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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】中空構造体および共鳴音低減体
(51)【国際特許分類】
   B60B 21/02 20060101AFI20220517BHJP
   B60B 21/12 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
B60B21/02 J
B60B21/12 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020569271
(86)(22)【出願日】2019-01-31
(86)【国際出願番号】 JP2019003368
(87)【国際公開番号】W WO2020157907
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2020-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】特許業務法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本地 由和
(72)【発明者】
【氏名】吉田 安住
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-171876(JP,A)
【文献】特開2015-145181(JP,A)
【文献】特開2017-142310(JP,A)
【文献】特開2005-205934(JP,A)
【文献】特開2018-012499(JP,A)
【文献】国際公開第2014/097363(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0059624(US,A1)
【文献】特開2017-116706(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102018214151(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 21/02
B60B 21/12
G10K 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の第1空間が形成される中空体と、
前記第1空間内に向けて開口する1対の開口部を両端とする長尺状の第2空間が形成される開管型の1以上の共鳴器と、を有し、
前記第1空間における中心線の長さに対する前記第2空間における中心線の長さの比は、0.45以上0.55以下の範囲内であり、
前記第2空間は、前記第1空間の周方向に沿って湾曲する状態で配置されるとともに、前記第2空間の前記両端の一方が他端側に折り返される形状であり、
前記1対の開口部が前記第1空間の周方向で互いにずれた位置にある、
中空構造体。
【請求項2】
前記1以上の共鳴器は、それぞれに前記第2空間が形成される複数の共鳴器である、
請求項1に記載の中空構造体。
【請求項3】
前記複数の共鳴器は、前記第1空間の周方向で異なる位置に配置される、
請求項2に記載の中空構造体。
【請求項4】
前記複数の共鳴器の数は、4つ以上である、
請求項2または3に記載の中空構造体。
【請求項5】
前記1対の開口部のそれぞれに配置される通気性の多孔質体を有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の中空構造体。
【請求項6】
前記多孔質体は、不織布である、
請求項5に記載の中空構造体。
【請求項7】
前記多孔質体は、複数の貫通孔が形成される板状の部分を有する部材である、
請求項5に記載の中空構造体。
【請求項8】
前記第2空間の横断面積は、25mm以上1200mm以下の範囲内である、
請求項1から7のいずれか1項に記載の中空構造体。
【請求項9】
前記第2空間の横断面形状は、四角形である、
請求項1から8のいずれか1項に記載の中空構造体。
【請求項10】
前記1以上の共鳴器のそれぞれは、管状をなす、
請求項1から9のいずれか1項に記載の中空構造体。
【請求項11】
前記1以上の共鳴器のそれぞれの外形は、板状である、
請求項1から9のいずれか1項に記載の中空構造体。
【請求項12】
前記1対の開口部の位置は、前記第1空間の周方向における80°以上100°以下の範囲内の角度で互いにずれた位置である、
請求項1から11のいずれか1項に記載の中空構造体。
【請求項13】
環状の第1空間が形成される中空体に設置して用いられ、1対の開口部を両端とする長尺状の第2空間が形成される開管型の共鳴器を構成する共鳴音低減体であって、
前記第2空間における中心線の長さに対する前記1対の開口部の間の距離の比は、0.45以上0.55以下の範囲内であり、
