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特許7073904蓄電装置、外部放電装置、及び、蓄電装置の外部放電装置による放電方法
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  • 特許-蓄電装置、外部放電装置、及び、蓄電装置の外部放電装置による放電方法 図1
  • 特許-蓄電装置、外部放電装置、及び、蓄電装置の外部放電装置による放電方法 図2
  • 特許-蓄電装置、外部放電装置、及び、蓄電装置の外部放電装置による放電方法 図3A
  • 特許-蓄電装置、外部放電装置、及び、蓄電装置の外部放電装置による放電方法 図3B
  • 特許-蓄電装置、外部放電装置、及び、蓄電装置の外部放電装置による放電方法 図4
  • 特許-蓄電装置、外部放電装置、及び、蓄電装置の外部放電装置による放電方法 図5
  • 特許-蓄電装置、外部放電装置、及び、蓄電装置の外部放電装置による放電方法 図6
  • 特許-蓄電装置、外部放電装置、及び、蓄電装置の外部放電装置による放電方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】蓄電装置、外部放電装置、及び、蓄電装置の外部放電装置による放電方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220517BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20220517BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20220517BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220517BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20220517BHJP
   H01G 11/14 20130101ALI20220517BHJP
【FI】
H02J7/00 X
H01M10/42 P
H01M10/44 P
H01M10/48 P
H01M10/052
H01G11/14
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018097029
(22)【出願日】2018-05-21
(65)【公開番号】P2019205229
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今中 佑樹
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/006152(WO,A1)
【文献】特表2016-507862(JP,A)
【文献】特開2012-055116(JP,A)
【文献】特開2013-230003(JP,A)
【文献】特開2003-142162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01M 10/42-10/48
H01M 10/052
H01G 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置であって、
蓄電素子と、
前記蓄電素子が収容されている筐体と、
前記蓄電素子と直列に接続されている遮断器と、
前記蓄電素子の残電力を放電する放電指示を前記筐体の外部から受け付ける受付部と、
管理部と、
を備え、
前記受付部は、
前記筐体に設けられており、前記筐体の外部の光を前記筐体の内部に透過させる透過部と、
前記透過部を前記筐体の外側から覆う着脱可能な遮蔽部材と、
前記筐体の内部に設けられており、前記透過部を透過した光を受光してオンになる光電スイッチと、
を備え、
前記光電スイッチがオンになると前記管理部に電気信号を出力し、
前記管理部は、
前記蓄電素子の充電状態が所定の閾値以下まで低下すると前記遮断器を開いて前記蓄電素子を過放電から保護する保護処理と、
前記受付部によって前記放電指示が受け付けられると前記蓄電素子の保護を解除する保護解除処理と、
を実行する、蓄電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄電装置であって、
前記管理部は、前記保護解除処理において、前記放電指示が受け付けられたときに前記遮断器が閉じていた場合は、その後に前記蓄電素子の充電状態が前記閾値以下まで低下しても前記保護処理を実行しないように自身の動作を設定する、蓄電装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置であって、
前記管理部は、前記保護解除処理において、前記放電指示が受け付けられたとき、既に前記保護処理が実行されて前記遮断器が開いていた場合は、前記遮断器を閉じる、蓄電装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の蓄電装置であって、
