(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41F 11/00 20060101AFI20220517BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20220517BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20220517BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20220517BHJP
B05C 1/08 20060101ALI20220517BHJP
B41F 31/02 20060101ALI20220517BHJP
B41F 23/04 20060101ALI20220517BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
B41F11/00
B05C5/00 101
B05C11/00
B05C11/10
B05C1/08
B41F31/02 A
B41F23/04 B
B41J2/01 125
B41J2/01 451
B41J2/01 307
(21)【出願番号】P 2019207528
(22)【出願日】2019-11-15
【審査請求日】2021-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000161057
【氏名又は名称】株式会社ミヤコシ
(74)【代理人】
【識別番号】100103805
【氏名又は名称】白崎 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100126516
【氏名又は名称】阿部 綽勝
(74)【代理人】
【識別番号】100132104
【氏名又は名称】勝木 俊晴
(74)【代理人】
【識別番号】100211753
【氏名又は名称】岡崎 紳吾
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和茂
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 歩
(72)【発明者】
【氏名】武藤 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】武藏 優努
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-50620(JP,A)
【文献】特開2004-160741(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0078135(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 5/00-13/70
B41F 21/00-35/06
B05C 1/00-21/00
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷体を給紙するための給紙部と、
前記被印刷体に印刷を施すための印刷部と、
前記印刷部に対して着脱可能な輪転部及びインクジェット部と、
前記印刷部で印刷された印刷体を回収するための回収部と、
を備え、
前記印刷部には、前記輪転部又は前記インクジェット部が取り付けられるものであり、
前記輪転部が、少なくとも、版胴を有するものであり、
前記インクジェット部が、少なくとも、インクジェット用インク供給部及びヘッド部を有するものであり、
前記印刷部が、輪転用インキ供給部が内蔵されたハウジング部を有し、
前記印刷部に前記輪転部が取り付けられた場合には、前記輪転用インキ供給部から前記版胴に輪転用インキが供給され、前記輪転部により前記被印刷体に印刷が施されるものであり、
前記印刷部に前記インクジェット部が取り付けられた場合には、前記インクジェット用インク供給部から前記ヘッド部にインクジェット用インクが供給され、前記インクジェット部により前記被印刷体に印刷が施されるものである印刷装置。
【請求項2】
前記輪転用インキ供給部が、少なくとも、インキツボと、該インキツボから供給されるインキを前記版胴に供給するためのインキ着ローラーとを有し、
前記インキ着ローラーが、前記印刷部に取り付けられる前記輪転部又は前記インクジェット部から離れる方向に移動可能となっている請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記印刷部を複数備えており、
複数の前記印刷部のうちの少なくとも1つには前記インクジェット部が取り付けられており、
複数の前記印刷部のうちの最上流側には前記輪転部が取り付けられている請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記インクジェット部が、前記ヘッド部よりも上流側に冷却ローラーを更に有し、
前記冷却ローラーが前記被印刷体を冷却するものためのものである請求項3記載の印刷装置。
【請求項5】
前記インクジェット部が、前記ヘッド部よりも上流側にマークセンサーを更に有し、
前記マークセンサーが、前記インクジェット部よりも上流側の前記輪転部が印刷したマークを検出するためのものである請求項1~4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記インクジェット部が、前記インクジェット用インク供給部及び前記ヘッド部を支持する支持枠部と、側方に延出可能なレール部とを更に有し、
