(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/14 20060101AFI20220517BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220517BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20220517BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20220517BHJP
B65H 31/24 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
G03G21/14
G03G21/00 510
G03G15/00 303
B41J29/393 103
G03G15/00 460
B65H31/24
(21)【出願番号】P 2018075433
(22)【出願日】2018-04-10
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【氏名又は名称】益頭 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100194582
【氏名又は名称】栗原 康浩
(72)【発明者】
【氏名】磯川 宏
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-020650(JP,A)
【文献】特開2015-125318(JP,A)
【文献】特開2006-100994(JP,A)
【文献】特開2014-102443(JP,A)
【文献】特開2004-117745(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0268261(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/14
G03G 21/00
G03G 15/00
B41J 29/38
B41J 29/393
B65H 31/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置であって、
対象物を検品する検品部と、
前記画像形成部を迂回して設けられ、前記検品部に前記対象物を搬送する給紙経路と、
設定された処理が実行される動作モードに応じて、前記検品部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記動作モードが第1モードである場合、前記対象物として、前記画像形成部から搬送された用紙に形成されている画像を前記検品部に検品させ、
前記動作モードが第2モードである場合、前記対象物として、前記給紙経路から搬送された印刷物に印刷されている画像を前記検品部に検品させ、
前記第1モードである場合、前記検品部に前記対象物を搬送する搬送速度を前記画像形成部による前記用紙の搬送速度に合わせ、
前記第2モードである場合、前記検品部に前記対象物を搬送する搬送速度を前記画像形成部による前記用紙の搬送速度よりも遅らせる、
画像形成装置。
【請求項2】
前記検品部は、
画像を読み取るスキャナー部、
をさらに備え、
前記スキャナー部により読み取らせた前記対象物にある画像に対応する検品画像データと、検品基準となる正解画像データと、に基づき、前記対象物を検品する、
請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1モードである場合、原稿画像データに基づき前記画像形成部により前記用紙に形成された画像のうち1番目のものを前記スキャナー部により読み取らせたものを前記正解画像データとし、
前記第2モードである場合、前記原稿画像データを前記正解画像データとする、
請求項
2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記原稿画像データに基づき、前記対象物の両面及び片面の何れかの読み取り動作を前記スキャナー部に実行させる、
請求項
3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記スキャナー部は、
前記対象物の裏面画像を読み取る第1のスキャナーと、
前記対象物の表面画像を読み取る第2のスキャナーと、
を備え、
前記制御部は、
前記対象物の両面の読み取り動作を実行させる場合、前記第1のスキャナー及び前記第2のスキャナーの両方を駆動させ、
前記対象物の片面の読み取り動作を実行させる場合、前記第1のスキャナー及び前記第2のスキャナーの何れか一方を駆動させる、
請求項
3又は
4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
当該画像形成装置の周囲温度を検知する第1の温度検知部と、
前記対象物の表面温度を検知する第2の温度検知部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1の温度検知部により検知された周囲温度と、前記第2の温度検知部により検知された表面温度と、に基づき、前記スキャナー部により読み取られた前記検品画像データのサーモクロミズム補正を行う、
請求項
3~
5の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記周囲温度と、前記表面温度との差異が予め設定された温度範囲を超える場合、前記サーモクロミズム補正による補正量を決定する、
請求項
6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第1モードである場合、前記表面温度に応じて、前記サーモクロミズム補正を行う、
請求項
6又は
