(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】空気清浄機用の表示装置及びこれを備えた空気清浄機
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20220517BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20220517BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20220517BHJP
F24F 7/00 20210101ALN20220517BHJP
【FI】
H04Q9/00 361
F24F11/52
H04M1/00 U
H04Q9/00 301D
H04Q9/00 311H
F24F7/00
(21)【出願番号】P 2018069073
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2021-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】明田 安泰
(72)【発明者】
【氏名】河村 康晴
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-058940(JP,A)
【文献】特開2015-232433(JP,A)
【文献】特開2005-127907(JP,A)
【文献】特開2010-046576(JP,A)
【文献】特開2010-019430(JP,A)
【文献】特開2009-036492(JP,A)
【文献】特開2017-227353(JP,A)
【文献】国際公開第2007/091776(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
F24F 11/52
H04M 1/00
F24F 7/003
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の汚れを示す汚れレベルを表示する表示部と、
前記表示部に汚れレベルを表示させる制御部とを備え、
前記制御部は、汚れレベルを数値で表示させる数値表示制御部と、汚れレベルをグラフィックで表示させるグラフィック表示制御部を有し、
前記グラフィック表示制御部は、汚れレベルに応じて高さが変わる波形のグラフィックを表示させる
とともに、空気清浄機が正常に機能している場合に、前記波形のグラフィックが移動するように表示させることを特徴とする
空気清浄機用の表示装置。
【請求項2】
前記グラフィック表示制御部は、汚れレベル応じて前記波形のグラフィックの表示色を変化させることを特徴とする請求項1に記載の
空気清浄機用の表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の空気清浄機用の表示装置は、空気清浄機との双方向通信機能を備えたリモートコントロール用の端末機器の表示装置として使用することを特徴とする空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気の汚れレベルを表示する空気清浄機用の表示装置及びこれを備えた空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気清浄機では、室内の空気中に含まれる塵や埃またはPM2.5の微小粒子状物質などを検知し室内の空気の汚れレベルとしている。
【0003】
従来、空気の汚れを検知する汚れ検知センサにより検知された空気の汚れレベルに応じて室内空気を吸い込むための送風機の回転速度を制御する空気清浄機で、空気の汚れレベル(埃と臭い)と送風機の回転速度レベルの2種類の異なる情報を表示する液晶表示盤を備えた空気清浄機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この空気清浄機では、円の4分の1の扇形状に表示パターンを2つ組み合わせて半円形状に形成し、一方を埃の表示用、他方を臭いの表示用として、この表示パターンを中心側から外周に向けて順次点灯することにより、空気の汚れレベルを表示している。また、送風機の回転速度レベルは表示パターン全体の表示色を変化させることにより表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された従来技術では、1つの液晶表示盤で空気の汚れレベルと送風機の回転速度レベルを表示することができるが、空気の汚れレベルを単純にパターン表示しているだけで、ユーザが空気の汚れレベルやその程度を直感的に認識しづらいという課題がある。
【0007】
