(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】携帯型チェア
(51)【国際特許分類】
A47C 4/28 20060101AFI20220516BHJP
【FI】
A47C4/28 A
A47C4/28 B
(21)【出願番号】P 2020538143
(86)(22)【出願日】2019-01-14
(86)【国際出願番号】 US2019013511
(87)【国際公開番号】W WO2019140397
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-09-09
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519138232
【氏名又は名称】イエティ クーラーズ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィンターハルター、アンドルー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シエツコ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバーグ、エバン
(72)【発明者】
【氏名】サリバン、デレク ジー.
(72)【発明者】
【氏名】デローシュ、ドナルド エドワード
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-118214(JP,A)
【文献】特開2003-033260(JP,A)
【文献】登録実用新案第3046457(JP,U)
【文献】特開2003-159141(JP,A)
【文献】特開2001-078851(JP,A)
【文献】特開2013-244909(JP,A)
【文献】米国特許第06840574(US,B1)
【文献】中国実用新案第203493167(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0100688(US,A1)
【文献】特開2009-022498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 4/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の座面バーによって形成される座席座面であって、一対の鉛直脚によって引張力がかけられる座席座面と、
斜めに延びる一対の背もたれバーによって形成される背もたれと、
一対のクロスバーによって形成される前方フレームと、
後方クロスバーによって形成される後方フレームと、
一対のアームレストと
を備える折り畳みチェアであって、
前記座席座面及び前記背もたれが、サスペンション布地で形成され、前記サスペンション布地が、オーバーラップ部と、前記オーバーラップ部によって作られた中空部内に設置されるコアとを有し、前記中空部内の前記コアが、斜めに延びる前記一対の背もたれバーの上部に非対称に位置する切り欠き内に固定され、
前記鉛直脚の各々に、内側脚と外側脚とが設けられ、前記内側脚が、前記外側脚の中から入れ子式に伸長するように構成され、
前記鉛直脚の少なくとも一方に、前記外側脚を前記内側脚に係止するためのラッチが設けられ、前記ラッチが、ロッカーと突起とを備え、前記内側脚に形成されたスロットから外へ前記突起を回転させて出すように構成され、
前記ラッチが、前記突起を前記内側脚の前記スロット内に維持するための第1の付勢部材を更に備える、折り畳みチェア。
【請求項2】
前記サスペンション布地が、
第1の糸と、
第2の糸と、
熱可塑性のポリウレタンフィルムと
を更に備え、
前記第1の糸が、ポリマーであり、前記第2の糸が、前記第1の糸よりもエラストマー性が高く、
前記熱可塑性ポリウレタンフィルムが、前記第1の糸及び前記第2の糸にヒートプレスされた、請求項1に記載の折り畳みチェア。
【請求項3】
一対の座面バーによって形成される座席座面であって、一対の鉛直脚によって引張力がかけられる座席座面と、
斜めに延びる一対の背もたれバーによって形成される背もたれと、
一対のクロスバーによって形成される前方フレームと、
後方クロスバーによって形成される後方フレームと、
一対のアームレストと
を備える折り畳みチェアであって、
前記座席座面及び前記背もたれが、サスペンション布地で形成され、
前記鉛直脚の各々に、内側脚と外側脚とが設けられ、前記内側脚が、前記外側脚の中から入れ子式に伸長するように構成され、前記鉛直脚の少なくとも一方に、前記外側脚を前記内側脚に係止するためのラッチが設けられ、前記ラッチが、ロッカーと突起とを備え、前記内側脚に形成されたスロットから外へ前記突起を回転させて出すように構成され、
前記背もたれが、前記背もたれを展開位置又は引張位置に維持するように構成されたテンショナを含み、前記テンショナが、後方テンショナハンドルと、一対の後方テンショナアームとを備える、折り畳みチェア。
【請求項4】
前記背もたれサスペンション布地が、オーバーラップ部と、前記オーバーラップ部によって作られた中空部内に設置されるコアとを有し、
前記サスペンション布地が、
第1の糸と、
第2の糸と、
熱可塑性のポリウレタンフィルムと
を更に備え、
前記第1の糸が、ポリマーであり、前記第2の糸が、前記第1の糸よりもエラストマー性が高く、
前記熱可塑性ポリウレタンフィルムが、前記第1の糸及び前記第2の糸にヒートプレスされた、請求項3に記載の折り畳みチェア。
【請求項5】
前記中空部内の前記コアが、斜めに延びる前記一対の背もたれバーの上部に非対称に位置する切り欠き内に固定される、請求項4に記載の折り畳みチェア。
【請求項6】
前記テンショナが、少なくとも1つの内部ストッパと、複数の回転軸点とを更に備える、請求項3に記載の折り畳みチェア。
【請求項7】
ユーザが、前記テンショナがオーバーセンター点を越えて前記内部ストッパに接触するまで前記後方テンショナハンドルに対して下方向の力を徐々に強めるように加えると、前記テンショナが、前記引張位置に移動するように構成され、
前記サスペンション布地のみによって、前記テンショナが前記引張位置に留められる、請求項6に記載の折り畳みチェア。
【請求項8】
ユーザが、前記テンショナがオーバーセンター点を越えて前記引張位置から折畳位置に解放されるまで前記後方テンショナハンドルに対して上方向の力を徐々に強めるように加えると、前記テンショナが、前記引張位置から解放されるように構成された、請求項6に記載の折り畳みチェア。
【請求項9】
前記テンショナが、更に、前記テンショナ内部の面と前記テンショナアームの一方との間に安全間隙を備える、請求項3に記載の折り畳みチェア。
【請求項10】
