(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-13
(45)【発行日】2022-05-23
(54)【発明の名称】手数料基準変動システム、手数料基準変動プログラム及びこのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220516BHJP
G06Q 50/14 20120101ALI20220516BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
G06Q50/14
(21)【出願番号】P 2021215179
(22)【出願日】2021-12-28
【審査請求日】2021-12-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514002330
【氏名又は名称】株式会社オープンドア
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】関根 大介
【審査官】田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-125711(JP,A)
【文献】特開2005-284919(JP,A)
【文献】特開2002-207935(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0049556(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0122087(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
旅行商品又はプランである旅行等商品の予約購入を希望する購入者と、前記旅行等商品を提供する提供者との予約購入取引を、ネットワークを通じて仲介する旅行商品検索システムにおいて、前記旅行商品検索システムを介して前記予約購入取引がされた際の手数料の基準を変動させる手数料基準変動システムであって、
前記提供者から提供される前記旅行等商品のうち、少なくとも、特定の条件に基いた前記旅行等商品である特定旅行商品の商品情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記特定旅行商品の商品情報を記憶する情報記憶部と、
前記情報記憶部が記憶した前記特定旅行商品の商品情報に基き、前記特定旅行商品の中から前記購入者の購入希望条件に該当する商品情報を有する前記旅行等商品である対象旅行商品を検索すると共に、この対象旅行商品を所定の基準で並べた際の順位を判定する検索判定部と、
前記検索判定部の判定結果に基き、前記対象旅行商品の中から前記購入者によって選択された前記旅行等商品である選択旅行商品に対して、前記手数料の基準を変動させるか否かを決定すると共に、前記提供者ごとに予め設定された固有の特別識別情報及び通常識別情報のいずれかを付与する適用部と、を備え、
前記適用部は、前記選択旅行商品の前記順位が所定の条件に該当するときに前記手数料の基準の変動を決定し、前記決定に基いて、前記手数料の基準を変動させる場合に前記特別識別情報を付与し、前記手数料の基準を変動させない場合に前記通常識別情報を付与する、
ことを特徴とする手数料基準変動システム。
【請求項2】
前記所定の基準は、商品価格が安価な順を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載された手数料基準変動システム。
【請求項3】
前記所定の基準は、購入回数が多い順を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載された手数料基準変動システム。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記順位が1位であること、である、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された手数料基準変動システム。
【請求項5】
前記旅行等商品は、宿泊施設における宿泊予約、航空券、ツアー、レンタカー、バス又はこれらを組み合わせた商品である、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載された手数料基準変動システム。
【請求項6】
前記提供者は、旅行会社、宿泊施設を運営する施設運営者、前記施設運営者と前記購入者との前記予約購入取引を仲介する仲介業者、旅客運送事業者、又は、前記旅行等商品及び通信に関するサービスを提供するサービス提供者である、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載された手数料基準変動システム。
【請求項7】
前記所定の基準には、前記旅行等商品の中で並べ替える、が含まれており、
前記検索判定部は、前記対象旅行商品を前記所定の基準で並べ替える際に、前記旅行会社のサイト、前記宿泊施設のサイト及び他の旅行商品検索サイトのそれぞれから前記旅行等商品の商品情報を取得する、
ことを特徴とする請求項6に記載された手数料基準変動システム。
【請求項8】
旅行商品又はプランである旅行等商品の予約購入を希望する購入者と、前記旅行等商品を提供する提供者との予約購入取引を、ネットワークを通じて仲介する旅行商品検索システムにおいて、前記旅行商品検索システムを介して前記予約購入取引がされた際の手数料の基準を変動させる手数料基準変動プログラムであって、
前記提供者から提供される前記旅行等商品のうち、少なくとも、特定の条件に基いた前記旅行等商品である特定旅行商品の商品情報を取得する情報取得手順と、
前記情報取得手順で取得した前記特定旅行商品の商品情報を記憶する情報記憶手順と、
前記情報記憶手順で記憶した前記特定旅行商品の商品情報に基き、前記特定旅行商品の中から前記購入者の購入希望条件に該当する商品情報を有する前記旅行等商品である対象旅行商品を検索すると共に、この対象旅行商品を所定の基準で並べた際の順位を判定する検索判定手順と、
前記検索判定手順の判定結果に基き、前記対象旅行商品の中から前記購入者によって選択された前記旅行等商品である選択旅行商品に対して、前記手数料の基準を変動させるか否かを決定すると共に、前記提供者ごとに予め設定された固有の特別識別情報及び通常識別情報のいずれかを付与する適用手順と、を備え、
前記適用手順は、前記選択旅行商品の前記順位が所定の条件に該当するときに前記手数料の基準の変動を決定し、前記決定に基いて、前記手数料の基準を変動させる場合に前記特別識別情報を付与し、前記手数料の基準を変動させない場合に前記通常識別情報を付与する、
ことを特徴とする手数料基準変動プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載された手数料基準変動プログラムが記録された、
ことを特徴とするコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手数料基準変動システム、手数料基準変動プログラム及びこのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ホテル等の施設運営者から提供される宿泊予約等の旅行商品の多くは、施設運営者が運営する宿泊施設の公式サイト又は旅行会社が運営する旅行会社サイトを通じて購入されている。また、旅行商品を購入する購入者は、宿泊施設の公式サイト及び異なる複数の旅行会社サイトに掲載された旅行商品を比較して、所望の条件に合致する旅行商品、例えば、同様の旅行商品の中で最も安価なものを選択して購入する。
【0003】
そのような状況に対応して、最新の最も安価な宿泊料金を選び出してホームページ上に表示させることができる宿泊予約の仲介方法が提案されている(特許文献1)。この宿泊予約の仲介方法は、オンライン回線を介して施設運営者及び仲介業者のそれぞれから独立して入力された宿泊料金のうち、最新の最も安価な宿泊料金を選び出してホームページ上に表示し、予約申込みを受け付ける。そのため、購入者は最も安価な宿泊料金で宿泊施設を利用でき、また、施設運営者及び仲介業者は最も安価な宿泊料金の宿泊プランを効率良く販売できる。
【0004】
一方、近年では、上記した購入者による旅行商品の比較及び選択を容易にするため、旅行商品に関し、宿泊施設のホームページ及び異なる複数の旅行会社サイトから旅行商品の商品情報を収集して、これらの旅行商品の商品情報を比較できる旅行商品検索サイトが存在する。
【0005】
この旅行商品検索サイトでは、購入者は、宿泊施設の公式サイト及び複数の旅行会社サイトから収集された旅行商品の商品情報を横断的に比較できるので、わざわざ自分で宿泊施設の公式サイト及び複数の旅行会社サイトをチェックする必要がない。そのため、購入者は、購入を希望する旅行商品を検索し、検索結果として表示された複数の旅行商品を比較しながら所望の条件に合致した旅行商品を容易に選択できる。また、所望の旅行商品を選択すると旅行商品検索サイトから宿泊施設の公式サイト又は旅行会社サイトに遷移するため、当該旅行商品を手軽に購入できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記した旅行商品検索サイトを介して旅行商品の予約購入取引が成立した際には、旅行商品検索サイトの管理者に、旅行商品の提供者から手数料が支払われる。この手数料の基準、例えば、手数料の料率は、旅行商品の提供者ごとに、管理者との契約によって定められ、多くの場合で一律の基準(料率)が採用されている。
【0008】
しかし、旅行商品の中には、購入を獲得するために、ほとんど利益がないような商品価格で販売されるものが存在する。このような旅行商品が立て続けに購入されると、手数料の基準が一律であるため、旅行商品の提供者が負担する費用は増加する。そうすると、上記した利益が一層圧迫されることとなり、旅行商品の価格競争を滞らせる要因となる。そこで、健全な形で旅行商品の価格競争を促すと共に、利益の圧迫を軽減することで、旅行業界の発展を支える仕組みが求められている。
【0009】
また、上記した価格競争を促すこと以外にも、例えば、購入者が購入を希望する旅行商品について、旅行商品の商品価格や人気など、所定の基準に従って優位性のある旅行商品を提供し、これらの優位性のある旅行商品が購入される際に、その優位性に応じて手数料の基準を変動させることにより、価値のある旅行商品に対してその価値に応じた基準(料率)を適用して、旅行商品の品質の向上を促すことができる仕組みが求められている。
【0010】
そこで、本発明は、予め定められた条件に基いて、手数料の基準を変動させることができる手数料基準変動システム、手数料基準変動プログラム及びこのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記憶媒体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る手数料基準変動システムは、旅行商品又はプランである旅行等商品の予約購入を希望する購入者と、前記旅行等商品を提供する提供者との予約購入取引を、ネットワークを通じて仲介する旅行商品検索システムにおいて、前記旅行商品検索システムを介して前記予約購入取引がされた際の手数料の基準を変動させる手数料基準変動システムであって、前記提供者から提供される前記旅行等商品のうち、少なくとも、特定の条件に基いた前記旅行等商品である特定旅行商品の商品情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記特定旅行商品の商品情報を記憶する情報記憶部と、前記情報記憶部が記憶した前記特定旅行商品の商品情報に基き、前記特定旅行商品の中から前記購入者の購入希望条件に該当する商品情報を有する前記旅行等商品である対象旅行商品を検索すると共に、この対象旅行商品を所定の基準で並べた際の順位を判定する検索判定部と、前記検索判定部の判定結果に基き、前記対象旅行商品の中から前記購入者によって選択された前記旅行等商品である選択旅行商品に対して、前記手数料の基準を変動させるか否かを決定すると共に、前記提供者ごとに予め設定された固有の特別識別情報及び通常識別情報のいずれかを付与する適用部と、を備え、前記適用部は、前記選択旅行商品の前記順位が所定の条件に該当するときに前記手数料の基準の変動を決定し、前記決定に基いて、前記手数料の基準を変動させる場合に前記特別識別情報を付与し、前記手数料の基準を変動させない場合に前記通常識別情報を付与する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る手数料基準変動システムは、前記所定の基準は、商品価格が安価な順を含む、ことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る手数料基準変動システムは、前記所定の基準は、購入回数が多い順を含む、ことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る手数料基準変動システムは、前記所定の条件は、前記順位が1位であること、である、ことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る手数料基準変動システムは、前記旅行等商品は、宿泊施設における宿泊予約、航空券、ツアー、レンタカー、バス又はこれらを組み合わせた商品である、ことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る手数料基準変動システムは、前記提供者は、旅行会社、宿泊施設を運営する施設運営者、前記施設運営者と前記購入者との前記予約購入取引を仲介する仲介業者、旅客運送事業者、又は、前記旅行等商品及び通信に関するサービスを提供するサービス提供者である、ことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る手数料基準変動システムは、前記所定の基準には、前記旅行等商品の中で並べ替える、が含まれており、前記検索判定部は、前記対象旅行商品を前記所定の基準で並べ替える際に、前記旅行会社のサイト、前記宿泊施設のサイト及び他の旅行商品検索サイトのそれぞれから前記旅行等商品の商品情報を取得する、ことを特徴とする。
【0018】
