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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】ワイパブレード装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/38 20060101AFI20220516BHJP
   B60S 1/46 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
B60S1/38 D
B60S1/46 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020538533
(86)(22)【出願日】2018-11-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2018080559
(87)【国際公開番号】W WO2019137649
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-07-10
(31)【優先権主張番号】102018200316.5
(32)【優先日】2018-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ラップ
(72)【発明者】
【氏名】ゴデリーヴェ クレーマー
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/034447(WO,A1)
【文献】特表2012-503566(JP,A)
【文献】特表2011-502876(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102005030972(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0263806(US,A1)
【文献】米国特許第07540061(US,B1)
【文献】国際公開第2004/054859(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02415645(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/38
B60S 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの軟らかいスポイラ構成部材(16a;16b;16c)と、少なくとも1つの硬いスポイラ構成部材(18a;18b;18c)とを有するスポイラユニット(14a;14b;14c)であって、前記硬いスポイラ構成部材(18a;18b;18c)は、ワイパブレード(42a)のばねレール用の収容領域(20a;20b;20c)を少なくとも部分的に形成する、スポイラユニット(14a;14b;14c)と、
噴霧ユニット(22a;22b;22c)と、
を備えた、ウィンドウワイパ(12a)用のワイパブレード装置であって、
前記噴霧ユニット(22a;22b;22c)は、前記硬いスポイラ構成部材(18a;18b;18c)に少なくとも部分的に一体成形された少なくとも1つの第1の通路エレメント(24a;24b;24c)を有していることを特徴とする、ワイパブレード装置。
【請求項2】
少なくとも部分的に一体成形された前記第1の通路エレメント(24a;24b;24c)は、前記噴霧ユニット(22a;22b;22c)の噴霧ノズルエレメント(26a;26b;26c)を少なくとも部分的に形成する、請求項1記載のワイパブレード装置。
【請求項3】
前記第1の通路エレメント(24a;24c)は、前記ばねレールの前記収容領域(20a;20c)の壁部(34a;34c)のみにより前記収容領域(20a;20c)と隔てられている、請求項2記載のワイパブレード装置。
【請求項4】
前記第1の通路エレメント(24a;24b;24c)は、管状の切欠きとして形成されており、前記ワイパブレード(42a)の上下方向(28a;28b;28c)に延びている、請求項1から3までのいずれか1項記載のワイパブレード装置。
【請求項5】
前記第1の通路エレメント(24a;24b;24c)は、前記ワイパブレード(42a)の上下方向(28a;28b;28c)に直交する方向で見たときに、前記ばねレールの前記収容領域(20a;20b;20c)に対して少なくとも部分的にオーバラップして配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のワイパブレード装置。