前記支持枠部が、延出させた前記レール部に沿って印刷位置から作業位置にスライド可能となっている請求項1~5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記インクジェット部が、パージ皿側ピンが設けられたパージ用受皿と、保管皿側ピンが設けられた保管用受皿と、を更に有し、
前記ヘッド部には、前記パージ皿側ピンを取り付け可能なパージ皿側ピン受け穴と、前記保管皿側ピンを取り付け可能な保管皿側ピン受け穴と、前記パージ皿側ピン受け穴に取り付けられた前記パージ皿側ピンを検出するための第1検出センサーと、前記保管皿側ピン受け穴に取り付けられた前記保管皿側ピンを検出するための第2検出センサーとが設けられており、
前記パージ用受皿及び前記保管用受皿が、前記ヘッド部に対して着脱自在となっている請求項1~6のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記第1検出センサー及び前記第2検出センサーの検出結果に基づいて、前記ヘッド部の保管、印刷動作及びパージ動作を制御するための制御装置を更に備える請求項7記載の印刷装置。
【請求項9】
前記インクジェット部が、パージ皿側ピンが設けられたパージ用受皿と、保管皿側ピンが設けられた保管用受皿と、近接センサーと、を更に有し、
前記ヘッド部には、前記パージ皿側ピンを取り付け可能なパージ皿側ピン受け穴と、前記保管皿側ピンを取り付け可能な保管皿側ピン受け穴と、前記パージ皿側ピン受け穴に取り付けられた前記パージ皿側ピンを検出するための第1検出センサーと、前記保管皿側ピン受け穴に取り付けられた前記保管皿側ピンを検出するための第2検出センサーとが設けられており、
前記パージ用受皿及び前記保管用受皿が、前記ヘッド部に対して着脱自在となっており、
前記近接センサーが、前記支持枠部が前記印刷位置にあることを検出するためのものである請求項6記載の印刷装置。
【請求項10】
前記近接センサー、前記第1検出センサー及び前記第2検出センサーの検出結果に基づいて、前記ヘッド部の保管、印刷動作及びパージ動作を制御するための制御装置を更に備える請求項9記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関し、更に詳しくは、輪転部による印刷とインクジェット部による印刷とを選択して用いることができる印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有版式の印刷装置として、いわゆる輪転印刷機が知られている。
かかる輪転印刷機は、例えば、3胴式であれば、版胴からブランケット胴へ画像を転写し、ブランケット胴と圧胴との間に被印刷体を通し、高速回転させて印刷するものであり、短時間に大量の同じ画像の印刷が可能という特徴を有している。
一方、無版式の印刷装置として、インクジェット印刷装置が知られている。
かかるインクジェット印刷装置は、ヘッド部から微滴化したインクを被印刷体に対し吐出して印刷するものであり、可変データに応じた印刷が可能という特徴を有している。
【0003】
一般に、インクジェット印刷装置による可変データに応じた印刷は、輪転印刷機を用いて行うことが困難であり、輪転印刷機による短時間での大量の同じ画像の印刷は、インクジェット印刷装置を用いて行うことが困難である。
このことから、印刷の業界においては、多様化した印刷のニーズに応えるためには、輪転印刷機とインクジェット印刷装置との両方を揃える必要があった。
【0004】
ところが、輪転印刷機とインクジェット印刷装置とを揃えることは、コスト面でもスペース面でも負担が大きく、現実的であるとはいえない。
これに対し、輪転機にインクジェット印刷機構を付加したものが開発されている。
例えば、給紙ユニット、印刷ユニット及び処理ユニットを具備すると共に、インクジェット印刷機構(付加印刷装置)が併設され、給紙ユニットから印刷ユニットの印刷胴を介して処理ユニットに至る連続紙の走行経路が形成された輪転機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の輪転機は、インクジェット印刷機構を付加するためのスペースが必要であり、装置自体が大型化するという欠点もある。
また、印刷胴のみを用いたい場合は、付加したインクジェット印刷機構が邪魔になり、一方で、インクジェット印刷機構のみを用いたい場合は、印刷胴が邪魔になるという欠点がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、装置自体を大型化することなく、輪転部による印刷とインクジェット部による印刷とを選択して用いることができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、印刷部に取り付け可能となるように、コンパクト化したインクジェット部と、印刷部に取り付け可能な輪転部とを備えるものとすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、(1)被印刷体を給紙するための給紙部と、被印刷体に印刷を施すための印刷部と、印刷部に対して着脱可能な輪転部及びインクジェット部と、印刷部で印刷された印刷体を回収するための回収部と、を備え、印刷部には、輪転部又はインクジェット部が取り付けられるものであり、輪転部が、少なくとも、版胴を有するものであり、インクジェット部が、少なくとも、インクジェット用インク供給部及びヘッド部を有するものであり、印刷部が、輪転用インキ供給部が内蔵されたハウジング部を有し、印刷部に輪転部が取り付けられた場合には、輪転用インキ供給部から版胴に輪転用インキが供給され、輪転部により被印刷体に印刷が施されるものであり、印刷部にインクジェット部が取り付けられた場合には、インクジェット用インク供給部からヘッド部にインクジェット用インクが供給され、インクジェット部により被印刷体に印刷が施されるものである印刷装置に存する。