前記蓄電素子はリチウムイオン電池である、蓄電装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の蓄電装置であって、
当該蓄電装置は車両に搭載されるものであり、
前記管理部は、当該蓄電装置が前記車両から取り外されている場合のみ前記保護解除処理を実行する、蓄電装置。
【請求項6】
蓄電装置に取り付けられる外部放電装置であって、
前記蓄電装置の正極外部端子及び負極外部端子のいずれか一方に接続される第1の接点と、
いずれか他方に接続される第2の接点と、
前記第1の接点と前記第2の接点とを接続している電流経路に設けられている放電抵抗と、
当該外部放電装置が前記蓄電装置に取り付けられると前記蓄電装置が備える受付部を介して前記蓄電装置の管理部に放電を指示する指示部と、
を備える外部放電装置。
【請求項7】
蓄電装置の外部放電装置による放電方法であって、
前記蓄電装置は、
蓄電素子と、
前記蓄電素子が収容されている筐体と、
前記蓄電素子と直列に接続されている遮断器と、
前記蓄電素子の残電力を放電する放電指示を前記筐体の外部から受け付ける受付部と、
管理部と、
を備え、
前記外部放電装置は
前記蓄電装置の正極外部端子及び負極外部端子のいずれか一方に接続される第1の接点と、
いずれか他方に接続される第2の接点と、
前記第1の接点と前記第2の接点とを接続している電流経路に設けられている放電抵抗と、
当該外部放電装置が前記蓄電装置に取り付けられると前記受付部を介して前記管理部に放電を指示する指示部と、
を備え、
当該放電方法は、
前記蓄電素子の充電状態が所定の閾値以下まで低下すると、前記管理部が前記遮断器を開いて前記蓄電素子を過放電から保護する保護ステップと、
前記管理部が前記外部放電装置から前記受付部を介して放電指示を受け付けると、前記遮断器を閉じて前記蓄電素子の保護を解除する保護解除ステップと、
を含む、蓄電装置の外部放電装置による放電方法。
【請求項8】
請求項7に記載の蓄電装置の外部放電装置による放電方法であって、
前記受付部は、前記筐体の内部に設けられている磁気スイッチであって前記筐体の外部からの磁力に駆動されてオンになる磁気スイッチを備え、前記磁気スイッチがオンになると前記管理部に電気信号を出力する、蓄電装置の外部放電装置による放電方法。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の蓄電装置の外部放電装置による放電方法であって、
前記蓄電装置は車両に搭載されるものであり、
前記管理部は、前記蓄電装置が前記車両から取り外されている場合のみ前記保護解除ステップを実行する、蓄電装置の外部放電装置による放電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、蓄電装置、外部放電装置、及び、蓄電素子の放電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池などの蓄電素子を備える蓄電装置において、蓄電素子が設けられている電流経路に遮断器を備え、蓄電素子の過放電が予見される場合に遮断器を開いて蓄電素子を過放電から保護することが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の蓄電池パック100は、本体部120、二次電池101(蓄電素子に相当)、及び、二次電池101と直列に接続されているスイッチ104(遮断器に相当)を備える。蓄電池パック100は、二次電池101の電圧が、二次電池101の放電が停止される規格値(放電終止電圧)になるとスイッチ104を開放する。
【0003】
一般に蓄電装置は廃棄時に解体される。蓄電装置を解体するときは作業の安全のために蓄電素子の残電力を放電することが望ましい。特許文献1に記載の蓄電池パック100は、本体部120に収容されている電力消費部105と、電力消費部105を含む回路を作動させる指示を外部から受け付ける受付部114(例えば機械式スイッチや通信部)とを備える。蓄電池パック100は受付部114が当該指示を受け付けると電力消費部105を含む回路を作動させることによって二次電池101を放電させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】再公表WO2016/006152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載の蓄電池パック100は蓄電池パック100ごとに電力消費部105を備えなければならず、蓄電池パック100の構成が複雑になる。
【0006】
本明細書では、蓄電素子を過放電から保護しつつ簡素な構成で蓄電素子の残電力を最後まで放電できる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
