(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】キャパシタ部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20220517BHJP
H01G 4/252 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
H01G4/30 513
H01G4/252 V
H01G4/30 201F
H01G4/30 311E
H01G4/30 516
H01G4/30 517
H01G4/30 201G
(21)【出願番号】P 2017171210
(22)【出願日】2017-09-06
【審査請求日】2020-07-03
(31)【優先権主張番号】10-2017-0000438
(32)【優先日】2017-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チョ、スン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】クウォン、ビヨン チャン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ヨン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、キ ピョ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジェ ヨル
【審査官】鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-135073(JP,A)
【文献】特開2013-098540(JP,A)
【文献】特開平07-297075(JP,A)
【文献】特開平05-167225(JP,A)
【文献】特開2007-234903(JP,A)
【文献】特開2008-159965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/00-4/224
H01G 4/255-4/40
H01G 13/00-13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1面及び第2面を含み、複数の誘電体層の積層構造と、前記複数の誘電体層を挟んで交互に配置され、それぞれ前記第1面及び第2面に露出された第1及び第2内部電極とを含む本体と、
前記本体における前記第1面及び第2面のみをカバーして前記第1及び第2内部電極に接続し
、前記本体の第1面及び第2面全体をカバーする形態である金属層と、
前記金属層をカバー
し、前記金属層全体をカバーする形態であるセラミック層と、
前記セラミック層をカバーし、前記金属層と接続してそれぞれ前記第1及び第2内部電極と電気的に連結され
、前記第1面及び第2面を連結しながら互いに対向する第3面及び第4面をカバーする形態である第1及び第2外部電極と、
を含むキャパシタ部品。
【請求項2】
前記金属層は、均一な厚さを有する請求項
1に記載のキャパシタ部品。
【請求項3】
前記本体の第1面及び第2面を基準として、前記金属層及び前記セラミック層の面積は同一である請求項1
または2に記載のキャパシタ部品。
【請求項4】
前記第1及び第2外部電極は、それぞれ多層構造を有する請求項1から
3のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項5】
前記第1及び第2外部電極は、それぞれ焼結電極である第1層と、前記第1層をカバーし、めっき電極である第2層とを含む請求項
4に記載のキャパシタ部品。
【請求項6】
前記セラミック層と前記第1及び第2外部電極との間にそれぞれ配置された追加の金属層をさらに含む請求項1から
5のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項7】
前記金属層及び追加の金属層は、同一の物質からなる請求項
6に記載のキャパシタ部品。
【請求項8】
前記本体の第1面及び第2面を基準として、前記金属層、前記セラミック層及び前記追加の金属層の面積は同一である請求項
6または
7に記載のキャパシタ部品。
【請求項9】
前記金属層は、Ni成分を含む請求項1から
8のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項10】
前記セラミック層は、前記本体と同一の物質からなる請求項1から
9のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項11】
前記セラミック層は、前記本体より多い量の有機物質成分を含む請求項1から
10のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項12】
前記第1及び第2外部電極で前記第3面及び第4面をカバーする領域は、前記金属層と物理的に連結された形態である請求項
1から11のいずれか一項に記載のキャパシタ部品。
【請求項13】
複数の誘電体層と第1及び第2内部電極とを交互に積層して本体を形成する段階と、
前記本体における前記第1及び第2内部電極が露出された互いに対向する第1面及び第2面のみをカバー