7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1モード又は前記第2モードで前記検品部により検品された前記対象物を排出する排出先、
をさらに備える、
請求項
1~
8の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記検品部により検品された前記対象物を排出する複数の排出先、
をさらに備え、
前記検品部は、
前記対象物のうち、検品結果がヤレ紙であるものを前記複数の排出先の一部に排出させ、検品結果が正常紙であるものを前記複数の排出先の他の一部に排出させる、
請求項
1~
9の何れか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置本体から搬送される用紙に印刷されている画像を読み取り、画像の品質を検査する検品処理を行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のような従来技術は、画像形成装置本体の画像形成経路を経由して搬送される用紙に形成されている画像が検品される。画像形成経路は、用紙にトナー像を転写する工程を含むものである。よって、従来技術においては、画像形成装置本体以外で画像が形成される印刷物を検品する場合であっても、画像形成経路を通紙してから検品されるため、印刷物に印刷されている画像を汚す恐れがある。つまり、従来技術では、印刷物の検品をすることはできるが、印刷物の品質を保つことができない恐れがある。
【0005】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、印刷物の品質を保ちつつ検品することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面である画像形成装置は、用紙に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置であって、対象物を検品する検品部と、前記画像形成部を迂回して設けられ、前記検品部に前記対象物を搬送する給紙経路と、設定された処理が実行される動作モードに応じて、前記検品部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記動作モードが第1モードである場合、前記対象物として、前記画像形成部から搬送された用紙に形成されている画像を前記検品部に検品させ、前記動作モードが第2モードである場合、前記対象物として、前記給紙経路から搬送された印刷物に印刷されている画像を前記検品部に検品させ、前記第1モードである場合、前記検品部に前記対象物を搬送する搬送速度を前記画像形成部による前記用紙の搬送速度に合わせ、前記第2モードである場合、前記検品部に前記対象物を搬送する搬送速度を前記画像形成部による前記用紙の搬送速度よりも遅らせる。
【0009】
また、前記検品部は、画像を読み取るスキャナー部、をさらに備え、前記スキャナー部により読み取らせた前記対象物にある画像に対応する検品画像データと、検品基準となる正解画像データと、に基づき、前記対象物を検品する、ことが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記第1モードである場合、原稿画像データに基づき前記画像形成部により前記用紙に形成された画像のうち1番目のものを前記スキャナー部により読み取らせたものを前記正解画像データとし、前記第2モードである場合、前記原稿画像データを前記正解画像データとする、ことが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記原稿画像データに基づき、前記対象物の両面及び片面の何れかの読み取り動作を前記スキャナー部に実行させる、ことが好ましい。
【0012】
また、前記スキャナー部は、前記対象物の裏面画像を読み取る第1のスキャナーと、前記対象物の表面画像を読み取る第2のスキャナーと、を備え、前記制御部は、前記対象物の両面の読み取り動作を実行させる場合、前記第1のスキャナー及び前記第2のスキャナーの両方を駆動させ、前記対象物の片面の読み取り動作を実行させる場合、前記第1のスキャナー及び前記第2のスキャナーの何れか一方を駆動させる、ことが好ましい。
【0013】
また、当該画像形成装置の周囲温度を検知する第1の温度検知部と、前記対象物の表面温度を検知する第2の温度検知部と、を備え、前記制御部は、前記第1の温度検知部により検知された周囲温度と、前記第2の温度検知部により検知された表面温度と、に基づき、前記スキャナー部により読み取られた前記検品画像データのサーモクロミズム補正を行う、ことが好ましい。
【0014】
また、前記制御部は、前記周囲温度と、前記表面温度との差異が予め設定された温度範囲を超える場合、前記サーモクロミズム補正による補正量を決定する、ことが好ましい。
【0015】
また、前記制御部は、前記第1モードである場合、前記表面温度に応じて、前記サーモクロミズム補正を行う、ことが好ましい。
【0016】
また、前記第1モード又は前記第2モードで前記検品部により検品された前記対象物を排出する排出先、をさらに備える、ことが好ましい。
【0017】
また、前記検品部により検品された前記対象物を排出する複数の排出先、をさらに備え、前記検品部は、前記対象物のうち、検品結果がヤレ紙であるものを前記複数の排出先の一部に排出させ、検品結果が正常紙であるものを前記複数の排出先の他の一部に排出させる、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本開示の一側面によれば、印刷物の品質を保ちつつ検品することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の実施形態に係る画像形成装置1の全体構成例を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る動作モードが第1モードである場合の検品処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図3】本開示の実施形態に係る動作モードが第2モードである場合の検品処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図4】本開示の実施形態に係る動作モードが第2モードである場合の検品処理の他の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本開示の実施形態を説明するが、本開示は以下の実施形態に限られるものではない。
