。
図示された実施形態では、一組のホイール25,26は、外部情報伝達要素101~105の幅よりも大きい距離D(図6参照)を離して間隔をあけて配置されている。代わりに、一組のホイール25,26は、例えば、外部情報伝達要素101~105の幅からホイール25,26の合計厚さを引いたものなど、外部情報伝達要素101~105の幅以下の距離D(図6参照)を離して間隔をあけて配置されてもよく、後者の可能性は、ロボットが外部情報伝達要素101~105の両端部を走行することを可能にする。典型的には、ホイール25,26間の距離は3~5cmのオーダーである。図示された実施形態では、2つのホイール25、26が設けられているが、2つのホイールより多い例えば4つのホイールが設けられてもよい。
【0036】
図4も参照すると、ボディ2は、動作中に、ロボット1のボディ2のホイール25,26を動かし、それによりロボット1を動かすようにするために適合されたドライブシステム21を、電気回路24に加えてさらに備える。したがって、ホイール25,26は、ドライブシステム21に接続されている。ドライブシステム21は、例えば、ステッピングモータのような1つ以上の電気モーターでもよい。
【0037】
図4も参照すると、ヘッド3は、制御システム31を備える。制御システム31は、電気回路34、データ記憶要素32及びプロセッサ要素36を備える。
プロセッサ要素36は、少なくとも1つの情報取得装置22から送信されたデータ信号を受信し、データ信号は外部情報伝達要素101~105から取得した情報を含み、必要に応じてデータ信号の処理中にデータ記憶要素32に記憶されたデータを使用し、情報を解釈して、1つ以上の命令を達成し、ドライブシステム21がホイール25,26を動かし、それにより、1つ以上の命令に従ってロボット1を動かすように構成される。
【0038】
プロセッサ要素36は、関連情報を含むデータ信号をロボット1のボディ2の少なくとも1つの情報取得装置22に送信することにより、外部情報伝達要素101~105に情報を送信及び/又は書き込み、これにより順に、関連情報を含むデータ信号を外部情報伝達要素101~105に送信するようにさらに構成されてもよい。
【0039】
ヘッド3は、さらにフィードバック装置37を備え、これは図1Aに示す実施形態では、ロボット1の目37のように見えるように構成されており、光フィードバック信号を送出するように適合されたフィードバック装置である。代わりに又は追加的に、図1Bに示されるように、ヘッド3’は、フィードバック装置37’も備えてもよく、これは、ロボット1の口37’のように見えるように構成され、音響フィードバック信号を送出するように適合されたフィードバック装置である。
【0040】
ヘッド3の制御システム31のデータ記憶要素32は、予め決められた教育トピックに関連してそれに記憶されたデータをさらに備えてもよい。そのような実施形態では、ヘッド3は、前記予め決められた教育トピックを識別するように適合されたマーキング35をさらに備えてもよい。
【0041】
ボディ2及びヘッド3は、互いに取り外し可能に結合されるように適合されている。このために、ボディ2は第1接続要素23を備え、ヘッド3は第2接続要素33を備え、第1接続要素23と第2接続要素33は互いに接続可能である。第1接続要素23は、下面271とは反対側のボディ2の上面272に配置されている。第2接続要素33は、ヘッド3の下面に配置されている。
【0042】
このようにヘッド3は、ボディ2から取り外し、ボディ2に取り付けることができるので、ロボットは、いくつかの実施形態では、複数の交換可能なヘッド3,3’,3’’を備えてもよい。そのような実施形態では、複数のヘッド3,3’,3’’のそれぞれは、上述のように構築及び構成されている。また、複数のヘッド3,3’,3’’のそれぞれの制御システム31のデータ記憶要素32は、複数のヘッドのそれぞれが異なる予め決められた教育トピックのための準備ができるように、予め決められた教育トピックに関してそれに記憶された情報を備えてもよい。複数のヘッド3,3’,3’’のそれぞれは、前記予め決められた教育トピックを識別するように適合された(異なる)マーキング35をさらに備えてもよい。例えば、図1Aでは、ヘッド3の「2+2」と表示されているマーキング35は、関連トピックを数学として識別し、一方、図1Bでは、ヘッド3’の「ABC」と表示されているマーキング35’は、関連トピックをスペリングとして識別する。