前記第2空間は、前記第1空間の周方向に沿って湾曲する状態で配置されるとともに、前記第2空間の前記両端の一方が他端側に折り返される形状であり、
前記1対の開口部が前記第1空間の周方向で互いにずれた位置にある、
共鳴音低減体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空構造体および共鳴音低減体に関する。
【背景技術】
【0002】
環状の空間が形成される中空体は、例えば、タイヤとリムとを組み立てて構成される。タイヤの空気室内で生じる気柱共鳴は、自動車のロードノイズ等の騒音の要因となる。そこで、当該騒音を低減するため、例えば、特許文献1では、ヘルムホルツレゾネーターを構成する副気室部材がタイヤ空気室内に設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-030505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術は、ヘルムホルツレゾネーターを用いるため、次の課題aおよびbがある。課題a.ヘルムホルツレゾネーターの共鳴周波数が単一であるため、気柱共鳴を低減可能な周波数が基本周波数および高次周波数のうちの1の周波数に限られ、気柱共鳴を低減する効果が十分でない。課題b.タイヤの回転による遠心力等により副気室部材の変形に伴ってヘルムホルツレゾネーターの共鳴周波数が変化し、この結果、気柱共鳴を低減する効果が得られなくなることがある。
【0005】
以上の事情を考慮して、本発明は、環状の空間が形成される中空体の気柱共鳴を十分に低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る中空構造体は、環状の第1空間が形成される中空体と、前記第1空間内に向けて開口する1対の開口部を両端とする長尺状の第2空間が形成される1以上の共鳴器と、を有し、前記第1空間における中心線の長さに対する前記第2空間における中心線の長さの比は、0.45以上0.55以下の範囲内であり、前記第2空間は、屈曲または湾曲する部分を有する。
【0007】
本発明の好適な態様に係る共鳴音低減体は、環状の第1空間が形成される中空体に設置して用いられ、1対の開口部を両端とする長尺状の第2空間が形成される共鳴音低減体であって、前記第2空間は、屈曲または湾曲する部分を有し、前記第2空間における中心線の長さに対する前記1対の開口部の間の距離の比は、0.45以上0.55以下の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る中空構造体の側面図である。
図2図1中のA-A線断面図である。
図3】第1実施形態に係る共鳴音低減体の配置を平面上に展開して示す図である。
図4】第1実施形態に係る共鳴音低減体の斜視図である。
図5】動吸振器の制振原理を説明するための図である。
図6】第1空間おける共鳴音の周波数と周波数応答との関係を共鳴器の位置ごとに示すグラフである。
図7】第1空間における共鳴音の周波数と周波数応答との関係を共鳴器の位置ごとに示すグラフである。
図8】第1空間における共鳴音の周波数と周波数応答との関係を共鳴器の数ごとに示すグラフである。
図9】第1空間における共鳴音の周波数と周波数応答との関係を第2空間の太さ(断面積)ごとに示すグラフである。
図10】第2実施形態に係る共鳴音低減体の斜視図である。
図11】第1空間における共鳴音の周波数と周波数応答との関係を不織布の厚さ(枚数)ごとに示すグラフである。
図12】第3実施形態に係る共鳴音低減体の配置を示す展開図である。
図13】第3実施形態に係る共鳴音低減体の断面図である。
図14図13中のB-B線断面図である。
図15】変形例1に係る中空構造体の断面図である。
図16】変形例2に係る中空構造体の断面図である。
図17】変形例3に係る共鳴音低減体の断面図である。
図18図17中のC-C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面において各部の寸法及び縮尺は実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に記載する実施形態は、本発明の好適な具体例である。このため、本実施形態には、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかし、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0010】
1-1.中空構造体の構成