し、前記本体の第1面及び第2面全体をカバーする形態となるように金属層を形成する段階と、
前記金属層をカバー
し、前記金属層全体をカバーする形態となるようにセラミック層を形成する段階と、
前記セラミック層をカバーし、前記金属層と接続
し、前記第1面及び第2面を連結しながら互いに対向する第3面及び第4面をカバーする形態となるように外部電極を形成する段階と、
を含むキャパシタ部品の製造方法。
【請求項14】
前記金属層を形成する段階は、前記金属層を前記本体に転写する段階を含む請求項
13に記載のキャパシタ部品の製造方法。
【請求項15】
前記セラミック層を前記金属層に転写する段階を含む請求項
13または
14に記載のキャパシタ部品の製造方法。
【請求項16】
前記金属層及び前記セラミック層を形成する段階は、前記本体に前記金属層及び前記セラミック層の積層体を一度に転写する段階を含む請求項
13から
15のいずれか一項に記載のキャパシタ部品の製造方法。
【請求項17】
前記本体、前記金属層及び前記セラミック層を同時に焼成する段階をさらに含む請求項
13から
16のいずれか一項に記載のキャパシタ部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタ部品に関する。
【背景技術】
【0002】
キャパシタ部品の一つである積層セラミックキャパシタは、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話などの様々な電子製品の印刷回路基板に装着されて、電気を充電または放電させる役割をするチップ形態のコンデンサである。
【0003】
このような積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、小型でかつ高容量が保障され、実装が容易であるという長所により、多様な電子装置の部品として使用されることができる。最近、モバイル機器や自動車などに使用される積層セラミックキャパシタの場合、高い水準の機械的強度が求められるが、例えば、繰り返された外部からの衝撃、振動、厳しい温度と湿度などの環境に耐えられる必要がある。
【0004】
従来、使用されるMLCCで外部電極の場合、ペーストを塗布してこれを焼結する方式で得られるが、これから得られた外部電極は、中央領域に比べて外郭領域の厚さが相対的に薄い。このように厚さが不均一な場合、MLCCの実装密度の低下、外部電極の密閉(sealing)特性の低下、ブリスター(blister)によるめっき不良などを引き起こし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の一つは、外部電極の厚さが低減されながらも、外部電極のシーリング特性、耐湿信頼性などが向上されたキャパシタ部品を提供することにある。本発明の他の目的の一つは、このようなキャパシタ部品を効率的に形成することができる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための方法として、本発明は、一実施形態を通じて新規なキャパシタ部品を提案しようとするものである。具体的に、互いに対向する第1面及び第2面を含み、複数の誘電体層の積層構造と、上記誘電体層を挟んで交互に配置され、それぞれ上記第1面及び第2面に露出された第1及び第2内部電極とを含む本体と、上記第1面及び第2面をカバーして上記第1及び第2内部電極に接続した金属層と、上記金属層をカバーするセラミック層と、上記セラミック層をカバーし、上記金属層と接続してそれぞれ上記第1及び第2内部電極と電気的に連結された第1及び第2外部電極とを含む形態である。
【0007】
一実施形態において、上記金属層は、上記本体の第1面及び第2面全体をカバーする形態であることができる。
【0008】
一実施形態において、上記金属層は、均一な厚さを有することができる。
【0009】
一実施形態において、上記セラミック層は、上記金属層全体をカバーする形態であることができる。
【0010】
一実施形態において、上記本体の第1面及び第2面を基準として、上記金属層及び上記セラミック層の面積は同一であることができる。
【0011】
一実施形態において、上記第1及び第2外部電極は、それぞれ多層構造を有することができる。
【0012】
一実施形態において、上記第1及び第2外部電極は、それぞれ焼結電極である第1層と、上記第1層をカバーし、めっき電極である第2層とを含むことができる。
【0013】
一実施形態において、上記セラミック層と上記第1及び第2外部電極との間にそれぞれ配置された追加の金属層をさらに含むことができる。
【0014】
一実施形態において、上記金属層及び追加の金属層は、同一の物質からなることができる。
【0015】
一実施形態において、上記本体の第1面及び第2面を基準として、上記金属層、上記セラミック層及び上記追加の金属層の面積は、同一であることができる。
【0016】
一実施形態において、上記金属層は、Ni成分を含むことができる。
【0017】
一実施形態において、上記セラミック層は、上記本体と同一の物質からなることができる。
【0018】
一実施形態において、上記セラミック層は、上記本体より多い量の有機物質成分を含むことができる。
【0019】
一実施形態において、上記第1及び第2外部電極は、上記第1面及び第2面を連結しながら互いに対向する第3面及び第4面をカバーする形態であることができる。