蓄電装置であって、蓄電素子と、前記蓄電素子と直列に接続されている遮断器と、前記蓄電素子の残電力を放電する放電指示を受け付ける受付部と、管理部と、を備え、前記管理部は、前記蓄電素子の充電状態が所定の閾値以下まで低下すると前記遮断器を開いて前記蓄電素子を過放電から保護する保護処理と、前記受付部によって前記放電指示が受け付けられると前記蓄電素子の保護を解除する保護解除処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0008】
蓄電素子を過放電から保護しつつ簡素な構成で蓄電素子の残電力を最後まで放電できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1に係る蓄電装置、及び、その蓄電装置が搭載されている車両の模式図
図2】蓄電装置の分解斜視図
図3A図2に示す蓄電素子の平面図
図3B図3Aに示すA-A線の断面図
図4図1の本体内に蓄電素子を収容した状態を示す斜視図
図5図4の蓄電素子にバスバーを装着した状態を示す斜視図
図6】蓄電装置の電気的構成、及び、外部放電装置の構成を示す模式図
図7】実施形態2に係る蓄電装置の電気的構成、及び、外部放電装置の構成を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本実施形態の概要)
蓄電装置であって、蓄電素子と、前記蓄電素子と直列に接続されている遮断器と、前記蓄電素子の残電力を放電する放電指示を受け付ける受付部と、管理部と、を備え、前記管理部は、前記蓄電素子の充電状態が所定の閾値以下まで低下すると前記遮断器を開いて前記蓄電素子を過放電から保護する保護処理と、前記受付部によって前記放電指示が受け付けられると前記蓄電素子の保護を解除する保護解除処理と、を実行する。
【0011】
蓄電装置の内部に放電抵抗を備えるのではなく、外部の放電抵抗を用いて蓄電素子の残電力を放電する。一つの外部の放電抵抗を用いて複数の蓄電装置の残電力を放電できるので、蓄電装置毎に放電抵抗を備える場合に比べて蓄電装置の構成を簡素にできる。
ただし、蓄電素子が過放電から保護されていると蓄電素子の充電状態が所定の閾値以下まで低下したときに遮断器が開くので、外部の放電抵抗を用いると蓄電素子の残電力を最後まで放電できない。このため、作業者は蓄電装置を解体して内部の蓄電素子を露出させないと残電力を最後まで放電させることができず、短絡する可能性がある。あるいは、遮断器が開くと端子電圧が0Vになるので、作業者は放電しきったと思って解体してしまい、短絡する可能性がある。
上記の蓄電装置によると、放電指示を受け付けると蓄電素子の保護を解除するので、外部の放電抵抗を用いても蓄電素子の残電力を最後まで放電できる。このため、蓄電素子を過放電から保護しつつ簡素な構成で蓄電素子の残電力を最後まで放電できる。
【0012】
前記管理部は、前記保護解除処理において、前記放電指示が受け付けられたときに前記遮断器が閉じていた場合は、その後に前記蓄電素子の充電状態が前記閾値以下まで低下しても前記保護処理を実行しないように自身の動作を設定してもよい。
【0013】
蓄電装置に外部の放電抵抗が取り付けられたとき、蓄電素子の充電状態が未だ所定の閾値以下まで低下していない場合は、蓄電素子の保護処理が実行されていないので遮断器が閉じている。遮断器が閉じている場合は外部の放電抵抗を取り付けると外部の放電抵抗によって蓄電素子の残電力が放電されるが、その後に蓄電素子の充電状態が閾値以下まで低下したときに保護処理が実行されて遮断器が開く。このため、蓄電素子の残電力が最後まで放電されない。
上記の蓄電装置によると、放電指示を受け付けたとき、遮断器が閉じている場合はその後に蓄電素子の充電状態が所定の閾値以下まで低下しても保護処理を実行しないように自身の動作を設定するので、残電力の放電の途中で遮断器が開いて放電が停止することを防止できる。このため、外部の放電抵抗を用いても蓄電素子の残電力を最後まで放電できる。
【0014】
前記管理部は、前記保護解除処理において、前記放電指示が受け付けられたとき、既に前記保護処理が実行されて前記遮断器が開いていた場合は、前記遮断器を閉じてもよい。
【0015】
外部の放電抵抗が取り付けられたとき、蓄電素子の充電状態が既に所定の閾値以下まで低下している場合は、保護処理が実行されて遮断器が開いている。このため、この場合は蓄電装置に外部の放電抵抗を取り付けても蓄電素子の残電力が放電されない。
上記の蓄電装置によると、放電指示を受け付けたとき、遮断器が開いている場合は遮断器を閉じるので、外部の放電抵抗を用いても蓄電素子の残電力を最後まで放電できる。
【0016】
前記蓄電素子が収容されている筐体を備え、前記受付部は、前記筐体の外部からの前記放電指示を非接触で受け付けてもよい。
【0017】
蓄電素子の放電指示を受け付ける構成としては、作業者によって筐体の外部から操作される機械式スイッチを用いる構成が考えられる。しかしながら、蓄電装置の防水・防塵性の観点からは機械式スイッチは好ましくない。上記の蓄電装置によると、放電指示を非接触で受け付けるので、機械式スイッチを用いる場合に比べて蓄電装置の防水・防塵性を向上させることができる。このため、蓄電素子の残電力の放電が水や塵の侵入によって阻害されるリスクを低減できる。
