(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】液体中の気泡形成を軽減するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20220516BHJP
G01N 35/00 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
G01N35/02 A
G01N35/00 C
(21)【出願番号】P 2020184185
(22)【出願日】2020-11-04
(62)【分割の表示】P 2018244230の分割
【原出願日】2013-12-27
【審査請求日】2020-11-20
(32)【優先日】2013-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391008788
【氏名又は名称】アボット・ラボラトリーズ
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ポール・ルオマ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・オークラネク
(72)【発明者】
【氏名】シェリル・エル・ダビッドソン
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー・ウェストン
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-017176(JP,A)
【文献】米国特許第05632399(US,A)
【文献】特開2006-349683(JP,A)
【文献】特開2005-140790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G01N 1/00- 1/44
G01N 33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬容器であって、
第1の側壁と、
第1の側壁の反対側の第2の側壁と、
第1の側壁と第2の側壁との間に延在し、第1の側壁と第2の側壁とに結合された第1の末端壁と、
第1の末端壁の反対側の第2の末端壁であって、第1の側壁と第2の側壁との間に延在し、第1の側壁と第2の側壁とに結合されている、第2の末端壁と、
第1の側壁および第2の側壁に結合された底壁と、
底壁から延在する第1のバッフルであって、試薬容器内の液体試薬が第1のバッフルと、第1の側壁
と、第2の側壁と
、第1の末端壁と、第2の末端壁との間を流れることができるように、第1の側壁
と、第2の側壁
と、第1の末端壁と、第2の末端壁とから離間している、第1のバッフルと、
底壁から延
在する第2のバッフルであって、試薬容器内の液体試薬が第2のバッフルと、第1の側壁
と、第2の側壁と
、第1の末端壁と、第2の末端壁との間を流れることができるように、第1の側壁
と、第2の側壁
と、第1の末端壁と、第2の末端壁とから離間している、第2のバッフルと、
第1の側壁および第2の側壁に結合されている、底壁の反対側の上壁と、
上壁に画定された開口部と
を備え、
開口部は、試薬容器から液体試薬を抽出するためのピペットを受け入れるように構成されており、
上壁の開口部は、第1のバッフルと第2のバッフルとの間に延在する
軸であって、第1のバッフルと第2のバッフルと平行な軸に沿って配置されている、試薬容器。
【請求項2】
底壁が、開口部と位置合わせされた円形凹部を有する、請求項1に記載の試薬容器。
【請求項3】
上壁は、上方に延在するスロートを含み、開口部は、スロートを通じて画定される、請求項1に記載の試薬容器。
【請求項4】
スロートに取り外し可能に結合されたキャップをさらに含む、請求項
3に記載の試薬容器。
【請求項5】
試薬容器は、診断分析装置の回転可能なカルーセルに結合されるように構成されたベースをさらに含み、
底壁は、ベースに結合されている、請求項1に記載の試薬容器。
【請求項6】
試薬容器は、液体試薬をさらに含み、
液体試薬は、試薬容器によって画定される容積の少なくとも90パーセントを満たす、請求項1に記載の試薬容器。
【請求項7】
試薬容器であって、
第1の側壁と、
第1の側壁の反対側の第2の側壁と、
第1の側壁と第2の側壁との間に延在し、第1の側壁および第2の側壁に結合されている第1の末端壁と、
第1の末端壁の反対側の第2の末端壁であって、第2の末端壁は、第1の側壁と第2の側壁との間に延在し、第1の側壁および第2の側壁に結合されている第2の末端壁と、
第1の側壁および第2の側壁に結合された底壁と、
底壁から延在している第1のバッフルであって、第1のバッフルは、試薬容器内の液体試薬が第1のバッフルと第1の側壁および第2の側壁との間を流れることができるように、第1の側壁および第2の側壁から離間しており、第1の末端壁から第1の距離だけ離間している第1のバッフルと、
底壁から延在している第2のバッフルであって、第2のバッフルは、試薬容器内の液体試薬が第2のバッフルと第1の側壁および第2の側壁との間を流れることができるように、第1の側壁および第2の側壁から離間しており、第2のバッフルは、第1の末端壁から第2の距離だけ離間しており、第2の距離は、第1の距離よりも長い、第2のバッフルと、
第1の側壁および第2の側壁に結合された、底壁の反対側の上壁と、
上壁に画定された開口部と
を備え、
開口部は、試薬容器から液体試薬を抽出するためのピペットを受け入れるように構成されており、
開口部は、第1の末端壁から第3の距離だけ離間されており、
第3の距離は、第1の距離よりも長く、第2の距離よりも短い、試薬容器。
【請求項8】
第1のバッフルがC字型断面を有し、第2のバッフルがC字型断面を有し、
第2のバッフルの凹面が、第1のバッフルの凸面に対面している、請求項7に記載の試薬容器。
【請求項9】
第2のバッフルのC字型断面が、第1のバッフルのC字型断面よりも大きい半径を有する、請求項8に記載の試薬容器。
【請求項10】
第1の側壁および第2の側壁は、試薬容器が第1の末端壁に向かって先細になるくさび形断面を有するように、互いに非平行である、請求項8に記載の試薬容器。
【請求項11】
第1のバッフルの凹面が、第1の末端壁に対面している、請求項10に記載の試薬容器。
【請求項12】
試薬容器であって、
第1の側壁と、
第1の側壁の反対側の第2の側壁と、
第1の側壁と第2の側壁との間に結合された第1の末端壁と、
第1の側壁と第2の側壁との間に結合された、第1の末端壁の反対側の第2の末端壁と、
第1の側壁、第2の側壁、第1の末端壁、および第2の末端壁に結合された底壁と、
第1の側壁、第2の側壁、第1の末端壁、および第2の末端壁に結合された、底壁の反対側の上壁と、
上壁に画定された開口部と、
を備え、
開口部は、試薬容器から試薬液体を抽出するためのピペットを受け入れるように構成されており、
上壁は、上壁の
下面から上方に延在する密閉キャビティを画定するクラウンを含み、
開口部は、試薬容器が回転すると、液体試薬がキャビティ内に流れることを可能にする、試薬容器。
【請求項13】
底壁から
延在するバッフルをさらに含む、請求項12に記載の試薬容器。
【請求項14】
バッフルは第1のバッフルであり、試薬容器は、底壁から
延在する第2のバッフルをさらに含む、請求項13に記載の試薬容器。
【請求項15】
開口部の中心軸が、第1のバッフルと第2のバッフルとの間に延在しており、
