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特許7074069情報処理装置および方法、並びにプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】情報処理装置および方法、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20220517BHJP
   G06N 5/04 20060101ALI20220517BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
G06Q40/08
G06N5/04
G08G1/00 D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018557671
(86)(22)【出願日】2017-12-08
(86)【国際出願番号】 JP2017044111
(87)【国際公開番号】W WO2018116862
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2016248799
(32)【優先日】2016-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】高松 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】井手 直紀
(72)【発明者】
【氏名】福井 啓
(72)【発明者】
【氏名】田中 泰史
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第03/065261(WO,A1)
【文献】特開2002-149984(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0364678(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0010906(US,A1)
【文献】特開2004-102801(JP,A)
【文献】特開2006-039642(JP,A)
【文献】特開2016-194821(JP,A)
【文献】米国特許第09454786(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0357187(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0255888(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0142989(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06N 5/04
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる1または複数のセンサの出力に基づいて、ユーザの行動認識を行う行動認識部と、
前記行動認識の結果に基づいて、前記1または複数のセンサの出力を前記ユーザの挙動観測データとして取得する取得部と、
1または複数の保険について、前記保険ごとに予め学習により求められた予測モデルと、前記挙動観測データとに基づいて、前記保険における前記ユーザの診断結果を予測する診断結果予測部と、
前記挙動観測データに基づいて、前記1または複数の前記保険についての前記診断結果の予測結果の確信度または予測誤差を算出する算出部と、
前記確信度または前記予測誤差に応じて、前記予測結果を提示する表示データを生成する表示データ生成部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記表示データ生成部は、前記予測結果に基づいて前記保険のディスカウント額または保険料をさらに算出し、前記予測結果とともに、前記ディスカウント額または前記保険料を提示する前記表示データを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記ユーザの運転時における前記1または複数のセンサの出力を前記挙動観測データとして取得し、
前記診断結果予測部は、前記予測モデルと前記挙動観測データとに基づいて、前記保険における前記ユーザの運転診断結果を予測する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記保険はテレマティクス保険である
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示データ生成部は、前記予測結果とともに、前記確信度または前記予測誤差を提示する前記表示データを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示データ生成部は、前記確信度が所定の値以上であるか、または前記予測誤差が所定の値以下である前記予測結果のみを提示する前記表示データを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記行動認識部は、前記ユーザの行動状態が、少なくとも前記ユーザの乗車を含む複数の行動状態のうちの何れであるかを前記行動認識により認識する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記行動認識の結果に基づいて前記ユーザによる運転の終了を特定し、その特定結果に応じて前記挙動観測データを取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、前記ユーザの位置を示す位置情報と、前記行動認識の結果とに基づいて、前記ユーザによる運転の開始および終了を特定し、その特定結果に応じて前記挙動観測データを取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記診断結果予測部は、所定期間の前記挙動観測データから得られた前記診断結果の予測結果と、前記所定期間から一部の区間を除いた区間の前記挙動観測データから得られた前記診断結果の予測結果との差分が所定値以上となる前記一部の区間を特定し、
前記挙動観測データに基づいて、前記一部の区間における前記ユーザの運転挙動を特定する運転挙動特定部をさらに備える
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記運転挙動は、急ブレーキ、急加速、または急ハンドルである
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記表示データ生成部は、前記一部の区間における前記運転挙動を提示する他の表示データをさらに生成する
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記表示データ生成部は、前記一部の区間において行われた最も多い前記運転挙動を提示する前記他の表示データを生成する
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記センサは加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、または地磁気センサである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
情報処理装置が、
互いに異なる1または複数のセンサの出力に基づいて、ユーザの行動認識を行い、
前記行動認識の結果に基づいて、前記1または複数のセンサの出力を前記ユーザの挙動観測データとして取得し、
1または複数の保険について、前記保険ごとに予め学習により求められた予測モデルと、前記挙動観測データとに基づいて、前記保険における前記ユーザの診断結果を予測し、
前記挙動観測データに基づいて、前記1または複数の前記保険についての前記診断結果の予測結果の確信度または予測誤差を算出し、
前記確信度または前記予測誤差に応じて、前記予測結果を提示する表示データを生成する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項16】
互いに異なる1または複数のセンサの出力に基づいて、ユーザの行動認識を行い、
前記行動認識の結果に基づいて、前記1または複数のセンサの出力を前記ユーザの挙動観測データとして取得し、
1または複数の保険について、前記保険ごとに予め学習により求められた予測モデルと、前記挙動観測データとに基づいて、前記保険における前記ユーザの診断結果を予測し、
前記挙動観測データに基づいて、前記1または複数の前記保険についての前記診断結果の予測結果の確信度または予測誤差を算出し、
前記確信度または前記予測誤差に応じて、前記予測結果を提示する表示データを生成する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は情報処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、より簡単に保険の比較を行うことができるようにした情報処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ユーザが保険に加入しようとするときには、複数の保険会社により提供される各保険を比較して、ユーザ自身が最適と思うものを選択することが多い。
【0003】
そのような場合、例えばユーザは保険比較サイトを利用することがある。保険比較サイトでは、ユーザが自身に関する情報を入力することで、複数の保険会社の同じタイプの保険を一覧表で比較することができ、容易に適切な保険を選ぶことができる。
【0004】
ところで、自動車保険としてテレマティクス保険と呼ばれる種類の保険が知られている。
【0005】
テレマティクス保険とは、ユーザの自動車の運転挙動を複数のセンサによって観測し、その観測に基づく運転診断結果によって保険料のディスカウント額を決める保険である。例えば、急加速など事故に繋がりやすい挙動が少ないと運転診断結果はよくなり、ディスカウント額も大きくなる。
【0006】
また、例えば運転者の運転特性を診断するために自動車の挙動を検出する技術として、携帯端末装置を用いて自動車の加速度を求める技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2015-207186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、テレマティクス保険はユーザの自動車の運転挙動を観測することで、保険料のディスカウント額を決める保険である。
【0009】
そのため、複数のテレマティクス保険を比較しようとする場合には、保険比較サイトでユーザに関する情報を入力するだけではディスカウント額が分からないので、比較を行うことができない。
【0010】
すなわち、このようなテレマティクス保険の比較を行うには、ユーザが各社のテレマティクス保険に加入して実際に運転を行い、運転診断結果やディスカウント額を確かめる必要があり、時間や手間がかかってしまう。
【0011】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より簡単に保険の比較を行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本技術の一側面の情報処理装置は、互いに異なる1または複数のセンサの出力に基づいて、ユーザの行動認識を行う行動認識部と、前記行動認識の結果に基づいて、前記1または複数のセンサの出力を前記ユーザの挙動観測データとして取得する取得部と、1または複数の保険について、前記保険ごとに予め学習により求められた予測モデルと、前記挙動観測データとに基づいて、前記保険における前記ユーザの診断結果を予測する診断結果予測部と、前記挙動観測データに基づいて、前記1または複数の前記保険についての前記診断結果の予測結果の確信度または予測誤差を算出する算出部と、前記確信度または前記予測誤差に応じて、前記予測結果を提示する表示データを生成する表示データ生成部とを備える。
【0014】
前記表示データ生成部には、前記予測結果に基づいて前記保険のディスカウント額または保険料をさらに算出させ、前記予測結果とともに、前記ディスカウント額または前記保険料を提示する前記表示データを生成させることができる。
【0015】
前記取得部には、前記ユーザの運転時における前記1または複数のセンサの出力を前記挙動観測データとして取得させ、前記診断結果予測部には、前記予測モデルと前記挙動観測データとに基づいて、前記保険における前記ユーザの運転診断結果を予測させることができる。
【0016】
前記保険をテレマティクス保険とすることができる。
【0018】
前記表示データ生成部には、前記予測結果とともに、前記確信度または前記予測誤差を提示する前記表示データを生成させることができる。
【0019】
前記表示データ生成部には、前記確信度が所定の値以上であるか、または前記予測誤差が所定の値以下である前記予測結果のみを提示する前記表示データを生成させることができる。
【0021】
前記行動認識部には、前記ユーザの行動状態が、少なくとも前記ユーザの乗車を含む複数の行動状態のうちの何れであるかを前記行動認識により認識させることができる。
【0022】
前記取得部には、前記行動認識の結果に基づいて前記ユーザによる運転の終了を特定させ、その特定結果に応じて前記挙動観測データを取得させることができる。
【0023】
前記取得部には、前記ユーザの位置を示す位置情報と、前記行動認識の結果とに基づいて、前記ユーザによる運転の開始および終了を特定させ、その特定結果に応じて前記挙動観測データを取得させることができる。
【0024】
前記診断結果予測部には、所定期間の前記挙動観測データから得られた前記診断結果の予測結果と、前記所定期間から一部の区間を除いた区間の前記挙動観測データから得られた前記診断結果の予測結果との差分が所定値以上となる前記一部の区間を特定させ、前記挙動観測データに基づいて、前記一部の区間における前記ユーザの運転挙動を特定する運転挙動特定部をさらに設けることができる。
【0025】
前記運転挙動を、急ブレーキ、急加速、または急ハンドルとすることができる。
【0026】
前記表示データ生成部には、前記一部の区間における前記運転挙動を提示する他の表示データをさらに生成させることができる。
【0027】
前記表示データ生成部には、前記一部の区間において行われた最も多い前記運転挙動を提示する前記他の表示データを生成させることができる。
【0028】
前記センサを加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、または地磁気センサとすることができる。
【0029】
本技術の一側面の情報処理方法またはプログラムは、互いに異なる1または複数のセンサの出力に基づいて、ユーザの行動認識を行い、前記行動認識の結果に基づいて、前記1または複数のセンサの出力を前記ユーザの挙動観測データとして取得し、1または複数の保険について、前記保険ごとに予め学習により求められた予測モデルと、前記挙動観測データとに基づいて、前記保険における前記ユーザの診断結果を予測し、前記挙動観測データに基づいて、前記1または複数の前記保険についての前記診断結果の予測結果の確信度または予測誤差を算出し、前記確信度または前記予測誤差に応じて、前記予測結果を提示する表示データを生成するステップを含む。
【0030】