【0018】
前記受付部は、前記筐体の内部に設けられている磁気スイッチであって前記筐体の外部からの磁力に駆動されてオンになる磁気スイッチを備え、前記磁気スイッチがオンになると前記管理部に電気信号を出力してもよい。
【0019】
上記の蓄電装置によると、外部からの放電指示を非接触で受け付けることができる。これにより蓄電装置の防水・防塵性を向上させることができ、蓄電素子の残電力の放電が水や塵の侵入によって阻害されるリスクを低減できる。
【0020】
前記受付部は、前記筐体に設けられており、前記筐体の外部の光を前記筐体の内部に透過させる透過部と、前記透過部を前記筐体の外側から覆う着脱可能な遮蔽部材と、前記筐体の内部に設けられており、前記透過部を透過した光を受光してオンになる光電スイッチと、を備え、前記光電スイッチがオンになると前記管理部に電気信号を出力してもよい。
【0021】
上記の蓄電装置によると、外部からの放電指示を非接触で受け付けることができる。これにより蓄電装置の防水・防塵性を向上させることができ、蓄電素子の残電力の放電が水や塵の侵入によって阻害されるリスクを低減できる。上記の蓄電装置によると、残電力が放電されているか否かを遮蔽部材の有無で視覚的に判断できるので、作業時の安全性が向上する。
【0022】
前記蓄電素子はリチウムイオン電池であってもよい。
【0023】
例えば蓄電素子が鉛蓄電池である場合は鉛蓄電池を切断することによって解体することが可能であるが、リチウムイオン電池の場合はそのように解体すると蓄電素子に電力が残っていた場合に危険である。上記の蓄電装置によると、リチウムイオン電池の残電力を最後まで放電させることができるので、リチウムイオン電池を解体するときの安全性が向上する。
【0024】
当該蓄電装置は車両に搭載されるものであり、前記管理部は、当該蓄電装置が前記車両から取り外されている場合のみ前記保護解除処理を実行してもよい。
【0025】
上記の蓄電装置によると、蓄電装置が車両に搭載されているときは放電指示を受け付けても保護解除処理を実行しないので、蓄電装置が車両に搭載されている状態で放電指示が行われて蓄電素子の残電力が最後まで放電されることを防止できる。これにより、過放電によって蓄電素子が使用できなくなる可能性を低減できる。
【0026】
外部放電装置は、蓄電装置の正極外部端子及び負極外部端子のいずれか一方に接続される第1の接点と、いずれか他方に接続される第2の接点と、前記第1の接点と前記第2の接点とを接続している電流経路に設けられている放電抵抗と、前記蓄電装置に放電を指示する指示部と、を備える。
【0027】
上記の外部放電装置によると、外部放電装置が蓄電装置に放電を指示するので、作業時に蓄電装置に外部放電装置を取り付ける作業とは別に放電を指示するための作業を行わなくてよい。このため作業時の利便性が向上する。
【0028】
本明細書によって開示される技術は、装置、方法、これらの装置または方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現できる。
【0029】
<実施形態1>
実施形態を図1ないし図6によって説明する。
【0030】
(1)蓄電装置の構成
図1を参照して、実施形態1に係る蓄電装置1について説明する。蓄電装置1は車両2に搭載されるものであり、車両2のエンジン(内燃機関の一例)を始動させるスタータや車両2に搭載されている補機類(ECU、ヘッドライト、エアコン、オーディオなど)に電力を供給する。
【0031】
図2に示すように、蓄電装置1は外装体10(筐体の一例)と、外装体10の内部に収容される複数の蓄電素子12とを備える。外装体10は合成樹脂材料からなる本体13と蓋体14とで構成されている。本体13は有底筒状であり、平面視矩形状の底面部15とその4辺から立ち上がって筒状となる4つの側面部16とで構成される。4つの側面部16によって上端部分に上方開口部17が形成されている。
【0032】
蓋体14は平面視矩形状であり、その4辺から下方に向かって枠体18が延びている。蓋体14は本体13の上方開口部17を閉鎖する。蓋体14の上面には平面視略T字形の突出部19が形成されている。蓋体14の上面には突出部19が形成されていない2箇所のうち一方の隅部に正極外部端子20が固定され、他方の隅部に負極外部端子21が固定されている。
【0033】
蓄電素子12は繰り返し充電可能な二次電池であり、具体的には例えばリチウムイオン電池である。図3(a)及び図3(b)に示すように、蓄電素子12は直方体形状のケース22内に電極体23を非水電解質と共に収容したものである。ケース22はケース本体24と、その上方の開口部を閉鎖するカバー25とで構成されている。
【0034】
電極体23は、詳細については図示しないが、銅箔からなる基材に活物質を塗布した負極要素と、アルミニウム箔からなる基材に活物質を塗布した正極要素との間に多孔性の樹脂フィルムからなるセパレータを配置したものである。これらはいずれも帯状であり、セパレータに対して負極要素と正極要素とを幅方向の反対側にそれぞれ位置をずらせた状態で、ケース本体24に収容可能となるように扁平状に巻回されている。
