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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】ひも調節装置及びアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A43B 23/02 20060101AFI20220516BHJP
   A43C 11/24 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
A43B23/02 106
A43C11/24
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020542148
(86)(22)【出願日】2018-05-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2018086445
(87)【国際公開番号】W WO2019169732
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2020-08-03
(31)【優先権主張番号】201810198928.3
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520249550
【氏名又は名称】シェンチェン フィットゴー テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】特許業務法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】フー、カイヤン
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-525393(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0139057(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0092780(US,A1)
【文献】特表2017-530793(JP,A)
【文献】特表2016-520401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 23/02
A43C 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部材と、ひも巻き部材と、調節部材とを有し、
前記駆動部材、前記ひも巻き部材及び前記調節部材が同軸に設置され、
前記駆動部材及び前記ひも巻き部材がそれぞれ前記調節部材と可動に接続され、
前記駆動部材は、前記ひも巻き部材を軸回りに回動駆動し、
前記ひも巻き部材に、ひも巻き柱と弾性片とが設けられ、前記ひも巻き柱に、ひもを固定する固定部が設けられ、
前記調節部材に、前記弾性片に合わせる環状ラックが設置され
前記ひも巻き部材は、ひも巻きホイールと係合部材とを備え、
前記係合部材は、Ω字形弾性部材であり、
前記Ω字形弾性部材の開口の両側に、2つの位置決め柱が対応して設けられ、前記弾性片が前記Ω字形弾性部材の開口の両端の延伸部からなり、
前記ひも巻きホイールに位置決め突起台が設けられ、前記位置決め突起台の両側に、2つの位置決め凹溝が対応して設けられ、2つの前記位置決め柱がそれぞれ2つの前記位置決め凹溝に嵌入され、
前記駆動部材に2つの固定ブロックと2つの円弧形凸ブロックとが設けられ、
2つの前記固定ブロックがそれぞれ前記弾性片の下端に当接し、2つの前記円弧形凸ブロックがそれぞれ前記Ω字形弾性部材のリング状内壁に当接し、
2つの前記円弧形凸ブロックの間に隙間が設けられ、前記ひも巻きホイールに駆動凸ブロックが設けられ、前記駆動凸ブロックが前記隙間に嵌入される
ことを特徴とするひも調節装置。
【請求項2】
前記調節部材は、リング状を呈し、
前記調節部材が前記ひも巻き部材の外部に環装され、前記環状ラックが前記調節部材の内壁に設置され、前記調節部材に、前記ひもを通すためのひも通し孔が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のひも調節装置。