【0043】
ここで、図2及び図3を参照し、ボディ2とヘッド3又は各ヘッド3との間の接続、又は、言い換えれば、第1接続要素23と第2接続要素33との間の接続についてさらに詳細に説明する。
第1接続要素32及び第2接続要素33は、ヘッド3又は各ヘッド3がロボット1のボディ2上に予め決められた唯一の向きで取り付けられるように構成及び配置される。
【0044】
例えば、図3に示すように、第1接続要素32は、4つの磁石321を備え、第2接続要素33も同様に4つの磁石331を備える。磁石321,331のその他の個数は、1つ、2つ、3つ、又は、4つより多い等でも可能である。磁石321,331のそれぞれは、ヘッド3又は各ヘッド3がボディ2上に予め決められた唯一の向きで取り付けられるように向けられた位置に置かれてもよい。例えば、ヘッド3をボディ2上の予め決められた1つの向きに取り付けることを試みる場合、ボディ2上の少なくとも1つの磁石321とヘッド3上の少なくとも1つの磁石331とが互いにちょうど引き合うように、それぞれの磁石321,331は、それぞれの極が他方に対する方向に向くように配置されてもよい。
【0045】
図2にも示されるように、第1接続要素も、磁石321に加えて又はその代わりに、磁石に引き付けられる金属要素232を含めてもよい。第1接続要素32が少なくとも1つの磁石321を備える他の実施形態でも、同様のことが第2接続要素33にも当てはまる。
【0046】
例えば、ヘッド3は1つの磁石331を含めてよく、ボディは1つの金属要素232を含めてもよく、ヘッド3をボディ2上の予め決められた1つの向きに取り付けることを試みた場合、磁石331と金属要素232がちょうど接続できるようにそれぞれの位置に、磁石331及び金属要素232が配置される。
【0047】
代替の又は追加の実施形態では、第1接続要素32及び第2接続要素33は、スナップロック又はクリックロック又は摩擦ロック接続の互いに一致するそれぞれ雄型及び雌型構成要素323,333をそれぞれ備える。例えば、図2及び図3に示すように、第1接続要素32は、バネ付きコネクタ233を備え、第2接続要素33は、バネ付きコネクタ233用のソケット333を備える。雄型及び雌型構成要素233,333のそれぞれは、例えば適切な非対称形状が設けられることにより例えば形成されてもよく、この適切な非対称形状とは、ヘッド3をボディ2上の予め決められた1つの向きに取り付けることを試みた場合に、それらが互いにちょうど接続できる形状である。
【0048】
さらなる代替の又は追加の実施形態では、第1接続要素32及び第2接続要素33は、
ボディ2との接続後及びボディ2への接続中のヘッド3の位置ずれのリスクを避けるように適合され構成されたそれぞれ凹み28,38のように互いに整合する要素を備えてもよい。原則として、凹み28,38又は互いに整合する要素は、代替的に又は追加的に、ヘッド3又は各ヘッド3がボディ2上の予め決められた唯一の向きに取り付けられることを確実にするように、配置され、構成され、及び/又は、形成されてもよい。
【0049】
ここで、図4A,4Bを参照すると、ボディ2の電気回路24(図4A)及びヘッド3の電気回路34(図4B)が示されており、それらについてさらに詳細に説明する。
図4Aに示すように、ボディ2の電気回路24は、通常、電気接続要素241~248を有するボディコネクタ240、ボディメイン回路249、及び、ボディコネクタ240とボディメイン回路249を接続するRX/TX回路250を備える。
【0050】
ボディメイン回路249は、ドライブシステム21及び情報取得装置22を備える。
RX/TX回路250において:接続要素241とボディメイン回路249はラインRX2により接続され、接続要素242とボディメイン回路249はラインRX1により接続され、接続要素243とボディメイン回路249はラインTX2により接続され、
接続要素244とボディメイン回路249はラインTX1により接続され、接続要素245とボディメイン回路249は供給ラインSUPPLYにより接続され、接続要素246とボディメイン回路249は、接地線GNDにより接続されている。
【0051】