【0021】
図1は、本開示の実施形態に係る画像形成装置1の全体構成例を示す図である。画像形成装置1は、給紙装置2、画像形成装置本体3、ペーパーインサーター4、画像読取装置5、排紙装置6、及び排紙装置7を備える。画像形成装置本体3は、詳細については後述するが、少なくとも画像形成部34を備える。つまり、画像形成装置1は、画像形成部34を備える。画像形成装置本体3の前段側には給紙装置2が配置されている。画像形成装置本体3の後段側には、ペーパーインサーター4、画像読取装置5、排紙装置6、及び排紙装置7が配置されている。ペーパーインサーター4は、詳細については後述するが、少なくとも給紙経路42を備える。画像読取装置5は、詳細については後述するが、少なくとも検品部50を備える。検品部50は、画像形成部34から搬送される用紙P1又は給紙経路42から搬送される印刷物P2を検品する。用紙P1又は印刷物P2は、検品部50による検品の対象物である。
【0022】
給紙装置2は、1枚毎に用紙P1を分離して排出する。給紙装置2から排出される用紙P1は、画像形成装置本体3に搬送される。具体的には、給紙装置2は、一例として、用紙収納部21が上下方向に3台設けられている。用紙収納部21のそれぞれの上方には、吸引部22が配置されている。用紙収納部21のそれぞれの両側面側には、側面ガイド23が配置されている。側面ガイド23間には、載置台24が配置されている。載置台24は、用紙P1が載置される。側面ガイド23は、載置台24に積載されている用紙P1の幅方向を保持しつつ、サイドエアを用紙P1に吹き付ける。載置台24に積載されている用紙P1の先端部側には、エア送風部25が配置されている。エア送風部25は、分離エアを用紙P1に吹き付ける。吸引部22は、載置台24の上方に配置され、用紙P1を上から順に吸引する。吸引部22に吸引された用紙P1は、搬送ローラー27により画像形成装置本体3に搬送される。制御部201は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びI/Oインターフェース等を備える。CPUは、ROMから処理内容に応じてプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して給紙装置2の動作を制御する。
【0023】
画像形成装置本体3は、給紙部31に載置される用紙P1に画像を形成する画像形成部34を備える。画像形成装置本体3は、上部に設定部36を備える。設定部36は、表示部36aと、操作部36bとを備え、操作部36bを介してユーザーの操作を受け付けると共に、表示部36aにより情報を表示するものであって、例えば検品処理を受け付け、検品結果を表示する。画像形成装置本体3上には、原稿を自動的に読み込む自動原稿給紙装置及び原稿画像走査装置を備える。原稿画像走査装置は、プラテンガラスを介して画像の読み取りが可能である。原稿画像走査装置は、例えば原稿の画像を読み取り、画像形成部34による画像の形成に利用される。画像形成部34は、搬送経路32上に設けられている。給紙部31に載置されている用紙P1は繰り出されると、搬送ローラー37により搬送方向Kに沿って搬送経路32上を経由し、画像形成部34に向かって搬送される。画像形成部34は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等のような各色用にそれぞれ用意された感光体34dを備え、それぞれの感光体34dの周囲には帯電装置34a、露光装置34b、及び現像装置34cが設けられている。
【0024】
帯電装置34aにより帯電した感光体34dの表面は、印刷ジョブの原稿画像データに基づき、露光装置34bにより像の露光が行われ、静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置34cにより現像されてトナー像となる。トナー像は、中間転写ベルト34eに転写される。中間転写ベルト34eに転写されたトナー像は、二次転写ローラー34fで用紙P1に圧着されて転写される。二次転写ローラー34fで圧着されて転写されたトナー像は、定着部35により加熱及び加圧されて用紙P1に定着し、その結果、画像形成装置本体3で用紙P1に画像が形成される。つまり、画像形成部34は、電子写真プロセスによる画像形成を行うことで、用紙P1に画像を転写させる。なお、感光体34dの周囲には、ドラムクリーニング装置34gが設けられている。ドラムクリーニング装置34gは、中間転写ベルト34eに残る残留トナーを除去するものである。なお、両面に画像を形成する場合、一方の面に画像が形成された状態の用紙P1が循環経路33を介して搬送され、再度画像形成部34に搬送されることで、他方の面に画像を形成させることができる。制御部301は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びI/Oインターフェース等を備える。CPUは、ROMから処理内容に応じてプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置本体3の動作を制御する。
【0025】
