(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】拡張されたダンパを備えた分散モードラウドスピーカのためのアクチュエータ、および、それを備えたシステム
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20220516BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20220516BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20220516BHJP
H04R 7/04 20060101ALI20220516BHJP
H04R 17/00 20060101ALI20220516BHJP
H01L 41/09 20060101ALI20220516BHJP
H01L 41/187 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
H04R1/00 310Z
G06F3/01 560
H04R1/02 103Z
H04R7/04
H04R17/00
H01L41/09
H01L41/187
(21)【出願番号】P 2020542838
(86)(22)【出願日】2019-06-25
(86)【国際出願番号】 GB2019051787
(87)【国際公開番号】W WO2020002900
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-11-17
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スターンズ,マーク・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】バレット,ジョナサン・ジェイムズ
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/102305(WO,A1)
【文献】特開2015-111810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-31/00
H01L 41/00-41/47
G06F 3/00- 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
平面において広がるパネルと、
前記パネルの表面に取り付けられたアクチュエータとを備え、
前記アクチュエータは、前記パネルの振動を引き起こす力を生じさせて音波を生成させるように適合されたプレートを備え、
前記プレートは、前記プレートの第1の端において第1の方向に沿った幅W
Tと、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿った長さL
Tとを有し、
前記第1および第2の方向は、前記平面に平行であり、
前記アクチュエータはさらに、前記プレートの前記第1の端から広がるスタブを備え、
前記スタブは、前記プレートへの接続領域において前記第1の方向にW
Tよりも小さい幅W
Sを有し、
前記スタブは、前記プレートから受けた前記力を前記パネルに伝達して前記パネルに振動を引き起こすように、前記パネルの前記表面に取り付けられており、
前記アクチュエータはさらに、前記パネルに面する前記プレートの表面によって支持されたダンパを備え、
前記ダンパは、前記プレートを前記パネルに結合し、
前記ダンパは、W
Sよりも大きな量で前記第1の方向に広がる幅W
Dを有し、
前記システムはさらに、前記アクチュエータと電気的に通信し、かつ、前記システムの動作中に前記アクチュエータを作動させて前記パネルの振動を引き起こすようにプログラムされた電子制御モジュールを備える、システム。
【請求項2】
前記プレートによって生じる前記力は、基本周波数F
0における基本共振ピークと、第1の周波数F
1における第1の共振ピークと、第2の周波数F
2における第2の共振ピークとを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記基本周波数F
0は、約300Hz~約1kHzの範囲内であり、前記第1の周波数F
1は、約3kHz~約8kHzの範囲内である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プレートに対する前記スタブの前記接続領域の中心点は、前記プレートの前記第1の端の中心点からオフセットされている、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記プレートの前記第1の端に対する前記スタブの前記接続領域は、前記プレートの角から広がっている、請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
W
Dは、W
Tの約50%以上である、請求項1~5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
W
Dは、W
Tの約80%以上である、請求項1~6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
W
Dは、W
Tと実質的に同じである、請求項1~7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
W
Sは、W
Tの約50%以下である、請求項1~8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
W
Sは、W