【0020】
一実施形態において、上記第1及び第2外部電極で上記第3面及び第4面をカバーする領域は、上記金属層と物理的に連結された形態であることができる。
【0021】
また、本発明の他の側面は、複数の誘電体層と第1及び第2内部電極とを交互に積層して本体を形成する段階と、上記本体で上記第1及び第2内部電極が露出された面に金属層を形成する段階と、上記金属層をカバーするようにセラミック層を形成する段階と、上記セラミック層をカバーし、上記金属層と接続するように外部電極を形成する段階とを含むキャパシタ部品の製造方法を提供する。
【0022】
一実施形態において、上記金属層を形成する段階は、上記金属層を上記本体に転写する段階を含むことができる。
【0023】
一実施形態において、上記セラミック層を上記金属層に転写する段階を含むことができる。
【0024】
一実施形態において、上記金属層及び上記セラミック層を形成する段階は、上記本体に上記金属層及び上記セラミック層の積層体を一度に転写する段階を含むことができる。
【0025】
一実施形態において、上記本体、上記金属層及び上記セラミック層を同時に焼成する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の様々な効果の一つとして、外部電極の厚さが低減されながらも、外部電極のシーリング特性、耐湿信頼性などが向上されたキャパシタ部品が得られる。また、このようなキャパシタ部品を効率的に製造することができる方法が得られる。但し、本発明の多様でかつ有益な長所と効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図1のキャパシタ部品で本体、金属層及びセラミック層の形態を概略的に示す斜視図である。
【
図4】変形された実施形態によるキャパシタ部品に関し、本体の形態を示す斜視図である。
【
図5】変形された実施形態によるキャパシタ部品に関し、キャパシタ部品の断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品の製造方法の例を示す。
【
図7】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品の製造方法の例を示す。
【
図8】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品の製造方法の例を示す。
【
図9】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品の製造方法の例を示す。
【
図10】本発明の一実施形態によるキャパシタ部品の製造方法の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)されることがある。
【0029】
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に異なる趣旨の説明がされていない限り、他の構成要素を除外する趣旨ではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態によるキャパシタ部品を概略的に示す斜視図である。
図2は、
図1のキャパシタ部品において、本体、金属層及びセラミック層の形態を概略的に示す斜視図である。そして
図3は、
図1のキャパシタ部品を示す断面図である。
【0031】
図1~3を参照すると、本発明の一実施形態によるキャパシタ部品100は、本体101、これに含まれた第1及び第2内部電極111、112、金属層120、セラミック層130、そして第1及び第2外部電極140、150を主要構成として含む。本実施形態の場合、後述するように、本体101の側面をカバーする金属層120及びセラミック層130の多層構造を採用して、キャパシタ部品100の角などで発生し得るキャパシタ部品100の小型化に有利で、かつシーリング特性、耐湿信頼性などが向上されることができる。
【0032】
本体101は、複数の誘電体層が積層された積層構造と、誘電体層を挟んで交互に配置された第1及び第2内部電極111、112とを含む。この場合、
図2に示すように、本体101は、六面体或いはこれと類似した形状を有することができ、互いに対向する第1面及び第2面を含む。この場合、上記第1面及び第2面は、
図3を基準として、本体101の左右側面に該当する。
【0033】
本体101に含まれた誘電体層は、当業界で知られたセラミックなどの誘電物質を利用することができ、例えば、BaTiO3(チタン酸バリウム)系セラミック粉末などを含むことができる。この場合、上記BaTiO3系セラミック粉末は、例えば、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3、Ba(Ti1-yCay)O3、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3またはBa(Ti1-yZry)O3などがあり、本発明がこれに限定されるものではない。
【0034】
本体101は、電気容量を形成するアクティブ領域と、その上部と下部に位置するカバー領域とに分けられる。具体的に、
