(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】タイヤのエアーノズル及び空気圧縮機のフレキシブル管に結合される噴出防止コネクタ構造
(51)【国際特許分類】
B60S 5/04 20060101AFI20220516BHJP
F04B 39/12 20060101ALI20220516BHJP
F16L 37/32 20060101ALI20220516BHJP
B60C 23/00 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
B60S5/04
F04B39/12 101G
F16L37/32
B60C23/00 D
B60C23/00 B
(21)【出願番号】P 2020152556
(22)【出願日】2020-09-11
【審査請求日】2020-09-11
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501164676
【氏名又は名称】周 文三
(73)【特許権者】
【識別番号】519443952
【氏名又は名称】周 承賢
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】周 文三
(72)【発明者】
【氏名】周 承賢
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3229645(JP,U)
【文献】特開2019-113184(JP,A)
【文献】特開2013-231509(JP,A)
【文献】特開2012-188109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 5/04
F16L 37/00-39/06
B60C 1/00-23/20
F16K 15/18-15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのエアーノズル及び空気圧縮機のフレキシブル管に結合される噴出防止コネクタ構造であって、
ケース、シーラントボトル及び直列接続フレキシブル管を有する空気圧縮機装置を備え、
前記ケースの内部には、電源をオンすると空気圧力を発生させる空気圧縮機が配設され、
前記シーラントボトルは、開口端を有する缶体であり、前記缶体には、自動車用タイヤを修理するケミカルシーラントが収容され、前記開口端は、供給管を有し、
前記直列接続フレキシブル管は、一方の端部に接続された第1の端部と、他方の端部に接続された第2の端部と、を有し、前記第1の端部は、前記シーラントボトルの前記供給管に接続され、前記第2の端部は、自動車用タイヤのエアーノズルに接続され、
前記第2の端部には、噴出防止コネクタが接続され、
前記噴出防止コネクタは、嵌合スリーブ、円筒柱状のベース、ばね、バルブ栓、阻止リング及びピンロックを有し、
前記嵌合スリーブは、一端に雌ねじを有する螺合孔が形成され、他端に穿孔が形成され、前記穿孔に隣り合う内部には、前記穿孔の口径より僅かに大きい口径を有する突出ショルダが形成され、前記螺合孔及び前記穿孔は互いに連通し、前記円筒柱状のベースは、円筒室を有し、前記円筒室に背中合わせの前記ベースの他側には、階段状の連結端が延設され、前記連結端の内面には、前記円筒室と連通する流路が形成され、前記円筒室の内口径は、前記流路の内口径より大きく、前記円筒室と前記流路との間には、階段状の段差部が形成され、
前記ばねの一端は、前記ベースの前記円筒室に挿入されて前記段差部上に当接され、
前記バルブ栓は、柱体を備え、一端に拡張端部が設けられ、前記柱体上には、間隔をおいて配列された流通凹溝が複数形成され、
前記阻止リングは、前記バルブ栓上に嵌設され、前記阻止リングが結合された前記バルブ栓は、前記拡張端部の一端から前記ベースの前記円筒室に挿入されて前記ばねの他端に当接され、
前記ピンロックの一端の外周面には、少なくとも1つのカット面が設けられ、前記ピンロックの一端の頂面には、外周柱が延設され、前記ピンロック及び前記外周柱内には、共同で中空チャンバが形成され、前記バルブ栓の前記流通凹溝は、前記ピンロックの前記中空チャンバから突出されて前記螺合孔中に位置し、逆流防止効果を有するため、使用者が操作を誤ったときに前記ケミカルシーラントが不用意に突然噴出することを防
ぎ、
前記ベースの前記円筒室は、外側部に近接した箇所に雄ねじ部が形成され、
前記ピンロックの他端には、雌ねじを有するねじ孔が形成され、
前記ねじ孔の内口径は、前記中空チャンバの内口径より大きく、前記ねじ孔と前記中空チャンバとの間には、階段状の当接台が設けられ、