本技術の一側面においては、互いに異なる1または複数のセンサの出力に基づいて、ユーザの行動認識が行われ、前記行動認識の結果に基づいて、前記1または複数のセンサの出力が前記ユーザの挙動観測データとして取得され、1または複数の保険について、前記保険ごとに予め学習により求められた予測モデルと、前記挙動観測データとに基づいて、前記保険における前記ユーザの診断結果が予測される。また、前記挙動観測データに基づいて、前記1または複数の前記保険についての前記診断結果の予測結果の確信度または予測誤差が算出され、前記確信度または前記予測誤差に応じて、前記予測結果を提示する表示データが生成される。
【発明の効果】
【0031】
本技術の一側面によれば、より簡単に保険の比較を行うことができる。
【0032】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載された何れかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】比較システムについて説明する図である。
図2】管理者端末装置の構成例を示す図である。
図3】サーバの構成例を示す図である。
図4】ユーザ端末装置の構成例を示す図である。
図5】データ収集処理およびデータ受信処理を説明するフローチャートである。
図6】データセットについて説明する図である。
図7】学習処理を説明するフローチャートである。
図8】運転診断結果予測処理を説明するフローチャートである。
図9】保険比較画面の一例を示す図である。
図10】サーバの構成例を示す図である。
図11】ユーザ端末装置の構成例を示す図である。
図12】挙動観測データ収集処理および運転診断結果予測処理を説明するフローチャートである。
図13】ユーザ端末装置の構成例を示す図である。
図14】運転診断結果予測処理を説明するフローチャートである。
図15】保険比較画面の一例を示す図である。
図16】サーバの構成例を示す図である。
図17】挙動観測データ収集処理および運転診断結果予測処理を説明するフローチャートである。
図18】ユーザ端末装置の構成例を示す図である。
図19】挙動観測データ収集処理を説明するフローチャートである。
図20】ユーザ端末装置の構成例を示す図である。
図21】挙動観測データ収集処理を説明するフローチャートである。
図22】ユーザ端末装置の構成例を示す図である。
図23】提示処理を説明するフローチャートである。
図24】コンピュータの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して、本技術を適用した実施の形態について説明する。
【0035】
〈第1の実施の形態〉
〈本技術について〉
本技術は、センサ群の出力に基づいて運転診断を行う複数の運転診断システムに対し、それらの複数の運転診断システムが利用するセンサ群とは必ずしも一致しないセンサ群を利用して、各運転診断システムの運転診断結果の予測を行うことで、より簡単に保険の比較を行うことができるようにするものである。
【0036】
ここで、運転診断結果とは、例えば運転者による安全運転の度合いを示す情報であるが、運転診断システムによって安全運転の度合いを示す点数やランクなど、運転診断結果がどのような形式の情報とされるかは異なることがある。
【0037】
また、運転診断を行う運転診断システムは、保険会社がテレマティクス保険を提供する際に用いるものであり、運転診断システムごとに利用するセンサ群が異なっていてもよい。また、各運転診断システムの運転診断結果の予測に用いるセンサ群は、運転者が自動車の運転時に携帯するモバイルデバイス、つまり携帯型端末装置に搭載されているセンサ群を使用するようにしてもよい。
【0038】
このようにして各保険会社の運転診断システムによる運転診断結果を予測することで、その予測結果から保険料のディスカウント額を算出することができ、より簡単に保険の比較を行うことができるようになる。
【0039】
また、運転診断結果の予測結果やディスカウント額を提示する際には、例えば運転者の属性情報等も利用して月額保険料を算出し、さらに得られた月額保険料とディスカウント額とからディスカウント後の月額保険料を算出して提示するようにしてもよい。
【0040】
このような本技術によれば、各保険会社のテレマティクス保険に加入することなく、複数のテレマティクス保険を簡単に比較することができる。
【0041】
なお、本技術で対象となる保険は、乗用車や自動二輪車等の車両のテレマティクス保険に限らず、携帯型端末装置等でユーザに関する情報を取得し、得られた情報に基づいて保険料を決定するものであれば、健康保険や医療保険、生命保険など、どのような保険であってもよい。以下では、テレマティクス保険の場合を例として説明を続ける。
【0042】
まず、図1を参照して、本技術を適用したテレマティクス保険の比較システムの概要について説明する。
【0043】
図1に示す比較システムでは、携帯型端末装置としてのスマートフォンに搭載されたセンサ群の出力に基づいて、複数の保険会社のテレマティクス保険の比較が行われる。
【0044】
特に、図1では、点線の枠R11により囲まれた部分がデータセットの収集と学習処理を行うための構成を示しており、点線の枠R12により囲まれた部分がユーザU11が実際に比較システムを利用する際の処理を行うための構成を示している。
【0045】
すなわち、枠R11内の部分の構成によって、学習処理に用いられる学習データのデータセットが収集されるとともに、得られたデータセットが用いられて学習処理が行われる。
【0046】
学習処理では、各保険会社のテレマティクス保険の運転診断システムによる運転診断結果を予測するための運転診断結果予測モデルが学習により求められる。
【0047】
具体的には、枠R11内には比較システムの構成として、データ収集用アプリケーションプログラム11、運転診断システム12、データセット作成モジュール13、センサ/運転診断結果データベース14、および学習モジュール15が示されている。
【0048】
データ収集用アプリケーションプログラム11は、例えば運転診断結果予測モデルを提供する、比較システムの管理者等のスマートフォンにインストールされるアプリケーションプログラムである。また、運転診断システム12は、実際にテレマティクス保険に加入することにより保険会社から提供される、例えば運転者の運転時の挙動から運転診断を行うプログラム等により実現されるシステムである。
【0049】
例えば、管理者は実際に複数の保険会社のテレマティクス保険に加入する。そして管理者は、それらの保険会社から提供された運転診断システム12のプログラム等を自身が所有するスマートフォンにインストールしたり、自動車に設けられたカーナビゲーションシステム等の装置などにインストールしたりする。
【0050】
なお、運転診断システム12がスマートフォンや自動車に設けられた装置など、どの装置で実現されるかは各保険会社によって異なるが、ここでは管理者のスマートフォンに運転診断システム12を実現するためのプログラムがインストールされるものとする。
【0051】
また、管理者はデータ収集用アプリケーションプログラム11を予め自身のスマートフォンにインストールしておく。
【0052】
次に、管理者は、スマートフォンを所持した状態で自動車を運転する。すると、データ収集用アプリケーションプログラム11は、スマートフォンに設けられた1または複数のセンサの出力を、運転者である管理者の運転の挙動を示す挙動観測データとして取得し、管理者の運転が終了するまで挙動観測データの取得(収集)を継続して行う。
【0053】
同様に、運転が開始されると運転診断システム12もスマートフォンに設けられた1または複数のセンサの出力を取得する。そして、運転が終了すると、運転診断システム12は、運転時に取得したセンサの出力に基づいて管理者の運転診断を行う。
【0054】
なお、運転診断システム12による運転診断として、テレマティクス保険ごとに異なる処理(診断)が行われる。運転診断の結果は、例えば安全運転の度合いを示す点数や、安全運転の度合いを示す5段階評価の評価結果など、テレマティクス保険によって異なる。
【0055】
また、運転診断システム12において運転診断に用いられるデータの取得元となる1または複数のセンサの組み合わせは、挙動観測データの取得元となる1または複数のセンサの組み合わせと同じであってもよいし、異なっていてもよい。さらに、運転診断に用いられるデータの取得元は、スマートフォンのセンサでなくてもよい。すなわち、運転診断に用いられるデータの取得元は、自動車に設けられたシステムなどであってもよい。
【0056】
その他、ここでは管理者が実際に各テレマティクス保険に加入して、挙動観測データと運転診断結果を取得する例について説明するが、管理者とは異なる任意のユーザから挙動観測データと運転診断結果の提供を受けるようにしてもよい。
【0057】
管理者による運転が終了すると、データセット作成モジュール13は、データ収集用アプリケーションプログラム11から挙動観測データを取得するとともに、運転診断システム12から運転診断結果を取得する。
【0058】
そして、データセット作成モジュール13は、このようにして得られた挙動観測データと運転診断結果を対応付けてデータペアとし、複数のデータペアを学習データとして用いるデータセットとしてセンサ/運転診断結果データベース14に供給する。
【0059】
データセット作成モジュール13は、管理者による運転が行われるごとに挙動観測データと運転診断結果を収集してデータセットを生成し、センサ/運転診断結果データベース14に供給する。
【0060】
センサ/運転診断結果データベース14は、データセット作成モジュール13から供給された、各保険会社のテレマティクス保険について収集されたデータセットを記録するとともに、必要に応じてこれらのデータセットを学習モジュール15に供給する。
【0061】
学習モジュール15は、複数のテレマティクス保険ごとに、センサ/運転診断結果データベース14に記録されているデータセットに基づいて機械学習を行い、運転診断結果予測モデルを生成する。学習モジュール15は、以上のようにして得られた運転診断結果予測モデルを出力する。
【0062】
運転診断結果予測モデルは、運転時における挙動観測データを入力とし、運転診断システム12による運転診断結果を予測して、その予測結果を出力するモデルである。
【0063】
一般的には、運転診断システム12においてどのようなデータを用いて運転診断を行っているかを知ることは困難である。また、例えば運転診断システム12が自動車のシステムからデータを取得して運転診断を行うものである場合など、運転診断結果の予測を行う際に運転診断システム12において用いられているデータと同じものを取得することが困難なこともある。
【0064】
しかし、比較システムでは、スマートフォンに設けられたセンサの出力を挙動観測データとして運転診断結果予測モデルの学習を行うことで、スマートフォンのセンサの出力から、実際の運転診断結果を予測することが可能となる。これにより、各テレマティクス保険について、より簡単に運転診断結果の予測結果を得ることができる。
【0065】
学習により運転診断結果予測モデルが得られると、その後、点線の枠R12内の部分の構成によって、ユーザU11についての各テレマティクス保険の比較が行われる。
【0066】
具体的には、枠R12内には比較システムの構成として、スマートフォンアプリケーションプログラム21、運転診断結果予測モジュール22、および比較UI(User Interface)作成モジュール23が示されている。
【0067】
スマートフォンアプリケーションプログラム21は、例えば比較システムを利用するユーザU11が所持するスマートフォンにインストールされるアプリケーションプログラムであり、比較システムの管理者等からユーザU11に対して提供される。
【0068】
運転診断結果予測モジュール22は、学習モジュール15から出力された、各テレマティクス保険の運転診断結果予測モデルを記録している。
【0069】
例えばユーザU11が比較システムを利用し、各テレマティクス保険の比較を行おうとする場合、ユーザU11はスマートフォンアプリケーションプログラム21がインストールされた携帯型端末装置としてのスマートフォンを所持した状態で自動車を運転する。このとき、ユーザU11は、運転を開始するときにスマートフォンアプリケーションプログラム21を起動状態とさせ、自身の運転挙動を観測させる。
【0070】
ユーザU11が自動車の運転を開始すると、スマートフォンアプリケーションプログラム21は、ユーザU11のスマートフォンに設けられた1または複数のセンサの出力を、運転者であるユーザU11の運転の挙動を示す挙動観測データとして収集する。
【0071】
そして、ユーザU11による自動車の運転が終了すると、スマートフォンアプリケーションプログラム21は、運転開始から終了までの間に取得した各時刻の挙動観測データを運転診断結果予測モジュール22に供給する。ユーザU11は何度か自動車を運転し、複数回の運転について挙動観測データを収集させる。
【0072】
運転診断結果予測モジュール22は、テレマティクス保険ごとに、記録している運転診断結果予測モデルと、スマートフォンアプリケーションプログラム21から供給された挙動観測データとに基づいて運転診断結果の予測を行い、得られた予測結果を比較UI作成モジュール23に供給する。
【0073】
運転診断結果予測モジュール22で得られる運転診断結果の予測結果は、例えばユーザU11が挙動観測データの収集時と同じ運転を行ったときに、実際の保険会社の運転診断システム12により出力されるであろう運転診断結果の予測結果である。
【0074】
比較UI作成モジュール23は、運転診断結果予測モジュール22から供給された各テレマティクス保険についての運転診断結果の予測結果に基づいて、各テレマティクス保険の運転診断結果の予測結果を示す保険比較画面を表示させる表示データを生成する。また、比較UI作成モジュール23は、生成した表示データに基づいて、適宜、ユーザU11のスマートフォン等に保険比較画面を表示させる。
【0075】
ここで、保険比較画面には、例えば各テレマティクス保険について算出されたユーザU11のディスカウント額や運転診断結果の予測結果などが表示される。すなわち、保険比較画面によりディスカウント額や運転診断結果の予測結果などが提示される。ユーザU11は、このような保険比較画面を見ることで、各社により提供されるテレマティクス保険を比較し、自身に適したテレマティクス保険を選択することができる。
【0076】
以上のように比較システムによれば、ユーザU11は、実際にテレマティクス保険に加入することなく、自身が各保険会社のテレマティクス保険を利用した場合の運転診断結果の予測結果やディスカウント額を知ることができる。
【0077】
〈管理者端末装置の構成例〉
次に、図1を参照して説明した本技術のより具体的な実施の形態について説明する。
【0078】
ここでは、図1に示した比較システムが、比較システムの管理者が所有し、挙動観測データおよび運転診断結果を収集する管理者端末装置と、機械学習により運転診断結果予測モデルを生成するサーバと、比較システムの利用者であるユーザが所有するユーザ端末装置とから構成されるものとする。これらの管理者端末装置、サーバ、およびユーザ端末装置は、本技術を実現するための情報処理装置である。
【0079】
そのような場合、比較システムの管理者端末装置は、例えば図2に示すように構成される。図2に示す管理者端末装置51は、例えばスマートフォンなどの携帯型の端末装置、すなわちモバイルデバイスからなる。