Tの約35%以下である、請求項1~9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
前記ダンパは、前記第2の方向に沿って、実質的にL
T未満の長さL
Dを有する、請求項1~10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記プレートは、圧電材料を備える、請求項1~11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
前記アクチュエータは、前記第1の端に対向する前記プレートの第2の端において、前記パネルに取り付けられていない、請求項1~12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記プレートは、前記第2の方向に沿って広がる第3の端と、前記第3の端に対向する第4の端とを備え、前記アクチュエータは、前記第3および第4の端に沿って前記パネルに取り付けられていない、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記プレートの前記表面は、前記パネルの前記表面に面し、かつ、前記パネルの前記平面に平行に広がり、前記スタブは、前記第1および第2の方向と直交する第3の方向に沿って前記プレートの前記表面から離れて広がる部分を備え、前記スタブの前記部分は、前記プレートの前記表面と前記パネルの前記表面との間の分離を提供する、請求項1~14のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
前記ダンパは、前記第3の方向において、前記プレートの前記表面と前記パネルの前記表面との間の前記分離と実質的に等しい厚さを有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記パネルの前記表面と前記プレートの前記表面との間の前記分離は、約0.2mm~約5mmの範囲内である、請求項15または16に記載のシステム。
【請求項18】
前記パネルは、電子ディスプレイパネルを備える、請求項1~17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
分散モードアクチュエータであって、
平面において広がる負荷の振動を引き起こす力を生じさせて音波を生成させるように適合されたプレートを備え、
前記プレートは、前記プレートの第1の端において第1の方向に沿った幅W
Tと、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿った長さL
Tとを有し、
前記第1および第2の方向は、前記平面に平行であり、
前記分散モードアクチュエータはさらに、前記プレートの前記第1の端から広がるスタブを備え、
前記スタブは、前記プレートへの接続領域において前記第1の方向にW
Tよりも小さい幅W
Sを有し、
前記スタブは、前記プレートから受け取った前記力を前記負荷に伝達して前記負荷に振動を引き起こすように、前記負荷に取り付け可能であり、
前記分散モードアクチュエータはさらに、前記スタブが前記負荷に取り付けられるときに前記負荷に面する前記プレートの表面によって支持されたダンパを備え、
前記ダンパは、前記プレートを前記
負荷に結合し、
前記ダンパは、W
Sよりも大きな量で前記第1の方向に広がる幅W
Dを有し、
前記ダンパは、前記負荷の振動を減衰させる粘弾性特性を有する材料から形成されている、分散モードアクチュエータ。
【請求項20】
モバイルデバイスであって、
平面において広がる電子ディスプレイパネルと、
前記電子ディスプレイパネルに取り付けられたシャーシとを備え、
前記シャーシは、前記シャーシの背面パネルと前記電子ディスプレイパネルとの間の空間を定義し、
前記モバイルデバイスはさらに、前記空間内に収容された電子制御モジュールを備え、
前記電子制御モジュールは、プロセッサを備え、
前記モバイルデバイスはさらに、前記空間内に収容され、かつ、前記電子ディスプレイパネルの表面に取り付けられたアクチュエータを備え、
前記アクチュエータは、前記電子ディスプレイパネルの振動を引き起こす力を生じさせて音波を生成させるように適合されたプレートを備え、
前記プレートは、前記プレートの第1の端において第1の方向に沿った幅W
Tと、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿った長さL
Tとを有し、
前記第1および第2の方向は、前記平面に平行であり、
前記アクチュエータはさらに、前記プレートの前記第1の端から広がるスタブを備え、
前記スタブは、前記プレートへの接続領域において前記第1の方向にW
Tよりも小さい幅W
Sを有し、
前記スタブは、前記プレートから受けた前記力を前記電子ディスプレイパネルに伝達して前記電子ディスプレイパネルに振動を引き起こすように、前記電子ディスプレイパネルの前記表面に取り付けられており、
前記アクチュエータはさらに、前記電子ディスプレイパネルに面する前記プレートの表面によって支持されたダンパを備え、
前記ダンパは、前記プレートを前記電子ディスプレイパネルに結合し、
前記ダンパは、W
Sよりも大きな量で前記第1の方向に広がる幅W
Dを有し、
前記電子制御モジュールは、前記アクチュエータと電気的に通信し、かつ、前記モバイルデバイスの動作中に前記アクチュエータを作動させて前記電子ディスプレイパネルの振動を引き起こすようにプログラムされている、モバイルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
