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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20220517BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
E02F9/00 Z
E02F9/00 D
F01N3/08 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018132707
(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公開番号】P2020007884
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136250
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 博臣
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 正和
(72)【発明者】
【氏名】田口 司
(72)【発明者】
【氏名】藤田 嗣人
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-223198(JP,A)
【文献】特開2017-071910(JP,A)
【文献】特開2015-055054(JP,A)
【文献】特開2002-188178(JP,A)
【文献】特開2016-145470(JP,A)
【文献】特開2016-125242(JP,A)
【文献】特開2017-071911(JP,A)
【文献】特開2016-142101(JP,A)
【文献】特開2015-137615(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
F01N 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の前方側部に設けられたデッキにおいて、
前面一部が開閉するフロントカバーと側面一部が開閉するサイドカバーとを含む収納ボックスが前記デッキの上に設けられ、
排ガス浄化用の尿素水を貯留する尿素タンクが前記収納ボックスの内部に配置され、
前記尿素タンクに貯留された前記尿素水を供給する尿素供給装置が前記収納ボックスの内部において前記尿素タンクよりも後方に配置され、
グリスを貯留するグリス缶と、前記グリス缶の上部に着脱可能に装着されるポンプユニットとを含む給脂源ユニットが前記収納ボックスの内部において前記尿素タンクよりも後方に配置され、
前記尿素供給装置は、前記機体の幅方向に関して前記給脂源ユニットと重なる位置において前記給脂源ユニットよりも前記機体の前後中心線寄りに配置され
前記尿素タンクは、前記フロントカバーを開放することでアクセス可能な位置に配置され、
前記給脂源ユニットは、前記サイドカバーを開放することでアクセス可能な位置に配置され、
前記グリス缶は、前記サイドカバーを開放した場合に脱着可能な位置に配置され、
前記尿素供給装置は、前記サイドカバーを開放し且つ前記グリス缶を取り外した状態でアクセス可能な位置に配置されることを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記給脂源ユニットを支持するための支持ブラケットが前記給脂源ユニットの前側あるいは後側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記尿素水を供給するための尿素配管は、前記尿素供給装置の上側において前記機体の前後方向に配索され、
前記グリスを供給するためのグリスホースは、前記尿素供給装置の下側において前記機体の前後方向に配索されることを特徴とする請求項1又は2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記グリスホースを巻き取るホースリールが前記尿素タンクよりも前方に配置され、
前記グリスホースは、前記ポンプユニットから前記グリス缶の後側に向けて延び、前記グリス缶の後側で余長が確保された後、前記ホースリールへ向けて尿素供給装置の下側を通って前記機体の前後方向に配索されることを特徴とする請求項3に記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体の前方側部に設けられたデッキに尿素タンク、尿素供給装置及び給脂源ユニットを備える建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の建設機械として、上部旋回体の前方右側部分(デッキ)において、尿素タンクと尿素タンクに貯留された尿素水を供給する尿素供給装置とを左右に並べて配置する構成が知られている。例えば、特許文献1では、還元剤タンク(41)が供給ポンプ(42)よりも機体の側方寄りに配置されている(特許文献1の図1参照)。
【0003】
また、上部旋回体の前方右側部分において給脂装置(50)を配置する構成も知られている(例えば、特許文献2の図3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-137615号公報