【0035】
正極要素には正極集電体26を介して正極端子27が接続されている。負極要素には負極集電体28を介して負極端子29が接続されている。正極集電体26及び負極集電体28は平板状の台座部30と、台座部30から延びる脚部31とを有している。台座部30には貫通孔が形成されている。脚部31は正極要素又は負極要素に接続されている。正極端子27及び負極端子29は、端子本体部32と、その下面中心部分から下方に突出する軸部33とを有している。そのうち正極端子27の端子本体部32と軸部33とはアルミニウム(単一材料)によって一体成形されている。負極端子29においては、端子本体部32がアルミニウム製であり、軸部33が銅製であり、これらを組み付けたものである。正極端子27及び負極端子29の端子本体部32はカバー25の両端部に絶縁材料からなるガスケット34を介して配置され、このガスケット34から外方へ露出されている。
【0036】
図4に示すように、蓄電素子12は複数個(例えば12個)が幅方向に並設された状態で本体13内に収容されている。ここでは本体13の一端側から他端側(矢印Y1からY2方向)に向かって3つの蓄電素子12を1組として、同一組では隣り合う蓄電素子12の端子極性が同じになり、隣り合う組同士では隣り合う蓄電素子12の端子極性が逆になるように配置されている。最も矢印Y1側に位置する3つの蓄電素子12(第1組)では矢印X1側が負極、矢印X2側が正極となっている。第1組に隣接する3つの蓄電素子12(第2組)では矢印X1側が正極、矢印X2側が負極となっている。さらに第2組に隣接する第3組では第1組と同じ配置となっており、第3組に隣接する第4組では第2組と同じ配置となっている。
【0037】
図5に示すように、正極端子27及び負極端子29には導電部材としての端子用バスバー(接続部材)36~40が溶接により接続されている。第1組の矢印X2側では正極端子27群が第1バスバー36によって接続されている。第1組と第2組の間では矢印X1側で第1組の負極端子29群と第2組の正極端子27群とが第2バスバー37によって接続されている。第2組と第3組の間では矢印X2側で第2組の負極端子29群と第3組の正極端子27群とが第3バスバー38によって接続されている。第3組と第4組の間では、矢印X1側で第3組の負極端子29群と第4組の正極端子27群とが第4バスバー39によって接続されている。第4組の矢印X2側では、負極端子29群が第5バスバー40によって接続されている。
【0038】
図2を併せて参照すると、電気の流れの一端に位置する第1バスバー36は第1の電子機器42A(例えばヒューズ)、第2の電子機器42B(例えばリレー)、バスバー43及びバスバーターミナル(図示せず)を介して正極外部端子20に接続されている。電気の流れの他端に位置する第5バスバー40はバスバー44A,44B及び負極バスバーターミナル(図示せず)を介して負極外部端子21に接続されている。これによりそれぞれの蓄電素子12は正極外部端子20及び負極外部端子21を介して充電と放電とが可能になっている。電子機器42A,42Bと電気部品接続用バスバー43、43A及び44Bとは、積層配置した複数の蓄電素子12の上部に配置された回路基板ユニット41に取り付けられている。バスバーターミナルは、蓋体14に配置されている。
【0039】
(2)蓄電装置の電気的構成
図6を参照して、蓄電装置1の電気的構成について説明する。図6に示すように、蓄電装置1は前述した複数の蓄電素子12と、それらの蓄電素子12を管理する電池管理装置50(BMS:Battery Management System)とを備えている。
【0040】
BMS50は図2に示す回路基板ユニット41に実装されている。BMS50は電流センサ51、リレー53(遮断器の一例)、受付部54、及び、管理部55を備えている。
電流センサ51は蓄電素子12と直列に接続されており、蓄電素子12に流れる電流の電流値I[A]を計測して管理部55に出力する。リレー53は蓄電素子12と直列に接続されている。リレー53は蓄電素子12を過充電や過放電から保護するためのものであり、管理部55によって開閉される。
【0041】
受付部54は外装体10の外部からの放電指示を受け付けるためのものである。受付部54は蓄電素子12が接続されている電流経路56から分岐して管理部55に接続されている電流経路57と、電流経路57に設けられている常開式のリレー58(磁気スイッチの一例)とを備えている。
外装体10の外部から外装体10に磁石を近づけるとその磁石の磁力(放電指示の一例)によってリレー58が閉じる(すなわちリレー58がオンになる)。電流経路57の管理部55側の端部は管理部55の所定の入力ポートに接続されており、リレー58がオンになると管理部55の入力ポートに電圧(電気信号の一例)が印加される。
【0042】
