(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20220517BHJP
【FI】
B65G1/00 501B
(21)【出願番号】P 2018244963
(22)【出願日】2018-12-27
【審査請求日】2020-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】清川 渉
(72)【発明者】
【氏名】植田 智昭
(72)【発明者】
【氏名】藤原 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】楠部 浩幸
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0114799(US,A1)
【文献】特開2017-202894(JP,A)
【文献】登録実用新案第3167402(JP,U)
【文献】実開平02-129313(JP,U)
【文献】特開2017-030974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送装置が設置される搬送エリアと、前記搬送装置により搬送される物品に対する作業が行われる作業エリアとが、平面視で境界部を挟んで対向するように配置された物品搬送設備であって、
平面視で前記搬送エリアと前記作業エリアとが対向する方向を対向方向、平面視で前記対向方向に直交する方向を並び方向として、
前記搬送装置には、前記並び方向に並んで配置された第1コンベヤと第2コンベヤとが含まれ、
前記対向方向に沿って前記作業エリア側から前記搬送エリア側に向かう側を対向方向第1側、前記対向方向に沿って前記搬送エリア側から前記作業エリア側に向かう側を対向方向第2側、前記並び方向に沿って前記第2コンベヤ側から前記第1コンベヤ側に向かう側を並び方向第1側、前記並び方向に沿って前記第1コンベヤ側から前記第2コンベヤ側に向かう側を並び方向第2側として、
前記第1コンベヤは、平面視で、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記並び方向第1側へ向かうと共に前記対向方向第2側へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路を形成する第1湾曲経路部を備え、
前記第2コンベヤは、平面視で、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記並び方向第2側へ向かうと共に前記対向方向第2側へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路を形成する第2湾曲経路部を備え、
前記第1湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分と、前記第2湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分とが、平面視で前記境界部に位置し
、
前記第1コンベヤは、前記第1湾曲経路部よりも前記並び方向第1側に配置され、前記第1湾曲経路部における前記並び方向第1側の端部に接続され、前記並び方向に沿う搬送経路を形成する第1並び方向経路部を備え、
前記第2コンベヤは、前記第2湾曲経路部よりも前記並び方向第2側に配置され、前記第2湾曲経路部における前記並び方向第2側の端部に接続され、前記並び方向に沿う搬送経路を形成する第2並び方向経路部を備え、
前記第1湾曲経路部は、前記第1並び方向経路部よりも前記対向方向第2側に位置するように膨出した形状とされ、
前記第2湾曲経路部は、前記第2並び方向経路部よりも前記対向方向第2側に位置するように膨出した形状とされている、物品搬送設備。
【請求項2】
前記第1並び方向経路部には、物品の搬送方向を変換する第1方向変換装置が設けられ、
前記第2並び方向経路部には、物品の搬送方向を変換する第2方向変換装置が設けられている、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記搬送装置には、前記並び方向に並んで配置された第3コンベヤと第4コンベヤとが含まれ、
前記第3コンベヤは、前記対向方向に沿う搬送経路を形成し、平面視で前記第1湾曲経路部
における前記第1並び方向経路部よりも前記対向方向第2側に膨出した部分と重複するように配置され、
前記第4コンベヤは、前記対向方向に沿う搬送経路を形成し、平面視で前記第2湾曲経路部
における前記第2並び方向経路部よりも前記対向方向第2側に膨出した部分と重複するように配置されている、請求項1
又は2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
物品を搬送する搬送装置が設置される搬送エリアと、前記搬送装置により搬送される物品に対する作業が行われる作業エリアとが、平面視で境界部を挟んで対向するように配置された物品搬送設備であって、
平面視で前記搬送エリアと前記作業エリアとが対向する方向を対向方向、平面視で前記対向方向に直交する方向を並び方向として、
前記搬送装置には、前記並び方向に並んで配置された第1コンベヤと第2コンベヤとが含まれ、
前記対向方向に沿って前記作業エリア側から前記搬送エリア側に向かう側を対向方向第1側、前記対向方向に沿って前記搬送エリア側から前記作業エリア側に向かう側を対向方向第2側、前記並び方向に沿って前記第2コンベヤ側から前記第1コンベヤ側に向かう側を並び方向第1側、前記並び方向に沿って前記第1コンベヤ側から前記第2コンベヤ側に向かう側を並び方向第2側として、
前記第1コンベヤは、平面視で、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記並び方向第1側へ向かうと共に前記対向方向第2側へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路を形成する第1湾曲経路部を備え、
前記第2コンベヤは、平面視で、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記並び方向第2側へ向かうと共に前記対向方向第2側へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路を形成する第2湾曲経路部を備え、
前記第1湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分と、前記第2湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分とが、平面視で前記境界部に位置し
、
前記搬送装置には、前記並び方向に並んで配置された第3コンベヤと第4コンベヤとが含まれ、
前記第3コンベヤは、前記対向方向に沿うと共に前記並び方向に並ぶ複数の搬送経路を形成し、平面視で前記第1湾曲経路部と重複するように配置され、
前記第4コンベヤは、前記対向方向に沿うと共に前記並び方向に並ぶ複数の搬送経路を形成し、平面視で前記第2湾曲経路部と重複するように配置され、
前記第3コンベヤにおける前記対向方向第2側の端部が、前記第1湾曲経路部よりも前記対向方向第2側に配置され、前記第4コンベヤにおける前記対向方向第2側の端部が、前記第2湾曲経路部よりも前記対向方向第2側に配置されている、物品搬送設備。
【請求項5】
前記第1コンベヤは、前記第1湾曲経路部よりも前記並び方向第1側に配置され、前記第1湾曲経路部における前記並び方向第1側の端部に接続され、前記並び方向に沿う搬送経路を形成する第1並び方向経路部を備え、
前記第2コンベヤは、前記第2湾曲経路部よりも前記並び方向第2側に配置され、前記第2湾曲経路部における前記並び方向第2側の端部に接続され、前記並び方向に沿う搬送経路を形成する第2並び方向経路部を備えている、請求項
4に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記第1コンベヤは、搬送される物品が載置される第1搬送面を有し、
前記第2コンベヤは、搬送される物品が載置される第2搬送面を有し、
前記第1湾曲経路部では、湾曲の外縁部分が湾曲の内縁部分よりも下方に位置するように前記第1搬送面が傾斜し、
前記第2湾曲経路部では、湾曲の外縁部分が湾曲の内縁部分よりも下方に位置するように前記第2搬送面が傾斜している、請求項1