多くの従来のラウドスピーカは、振動板においてピストンのような動きを誘発することによって音を作る。分散モードラウドスピーカ(DML)のようなパネルオーディオラウドスピーカは、対照的に、電気音響アクチュエータを有するパネルにおいて均一に分散振動モードを誘発することによって動作する。たとえば、スマートフォンは、スマートフォンにおいてディスプレイパネル(たとえば、LCDまたはOLEDパネル)に力を加えるDMAを含み得る。その力は、周囲の空気に結合するディスプレイパネルの振動を引き起こし、たとえば、人間の耳に聞こえ得る20Hz~20kHzの範囲の音波を生成する。
【発明の概要】
【0002】
概要
たとえば、1次元分散アクチュエータの長さに沿って1次元において力を生成する1次元分散モードアクチュエータと比較して、2次元分散モードアクチュエータは、スマートフォンなどのアクチュエータを含むシステムに、広範囲の出力周波数範囲、減少したアクチュエータ長さ、または、その両方を提供するために、多次元において力を生成し得る。たとえば、二次元アクチュエータは、アクチュエータの長さおよび幅に沿って別れた力を生成し、これらの力をスピーカーなどの負荷に伝達して、負荷に音を生成させることができる。二次元分散モードアクチュエータは、また、アクチュエータの幅に沿って異なる垂直変位、たとえば、高さ変位を有するが、1次元アクチュエータは、一般的に、幅と共に一定の垂直変位を有する。
【0003】
典型的には、2次元分散モードアクチュエータは、スタブに接続されたプレートを含む。プレートは、2次元分散モードアクチュエータのための力を生成する表面を定義する幅および長さを有する。スタブは、パネルにプレートを接続するが、プレートの幅および長さに沿ったプレートの少なくとも一端は自由に振動する。
【0004】
2次元分散モードアクチュエータが駆動信号を受信すると、2次元分散モードアクチュエータは、プレートの表面の異なる部分を高さ軸に沿って別々に移動させることができる。高さ軸は、アクチュエータの長さと幅の軸に垂直である。
【0005】
アクチュエータは、また、プレートの表面とパネルとの間の空間の間にフィットするダンパを含む。プレートが振動すると、プレートがダンパをパネルに押し付け、プレートからの振動エネルギーを吸収し、アクチュエータの応答を変える。スタブを越えてプレートの幅に沿ってダンパを広げることは、特定の周波数で増加した力の振幅を有するプレートによって生じた力の方法によって、アクチュエータパネルシステムの性能を改善できると信じられている。たとえば、ダンパの幅を広げることは、スタブの幅を超えて広がらないダンパを備えたアクチュエータのために観察された特定のアプリケーションにおいて、5kHz~10kHzの間の周波数での出力のキャンセルを軽減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、本発明の様々な態様が要約されている。
【0007】
一般的に、第1の側面において、本発明は、平面において広がるパネルと、パネルの表面に取り付けられたアクチュエータと、アクチュエータと電気的に通信し、かつ、システムの動作中にアクチュエータを作動させてパネルの振動を引き起こすようにプログラムされた電子制御モジュールとを含むシステムを特徴とする。アクチュエータは、パネルの振動を引き起こす力を生じさせて音波を生成させるように適合されたプレートを含み、プレートは、プレートの第1の端において第1の方向に沿った幅WTと、第1の方向と直交する第2の方向に沿った長さLTとを有し、第1および第2の方向は、平面に平行であり、プレートは、第1の方向に沿って広がる第1の端を有する。アクチュエータはさらに、プレートの第1の端から広がるスタブを含み、スタブは、プレートへの接続領域において第1の方向にWTよりも小さい幅WSを有し、スタブは、プレートから受けた力をパネルに伝達してパネルに振動を引き起こすように、パネルの表面に取り付けられている。アクチュエータはさらに、パネルに面するプレートの表面によって支持されたダンパを含み、ダンパは、プレートをパネルに結合し、ダンパは、WSよりも大きな量で第1の方向に広がる幅WDを有する。
【0008】
システムの実施形態は、以下の特徴および/または他の側面の1以上の特徴を含むことができる。たとえば、プレートによって生じる力は、基本周波数F0における基本共振ピークと、第1の周波数F1における第1の共振ピークと、第2の周波数F2における第2の共振ピークとを含むことができ、プレートの出力は、同じプレートと比較して、F1とF2との間の少なくともいくつかの周波数で増加するが、WDは、WSと同じである。F1とF2との間の少なくとも1つの周波数にとって、プレートによって生じた力は、同じプレートと比較して、少なくとも50倍(たとえば、60倍以上、75倍以上、100倍以上)大きいが、WDは、WSと同じである。F0は、約300Hz~約1kHzの範囲内であることができ、F1は、約3kHz~約8kHzの範囲内であることができる。
【0009】
プレートに対するスタブの接続領域の中心点は、プレートの第1の端の中心点からオフセットされ得る。プレートの第1の端に対するスタブの接続領域は、プレートの角から広がっている。
【0010】
WDは、WTの約50%以上(たとえば、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上)であり得る。いくつかの実施形態では、WDは、WTと実質的に同じである。
【0011】
WSは、WTの約50%以下(たとえば、約35%以下、約30%以下、約25%以下)であり得る。
【0012】
ダンパは、第2の方向に沿って、実質的にLT未満の長さLDを有し得る。
【0013】
プレートは、圧電材料を含み得る。
【0014】