図1は、第1実施形態に係る中空構造体10の側面図である。図2は、図1中のA-A線断面図である。図1および図2に示す中空構造体10は、自動車の車輪構造体である。図1および図2に示すように、中空構造体10は、ホイール20とタイヤ30と複数の共鳴器1とを有する。ここで、ホイール20およびタイヤ30は、環状の第1空間S1が形成される中空体40を構成する。また、複数の共鳴器1のそれぞれは、第1空間S1の気柱共鳴を低減する共鳴音低減体である。後に詳述するが、複数の共鳴器1のそれぞれには、第1空間S1内に向けて開口する1対の開口部O1およびO2を両端とする長尺状の第2空間S2が形成される。以下、中空構造体10の各部を順次説明する。
【0011】
ホイール20は、自動車等の車両に用いる車両用ホイールである。本実施形態のホイール20は、例えば、公知の車両用ホイールと同様に構成される。ここで、図2に示すように、ホイール20は、リム21とディスク22とを有する。リム21は、環状をなすホイールリムである。リム21の外周面には、ウェル部21aおよび1対のビードシート部21bがリム21の周方向に沿って設けられる。ウェル部21aは、リム21の周方向に延びる凹部である。1対のビードシート部21bは、タイヤ30を固定する部分である。また、リム21の幅方向での両端には、1対のリムフランジ部21cが1対のビードシート部21bを挟んで設けられる。1対のリムフランジ部21cは、リム21の径方向外側に突出する部分である。ディスク22は、リム21の内側においてリム21に固定され、図示しない車両の車軸ハブに取り付けられる部分を有する。図2では、ディスク22がリム21と一体である場合が例示される。なお、ディスク22は、リム21と別体であってもよい。この場合、リム21およびディスク22は、例えば、ボルト等を用いて互いに固定される。
【0012】
リム21およびディスク22のそれぞれの構成材料としては、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金および鉄等が挙げられる。ディスク22がリム21と別体である場合、リム21およびディスク22の構成材料は、互いに異なってもよい。なお、図2では、リム21が1部材で構成される場合が例示されるが、リム21が複数の部材で構成されてもよい。この場合、当該複数の部材の構成材料は、互いに異なっていてもよい。
【0013】
タイヤ30は、ホイール20に組み付けられ、ホイール20との間に環状の第1空間S1を形成する構造体である。本実施形態のタイヤ30は、例えば、自動車等に用いる公知のタイヤと同様に構成される。ここで、図2に示すように、タイヤ30は、1対のビード部31とトレッド部32と1対のサイドウォール部33とを有する。1対のビード部31は、前述の1対のビードシート部21bに嵌め合う部分である。トレッド部32は、路面と接する部分である。1対のサイドウォール部33は、1対のビード部31とトレッド部32とを接続する部分である。タイヤ30は、主にゴム材料で構成される。なお、図示しないが、タイヤ30は、ゴム材料で構成される部分のほか、金属材料または繊維材料等で構成される公知のビード、ベルトおよびカーカス等の部分を有する。
【0014】
図2に示すように、複数の共鳴器1は、前述の第1空間S1内に配置される。このため、共鳴器1の第2空間S2の両端となる1対の開口部O1およびO2が第1空間S1内に向けて開口する。本実施形態の複数の共鳴器1は、前述のリム21の外周面上に配置される。ここで、図示しないが、複数の共鳴器1のそれぞれは、接着剤、ネジまたは結束具等を用いてリム21に対して固定される。
【0015】
図3は、第1実施形態に係る共鳴音低減体である共鳴器1の配置を平面上に展開して示す図である。図4は、共鳴器1の斜視図である。本実施形態の中空体40には、図3に示すように、8つの共鳴器1が設置される。ここで、8つの共鳴器1は、2つを1組とし、計4組の共鳴器1で構成される。8つの共鳴器1は、組ごとに、第1空間S1の周方向DRで互いに異なる位置に配置される。各組の2つの共鳴器1は、互いに逆向きに配置される。本実施形態では、8つの共鳴器1の開口部O1またはO2が第1空間S1の周方向に約45°ずつずれて位置する。図3では、第1空間S1の周方向DRにおける45°ごとの位置P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7およびP8が図示される。ただし、図3では、説明の便宜上、第1空間S1の周方向DRでの縮尺が図1とは異なる。なお、共鳴器1の数は、8つに限定されず、1つ以上7つ以下または9つ以上でもよい。
【0016】