本発明に係る手数料基準変動プログラムは、旅行商品又はプランである旅行等商品の予約購入を希望する購入者と、前記旅行等商品を提供する提供者との予約購入取引を、ネットワークを通じて仲介する旅行商品検索システムにおいて、前記旅行商品検索システムを介して前記予約購入取引がされた際の手数料の基準を変動させる手数料基準変動プログラムであって、前記提供者から提供される前記旅行等商品のうち、少なくとも、特定の条件に基いた前記旅行等商品である特定旅行商品の商品情報を取得する情報取得手順と、前記情報取得手順で取得した前記特定旅行商品の商品情報を記憶する情報記憶手順と、前記情報記憶手順で記憶した前記特定旅行商品の商品情報に基き、前記特定旅行商品の中から前記購入者の購入希望条件に該当する商品情報を有する前記旅行等商品である対象旅行商品を検索すると共に、この対象旅行商品を所定の基準で並べた際の順位を判定する検索判定手順と、前記検索判定手順の判定結果に基き、前記対象旅行商品の中から前記購入者によって選択された前記旅行等商品である選択旅行商品に対して、前記手数料の基準を変動させるか否かを決定すると共に、前記提供者ごとに予め設定された固有の特別識別情報及び通常識別情報のいずれかを付与する適用手順と、を備え、前記適用手順は、前記選択旅行商品の前記順位が所定の条件に該当するときに前記手数料の基準の変動を決定し、前記決定に基いて、前記手数料の基準を変動させる場合に前記特別識別情報を付与し、前記手数料の基準を変動させない場合に前記通常識別情報を付与する、ことを特徴とする。
【0019】
本発明に係るコンピュータで読み取り可能な記憶媒体は、上記した手数料基準変動プログラムが記録された、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る手数料基準変動システムは、旅行商品又はプランである旅行等商品の予約購入を希望する購入者と、旅行等商品を提供する提供者との予約購入取引を、ネットワークを通じて仲介する旅行商品検索システムにおいて、旅行商品検索システムを介して前記予約購入取引がされた際の手数料の基準を変動させる手数料基準変動システムである。そして、提供者から提供される旅行等商品のうち、少なくとも、特定の条件に基いた旅行等商品である特定旅行商品の商品情報を取得する情報取得部と、情報取得部が取得した特定旅行商品の商品情報を記憶する情報記憶部と、情報記憶部が記憶した特定旅行商品の商品情報に基き、特定旅行商品の中から購入者の購入希望条件に該当する商品情報を有する旅行等商品である対象旅行商品を検索すると共に、この対象旅行商品を所定の基準で並べた際の順位を判定する検索判定部と、検索判定部の判定結果に基き、対象旅行商品の中から購入者によって選択された旅行等商品である選択旅行商品に対して、手数料の基準を変動させるか否かを決定すると共に、提供者ごとに予め設定された固有の特別識別情報及び通常識別情報のいずれかを付与する適用部と、を備えている。さらに、適用部は、選択旅行商品の順位が所定の条件に該当するときに手数料の基準の変動を決定し、この決定に基いて、手数料の基準を変動させる場合に特別識別情報を付与し、手数料の基準を変動させない場合に通常識別情報を付与する。そのため、所定の基準に従って並べられた順位に基き、選択旅行商品について相対的な評価が可能であり、その結果に基いて、手数料の基準を変動させることができる。
【0021】
また、適用部は、手数料の基準を変動させる場合に手数料の基準を変動させることを示す特別識別情報を付与し、手数料の基準を変動させない場合に手数料の基準を変動させないことを示す通常識別情報を付与する。そうすると、旅行等商品の提供者は、付与される特別識別情報又は通常識別情報により、手数料の基準の変動の有無を把握することができる。したがって、価格競争を促すことができる。
【0022】
本発明に係る手数料基準変動システムは、所定の基準に、商品価格が安価な順が含まれている。そのため、選択旅行商品の商品価格について、安価なものであるか否かの相対的な評価が可能である。したがって、価格競争をより一層促すことができる。
【0023】
本発明に係る手数料基準変動システムは、所定の基準に、購入回数が多い順が含まれている。そのため、選択旅行商品について、人気が高いものであるか否かの相対的な評価が可能である。そうすると、旅行等商品の提供者に対しては、より良い内容の旅行等商品を提供しようとする動機付けになり、また、購入者にとっては、より良い内容の旅行等商品が多く提供されることとなる。したがって、旅行等商品の品質の向上を促すことができる。
【0024】
本発明に係る手数料基準変動システムは、所定の条件が、順位が1位であること、である。そのため、例えば、所定の基準に「商品価格が安価な順」が含まれる場合には、選択旅行商品の商品価格が最も安価であるか否かについての相対的な評価が可能で、かつ、この結果に基いて、最も安価な商品価格の旅行等商品について手数料の基準を変動させることができる。したがって、例えば、ほとんど利益がでないと考えられる最も安価な商品価格で旅行等商品が購入される際に、手数料の基準を変動させて利益の圧迫を抑えることができる。
【0025】
本発明に係る手数料基準変動システムは、旅行等商品が、宿泊施設における宿泊予約、航空券、ツアー、レンタカー、バス又はこれらを組み合わせた商品である。また、旅行等商品の提供者が、旅行会社、宿泊施設を運営する施設運営者、施設運営者と購入者との予約購入取引を仲介する仲介業者、旅客運送事業者、又は、旅行等商品及び通信に関するサービスを提供するサービス提供者である。さらに、所定の基準には、旅行等商品の中で並べ替える、が含まれており、検索判定部が、対象旅行商品を所定の基準で並べ替える際に、旅行会社のサイト、宿泊施設のサイト及び他の旅行商品検索サイトのそれぞれから旅行等商品の商品情報を取得する。したがって、網羅的かつ横断的に、選択旅行商品についての相対的な評価が可能である。
【0026】
本発明に係る手数料基準変動プログラム及びこのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、上記した手数料基準変動システムと同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態に係る手数料基準変動システムのハードウェアの概略構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る手数料基準変動システムの概略構成図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る手数料基準変動システムの検索判定部の処理を示すフロー図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る手数料基準変動システムの適用部の処理を示すフロー図である。
【
図5】本発明に係る他の実施形態に係る手数料基準変動システムのハードウェアの概略構成図である。
【
図6】本発明に係る他の実施形態に係る手数料基準変動システムの概略構成図である。
【
図7】本発明に係る他の実施形態に係る手数料基準変動システムの情報取得部の処理を示すフロー図である。
【
図8】本発明に係る他の実施形態に係る手数料基準変動システムの検索判定部の処理を示すフロー図である。
【
図9】本発明に係る他の実施形態に係る手数料基準変動システムの適用部の処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る実施形態の手数料基準変動システムを、
図1から
図4を参照して説明する。
【0029】
本発明に係る実施形態の手数料基準変動システムのハードウェアの概略構成について説明する。
図1に示すように、手数料基準変動システム100は、CPU(Central Processing Unit)1等のプロセッサによって実現される制御部(図示省略)と、ROM2、RAM3及びHDD(Hard Disk Drive)4等の記憶装置によって構成される記憶部5と、キーボード、マウス又はタッチパネル等の入力装置で構成される入力部6と、液晶ディスプレイ又はプリンター等の出力装置で構成される出力部7と、を少なくとも備えている。制御部は、例えば、ROM2に格納されたプログラムに従って、CPU1に実行させるOS(Operating System)のプログラムの一部又はアプリケーションプログラムの一部が格納されたRAM3を使用して、情報取得部8と、情報記憶部9と、検索判定部10と、適用部11とを制御する。なお、制御部のCPU1は、MPU(Micro Processing Unit)(図示省略)又はDSP(Digital Signal Processor)(図示省略)等の他のプロセッサによって構成されていてもよく、また、記憶部5のHDDは、SSD(Solid State Drive)(図示省略)等の他の記憶装置で構成されていてもよい。
【0030】
また、手数料基準変動システム100は、上記したハードウェア構成の他、ソフトウェアとしても実現することができる。この場合には、例えば、CPU1、ROM2及びRAM3等を備えるコンピュータにおいて、ROM2及びRAM3に記憶されて動作する手数料基準変動プログラム(図示省略)として構成される。この手数料基準変動プログラムは、コンピュータが情報取得部8、情報記憶部9、検索判定部10及び適用部11の機能を、情報取得手順、情報記憶手順、検索判定手順及び適用手順として果たすように動作する。したがって、例えば、手数料基準変動システム100は、手数料基準変動プログラムをCD-ROM等の記録媒体に記録し、この記録媒体をコンピュータに読み込ませることにより実現することもできる。記録媒体としては、CD-ROM以外に、例えば、フレキシブルディスク、光ディスク、HDD又はSSD等の種々の記憶装置を用いることができる。
【0031】
さらに、手数料基準変動システム100は、記録媒体から手数料基準変動プログラムを読み込ませるもの以外に、手数料基準変動プログラムをインターネット等の通信ネットワーク20を介してコンピュータにダウンロードさせることによっても実現できる。さらには、手数料基準変動プログラムをコンピュータにダウンロードさせることなく、ASP(Application Service Provider)によるSaaS(Software as a Service)として実現させてもよい。この場合には、通信ネットワーク20を介して、上記したハードウェア構成又はソフトウェアにアクセス可能に構成されたクラウドサービスとして提供される。なお、通信ネットワーク20は、例えば、インターネット、専用線により接続されたネットワーク、企業内LAN、企業間LAN又はWAN等のあらゆるネットワークを含む。また、通信回線の形態は、例えば、有線通信、無線通信又は衛星通信等のあらゆる通信形態を含む。
【0032】
また、手数料基準変動システム100は、通信ネットワーク20を介して旅行商品検索システム31に接続される独立したシステムとして構成されてもよいが、例えば、旅行商品検索システム31の一部として組み込まれたシステムとして構成されていてもよい。
図2は、旅行商品検索システム31の一部に組み込まれて構成された手数料基準変動システム100を示している。この場合には、手数料基準変動システム100は、旅行商品検索システム31及び通信ネットワーク20を介して、旅行等商品の提供者の端末である提供者端末、例えば、旅行会社の端末である旅行会社端末60や、各提供者のサイト及び各提供者のサイトを管理する各システムに通信可能に構成され、また、旅行等商品の購入者の端末である購入者端末70に通信可能に構成されている。さらに、他社が管理する旅行商品検索システムである他の旅行商品検索システム、他社が管理する旅行商品検索サイトである他の旅行商品検索サイト、及び、この他の旅行商品検索サイトを管理するシステムに通信可能に構成されている。
なお、手数料基準変動システム100は、旅行商品検索システム31から独立したシステムとして構成される場合には、通信ネットワーク20を介して、提供者端末、各提供者のサイト、各提供者のサイトを管理する各システム、購入者端末70、他の旅行商品検索システム、他の旅行商品検索サイト及び他の旅行商品検索サイトを管理するシステムに通信可能な通信部(図示省略)を備えて構成される。この通信部は、ファイル形式又はAPI(Application Programming Interface)形式のいずれの通信態様にも対応していることが好ましく、旅行等商品の商品情報等を送受信可能に構成される。
【0033】
次に、手数料基準変動システム100の構成及び処理フローについて説明する。
図2に示すように、手数料基準変動システム100は、旅行商品検索システム31を介して予約購入される旅行商品又はプランである旅行等商品について、この旅行等商品の提供者から旅行商品検索システム31を管理する管理者に支払われる手数料の基準を変動させるためのものである。そのため、手数料基準変動システム100は、旅行等商品の提供者の提供者端末から、旅行等商品の商品情報40を取得して、この旅行等商品の商品情報40に基いて、予め定められた条件に従って、手数料の基準を変動させるか否かを決定する。
【0034】
旅行商品検索システム31は、少なくともCPU等のプロセッサ並びにROM、RAM及びHDD等の記憶装置を備えて構成されており、管理者によって管理されている。旅行商品検索システム31は、インターネット上に構築された旅行商品検索サイト30を介して、複数の旅行等商品の商品情報40を公開している。そのため、旅行商品検索システム31は、旅行等商品の提供者の提供者端末から、複数の旅行等商品の商品情報40を収集する。そして、収集された旅行等商品の商品情報40に基いて、旅行商品検索サイト30を介して、購入者の求めに応じて、旅行等商品の商品情報40を比較した比較情報50を提供する。なお、旅行商品検索システム31は、通信ネットワーク20を介して、旅行等商品の提供者の提供者端末、例えば、旅行会社端末60や、各提供者のサイト、各提供者のサイトを管理する各システム、旅行等商品の購入者の購入者端末70、他の旅行商品検索システム、他の旅行商品検索サイト及び他の旅行商品検索サイトを管理するシステムに通信可能に構成されている。また、旅行商品検索システム31は、ファイル形式又はAPI形式のいずれの通信態様にも対応し、旅行等商品の商品情報等を送受信可能に構成されている。
【0035】
旅行等商品は、例えば、宿泊施設における宿泊予約の他、航空券、ツアー、レンタカー、バス、鉄道、パッケージ及びその他の旅行関連商品又はプランのことであり、手配旅行、パッケージツアー及びダイナミックパッケージツアー(実質的に同一の商品を含む)等の様々な商品形態のものが含まれる。なお、すべての商品形態を、上記したパッケージツアーなどに当てはめて明確に区分けすることは困難であるため、これらの呼び名は、旅行等商品を一義的に限定して解釈するものではない。
また、特定旅行商品とは、特定の条件に基いた旅行等商品のことであり、例えば、特定の条件が「特定の宿泊施設である施設H1における宿泊予約」である場合には、施設H1に宿泊するための全ての宿泊予約が含まれる。この場合には、施設H2に宿泊するための宿泊予約は、特定旅行商品には含まれない。したがって、旅行等商品の提供者である旅行会社T1及び旅行会社T2から提供される施設H1における宿泊予約であるプランA、プランB及びプランEが特定旅行商品に該当する(