シールリングは、前記ベースの前記雄ねじ部の一端を介して前記ベース上に嵌設され、前記ピンロックを、前記シールリング及び前記阻止リングが設けられた前記バルブ栓と、前記ばねとが配設された前記ベース上に螺着する際、前記ピンロックの雌ねじを有する前記ねじ孔に、前記ベースの前記雄ねじ部が螺合され、前記ベースが、前記ピンロックの前記当接台に当接されると、前記ばねの弾性力により、前記バルブ栓が結合された前記阻止リングは、前記当接台と前記中空チャンバとの交接箇所に当接され、
前記嵌合スリーブから露出された前記ベースの前記連結端上には、前記直列接続フレキシブル管の前記第2の端部が嵌着され、固定リングにより前記直列接続フレキシブル管と前記噴出防止コネクタとが連結固定されることを特徴とする、タイヤのエアーノズル及び空気圧縮機のフレキシブル管に結合される噴出防止コネクタ構造。
【請求項2】
前記嵌合スリーブは、内部に内室が設けられ、
前記螺合孔は、前記内室及び前記穿孔に連通し、
前記連結端に隣り合う前記ベースの外側面上には、凹状の凹環状部が設けられ、前記ベースの外径は前記凹環状部の外径より大きく、前記ベースと前記凹環状部との間には、当接ステップが形成され、
前記ベースの前記連結端は、前記嵌合スリーブの前記螺合孔を介して前記内室に挿入されて前記突出ショルダの前記穿孔に挿通され、前記突出ショルダは、前記ベースの前記当接ステップに当接されることを特徴とする請求項1に記載のタイヤのエアーノズル及び空気圧縮機のフレキシブル管に結合される噴出防止コネクタ構造。
【請求項3】
前記バルブ栓の前記拡張端部の外周側部には、凹状の流通溝が複数形成され、前記柱体と前記拡張端部との間には、首部が設けられ、
前記阻止リングは、前記バルブ栓の前記首部に嵌設されることを特徴とする請求項2に記載のタイヤのエアーノズル及び空気圧縮機のフレキシブル管に結合される噴出防止コネクタ構造。
【請求項4】
当接パッドは、貫通した流通口を有するとともに、前記嵌合スリーブの前記螺合孔の一端から挿入され、前記当接パッドが前記外周柱に挿入されて前記ピンロック上に当接されることを特徴とする請求項
3に記載のタイヤのエアーノズル及び空気圧縮機のフレキシブル管に結合される噴出防止コネクタ構造。
【請求項5】
タイヤの前記エアーノズル内には、バルブコアアセンブリが設けられ、
前記バルブコアアセンブリは、前接続座、中空スリーブ、バルブコア、第2ばね及びバルブ阻止リングを有し、
前記前接続座の一端には、円形開口を有して弧形状に形成された係止ショルダが設けられ、前記前接続座内には、流通孔が形成され、
前記中空スリーブは、一端に設けられた外ショルダと、他端に設けられたバルブプラグと、を有し、
前記バルブコアは、柱体を備え、前記バルブコアの前記柱体上には、間隔をおいて配列されたリブが複数形成され、
前記第2ばねは、前記バルブコアの前記柱体に嵌設され、一端が前記バルブコアの前記リブに当接され、
前記第2ばねが嵌設された前記バルブコアは、前記外ショルダの一端から前記中空スリーブ内に挿入され、前記第2ばねの他端が前記バルブプラグに当接され、前記第2ばねの外周が前記中空スリーブにより取り囲まれ、
前記バルブ阻止リングは、前記バルブコアの前記柱体の一端上に嵌着され、前記第2ばね、前記バルブコア、前記バルブ阻止リングが結合された前記中空スリーブを、前記前接続座に結合する際、前記前接続座は、前記係止ショルダを利用して前記中空スリーブの前記外ショルダに係合され、前記バルブコアの他端は、前記前接続座の前記流通孔から突出され、他の外力が付与されない状況下で、前記第2ばねの弾性力を利用し、前記バルブコアに嵌設された前記バルブ阻止リングを、前記中空スリーブの前記バルブプラグに密着させて閉じることを特徴とする請求項1に記載のタイヤのエアーノズル及び空気圧縮機のフレキシブル管に結合される噴出防止コネクタ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤのエアーノズルと空気圧縮機のフレキシブル管コネクタとを結合したときに逆流防止効果が得られる、タイヤのエアーノズル及び空気圧縮機のフレキシブル管に結合される噴出防止コネクタ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用タイヤのエアーノズルは広く利用されて普及した技術構造であり、その作用はタイヤに気体を注入、排出させる応用技術の他、何時でも破損したタイヤにケミカルシーラントを注入してパンクを修理することができる上、自動車用タイヤに気体を注入することができる緊急用装置が従来から市販されていた。この緊急用装置には、空気圧縮機及びシーラントボトルが結合可能である。このシーラントボトルは、空気圧縮機のアウトレットバルブに結合可能である。