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特許7073633水中油型乳化油脂組成物および菓子用穀粉組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】水中油型乳化油脂組成物および菓子用穀粉組成物
(51)【国際特許分類】
   A23D 7/005 20060101AFI20220517BHJP
   A23D 7/00 20060101ALI20220517BHJP
   A21D 2/16 20060101ALI20220517BHJP
   A21D 13/40 20170101ALI20220517BHJP
   A21D 13/44 20170101ALI20220517BHJP
   A21D 2/26 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
A23D7/005
A23D7/00 506
A21D2/16
A21D13/40
A21D13/44
A21D2/26
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017113251
(22)【出願日】2017-06-08
(65)【公開番号】P2018201457
(43)【公開日】2018-12-27
【審査請求日】2020-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(74)【代理人】
【識別番号】100197022
【弁理士】
【氏名又は名称】谷水 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100102635
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 保男
(72)【発明者】
【氏名】松本 幸子
(72)【発明者】
【氏名】難波 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】日下 仁
【審査官】澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-076005(JP,A)
【文献】特開2017-029005(JP,A)
【文献】特開2000-157169(JP,A)
【文献】特開平06-292505(JP,A)
【文献】特開平08-173033(JP,A)
【文献】国際公開第2014/157696(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21D,A23D,A23G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用油脂、モノグリセリン脂肪酸エステル(M)、至適温度が50~80℃であるαアミラーゼ(A)、至適温度が40~70℃であるキシラナーゼ(X)および水を含有する水中油型乳化油脂組成物であって、
前記食用油脂の含有量が1~60質量%、前記モノグリセリン脂肪酸エステル(M)の含有量が1~15質量%、前記αアミラーゼ(A)の含有量が30~5000unit/100g、前記キシラナーゼ(X)の含有量が10~110unit/100gである、どら焼き、パンケーキ、クレープ、アメリカンワッフル、もみじ饅頭、蒸どら又はたい焼きの生地用水中油型乳化油脂組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の水中油型乳化油脂組成物、穀粉および水分を含有し、どら焼き、パンケーキ、クレープ、アメリカンワッフル、もみじ饅頭、蒸どら又はたい焼きの生地用であることを特徴とする、菓子用穀粉組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、どら焼き、パンケーキ、小麦饅頭、もみじ饅頭などのデンプン質を含む菓子においてソフト化効果、老化防止効果を有する水中油型乳化油脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
生のデンプン質は結晶性を示すが、水の存在下で加熱すると結晶性が失われ、糊化が起こる。糊化したデンプン質は時間が経過するにつれて再結晶化が進み、水分が失われパサついた食感になり、硬い物性を示す。これはデンプンの老化と呼ばれ、デンプン質の老化現象は菓子やパンを始めとするデンプン質製品においては、食感の悪化につながるため、大きな課題である。これまでに、デンプン質食品の老化を防止する方法として細菌由来のβアミラーゼを使用してデンプン質食品の老化を防止する方法が開発されているが(特許文献1)、細菌由来のβアミラーゼは生デンプン質に作用するため、生地の調製時に生デンプン質にアミラーゼが作用すると生地粘度の低下が起こり、生地調製から焼成までの時間によって品質にバラつきが生じる問題があった。また、大豆由来のβアミラーゼと乳化剤、重合リン酸塩を使用した和菓子用老化防止剤(特許文献2)は、大豆由来のβアミラーゼの耐熱性を向上させることで、老化防止効果を付与しているが、85~90℃の団子生地に添加する必要があり、どら焼きやパンケーキのような生地には応用できない。