【0010】
本発明は、(2)輪転用インキ供給部が、少なくとも、インキツボと、該インキツボから供給されるインキを版胴に供給するためのインキ着ローラーとを有し、インキ着ローラーが、印刷部に取り付けられる輪転部又はインクジェット部から離れる方向に移動可能となっている上記(1)記載の印刷装置に存する。
【0011】
本発明は、(3)印刷部を複数備えており、複数の印刷部のうちの少なくとも1つにはインクジェット部が取り付けられており、複数の印刷部のうちの最上流側には輪転部が取り付けられている上記(1)又は(2)に記載の印刷装置に存する。
【0012】
本発明は、(4)インクジェット部が、ヘッド部よりも上流側に冷却ローラーを更に有し、冷却ローラーが被印刷体を冷却するものためのものである上記(3)記載の印刷装置に存する。
【0013】
本発明は、(5)インクジェット部が、ヘッド部よりも上流側にマークセンサーを更に有し、マークセンサーが、インクジェット部よりも上流側の輪転部が印刷したマークを検出するためのものである上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の印刷装置に存する。
【0014】
本発明は、(6)インクジェット部が、インクジェット用インク供給部及びヘッド部を支持する支持枠部と、側方に延出可能なレール部とを更に有し、支持枠部が、延出させたレール部に沿って印刷位置から作業位置にスライド可能となっている上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の印刷装置に存する。
【0015】
本発明は、(7)インクジェット部が、パージ皿側ピンが設けられたパージ用受皿と、保管皿側ピンが設けられた保管用受皿と、を更に有し、ヘッド部には、パージ皿側ピンを取り付け可能なパージ皿側ピン受け穴と、保管皿側ピンを取り付け可能な保管皿側ピン受け穴と、パージ皿側ピン受け穴に取り付けられたパージ皿側ピンを検出するための第1検出センサーと、保管皿側ピン受け穴に取り付けられた保管皿側ピンを検出するための第2検出センサーとが設けられており、パージ用受皿及び保管用受皿が、ヘッド部に対して着脱自在となっている上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の印刷装置に存する。
【0016】
本発明は、(8)第1検出センサー及び第2検出センサーの検出結果に基づいて、ヘッド部の保管、印刷動作及びパージ動作を制御するための制御装置を更に備える上記(7)記載の印刷装置に存する。
【0017】
本発明は、(9)インクジェット部が、パージ皿側ピンが設けられたパージ用受皿と、保管皿側ピンが設けられた保管用受皿と、近接センサーと、を更に有し、ヘッド部には、パージ皿側ピンを取り付け可能なパージ皿側ピン受け穴と、保管皿側ピンを取り付け可能な保管皿側ピン受け穴と、パージ皿側ピン受け穴に取り付けられたパージ皿側ピンを検出するための第1検出センサーと、保管皿側ピン受け穴に取り付けられた保管皿側ピンを検出するための第2検出センサーとが設けられており、パージ用受皿及び保管用受皿が、ヘッド部に対して着脱自在となっており、近接センサーが、支持枠部が印刷位置にあることを検出するためのものである上記(6)記載の印刷装置に存する。
【0018】
本発明は、(10)近接センサー、第1検出センサー及び第2検出センサーの検出結果に基づいて、ヘッド部の保管、印刷動作及びパージ動作を制御するための制御装置を更に備える上記(9)記載の印刷装置に存する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の印刷装置においては、輪転部及びインクジェット部を備えるものとし、且つ、輪転部又はインクジェット部を、選択的に印刷部に取り付け可能なものとすることにより、装置自体を大型化することなく、輪転部による印刷とインクジェット部による印刷とを選択して用いることができる。これにより、輪転部を用いたい場合、インクジェット部が邪魔になることはなく、インクジェット部を用いたい場合、輪転部が邪魔になることはない。
また、1つの印刷装置で輪転部による印刷と、インクジェット部による印刷とを行うことができるので、輪転印刷機とインクジェット印刷装置とを準備する必要がなく、コストメリットも大きい。例えば、被印刷体に対し、輪転部により、同じ画像の印刷を施した後、輪転部をインクジェット部に替え、インクジェット部により、宛名等の可変情報の追い刷り印刷やロゴマーク等のワンポイントの追い刷り印刷を施すこともできる。