圧縮空気は、バルブにより制御され、ケミカルシーラントが圧縮空気とともにフレキシブル管の外末端コネクタから出力され、フレキシブル管コネクタと自動車用タイヤのバルブコアとの結合が安定し、出力されるケミカルシーラント及び圧縮空気が破損したタイヤ内にスムーズに進入し、タイヤ圧が正常な使用状態になるまで気体を注入することができるため非常に便利である。唯一、設計者が考慮しなければならない点は、シーラントボトル内のケミカルシーラントがフレキシブル管の外末端コネクタから突然噴出して使用者又は物を汚してしまうことを防ぐことである。こうした現状に鑑み、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、自動車用タイヤのエアーノズルがフレキシブル管コネクタと結合可能であり、シーラントボトル中のケミカルシーラントを使用するときに、突然噴出することを防ぎ、消費者及び使用者が安心して使用することができる技術を発明した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、破損したタイヤにケミカルシーラントを注入してタイヤのパンクを修理するとともに、タイヤに気体を注入する空気圧縮機上の直列接続フレキシブル管が逆流防止効果を有する噴出防止コネクタを有し、噴出防止コネクタは、同様に逆流防止効果を有する自動車用タイヤのエアーノズルに直列接続し、使用者が操作を誤ったときにケミカルシーラントが突然噴出することを防ぐ、タイヤのエアーノズル及び空気圧縮機のフレキシブル管に結合される噴出防止コネクタ構造を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る自動車用タイヤを修理して気体を注入する使用状態の説明図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る噴出防止コネクタ構造を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る噴出防止コネクタ構造を示す断面斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る噴出防止コネクタ構造の嵌合スリーブを示す断面斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る噴出防止コネクタ構造のベースを示す断面斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る噴出防止コネクタ構造のバルブ栓を示す分解斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る噴出防止コネクタ構造のピンロックを示す断面斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る噴出防止コネクタ構造に直列接続フレキシブル管を接続した状態を示す組立断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る噴出防止コネクタ構造がタイヤのエアーノズルのエアバルブを開き、パンク修理・気体注入を行う使用状態の説明図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係るタイヤのエアーノズルのバルブコアアセンブリを示す断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1~
図3を参照する。
図1~
図3に示すように、本発明の一実施形態に係るタイヤのエアーノズル及び空気圧縮機のフレキシブル管に結合される噴出防止コネクタ構造は、空気圧縮機装置を備える。この空気圧縮機装置は、少なくともケース1、シーラントボトル2及び直列接続フレキシブル管4から構成されてなる。
【0006】
ケース1上には、押圧式のスイッチ11と、凹状の嵌着口12とが設けられる。ケース1の内部には、空気圧縮機(図示せず)が配設される。直列接続フレキシブル管4は、一方の端部に接続される第1の端部41と、他方の端部に接続されて噴出防止コネクタ5を有する第2の端部42と、を有する。シーラントボトル2は、底部に設けられた開口端21と、頂部に設けられた底壁22とを有し、ケース1の嵌着口12上に配置される。直列接続フレキシブル管4の第1の端部41は、シーラントボトル2の供給管23に係合され、タイヤのパンクを修理したりタイヤに気体を注入したりする際、直列接続フレキシブル管4の第2の端部42の噴出防止コネクタ5をタイヤ99のエアーノズル9に螺着し、ケース1が自動車又はその他DC電源によりオンされると、空気圧縮機が発生させた圧縮空気によりシーラントボトル2中に収容されたケミカルシーラントが押し出されて直列接続フレキシブル管4を介して損壊したタイヤ99中に入れられ、タイヤ99のパンクを修理してタイヤ99に気体を注入する。ここでタイヤ99には、大型自動車、小型自動車のタイヤ、自動二輪車のタイヤ、自転車のタイヤが含まれるが、本明細書では自動車のタイヤ99を例に説明する。