から5のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項7】
前記第1搬送面の全体が、前記対向方向第2側へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した第1基準平面に沿って配置されており、
前記第2搬送面の全体が、前記対向方向第2側へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した第2基準平面に沿って配置されている、請求項
6に記載の物品搬送設備。
【請求項8】
前記第1湾曲経路部は、平面視で前記境界部に位置している部分を含む第1中間部と、前記第1中間部よりも前記並び方向第2側の部分である第1内側部と、前記第1中間部よりも前記並び方向第1側の部分である第1外側部と、を有し、前記第1中間部は、前記第1内側部及び前記第1外側部よりも前記対向方向第2側に位置するように膨出した形状とされ、
前記第2湾曲経路部は、平面視で前記境界部に位置している部分を含む第2中間部と、前記第2中間部よりも前記並び方向第1側の部分である第2内側部と、前記第2中間部よりも前記並び方向第2側の部分である第2外側部と、を有し、前記第2中間部は、前記第2内側部及び前記第2外側部よりも前記対向方向第2側に位置するように膨出した形状とされている、請求項1から
7のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項9】
前記第1コンベヤは、前記第1湾曲経路部よりも前記対向方向第1側に配置され、前記第1湾曲経路部における前記対向方向第1側の端部に接続され、前記対向方向に沿う搬送経路を形成する第1対向方向経路部を備え、
前記第2コンベヤは、前記第2湾曲経路部よりも前記対向方向第1側に配置され、前記第2湾曲経路部における前記対向方向第1側の端部に接続され、前記対向方向に沿う搬送経路を形成する第2対向方向経路部を備え、
前記第1対向方向経路部と前記第2対向方向経路部とが、互いに平行に隣接して配置されている、請求項1から
8のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項10】
前記搬送装置の作動を制御する搬送制御部を備え、
前記搬送制御部は、
前記第1コンベヤにより搬送される物品が前記第1湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分に対応する位置に停止するように、前記第1コンベヤを間欠作動させ、
前記第2コンベヤにより搬送される物品が前記第2湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分に対応する位置に停止するように、前記第2コンベヤを間欠作動させる、請求項1から
9のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項11】
前記第1コンベヤは、前記対向方向第1側から前記並び方向第1側へ向けて物品を搬送するように構成され、
前記第2コンベヤは、前記対向方向第1側から前記並び方向第2側へ向けて物品を搬送するように構成されている、請求項1から
10のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する搬送装置が設置される搬送エリアと、前記搬送装置により搬送される物品に対する作業が行われる作業エリアとが、平面視で境界部を挟んで対向するように配置された物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
このような物品搬送設備が、例えば特開昭63-282005号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に付す符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1の設備では、2つの搬送経路(4A)、(4B)のそれぞれに隣接して、ピッキング作業が行われる作業位置としてのピッキング作業場(5A)、(5B)が設定されている。このような設備において、例えば、2つの搬送経路(4A)、(4B)を近づけて配置することで、2つのピッキング作業場(5A)、(5B)を互いに近づけて配置することができれば、作業量が少ない場合等において、2つの作業位置(作業場(5A)、(5B))に対して1人の作業者で作業を行うことも可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、2つの搬送経路のそれぞれにおいて搬送方向の変換が行われるコーナー部には、いわゆるトランサーと呼ばれる方向変換装置が設けられることが多い。この方向変換装置は、構造上複雑となり易く、幅方向及び上下方向に大型化し易い。そのため、2つの搬送経路を近づけて配置することが難しく、2つの搬送経路のそれぞれに対応して設定される作業位置同士を互いに近づけて配置することも容易ではなかった。
【0006】
上記実状に鑑みて、2つの搬送経路のそれぞれに対応して設定される作業位置同士を互いに近づけて配置することが可能な物品搬送設備の実現が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る物品搬送設備は、
物品を搬送する搬送装置が設置される搬送エリアと、前記搬送装置により搬送される物品に対する作業が行われる作業エリアとが、平面視で境界部を挟んで対向するように配置された物品搬送設備であって、
平面視で前記搬送エリアと前記作業エリアとが対向する方向を対向方向、平面視で前記対向方向に直交する方向を並び方向として、
前記搬送装置には、前記並び方向に並んで配置された第1コンベヤと第2コンベヤとが含まれ、
前記対向方向に沿って前記作業エリア側から前記搬送エリア側に向かう側を対向方向第1側、前記対向方向に沿って前記搬送エリア側から前記作業エリア側に向かう側を対向方向第2側、前記並び方向に沿って前記第2コンベヤ側から前記第1コンベヤ側に向かう側を並び方向第1側、前記並び方向に沿って前記第1コンベヤ側から前記第2コンベヤ側に向かう側を並び方向第2側として、
前記第1コンベヤは、平面視で、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記並び方向第1側へ向かうと共に前記対向方向第2側へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路を形成する第1湾曲経路部を備え、
前記第2コンベヤは、平面視で、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記並び方向第2側へ向かうと共に前記対向方向第2側へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路を形成する第2湾曲経路部を備え、
前記第1湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分と、前記第2湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分とが、平面視で前記境界部に位置し、
前記第1コンベヤは、前記第1湾曲経路部よりも前記並び方向第1側に配置され、前記第1湾曲経路部における前記並び方向第1側の端部に接続され、前記並び方向に沿う搬送経路を形成する第1並び方向経路部を備え、
前記第2コンベヤは、前記第2湾曲経路部よりも前記並び方向第2側に配置され、前記第2湾曲経路部における前記並び方向第2側の端部に接続され、前記並び方向に沿う搬送経路を形成する第2並び方向経路部を備え、
前記第1湾曲経路部は、前記第1並び方向経路部よりも前記対向方向第2側に位置するように膨出した形状とされ、
前記第2湾曲経路部は、前記第2並び方向経路部よりも前記対向方向第2側に位置するように膨出した形状とされている。
【0008】