ボディ2の電気回路24は、バッテリ回路290を用いて、ボディコネクタ240の電気接続要素247,248に接続されたバッテリの形態の電気エネルギー供給源29をさらに備える。接続要素247と電気エネルギー供給源29は、バッテリ回路290の供給ラインSUPPLYにより接続されている。接続要素248と電気エネルギー供給源29は、バッテリ回路290の接地線GNDにより接続されている。
【0052】
図示のように、ボディ2の電気回路24では、バッテリ回路290とRX/TX回路250との間に電気的接続はない。したがって、バッテリ回路290ひいては電気エネルギー供給源29は、RX/TX回路250から分離される。
同様に、ここで図4Bを参照すると、ヘッド3の電気回路34は、通常、電気接続要素341~348を有するヘッドコネクタ340、ヘッドメイン回路349、及び、ボディコネクタ240とボディメイン回路249を接続するRX/TX回路350を備える。
【0053】
ヘッドメイン回路349は、制御システム31、データ記憶要素32、及び、プロセッサ要素36を備える。
RX/TX回路350において:接続要素341とヘッドメイン回路349はラインRX2により接続され、接続要素342とヘッドメイン回路349はラインRX1により接続され、接続要素343とヘッドメイン回路349はラインTX2により接続され、接続要素344とヘッドメイン回路349はラインTX1により接続され、接続要素347とヘッドメイン回路349は供給ラインSUPPLYにより接続され、接続要素348とヘッドメイン回路349は接地線GNDにより接続されている。
【0054】
さらに、図示のように、ヘッド3の電気回路34のRX/TX回路350では、接続要素346は、接続要素348とヘッドメイン回路349を接続する接地線GNDに接続されている。同様に、接続要素345は、接続要素347とヘッドメイン回路349を接続する供給ラインSUPPLYに接続されている。
【0055】
ヘッド3がボディ2に接続されたときにボディコネクタ240及びヘッドコネクタ340が互いに同様に接続されるように、ボディコネクタ240及びヘッドコネクタ340は、それぞれボディ2及びヘッド3内に配置される。ボディコネクタ240とヘッドコネクタ340が接続されると、ボディ2の電気回路24とヘッド3の電気回路34とのそれぞれの上述の構成は、一方の、ボディ2の電気回路24の接地線GNDとヘッド3の電気回路34の接地線GND、及び、もう一方の、ボディ2の電気回路24の供給ラインSUPPLYとヘッド3の電気回路34の供給ラインSUPPLYとの間に、電気的接続が形成されることにより、ボディメイン回路249及びヘッドメイン回路349に電気エネルギーの供給を可能にすることを確実にする。
【0056】
言い換えれば、電気エネルギー源29からの電流は、制御システム31及び/又はドライブシステム21に供給される前に、ヘッド3の電気回路34の少なくとも一部を通って、かつ、ボディ2の電気回路24の少なくとも一部を通って流れるようにする。したがって、ロボット1の電源が入れられて作業することができる前に、ヘッド3とボディ2は、適切に接続されなければならない。
【0057】
最後に、図5は、本発明に係る教育キットの実施形態を概略的に示す。教育キットは、通常、情報を備える情報伝達要素101,102,103,104,105の少なくとも1つのグループ10、及び、図1~4を参照して上述されたように、ボディ2と少なくとも1つのヘッド3を備えるロボット1とを備える。
本発明に係る情報伝達要素のグループは、任意の数の情報伝達要素を備えてもよい。図示された実施形態では、情報伝達要素のグループ10は、5つの情報伝達要素101~105を備える。
【0058】
情報伝達要素101~105の少なくとも1つのグループ10は、所定の教育トピックに関する情報、図示された実施形態では数学、又は、より具体的には数学分野の足し算を備える。
情報伝達要素101~105の少なくとも1つのグループ10は、開始情報命令を伴う情報伝達要素、ロボット1により登録及び処理されるとロボット1が開始する、及び/又は、終了情報命令を伴う情報伝達要素、ロボット1により登録及び処理されるとロボット1が停止する、もまた備えてもよい。
【0059】