管理部55は蓄電素子12から供給される電力によって動作するものであり、CPU、ROM、RAM、通信部などを備えている。CPUはROMに記憶されている各種のプログラムを実行することによって蓄電装置1の各部を管理する。
管理部55はCPUに替えて、あるいはCPUに加えてASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などを備えていてもよい。
【0043】
(3)外部放電装置の構成
図6を参照して、外部放電装置3の構成について説明する。外部放電装置3は蓄電装置1を解体するときに蓄電素子12の残電力を放電させるものである。外部放電装置3は第1の接点60、第2の接点61、電流経路62、放電抵抗63及び磁石64(指示部の一例)を備えている。第1の接点60は蓄電装置1の正極外部端子20及び負極外部端子21のいずれか一方に接続され、第2の接点61はいずれか他方に接続される。電流経路62は第1の接点60と第2の接点61とを接続している。放電抵抗63は電流経路62に設けられている。磁石64は蓄電素子12のリレー58を閉じるためのものであり、外部放電装置3が蓄電装置1に取り付けられたときにリレー58の近傍となる位置に配されている。
【0044】
(4)管理部によって実行される処理
管理部55によって実行される処理として、蓄電素子12を過放電から保護する保護処理、及び、蓄電素子12の保護を解除する保護解除処理について説明する。
【0045】
(4-1)保護処理
管理部55は所定の時間間隔で蓄電素子12の充電状態(SOC:State Of Charge)を推定し、SOCが所定の閾値以下まで低下するとリレー53を開く(保護処理の一例)。これにより電流経路56が遮断され、蓄電素子12が過放電から保護される。
【0046】
SOCを推定する方法としては、例えば電流積算法が知られている。電流積算法は蓄電素子12の充放電電流を電流センサ51によって常時計測することで蓄電素子12に出入りする電力量を計測し、これを初期容量から加減することでSOCを推定する手法である。
SOCと蓄電素子12の開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)とは比較的精度の高い相関関係がある。このため、SOCが所定の閾値以下まで低下したか否かをSOCから直接判断するのではなく、OCVが所定の基準値以下まで低下するとSOCが所定の閾値以下まで低下したと判断してもよい。OCVは必ずしも回路が開放されているときの電圧に限らず、蓄電素子12に流れる電流が所定の基準値以下のときの電圧であってもよい。
【0047】
(4-2)保護解除処理
作業者は、蓄電装置1を解体するとき、蓄電装置1を解体する前に、蓄電素子12の残電力を放電させるために蓄電装置1に外部放電装置3を取り付ける。外部放電装置3を取り付けると外部放電装置3の第1の接点60が正極外部端子20(あるいは負極外部端子21)に接触し、第2の接点61が負極外部端子21(あるいは正極外部端子20)に接触する。
【0048】
外部放電装置3が取り付けられたとき、蓄電素子12のSOCが未だ前述した所定の閾値以下まで低下していない場合は、蓄電素子12の保護処理が実行されていないのでリレー53が閉じている。リレー53が閉じている場合は外部放電装置3が取り付けられると外部放電装置3によって蓄電素子12の残電力が放電される。外部放電装置3が取り付けられて蓄電素子12の残電力が放電されると、その後に蓄電素子12のSOCが閾値以下まで低下するので、残電力の放電の途中で保護処理が実行されてリレー53が開く。このため、そのままでは蓄電素子12の残電力が最後まで放電されない。
【0049】
一方、外部放電装置3が取り付けられたとき、蓄電素子12のSOCが既に所定の閾値以下まで低下している場合は、既に保護処理が実行されてリレー53が開いているので、蓄電装置1に外部放電装置3を取り付けても蓄電素子12の残電力が放電されない。
【0050】
このため、管理部55は放電指示を受け付けると蓄電素子12の保護を解除して蓄電素子12の残電力が最後まで放電されるようにする。具体的には、蓄電装置1に外部放電装置3が取り付けられると磁石64の磁力によってリレー58がオンになる(受付部54によって放電指示が受け付けられる)。リレー58がオンになると管理部55の入力ポートに電圧が印加される。管理部55は入力ポートに電圧が印加されると、リレー53が閉じているか否かを判断する。
【0051】
リレー53が閉じている場合は、管理部55はその後にSOCが所定の閾値以下まで低下しても保護処理を実行しないように自身の動作を設定する。このため、外部放電装置3が取り付けられた後に蓄電素子12のSOCが閾値以下まで低下してもリレー53が開かれず、蓄電素子12の残電力が最後まで放電される。
一方、リレー53が開いている場合は、管理部55はリレー53を閉じる。このため、既に保護処理が実行されてリレー53が開いていても蓄電素子12の残電力が最後まで放電される。
【0052】
(6)実施形態の効果