本構成によれば、第1湾曲経路部及び第2湾曲経路部によって、搬送方向を次第に変更しつつ物品を搬送することができるため、従来のように物品の搬送方向を変換するための方向変換装置を当該場所に設ける場合に比べて、搬送装置の幅方向及び上下方向の小型化を図り易い。従って本構成によれば、第1コンベヤと第2コンベヤとを並び方向に互いに近づけて配置することができ、第1コンベヤにより搬送される物品に対する作業を行う作業位置と、第2コンベヤにより搬送される物品に対する作業を行う作業位置とを互いに近づけて配置することができる。よって、2つの搬送経路における物品の搬送量や作業量に応じて、2つの搬送経路の夫々に対して別の作業者又は作業装置により作業を行う場合と、2つの搬送経路に対して1人の作業者又は1つの作業装置で作業を行う場合との使い分けも可能となる。更には、2つの搬送経路を有する物品搬送設備の設置スペースの小型化を図ることも可能となる。
また、本構成によれば、第1並び方向経路部と第2並び方向経路部との双方が、並び方向に沿う経路を形成しているため、これに対応して、並び方向に沿って作業エリアを拡大し易い。
【0009】
本開示に係る他の物品搬送設備は、
物品を搬送する搬送装置が設置される搬送エリアと、前記搬送装置により搬送される物品に対する作業が行われる作業エリアとが、平面視で境界部を挟んで対向するように配置された物品搬送設備であって、
平面視で前記搬送エリアと前記作業エリアとが対向する方向を対向方向、平面視で前記対向方向に直交する方向を並び方向として、
前記搬送装置には、前記並び方向に並んで配置された第1コンベヤと第2コンベヤとが含まれ、
前記対向方向に沿って前記作業エリア側から前記搬送エリア側に向かう側を対向方向第1側、前記対向方向に沿って前記搬送エリア側から前記作業エリア側に向かう側を対向方向第2側、前記並び方向に沿って前記第2コンベヤ側から前記第1コンベヤ側に向かう側を並び方向第1側、前記並び方向に沿って前記第1コンベヤ側から前記第2コンベヤ側に向かう側を並び方向第2側として、
前記第1コンベヤは、平面視で、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記並び方向第1側へ向かうと共に前記対向方向第2側へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路を形成する第1湾曲経路部を備え、
前記第2コンベヤは、平面視で、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記並び方向第2側へ向かうと共に前記対向方向第2側へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路を形成する第2湾曲経路部を備え、
前記第1湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分と、前記第2湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分とが、平面視で前記境界部に位置し、
前記搬送装置には、前記並び方向に並んで配置された第3コンベヤと第4コンベヤとが含まれ、
前記第3コンベヤは、前記対向方向に沿うと共に前記並び方向に並ぶ複数の搬送経路を形成し、平面視で前記第1湾曲経路部と重複するように配置され、
前記第4コンベヤは、前記対向方向に沿うと共に前記並び方向に並ぶ複数の搬送経路を形成し、平面視で前記第2湾曲経路部と重複するように配置され、
前記第3コンベヤにおける前記対向方向第2側の端部が、前記第1湾曲経路部よりも前記対向方向第2側に配置され、前記第4コンベヤにおける前記対向方向第2側の端部が、前記第2湾曲経路部よりも前記対向方向第2側に配置されている。
【0010】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図4】搬送される物品が載置される搬送面を模式的に示す説明図
【
図8】その他の実施形態に係る物品搬送設備の要部を模式的に示す平面図
【
図9】その他の実施形態に係る物品搬送設備の要部を模式的に示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.第1実施形態
第1実施形態に係る物品搬送設備について図面を参照して説明する。以下、物品搬送設備がピッキング設備に適用される場合を例示して説明する。
【0013】
〔物品搬送設備の概略構成〕
物品搬送設備Fの概略構成について
図1を参照して説明する。
【0014】
物品搬送設備Fは、収容物9aを収容可能な収容容器9を保管する自動倉庫1と、収容容器9に収容された収容物9aの取り出し作業が行われるピッキング作業場2と、複数の収容物9aを集める集品作業が行われる集品作業場3と、これら自動倉庫1とピッキング作業場2と集品作業場3とを繋ぐ搬送経路Rに沿って収容容器9又は収容物9aを搬送する搬送装置Tと、搬送装置Tの作動を制御する搬送制御部Cと、を備えている。本実施形態では、収容容器9が「物品」に相当する。但し、これに限定されることなく、収容物9aが「物品」とされていてもよいし、収容容器9及び収容物9aの双方が「物品」とされていてもよい。
【0015】
自動倉庫1には、当該自動倉庫1から出庫される収容容器9を搬送する出庫コンベヤ70と、当該自動倉庫1へ入庫される収容容器9を搬送する入庫コンベヤ80と、が連結されている。自動倉庫1から出庫された収容容器9は、複数の収容物9aを収容した状態で出庫コンベヤ70によって搬送され、その搬送方向の下流側において、出庫コンベヤ70から分岐する第1コンベヤ10又は第2コンベヤ20によって搬送される。
【0016】
第1コンベヤ10及び第2コンベヤ20のそれぞれは、ピッキング作業場2へ収容容器9を搬送する。ピッキング作業場2では、種類や出荷先などの特定情報に基づいて指定された収容物9aを収容容器9から取り出す作業が行われる。第1コンベヤ10によって搬送される収容容器9から取り出された収容物9aは、第3コンベヤ30が備える複数(図示の例では3つ)の搬送経路Rのうち種類や出荷先などの特定情報に基づいて指定された搬送経路R上に載置されて、当該第3コンベヤ30によって搬送される。また、第2コンベヤ20によって搬送される収容容器9から取り出された収容物9aは、第4コンベヤ40が備える複数(図示の例では3つ)の搬送経路Rのうち種類や出荷先などの特定情報に基づいて指定された搬送経路R上に載置されて、当該第4コンベヤ40によって搬送される。
【0017】
本実施形態では、ピッキング作業場2における作業は、作業者Wによって行われる。ピッキング作業場2における作業者Wの人数は、収容容器9(物品)の搬送量や作業量等に応じて任意に定めることができる。図示の例では、ピッキング作業場2において2人の作業者Wが作業を行っている。なお、上記のような構成に限定されることなく、ピッキング作業場2における作業は、ロボット(ピッキングロボット)等により自動で行われてもよい。この場合にも、ピッキング作業場2におけるピッキングロボットの配置数は、収容容器9(物品)の搬送量や作業量等に応じて任意に定めることができる。
【0018】
ピッキング作業場2において収容容器9から取り出された収容物9aは、第3コンベヤ30又は第4コンベヤ40によって、第3コンベヤ30及び第4コンベヤ40の双方が合流する第1集品コンベヤ50に搬送される。
【0019】
第1集品コンベヤ50では、複数の収容物9aが、種類や出荷先などの特定情報に基づいて設定される設定グループ毎にまとまった状態で搬送される。説明を加えると、第1集品コンベヤ50は、1つの設定グループを形成する複数の収容物9aの間隔が比較的狭い状態で、かつ、他の設定グループ同士の間隔が比較的広い状態となるように、当該第1集品コンベヤ50に載置される複数の収容物9aを搬送する。詳細な説明は省略するが、このような設定グループ毎の搬送を実現するため、第3コンベヤ30又は第4コンベヤ40は、設定グループ毎に対応した所定のタイミングで、第1集品コンベヤ50に収容物9aを移すように構成されている。
【0020】
第1集品コンベヤ50は、設定グループ毎に、複数の収容物9aを集品作業場3に搬送する。集品作業場3では、収容物9aを設定グループ毎に集品する作業が行われる。具体的には、1つの設定グループに属する複数の収容物9aを1つの集品容器90に投入する作業が行われる。集品容器90に投入された複数の収容物9aは、第2集品コンベヤ60によって次の処理が行われる場所へと搬送され、最終的には出荷される。
【0021】