教育キットが情報伝達要素101~105の複数のグループ10を備える実施形態では、情報伝達要素の各グループは、所定の教育トピックに関する情報を備えてもよい。本発明に係る教育キットは、複数のロボット1用ヘッド3、したがって特定の実施形態では、ロボット1用ヘッド3のいくつかの整合するセット、及び、情報伝達要素101~105を備えてもよい。
【0060】
情報伝達要素の少なくとも1つのグループ10の各情報伝達要素101~105は、それぞれタグ111~115を備える。それぞれのタグ111~115は、情報取得装置22が適応する近距離無線通信装置、例えばRFIDリーダ又はバーコードリーダ、であるか備える場合には、情報伝達要素101~105から情報を取得するためにロボット2の情報取得装置22により読み取られ、又は登録されるように適合される。そのようなタグ111~115は、例えば、RFIDタグ、バーコード、又は、その他のタイプの近距離無線通信タグでもよい。ロボット2の情報取得装置22により、このように取得された情報は、ロボット1のプロセッサ要素36が、その情報に基づいて1つ以上の命令を識別することができるように、及び/又は、情報伝達要素の少なくとも1つのグループ10内で、ロボット1がその情報伝達要素101~105及び/又は例えばその情報伝達要素101~105が関連する教育トピック及び/又は命令のタイプなどの情報伝達要素101~105のタイプを区別することを可能にすることができるように構成される。そのような情報は、通常、情報伝達要素101~105のタグ111~115に格納されたデータ列である。
【0061】
それぞれのタグ111~115は、さらに、ロボット1が情報取得装置22を用いてタグ111~115に情報を書き込むことを可能にするような情報を受信するように適合させてもよい。
代替的に又は追加的に、情報取得装置22がセンサ要素であるか又は備える場合、情報伝達要素の少なくとも1つのグループ10の各情報伝達要素111~115は、センサ要素によりそれぞれ測定可能な情報121~125を備える。情報121~125のそれぞれは、さらに、ロボット1のプロセッサ要素36が、情報121~125に基づいて1つ以上の命令を識別することができるように、及び/又は、情報伝達要素の少なくとも1つのグループ10内で、ロボット1及び/又はユーザがその情報伝達要素101~105及び/又は例えばその情報伝達要素101~105が関連する教育トピック及び/又は命令のタイプなどの情報伝達要素101~105のタイプを区別することを可能にすることができるように構成される。そのような情報121~125は、例えば、情報伝達要素101~105に印刷された、テキスト、数字、記号、又は、色などでもよい。したがって、適応するセンサ要素は、カラーセンサ、OCR装置、及び、画像取り込み装置である。
【0062】
当業者は、本発明が決して上述の好ましい実施形態に限定されないことを理解する。それどころか、添付の特許請求の範囲内で、多くの修正形態及び変形形態が可能である。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
動作中にロボットを動かすように適合されたドライブシステム、外部情報伝達要素から情報を取得するように構成された少なくとも1つの情報取得装置、及び、第1接続要素を備えるボディと、
制御システム、前記制御システムは、データ記憶要素及びプロセッサ要素を備え、前記プロセッサ要素は、前記少なくとも1つの情報取得装置から送信されたデータ信号を受信するように、前記データ信号は、前記外部情報伝達要素から取得された前記情報を備え、前記データ記憶要素に記憶されたデータを必要に応じて使用して、前記データ信号を処理するように、前記情報を解釈して、1つ以上の命令を達成するように、かつ、前記ドライブシステムが前記1つ以上の命令に従って前記ロボットを動作させるように、構成され、及び、第2接続要素を備えるヘッドと、
前記ボディ及び前記ヘッドは、前記第1接続要素と前記第2接続要素を互いに接続することにより、互いに取り外し可能に結合されるように適合される、
教育目的用プログラマブルロボット。
[2]
前記ヘッドの前記制御システムの前記データ記憶要素は、予め決められた教育トピックに関する記憶したデータを備える、
[1]に記載の教育目的用プログラマブルロボット。
[3]
前記第1接続要素及び前記第2接続要素は、前記ボディ上の予め決められた唯一の向きに前記ヘッドが取り付けられるように構成及び配置され、及び/又は、