【0003】
その他、菓子のソフト感を保つ菓子の製造方法として、小麦粉を水分と共に混捏して65~70℃の温度の中麺に練り上げ、これを小麦粉および副原料と混捏する製造方法があるが(特許文献3)、この場合の生地製造方法は煩雑であり、また老化防止効果も満足できるものではなかった。また、製パン用油脂組成物としてαアミラーゼ(A)の至適温度が70~85℃であるαアミラーゼ(A)と至適温度が50~65℃であるαアミラーゼ(A)を使用する例が報告されているが(特許文献4)、どら焼きやパンケーキは焼成時間が2分~3分間と短いため、αアミラーゼ(A)の作用だけでは十分な効果が得られなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭62-79746号公報
【文献】特開平1-215243号公報
【文献】特開平3-292846号公報
【文献】特開2017-29005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、どら焼き、パンケーキのようなデンプン質を水分と共に混捏して調製される流動状生地において、良好な分散性を有し、さらには焼成後の菓子類のソフト化効果、老化防止効果を有する水中油型乳化油脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、モノグリセリン脂肪酸エステルに、特定のαアミラーゼと特定のキシラナーゼを組み合わせて用い水中油型乳化油脂組成物とすることによって、上記の課題を解決することの知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の〔1〕または〔2〕である。
【0007】
〔1〕食用油脂、モノグリセリン脂肪酸エステル(M)、至適温度が50~80℃であるαアミラーゼ(A)、至適温度が40~70℃であるキシラナーゼ(X)および水を含有する水中油型乳化油脂組成物であって、前記食用油脂の含有量が1~60質量%、前記モノグリセリン脂肪酸エステル(M)の含有量が1~15質量%、前記αアミラーゼ(A)の含有量が30~5000unit/100g、前記キシラナーゼ(X)の含有量が10~500unit/100gである水中油型乳化油脂組成物。
〔2〕前記の〔1〕に記載の水中油型乳化油脂組成物、穀粉および水分を含有する菓子用穀粉組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の水中油型乳化油脂組成物は水分への分散が良好で、この水中油型乳化油脂組成物とデンプン質と水分を混捏して調製される流動状生地を焼成して得られた菓子は、優れたソフトさを有し、またそのソフトさが長期間維持される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を以下に説明する。
本発明の水中油型乳化油脂組成物は、食用油脂、水に加え、次の3成分を含有する。
・モノグリセリン脂肪酸エステル(M)
・至適温度が50℃~80℃の範囲内であるαアミラーゼ(A)
・至適温度が40℃~70℃の範囲内であるキシラナーゼ(X)
モノグリセリン脂肪酸エステル(M)は、デンプン質の成分であるアミロース、アミロペクチンと複合体を形成することで、糊化したデンプン質の再結晶化を防ぎ、老化防止効果を有する。αアミラーゼ(A)とは、デンプン質のα1,4-結合を不規則に切断し、デンプン質を多糖、オリゴ糖、マルトース、グルコース等に分解する酵素のことである。デンプン質が分解されると再結晶化が抑制され、また生成したデキストリンやオリゴ糖が存在することでソフト化効果、老化防止効果を発揮すると言われている。キシラナーゼ(X)は小麦粉中に含まれるペントサンを分解する酵素である。ペントサンは、ペントースから成る多糖類の一種であり、水分を保持する性質を有する。キシラナーゼ(X)によって分解されたペントサンから放出された水分は、デンプン質の糊化に使用され、糊化したデンプン質に作用するαアミラーゼ(A)の作用を補助する。
【0010】
<モノグリセリン脂肪酸エステル(M)>
本発明に用いるモノグリセリン脂肪酸エステル(M)は、構成脂肪酸の炭素数が好ましくは12~22であり、より好ましくは16~20である。水中油型乳化油脂組成物中のモノグリセリン脂肪酸エステルの含有量は1~15質量%であり、好ましくは4~10質量%である。モノグリセリン脂肪酸エステルの含有量が15質量%を超えると水中油型乳化油脂組成物が硬い物性になり、水分への分散性が低下する。1質量%未満であると菓子のソフト化効果が小さくなる。
【0011】
<αアミラーゼ(A)>