ペーパーインサーター4は、画像形成装置本体3の後段側且つ画像読取装置5の前段側に配置され、画像形成装置本体3を経由せずに、給紙トレイ41に載置された印刷物P2を画像読取装置5に給紙可能である。ペーパーインサーター4は、上部に給紙トレイ41を備え、内部に給紙経路42、搬送経路43、搬送ローラー44、及び制御部401を備える。給紙経路42は、画像形成部34を迂回して設けられ、搬送ローラー44によって、給紙トレイ41に載置されている印刷物P2を搬送経路43に搬送する。制御部401は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びI/Oインターフェース等を備える。CPUは、ROMから処理内容に応じてプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働してペーパーインサーター4の動作を制御する。
【0026】
画像読取装置5は、検品部50、搬送経路51、搬送ローラー52、第1の温度検知部58、第2の温度検知部59A、第2の温度検知部59B、及び制御部501を備える。検品部50は、背景部材54A、背景部材54B、第1のスキャナー56A、及び第2のスキャナー56Bを備える。なお、背景部材54A及び背景部材54Bを総称する場合、背景部材54と称する。第1のスキャナー56A及び第2のスキャナー56Bを含めてスキャナー部56と称する。第2の温度検知部59A及び第2の温度検知部59Bを総称して第2の温度検知部59と称する。搬送経路51は、用紙P1又は印刷物P2が通過する経路である。搬送ローラー52は、用紙P1又は印刷物P2を搬送する。第1のスキャナー56Aは、用紙P1又は印刷物P2の裏面を読み取る位置に配置され、対象物の裏面画像を読み取る。第1のスキャナー56Aの読取結果は、例えば、用紙P1に形成されている画像又は印刷物P2に印刷されている画像の表裏面のずれのチェック、又は想定外の画像の有無等のチェックに利用されてもよい。一方、第2のスキャナー56Bは、用紙P1又は印刷物P2の表面を読み取る位置に配置され、対象物の表面画像を読み取る。具体的には、第2のスキャナー56Bは、用紙P1に形成されている画像又は印刷物P2に印刷されている画像を読み取るものである。第2のスキャナー56Bは、用紙P1又は印刷物P2が搬送されるにつれ、用紙P1又は印刷物P2の進行方向に直交する直交方向、すなわち主走査方向に沿って、用紙P1に形成されている画像又は印刷物P2に印刷されている画像の色を読み取る。
【0027】
制御部501は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びI/Oインターフェース等を備える。CPUは、ROMから処理内容に応じてプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して画像読取装置5の動作を制御する。制御部501は、設定された処理が実行される動作モードに応じて、検品部50を制御する。制御部501は、動作モードが第1モードである場合、対象物として、画像形成部34から搬送された用紙P1に形成されている画像を検品部50に検知させる。制御部501は、動作モードが第2モードである場合、対象物として、給紙経路42から搬送された印刷物P2に印刷されている画像を検品部50に検知させる。制御部501は、動作モードが第1モードである場合、検品部50に対象物を搬送する搬送速度を画像形成部34による用紙P1の搬送速度に合わせる。制御部501は、動作モードが第2モードである場合、検品部50に対象物を搬送する搬送速度を画像形成部34による用紙P1の搬送速度よりも遅らせる。例えば、制御部501は、搬送ローラー52の回転数を搬送ローラー37の回転数よりも下げる制御をすることで、対象物を搬送する搬送速度を制御すればよい。
【0028】
検品部50は、スキャナー部56により読み取らせた対象物にある画像に対応する検品画像データと、検品基準となる正解画像データと、に基づき、対象物を検品する。正解画像データは、動作モードが第1モード及び第2モードの何れかで異なる。制御部501は、動作モードが第1モードである場合、原稿画像データに基づき画像形成部34により用紙P1に形成された画像のうち、1番目のものをスキャナー部56により読み取らせたものを正解画像データとする。制御部501は、動作モードが第2モードである場合、原稿画像データを正解画像データとする。原稿画像データは、印刷ジョブに含まれるものから抽出されたものであって、用紙P1に形成する画像を特定する情報が定義されたものである。よって、制御部501は、原稿画像データに基づき、対象物の両面及び片面の何れかの読み取り動作をスキャナー部56に実行させる。具体的には、制御部501は、対象物の両面の読み取り動作を実行させる場合、第1のスキャナー56A及び第2のスキャナー56Bの両方を駆動させる。制御部501は、対象物の片面の読み取り動作を実行させる場合、第1のスキャナー56A及び第2のスキャナー56Bの何れか一方を駆動させる。
【0029】
なお、検品部50により対象物を検品するとき、室温と、スキャナー部56で読み取るときの画像の温度とで温度差が大きければ、サーモクロミズム現象により色の変動が大きくなる。よって、サーモクロミズム現象が想定される場合には、サーモクロミズム補正を行うのが好ましい。具体的には、制御部501は、画像形成装置1の周囲温度を検知する第1の温度検知部58により検知された周囲温度と、対象物の表面温度を検知する第2の温度検知部59により検知された表面温度と、に基づき、スキャナー部56により読み取られた検品画像データのサーモクロミズム補正を行う。より具体的には、制御部501は、周囲温度と、表面温度との差異が予め設定された温度範囲を超える場合、サーモクロミズム補正による補正量を決定する。なお、画像形成部34から搬送された用紙P1は、定着部35を通過しているため、熱が付与されている。よって、サーモクロミズム補正が必要である。つまり、制御部501は、動作モードが第1モードである場合、表面温度に応じて、サーモクロミズム補正を行う。