【請求項3】
前記ひも巻きホイールと前記係合部材とが取り外し可能に接続され、前記係合部材に前記弾性片が設けられ、前記ひも巻きホイールに前記ひも巻き柱が設けられ、前記ひも巻きホイールに前記ひもを通すための貫通孔が設けられる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のひも調節装置。
【請求項4】
固定部材をさらに有し、
前記調節部材が前記固定部材に設置され、前記固定部材が、外部物体と固定接続される
ことを特徴とする請求項1に記載のひも調節装置。
【請求項5】
前記固定部材は、接続片と支持座とを備え、
前記調節部材、前記接続片及び前記支持座が順に設置され、前記支持座及び前記接続片がそれぞれ前記調節部材と取り外し可能に接続される
ことを特徴とする請求項に記載のひも調節装置。
【請求項6】
ひもと、複数のガイド部材と、請求項1~のいずれか1項に記載のひも調節装置とを有し、
複数の前記ガイド部材が外部物体に固定されるとともに間隔をあけて設置され、前記ひもが複数の前記ガイド部材を順に通って前記固定部に固定される
ことを特徴とするひも調節アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関係出願の相互参照]
本出願は、2018年03月09日に中国専利局に提出された、出願番号が2018101989283であり、名称が「ひも調節装置及びアセンブリ」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その全ての内容が、参照により本出願に組み込まれる。
本出願は、日用品の技術分野に属し、殊に、ひも調節装置及びアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ひもを用いる固定は、よく靴、医療用ガード用品又は他の生活用品に用いられる固定方式であり、利用者がひもを締めたり緩めたりすることにより、その緊緩を調節する。
従来技術では、利用者が、両手でひもの両端をそれぞれ引っ張ることによって緊緩を調節し、調節したあとひもの両端を結んで固定する。
しかし、利用者、特に初心者又は両手が不便の利用者は、ひもを用いて固定するとき、締める操作や緊緩の調節操作が比較的に複雑であるので、時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願は、従来技術において、利用者、特に初心者又は両手が不便の利用者は、ひもを用いて固定するとき、締める操作や緊緩の調節操作が比較的に複雑であるので、時間がかかるという技術的課題を改善することができるひも調節装置及びアセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願に係るひも調節装置は、駆動部材と、ひも巻き部材と、調節部材とを有し、駆動部材、ひも巻き部材及び調節部材が同軸に設置され、駆動部材及びひも巻き部材がそれぞれ調節部材と可動に接続され、駆動部材は、ひも巻き部材を軸回りに回動駆動し、ひも巻き部材に、ひも巻き柱と弾性片とが設けられ、ひも巻き柱に、ひもを固定する固定部が設けられ、調節部材に、弾性片に合わせる環状ラックが設置される。
【0005】
さらに、調節部材は、リング状を呈し、調節部材がひも巻き部材の外部に環装され、環状ラックが調節部材の内壁に設置され、調節部材に、ひもを通すためのひも通し孔が設けられる。
【0006】
さらに、ひも巻き部材は、ひも巻きホイールと係合部材とを備え、ひも巻きホイールと係合部材とが取り外し可能に接続され、係合部材に弾性片が設けられ、ひも巻きホイールにひも巻き柱が設けられ、ひも巻きホイールにひもを通すための貫通孔が設けられる。
【0007】
さらに、係合部材は、Ω字形弾性部材であり、Ω字形弾性部材の開口の両側に、2つの位置決め柱が対応して設けられ、弾性片がΩ字形弾性部材の開口の両端の延伸部からなり、ひも巻きホイールに位置決め突起台が設けられ、位置決め突起台の両側に、2つの位置決め凹溝が対応して設けられ、2つの位置決め柱がそれぞれ2つの位置決め凹溝に嵌入される。
【0008】