図2)。
さらに、例えば、特定の条件が「特定の提供者である旅行会社T1が提供する宿泊予約」である場合には、旅行会社T1が提供する全ての宿泊予約が含まれる。この場合には、例えば、旅行会社T1が提供する施設H1の宿泊予約であるプランA及びプランBと、旅行会社T1が提供する施設H2の宿泊予約であるプランC及びプランDとが、特定旅行商品に該当する(
図2)。なお、特定の条件には、複数の旅行等商品を一定の規則に従って区分けすることができるものであれば、上記したものの他、例えば、「特定の地域内で開催されるツアー」又は「特定の地域内に営業所があるレンタカー」など、様々な条件を用いることができる。
【0036】
商品情報40は、旅行等商品の内容を示す情報のことであり、例えば、旅行等商品が「特定の宿泊施設における宿泊予約」である場合には、その宿泊予約に関する商品価格、宿泊人数、宿泊日、宿泊日数、夕食又は朝食の有無、部屋の広さ、部屋のグレード並びにチェックイン及びチェックアウトの時間、宿泊施設の宿泊者による評価、評価レビューの件数、購入された回数等の旅行等商品に関するあらゆる情報が含まれる。
また、例えば、旅行等商品が「航空券」である場合には、その航空券の商品価格(運賃、空港使用料、空港税、空港保険料及び燃料サーチャージを含む)、出発地(出発空港)、目的地(到着空港)、区間(出発地および目的地)、航空機の出発日(搭乗日)、出発時刻、到着時刻、席数、便番号(便名)、クラス、航空会社、大人・子供・幼児区分、滞在の有無、航空券の利用者による評価、評価レビューの件数、購入された回数等の旅行等商品に関するあらゆる情報が含まれる。
【0037】
手数料は、旅行商品検索システム31を介して購入者によって旅行等商品が予約購入されたときに、その旅行等商品の提供者から、旅行商品検索システム31の管理者に支払われる料金のことである。また、手数料の基準とは、予約購入がされた旅行等商品の商品価格に乗じられる料率のことであり、例えば、商品価格に対する所定の料率が予め設定されている。したがって、例えば、手数料の基準として料率が「5%」に設定されている場合において、商品価格が「10,000円」の旅行等商品が予約購入されると、管理者には「500円」が支払われることになる。なお、所定の料率は、旅行等商品の提供者と管理者との間の契約により、提供者ごとに任意で定めることができる。
【0038】
旅行等商品の提供者は、旅行等商品を自ら企画して提供する者、又は、他の提供者が提供する旅行等商品を仲介して提供する者のことであり、例えば、宿泊施設を運営する施設運営者、旅行会社、施設運営者と購入者との予約購入取引を仲介する仲介業者、旅客運送事業者、又は、旅行等商品および通信に関するサービスを提供するサービス提供者等の事業者が含まれる。なお、以下においては、上記した提供者のうち、施設運営者及び旅行会社について説明する。
【0039】
施設運営者は、ホテル等の宿泊施設を運営しており、自らが運営する宿泊施設への宿泊予約に関する旅行等商品の商品情報40を、旅行商品検索システム31に提供する。また、施設運営者は、自らが提供する旅行等商品の商品情報40を管理するために提供者端末である施設運営者端末(図示省略)を有している。この施設運営者端末は、通信ネットワーク20を介して旅行商品検索システム31に通信可能に構成され、旅行商品検索システム31に旅行等商品の商品情報40を提供すると共に、旅行商品検索システム31を介した購入者からの旅行等商品の予約購入を受け付ける。なお、施設運営者端末は、少なくともCPU等のプロセッサ並びにROM、RAM及びHDD等の記憶装置を備えて構成される。
【0040】
また、施設運営者は、自らが運営する宿泊施設への宿泊予約に関する旅行等商品について、その購入者から直接予約購入を受け付けることがある。そのため、施設運営者は、施設運営者端末又は施設運営者端末に接続された別のシステムによって管理された施設運営者のサイトである公式サイトを有している。この公式サイトでは、施設運営者自らが予約購入を直接受け付ける際の旅行等商品の商品情報40がインターネット上に公開されており、購入者は、この公式サイトを介して宿泊施設の宿泊予約に関する旅行等商品の予約購入ができる。
【0041】
旅行会社は、旅行等商品の予約購入取引について、旅行等商品の提供者と旅行等商品の購入者との間の予約購入取引を仲介すると共に、自らが企画して提供する旅行等商品の予約購入を受け付ける。そのため、旅行会社は、他の提供者から提供された自らが予約購入取引を仲介する旅行等商品及び自らが企画して提供する旅行等商品について、商品情報40を設定して、それらの旅行等商品の商品情報40を旅行商品検索システム31に提供する。旅行会社は、自らが仲介する又は提供する旅行等商品の商品情報40を管理するため、提供者端末である旅行会社端末60を有している。この旅行会社端末60は、通信ネットワーク20を介して旅行商品検索システム31と通信可能に構成されている。
【0042】
また、旅行会社は、旅行会社端末60又は旅行会社端末60に接続された別のシステムによって管理された旅行会社のサイトである旅行会社サイトを有している。この旅行会社サイトでは、旅行会社自らが予約購入を直接受け付ける際の旅行等商品の商品情報40がインターネット上に公開されている。そして、購入者は、この旅行会社サイトを介して旅行会社が仲介する又は提供する旅行等商品の予約購入ができる。
【0043】
ここで、提供者には、
図2に示すように、例えば、ファイル形式で旅行商品検索システム31との通信が可能な旅行会社端末62を有する提供者である旅行会社T1と、API形式で旅行商品検索システム31と通信が可能な旅行会社端末61を有する提供者である旅行会社T2とが存在する。
【0044】
旅行会社T1は、例えば、施設H1における宿泊予約に関する旅行等商品として、旅行会社端末62を介して、プランA及びプランBを提供する。この場合には、ファイル形式でプランA及びプランBが旅行商品検索システム31に提供される。そして、プランA又はプランBが購入者によって予約購入がされる際には、手数料基準変動システム100により、プランA又はプランBについて手数料の基準を変動させるか否かの決定がされ、手数料の基準を変動させる場合には、手数料の基準を変動させることを示す特別識別情報が付与され、手数料の基準を変動させない場合には、通常識別情報が付与されて、プランA又はプランBが旅行会社T1に遷移される。
なお、プランA及びプランBは、それぞれの商品情報、例えば、商品価格、夕食又は朝食の有無、部屋の広さ、部屋のグレード等が異なる旅行等商品である。
【0045】
旅行会社T2は、例えば、施設H1における宿泊予約に関する旅行等商品として、旅行会社端末61を介して、プランEを提供する。このとき、API形式で旅行商品検索システム31と通信が可能な旅行会社端末61では、旅行商品検索システム31側からのAPIリクエストを受け付けて、このリクエストに答える形でプランEが提供される。そして、プランEが購入者によって予約購入がされる際には、手数料基準変動システム100により、プランEについて手数料の基準を変動させるか否かの決定がされ、手数料の基準を変動させる場合には、手数料の基準を変動させることを示す特別識別情報が付与され、手数料の基準を変動させない場合には、手数料の基準を変動させないことを示す通常識別情報が付与されて、プランEが旅行会社T2に遷移される。
なお、プランEは、プランA及びプランBと商品情報、例えば、商品価格、夕食又は朝食の有無、部屋の広さ、部屋のグレード等が異なる旅行等商品である。
【0046】
このようにして、手数料基準変動システム100は、ファイル形式又はAPI形式の双方の通信態様に対応可能なシステムとして構成されている。
【0047】
ここで、特別識別情報又は通常識別情報とは、提供者ごとに予め設定された固有の識別情報のことである。特別識別情報及び通常識別情報は、後述する手数料基準変動システム100における記憶部5に記憶されており、例えば、予め提供者ごとに固有の提供者番号が設定され、この提供者番号にさらに紐づく形で、通常識別情報としての通常コード「0001」及び特別識別情報としての特別コード「0002」等が予め設定されることで実現される。また、特別識別情報は、所定の条件に合わせて、例えば、第1特別識別情報としての特別コード「0002」、第2特別識別情報としての特別コード「0003」及び第3特別識別情報としての特別コード「0004」等の複数の特別識別情報が設定されてもよい。なお、特別識別情報及び通常識別情報の態様は、上記したコード態様に限られず、例えば、特別識別情報及び通常識別情報の付与が、特定の識別フラグの有無等によって判別されるものでもよい。
【0048】
購入者は、購入者端末70を有しており、この購入者端末70を介して、旅行等商品の商品情報40の閲覧をして、自らの購入希望条件に該当する旅行等商品の予約購入をする。購入者端末70は、通信ネットワーク20を介して、旅行商品検索システム31及び提供者の端末である提供者端末に通信可能なものであればよく、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、タブレット端末、スマートフォン、テレビ端末、ゲーム端末等の電子機器である。
また、購入者の「購入希望条件」は、旅行等商品の商品情報40に基いて設定された項目の中から購入者によって任意に選択されるものであり、宿泊施設における宿泊予約に関する旅行等商品の場合であれば、例えば、「夕食付で、商品価格が10,000円から16,000円までのもの」等の条件である。
【0049】
手数料基準変動システム100は、旅行等商品の提供者から提供された旅行等商品のうち、少なくとも、特定の条件に基いた旅行等商品の商品情報40を取得する情報取得部8と、情報取得部8が取得した旅行等商品の商品情報40を記憶する情報記憶部9と、情報記憶部9が記憶した旅行等商品の商品情報40に基いて、購入者の購入希望条件に該当する商品情報40を有する旅行等商品を検索すると共に、旅行等商品を所定の基準で並べた際の順位nを判定する検索判定部10と、検索判定部10の判定結果に基き、購入者によって選択された旅行等商品が予約購入されたときの手数料の基準の変動を決定する適用部11と、を備えている。
【0050】
情報取得部8は、提供者から提供された旅行等商品のうち、少なくとも、特定の条件に基いた旅行等商品である特定旅行商品の商品情報40を取得して、情報記憶部9に送信する。このとき、情報取得部8は、例えば、旅行商品検索システム31を介して、各提供者が有する提供者端末との通信により、特定旅行商品の商品情報40を取得する。そして、例えば、特定の条件が「特定の宿泊施設である施設H1における宿泊予約」である場合には、情報取得部8は、
図2に示すように、施設H1における宿泊予約に関する旅行等商品であるプランA及びプランBを旅行会社T1から取得し、同様に、施設H1における宿泊予約に関する旅行等商品であるプランEを旅行会社T2から取得して、特定旅行商品の商品情報40として情報記憶部9に送信する。そして、情報記憶部9は、情報取得部8から受信した特定旅行商品の商品情報40を記憶する。
【0051】
検索判定部10は、情報記憶部9に記憶された特定旅行商品の商品情報40に基いて、特定旅行商品の中から購入者の購入希望条件に該当する商品情報40を有する旅行等商品である対象旅行商品を検索して取得する。さらに、この対象旅行商品について所定の基準で並べた際の順位nを判定して取得する。
【0052】
ここで、所定の基準とは、旅行等商品の商品情報を一定の規則に従って並べ替えるための基準のことであり、例えば、旅行等商品の商品情報に関して、商品価格が安価な順、旅行等商品の評価が高い順、旅行等商品の評価レビューの件数が多い順、旅行等商品の購入回数が多い順、旅行等商品の閲覧回数が多い順等のあらゆる基準を設定することができる。また、これらの基準を任意で組み合わせて設定することもできる。さらに、所定の基準には、対象旅行商品について並べ替えを行う際の範囲を限定する条件を含ませることができる。例えば、対象旅行商品について、「対象旅行商品の中で並べ替える」、「特定旅行商品の中で並べ替える」又は「旅行等商品の中で並べ替える」のいずれかを任意で設定できる。なお、所定の基準に、並べ替えを行う際の範囲を限定する条件を含ませない場合には、上記した範囲のうち、どの範囲において並べ替えを行うか予め設定しておく。
図2における比較情報50では、施設H1に関する特定旅行商品の中から購入者の購入希望条件に該当する商品情報40を有する対象旅行商品としてプランA、プランB及びプランEが検索された場合について、これらのプランA、プランB及びプランEについて「商品価格が安価な順」かつ「対象旅行商品の中で並べ替える」で並べ替えられた例が示されている。また、施設H2に関する特定旅行商品については、購入希望条件に該当する商品情報40を有する対象旅行商品としてプランC、プランD、プランF及びプランGが検索された場合について、これらのプランC、プランD、プランF及びプランGについて、購入回数が多い順を用いた「人気が高い順」かつ「対象旅行商品の中で並べ替える」で並べ替えられた例が示されている。
【0053】
具体的には、例えば、検索判定部10は、
図2に示すように、施設H1における宿泊予約に関する特定旅行商品の中から、対象旅行商品としてプランA、プランB及びプランEが検索されたときに、これらのプランA、プランB及びプランEについて、所定の基準である「商品価格が安価な順」かつ「対象旅行商品の中で並べ替える」に従って並べ替えを行う。この場合には、商品価格が「10,000円」であるプランAが1位、商品価格が「14,000円」であるプランEが2位、商品価格が「15,000円」であるプランBが3位と判定して、これらの各旅行等商品の順位nを取得する。
【0054】
また、例えば、施設H2における宿泊予約に関する特定旅行商品の中から、対象旅行商品としてプランC、プランD、プランF及びプランGが検索されたときに、これらのプランC、プランD、プランF及びプランGについて、所定の基準である「人気が高い順」かつ「対象旅行商品の中で並べ替える」に従って並べ替えを行う場合には、最も人気が高いプランGが1位、次に人気が高いプランCが2位、次に人気が高いプランFが3位、そして、最も人気が低いプランDが4位と判定して、これらの各旅行等商品の順位nを取得する。
【0055】
なお、上記したように、所定の基準には対象旅行商品について並べ替えを行う際の範囲を限定する条件を含ませることができる。そのため、検索判定部10が取得する順位nは、上記した対象旅行商品を「対象旅行商品の中で並べ替える」ものに限定されない。例えば、所定の基準として、「特定旅行商品の中で並べ替える」又は特定旅行商品として取得される前の「旅行等商品の中で並べ替える」が設定される場合には、対象旅行商品を特定旅行商品内又は旅行等商品内において並べ替えた順位nを取得する。