また、従来の表示装置では、それが搭載された空気清浄機が正常に機能をしているかどうか、ユーザにとっては分からないという課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記特許文献1に記載された先行技術の課題に着目してなされたものであり、空気の汚れレベルをユーザにとって直感的に認識できる表示とし、空気清浄機が正常に動作していることも認識できるような空気清浄機用の表示装置とこれを備えた空気清浄機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る空気清浄機用の表示装置の一態様は、空気の汚れを示す汚れレベルを表示する表示部と、表示部に汚れレベルを表示させる制御部とを備え、制御部は、汚れレベルを数値で表示させる数値表示制御部と、汚れレベルをグラフィックで表示させるグラフィック表示制御部を有し、グラフィック表示制御部は、汚れレベルに応じて高さが変わる波形のグラフィックを表示させるとともに、空気清浄機が正常に機能している場合に、波形のグラフィックが移動するように表示させる。
【0010】
本発明に係る空気清浄機の一態様は、空気清浄機との双方向通信機能を備えたリモートコントロール用の端末機器の表示装置として上記空気清浄機用の表示装置を使用するようにした。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、空気清浄機用の表示装置は、室内空気の汚れを示す汚れレベル数値と、汚れレベルに応じて高さが変わる波形のグラフィックで表示することで、ユーザが室内空気の汚れレベルを直感的に認識し易くできる。また、波形のグラフィックが振動するように表示させることで、ユーザが、空気清浄機が正常に機能していることを確認することができ、ユーザに安心感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る空気清浄機のシステム構成を示す構成図である。
【
図2】本発明に係る空気清浄機の制御部で実行する作動情報作成処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図3】本発明に係る表示装置を備えた端末機器の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明に係る空気清浄機の一実施形態の端末機器で実行する作動情報表示処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】端末機器で実行する作動情報表示処理で使用する表示テーブルの一例を示す図である。
【
図7】端末機器の表示部の表示形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な構成部品については以下の説明を参酌して判断すべきものである。
【0014】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
以下に、本発明の一実施形態に係る表示装置及びその表示装置を備えた空気清浄機について図を伴って説明する。
【0016】
先ず、本発明を適用し得る空気清浄機について説明する。空気清浄機10は、
図1に示すように、空気清浄部11と、空気清浄部11を駆動する駆動部12と、駆動部12を制御する本体制御部13を備えている。この本体制御部13には、本体操作部14と、本体表示部15と、空気汚れ検出部16と、温度検出部17と、湿度検出部18と、記憶部19と、無線アダプタ20が接続されている。この空気清浄機10は、リモートコントロール機器として専用のリモコン、またはスマートフォンやタブレットなどの端末機器30を使用している。この端末機器30に本発明の表示装置1が備えられている。
【0017】
本体操作部14は、空気清浄機10の電源のオン・オフや運転モードを入力するための操作スイッチやタッチパネル等の操作部を備えている。
【0018】
本体表示部15は、運転状態や空気の汚れを示す汚れレベル等を表示する液晶表示装置、または発光ダイオード(LED)である。
【0019】
空気汚れ検出部16は、空気清浄機10が配置された室内空気に含まれる埃、花粉、PM2.5等の塵埃による空気の汚れを示す汚れレベル(室内空気質:AQ)を検出し、検出した汚れレベルAQを本体制御部13に出力する。
【0020】
温度検出部17は、空気清浄機10が配置された室内の温度を検出し、検出した温度を本体制御部13に出力する。湿度検出部18は、空気清浄機10が配置された室内の湿度を検出し、検出した湿度を本体制御部13に出力する。
【0021】
記憶部19は、空気汚れ検出部16で検出した汚れレベルAQと、温度検出部17で検出した室内温度、湿度検出部18で検出した室内湿度等を記憶する。
【0022】
無線アダプタ20は、例えば無線ルーター21との間で双方向の無線通信を行い、無線ルーター21を介して端末機器30に対して作動情報を送信したり、端末機器30から操作された電源のオン・オフや運転モードの信号を受信したりする。
【0023】