図1を基準として、アクティブ領域は、第1及び第2内部電極111、112によって容量を形成し、カバー領域は、上記アクティブ領域の上部と下部に配置される。この場合、カバー領域は、物理的または化学的ストレスによる第1及び第2内部電極111、112の損傷を防止する役割を行うことができ、内部電極111、112を含まない点の他には、アクティブ領域の誘電体層と実質的に同一の材質及び構成を有することができる。この場合、カバー領域は、グリーンシート積層及び焼結工程によって共に得られる。このようなカバー領域は、1つまたは2つ以上のグリーンシートがアクティブ領域の上下面に積層して焼結された形態で実現されることができる。
【0035】
第1及び第2内部電極111、112は、本体101を構成する誘電体層を挟んで互いに対向するように交互に配置され、本体101の両端部にそれぞれ露出されることができる。この時、第1及び第2内部電極111、112は、中間に配置された誘電体層によって互いに電気的に分離されることができる。第1及び第2内部電極111、112を形成する材料は、特に制限されず、例えば、パラジウム(Pd)、パラジウム-銀(Pd-Ag)合金などの貴金属材料、及びニッケル(Ni)及び銅(Cu)のいずれか一つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成されることができる。上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを使用することができ、本発明がこれに限定されるものではない。また、第1及び第2内部電極111、112の厚さは、用途によって適切に決定することができ、特に制限されるものではないが、例えば、0.1~5μmまたは0.1~2.5μmであってよい。
【0036】
金属層120は、本体101の第1面及び第2面をカバーし、第1及び第2内部電極111、112と接続する。この場合、金属層120は、
図2に示すように、本体101の第1面及び第2面全体をカバーする形態であることができ、金属層120で本体101に向かう面は、本体101の第1面と同一の面積を有することができる。また、金属層120は、本体101の第1面及び第2面を基準として均一な厚さを有することができる。このような形態の金属層120が得られる一つの例として、後述するように、金属層120の本体101の表面に転写する工程を活用することができる。
【0037】
従来は、内部電極111、112と連結される外部電極を形成する際に、導電性ペーストを塗布した後、これを焼結する工程を利用したが、これにより、外部電極の中央領域と外郭領域で厚さの不均一が発生した(中央領域の厚さ>外郭領域の厚さ)。本実施形態の場合、均一な厚さの金属層120を用いることで電気的特性が均等であり、さらに、キャパシタ部品100の外部から浸入する水分、特に、角領域における耐湿信頼性が向上されることができる。
【0038】
一方、金属層120は、電気伝導性の高い金属物質のうち適切なものからなり、例えば、Ni成分を含むことができる。本実施形態の場合、金属層120は、焼結電極の形態で提供されることができ、本体101と同時に焼結されることができる。この場合、焼結前の金属層120は、金属粒子、バインダーのような有機物質を含む状態で本体101に転写されることができ、焼結後に有機物質などは除去されることができる。
【0039】
セラミック層130は、金属層120をカバーし、チタン酸バリウムのようなセラミック物質からなる。この場合、セラミック層130は、本体101に含まれたものと同一のセラミック物質を含むことができ、また、本体101と同一の物質からなることもできる。
図2に示すように、セラミック層130は、金属層120全体をカバーする形態であることができ、この場合、本体101の第1面及び第2面を基準として、金属層120及びセラミック層130の面積は、互いに同一であることができる。セラミック層130は、金属層120と同様に、本体101の表面に転写する方式で形成されることができ、その後、焼結過程を経ることができる。転写工程のために焼結前のセラミック層130は高い接着力を有することが好ましく、そのため、相対的にバインダーなどの有機物質を多く含むことができる。この場合、焼結後も一部の有機物質が残存し得るため、セラミック層130は、本体101より多量の有機物質成分を含むことができる。
【0040】
本実施形態のように、本体101の外郭にセラミック層130が形成されることで、外部電極のシーリング特性がさらに向上されて、外部から水分やめっき液などが浸透することを最小化することができる。この場合、セラミック層130は、隣接した金属層120によって焼結の際に緻密化が急速になされるため、耐湿特性の向上に適合した構造が効果的に得られる。
【0041】
第1及び第2外部電極140、150は、本体101の外部に形成されて、それぞれ第1及び第2内部電極111、112と電気的に連結される。具体的に、第1及び第2外部電極140、150は、セラミック層130をカバーし、金属層120と接続して、それぞれ第1及び第2内部電極111、112と電気的に連結された形態である。
【0042】