【請求項6】
前記第1の通路エレメント(24a;24b;24c)は、前記ワイパブレード(42a)の上下方向および長手方向に直交する方向(30a;30b;30c)で、前記ばねレールの前記収容領域(20a;20b;20c)に対して少なくとも部分的にずらされて配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のワイパブレード装置。
【請求項7】
前記軟らかいスポイラ構成部材(16a;16b;16c)は、前記噴霧ユニット(22a;22b;22c)の少なくとも1つの通路(32a;32b;32c)を少なくとも部分的に形成し、該通路(32a;32b;32c)は、前記第1の通路エレメント(24a;24b;24c)に直接に接続されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のワイパブレード装置。
【請求項8】
前記噴霧ユニット(22a;22b;22c)は、少なくとも1つの第2の通路エレメント(38a;38b;38c)を有していて、該第2の通路エレメント(38a;38b;38c)は、前記収容領域(20a;20b;20c)の、前記第1の通路エレメント(24a;24b;24c)とは反対の側(40a;40b;40c)に配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のワイパブレード装置。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載のワイパブレード装置(10a;10b;10c)を備えたワイパブレード。
【請求項10】
請求項9記載のワイパブレード(42a)を備えたウィンドウワイパ(12a)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
先行技術
既に、スポイラユニットと、噴霧ユニットとを備えた、ウィンドウワイパ用のワイパブレード装置であって、スポイラユニットが、少なくとも1つの軟らかいスポイラ構成部材と少なくとも1つの硬いスポイラ構成部材とを有していて、硬いスポイラ構成部材が、ばねレールのための収容領域を少なくとも部分的に形成する、ワイパブレード装置が提案されている。
【0002】
発明の開示
本発明は、スポイラユニットと、噴霧ユニットとを備えた、ウィンドウワイパ用のワイパブレード装置であって、スポイラユニットが、少なくとも1つの軟らかいスポイラ構成部材と少なくとも1つの硬いスポイラ構成部材とを有していて、硬いスポイラ構成部材が、ばねレールのための収容領域を少なくとも部分的に形成する、ワイパブレード装置を起点とする。
【0003】
噴霧ユニットが、硬いスポイラ構成部材に少なくとも部分的に一体成形された少なくとも1つの第1の通路エレメントを有していることが提案される。
【0004】
スポイラユニットは、好適には少なくとも2種の異なる材料、特に少なくとも2種の異なるプラスチックから形成されている。好適には、スポイラユニットの軟らかいスポイラ構成部材は、第1の材料、特に第1のプラスチックから形成されている。好適には、スポイラユニットの硬いスポイラ構成部材は、第2の材料、特に第2のプラスチックから形成されている。特に、第2の材料は、第1の材料よりも硬く、特により捩れ剛性である。好適には、スポイラユニットは、特に第1の材料と第2の材料とが纏められる共押出し成形法において製造されている。特に、軟らかいスポイラ構成部材と硬いスポイラ構成部材とは、材料結合式に互いに結合されていて、特に一体的に形成されている。軟らかいスポイラ構成部材は、好適にはスポイラ突起を形成する。このスポイラ突起は、特に、走行気流に基づいて、払拭すべき面、特にウィンドウガラスの方向に向けられている接触圧を形成するために設けられている。好適には、軟らかいスポイラ構成部材は、特にワイパブレード装置の主延在方向に沿って見て、非対称に形成されていてもよい。対象物の「主延在方向」とは、特に、対象物を辛うじて完全に取り囲む最小の幾何学的な直方体の最も長いエッジに対して平行に延びる方向であると理解すべきである。軟らかいスポイラ構成部材は、好適には、走行気流に基づいて接触圧を形成するために設けられている。ばねレール用の収容領域は、特に硬いスポイラ構成部材内の切欠きとして形成されている。好適には、収容領域は多角形の、特に方形の横断面を有している。好適には、収容領域は、ワイパブレード装置の主延在方向に沿って、少なくともほぼワイパブレード装置の全延在長さに沿って延在している。収容領域は、好適には、ワイパ条片を少なくとも部分的に収容するために設けられている。「設けられている」とは、特に特別に設計されている、かつ/または構成されていることであると理解すべきである。対象物が特定の機能のために設けられているとは、特に、対象物がこの特定の機能を少なくとも使用状態および/または運転状態において満たし、かつ/または実施することであると理解すべきである。