ここで、本体制御部13は、空気汚れ検出部16で検出した汚れレベルAQを基に駆動部12を介して空気清浄部11のファン回転数を制御して空気清浄部11に備えられた電気集塵部で室内空気に含まれる埃、花粉、PM2.5等の塵埃を除去して清浄化された空気を室内に戻す空気清浄部11の運転制御を行う。また、本体制御部13は、端末機器30からの作動情報送信要求を受信したときに、運転情報や汚れレベルAQ、室内温度検出値、室内湿度検出値等を纏めた作動情報を作成し、作成した作動情報を端末機器30に送信する作動情報作成処理を実行する。
【0024】
この作動情報作成処理は、
図2に示すように、予め設定された時間間隔でメインプログラムに対するタイマ割込処理として実行される。すなわち、本体制御部13は作動情報作成処理によって、先ず、空気汚れ検出部16で検出した汚れレベルAQ、温度検出部17で検出した室内温度、湿度検出部18で検出した室内湿度を収集する(ステップS1)。
【0025】
本体制御部13は、収集した汚れレベルAQ、室内温度検出値T及び室内湿度検出値Hを記憶部19に記憶する(ステップS2)。
【0026】
次いで、本体制御部13は、端末機器30から作動情報送信要求を受信したか否かを判定し(ステップS3)、作動情報送信要求を受信していないときにはそのままタイマ割込処理を終了する。
【0027】
一方、ステップS3で、作動情報送信要求を受信したときには、記憶部19に記憶されている最新の汚れレベルAQ、室内温度検出値T及び室内湿度検出値Hを読み出し、これらに空気清浄機の運転情報を加えて作動情報を作成する(ステップS4)。ここで、運転情報とは、空気清浄機10がオン状態であるかオフ状態であるかを表す運転状態と、空気汚れ検出部16が作動中であるか停止中であるかさらには空気汚れ検出部16に異常が生じて、汚れレベルAQを検出できないエラー状態であるかを識別可能とした状態情報である。
【0028】
そして、本体制御部13は、作成した作動情報を無線アダプタ20、無線ルーター21を介して端末機器30へ送信する(ステップS5)。
【0029】
端末機器30は、
図3に示すように、端末制御部31と、この端末制御部31内に形成された空気清浄機制御部32と、入力部33と、端末表示部34と、通信インタフェース部35と、GPS受信部36と、端末記憶部37を備えている。
【0030】
また、本発明の表示装置1は、
図3で示すように表示部と制御部を有し、その表示部と制御部は、それぞれ端末表示部34、空気清浄機制御部32に相当する。
【0031】
端末制御部31は、例えば、マイクロコンピュータ等の演算処理装置であり、入力部33から入力される入力情報に応じて通話の実行、電子メールの送受信、インターネット検索等の各種端末機能の制御を行う。この端末制御部31は、上述した各種制御を行う他、空気清浄機10に関する運転操作と表示制御を行う空気清浄機制御部32備えている。この空気清浄機制御部32は、汚れレベルAQを数値で表示させる数値表示制御部32aと、汚れレベルAQをグラフィックで表示させるグラフィック表示制御部32bを備えている。空気清浄機制御部32は、例えばインターネットを介してインストールした所定のアプリケーションプログラムを実行することにより構成される。
【0032】
入力部33は、端末表示部34の表示画面に配置されたタッチパネルを有し、端末表示部34に表示されたアイコンを指等でタッチすることにより、入力情報の入力を行う。
【0033】
端末表示部34は、液晶表示装置や有機EL表示装置等で形成されている。この端末表示部34は、端末制御部31での各種端末機能の制御に必要なデータ、各種アイコン、キーボード等の表示を行うとともに、空気清浄機制御部32で形成される空気汚れ表示情報を表示する。
【0034】
通信インタフェース部35は、無線基地局との間で無線通信を行うとともに、無線ルーター21などのアクセスポイントとの間で通信を行う。
【0035】
GPS受信部36は、複数のGPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信して、端末機器30の現在位置(緯度と経度)を検出する。
【0036】
端末記憶部37は、端末制御部31の各種端末機能で必要とする各種データや空気清浄機制御部32で必要とする各種データを読み出し可能に記憶する。
【0037】
空気清浄機制御部32は、空気清浄機10の運転操作用のアイコンや空気清浄機10の各種検出部16~18で検出した汚れレベルAQ、室内温度T及び室内湿度H等の表示情報や環境表示情報を端末表示部34に表示する表示処理を含む空気清浄機制御処理を実行する。
【0038】
この空気清浄機制御処理は、
図5に示す端末表示部34の例えば縦長の表示領域DAに空気清浄機10の運転に関する情報を表示する。この縦長の表示領域DAには、上下方向の下端側に空気清浄機10を操作するための操作ボタンを表示する操作部表示領域41が形成される。また、表示領域DAには、上下方向の中間部に空気清浄機10の運転状態や室内空気の汚れレベルAQ等を表示する汚れレベル表示領域42が形成される。さらに、表示領域DAには、上下方向の上端側に、空気清浄機10が配置されている場所、室外の環境情報等を表示す環境情報表示領域43が形成される。