前記第1接続要素及び前記第2接続要素の一方が少なくとも1つの磁石を備え、前記第1接続要素及び前記第2接続要素の他方が磁石に引き付けられる金属要素及び/又は少なくとも1つの磁石を備え、又は、
前記第1接続要素及び前記第2接続要素は、スナップロック又はクリックロック又は摩擦ロックの接続の互いに整合する雄型及び雌型構成要素である、
上述のいずれか1つに記載のプログラマブルロボット。
[4]
前記ロボットは、前記制御システムに電流を供給するための電気エネルギー源をさらに備え、前記ボディは、電気回路をさらに備え、前記ヘッドは、電気回路をさらに備え、前記ボディの前記電気回路と前記ヘッドの前記電気回路は、前記電気エネルギー源からの電流が、前記制御システムに供給される前に、前記ヘッドの前記電気回路の少なくとも一部を通り、かつ、前記ボディの前記電気回路の少なくとも一部を通るように流されるように構成される、
上述のいずれか1つに記載のプログラマブルロボット。
[5]
前記ボディは、前記ボディの互いに反対側に配置され、かつ、前記ドライブシステムに結合された一組のホイールをさらに備え、
前記情報取得装置は、前記ボディの下面より下の前記一組のホイールの間の領域を前記情報取得装置がスキャンすることができるように、前記ボディの前記下面の前記一組のホイールの間に配置される、
上述のいずれか1つに記載のプログラマブルロボット。
[6]
前記情報取得装置は、センサ装置及び/又は近距離無線通信装置を備え、
前記ヘッドは、フィードバック装置を備える、
上述のいずれか1つに記載のプログラマブルロボット。
[7]
情報を備える少なくとも1つのグループの情報伝達要素及びロボットを備え、
前記ロボットは、
動作中に前記ロボットを動かすように適合されたドライブシステム、前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素から前記情報を取得するように構成された少なくとも1つの情報取得装置、及び、第1接続要素を備えるボディと、
制御システム、前記制御システムは、データ記憶要素及びプロセッサ要素を備え、前記プロセッサ要素は、前記少なくとも1つの情報取得装置から送信されたデータ信号を受信するように、前記データ信号は、前記外部情報伝達要素から取得された前記情報を備え、前記データ記憶要素に記憶されたデータを必要に応じて使用して、前記データ信号を処理するように、前記情報を解釈して、1つ以上の命令を達成するように、かつ、前記ドライブシステムが前記1つ以上の命令に従って前記ロボットを動作させるように、構成され、及び、第2接続要素を備えるヘッドと備え、
前記ボディ及び前記ヘッドは、前記第1接続要素と前記第2接続要素を互いに接続することにより、互いに取り外し可能に結合されるように適合される、
教育キット。
[8]
前記ロボットの前記ヘッドの前記制御システムの前記データ記憶要素は、予め決められた教育トピックに関する記憶したデータを備える、
[7]に記載の教育キット。
[9]
前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素は、所定の教育トピックに関する情報を備え、又は、
前記教育キットは、複数のグループの情報伝達要素をさらに備え、各グループの情報伝達要素は、所定の教育トピックに関する情報を備える、
[7]又は[8]に記載の教育キット。
[10]
前記第1接続要素及び前記第2接続要素は、前記ボディ上の予め決められた唯一の向きに前記ヘッドが取り付けられるように構成及び配置され、及び/又は、
前記第1接続要素及び前記第2接続要素の一方が少なくとも1つの磁石を備え、前記第1接続要素及び前記第2接続要素の他方が磁石に引き付けられる金属要素及び/又は少なくとも1つの磁石を備え、又は、
前記第1接続要素及び前記第2接続要素は、スナップロック又はクリックロック又は摩擦ロックの接続の互いに整合する雄型及び雌型構成要素である、
[7]から[9]のいずれか1項に記載の教育キット。
[11]
前記ロボットは、前記制御装置に電流を供給する電気エネルギー源をさらに備え、前記ロボットの前記ボディは、電気回路をさらに備え、前記ロボットの前記ヘッドは、電気回路をさらに備え、前記ボディの前記電気回路と前記ヘッドの前記電気回路は、前記電気エネルギー源からの電流が、前記制御システムに供給される前に、前記ヘッドの前記電気回路の少なくとも一部を通り、かつ、前記ボディの前記電気回路の少なくとも一部を通るように流されるように構成される、