中心軸は、第1のバッフルと第2のバッフルと平行である、請求項14に記載の試薬容器。
【請求項16】
バッフルがC字型断面を有し、
バッフルの凹面側が第1の末端壁に対面し、
上壁の開口部が、第1の末端壁から第1の距離だけ離間した位置にあり、クラウンが第1の末端壁から第2の距離だけ離間した位置にあり、第2の距離が第1の距離よりも長い、請求項13に記載の試薬容器。
【請求項17】
クラウンは、
第1の末端壁に向かう第1のクラウン側壁と、
第2の末端壁に向かう第2のクラウン側壁と、
クラウン上壁の第1の端部で第1のクラウン側壁に結合され、且つ
クラウン上壁の第2の端部で第2のクラウン側壁に結合されたクラウン上壁と
を含み、
第1のクラウン側壁は、クラウン上壁と上壁の外面との間で角度をつけられている、請求項12に記載の試薬容器。
【請求項18】
クラウンがドーム型である、請求項12に記載の試薬容器。
【請求項19】
試薬容器であって、
第1の側壁と、
第1の側壁の反対側の第2の側壁と、
第1の側壁および第2の側壁に結合された底壁と、
第1の側壁および第2の側壁に結合された、底壁の反対側の上壁であって、
上壁は、上壁の
下面から上方に延在する密閉されたキャビティを画定するクラウンを含み、試薬容器が回転されると、試薬容器内の液体試薬がキャビティ内に流れることを可能にする、上壁と、
底壁から
延在するバッフルであって、クラウンの下に位置
するバッフルと
を備える、試薬容器。
【請求項20】
バッフルは、クラウンによって画定される密閉されたキャビティ内に延在していない、請求項19に記載の試薬容器。
【請求項21】
バッフルは第1のバッフルであり、試薬容器は、底壁から
延在する第2のバッフルをさらに含み、
第2のバッフルは、クラウンの下に位置合わせされていない、請求項19に記載の試薬容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的に流体分析装置に関し、より具体的には、液体中の気泡形成を軽減する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、診断目的のために患者から採取された生体物質を含む試料を分析するために使用される。一般的に、試料の分析は、液体容器内の1つ以上の試薬と試料を反応させることを伴う。いくつかの自動分析装置は、カルーセル上の容器内に試薬を保管する。特定の試薬が必要とされるとき、吸引/分注装置と隣接するように試薬を保持する容器を移動させるため、カルーセルは回転させられる。カルーセルは加速および減速によって動き、これは試薬を、液体中に気泡を形成させる可能性のある回転力を受けさせる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】複数の例示的容器を保持しており、例示的カルーセルの一部に結合されている、例示的カートリッジを示す図である。
【
図2】
図1の線A-Aに沿った、
図1の例示的カートリッジの第1の容器の断面図である。
【
図3】
図1の線A-Aに沿った
図1の例示的カートリッジの第2の容器の断面図である。
【
図4】例示的カートリッジが実質的に静止しているときの、
図1の線B-Bに沿った
図1の例示的カートリッジの側面断面図である。
【
図5】例示的カートリッジが回転しているときの、
図1の線B-Bに沿った
図1の例示的カートリッジの側面断面図である。
【
図6】所定時間にわたる
図1のカルーセル上の例示的カートリッジの速度を示すグラフである。
【
図7】本明細書に開示される代替例示的容器の上面断面図である。
【
図8】
図7の線C-Cに沿った
図7の例示的容器の斜視断面図である。
【
図9】本明細書に開示される例示的方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
図面のうちのいくつか、または図面の一部は、縮尺通りであるとは限らない。むしろ複数の層および領域を明確化するために、層の厚さは図面において拡大されているかも知れない。可能であればいつも、同じまたは類似の部分を示すために、図面および添付の明細書を通じて、同じ参照番号が使用される。本願にて使用される際に、いずれかの部分(たとえば層、フィルム、領域、またはプレート)がどうにかして別の部分上に位置決めされる(たとえば、位置決めされる、位置する、設けられる、または形成されるなど)と述べることは、参照された部分が別の部分と接触しているか、または参照された部分がその間に1つ以上の中間部分を介在させて別の部分の上にあることを、意味する。いずれかの部分が別の部分と接触していると述べることは、2つの部分の間に中間部分が存在しないことを意味する。
【0005】
本明細書に開示されるのは、たとえば臨床化学分析装置、免疫分析装置、および/または血液分析装置であってもよい、たとえば自動診断分析装置の容器内の液体試薬などの、液体中の気泡形成を軽減するための方法および装置である。自動診断分析装置に使用されるいくつかの試薬は、液体、および1つ以上の界面活性剤(たとえば、洗剤)を含む。自動診断分析装置は通常、軸を中心におよび/または揺動するように試薬容器または瓶を回転させ、回転、加速、および/または減速は容器の内容物に力を印加し、これは容器の内容物を撹拌する可能性がある。
【0006】
界面活性剤および/または試薬が撹拌されると、泡または気泡が生じる可能性がある。本明細書に開示される例示的容器は、液体中の気泡形成を軽減(たとえば、減少および/または実質的に最小化)するため、および容器が実質的に静止状態まで減速した後に液体を急速に安定させられるようにするために、バッフルを使用する。本明細書に開示されるいくつかの例示的バッフルは、容器の底壁から延在し、容器の側壁、末端壁、および上壁から離間している。いくつかの例において、バッフルはC字型であり、容器の回転軸に面した凹状部分を有する。
【0007】
本明細書に開示される例において、上壁はスロートおよびクラウンを画定する。例示的容器が回転すると、液体は、スロートに流入したり容器から流出したりすることなく、バッフルの周りを流れてクラウンに流入する。本明細書に開示されるいくつかの例において、容器は、多くの既知の容器構成よりも大きい空間利用を診断システム内に提供する、曲線的矩形形状を有する。その結果、本明細書に開示される例を用いて、分析装置は、多くの既知のシステムと比較して、より大きい充填容量および/またはより小さいサイズを有することができる。例示的容器は、多くの既知の容器構成を作製するために用いられる製造技術と比較して費用を低減する、たとえば射出成形および/またはレーザ溶接などの製造技術を用いて、作製されることが可能である。
【0008】
本明細書に開示されるのは、第1の側壁と、第1の側壁の反対側の第2の側壁とを有する試薬容器を含む、例示的装置である。例示的容器はさらに、第1の側壁および第2の側壁に結合された上壁を含む。例示的容器はまた、上壁の反対側の底壁も含み、底壁は第1の側壁および第2の側壁に結合されている。例示的容器はまた、底壁から延在する第1のバッフルも含む。例示的第1のバッフルは、第1の側壁、第2の側壁、および上壁から離間している。
【0009】
いくつかの例において、装置はまた、底壁から延在する第2のバッフルも含む。第2のバッフルは、第1の側壁、第2の側壁、上壁、および第1のバッフルから離間していてもよい。いくつかの例において、第1のバッフルは第1の高さを有し、第2のバッフルは第1の高さよりも高い第2の高さを有する。第1のバッフルおよび第2のバッフルは、装置の回転軸に対して半径方向に位置決めされてもよい。いくつかの例において、第1のバッフルはC字型断面を有する。
