(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】SFEフレームワーク型モレキュラーシーブの合成
(51)【国際特許分類】
C01B 39/48 20060101AFI20220516BHJP
【FI】
C01B39/48
(21)【出願番号】P 2019565476
(86)(22)【出願日】2018-06-04
(86)【国際出願番号】 IB2018053980
(87)【国際公開番号】W WO2018224944
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-01-28
(32)【優先日】2017-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503148834
【氏名又は名称】シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ダン
【審査官】廣野 知子
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-512582(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0085976(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0202603(US,A1)
【文献】特表2004-530619(JP,A)
【文献】特表2016-534961(JP,A)
【文献】WAGNER Paul et al.,J.Phys. Chem.B,米国,1999年,vol.103,8245-8250,doi/10.1021/jp991389j
【文献】NERY Jose G. et al.,Microporous and Mesoporous Materials,2002年,52,19-28
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/20-39/54
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SFEフレームワーク型のモレキュラーシーブを合成する方法であって、
ステップ(a)として
(1)酸化ケイ素源と;
(2)
ホウ素を含む、三価元素(X)の酸化物源と;
(3)任意選択で1族または2族金属(M)源と;
(4)1,2,3,5-テトラメチル-1H-ピラゾール-2-イウムカチオンおよび1,2,3,4-テトラメチル-1H-イミダゾール-3-イウムカチオンの1つ以上を含む構造指向剤(Q)と;
(5)水酸化物イオンと;
(6)水と
を含む反応混合物を
モル比に関して以下の組成で調製するステップと;
ステップ(b)として
前記モレキュラーシーブの結晶を形成するのに
125℃~200℃の温度に前記反応混合物を供するステップと
を含む方法。
【表1】
【請求項2】
前記反応混合物が、モル比に関して以下の組成を有する、請求項1に記載の方法。
【表2】
【請求項3】
前記反応混合物が、シードも含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記反応混合物が、0.01~10,000重量ppmのシードを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記シードは、SFEフレームワーク型の結晶材料を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
SFEフレームワーク型のモレキュラーシーブであって、合成されたままの形態で、その細孔内に1,2,3,5-テトラメチル-1H-ピラゾール-2-イウムカチオンおよび1,2,3,4-テトラメチル-1H-イミダゾール-3-イウムカチオンの1つ以上を含むモレキュラーシーブであって、20~300のSiO
2
/X
2
O
3
モル比を有し、式中、Xは、ホウ素を含む、モレキュラーシーブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2017年6月5日に出願された米国仮出願第62/515,047号の優先権を主張し、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、SSZ-48等のSFEフレームワーク(framework)型の結晶性モレキュラーシーブの合成に関する。
【背景技術】
【0003】
SSZ-48は、特有の一次元12員環細孔系を有する結晶性モレキュラーシーブ材料である。SSZ-48のフレームワーク構造には、国際ゼオライト協会構造委員会(Structure Commission of the International Zeolite Association)によって3文字コードSFEが割り当てられている。
【0004】
SSZ-48の組成および特徴的なX線回折パターンは、構造指向剤としてデカヒドロキノリニウムカチオンを使用するモレキュラーシーブの調製も記載している米国特許第6,080,382号に開示されている。
【0005】
SSZ-48の商業的開発は、その合成のために米国特許第6,080,382号で必要とされるデカヒドロキノリニウムカチオン構造指向剤の高コストにより妨げられており、したがって、SSZ-48の合成のためのより安価な代替構造指向剤を見つけることに大きな関心が寄せられている。