アクチュエータは、第1の端に対向するプレートの第2の端において、パネルに取り付けられていなくてもよい。いくつかの実施形態では、プレートは、第2の方向に沿って広がる第3の端と、第3の端に対向する第4の端とを含んでもよく、アクチュエータは、第3および第4の端に沿ってパネルに取り付けられていない。
【0015】
プレートの表面は、パネルの表面に面し、かつ、パネルの平面に平行に広がることができ、スタブは、第1および第2の方向と直交する第3の方向に沿ってプレートの表面から離れて広がる部分を含んでいてもよく、スタブの部分は、プレートの表面とパネルの表面との間の分離を提供する。ダンパは、第3の方向において、プレートの表面とパネルの表面との間の分離と実質的に等しい厚さを有し得る。パネルの表面とプレートの表面との間の分離は、約0.2mm~約5mmの範囲内であり得る。
【0016】
パネルは、電子ディスプレイパネルを含み得る。
【0017】
一般的に、別の側面において、本発明は、分散モードアクチュエータを特徴とする。分散モードアクチュエータは、負荷の振動を引き起こす力を生じさせて音波を生成させるように適合されたプレートを備え、プレートは、プレートの第1の端において第1の方向に沿った幅WTと、第1の方向と直交する第2の方向に沿った長さLTとを有し、第1および第2の方向は、平面に平行であり、プレートは、第1の方向に沿って広がる第1の端を有し、分散モードアクチュエータはさらに、プレートの第1の端から広がるスタブを備え、スタブは、プレートへの接続領域において第1の方向にWTよりも小さい幅WSを有し、スタブは、プレートから受け取った力を負荷に伝達して負荷に振動を引き起こすように、負荷に取り付け可能であり、分散モードアクチュエータはさらに、スタブが負荷に取り付けられるときに負荷に面するプレートの表面によって支持されたダンパを備え、ダンパは、プレートをパネルに結合し、ダンパは、WSよりも大きな量で第1の方向に広がる幅WDを有し、ダンパは、負荷の振動を減衰させる粘弾性特性を有する材料から形成されている。
【0018】
分散モードアクチュエータの実施形態は、他の側面の1以上の特徴を含み得る。
【0019】
一般的に、さらなる側面において、本発明は、モバイルデバイス(たとえば、モバイルフォン)を特徴とする。モバイルデバイスは、平面において広がる電子ディスプレイパネルと、電子ディスプレイパネルに取り付けられたシャーシとを備え、シャーシは、シャーシの背面パネルと電子ディスプレイパネルとの間の空間を定義し、モバイルデバイスはさらに、空間内に収容された電子制御モジュールを備え、電子制御モジュールは、プロセッサを備え、モバイルデバイスはさらに、空間内に収容され、かつ、電子ディスプレイパネルの表面に取り付けられたアクチュエータを備える。アクチュエータは、電子ディスプレイパネルの振動を引き起こす力を生じさせて音波を生成させるように適合されたプレートを備える。プレートは、プレートの第1の端において第1の方向に沿った幅WTと、第1の方向と直交する第2の方向に沿った長さLTとを有し、第1および第2の方向は、平面に平行であり、プレートは、第1の方向に沿って広がる第1の端を有し、アクチュエータはさらに、プレートの第1の端から広がるスタブを備え、スタブは、プレートへの接続領域において第1の方向にWTよりも小さい幅WSを有し、スタブは、プレートから受けた力を電子ディスプレイパネルに伝達して電子ディスプレイパネルに振動を引き起こすように、電子ディスプレイパネルの表面に取り付けられており、アクチュエータはさらに、電子ディスプレイパネルに面するプレートの表面によって支持されたダンパを備え、ダンパは、プレートを電子ディスプレイパネルに結合し、ダンパは、WSよりも大きな量で第1の方向に広がる幅WDを有する。電子制御モジュールは、アクチュエータと電気的に通信し、かつ、モバイルデバイスの動作中にアクチュエータを作動させて電子ディスプレイパネルの振動を引き起こすようにプログラムされている。
【0020】
モバイルデバイスの実施形態は、他の側面の1以上の特徴を含み得る。
【0021】
他の利点の中でも、実施形態は、短縮されたダンパを特徴とする同様のアクチュエータと比較して、特定の周波数帯域で向上された出力を表示する2D DMAを特徴とする。アクチュエータの周波数応答、および改善された出力の正確な範囲は、各コンポーネントの物理的寸法および各コンポーネントの材料特性など、システムの設計パラメータに応じて変えられ得る。したがって、デバイスの性能は、ダンパの寸法および材料特性の慎重に選択によって、向上(たとえば、最適化)され得る。
他の利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】モバイルデバイスの実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1のモバイルデバイスの概略断面図である。
【
図3】パネルに取り付けられた2D分散モードアクチュエータ(DMA)の例の側面図である。
【
図4A】
図3に示される2D DMAの側面図である。
【
図4B】
図3に示される2D DMAの等角図である。
【
図4C】
図3に示される2D DMAの上面図である。
【
図5】プレートの2/5幅であるダンパの効果(実線)をプレートの全幅であるダンパの効果(破線)と比較した、周波数の関数としての負荷速度のプロットである。
【
図6】400Hz(実線)および5.3kHz(破線)でのダンパの関数としての負荷速度のプロットである。
【
図7】プレートの2/5幅であるダンパを有する第1のDMAの測定された力の振幅と、プレートの全幅であるダンパーを有する第2のDMAの力の振幅とを比較するプロットである。
【
図8】モバイルデバイス用の電子制御モジュールの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