【0005】
噴霧ユニット、特に噴霧ユニットの第1の通路エレメントは、好適には、洗浄流体、特にウォッシャ液を吐出および/またはガイドするために設けられている。好適には、噴霧ユニットは、複数の第1の通路エレメントを有している。複数の第1の通路エレメントは、好適にはワイパブレード装置の主延在方向に沿って、特に互いに対して等間隔に配置されている。好適には、第1の通路エレメントは、管状の切欠きとして形成されている。特に、第1の通路エレメントは、硬いスポイラ構成部材内に部分的に配置されていて、好適には完全に硬いスポイラ構成部材内に配置されている。好適には、第1の通路エレメントの少なくとも吐出開口が、完全に硬いスポイラ構成部材内に配置されている。
【0006】
ワイパブレード装置の本発明による構成により、有利には、特に形状安定の第1の通路エレメントを備えたワイパブレード装置を提供することができる。有利には、この第1の通路エレメントは、少なくともほぼ閉塞耐性に、特に石灰沈着耐性に形成することができる。有利には、洗浄流体の特に正確な吐出を可能にする省メンテナンスのワイパブレード装置を提供することができる。
【0007】
さらに、少なくとも部分的に一体成形された第1の通路エレメントが、噴霧ユニットの噴霧ノズルエレメントを少なくとも部分的に形成することが提案される。好適には、少なくとも部分的に一体成形された全ての第1の通路エレメントが、噴霧ユニットの噴霧ノズルエレメントを少なくとも部分的に形成する。好適には、第1の通路エレメントが、第1の通路エレメントの吐出開口の領域において噴霧ノズルエレメントを形成する。好適には、洗浄流体の吐出は、噴霧ノズルエレメントを形成する第1の通路エレメントにより、特にワイパブレード装置を取り囲む環境の大気圧よりも高い正圧下で行われる。特に、噴霧ノズルエレメントは、洗浄流体が、噴霧ノズルエレメントからの吐出時に霧化されるように、形成されていてもよい。有利には、洗浄流体の目的に合った同時的な大面積の吐出を達成することができる。
【0008】
さらに、第1の通路エレメントが、スポイラユニットの鉛直延在方向に対して少なくともほぼ平行である主延在方向を有していることが提案される。特に、全ての第1の通路エレメントは、スポイラユニットの鉛直延在方向に対して少なくともほぼ平行である主延在方向を有している。スポイラユニットの鉛直延在方向は、特に、ばねレール用の収容領域の主延在平面に対して少なくともほぼ垂直方向に延びている。「ほぼ平行」とは、特に、特に1つの平面における、参照方向に対して相対的な1つの方向の配向であると理解すべきであり、この方向は、参照方向に対して、特に8°よりも小さく、有利には5°よりも小さく、特に有利には2°よりも小さな偏差を有している。「ほぼ垂直」という表現は、特に参照方向に対して相対的な1つの方向の配向を定義することが望ましく、その方向と、参照方向とが、特に1つの平面で見て、90°の角度を形成し、この角度は、特に8°よりも小さく、有利には5°よりも小さく、特に有利には2°よりも小さな最大偏差を有している。対象物の「主延在平面」とは、特に、構造ユニットを辛うじて完全に取り囲む最小の仮想の直方体の最大の側面に対して平行であり、特に直方体の中心点を通って延びる1つの平面であると理解すべきである。好適には、第1の通路エレメントの主延在方向は、ワイパブレード装置が自動車ウィンドウガラスに組み付けられた状態で、自動車ウィンドウガラスの表面に対して少なくともほぼ垂直方向に延びている。有利には、自動車ウィンドウガラスに対する洗浄流体の少なくともほぼ垂直方向の吐出を達成することができる。
【0009】
さらに、第1の通路エレメントが、スポイラユニットの鉛直延在方向で、ばねレールの収容領域に対して少なくとも部分的にオーバラップして配置されていることが提案される。好適には、全ての第1の通路エレメントが、スポイラユニットの鉛直延在方向で、ばねレールの収容領域に対して少なくとも部分的にオーバラップして配置されている。特に、第1の通路エレメントは、収容領域の延長方向延在方向に沿った主延在方向を有している。収容領域の鉛直延在方向は、特に、スポイラユニットの鉛直延在方向に対して少なくともほぼ平行に延びている。好適には、第1の通路エレメントの主延在方向は、収容領域の鉛直延在方向に対して少なくともほぼ平行に延びている。有利には、第1の通路エレメントによる洗浄流体の正確なガイドを達成することができる。