各共鳴器1は、図4に示すように、第2空間S2が形成される管体である。このため、既存の管体を用いて共鳴器1を容易に製造することができる。ここで、共鳴器1の一端には、開口部O1が設けられ、共鳴器1の他端には、開口部O2が設けられる。開口部O1と開口部O2とは、第2空間S2を介して連通する。本実施形態では、第2空間S2の横断面形状は、四角形である。このため、第2空間S2の横断面形状を円形とする場合に比べて、第2空間S2の横断面積を大きくしやすいという利点がある。また、第2空間S2の幅Wおよび高さHは、それぞれ、第2空間S2の長手方向にわたって一定である。なお、第2空間S2は、第2空間S2の長手方向の位置によって幅Wおよび高さHの異なる部分を有してもよい。また、第2空間S2の横断面形状は、四角形に限定されず、例えば、円形または四角形以外の多角形等でもよい。
【0017】
本実施形態の共鳴器1は、一端が他端側に折り返される形状をなす。より具体的には、共鳴器1は、互いに平行に延びる2つの部分11および12と、これらを接続する部分13と、を有する。ここで、部分11および部分12は、それぞれ、第1空間S1の周方向DRに沿って湾曲する状態で配置される。部分11の長さL1は、部分12の長さL2よりも長い。また、部分13は、部分11または12の延在方向に対して垂直な方向に延び、部分11および12の一端同士を接続する。部分13の長さL3は、部分12の長さL2よりも短い。図3および図4では、部分11、12および13は、一体で構成される。部分11、12および13の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、樹脂材料、エラストマー材料および金属材料等が挙げられる。なお、部分11、12および13は、互いに別体で構成されてもよい。この場合、これらの構成材料は、互いに異なってもよい。また、図3および図4では、共鳴器1または第2空間S2が屈曲する2つの部分を有する構成が例示されるが、当該構成に限定されず、例えば、共鳴器1または第2空間S2が湾曲する1以上の部分を有する形状をなしてもよい。
【0018】
前述の第1空間S1における中心線LC1の長さに対する第2空間S2における中心線LC2の長さの比は、0.5またはその近傍の範囲内であり、具体的には、0.45以上0.55以下の範囲内であり、好ましくは、0.48以上0.52以下の範囲内である。当該比がこの範囲内であることにより、第1空間S1で生じる気柱共鳴を低減する効果が得られる。以下では、当該効果を「共鳴低減効果」ともいう。
【0019】
なお、中心線LC1は、第1空間S1の任意のすべての横断面における幾何学的な重心の集合により描かれる線である。第1空間S1の横断面は、第1空間S1の中心軸となる軸線AOを含む平面に沿う断面である。中心線LC2は、第2空間S2の任意のすべての横断面における幾何学的な重心の集合により描かれる線である。第2空間S2の横断面は、第2空間S2の長さ方向に直交する断面である。
【0020】
以上の共鳴器1は、第2空間S2が1対の開口部O1およびO2を両端とするため、両開管型の共鳴器として機能する。このため、第1空間S1に生じる基本周波数および高次周波数の気柱共鳴を低減することができる。ここで、当該基本周波数は、第1空間S1の1次共鳴周波数である。当該高次周波数は、第1空間S1の1次共鳴周波数の整数倍の周波数である。なお、片開管型の共鳴器は、高次周波数の気柱共鳴も低減可能であるが、その周波数が1次共鳴周波数の奇数倍の周波数に限られる。
【0021】
1対の開口部O1およびO2の位置は、第1空間S1の周方向DRで互いにずれた位置に配置される。この配置により、前述の共鳴低減効果が高くなる。図3では、1対の開口部O1およびO2の位置が第1空間S1の周方向DRに互いに90°ずれる構成が例示される。ここで、1対の開口部O1およびO2の位置は、周方向DRで互いにずれた位置であればよく、図3の例示に限定されない。ただし、1対の開口部O1およびO2の位置は、好ましくは、当該周方向DRにおける45°以上135°以下の範囲内の角度で互いにずれた位置であり、より好ましくは、当該周方向DRにおける80°以上100°以下の範囲内の角度で互いにずれた位置であり、さらに好ましくは、当該周方向DRにおける85°以上95°以下の範囲内の角度で互いにずれた位置である。1対の開口部O1およびO2の配置をこの範囲内とすることにより、1対の開口部O1およびO2のうちの一方での音圧が高くなるとき他方での音圧が低くなる。このため、1対の開口部O1およびO2を他の配置とする場合に比べて、前述の共鳴低減効果が高くなる。なお、本実施形態のように第1空間S1が軸線AOを中心軸とする円環状をなす場合、「周方向DRにおける角度」は、開口部O1の中心と軸線AOとを結ぶ線分と、開口部O2の中心と軸線AOとを結ぶ線分とのなす角度に等しい。
【0022】