【0030】
ところで、検品処理の結果に応じて検品された対象物の載置先が異なれば、ユーザーの作業性は向上する。つまり、動作モードが第1モード又は第2モードで検品部50により検品された対象物を排出する排出先が設けられているのが好ましい。そこで、排出先について具体的に説明する。排紙装置6は、搬送経路61a~61c、搬送ローラー62、パージトレイ64、及び制御部601を備える。搬送経路61a~61cを総称する場合、搬送経路61と称する。パージトレイ64は、排紙装置6の上部に設けられ、搬送経路61cにより搬送される用紙P1又は印刷物P2の排出先となる。搬送経路61aは、搬送ローラー62の駆動によって、画像読取装置5から搬送された用紙P1又は印刷物P2を排紙装置7に搬送する。搬送経路61bは、搬送ローラー62の駆動によって、画像読取装置5から搬送された用紙P1又は印刷物P2を搬送経路61cに搬送する。搬送経路61cは、搬送ローラー62の駆動によって、搬送経路61bから搬送された用紙P1又は印刷物P2をパージトレイ64に搬送する。制御部601は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びI/Oインターフェース等を備える。CPUは、ROMから処理内容に応じてプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して排紙装置6の動作を制御する。
【0031】
排紙装置7は、排紙経路71、排紙ローラー72、駆動部73、メイントレイ74_1、メイントレイ74_2、及び制御部701を備える。メイントレイ74_1及びメイントレイ74_2を総称する場合、メイントレイ74と称する。メイントレイ74_1及びメイントレイ74_2は、駆動部73によって、上下方向に移動可能であり、排紙経路71により搬送される用紙P1又は印刷物P2の排出先となる。排紙経路71は、排紙ローラー72の駆動によって、排紙装置6から搬送される用紙P1又は印刷物P2をメイントレイ74に排出する。制御部701は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びI/Oインターフェース等を備える。CPUは、ROMから処理内容に応じてプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して排紙装置7の動作を制御する。
【0032】
換言すれば、排紙装置6及び排紙装置7により、検品部50により検品された対象物を排出する複数の排出先が構成される。そこで、検品部50は、対象物のうち、検品結果がヤレ紙P_Fであるものを複数の排出先の一部に排出させる。検品部50は、対象物のうち、検品結果が正常紙P_Tであるものを複数の排出先の他の一部に排出させる。例えば、ヤレ紙P_Fをパージトレイ64に排出させることもできる。また、正常紙P_Tをメイントレイ74に排出させることもできる。
【0033】
なお、制御部201、制御部301、制御部401、制御部501、制御部601、及び制御部701のそれぞれは、画像形成装置1の動作を制御する。よって、次に具体的に説明する検品処理は、上記で概略的に説明したように、制御部501が制御主体となるだけでなく、制御部201、制御部301、制御部401、制御部601、及び制御部701の何れが制御主体となってもよい。
図2は、本開示の実施形態に係る動作モードが第1モードである場合の検品処理の一例を説明するフローチャートである。ステップS11において、制御部501は、動作モードが第1モードであるか否かを判定する。制御部501は、動作モードが第1モードであると判定する場合(ステップS11;Y)、ステップS12の処理に移行する。制御部501は、動作モードが第1モードでないと判定する場合(ステップS11;N)、ステップS11の処理を継続する。ステップS12において、制御部501は、第1モードの搬送速度に設定する。第1モードの搬送速度は、画像形成部34の搬送速度に合わせたものである。ステップS13において、制御部501は、ユーザーの入力があるか否かを判定する。例えば、操作部36bを介してユーザーから入力があるか否かが判定されればよい。制御部501は、ユーザーの入力があると判定する場合(ステップS13;Y)、ステップS14の処理に移行する。制御部501は、ユーザーの入力がないと判定する場合(ステップS13;N)、ステップS13の処理を継続する。ステップS14において、制御部501は、印刷ジョブの編集であるか否かを判定する。制御部501は、印刷ジョブの編集であると判定する場合(ステップS14;Y)、ステップS15の処理に移行する。制御部501は、印刷ジョブの編集でないと判定する場合(ステップS14;N)、ステップS13の処理に戻る。
【0034】
ステップS15において、制御部501は、自動検品モードが選択されたか否かを判定する。制御部501は、自動検品モードが選択されたと判定する場合(ステップS15;Y)、ステップS16の処理に移行する。制御部501は、自動検品モードが選択されていないと判定する場合(ステップS15;N)、ステップS13の処理に戻る。ステップS16において、制御部501は、印刷ジョブに含まれる原稿画像データを取得する。ステップS17において、制御部501は、印刷を開始する操作が入力されたか否かを判定する。例えば、操作部36bを介してユーザーから印刷開始釦が操作されたか否かが判定されればよい。制御部501は、印刷を開始する操作が入力されたと判定する場合(ステップS17;Y)、ステップS18の処理に移行する。制御部501は、印刷を開始する操作が入力されていないと判定する場合(ステップS17;N)、ステップS17の処理を継続する。