前記テンショナアームの各々が、テンショナ収納部に画成されたスロット内を誘導されるカムを有し、前記スロットが、前記テンショナの解除中、前記テンショナアームの移動を制限して前記安全間隙を維持する、請求項9に記載の折り畳みチェア。
【請求項11】
前記テンショナが前記引張位置にあるとき、前記一対のテンショナアームが、その下側に180度よりも大きい角度を形成し、その上側に180度よりも小さい角度を形成する、請求項3に記載の折り畳みチェア。
【請求項12】
前記テンショナが、前記テンショナアームを受けるための一対の回転軸を有する収納部を画成し、
前記一対の回転軸が、ユーザに露出しないように前記収納部の内部に位置する、請求項3に記載の折り畳みチェア。
【請求項13】
前記ハンドルが、前記テンショナから上方向に延出する、請求項3に記載の折り畳みチェア。
【請求項14】
前記サスペンション布地のみによって、前記テンショナが前記引張位置に留められる、請求項9に記載の折り畳みチェア。^
【請求項15】
一対の座面バーによって形成される座席座面であって、一対の鉛直脚によって引張力がかけられる座席座面と、
斜めに延びる一対の背もたれバーによって形成される背もたれと、
一対のクロスバーによって形成される前方フレームと、
後方クロスバーによって形成される後方フレームと、
一対のアームレストと
を備える折り畳みチェアであって、
前記座席座面及び前記背もたれが、サスペンション布地で形成され、
前記背もたれサスペンション布地が、オーバーラップ部と、前記オーバーラップ部によって作られた中空部内に設置されるコアとを有し、前記中空部内の前記コアが、斜めに延びる前記一対の背もたれバーの上部の非対称な切り欠き内に固定され、
前記サスペンション布地オーバーラップ部が、第1の糸と、第2の糸と、熱可塑性のポリウレタンフィルムとを更に含み、前記第1の糸が、ポリマーであり、前記第2の糸が、前記第1の糸よりもエラストマー性が高く、前記熱可塑性ポリウレタンフィルムが、前記第1の糸及び前記第2の糸にヒートプレスされ、
前記鉛直脚の各々に、内側脚と外側脚とが設けられ、前記内側脚が、前記外側脚の中から入れ子式に伸長するように構成され、前記鉛直脚の少なくとも一方に、前記外側脚を前記内側脚に係止するためのラッチが設けられ、前記ラッチが、ロッカーと突起とを備え、前記内側脚に形成されたスロットから外へ前記突起を回転させて出すように構成され、
前記背もたれが、前記背もたれを展開位置又は引張位置に維持するように構成されたテンショナを含む、折り畳みチェア。
【請求項16】
前記テンショナが、一対の弓状スロットと、各々が突起を有する一対のアームとを備え、前記弓状スロットが、前記一対のアームと収納部内部の面とが前記テンショナ上に安全間隙を画成するように、前記一対のアームの移動を制限する、請求項15に記載の折り畳みチェア。
【請求項17】
前記サスペンション布地が、前記テンショナを前記引張位置に維持する、請求項15に記載の折り畳みチェア。
【請求項18】
前記テンショナが、一対のストッパを更に備え、前記サスペンション布地が単独で前記一対のアームを前記一対のストッパに対して付勢する、請求項1
6に記載の折り畳みチェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2018年1月12日に出願された米国特許仮出願62/617,160及び2018年3月5日に出願された米国特許仮出願62/638,879の利益を主張するものであり、これらの出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
折り畳みチェアは、着座の選択肢として非常に人気がある。このようなチェアは、観戦スポーツのサイドライン外から森林でのキャンプまで、あらゆる場所で使用されうる。折り畳みチェアは、大部分の人々にとって手頃な価格であるが、価格が手頃ということは、チェアの構造に必ずしも最良の材料が使用されていないということを意味することがよくある。幾つかの例において、ユーザは、折り畳みチェアをユーザの肩に吊り下げて、持ち運ぶことができる。また幾つかの例では、折り畳みチェアは、その座面に所定の圧力点があることがあり、ユーザにとって座り心地が悪いということがあり得る。加えて、折り畳みチェアを開いた位置に保つために、ユーザの体重を必要とする折り畳みチェアもある。例えば、ユーザがチェアから立ち上がりチェアを移動させようとすると、チェアはぎこちなく折り畳まれてしまうかもしれない。また、所定のチェアは、時間と共に色や外観が褪せてしまう特定の布地を有するかもしれない。
【発明の概要】
【0003】
ここでは、以下の実施形態において更に記載される、簡略化した本開示に関する幾つかの一般概念の概説を提供する。ここは本発明の主要な特徴や必須の特徴を特定することを意図するものではない。
【0004】
本開示の側面は、折り畳みチェア及び折り畳みチェア用の係止機構に関する。
【0005】
幾つかの実施例において、折り畳みチェアは、一対の座面バーによって形成される座席座面を含んでもよい。座席座面は、一対の鉛直脚によって引張力がかけられてもよい。幾つかの実施例において、折り畳みチェアは、斜めに延びる一対の背もたれバーによって形成される背もたれを含んでもよい。他の実施例において、折り畳みチェアは、一対のクロスバーによって形成される前方フレームと、後方クロスバーによって形成される後方フレームとを含んでもよい。また他の実施例において、折り畳みチェアは、一対のアームレストを含んでもよい。他の実施例において、座席座面及び背もたれは、サスペンション布地で形成される。幾つかの実施例において、サスペンション布地は、第1の糸と、第2の糸と、熱可塑性のポリウレタンフィルムとで構成されてもよい。他の実施例において、第1の糸は、ポリマーであってもよく、第2の糸は、第1の糸よりもエラストマー性が高くてもよく、熱可塑性ポリウレタンフィルムは、第1の糸及び第2の糸にヒートプレスすることができる。
【0006】
幾つかの構成において、折り畳みチェアは、下側脚又は下側筒及び上側脚又は上側筒が設けられた鉛直脚を含んでもよい。この内側脚又は内側筒は、外側脚又は外側筒の中から入れ子式に伸長するように構成される。更に他の実施例において、鉛直脚の少なくとも一方に、外側脚を内側脚に係止するためのラッチが設けられる。また他の実施例において、ラッチは、ロッカーと突起とを含み、内側脚に形成されたスロットから外へこの突起を回転させて出すように構成される。他の実施例において、背もたれは、背もたれを展開位置に維持するためのテンショナを含んでもよい。幾つかの実施例において、テンショナは、一対の連結部と、この一対の連結部を引張位置に保持するように構成されたインサートとを含んでもよい。他の実施例において、背もたれは、背もたれを展開位置又は引張位置に維持するように構成されたテンショナを含んでもよく、テンショナは、後方テンショナハンドルと、一対の後方テンショナアームとを更に備えてもよい。