様々な図面における同様の参照記号は同様の要素を示す。
詳細な説明
【0024】
本開示は、分散モードラウドスピーカ(DML)などのパネルオーディオラウドスピーカ用のアクチュエータを特徴とする。そのようなスピーカーは、モバイルフォンなどのモバイルデバイスに統合し得る。たとえば、
図1を参照して、モバイルデバイス100は、デバイスシャーシ102と、パネルオーディオラウドスピーカを統合するフラットパネルディスプレイ(たとえば、OLEDまたはLCDディスプレイパネル)を含むタッチパネルディスプレイ104とを含む。モバイルデバイス100は、画像を表示すること、および、タッチパネルディスプレイ104を介してタッチ入力を受け取ることを含む、様々な方法でユーザとインターフェースする。典型的には、モバイルデバイスは、おおよそ10mm以下の深さ、60mm~80mm(たとえば、68mm~72mm)の幅、および100mm~160mm(たとえば、138mm~144mm)の高さを有する。
【0025】
モバイルデバイス100は、また、オーディオ出力を生成する。オーディオ出力は、フラットパネルディスプレイを振動させることによって音を生じるパネルオーディオラウドスピーカを使用して生成される。ディスプレイパネルは、二次元分散モードアクチュエータまたは2D DMAなどのアクチュエータに結合される。アクチュエータは、タッチパネルディスプレイ104などのパネルに力を提供して、パネルを振動させるように構成された可動コンポーネントである。振動パネルは、たとえば、20Hz~20kHzの範囲内の人間が聞くことができる音波を生成する。
【0026】
音声出力を生成することに加えて、モバイルデバイス100は、アクチュエータを用いた触覚出力を生成することもまたできる。たとえば、触覚出力は、180Hz~300Hzの範囲内で振動に対応することができる。
【0027】
図1は、また、
図2に示される断面方向に対応する破線を示す。
図2を参照して、モバイルデバイス100の断面200は、デバイスシャーシ102およびタッチパネルディスプレイ104を示す。
図2は、また、参照しやすいように、X、Y、およびZ軸を有するデカルト座標系を含む。デバイスシャーシ102は、Z方向に沿って測定された深さと、X方向に沿って測定された幅とを有する。デバイスシャーシ102は、また、X-Y平面に主に広がるデバイスシャーシ102の部分によって形成されるバックパネルを有する。モバイルデバイス100は、シャーシ102のディスプレイ104の後ろに収容され、かつ、ディスプレイ104の裏側に取り付けられた、電磁石アクチュエータ210を含む。一般的に、電磁石アクチュエータ210は、電子制御モジュール220およびバッテリ230を含む、シャーシに収容された他のコンポーネントによって制約されるボリューム内に収まるサイズである。
【0028】
図3を参照して、2D DMA310の実施形態は、自由端324からスタブ330に接続された端322までy方向に沿って広がるプレート320を含む。スタブ330は、ディスプレイパネル304の表面に取り付けられる。効果的には、プレート320は、カンチレバーであり、スタブ330に角で固定される。DMA310は、また、ディスプレイパネル304に面するプレート320の表面に取り付けられるダンパ340を含む。空間360は、プレート320とディスプレイパネル304との間に提供され、ダンパ340から自由端324まで広がる。
【0029】
図4A~4Cは、DMA310をより詳細に示す。具体的には、
図4Aは、DMA310の側面図を示し、
図4Bは、等角図を示し、
図4Cは、平面図を示す。プレート320は、y方向に沿って長さL
Tおよびx方向に幅W
Tで広がる長方形の形状を有する。
【0030】
プレート320は、y方向およびx方向のそれぞれにおける長さLTおよび幅WTを有するX-Y平面における長方形の形状を有する、層422,424,426で構成される多層平面要素である。一般的に、プレート320の長さおよび幅は、その構成材料の機械的特性とともに選択され、それによって、プレートは、それが使用されるアプリケーションに適切な周波数で振動共振を有する。また、寸法は、デバイス100におけるプレートに利用可能な空間の量に依存し得る。いくつかの実施形態において、LTおよびWTは、約1cm~約5cmの範囲内である。LTはWTよりも大きくし得る。
【0031】
層422,424,426は、一般的に、適切な圧電材料のタイプの少なくとも1つの層を含む。たとえば、これらの層の1以上は、セラミックまたは結晶性圧電材料であり得る。セラミック圧電材料の例は、たとえば、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコニウム鉛、フェライトビスマス、および、ニオブ酸ナトリウムを含む。結晶性圧電材料の例は、トパーズ、チタン酸鉛、ニオブ酸リチウム、および、タンタル酸リチウムを含む。いくつかの実施形態において、層422,426は、圧電材料である一方で、層424は、たとえば、剛性金属または剛性プラスチックから形成される剛性ベーンである。層424は、スタブ330内に広がり、プレート320のカンチレバーとして切断することができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、プレート320は、追加の層で構成され得る。たとえば、各圧電層は、それ自体、さらに2つの副層で構成され得る。
【0033】