【0080】
管理者端末装置51は、加速度センサ61-1、ジャイロセンサ61-2、気圧センサ61-3、地磁気センサ61-4、制御部62、入力部63、記録部64、表示部65、および通信部66を有している。
【0081】
加速度センサ61-1は、管理者端末装置51に加えられた加速度を測定し、その測定結果を制御部62に供給する。ジャイロセンサ61-2は、管理者端末装置51の角速度を測定し、その測定結果を制御部62に供給する。
【0082】
気圧センサ61-3は、管理者端末装置51の周囲の気圧を測定し、その測定結果を制御部62に供給する。例えば気圧センサ61-3で測定された気圧の変化から、坂道を上っているなどの高度の変化を検出することが可能である。地磁気センサ61-4は方位を検出(測定)し、その検出結果を制御部62に供給する。地磁気センサ61-4で得られる方位から管理者端末装置51が向いている方向(方位)を特定することができる。
【0083】
なお、以下では、加速度センサ61-1乃至地磁気センサ61-4を特に区別する必要のない場合、単にセンサ61とも称することとする。
【0084】
制御部62は、管理者端末装置51全体の動作を制御する。制御部62は、挙動観測データ取得部71および運転診断部72を有している。
【0085】
挙動観測データ取得部71は、制御部62が図1のデータ収集用アプリケーションプログラム11を実行することにより実現される。挙動観測データ取得部71は、管理者により自動車が運転されている期間におけるセンサ61の出力を挙動観測データとして取得する。ここでは、例えば加速度センサ61-1乃至地磁気センサ61-4の出力が挙動観測データとされるものとするが、少なくとも1つのセンサ61の出力が挙動観測データとされればよい。
【0086】
運転診断部72は、図1に示した運転診断システム12に対応する。運転診断部72は、管理者により自動車が運転されている期間における、いくつかのセンサ61の出力に基づいて運転診断を行う。
【0087】
運転診断のアルゴリズム等はテレマティクス保険ごとに異なっており、例えば4つのセンサ61のうちの何れのセンサ61の出力を運転診断に用いるかはテレマティクス保険ごとに異なっている。したがって、例えば加速度センサ61-1の出力のみを用いて運転診断を行うテレマティクス保険もあれば、4つの全てのセンサ61の出力を用いて運転診断を行うテレマティクス保険もある。
【0088】
入力部63は、例えばボタンや、表示部65に重畳して設けられたタッチパネルなどからなり、管理者の操作に応じた信号を制御部62に供給する。記録部64は、制御部62から供給された各種のデータを記録したり、記録しているデータを制御部62に供給したりする。
【0089】
表示部65は、例えば液晶表示パネルなどからなり、制御部62から供給された各種の画像を表示する。通信部66は、制御部62から供給された各種のデータを送信したり、送信されてきたデータを受信して制御部62に供給したりする。例えば通信部66は、制御部62から供給された挙動観測データおよび運転診断結果をサーバに送信する。
【0090】
〈サーバの構成例〉
続いて、比較システムを構成するサーバについて説明する。比較システムのサーバは、例えば図3に示すように構成される。
【0091】
図3に示すサーバ101は、通信部111、制御部112、および記録部113を有している。
【0092】
通信部111は、管理者端末装置51やユーザ端末装置から送信されてきた各種のデータを受信して制御部112に供給したり、制御部112から供給されたデータを管理者端末装置51やユーザ端末装置に送信したりする。
【0093】
制御部112は、サーバ101全体の動作を制御する。制御部112は、データセット生成部121および学習部122を有している。
【0094】
データセット生成部121は、図1に示したデータセット作成モジュール13に対応し、通信部111から供給された、管理者端末装置51で得られた挙動観測データおよび運転診断結果を対応付けてデータペアとし、記録部113に供給する。
【0095】
また、データセット生成部121は、同じテレマティクス保険について得られた複数のデータペアをデータセットとして記録部113に記録させる。なお、データセット生成部121は、管理者端末装置51の制御部62に設けられるようにしてもよい。
【0096】
学習部122は、図1に示した学習モジュール15に対応し、各テレマティクス保険について、記録部113に記録されているデータセットを用いて機械学習により運転診断結果予測モデルを生成する。
【0097】
記録部113は、例えば図1に示したセンサ/運転診断結果データベース14に対応し、制御部112から供給されたデータセット等の各種のデータを記録したり、記録しているデータを制御部112に供給したりする。
【0098】
〈ユーザ端末装置の構成例〉
さらに、比較システムを構成するユーザ端末装置について説明する。比較システムのユーザ端末装置は、例えば図4に示すように構成される。
【0099】
図4に示すユーザ端末装置151は、加速度センサ161-1、ジャイロセンサ161-2、気圧センサ161-3、地磁気センサ161-4、制御部162、入力部163、記録部164、表示部165、および通信部166を有している。
【0100】
このユーザ端末装置151は、例えばスマートフォンやタブレット型端末装置など、ユーザが携帯可能な携帯型端末装置(モバイルデバイス)からなる。
【0101】
加速度センサ161-1は、ユーザ端末装置151に加えられた加速度を測定し、その測定結果を制御部162に供給する。ジャイロセンサ161-2は、ユーザ端末装置151の角速度を測定し、その測定結果を制御部162に供給する。
【0102】
気圧センサ161-3は、ユーザ端末装置151の周囲の気圧を測定し、その測定結果を制御部162に供給する。地磁気センサ161-4は方位を検出(測定)し、その検出結果を制御部162に供給する。
【0103】
なお、以下では、加速度センサ161-1乃至地磁気センサ161-4を特に区別する必要のない場合、単にセンサ161とも称することとする。なお、これらのセンサ161は、管理者端末装置51に設けられたセンサ61に対応する。
【0104】
制御部162は、ユーザ端末装置151全体の動作を制御する。制御部162は、挙動観測データ取得部171、運転診断結果予測部172、および表示データ生成部173を有している。
【0105】
挙動観測データ取得部171は、制御部162が図1に示したスマートフォンアプリケーションプログラム21を実行することにより実現される。挙動観測データ取得部171は、ユーザの自動車の運転時における1または複数のセンサ161の出力をユーザの挙動観測データとして取得する。
【0106】
なお、以下では全てのセンサ161の出力が挙動観測データとして取得される例について説明するが、互いに異なる任意の数のセンサ161の出力を挙動観測データとすることができる。但し、管理者端末装置51で挙動観測データを得るために用いられるセンサ61に対応するセンサ161の出力が挙動観測データとされるのが好ましい。
【0107】
運転診断結果予測部172は、例えば図1に示した運転診断結果予測モジュール22に対応し、1または複数のテレマティクス保険ごとに運転診断結果予測モデルを保持(記録)している。運転診断結果予測部172は、保持している運転診断結果予測モデルと、挙動観測データ取得部171で得られた挙動観測データとに基づいて、テレマティクス保険ごとに運転診断結果の予測を行う。
【0108】
表示データ生成部173は、例えば図1に示した比較UI作成モジュール23に対応し、運転診断結果予測部172で得られた運転診断結果の予測結果に基づいて、保険比較画面の表示データを生成する。
【0109】
入力部163は、例えばボタンや、表示部165に重畳して設けられたタッチパネルなどからなり、ユーザの操作に応じた信号を制御部162に供給する。記録部164は、制御部162から供給された各種のデータを記録したり、記録しているデータを制御部162に供給したりする。
【0110】
表示部165は、例えば液晶表示パネルなどからなり、制御部162から供給された各種の画像を表示する。通信部166は、制御部162から供給された各種のデータを送信したり、送信されてきたデータを受信して制御部162に供給したりする。例えば通信部166は、サーバ101から送信されてきた運転診断結果予測モデルを受信して制御部162に供給する。
【0111】
〈データ収集処理およびデータ受信処理の説明〉
続いて、管理者端末装置51、サーバ101、およびユーザ端末装置151からなる比較システムの具体的な動作について説明する。
【0112】
まず、各保険会社のテレマティクス保険についての運転診断結果予測モデルの生成について説明する。
【0113】
図1を参照して説明したように、テレマティクス保険ごとに運転診断システム12は異なるので、テレマティクス保険ごとに運転診断結果予測モデルが生成される。
【0114】
以下では、ある1つの保険会社(以下、A社とも称する)のテレマティクス保険についての運転診断結果予測モデルの生成について具体的に説明する。
【0115】
まず、管理者はA社のテレマティクス保険に加入し、必要に応じて管理者端末装置51にプログラム等をインストールする。これにより、管理者端末装置51において、A社のテレマティクス保険についての運転診断を行うことができるようになる。
【0116】
その後、管理者は、運転診断システム12とデータ収集用アプリケーションプログラム11、すなわち運転診断部72と挙動観測データ取得部71を起動状態として、管理者端末装置51を所持した状態で自動車を一定時間運転する。
【0117】
管理者が運転を開始すると、管理者端末装置51によりデータ収集処理が開始され、また管理者端末装置51により収集された挙動観測データおよび運転診断結果が送信されると、サーバ101によりデータ受信処理が開始される。
【0118】
以下、図5のフローチャートを参照して、管理者端末装置51によるデータ収集処理、およびサーバ101によるデータ受信処理について説明する。
【0119】
ステップS11において、管理者端末装置51の挙動観測データ取得部71は、挙動観測データの取得を開始し、管理者の運転期間中、継続して各時刻の挙動観測データを取得する。すなわち、挙動観測データ取得部71は、加速度センサ61-1乃至地磁気センサ61-4の出力を挙動観測データとして取得する。
【0120】
また、例えば管理者が入力部63を操作する等して自動車の運転を終了した旨を入力すると、挙動観測データ取得部71は挙動観測データの取得を終了し、管理者の運転期間中に得られた挙動観測データを通信部66に供給する。
【0121】
同様に、運転診断部72も管理者の運転開始から終了までの期間において、加速度センサ61-1乃至地磁気センサ61-4のうちの必要なセンサ61の出力を取得する。
【0122】
なお、ここでは運転診断部72が、運転診断に用いるデータとしてセンサ61の出力を取得するものとして説明を行うが、その他、自動車のシステムからデータを取得したり、自動車のシステムから得られたデータと、センサ61の出力とを取得したりしてもよい。
【0123】
管理者による運転が終了すると、ステップS12において運転診断部72は、管理者による自動車の運転中に取得されたセンサ61の出力に基づいて、管理者の運転について運転診断を行い、得られた運転診断結果を通信部66に供給する。これにより、例えば安全運転の度合いを示す点数などの運転診断結果が得られる。
【0124】
なお、より詳細には、運転診断部72による運転診断では、管理者の直前の運転時に取得されたセンサ61の出力だけでなく、それ以前の管理者の運転時に取得されたセンサ61の出力も用いられる。したがって、例えばA社のテレマティクス保険についての運転診断結果が、1回目の運転後と2回目の運転後とで変化することもある。
【0125】
ステップS13において、通信部66は、挙動観測データ取得部71から供給された挙動観測データ、および運転診断部72から供給された運転診断結果をサーバ101に送信して、データ収集処理は終了する。
【0126】
なお、挙動観測データと運転診断結果の送信は同時に行われてもよいし、別々に行われてもよい。例えば挙動観測データの送信は、センサ61からの出力が得られるたびに、得られた分ずつ行われるようにしてもよい。
【0127】
ステップS13の処理が行われて挙動観測データおよび運転診断結果が送信されると、サーバ101ではデータ受信処理が行われる。
【0128】
すなわち、ステップS31において通信部111は、管理者端末装置51から送信されてきた挙動観測データおよび運転診断結果を受信して、制御部112に供給する。
【0129】
ステップS32において、データセット生成部121はデータセットを生成する。そして、ステップS33において、記録部113は、データセット生成部121により生成されたデータセットを記録してデータ受信処理は終了する。
【0130】
具体的には、データセット生成部121は、A社のテレマティクス保険についてこれまでに得られた管理者の挙動観測データを読み出すとともに、読み出した挙動観測データと、通信部111から供給された挙動観測データとをまとめて1つの挙動観測データとする。
【0131】
さらに、データセット生成部121は、そのようにして得られた挙動観測データと、通信部111から供給された運転診断結果を対応付けて(紐付けて)データペアとするとともに、そのデータペアと、記録部113に記録されている、これまでに得られたA社のテレマティクス保険のデータペアとからなるデータのセットをデータセットとする。
【0132】
すなわち、データセット生成部121は、ステップS31で受信された運転診断結果を含むデータペアを生成すると、そのデータペアを記録部113に供給し、記録部113に記録されているデータセットに追加して記録させ、データセットを更新させる。
【0133】
比較システムでは、以上において説明したデータ収集処理とデータ受信処理が、同じテレマティクス保険について複数回行われる。また、例えば挙動観測データの収集を行う際の自動車の運転も1人の管理者だけでなく、複数人の管理者が行うようにしてもよい。すなわち、複数人の管理者ごとの挙動観測データと運転診断結果のペアがデータセットとして生成されるようにしてもよい。
【0134】
以上のような処理が行われると、例えば記録部113には図6に示すようなデータセットが記録されることになる。
【0135】
図6は、A社のテレマティクス保険について得られたデータセットの例を示している。
【0136】
この例では、データセットには、運転者aについて得られたデータペアと、運転者aとは異なる運転者bについて得られたデータペアとが含まれている。
【0137】
例えばデータセットには、運転者aの1回目の運転で得られた挙動観測データと、1回目の運転後の運転診断結果とからなるデータペア、運転者aの1回目および2回目の運転で得られた挙動観測データと、2回目の運転後の運転診断結果とからなるデータペアが含まれている。また、データセットには、運転者aの1回目乃至3回目の運転で得られた挙動観測データと、3回目の運転後の運転診断結果とからなるデータペアも含まれている。
【0138】
同様に、データセットには、運転者bの複数回の各運転時に得られたデータペアも含まれている。
【0139】