【0007】
また他の構成において、折り畳みチェアは、突起を内側脚のスロット内に維持するように構成された第1の付勢部材を更に含むラッチを含む。他の実施例において、折り畳みチェアは、連結部のための一対の回転軸と、連結部が引張位置にあるときに、この連結部に位置する切り欠きを受けるための一対のピンとをもつテンショナを含む。別の実施例において、テンショナは、解除機構も含み、この解除機構は、上述の一対のピンを受けるための一対の斜めスロットを更に含む。斜めスロットは、ユーザが解除機構を押すと、ピンが、それを受けていた切り欠きから離れて連結部を回転させて背もたれへの引張力が解消されるように、角度がつけられていてもよい。
【0008】
幾つかの実施例において、折り畳みチェアは、第2の付勢要素を受けるように、また、インサートに係合するように構成されたフランジを含む座面を含み、このベーシング要素は、フランジを介して、インサートを解除位置に設置する。他の実施例において、受ける切り欠きは、連結部の互いに近接する端部に位置する。他の実施例において、斜めスロットは、テンショナの下部によって定められる平面から約45度の角度で配置される。更に他の実施例において、斜めスロットは、解除機構上に対称に設置される。他の実施例において、インサートは、一対のインサートスロットを含み、インサートスロットは、ピンを受けるように構成され、インサートの内側寄りに位置し、回転軸は、インサートスロットの外側に位置してもよい。幾つかの実施例において、インサートは、一対の連結部のピンを受けるためのスロットを含んでもよく、切り欠きは、一対の連結部の少なくとも一方にあるボスを受けるように構成されてもよく、ユーザは、解除機構を摺動させてテンショナを解除してもよい。
【0009】
他の実施例において、後方テンショナは、少なくとも1つの内部ストッパと、複数の回転軸点とを含んでもよい。また他の実施例において、後方テンショナは、更に、後方テンショナハンドルの底部と後方テンショナアームとの間に安全間隙を含んでもよい。別の実施例において、テンショナは、更に、テンショナ内部の面と一方のテンショナアームとの間に安全間隙を備える。他の実施例において、各テンショナアームは、テンショナ収納部に画成されたスロット内を誘導されるカムを含む。そして、スロットは、テンショナの解除中、テンショナアームの移動を制限して安全間隙を維持する。また他の実施例において、テンショナは、テンショナアームを受けるための一対の回転軸を有する収納部を画成し、一対の回転軸は、ユーザに露出しないように収納部の内部に位置する。幾つかの実施例において、ユーザが、テンショナがオーバーセンター点を越えてストッパに接触するまで後方テンショナハンドルに対して下方向の力を徐々に強めるように加えると、テンショナは、引張位置に掛止するように構成される。他の実施例において、ユーザが、テンショナがオーバーセンター点を越えて引張位置から折畳位置に解放されるまで後方テンショナハンドルに対して上方向の力を徐々に強めるように加えると、テンショナは、引張位置から解放されるように構成される。更に他の実施例において、テンショナが引張位置にあるとき、一対のテンショナアームが、その下側に180度よりも大きい角度を形成し、その上側に180度よりも小さい角度を形成する。所定の実施例において、テンショナは、サスペンション布地のみによって、引張位置に留められる。幾つかの実施例において、背もたれは、背もたれを展開位置又は引張位置に維持するように構成されたテンショナを含む。
【0010】
幾つかの実施例において、折り畳みチェアは、サスペンション布地で形成される背もたれを含んでもよく、このサスペンション布地は、その内部にコアを収容するオーバーラップ部を含んでもよい。他の実施例において、オーバーラップ部は、中空部を含み、コアは、この中空部内に設置される。オーバーラップ部の中空部内のコアは、斜めに延びる一対の背もたれバーの上部に非対称に位置する切り欠き内に固定されてもよい。他の実施例において、サスペンション布地は、第1の糸と、第2の糸と、熱可塑性のポリウレタンフィルムとで構成されてもよい。幾つかの実施例において、第1の糸は、ポリマーであってもよく、第2の糸は、第1の糸よりもエラストマー性が高くてもよい。また他の実施例において、熱可塑性ポリウレタンフィルムは、第1の糸及び第2の糸にヒートプレスされてもよい。所定の実施例において、テンショナは、一対の弓状スロットと、各々が突起又はリベットを有する一対のアームとを備え、弓状スロットは、一対のアームと収納部内部の面とがテンショナ上に安全間隙を画成するように、一対のアームの移動を制限する。幾つかの実施例において、テンショナは、一対のストッパを更に含んでもよく、サスペンション布地が単独で、この一対のストッパに対して一対のアームを付勢する。
【0011】
これら及びその他の各種特徴は、本明細書においてより詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
この特許ファイル又は出願ファイルには、少なくとも1つのカラー図面が含まれる。このカラー図面を含む特許又は特許出願公開のコピーは、要請と必要手数料の支払いを受けて、米国特許商標局により提供される。
【0013】
上記の(発明の概要)及び下記の(発明を実施するための形態)は、添付の図面と併せて考慮することで、よりよく理解されるだろう。図面において、同一又は類似の要素には、その符号が現れる全ての様々な図において、同様の符号を付している。
【0014】
【
図2】
図2は、折り畳みチェアの一例の異なる図を示す。
【
図3】
図3は、折り畳みチェアの一例の異なる図を示す。
【
図4】
図4は、折り畳みチェアの一例の異なる図を示す。
【
図5】
図5は、折り畳みチェアの一例の異なる図を示す。
【
図6】
図6は、折り畳みチェアの一例の異なる図を示す。
【
図7A】
図7Aは、前脚及びそれに関連する係止機構の一例の一部分の断面図を示す。
【
図7B】
図7Bは、前脚及びそれに関連する係止機構の一例の一部分の断面図を示す。
【
図13】
図13は、代替的な背もたれ係止機構をもつ別例のチェアの後面斜視図を示す。
【
図14】
図14は、一体型カップホルダが形成された別例の折り畳みチェアを示す。
【
図16A】
図16Aは、引張位置にある15Aの例の背もたれ係止機構の断面図を示す。
【
図16B】
図16Bは、解除位置にある15Aの例の背もたれ係止機構の断面図を示す。
【
図16C】
図16Cは、折畳位置にある15Aの例の背もたれ係止機構の断面図を示す。
【
図19A】
図19Aは、サスペンション布地をフレームに固定する取り付け方法を示す。
【
図19B】
図19Bは、サスペンション布地をフレームに固定する取り付け方法を示す。