【0039】
ここで、操作部表示領域41には、例えば、右側に空気清浄機10のオン・オフを行う運転スイッチ部41aが表示され、左側に送風ファンの回転速度を設定する速度設定部41bが表示され、中央部に詳細設定ボタン41cが表示されている。この詳細設定ボタン41cをタッチすると、加湿モードのオン・オフ、オフタイマーの設定、チャイルドロックのオン・オフなどの設定画面が表示される(図示なし)。これら運転スイッチ部41a、速度設定部41b及び詳細設定ボタン41cの何れかにタッチすることにより、運転状態の変更、送風状態の変更及び詳細設定の変更を行うことができる。
【0040】
汚れレベル表示領域42は、汚れレベルAQに応じて高さが変わる波形のグラフィックを表示するグラフィック表示領域45と、背景表示領域46を有する。
【0041】
グラフィック表示領域45では、操作ボタンを表示する操作部表示領域41側の固定端部45aから背景表示領域46側の波形の変動側端部45bまでの高さとその表示色(色彩)が汚れレベルAQに応じて変化する。表示色は、空気の汚れレベルAQが高くなるにつれて、例えば、色相は若草色から段々と警告色である赤色に変化し、彩度、明度については、淡い色(彩度が高く、明度が低い色)から濃い色(彩度が高く、明度が低い色)に変化し、一番高い汚れレベルの表示色をワインレッド色に変化する。
【0042】
一方、背景表示領域46では、汚れレベルAQに応じてグラフィック表示の高さ増減することにより、汚れレベルAQが高くなるほどグラフィック表示領域45の面積が大きくなり、逆に背景表示領域46の面積は小さくなる。このように汚れレベルAQをグラフィックで表示することにより、ユーザは空気が汚れた状態を直感的に認識することができる。また、汚れレベルAQに応じてグラフィック領域の高さとその表示色と背景色を変えることで、ユーザは空気が汚れている程度や汚れの変化を直感的に認識することができる。
【0043】
汚れレベル表示領域42には、中央部に空気の汚れレベルAQが表示される数値表示領域47が形成されている。この数値表示領域47に表示される数値は、グラフィック表示領域45の表示色が淡い色である場合には濃い色例えば黒色表示され、グラフィック表示領域45の表示色が濃い色である場合には白黒反転させた白色で表示される。
【0044】
また、汚れレベル表示領域42には、数値表示領域47の周囲における固定側端部45a側に室内環境情報である室内温度検出値T及び室内湿度検出値Hを表示する室内環境情報表示領域48が形成されている。さらに、汚れレベル表示領域42には、数値表示領域47の周囲における環境情報表示領域43側にPM2.5の濃度による室内環境状態が良好を意味する「GOOD」や適度な状態を意味する「Moderate」などの文言で表示する状態表示領域49が形成されている。
【0045】
さらに、環境情報表示領域43には、現在時刻、空気清浄機10の設置場所、例えばリビング(図ではLivingと表示)、地域名、室外空気汚れレベル、室外温度、室外湿度等が表示される。これら地域名、室外空気汚れレベル、室外温度、室外湿度は、GPS受信部36で受信したGPS信号から検出される現在位置情報をもとにインターネットを介して地域の気象情報を自動検索することにより取得される。
【0046】
そして、空気清浄機制御部32は、空気清浄機制御プログラム内に記述された作動情報表示処理を実行することにより、汚れレベル表示領域42の表示制御を行う。
【0047】
この作動情報表示処理については、
図4と
図7を用いて説明する。先ず、空気清浄機制御部32は、作動情報表示処理によって、端末機器30と空気清浄機10の本体制御部13間の無線通信が確立されているか否かを判定する(ステップS11)。
【0048】
このとき、端末機器30と空気清浄機10の本体制御部13との無線通信が確立されていないときには(ステップS11でN)、空気清浄機10から作動情報を取得することができないので、端末表示部34の汚れレベル表示領域42にオフライン表示情報を表示する(ステップS22)。このオフライン表示情報は、
図7(a)に示すように、汚れレベル表示領域42の数値表示領域47に「Offline」の文字を表示するとともに、
図6で示す表示テーブルの「状態」に「オフライン」が記憶されている行の汚れレベル高さ「H0」からグラフィック表示領域45の上端の変動側端部45bの高さを「H0」に設定し、背景表示領域46の背景色は白色に設定し、波形状の図形51は、動的に変化をしない固定表示とする。
【0049】
その後、タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0050】