【0010】
さらに、第1の通路エレメントが、スポイラユニットの横方向延在方向で、ばねレールの収容領域に対して少なくとも部分的にずらされて配置されていることが提案される。好適には、全ての第1の通路エレメントが、スポイラユニットの横方向延在方向で、ばねレールの収容領域に対して少なくとも部分的にずらされて配置されている。スポイラユニットの横方向延在方向は、特に、ワイパブレード装置の主延在方向に対して少なくともほぼ垂直方向に、かつ特にスポイラユニットの鉛直延在方向に対して少なくともほぼ垂直方向に延びている。好適には、第1の通路エレメントは、スポイラユニットの横方向延在方向で、硬いスポイラ構成部材によって収容領域から少なくとも部分的に分離されている。特に、第1の通路エレメントは、スポイラユニットの横方向延在方向で、硬いスポイラ構成部材によって収容領域から完全に分離されていてもよい。代替的には、第1の通路エレメントが、スポイラユニットの横方向延在方向で、軟らかいスポイラ構成部材によって収容領域から少なくとも部分的に分離されていることも可能である。有利には、第1の通路エレメントと、収容領域との間の空間的な分離を達成することができる。第1の通路エレメントは、有利には頑丈に形成することができる。
【0011】
さらに、軟らかいスポイラ構成部材が、噴霧ユニットの少なくとも1つの通路を少なくとも部分的に形成し、該通路が、第1の通路エレメントに直接に接続されていることが提案される。好適には、軟らかいスポイラ構成部材が、噴霧ユニットの少なくとも1つの通路を少なくとも部分的に形成し、該通路が全ての第1の通路エレメントに直接に接続されている。好適には、通路は、ワイパブレード装置の主延在方向に対して少なくともほぼ平行に延びている。好適には、通路は、ワイパブレード装置の主延在方向に沿って、少なくともほぼスポイラユニットの全延在長さに沿って延在している。通路は、特に、好適にはチューブ状の切欠きとして軟らかいスポイラ構成部材内に形成されている。通路は、好適には、洗浄流体を通流させるために設けられている。特に、洗浄流体は、たとえば自動車等のリザーバユニットから通路を通って送られ、特に圧送され得る。好適には、通路はまさに2つの端部片を有している。好適には通路は、第1の端部片において少なくともほぼ流体密にシールされている。好適には、通路は、第2の端部片において、たとえばチューブ、管等のような供給エレメントに接続されている。特に通路は、供給エレメントにより、洗浄流体をたとえばリザーバユニットから供給される。好適には、通路は、スポイラユニットの鉛直延在方向に沿って見て、第1の通路エレメントの上に配置されている。好適には、特にワイパブレード装置を取り囲む周辺の大気圧と比較して正圧下にある洗浄流体が、通路から第1の通路エレメント内へと押圧され、第1の通路エレメントを通って吐出される。好適には、第1の通路エレメントは、少なくともほぼ通路全体に沿って、特に互いに対して等間隔で配置されている。有利には、第1の通路エレメントへの洗浄流体の効率的な供給を可能にすることができる。
【0012】
さらに、第1の通路エレメントが、ばねレールの収容領域の壁部により画定されていて、壁部が、この壁部の、噴霧ノズルエレメントとは反対の側で、収容領域を少なくとも部分的に画定することが提案される。好適には、全ての第1の通路エレメントが、ばねレールの収容領域の壁部により画定されていて、壁部が、この壁部の、噴霧ノズルエレメントとは反対の側で、収容領域を少なくとも部分的に画定する。壁部は、この壁部の、噴霧ノズルエレメントとは反対の側で、収容領域を、好適にはスポイラユニットの横方向延在方向に沿って画定する。特に、第1の通路エレメントは、好適には第1の通路エレメントの鉛直方向延在長さ全体に沿って、収容領域の壁部に少なくとも部分的に一体成形されていてもよい。第1の通路エレメントの鉛直方向延在長さは、特に第1の通路エレメントの主延在方向に沿った第1の通路エレメントの延在長さである。スポイラユニットの横方向延在方向に沿って有利には狭く、かつ特に空力学的であるワイパブレード装置を提供することができる。
【0013】