【
図21A】
図21Aは、一体型カップホルダが形成された折り畳みチェアの別例と、背もたれ後方引張機構の一例とを示す。
【
図21B】
図21Bは、一体型カップホルダが形成された折り畳みチェアの別例と、背もたれ後方引張機構の一例とを示す。
【
図22A】
図22Aは、背もたれ後方引張機構をもつ、サスペンション布地を取り外した状態の折り畳みチェアのフレームの別例を示す。
【
図24A】
図24Aは、後方テンショナから後方テンショナカバーが分離された状態の、背もたれ引張機構後方テンショナを示す。
【
図24B】
図24Bは、本明細書に記載される背もたれ引張機構後方テンショナ及び後方テンショナカバーの別例を示す。
【
図24C】
図24Cは、本明細書に記載される背もたれ引張機構後方テンショナ及び後方テンショナカバーの別例を示す。
【
図24D】
図24Dは、本明細書に記載される背もたれ引張機構後方テンショナ及び後方テンショナカバーの別例を示す。
【
図25A】
図25Aは、ユーザが、後方テンショナハンドルを押し下げて、後方テンショナがオーバーセンター状態となって内部ストッパに当たるまでその力を強めることにより、後方テンショナが掛止する様子を示す。
【
図25B】
図25Bは、ユーザが、後方テンショナハンドルを押し下げて、後方テンショナがオーバーセンター状態となって内部ストッパに当たるまでその力を強めることにより、後方テンショナが掛止される様子を示す。
【
図26A】
図26Aは、テンショナを解放するまでユーザがハンドルを引き上げることにより、後方テンショナが解放される様子を示す。
【
図26B】
図26Bは、テンショナを解放するまでユーザがハンドルを引き上げることにより、後方テンショナが解放される様子を示す。
【
図27】
図27は、引張力がかかった状態の後方テンショナの断面を示す。
【
図28】
図28は、折畳位置にある後方テンショナの後面斜視図及び断面図を示す。
【
図29】
図29は、後方テンショナと後方テンショナアームとの間の間隙を示す。
【
図31A】
図31Aは、取り外し可能及び取り替え可能なカップホルダが形成された折り畳みチェアの別例を示す。
【
図31B】
図31Bは、取り外し可能及び取り替え可能なカップホルダが形成された折り畳みチェアの別例を示す。
【0015】
更に、図面は、1つの実施形態における異なる構成部品の縮尺を表すかもしれないが、開示の実施形態は、その特定の縮尺に限定されるものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本開示の一部をなす添付の図面を参照し、本開示の様々な例や構成部品を説明する。添付の図面には、例示の目的で、本開示の各側面を実行しうる様々な構造や環境の例が示される。なお、他の構造や環境を使用してもよいこと、また、具体的に説明する構造や方法を、本開示の範囲から逸脱することなく構造的及び機能的に変更してもよいことを理解されたい。
【0017】
図1~
図6に、チェアの一例を示す。チェア100は、座席底面102と、背もたれ104とを含んでもよい。一実施例において、座席底面102及び背もたれ104は、チェアが折り畳まれていない位置(展開位置)にある時に引張力がかかる、エラストマー性のサスペンション布地155で形成できる。ユーザがチェア100に座ると、この布地がユーザの体に沿って、圧力点を作らない座り心地のよい座面が作られる。また、座席底面102には、鉛直脚106によって引張力がかけられる。
【0018】
座席底面102は、上側布地155によって繋がった一対の座面バー150により形成される。一実施例において、下側布地155aには、コアを受けるスロットが設けられていて、このコアを、座面バー150に形成された溝内に設置することができる。背もたれは、斜め及び/又は平行に延びる一対の背もたれバー152によって形成できる。上側布地155は、コアを受けるスロットが設けられていて、このコアを、背もたれバー152に形成された非対称の溝内に設置することができる。背もたれバー152は、チェア100の正面の、鉛直脚106及び前方クロスバー142,144の下部まで延出することができる。所定の実施例において、チェアの布地を、UV抵抗性としたエラストマー性のサスペンション布地で形成することができ、これによりチェアの経時的色褪せが起きにくくなる。
【0019】
所定の実施例において、座席底面102のサスペンション材料及び/又は背もたれ104のサスペンション材料は、エラストマーであってもよい。他の実施例において、座席底面102のサスペンション材料及び/又は背もたれ104のサスペンション材料は、エラストマー特性をもつ糸で編んだ材料によって構成されてもよい。エラストマー特性は、引張力や重さなどの応力下(すなわち弾力性の上昇)で伸びて変形する能力を含む。負荷の応力が解消されたとき、エラストマー特性によって、サスペンション材料の元の形状への復帰と、クリープ及び/又は永久変形に抵抗する能力とが可能となる。一実施例において、
図33A及び33Bに示すように、サスペンション材料は、アクリルやポリマー及びその混合物で形成できる第1の糸300と、この第1の糸300よりもエラストマー性が高いエラストマー材料で形成できる第2の糸302とで形成できる。第2の糸のエラストマー特性によって、上述したサスペンション材料のエラストマー特性の提供が助けられうる。
【0020】
また他の実施例において、
図33Cに示すように、座席底面102のサスペンション材料及び/又は背もたれ104のサスペンション材料は、サスペンション材料の片側又は両側にヒートプレスされた熱可塑性のポリウレタンフィルム(TPU)304を含んでもよい。例えば、TPU304は、上述の糸を編んだ後に、その布地の上面、底面、又は両面に追加することができる。更に他の実施例において、座席底面102のサスペンション材料及び/又は背もたれ104のサスペンション材料は、第1のポリマー糸と第2の糸とを編んだものにヒートプレスされたTPUフィルムを含んでもよい。TPUフィルムをサスペンション材料にヒートプレスして追加すると、特定の用途において有利でありうる。例えば、TPUを追加することにより、材料を縫い合わせた後、糸抜けやほつれが起きにくくなる機械的接合が作られて、サスペンション材料の寿命が延びるかもしれない。幾つかの実施例において、TPUフィルムの厚さは、少なくとも、0.1mm、0.02mm、0.03mm、0.04mm、0.05mm、0.06mm、0.07mm、0.08mm、0.09mm、0.10mmの厚さがある。また他の実施例において、TPU層又はTPUフィルムを、第1及び第2の糸よりも融点が低いエラストマー材料に置き換えて、これらの糸を編んだ後に、このエラストマー材料をサスペンション布地にヒートプレスできるようにしてもよい。
【0021】
チェア100は、