【0010】
いくつかの例において、上壁は、第1の部分および第2の部分を含む。第1の部分は底壁に対して第1の高さにあってもよく、第2の部分は底壁に対して第1の高さよりも高い第2の高さにあってもよい。いくつかの例において、上壁の第1の部分は開口を画定する。いくつかの例において、上壁の第2の部分はクラウンを画定し、液体は、装置が回転したときに、第1のバッフルの周りを流れてクラウンに流入することになる。
【0011】
いくつかの例において、装置はまたキャリアも含み、容器はキャリアに取り外し可能に結合されている。いくつかの例において、底壁は湾曲している。いくつかの例において、装置はまた、第1の湾曲末端壁、および第1の湾曲末端壁の反対側の第2の湾曲末端壁も含む。第1の末端壁および第2の末端壁は、第1の側壁および第2の側壁を結合してもよい。
【0012】
本明細書に開示される別の例示的装置は、底壁、底壁から片持ち固定された第1のバッフル、および底壁から片持ち固定された第2のバッフルを含む。例示的第1のバッフルは例示的第2のバッフルから離間しており、第1のバッフルおよび第2のバッフルは装置の回転軸に対して半径方向に位置決めされている。
【0013】
いくつかの例において、第1のバッフルは湾曲している。いくつかの例において、第1のバッフルはC字型断面を有し、C字型断面の凹状部分が装置の回転軸に対面するように配向されている。いくつかの例において、第2のバッフルはC字型断面を有し、第2のバッフルC字型断面の凹状部分が装置の回転軸に対面するように配向されている。
【0014】
本明細書に開示される別の例示的装置は、底壁、底壁に結合された第1の側壁、および側壁に結合された上壁を含む。例示的上壁は、第1の部分および第2の部分を有する。例示的第1の部分は底壁に対して第1の高さにあり、例示的第2の部分は底壁に対して第1の高さよりも高い第2の高さにある。例示的装置はまた、第1の高さおよび第2の高さとは異なる第3の高さを有する、第1のバッフルも含む。いくつかの例において、バッフルは底壁から延在する。いくつかの例において、第3の高さは第1の高さよりも高い。
【0015】
いくつかの例において、底壁、第1の側壁、および上壁はチャンバを画定し、上壁の第1の部分は、チャンバと流体連絡している開口を備える。
【0016】
いくつかの例において、第1のバッフルは第1の側壁から離間している。いくつかの例において、装置はまた第2の側壁も含み、第1のバッフルは第2の側壁から離間している。例示的装置はまた、第1の末端壁、および第1の末端壁の反対側の第2の末端壁も含んでよい。第1の末端壁および第2の末端壁は、第1の側壁および第2の側壁に結合されてもよい。いくつかの例において、第1のバッフルは、第1の末端壁および第2の末端壁から離間している。いくつかの例において、第1の末端壁に隣接する第1の側壁と第2の側壁との間の第1の距離は、第2の末端壁に隣接する第1の側壁と第2の側壁との間の第2の距離よりも短い。
【0017】
いくつかの例において、装置はまた第2のバッフルも含み、第1のバッフルおよび第2のバッフルは、装置の回転軸に対して半径方向に設けられている。いくつかの例において、第2のバッフルは底壁から延在する。いくつかの例において、第2のバッフルは、第1の高さ、第2の高さ、および第3の高さとは異なる第4の高さを有する。いくつかの例において、第4の高さは第1の高さよりも低く、第3の高さは第1の高さよりも高い。
【0018】
いくつかの例において、装置はまた、装置が静止しているときに第1の高さより低い位置に設けられてもよい、液体試薬も含む。いくつかの例において、液体試薬の一部は、例示的装置の回転の間、第1の高さと第2の高さとの間に設けられる。
【0019】
やはり本明細書に開示されるのは、回転軸を中心に容器を回転させるステップを含む例示的方法である。いくつかの例において、容器は底壁、底壁に結合された側壁、および底壁の反対側で側壁に結合された上壁を含む。例示的上壁は、第1の部分および第2の部分を含む。第1の部分は底壁に対して第1の高さにあってもよく、第2の部分は底壁に対して第1の高さよりも高い第2の高さにあってもよい。例示的第2の部分はクラウンを画定する。例示的容器はまた、底壁に結合されて、側壁および上壁から離間した、第1のバッフルも含む。例示的容器はさらに、液体を含む。例示的方法はまた、回転の間に第1のバッフルの周りで液体を移動させるステップ、および回転の間にクラウンによって画定された空間内に液体を移動させるステップも含む。
【0020】
いくつかの例において、液体中の気泡形成は、第1のバッフルの周りの液体の移動、およびクラウンによって画定された空間内への液体の移動によって、低減される。いくつかの例において、方法はまた、回転を停止するステップと、液体の一部を吸引するステップと、を含む。
【0021】
いくつかの例において、例示的方法は、実質的に絶えず変化する速度で容器を回転させるステップを含む。また、いくつかの例において、例示的方法は、経時的に非線形的に容器の速度を増加させるステップと、経時的に非線形的に容器の速度を低下させるステップと、を含む。
【0022】
別の例示的装置は、試薬を保持するためのチャンバを画定する容器を含む。例示的容器は、第1の側壁、第2の側壁、および上壁を含む。例示的装置はまた、チャンバ内に設けられたC字型断面を有する第1のバッフルも含む。例示的第1のバッフルの第1の部分は、液体中の気泡形成を軽減するためにチャンバ内の液体が第1のバッフルの周りで流れるようにするため、上壁、ならびに第1の側壁または第2の側壁のうちの少なくとも1つから、離間している。
【0023】
いくつかの例において、第1のバッフルの凹状部分は、容器の回転軸に対面することになる。いくつかの例において、上壁はクラウンを画定し、第1のバッフルはクラウンによって画定された空間内まで延在する。いくつかの例において、装置はまた、C字型断面を有する第2のバッフルも含み、第2のバッフルはチャンバ内に設けられている。例示的第2のバッフルの第2の部分は、第1のバッフル、上壁、ならびに第1の側壁または第2の側壁のうちの少なくとも1つから離間していてもよい。
【0024】
いくつかの例において、第1のバッフルおよび第2のバッフルは異なる高さである。いくつかの例において、第1のバッフルおよび第2のバッフルは、装置の回転軸に対して半径方向に位置決めされている。例示的装置はまた、第1の側壁および第2の側壁に結合された、第1の末端壁および第2の末端壁も含んでよい。第1のバッフルの第1の部分は、第1の末端壁および第2の末端壁から離間していてもよい。
【0025】
ここで図面を見ると、
図1は、診断分析装置のカルーセル102に結合された例示的カートリッジ100の斜視図である。図示される例において、カルーセル102は、その上にカートリッジ100が支持される、プラットフォーム104を含む。カートリッジ100は、手動で、ロボット装置によって、コンベヤを通じて、および/またはその他の装置および/または技術を通じて、プラットフォーム104に搬送され、および/またはその上に載置されてもよい。例示的カルーセル102の動作中、プラットフォーム104は、ひいてはカートリッジ100は、カルーセル102によって画定された実質的に円形の経路108に沿って、第1の回転軸106を中心に回転する。いくつかの例において、複数のカートリッジがプラットフォーム104に結合されている。