以上のように管理者端末装置51は運転時の挙動観測データを取得するとともに運転終了後に運転診断を行い、挙動観測データと運転診断結果とをサーバ101に送信する。また、サーバ101は、挙動観測データと運転診断結果を受信してデータセットを生成し、記録する。これにより、データセットを用いて、挙動観測データから運転診断結果の予測を行う運転診断結果予測モデルを生成することができるようになる。
【0140】
〈学習処理の説明〉
A社のテレマティクス保険について、十分な数のデータペアからなるデータセットが得られると、サーバ101はデータセットに基づいて学習処理を行い、運転診断結果予測モデルを生成する。以下、図7のフローチャートを参照して、サーバ101による学習処理について説明する。
【0141】
ステップS61において、学習部122は、記録部113からデータセットを取得する。すなわち、例えばA社のテレマティクス保険のデータセットが、学習部122により記録部113から読み出される。
【0142】
ステップS62において、学習部122は、ステップS61で取得したデータセットに基づいて機械学習を行い、A社のテレマティクス保険についての運転診断結果予測モデルを生成する。
【0143】
例えば機械学習時には、コンボリューションネットワークを利用して、勾配法によってコンボリューションネットワークのパラメータを学習することにより、運転診断結果予測モデルが生成される。すなわち、機械学習では挙動観測データを入力とし、運転診断結果の予測結果を出力とする関数のパラメータが運転診断結果予測モデルとして生成される。
【0144】
学習部122は、機械学習により得られた運転診断結果予測モデルを記録部113に供給して記録させ、学習処理は終了する。
【0145】
以上のようにしてサーバ101は、データセットに基づいて機械学習を行い、運転診断結果予測モデルを生成する。これにより、運転診断結果予測モデルを用いて、実際にテレマティクス保険に加入することなく、そのテレマティクス保険を利用した場合の運転診断結果の予測を行うことができるようになる。
【0146】
管理者端末装置51およびサーバ101では、以上において説明した処理が保険会社ごと、すなわちテレマティクス保険ごとに行われる。これにより、複数のテレマティクス保険ごとに運転診断結果予測モデルが生成される。
【0147】
サーバ101により生成された各テレマティクス保険の運転診断結果予測モデルは、例えばアプリケーションプログラムなどの形式でユーザ端末装置151に提供される。
【0148】
すなわち、例えば運転診断結果予測モデルが通信部111からユーザ端末装置151に送信され、ユーザ端末装置151では、通信部166がサーバ101から送信されてきた運転診断結果予測モデルを受信して制御部162に供給する。
【0149】
そして、制御部162の運転診断結果予測部172は、通信部166からの運転診断結果予測モデルを保持する。なお、運転診断結果予測モデルは、運転診断結果予測部172や記録部164に予め記録されるようにしてもよいし、必要なときにその都度サーバ101から取得されるようにしてもよい。
【0150】
〈運転診断結果予測処理の説明〉
例えば、運転診断結果予測モデルおよびスマートフォンアプリケーションプログラム21を含むアプリケーションプログラムをユーザ端末装置151にインストールするなど、何らかの方法により運転診断結果予測モデルが運転診断結果予測部172に保持されると、運転診断結果の予測とテレマティクス保険の比較を行うことができるようになる。
【0151】
ユーザは、テレマティクス保険の比較を行おうとする場合、入力部163を操作して、少なくともスマートフォンアプリケーションプログラム21を含む専用のアプリケーションプログラムを起動状態とさせる。
【0152】
そして、ユーザはユーザ端末装置151を所持した状態か、またはユーザ端末装置151を自動車内に置いた状態で、自動車の運転を開始する。ユーザ端末装置151では、例えば専用のアプリケーションプログラムが起動状態となったとき、ユーザによる自動車の運転が開始されたとする。なお、例えばユーザが入力部163を操作してユーザ端末装置151に対し、ユーザが運転を開始する旨を入力するなどしてもよい。
【0153】
このようにしてアプリケーションプログラムが起動状態とされ、ユーザによる運転が開始されると、ユーザ端末装置151は運転診断結果の予測を行うとともに、保険比較画面を表示する運転診断結果予測処理を開始する。
【0154】
以下、図8のフローチャートを参照して、ユーザ端末装置151により行われる運転診断結果予測処理について説明する。
【0155】
ステップS91において、挙動観測データ取得部171は、挙動観測データの取得を開始し、ユーザの運転期間中、継続して各時刻の挙動観測データを取得する。すなわち、挙動観測データ取得部171は、加速度センサ161-1乃至地磁気センサ161-4の出力を挙動観測データとして取得(収集)する。
【0156】
また、例えばユーザによる自動車の運転が終了すると、ユーザは入力部163を操作して、運転が終了した旨を入力する。すると、挙動観測データ取得部171は、ユーザの操作により入力部163から供給された信号に応じて、挙動観測データの取得を終了する。
【0157】
ステップS91で取得された挙動観測データは、適宜、挙動観測データ取得部171から記録部164に供給されて記録される。
【0158】
また、ユーザによる運転が終了すると、挙動観測データ取得部171は、これまでに得られた挙動観測データ、つまり過去の所定期間内にユーザが自動車を運転したときに得られた全挙動観測データを記録部164から読み出す。そして、挙動観測データ取得部171は、読み出した挙動観測データと、ステップS91で取得された挙動観測データとをまとめて1つの時系列の挙動観測データとし、運転診断結果予測部172に供給する。
【0159】
ステップS92において、運転診断結果予測部172は、各テレマティクス保険について、運転診断結果予測モデルと挙動観測データとに基づいて、ユーザの運転診断結果を予測する。
【0160】
具体的には、運転診断結果予測部172は、挙動観測データ取得部171から供給された挙動観測データと、保持しているテレマティクス保険の運転診断結果予測モデルとに基づいて、ユーザの運転診断結果の予測結果を求める。すなわち、運転診断結果予測モデルとしての関数に挙動観測データが代入されて演算が行われ、運転診断結果の予測結果が算出される。
【0161】
ステップS93において、表示データ生成部173は、各テレマティクス保険について、ステップS92の処理で得られた運転診断結果の予測結果に基づいて、ユーザがテレマティクス保険を利用したときに得られるであろうディスカウント額を算出する。
【0162】
なお、表示データ生成部173では、予め運転診断結果とディスカウント額の対応関係は既知であるものとする。
【0163】
また、例えば表示データ生成部173は、ユーザの属性情報が予め記録部164に記録されている場合や、属性情報が入力部163に対する操作により入力された場合には、ディスカウント額と属性情報に基づいて、各テレマティクス保険のディスカウント後の月額保険料を算出する。
【0164】
ここで、属性情報は、例えば自動車の車種や年式、自動車の走行距離などのユーザに関する情報であって、ユーザがテレマティクス保険を契約するときに必要となる情報である。テレマティクス保険のディスカウント後の月額保険料は、属性情報から求まるユーザの基本となる月額保険料から、月額のディスカウント額を減算することで求まる。
【0165】
ステップS94において、表示データ生成部173は、ステップS92で得られた運転診断結果の予測結果と、ステップS93で算出されたディスカウント額とに基づいて保険比較画面の表示データを生成する。
【0166】
なお、表示データの生成時には、必要に応じてディスカウント後の月額保険料なども用いられるようにしてもよい。すなわち、保険比較画面には、運転診断結果の予測結果やディスカウント額の他、月額保険料なども表示(提示)されるようにしてもよい。
【0167】
ステップS95において、表示データ生成部173は、ステップS94で生成した表示データを表示部165に供給して、表示部165に保険比較画面を表示させる。
【0168】
これにより、表示部165には、例えば図9に示す保険比較画面が表示される。
【0169】
図9に示す例では、テレマティクス保険A社とテレマティクス保険B社を含む複数の保険会社について、それらの保険会社が提供するテレマティクス保険についてのユーザの運転診断結果の予測結果、ディスカウント額、およびディスカウント後の月額保険料が表示されている。
【0170】
例えばテレマティクス保険A社については、運転診断結果の予測結果「85点」、ディスカウント額「800円/月」、およびディスカウント後の月額保険料「3,200円/月」が表示されている。
【0171】
特にこの例では、テレマティクス保険A社では安全運転の度合いを示す点数が運転診断結果の予測結果として得られている。これに対して、テレマティクス保険B社では、安全運転の度合いを示す5段階評価が運転診断結果の予測結果として得られ、この例では図中の星印により5段階のうちの3番目に高い評価が運転診断結果の予測結果として得られたことが表されている。
【0172】
ユーザは、このような保険比較画面を見ることで、運転診断結果の予測結果やディスカウント額、ディスカウント後の月額保険料など各保険会社のテレマティクス保険について比較を行うことができる。
【0173】
表示部165に保険比較画面が表示されると、運転診断結果予測処理は終了する。
【0174】
なお、ここでは、ステップS91の処理の後、直ちにステップS92乃至ステップS95の処理が行われる場合について説明したが、ステップS91の処理と、ステップS92乃至ステップS95の処理とは異なる日など、異なるタイミングで行われてもよい。
【0175】
以上のようにしてユーザ端末装置151は、運転時に得られた挙動観測データと運転診断結果予測モデルとに基づいてユーザの運転診断結果を予測し、その予測結果に応じた保険比較画面をユーザに対して提示する。これにより、ユーザは、実際に各保険会社のテレマティクス保険に加入することなく、簡単に保険の比較を行うことができる。
【0176】
〈第1の実施の形態の変形例1〉
〈サーバの構成例〉
なお、以上においては、図1に示した運転診断結果予測モジュール22と比較UI作成モジュール23に対応する構成、すなわち運転診断結果予測部172と表示データ生成部173がユーザ端末装置151に設けられる例について説明した。しかし、これらの構成の一部または全部がサーバ101側に設けられるようにしてもよい。
【0177】
例えば運転診断結果予測モジュール22と比較UI作成モジュール23に対応する構成がサーバ101側に設けられる場合、サーバ101は図10に示すように構成される。なお、図10において図3における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0178】
図10に示すサーバ101は、通信部111、制御部112、および記録部113を有している。また、制御部112は、データセット生成部121、学習部122、運転診断結果予測部211、および表示データ生成部212を有している。
【0179】
図10に示すサーバ101の構成は、制御部112に新たに運転診断結果予測部211および表示データ生成部212が設けられている点で図3に示したサーバ101と異なり、その他の点では図3に示したサーバ101と同じ構成となっている。
【0180】
運転診断結果予測部211は、図1に示した運転診断結果予測モジュール22に対応し、保持している運転診断結果予測モデルと、通信部111によりユーザ端末装置151から取得(受信)された、ユーザ端末装置151で得られた挙動観測データとに基づいて、テレマティクス保険ごとに運転診断結果の予測を行う。
【0181】
表示データ生成部212は、図1に示した比較UI作成モジュール23に対応し、運転診断結果予測部211で得られた運転診断結果の予測結果に基づいて、保険比較画面の表示データを生成する。
【0182】
〈ユーザ端末装置の構成例〉
さらに、サーバ101が図10に示す構成とされる場合、ユーザ端末装置151は、例えば図11に示す構成とされる。なお、図11において図4における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0183】
図11に示すユーザ端末装置151は、加速度センサ161-1、ジャイロセンサ161-2、気圧センサ161-3、地磁気センサ161-4、制御部162、入力部163、記録部164、表示部165、および通信部166を有している。
【0184】
図11に示すユーザ端末装置151の構成は、制御部162に運転診断結果予測部172および表示データ生成部173が設けられていない点で図4のユーザ端末装置151と異なり、その他の点では図4に示したユーザ端末装置151と同じ構成となっている。
【0185】
〈挙動観測データ収集処理および運転診断結果予測処理の説明〉
続いて、図11に示したユーザ端末装置151および図10に示したサーバ101により行われる処理について説明する。
【0186】
すなわち、以下、図12のフローチャートを参照して、ユーザ端末装置151による挙動観測データ収集処理、およびサーバ101による運転診断結果予測処理について説明する。
【0187】
ステップS121において、ユーザ端末装置151の挙動観測データ取得部171は、挙動観測データの取得を開始する。すなわち、ステップS121では、図8のステップS91と同様の処理が行われる。また、挙動観測データ取得部171は、取得した挙動観測データと、記録部164から読み出した挙動観測データとを1つにまとめて得られた挙動観測データを通信部166に供給する。
【0188】
ステップS122において、通信部166は、挙動観測データ取得部171から供給された挙動観測データを、サーバ101に送信する。
【0189】
すると、ステップS131において、サーバ101の通信部111は、ユーザ端末装置151から送信されてきた挙動観測データを受信して制御部112に供給する。すなわち、通信部111により挙動観測データが取得される。
【0190】
ステップS132において、運転診断結果予測部211は、各テレマティクス保険について、予め保持している運転診断結果予測モデルと、通信部111から供給された挙動観測データとに基づいて、ユーザの運転診断結果を予測する。すなわちステップS132では、図8のステップS92と同様の処理が行われる。
【0191】
ステップS133において、表示データ生成部212は、各テレマティクス保険について、ステップS132の処理で得られた運転診断結果の予測結果に基づいて、ユーザがテレマティクス保険を利用したときに得られるであろうディスカウント額を算出する。
【0192】
すなわち、ステップS133では、図8のステップS93と同様の処理が行われる。また、表示データ生成部212では、必要に応じて、ユーザの属性情報に基づいて、各テレマティクス保険のディスカウント後の月額保険料も算出される。なお、ユーザの属性情報は、予め記録部113に記録されているようにしてもよいし、ユーザ端末装置151から受信するようにしてもよい。
【0193】
ステップS134において、表示データ生成部212は、ステップS132で得られた運転診断結果の予測結果と、ステップS133で算出されたディスカウント額とに基づいて保険比較画面の表示データを生成し、通信部111に供給する。ステップS134では、図8のステップS94と同様の処理が行われる。
【0194】