【文献】特開2016-145470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、排ガス規制に対応したエンジンを搭載するためには、デッキの前方右側部分に、給脂装置に加え、尿素タンク及び尿素供給装置を設置する必要がある。給脂装置、尿素タンク及び尿素供給装置の各部はメンテンナンスを要するため、各部への高いアクセス性が求められる。例えば、尿素供給装置は定期的なフィルタ交換を要するため、尿素供給装置へのアクセス性は重要である。
【0006】
しかし、特許文献1の建設機械では、尿素供給装置が尿素タンクよりも機体の前後中心線寄りに配置されているため、尿素タンクの存在によって尿素供給装置へのアクセスが阻害される。よって、尿素供給装置へのアクセス性は必ずしも良いとはいえない。
【0007】
そこで本発明は、デッキに尿素タンク、尿素供給装置及び給脂源ユニットを備える建設機械において、各部への良好なアクセス性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、機体の前方側部に設けられたデッキにおいて、排ガス浄化用の尿素水を貯留する尿素タンクが前記デッキに配置され、前記尿素タンクに貯留された前記尿素水を供給する尿素供給装置が前記尿素タンクよりも後方に配置され、グリスを貯留するグリス缶と、前記グリス缶の上部に着脱可能に装着されるポンプユニットとを含む給脂源ユニットが前記尿素タンクよりも後方に配置され、前記尿素供給装置は、前記機体の幅方向に関して前記給脂源ユニットと重なる位置において前記給脂源ユニットよりも前記機体の前後中心線寄りに配置されることを特徴とする建設機械を提供している。
【0009】
ここで、前記給脂源ユニットを支持するための支持ブラケットが前記給脂源ユニットの前側あるいは後側に配置されるのが好ましい。
【0010】
また、前記尿素水を供給するための尿素配管は、前記尿素供給装置の上側において前記機体の前後方向に配索され、前記グリスを供給するためのグリスホースは、前記尿素供給装置の下側において前記機体の前後方向に配索されるのが好ましい。
【0011】
また、前記グリスホースを巻き取るホースリールが前記尿素タンクよりも前方に配置され、前記グリスホースは、前記ポンプユニットから前記グリス缶の後側に向けて延び、前記グリス缶の後側で余長が確保された後、前記ホースリールへ向けて尿素供給装置の下側を通って前記機体の前後方向に配索されるのが好ましい。
【0012】
更に、前記尿素タンク、前記尿素供給装置及び前記給脂源ユニットは、収納ボックスに収納されており、前記収納ボックスの側面の一部は、開閉可能なサイドカバーで構成されており、前記グリス缶は、前記サイドカバーを開放した場合に脱着可能な位置に配置されるのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の建設機械によれば、尿素供給装置は、機体の幅方向に関して給脂源ユニットと重なる位置において給脂源ユニットよりも前後中心線寄りに配置される。そのため、メンテナンス頻度の高い給脂源ユニットへのアクセス性を確保しつつ、給脂源ユニットを取り外した際の尿素供給装置へのアクセス性も確保される。よって、デッキに尿素タンク、尿素供給装置及び給脂源ユニットを備える建設機械において、各部への良好なアクセス性が確保される。
【0014】
請求項2に記載の建設機械によれば、給脂源ユニットを支持するための支持ブラケットが給脂源ユニットの前側あるいは後側に配置されるため、給脂源ユニットの取り外し時において当該支持ブラケットが尿素供給装置へのアクセスを阻害せずに済む。
【0015】
請求項3に記載の建設機械によれば、尿素配管が尿素供給装置の上側において機体の前後方向に配索され、グリスホースが尿素供給装置の下側において機体の前後方向に配索される。よって、尿素配管とグリスホースとが互いに干渉せずに済む。
【0016】
請求項4に記載の建設機械によれば、グリスホースは、ポンプユニットから出てグリス缶の後側において余長が確保された後、尿素供給装置の下側を通ってホースリールへ向けて機体の前後方向に配索される。そのため、グリスホースに確保された余長を利用して、グリス缶の交換時にポンプユニットを取り外して別の場所に預けることができる。また、尿素供給装置の下側にグリスホースを通すことで、尿素供給装置の下側のデットスペースを活用することができる。
【0017】
請求項5に記載の建設機械によれば、グリス缶は、デッキにおいてサイドカバーを開放した場合に脱着可能な位置に配置されるので、当該グリス缶を容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態による油圧ショベルの概略斜視図。
図2】油圧ショベルのデッキ付近を示す斜視図。
図3】収納ボックスの内部を示す斜視図。
図4】尿素供給装置(尿素供給ポンプ)を示す図。
図5図3のV矢視図。
図6図3のVI矢視図。
図7図3の斜視図から尿素タンク及び尿素供給装置を除いた図。
図8図7のVIII矢視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<1.実施形態>
本発明の実施形態による建設機械について図1から図8に基づき説明する。以下、本発明に係る建設機械の一例として図1に示す油圧ショベル1を例示する。なお、説明の便宜上、機械の前後方向及び左右方向(幅方向)を図1のように定義する。
【0020】
油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2及び上部旋回体3(機体の一例)を備えて構成される。上部旋回体3は、下部走行体2上に搭載されており、下部走行体2に対して鉛直軸まわりに旋回可能である。
【0021】