さらに、駆動部材に2つの固定ブロックと2つの円弧形凸ブロックとが設けられ、2つの固定ブロックがそれぞれ弾性片の下端に当接し、2つの円弧形凸ブロックがそれぞれΩ字形弾性部材のリング状内壁に当接し、2つの円弧形凸ブロックの間に隙間が設けられ、ひも巻きホイールに駆動凸ブロックが設けられ、駆動凸ブロックが隙間に嵌入される。
【0009】
さらに、係合部材は、4本爪のラチェットであり、4本爪のラチェットがリング状を呈し、4本爪のラチェットの内壁に複数の位置決め係合溝が設けられ、外壁に複数の第1駆動溝と複数の弾性片とが設けられ、ひも巻きホイールに、第1駆動溝に対応する複数の第1駆動ブロックと位置決め係合溝に合わせる複数の位置決めブロックとが設けられる。
【0010】
さらに、駆動部材に複数の第2駆動ブロックが設けられ、4本爪のラチェットに第2駆動ブロックに合わせる複数の第2駆動溝が設けられる。
【0011】
さらに、ひも調節装置は、固定部材をさらに有し、調節部材が固定部材に設置され、固定部材が、外部物体と固定接続される。
【0012】
さらに、固定部材は、接続片と支持座とを備え、調節部材、接続片及び支持座が順に設置され、支持座及び接続片がそれぞれ調節部材と取り外し可能に接続される。
【0013】
さらに、本出願は、ひも調節アセンブリをさらに提供する。ひも調節アセンブリは、ひもと、複数のガイド部材と、ひも調節装置とを有し、複数のガイド部材が外部物体に固定されるとともに間隔をあけて設置され、ひもが複数のガイド部材を順に通って固定部に固定される。
【0014】
本出願に係るひも調節装置は、駆動部材と、ひも巻き部材と、調節部材とを有する。使用時に、ひも巻き柱における固定部によりひもが固定される。利用者がひもを締めるとき、駆動部材を回動させることにより、ひも巻き部材を軸回りに回動駆動し、そして、ひも巻き部材における弾性片が変形して調節部材における環状ラックと噛合して運動する。回動過程において、ひもがだんだんひも巻き柱に巻かれ、ひもの装置外部の長さが短くなり、ひもがきつく締められる。利用者がひもを緩めるとき、逆方向へ駆動部材を回動させることにより、ひも巻き部材が逆方向へ軸回りに回動するよう駆動し、そして、ひも巻き部材における弾性片が変形して調節部材における環状ラックと噛合して運動する。回動過程において、ひもがだんだんひも巻き柱から巻き出され、ひもの装置外部の長さが長くなり、ひもが緩められる。弾性片と環状ラックの設置により、利用者が所定のきつさまで調整したあと、ひも巻き部材と調節部材とが互いに固定され、これ以上の噛合運動が止められる。
【0015】
上記のように、利用者がひもを用いて固定するとき、上記のひも調節装置により、結ぶ操作が不要であるとともに、片手で操作駆動部材を回動させるように操作するだけできつさの調整を完成できるので、操作が簡単で、時間が省かれ、特に初心者又は両手が不便の利用者の使用に寄与できる。
【0016】
本出願に係るひも調節アセンブリは、ひもと、複数のガイド部材と、ひも調節装置とを有し、その効果がひも調節装置の効果と同様であるため、その説明を省略する。また、複数のガイド部材の設置により、ひもの外部物体に対する縛りがより確実になる。
【0017】
本出願における具体的な実施形態又は従来技術における技術案をより明瞭に説明するため、以下、具体的な実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は、本出願の一部の実施形態であり、当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面に基づいて他の図面を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本出願における実施例によるひも調節装置の構成模式図である。
図2】本出願における実施例によるひも調節装置の構成分解図ある。
図3】本出願における実施例によるひも巻き部材の構成模式図である。
図4】本出願における実施例による調節部材の構成模式図である。
図5】本出願における実施例によるひも巻きホイールの構成模式図である。
図6】本出願における実施例によるΩ字形弾性部材の構成模式図である。
図7】本出願における実施例による駆動部材の構成模式図である。
図8】本出願における実施例による駆動部材とΩ字形弾性部材との組立を示す構成模式図である。