また、空気清浄機制御部32は、ステップS11の判定結果が空気清浄機10の本体制御部13との通信が確立しているものであるときには(ステップS11でY)、空気清浄機10の本体制御部13へ作動情報送信要求を送信する(ステップS12)。
【0051】
次いで、空気清浄機制御部32は、空気清浄機10の本体制御部13からの作動情報を受信したか否かを判定する(ステップS13)。このとき、作動情報を受信していないときには(ステップS13でN)、作動情報を受信するまで待機し、作動情報を受信したときには(ステップS13でY)、作動情報に含まれる空気汚れ検出部16の状態情報から空気汚れ検出部16が作動中であるか否かを判定する(ステップS14)。
【0052】
この判定結果が、空気汚れ検出部16が作動中でないときには(ステップS14でN)、さらに空気汚れ検出部16のエラー情報があるか否かを判定する(ステップS23)。この判定結果でエラー情報がある場合には(ステップS23でY)、端末表示部34に検出部エラー表示情報を表示させ(ステップS24)、次いでタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。この検出部エラー情報の表示は、
図7(c)に示すように、汚れレベル表示領域42の数値表示領域47に「- - -」の記号を表示させるとともに、グラフィック表示領域45と背景表示領域の表示はオフライン表示情報と同様の波形の図形51を固定表示させる。
【0053】
また、ステップS23の判定結果が空気汚れ検出部16のエラー情報がない場合には(ステップS23でN)、空気汚れ検出部16が室内の空気汚れの検出を停止しているものと判断して空気汚れ検出停止表示情報を端末表示部34に表示する(ステップS25)。この空気汚れ検出停止表示情報の表示は、
図7(b)に示すように、汚れレベル表示領域42の数値表示領域47に「OFF」の文字を表示するとともに、グラフィック表示領域45と背景表示領域の表示はオフライン表示情報と同様の波形の図形51を固定表示させる。
【0054】
また、ステップS14の判定結果が空気汚れ検出部16が作動中であるものであるときには(ステップS14でY)、受信した作動情報を端末記憶部37に一時記憶する(ステップS15)。
【0055】
次いで、空気清浄機制御部32は、室内空気の汚れレベルAQをもとに
図6に示す表示テーブルを参照して表示レベル及び表示色を決定する(ステップS16)。なお、具体的な室内空気の汚れレベルAQの表示についての詳細説明は後述する。
【0056】
次いで、ステップS16で決定した表示レベル、表示色で汚れレベル表示情報を作成する(ステップS17)。
【0057】
次いで、空気清浄機制御部32は、ステップS17で作成した汚れレベル表示情報に室内空気の汚れレベルAQ、状態表示情報、温度検出値T、湿度検出値Hを加えて空気の汚れ表示情報を作成し(ステップS18)、作成した汚れ表示情報を端末表示部34に表示させて(ステップS19)、次いでタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。なお、この汚れレベル表示は、所定の時間毎に更新するようになっている。
【0058】
このステップS19の処理において、空気の汚れレベル表示情報についてはグラフィック表示領域45の波形状の図形51が、グラフィック表示領域45の左側から右側に向かって移動するように表示させる移動表示処理を行う。この移動表示処理によって、空気清浄機10が正常に機能していることを視覚的に示している。
【0059】
次に、汚れレベルAQに応じた表示レベル、表示色の表示について説明する。
【0060】
室内空気の汚れレベルAQをもとに
図6に示す表示テーブルを参照して表示レベル及び表示色を決定する。表示テーブルは、
図6に示すように、室内空気の汚れレベルAQの範囲に応じて、空気の汚れ状態、状態表記、グラフィック表示領域45の上端の変動側端部45bの高さと、汚れレベルの表示色など例えば7段階に設定されている。また、室内空気の汚れレベルAQが0~15の範囲である場合、特に空気がきれいなことを表すために背景表示領域46を空気がきれいなイメージを表す背景表示52をするように設定されている。
【0061】
例えば、室内空気の汚れレベルAQが0~15の範囲であるときには、室内空気の汚れの状態は「良好」で、状態表記は「GOOD」、グラフィック表示領域45の上端の変動側端部45bの高さが「H1」に設定され、グラフィック表示領域45の表示色は若草色に設定される。背景表示領域46には、室内の空気が特にきれいであることを示す背景表示52が設定されている。室内空気の汚れレベルAQの値が5の場合の表示例として
図7(d)に示すように表示される。なお、
図7(d)の背景表示52は、中心から光線が放射状に放されているような模様としているが、きれいな青空をイメージする水色表示にしても良い。