上部旋回体3は、図示しない旋回ベアリングに支持されるメインフレーム4(アッパーフレーム)を備える。メインフレーム4に対して、キャブ5、作業アタッチメント6、機械室7等が取り付けられている。キャブ5(運転室)は、上部旋回体3の前方左側部分に設けられている。作業アタッチメント6は、上部旋回体3の前方中央部分に設けられている。機械室7は、上部旋回体3の後部に設けられ、エンジンや各種の機器類が設置される。
【0022】
メインフレーム4のうち前方右側部分に位置する部分が、デッキ41として構成されている。デッキ41上には収納ボックス8が設けられている。図2に示すように、収納ボックス8には、内部にアクセスするためのメンテナンス用のカバー81~83が開閉可能に設けられている。
【0023】
図2に示されるように、収納ボックス8の前面一部は、上下に回動して開閉するフロントカバー81として構成されている。フロントカバー81を開放することで、後述のホースリール14(図3参照)の巻取り状況を視認したり、後述の尿素タンク30(図3参照)の給水を行ったりすることが可能である。
【0024】
また、収納ボックス8の後部右側面には、機械右側に回動して開閉するサイドカバー82が設けられている。また、収納ボックス8の後部上面には、上下に回動して開閉する上面カバー83が設けられている。サイドカバー82及び上面カバー83を開放することで、後述のグリス缶111を交換したり、後述の尿素供給装置50(図3参照)のフィルタ交換をしたりすることが可能である。
【0025】
次に、収納ボックス8に収納される各部について説明する。図3に示されるように、収納ボックス8には、給脂装置10と、尿素タンク30と、尿素供給装置50とが設けられている。
【0026】
給脂装置10は、機械各部の回動部や摺動部にグリスを供給するために使用される装置である。図7及び図8に示されるように、給脂装置10は、給脂源ユニット11と、グリスホース13A,13Bと、ホースリール14と、グリスガン15とを備える。
【0027】
給脂源ユニット11は、グリス缶111と、グリス缶111の上部に着脱可能に装着されるポンプユニット112とを備えている。グリス缶111はグリスを貯留するためのタンクであり、ポンプユニット112はグリス缶に貯留されたグリスを吸い上げて送り出す装置である。
【0028】
給脂源ユニット11は、給脂源ユニット11の後側に配置される支持ブラケット12により支持されている。図8に示されるように、支持ブラケット12は、底板12Aと、底板12Aから上方に延びる縦板12Bと、縦板12Bに接続された二股の固定部12Cとからなる。
【0029】
底板12Aは載置面に対してボルトで固定される。縦板12Bはグリス缶111の側面に沿ってグリス缶111と略同じ高さまで延びている。固定部12Cは、グリス缶111とポンプユニット112との接続部分を挟む二股の板部材である。固定部12Cの二股部分は、それぞれ、グリス缶111の上面にボルトで固定される。
【0030】
グリスホース13Aは、ポンプユニット112とデッキ41の前部に配置されたホースリール14とを接続しており、グリス缶111から吸い上げたグリスをポンプユニット112からホースリール14へ送るのに用いられる。
【0031】
グリスホース13Bは、ホースリール14とグリスガン15とを接続し、グリス缶111から送られてきたグリスをグリスガン15へ送るのに用いられる。
【0032】
グリスホース13Aは、図8に示されるように、ポンプユニット112からグリス缶111の後側に向けて一旦延び、グリス缶111の後側で余長ELが確保された後、ホースリール14へ向けて尿素供給装置50(図3)の下側、さらに尿素タンク30の下側を通って機体の前後方向に配索されている。
【0033】
再度、図3を参照する。尿素タンク30は、排ガス浄化用の尿素水を貯留して供給するためのタンクである。尿素タンク30は、デッキ41に設けられた尿素タンク設置台(図示せず)に設置され、略直方体状に構成されている。
【0034】
尿素タンク30の前面には、尿素水を補給するための給水口31が、前方(より詳しくは前方斜め上方)を向いて設けられている。即ち、給水口31は前方を向いている。
【0035】
尿素タンク30の上面には、タンク内の尿素水を取り出すための尿素配管32が取り付けられた蓋部33が装着されている。尿素配管32は、後方の機械室7に設けられた排ガス浄化装置(図示せず)に向かって前後方向に配策されている。
【0036】
尿素タンク30の後方かつ尿素配管32の下側には、尿素供給装置50が設けられている。尿素供給装置50は、尿素タンク30に貯留された尿素水を吸い上げて不図示の排ガス浄化装置へ送り込むための供給ポンプである。
【0037】
図4に示されるように、尿素供給装置50の内部には、尿素タンク30から吸い上げられた尿素水に含まれる異物を除去するための筒状のフィルタ50aが、筒軸方向に挿脱可能に収納されている。フィルタ50aの挿脱口は、尿素供給装置50の下面に形成されており、キャップ50bによって塞がれている。
【0038】
フィルタ50aは、所定時間経過毎に交換する必要がある。そして、フィルタ50aの交換には、フィルタ50aの取り出しスペースが必要になる。そのため、図3に示されるように、本実施形態では、尿素供給装置50の下側にスペースSPが確保されるように、尿素供給装置50が配置されている。
【0039】
続いて、上述した給脂装置10、尿素タンク30及び尿素供給装置50のレイアウトについて説明する。
【0040】