図9】本出願における実施例による4本爪のラチェットの構成模式図である。
図10】本出願の他の実施例による駆動部材の構成模式図である。
図11】本出願の他の実施例によるひも巻きホイールの構成模式図である。
図12】本出願の他の実施例による駆動部材と4本爪のラチェットとの組立を示す構成模式図である。
図13】本出願の他の実施例によるひも巻きホイールと4本爪のラチェットとの組立を示す構成模式図である。
図14】本出願の他の実施例によるひも調節装置の構成模式図である。
図15】本出願の他の実施例によるひも調節装置の構成分解図である。
図16】本出願における実施例による固定部材と調節部材との組立を示す構成模式図である。
図17】本出願における実施例による接続片の構成模式図である。
図18】本出願における実施例による支持座の構成模式図である。
図19】本出願における実施例によるひも調節アセンブリを靴に適用する場合の構成模式図である。
図20】本出願における実施例によるひも調節アセンブリを医療用レッグガードに適用する場合の構成模式図である。
図21】本出願における実施例によるひも調節アセンブリの構成模式図である。
図22】本出願の他の実施例によるひも調節アセンブリの構成模式図である。
図23】本出願における実施例によるひもとひも巻きホイール、調節部材及びガイド部材との組立を示す構成模式図である。
図24】本出願における実施例によるひもとひも巻きホイール、調節部材及びガイド部材との組立を示す構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本出願における技術案を明瞭且つ完全に説明し、説明する実施例が本出願の一部の実施例にすぎず、全部の実施例ではない。本出願における実施例をもとに、当業者は、発明能力を用いることなく得た全ての他の実施例も、本出願の保護範囲に属する。
【0020】
本出願の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」又は「外」等の用語で表された方向又は位置関係は、図面に基づくものであり、本出願を便宜及び簡略に説明するためのものにすぎず、該当装置又は素子が、必ずしも定められた方向を有したり、定められた方向に構成、操作されたり、することを明示又は暗示するものではないため、本出願を限定するものではない。また、用語「第1」、「第2」、「第3」は、説明するためのものにすぎず、相対重要性を明示又は暗示するものではない。
【0021】
本出願の説明において、明確な定義や限定がない限り、用語「取付」、「連係」又は「接続」を、広義的に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接に接続してもよいし、中間物を介して間接に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本出願における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0022】
図1は、本出願における実施例によるひも調節装置の構成模式図であり、図2は、本出願における実施例によるひも調節装置の構成分解図であり、図3は、本出願における実施例によるひも巻き部材の構成模式図であり、図4は、本出願における実施例による調節部材の構成模式図である。本実施例によるひも調節装置42は、図1図2図3及び図4に示すように、駆動部材1と、ひも巻き部材2と、調節部材3とを有する。駆動部材1、ひも巻き部材2及び調節部材3は同軸に設置される。駆動部材1及びひも巻き部材2はそれぞれ調節部材3と可動に接続される。駆動部材1は、ひも巻き部材2を軸回りに回動駆動する。ひも巻き部材2に、ひも巻き柱4と弾性片5とが設けられ、ひも巻き柱4に、ひも24を固定する固定部6が設けられる。調節部材3に、弾性片5に合わせる環状ラック7が設置される。
【0023】