【0006】
ここで、本開示によれば、本明細書に記載のカチオンは、SSZ-48の合成における構造指向剤として有効であることが見出された。
【発明の概要】
【0007】
一態様において、SFEフレームワーク型のモレキュラーシーブを合成する方法であって、(a)(1)酸化ケイ素源;(2)三価元素(X)の酸化物源;(3)任意選択で1族または2族金属(M)源;(4)1,2,3,5-テトラメチル-1H-ピラゾール-2-イウムカチオンおよび1,2,3,4-テトラメチル-1H-イミダゾール-3-イウムカチオンの1つまたは複数を含む構造指向剤(Q);(5)水酸化物イオン;ならびに(6)水を含む反応混合物を調製するステップと;(b)モレキュラーシーブの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に反応混合物を供するステップとを含む方法が提供される。
【0008】
別の態様において、SFEフレームワーク型のモレキュラーシーブであって、合成されたままの形態で、その細孔内に1,2,3,5-テトラメチル-1H-ピラゾール-2-イウムカチオンおよび1,2,3,4-テトラメチル-1H-イミダゾール-3-イウムカチオンの1つ以上を含むモレキュラーシーブが提供される。
【0009】
モレキュラーシーブは、合成されたままの無水形態で、次のモル関係を含む化学組成を有する。
式中、Xは、三価元素(例えば、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、および鉄のうちの1つ以上)であり;Qは、1,2,3,5-テトラメチル-1H-ピラゾール-2-イウムカチオンおよび1,2,3,4-テトラメチル-1H-イミダゾール-3-イウムカチオンのうちの1つ以上を含み;Mは、1族または2族金属である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】例1で調製された合成されたままのモレキュラーシーブの粉末X線回折(XRD)パターンである。
【0011】
【
図2】例1で調製された合成されたままのモレキュラーシーブの走査電子顕微鏡写真(SEM)画像である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
導入部
「フレームワーク型」という用語は、「Atlas of Zeolite Framework Types」, Sixth Revised Edition, Elsevier (2007)で説明されている意味で使用される。
【0013】
本明細書において、「合成されたまま」という用語は、構造指向剤の除去前の、結晶化後の形態のモレキュラーシーブを指すように使用される。
【0014】
本明細書において、「無水」という用語は、物理的吸着した水および化学吸着した水の両方を実質的に有さないモレキュラーシーブを指すように使用される。
【0015】
本明細書で使用される場合、周期表の族の番号付けスキームは、Chem.Eng.News 1985, 63(5), 26-27に開示されている通りである。
【0016】
反応混合物
一般に、本発明のモレキュラーシーブは、(a)(1)酸化ケイ素源;(2)三価元素の酸化物源(X);(3)任意選択で1族または2族金属源(M);(4)1,2,3,5-テトラメチル-1H-ピラゾール-2-イウムカチオンおよび1,2,3,4-テトラメチル-1H-イミダゾール-3-イウムカチオンの1つまたは複数から選択される構造指向剤(Q);(5)水酸化物イオン;ならびに(6)水を含む反応混合物を調製することと;(b)モレキュラーシーブの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に反応混合物を供することとにより合成される。
【0017】
モレキュラーシーブが形成される反応混合物の組成は、モル比に関して以下の表1に特定される。
【表1】
式中、組成変数X、M、およびQは、本明細書で上述した通りである。
【0018】
適切な酸化ケイ素源には、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、沈降シリカ、アルカリ金属シリケートおよびテトラアルキルオルトシリケートが含まれる。
【0019】
適切な三価元素X源は、選択される元素X(例えば、ホウ素、アルミニウム、ガリウムおよび鉄)に依存する。Xがホウ素である実施形態では、適切なホウ素源には、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウムおよび四ホウ酸カリウムが含まれる。
【0020】
適切な1族または2族金属(M)の例には、ナトリウム、カリウムおよびカルシウムが含まれ、ナトリウムが好ましい。金属は一般に、反応混合物中に水酸化物として存在する。
【0021】
構造指向剤(Q)は、次の構造(1)および(2)でそれぞれ表される、1,2,3,5-テトラメチル-1H-ピラゾール-2-イウムカチオンおよび1,2,3,4-テトラメチル-1H-イミダゾール-3-イウムカチオンの1つ以上を含む。
【化1】
【0022】
適切なQの源は、関連する四級アンモニウム化合物の水酸化物および/または塩である。
【0023】