第1及び第2外部電極140、150は、それぞれ多層構造を有することができ、例えば、それぞれ第1層141、151と第2層142、152とを含むことができる。ここで、第1層141、151は、導電性ペーストを焼結して得られた焼結電極で形成されることができ、第2層142、152は、第1層をカバーする形態で1層以上のめっき層を含むことができる。また、第1及び第2外部電極140、150は、第1層141、151と第2層142、152の以外にも追加の他の層を含むことができ、例えば、第1層141、151と第2層142、152との間に導電性樹脂電極を含み機械的な衝撃などを緩和することができる。
【0043】
また、
図3に示すように、第1及び第2外部電極140、150は、本体101の第1面及び第2面を連結しながら互いに対向する第3面及び第4面をカバーする形態であることができる。ここで、上記第3面及び第4面は、
図3を基準として、本体101の上面及び下面に該当する。第1及び第2外部電極140、150で本体101の第3面及び第4面をカバーする領域は、金属層120と物理的に連結された形態であることができる。
【0044】
図4及び
図5は、変形された実施形態によるキャパシタ部品に関し、それぞれ本体の形態を示す斜視図及びキャパシタ部品の断面図に該当する。
【0045】
図4及び
図5を参照すると、変形例によるキャパシタ部品は、追加の金属層121をさらに含み、追加の金属層121は、セラミック層130をカバーする形態である。つまり、追加の金属層121は、セラミック層130と第1及び第2外部電極140、150との間にそれぞれ配置され、これにより、耐湿信頼性がさらに向上されることができる。追加の金属層121は、金属層120と同一の物質からなることができ、例えば、Ni成分を含むことができる。また、
図4に示すように、本体101の第1面及び第2面を基準として、金属層120、セラミック層130及び追加の金属層121の面積は、互いに同一であることができる。
【0046】
追加の金属層121が形成される場合、
図5に示すように、外部電極140、150のうち第1層141、151は、本体101の上面及び下面(第3面及び第4面)のみに形成されることもできる。
【0047】
図6~10を参照して、上述した構造を有するキャパシタ部品の製造方法の例を説明する。製造方法に対する説明を通じて、キャパシタ部品の構造をさらに明確に理解することができる。
【0048】
キャパシタ部品の製造工程の場合、先ず、
図6に示すように、本体101の表面に金属層120を転写する。ここで、本体101は、複数の誘電体層と第1及び第2内部電極とを交互に積層して形成されることができる。例えば、セラミックグリーンシートと内部電極用の導電性ペーストを塗布した後、これを積層する方式を利用することができる。金属層120は、本体101で第1及び第2内部電極が露出された面に形成する。金属層120の転写工程の場合、支持台200上にシート状の金属層120を設けた後、本体101をこれに圧着して本体101の表面に金属層120の一部を付着させる。本体101に転写された金属層120は、焼結前の状態としてバインダー、有機溶媒などの成分を含んでいる。
【0049】
金属層120の形成後は、
図7に示すように、金属層120をカバーするようにセラミック層130を形成し、金属層120と同様に、転写工程を利用することができる。つまり、支持台200上に焼結前のセラミック層130を配置した後、本体101をこれに圧着して金属層120の表面にセラミック層130の一部を付着させる。本体101に転写されたセラミック層130は、焼結前の状態としてバインダー、有機溶媒などの成分を含んでいる。
【0050】
また、本実施形態では、金属層120とセラミック層130とを個別的に転写する工程を利用したが、転写工程を一度だけ利用してもよい。つまり、
図8に示すように、金属層120とセラミック層130とを支持台200上に積層しておいた後、一度の転写工程で本体101に金属層120とセラミック層130との多層構造が得られる。
【0051】
また、
図9は、追加の金属層121を形成する工程の一例を開示する。本体101に金属層120とセラミック層130とが形成された状態で追加の転写工程が適用され、この場合、セラミック層130と金属層121との順序を変えて支持台200上に積層することができる。この状態でセラミック層130と金属層121との積層構造を本体101に転写する場合、本体101の表面から金属層120、セラミック層130、金属層121の順で積層構造が得られる。
【0052】
以上で、本体101に金属層120、セラミック層130、追加の金属層121を形成する方法の例を説明し、本体101の反対側にも同一の工程を適用することができる。
【0053】
次に、セラミック層130をカバーしながら金属層120と接続するように外部電極を形成し、
図10は、外部電極のうち第1層141を形成する段階を示す。上述したように、第1層141は、導電性ペースト201に本体101をディップ(dipping)する方式などで得られる。以後、本体101、金属層120、セラミック層130、第1層141を焼成し、これらは同時に焼成されることができる。
【0054】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定する。従って、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0055】
100 キャパシタ部品
101 本体
111、112 内部電極
120 金属層
130 セラミック層
140、150 外部電極
141、151 第1層
142、152 第2層