ステップS18において、画像形成部34は、原稿画像データに基づき用紙P1に画像を形成する。ステップS19において、検品部50は、スキャナー部56により用紙P1に形成された画像を読み取る。ステップS20において、制御部501は、画像形成装置1の周囲温度の検知結果を取得する。ステップS21において、制御部501は、対象物である用紙P1の表面温度の検知結果を取得する。ステップS22において、制御部501は、周囲温度と表面温度との差異が予め設定された温度範囲を超えるか否かを判定する。制御部501は、周囲温度と表面温度との差異が予め設定された温度範囲を超えると判定する場合(ステップS22;Y)、ステップS23の処理に移行する。制御部501は、周囲温度と表面温度との差異が予め設定された温度範囲を超えないと判定する場合(ステップS22;N)、ステップS24の処理に移行する。ステップS23において、制御部501は、サーモクロミズム補正を行う。
【0035】
ステップS24において、制御部501は、印刷ジョブで予定した枚数の用紙P1に形成された画像を読み取らせたか否かを判定する。制御部501は、印刷ジョブで予定した枚数の用紙P1に形成された画像を読み取らせたと判定する場合(ステップS24;Y)、ステップS25の処理に移行する。制御部501は、印刷ジョブで予定した枚数の用紙P1に形成された画像を読み取らせていないと判定する場合(ステップS24;N)、ステップS19の処理に戻る。ステップS25において、制御部501は、用紙P1に形成された画像のうち1番目のものを正解画像データとする。ステップS26において、制御部501は、用紙P1に形成された画像のうち2番目以降のものを検品画像データとする。ステップS27において、制御部501は、正解画像データと検品画像データとを比較する。ステップS28において、制御部501は、正解画像データと検品画像データとの差異が許容範囲を超えるか否かを判定する。制御部501は、正解画像データと検品画像データとの差異が許容範囲を超えると判定する場合(ステップS28;Y)、ステップS30の処理に移行する。ステップS30において、制御部501は、許容範囲を超える検品画像データに対応する画像が形成された用紙P1をパージトレイ64に排出させ、ステップS31の処理に移行する。制御部501は、正解画像データと検品画像データとの差異が許容範囲を超えないと判定する場合(ステップS28;N)、ステップS29の処理に移行する。ステップS29において、制御部501は、許容範囲以内の検品画像データに対応する画像が形成された用紙P1をメイントレイ74に排出させ、ステップS31の処理に移行する。ステップS31において、制御部501は、全ての検品画像データを正解画像データと比較したか否かを判定する。制御部501は、全ての検品画像データを正解画像データと比較したと判定する場合(ステップS31;Y)、ステップS32の処理に移行する。制御部501は、全ての検品画像データを正解画像データと比較していないと判定する場合(ステップS31;N)、ステップS27の処理に戻る。ステップS32において、制御部501は、ヤレ紙P_F又は正常紙P_Tがある旨を報知させ、検品処理を終了する。例えば、フローチャートによる説明については省略するが、メイントレイ74に用紙P1又は印刷物P2を排出させる場合にはメイントレイフラグを1に設定し、パージトレイ64に用紙P1又は印刷物P2を排出させる場合にはパージトレイフラグを1に設定する。メイントレイ74には正常紙P_Tが排出されるので、メイントレイフラグが1であれば、正常紙P_Tがある旨が報知されればよい。一方、パージトレイ64にはヤレ紙P_Fが排出されるので、パージトレイフラグが1であれば、ヤレ紙P_Fがある旨が報知されればよい。
【0036】
図3は、本開示の実施形態に係る動作モードが第2モードである場合の検品処理の一例を説明するフローチャートである。なお、
図2を用いて説明した処理と同様の処理についてはその説明を省略する。具体的には、ステップS48~ステップS52の処理は、ステップS19~ステップS23の処理と同様であるため、その説明については省略する。ステップS41において、制御部501は、動作モードが第2モードであるか否かを判定する。制御部501は、動作モードが第2モードであると判定する場合(ステップS41;Y)、ステップS42の処理に移行する。制御部501は、動作モードが第2モードでないと判定する場合(ステップS41;N)、ステップS41の処理を継続する。ステップS42において、制御部501は、第2モードの搬送速度に設定する。第2モードの搬送速度は、画像形成部34の搬送速度よりも遅らせたものである。ステップS43において、制御部501は、印刷ジョブに含まれる原稿画像データを取得する。ステップS44において、制御部501は、取得した原稿画像データを正解画像データに設定する。ステップS45において、制御部501は、検品の対象物である印刷物P2がセットされたか否かを判定する。制御部501は、検品の対象物である印刷物P2がセットされたと判定する場合(ステップS45;Y)、ステップS46の処理に移行する。制御部501は、検品の対象物である印刷物P2がセットされていないと判定する場合(ステップS45;N)、ステップS45の処理を継続する。ステップS46において、制御部501は、手動検品モードが選択されたか否かを判定する。制御部501は、手動検品モードが選択されたと判定する場合(ステップS46;Y)、ステップS47の処理に移行する。制御部501は、手動検品モードが選択されていないと判定する場合(ステップS46;N)、ステップS46の処理を継続する。
【0037】