図2及び
図5に示すように、前方クロスバー142,144によって形成される前方Xフレーム114を含むことができる。前方クロスバー142は、前方ブラケット142cによって接続される別体の前方連結部142a及び142bによって形成できる。同様に、チェア100は、後方クロスバー146及び148によって形成される後方Xフレーム145を含むことができる。後方クロスバー146は、後方ブラケット146cによって接続される別体の後方連結部146a及び146bによって形成できる。このチェア100は、
図1に示すように、一対のアームレスト112a,112bを含んでもよい。
【0022】
チェア100は、持ち運びと保管がし易くなるように、折りたためるように構成されている。
図7A及び
図7Bに、鉛直脚106の一例の断面図を示す。鉛直脚106は、下側の内側脚又は筒106aと、上側の外側脚又は筒106bとにより構成されている。チェア100が折り畳まれるにつれて、内側脚106aは、外側脚106bの中から入れ子式に伸長する。このように、内側脚106aが外側脚106bの中から出ると、前方連結部142a及び142bは、前方ブラケット142cを軸にして動き、前方連結部142a及び142bのそれぞれの端部が、互いに向かって移動する。同様に、チェアが折り畳まれると、後方クロスバー146の別体の後方連結部146a及び146bがブラケット146cを軸に動いて、連結部146a,146bのそれぞれの端部が互いに向かって移動する。これによりチェアは、側面視で長方形又は円筒形に折り畳まれた折畳状態となり、対応する側面視形状のバッグやケースにしまうことができる。一実施例において、折り畳まれた状態の側面視の長さは、背もたれバー152の長さとすることができる。
【0023】
図7、
図7A、及び
図7Bには、外側脚106bを内側脚106aに係止するラッチ110の一例も示される。内側脚106aは、スロット108を含むことができ、外側脚106bは、チェアが完全に開いた時に、このスロット108に配置されて外側脚106bを内側脚106aに係止させるラッチ110を含むことができる。ユーザがアームレスト112a,112bの前部を下方向に押すと、ラッチ110がスロット108内に係止される。ラッチ110は、内側脚106aが折畳位置に向かって外方向に入れ子式に伸長してしまわないよう防止する。鉛直脚106は、前方Xフレーム114の上部と下部とに取り付けられているので、Xフレーム114を展開して座席底面102を広げ、布地に引張力をかける。この実施例において、使用中にチェアが展開位置に維持されるように、チェアの両側にラッチ110を有してもよい。しかし、他の実施例において、1つのラッチのみ設けられてもよい。また、鉛直脚に、ラッチ110を解除するためのロッカー158を設けることができる。ラッチ110は、ロッカー158に頑丈に取り付けられ、ロッカー158を軸として動くようになっている。これにより、ロッカーがラッチ110を内側脚106aのスロット108の外へ移動させてラッチ機構を外して、内側脚106aが入れ子式に伸長してチェアが折り畳まれる。ロッカー158がラッチ110をスロット108内の所定の位置に保持するようにロッカー158を付勢するばね153が含まれていてもよい。鉛直脚のラッチを外すには、ユーザは、単にロッカー158の上部を押せばよい。内側脚106aの上端には、内側脚106aが外側脚106bの外に移動してしまうことを防止するストッパ160が設けられていてもよい。他の実施例において、外側脚106bを内側脚106aに係止するためのラッチ110は、部分的に、テレスコーピングクランプ、ボタンクリップ装置、簡易脱着ボールロックピン、ロックボタン、内部押圧ボタン、フリップレバークランプ等の装置で構成されていてもよい。
【0024】
一実施例において、内側脚106a及び外側脚106bは、アルミニウムや、その他の好適な、強度があり軽量な材料で形成することができる。ラッチ110は、強度及び耐食性をもたせるためにステンレス鋼、又は、プラスチック、ガラス充填材ナイロン、カーボンファイバやその他の剛性の複合材料や積層体などの、同様の特徴をもつその他の好適な材料で形成することができる。同様に、ロッカー158は、所定の例においては、強度をもたせるために、ガラス充填材ナイロン、プラスチック、カーボンファイバやその他の剛性の複合材料や積層体で作ることができる。
【0025】
一実施例において、センターハンドル120、2つのリンク119、インサート121の4つの別体の構成部品でできているオーバーセンターラッチ118によって、背もたれ104に引張力をかけることができる。オーバーセンターラッチ118は、
図12A1のチェアで見える。オーバーセンターラッチ118の斜視図を
図12A1に、断面図を
図12Cに、後面図を
図12Dに示す。オーバーセンターラッチ118は、ユーズがセンターハンドル120を押し下げることにより作動する。ラッチ118は、ユーザがセンターハンドル120を押し上げると外れる。ラッチ118は、布地を無理やり広げて布地に引張力をかけ、そしてラッチ118はオーバーセンターになってその幅を維持する。各リンク119の端部がインサート121の上部に接すると、ラッチの下方向の移動が停止する。
【0026】
オーバーセンターラッチを掛けるには、ユーザは、リンク119が後方Xフレーム146を無理やり外側に広げて背もたれ104における布地155に引張力がかかるように、単にハンドル120を下方向に押せばよい。オーバーセンターラッチ118を解除するには、ユーザは、リンク119によって布地155にかかる引張力が解放されるように、単にハンドル120を引き上げればよい。
【0027】
図13~
図13Cに、背もたれ104に引張力をかける別の方法を示す。この実施例では、ラッチ132が、リンク130a,130bを備えるツーバー連結部130で形成されている。リンク130a,130bは、ユーザがツーバー連結部130を接続するハンドル134を下方向に押してリンク130a,130bを一直線にさせると、ラッチする。ハンドル134は、インサート137を含むことができる。インサート137は、リンク130a上のピン139a,139bを受けるためのスロット137a,137bと、リンク130b上に位置するピン141を受けるためのスロット137cとを含む。インサート137は、リンク130b上に位置するカム又はボス170を受ける切り欠き143も含むことができる。ツーバー連結部130を係止して布地155に引張力をかけるためにリンク130aに対してインサート137を付勢する不図示のばねを凹部145に含めることができる。
【0028】