【0062】
また、室内空気の汚れレベルAQが16~45の範囲であるときは、室内空気の汚れの状態は「良好」で、状態表記は「GOOD」、グラフィック表示領域45の上端の変動側端部45bの高さが「H1」に設定され、グラフィック表示領域45の表示色は若草色に設定され、背景表示領域46の背景色は所定の色(例えば白)として、背景表示52は表示しない。室内空気の汚れレベルAQの値が30の場合の表示例として
図7(e)に示すように表示される。
【0063】
また、室内空気の汚れレベルAQが46~80の範囲であるときには、室内空気の汚れの状態は「適度な状態」で、状態表記は「Moderate」、グラフィック表示領域45の上端の変動側端部45bの高さ「H2」に設定されて「H1」の高さより高くなり、グラフィック表示領域45の表示色は黄色に設定され、背景表示領域46の背景色は所定の色(白)とする。空気の汚れレベルAQの値が60の場合の表示例として
図7(f)に示すように表示される。
【0064】
また、室内空気の汚れレベルAQが81~110の範囲であるときには、空気の汚れの状態は「健康を害するレベル1」で、状態表記は「Unhealthy1」、グラフィック表示領域45の上端の変動側端部45bの高さが「H3」に設定されて「H2」の高さより高くなり、グラフィック表示領域45の表示色はオレンジ色に設定され、背景表示領域46の背景色は所定の色(白)とする。室内空気の汚れレベルAQの値が100の場合の表示例として
図7(g)に示すように表示される。
【0065】
また、室内空気の汚れレベルAQが111~150の範囲であるときには、空気の汚れの状態は「健康を害するレベル2」で、状態表記は「Unhealthy2」、グラフィック表示領域45の上端の変動側端部45bの高さが「H4」に設定されて「H3」の高さより高くなり、グラフィック表示領域45の表示色は赤色に設定され、背景表示領域46の背景色は所定の色(白)とする。室内空気の汚れレベルAQの値が120の場合の表示例として
図7(h)に示すように表示される。なお、表示色が濃い色であるので、室内の空気の汚れレベルAQの値120など白色で表示して、ユーザが認識しやすいようにしている。
【0066】
また、室内空気の汚れレベルAQが151~250の範囲であるときには、空気の汚れの状態は「健康を害するレベル3」で、状態表記は「Unhealthy3」、グラフィック表示領域45の上端の変動側端部45bの高さが「H5」に設定されて「H4」の高さより高くなり、グラフィック表示領域45の表示色は群青色に設定され、背景表示領域46の背景色は所定の色(白)とする。空気の汚れレベルAQの値が200の場合の表示例として
図7(i)に示すように表示される。また、
図7(h)と同様に室内空気の汚れレベルAQの値200など白色で表示して、ユーザが認識し易いようにしている。
【0067】
また、室内空気の汚れレベルAQが251以上であるときには、空気の汚れの状態は「危険な状態」で、状態表記は「Hazardous」、グラフィック表示領域45の上端の変動側端部45bの高さ「H6」に設定されてが「H5」の高さより高くなり、グラフィック表示領域45の表示色はワインレッド色に設定され、背景表示領域46の背景色は所定の色(白)とする。室内空気の汚れレベルAQの値が300の場合の表示例として
図7(j)に示すように表示される。また、
図7(h)と同様に室内空気の汚れレベルAQの値300など白色で表示して、ユーザが認識し易いようにしている。
【0068】
次に、上記実施形態の表示動作について説明する。
【0069】
空気清浄機10の空気清浄部11が作動することにより、室内の埃、花粉、PM2.5等の塵埃が電気集塵部で集塵され、塵埃を除去して清浄化された空気が室内に戻される。空気清浄部11の運転を継続することにより、空気清浄機10を設置した室内の空気の汚れレベルAQが低下して行く。この室内空気の汚れレベルAQの低下に応じて数値表示領域47に表示される空気の汚れレベルの数値が減少する。これと同時に、室内空気の汚れレベルAQを示すグラフィック表示領域45の高さが減少し、さらに表示色が順次オレンジ色、黄色、若草色にと変化して行く。
【0070】
しかも、端末表示部34に表示された汚れレベルでは、グラフィック表示領域45の波形状の図形51が移動するように表示させることで、ユーザが、空気清浄機10が正常に作動しているか否か認識できる。
【0071】
したがって、室内空気の汚れレベルAQの減少時に、汚れレベルAQの数値、グラフィックの高さ及び表示色の三種類の表示が同時に変化するので、ユーザが室内空気の汚れレベルAQの減少したことを認識し易くなる。このとき、数値表示領域47が汚れレベル表示領域42の中央部に設けられ、数値表示領域47の位置及び大きさは変化しないので、数値表示領域47に表示された数値と、表示レベルを表す変動側端部45bの位置とから表示レベルの変化を認識し易くなる。
【0072】