【0026】
いくつかの例において、プラットフォーム104は、カルーセル102によって画定された経路108に沿って移動しながら、周期的におよび/または非周期的に加速および減速する。図示される例において、経路108は実質的に円形である。別の例において、経路108は別の形状である。いくつかの例において、プラットフォーム104は、周期的にまたは非周期的に一方向に移動する。別の例において、プラットフォーム104は前後(たとえば、揺動)運動で移動する。たとえば、プラットフォーム104は、第1の方向(たとえば時計回り)に第1の距離だけ、また、次いで第1の方向と反対の第2の方向(たとえば反時計回り)に第2の距離だけ、繰り返し移動してもよい。いくつかの例において、第1の回転軸106を中心に旋回する間にプラットフォーム104上のカートリッジ100が前後運動で揺動するように、第1の方向に移動した距離は第2の方向に移動した距離よりも長くなっている。いくつかの例において、プラットフォーム104が第1の方向に移動した後、プラットフォーム104は、第2の方向に移動する前に、任意の時間にわたって実質的に静止している。いくつかの例において、カートリッジ100が経路108上の任意の位置に向かっておよびそこから離れて移動するように、第1の距離は第2の距離とほぼ同じである。その他の例は、別の動き方をする。
【0027】
図示される例において、カートリッジ100は、ベースまたはキャリア110、第1の容器112、および第2の容器114を含む。例示的キャリア110は、プラットフォーム104とともに回転するために、プラットフォーム104に結合されている。例示的キャリア110は、座部116、第1の末端壁118、第2の末端壁120、およびカバー122を含む。図示される例において、第1の容器112および第2の容器114のそれぞれの第1の末端124、126は座部116に結合され、第1の容器112および第2の容器のそれぞれの第2の末端127、128はカバー122に結合されている。
【0028】
図示される例において、第1の容器112および第2の容器114は、カルーセル102によって画定された経路108に対して半径方向に、キャリア110内に配置されている。図示される例において、第1の容器112は第1の末端壁118に隣接して設けられ、第2の容器114は第2の末端壁120に隣接して設けられている。いくつかの例において、第1の容器112および/または第2の容器114は、座部116に回転可能に結合されている。
【0029】
容器112、114の各々は、液体400、402(
図4)を保持するためのものである。いくつかの例において、液体400、402は、分析される試料、1つ以上の試薬、微粒子、および/または界面活性剤(たとえば、洗剤)を含む。例示的カバー122は、第1の容器112および第2の容器114へのアクセスをそれぞれ提供するために、第1の開口130および第2の開口132を含む。図示される例において、第1のキャップ134は第1の容器112に結合され、第2のキャップ136は第2の容器114に結合されている。第1のキャップ134および第2のキャップ136は、カートリッジ100が持ち上げられ、取り扱われ、操作され、搬送されるなどするとき、容器112、114の内容物が容器112、114から流れ出るのを防止する。いくつかの例において、キャップ134、136は、例示的カートリッジ100がカルーセル102上に設けられたときに容器112、114から切り離される。いくつかの例において、キャップ134、136は、例示的カートリッジ100がカルーセル102上に設けられる前に、容器112、114から切り離される。図示される例において、キャリア110は、人間(たとえば手動で)および/またはロボットによるカートリッジ100の把持、保持、持ち上げ、操作、および/または搬送を容易にするための、第1のハンドル138および第2のハンドル140を含む。
【0030】
図示される例において、第1のキャップ134および/または第2のキャップ136が第1の容器112および第2の容器114からそれぞれ取り外されることを可能にするために、第1のキャップ134は第1の開口130から出て延在し、第2のキャップ136は第2の開口132から出て延在する。第1のキャップ134および第2のキャップ136が取り外されると、液体は第1の容器112および第2の容器114の中に入れられ、および/またはこれらから出されてもよい。いくつかの例において、中の液面を判定するため、第1の容器112および/または第2の容器114内に液体を分注するため、および/またはこれらから液体を吸引するために、開口130、132を通じて第1の容器112および/または第2の容器114内にピペッタおよび/またはその他の装置が挿入される。以下により詳細に記載されるように、例示的第1の容器112および例示的第2の容器114は、液体400、402中の気泡形成を軽減(たとえば、減少および/または実質的に最小化)し、これによってピペッタおよび/またはその他の装置による正確な液面測定を可能にする。
【0031】
図2は、
図1の線A-Aに沿った
図1の例示的第1の容器112の断面図である。図示される例において、第1の容器112は、第1の流体チャンバ210を画定する、第1の側壁200、第2の側壁202、第1の末端壁204、第2の末端壁206、第1の底壁208、および第1の上壁408(
図4)を含む。例示的第1の容器112は、曲線的矩形断面形状を有する。図示される例において、第1の側壁200および第2の側壁202は、実質的に平面的であって平行である。例示的第1の末端壁204は、例示的第2の末端壁206の反対側にある。図示される例において、第1の末端壁204および例示的第2の末端壁206は、第1の側壁200および第2の側壁202を結合し、第1の容器112の中心長手軸から離れる方へ湾曲している。図示される例において、第1の側壁200と第2の側壁202との間の距離は、第1の末端壁204と第2の末端壁206との間の距離よりも短い。その他の例は、その他の断面形状(たとえば、円形、楕円形、矩形、正方形、多角形、くさび形など)を有する。
【0032】
図示される例において、第1の容器112は、第1の流体チャンバ210内に設けられた、第1のバッフル212、第2のバッフル214、第3のバッフル216、および第4のバッフル218を含む。その他の例は、その他の数のバッフル(たとえば、1、2、3、5、6など)を含む。図示される例において、第1のバッフル212、第2のバッフル214、第3のバッフル216、および第4のバッフル218は、第1の底壁208から第1の上壁408(
図4)に向かって延在する。いくつかの例において、バッフル212、214、216、218は、第1の底壁208から互いに対して実質的に平行に、または別途位置合わせされて延在する。いくつかの例において、バッフル212、214、216、218は、第1の底壁208から第1の上壁408(