本実施例によるひも調節装置42は、駆動部材1と、ひも巻き部材2と、調節部材3とを有する。使用時に、ひも巻き柱4における固定部6によりひも24が固定される。利用者がひも24を締めるとき、駆動部材1を回動させることにより、ひも巻き部材2を軸回りに回動駆動し、そして、ひも巻き部材2における弾性片5が変形して調節部材3における環状ラック7と噛合して運動する。回動過程において、ひも24がだんだんひも巻き柱4に巻かれ、ひも24の装置外部の長さが短くなり、ひも24がきつく締められる。利用者がひも24を緩めるとき、逆方向へ駆動部材1を回動させることにより、ひも巻き部材2を逆方向へ軸回りに回動駆動し、そして、ひも巻き部材2における弾性片5が変形して調節部材3における環状ラック7と噛合して運動する。回動過程において、ひも24がだんだんひも巻き柱4から巻き出され、ひも24の装置外部の長さが長くなり、ひも24が緩められる。弾性片5と環状ラック7の設置により、利用者が所定のきつさまで調整したあと、ひも巻き部材2と調節部材3とが互いに固定され、これ以上の噛合運動が止められる。
【0024】
上記のように、利用者がひも24を用いて固定するとき、上記のひも調節装置42により、結ぶ操作が不要であるとともに、片手で駆動部材1を回動させるように操作するだけできつさの調整を完成できるので、操作が簡単で、時間が省かれ、特に初心者又は両手が不便の利用者の使用に寄与できる。
【0025】
図1図4に示すように、上記の実施例において、調節部材3は、リング状を呈する。調節部材3は、ひも巻き部材2の外部に環装される。環状ラック7は、調節部材3の内壁に設置され、調節部材3に、ひも24を通すためのひも通し孔8が設けられる。
【0026】
ここで、駆動部材1は、ひも巻き部材2及び調節部材3の外部に覆設されるとともにひも巻き部材2と固定接続され、同期にひも巻き部材2を軸回りに回動駆動するように構成される蓋である。覆設により、蓋でひも巻き部材2及び調節部材3を保護することができる。
【0027】
さらに、蓋の外壁に摩擦部25が設けられる。利用者は、指を摩擦部25に置きながら駆動部材1を動かすことによって、駆動部材1を調節することができる。摩擦部25の設置により、指と駆動部材1との間の摩擦力が大きくなり、利用者による調節がより便宜になる。
【0028】
さらに、ひも調節装置42に接続軸を設置することができる。駆動部材1、ひも巻き部材2及び調節部材3は、三方の同軸の設置をより安定にするため、順に接続軸に環装される。
【0029】
さらに、駆動部材1とひも巻き部材2との接続は、ボルトによる接続又は接着による接続であってもよい。
【0030】
さらに、固定部6は、固定スナップである。利用者が固定スナップを利用してひも24をひも巻き柱4に固定する。利用者がひも巻き部材2を回動させるとき、ひも24がひも巻き柱4に巻かれる。
【0031】
さらに、調節部材3はリング状を呈し、環状ラック7を調節部材3の外壁に設置することができる。弾性片5が環状ラック7と噛合する。利用者が駆動部材1及びひも巻き部材2を回動させるとき、弾性片5がラックの延伸方向に沿って円状に噛合運動する。
【0032】
さらに、弾性片5及び環状ラック7の設置により、ひも24で固定されている物体の移動中に、ひも24の引張力の変化に起因した弾性片5とラックとの相対運動が制限され、駆動部材1を回動させるときだけ、両方の相対運動が許容される。
【0033】
さらに、環状ラック7の歯形状はラチェットと同形状であってもよい。ひも24の緊緩調整が終わったあと、ラチェットの噛合運動の特徴によって、一方向にしか回転できず、逆方向へ回転できなくなる。このような歯形状の設置により、装置がより安定になり、所定のきつさを保つことができる。
【0034】
本実施例では、調節部材3の環装の設置方式により、装置が占めるスペースを省くことができるとともに、ひも巻き部材2に対する位置制限の役割を果たすことができるため、装置がより安定になる。ひも通し孔8によって、ひも24を調節部材3に通して固定部6を用いてひも巻き柱4に固定接続することが容易になる。
【0035】
図5は、本出願における実施例によるひも巻きホイールの構成模式図である。図2図5に示すように、上記の実施例において、ひも巻き部材2は、ひも巻きホイール210と係合部材220とを備える。ひも巻きホイール210と係合部材220とが取り外し可能に接続され、係合部材220に弾性片5が設けられ、ひも巻きホイール210にひも巻き柱4が設けられ、ひも巻きホイール210にひも24を通すための貫通孔9が設けられる。
【0036】