一般的に、z方向におけるプレート320の厚さは、プレートの所望の機械的特性に依存して変化し得る。いくつかの実施形態において、プレート320は、約0.5mm~約5mm(たとえば、約1mm以上、約1.5mm以上、約2mm以上、約2.5mm以上、約4mm以下、約3.5mm以下、約3mm以下)の範囲内の厚さを有する。層422,424,426の層厚は、必要に応じて変化し得る。たとえば、各層は、約0.1mm~約2mm(たとえば、約0.2mm以上、約0.5mm以上、約1.5mm以下、約1mm以下)の範囲内の厚さを有する。
【0034】
プレート320は、プレート320の端322の部分に沿ってスタブ330に固定される。スタブ330は、スタブがプレートからパネルに力を効率的に伝達できるほどに十分に、機械的に、一端でパネル304に固定され、他端でプレート320に固定される。スタブ330は、プレート320の表面を越えてパネル304に向かってz方向に広がる部分434を含む。これは、プレート320のパネル304間の空間360の範囲を確立する。いくつかの実施形態において、空間360は、約0.2mm~約3mm(たとえば、約0.5mm以上、約1mm以上、約2mm以下)の範囲内である。
【0035】
スタブ330は、y方向に長さLSと、x方向に幅WSとを有する。WSは、一般的に、プレートの幅WTよりも十分に小さいので、端322に沿ったプレートのかなりの部分は、作動したときに自由に振動する。いくつかの実施形態において、WSはWTの50%未満(たとえば、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下)である。プレート320の他端はいずれもパネルに固定されていないため、プレートが作動すると、それらも自由に振動することができる。したがって、プレート320は、x方向およびy方向の両方において、振動モードを支持することができる。
【0036】
パネル304は、恒久的に、たとえば、固定的に、スタブ330に接続され、たとえば、スタブ330からのパネル304の取り外しは、パネル304、スタブ330、または、その両方を損傷させる可能性が高い。いくつかの例において、たとえば、スタブ330からのパネル304の取り外しがパネル304またはスタブ330に損傷を与える可能性が低いように、パネル304は、スタブ330に取り外し可能に接続される。いくつかの実施形態において、スタブ330の表面をパネル304に接続するために接着剤が用いられる。
【0037】
スタブ330は、典型的には、たとえば、変形しない硬質材料から形成される。たとえば、スタブ330は、金属、硬質プラスチック、または別の適切な材料のタイプから形成されてもよい。いくつかの実施形態において、スタブ330は、異なる材料の2以上のピースから形成された複合構造である。
【0038】
ダンパ340は、パネル304に面するプレート320の表面によって支持される。ダンパは、パネル340の表面に接触するのに十分な厚さTDを有し、それによって、プレート320とパネル304との間の機械的結合を提供する。ダンパ340は、WSよりも大きく、かつ、WTにおおよそ等しい、x方向に広がる幅WDを有する。ダンパ340は、実質的にLTよりも短い、y方向に沿った長さLDを有する。たとえば、LDは、LTの約20%以下(たとえば、約15%以下、約10%以下、約8%以下、約5%以下)であり得る。
【0039】
ダンパ340は、典型的には、一定の周波数で振動を減衰するのに適した粘弾性特性を有する1以上の材料から形成されている。ダンパ材料は、また、DMAの寿命中に実質的に劣化しないように、環境的に十分にロバストであるべきである。適切な材料は、有機またはシリコンポリマー、たとえばゴムを含み得る。いくつかの実施形態において、ネオプレンが使用される。テサテープ(ノースカロライナ州シャーロットのテサテープ社製)などの市販の接着テープを、特定の実施形態で使用することもできる。
【0040】
アクチュエータ310がプレート320と同じ幅(すなわち、WT=WD)を有するダンパ340を含むが、他の実装もまた可能である。一般的に、ダンパ340の幅はスタブ330の幅よりも大きいが、ダンパの幅は変えることができる。たとえば、WSは、WDの約50%以下(たとえば、WDの約45%以下、WDの約40%以下、WDの約35%以下、WDの約30%以下、WDの約25%以下、WDの約20%以下、WDの約15%以下)であり得る。WDは、WTの約40%以上(たとえば、WTの、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、たとえば約100%)であり得る。一般的に、ダンパの正確な幅は、所望の周波数応答を得るために、設計変数として含められ得る。
【0041】
さらに、上述のプレートは、x-y平面において長方形のフットプリントを有するが、より一般的には、他の形状も可能である。たとえば、x方向および/またはy方向のいずれかにおけるプレートの寸法は、その長さおよび幅に沿って変化し得る。一般的に、プレートの幅は、x方向において最大寸法とみなされ、一方、プレートの長さは、y方向において最大寸法とみなされる。同様に、スタブおよび/またはダンパのいずれかは、長方形でないフットプリントを有していてもよい。一般的に、これらの各要素の形状は、たとえば、計算シミュレーションソフトウェアを使用して、所望の応答スペクトルを提供する形状に最適化され得る。
【0042】