また、第2空間S2における中心線LC2の長さに対する1対の開口部O1およびO2の間の距離L4の比は、0.45以上0.55以下の範囲内である。距離L4は、中空体40に設置しない共鳴器1に外力を加えない自然状態における開口部O1の中心と開口部O2の中心との間の距離である。当該比をこの範囲内とすることにより、第2空間S2における中心線LC2の長さを前述の範囲内とすると、1対の開口部O1およびO2の位置を周方向DRに80°以上100°以下の範囲内の角度で互いにずれた位置とすることができる。ここで、開口部O1およびO2は、周方向DRに沿って並べて配置される。なお、第2空間S2における中心線LC2の長さは、概略的には、前述の長さL1、L2およびL3の合計長さに等しい。また、図3では、共鳴器1の部分11および12が周方向DRに対して平行に配置されるが、1対の開口部O1およびO2の位置を前述の範囲内の角度で互いにすらすことができれば、共鳴器1の部分11および12が周方向DRに対して傾斜してもよい。
【0023】
1-2.共鳴音低減体の作用
第1空間S1の共振周波数と第2空間S2の共振周波数とが所定の関係を有することで、共鳴器1は、動吸振器の制振原理と同様の原理で、第1空間S1の気柱共鳴を低減する。以下、共鳴器1の作用を説明する。
【0024】
図5は、動吸振器の制振原理を説明するための図である。図5では、バネkおよび質量mからなる主振動系に、バネk、減衰器cおよび質量mからなる従振動系が取り付けられ、主振動系が加振力f(t)を受けるモデルが示される。当該モデルにおいて、従振動系は、主振動系の振動を低減する動吸振器として機能する。当該機能は、従振動系の固有角振動数が加振力f(t)の振動数と一致するかまたは近い場合に発揮される。
【0025】
加振力f(t)の振動数は、中空体40の第1空間S1の共鳴周波数に対応する。また、従振動系の固有角振動数は、共鳴器1の第2空間S2の共鳴周波数に対応する。そして、前述のように第1空間S1における中心線LC1の長さに対する第2空間S2における中心線LC2の長さの比を約0.5とすることで、第2空間S2の共鳴振動数が第1空間S1の共鳴周波数と一致するかまたは近くなる。このため、共鳴低減効果が得られる。ここで、共鳴器1における第2空間S2の共振周波数は、第2空間S2における中心線LC2の長さにより決まる。このため、共鳴器1が遠心力等により変形しても、共鳴器1の共振周波数が変動し難く、前述の共鳴低減効果を維持しやすいという利点がある。
【0026】
図6および図7は、第1空間S1おける共鳴音の周波数と周波数応答との関係を共鳴器1の位置ごとに示すグラフである。図6および図7に示す結果は、前述の位置P1でタイヤ30に加振力を加え、位置P1においてタイヤ30から生じる音圧を測定して得られる。図6では、共鳴器1を用いない場合が破線で示され、1対の開口部O1およびO2の位置を位置P2およびP4とする場合が一点鎖線で示され、1対の開口部O1およびO2の位置を位置P2およびP8とする場合が実線で示される。図7では、共鳴器1を用いない場合が破線で示され、1対の開口部O1およびO2の位置を位置P4およびP6とする場合が一点鎖線で示され、1対の開口部O1およびO2の位置を位置P2およびP8とする場合が実線で示される。図6および図7に示す結果から、加振位置である位置P1から最も近いか最も遠い位置に共鳴器1を配置する場合、共鳴低減効果が最も高くなることがわかる。また、加振位置と共鳴器1の位置との関係によって、共鳴低減効果が変化することもわかる。なお、周波数応答のピークが低いほど、共鳴低減効果が高いことを示す。
【0027】
図8は、第1空間における共鳴音の周波数と周波数応答との関係を共鳴器1の数ごとに示すグラフである。図8に示す結果は、前述の図6および図7に示す結果と同様、位置P1でタイヤ30に加振力を加え、位置P1においてタイヤ30から生じる音圧を測定して得られる。図8では、共鳴器1を用いない場合が破線で示され、共鳴器1の数が1つである場合が実線で示され、共鳴器1の数が2つである場合が一点鎖線で示され、共鳴器1の数が4つである場合が二点鎖線で示される。ここで、図8中に実線で示す場合、位置P2およびP8に1対の開口部O1およびO2が位置する。図8中に一点鎖線で示す場合、位置P2およびP8と、位置P4およびP6と、にそれぞれ、1対の開口部O1およびO2が位置する。図8中に二点鎖線で示す場合、位置P2およびP8と、位置P4およびP6と、位置P2およびP4と、位置P6およびP8と、にそれぞれ、1対の開口部O1およびO2が位置する。図8に示す結果から、共鳴器1の数が多くなるほど、共鳴低減効果が高くなることがわかる。
【0028】
図8に示す結果から、前述の中空構造体10では、共鳴器1の数が複数であるため、共鳴器1の数が1つの場合に比べて、共鳴低減効果を高めることができる。また、複数の共鳴器1が第1空間S1の周方向DRで異なる位置に配置されるため、中空体40に対する加振の方向が変化しても、共鳴低減効果の変動を小さくすることができる。特に、共鳴器1の数が4つ以上であるため、中空体40に対する加振の方向が変化しても、共鳴低減効果の変動を小さくしやすいという利点がある。
【0029】