反応混合物はまた、望ましくは反応混合物の0.01~10,000重量ppm(例えば100~5000重量ppm)の量で、以前の合成からのSSZ-48等の結晶材料のシードを含有してもよい。シード添加は、完全な結晶化が生じるのに必要な時間を短縮するのに有利である。さらに、シード添加は、任意の望ましくないフェーズ(phase)にわたって核形成および/またはSSZ-48の形成を促進することにより得られる生成物の純度の向上をもたらし得る。
【0024】
本明細書に記載の各実施形態について、モレキュラーシーブ反応混合物は、複数の源によって供給され得る。また、2つ以上の反応成分を1つの源から提供することもできる。
【0025】
反応混合物は、バッチ式または連続的に調製することができる。本明細書に記載のモレキュラーシーブの結晶サイズ、形態、および結晶化時間は、反応混合物の性質および結晶化条件によって異なり得る。
【0026】
結晶化および合成後処理
上記の反応混合物からのモレキュラーシーブの結晶化は、使用温度で結晶化が生じるのに十分な期間、例えば2~50日間、125~200℃の温度で、例えばポリプロピレンのジャーまたはテフロンライニング(なおテフロン名は登録商標)もしくはステンレス鋼のオートクレーブ等の適切な反応容器内で、静的、回転(tumble)または攪拌条件下で行うことができる。結晶化は通常、自生圧力(autogenous pressure)下において閉鎖系で行われる。
【0027】
モレキュラーシーブ結晶が形成されると、固体生成物は、遠心分離または濾過等の標準的な機械的分離技術によって反応混合物から分離される。結晶を水洗し、次いで乾燥して、合成されたままのモレキュラーシーブ結晶を得る。乾燥ステップは、典型的には200℃未満の温度で行われる。
【0028】
結晶化プロセスの結果として、回収された結晶性モレキュラーシーブ生成物は、その細孔構造内に、合成で使用された構造指向剤の少なくとも一部を含有する。
【0029】
本明細書に記載のモレキュラーシーブは、その合成に使用された構造指向剤(Q)の一部またはすべてを除去するための処理に供されてもよい。これは、合成されたままの材料が少なくとも約370℃の温度で少なくとも1分間、および一般的に20時間以内で加熱される熱処理(か焼)によって便利にもたらされる。熱処理は、925℃までの温度で行うことができる。大気圧より低い圧力を熱処理に使用することができるが、利便性の理由で大気圧が望ましい。追加的または代替的に、構造指向剤は、オゾンでの処理により除去することができる(例えば、A.N.Parikh et al.,Micropor.Mesopor.Mater.2004,76,17-22を参照されたい)。
【0030】
所望の程度まで、合成されたままのモレキュラーシーブ中の任意の1族または2族金属カチオン(例えばNa+)は、他のカチオンとのイオン交換により、当技術分野で周知の技術に従って置き換えることができる。好ましい置換カチオンには、金属イオン(例えば、希土類金属および周期表の2~15族の金属)、水素イオン、水素前駆体イオン(例えばアンモニウムイオン)、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
【0031】
フレームワークアルミニウムを含むSSZ-48は、ホウケイ酸塩SSZ-48フレームワーク中のホウ素をアルミニウムで合成後置換することにより、ホウケイ酸塩SSZ-48から間接的に調製することができる。ホウケイ酸塩SSZ-48中のホウ素のアルミニウムによる置換は、例えば米国特許第6,468,501号および第6,790,433号に記載されているように、ホウケイ酸塩SSZ-48をアルミニウム塩(例えば硝酸アルミニウム)で適切に処理することにより達成され得る。アルミニウムで置換することができるホウケイ酸塩SSZ-48中のホウ素の割合は、0%より大きく約100%まで(少なくとも50%、少なくとも75%、または約85%~100%)の範囲内であり得る。
【0032】
SSZ-48は、完成した触媒にさらなる硬度または触媒活性を提供する結合剤および/またはマトリックス材料等の他の材料と組み合わせることにより、触媒組成物に配合することができる。そのような成分とブレンドされる場合、SSZ-48およびマトリックスの相対的な割合は、全触媒の1~90重量%(例えば2~80重量%)の範囲内のSSZ-48含有量に伴い幅広く変動し得る。
【0033】
モレキュラーシーブの特性決定
合成されたままの無水形態において、本発明のモレキュラーシーブは、以下のモル関係を含む化学組成を有する。
式中、Xは、三価元素(例えば、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、および鉄のうちの1つ以上)であり;Qは、1,2,3,5-テトラメチル-1H-ピラゾール-2-イウムカチオンおよび1,2,3,4-テトラメチル-1H-イミダゾール-3-イウムカチオンのうちの1つ以上から選択され;Mは、1族または2族金属である。
【0034】
合成されたままの形態の本発明のモレキュラーシーブは、合成されたままの形態を調製するために使用される反応混合物の反応物のモル比とは異なるモル比を有し得ることに留意されたい。この結果は、反応混合物の反応物の100%が(反応混合物から)形成された結晶に不完全に組み込まれるために生じ得る。
【0035】
米国特許第6,080,382号により教示されるように、モレキュラーシーブSSZ-48は、その合成されたままの形態で少なくとも以下の表2に記載されるピークを含み、か焼された形態で少なくとも表3に記載されるピークを含むX線回折パターンを有する。