本実施形態では、集品作業場3における作業は、自動投入装置によって自動で行われる。但し、このような構成に限定されることなく、集品作業場3における作業は、作業者Wによって行われてもよい。この場合、集品作業場3における作業者Wの人数は、収容物9aの搬送量や作業量等に応じて任意に定めることができる。
【0022】
なお、ピッキング作業場2において収容物9aが取り出された収容容器9(例えば空になった収容容器9)は、入庫コンベヤ80によって自動倉庫1に搬送される。
【0023】
図1に示すように、物品搬送設備Fでは、収容容器9を搬送する搬送装置Tが設置される搬送エリアTAと、搬送装置Tにより搬送される収容容器9に対する作業が行われる作業エリアWAとが、平面視で境界部BAを挟んで対向するように配置されている。本実施形態では、作業エリアWAには、ピッキング作業場2が設置されている。以下、物品搬送設備Fの各部および物品搬送設備Fに備えられる各装置の構成について詳細に説明する。
【0024】
なお、以下の説明では、平面視で搬送エリアTAと作業エリアWAとが対向する方向を対向方向Xとし、対向方向Xに沿って作業エリアWA側から搬送エリアTA側に向かう側を対向方向第1側X1とし、対向方向Xに沿って搬送エリアTA側から作業エリアWA側に向かう側を対向方向第2側X2とする。また、平面視で対向方向Xに直交する方向を並び方向Yとし、並び方向Yに沿って第2コンベヤ20側から第1コンベヤ10側に向かう側を並び方向第1側Y1とし、並び方向Yに沿って第1コンベヤ10側から第2コンベヤ20側に向かう側を並び方向第2側Y2とする。本明細書では、各部材についての寸法、配置方向、配置位置等に関する用語は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態をも含む概念として用いるものとする。
【0025】
〔搬送装置〕
搬送装置Tについて、
図1~
図3を参照して説明する。搬送装置Tには、並び方向Yに並んで配置された第1コンベヤ10と第2コンベヤ20とが含まれる。本実施形態では、第1コンベヤ10及び第2コンベヤ20は、ローラコンベヤにより構成されている(
図2参照)。但し、このような構成に限定されることなく、第1コンベヤ10及び第2コンベヤ20としては、ベルトコンベヤ、チェーンコンベヤ、或いはその他の公知のコンベヤを用いることができる。また、第1コンベヤ10と第2コンベヤ20とが、同構造のコンベヤである必要はない。なお、
図2では、第1コンベヤ10及び第2コンベヤ20を構成するローラ部分など、各装置等の細部の構成を図示している。一方、
図2以外の図では、煩雑さを避けるため、そのような細部の構成の図示を省略している。
【0026】
また、本実施形態では、搬送装置Tには、並び方向Yに並んで配置された第3コンベヤ30と第4コンベヤ40とが含まれている。更に本例では、搬送装置Tには、自動倉庫1に連結される出庫コンベヤ70と入庫コンベヤ80とが含まれている。これらのコンベヤについても、上記同様に、ベルトコンベヤ、チェーンコンベヤ、或いはその他の公知のコンベヤを用いることができる。
【0027】
〔第1コンベヤ〕
図3に示すように、第1コンベヤ10は、平面視で、対向方向第2側X2へ向かうに従って並び方向第1側Y1へ向かうと共に対向方向第2側X2へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路Rを形成する第1湾曲経路部11を備えている。図示の例では、第1湾曲経路部11は、円弧状に湾曲した搬送経路Rを形成している。
また本実施形態では、第1コンベヤ10は、第1湾曲経路部11よりも対向方向第1側X1に配置され、第1湾曲経路部11における対向方向第1側X1の端部に接続され、対向方向Xに沿う搬送経路Rを形成する第1対向方向経路部12を備えている。更に、第1コンベヤ10は、第1湾曲経路部11よりも並び方向第1側Y1に配置され、第1湾曲経路部11における並び方向第1側Y1の端部に接続され、並び方向Yに沿う搬送経路Rを形成する第1並び方向経路部13も備えている。本実施形態では、第1対向方向経路部12と第1並び方向経路部13とのそれぞれが、第1湾曲経路部11に接続されることで、第1対向方向経路部12と第1湾曲経路部11と第1並び方向経路部13とが、1つの搬送経路Rを形成している。そして本例では、第1コンベヤ10は、対向方向第1側X1から並び方向第1側Y1へ向けて収容容器9(
図1等参照)を搬送するように構成されている。但し、このような構成に限定されることなく、第1コンベヤ10は、上記とは反対方向、すなわち、並び方向第1側Y1から対向方向第1側X1へ向けて収容容器9を搬送するように構成されていてもよい。
【0028】
図3に示すように、第1湾曲経路部11における最も対向方向第2側X2の部分が、平面視で境界部BAに位置している。ここで、「境界部BA」とは、作業エリアWAと搬送エリアTAとの境界部分である。本例では、「境界部BA」は、並び方向Yに広がると共に対向方向Xにも一定の幅を有する仮想領域としている(
図3において仮想線で示される領域)。例えば、当該境界部BAの並び方向Yの長さは、作業エリアWAの並び方向Yの長さに対応し、当該境界部BAの対向方向Xの長さ(幅)は、作業エリアWAで作業する作業者Wの手の長さに対応している。
【0029】
本実施形態では、第1湾曲経路部11は、平面視で境界部BAに位置している部分を含む第1中間部11aと、第1中間部11aよりも並び方向第2側Y2の部分である第1内側部11bと、第1中間部11aよりも並び方向第1側Y1の部分である第1外側部11cと、を有している。第1内側部11bと第1中間部11aと第1外側部11cとは、搬送方向に沿って連続して形成されている。第1内側部11bは、第1中間部11aの側とは反対側において第1対向方向経路部12に接続されている。第1外側部11cは、第1中間部11aの側とは反対側において第1並び方向経路部13に接続されている。
【0030】
本実施形態では、第1中間部11aは、第1内側部11b及び第1外側部11cよりも対向方向第2側X2に位置するように膨出した形状とされている。換言すれば、第1中間部11aは、平面視で対向方向第2側X2に膨出する湾曲状に形成されている。そして、第1中間部11aにおける湾曲の外縁部分が、第1湾曲経路部11における最も対向方向第2側X2に配置されており、図示の例では、少なくとも当該外縁部分が、境界部BAに位置している。本実施形態では、作業エリアWAにおける第1中間部11aに最も近い位置、より詳細には、第1中間部11aにおける湾曲の外縁部分に最も近い位置が、作業位置WPとされる。
【0031】
本実施形態では、第1対向方向経路部12は、対向方向Xに沿って直線状に延在している。そして、第1対向方向経路部12は、後述する第2対向方向経路部22と、互いに平行に隣接して配置されている。但し、上記のような構成に限定されることなく、第1対向方向経路部12は、対向方向Xに対して傾斜する方向に延在していてもよいし、平面視で湾曲形状(例えば緩やかな湾曲形状)に形成されていてもよい。
【0032】
図2に示すように、本実施形態では、第1並び方向経路部13には、収容容器9(物品:
図1等参照)の搬送方向を変換する第1方向変換装置14(いわゆるトランサー)が設けられている。本例では、第1方向変換装置14によって収容容器9の搬送方向が90°変換される。第1並び方向経路部13上を並び方向Yに沿って搬送された収容容器9は、第1方向変換装置14によってその搬送方向が90°変換されて、対向方向Xに沿って搬送される。
図1に示すように、その後、収容容器9は、対向方向Xに沿って(対向方向第1側X1へ向かって)入庫コンベヤ80まで搬送され、当該入庫コンベヤ80によって自動倉庫1へ搬送される。
【0033】
〔第2コンベヤ〕
図3に示すように、第2コンベヤ20は、平面視で、対向方向第2側X2へ向かうに従って並び方向第2側Y2へ向かうと共に対向方向第2側X2へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路Rを形成する第2湾曲経路部21を備えている。図示の例では、第2湾曲経路部21は、円弧状に湾曲した搬送経路Rを形成している。