図9は、第1空間における共鳴音の周波数と周波数応答との関係を第2空間S2の太さ(断面積)ごとに示すグラフである。図9に示す結果は、前述の図6図7および図8に示す結果と同様、位置P1でタイヤ30に加振力を加え、位置P1においてタイヤ30から生じる音圧を測定して得られる。図9では、共鳴器1を用いない場合が破線で示され、第2空間S2の横断面積が470mmである場合が実線で示され、第2空間S2の横断面積が27mmである場合が一点鎖線で示され、第2空間S2の横断面積が170mmである場合が二点鎖線で示される。ここで、いずれの場合も、位置P2およびP8に1対の開口部O1およびO2が位置する。図9に示す結果から、第2空間S2の横断面積が大きくなるほど、共鳴低減効果が高くなることがわかる。
【0030】
図9に示す結果とは別途さらに検討したところ、第2空間S2の横断面積は、25mm以上1200mm以下の範囲内であることが好ましい。当該横断面積がこの範囲内にあると、例えば、本実施形態のように中空構造体10が自動車のタイヤ30およびホイール20による組立体であるかまたはそれと同程度の第1空間S1を有する構造体である場合、第1空間S1の気柱共鳴を低減する効果と、第1空間S1内への共鳴器1の設置のしやすさとの両立を図りやすい。
【0031】
2.第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0032】
図10は、第2実施形態に係る共鳴音低減体である共鳴器1Aの斜視図である。図10に示すように、共鳴器1Aは、開口部O1に配置される通気性の多孔質体14と、開口部O2に配置される通気性の多孔質体15と、を有する以外は、前述の第1実施形態の共鳴器1と同様である。1対の開口部O1およびO2に多孔質体14および15を配置することにより、第1空間S1の気柱共鳴を低減する効果の程度を調整することができる。図10では、多孔質体14および15のそれぞれが不織布である場合が例示される。多孔質体14および15が不織布であると、既存の不織布を用いて多孔質体14および15を容易に製造することができる。
【0033】
図11は、第1空間S1における共鳴音の周波数と周波数応答との関係を多孔質体14および15を構成する不織布の厚さ(枚数)ごとに示すグラフである。図11に示す結果は、前述の図6および図7等に示す結果と同様、位置P1でタイヤ30に加振力を加え、位置P1においてタイヤ30から生じる音圧を測定して得られる。図11では、不織布を用いない場合が実線で示され、不織布の数が1枚である場合が一点鎖線で示され、不織布の数が2枚である場合が二点鎖線で示され、不織布の数が4枚である場合が破線で示される。ここで、いずれの場合も、位置P2およびP8に1対の開口部O1およびO2が位置する。図11に示す結果から、不織布の厚さを適度な厚さとすることで、共鳴低減効果が高くなることがわかる。言い換えると、多孔質体14および15の通気性を適度に設定することで、多孔質体14および15を用いない場合に比べて、共鳴低減効果を高めることができる。
【0034】
なお、多孔質体14および15のそれぞれは、通気性を有する多孔質体であればよく、不織布に限定されず、例えば、複数の貫通孔が形成される板状の部分を有する部材でもよい。当該部材によれば、使用に伴って多孔質体14および15に汚れ等が付着しても、多孔質体14および15の通気性が低下し難いという利点がある。
【0035】
3.第3実施形態
以下、本発明の第3実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0036】
図12は、第3実施形態に係る共鳴音低減体である共鳴器1Bの配置を示す展開図である。図13は、共鳴器1Bの断面図である。図14は、図13中のB-B線断面図である。図12に示すように、共鳴器1Bの外形は、板状をなす。共鳴器1Bの内部には、互いに逆向きに配置される1対の第2空間S2が形成される。本実施形態では、各第2空間S2の両端である1対の開口部O1およびO2は、共鳴器1Bの一方の面に開口する。図13および図14に示すように、共鳴器1Bは、下板16と上板17と側壁18と隔壁19とを有する。下板16および上板17は、互いに平行に配置される。上板17には、開口部O1およびO2が2対設けられる。側壁18は、下板16および上板17の外周同士を全周にわたって連結する。隔壁19は、下板16、上板17および側壁18で囲まれる空間を仕切って、1対の第2空間S2を形成する。以上の共鳴器1Bによれば、前述の実施形態の共鳴器1または1Aに比べて、中空体40への設置が容易であるという利点がある。
【0037】
4.変形例
本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、以下に述べる各種の変形が可能である。また、各実施形態及び各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0038】