ひも巻き柱4の両端にそれぞれリング状つば26が設けられ、ひも24がひも巻き柱4に巻かれるとき、リング状つば26がひも24の位置を制限し、ひも24がひも巻き柱4の両端から抜けることを防ぐ。
【0037】
さらに、貫通孔9は、2つ設けられる。ひも24の両端が貫通孔9から抜けることを防ぐように、ひも24の両端をそれぞれ2つの貫通孔9に通してそれぞれ結び、又は、ひも24の両端をそれぞれ2つ貫通孔9に通して互いに結ぶ。
【0038】
さらに、貫通孔9は、1つ設けられてもよい。ひも24の両端が貫通孔9から抜けることを防ぐように、ひも24の両端をともに貫通孔9に通して互いに結ぶ。
【0039】
本実施例では、取り外し可能な設置方式により、利用者による取り外したり取り付けたりすること又は部材交換が容易になり、貫通孔9の設置により、利用者によるひも24の装着がより便宜になり、接続が安定になり、コストが抑えられる。
【0040】
図6は、本出願における実施例によるΩ字形弾性部材の構成模式図であり、図7は、本出願における実施例による駆動部材の構成模式図であり、図8は、本出願における実施例による駆動部材とΩ字形弾性部材との組立を示す構成模式図である。図3図6図7及び図8に示すように、上記の実施例において、係合部材220は、Ω字形弾性部材221である。Ω字形弾性部材221の開口の両側に、2つの位置決め柱10が対応して設けられ、弾性片5がΩ字形弾性部材221の開口の両端の延伸部からなる。ひも巻きホイール210に位置決め突起台11が設けられ、位置決め突起台11の両側に、2つの位置決め凹溝12が対応して設けられ、2つの位置決め柱10がそれぞれ2つの位置決め凹溝12に嵌入される。駆動部材1に2つの固定ブロック13と2つの円弧形凸ブロック14とが設けられる。2つの固定ブロック13がそれぞれ弾性片5の下端に当接し、2つの円弧形凸ブロック14がそれぞれΩ字形弾性部材221のリング状内壁に当接する。2つの円弧形凸ブロック14の間に隙間が設けられ、ひも巻きホイール210に駆動凸ブロック15が設けられ、駆動凸ブロック15が隙間に嵌入される。
【0041】
2つの位置決め凹溝12は、互いに反対側に設けられる。
【0042】
さらに、ひも巻きホイール210の中部の位置に中心位置決め孔27が設けられ、駆動部材1の中部に中心孔に合わせる中心位置決め軸28が設けられる。使用時に、中心位置決め軸28が中心位置決め孔27に挿設される。これによって、両方の同軸運動がより安定になり、組立過程では位置決めの役割も果たす。
【0043】
さらに、駆動部材1に固定係合条29が設けられ、調節部材3に固定係合条29に合わせる固定係合溝30が設けられる。取付時に、利用者が固定係合条29を固定係合溝30に係入することによって、駆動部材1と調節部材3とを接続する。使用時に、固定係合条29が固定係合溝30に沿って移動し、駆動部材1と調節部材3とが相対回動する。
【0044】
本実施例では、使用するとき、駆動凸ブロック15が2つの円弧形凸ブロック14の間の隙間に嵌入されているとともに2つの位置決め柱10が2つの位置決め凹溝12に嵌入されているため、利用者が駆動部材1を回動させると、駆動部材1における円弧形凸ブロック14は、ひも巻きホイール210における駆動凸ブロック15を回動駆動し、ひも巻きホイール210における位置決め突起台11は、位置決め柱10を回動駆動する。これによって、Ω字形弾性部材221を回動させ、Ω字形弾性部材221の2つの弾性片5を調節部材3における環状ラック7と噛合させ、駆動部材1、Ω字形弾性部材221及びひも巻きホイール210を同期に回動させる。2つの固定ブロック13及び2つの円弧形凸ブロック14の設置により、Ω字形弾性部材221の使用過程における過剰の変形を防ぐことができ、その使用寿命が長くなる。
【0045】