さらに、噴霧ユニットが、少なくとも1つの第2の通路エレメントを有していて、該第2の通路エレメントが、収容領域の、第1の通路エレメントとは反対の側に配置されていることが、提案される。好適には、噴霧ユニットは、複数の第2の通路エレメントを有していて、これらの第2の通路エレメントは、収容領域の、第1の通路エレメントとは反対の側に配置されている。特に、第2の通路エレメントは、第1の通路エレメントに対して少なくともほぼ同様に形成されている。第2の通路エレメントは、好適には洗浄流体を吐出するために設けられている。好適には、噴霧ユニットは、特に収容領域の、第1の通路エレメントとは反対の側に配置された、第2の通路を含んでいる。好適には、第2の通路は、第1の通路エレメントに接続された通路に対して少なくともほぼ同様に形成されている。特に、第2の通路は、第2の通路エレメントに直接に接続されている。第2の通路は、好適には洗浄流体を通流させるために設けられている。好適には、第2の通路エレメントと、第2の通路とは、第1の通路エレメントと、該第1の通路エレメントに接続された通路とに対してほぼ鏡像対称的に、収容領域を取り囲んで配置されている。有利には、洗浄流体吐出は、収容領域の第2の側で、特に同時に行うことができる。有利には、ワイパブレード装置の運転中に、両方の払拭方向で洗浄流体吐出をウィンドウガラスワイパのワイパリップの空間的に手前で行うことができる。有利には、自動車ウィンドウガラスの特に基本的な洗浄を達成することができる。
【0014】
さらに本発明は、本発明に係るワイパブレード装置を備えたワイパブレードを起点とする。好適には、ワイパブレードは、特にワイパブレードの運転のために必要となる別の構成部材を含んでいる。特にワイパブレードは、特に収容領域内に押し込まれたばねレールを含んでいる。好適には、ばねレールは少なくとも部分的にばね鋼から形成されている。好適には、ばねレールは、負荷されていない状態で、実質的に、湾曲したロッドの形状、特に有利には扁平な湾曲したロッドの形状を有している。特に有利には、長手方向の延在長さに沿ったばねレールの曲率は、負荷されていない状態では、ばねレールを少なくとも運転状態においてガイドする自動車の車両表面、特に自動車ウィンドウガラスの曲率よりも大きい。エレメントの「延在長さ」とは、特に1つの平面上へのエレメントの垂直方向の投影の2つの点の間の最大の間隔であると理解すべきである。特に、ワイパブレードは、特に少なくとも部分的に収容領域内に押し込まれたワイパ条片を含んでいる。「ワイパ条片」とは、特に、ワイパリップを備えた、弾性的な材料から成るユニットであると理解すべきである。ワイパリップは、洗浄すべき面、特にウィンドウガラス面、好適には車両ウィンドウガラスを洗浄するために、この洗浄すべき面上にわたって接触して運動させるために設けられている。好適には、ワイパ条片は、天然または合成のエラストマ、特にゴムから製造されている。有利には、洗浄流体の特に正確な吐出を可能にする省メンテナンスのワイパブレードを提供することができる。
【0015】
さらに本発明は、本発明に係るワイパブレードを備えたウィンドウワイパを起点とする。好適には、ウィンドウワイパは、特にウィンドウワイパの運転のために必要となる別の構成部材を含んでいる。特に、ウィンドウワイパは、自動車のウィンドウワイパ駆動ユニットにワイパブレードを組み付けるためのアダプタユニットを含んでいる。有利には、統合された洗浄流体吐出機能を備えたウィンドウワイパを提供することができる。
【0016】
本発明に係るワイパブレード装置、本発明に係るワイパブレード、本発明によるスポイラユニット、本発明による噴霧ユニットおよび/または本発明に係るウィンドウワイパは、上述の用途および構成に制限すべきではない。特に、本発明によるスポイラユニット、本発明による噴霧ユニットおよび/または本発明によるウィンドウワイパは、本明細書に記載された機能形式を満たすために、本明細書において挙げられた個別のエレメント、構成部材およびユニットの個数とは異なる個数を有していてもよい。さらに、本開示において記載された数値範囲において挙げられた閾値内にある値は、開示されていて、任意に使用可能であると見なすべきである。
【0017】
別の利点は以下の図面の詳細な説明から明らかになる。図面には、本発明の3つの実施例が図示されている。図面、明細書および請求項は、多数の特徴を組み合わせで含んでいる。当業者は、これらの特徴を合理的に個別にも見ることができ、有意な別の組み合わせに纏めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るウィンドウワイパを示す斜視図である。
図2】本発明に係るワイパブレード装置を示す概略的な断面図である。
図3】代替的なワイパブレード装置の一部を示す概略的な断面図である。
図4】別の代替的なワイパブレード装置の一部を示す概略的な断面図である。
【0019】
実施例の説明