4-1.変形例1
図15は、変形例1に係る中空構造体10Dの断面図である。図15に示す中空構造体10Dは、共鳴器1Dがホイール20Dと一体である以外は、前述の第1実施形態の中空構造体10と同様である。すなわち、中空構造体10Dは、ホイール20Dとタイヤ30と複数の共鳴器1Dとを有する。ここで、ホイール20Dおよびタイヤ30は、環状の第1空間S1が形成される中空体40Dを構成する。そして、複数の共鳴器1Dは、ホイール20Dと一体である。複数の共鳴器1Dのそれぞれには、前述の共鳴器1と同様、第2空間S2が形成される。図15では、複数の共鳴器1Dがホイール20Dのリム21に配置される構成が例示される。なお、1対の開口部O1およびO2が第1空間S1内に位置すれば、当該構成に限定されず、例えば、複数の共鳴器1Dの一部または全部がディスク22に配置されてもよい。
【0039】
4-2.変形例2
図16は、変形例2に係る中空構造体10Eの断面図である。図16に示す中空構造体10Eは、共鳴器1Eがタイヤ30Eと一体である以外は、前述の第1実施形態の中空構造体10と同様である。すなわち、中空構造体10Eは、ホイール20とタイヤ30Eと複数の共鳴器1Eとを有する。ここで、ホイール20およびタイヤ30Eは、環状の第1空間S1が形成される中空体40Eを構成する。そして、複数の共鳴器1Eは、タイヤ30Eと一体である。複数の共鳴器1Eのそれぞれには、前述の共鳴器1と同様、第2空間S2が形成される。図16では、複数の共鳴器1Eがタイヤ30Eのトレッド部32に配置される構成が例示される。なお、当該構成に限定されず、例えば、複数の共鳴器1Eの一部または全部がサイドウォール部33に配置されてもよい。
【0040】
4-3.変形例3
図17は、変形例3に係る共鳴音低減体である共鳴器1Fの断面図である。図18は、図17中のC-C線断面図である。図17および図18に示す共鳴器1Fは、開口部O1の向きおよび開口部O2の大きさが異なる以外は、前述の第3実施形態の共鳴器1Bと同様である。具体的に説明すると、共鳴器1Fの外形は、板状をなす。共鳴器1Fの内部には、互いに逆向きに配置される1対の第2空間S2が形成される。本変形例では、各開口部O1は、共鳴器1Fの側面に開口する。また、開口部O2は、1対の第2空間S2で共用されており、共鳴器1Fの一方の面に開口する。図17および図18に示すように、共鳴器1Fは、下板16と上板17Fと側壁18Fと隔壁19Fとを有する。下板16および上板17Fは、互いに平行に配置される。上板17Fには、1対の第2空間S2に共用される1つの開口部O2が設けられる。側壁18Fは、1対の開口部O1が設けられる以外は、前述の第3実施形態の側壁18と同様である。隔壁19Fは、1対の第2空間S2の間を隔てる2つの仕切りがない以外は、前述の第3実施形態の隔壁19と同様である。以上の共鳴器1Fによれば、前述の第3実施形態の共鳴器1Bと同様の効果のほか、前述の2つの仕切りが不要であるため、共鳴器1Fの製造が容易であるという利点がある。
【0041】
4-4.その他
前述の実施形態または変形例では、中空体がホイールおよびタイヤからなる構造体である場合が例示されるが、これに限定されず、気柱共鳴を低減すべき環状の空間を有する各種中空体に共鳴音低減体を用いることができる。また、第1空間は、円環状以外の環状であってもよい。
【0042】
5.付記
以上に例示する形態または変形例から、例えば以下の態様が把握される。
【0043】
本発明の好適な態様(第1態様)に係る中空構造体は、環状の第1空間が形成される中空体と、前記第1空間内に向けて開口する1対の開口部を両端とする長尺状の第2空間が形成される1以上の共鳴器と、を有し、前記第1空間における中心線の長さに対する前記第2空間における中心線の長さの比は、0.45以上0.55以下の範囲内であり、前記第2空間は、屈曲または湾曲する部分を有する。以上の態様によれば、中空体の第1空間内に位置する1対の開口部を両端とする長尺状の第2空間を形成する1以上の共鳴器を用いるため、第1空間に生じる基本周波数および高次周波数の気柱共鳴を低減することができる。ここで、第1空間における中心線の長さに対する第2空間における中心線の長さの比が0.45以上0.55以下の範囲内であることにより、当該気柱共鳴を低減する効果が得られる。また、共鳴器における第2空間の共振周波数が第2空間における中心線の長さにより決まるため、共鳴器が遠心力等により変形しても、共鳴器の共振周波数が変動し難く、前述の効果を維持しやすいという利点がある。
【0044】
第1態様の好適例(第2態様)において、前記1以上の共鳴器は、それぞれに前記第2空間が形成される複数の共鳴器である。以上の態様によれば、共鳴器の数が1つの場合に比べて、第1空間の気柱共鳴を低減する効果を高めることができる。