図9は、本出願における実施例による4本爪のラチェットの構成模式図であり、図10は、本出願の他の実施例による駆動部材の構成模式図であり、図11は、本出願の他の実施例によるひも巻きホイールの構成模式図であり、図12は、本出願の他の実施例による駆動部材と4本爪のラチェットとの組立を示す構成模式図であり、図13は、本出願の他の実施例によるひも巻きホイールと4本爪のラチェットとの組立を示す構成模式図であり、図14は、本出願の他の実施例によるひも調節装置の構成模式図であり、図15は、本出願の他の実施例によるひも調節装置の模式的構成分解図である。図9図15に示すように、上記の実施例において、係合部材220は、リング状を呈する4本爪のラチェット222である。4本爪のラチェット222の内壁に複数の位置決め係合溝16が設けられ、外壁に複数の第1駆動溝17と複数の弾性片5とが設けられる。ひも巻きホイール210に、第1駆動溝17に対応する複数の第1駆動ブロック18と位置決め係合溝16に合わせる複数の位置決めブロック19とが設けられる。駆動部材1に複数の第2駆動ブロック20が設けられ、4本爪のラチェット222に第2駆動ブロック20に合わせる複数の第2駆動溝21が設けられる。
【0046】
複数の位置決め係合溝16が間隔をあけて順に設けられ、複数の第1駆動溝17が間隔をあけて順に設けられ、複数の弾性片5が間隔をあけて順に設けられ、複数の第1駆動ブロック18が間隔をあけて順に設けられ、複数の位置決めブロック19が間隔をあけて順に設けられ、複数の第2駆動ブロック20が間隔をあけて順に設けられ、複数の第2駆動溝21が間隔をあけて順に設けられる。このようにして、装置が受ける力がより均一になり、使用時の安定性が上がり、装置の使用寿命が長くなる。
【0047】
さらに、ひも調節装置42は固定ボルト31をさらに備え、駆動部材1に座繰り32が設けられる。ひも巻きホイール210に接続孔33が設けられる。調節部材3に固定柱34が設けられ、固定柱34にねじ孔35が設けられる。組立時に、固定ボルト31が座繰り32、4本爪のラチェット222の円形中部及び接続孔33を順に通って、ねじ孔35に締め付けられる。このようにして、駆動部材1、4本爪のラチェット222、ひも巻きホイール210及び調節部材3を接続することができるとともに、駆動部材1、4本爪のラチェット222及びひも巻きホイール210を同軸に回動させることができる。
【0048】
本実施例では、使用時に、第2駆動ブロック20が第2駆動溝21と係合し、第1駆動ブロック18が第1駆動溝17と係合するので、利用者が駆動部材1を回動させるとき、第2駆動ブロック20は4本爪のラチェット222を回動駆動し、4本爪のラチェット222はひも巻きホイール210を回動駆動し、同時に、4本爪のラチェット222の外壁における弾性片5は、調節部材3における環状ラック7と噛合する。これによって、駆動部材1、4本爪のラチェット222及びひも巻きホイール210が同期に回動するようになる。組み立てるときに、位置決め係合溝16及び位置決めブロック19の設置により、ひも巻きホイール210と4本爪のラチェット222との組立の正確性を保証でき、組立時間が省かれる。
【0049】
図15は、本出願の他の実施例によるひも調節装置の模式的構成分解図である。図15図16に示すように、上記の実施例において、ひも調節装置42は、固定部材22をさらに有し、調節部材3が固定部材22に設置され、固定部材22が、外部物体と固定接続する。
【0050】
調節部材3と固定部材22とを一体成形することができる。
【0051】
さらに、固定部材22を縫合により外部物体に固定することができる。
【0052】
本実施例では、取付時に、固定部材22を外部物体と固定接続する。調節部材3が固定部材22に設置されるため、調節部材3が外部物体に接続される。したがって、駆動部材1、ひも巻き部材2及び調節部材3の設置がより安定になる。
【0053】
図17は、本出願における実施例による接続片の構成模式図であり、図18は、本出願における実施例による支持座の構成模式図である。図2図4図17及び図18に示すように、上記の実施例において、固定部材22は、接続片2210と支持座2220とを備え、調節部材3、接続片2210及び支持座2220が順に設置され、支持座2220及び接続片2210がそれぞれ調節部材3と取り外し可能に接続される。
【0054】
接続片2210に複数の固定溝36が設けられ、調節部材3に複数の固定溝36に合わせる複数の固定ロック部37が設けられる。使用時に、固定ロック部37が固定溝36に係合され、ひも巻きホイール210の位置を制限する。これによって、常にひも巻きホイール210を調節部材3の円形の内部に保つことを確保できるので、使用時に装置がより安定になる。
【0055】