【0056】
そのため、例えば、
図2におけるプランC、プランD、プランF及びプランGが施設H2における宿泊予約に関する特定旅行商品であるとしたときに、購入者の購入希望条件に「商品価格が15,000円以下である」との条件が含まれる場合には、対象旅行商品としては、商品価格が15,000円以上であるプランG及びプランDが除外され、商品価格が15,000円以下であるプランC及びプランFのみが検索される。このとき、対象旅行商品について、所定の基準として「対象旅行商品の中で並べ替える」かつ「人気がある順」が設定されている場合には、この基準に従って並べ替えが行われ、プランFよりも人気が高いプランCが1位、次いで人気が高いプランFが2位として判定されて取得される。一方で、対象旅行商品について、所定の基準として「特定旅行商品の中で並べ替える」かつ「人気がある順」で並べ替えが行われると、プランGが1位、プランCが2位、プランFが3位、そしてプランDが4位と判定されるため、取得される順位nは、プランCが2位で、プランFが3位として取得される。
したがって、上記のケースでは、対象旅行商品としてプランC及びプランFが検索されたときに、所定の基準に「対象旅行商品の中で並べ替える」が設定されている場合と、所定の基準に「特定旅行商品の中で並べ替える」が設定されている場合とでは取得される順位nが異なる。このようにして、検索判定部10は、検索された対象旅行商品について、所定の基準に従って並べ替えを行った際の順位nを取得する。なお、上記したように、「旅行等商品の中で並べ替える」、「特定旅行商品の中で並べ替える」又は「対象旅行商品の中で並べ替える」のいずれで並べ替えを行って順位nを取得するかは、任意で定めることができる。
【0057】
なお、特定旅行商品及び旅行等商品の商品情報40は、手数料基準変動システム100が情報取得部8を介して取得したもの、又は、旅行商品検索システム31が取得したものでもよく、また、旅行等商品の提供者の提供者端末、他の旅行商品検索システム、提供者のサイト及び他の旅行商品検索サイト等から取得されたものでもよい。また、手数料基準変動システム100が旅行商品検索システム31から独立したものである場合には、情報取得部8が手数料基準変動システム100の通信部を介して商品情報40を取得する。
上記したように、検索判定部10は、対象旅行商品について並べ替えを行う際に、リアルタイムで取得された対象旅行商品、特定旅行商品又は旅行等商品の商品情報40に基いて、リアルタイムの順位nを取得する。
【0058】
適用部11は、検索判定部10の判定結果、すなわち、検索判定部10が取得した対象旅行商品の順位nに基いて、対象旅行商品の中から購入者によって選択された旅行等商品である選択旅行商品が予約購入されたときの手数料の基準の変動を決定する。具体的には、適用部11は、選択旅行商品の順位nが所定の条件に該当するときに、手数料の基準の変動を決定する。
【0059】
ここで、所定の条件とは、所定の基準で並べ替えられた際の順位nに関する条件であり、例えば、「1位であること」、「上位5位以内であること」、「上位10位以内であること」等の条件を任意で定めることができる。また、複数の旅行等商品が同じ順位nに該当する可能性がある場合には、例えば、「単独で1位であること」等の条件を定めることができる。
【0060】
適用部11は、検索判定部10が判定して取得した順位nに基き、この順位nが所定の条件に該当する場合に、手数料の基準の変動を決定する。具体的には、例えば、
図2に示す施設H1のケースにおいて、所定の条件が「単独で1位であること」であるとするとき、選択旅行商品としてプランAが選択された場合には、このプランAの順位nが所定の条件に該当するため、手数料の基準の変動を決定する。そして、この場合には、最も安価な商品価格であるとして、手数料の基準を低く変動させることを決定する。そして、選択旅行商品であるプランAに対して、手数料の基準を低く変動させることを示す特別識別情報を付与する。なお、このとき、手数料の基準を低く変動させるとは、通常の手数料の基準が料率「5%」に設定されている場合には、例えば、料率を「1%」に下げることをいう。
【0061】
一方で、所定の条件が「単独で1位であること」であるときに、選択旅行商品としてプランEが選択された場合には、このプランEは順位nが所定の条件に該当しないため、手数料の基準を変動させないことを決定する。そして、この場合には、選択旅行商品であるプランEに対して、手数料の基準を変動させないことを示す通常識別情報を付与する。このときには、手数料の基準を変動させないため、例えば、通常の手数料の基準が料率「5%」であれば、料率「5%」がそのまま適用される。
【0062】
そして、適用部11は、特別識別情報又は通常識別情報のいずれかが付与された選択旅行商品の商品情報40を、選択旅行商品の提供者側に送信して遷移させる。これにより、購入者端末70では、旅行商品検索システム31から選択旅行商品を提供した提供者のサイトに遷移して、購入者が選択旅行商品の予約購入ができる。また、選択旅行商品を提供した提供者は、特別識別情報又は通常識別情報のいずれかが付与された選択旅行商品の商品情報40を受信して、特別識別情報又は通常識別情報の種別に応じて、手数料の基準の変動を知ることができると共に、手数料の基準の変動に対応することができる。
【0063】
次に、手数料基準変動システム100の処理について説明する。
なお、以下では、購入者によって選択される選択旅行商品が、旅行会社T1及び旅行会社T2から旅行等商品が提供された場合について説明する。
【0064】
手数料基準変動システム100は、
図2に示すように、情報取得部8が、旅行商品検索システム31を介して、提供者が提供する旅行等商品の商品情報40の中から、少なくとも、特定旅行商品の商品情報40を取得する(ステップS1)。例えば、情報取得部8は、特定旅行商品の商品情報40として、施設H1の宿泊予約に関する旅行等商品について、旅行会社T1の旅行会社端末62からはプランA及びプランBを取得し、旅行会社T2の旅行会社端末61からはプランEを取得する。なお、プランA、プランB及びプランEは、それぞれの商品情報、例えば、商品価格、夕食又は朝食の有無、部屋の広さ、部屋のグレード等が異なる旅行等商品である。そして、情報取得部8によって取得されたプランA、プランB及びプランEが情報記憶部9に記憶される。
【0065】
また、例えば、
図2に示すように、情報取得部8によって、特定旅行商品の商品情報40として、施設H2の宿泊予約に関する旅行等商品について、旅行会社T1の旅行会社端末62からはプランC及びプランDが取得され、旅行会社T2の旅行会社端末61からはプランF及びプランGが取得される。そして、情報取得部8によって取得されたプランC、プランD、プランF及びプランGが情報記憶部9に記憶される。なお、プランC、プランD、プランF及びプランGは、それぞれの商品情報、例えば、商品価格、夕食又は朝食の有無、部屋の広さ、部屋のグレード等が異なる旅行等商品である。
【0066】
次に、
図3に示すように、検索判定部10が、情報取得部8によって取得され、情報記憶部9に記憶された特定旅行商品の商品情報40に基いて、特定旅行商品の中から購入者の購入希望条件に該当する商品情報40を有する旅行等商品を検索して、この検索結果として得られた旅行等商品を対象旅行商品として取得する(ステップS2)。そして、この取得された対象旅行商品について、所定の基準で並べた際の順位nを判定して取得する(ステップS3)。例えば、検索判定部10は、
図2に示す施設H1に関する特定旅行商品の中から購入希望条件に該当する商品情報40を有する対象旅行商品としてプランA、プランB及びプランEが検索されたとするときに、所定の基準が「商品価格が安価な順」かつ「対象旅行商品の中で並べ替える」である場合には、これらのプランA、プランB及びプランEについて所定の基準に従って並べ替えを行い、プランAが1位、プランEが2位、プランBが3位と判定して、プランA、プランB及びプランEのそれぞれの順位nを取得する(ステップS3)。
なお、上記したように、対象旅行商品が複数の旅行等商品(プランA、プランB及びプランE)から構成される場合には、それぞれの旅行等商品についてステップS3が行われる。また、この対象旅行商品は、購入者端末70において旅行商品検索サイト30が閲覧される際に、購入者よって選択可能な状態で掲載される。そして、対象旅行商品のうち、購入者が予約購入取引を希望する一の旅行等商品である選択旅行商品が、購入者によって選択される。
【0067】
適用部11は、
図4に示すように、選択旅行商品について手数料の基準を変動させるか否かを決定し(ステップS4)、この決定に基いて、特別識別情報及び通常識別情報のいずれかを付与する(ステップS5、又は、ステップS6若しくはステップS7)。
具体的には、まず適用部11は、選択旅行商品について検索判定部10によって取得された順位nが、所定の条件に該当するか否かの判定をし、手数料の基準を変動させるか否かを決定する(ステップS4)。そして、選択旅行商品の順位nが所定の条件に該当する場合には、手数料の基準を低く変動させることが決定され(ステップS4)、手数料の基準を低く変動させることを示す特別識別情報が付与される(ステップS6又はステップS7)。一方で、選択旅行商品の順位nが所定の条件に該当しない場合には、手数料の基準を変動させないことが決定され(ステップS4)、手数料の基準を変動させないことを示す通常識別情報を付与する(ステップS5)。そして、この特別識別情報又は通常識別情報が付与された選択旅行商品の商品情報を、選択旅行商品を提供した提供者に送信して遷移させる。
【0068】
例えば、
図2に示す施設H1のケースにおいて、所定の条件が「単独で1位であること」であるとするとき、選択旅行商品としてプランAが選択された場合には、プランAの順位nが所定の条件に該当するため、手数料の基準を低く変動させることを決定して(ステップS4)、プランAに対して特別識別情報が付与される(ステップS6)。一方で、選択旅行商品としてプランEが選択された場合には、プランEの順位nは所定の条件に該当しないため、手数料の基準を変動させないことを決定して(ステップS4)、プランEに対して通常識別情報が付与される(ステップS5)。
【0069】
なお、手数料基準変動システム100では、適用部11が、選択旅行商品の順位nが所定の条件に該当する場合に、手数料の基準を低く変動させることを決定して特別識別情報を付与し、選択旅行商品の順位nが所定の条件に該当しない場合に、手数料の基準を変動させないことを決定して通常識別情報を付与するものとして構成したが、例えば、所定の条件が「上位2位以内であること」のように複数の旅行等商品が該当するような場合には、手数料の基準を段階的に変動させるものとして構成してもよい。この場合には、例えば、
図4に示すように、特別識別情報を、手数料の基準を最も低く変動させることを示す第1特別識別情報と、手数料の基準を第1特別識別情報よりも高く、かつ、通常識別情報よりも低く変動させることを示す第2特別識別情報との2種類で構成し、順位nが1位の旅行等商品が選択旅行商品である場合には、手数料が最も低くなるように第1特別識別情報を付与(ステップS6)し、また、順位nが2位の旅行等商品が選択旅行商品である場合には、手数料が第1特別識別情報よりも高く、かつ、通常識別情報よりも低くなるように第2特別識別情報を付与(ステップS7)するものとして構成してもよい。なお、手数料の基準を段階的に変動させる場合に、設定される複数の特別識別情報の数、例えば、第1特別識別情報、第2特別識別情報、第3特別識別情報、第4特別識別情報等の数は、任意で設定することができる。
また、手数料基準変動システム100では、適用部11が、選択旅行商品の順位nが所定の条件に該当する場合に、手数料の基準を低く変動させることを決定して、特別識別情報を付与するものとして構成したが、選択旅行商品の順位nが所定の条件に該当する場合に、手数料の基準を高く変動させることを決定して、特別識別情報を付与するものとして構成してもよい。なお、手数料の基準を高く変動させるとは、通常の手数料の基準が料率「5%」に設定されている場合には、例えば、料率を「7%」に上げることをいう。
【0070】
そして、適用部11は、特別識別情報又は通常識別情報のいずれかが付与された選択旅行商品を、選択旅行商品を提供した提供者に送信して遷移させる。これにより、購入者端末70では、旅行商品検索システム31から選択旅行商品を提供した提供者のサイトに遷移して、購入者が選択旅行商品の予約購入ができる。また、選択旅行商品を提供した提供者は、特別識別情報又は通常識別情報のいずれかが付与された選択旅行商品を受信して、特別識別情報又は通常識別情報の種別に応じて、手数料の基準の変動を知ることができると共に、手数料の基準の変動に対応することができる。
【0071】
次に、手数料基準変動システム100の効果について説明する。
【0072】
手数料基準変動システム100は、検索判定部10が対象旅行商品を所定の基準で並べた際の順位nを判定して取得し、さらに、この検索判定部10による判定結果に基いて、適用部11が選択旅行商品の順位nが所定の条件に該当する場合に、手数料の基準を低く変動させることを示す特別識別情報を付与する。そのため、例えば、所定の基準に「商品価格が安価な順」が含まれる場合には、その基準に従って並べ替えられた選択旅行商品の商品価格について、安価であるか否かの相対的な評価が可能であり、この結果に基いて、手数料の基準を低く変動させることができる。したがって、ほとんど利益がでないと考えられる最も安価な商品価格で旅行等商品が購入される際には、手数料の基準を低く変動させて利益の圧迫を抑えることができる。
【0073】
また、例えば、所定の基準に「旅行等商品の中で並べ替える」という条件が設定されている場合には、対象旅行商品について、各提供者のサイト及び他の旅行商品比較サイト等から取得された旅行等商品の中で並べ替えが行われ、その順位nが取得される。そのため、網羅的かつ横断的に、選択旅行商品についての相対的な評価が可能であり、この結果に基いて、手数料の基準を低く変動させることができる。したがって、価格競争をより一層促すことができる。
【0074】
さらに、例えば、所定の基準に「購入回数が多い順」という条件が設定されている場合には、購入回数が多い旅行等商品、言い換えれば、購入者にとって人気が高く価値のある旅行等商品について、手数料の基準を所定の条件に従って変動させることができる。そのため、人気が高い旅行等商品の提供者に対しては、手数料の基準を変動させることができるので、より良い内容の旅行等商品を提供しようとする動機付けになる。また、購入者にとっても、より良い内容の旅行等商品が多く提供されることとなる。したがって、旅行等商品の品質の向上を促すことができる。