ユーザは、ハンドル134を押し下げてラッチ132を掛ける。これにより、リンク130a,130bが、一直線になるまで回転し、切り欠き143が、リンク130b上に位置するカム170に対して所定の位置で係止される。ラッチ132を外すには、ユーザは、ハンドル134を左方向に摺動させる。ハンドル134は、ラッチ132に直接取り付けられている。ハンドル134及びインサート137が左方向に動かされると、ハンドル134及びインサート137は、リンク130a上を摺動し、リンク130bに取り付けられたカム又はボスから外れる。これにより、リンク130bがリンク130aに対して回転し、チェアが折り畳まれる。
【0029】
図15A~
図18Bに、背もたれ104に引張力をかける別の方法を示す。これらの図面において、同一又は類似の機能を有する同一又は類似の要素には、その符号が現れる全ての各種図において、同様の符号を付している。この実施例において、ラッチ232は、リンク230a,230bを備えるツーバー連結部230で形成される。このリンク230a,230bは、ユーザがツーバー連結部230を接続するハンドル234を下方向に押してリンク230a,230bを一直線にすると、
図15Aに示すようにラッチする。ハンドル234は、ラッチを引張位置から解除するように構成されたラッチ解除機構235を含んでもよい。
【0030】
リンク230a,230bは、チェアの背もたれを展開位置又は座位位置に保持するように構成される。リンク230a,230bは、背もたれフレーム上で回転するように構成される。また、
図16A~
図16Cに示すように、リンク230a,230bは、インサート237上の回転軸261a,261bを中心に回転するように構成される。リンク230a,230bは、インサートのピン237a,237bを受けるための切り欠き247a,247bを含むこともできる。一実施例において、受ける切り欠き247a,247bは、リンク230a,230bのそれぞれの近接する端部に位置することができる。
【0031】
図16A~
図18Bにも示すように、ハンドル234は、内側ブラケット又はインサート237を含むことができる。インサート237は、ピン239a,239bを受けるためのスロット237a,237bを含む。スロット237a,237bは、インサートの内側寄りに位置することができる。インサート237は、リンク230a,230bを受けるためのスロット237a,237bよりも外側でインサート上に位置する一対の回転軸261a,261bも含むことができる。インサート237は、ラッチ機構235に当接するための突起259を含むこともできる。一実施例において、
図15Cに示すように、インサート237は、一対の板で形成することができる。
【0032】
再び
図16A~
図16Cを参照して、ラッチ解除機構235は、ばね257を支持するためのばね支持座部249を含むことができる。ばね支持座部249は、下側フランジ251を含む。フランジの上部は、ばね257を支持し、フランジの下部は、インサート237上の突起259に当接するように構成される。ラッチ解除機構235は、
図17A及び
図18Aに示す、一対の斜めスロット265を含んでもよい。一実施例において、斜めスロット265は、テンショナの下部によって定められる平面から約45度の角度で配置され、解除機構上に対称に設置することができる。
【0033】
ここで、
図16A~
図18Bに関連して、ラッチ232の動作を説明する。
図16Aは、引張位置のラッチ232を示す。引張位置において、ラッチ232は、チェアの背もたれを展開位置又は座位位置に保持する。ラッチ232を解除するには、ユーザは、単にラッチ解除機構235をばね257に抗して押し上げればよい。これにより、ラッチ232が解除位置にある
図16Bに示すように、斜めスロット235が、ピン239a,239bをリンク230a,230bの切り欠き247a,247bから離れる方向に引っ張る。背もたれが折り畳まれる時、リンク230a,230bは、回転軸261a,261bを中心に回転し続け、
図16Cに示す位置になる。チェアが展開位置に戻された時に、切り欠き247a,247bが再びピン239a,239bに係合して、リンク230a,230bを引張位置に保持するように、ばねは、ラッチ解除機構235をインサート237に対して継続的に付勢する。
【0034】
図19A及び
図19Bは、サスペンション布地380をフレーム又は押し出し成形品384に固定する技術を示す。この実施例において、布地380を、コア382に巻きつけて、布地380自体に重なるように折り返すことによりオーバーラップ部388を作ることができる。布地のオーバーラップ部388は、その後、超音波によって溶接することができる。オーバーラップ部388は、更に、布地を保持するのを助ける接着剤を含んでもよい。また他の実施例において、オーバーラップ部388は縫い合わせてもよい。そして、コア382を、フレーム384を構成する中空部又は円筒の中に入れることができる。所定の実施例において、フレームは、チェア、テーブル、シェルター、テント、スツールなどの多くの消費者製品に用いられうる。
【0035】
図20は、
図19Aの別の図を示し、サスペンション布地380をフレーム又は押し出し成形品384に固定する技術を示す。コア382は、フレーム又は押し出し成形品384を構成する中空部又は円筒に形成された非対称の切り欠き386の中に入れられる。布地380をコア382に巻き付けて、チューブ、フレーム、又は押し出し成型品384の中空部に形成された非対称に位置する切り欠き386の中に設置すると、この構成により、摩擦ばめが形成される。他の実施例において、布地380、コア382、及び非対称の切り欠き386は、サスペンション布地380をフレーム又は押し出し成形品384に固定するのを援助するために、接着剤を含んでもよい。非対称の切り欠き386は、押し出し成形品のどの点(すなわち、上部、側部、中間部等)においても対称ではないフレーム又は押し出し成形品384上の箇所にユニークに配置される。切り欠き386は、フレーム又は押し出し成形品384上に、「偏心して」非対称に位置しても又は配置されてもよい。中空フレーム384の頂点を時計の12時の位置とする場合、切り欠き386は、ちょうど又はおおよそ10時若しくは11時の位置又は1時若しくは2時の位置で、中空フレーム384の中に非対称に配置されてもよい。また他の実施例において、切り欠き386は、フレーム384内の対称位置に配置されてもよい。例えば、切り欠き386は、ちょうど又はおおよそ3時、6時、9時、又は12時の位置に配置されていてもよい。切り欠き386は、略半円形、略円形、又は略楕円形であってもよい。コア382は、軟質プラスチック、硬質プラスチック、布地、アルミニウム、木材、鋼、複合材、合金、又はその他の金属であってもよい。他の実施例において、コアは、剛性、半剛性、又は非剛性であってもよい。幾つかの実施例において、コアは、実質的にロッドや円柱のような形状であってもよい。また他の実施例において、プラスチック、ナイロン、発泡体、繊維を編んだもの、布地、アルミニウム、木材、鋼、複合材、合金、金属等から形成できるロッド又はコードを、コアとすることができる。