図1は、ウィンドウワイパ12aを斜視図で示している。このウィンドウワイパ12aは、ワイパブレード42aを含んでいる。ウィンドウワイパ12aは、自動車のウィンドウワイパ駆動ユニットにワイパブレード42aを組み付けるためのアダプタユニット44aを含んでいる。ワイパブレード42aは、ワイパブレード装置10aを有している。ワイパブレード42aは、ばねレール(図示せず)を有している。ワイパブレード42aは、ワイパ条片46aを有している。ばねレールおよびワイパ条片46aの一部は、ワイパブレード装置10aの収容領域20a(図示せず)内に押し込まれている。
【0020】
図2は、ウィンドウワイパ12a用のワイパブレード装置10aを概略的な断面図で示している。図示された切断面は、ワイパブレード装置10aの主延在方向48aに対して垂直方向に位置している(図1を参照)。ワイパブレード装置10aは、スポイラユニット14aを含んでいる。スポイラユニット14aは、軟らかいスポイラ構成部材16aと、硬いスポイラ構成部材18aとを有している。軟らかいスポイラ構成部材16aは、スポイラユニット14aの鉛直延在方向28aに沿って見て、硬いスポイラ構成部材18aの上に配置されている。軟らかいスポイラ構成部材16aと硬いスポイラ構成部材18aとは、互いに異なるプラスチックから製造されている。互いに異なるプラスチックは、共押出し成形法により纏められている。軟らかいスポイラ構成部材16aと、硬いスポイラ構成部材18aとは、ワンピースに、つまり一体的に形成されている。硬いスポイラ構成部材18aは、ばねレール用の収容領域20aを部分的に形成する。収容領域20aは、硬いスポイラ構成部材18a内の切欠きとして形成されている。収容領域20aは、方形の横断面を有している。収容領域20aは、ワイパブレード装置10aの主延在方向48a全体に沿って延在している。軟らかいスポイラ構成部材16aは、スポイラ突起を形成する。軟らかいスポイラ構成部材16aは、ワイパブレード装置10aの主延在方向48aに沿って見て、非対称に形成されている。軟らかいスポイラ構成部材16aは、走行気流に基づいて接触圧を形成するために設けられている。
【0021】
ワイパブレード装置10aは、噴霧ユニット22aを有している。噴霧ユニット22aは、第1の通路エレメント24aを含んでいる。第1の通路エレメント24aは、硬いスポイラ構成部材18aに一体成形されている。第1の通路エレメント24aは、完全に硬いスポイラ構成部材18aに一体成形されている。噴霧ユニット22aは、複数の第1の通路エレメント24aを有している。複数の第1の通路エレメント24aは、ワイパブレード装置10aの主延在方向48aに沿って配置されている。複数の第1の通路エレメント24aは、ワイパブレード装置10aの主延在方向48aに沿って、互いに対して等間隔で配置されている。第1の通路エレメント24aは、管状の切欠きとして形成されている。第1の通路エレメント24aは、管状の切欠きとして、硬いスポイラ構成部材18a内に形成されている。第1の通路エレメント24aは、洗浄流体の吐出および/またはガイドのために設けられている。洗浄流体は、ウォッシャ液として構成されている。第1の通路エレメント24aは、部分的に噴霧ユニット22aの噴霧ノズルエレメント26aとして形成されている。第1の通路エレメント24aは、第1の通路エレメント24aの吐出開口において、噴霧ノズルエレメント26aとして形成されている。噴霧ノズルエレメント26aによる洗浄流体の吐出は、ワイパブレード装置10aを取り囲んでいる周囲の大気圧よりも高い正圧下で行われる。
【0022】
第1の通路エレメント24aは、スポイラユニット14aの鉛直延在方向28aに対してほぼ平行である主延在方向を有している。第1の通路エレメント24aの主延在方向は、ウィンドウワイパ12aが自動車ウィンドウガラスに組み付けられた状態で、自動車ウィンドウガラスの表面に対してほぼ垂直方向に延びている。第1の通路エレメント24aは、スポイラユニット14aの鉛直延在方向28aで、ばねレールの収容領域20aに対してオーバラップして配置されている。第1の通路エレメント24aは、スポイラユニット14aの鉛直延在方向28aで、ばねレールの収容領域20aに対して完全にオーバラップして配置されている。代替的には、第1の通路エレメント24aが、スポイラユニット14aの鉛直延在方向28aで、ばねレールの収容領域20aに対して部分的にオーバラップして配置されていることも可能である。第1の通路エレメント24aの主延在方向は、収容領域20aの鉛直延在方向に対してほぼ平行に延びている。収容領域20aの鉛直延在方向は、スポイラユニット14aの鉛直延在方向28aに対してほぼ平行に延びている。
【0023】