また本実施形態では、第2コンベヤ20は、第2湾曲経路部21よりも対向方向第1側X1に配置され、第2湾曲経路部21における対向方向第1側X1の端部に接続され、対向方向Xに沿う搬送経路Rを形成する第2対向方向経路部22を備えている。更に、第2コンベヤ20は、第2湾曲経路部21よりも並び方向第2側Y2に配置され、第2湾曲経路部21における並び方向第2側Y2の端部に接続され、並び方向Yに沿う搬送経路Rを形成する第2並び方向経路部23も備えている。本実施形態では、第2対向方向経路部22と第2並び方向経路部23とのそれぞれが、第2湾曲経路部21に接続されることで、第2対向方向経路部22と第2湾曲経路部21と第2並び方向経路部23とが、1つの搬送経路Rを形成している。そして本例では、第2コンベヤ20は、対向方向第1側X1から並び方向第2側Y2へ向けて収容容器9(
図1等参照)を搬送するように構成されている。但し、このような構成に限定されることなく、第2コンベヤ20は、上記とは反対方向、すなわち、並び方向第2側Y2から対向方向第1側X1へ向けて収容容器9を搬送するように構成されていてもよい。
【0034】
図3に示すように、第2湾曲経路部21における最も対向方向第2側X2の部分が、平面視で境界部BAに位置している。上述のように、本例では、境界部BAの並び方向Yの長さは、作業エリアWAの並び方向Yの長さに対応し、境界部BAの対向方向Xの長さ(幅)は、作業エリアWAで作業する作業者Wの手長さに対応している。
【0035】
本実施形態では、第2湾曲経路部21は、平面視で境界部BAに位置している部分を含む第2中間部21aと、第2中間部21aよりも並び方向第1側Y1の部分である第2内側部21bと、第2中間部21aよりも並び方向第2側Y2の部分である第2外側部21cと、を有している。第2内側部21bと第2中間部21aと第2外側部21cとは、搬送方向に沿って連続して形成されている。第2内側部21bは、第2中間部21aの側とは反対側において第2対向方向経路部22に接続されている。第2外側部21cは、第2中間部21aの側とは反対側において第2並び方向経路部23に接続されている。
【0036】
本実施形態では、第2中間部21aは、第2内側部21b及び第2外側部21cよりも対向方向第2側X2に位置するように膨出した形状とされている。換言すれば、第2中間部21aは、平面視で対向方向第2側X2に膨出する湾曲状に形成されている。そして、第2中間部21aにおける湾曲の外縁部分が、第2湾曲経路部21における最も対向方向第2側X2に配置されており、図示の例では、少なくとも当該外縁部分が、境界部BAに位置している。本実施形態では、作業エリアWAにおける第2中間部21aに最も近い位置、より詳細には、第2中間部21aにおける湾曲の外縁部分に最も近い位置が、作業位置WPとされる。
【0037】
本実施形態では、第2対向方向経路部22は、対向方向Xに沿って直線状に延在している。そして、第2対向方向経路部22は、上述の第1対向方向経路部12と、互いに平行に隣接して配置されている。但し、上記のような構成に限定されることなく、第2対向方向経路部22は、対向方向Xに対して傾斜する方向に延在していてもよいし、平面視で湾曲形状(例えば緩やかな湾曲形状)に形成されていてもよい。
【0038】
図2に示すように、本実施形態では、第2並び方向経路部23には、収容容器9(物品:
図1等参照)の搬送方向を変換する第2方向変換装置24(いわゆるトランサー)が設けられている。本例では、第2方向変換装置24によって収容容器9の搬送方向が90°変換される。第2並び方向経路部23上を並び方向Yに沿って搬送された収容容器9は、第2方向変換装置24によってその搬送方向が90°変換されて、対向方向Xに沿って搬送される。
図1に示すように、その後、収容容器9は、対向方向Xに沿って(対向方向第1側X1へ向かって)入庫コンベヤ80まで搬送され、当該入庫コンベヤ80によって自動倉庫1へ搬送される。
【0039】
本実施形態では、第2コンベヤ20と第1コンベヤ10とは、少なくとも、その主要部分が互いに同構造とされ、平面視において互いに鏡対称となるように配置されている。
【0040】
〔搬送面〕
図4は、搬送される収容容器9が載置される搬送面を模式的に示す説明図であり、並び方向Yに沿う並び方向視における第1コンベヤ10及び第2コンベヤ20を模式的に示している。
【0041】
図4に示すように、本実施形態では、第1コンベヤ10は、搬送される収容容器9が載置される第1搬送面10Fを有している。第2コンベヤ20は、搬送される収容容器9が載置される第2搬送面20Fを有している。ここで、「第1搬送面10F」は、収容容器9が第1コンベヤ10によって搬送されている際における当該収容容器9の底面に沿う仮想面(仮想平面)である。例えば本例のように、第1コンベヤ10がローラコンベヤによって構成されている場合、「第1搬送面10F」は、コンベヤを構成する複数のローラの上端を繋いで形成される仮想平面である。そして、「第2搬送面20F」についても、第1搬送面10Fと同様に定義することができる。
【0042】
第1湾曲経路部11における第1搬送面10Fは、作業位置WPにおいて作業する作業者Wの目線よりも下方に配置される。この場合の作業者Wの目線の高さは、一般的な成人男性(例えば170センチメートル程度)を基準として定めてもよいし、設備の従業員の平均身長を基準として定めてもよい。また、作業位置WPにおいて、例えば作業台に上がった状態や椅子などに座った状態で作業を行う場合には、それらの状態を基準に、作業者Wの目線の高さを定めてもよい。これにより、第1湾曲経路部11における第1搬送面10Fの上に載置される収容容器9(物品)に対して、作業が行い易くなる。
【0043】
本実施形態では、第1湾曲経路部11では、湾曲の外縁部分が湾曲の内縁部分よりも下方に位置するように第1搬送面10Fが傾斜している(
図2も参照)。図示の例では、第1中間部11aにおける湾曲の外縁部分が、湾曲の内縁部分よりも下方に配置されている。このような構成を実現するため、本例では、第1搬送面10Fの全体が、対向方向第2側X2へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した第1基準平面SF1に沿って配置されている。ここで、「第1基準平面SF1」は、仮想平面であり、例えば水平面に対して5°~40°の範囲、好ましくは10°~30°の範囲で傾斜しているとよい。第1湾曲経路部11における第1搬送面10Fが傾斜していることで、収容容器9の上面部9uが、作業位置WPで作業をする作業者Wの側に向き、更に作業が行い易くなる。この構成によれば、本実施形態のように、収容容器9の上面部9uが開口する構成であると共に、作業エリアWAにおける作業が収容容器9の開口から収容物9a(
図1参照)を取り出す作業である場合にも好適である。
【0044】
第2湾曲経路部21における第2搬送面20Fは、第1搬送面10Fと同様に、作業位置WPにおいて作業する作業者Wの目線よりも下方に配置される。これにより、第2湾曲経路部21における第2搬送面20Fの上に載置される収容容器9(物品)に対して、作業が行い易くなる。なお、本実施形態では、第2搬送面20Fと第1搬送面10Fとが、対向方向Xにおける各位置において同じ高さとなるように配置されている。但し、これには限定されず、第2搬送面20Fと第1搬送面10Fとが、対向方向Xにおける各位置において異なる高さとなるように配置されていてもよい。
【0045】
本実施形態では、第2湾曲経路部21では、湾曲の外縁部分が湾曲の内縁部分よりも下方に位置するように第2搬送面20Fが傾斜している(
図2も参照)。図示の例では、第2中間部21aにおける湾曲の外縁部分が、湾曲の内縁部分よりも下方に配置されている。このような構成を実現するため、本例では、第2搬送面20Fの全体が、対向方向第2側X2へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した第2基準平面SF2に沿って配置されている。ここで、「第2基準平面SF2」は、仮想平面であり、例えば水平面に対して5°~40°の範囲、好ましくは10°~30°の範囲で傾斜しているとよい。なお、本実施形態では、第2搬送面20Fと第1搬送面10Fとが、同じ傾斜角度となるように配置されている。第2湾曲経路部21における第2搬送面20Fが傾斜していることで、収容容器9の上面部9uが、作業位置WPで作業をする作業者Wの側に向き、更に作業が行い易くなる。なお、第2搬送面20Fと第1搬送面10Fとが、異なる傾斜角度となるように配置されていてもよい。
【0046】