【0007】
図2~
図8を参照する。
図2~
図8に示すように、本発明は、ケミカルシーラントが突然噴出することを防ぐ特徴を有する。本実施形態に係る直列接続フレキシブル管4の第2の端部42上には、逆流防止効果を有する噴出防止コネクタ5が設けられる。噴出防止コネクタ5の噴出防止構造は、円筒柱状の嵌合スリーブ6を有する(
図4を併せて参照する)。嵌合スリーブ6内には、内室60が設けられる。嵌合スリーブ6は、一端に雌ねじを有する螺合孔61が形成され、他端に穿孔620が形成され、穿孔620に隣り合う内部には、穿孔620の口径より僅かに大きい口径を有する突出ショルダ62が形成される。前述した螺合孔61、内室60及び穿孔620は互いに連通する。円筒柱状のベース7(
図5を参照する)は、円筒室70を有する。円筒室70は、外側部に近接した箇所に雄ねじ部71が形成され、円筒室70に背中合わせのベース7の他側には、階段状の連結端72が延設される。連結端72の内面には、円筒室70と連通する流路73が形成される。円筒室70の内口径は、流路73の内口径より大きく、円筒室70と流路73との間には、階段状の段差部74が形成され、連結端72に隣り合うベース7の外側面上には、凹状の凹環状部75が設けられ、ベース7の外径は凹環状部75の外径より大きく、ベース7と凹環状部75との間には、当接ステップ76が形成される。
【0008】
前述したベース7の連結端72は、嵌合スリーブ6の螺合孔61を介して内室60に挿入され、突出ショルダ62の穿孔620に挿通される。突出ショルダ62は、ベース7の当接ステップ76に当接される。嵌合スリーブ6から露出されたベース7の連結端72には、直列接続フレキシブル管4の第2の端部42が嵌着され、固定リング40により直列接続フレキシブル管4と噴出防止コネクタ5とが完全に連結固定される(
図3を参照する)。
【0009】
ばね51の一端は、ベース7の円筒室70に挿入されて段差部74上に当接される。バルブ栓8(
図6を参照する)は、柱体81からなり、一端に拡張端部82が設けられる。拡張端部82の外周側部には、凹状の流通溝83が複数形成される。柱体81と拡張端部82との間には、首部84が設けられる。柱体81上には、間隔をおいて配列された流通凹溝85が複数形成される。阻止リング86は、前述したバルブ栓8の首部84に嵌設される。前述した阻止リング86が結合されたバルブ栓8は、拡張端部82の一端からベース7の円筒室70に挿入され、前述したばね51の他端に当接される(
図3を参照する)。シールリング53は、ベース7の雄ねじ部71の一端を介してベース7上に嵌設される。ピンロック52(
図7を参照する)の一端の外周面には、少なくとも1つのカット面524が設けられる。ピンロック52の一端の頂面には、外周柱521が延設される。ピンロック52及び外周柱521内には、共同で中空チャンバ520が形成される。ピンロック52の他端には、雌ねじを有するねじ孔522が形成される。ねじ孔522の内口径は、中空チャンバ520の内口径より大きい。ねじ孔522と中空チャンバ520との間には、階段状の当接台523が設けられる。ピンロック52を、シールリング53及び阻止リング86が設けられたバルブ栓8と、ばね51とが配設されたベース7上に螺着する際、ピンロック52の雌ねじを有するねじ孔522に、ベース7の雄ねじ部71が螺合される。ベース7が、ピンロック52の当接台523に当接されると、前述したばね51の弾性張力により、前述したバルブ栓8が結合された阻止リング86は、当接台523と中空チャンバ520との交接箇所に当接される。当接パッド54は、完全に貫通した流通口540を有する(
図2を参照する)。当接パッド54は、嵌合スリーブ6の螺合孔61の一端から挿入され、当接パッド54が外周柱521に挿入されてピンロック52上に当接される(
図3を参照する)。前述したバルブ栓8の流通凹溝85は、ピンロック52の中空チャンバ520及び当接パッド54の流通口540から突出されて螺合孔61中に位置する。噴出防止コネクタ5は、その他外力が付与されない状況下で、ばね51の弾性張力を利用し、バルブ栓8に嵌設された阻止リング86を当接台523と中空チャンバ520との交接箇所に密着させる。
【0010】
図8を参照する。
図8に示す噴出防止コネクタ5は、ケース1のスイッチ11がオンされ(