【0045】
第2態様の好適例(第3態様)において、前記複数の共鳴器は、前記第1空間の周方向で異なる位置に配置される。以上の態様によれば、中空体に対する加振の方向が変化しても、第1空間の気柱共鳴を低減する効果の変動を小さくすることができる。
【0046】
第2態様または第3態様の好適例(第4態様)において、前記複数の共鳴器の数は、4つ以上である。以上の態様によれば、中空体に対する加振の方向が変化しても、第1空間の気柱共鳴を低減する効果の変動を小さくしやすいという利点がある。
【0047】
第1態様から第4態様のいずれかの好適例(第5態様)において、前記1対の開口部のそれぞれに配置される通気性の多孔質体を有する。以上の態様によれば、第1空間の気柱共鳴を低減する効果の程度を調整することができる。ここで、多孔質体の通気性を適度に設定することで、多孔質体を用いない場合に比べて、当該効果を高めることができる。
【0048】
第5態様の好適例(第6態様)において、前記多孔質体は、不織布である。以上の態様によれば、既存の不織布を用いて多孔質体を容易に製造することができる。
【0049】
第5態様の好適例(第7態様)において、前記多孔質体は、複数の貫通孔が形成される板状の部分を有する部材である。以上の態様によれば、使用に伴って多孔質体に汚れ等が付着しても、多孔質体の通気性が低下し難いという利点がある。
【0050】
第1態様から第7態様のいずれかの好適例(第8態様)において、前記第2空間の横断面積は、25mm以上1200mm以下の範囲内である。以上の態様によれば、例えば、中空構造体が自動車のタイヤおよびホイールによる組立体であるかまたはそれと同程度の第1空間を有する構造体である場合、第1空間の気柱共鳴を低減する効果と、第1空間内への共鳴器の設置のしやすさとの両立を図りやすい。
【0051】
第1態様から第8態様のいずれかの好適例(第9態様)において、前記第2空間の横断面形状は、四角形である。以上の態様によれば、第2空間の横断面積を大きくしやすいという利点がある。
【0052】
第1態様から第9態様のいずれかの好適例(第10態様)において、前記1以上の共鳴器のそれぞれは、管状をなす。以上の態様によれば、既存の管体を用いて共鳴器を容易に製造することができる。
【0053】
第1態様から第9態様のいずれかの好適例(第11態様)において、前記1以上の共鳴器のそれぞれの外形は、板状である。以上の態様によれば、共鳴器が中空体と別体である場合、共鳴器を中空体に設置しやすいという利点がある。
【0054】
第1態様から第11態様のいずれかの好適例(第12態様)において、前記1対の開口部の位置は、前記第1空間の周方向における80°以上100°以下の範囲内の角度で互いにずれた位置である。以上の態様によれば、1対の開口部を他の配置とする場合に比べて、当該効果が高くなる。
【0055】
本発明の好適な態様(第13態様)に係る共鳴音低減体は、環状の第1空間が形成される中空体に設置して用いられ、1対の開口部を両端とする長尺状の第2空間が形成される共鳴音低減体であって、前記第2空間は、屈曲または湾曲する部分を有し、前記第2空間における中心線の長さに対する前記1対の開口部の間の距離の比は、0.45以上0.55以下の範囲内である。以上の態様によれば、第1空間における中心線の長さに対する第2空間における中心線の長さの比を0.45以上0.55以下の範囲内とする場合、第1空間の気柱共鳴を低減する効果が得られる。ここで、第2空間における中心線の長さに対する1対の開口部の間の距離の比が0.45以上0.55以下の範囲内であるため、第1空間における中心線の長さに対する第2空間における中心線の長さの比を前述の範囲内とすることで、1対の開口部の位置を第1空間の周方向における80°以上100°以下の範囲内の角度で互いにずれた位置とすることができる。このため、1対の開口部を他の配置とする場合に比べて、第1空間の気柱共鳴を低減する効果が高くなる。また、共鳴音低減体の共振周波数が第2空間における中心線の長さにより決まるため、共鳴器が遠心力等により変形しても、共鳴器の共振周波数が変動し難く、第1空間の気柱共鳴を低減する効果を維持しやすいという利点がある。
【符号の説明】
【0056】
1…共鳴器、1A…共鳴器、1B…共鳴器、1D…共鳴器、1E…共鳴器、10…中空構造体、10D…中空構造体、10E…中空構造体、14…多孔質体、15…多孔質体、20…ホイール、20D…ホイール、30…タイヤ、30E…タイヤ、31…ビード部、32…トレッド部、33…サイドウォール部、40…中空体、40D…中空体、40E…中空体、O1…開口部、O2…開口部、S1…第1空間、S2…第2空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18