【0075】
また、例えば、手数料基準変動システム100は、所定の条件が、順位が1位であることである。そのため、例えば、所定の基準に「商品価格が安価な順」が含まれる場合には、選択旅行商品の商品価格が最も安価であるか否かについての相対的な評価が可能であり、この結果に基いて、最も安価な商品価格の旅行等商品について手数料の基準を変動させることができる。したがって、例えば、ほとんど利益がでないと考えられる最も安価な商品価格で旅行等商品が購入される際に、手数料の基準を変動させて利益の圧迫を抑えることができる。
【0076】
さらに、手数料基準変動システム100は、検索判定部10が、購入者による検索時にリアルタイムで旅行等商品の商品情報40を取得し、この商品情報40に基いて、対象旅行商品について「対象旅行商品の中で並べ替える」「特定旅行商品の中で並べ替える」又は「旅行等商品の中で並べ替える」のいずれかで順位nを取得することができる。そのため、検索ごとに取得されるリアルタイムの相対的な評価(順位n)に基いて、手数料の基準の変動を決定することができる。
【0077】
また、手数料基準変動システム100は、手数料の基準を変動させない場合には、手数料の基準を変動させないことを示す通常識別情報を付与する。そのため、旅行等商品の提供者は、付与される特別識別情報又は通常識別情報により、手数料の基準の変動の有無を把握することができるので、価格競争を促すことができる。
【0078】
さらに、例えば、旅行等商品の提供者が、通信ネットワーク20を介して、旅行商品検索システム31と旅行等商品の商品情報40を送受信する際には、ファイル形式での通信とAPI形式での接続とが想定される。この場合に、特別識別情報又は通常識別情報が付与されることにより、ファイル形式では付与される識別情報の種別によって手数料の基準の変動を判別でき、また、API形式では異なる識別情報が付与されたリクエストをそのまま相互に送受信することによって手数料の基準の変動を判別できる。そのため、手数料の基準の変動に旅行等商品の提供者側が対応することができる。したがって、ファイル形式での通信及びAPI形式での接続の双方において、手数料の基準の変動に対応できる。
【0079】
また、手数料基準変動システム100側で独自に定められた所定の基準及び所定の条件に従って、特別識別情報又は通常識別情報を付与することができるので、手数料基準変動システム100又は旅行商品検索システム31の管理者側が手数料の基準の変動を管理することができる。
【0080】
以上の通り、本発明に係る実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【0081】
また、本発明に係る実施形態では、手数料の基準を低く変動させる場合に特別識別情報を付与する例を示したが、例えば、手数料の基準を高く変動させる場合に特別識別情報を付与するものとして構成してもよい。また、特別識別情報の数は1つに限定されず、設定される所定の条件に合わせて、複数の特別識別情報、例えば、第1特別識別情報、第2特別識別情報、第3特別識別情報等を用いて、段階的に手数料の基準を変動させるものとして構成してもよい。
【0082】
さらに、本発明に係る実施形態では、検索判定部10が所定の基準に従って対象旅行商品について並べ替えを行う構成を示したが、例えば、検索判定部10は、検索により取得された対象旅行商品がすでに一定の規則に従って並んでいるような場合には、その並び順における順位nを判定して取得するものでもよい。また、所定の基準には、人気が高い順等の一般的に良いとされる基準以外に、旅行等商品の評価レビューの件数が少ない順又は人気が低い順等の一般的に良いとされない基準を設定することもできる。
【0083】
また、以下では、本発明に係る他の実施形態を説明する。
【0084】
本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動システムは、旅行商品又はプランである旅行等商品の予約購入を希望する購入者と、前記旅行等商品を提供する提供者との予約購入取引を、ネットワークを通じて仲介する旅行商品検索システムにおいて、前記旅行商品検索システムを介して前記予約購入取引がされた際の手数料の基準を変動させる手数料基準変動システムであって、前記提供者から提供される前記旅行等商品のうち、少なくとも、特定の条件に基いた前記旅行等商品である特定旅行商品の商品情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記特定旅行商品の商品情報を記憶する情報記憶部と、前記情報記憶部が記憶した前記特定旅行商品の商品情報に基き、前記特定旅行商品の中で最も安価な前記旅行等商品の商品価格を第1価格として取得すると共に、前記特定旅行商品の中から前記購入者の購入希望条件に該当する商品情報を有する前記旅行等商品である対象旅行商品を検索し、前記対象旅行商品について商品価格が前記第1価格に合致するか否かを判定する検索判定部と、前記検索判定部の判定結果に基き、前記対象旅行商品の中から前記購入者によって選択された前記旅行等商品である選択旅行商品に対して、前記手数料の基準を変動させるか否かを決定すると共に、前記提供者ごとに予め設定された固有の特別識別情報及び通常識別情報のいずれかを付与する適用部と、を備え、前記適用部は、前記選択旅行商品の商品価格が前記第1価格に合致するときに前記手数料の基準の変動を決定し、前記決定に基いて、前記手数料の基準を変動させる場合に前記特別識別情報を付与し、前記手数料の基準を変動させない場合に前記通常識別情報を付与する、ことを特徴とする。
【0085】
本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動システムは、前記提供者から、前記特定旅行商品と同じ旅行等商品の商品価格を取得する価格取得部を備え、前記適用部は、前記第1価格が、前記価格取得部によって取得された商品価格と比較して、別の所定の条件に該当する場合に、前記手数料の基準を変動させることを決定する、ことを特徴とする。
【0086】
本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動システムは、前記提供者から、前記特定旅行商品と同じ旅行等商品の中で最も安価な旅行等商品の商品価格を第2価格として取得し、前記別の所定の条件は、前記第2価格よりも低い又は前記第2価格と同じであり、前記適用部は、前記第1価格が前記別の所定の条件に該当する場合に前記特別識別情報を付与し、前記第1価格が前記別の所定の条件に該当しない場合に前記通常識別情報を付与する、ことを特徴とする。
【0087】
本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動システムは、前記旅行等商品が、宿泊施設における宿泊予約、航空券、ツアー又はこれらを組み合わせた商品である、ことを特徴とする。
【0088】
本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動システムは、前記提供者が、旅行会社、前記宿泊施設を運営する施設運営者、前記施設運営者と前記購入者との予約購入取引を仲介する仲介業者、旅客運送事業者、又は、前記旅行等商品及び通信に関するサービスを提供するサービス提供者である、ことを特徴とする。
【0089】
本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動システムは、前記価格取得部が、前記旅行会社のサイト、前記宿泊施設のサイト及び他の旅行商品検索サイトのそれぞれから、前記特定旅行商品と同じ旅行商品の商品価格を取得する、ことを特徴とする。
【0090】
本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動プログラムは、旅行商品又はプランである旅行等商品の予約購入を希望する購入者と、前記旅行等商品を提供する提供者との予約購入取引を、ネットワークを通じて仲介する旅行商品検索システムにおいて、前記旅行商品検索システムを介して前記予約購入取引がされた際の手数料の基準を変動させる手数料基準変動プログラムであって、前記提供者から提供される前記旅行等商品のうち、少なくとも、特定の条件に基いた前記旅行等商品である特定旅行商品の商品情報を取得する情報取得手順と、前記情報取得手順で取得した前記特定旅行商品の商品情報を記憶する情報記憶手順と、前記情報記憶手順で記憶した前記特定旅行商品の商品情報に基き、前記特定旅行商品の中で最も安価な旅行等商品の商品価格を第1価格として取得すると共に、前記特定旅行商品の中から前記購入者の購入希望条件に該当する商品情報を有する旅行等商品である対象旅行商品を検索し、前記対象旅行商品について商品価格が前記第1価格に合致するか否かを判定する検索判定手順と、前記検索判定手順の判定結果に基き、前記対象旅行商品の中から前記購入者によって選択された旅行等商品である選択旅行商品に対して、前記手数料の基準を変動させるか否かを決定すると共に、前記提供者ごとに予め設定された固有の特別識別情報及び通常識別情報のいずれかを付与する適用手順と、を備え、前記適用手順は、前記選択旅行商品の商品価格が前記第1価格に合致するときに前記手数料の基準の変動を決定し、前記決定に基いて、前記手数料の基準を変動させる場合に特別識別情報を付与し、前記手数料の基準を変動させない場合に通常識別情報を付与する、ことを特徴とする。
【0091】
本発明の他の実施形態に係るコンピュータで読み取り可能な記憶媒体は、上記した手数料基準変動プログラムが記録された、ことを特徴とする。
【0092】
本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動システムは、旅行商品又はプランである旅行等商品の予約購入を希望する購入者と、旅行等商品を提供する提供者との予約購入取引を、ネットワークを通じて仲介する旅行商品検索システムにおいて、旅行商品検索システムを介して予約購入取引がされた際の手数料の基準を変動させる手数料基準変動システムである。具体的には、提供者から提供される旅行等商品のうち、少なくとも、特定の条件に基いた旅行等商品である特定旅行商品の商品情報を取得する情報取得部と、情報取得部が取得した特定旅行商品の商品情報を記憶する情報記憶部と、情報記憶部が記憶した特定旅行商品の商品情報に基き、特定旅行商品の中で最も安価な旅行等商品の商品価格を第1価格として取得すると共に、特定旅行商品の中から購入者の購入希望条件に該当する商品情報を有する旅行等商品である対象旅行商品を検索し、対象旅行商品について商品価格が第1価格に合致するか否かを判定する検索判定部と、検索判定部の判定結果に基き、対象旅行商品の中から購入者によって選択された旅行等商品である選択旅行商品に対して、手数料の基準を変動させるか否かを決定すると共に、提供者ごとに予め設定された固有の特別識別情報及び通常識別情報のいずれかを付与する適用部と、を備えている。そして、適用部は、選択旅行商品の商品価格が第1価格に合致するときに手数料の基準の変動を決定し、この決定に基いて、手数料の基準を変動させる場合に特別識別情報を付与し、手数料の基準を変動させない場合に通常識別情報を付与する。そのため、選択商品情報の商品価格が特定旅行商品の中で最も安価であるか否かの判定が可能で、その判定の結果に基いて、手数料の基準の変動を決定することができる。したがって、本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動システムを用いることで、ほとんど利益がでないと考えられる最も安価な商品価格で旅行等商品が購入される際に、手数料の基準を変動させて利益の圧迫を抑えることができる。
【0093】
また、適用部は、手数料の基準を変動させる場合に手数料の基準を変動させることを示す特別識別情報を付与し、手数料の基準を変動させない場合に手数料の基準を変動させないことを示す通常識別情報を付与する。そうすると、旅行等商品の提供者は、付与される特別識別情報又は通常識別情報により、手数料の基準の変動の有無を把握することができる。そのため、価格競争を促すことができる。
【0094】
したがって、本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動システムは、利益の圧迫を抑えつつ、健全な形で価格競争を促すことができる。
【0095】
さらに、例えば、旅行等商品の提供者が、通信ネットワークを介して旅行商品検索システムと旅行等商品の商品情報を送受信するには、ファイル形式での通信と、API(Application Programming Interface)形式での接続とが想定される。この場合に、特別識別情報又は通常識別情報が付与されることにより、ファイル形式では異なる識別情報によって手数料の基準の変動を判別できるため、また、API形式では異なる識別情報をそのまま送受信することができるため、手数料の基準の変動に旅行等商品の提供者側が対応することができる。したがって、ファイル形式での通信及びAPI形式での接続の双方において、手数料の基準の変動に対応できる。
【0096】
本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動システムは、提供者から特定旅行商品と同じ旅行等商品の商品価格を取得する価格取得部を備えており、適用部は、第1価格が価格取得部によって取得された商品価格と比較して別の所定の条件に該当する場合に、手数料の基準を変動させることを決定する。そのため、特定旅行商品について、第1価格が各提供者から取得された商品価格と比較して別の所定の条件に該当する場合にのみ、手数料の基準を変動させることができる。したがって、特定旅行商品の比較を、網羅的かつ横断的にできるので、価格競争をより一層促すことができる。
【0097】
本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動システムは、価格取得部が、提供者から特定旅行商品と同じ旅行等商品の中で最も安価な旅行等商品の商品価格を第2価格として取得する。そして、別の所定の条件が、第2価格よりも低い又は第2価格と同じである。さらに、適用部は、第1価格が別の所定の条件に該当する場合に特別識別情報を付与し、第1価格が別の所定の条件に該当しない場合に通常識別情報を付与する。そのため、特定旅行商品について、第1価格が第2価格と比較して低い又は同じである場合にのみ、手数料の基準を変動させることができる。また、適用部により、特別識別情報又は通常識別情報が付与されるので、旅行等商品の提供者は、別の所定の条件に基いて手数料の基準が変動されたことを把握できる。したがって、特定旅行商品の価格競争を促すことできると共に、手数料の基準を低く変動させることで利益の圧迫を抑えることができる。