ステップS135において、通信部111は、表示データ生成部212から供給された表示データをユーザ端末装置151に送信し、運転診断結果予測処理は終了する。
【0195】
表示データが送信されると、ステップS123においてユーザ端末装置151の通信部166は、サーバ101から送信されてきた表示データを受信して制御部162に供給する。
【0196】
ステップS124において、制御部162は、通信部166からの表示データを表示部165に供給し、表示部165に保険比較画面を表示させる。すなわち、ステップS124では、図8のステップS95と同様の処理が行われる。ユーザ端末装置151で保険比較画面が表示されると挙動観測データ収集処理は終了する。
【0197】
以上のようにして、ユーザ端末装置151は、挙動観測データを取得してサーバ101へと送信するとともに、サーバ101から表示データを受信して保険比較画面を表示させる。また、サーバ101は、ユーザ端末装置151から挙動観測データを受信するとともに、その挙動観測データに基づいて運転診断結果を予測し、表示データを生成する。
【0198】
このようにサーバ101において運転診断結果の予測と表示データの生成を行う場合においても、ユーザは、実際に各保険会社のテレマティクス保険に加入することなく、簡単に保険の比較を行うことができる。
【0199】
〈第2の実施の形態〉
〈ユーザ端末装置の構成例〉
また、ユーザ端末装置151において運転診断結果の予測を行う場合、挙動観測データを取得する期間が長く、予測に用いる挙動観測データが多いほど、すなわちユーザの運転挙動の観測期間(運転時間)が長いほど、予測の精度が高くなる傾向がある。そこで、運転診断結果の予測時に、その予測誤差も求めるようにしてもよい。
【0200】
そのような場合、サーバ101の学習部122は、例えば運転診断結果予測モデルの学習後に、ユーザの運転時間、つまり挙動観測データを収集(取得)した期間の長さと、予測誤差とのペアからなる予測誤差用の学習データをテレマティクス保険ごとに生成する。
【0201】
ここで、予測誤差は、実際に管理者端末装置51の運転診断部72により出力された運転診断結果と、学習により得られた運転診断結果予測モデルを用いて得られた運転診断結果の予測結果との差の絶対値である。つまり、実際の運転診断結果に対する運転診断結果の予測結果の誤差である。
【0202】
例えば運転診断結果として点数が得られる場合、運転診断結果として得られた点数と、運転診断結果の予測結果として得られた点数との差分の絶対値が予測誤差として得られる。
【0203】
学習部122は、各テレマティクス保険について、例えばデータセットに含まれるデータペアごとに、それらのデータペアに基づいて運転時間と予測誤差のペアを生成し、それらのペアからなる学習データを生成する。
【0204】
そして、学習部122は、得られた学習データに基づいて、運転診断結果予測モデルの学習時と同様の機械学習を行い、運転時間から予測誤差を予測するモデルである予測誤差予測モデルを求める。
【0205】
ユーザ端末装置151では、このような予測誤差予測モデルを用いて予測誤差を予測し、その予測結果に基づいて保険比較画面の提示を制御する。すなわち、例えば予測誤差に基づいて運転診断結果の予測結果の確からしさを示す確信度を算出し、運転診断結果の予測結果とともに確信度も保険比較画面で提示したり、予測誤差の少ない、つまり確信度が高い運転診断結果の予測結果のみを保険比較画面で提示したりすることができる。
【0206】
例えば運転診断結果の予測結果の確信度を算出する場合、ユーザ端末装置151は、例えば図13に示すように構成される。なお、図13において図4における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0207】
図13に示すユーザ端末装置151は、加速度センサ161-1乃至通信部166を有しており、また制御部162は、挙動観測データ取得部171、運転診断結果予測部172、表示データ生成部173、および予測誤差予測部241を有している。
【0208】
図13に示すユーザ端末装置151の構成は、制御部162に新たに予測誤差予測部241が設けられている点で図4のユーザ端末装置151と異なり、その他の点では図4に示したユーザ端末装置151と同じ構成となっている。
【0209】
予測誤差予測部241は、サーバ101の学習部122により生成された予測誤差予測モデルを予め保持している。予測誤差予測部241は、予測誤差予測モデルと、運転診断結果の予測に用いられる挙動観測データの収集を行った期間の長さである運転時間とから運転診断結果の予測の誤差を予測し、その予測結果に基づいて確信度を算出する。この場合、予測誤差予測部241は、予測誤差の予測結果に基づいて確信度を算出する算出部として機能する。
【0210】
ここで、確信度は、例えば予測誤差予測モデルを用いた予測誤差の予測結果の逆数などとされ、確信度は、その値が大きいほど予測誤差が小さい、つまり運転診断結果の予測精度が高いことを示している。
【0211】
なお、ここでは予測誤差予測モデルを用いて運転診断結果の予測誤差を予測し、その予測結果に基づいて確信度を算出する例について説明したが、確信度はその他、どのようにして求められるようにしてもよい。例えば運転時間が長いほど予測誤差は小さく、確信度が高くなる傾向にあることから、運転時間に基づいて確信度を算出するようにしてもよい。この場合、例えば運転時間が長いほど確信度が高くなるようにすればよい。
【0212】
表示データ生成部173は、運転診断結果予測部172で得られた運転診断結果の予測結果と、予測誤差予測部241で得られた確信度とに基づいて表示データを生成する。
【0213】
〈運転診断結果予測処理の説明〉
次に、図14のフローチャートを参照して、ユーザ端末装置151が図13に示した構成とされる場合に行われる運転診断結果予測処理について説明する。
【0214】
なお、ステップS161乃至ステップS163の処理は、図8のステップS91乃至ステップS93の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0215】
ステップS164において、予測誤差予測部241は、各テレマティクス保険について、運転診断結果の予測結果の確信度を算出する。
【0216】
すなわち、予測誤差予測部241は、ステップS162で運転診断結果の予測に用いられた挙動観測データの収集期間の長さを運転時間とし、その運転時間と、予め保持している予測誤差予測モデルとに基づいて、運転診断結果の予測結果の予測誤差を求める。そして、予測誤差予測部241は、予測誤差の予測結果の逆数を求めて確信度とする。
【0217】
ステップS165において、表示データ生成部173は、ステップS162で得られた運転診断結果の予測結果、ステップS163で算出されたディスカウント額、およびステップS164で得られた確信度に基づいて保険比較画面の表示データを生成する。
【0218】
例えば表示データ生成部173は、図9に示した保険会社名、運転診断結果の予測結果、ディスカウント額、およびディスカウント後の月額保険料に、さらに各テレマティクス保険の確信度が表示される保険比較画面を表示させる表示データを生成する。このように保険比較画面に確信度も表示(提示)されるようにすることで、ユーザはさらに詳細にテレマティクス保険の比較を行うことができるようになる。
【0219】
その他、例えば確信度が所定の閾値以上となるテレマティクス保険についてのみ、運転診断結果の予測結果やディスカウント額、ディスカウント後の月額保険料などが表示される保険比較画面の表示データが生成されるようにしてもよい。この場合、確信度が閾値未満であり、運転診断結果の予測の精度が十分でないテレマティクス保険については、保険比較画面には情報が表示されないことになる。
【0220】
表示データが生成されると、その後、ステップS166の処理が行われて運転診断結果予測処理は終了するが、ステップS166の処理は図8のステップS95の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0221】
以上のようにして、ユーザ端末装置151は、運転診断結果の予測結果だけでなく、その確信度も算出し、それらの運転診断結果の予測結果と確信度に応じた保険比較画面を表示する。このようにすることで、ユーザは、実際に各保険会社のテレマティクス保険に加入することなく、簡単に保険の比較を行うことができる。
【0222】
なお、ここでは運転診断結果の予測結果と確信度に応じた保険比較画面を表示する例について説明したが、運転診断結果の予測結果と、予測誤差の予測結果とに応じた保険比較画面を表示するようにしてもよい。
【0223】
そのような場合、表示データ生成部173は、例えば図15に示す保険比較画面の表示データを生成する。
【0224】
この例では、保険比較画面にはテレマティクス保険A社とテレマティクス保険B社を含む複数の保険会社について、それらの保険会社が提供するテレマティクス保険についてのユーザの運転診断結果の予測結果とその予測誤差の予測結果、およびディスカウント額が表示されている。
【0225】
例えばテレマティクス保険A社については、運転診断結果の予測結果とその予測誤差の予測結果として「85±7点」が表示されており、ディスカウント額として「800±100円/月」が表示されている。
【0226】
例えば「85±7点」については、運転診断結果の予測結果が85点であり、運転診断結果の予測の予測誤差の予測結果が±7点であることが分かる。また、ディスカウント額についても、ディスカウント額「800円/月」に対して予測誤差によって±100円/月の誤差が生じ得ることが分かる。
【0227】
同様にテレマティクス保険B社では、安全運転の度合いを示す5段階評価が運転診断結果として得られ、この例では図中の星印により5段階のうちの3番目に高い評価が運転診断結果の予測結果として得られたことが表されている。また、その運転診断結果の予測結果の図中、上下の位置に表示された星印により、運転診断結果の予測結果に±1段階分の評価の誤差があることが示されている。
【0228】
また、予測誤差の予測結果が提示される保険比較画面においても、確信度における場合と同様に、予測誤差の予測結果が所定の閾値以下となるテレマティクス保険についてのみ、運転診断結果の予測結果や予測誤差の予測結果、ディスカウント額などが表示されるようにしてもよい。
【0229】
〈第2の実施の形態の変形例1〉
〈サーバの構成例〉
また、予測誤差予測モデルを用いて予測誤差の予測を行う場合においても、運転診断結果の予測、予測誤差の予測、および表示データの生成のうちの一部または全部の処理をサーバ101側で行うようにしてもよい。
【0230】
例えば運転診断結果の予測、予測誤差の予測、および表示データの生成をサーバ101側で行う場合、ユーザ端末装置151は図11に示した構成とされ、サーバ101は図16に示す構成とされる。なお、図16において図10における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0231】
図16に示すサーバ101は、通信部111、制御部112、および記録部113を有しており、また、制御部112は、データセット生成部121、学習部122、運転診断結果予測部211、表示データ生成部212、および予測誤差予測部271を有している。
【0232】
すなわち、図16に示すサーバ101の構成は、制御部112に新たに予測誤差予測部271が設けられている点で図10に示したサーバ101と異なり、その他の点では図10に示したサーバ101と同じ構成となっている。
【0233】
予測誤差予測部271は、図13に示したユーザ端末装置151の予測誤差予測部241に対応し、学習部122により生成された予測誤差予測モデルを予め保持している。予測誤差予測部271は、予測誤差予測モデルと、運転診断結果の予測に用いられる挙動観測データの収集を行った期間の長さである運転時間とから運転診断結果の予測の予測誤差を予測し、その予測結果に基づいて確信度を算出する。
【0234】
〈挙動観測データ収集処理および運転診断結果予測処理の説明〉
続いて、図11に示したユーザ端末装置151および図16に示したサーバ101により行われる処理について説明する。
【0235】
すなわち、以下、図17のフローチャートを参照して、ユーザ端末装置151による挙動観測データ収集処理、およびサーバ101による運転診断結果予測処理について説明する。
【0236】
挙動観測データ収集処理が開始されると、ステップS191およびステップS192の処理が行われて挙動観測データがサーバ101へと送信されるが、これらの処理は図12のステップS121およびステップS122の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0237】
また、挙動観測データがサーバ101へと送信されると、運転診断結果予測処理が開始され、ステップS201乃至ステップS203の処理が行われ、運転診断結果の予測とディスカウント額の算出が行われる。なお、これらのステップS201乃至ステップS203の処理は、図12のステップS131乃至ステップS133の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0238】
ステップS204において、予測誤差予測部271は、各テレマティクス保険について、運転診断結果の予測結果の確信度を算出する。すなわち、ステップS204では、図14のステップS164と同様の処理が行われる。
【0239】
ステップS205において、表示データ生成部212は、ステップS202で得られた運転診断結果の予測結果、ステップS203で算出されたディスカウント額、およびステップS204で得られた確信度に基づいて保険比較画面の表示データを生成する。すなわち、ステップS205では、図14のステップS165と同様の処理が行われる。
【0240】
表示データが生成されると、その後、ステップS206の処理が行われて表示データが送信され、運転診断結果予測処理は終了するが、ステップS206の処理は、図12のステップS135の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0241】
また、表示データが送信されると、ユーザ端末装置151において、ステップS193およびステップS194の処理が行われて挙動観測データ収集処理は終了するが、これらの処理は図12のステップS123およびステップS124の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0242】
以上のようにして、ユーザ端末装置151は、挙動観測データを取得してサーバ101へと送信するとともに、サーバ101から表示データを受信して保険比較画面を表示させる。また、サーバ101は、ユーザ端末装置151から挙動観測データを受信するとともに、その挙動観測データに基づいて運転診断結果を予測し、運転診断結果の予測の確信度も算出する。そして、サーバ101は、運転診断結果の予測結果と確信度に応じた保険比較画面の表示データを生成する。
【0243】
このようにサーバ101において運転診断結果の予測や確信度の算出、表示データの生成を行う場合においても、ユーザは、実際に各保険会社のテレマティクス保険に加入することなく、簡単に保険の比較を行うことができる。
【0244】
〈第3の実施の形態〉
〈ユーザ端末装置の構成例〉