以上説明したように、この物品搬送設備Fでは、第1湾曲経路部11及び第2湾曲経路部21によって、作業位置WPの手前(対向方向第1側X1)において収容容器9の搬送方向を変換している。この構成によれば、作業位置WPでの搬送方向の変換を行うのに
図2及び
図5等に示す第1方向変換装置14や第2方向変換装置24を用いる場合に比べて、作業位置WPの周囲において上下方向にスペースを確保し易くなる。本実施形態では、そのような上下方向のスペースを利用して、第3コンベヤ30及び第4コンベヤ40を配置している。
【0047】
〔第3コンベヤ、第4コンベヤ〕
図3に示すように、第3コンベヤ30は、対向方向Xに沿う搬送経路Rを形成し、平面視で第1湾曲経路部11と重複するように配置されている。
図5に示すように、本実施形態では、第3コンベヤ30は、第1湾曲経路部11の下方に配置されている。この構成によれば、第1湾曲経路部11上の収容容器9から収容物9aを取り出して、当該収容物9aを第3コンベヤ30に載せる作業が作業エリアWAにおいて行われる場合に、収容物9aを下方に移動させることになるため、重力を利用して当該作業の負荷を軽減することができる。但し、上記のような構成に限定されることなく、第3コンベヤ30は、第1湾曲経路部11の上方に配置されていてもよい。なお、図示の例では、第3コンベヤ30は、並び方向Yに並ぶ複数の搬送経路R(3つの搬送経路R)を有している。上述のように、作業者Wは、第1コンベヤ10によって搬送される収容容器9から収容物9aを取り出し、第3コンベヤ30が備える複数の搬送経路Rのうち種類や出荷先などの特定情報に基づいて指定された搬送経路R上に載置する。
【0048】
図3に示すように、第4コンベヤ40は、対向方向Xに沿う搬送経路Rを形成し、平面視で第2湾曲経路部21と重複するように配置されている。
図5に示すように、本実施形態では、第4コンベヤ40は、第3コンベヤ30と同様に、第2湾曲経路部21の下方に配置されている。但し、上記のような構成に限定されることなく、第4コンベヤ40は、第2湾曲経路部21の上方に配置されていてもよい。なお、図示の例では、第4コンベヤ40は、並び方向Yに並ぶ複数の搬送経路R(3つの搬送経路R)を有している。上述のように、作業者Wは、第2コンベヤ20によって搬送される収容容器9から収容物9aを取り出し、第4コンベヤ40が備える複数の搬送経路Rのうち種類や出荷先などの特定情報に基づいて指定された搬送経路R上に載置する。
【0049】
〔搬送装置の動作〕
次に、搬送装置Tの動作、詳細には、第1コンベヤ10及び第2コンベヤ20の動作について、
図6を参照して説明する。なお、
図6は、第1コンベヤ10及び第2コンベヤ20のうち、第1コンベヤ10側の構成を示している。本実施形態では、第1コンベヤ10と第2コンベヤ20とは同様の動作を行うものである。そのため以下では、
図6を参照して、第1コンベヤ10の動作について説明すると共に、第2コンベヤ20の動作については第2コンベヤ20側の構成の図示を省略した状態で説明する。
【0050】
上述のように、物品搬送設備Fは、搬送装置Tの作動を制御する搬送制御部Cを備えている。搬送制御部Cは、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアと、コンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムと、の協働により、各機能が実現される。
【0051】
図6に示すように、本実施形態では、搬送制御部Cは、第1コンベヤ10(第2コンベヤ20)により搬送される収容容器9が第1湾曲経路部11(第2湾曲経路部21)における最も対向方向第2側X2の部分に対応する位置に停止するように、第1コンベヤ10(第2コンベヤ20)を間欠作動させる。本例では、搬送制御部Cは、収容容器9が第1中間部11a(第2中間部21a)において停止するように、第1コンベヤ10(第2コンベヤ20)を間欠作動させる。
【0052】
第1中間部11a(第2中間部21a)において停止した収容容器9は、少なくともその一部が境界部BAに入り、作業者Wの手の届く範囲に配置される。ここで、上述のように、第1中間部11a(第2中間部21a)は、第1内側部11b(第2内側部21b)及び第1外側部11c(第2外側部21c)よりも対向方向第2側X2に位置するように膨出した形状とされている。換言すれば、第1内側部11b(第2内側部21b)及び第1外側部11c(第2外側部21c)は、第1中間部11a(第2中間部21a)よりも作業者Wから遠い対向方向第1側X1に配置されることになる。これにより、第1中間部11a(第2中間部21a)において停止した収容容器9が作業者Wの手の届く範囲に配置される一方で、当該収容容器9よりも搬送方向の上流側にある他の収容容器9(次に作業が行われる収容容器9)は、第1内側部11b(第2内側部21b)又はその周囲に配置されて、作業者Wの手の届かない範囲に配置される。このような構成により、作業エリアWAにおける作業を、作業位置WP(第1中間部11a又は第2中間部21aに対応する位置)においてのみ行うように作業者Wに促すことができる。その結果、第1コンベヤ10(第2コンベヤ20)が停止した状態で、例えば、作業者Wが作業位置WPよりも搬送方向の上流側にある他の収容容器9を手元に引き寄せるなどの不適切な作業が行われる可能性を低減できる。
【0053】
〔作業者数の調整〕
本実施形態の構成によれば、第1コンベヤ10と第2コンベヤ20とを並び方向に互いに近づけて配置することができ、第1コンベヤ10により搬送される物品に対する作業を行う作業位置と、第2コンベヤ20により搬送される物品に対する作業を行う作業位置とを互いに近づけて配置することができる。これにより、第1コンベヤ10と第2コンベヤ20とのそれぞれにおける収容容器9の搬送量や作業量に応じて、作業者の数を調整して作業を行うことが容易となっている。すなわち、収容容器9の搬送量や作業量が多い場合には、
図3に示すように、第1コンベヤ10と第2コンベヤ20とのそれぞれに対して別の作業者Wにより作業を行うことができる。一方、収容容器9の搬送量や作業量が比較的少ない場合には、
図7に示すように、第1コンベヤ10と第2コンベヤ20との双方に対して1人の作業者Wで作業を行うことができる。このように、作業量等に応じて作業者Wの人数を調整することにより、物品搬送設備Fを効率的に利用することが可能となる。
【0054】
2.その他の実施形態
次に、物品搬送設備のその他の実施形態について説明する。
【0055】
(1)上記の実施形態では、第1コンベヤ10(第2コンベヤ20)が、並び方向Yに沿う搬送経路Rを形成する第1並び方向経路部13(第2並び方向経路部23)を備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1コンベヤ10(第2コンベヤ20)が第1並び方向経路部13(第2並び方向経路部23)を備えない構成としてもよい。この場合、例えば
図8に示すように、第1湾曲経路部111(第2湾曲経路部121)は、対向方向第2側X2に凸となる半円弧状に形成されていてもよい。
このような構成により、対向方向第1側X1から作業エリアWAに搬送される収容容器9の搬送方向を180°変換することができ、
図1に示すように、自動倉庫1から作業エリアWAに搬送された収容容器9を、図示の第1方向変換装置14(第2方向変換装置24)を用いることなく、再び自動倉庫1に向けて搬送することができる。
【0056】
(2)上記の実施形態では、第1中間部11a(第2中間部21a)が、第1内側部11b(第2内側部21b)及び第1外側部11c(第2外側部21c)よりも対向方向第2側X2に位置するように膨出した形状とされている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、例えば
図9に示すように、第1中間部211a(第2中間部221a)における対向方向第2側X2の端部と第1外側部211c(第2外側部221c)における対向方向第2側X2の端部とが、対向方向Xにおいて同じ位置となるように、第1湾曲経路部211(第2湾曲経路部221)が構成されていてもよい。
【0057】