本発明に用いるαアミラーゼ(A)は、デンプン質を分解することでソフト化効果、老化防止効果を発揮する。このため至適温度が50~80℃であり、好ましくは50~75℃である。至適温度が50℃未満であると、生地の調製段階でαアミラーゼ(A)がデンプン質に作用し、生地粘度が下がる可能性がある。また、至適温度が80℃を上回ると、流動状生地の焼成時間内にαアミラーゼ(A)が失活しない可能性がある。
【0012】
本発明の水中油型乳化油脂組成物中のαアミラーゼ(A)の含有量は活性量として、30~5000unit/100gであり、30unit/100g未満では十分な効果が得られず、5000unit/100gを超えると焼成中に作用しすぎてしまい、デンプン質の骨格まで分解されボリュームが低下する可能性がある。本発明に用いるαアミラーゼ(A)としては、Bacillus等の細菌由来のもの、Aspergillus等のカビ由来のものが挙げられ、これらを単独で用いても良いし、2種以上を併用して用いることもできる。
【0013】
<キシラナーゼ(X)>
本発明に用いるキシラナーゼ(X)は、αアミラーゼ(A)によるデンプン質の分解を促す働きがあり、キシラナーゼ(X)を使用することにより、水中油型乳化油脂組成物によるソフト化効果が向上する。このため、至適温度は40~70℃である。キシラナーゼ(X)の至適温度が40℃未満または70℃を超えると、αアミラーゼ(A)の作用を促す効果が小さくなり、結果、満足なソフト化効果が得られない可能性がある。本発明の水中油型乳化油脂組成物中のキシラナーゼ(X)の含有量は活性量として、10~500unit/100gである。キシラナーゼ(X)の含有量が10未満であると効果が得られず、500unit/100gを超えると常温でもペントサンの分解が進み、その結果グルテン形成が促され、焼成品のソフト化効果が小さくなる。本発明に用いるキシラナーゼ(X)としては、Trichoderma等のカビ由来のものが挙げられる。キシラナーゼ(X)は2種以上を併用して用いることもできる。
【0014】
(活性単位)
本発明におけるαアミラーゼ(A)の活性単位は、40℃、pH4.5、10分間の反応条件下において、デンプンから1分間に1mgのグルコースに相当する還元糖を生成する酵素量を1unitとして定義する。また、キシラナーゼ(X)の活性単位は40℃、pH4.5、10分間の反応条件下において、アラビノキシランから1μmolのキシロースに相当する還元糖を生成する酵素量を1unitとする。
【0015】
本発明によれば、どら焼きやパンケーキなど、小麦粉と水分を多く配合する流動状生地の菓子類において、ソフト化効果、老化防止効果を付与することが可能である。
【0016】
流動状生地とは、穀粉と水分を原料として調製される、生地粘度が5×10Pa・s以下の生地であり、加熱調理されるものである。どら焼きやパンケーキ以外に、クレープ、アメリカンワッフル等のデザート菓子類、小麦饅頭、もみじ饅頭、カステラ、蒸どら、たい焼き等の和菓子類を示す。
【0017】
本発明における水中油型乳化油脂組成物には、そのほかの成分としてモノグリセリン脂肪酸エステル(M)以外の乳化剤やカゼインナトリウムなどの乳由来原料、糖類、保存料、色素、香料等を適宜使用することができる。
【0018】
本発明における水中油型乳化油脂組成物の製造法には、下記に示す方法が挙げられるが、特にこの製造方法に限定されるものではない。
食用油脂および乳化剤を加熱溶解し、別途調製した水、糖類、乳化剤を加熱混合した水相部を油相部へ添加し、乳化液とする。得られた乳化液を、酵素が失活しない所定の温度まで降温してから酵素を添加して分散させ、高圧均質化機を用いて均質化する。
【0019】
本発明で用いる食用油脂は、食用に用いられる油脂であれば、特に限定されないが、常温(25℃)で液状である油脂が好ましい。具体的には、ナタネ油、コーン油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油などである。
【0020】
本発明の菓子用穀粉組成物は、上記した本発明の水中油型乳化油脂組成物、穀粉および水を含有し、流動状生地として菓子類の焼成に使用することができる。本発明の菓子用穀粉組成物に使用する水中油型乳化油脂組成物の量は、穀粉100質量部に対して1~40質量部であり、好ましくは3~15質量部である。菓子用油脂組成物の配合量が記載範囲内であると、本発明の効果をより発揮することが出来る。
【0021】
本発明における菓子用穀粉組成物の原料としては、穀物と水の他に、卵、糖類、乳化剤、油脂類、加工デンプン、乳製品、食塩、膨張剤、フレーバー、ココアパウダー、抹茶パウダー等を使用することができる。穀物は特に限定されないが、小麦粉を使用することが好ましく、小麦粉の中でも、薄力粉を使用することがより好ましい。
【実施例
【0022】
次に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