図4)に向かって、カートリッジ100の回転軸106に対して実質的に平行に、または別途位置合わせされて延在する。図示される例において、バッフル212、214、216、218は、軸220に沿って例示的カートリッジ100の回転軸106に対して半径方向に位置決めされている。例示的バッフル212、214、216、218は、軸220に沿って互いに離間している。いくつかの例において、バッフル212、214、216、218は、実質的に等しい距離だけ互いに離間している。図示される例において、バッフル212、214、216、218は、およそ14から18ミリメートルだけ離間している。別の例において、バッフル212、214、216、218は、別の距離だけ互いに均等に離間している。いくつかの例において、バッフル212、214、216、218は、それぞれの隣接するバッフルから異なる距離だけ離間している。たとえば、第1のバッフル212および第2のバッフル214は第1の距離だけ離間してもよく、第2のバッフル214および第3のバッフル216は、第1の距離とは異なる第2の距離だけ離間していてもよい。
【0033】
例示的バッフル212、214、216、218はまた、第1の側壁200、第2の側壁202、第1の末端壁204、および第2の末端壁206からも離間している。図示される例において、バッフル212、214、216、218は、およそ1から2ミリメートルだけ第1の側壁200から離間している。例示的バッフル212、214、216、218はまた、およそ1から2ミリメートルだけ第2の側壁202からも離間している。このため、図示される例において、バッフル212、214、216、218は、第1の側壁200および第2の側壁202からほぼ等距離で位置決めされている。別の例において、バッフル212、214、216、218は、別の距離だけ第1の側壁200および/または第2の側壁202から離間している。また、いくつかの例において、バッフル212、214、216、218のうちの1つ以上は、バッフル212、214、216、218のうちの別のものとは異なる距離だけ第1のおよび第2の側壁200、202のうちの一方または両方から離間している。
【0034】
図示される例において、バッフル212、214、216、218は、第2の末端壁206に対面するそれぞれのチャネル222、224、226、228を画定する。このため、例示的カートリッジ100がカルーセル102上に設けられると、チャネル222、224、226、228は、カートリッジ100の回転軸106に対面する。図示される例において、バッフル212、214、216、218がC字型(たとえば、半円形)断面形状を有して、例示的バッフル212、214、216、218の凹状部分230、232、234、236がチャネル222、224、226、228を画定するように、バッフル212、214、216、218は湾曲している。図示される例において、バッフル212、214、216、218は、実質的に同じ断面形状およびサイズ(たとえば、曲率半径および断面弧長)を有する。別の例において、バッフル212、214、216、218は、別の断面形状(たとえば、三日月型、湾曲したU字型、角張ったU字型など)および/またはサイズを有する。また、いくつかの例において、バッフル212、214、216、218は、別のバッフル212、214、216、218のうちの1つ以上とは異なる形状を有する。以下により詳細に記載されるように、例示的バッフル212、214、216、218は、例示的第1の容器112の中の液体400、402中の気泡形成を軽減(たとえば、減少および/または最小化)する。
【0035】
図3は、
図1の線A-Aに沿った、
図1の例示的第2の容器114の断面図である。図示される例において、第2の容器114は、第2の流体チャンバ310を画定する、第3の側壁300、第4の側壁302、第3の末端壁304、第4の末端壁306、第2の底壁308、および第2の上壁418(
図4)を含む。例示的第2の容器114は、曲線的多角形断面形状(たとえば、くさび形)を有する。図示される例において、第3の側壁300および第4の側壁302は、実質的に平面的であって平行ではない。図示される例において、第4の末端壁306に隣接する第3の側壁300と第4の側壁302との間の第1の距離D1は、第3の末端壁304に隣接する第3の側壁300と第4の側壁302との間の第2の距離D2よりも短い。例示的第3の末端壁304は、例示的第4の末端壁306の反対側にある。図示される例において、第3の末端壁304および第4の末端壁306は、第3の側壁300および第4の側壁302を結合する。図示される例において、第3の末端壁304および例示的第4の末端壁306は、第2の容器114の中心長手軸から離れる方へ湾曲している。図示される例において、第3の末端壁304は、第4の末端壁306よりも大きい断面弧長を有する。その他の例は、その他の断面形状(たとえば、円形、楕円形、矩形、曲線的矩形、正方形など)および/またはサイズを有する。
【0036】
図示される例において、第2の容器114は、第2の流体チャンバ310内に設けられた、第5のバッフル312および第6のバッフル314を含む。その他の例は、その他の数のバッフル(たとえば、1、3、4、5、6など)を含む。図示される例において、第5のバッフル312および第6のバッフル314は、第2の底壁308から第2の上壁418(
図4)に向かって延在する。いくつかの例において、バッフル312、314は、第2の底壁308から互いに対して実質的に平行に延在する。いくつかの例において、バッフル312、314は、第2の底壁308から第2の上壁418(
図4)に向かって、カートリッジ100の回転軸106に対して実質的に平行に延在する。図示される例において、バッフル312、314は、軸220に沿って回転軸106に対して半径方向に位置決めされている。例示的第5のバッフル312は、軸220に沿って例示的第6のバッフル314から離間している。図示される例において、バッフル312、314は、およそ14から18ミリメートルだけ離間している。別の例において、バッフル312、314は、別の距離だけ互いに均等に離間している。
【0037】
図3の例示的バッフル312、314はまた、第3の側壁300、第4の側壁302、第3の末端壁304、および第4の末端壁306からも離間している。図示される例において、バッフル312、314は、およそ1から2ミリメートルだけ第3の側壁300から離間している。例示的バッフル312、314はまた、およそ1から2ミリメートルだけ第4の側壁302からも離間している。このため、図示される例において、バッフル312、314は、第3の側壁300および第4の側壁302からほぼ等距離で位置決めされている。別の例において、バッフル312、314は、別の距離だけ第3の側壁300および/または第4の側壁302から離間している。また、いくつかの例において、第5のバッフル312は第3の側壁300および/または第4の側壁302から第1の距離だけ離間しており、第6のバッフル314は第3の側壁300および/または第4の側壁302から、第1の距離とは異なる第2の距離だけ離間している。
【0038】
図示される例において、バッフル312、314は各々、第4の末端壁306に対面するチャネル316、318を画定する。このため、例示的カートリッジ100がカルーセル102上に設けられると、チャネル316、318はカートリッジ100の回転軸106に対面する。図示される例において、バッフル312、314がC字型(たとえば、半円形)断面形状を有して、例示的バッフル312、314の凹状部分320、322がチャネル316、318を画定するように、バッフル312、314は湾曲している。図示される例において、第5のバッフル312は、第6のバッフル314よりも大きい断面サイズ(たとえば、弧長および曲率半径)を有する。別の例において、バッフル312、314は、別の断面形状(たとえば、三日月型、湾曲したU字型、角張ったU字型など)および/またはサイズを有する。また、いくつかの例において、バッフル312、314の断面形状は一致しない。以下により詳細に記載されるように、例示的バッフル312、314は、例示的第2の容器114の中の液体402中の気泡形成を軽減(たとえば、減少および/または最小化)する。