ところで、以上において説明した各実施の形態では、ユーザ端末装置151において、ユーザによる自動車の運転中に挙動観測データを収集する場合、ユーザは運転開始と運転終了のタイミングを操作入力やアプリケーションプログラムの起動等によりユーザ端末装置151に通知する必要がある。しかし、このような運転開始時や運転終了時の操作入力は、ユーザにとっては手間となる。特に、運転終了については、ユーザは明示的に操作入力を行う必要があった。
【0245】
そこで、例えばユーザによる自動車の運転終了については、ユーザ端末装置151に設けられた行動認識システム、つまり行動認識機能により検出されるようにして、ユーザによる操作入力の負担を軽減させるようにしてもよい。この場合、例えば行動認識システムにおいて、ユーザについての行動認識結果として「自動車に乗車」ではない行動認識結果が観測され始めた時点で、ユーザによる自動車の運転が終了したと判定されるようにすることができる。
【0246】
そのような場合、ユーザ端末装置151は、例えば図18に示すように構成される。なお、図18において図4における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0247】
図18に示すユーザ端末装置151は、加速度センサ161-1乃至通信部166を有しており、また制御部162は、挙動観測データ取得部171、運転診断結果予測部172、表示データ生成部173、および行動認識部301を有している。
【0248】
図18に示すユーザ端末装置151の構成は、制御部162に新たに行動認識部301が設けられている点で図4のユーザ端末装置151と異なり、その他の点では図4に示したユーザ端末装置151と同じ構成となっている。
【0249】
行動認識部301は、加速度センサ161-1乃至地磁気センサ161-4のうちの1または複数、すなわち少なくとも何れか1つのセンサ161の出力に基づいて、ユーザ端末装置151を所持するユーザがどのような行動を行っているか、つまりユーザの行動状態を認識(特定)する行動認識を行う。
【0250】
行動認識では、例えば「停止」、「歩き」、「走り」、「自転車運転」、および「自動車に乗車」を含む複数の行動状態のうちの何れかが行動認識結果として得られるようになされている。つまり、ユーザの行動状態が複数の行動状態のうちの何れであるかが認識される。
【0251】
ここで、行動認識結果としての「停止」は、例えばユーザが自動車等に乗っているか否かによらず停止している状態であり、「歩き」はユーザが歩行中の状態であり、「走り」はユーザが走っている状態である。
【0252】
また、行動認識結果としての「自転車運転」は、ユーザが自転車を運転している状態であり、「自動車に乗車」はユーザが自動車に乗車している状態である。
【0253】
ここで、ユーザが自動車に乗車している状態であるかは、例えばセンサ161の出力から特定されるユーザ端末装置151、つまりユーザの移動速度や、その移動速度の時間方向の変化などに基づいて認識することが可能である。
【0254】
なお、行動認識では、少なくとも「自動車に乗車」を含む2以上の行動状態のうちの何れかが行動認識結果として得られるようにすればよい。
【0255】
挙動観測データ取得部171は、行動認識部301による行動認識結果に基づいてユーザの自動車の運転終了のタイミング(時刻)を検出し、挙動観測データの収集(取得)を終了する。
【0256】
〈挙動観測データ収集処理の説明〉
続いて、ユーザ端末装置151が図18に示した構成とされる場合に、ユーザ端末装置151により行われる処理について説明する。
【0257】
すなわち、以下、図19のフローチャートを参照して、ユーザ端末装置151による挙動観測データ収集処理について説明する。この挙動観測データ収集処理は、例えばユーザ端末装置151にインストールされた専用のアプリケーションプログラムが起動状態となったとき、つまりユーザが運転を開始したときに開始される。
【0258】
挙動観測データ収集処理が開始されると、ステップS231の処理が行われて挙動観測データの取得が開始されるが、ステップS231の処理は図8のステップS91の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0259】
ステップS232において、行動認識部301は、加速度センサ161-1乃至地磁気センサ161-4の出力に基づいてユーザの行動認識を行う。行動認識によって、例えば「自動車に乗車」などのユーザの行動状態が認識される。
【0260】
ステップS233において、挙動観測データ取得部171は、ステップS232における行動認識の認識結果に基づいて、ユーザが自動車に乗車中であるか否かを判定する。
【0261】
例えば、「自動車に乗車」を示す行動状態が行動認識の結果として得られた場合、自動車に乗車中であると判定される。
【0262】
また、より詳細には、例えば行動認識部301による行動認識の結果が「自動車に乗車」である状態から、「自動車に乗車」以外の他の行動状態に変化しても直ちに自動車に乗車中でないと判定されないようにされる。
【0263】
具体的には、例えば行動認識の結果が「自動車に乗車」である状態から「自動車に乗車」以外の他の行動状態に変化した後、所定時間の間、継続して「自動車に乗車」以外の行動状態を示す行動認識結果が得られた場合に、ステップS233において自動車に乗車中でないと判定される。
【0264】
そして、行動認識の結果が「自動車に乗車」である状態から、「自動車に乗車」以外の他の行動状態に変化したタイミングが、ユーザによる自動車の運転終了のタイミングとされ、その運転終了のタイミングまでのセンサ161の出力が挙動観測データとして収集される。
【0265】
すなわち、ユーザによる運転が開始された後、行動認識の結果として「自動車に乗車」以外の他の行動状態が観測され始めた時点が運転終了のタイミングとされる。このようにすることで、より正確にユーザによる自動車の運転終了のタイミングを特定することが可能となる。
【0266】
ステップS233において自動車に乗車中であると判定された場合、ステップS234において、挙動観測データ取得部171は挙動観測データの取得(収集)を継続して行う。そして、その後、処理はステップS232へと戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
【0267】
これに対して、ステップS233において、ユーザが自動車に乗車中でないと判定された場合、すなわち、ユーザによる自動車の運転が終了した場合、処理はステップS235へと進む。
【0268】
ステップS235において挙動観測データ取得部171は、挙動観測データの取得(収集)を終了し、挙動観測データ収集処理は終了する。
【0269】
以上のようにしてユーザ端末装置151は、挙動観測データの収集時に行動認識を行い、その行動認識の結果からユーザの自動車の運転終了を特定する。これにより、ユーザに運転終了時の入力操作を行わせることなく、挙動観測データの取得終了のタイミングを特定することができ、利便性を向上させることができる。
【0270】
なお、図19を参照して説明した挙動観測データ収集処理は、例えば図8のステップS91や図12のステップS121、図14のステップS161、図17のステップS191の処理に対応する。
【0271】
したがって、例えばこれらの図8図12図14、および図17のそれぞれを参照して説明した処理が行われるときに、図8のステップS91、図12のステップS121、図14のステップS161、および図17のステップS191のそれぞれにおいて、図19を参照して説明した処理と同様の処理が行われるようにすることができる。
【0272】
〈第3の実施の形態の変形例1〉
〈ユーザ端末装置の構成例〉
さらに、例えばGPS(Global Positioning System)などの位置測定システムを利用してユーザの位置、つまりユーザ端末装置151の位置を特定し、その特定結果に基づいてユーザによる自動車の運転開始と終了のタイミングを特定するようにしてもよい。
【0273】
ユーザが自動車を運転する場合、自宅の車庫から会社やスーパーまでなど、ある特定の位置間の往復の移動に自動車を利用することも多い。
【0274】
そこで、例えば予め特定の位置のペアを、ユーザが頻繁に利用する経路の運転開始位置と終了位置、つまり運転パスの両端の位置として記録(登録)しておき、挙動観測データの収集に利用するようにしてもよい。
【0275】
この場合、例えば行動認識の結果が「自動車に乗車」であり、かつ運転パスの両端の位置のうちの一方の位置から他方の位置まで移動した期間をユーザによる自動車の運転期間とすることができる。
【0276】
ここで、運転パスの両端の各位置を登録位置と称することとし、ユーザ端末装置151には、ペアとされた登録位置を示す運転パス情報が記録されているとする。この運転パス情報は、2つの登録位置により定まる運転パスを示す情報であるともいうことができる。
【0277】
このような運転パス情報を利用して挙動観測データの収集を行う場合、ユーザ端末装置151は、例えば図20に示すように構成される。なお、図20において、図18における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0278】
図20に示すユーザ端末装置151は、加速度センサ161-1乃至通信部166、および位置測定部331を有しており、また制御部162は、挙動観測データ取得部171、運転診断結果予測部172、表示データ生成部173、および行動認識部301を有している。
【0279】
図20に示すユーザ端末装置151の構成は、新たに位置測定部331が設けられている点で図18に示したユーザ端末装置151と異なり、その他の点では図18に示したユーザ端末装置151と同じ構成となっている。
【0280】
位置測定部331は、例えばGPSなどの位置測定システムによりユーザの位置、すなわちユーザ端末装置151の位置を測定し、その測定結果を測定位置情報として制御部162に供給(出力)する。例えば位置測定部331がGPSにより位置測定を行う場合、GPS座標が測定位置情報として出力される。
【0281】
また、挙動観測データ取得部171は、予め1または複数の運転パス情報を保持しており、運転パス情報、位置測定部331からの測定位置情報、および行動認識部301による行動認識結果に基づいて挙動観測データを収集(取得)する。すなわち、挙動観測データの収集が行われる、ユーザによる自動車の運転開始から運転終了までの運転期間が特定される。
【0282】
なお、運転パス情報は、例えば入力部163による操作入力やユーザの過去の運転履歴等に基づいて挙動観測データ取得部171により生成されてもよいし、通信部166により外部から取得されるようにしてもよい。
【0283】
例えば、ユーザ等が入力部163を操作して、運転パスの両端の位置を地図情報等から入力し、挙動観測データ取得部171がユーザの操作に応じて入力部163から供給された信号に基づいて運転パス情報を生成するようにしてもよい。
【0284】
また、例えばユーザが自動車の運転開始と終了のタイミングを明示的に入力して自動車の運転を行った場合、運転開始のタイミングで位置測定部331から出力された測定位置情報と、運転終了のタイミングで位置測定部331から出力された測定位置情報とのペアが登録位置のペアとされて運転パス情報が生成されるようにしてもよい。
【0285】
〈挙動観測データ収集処理の説明〉
続いて、ユーザ端末装置151が図20に示した構成とされる場合に、ユーザ端末装置151により行われる処理について説明する。
【0286】
すなわち、以下、図21のフローチャートを参照して、ユーザ端末装置151による挙動観測データ収集処理について説明する。
【0287】
ステップS261において、行動認識部301は、加速度センサ161-1乃至地磁気センサ161-4の出力に基づいてユーザの行動認識を開始する。すなわち、ステップS261では、図19のステップS232と同様の処理が行われる。
【0288】
ステップS262において、位置測定部331は、ユーザの位置、すなわちユーザ端末装置151の位置の測定を開始する。
【0289】
ステップS263において、挙動観測データ取得部171は、行動認識部301から行動認識の結果を取得する。
【0290】
ステップS264において、挙動観測データ取得部171は、ステップS263の処理で取得した行動認識の結果に基づいて、ユーザが自動車に乗車中であるか否かを判定する。例えば、ステップS264では、取得した行動認識結果が「自動車に乗車」を示す行動状態である場合に、自動車に乗車中であると判定される。
【0291】
ステップS264において自動車に乗車中でないと判定された場合、処理はステップS263に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
【0292】
これに対して、ステップS264において自動車に乗車中であると判定された場合、ステップS265において、挙動観測データ取得部171は、位置測定部331から測定位置情報を取得する。これにより、挙動観測データ取得部171では、ユーザ端末装置151の現在位置を特定することができる。
【0293】
ステップS266において、挙動観測データ取得部171は、ユーザ端末装置151の現在位置が、予め保持している運転パス情報により示される運転パスの両端の位置のうちの何れか一方と同じ位置であるか否かを判定する。
【0294】
例えば挙動観測データ取得部171は、ステップS265で取得した測定位置情報により示されるユーザ端末装置151の現在位置と、保持している全ての運転パス情報により示される登録位置とを比較する。そして、挙動観測データ取得部171は、登録位置のなかに、ユーザ端末装置151の現在位置と同じ位置のものがある場合、運転パスの両端の位置のうちの何れか一方と同じ位置であると判定する。
【0295】
なお、より詳細には、ユーザ端末装置151の現在位置と登録位置との間の距離が所定の閾値以下である場合、現在位置が登録位置と同じであるとされる。
【0296】
ステップS266において、運転パスの両端の位置のうちの何れか一方と同じ位置でないと判定された場合、処理はステップS263に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
【0297】
これに対して、ステップS266において、運転パスの両端の位置のうちの何れか一方と同じ位置であると判定された場合、ユーザによる自動車の運転が開始されたとされ、処理はステップS267へと進む。
【0298】
このとき、挙動観測データ取得部171は、ユーザ端末装置151の現在位置と同じ位置を登録位置として含む運転パスを注目運転パスとする。なお、注目運転パスは1つであることもあるし、複数あることもある。
【0299】
ステップS267において、挙動観測データ取得部171は、挙動観測データの取得(収集)を開始する。なお、ステップS267では図19のステップS231と同様の処理が行われる。
【0300】
ステップS268において、挙動観測データ取得部171は、行動認識部301から行動認識の結果を取得する。
【0301】
ステップS269において、挙動観測データ取得部171は、ステップS268の処理で取得した行動認識の結果に基づいて、ユーザが自動車に乗車中であるか否かを判定する。
【0302】
例えばステップS269では、取得した行動認識結果が「自動車に乗車」を示す行動状態である場合に、自動車に乗車中であると判定される。
【0303】