(3)上記の実施形態では、第1コンベヤ10の第1搬送面10Fが、対向方向第1側X1から対向方向第2側X2に向かって下方に傾斜している例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1搬送面10Fは、水平面に沿っていてもよい。
また、第2コンベヤ20の第2搬送面20Fについても同様に、傾斜している場合に限定されることなく、水平面に沿っていてもよい。なお、第1搬送面10Fと第2搬送面20Fとの一方が傾斜して配置され、他方が水平面に沿って配置された構成としてもよい。
【0058】
(4)上記の実施形態では、搬送装置Tに、第3コンベヤ30と第4コンベヤ40とが含まれている例について説明したが、搬送装置Tは、第3コンベヤ30及び第4コンベヤ40の一方または双方を含まない構成とされていてもよい。
【0059】
(5)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0060】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した物品搬送設備について説明する。
【0061】
本開示に係る物品搬送設備は、
物品を搬送する搬送装置が設置される搬送エリアと、前記搬送装置により搬送される物品に対する作業が行われる作業エリアとが、平面視で境界部を挟んで対向するように配置された物品搬送設備であって、
平面視で前記搬送エリアと前記作業エリアとが対向する方向を対向方向、平面視で前記対向方向に直交する方向を並び方向として、
前記搬送装置には、前記並び方向に並んで配置された第1コンベヤと第2コンベヤとが含まれ、
前記対向方向に沿って前記作業エリア側から前記搬送エリア側に向かう側を対向方向第1側、前記対向方向に沿って前記搬送エリア側から前記作業エリア側に向かう側を対向方向第2側、前記並び方向に沿って前記第2コンベヤ側から前記第1コンベヤ側に向かう側を並び方向第1側、前記並び方向に沿って前記第1コンベヤ側から前記第2コンベヤ側に向かう側を並び方向第2側として、
前記第1コンベヤは、平面視で、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記並び方向第1側へ向かうと共に前記対向方向第2側へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路を形成する第1湾曲経路部を備え、
前記第2コンベヤは、平面視で、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記並び方向第2側へ向かうと共に前記対向方向第2側へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路を形成する第2湾曲経路部を備え、
前記第1湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分と、前記第2湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分とが、平面視で前記境界部に位置し、
前記第1コンベヤは、前記第1湾曲経路部よりも前記並び方向第1側に配置され、前記第1湾曲経路部における前記並び方向第1側の端部に接続され、前記並び方向に沿う搬送経路を形成する第1並び方向経路部を備え、
前記第2コンベヤは、前記第2湾曲経路部よりも前記並び方向第2側に配置され、前記第2湾曲経路部における前記並び方向第2側の端部に接続され、前記並び方向に沿う搬送経路を形成する第2並び方向経路部を備え、
前記第1湾曲経路部は、前記第1並び方向経路部よりも前記対向方向第2側に位置するように膨出した形状とされ、
前記第2湾曲経路部は、前記第2並び方向経路部よりも前記対向方向第2側に位置するように膨出した形状とされている。
【0062】
本構成によれば、第1湾曲経路部及び第2湾曲経路部によって、搬送方向を次第に変更しつつ物品を搬送することができるため、従来のように物品の搬送方向を変換するための方向変換装置を当該場所に設ける場合に比べて、搬送装置の幅方向及び上下方向の小型化を図り易い。従って本構成によれば、第1コンベヤと第2コンベヤとを並び方向に互いに近づけて配置することができ、第1コンベヤにより搬送される物品に対する作業を行う作業位置と、第2コンベヤにより搬送される物品に対する作業を行う作業位置とを互いに近づけて配置することができる。よって、2つの搬送経路における物品の搬送量や作業量に応じて、2つの搬送経路の夫々に対して別の作業者又は作業装置により作業を行う場合と、2つの搬送経路に対して1人の作業者又は1つの作業装置で作業を行う場合との使い分けも可能となる。更には、2つの搬送経路を有する物品搬送設備の設置スペースの小型化を図ることも可能となる。
また、本構成によれば、第1並び方向経路部と第2並び方向経路部との双方が、並び方向に沿う経路を形成しているため、これに対応して、並び方向に沿って作業エリアを拡大し易い。
【0063】
ここで、
前記第1並び方向経路部には、物品の搬送方向を変換する第1方向変換装置が設けられ、
前記第2並び方向経路部には、物品の搬送方向を変換する第2方向変換装置が設けられていると好適である。
【0064】
また、
前記搬送装置には、前記並び方向に並んで配置された第3コンベヤと第4コンベヤとが含まれ、
前記第3コンベヤは、前記対向方向に沿う搬送経路を形成し、平面視で前記第1湾曲経路部における前記第1並び方向経路部よりも前記対向方向第2側に膨出した部分と重複するように配置され、
前記第4コンベヤは、前記対向方向に沿う搬送経路を形成し、平面視で前記第2湾曲経路部における前記第2並び方向経路部よりも前記対向方向第2側に膨出した部分と重複するように配置されていると好適である。
【0065】
従来のように、物品の搬送方向を変換するための方向変換装置を設けた場合には、構造上、搬送装置が上下方向に大きくなり易い。しかし、本構成によれば、そのような方向変換装置を用いることなく、上下方向に小型化可能な湾曲経路部によって物品の搬送方向を変換することができるため、上下方向にスペースを確保し易い。従って、そのような上下方向のスペースを利用して、第1湾曲経路部に対して平面視で重複するように第3コンベヤを配置でき、第2湾曲経路部に対して平面視で重複するように第4コンベヤを配置できる。これにより、第3コンベヤ及び第4コンベヤを配置した場合における物品搬送設備の設置スペースが大型化することを抑制できる。そして、これら第3コンベヤ及び第4コンベヤを備えることで生産性の高い搬送設備を実現可能となる。
【0066】
本開示に係る他の物品搬送設備は、
物品を搬送する搬送装置が設置される搬送エリアと、前記搬送装置により搬送される物品に対する作業が行われる作業エリアとが、平面視で境界部を挟んで対向するように配置された物品搬送設備であって、
平面視で前記搬送エリアと前記作業エリアとが対向する方向を対向方向、平面視で前記対向方向に直交する方向を並び方向として、
前記搬送装置には、前記並び方向に並んで配置された第1コンベヤと第2コンベヤとが含まれ、
前記対向方向に沿って前記作業エリア側から前記搬送エリア側に向かう側を対向方向第1側、前記対向方向に沿って前記搬送エリア側から前記作業エリア側に向かう側を対向方向第2側、前記並び方向に沿って前記第2コンベヤ側から前記第1コンベヤ側に向かう側を並び方向第1側、前記並び方向に沿って前記第1コンベヤ側から前記第2コンベヤ側に向かう側を並び方向第2側として、
前記第1コンベヤは、平面視で、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記並び方向第1側へ向かうと共に前記対向方向第2側へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路を形成する第1湾曲経路部を備え、
前記第2コンベヤは、平面視で、前記対向方向第2側へ向かうに従って前記並び方向第2側へ向かうと共に前記対向方向第2側へ向かう方向に対する角度が次第に大きくなるように湾曲した搬送経路を形成する第2湾曲経路部を備え、
前記第1湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分と、前記第2湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分とが、平面視で前記境界部に位置し、
前記搬送装置には、前記並び方向に並んで配置された第3コンベヤと第4コンベヤとが含まれ、