【0036】
非対称切り欠き386を介してサスペンション布地380をフレーム384に固定することは、サスペンションフレーム布地とフレームとの間の接続部を隠すことを助け、チェアの見た目をすっきりさせるだろう。また、非対称切り欠き386の配置を介してサスペンション布地380をフレーム384の外側部分に固定することにより、サスペンション布地380がフレーム384に接触する表面積が増えることもあり、機械的な利点が生まれる。このように生まれた機械的利点により、強度が高まり、サスペンション布地380がフレーム又は押し出し成形品384に対してより強固に固定される。また、非対称の切り欠きを使用することにより、布地に対する応力量が低減され、チェアの寿命が延びるかもしれない。特に、非対称の切り欠きは、布地とフレームとの接続部が、直接的な負荷から離れた位置になるように助ける。しかし、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする2017年5月23日に出願された米国特許仮出願15/602,841に記載のように、布地をフレームにオーバーモールドする等、布地をフレームに固定する方法は他にも考えられる。
【0037】
座面の引張機構及び背もたれの引張機構の両方により、チェアの使用中、ユーザが希望するまで、チェアは、その形状を保持し、折り畳まれてしまうことはない。
【0038】
図21~
図29は、背もたれを展開位置又は引張位置に維持するための後方テンショナを含んでもよい別の構成の引張機構をもつ折り畳みチェアを示す。一実施例において、
図22Aに示すように、後方テンショナ400は、背もたれ104に引張力をかけることができる。
図22Bに示すように、後方テンショナ400は、少なくとも2つの後方テンショナアーム430を含んでもよい。
【0039】
図23に、
図22Aの例の後方引張機構の拡大部品図を示す。一実施例において、
図23に示すように、後方テンショナ400は、ハンドル406の把持部分の下のハンドル及び収納部422と、後方テンショナアーム430aと、後方テンショナアーム430bと、後方テンショナキャップ404とを含んでもよい。後方テンショナキャップ404は、後方クロスバー146a及び148に接続されてもよい。後方テンショナキャップ404は、後方テンションを展開位置から引張位置に移動させるように軸回転するように構成される。他の実施例において、後方テンショナ400は、後方テンショナカバー402を含む。一実施例において、後方テンショナアーム430a及び430bは、アルムニウムやその他の好適な、強度があり軽量な材料で形成できる。後方テンショナ400、ハンドル406、及び収納部422は、所定の例において、強度をもたせるためのガラス充填材ナイロン、プラスチック、又はその他の複合材で作ることができる。
図24Aに示すように、後方テンショナカバー402を取り外すと、回転軸点408にアクセスできるようになっていてもよい。回転軸点408は、楕円形又は矩形のリザーバ412内に据えられる。後方テンショナカバー402は、リザーバ412と同様な形状となっている(すなわち、楕円形又は矩形である)。回転軸点408は、後方テンショナアーム430a及び430bを通るピン410を保持して、アームを後方テンショナ400に固定するように構成される。後方テンショナカバー402は、複数の柔軟フィンガを含み、リザーバ412を覆うように容易に後方テンショナ400に対してカチッと嵌まる。
【0040】
図24B~
図24Dは、別例の後方テンショナ500を示す。一実施例において、
図24Bに示すように、後方テンショナ500は、ハンドル506と、後方テンショナカバー502a及び502bとを含んでもよい。後方テンショナカバー502a及び502bは、リザーバ512と同様の形状(すなわち略楕円形又は略矩形)になっていてもよい。また他の実施例において、後方テンショナカバー502a及び502bは、後方テンショナカバー502の底部に構成された複数の柔軟フィンガ518を含む。柔軟フィンガ518もまた、リザーバ512を覆うように容易に後方テンショナ500にカチッと嵌まるようになっていてもよい。他の実施例において、後方テンショナカバー502a及び502bには、複数の上部タブ514が構成されていてもよい。上部タブ514は、上側凹部516に係合するように構成されていてもよい。他の実施例において、柔軟フィンガ518は、下側凹部520に係合するように構成されていてもよい。他の実施例において、上部タブ514を上側凹部516内に設置して、後方テンショナカバー502a及び/又は502bを下方向に回転させることにより、後方テンショナカバー502a及び502bを後方テンショナ500に取り付けてもよい。そして、
図24Dに示すように、柔軟フィンガ518を下側凹部520にカチッと嵌めて、後方テンショナカバー502a及び502bを後方テンショナ500に固定してもよい。所定の実施例において、柔軟フィンガ518を下側凹部520から外して(すなわちねじ回しやその他の装置を用いて)、それから上部タブ514を上側凹部516から外して、後方テンショナカバー502a及び502bを取り外すことによって、後方テンショナカバー502a及び502bを後方テンショナ500から取り外してもよい。
【0041】
一実施例において、後方テンショナ400を掛止させるには、ユーザは、後方テンショナハンドル406を下方向に押すだけである。これにより、後方Xフレーム146が、回転軸点408、ピン410、後方テンショナアーム430a及び430bによって無理やり外方向に広げられ、背もたれ104における布地155に引張力がかかる。ユーザは、後方テンショナ400がオーバーセンター状態になって少なくとも1つの内部のストッパ414に当たるまで、下方向の力を強める。後方テンショナを掛止又は解放させる際にユーザが指やその他の身体部位を怪我しないように、ストッパ414は、後方テンショナ400の内部にある。後方テンショナ400を解放させるには、ユーザは、掛止手順の逆を行い、ハンドル406を引き上げる。後方テンショナアーム430a及び430bがオーバーセンター状態で跳ね上がり後方テンショナ400が解放されるまでは、最初に大きな力が必要となり、そしてチェアは折り畳み構成となる。
【0042】
図27は、引張力がかかった後方テンショナの断面を示す。ユーザが適切な下方向の力を後方テンショナハンドル406にかけて後方テンショナ400がオーバーセンター状態になると、後方テンショナアーム430a及び430bの端部がストッパ414に係合する。後方テンショナ400が掛止されると、