【0039】
図4は、
図1の線B-Bに沿った例示的カートリッジ100の断面図である。図示される例において、第1の容器112は第1の液体400を収容し、第2の容器114は第2の液体402を収容する。図示される例において、第1の容器112は、第2の容器114とは異なる液体容積容量を有する。図示される例において、例示的第1の容器112の第1の流体チャンバ210の容積の90パーセントは第1の液体400で満たされ、したがって第1の容器112はおよそ75ミリリットルの第1の液体400を収容する。第2の容器114の例示的第2の流体チャンバ310の容積の90パーセントは第2の液体402で満たされ、したがって第2の容器114はおよそ47ミリリットルの第2の液体402を収容する。図示される例において、カートリッジ100は実質的に静止しており、したがって第1の液体400および第2の液体402は実質的に同位である(たとえば、第1の液体400および第2の液体402の第1の表面404および第2の表面406はそれぞれ実質的に水平である)。
【0040】
図示される例において、第1の容器112の第1の上壁408は、第1の側壁200、第2の側壁202、第1の末端壁204、および第2の末端壁206に結合されており、第1の末端壁204に隣接する第1の部分410および第2の末端壁206に隣接する第2の部分412を有する。図示される例において、上壁408は、第1の上壁408の第1の部分410が第1の底壁208から第1の高さまたは距離にあり、第1の上壁408の第2の部分412は第1の底壁208からの第1の高さまたは距離よりも小さい第2の高さまたは距離にあるように、階段状になっている。このため、例示的上壁408の第1の部分410は、第1のクラウン414を画定する。いくつかの例において、クラウン414はドーム型であってもよい。例示的第1の流体400が実質的に同位であるとき、第1の流体400と第1の上壁408の第1の部分410との間の空間の大きさは、第1の流体400と第1の上壁408の第2の部分412との間の空間の大きさよりも大きい。以下により詳細に記載されるように、第1のクラウン414は、例示的カートリッジ100が回転しているときに第1の液体400が流入する空間を提供する。
【0041】
図示される例において、第1の上壁408の第2の部分412は、第1のスロート416を含む。例示的第1のスロート416は、第1の流体チャンバ210と流体連絡している。図示される例において、第1のキャップ134は、第1のスロート416によって画定された開口417を被覆および/または封止するために、第1のスロート416に結合されている。例示的第1のキャップ134が取り外されると、試料および/または液体は、第1のスロート416を通じて第1の容器112から分注および/または排出(たとえば、吸引)されてもよく、第1のスロート416などを通じて第1の流体チャンバ210内まで延在する器具(たとえば、ピペッタ)を介して、第1の液体400の容積が判定されてもよい。
【0042】
図示される例において、第1のバッフル212および第2のバッフル214は、第1の底壁208と第1の上壁408の第1の部分410との間に位置決めされる。例示的第1のバッフル212および例示的第2のバッフル214は第3の高さであり、これは第1の上壁408の第1の部分410の第1の高さよりも低く、第1の底壁208に対する第1の上壁408の第2の部分412の第2の高さよりも高い。このため、第1のバッフル212および第2のバッフル214は、第1の底壁208から、第1の上壁408の第1のクラウン414によって画定された空間内まで、延在する。第1のバッフル212および第2のバッフル214は第1の上壁408と接触せず、このため図示される例の第1のバッフル212および第2のバッフル214は、第1の底壁208から片持ち固定される。
【0043】
図示される例において、第3のバッフル214および第4のバッフル216は、第1の底壁208と第1の上壁408の第2の部分412との間に位置決めされる。図示される例において、第3のバッフル216および第4のバッフル218は第4の高さにあり、これは第1の上壁408の第2の部分412の第2の高さよりも低い。第3のバッフル216および第4のバッフル218は第1の上壁408と接触せず、このため例示的第3のバッフル216および例示的第4のバッフル218もまた、第1の底壁208から片持ち固定される。図示される例において、第1のバッフル212および第2のバッフル214は、第1の底壁208から、第3のバッフル216および第4のバッフル216よりも遠くまで延在する。いくつかの例において、バッフル212、214、216、218は、第1の底壁208に対して別の高さである。また、図示される例において、第1の底壁208は、第1の容器112の流体容積容量を増加させるため、および/またはその死容積(たとえば、流体で満たされないため吸引に利用できない容積)を最小化するために、第1の上壁408(たとえば、上壁408に対して凹状である)から離れる方へ湾曲している。別の例において、第1の底壁208は別の形状である(たとえば、実質的に直線または平坦など)。
【0044】
例示的第2の容器114の第2の上壁418は、第2のクラウン422を画定する第3の部分420、および第2のスロート426を含む第4の部分424を含む。いくつかの例において、第2のクラウン422はドーム型である。図示される例において、例示的第2の上壁418の第3の部分420は第3の末端壁304に隣接しており、第4の部分424は第4の末端壁306に隣接している。図示される例において、第1の上壁418の第3の部分420が第2の底壁308から第1の高さにあり、第2の上壁418の第4の部分424は第2の底壁308からの第1の高さよりも低い第2の高さにあるように、第2の上壁418は階段状になっている。例示的第2の流体402が実質的に同位であるとき、第2の流体402と第2の上壁418の第3の部分420との間の空間の大きさは、第2の流体402と第2の上壁418の第4の部分424との間の空間の大きさよりも大きい。以下により詳細に記載されるように、第2のクラウン422は、例示的カートリッジ100が回転しているときに第2の液体402が流入する空間を提供する。
【0045】
図示される例において、例示的第2のスロート426は、第2の容器114の第2の流体チャンバ310と流体連絡している。図示される例において、第2の第1のキャップ133は、第2のスロート426によって画定された開口427を被覆および/または封止するために、第2のスロート426に結合されている。例示的第2のキャップ136が取り外されると、試料および/または液体は、第2のスロート426を通じて第2の容器114から分注および/または排出(たとえば、吸引)されてもよく、第2のスロート426などを通じて第2の流体チャンバ310内まで延在する器具(たとえば、ピペッタ)を介して、第2の液体402の容積が判定されてもよい。図示される例において、第2の底壁308は、例示的第2の容器114の流体容積容量を増加させるために、第2の上壁418から離れる方へ湾曲している(たとえば、第2の上壁418に対して凹状である)。別の例において、第2の底壁308はその他の形状である(たとえば、直線または平坦など)。