表1の配合組成(g)で以下の方法により水中油型乳化油脂組成物を調製した。油相部としてナタネ油、レシチン、モノグリセリン脂肪酸エステル(M)を計量し、70℃で加熱溶解させた。水相部は、水とソルビトールの混合溶液にカゼインナトリウム、ポリグリセリン脂肪酸エステル(モノステアリン酸ペンタグリセリン)を溶解した。水相部を油相部に添加して乳化液とし、得られた乳化液を55℃まで降温して酵素を添加して分散させ、高圧均質化機を用いて均質化し、水中油型乳化油脂組成物を得た。
【0023】
実施例2~5および比較例1~3は表1、表2に示した配合で、実施例1に準じて水中油型乳化油脂組成物を作製した。比較例4は油相部としてパーム硬化油、パーム油、ナタネ硬化油、ナタネ油にレシチンを添加して70℃で加熱溶解し、別途加熱した水を入れて乳化液とし、55℃まで降温して酵素を添加して分散させ、マーガリン試作機を用いて25℃以下に急冷混捏して水中油型乳化油脂組成物を得た。
【0024】
<どら焼きの製造方法>
ミキサーボウルに全卵255g、実施例1~5および比較例1~4で得られた水中油型乳化油脂組成物を21g添加してホイッパーを用いて低速で混合し、さらに上白糖を270gと、蜂蜜15g、味醂15g、水飴30g、水30gを加熱混合して得られたシロップを加え、低速で3分混合した。ここに、篩った薄力粉300gを加えて粉っぽさがなくなるまで混合し、水60gを加えて全体が均一になるよう、ヘラで混合した。得られた生地を1時間寝かせた後、重曹4.5gを水45gに溶かして加え、ヘラで混合してどら焼き生地とした。どら焼き生地は温度190℃の銅板で、生地量25gを1分40秒間焼成し、反転してからさらに裏面を10秒焼成した。得られたどら焼きは袋に入れ、20℃で保管した。所定時間保管後、ソフトさ、老化防止効果、食感の評価を行った。
【0025】
<分散性の評価>
油脂の分散性が悪いと、生地に油脂のダマが残り、どら焼きを焼成した際、ダマの部分が空洞になり、焼成品の品質が均一にならない可能性がある。そのため、油脂が分散するまで混合する必要があるが、生地調製に時間が掛かると生産性の低下に繋がる。そこで、生地調製時に全卵と水中油型乳化油脂組成物を混合した際に、ダマが目視で確認できなくなるまでの時間を測定し、この時間により下記の通り分散性の良さを評価した。
◎:1分未満
○:1分以上~2分未満
△:2分以上~3分未満
×:3分以上
【0026】
<ソフトさの評価>
どら焼きの中心部2cm四方を切り取り、12mmの円柱プランジャーにて5mm圧縮したときの応力(g・m/s)を測定した。得られた応力値はどら焼きの硬さを表しており、得られた応力値が大きいほど硬く、小さいほどソフトである。焼成1日後、5日後(D+1、D+5)での硬さを測定した。
【0027】
<老化防止効果の評価>
ソフトさの評価で得られたD+1とD+5の応力値から、ソフトさの変化率(D+5の応力値/D+1の応力値)を算出した。変化率が低いほど、焼成後のソフトさを保持し、老化防止効果があると言える。
【0028】
<食感の評価>
D+1、D+5のどら焼きを10名のパネラーでしっとり感の評価を行った。しっとり感が良好(◎)、普通(○)、ややパサつく(△)、パサつく(×)で評価し、人数の多い項目を評価とした。同数の場合には、良い方の評価を採用した。
【0029】
表1、表2中に記載したαアミラーゼおよびキシラナーゼは以下の材料を用いた。
[αアミラーゼ]
<商品名>OPTICAKE FRESH 50B、マルトース生成アミラーゼ、ノボザイムズジャパン(株)製、至適温度75℃、840unit/g
<商品名>ビオザイムA、カビ由来αアミラーゼ(A)、天野エンザイム(株)製、至適温度50℃、7500unit/g
<商品名>スピターゼCP3、細菌由来αアミラーゼ(A)、ナガセケムテックス(株)製、至適温度85℃、30000unit/g
[キシラナーゼ]
<商品名>スミチームX、カビ由来キシラナーゼ(X)、新日本化学(株)製、至適温度55℃、22000unit/g
<商品名>Grindamyl H460、カビ由来キシラナーゼ(X)、ダニスコジャパン(株)製、至適温度45℃、2200unit/g
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
表1の実施例1~5を見ると、モノグリセリン脂肪酸エステル(M)、αアミラーゼ(A)、キシラナーゼ(X)の配合を本発明の範囲とした水中油型乳化油脂組成物では、生地への分散性が良好で、得られたどら焼きはソフトであり、D+1とD+5でのソフトさの変化率が小さく、老化が防止されていた。また、食感もパサつきがなくしっとり感があった。一方で、表2の比較例1~3に示すように、モノグリセリン脂肪酸エステル(M)、αアミラーゼ(A)、キシラナーゼ(X)のいずれかを使用しない場合では、水中油型乳化油脂組成物の分散性は良好であったが、ソフト化効果、老化防止効果が劣る結果となった。比較例4に示す油脂組成物では、分散性が非常に悪く、ソフト化効果も本発明より劣る結果であった。