前記第3コンベヤは、前記対向方向に沿うと共に前記並び方向に並ぶ複数の搬送経路を形成し、平面視で前記第1湾曲経路部と重複するように配置され、
前記第4コンベヤは、前記対向方向に沿うと共に前記並び方向に並ぶ複数の搬送経路を形成し、平面視で前記第2湾曲経路部と重複するように配置され、
前記第3コンベヤにおける前記対向方向第2側の端部が、前記第1湾曲経路部よりも前記対向方向第2側に配置され、前記第4コンベヤにおける前記対向方向第2側の端部が、前記第2湾曲経路部よりも前記対向方向第2側に配置されている。
【0067】
また、
前記第1コンベヤは、前記第1湾曲経路部よりも前記並び方向第1側に配置され、前記第1湾曲経路部における前記並び方向第1側の端部に接続され、前記並び方向に沿う搬送経路を形成する第1並び方向経路部を備え、
前記第2コンベヤは、前記第2湾曲経路部よりも前記並び方向第2側に配置され、前記第2湾曲経路部における前記並び方向第2側の端部に接続され、前記並び方向に沿う搬送経路を形成する第2並び方向経路部を備えていると好適である。
【0068】
本構成によれば、第1並び方向経路部と第2並び方向経路部との双方が、並び方向に沿う経路を形成しているため、これに対応して、並び方向に沿って作業エリアを拡大し易い。
【0069】
また、
前記第1コンベヤは、搬送される物品が載置される第1搬送面を有し、
前記第2コンベヤは、搬送される物品が載置される第2搬送面を有し、
前記第1湾曲経路部では、湾曲の外縁部分が湾曲の内縁部分よりも下方に位置するように前記第1搬送面が傾斜し、
前記第2湾曲経路部では、湾曲の外縁部分が湾曲の内縁部分よりも下方に位置するように前記第2搬送面が傾斜していると好適である。
【0070】
本構成によれば、物品が湾曲経路部を通過する際に、当該物品の上面部が作業エリア側へ向き易くなり、当該物品に対する作業が行い易くなる。例えば、物品が、開口する上面部を有すると共に複数の商品を収容する容器であり、この容器から商品を取り出す作業が作業エリアにおいて行われる場合にも好適である。
【0071】
また、
前記第1搬送面の全体が、前記対向方向第2側へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した第1基準平面に沿って配置されており、
前記第2搬送面の全体が、前記対向方向第2側へ向かうに従って下方へ向かうように傾斜した第2基準平面に沿って配置されていると好適である。
【0072】
本構成によれば、湾曲経路部自体の形状は基準となる平面に沿った形状とすることができるため、湾曲経路部における搬送面が傾斜した構成を、比較的簡素に実現することができる。
【0073】
また、
前記第1湾曲経路部は、平面視で前記境界部に位置している部分を含む第1中間部と、前記第1中間部よりも前記並び方向第2側の部分である第1内側部と、前記第1中間部よりも前記並び方向第1側の部分である第1外側部と、を有し、前記第1中間部は、前記第1内側部及び前記第1外側部よりも前記対向方向第2側に位置するように膨出した形状とされ、
前記第2湾曲経路部は、平面視で前記境界部に位置している部分を含む第2中間部と、前記第2中間部よりも前記並び方向第1側の部分である第2内側部と、前記第2中間部よりも前記並び方向第2側の部分である第2外側部と、を有し、前記第2中間部は、前記第2内側部及び前記第2外側部よりも前記対向方向第2側に位置するように膨出した形状とされていると好適である。
【0074】
本構成によれば、湾曲経路部における中間部を、作業エリアに対して最も近づけることができる。従って作業者は、この中間部に物品が搬送された状態で、当該物品に対する作業を行い易くなる。また、本構成によれば、湾曲経路部における内側部および外側部については、作業エリアに対して対向方向に離間して配置し易い。従って、内側部や外側部にある物品に対して作業者等による作業が行われることを抑制でき、中間部にある物品に対して適切に作業者等による作業を行わせることができる。
【0075】
また、
前記第1コンベヤは、前記第1湾曲経路部よりも前記対向方向第1側に配置され、前記第1湾曲経路部における前記対向方向第1側の端部に接続され、前記対向方向に沿う搬送経路を形成する第1対向方向経路部を備え、
前記第2コンベヤは、前記第2湾曲経路部よりも前記対向方向第1側に配置され、前記第2湾曲経路部における前記対向方向第1側の端部に接続され、前記対向方向に沿う搬送経路を形成する第2対向方向経路部を備え、
前記第1対向方向経路部と前記第2対向方向経路部とが、互いに平行に隣接して配置されていると好適である。
【0076】
本構成によれば、第1湾曲経路部に接続される第1対向方向経路部と第2湾曲経路部に接続される第2対向方向経路部との双方が、同一方向(対向方向)に沿い、互いに平行に隣接して配置されているため、これらの経路の配置領域を小さく抑えることができる。また、作業エリアにおいて作業者が作業を行う場合には、当該作業者が、第1対向方向経路部及び第2対向方向経路部における物品の搬送状況等をまとめて確認することが容易となる。
【0077】
また、
前記搬送装置の作動を制御する搬送制御部を備え、
前記搬送制御部は、
前記第1コンベヤにより搬送される物品が前記第1湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分に対応する位置に停止するように、前記第1コンベヤを間欠作動させ、
前記第2コンベヤにより搬送される物品が前記第2湾曲経路部における最も前記対向方向第2側の部分に対応する位置に停止するように、前記第2コンベヤを間欠作動させると好適である。
【0078】
本構成によれば、搬送経路に沿って搬送される物品を、最も作業エリア側の位置に停止させることができるため、当該物品に対する作業が更に行い易くなる。また例えば、本構成において、上記のように、搬送経路が中間部と内側部と外側部とを有し、中間部が内側部及び外側部よりも対向方向第2側に位置するように膨出した形状とされている場合であって、複数の物品が連続して搬送される場合には、中間部で停止した物品に対して搬送方向の上流側及び下流側のそれぞれに位置する物品は、中間部よりも作業エリアから離れた位置で停止することになる。従って、これらの物品に対しては作業を行い難くなり、中間部にある物品に対して適切に作業者等による作業を行わせ易くなる。
【0079】
また、
前記第1コンベヤは、前記対向方向第1側から前記並び方向第1側へ向けて物品を搬送するように構成され、
前記第2コンベヤは、前記対向方向第1側から前記並び方向第2側へ向けて物品を搬送するように構成されていると好適である。
【0080】
本構成によれば、第1コンベヤ及び第2コンベヤの双方による物品の搬送方向を、対向方向第1側から作業エリア側へ向かう方向にすることができる。従って、作業エリアにいる作業者が搬送エリアに正対して作業を行う場合に、第1コンベヤ及び第2コンベヤのそれぞれに作業エリアへ向かって搬送されてくる物品をまとめて視認し易くなり、作業性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本開示に係る技術は、物品を搬送する搬送装置が設置される搬送エリアと、前記搬送装置により搬送される物品に対する作業が行われる作業エリアとが、平面視で境界部を挟んで対向するように配置された物品搬送設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0082】
F :物品搬送設備
T :搬送装置
C :搬送制御部
TA :搬送エリア
WA :作業エリア
BA :境界部
9 :収容容器(物品)
10 :第1コンベヤ
10F :第1搬送面
11 :第1湾曲経路部
11a :第1中間部
11b :第1内側部
11c :第1外側部
12 :第1対向方向経路部
13 :第1並び方向経路部
20 :第2コンベヤ
20F :第2搬送面
21 :第2湾曲経路部
21a :第2中間部
21b :第2内側部
21c :第2外側部
22 :第2対向方向経路部
23 :第2並び方向経路部
30 :第3コンベヤ
40 :第4コンベヤ
R :搬送経路
SF1 :第1基準平面
SF2 :第2基準平面
X :対向方向
X1 :対向方向第1側
X2 :対向方向第2側
Y :並び方向
Y1 :並び方向第1側
Y2 :並び方向第2側