ステップS47において、制御部501は、検品を開始する操作が入力されたか否かを判定する。例えば、操作部36bを介してユーザーから検品開始釦が操作されたか否かが判定されればよい。制御部501は、検品を開始する操作が入力されたと判定する場合(ステップS47;Y)、ステップS48の処理に移行する。制御部501は、検品を開始する操作が入力されていないと判定する場合(ステップS47;N)、ステップS47の処理を継続する。ステップS53において、制御部501は、予定した枚数の印刷物P2に印刷された画像を読み取らせたか否かを判定する。制御部501は、予定した枚数の印刷物P2に印刷された画像を読み取らせたと判定する場合(ステップS53;Y)、ステップS54の処理に移行する。制御部501は、予定した枚数の印刷物P2に印刷された画像を読み取らせていないと判定する場合(ステップS53;N)、ステップS48の処理に戻る。ステップS54において、制御部501は、読み取らせた画像を検品画像データとする。ステップS55において、制御部501は、正解画像データと検品画像データとを比較する。ステップS56において、制御部501は、正解画像データと検品画像データとの差異が許容範囲を超えるか否かを判定する。制御部501は、正解画像データと検品画像データとの差異が許容範囲を超えると判定する場合(ステップS56;Y)、ステップS57の処理に移行する。ステップS57において、制御部501は、ヤレ紙フラグを1に設定し、ステップS58の処理に移行する。制御部501は、正解画像データと検品画像データとの差異が許容範囲を超えないと判定する場合(ステップS56;N)、ステップS58の処理に移行する。ステップS58において、制御部501は、印刷物P2をメイントレイ74に排出し、ステップS59の処理に移行する。ステップS59において、制御部501は、全ての検品画像データを正解画像データと比較したか否かを判定する。制御部501は、全ての検品画像データを正解画像データと比較したと判定する場合(ステップS59;Y)、ステップS60の処理に移行する。制御部501は、全ての検品画像データを正解画像データと比較していないと判定する場合(ステップS59;N)、ステップS55の処理に戻る。ステップS60において、制御部501は、ヤレ紙フラグが1であるか否かを判定する。制御部501は、ヤレ紙フラグが1であると判定する場合(ステップS60;Y)、ステップS61の処理に移行し、ステップS61において、制御部501は、印刷物P2にヤレ紙P_Fが含まれる旨を報知させ、検品処理を終了する。制御部501は、ヤレ紙フラグが1でないと判定する場合(ステップS60;N)、検品処理を終了する。なお、ヤレ紙フラグに関係なく、ヤレ紙P_F又は正常紙P_Tがある旨を報知させてもよい。
【0038】
図4は、本開示の実施形態に係る動作モードが第2モードである場合の検品処理の他の一例を説明するフローチャートである。
図4を用いて説明する処理は、
図2,3を用いて説明した処理の組み合わせから構成される。具体的には、ステップS71~ステップS85の処理は、ステップS41~ステップS55の処理と同様である。ステップS86~ステップS90の処理は、ステップS28~ステップS32の処理と同様である。つまり、ステップS11~ステップS26の処理は、動作モードが第1モードである場合における正解画像データと検品画像データとを設定する処理である。ステップS27~ステップS32の処理は、検知結果の排出先が2つある場合における処理である。ステップS41~ステップS54の処理及びステップS71~ステップS84の処理は、動作モードが第2モードである場合における正解画像データと検品画像データとを設定する処理である。ステップS55~ステップS61の処理は、検知結果の排出先が1つしかない場合における処理である。ステップS85~ステップS90の処理は、検知結果の排出先が2つある場合における処理である。
【0039】
以上の説明から、本実施形態において、給紙経路42は検品部50に対象物を搬送するものであって、画像形成部34を迂回して設けられている。よって、対象物が画像形成部34を経由して検品部50に搬送されることがないため、対象物が画像形成部34で汚れる恐れがない。したがって、印刷物P2の品質を保ちつつ検品することができる。
【0040】
また、本実施形態においては、動作モードが第1モードである場合、対象物として、画像形成部34から搬送された用紙P1に形成されている画像が検品部50に検品される。動作モードが第2モードである場合、対象物として、給紙経路42から搬送された印刷物P2に印刷されている画像が検品部50に検品される。よって、動作モードに応じて検品部50に搬送される対象物の経路を切り替えることができる。したがって、動作モードの制御により対象物の品質を保つことができる。
【0041】
また、本実施形態においては、動作モードが第1モードである場合、検品部50に対象物を搬送する搬送速度が画像形成部34による用紙P1の搬送速度に合わせられ、動作モードが第2モードである場合、検品部50に対象物を搬送する搬送速度が画像形成部34による用紙P1の搬送速度よりも遅らされる。画像形成部34による用紙P1の搬送速度と合わせた搬送速度であれば、対象物の先端部又は画像面はダメージを受けやすい。例えば、対象物が薄紙であれば対象物の先端部がつぶれる恐れがある。対象物が厚紙であれば対象物の画像面にキズがつく恐れがある。本実施形態においては、動作モードが第2モードである場合、画像形成部34による用紙P1の搬送速度よりも遅い搬送速度で対象物が搬送される。よって、対象物の先端部又は画像面がダメージを受けることがない。したがって、対象物の品質を保ちつつ、対象物を検品部50に搬送することができる。
【0042】
また、本実施形態においては、スキャナー部56により読み取らせた対象物にある画像に対応する検品画像データと、正解画像データと、に基づき、対象物が検品される。よって、正解画像データと、検品画像データとの差異を抽出することができる。したがって、抽出した差異に応じて対象物がヤレ紙P_Fであるか否かを判定することができる。