図5及び図6に示されるように、ホースリール14及びグリスガン15が最も前方に配置される。尿素タンク30は、ホースリール14及びグリスガン15よりも後方、かつ、尿素供給装置50及び給脂源ユニット11(グリス缶111及びポンプユニット112)よりも前方に配置される。給脂源ユニット11(グリス缶111及びポンプユニット112)は、尿素タンク30よりも後方に配置される。
【0041】
図5に示されるように、尿素供給装置50は、機体の幅方向(左右方向)に関して給脂源ユニット11(グリス缶111及びポンプユニット112)と重なる位置において給脂源ユニット11よりも機体の前後中心線(機体内側)寄りに配置される。換言すれば、給脂源ユニット11は、機体の幅方向に関して尿素供給装置50よりも機体の側方(機体外側)寄りに配置される。
【0042】
図6に示されるように、尿素配管32は尿素供給装置50の上側において機体の前後方向に配索される一方、グリスホース13Aは尿素供給装置50の下側において機体の前後方向に配索される。
【0043】
また、グリス缶111は、交換頻度が高いため、図3に示されるように、サイドカバー82及び上面カバー83を開放した場合に脱着可能な位置に配置される。これにより、グリス缶111からポンプユニット112を取り外し、グリス缶111を交換することが可能である。また、グリス缶111が取り外されると、そのスペースを利用して作業者が尿素供給装置50に近づき、尿素供給装置50のフィルタ50a(図4)を交換することが可能である。なお、図3に示されるように、デッキ41の右側面には、足場43が設けられている。作業者は、この足場43を利用してグリス缶111や尿素供給装置50のメンテナンスを行う。
【0044】
<2.実施形態の効果>
上述した実施形態による油圧ショベル1によれば、図5に示されるように、尿素供給装置50は、機体の幅方向(左右方向)に関して給脂源ユニット11(グリス缶111及びポンプユニット112)と重なる位置において給脂源ユニット11よりも機体の前後中心線寄りに配置される。そのため、メンテナンス頻度の高い給脂源ユニット11(グリス缶111)のアクセス性を確保しつつ、給脂源ユニット11(グリス缶111)を取り外した際の尿素供給装置50へのアクセス性も確保される。よって、デッキ41に尿素タンク30、尿素供給装置50及び給脂源ユニット11を備える油圧ショベル1において、各部への良好なアクセス性が確保される。
【0045】
また、上述した実施形態による油圧ショベル1によれば、給脂源ユニット11を支持するための支持ブラケット12が給脂源ユニット11の後側に配置される。そのため、給脂源ユニット11の取り外し時において当該支持ブラケット12が尿素供給装置50へのアクセスを阻害せずに済む。
【0046】
また、上述した実施形態による油圧ショベル1によれば、尿素配管32が尿素供給装置50の上側において機体の前後方向に配索され、グリスホース13Aが尿素供給装置50の下側において機体の前後方向に配索される。よって、尿素配管32とグリスホース13Aとが互いに干渉せずに済む。
【0047】
また、上述した実施形態による油圧ショベル1によれば、グリスホース13Aは、ポンプユニット112から出てグリス缶111の後側において余長が確保された後、尿素供給装置50の下側を通ってホースリール14へ向けて機体の前後方向に配索される。このため、グリスホース13Aに確保された余長を用いて、グリス缶111の交換時にポンプユニット112を取り外し、別の場所に預けることが可能となり、結果として、メンテナンス性が向上する。また、グリスホース13Aが尿素供給装置50の下側を通るように構成されているため、尿素供給装置50の下側のデットスペースを有効活用することができる。
【0048】
また、上述した実施形態による油圧ショベル1によれば、グリス缶111は、デッキ41においてサイドカバー82及び上面カバー83を開放した場合に脱着可能な位置に配置される。そのため、グリス缶111を容易に交換することができる。
【0049】
<3.変形例>
本発明による建設機械は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0050】
例えば、上記実施形態では、支持ブラケット12が給脂源ユニット11の後側に配置される場合を例示したが、これに限定されず、給脂源ユニット11の前側に配置されるようにしてもよい。この場合も、上記実施形態と同様に、給脂源ユニット11の取り外し時において支持ブラケット12が尿素供給装置50へのアクセスを阻害せずに済む。
【0051】
また、上記実施形態では、上面カバー83が収納ボックス8の後部上面に設けられている場合を例示したが、これに限定されない。サイドカバー82の開閉のみでグリス缶111を交換できるのであれば、上面カバー83はなくてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 油圧ショベル、2 下部走行体、3 上部旋回体、4 メインフレーム、5 キャブ
6 作業アタッチメント、7 機械室、8 収納ボックス、10 給脂装置、
11 給脂源ユニット、12 支持ブラケット、12A 底板、12B 縦板、
12C 固定部、13A,13B グリスホース、14 ホースリール、
15 グリスガン、30 尿素タンク、31 給水口、32 尿素配管、33 蓋部、
41 デッキ、50 尿素供給装置、50a フィルタ、50b キャップ、
81 フロントカバー、82 サイドカバー、83 上面カバー、111 グリス缶、
112 ポンプユニット、EL 余長、SP スペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8