【0098】
本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動システムは、旅行等商品が、宿泊施設における宿泊予約、航空券、ツアー又はこれらを組み合わせた商品である。また、旅行等商品の提供者が、旅行会社、宿泊施設を運営する施設運営者、施設運営者と購入者との予約購入取引を仲介する仲介業者、旅客運送事業者、又は、旅行等商品及び通信に関するサービスを提供するサービス提供者である。さらに、価格取得部が、旅行会社のサイト、宿泊施設のサイト及び他の旅行商品検索サイトのそれぞれから、特定旅行商品と同じ旅行商品の商品価格を取得する。
【0099】
本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動プログラム及びこのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、上記した手数料基準変動システムと同様の効果を得ることができる。
【0100】
以下、本発明の他の実施形態に係る手数料基準変動システムを、
図5から
図9を参照して説明する。なお、
図5から
図9では、
図1から
図4までと符号が異なる部分が存在するため、以下の符号に基いて説明をする。
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 HDD
5 記憶部
6 入力部
7 出力部
8 情報取得部
9 情報記憶部
10 検索判定部
11 適用部
12 価格取得部
20 通信ネットワーク
30 旅行比較サイト
31 旅行商品検索システム
40 商品情報
50 比較情報
60 旅行会社端末
61 旅行会社端末
62 旅行会社端末
70 購入者端末
100 手数料基準変動システム
【0101】
本発明の他の実施形態の手数料基準変動システムのハードウェアの概略構成について説明する。
図5に示すように、手数料基準変動システム100は、CPU(Central Processing Unit)1等のプロセッサによって実現される制御部(図示省略)と、ROM2、RAM3及びHDD(Hard Disk Drive)4等の記憶装置によって構成される記憶部5と、キーボード、マウス又はタッチパネル等の入力装置で構成される入力部6と、液晶ディスプレイ又はプリンター等の出力装置で構成される出力部7と、を少なくとも備えている。制御部は、例えば、ROM2に格納されたプログラムに従って、CPU1に実行させるOS(Operating System)のプログラムの一部又はアプリケーションプログラムの一部が格納されたRAM3を使用して、情報取得部8と、情報記憶部9と、検索判定部10と、適用部11とを制御する。なお、制御部のCPU1は、MPU(Micro Processing Unit)(図示省略)又はDSP(Digital Signal Processor)(図示省略)等の他のプロセッサによって構成されていてもよく、また、記憶部5のHDDは、SSD(Solid State Drive)(図示省略)等の他の記憶装置で構成されていてもよい。
【0102】
また、手数料基準変動システム100は、上記したハードウェア構成の他、ソフトウェアとしても実現することができる。この場合には、例えば、CPU1、ROM2及びRAM3等を備えるコンピュータにおいて、ROM2及びRAM3に記憶されて動作する手数料基準変動プログラム(図示省略)として構成される。この手数料基準変動プログラムは、コンピュータが情報取得部8、情報記憶部9、検索判定部10及び適用部11の機能を、情報取得手順、情報記憶手順、検索判定手順及び適用手順として果たすように動作する。したがって、例えば、手数料基準変動システム100は、手数料基準変動プログラムをCD-ROM等の記録媒体に記録し、この記録媒体をコンピュータに読み込ませることにより実現することもできる。記録媒体としては、CD-ROM以外に、例えば、フレキシブルディスク、光ディスク、HDD又はSSD等の種々の記憶装置を用いることができる。
【0103】
さらに、手数料基準変動システム100は、記録媒体から手数料基準変動プログラムを読み込ませるもの以外に、手数料基準変動プログラムをインターネット等の通信ネットワーク20を介してコンピュータにダウンロードさせることによっても実現できる。さらには、手数料基準変動プログラムをコンピュータにダウンロードさせることなく、ASP(Application Service Provider)によるSaaS(Software as a Service)として実現させてもよい。この場合には、通信ネットワーク20を介して、上記したハードウェア構成又はソフトウェアにアクセス可能に構成されたクラウドサービスとして提供される。なお、通信ネットワーク20は、例えば、インターネット、専用線により接続されたネットワーク、企業内LAN、企業間LAN又はWAN等のあらゆるネットワークを含み、また、通信回線の形態は、例えば、有線通信、無線通信又は衛星通信等のあらゆる通信形態を含む。
【0104】
また、通信ネットワーク20を介して旅行商品検索システム31に接続される独立したシステムとして構成されてもよいが、例えば、旅行商品検索システム31の一部として組み込まれたシステムとして構成されていてもよい。
図6は、旅行商品検索システム31の一部に組み込まれて構成された手数料基準変動システム100を示している。この場合には、手数料基準変動システム100は、旅行商品検索システム31及び通信ネットワーク20を介して、旅行等商品の提供者の端末である提供者端末、例えば、旅行会社の端末である旅行会社端末60や、各提供者のサイト及び各提供者のサイトを管理する各システムに通信可能に構成され、また、旅行等商品の購入者の端末である購入者端末70に通信可能に構成されている。さらに、他社が管理する旅行商品検索システムである他の旅行商品検索システム、他社が管理する旅行商品検索サイトである他の旅行商品検索サイト、及び、この他の旅行商品検索サイトを管理するシステムに通信可能に構成されている。
なお、手数料基準変動システム100は、旅行商品検索システム31から独立したシステムとして構成される場合には、通信ネットワーク20を介して、提供者端末、各提供者のサイト、各提供者のサイトを管理する各システム、購入者端末70、他の旅行商品検索システム、他の旅行商品検索サイト及び他の旅行商品検索サイトを管理するシステムに通信可能な通信部(図示省略)を備えて構成される。この通信部は、ファイル形式又はAPI(Application Programming Interface)形式のいずれの通信態様にも対応していることが好ましく、旅行等商品の商品情報等を送受信可能に構成される。
【0105】
次に、手数料基準変動システム100の構成及び処理フローについて説明する。
図6に示すように、手数料基準変動システム100は、旅行商品検索システム31を介して予約購入される旅行商品又はプランである旅行等商品について、この旅行等商品の提供者から旅行商品検索システム31を管理する管理者に支払われる手数料の基準を変動させるためのものである。そのため、手数料基準変動システム100は、旅行等商品の提供者の提供者端末から、旅行等商品の商品情報40を取得して、この旅行等商品の商品情報40に基いて、予め定められた条件に従って、手数料の基準を変動させるか否かを決定する。
【0106】
旅行商品検索システム31は、少なくともCPU等のプロセッサ並びにROM、RAM及びHDD等の記憶装置を備えて構成されており、管理者によって管理されている。旅行商品検索システム31は、インターネット上に構築された旅行商品検索サイト30を介して、複数の旅行等商品の商品情報40を公開している。そのため、旅行商品検索システム31は、旅行等商品の提供者の提供者端末から、複数の旅行等商品の商品情報40を収集している。そして、収集された旅行等商品の商品情報40に基いて、旅行商品検索サイト30を介して、購入者の求めに応じて、旅行等商品の商品情報40を比較した比較情報50を提供する。なお、手数料基準変動システム100は、通信ネットワーク20を介して、旅行等商品の提供者の端末である提供者端末、例えば、旅行会社端末60に通信可能に構成され、また、旅行等商品の購入者の端末である購入者端末70に通信可能に構成されている。また、旅行商品検索システム31は、ファイル形式又はAPI形式のいずれの通信態様にも対応している。また、旅行商品検索システム31は、通信ネットワーク20を介して、各提供者のサイト又は当該サイトを管理するシステムと通信可能に構成されている。
【0107】
旅行等商品は、例えば、宿泊施設における宿泊予約の他、航空券、ツアー、レンタカー、バス、鉄道、パッケージ及びその他の旅行関連商品又はプランのことであり、手配旅行、パッケージツアー及びダイナミックパッケージツアー(実質的に同一の商品を含む)等の様々な商品形態のものが含まれる。なお、すべての商品形態を、上記したパッケージツアーなどに当てはめて明確に区分けすることは困難であるため、これらの呼び名は、旅行等商品を一義的に限定して解釈するものではない。また、特定旅行商品とは、特定の条件に基いた旅行等商品のことであり、例えば、特定の条件が「特定の宿泊施設である施設H1における宿泊予約」である場合には、施設H1に宿泊するための全ての宿泊予約が含まれる。そのため、上記した条件の場合には、施設H2に宿泊するための宿泊予約は、特定旅行商品には含まれない。
【0108】
商品情報40は、旅行等商品の内容を示す情報のことであり、例えば、旅行等商品が「特定の宿泊施設における宿泊予約」である場合には、その宿泊予約に関する商品価格、宿泊人数、宿泊日、宿泊日数、夕食又は朝食の有無、部屋の広さ、部屋のグレード並びにチェックイン及びチェックアウトの時間、宿泊施設の宿泊者による評価、評価レビューの件数、購入された回数等の旅行等商品に関するあらゆる情報が含まれる。
また、例えば、旅行等商品が「航空券」である場合には、その航空券の商品価格(運賃、空港使用料、空港税、空港保険料及び燃料サーチャージを含む)、出発地(出発空港)、目的地(到着空港)、区間(出発地および目的地)、航空機の出発日(搭乗日)、出発時刻、到着時刻、席数、便番号(便名)、クラス、航空会社、大人・子供・幼児区分、滞在の有無、航空券の利用者による評価、評価レビューの件数、購入された回数等の旅行等商品に関するあらゆる情報が含まれる。
【0109】
手数料は、旅行商品検索システム31を介して購入者によって旅行等商品が予約購入されたときに、その旅行等商品の提供者から、旅行商品検索システム31の管理者に支払われる料金のことである。また、手数料の「基準」とは、予約購入がされた旅行等商品の商品価格に乗じられる料率のことであり、例えば、商品価格に対する所定の料率が予め設定されている。したがって、例えば、手数料の基準として料率が「5%」に設定されている場合に、商品価格が「10,000円」の旅行等商品が予約購入されると、管理者には「500円」が支払われることになる。なお、所定の料率は、旅行等商品の提供者と管理者との間の契約により、提供者ごとに任意で定めることができる。
【0110】
旅行等商品の提供者は、旅行等商品を自ら企画して提供する者、又は、他の提供者が提供する旅行等商品を仲介して提供する者のことであり、例えば、宿泊施設を運営する施設運営者、旅行会社、施設運営者と購入者との予約購入取引を仲介する仲介業者、旅客運送事業者、又は、旅行等商品および通信に関するサービスを提供するサービス提供者等の事業者が含まれる。なお、以下においては、上記した提供者のうち、施設運営者及び旅行会社について説明する。
【0111】
施設運営者は、ホテル等の宿泊施設を運営しており、自らが運営する宿泊施設への宿泊予約に関する旅行等商品の商品情報40を、旅行商品検索システム31に提供する。また、施設運営者は、自らが提供する旅行等商品の商品情報40を管理するために提供者端末である施設運営者端末を有している。この施設運営者端末は、通信ネットワーク20を介して旅行商品検索システム31に通信可能に構成され、旅行商品検索システム31に旅行等商品の商品情報40を提供すると共に、旅行商品検索システム31を介した購入者から旅行等商品の予約購入を受け付ける。なお、施設運営者端末は、少なくともCPU等のプロセッサ並びにROM、RAM及びHDD等の記憶装置を備えて構成される。
【0112】
また、施設運営者は、自らが運営する宿泊施設への宿泊予約に関する旅行等商品について、その購入者から直接予約購入を受け付けることがある。そのため、施設運営者は、施設運営者端末又は施設運営者端末に接続された別のシステムによって構築された施設運営者のサイトである公式サイトを有している。この公式サイトでは、施設運営者自らが予約購入を直接受け付ける際の旅行等商品の商品情報40がインターネット上に公開されており、購入者は、この公式サイトを介して宿泊施設の宿泊予約に関する旅行等商品の予約購入ができる。
【0113】
旅行会社は、旅行等商品の予約購入取引について、旅行等商品の提供者と旅行等商品の購入者との間の予約購入取引を仲介すると共に、自らが企画して提供する旅行等商品の予約購入を受け付ける。そのため、旅行会社は、他の提供者から提供されて自らが予約購入取引を仲介する旅行等商品及び自らが企画して提供する旅行等商品について商品情報40を設定し、それらの旅行等商品の商品情報40を旅行商品検索システム31に提供する。旅行会社は、自らが仲介する又は提供する旅行等商品の商品情報40を管理するために提供者端末である旅行会社端末60を有しており、この旅行会社端末60が、通信ネットワーク20を介して旅行商品検索システム31と通信可能に構成されている。
【0114】
また、旅行会社は、旅行会社端末60又は旅行会社端末60に接続された別のシステムによって構築された旅行会社のサイトである旅行会社サイト(図示省略)を有している。この旅行会社サイトでは、旅行会社自らが予約購入を直接受け付ける際の旅行等商品の商品情報40がインターネット上に公開されている。そして、購入者は、この旅行会社サイトを介して旅行会社が仲介する又は提供する旅行等商品の予約購入ができる。
【0115】
また、旅行会社は、商品価格の変更が可能な料金可変旅行会社と、商品価格が一定の料金固定旅行会社との2種類の旅行会社から構成されている。
【0116】
料金可変旅行会社は、API(Application Programming Interface)形式で旅行商品検索システム31と接続可能な旅行会社端末61を有しており、自らが仲介した又は提供した旅行等商品について旅行商品検索システム31を介して購入者から予約購入があった際に、予め定められた規則に従って、料金可変旅行会社側で手数料の基準の変動に対応できる。例えば、