第1の通路エレメント24aは、スポイラユニット14aの横方向延在方向30aで、ばねレールの収容領域20aに対してずらされて配置されている。第1の通路エレメント24aは、スポイラユニット14aの横方向延在方向30aで、ばねレールの収容領域20aに対して完全にずらされて配置されている。代替的には、第1の通路エレメント24aが、スポイラユニット14aの横方向延在方向30aで、ばねレールの収容領域20aに対して部分的にずらされて配置されていることも可能である。第1の通路エレメント24aは、スポイラユニット14aの横方向延在方向30aで、硬いスポイラ構成部材18aによって収容領域20aから完全に分離されている。
【0024】
軟らかいスポイラ構成部材16aは、噴霧ユニット22aの通路32aを形成する。軟らかいスポイラ構成部材16aは、噴霧ユニット22aの通路32aを完全に形成する。代替的には、軟らかいスポイラ構成部材16aが、噴霧ユニット22aの通路32aを部分的に形成することが可能である。通路32aは、第1の通路エレメント24aに直接に接続している。通路32aは、ワイパブレード装置10aの主延在方向48aに対してほぼ平行に延びている。通路32aは、ワイパブレード装置10aの主延在方向48aに沿って、スポイラユニット14aの全延在長さにほぼ沿って延在している。通路32aは、軟らかいスポイラ構成部材16a内の切欠きとして形成されている。通路32aは、軟らかいスポイラ構成部材16a内のチューブ状の切欠きとして形成されている。通路32aは、洗浄流体を通流させるために設けられている。洗浄流体は、通路32aを通して送ることができる。洗浄流体は、通路32aに供給エレメント(図示せず)によって供給される。通路32aは、スポイラユニット14aの鉛直延在方向28aに沿って見て、第1の通路エレメント24aの上に配置されている。ワイパブレード装置10aを取り囲む周囲の大気圧に比べて高い正圧下にある洗浄流体は、通路32aから第1の通路エレメント24a内へと押圧され、第1の通路エレメント24aを通って吐出される。複数の第1の通路エレメント24aは、ほぼ通路32a全体に沿って互いに対して等間隔で配置されている。
【0025】
第1の通路エレメント24aは、ばねレールの収容領域20aの壁部34aにより画定されている。壁部34aは、この壁部34aの、噴霧ノズルエレメント26aとは反対の側36aで収容領域20aを部分的に画定する。壁部34aは、この壁部34aの、噴霧ノズルエレメント26aとは反対の側36aで、スポイラユニット14aの横方向延在方向30aに沿って収容領域20aを画定する。
【0026】
噴霧ユニット22aは、第2の通路エレメント38aを有している。第2の通路エレメント38aは、収容領域20aの、第1の通路エレメント24aとは反対の側40aに配置されている。噴霧ユニット22aは、複数の第2の通路エレメント38aを有している。複数の第2の通路エレメント38aは、ワイパブレード装置10aの主延在方向48a全体に沿って配置されている。複数の第2の通路エレメント38aは、ワイパブレード装置10aの主延在方向48aに沿って、互いに対して等間隔で配置されている。第2の通路エレメント38aは、第1の通路エレメント24aに対してほぼ同様に形成されている。第2の通路エレメント38aは、洗浄流体の吐出のために設けられている。噴霧ユニット22aは、第2の通路50aを含んでいる。第2の通路50aは、収容領域20aの、第1の通路エレメント24aとは反対の側40aに配置されている。第2の通路50aは、第1の通路エレメント24aに接続された通路32aに対してほぼ同様に形成されている。第2の通路50aは、第2の通路エレメント38aに直接に接続されている。第2の通路50aは、洗浄流体を通流させるために設けられている。第2の通路エレメント38aと、第2の通路50aとは、第1の通路エレメント24aと、この第1の通路エレメント24aに接続された通路32aとに対してほぼ鏡像対称的に、収容領域20aを取り囲んで配置されている。
【0027】
図3および図4には、本発明の別の2つの実施例が示されている。以下の説明および図面は、実質的に実施例間の差異に制限されており、同一の名称を有する構成部材に関して、特に同一の参照符号を有する構成部材に関して、基本的には別の実施例、特に図1および図2に示した実施例の図面および/または説明を参照することができる。実施例を区別するために、図1および図2に示した実施例の参照符号には、文字「a」が添えられている。図3および図4に示した実施例では、この文字「a」が文字「b」および「c」に置き換えられている。
【0028】