[7]から[10]のいずれか1項に記載の教育キット。
[12]
前記ロボットの前記ボディは、前記ドライブシステムに結合され、前記ボディの互いに反対側に配置され、前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素の前記情報伝達要素の幅より大きいか、前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素の前記情報伝達要素の幅と等しいか、又は、前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素の前記情報伝達要素の幅から一組のホイールの合計厚さを引いたものに等しいような、前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素の前記情報伝達要素の幅よりも小さい、のいずれか1つの距離を離して間隔があけられた前記一組のホイールをさらに備え、
前記情報取得装置は、前記ボディの下面より下の前記一組のホイールの間の領域を前記情報取得装置がスキャンすることができるように、前記ボディの前記下面の前記一組のホイールの間に配置される、
[7]から[11]のいずれか1項に記載の教育キット。
[13]
前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素の各情報伝達要素は、タグを備え、前記ロボットの前記情報取得装置は、前記タグを登録するように構成された近距離通信装置を備え、及び/又は、
前記ロボットの前記情報取得装置は、センサ要素を備え、前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素の各情報伝達要素は、前記センサ要素により測定可能であり、かつ、前記ロボットの前記プロセッサ要素が前記情報に基づいて1つ以上の命令を識別することが可能であるように、及び/又は、前記情報伝達要素及び/又は前記少なくとも1つのグループの情報伝達要素内の情報伝達要素のタイプを区別するように、構成された情報を備え、及び/又は、
前記ロボットの前記ヘッドは、フィードバック装置を備える、
[7]から[12]のいずれか1項に記載の教育キット。
[14]
前記教育キットは、複数の交換可能なロボット用ヘッドをさらに備え、前記複数のヘッドのそれぞれは、データ記憶要素とプロセッサ要素とを備え、前記プロセッサ要素は、前記少なくとも1つの情報取得装置から送信されたデータ信号を受信するように、前記データ信号は、前記外部情報伝達要素から取得された前記情報を備え、前記データ記憶要素に記憶されたデータを必要に応じて使用して、前記データ信号を処理するように、前記情報を解釈して、1つ以上の命令を達成するように、かつ、前記ドライブシステムが前記1つ以上の命令に従って前記ロボットを動作させるように、構成され、及び、第2接続要素を備え、
前記複数のヘッドのそれぞれは、前記第1接続要素と前記第2接続要素を互いに接続することにより、1つずつ前記ボディに取り外し可能に結合されるように適合される、
[7]又は[8]に記載の教育キット。
[15]
前記教育キットは、複数の交換可能なロボット用ヘッドをさらに備え、前記複数のヘッドのそれぞれは、データ記憶要素とプロセッサ要素とを備え、前記プロセッサ要素は、前記少なくとも1つの情報取得装置から送信されたデータ信号を受信するように、前記データ信号は、前記外部情報伝達要素から取得された前記情報を備え、前記データ記憶要素に記憶されたデータを必要に応じて使用して、前記データ信号を処理するように、前記情報を解釈して、1つ以上の命令を達成するように、かつ、前記ドライブシステムが前記1つ以上の命令に従って前記ロボットを動作させるように、構成され、及び、第2接続要素を備え、
前記複数のヘッドのそれぞれの前記制御システムの前記データ記憶要素は、予め決められた教育トピックに関して記憶した情報を備える、
[7]、[8]又は[14]のいずれか1項に記載の教育キット。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6