図6に示すように、料金可変旅行会社が、宿泊施設である施設H1における宿泊予約に関する旅行等商品として、プランCを提供するものとする。この際、料金可変旅行会社は、商品価格が異なる2つのプランC、すなわち、プランC1及びプランC2を旅行商品検索システム31に提供する。このとき、旅行商品検索システム31側からのAPIリクエストにおいては、商品価格の高いプランC1は予め通常識別情報が付与されたAPIリクエストによって取得され、商品価格の低いプランC2は予め特別識別情報が付与されたAPIリクエストによって取得される。その後、プランC1又はプランC2が購入者によって予約購入がされる際には、手数料基準変動システム100により、プランC1又はプランC2について手数料の基準を変動させるか否かの決定がされる。そして、そこで改めて、手数料の基準を変動させる場合には、手数料の基準を変動させることを示す特別識別情報が付与され、手数料の基準を変動させない場合には、手数料の基準を変動させないことを示す通常識別情報が付与されて、料金可変旅行会社側に遷移する。したがって、この場合には、手数料基準変動システム100によって、予め特別識別情報又は通常識別情報が付与された旅行等商品について、実際に手数料の基準を変動させるか否かの検証がされ、その検証結果に基いて、改めて特別識別情報又は通常識別情報が付与される。これにより、商品情報の遷移後に、料金可変旅行会社側において、改めて付与された特別識別情報又は通常識別情報に基いて、手数料の基準の変動に対応できる。なお、プランC1及びプランC2は、互いに商品価格のみが異なり、商品価格以外の商品情報が同一の旅行等商品である。
【0117】
ここで、特別識別情報又は通常識別情報とは、提供者ごとに予め設定された固有の識別情報のことである。特別識別情報及び通常識別情報は、後述する手数料基準変動システム100における記憶部5に記憶されており、例えば、予め提供者ごとに固有の提供者番号が設定され、この提供者番号にさらに紐づく形で、通常識別情報としての通常コード「0001」及び特別識別情報としての特別コード「0002」等が予め設定されることで実現される。なお、特別識別情報及び通常識別情報の態様は、上記したコード態様に限られず、例えば、特別識別情報及び通常識別情報の付与が、特定の識別フラグの有無等によって判別されるものでもよい。
【0118】
一方、料金固定旅行会社は、ファイル形式で旅行商品検索システム31との通信が可能な旅行会社端末62を有している。ここで、例えば、
図6に示すように、料金固定旅行会社が、施設H1における宿泊予約に関する旅行等商品として、プランA及びプランBを提供するものとする。この場合には、ファイル形式で旅行商品検索システム31に提供されるプランA及びプランBは、手数料の基準の変動に関する識別情報を何ら有していない状態で取得される。そのため、このままの状態で旅行商品検索システム31を介して商品情報が遷移されると、料金固定旅行会社側は手数料の基準の変動に対応することができない。そこで、プランA又はプランBが購入者によって予約購入がされる際には、手数料基準変動システム100により、プランA又はプランBについて手数料の基準を変動させるか否かの決定がされ、手数料の基準を変動させる場合には特別識別情報が付与され、手数料の基準を変動させない場合には通常識別情報が付与されて、料金固定旅行会社側に遷移させる。これにより、ファイル形式による通信であっても、商品情報の遷移後に、料金固定旅行会社側において、付与された特別識別情報又は通常識別情報に基いて、手数料の基準の変動に対応できる。なお、プランA及びプランBは、それぞれの商品情報、例えば、商品価格、夕食又は朝食の有無、部屋の広さ、部屋のグレード等が異なる旅行等商品である。
【0119】
このようにして、手数料基準変動システム100は、料金可変旅行会社及び料金固定旅行会社の双方が、手数料の基準の変動に対応可能なシステムとして構成されている。
【0120】
購入者は、購入者端末70を有しており、この購入者端末70を介して、旅行等商品の商品情報40の閲覧をして、自らの購入希望条件に該当する旅行等商品の予約購入をする。購入者端末70は、通信ネットワーク20を介して、旅行商品検索システム31及び提供者の端末である提供者端末に通信可能なものであればよく、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、タブレット端末、スマートフォン、テレビ端末、ゲーム端末等の電子機器である。また、購入者の「購入希望条件」は、旅行等商品の商品情報40に基いて設定された項目の中から購入者によって任意に選択されるものであり、宿泊施設における宿泊予約に関する旅行等商品の場合であれば、例えば、「夕食付で、商品価格が10,000円から16,000円までのもの」等の条件である。
【0121】
手数料基準変動システム100は、旅行等商品の提供者から提供された旅行等商品のうち、少なくとも、特定の条件に基いた旅行等商品の商品情報40を取得する情報取得部8と、情報取得部8が取得した旅行等商品の商品情報40を記憶する情報記憶部9と、情報記憶部9が記憶した旅行等商品の商品情報40に基いて、最も安価な旅行等商品の商品価格を第1価格として取得すると共に、購入者の購入希望条件に該当する商品情報40を有する旅行等商品を検索して、この旅行等商品について商品価格が第1価格に合致するか否かを判定する検索判定部10と、検索判定部10の判定結果に基き、購入者によって選択された旅行等商品が予約購入されたときの手数料の基準の変動を決定する適用部11と、を備えている。
【0122】
情報取得部8は、提供者から提供された旅行等商品のうち、少なくとも、特定の条件に基いた旅行等商品である特定旅行商品の商品情報40を取得して、情報記憶部9に送信する。このとき、情報取得部8は、例えば、旅行商品検索システム31を介して、各提供者が有する提供者端末との通信により、特定旅行商品の商品情報40を取得する。そして、例えば、特定の条件が「特定の宿泊施設である施設H1における宿泊予約」である場合には、情報取得部8は、
図6に示すように、施設H1における宿泊予約に関する旅行等商品であるプランA及びプランBを料金固定旅行会社から取得し、同様に、施設H1における宿泊予約に関する旅行等商品であるプランC1及びプランC2を料金可変旅行会社から取得して、特定旅行商品の商品情報40として情報記憶部9に送信する。そして、情報記憶部9は、情報取得部8から受信した特定旅行商品の商品情報40を記憶する。
【0123】
検索判定部10は、情報記憶部9に記憶された特定旅行商品の商品情報40に基いて、特定旅行商品の中で最も安価な旅行等商品の商品価格である第1価格を取得する。例えば、特定旅行商品が施設H1における宿泊予約に関する旅行等商品である場合には、プランA、プランB、プランC1及びプランC2の中から最も安価な旅行等商品であるプランAの商品価格である「10,000円」を第1価格として取得する。また、例えば、特定旅行商品が施設H2における宿泊予約に関する旅行等商品である場合には、プランD、プランE、プランF1、プランF2、プランG1及びプランG2の中から最も安価な旅行等商品であるプランF2の商品価格である「11,000円」を第1価格として取得する。さらに、検索判定部10は、特定旅行商品の中から購入者の購入希望条件に該当する商品情報40を有する旅行等商品である対象旅行商品を検索する。そして、この対象旅行商品の商品価格が第1価格に合致するか否かの判定をし、商品価格が第1価格に合致する対象旅行商品に自社最安値フラグを付与する。
【0124】
適用部11は、検索判定部10の判定結果、すなわち、自社最安値フラグの有無に基いて、対象旅行商品の中から購入者によって選択された旅行等商品である選択旅行商品が予約購入されたときの手数料の基準の変動を決定する。具体的には、適用部11は、選択旅行商品に自社最安値フラグが付与されてるときに、手数料の基準の変動を決定する。したがって、選択旅行商品に自社最安値フラグが付与されていない場合には、選択旅行商品に対して、手数料の基準を変動させないことを示す通常識別情報を付与する。
【0125】
一方で、適用部11は、選択旅行商品に自社最安値フラグが付与されている場合には、第1価格が、各提供者における特定旅行商品と同じ旅行等商品の商品価格と比較して、別の所定の条件に該当するか否かでの手数料の基準の変動を決定する。このとき、適用部11は、各提供者の提供者端末又は各提供者のサイトから特定旅行商品と同じ旅行等商品の商品価格と比較をするが、少なくとも旅行会社サイト、宿泊施設の公式サイト及び他の仲介業者が管理する旅行商品検索システムにおける旅行商品検索サイトである他の旅行商品検索サイトのそれぞれにおける特定旅行商品と同じ旅行等商品の商品価格と比較する。
【0126】
ここで、特定旅行商品と同じ旅行等商品とは、例えば、特定の条件が「特定の宿泊施設である施設H1における宿泊予約」である場合には、この施設H1における宿泊予約に関する旅行等商品のことを指し、施設H2における宿泊予約に関する旅行等商品は含まれない。
【0127】
具体的には、適用部11は、価格取得部12を有しており、この価格取得部12が、旅行商品検索システム31を介して、各提供者のそれぞれから特定旅行商品と同じ旅行等商品の商品価格を取得する。このとき、価格取得部12は、各提供者のそれぞれにおける特定旅行商品と同じ旅行商品の中で最も安価な旅行等商品の商品価格を第2価格として取得する。なお、価格取得部12は、各提供者の提供者端末又は各提供者のサイトから特定旅行商品と同じ旅行商品の中で最も安価な旅行等商品の商品価格を取得する。
また、旅行商品検索システム31から独立した手数料基準変動システム100である場合には、価格取得部12は、手数料基準変動システム100における通信部を介して、各提供者のそれぞれから特定旅行商品と同じ旅行等商品の商品価格を取得する。
【0128】
そして、適用部11は、第1価格が、第2価格と比較して、別の所定の条件に該当する場合に、手数料の基準の変動を決定する。ここで、別の所定の条件に基いて、第1価格が、各提供者のサイトのそれぞれにおける商品価格と比較して最も安価な商品価格であるかの検証がされる。
【0129】
具体的には、別の所定の条件は、第1価格が、第2価格よりも低い又は第2価格と同じであることであり、この別の所定の条件に該当する場合には、第1価格が各提供者のサイトのそれぞれにおける商品価格の中でも最も安価な商品価格であるとして、手数料の基準を低く変動させることを決定する。そして、選択旅行商品に対して、手数料の基準を変動させることを示す特別識別情報を付与する。なお、このとき、手数料の基準を低く変動させるとは、通常の手数料の基準が料率「5%」に設定されている場合には、例えば、料率を「1%」等に下げることをいう。
【0130】
一方で、上記した別の所定の条件に該当しない場合には、第1価格が各提供者のそれぞれにおける商品価格の中でも最も安価な商品価格ではないとして、手数料の基準を変動させないことを決定して、選択旅行商品に対して、手数料の基準を変動させないことを示す通常識別情報を付与する。このときには、手数料の基準を変動させないため、例えば、通常の手数料の基準が料率「5%」であれば、料率「5%」がそのまま適用される。
【0131】
そして、適用部11は、特別識別情報又は通常識別情報のいずれかが付与された選択旅行商品の商品情報40を、選択旅行商品の提供者側に送信して遷移させる。これにより、購入者端末70では、旅行商品検索システム31から選択旅行商品を提供した提供者のサイトに遷移して、購入者が選択旅行商品の予約購入ができる。また、選択旅行商品を提供した提供者は、特別識別情報又は通常識別情報のいずれかが付与された選択旅行商品の商品情報40を受信して、特別識別情報又は通常識別情報の種別に応じて、手数料の基準の変動を知ることができると共に、手数料の基準の変動に対応することができる。
【0132】
次に、手数料基準変動システム100の処理について説明する。
なお、以下では、購入者によって選択される選択旅行商品が、料金固定旅行会社及び料金可変旅行会社から旅行等商品が提供された場合について説明する。
【0133】
手数料基準変動システム100は、
図7に示すように、情報取得部8が、旅行商品検索システム31を介して、提供者が提供する旅行等商品の商品情報40の中から、少なくとも、特定旅行商品の商品情報40を取得する(ステップS1)。例えば、情報取得部8は、特定旅行商品の商品情報として、施設H1の宿泊予約に関する宿泊プランについて、料金可変旅行会社の旅行会社端末61からはプランA及びプランBを取得し、料金固定旅行会社の旅行会社端末62からは商品価格のみが異なるプランC1及びプランC2を取得する(
図6参照)。なお、プランA、プランB及びプランC1(プランC2)は、それぞれの商品情報、例えば、商品価格、夕食又は朝食の有無、部屋の広さ、部屋のグレード等が異なるプランであり、一方、プランC1及びプランC2は、互いに商品価格のみが異なり、商品価格以外の商品情報が同一の旅行等商品である。
【0134】
また、情報取得部8では、特定旅行商品の商品情報40の提供元が料金可変旅行会社である場合、すなわち、旅行会社端末61から特定旅行商品の商品情報40が提供される場合には、情報記憶部9に記憶させる商品情報の取捨選択が行われる。そのため、まずはステップS1で取得された特定旅行商品について、その提供元が料金固定旅行会社の旅行会社端末62であるか又は料金可変旅行会社の旅行会社端末61であるかの判定がされる(ステップS2)。提供元が料金固定旅行会社の旅行会社端末62であるものについては、特定旅行商品の商品情報40として取得されたプランA及びプランBがそのまま情報記憶部9に記憶される(ステップS3)。
【0135】
一方で、特定旅行商品の商品情報40の提供元が料金可変旅行会社の旅行会社端末61である場合には、特定旅行商品の商品情報40として取得されたプランC1及びプランC2について、それぞれが通常識別情報又は特別識別情報のいずれが付与されたAPIリクエストによって取得されたものかを判定をする(ステップS4)。そして、通常識別情報が付与されたAPIリクエストによって取得されたプランC1は、そのまま情報記憶部9に記憶される(ステップS5)。
【0136】
特別識別情報が付与されたAPIリクエストによって取得されたプランC2は、その商品価格が特定旅行商品の中で最も安価な商品価格であるか否かが判定される(ステップS6)。したがって、プランC2の商品価格が、プランA、プランB及びプランC1の商品価格と比較して安価であるか否かが判定される。そして、プランC2の商品価格が特定旅行商品の中で最も安価である場合には、料金可変最安値フラグが付与され(ステップS7)、情報記憶部9に記憶される(ステップS5)。そうでない場合には、施設H1に関する特定旅行商品の中で商品価格が最も安価ではないため、プランC2は破棄される(ステップS8)。