また、例えば図19のステップS233のように、行動認識の結果が「自動車に乗車」である状態から「自動車に乗車」以外の他の行動状態に変化した後、所定時間の間、継続して「自動車に乗車」以外の行動状態を示す行動認識結果が得られた場合に、自動車に乗車中でないと判定されるようにしてもよい。
【0304】
ステップS269において自動車に乗車中であると判定された場合、ステップS270において、挙動観測データ取得部171は、挙動観測データの取得(収集)を継続して行う。ステップS270の処理が行われると、その後、処理はステップS268へと戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
【0305】
これに対して、ステップS269において自動車に乗車中でないと判定された場合、ステップS271において、挙動観測データ取得部171は位置測定部331から測定位置情報を取得する。
【0306】
ステップS272において、挙動観測データ取得部171は、ユーザ端末装置151の現在位置が、注目運転パスの両端の位置のうちの他方と同じ位置であるか否かを判定する。
【0307】
例えば挙動観測データ取得部171は、ステップS271で取得した測定位置情報により示されるユーザ端末装置151の現在位置と、注目運転パスの運転パス情報により示される登録位置とを比較する。このとき、注目運転パスの一方の登録位置は、ステップS265で取得された測定位置情報により示される位置と同じであるので、注目運転パスの他方の位置と、ユーザ端末装置151の現在位置とが比較される。
【0308】
そして、挙動観測データ取得部171は、注目運転パスとした運転パスのなかに、運転パスの他方の登録位置が、ユーザ端末装置151の現在位置と同じ位置のものがある場合、運転パスの両端の位置のうちの他方と同じ位置であると判定する。
【0309】
したがって、運転パスの両端の位置のうちの他方と同じ位置であると判定された場合には、ユーザが自動車を運転して、注目運転パスの一方の登録位置から他方の登録位置まで移動し、自動車の運転が終了したことになる。
【0310】
このように挙動観測データ取得部171は、位置測定部331による位置測定の結果と行動認識部301による行動認識の結果とに基づいて、ユーザが自動車を運転していた期間、つまり運転の開始および終了のタイミングを特定する。
【0311】
ステップS272において、運転パスの両端の位置のうちの他方と同じ位置であると判定された場合、つまり運転パスでの自動車運転が行われ、自動車の運転が終了した場合、処理はステップS273へと進む。
【0312】
ステップS273において、挙動観測データ取得部171は、挙動観測データの取得(収集)を終了し、挙動観測データ収集処理は終了する。
【0313】
これに対して、ステップS272において、運転パスの両端の位置のうちの他方と同じ位置でないと判定された場合、処理はステップS274へと進む。
【0314】
この場合、ユーザは運転パスとは異なる位置間を自動車で移動したか、または実際にはユーザによる自動車の運転が行われていなかった可能性があるので、挙動観測データ取得部171は、ユーザにより自動車が運転されていなかったとする。つまり、ステップS267の処理の開始後の期間を挙動観測データの収集対象期間とはしない。
【0315】
ステップS274において、挙動観測データ取得部171は、ステップS267の処理で収集を開始した挙動観測データ、つまりこれまでに取得した挙動観測データを破棄し、挙動観測データ収集処理は終了する。
【0316】
以上のようにしてユーザ端末装置151は、行動認識の結果と、ユーザ端末装置151の位置とに基づいてユーザが自動車を運転している期間を特定し、その期間の挙動観測データを収集する。これにより、ユーザに入力操作を行わせることなく、挙動観測データを収集すべき期間を特定することができ、利便性を向上させることができる。
【0317】
なお、図21を参照して説明した挙動観測データ収集処理は、図19を参照して説明した挙動観測データ収集処理と同様に、例えば図8のステップS91や図12のステップS121、図14のステップS161、図17のステップS191の処理に対応する。
【0318】
したがって、例えばこれらの図8図12図14、および図17のそれぞれを参照して説明した処理が行われるときに、図8のステップS91、図12のステップS121、図14のステップS161、および図17のステップS191のそれぞれにおいて、図21を参照して説明した処理と同様の処理が行われるようにすることができる。
【0319】
〈第4の実施の形態〉
〈ユーザ端末装置の構成例〉
ところで、ユーザ端末装置151では、センサ161の出力が挙動観測データとして収集される。収集された挙動観測データは、ユーザが自動車を運転している期間におけるデータであり、ユーザの運転挙動を直接的に表すデータではないが、これらの挙動観測データからユーザの自動車運転時の運転挙動を特定することが可能である。
【0320】
具体的には、例えば加速度センサ161-1の出力である加速度の測定結果等から、ユーザによる急ブレーキや急加速などの運転挙動を特定することができる。また、例えばジャイロセンサ161-2の出力である角速度や地磁気センサ161-4の出力である方位の時系列の変化などから、急ハンドルなどの運転挙動を特定することもできる。
【0321】
そこで、ユーザの運転期間に収集された挙動観測データに基づいて、運転診断結果予測モデルを用いた運転診断結果の予測において、その予測結果が悪化する一部の期間(区間)、つまり実際の運転診断結果が悪化するであろう期間と、予測結果を悪化させる運転挙動を特定し、テレマティクス保険の運転診断結果の改善に利用するようにしてもよい。具体的には、例えば運転診断結果を悪化させる要因となる運転挙動をユーザに対して通知(提示)し、改善を促すようにすることなどが考えられる。
【0322】
そのような場合、例えばユーザが実際に加入しているテレマティクス保険について運転診断結果の改善のための通知を行うようにしてもよいし、実際にはユーザがまだ加入していないテレマティクス保険について運転診断結果の改善のための通知を行ってもよい。
【0323】
このようにすることで、ユーザは自身の運転挙動に注意するようになり、利用中またはこれから利用しようとするテレマティクス保険の運転診断結果を改善させることができる。
【0324】
一例として、運転診断結果を悪化させる期間と運転挙動の特定方法として、以下のような方法が考えられる。
【0325】
過去に挙動観測データを収集した全ての期間、つまり全ての期間を合わせたものを全診断対象期間と称することとすると、まず全診断対象期間が複数の区間(以下、分割区間とも称する)に分割される。ここで、各分割区間は、それぞれ同じ長さの区間(期間)であってもよいし、異なる長さの区間であってもよい。
【0326】
次に、複数の分割区間のうちの1つが処理対象の分割区間として選択され、全診断対象期間から処理対象の分割区間を除いた残りの区間が除外後診断対象区間とされる。そして、その除外後診断対象区間に収集された挙動観測データに基づいて運転診断結果の予測が行われる。
【0327】
さらに、全診断対象期間での運転診断結果の予測結果と、除外後診断対象区間での運転診断結果の予測結果とが比較され、除外後診断対象区間で予測結果が改善した場合、処理対象の分割区間が運転診断結果を悪化させる区間であるとされる。
【0328】
処理対象の分割区間が運転診断結果を悪化させる区間であるとされた場合、処理対象の分割区間に収集された挙動観測データに基づいて、その処理対象の分割区間の特徴情報が抽出される。
【0329】
ここで、特徴情報とは、運転診断結果を悪化させる要因となる運転挙動を示す情報である。具体的には、例えば挙動観測データに基づいて処理対象の分割区間内に行われた急ブレーキ、急加速、急ハンドル等の各運転挙動の回数がカウントされ、最もカウント数が多い運転挙動が運転診断結果を悪化させる要因となる運転挙動(以下、悪化要因挙動とも称する)として抽出される。
【0330】
このような処理が全分割区間について行われ、悪化要因挙動を通知する画面、すなわち運転診断の改善策を提案する画面である改善提案画面の表示データが生成され、その表示データに基づいて、ユーザに対して改善提案画面が提示(表示)される。
【0331】
このように改善提案画面を提示し、ユーザに悪化要因挙動を減らす提案をすることで、実際のテレマティクス保険の運転診断結果の改善についてフィードバックを行うことができる。
【0332】
このように運転診断結果を悪化させる一部の区間と運転挙動を特定し、改善提案画面を表示する場合、ユーザ端末装置151は、例えば図22に示すように構成される。なお、図22において図4における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0333】
図22に示すユーザ端末装置151は、加速度センサ161-1乃至通信部166を有しており、また制御部162は、挙動観測データ取得部171、運転診断結果予測部172、表示データ生成部173、および運転挙動特定部361を有している。
【0334】
図22に示すユーザ端末装置151の構成は、制御部162に新たに運転挙動特定部361が設けられている点で図4のユーザ端末装置151と異なり、その他の点では図4に示したユーザ端末装置151と同じ構成となっている。
【0335】
運転診断結果予測部172は、記録部164に記録されている挙動観測データを読み出して、その挙動観測データの収集(取得)が行われた期間を全診断対象期間とする。また、運転診断結果予測部172は、全診断対象期間に含まれる各除外後診断対象区間について運転診断結果の予測を行い、運転診断結果を悪化させる分割区間を特定する。
【0336】
運転挙動特定部361は、運転診断結果を悪化させる分割区間に収集された挙動観測データに基づいて、その分割区間の特徴情報を抽出する。表示データ生成部173は、運転挙動特定部361により抽出された特徴情報に基づいて、改善提案画面の表示データを生成する。
【0337】
〈提示処理の説明〉
次に、図22に示したユーザ端末装置151の動作について説明する。すなわち、以下、図23のフローチャートを参照して、ユーザ端末装置151による提示処理について説明する。
【0338】
ステップS301において、運転診断結果予測部172は、全診断対象期間の挙動観測データと、保持している運転診断結果予測モデルとに基づいて運転診断結果の予測を行う。
【0339】
すなわち、運転診断結果予測部172は、記録部164から、ユーザについてこれまでに収集されて記録部164に記録された全ての挙動観測データを読み出すとともに、読み出した挙動観測データの収集を行った期間を全診断対象期間とする。そして、運転診断結果予測部172は、予め保持している運転診断結果予測モデルと、全診断対象期間の挙動観測データとに基づいて運転診断結果の予測を行う。
【0340】
ステップS302において、運転診断結果予測部172は、全診断対象期間を任意の複数の分割区間に分割する。
【0341】
ステップS303において、運転診断結果予測部172は、複数の分割区間のうちの1つを処理対象の分割区間として選択する。
【0342】
ステップS304において、運転診断結果予測部172は全診断対象期間から処理対象の分割区間を除外して残った区間を除外後診断対象区間とし、その除外後診断対象区間の挙動観測データと、運転診断結果予測モデルとに基づいて運転診断結果を予測する。
【0343】
ステップS305において、運転診断結果予測部172は、除外後診断対象区間で運転診断結果の予測結果が改善したか否かを判定する。
【0344】
例えば運転診断結果の予測結果として安全運転度合いを示す点数が得られる場合、運転診断結果予測部172は、除外後診断対象区間における運転診断結果の予測結果から、全診断対象期間における運転診断結果の予測結果を減算することで差分を求める。
【0345】
そして、運転診断結果予測部172は、求められた差分が予め定められた閾値以上である場合、除外後診断対象区間で運転診断結果の予測結果が改善したと判定する。すなわち、全診断対象期間における運転診断結果の予測結果よりも、除外後診断対象区間における運転診断結果の予測結果が閾値以上高くなった場合、予測結果が改善したと判定される。
【0346】
換言すれば、運転診断結果予測部172は、除外後診断対象区間における運転診断結果の予測結果と、全診断対象期間における運転診断結果の予測結果とを比較して、運転診断結果の悪化要因となる分割区間を特定する。
【0347】
ステップS305において予測結果が改善したと判定された場合、ステップS306において、運転挙動特定部361は処理対象の分割区間の特徴情報を抽出し、その後、処理はステップS307へと進む。
【0348】
具体的には、例えば運転挙動特定部361は、処理対象の分割区間の挙動観測データに基づいて、処理対象の分割区間内の各時刻でユーザにより行われた急ブレーキや急加速、急ハンドルなどの運転挙動を特定する。
【0349】
また、運転挙動特定部361は、分割区間内で観測された、すなわち分割区間内で特定された各運転挙動について、分割区間内でそれらの運転挙動が行われた(観測された)回数をカウントし、最もカウント数が多い運転挙動を示す情報を特徴情報として生成する。
【0350】
ここで、除外後診断対象区間で運転診断結果の予測結果が改善した場合、処理対象の分割区間は、運転診断結果の予測結果を悪化させる要因となる区間である。したがって、そのような処理対象の分割区間において、最も多く観測された、つまり最も多く行われた運転挙動は運転診断結果の予測結果を悪化させる悪化要因挙動である。
【0351】
運転挙動特定部361は、挙動観測データに基づいて処理対象の分割区間内で行われた各運転挙動の回数を求めることで悪化要因挙動を特定し、その特定結果を示す特徴情報を生成する。
【0352】
これに対して、ステップS305において、予測結果が改善しなかったと判定された場合、ステップS306の処理はスキップされて、処理はステップS307へと進む。
【0353】
ステップS305において予測結果が改善しなかったと判定されたか、またはステップS306において特徴情報が抽出されると、ステップS307において、運転診断結果予測部172は、全ての分割区間について処理を行ったか否かを判定する。
【0354】
例えば全ての分割区間が処理対象の分割区間とされてステップS304乃至ステップS306の処理が行われた場合、全ての分割区間について処理を行ったと判定される。
【0355】
ステップS307において、まだ全ての分割区間について処理を行っていないと判定された場合、処理はステップS303に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
【0356】
これに対して、ステップS307において、全ての分割区間について処理を行ったと判定された場合、ステップS308において、表示データ生成部173は、ステップS306の処理で得られた特徴情報に基づいて、改善提案画面の表示データを生成する。
【0357】
例えば表示データ生成部173は、特徴情報により示される悪化要因挙動が提示されるとともに、その悪化要因挙動を減らすことで運転診断結果が改善する旨の改善提案画面を表示させる表示データを生成する。
【0358】
ここで、例えば複数の特徴情報が得られたときには、それらの特徴情報により示される悪化要因挙動のうち、最もカウント数の合計等が多い悪化要因挙動や、特徴情報として抽出された回数が最も多い悪化要因挙動が改善提案画面で提示されるようにしてもよい。また、全ての悪化要因挙動が改善提案画面で提示されるようにしてもよい。