蓄電装置1によると、蓄電装置1の内部に放電抵抗を備えるのではなく、外部の放電抵抗63を用いて蓄電素子12の残電力を放電するので、一つの放電抵抗63を用いて複数の蓄電装置1の残電力を放電できる。このため蓄電装置1毎に放電抵抗63を備える場合に比べて蓄電装置1の構成を簡素にできる。そして、蓄電装置1によると、放電指示を受け付けると蓄電素子12の保護を解除するので、外部の放電抵抗63を用いても蓄電素子12の残電力を最後まで放電できる。よって蓄電装置1によると、蓄電素子12を過放電から保護しつつ簡素な構成で蓄電素子12の残電力を最後まで放電できる。
【0053】
蓄電装置1によると、放電指示を受け付けたときにリレー53が閉じていた場合はその後に蓄電素子12のSOCが所定の閾値以下まで低下しても保護処理を実行しないように自身の動作を設定するので、残電力の放電の途中でリレー53が開いて放電が停止することを防止できる。このため、外部の放電抵抗63を用いても蓄電素子12の残電力を最後まで放電できる。
【0054】
蓄電装置1によると、放電指示を受け付けたとき、既に保護処理が実行されてリレー53が開いていた場合はリレー53を閉じるので、外部の放電抵抗63を用いても蓄電素子12の残電力を最後まで放電できる。
【0055】
蓄電装置1によると、外装体10の外部からの放電指示を非接触で受け付けるので、機械式スイッチを用いる場合に比べて蓄電装置1の防水・防塵性を向上させることができる。これにより、蓄電素子12の残電力の放電が水や塵の侵入によって阻害されるリスクを低減できる。
【0056】
蓄電装置1によると、外装体10の外部からの磁力に駆動されて閉じるリレー58を備えているので、外装体10の外部からの放電指示を非接触で受け付けることができる。これにより蓄電装置1の防水・防塵性を向上させることができ、蓄電素子12の残電力の放電が水や塵の侵入によって阻害されるリスクを低減できる。
【0057】
蓄電装置1によると、リチウムイオン電池の残電力を最後まで放電させることができるので、リチウムイオン電池を解体するときの安全性が向上する。
【0058】
外部放電装置3によると、外部放電装置3が蓄電装置1に放電を指示するので、作業時に蓄電装置1に外部放電装置3を取り付ける作業とは別に放電を指示する作業を行わなくてよい。このため作業時の利便性が向上する。
【0059】
<実施形態2>
実施形態2を図7によって説明する。実施形態2に係る蓄電装置201は実施形態1に係る蓄電装置1と受付部254の構成及び外部放電装置203の構成が異なる。
【0060】
(2-1)蓄電装置の電気的構成
図7を参照して、蓄電装置201の電気的構成について説明する。蓄電装置201の外装体10には光を外装体10の内部に入射させるための開口が形成されている。受付部254は外部からの磁力ではなく、その開口から入射する光を受光することによって放電指示を受け付ける。
【0061】
具体的には、受付部254は透過部210、遮蔽部材211、電流経路214、及び、フォトトランジスタ215(光電スイッチの一例)を備えている。
透過部210は上述した開口を塞ぐとともに外装体10の内部に光を透過させるものであり、具体的には透明なガラスやプラスチックである。遮蔽部材211は例えば光を透過しないシール(以下、シール211という)であり、外装体10の外側から透過部210に取り外し可能に貼り付けられている。
【0062】
電流経路214は蓄電素子12が接続されている電流経路56から分岐して管理部55に接続されている。フォトトランジスタ215は電流経路214に設けられている。フォトトランジスタ215は受光すると閉じるものである。フォトトランジスタ215が閉じると管理部55の入力ポートに電圧(電気信号の一例)が印加される。
【0063】
(2-2)外部放電装置の構成
図7を参照して、外部放電装置203の構成について説明する。外部放電装置203は磁石64を備えていない点を除いて実施形態1に係る外部放電装置3と実質的に同一である。
【0064】
(2-3)保護解除処理
作業者は、蓄電装置201を解体するとき、蓄電装置201に外部放電装置203を取り付ける前(あるいは取り付けた後)にシール211を剥がす。シール211を剥がすと外部の光がフォトトランジスタ215によって受光され、管理部55の入力ポートに電圧が印加される。入力ポートに電圧が印加されると、管理部55は実施形態1で説明した保護解除処理を実行する。
【0065】
(2-4)実施形態の効果
蓄電装置201によると、外装体10の外部からの光を受光するフォトトランジスタ215を備えているので、外装体10の外部からの放電指示を非接触で受け付けることができる。これにより蓄電装置201の防水・防塵性を向上させることができ、蓄電素子12の残電力の放電が水や塵の侵入によって阻害されるリスクを低減できる。
【0066】
蓄電装置201によると、残電力が放電されているか否かをシール211の有無で視覚的に判断できるので、作業時の安全性が向上する。
【0067】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書によって開示される技術的範囲に含まれる。