【0137】
また、例えば、
図6に示すように、情報取得部8によって、特定旅行商品の商品情報40として、施設H2の宿泊予約に関する旅行等商品について、料金固定旅行会社の旅行会社端末62からプランD及びプランEが取得され、料金可変旅行会社の旅行会社端末61から、互いに商品価格のみが異なるプランF1及びプランF2、並びに、商品価格のみが異なるプランG1及びプランG2が取得された場合については、料金固定旅行会社の旅行会社端末62から取得されたプランD及びプランE、並びに、料金可変旅行会社の旅行会社端末61から通常識別情報が付与されたAPIリクエストによって取得されたプランF1及びプランG1は、そのまま情報記憶部9に記憶される(ステップS5)。一方で、料金可変旅行会社の旅行会社端末61から特別識別情報が付与されたAPIリクエストによって取得されたプランF2及びプランG2については、特定旅行商品の中で最も安価な商品価格であるプランF2が、料金可変最安値フラグが付与された後に(ステップS7)、情報記憶部9に記憶され(ステップS5)、一方のプランG2が、特定旅行商品の中で最も安価な商品価格ではないため、破棄される(ステップS8)。なお、この場合においても、プランD、プランE、プランF1(プランF2)及びプランG1(プランG2)は、それぞれの商品情報、例えば、商品価格、夕食又は朝食の有無、部屋の広さ、部屋のグレード等が異なるプランである。一方、プランF1及びプランF2は、互いに商品価格のみが異なり、商品価格以外の商品情報が同一の旅行等商品であり、また、同様に、プランG1及びプランG2は、互いに商品価格のみが異なり、商品価格以外の商品情報が同一の旅行等商品である。
また、料金可変旅行会社の旅行会社端末61から複数の旅行等商品が取得される場合には、それぞれの旅行等商品について、ステップS4からステップS7又はステップS8が行われる。
【0138】
次に、
図8に示すように、検索判定部10が、情報取得部8によって取得されて情報記憶部9に記憶された特定旅行商品の商品情報40に基いて、特定旅行商品の中から購入者の購入希望条件に該当する商品情報40を有する旅行等商品を検索して、この検索結果として得られた旅行等商品を対象旅行商品として取得する。具体定には、まず、検索判定部10は、特定旅行商品の中で最も安価な旅行等商品の商品価格を第1価格として取得する(ステップS9)。例えば、検索判定部10は、施設H1については、特定旅行商品であるプランA、プランB及びプランC1のうち、最も安価な商品価格である「10,000円」を第1価格として取得する(
図6参照)。また、例えば、検索判定部10は、施設H2については、特定旅行商品であるプランD、プランE、プランF1、プランF2及びプランG1のうち、最も安価な商品価格である「11,000円」を第1価格として取得する(
図6参照)。
【0139】
その後、検索判定部10は、特定旅行商品の商品情報40に基いて、購入希望条件に該当する商品情報40を有する旅行等商品を検索し、その検索結果として得られた旅行等商品を該当旅行商品として取得する(ステップS10)。そして、この該当旅行商品について、その商品価格が第1価格に合致するか否かの判定をする(ステップS11)。ここで、該当旅行商品のうち、商品価格が第1価格に合致する旅行等商品については、自社最安値フラグが付与される(ステップS12)。
【0140】
一方で、商品価格が第1価格に合致しない旅行等商品については、料金可変最安値フラグが付与されているか否かが判定される(ステップS13)。この料金可変最安値フラグの判定に基いて、商品価格が第1価格に合致しない旅行等商品のうち、料金可変最安値フラグが付与されているものが該当旅行商品から除外される(ステップS14)。このようにして、商品価格が第1価格に合致せず、かつ、料金可変最安値フラグが付与されていたものが除外された旅行等商品が、対象旅行商品として取得される(ステップS15)。なお、該当旅行商品が複数の旅行等商品から構成される場合には、それぞれの旅行等商品についてステップS11からステップS14が行われる。また、この対象旅行商品は、購入者端末70において旅行商品検索サイト30を閲覧した際には、購入者よって選択可能な状態で掲載される。そして、対象旅行商品のうち、購入者が予約購入取引を希望する一の旅行等商品である選択旅行商品が、購入者によって選択される。
【0141】
適用部11は、
図9に示すように、選択旅行商品について手数料の基準の変動を決定する。具体的には、まず適用部11は、選択旅行商品に対して、自社最安値フラグの有無を判定する(ステップS16)。ここで、選択旅行商品に自社最安値フラグが付与されていない場合は、その選択旅行商品は自社において最も安価な商品価格ではないので、手数料の基準は変動させない。そのため、適用部11は、手数料の基準を変動させないことを示す通常識別情報を付与する(ステップS17)。そして、この通常識別情報が付与された選択旅行商品の商品情報を、選択旅行商品を提供した提供者に送信する。
【0142】
一方で、適用部11は、選択旅行商品に自社最安値フラグが付与されている場合は、さらに、この選択旅行商品の提供元が料金可変旅行会社であるか否かの判定を行い(ステップS18)、選択旅行商品の提供元が料金可変旅行会社である場合には、手数料の基準を変動させる。具体的には、適用部11は、手数料の基準を変動させること決定し、特別識別情報を付与する(ステップS19)。そして、この特別識別情報が付与された選択旅行商品の商品情報を、選択旅行商品を提供した提供者に送信する。
【0143】
また、適用部11は、選択旅行商品の提供元が料金可変旅行会社でない場合には、その選択旅行商品の商品価格が、別の所定の条件に該当する場合に、手数料の基準を変動させることを決定する。そこで、適用部11は、自社最安値フラグが付与されている選択旅行商品の商品価格、すなわち、第1価格が、別の所定の条件に該当するか否かについて、各提供者における商品価格と比較して判定をする(ステップS20)。この判定においては、適用部11は、別の所定の条件に基いて、手数料の基準を変動させない場合には、通常識別情報を付与する(ステップS17)。一方で、別の所定の条件に基いて、手数料の基準を変動させる場合には、特別識別情報を付与する(ステップS19)。そして、この通常識別情報又は特別識別情報のいずれかが付与された選択旅行商品を、選択旅行商品を提供した提供者に送信する。
【0144】
具体的には、適用部11は、第1価格について、各提供者のそれぞれにおける商品価格と比較をするため、各提供者における旅行等商品の商品価格と、第1価格とを取得する価格取得部12を備えている(
図5)。価格取得部12は、第1価格を検索判定部10から取得し、さらに、各提供者の提供者端末又は各提供者のサイトから特定旅行商品と同じ旅行商品の商品価格の中で最も安価な旅行等商品の商品価格を取得する。そして、適用部11は、価格取得部12が取得した各提供者のそれぞれにおける商品価格に基いて、第1価格が別の所定の条件に該当するか否かの判定をする。別の所定の条件は、第1価格が、第2価格よりも低い又は第2価格と同じであることである。そして、適用部11は、第1価格が別の所定の条件に該当する場合には、第1価格が各提供者における商品価格の中でも最も安価な商品価格であるとして、手数料の基準を低く変動させることを決定して、選択旅行商品に対して、手数料の基準を変動させることを示す特別識別情報を付与する(ステップS19)。一方で、第1価格が別の所定の条件に該当しない場合には、手数料の基準を変動させないことを決定して、選択旅行商品に対して、手数料の基準を変動させないことを示す通常識別情報を付与する(ステップS17)。
【0145】
なお、手数料基準変動システム100では、第1価格が別の所定の条件に該当する場合に、手数料の基準を低く変動させることを決定して特別識別情報を付与し、第1価格が別の所定の条件に該当しない場合に、手数料の基準を変動させないことを決定して通常識別情報を付与するものとして構成したが、例えば、第1価格が別の所定の条件に該当する場合に手数料の基準を変動させないことを決定して通常識別情報を付与し、第1価格が別の所定の条件に該当しない場合に手数料の基準を高く変動させることを決定して特別識別情報を付与するものとして構成してもよい。なお、手数料の基準を高く変動させるとは、通常の手数料の基準が料率「5%」に設定されている場合には、例えば、料率を「7%」等に上げることをいう。
【0146】
そして、適用部11は、特別識別情報又は通常識別情報のいずれかが付与された選択旅行商品を、選択旅行商品を提供した提供者に送信する。これにより、購入者端末70では、旅行商品検索システム31から選択旅行商品を提供した提供者のサイトに遷移して、購入者が選択旅行商品の予約購入ができる。また、選択旅行商品を提供した提供者は、特別識別情報又は通常識別情報のいずれかが付与された選択旅行商品を受信して、特別識別情報又は通常識別情報の種別に応じて、手数料の基準の変動を知ることができると共に、手数料の基準の変動に対応することができる。
【0147】
次に、手数料基準変動システム100の効果について説明する。
【0148】
手数料基準変動システム100は、選択旅行商品の商品価格が第1価格に合致するときに手数料の基準の変動を決定すると共に、第1価格が別の所定の条件に該当する場合に、手数料の基準を低く変動させるため、手数料の基準を低く変動させることを示す特別識別情報を付与する。そのため、選択商品情報の商品価格が最も安価であるか否かの判定が可能であり、その判定の結果に基いて、手数料の基準を低く変動させることができる。したがって、ほとんど利益がでないと考えられる最も安価な商品価格で旅行等商品が購入される際には、手数料の基準を低く変動させて利益の圧迫を抑えることができる。
また、第1価格が、各提供者のサイトから取得された特定旅行商品と同じ旅行等商品の商品価格と比較して、別の所定の条件に該当する場合にのみ、手数料の基準を低く変動させることができるので、網羅的かつ横断的に選択旅行商品の商品価格の比較ができる。したがって、価格競争をより一層促すことができる。
【0149】
一方で、手数料の基準を変動させない場合には、手数料の基準を変動させないことを示す通常識別情報を付与する。そのため、旅行等商品の提供者は、付与される特別識別情報又は通常識別情報により、手数料の基準の変動の有無を把握することができるので、価格競争を促すことができる。
【0150】
さらに、例えば、旅行等商品の提供者が、通信ネットワーク20を介して、旅行商品検索システム31と旅行等商品の商品情報を送受信するには、ファイル形式での通信とAPI形式での接続とが想定される。この場合に、特別識別情報又は通常識別情報が付与されることにより、ファイル形式では異なる識別情報によって手数料の基準の変動を判別でき、また、API形式では異なる識別情報を付与してそのまま送受信することができるため、手数料の基準の変動に旅行等商品の提供者側が対応することができる。したがって、ファイル形式での通信及びAPI形式での接続の双方において、手数料の基準の変動に対応できる。また、特別識別情報又は通常識別情報を用いることで、手数料基準変動システム100側が手数料の基準の変動を管理することができる。
【0151】
以上の通り、本発明の他の実施形態を詳述したが、本発明は上記他の実施形態に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【0152】
本発明の他の実施形態では、選択旅行商品の商品価格が第1価格に合致するときであって、かつ、別の所定の条件に該当する場合に特別識別情報を付与する例を示したが、例えば、別の所定の条件に該当するか否かの判定をせずに、選択旅行商品の商品価格が第1価格に合致する場合に特別識別情報を付与するものとして構成してもよい。また、別の所定の条件が、第1価格が第2価格よりも低い又は第2価格と同じである例を示したが、別の所定の条件は任意で定めることができる。
【0153】
また、本発明の他の実施形態では、手数料の基準を低く変動させる場合に特別識別情報を付与する例を示したが、例えば、手数料の基準を高く変動させる場合に特別識別情報を付与するものとして構成してもよい。また、特別識別情報の数は1つに限定されず、設定される別の所定の条件に合わせて、複数の特別識別情報、例えば、第1特別識別情報、第2特別識別情報、第3特別識別情報等を用いて、段階的に手数料の基準を変動させるものとして構成してもよい。
【0154】
さらに、本発明の他の実施形態では、価格取得部が、各提供者の提供者端末又は各提供者のサイトから特定旅行商品と同じ旅行商品の商品価格を取得する例を示したが、価格取得部は、少なくとも旅行会社サイト、宿泊施設の公式サイト及び他の旅行商品検索サイトにおける特定旅行商品と同じ旅行商品の商品価格を取得するものとして構成してもよい。また、本発明の他の実施形態では、第1価格が別の所定の条件に該当するか否かの判定をする際に、価格取得部が検索判定部から第1価格を取得する例を示したが、適用部が検索判定部から第1価格を取得してもよい。また、価格取得部又は適用部が、検索判定部から第1価格を取得せずに、情報記憶部が記憶した特定旅行商品の商品情報に基いて、第1価格を取得するものであってもよい。
【符号の説明】
【0155】
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 HDD
5 記憶部
6 入力部
7 出力部
8 情報取得部
9 情報記憶部
10 検索判定部
11 適用部
20 通信ネットワーク
30 旅行比較サイト
31 旅行商品検索システム
40 商品情報
50 比較情報
60 旅行会社端末
61 旅行会社端末
62 旅行会社端末
70 購入者端末
100 手数料基準変動システム
n 順位
【要約】 (修正有)
【課題】予め定められた条件に基いて、手数料の基準を変動させることができる手数料基準変動システム、手数料基準変動プログラム及びこのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【解決手段】手数料基準変動システム100において、特定の条件に基いた旅行等商品の商品情報を取得する情報取得部8、対象旅行商品を所定の基準で並べ替えた際の順位nを判定する検索判定部10及びこの順位nが所定の条件に該当するときに手数料の基準の変動を決定すると共に、その順位nが所定の条件に該当する場合には、手数料の基準を低く変動させることを示す特別識別情報を付与する適用部11を備える。
【選択図】
図1