一般的に、プレートによって生じた力は、基本周波数F0の基本共振ピーク、第1周波数F1の第1共振ピーク、および、第2周波数F2の第2共振ピークを含む。これらの共振は、アクチュエータの出力の尺度である力の振幅が極大となる周波数を表す。一般的に、固定された入力電力において、アクチュエータの効率は、これらの共振の間で低下するだろう。アクチュエータ310などのパネルオーディオラウドスピーカでオーディオ信号を生成するように設計されたアクチュエータにおいて、F0は、典型的には、約300Hz~約1kHzの範囲内(たとえば、約400Hz~約600Hz)であり、F1は、典型的には、約3kHz~約8kHzの範囲(たとえば、約4kHz~約6kHz)であり、F2は、典型的には、約10kHz~約20kHzの範囲である。これらの共振周波数は、他のパラメータの中で、ダンパ340の幅WDに依存する。スタブの幅を超えて広がるダンパを使用することによって、プレートの出力は、同じプレートと比較してF1とF2との間の少なくともいくつかの周波数で増加するが、WDはWSと同じである、と考えられている。これは、アクチュエータの効率を有利に改善する。F1とF2との間の少なくとも1つの周波数において、プレートによって生じる力は、同じプレートと比較して少なくとも5倍(たとえば、約10倍以上、約20倍以上、約50倍以上)大きいが、WDはWSと同じである。
【0043】
図5は、プレートの2/5幅であるダンパの効果(実線)をプレートの全幅であるそれ(破線)と比較した、周波数の関数としての負荷速度(ms
-1)のプロットである。基本周波数F
0は、両方のダンパの幅においておおよそ同じ周波数であるが、より短いダンパを有するDMAは、全幅ダンパと比較して低い周波数で共振ピークF
1を示す。特に、2/5幅のダンパは、おおよそ4kHzでピークF
1を有するが、全幅のダンパは、おおよそ5kHzで対応するピークを有する。また特に、2/5幅のダンパは、F
1とおおよそ6.5kHzのさらなるピークとの間の負荷速度における急激な低下、同様に、おおよそ1.6kHzのステップ510も示す。対照的に、全幅ダンパは、4kHz~10kHzの範囲内の負荷速度において、同様の低下を示さない。これは、全幅のダンパを有するDMAの効率が、少なくとも4kHz~10kHzの周波数範囲にわたって、2/5のダンパの効率よりも高くなることを示唆している。
【0044】
図6は、関心のある2つの異なる周波数、すなわち、400Hzおよび5.3kHzでの負荷速度(ms
-1)に対するダンパ幅の効果を示している。これらの結果はシミュレーションによって生成されている。このプロットから明らかなように、ダンパ幅が6mm~15mmに増加されても、(たとえば、400Hzでの)低周波数性能は、比較的変化しない。しかしながら、より高い周波数(この例では5.3kHz)において、ダンパ幅は、負荷速度において著しい影響を有し、6mmといったダンパ幅における低い値から15mmにおける最大値まで、桁違いに速度を増加させる。
【0045】
図7は、異なる幅を有するダンパを備えた2つのDMAの性能を比較している。具体的には、
図7は、プレートの2/5幅である幅を有するダンパを備えたDMAについて行われたブロック力測定の結果のプロット(線701)と、プレートの幅と実質的に等しい幅をダンパが有する同様のDMAについて行われた測定のプロット(線702)とを示す。2つのスペクトルの間には、いくつかの顕著な違いがある。第1に、広げられたダンパを有するDMAは、短いダンパを有するDMAよりも、わずかに高い周波数で基本周波数F
0を示す。この周波数シフトは、
図7においてΔF
0として識別され、約80Hzである。第2に、より短いダンパを有するDMA(線702)は、おおよそ2kHzでそのスペクトルに顕著なステップを示す。これは、
図7において710として識別される。拡張ダンパは、ステップなどを表示しないが、おおよそ1kHzからF
1への応答において、はるかに滑らかに増加する。第3に、周波数範囲720において、おおよそ6kHz~10kHzで、より短いダンパを有するDMAは、この範囲にわたって出力される力の大幅な低下を示す。対照的に、拡張ダンパを有するDMAから出力される力の低下は、著しく小さくなる。したがって、全幅ダンパを有するDMAの効率は、少なくとも周波数範囲720にわたって、2/5ダンパの効率よりも高くなる、と考えられている。
【0046】
一般的に、開示されたアクチュエータは、電子制御モジュール、たとえば、上記
図2の電子制御モジュール220によって制御される。一般的に、電子制御モジュールは、モバイルフォンの1以上のセンサおよび/または信号受信機から入力を受信し、入力を処理し、アクチュエータ210に適切な触覚応答を提供させる信号波形を生成および転送する、1以上の電子コンポーネントで構成される。
図8を参照すると、モバイルフォン100などのモバイルデバイスの例示的な電子制御モジュール800は、プロセッサ810、メモリ820、ディスプレイドライバ830、信号発生器840、入力/出力(I/O)モジュール850、および、ネットワーク/通信モジュール860を含む。これらの構成要素は、互いに(たとえば、信号バスを介して)およびアクチュエータ210と電気通信している。
【0047】
プロセッサ810は、データまたは命令を、処理、受信、または、転送することが可能な任意の電子デバイスとして実装され得る。たとえば、プロセッサ810は、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはそのようなデバイスの組み合わせであり得る。
【0048】
メモリ820は、そこに記憶された、様々な命令、コンピュータプログラム、または、他のデータを有する。命令またはコンピュータプログラムは、モバイルデバイスに関して説明された1以上の動作または機能を実行するように構成され得る。たとえば、命令は、ディスプレイドライバ830、信号発生器840、I/Oモジュール850の1以上のコンポーネント、ネットワーク/通信モジュール860を介してアクセス可能な1以上の通信チャネル、1以上のセンサ(たとえば、生体センサ、温度センサ、加速度計、光学センサ、気圧センサ、水分センサなど)、および/またはアクチュエータ210を介して、デバイスの表示動作を制御または調整するように構成され得る。