図26Aに示すように、後方テンショナアーム430a及び430bの間に形成される角度は、180度よりも大きくなる。アーム430a及び430bは、ストッパ414に係合すると、ストッパ414の上接触面に対して略平行な位置となる。アーム430a及び430bは、回転軸点408及び後方テンショナ400に対して、ピン410によって固定される。
図28は、解放位置又は展開位置にある後方テンショナ400を示す。後方テンショナアーム430a及び430bは、後方テンショナが解放されて略折畳位置になると、ストッパ414の上接触面に対して略垂直となる。後方テンショナ400が解放されて略折畳位置になると、
図28に示すように、後方テンショナアーム430a及び430bの間に形成される角度は90度よりも小さくなり、後方テンショナアーム430a及び430bは略平行となる。
【0043】
他の実施例において、
図29に示すように、後方テンショナ400は、ハンドル406の下、後方テンショナ400の上部及び下側にそれぞれ、安全間隙416a及び416bを含む。間隙416bは、後方テンショナアーム430a及び430bと後方テンショナとの間にユーザの指がある場合に、アーム430がユーザの皮膚や指を挟んでしまわないような大きさになっている。幾つかの実施例において、間隙416bは、人の指や皮膚を挟んだり傷付けたりしないように、幅が少なくとも12mmとなっていてよい。他の実施例において、間隙416bは、幅が約12mmである。他の実施例において、下側の間隙416aは、幅が少なくとも5mmである。また他の実施例において、間隙416bの幅は、約5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、又は15mmであってもよい。幾つかの実施例において、テンショナが解放されると、上側の間隙416aによって、後方テンショナアーム430a及び430bがユーザの指を押し出すようになっている。テンショナが解放される時、後方テンショナアーム430a及び430bが移動することにより、人の指が間隙416aから無理やりに出されて、人の指や皮膚が押し潰されたり挟まれたりしないようになっている。また他の実施例において、ハンドル把持部の下のハンドル406収納部422の上壁を引き上げる又は高さを上げて、上側の安全間隙416aを広くすることにより、ユーザの手指が挟まることを防止してもよい。
【0044】
図30A~
図30Fは、後方テンショナ400の別例を示す。幾つかの実施例において、
図30A及び
図30Bに示すように、後方テンショナ400は、テンショナ収納部422内に、一対の弓状スロット420に係合するように構成された一対のスロットリベット、突起、又はカム418を含んでもよい。後方テンショナアーム又はアーム430a及び430bは、保持ピン410を介して後方テンショナに接続され、これにより、後方テンショナアームが後方テンショナ上で関節接続又は軸回転可能となる。
図30Cに一番よく示されるように、チェアが折畳位置にあるとき、リベット、カム、又は突起418は、後方テンショナアーム430a及び430bの移動を制限するストッパとなるスロット420の端部に移動する。
図30Cに示すように、安全間隙416aは、後方テンショナが折畳位置にあるとき、ユーザの指のための隙間を設ける。
図30D、
図30E、及び
図30Fに示すように、後方テンショナが伸長位置にありチェアのサスペンション材料に引張力がかかると、後方テンショナアーム430a及び430bの端部は、スロットリベット又は突起418とスロット420とに導かれ、ストッパ414に係合するように構成される。ストッパ414により、後方テンショナアーム430a及び430bがそれ以上移動することが阻止される。伸長位置において、サスペンション布地の弾性性質がテンショナアーム430a及び430bに対して働き、テンショナチューブ又はアーム430a及び430bの端部が、ストッパ414に対して付勢される。
【0045】
図31Aは、カップホルダ180付きの折り畳みチェアの別例を示す。他の実施例において、折り畳みチェアは、チェアの一方の側から他方の側へ逆にできる又は入れ替えることができる取り外し可能のカップホルダ180を含んでもよい。つまり、カップホルダ180は、アームレスト112Aから112Bへ、またその反対に、取り替えてもよい。幾つかの実施例において、
図31Bに示すように、取り外し可能のカップホルダ180は、
図31Aに示すようにカップホルダクリップ182に取り付けられるカップホルダ支持部184を更に含んでもよい。カップホルダ支持部184は、上下逆さまのU字状であってもよく、カップホルダクリップ182にスライド装着させてもよい。所定の実施例において、カップホルダ支持部184は、安定性を提供しカップホルダクリップ182に係合するように構成された複数のガイド186及びバッキング188を含んでもよい。ガイド186は、カップホルダクリップ182に形成された1以上の窪みの中にスライドさせて、カップホルダ180をカップホルダクリップ182に固定させてもよい。ガイド186は、弾性があり、チェアにカップホルダ180を留めるために、カップホルダクリップ182に形成された1以上の窪み内に付勢されるように構成されてもよい。しかし、カップホルダ180をチェアフレームに固定する他の例として、バーブ継ぎ手、玉継ぎ手、ねじ継ぎ手、接着剤、面ファスナ、及びその他の既知の方法等の、他の摩擦式の嵌合及び機械的な締結等も考えられる。他の代替実施例において、
図14に示す例示的なチェアのように、カップホルダ180は、アームレスト112A及び/又は112Bと一体に形成される。
【0046】
幾つかの実施例において、カップホルダ支持部184は、カップホルダ180に縫い付けてもよいし、接着剤や溶接等、当業者に周知の技術で固定してもよい。また他の実施例において、カップホルダ支持部184は、カップホルダ180と一体に形成されてもよい。幾つかの実施例において、カップホルダクリップ182は、チェアの左側又は右側の鉛直脚106上にあってもよい。また他の実施例において、折り畳みチェアは、鉛直脚106の各側に複数のカップホルダクリップ182を含んでもよい。更に他の実施例において、カップホルダ180は、キャンバス素材又はナイロン素材で構成されてもよい。また他の実施例において、カップホルダ180は、硬質成形プラスチックで構成されてもよい。
【0047】
本開示は、各種実施例を参照して、上記及び添付の図面に開示される。しかし、本開示が目的とすることは、本開示に関する様々な特徴や概念の例を提供することであり、本発明の範囲を限定することではない。関連技術の当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく上記の例に対して数々の変形や変更を加えてもよいことを認識するだろう。