【0043】
また、本実施形態においては、動作モードが第1モードである場合、原稿画像データに基づき画像形成部34により用紙P1に形成された画像のうち1番目のものをスキャナー部56により読み取らせたものが正解画像データとされ、動作モードが第2モードである場合、原稿画像データが正解画像データとされる。よって、第1モード及び第2モードの何れであっても、正解画像データがあるので、対象物がヤレ紙P_Fであるか否かを判定することができる。
【0044】
また、本実施形態においては、原稿画像データに基づき、対象物の両面及び片面の何れかの読み取り動作がスキャナー部56により実行される。よって、原稿画像データに基づき、対象物が両面印刷されたものであると判定される場合、スキャナー部56により対象物の両面が読み取られる。原稿画像データに基づき、対象物が片面印刷されたものであると判定される場合、スキャナー部56により対象物の片面が読み取られる。したがって、検品対象となる面だけを読み取ることができるので、検品画像データの生成コストを低減することができる。
【0045】
また、本実施形態においては、対象物の両面の読み取り動作が実行される場合、第1のスキャナー56A及び第2のスキャナー56Bの両方が駆動される。対象物の片面の読み取り動作が実行される場合、第1のスキャナー56A及び第2のスキャナー56Bの何れか一方が駆動される。よって、第1のスキャナー56A及び第2のスキャナー56Bのうち必要なものだけを駆動できるので、検品処理の低消費電力化を図ることができる。
【0046】
また、本実施形態においては、第1の温度検知部58により検知された周囲温度と、第2の温度検知部59により検知された表面温度と、に基づき、スキャナー部56により読み取られた検品画像データのサーモクロミズム補正が行われる。よって、周囲温度と、表面温度との差が大きいことによりサーモクロミズム現象で対象物の画像の色の変動が大きくなったとしても、サーモクロミズム補正が行われるため、検品画像データを正しい値に補正することができる。したがって、検品処理の精度を向上させることができる。
【0047】
また、本実施形態においては、周囲温度と、表面温度との差異が予め設定された温度範囲を超える場合、サーモクロミズム補正による補正量が決定される。よって、サーモクロミズム現象で対象物の画像の色の変動が大きくなる状態であれば、サーモクロミズム補正が行われるため、検品画像データを正しい値に補正することができる。したがって、検品処理の精度を向上させることができる。
【0048】
また、本実施形態においては、動作モードが第1モードである場合、表面温度に応じて、サーモクロミズムが行われる。よって、画像形成部34により対象物に熱が付与されたとしても、サーモクロミズム補正が行われるため、検品画像データを正しい値に補正することができる。したがって、検品処理の精度を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態においては、第1モード又は第2モードで検品部50により検品された対象物が排出される排出先が設けられている。よって、排出先に検品結果が排出されるので、ユーザーは排出先に検品結果を取りに行くことができ、ユーザーの作業性を向上させることができる。
【0050】
また、本実施形態においては、対象物のうち、検品結果がヤレ紙P_Fであるものが複数の排出先の一部に排出され、検品結果が正常紙P_Tであるものが複数の排出先の他の一部に排出される。よって、ヤレ紙P_Fの排出先と、正常紙P_Tの排出先とが分かれているため、ユーザーは検品内容に応じて検品結果を取りに行くことができ、ユーザーの作業性を向上させることができる。
【0051】
以上、本開示に係る画像形成装置1を実施形態に基づいて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【0052】
例えば、本実施形態においては、パージトレイ64にヤレ紙P_Fを排出する一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、メイントレイ74_2にヤレ紙P_Fを排出してもよい。また、給紙経路42がペーパーインサーター4に設けられている一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。給紙経路42は、画像形成部34を迂回して設けられていればよいため、画像形成装置本体3内部に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 画像形成装置
2 給紙装置、21 用紙収納部、22 吸引部、23 側面ガイド、24 載置台
25 エア送風部、27 搬送ローラー、201 制御部
3 画像形成装置本体、31 給紙部、32 搬送経路、33 循環経路
34 画像形成部、34a 帯電装置、34b 露光装置、34c 現像装置
34d 感光体、34e 中間転写ベルト、34f 二次転写ローラー
34g ドラムクリーニング装置、35 定着部
36 設定部、36a 表示部、36b 操作部、37 搬送ローラー
301 制御部
4 ペーパーインサーター、41 給紙トレイ、42 給紙経路、43 搬送経路
44 搬送ローラー、401 制御部
5 画像読取装置、50 検品部、51 搬送経路、52 搬送ローラー
54,54A,54B 背景部材、56 スキャナー部
56A 第1のスキャナー、56B 第2のスキャナー
58 第1の温度検知部、59,59A,59B 第2の温度検知部、501 制御部
6 排紙装置、61,61a~61c 搬送経路、62 搬送ローラー
64 パージトレイ、601 制御部
7 排紙装置、71 排紙経路、72 排紙ローラー、73 駆動部
74,74_1,74_2 メイントレイ、701 制御部
P1 用紙、P2 印刷物、P_F ヤレ紙、P_T 正常紙、K 搬送方向