【表2】
【表3】
【0036】
本明細書に提示された粉末X線回折パターンは、標準的な技術により収集された。放射線は、CuKα放射線であった。ピークの高さおよび位置は、2θの関数として(θはブラッグ角である)ピークの相対強度から読み取られ(バックグラウンドを調整)、記録された線に対応する平面間隔dが計算され得る。
【0037】
格子定数の変化による特定試料のフレームワーク種のモル比の変動から、回折パターンのわずかな変動が生じる可能性がある。さらに、十分に小さな結晶は、ピークの形状および強度に影響を与え、顕著なピークの広がりをもたらす。回折パターンのわずかな変動はまた、調製に使用された有機化合物の変動から生じ得る。か焼もまた、XRDパターンにわずかなシフトを引き起こす可能性がある。これらの小さなゆらぎにもかかわらず、基本的な結晶格子構造は変化しない。
【0038】
例
以下の例示的な例は、非限定的であることを意図している。
【0039】
例1
19.55gの脱イオン水、0.40gの50%NaOH溶液、13.51gの13.14%1,2,3,5-テトラメチル-1H-ピラゾール-2-イウムヒドロキシド溶液、0.03gのホウ酸および3.00gのCAB-O-SIL(登録商標)M-5ヒュームドシリカ(Cabot Corporation)を、テフロンライナー(なおテフロン名は登録商標)内で混合した。得られたゲルを、均質になるまで攪拌した。次いで、ライナーに蓋をして、Parr鋼製オートクレーブ反応器内に設置した。次いで、オートクレーブを炉に入れ、回転させながら(43rpm)35日間150℃で加熱した。冷却された反応器から遠心分離により固体生成物を回収し、脱イオン水で洗浄し、95℃で乾燥させた。
【0040】
得られた生成物を粉末XRDおよびSEMにより分析した。製品の粉末XRDパターンは
図1に示されるが、SSZ-48である製品と一致している。製品のSEM画像は
図2に示されるが、結晶の均一な領域を示している。
【0041】
生成物は、ICP元素分析により測定すると、155.9のSiO2/B2O3モル比を有していた。
【0042】
例2
59.11gの脱イオン水、1.07gの50%NaOH溶液、29.04gの16.30%1,2,3,4-テトラメチル-1H-イミダゾール-3-イウムヒドロキシド溶液、0.08gのホウ酸および8.00gのCAB-O-SIL(登録商標)M-5ヒュームドシリカ(Cabot Corporation)を、テフロンライナー(なおテフロン名は登録商標)内で混合した。得られたゲルを、均質になるまで攪拌した。次いで、そのライナーにキャップをして、Parr鋼製オートクレーブ反応器内に設置した。次いで、オートクレーブを炉に入れ、回転させながら(43rpm)31日間150℃で加熱した。冷却された反応器から遠心分離により固体生成物を回収し、脱イオン水で洗浄し、95℃で乾燥させた。
【0043】
得られた生成物を粉末XRDにより分析すると、SSZ-48であることが示された。
【0044】
生成物は、ICP元素分析により測定すると、154.1のSiO2/B2O3モル比を有していた。
【0045】
例3
例1を繰り返したが、ただし前の合成からのホウケイ酸塩SSZ-48の5重量%のシード結晶を反応混合物に加えた。粉末XRDにより確認されるように、SSZ-48の結晶化は6日で完了した。
【0046】
例4
例2を繰り返したが、ただし前の合成からのホウケイ酸塩SSZ-48の5重量%のシード結晶を反応混合物に加えた。粉末XRDにより確認されるように、SSZ-48の結晶化は6日で完了した。
【0047】
例5
4.42gの脱イオン水、3.24gの13.14%1,2,3,5-テトラメチル-1H-ピラゾール-2-イウムヒドロキシド溶液、0.19gのホウ酸、3.00gのLUDOX(登録商標)AS-30コロイダルシリカ、および0.16gの33.5%HCl溶液を、テフロンライナー(なおテフロン名は登録商標)内で混合した。得られたゲルを、均質になるまで攪拌した。次いで、ライナーに蓋をして、Parr鋼製オートクレーブ反応器内に設置した。次いで、オートクレーブを炉に入れ、回転させながら(43rpm)50日間160℃で加熱した。冷却された反応器から遠心分離により固体生成物を回収し、脱イオン水で洗浄し、95℃で乾燥させた。
【0048】
得られた生成物を粉末XRDにより分析すると、SSZ-48であることが示された。
【0049】
生成物は、ICP元素分析により測定すると、31.4のSiO2/B2O3モル比を有していた。
【0050】
例6
例5を繰り返したが、ただし前の合成からのホウケイ酸塩SSZ-48の5重量%のシード結晶を反応混合物に加えた。粉末XRDにより確認されるように、SSZ-48の結晶化は14日で完了した。
【0051】
例7
例1の合成されたままのモレキュラーシーブを、マッフル炉内で、窒素および空気の混合気流下で1℃/分の速度で540℃に加熱し、540℃で5時間保持し、冷却して粉末XRDにより分析した。
【0052】
粉末XRDパターンは、有機物質を除去するためのか焼後も材料が安定したままであることを示していた。
【0053】
吸着質としてN2を使用し、B.E.T法によりか焼された試料を微小孔容積分析に供した。モレキュラーシーブは、0.16cm3/gの細孔容積を示した。