【0046】
図示される例において、第5のバッフル312および例示的第6のバッフル314は、第2の底壁308から片持ち固定される。図示される例において、第5のバッフル312および第6のバッフル314は、第2の底壁308と第2の上壁418の第4の部分424との間に位置決めされる。図示される例において、第4のバッフル312および第5のバッフル314は第4の高さにあり、第2の上壁418と接触しない。いくつかの例において、バッフル312、314は、第2の底壁308に対して別の高さである。
【0047】
図5は、例示的カートリッジ100が回転軸106を中心に回転しているときの、
図1の線B-Bに沿った、
図1から
図4の例示的カートリッジ100の断面図である。例示的カートリッジ100が回転軸106を中心に回転しているとき、遠心力が第1の液体400および第2の液体402を回転軸106から遠ざける。図示される例において、第1の容器112は、第1のクラウン414が第1のスロート416よりも回転軸106からさらに遠くに設けられるように、プラットフォーム104上に位置決めされる。同様に例示的第2の容器114は、第2のクラウン422が第2のスロート426よりも回転軸106からさらに遠くに位置決めされるように、プラットフォーム104上に位置決めされる。その結果、例示的カートリッジ100が回転すると、第1の液体400は、バッフル212、214、216、218の周りを流れて第1のクラウン414によって画定された第1の流体チャンバ210内の空間に流入し、第2の液体402は、バッフル312、314の周りを流れて第2のクラウン422によって画定された第2の流体チャンバ310内の空間に流入する。その結果、液体400、402は、第1の液体400の第1の表面404および第2の液体402の第2の表面406は水平に対して傾斜または角度が付いているが、例示的カートリッジ100がカルーセル102によって画定された経路108に沿って移動する際に第1の液体400および第2の液体402が第1のスロート416および第2のスロート426内にそれぞれ流入しないように、移動させられる。図示される例において、液体400、402の各々の一部は、例示的カートリッジ100の回転の間に第1の高さと第2の高さとの間に設けられる。加えて、第1のクラウン414内への第1のバッフル212および第2のバッフル214の伸長は、第1の容器112が回転させられて液体が第1のクラウン414内に設けられる際に、第1の容器112内の液体での気泡形成をさらに軽減するように、機能する。
【0048】
いくつかの例において、カートリッジ100が経路108に沿って移動する際に、カートリッジ100は周期的にまたは非周期的に加速および減速される。その結果、第1の液体400および第2の液体402は、第1のクラウン414および第2のクラウン422によって画定された空間の内外に、それぞれ流入および流出する。第1の容器112および第2の容器114の例示的バッフル212、214、216、218、312、314は、液体400、402がバッフル212、214、216、218、312、314の周りを流れる際に、液体400、402の流れ(たとえば、スロッシング)を減衰または低減する。その結果、バッフル212、214、216、218は、第1の液体400および第2の液体402中の気泡形成を軽減(たとえば、減少および/または最小化)する。いくつかの例において、カートリッジ100が静止状態まで減速したとき、第1の液体400および第2の液体402は、クラウン414、422によって画定された空間から、実質的に安定および/または同位位置(たとえば、第1の液体400および第2の液体402の表面404、406が、カートリッジ100が静止しているおよそ100から300ミリ秒以内に実質的に水平となるところ)まで流れる。
【0049】
図6は、経時的な例示的カートリッジ100の速度を示すグラフ600である。図示される例において、第1の時間t
1と第2の時間t
2との間で、例示的カートリッジ100は経路108に沿って第1の位置から第2の位置まで移動する。図示される例において、第1のおよび第2の位置は経路108に沿っておよそ180度離れており、第2の時間t
2は第1の時間t
1よりも1秒後である。このため、図示される例において、カートリッジ100は、1秒の間に例示的経路108の周りで180度移動する。別の例において、カートリッジ100は、1秒または別の時間の間に、別の角度だけ(たとえば45度、90度、360度など)移動する。
【0050】
図示される例において、カートリッジ100は第1の時間t1および第2の時間t2において静止状態(たとえば、実質的にゼロの速度)にある。このため、いくつかの例において、液体400、402は第1の時間t1において実質的に同位である。第1の時間t1から始まって、例示的カートリッジ100はおよそゼロの速度からピーク速度(たとえば、第1の時間t1と第2の時間t2との間のカートリッジ100の最大速度)まで加速し、その後ピーク速度からおよそゼロの速度まで減速する。図示される例において、例示的カートリッジ100はゼロの速度からピーク速度まで、およそ0.4秒の間に加速する。例示的カートリッジ100はその後、この例において、ピーク速度からゼロの速度まで、およそ0.6秒の間に減速する。このため、例示的カートリッジ100は、第1の位置から第2の位置までのカートリッジ100の移動の最初の40パーセントの間に加速し、移動の最後の60パーセントの間に減速する。図示される例において、第1の時間t1と第2の時間t2との間に、例示的カートリッジ100は実質的に一定の速度では移動しない。
【0051】
例示的カートリッジ100がピーク速度まで加速すると、第1の液体400は、バッフル212、214、216、218の周りを流れて、第1のクラウン414によって画定された第1の流体チャンバ210内の空間に流入し、第2の液体402は、バッフル312、314の周りを流れて、第2のクラウン422によって画定された第2の流体チャンバ310内の空間に流入する。その結果、液体400、402は、第1の液体400の第1の表面404および第2の液体402の第2の表面406は水平に対して傾斜または角度が付いているが、例示的カートリッジ100が第1の位置から加速する際に第1の液体400および第2の液体402が第1のスロート416および第2のスロート426内にそれぞれ流入しないように、移動させられる。
【0052】
例示的カートリッジ100がピーク速度から減速する際に、流体400、400はクラウン414、422によって画定された空間から流出し、第1の容器112および第2の容器114の例示的バッフル212、214、216、218、312、314は、液体400、402が第2の時間t2においてゼロの速度に接近および到達するに連れて、液体400、402の流れ(たとえば、スロッシング)を減衰または低減する。例示的バッフル212、214、216、218は、例示的カートリッジ100が第1の位置から第2の位置まで移動する際に、第1の液体400および第2の液体402中の気泡形成を軽減(たとえば、減少および/または最小化)する。その結果、カートリッジ100が第2の時間t2において第2の位置に到達し、その後静止状態になった後、第1の液体400および第2の液体402は、この例において第2の時間t2の後およそ100から300ミリ秒以内に、同位位置(たとえば、第1の液体400および第2の液体402の表面404、406が実質的に水平なところ)で安定する。こうして、バッフルは急速な安定化時間を促進する。安定化時間が速いほど、カートリッジ100を保持するカルーセル102は高速で回転できるようになり、これにより、これらの構成要素が組み込まれるシステムまたは分析装置はより高いスループットを実現できるようになる。高スループットは、研究室の生産性を向上させる。