【0049】
信号発生器840は、アクチュエータ210に適した様々な振幅、周波数、および/またはパルスプロファイルのAC波形を生成し、アクチュエータを介して音響および/または触覚応答を生成するように構成される。別の構成要素として示されているが、いくつかの実施形態において、信号発生器840は、プロセッサ810の一部であり得る。いくつかの実施形態において、信号発生器840は、たとえば、その一体または別のコンポーネントとして、増幅器を含み得る。
【0050】
メモリ820は、モバイルデバイスによって使用可能な電子データを記憶することができる。たとえば、メモリ820は、たとえばオーディオおよびビデオファイル、ドキュメントおよびアプリケーション、デバイス設定およびユーザ選好、さまざまなモジュール、データ構造またはデータベースのためのタイミングおよび制御信号またはデータ、などの電気データまたはコンテンツを格納することができる。メモリ820は、また、アクチュエータ210のための信号を生成するために信号発生器840によって使用され得る様々なタイプの波形を再現するための命令を格納し得る。メモリ820は、たとえば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フラッシュメモリ、リムーバブルメモリ、または、他のタイプのストレージエレメント、または、そのようなデバイスの組み合わせなど、任意のタイプのメモリであってもよい。
【0051】
簡単に上述したように、電子制御モジュール800は、
図8においてI/Oモジュール850として表される様々な入出力コンポーネントを含み得る。I/Oモジュール850のコンポーネントは、
図8において単一のアイテムとして表されているが、モバイルデバイスは、ユーザ入力を受け入れるためのボタン、マイクロフォン、スイッチ、および、ダイヤルを含む、いくつかの異なる入力コンポーネントを含み得る。いくつかの実施形態において、I/Oモジュール850のコンポーネントは、1以上のタッチセンサおよび/または力センサーを含み得る。たとえば、モバイルデバイスのディスプレイは、ユーザがモバイルデバイスに入力を提供することを可能にする1以上のタッチセンサおよび/または1以上の力センサを含み得る。
【0052】
I/Oモジュール850の各コンポーネントは、信号またはデータを生成するための専用回路を含み得る。いくつかの場合において、コンポーネントは、ディスプレイ上に表示されるプロンプトまたはユーザインターフェースオブジェクトに対応するアプリケーション固有の入力におけるフィードバックを生成または提供し得る。
【0053】
上記のように、ネットワーク/通信モジュール860は、1以上の通信チャネルを含む。これらの通信チャネルは、プロセッサ810と外部デバイスまたは他の電子デバイスとの間の通信を提供する1以上の無線インターフェースを含むことができる。一般的に、通信チャネルは、プロセッサ810上で実行される命令によって解釈され得るデータおよび/または信号を送信および受信するように構成され得る。いくつかの場合において、外部デバイスは、データを他のデバイスと交換するように構成される外部通信ネットワークの一部である。一般的に、無線インターフェースは、無線周波数、光、音響、および/または磁気信号を含むことができるが、これらに限定されず、無線インターフェースまたはプロトコルにおいて動作するように構成することができる。たとえば、無線インターフェースは、無線周波数セルラーインターフェース、光ファイバーインターフェース、音響インターフェース、ブルートゥースインターフェース、近距離無線通信インターフェース、赤外線インターフェース、USBインターフェース、Wi-Fiインターフェース、TCP/IPインターフェース、ネットワーク通信インターフェース、または、任意の従来の通信インターフェースを含む。
【0054】
いくつかの実装において、ネットワーク/通信モジュール860の1以上の通信チャネルは、モバイルデバイスと、他のモバイルフォン、タブレット、コンピュータなどのような他のデバイスとの間の無線通信チャネルを含み得る。いくつかの場合において、出力、音声出力、触覚出力、または、視覚表示要素は、出力のために他のデバイスに直接送信され得る。たとえば、可聴警報または視覚的警告は、そのデバイスでの出力のために、電子デバイス100からモバイルフォンに送信され得るが、その逆もあり得る。同様に、ネットワーク/通信モジュール860は、モバイルデバイスを制御するために別のデバイス上で提供される入力を受信するように構成され得る。たとえば、可聴警報、視覚的通知、または、触覚警報(またはそのための命令)は、提示のために外部デバイスからモバイルデバイスに送信され得る。
【0055】
ここで開示されたアクチュエータ技術は、たとえば、音響および/または触覚フィードバックを提供するように設計されたパネルオーディオシステムにおいて用いられ得る。パネルは、たとえば、LCD技術のOLEDに基づくディスプレイシステムであり得る。パネルは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、テレビセット、または、ウェアラブルデバイス(たとえば、スマートウォッチまたはスマートグラスなどのヘッドマウントデバイス)の一部であり得る。いくつかの実施形態において、アクチュエータ技術は、窓ガラスまたはハイファイスピーカなどの電子ディスプレイパネルを含まないパネルを含むパネルオーディオスピーカに含まれる。
【0056】
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。