図3は、代替的なワイパブレード装置10bの一部を概略的な断面図で示している。ワイパブレード装置10bは、スポイラユニット14bを含んでいる。スポイラユニット14bは、軟らかいスポイラ構成部材16bと、硬いスポイラ構成部材18bとを有している。硬いスポイラ構成部材18bは、ばねレール用の収容領域20bを部分的に形成する。ワイパブレード装置10bは、噴霧ユニット22bを含んでいる。噴霧ユニット22bは、第1の通路エレメント24bを有している。第1の通路エレメント24bは、硬いスポイラ構成部材18bに部分的に一体成形されている。第1の通路エレメント24bは、軟らかいスポイラ構成部材16bに部分的に一体成形されている。部分的に一体成形された第1の通路エレメント24bは、噴霧ユニット22bの噴霧ノズルエレメント26bを部分的に形成する。第1の通路エレメント24bは、この第1の通路エレメント24bが硬いスポイラ構成部材18bに一体成形されている第1の通路エレメント24bの区分において、噴霧ユニット22bの噴霧ノズルエレメント26bを形成する。第1の通路エレメント24bは、スポイラユニット14bの横方向延在方向30bで、ばねレールの収容領域20bに対してずらされて配置されている。第1の通路エレメント24bは、スポイラユニット14bの横方向延在方向30bで、軟らかいスポイラ構成部材16bによって収容領域20bから部分的に分離されている。第1の通路エレメント24bは、スポイラユニット14bの横方向延在方向30bで、硬いスポイラ構成部材18bによって収容領域20bから部分的に分離されている。
【0029】
噴霧ユニット22bは、第2の通路エレメント38bを有している。第2の通路エレメント38bは、第1の通路エレメント24bに対してほぼ同様に形成されている。第2の通路エレメント38bは、収容領域20bの、第1の通路エレメント24bとは反対の側40bに配置されている。噴霧ユニット22bは、第2の通路50bを有している。第2の通路50bは、第1の通路エレメント24bに接続された通路32bに対してほぼ同様に形成されている。第2の通路50bは、収容領域20bの、第1の通路エレメント24bとは反対の側40bに配置されている。収容領域20bの、第1の通路エレメント24bとは反対の側40bは、図示されていない。
【0030】
図4は、別の代替的なワイパブレード装置10cを概略的な断面図で示している。ワイパブレード装置10cは、スポイラユニット14cを含んでいる。スポイラユニット14cは、軟らかいスポイラ構成部材16cと、硬いスポイラ構成部材18cとを有している。硬いスポイラ構成部材18cは、ばねレール用の収容領域20cを部分的に形成する。ワイパブレード装置10cは、噴霧ユニット22cを含んでいる。噴霧ユニット22cは、第1の通路エレメント24cを有している。第1の通路エレメント24cは、硬いスポイラ構成部材18cに部分的に一体成形されている。第1の通路エレメント24cは、部分的に半包括的に硬いスポイラ構成部材18cに一体成形されている。第1の通路エレメント24cは、軟らかいスポイラ構成部材16cに部分的に一体成形されている。部分的に一体成形された第1の通路エレメント24cは、噴霧ユニット22cの噴霧ノズルエレメント26cを部分的に形成する。第1の通路エレメント24cは、この第1の通路エレメント24cが硬いスポイラ構成部材18cに完全に一体成形されている第1の通路エレメント24cの区分において、噴霧ユニット22cの噴霧ノズルエレメント26cを形成する。第1の通路エレメント24cは、ばねレールの収容領域20cの壁部34cにより画定されている。壁部34cは、壁部34cの、噴霧ノズルエレメント26cとは反対の側36cで、収容領域20cを部分的に画定する。壁部34cは、壁部34cの、噴霧ノズルエレメント26cとは反対の側36cで、スポイラユニット14cの横方向延在方向30cに沿って収容領域20cを画定する。
【0031】
噴霧ユニット22cは、第2の通路エレメント38cを有している。第2の通路エレメント38cは、第1の通路エレメント24cに対してほぼ同様に形成されている。第2の通路エレメント38cは、収容領域20cの、第1の通路エレメント24cとは反対の側40cに配置されている。噴霧ユニット22cは、第2の通路50cを有している。第2の通路50cは、第1の通路エレメント24cに接続された通路32cに対してほぼ同様に形成されている。第2の通路50cは、収容領域20cの、第1の通路エレメント24cとは反対の側40cに配置されている。収容領域20cの、第1の通路エレメント24cとは反対の側40cは、図示されていない。
図1
図2
図3
図4