【0359】
さらに、ステップS306の処理が1度も行われず、特に改善すべき点がない場合には、その旨の改善提案画面の表示データが生成される。
【0360】
ステップS309において、表示データ生成部173は、ステップS308で得られた表示データを表示部165に供給して、表示部165に改善提案画面を表示させ、提示処理は終了する。
【0361】
以上のようにして、ユーザ端末装置151は、挙動観測データに基づいて運転診断結果が悪化する区間と、その区間で行われた悪化要因挙動とを特定し、その特定結果に応じた改善提案画面を提示する。これにより、ユーザは自身の運転挙動を改善させ、より良い運転診断結果を得ることができるようになる。
【0362】
なお、ここでは、全診断対象期間における運転診断結果の予測結果との差分が閾値以上となる除外後診断対象区間に対応する分割区間について特徴情報を抽出する例について説明した。
【0363】
しかし、その他、例えば全診断対象期間における運転診断結果の予測結果との差分が閾値以上となる除外後診断対象区間のなかから、差分が大きい順に所定数の除外後診断対象区間を選択し、選択した除外後診断対象区間に対応する分割区間の特徴情報から表示データが生成されるようにしてもよい。
【0364】
また、図23を参照して説明した提示処理では、運転診断結果の悪化要因となる分割区間を特定する例について説明したが、逆に運転診断結果の改善要因となる分割区間を特定するようにしてもよい。
【0365】
そのような場合、例えば図23のステップS305において、運転診断結果予測部172は、除外後診断対象区間で運転診断結果の予測結果が悪化したか否かを判定する。
【0366】
例えば運転診断結果の予測結果として安全運転度合いを示す点数が得られる場合、運転診断結果予測部172は、全診断対象期間における運転診断結果の予測結果から、除外後診断対象区間における運転診断結果の予測結果を減算することで差分を求める。
【0367】
そして、運転診断結果予測部172は、求められた差分が予め定められた閾値以上である場合、除外後診断対象区間で運転診断結果の予測結果が悪化したと判定する。すなわち、全診断対象期間における運転診断結果の予測結果よりも、除外後診断対象区間における運転診断結果の予測結果が閾値以上低くなった場合、予測結果が悪化したと判定される。
【0368】
換言すれば、運転診断結果予測部172は、除外後診断対象区間における運転診断結果の予測結果と、全診断対象期間における運転診断結果の予測結果とを比較して、運転診断結果の改善要因となる分割区間を特定する。
【0369】
これにより、ステップS306では、改善要因となる運転挙動を示す特徴情報が、改善要因となる分割区間から抽出されることになる。
【0370】
したがって、ステップS308では、特徴情報により示される改善要因となる運転挙動を示すとともに、その運転挙動を増やすことで運転診断結果が改善する旨の改善提案画面を表示させる表示データが生成される。
【0371】
さらに、図23を参照して説明した提示処理の一部がサーバ101で行われるようにしてもよい。そのような場合、例えばユーザ端末装置151からサーバ101に対して全診断対象期間の挙動観測データが送信される。
【0372】
サーバ101の通信部111は、ユーザ端末装置151からの挙動観測データを受信して制御部112に供給する。そして、制御部112は、通信部111から供給された挙動観測データに基づいて、図23のステップS301乃至ステップS308の処理を行って表示データを生成し、通信部111に供給する。
【0373】
さらに、通信部111は、制御部112から供給された表示データをユーザ端末装置151に送信し、ユーザ端末装置151は、サーバ101から送信されてきた表示データを受信して改善提案画面を表示させる。
【0374】
また、以上においては、自動車の運転時の運転挙動を示す挙動観測データとして、センサ161の出力を取得する例について説明した。しかし、センサ161の出力の他、例えば運転中の場所情報や、運転中の天候情報、運転中の時刻情報、運転者の生体情報なども挙動観測データとして取得し、運転診断結果の予測に用いるようにしてもよい。
【0375】
ここで、場所情報は、例えば自動車が交差点や高速道路、砂利道等、どのような道路や場所を走行しているかを示す情報であり、GPSなどの位置測定システムや地図情報提供システムなどから取得するようにしてもよい。
【0376】
天候情報は、例えば雨や快晴、氷点下など、現在の天気や気温などを示す情報であり、天候情報を提供するウェブサイトなどから取得することができる。時刻情報は、現在の時刻を示す情報、日没後や日没時などの現在の時間帯を示す情報などであり、時刻情報を提供するウェブサイトなどから取得することができる。
【0377】
また、運転者の生体情報は、例えば運転者の心拍数や血圧、睡眠時間、眠気、歩行時の歩数などのユーザ自身に関する情報、つまり生体に関する情報であり、例えばユーザが装着しているウェアラブルデバイスなどから無線通信等により取得することができる。
【0378】
さらに、以上においては、本技術をテレマティクス保険に適用する例について説明したが、その他、健康保険や医療保険、生命保険などにも適用可能である。
【0379】
例えば健康な生活をしているユーザほどディスカウント額が大きくなる生命保険に本技術を適用する場合、ユーザの脈拍や睡眠時間などの情報や、ユーザがスポーツセンターを利用した時間などのユーザの健康に関係する情報が挙動観測データとして取得される。
【0380】
そして、取得された挙動観測データと、予め学習により求められた運転診断結果予測モデルに対応する診断結果予測モデルとに基づいて、ユーザの保険に関する診断結果が予測され、その予測結果に基づいて保険料のディスカウント額が算出される。この場合、ユーザの保険に関する診断結果は、ユーザの健康度合いや保険料を優遇すべき度合いなどの診断結果とされる。
【0381】
〈コンピュータの構成例〉
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のコンピュータなどが含まれる。
【0382】
図24は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0383】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)501,ROM(Read Only Memory)502,RAM(Random Access Memory)503は、バス504により相互に接続されている。
【0384】
バス504には、さらに、入出力インターフェース505が接続されている。入出力インターフェース505には、入力部506、出力部507、記録部508、通信部509、及びドライブ510が接続されている。
【0385】
入力部506は、キーボード、マウス、マイクロホン、撮像素子などよりなる。出力部507は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部508は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部509は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ510は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体511を駆動する。
【0386】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU501が、例えば、記録部508に記録されているプログラムを、入出力インターフェース505及びバス504を介して、RAM503にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0387】
コンピュータ(CPU501)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体511に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0388】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブル記録媒体511をドライブ510に装着することにより、入出力インターフェース505を介して、記録部508にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部509で受信し、記録部508にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM502や記録部508に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0389】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0390】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0391】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0392】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0393】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0394】
また、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【0395】
さらに、本技術は、以下の構成とすることも可能である。
【0396】
(1)
互いに異なる1または複数のセンサの出力をユーザの挙動観測データとして取得する取得部と、
1または複数の保険について、前記保険ごとに予め学習により求められた予測モデルと、前記挙動観測データとに基づいて、前記保険における前記ユーザの診断結果を予測する診断結果予測部と
を備える情報処理装置。
(2)
前記1または複数の前記保険についての前記診断結果の予測結果を提示する表示データを生成する表示データ生成部をさらに備える
(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記表示データ生成部は、前記予測結果に基づいて前記保険のディスカウント額または保険料をさらに算出し、前記予測結果とともに、前記ディスカウント額または前記保険料を提示する前記表示データを生成する
(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記取得部は、前記ユーザの運転時における前記1または複数のセンサの出力を前記挙動観測データとして取得し、
前記診断結果予測部は、前記予測モデルと前記挙動観測データとに基づいて、前記保険における前記ユーザの運転診断結果を予測する
(1)乃至(3)の何れか一項に記載の情報処理装置。
(5)
前記保険はテレマティクス保険である
(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記挙動観測データに基づいて、前記予測結果の確信度または予測誤差を算出する算出部をさらに備え、
前記表示データ生成部は、前記確信度または前記予測誤差に応じて前記表示データを生成する
(2)または(3)に記載の情報処理装置。
(7)
前記表示データ生成部は、前記予測結果とともに、前記確信度または前記予測誤差を提示する前記表示データを生成する
(6)に記載の情報処理装置。
(8)
前記表示データ生成部は、前記確信度が所定の値以上であるか、または前記予測誤差が所定の値以下である前記予測結果のみを提示する前記表示データを生成する
(6)または(7)に記載の情報処理装置。
(9)
前記1または複数のセンサの出力に基づいて、前記ユーザの行動認識を行う行動認識部をさらに備え、
前記取得部は、前記行動認識の結果に基づいて前記挙動観測データを取得する
(4)または(5)に記載の情報処理装置。
(10)
前記行動認識部は、前記ユーザの行動状態が、少なくとも前記ユーザの乗車を含む複数の行動状態のうちの何れであるかを前記行動認識により認識する
(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記取得部は、前記行動認識の結果に基づいて前記ユーザによる運転の終了を特定し、その特定結果に応じて前記挙動観測データを取得する
(9)または(10)に記載の情報処理装置。
(12)
前記取得部は、前記ユーザの位置を示す位置情報と、前記行動認識の結果とに基づいて、前記ユーザによる運転の開始および終了を特定し、その特定結果に応じて前記挙動観測データを取得する
(9)または(10)に記載の情報処理装置。
(13)
前記診断結果予測部は、所定期間の前記挙動観測データから得られた前記診断結果の予測結果と、前記所定期間から一部の区間を除いた区間の前記挙動観測データから得られた前記診断結果の予測結果との差分が所定値以上となる前記一部の区間を特定し、
前記挙動観測データに基づいて、前記一部の区間における前記ユーザの運転挙動を特定する運転挙動特定部をさらに備える
(4)または(5)に記載の情報処理装置。
(14)
前記運転挙動は、急ブレーキ、急加速、または急ハンドルである
(13)に記載の情報処理装置。
(15)
前記一部の区間における前記運転挙動を提示する表示データを生成する表示データ生成部をさらに備える
(13)または(14)に記載の情報処理装置。
(16)
前記表示データ生成部は、前記一部の区間において行われた最も多い前記運転挙動を提示する前記表示データを生成する
(15)に記載の情報処理装置。
(17)
前記センサは加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、または地磁気センサである
(1)乃至(16)の何れか一項に記載の情報処理装置。
(18)
互いに異なる1または複数のセンサの出力をユーザの挙動観測データとして取得し、
1または複数の保険について、前記保険ごとに予め学習により求められた予測モデルと、前記挙動観測データとに基づいて、前記保険における前記ユーザの診断結果を予測する
ステップを含む情報処理方法。
(19)
互いに異なる1または複数のセンサの出力をユーザの挙動観測データとして取得し、
1または複数の保険について、前記保険ごとに予め学習により求められた予測モデルと、前記挙動観測データとに基づいて、前記保険における前記ユーザの診断結果を予測する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0397】
101 サーバ, 112 制御部, 121 データセット生成部, 122 学習部, 151 ユーザ端末装置, 161-1 加速度センサ, 161-2 ジャイロセンサ, 161-3 気圧センサ, 161-4 地磁気センサ, 162 制御部, 171 挙動観測データ取得部, 172 運転診断結果予測部, 173 表示データ生成部, 211 運転診断結果予測部, 212 表示データ生成部, 241 予測誤差予測部, 271 予測誤差予測部, 301 行動認識部, 331 位置測定部, 361 運転挙動特定部
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