【0068】
(1)上記実施形態1では外部放電装置3に磁石64が設けられている場合を例に説明したが、外部放電装置3は実施形態2と同様に磁石64を備えていなくてもよい。その場合は、作業者が手作業で外装体10に磁石64を近づけてリレー58をオンにしてもよい。その場合に、作業者は近づけた磁石64をそのまま外装体10に取り付けたままにしてもよい。そのようにすると残電力が放電されているか否かを磁石64の有無で視覚的に判断できるので、作業時の安全性が向上する。
【0069】
(2)上記実施形態1では蓄電装置1が車両2に搭載されているか否かによらず外部放電装置3が取り付けられると保護解除処理を実行する場合を例に説明した。これに対し、管理部55は、蓄電装置1が車両2から取り外されている場合のみ保護解除処理を実行してもよい。このようにすると、蓄電装置1が車両2に搭載されているときは放電指示を受け付けても保護解除処理が実行されないので、蓄電装置1が車両2に搭載されている状態で放電指示が行われて蓄電素子12の残電力が最後まで放電されることを防止できる。これにより、過放電によって蓄電素子12が使用できなくなる可能性を低減できる。
【0070】
蓄電装置1が車両2に搭載されているか否かは、例えば車両2から蓄電装置1に送信される信号から判断できる。具体的には、一般に蓄電装置1は車両2から一定時間間隔でエンジンの状態を表す信号を受信する。このため、管理部55は車両2から一定時間毎に信号を受信した場合は車両2に搭載されていると判断し、一定時間が経過しても信号を受信しない場合は車両2に搭載されていないと判断してもよい。
【0071】
(3)上記実施形態では遮断機としてリレー53を例に説明したが、遮断機はこれに限られない。例えば遮断機はFET(Field effect transistor)であってもよい。
【0072】
(4)上記実施形態では外部からの磁力や光によって放電指示を非接触で受け付ける場合を例に説明したが、機械式スイッチによって放電指示を受け付けてもよいし、管理部55が備える通信部を介して放電指示を受け付けてもよい。
【0073】
(5)上記実施形態では放電指示を非接触で受け付ける構成として磁力や光によって受け付ける場合を例に説明したが、放電指示を非接触で受け付ける構成はこれに限られない。例えば無線通信によって放電指示を受け付けてもよい。
【0074】
(6)上記実施形態2では遮蔽部材211としてシールを例に説明したが、遮蔽部材211は透過部210を外装体10の外側から覆う着脱可能なものであればシールに限られない。例えば、プラスチック製で遮光性のある板材をネジ等で着脱可能に固定されてもよい。遮光性の布材を粘着剤等で貼り付けられていてもよい。
【0075】
(7)上記実施形態1では外部放電装置3が指示部として磁石64を備えている場合を例に説明したが、指示部は磁石64に限られない。例えば、蓄電装置1が無線通信によって放電指示を受け付ける場合は、指示部は蓄電装置1に放電指示を送信する送信部であってもよい。蓄電装置1が押しボタンスイッチ(機械式スイッチ)によって放電指示を受け付ける場合は、外部放電装置が蓄電装置に取り付けられたときに押しボタンスイッチを押すように外部放電装置から突出している突出部であってもよい。
【0076】
(8)上記実施形態1では蓄電装置1が車両2に搭載される場合を例に説明したが、蓄電装置1は車両2に搭載されるものに限られない。例えば、蓄電装置1は事業所などに備えられて電力を蓄える蓄電システムに用いられるものであってもよい。航空機や船舶などに搭載され、駆動に使われていてもよい。系統が停電したときに電気機器に対して電力を供給する無停電電源装置(UPS)でもよい。
【0077】
(9)上記実施形態では、管理部55は、保護解除処理において、放電指示を受け付けたときにリレー53が閉じていた場合はその後にSOCが閾値以下まで低下しても保護処理を実行しないように自身の動作を設定する処理と、放電指示を受け付けたとき、既に保護処理が実行されてリレー53が開いていた場合はリレー53を閉じる処理との両方を実行する場合を例に説明した。これに対し、これらの処理のうちいずれか一方だけを実行してもよい。
【0078】
(10)上記実施形態では蓄電素子12としてリチウムイオン電池を例に説明したが、蓄電素子12は例えば鉛蓄電池であってもよいし、電気化学反応を伴うキャパシタであってもよい。
【符号の説明】
【0079】
1…蓄電装置、2…車両、3…外部放電装置、10…外装体(筐体の一例)、12…蓄電素子、20…正極外部端子、21…負極外部端子、53…リレー(遮断器の一例)、54…受付部、55…管理部、58…リレー(磁気スイッチの一例)、60…第1の接点、61…第2の接点、62…電流経路、63…放電抵抗、64…磁石(指示部の一例)、201…蓄電装置、203…外部放電装置、210…透過部、211…シール(遮蔽部材の一例)、215…フォトトランジスタ(光電スイッチの一例)、254…受付部
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7