【0053】
また、
図6に示されるように、運動曲線は平滑であって、目立ったジャークはない(たとえば、加速プロファイルの不連続を表す移行点を有する速度を用いて示されてもよい、加速/減速の変化率)。
【0054】
図7は、
図1の例示的カートリッジ100を実現するために使用されてもよい、本明細書に開示される別の例示的容器700の上面断面図である。図示される例において、容器700は、第1のチャンバ702および第2のチャンバ704を含む。例示的第1のチャンバ702は実質的に空となる(たとえば、液体で満たされない)。例示的第2のチャンバ704の容積の一部(たとえば、90パーセント)は、たとえば試薬、微粒子、1つ以上の界面活性剤(たとえば、洗剤)などの液体で満たされることになる。その他の例は、その他の形状を有する。
【0055】
例示的第2のチャンバ704は、第1の側壁706、第2の側壁708、第1の末端壁710、および第2の末端壁712によって画定される。例示的第1の末端壁710は、第2のチャンバ704から第1のチャンバ702を分離する。第1のチャンバ702は、第1の側壁706、第2の側壁708、第1の末端壁710、および第3の末端壁714によって画定される。図示される例において、容器700は曲線的矩形外周形状を有し、第2のチャンバ704は
図7の視点から実質的に曲線的矩形形状を有する。
【0056】
図示される例において、第1のバッフル716、第2のバッフル718、および第3のバッフル720は第2のチャンバ704内に設けられている。図示される例において、バッフル716、718、720はC字型であり、容器700がカートリッジ100を介してプラットフォーム104上に位置決めされたときにバッフル716、718、720の凹状部分722、723,724が回転軸106に対面するように配向される。例示的バッフル716、718、720は、互いに、および第2のチャンバ704を画定する壁706、708、710、712から、離間している。
【0057】
図8は、
図7の線C-Cに沿った例示的容器700の斜視断面図である。図示される例において、バッフル716、718、720は、容器700の底壁800から容器700の上壁802まで延在する。例示的バッフル716、718、720は上壁802と接触しない。図示される例において、バッフル716、718、720は、
図8の配向において底壁800から上壁802の下の第1の高さまで延在する。
【0058】
例示的上壁802は、第1の部分804、第2の部分806、および第3の部分808を含む。図示される例において、上壁802の第1の部分804および第3の部分808は、バッフル716、718、720の第1の高さよりも高い、底壁800に対する第2の高さにある。上壁802の例示的第2の部分806は、第1の高さおよび第2の高さよりも高い第3の高さを有するクラウン810を画定するために、第1の部分804および第3の部分808から段になっている。図示される例において、上壁802の第2の部分806は、第1の部分804と第3の部分808との間にある。図示される例において、第3の部分はスロート812を含み、これはキャップ814によって被覆および/または封止されている。キャップ814が取り外されると、試料および/または液体(たとえば、1つ以上の試薬、界面活性剤など)はスロート812を介して分注および/または吸引されてもよい。
【0059】
例示的容器700が経路108に沿って移動(たとえば、
図6のグラフ600に示されるように加速および減速)されると、第2のチャンバ704内に配置された液体816(たとえば、1つ以上の試薬、界面活性剤など)は、バッフル716、718、720の周りを流れ、スロート812を介して容器700から流出することなく、クラウン810によって画定された空間の内外に流入および流出する。例示的バッフル716、718、720は、液体816中の気泡形成を軽減(たとえば、減少および/または最小化)するため、および一旦例示的容器700が静止状態まで減速したとき液体816が急速に(たとえば、100から300ミリ秒以内に)安定できるようにするため、液体816の流れ(たとえば、スロッシング)を減衰する。
【0060】
図1から
図5の容器112、114の1つ以上の要素の全体または一部、ならびに
図7および
図8の容器700の要素は、別の容器のうちの1つの1つ以上の要素に加えて、またはこれらの代替として、使用されてもよい。
【0061】
例示的方法を表すフローチャートが、
図9に示される。例示的方法は
図9に示されるフローチャートを参照して記載されるものの、その他多くの方法が代わりに用いられてもよい。たとえば、ブロックの実行順が変更されてもよく、および/または記載されるブロックのいくつかが変更、削除、または組み合わせられてもよい。
【0062】
図9の例示的方法900は、たとえばカルーセル102の回転軸106などの回転軸を中心に容器(たとえば、第1の容器112)を回転させることによって開始される(ブロック902)。いくつかの例において、容器は、
図6の例示的グラフ600に示される加速または運動プロファイルを通じて、第1の位置から第2の位置まで移動する。回転の間、容器112内の液体はバッフルの周りで移動させられる(ブロック904)。たとえば、第1の容器112内の第1の液体400は、第1のバッフル212と第1の側壁200との間の空間、第1のバッフル212と第2の側壁202との間の空間、および/または第1のバッフル212と第1の上壁408との間の空間内を、流れる。バッフル212、214、216、218は、第1の液体400中の気泡形成を軽減(たとえば、減少および/または実質的に最小化)するために、第1の液体400の流れ(たとえば、スロッシング)を減衰する。
【0063】
例示的プロセス900はまた、容器の上壁のクラウン内に液体を発射または移動させるステップも含む(ブロック906)。たとえば、第1の容器112の液体400は、回転中に第1のクラウン414内に移動させられる。その結果、第1の液体400は、第1のスロート416内への流入および第1の容器112からの流出が防止される。例示的プロセス900はまた、容器の回転を停止するステップも含む(ブロック908)。いくつかの例において、バッフル212、214、216、218は、100から300ミリ秒で回転が停止した後に第1の液体400が安定できるようにする。プロセス900はまた、いくつかの例において、液体の一部を吸引するステップ(ブロック910)も含み、その後プロセス900は終了するか、または軸を中心に容器を回転させて再び開始してもよい(ブロック902)。
【0064】
特定の例示的方法、装置、および製造品が本明細書に開示されたものの、本願の適用範囲はこれらに限定されるものではない。反対に、本願は、本願の請求項の範囲に含まれる、すべての方法、装置、および製造物を網羅する。