図1を併せて参照する)、空気圧によりケミカルシーラントが押圧されて流動状態となっても、バルブ栓8が結合された阻止リング86が、当接台523と中空チャンバ520との交接箇所に完全に密着され、流通するケミカルシーラントがピンロック52の中空チャンバ520を通過することができないため、ケミカルシーラントが突然噴出することを防ぐ保護機構が形成されている。
【0011】
図9及び
図10を参照する。
図9及び
図10に示すように、タイヤ99のエアーノズル9内には、バルブコアアセンブリ91が設けられる。バルブコアアセンブリ91は、前接続座92、中空スリーブ93、バルブコア94、ばね95及びバルブ阻止リング96を有する。前接続座92の一端には、円形開口を有して弧形状に形成された係止ショルダ921が設けられ、前接続座92内には、流通孔922が形成される。中空スリーブ93は、一端に設けられた外ショルダ931と、他端に設けられたバルブプラグ932と、を有する。バルブコア94は、柱体であり、この柱体上には、間隔をおいて配列されたリブ941が複数形成される。ばね(第2ばね)95は、バルブコア94の柱体に嵌設され、その一端はバルブコア94のリブ941上に当接される。ばね95が嵌設されたバルブコア94は、外ショルダ931の一端から中空スリーブ93内に挿入され、ばね95の他端がバルブプラグ932に当接され、ばね95の外周が中空スリーブ93により取り囲まれる。バルブ阻止リング96は、前述したバルブコア94の柱体の一端上に嵌着される。ばね95、バルブコア94、バルブ阻止リング96が結合された中空スリーブ93は、前接続座92に結合される。即ち、前接続座92は、係止ショルダ921を利用して中空スリーブ93の外ショルダ931に係合される。バルブコア94の他端は、前接続座92の流通孔922から突出され、その他外力が付与されない状況下で、ばね95の弾性張力を利用し、バルブコア94に嵌設されたバルブ阻止リング96を、中空スリーブ93のバルブプラグ932に密着させて閉じる。
【0012】
図1及び
図9に示すように、使用者により噴出防止コネクタ5の螺合孔61が自動車用タイヤ99のエアーノズル9上に螺着されると、噴出防止コネクタ5のバルブ栓8が、まずタイヤ99のエアーノズル9内のバルブコア94に接触され、バルブコア94のバルブ阻止リング96が、元々詰めて接触されていた中空スリーブ93のバルブプラグ932から離れ(
図10を併せて参照する)、使用者が噴出防止コネクタ5の螺合孔61を自動車用タイヤ99のエアーノズル9上に完全に螺着させると、バルブ栓8にエアーノズル9のバルブコア94のコンタクト作用が働き、バルブ栓8が右方へ変位すると、ばね51が圧縮され、元々詰めて接触されていた当接台523と中空チャンバ520との交接箇所から阻止リング86が離れ、ピンロック52の中空チャンバ520が流通可能状態となる。このとき空気により押圧されたケミカルシーラントが、ベース7の流路73から円筒室70内に入り、バルブ栓8の拡張端部82の流通溝83を通過し、継続的にピンロック52の中空チャンバ520内に位置するバルブ栓8の流通凹溝85、当接パッド54の流通口540及び螺合孔61を介し、最終的にエアーノズル9内の前接続座92の流通孔922、中空スリーブ93及び中空スリーブ93のバルブプラグ932から破損したタイヤ99内に進入する。このように本発明は、ケミカルシーラントをタイヤ99内に注入してパンクの修理を行うことができる上、タイヤ圧が正常になるまで扁平したタイヤ99内に気体を注入し続けることができる。
【0013】
上述したことから分かるように、本発明のタイヤのエアーノズル及び空気圧縮機のフレキシブル管に結合される噴出防止コネクタ構造は、使用者が操作を誤ったときにケミカルシーラントが突然噴出することを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0014】
1:ケース
2:シーラントボトル
4:直列接続フレキシブル管
5:噴出防止コネクタ
6:嵌合スリーブ
7:ベース
8:バルブ栓
9:エアーノズル
11:スイッチ
12:嵌着口
21:開口端
22:底壁
23:供給管
40:固定リング
41:第1の端部
42:第2の端部
51:ばね
52:ピンロック
53:シールリング
54:当接パッド
60:内室
61:螺合孔
62:突出ショルダ
70:円筒室
71:雄ねじ部
72:連結端
73:流路
74:段差部
75:凹環状部
76:当接ステップ
81:柱体
82:拡張端部
83:流通溝
84:首部
85:流通凹溝
86:阻止リング
91:バルブコアアセンブリ
92:前接続座
93:中空スリーブ
94:バルブコア
95:ばね
96:バルブ阻止リング
99:タイヤ
520:中空チャンバ
521:外周柱
522:ねじ孔
523:当接台
524:カット面
540:流通口
620:穿孔
921:係止ショルダ
922:流通孔
931:外ショルダ
932:バルブプラグ
941:リブ