その後、室内空気の汚れレベルAQが例えば45以下となると、グラフィック表示領域45の高さが「H1」となり、高さが固定された状態となる。
【0073】
さらに空気の汚れレベルAQが15以下となると、本実施形態では、
図7(d)に示すように、
図7(e)と比較してグラフィック表示領域45の高さ自体は変化しないが、背景表示領域46に中心から光線が放射状に放されているような模様としている背景表示52を表示する。これにより、ユーザは、室内空気の汚れレベルAQの数値が低い状態になっていることを認識できる。
【0074】
このように、上記実施形態によれば、表示装置1を端末機器30に設けることにより、空気清浄機10の運転操作を行うとともに、空気清浄機10の運転状態や室内の空気の汚れレベルを表示することができる。このため、端末機器30を空気清浄機10のリモートコントロール機器として使用することができる。
【0075】
この表示装置1では、室内空気の汚れレベルAQを数値表示するとともに室内空気の汚れレベルAQに応じて高さが変わる波形のグラフィックで表示するようにしている。したがって、室内空気の汚れレベルAQを表すレベル表示を見易く且つ確実に判別可能に表示できるとともに、空気清浄機が正常に機能していることが分かるように表示できる。したがって、ユーザが室内の空気の汚れレベルを確実に認識することができるとともに、ユーザが、空気清浄機が正常に機能していることを確認することができる。
【0076】
また、室内空気の汚れレベルAQの数値表示の表示色は、グラフィック表示の表示色に応じて変化するので、見易い数値表示を行うことができる。
【0077】
空気清浄機が正常に機能している時、グラフィック表示領域45の波形状の図形51が、移動するように表示するので、空気清浄機の動作状態を認識することができる。
【0078】
なお、上記実施形態では、レベル表示を縦長の端末表示部34で上下方向に直線的に変化させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、端末表示部34を横長とした場合には、操作部表示領域41、汚れレベル表示領域42及び環境情報表示領域43を縦横変換して表示させることができる。
【0079】
また、上記実施形態では、室内空気の汚れレベルAQのグラフィック表示を端末表示部34の上下方向に表示面積を変化させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、グラフィック表示を円周方向に扇状や円形状に変化させるようにしてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、室内空気の汚れレベルAQを7段階に表示する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、6段階以下、8段階以上の任意の段階に表示することができる。
【0081】
また、上記実施形態では、空気の汚れレベルAQをグラフィック表示する場合に、変動側端部45bを波形の形状は、正弦波形、三角波形、方形波形等の任意の波形を適用することができる。
【0082】
また、上記実施形態では、端末機器30の端末制御部31と空気清浄機10の本体制御部13を無線ルーター21及び無線アダプタ20を介して行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、インターネットに接続したサーバを置き、空気清浄機10は運転状態や汚れレベルAQなどの作動情報をサーバに送り、端末機器30がサーバから運転状態や汚れレベルAQなどの作動情報を受信するようにしてもよい。
【0083】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これらの説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。したがって、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例又は実施形態も網羅すると解すべきである。
【符号の説明】
【0084】
1…表示装置、10…空気清浄機、11…空気清浄部、12…駆動部、13…本体制御部、14…本体操作部、15…本体表示部、16…空気汚れ検出部、17…温度検出部、18…湿度検出部、19…記憶部、20…無線アダプタ、21…無線ルーター、30…端末機器、31…端末制御部、32…空気清浄機制御部、32a…数値表示制御部、32b…グラフィック表示制御部、33…入力部、34…端末表示部、35…通信インタフェース部、36…GPS、37…端末記憶部、41…操作部表示領域、42…汚れレベル表示領域、43…環境情報表示領域、45…グラフィック表示領域、45a…固定側端部、45b…変動側端部、46…背景表示領域、47…数値表示領域、48…室内環境情報表示領域、49…状態表示領域、52…背景表示