さらに、接続片2210に固定突起台43が設けられ、固定突起台43が中心位置決め孔27に挿設される。
【0056】
さらに、支持座2220に固定凹溝38が設けられ、調節部材3に固定凹溝38に合わせる固定突起39が設けられる。使用時に、固定突起39が固定凹溝38に係合されるため、支持座2220と調節部材3とが固定接続される。
【0057】
本実施例では、固定部材22は、接続片2210と支持座2220とを備える。使用時に、接続片2210はひも巻きホイール210の位置を制限し、支持座2220が外部物体と固定接続されるので、駆動部材1、ひも巻き部材2及び調節部材3と外部物体とが接続される。取り外し可能な接続方式により、利用者による取り外したり取り付けたりすること又は部材の交換がより便宜になるとともに、利用者によるひも24の装着がより容易になる。
【0058】
図19は、本出願における実施例によるひも調節アセンブリを靴に適用する場合の構成模式図であり、図20は、本出願における実施例によるひも調節アセンブリを医療用レッグガードに適用する場合の構成模式図であり、図21は、本出願における実施例によるひも調節アセンブリの構成模式図であり、図22は、本出願の他の実施例によるひも調節アセンブリの構成模式図であり、図23は、本出願における実施例によるひもとひも巻きホイール、調節部材及びガイド部材をの組立を示す構成模式図であり、図24は、本出願における実施例によるひもとひも巻きホイール、調節部材及びガイド部材との組立を示す構成模式図である。図19図24に示すように、上記の実施例において、本出願実施例によるひも調節アセンブリは、ひも24と、複数のガイド部材23と、ひも調節装置42とを有し、複数のガイド部材23が外部物体に固定されるとともに間隔をあけて設置され、ひも24が複数のガイド部材23を順に通って固定部6に固定される。
【0059】
外部物体が靴40である場合、ひも24を複数のガイド部材23に順に通して固定部6に固定する。外部物体が医療用レッグガード41である場合、ひも24を、複数のガイド部材23に通す途中に、医療用レッグガード41の外壁に巻き、医療用レッグガード41を縛ることができるので、医療用レッグガード41の固定をより確実にし、治療効果を確保することができる。
【0060】
さらに、複数のガイド部材23の設置方式は、実際の状況に応じて外部物体に必要な緊緩調整の範囲に準ずる。
【0061】
本実施例では、ひも調節アセンブリは、ひも24と、複数のガイド部材23と、ひも調節装置42とを有し、その効果がひも調節装置42の効果と同様であるため、その説明を省略する。また、複数のガイド部材23の設置により、ひも24の外部物体に対する縛りがより確実になる。
【0062】
なお、上記各実施例は、本出願の技術案を説明するためのものにすぎず、限定するものではない。上記各実施例を用いて本出願を詳細に説明したが、当業者にとって、上記各実施例に記載された技術案を変更し、又はその内の一部或いは全部の技術的特徴に対して均等置換を行うこともできる。これらの変更又は置換は、該当技術案の本質を本出願の各実施例による技術案の範囲から逸脱させない。
【符号の説明】
【0063】
1 駆動部材、2 ひも巻き部材、3 調節部材、4 ひも巻き柱、5 弾性片、6 固定部、7 環状ラック、8 ひも通し孔、9 貫通孔、10 位置決め柱、11 位置決め突起台、12 位置決め凹溝、13 固定ブロック、14 円弧形凸ブロック、15 駆動凸ブロック、16 位置決め係合溝、17 第1駆動溝、18 第1駆動ブロック、19 位置決めブロック、20 第2駆動ブロック、21 第2駆動溝、22 固定部材、23 ガイド部材、24 ひも、25 摩擦部、26 リング状つば、27 中心位置決め孔、28 中心位置決め軸、29 固定係合条、30 固定係合溝、31 固定ボルト、32 座繰り、33 接続孔、34 固定柱、35 ねじ孔、36 固定溝、37 固定ロック部、38 固定凹溝、39 固定突起、40 靴、41 医療用レッグガード、42 ひも調節装置、43 固定突起台、210 ひも巻きホイール、220 係合部材、221 Ω字形弾性部材、222 4本爪のラチェット、2210 接続片、2220 支持座。
図1
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