また、印刷部が、輪転用インキ供給部を有しているので、印刷部に輪転部を取り付けて用いる場合は、これらを利用して印刷することができる。なお、従来の輪転印刷機を利用して、本発明の印刷装置とすることも可能である。
【0020】
本発明の印刷装置においては、インキ着ローラーが、印刷部に取り付けられる輪転部又はインクジェット部から離れる方向に移動可能となっている場合、輪転部又はインクジェット部の着脱に際に、インキ着ローラーを移動させて逃がすことにより、インキ着ローラーがこれらに対して干渉することを防止することができる。
また、インクジェット部による印刷を行う場合は、使用しないインキ着ローラーを逃がした状態で維持することができる。
【0021】
本発明の印刷装置においては、印刷部を複数備えることにより、複数箇所での輪転部による印刷、複数箇所でのインクジェット部による印刷、並びに、輪転部及びインクジェット部の組合せによる印刷のうちの何れかを選択して行うことが可能となる。
これらの中でも、輪転部又はインクジェット部の着脱作業を極力減らしたい場合、輪転部及びインクジェット部の組合せによる印刷を選択して行うことが好ましい。
【0022】
この場合、複数の印刷部のうちの少なくとも1つにインクジェット部を取り付け、最上流側には輪転部を取り付けることが好ましい。
そうすると、輪転部による印刷に応じて、インクジェット部が印刷する位置を調整することが可能となる。その結果、両者間による印刷のずれを防止することができる。
例えば、被印刷体に対し、上流側の輪転部により、同じ画像の印刷を施した後、下流側のインクジェット部により、宛名等の可変情報の追い刷り印刷やロゴマーク等のワンポイントの追い刷り印刷を施すことができる。すなわち、これらの印刷を一工程で行うことができる。
また、インクジェット部が、ヘッド部よりも上流側にマークセンサーを有することが好ましい。この場合、上流側の輪転部が印刷したマークをマークセンサーが検出し、これに基づいて瞬時にヘッド部が印刷する位置を調整することができるので、両者間による印刷のずれをより確実に防止することができる
【0023】
本発明の印刷装置においては、インクジェット部が、ヘッド部よりも上流側に冷却ローラーを有することにより、ヘッド部が被印刷体に印刷を施す前に、被印刷体の温度を調整することができる。
ちなみに、被印刷体が高温であると、被印刷体に対向しているヘッド部が輻射熱により昇温し、ヘッド部から吐出されるインクジェット用インクの温度制御及び粘度制御が正しく行われない恐れや、ヘッド部自体が制御不能となる恐れがある。また、ヘッド部よって吐出されるインクジェット用インクが被印刷体に着弾した際、インクジェット用インクの浸透具合やにじみ具合にばらつきが生じ易い。
【0024】
本発明の印刷装置においては、インクジェット用インク供給部及びヘッド部を支持する支持枠部を、側方に延出可能なレール部に沿って印刷位置から作業位置にスライドさせることにより、インクジェット用インク供給部及びヘッド部を作業位置に移動させることができる。これにより、インクジェット用インク供給部及びヘッド部に対するメンテナンス等の作業性が向上する。
また、インクジェット部に設けられたレール部は、側方に延出するようになっているので、通常の印刷時には邪魔にならないという利点もある。
【0025】
本発明の印刷装置においては、ヘッド部にパージ用受皿が取り付けられた状態でパージが行われ、また、ヘッド部に保管用受皿が取り付けられた状態でヘッド部が保管される。
このとき、第1検出センサーが、ヘッド部のパージ皿側ピン受け穴に取り付けられたパージ用受皿のパージ皿側ピンを検出することにより、パージ用受皿の着脱状態を認識することができる。
同様に、第2検出センサーが、ヘッド部の保管皿側ピン受け穴に取り付けられた保管用受皿の保管皿側ピンを検出することにより、保管用受皿の着脱状態を認識することができる。
また、印刷装置が制御装置を備えることにより、第1検出センサー及び第2検出センサーの検出結果(すなわち、各受皿の着脱状態)に基づいて、ヘッド部の保管、印刷動作及びパージ動作を制御することが可能となる。
このように、制御装置がヘッド部の保管、印刷動作及びパージ動作を制御することにより、誤作動や誤操作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明に係る印刷装置の一実施形態を概略的に示す側面図である。
【
図2】
図2の(a)は、本実施形態に係る印刷装置の輪転部を拡大して示す一方側の側面図であり、
図2の(b)は、
図2の(a)に示す輪転部の他方側の側面図である。
【
図3】
図3の(a)は、本実施形態に係る印刷装置のインクジェット部を拡大して示す一方側の側面図であり、
図3の(b)は、
図3の(a)に示すインクジェット部の他方側の側面図である。
【
図4】
図4は、
図3のインクジェット部をA-A線で切断した矢視断面図である。
【
図5】
図5の(a)は、本実施形態に係る印刷装置の印刷部にインクジェット部が取り付けられた状態を示す正面図であり、
図5の(b)は、
図5の(a)の状態から支持枠部を取り出した状態を示す正面図である。
【
図6】
図6の(a)は、本実施形態に係る印刷装置のヘッド部にパージ用受皿が取り付けられた状態を示す正面図であり、
図6の(b)は、
図6の(a)に示すヘッド部にパージ用受皿が取り付けられた状態の平面図である。
【
図7】
図7の(a)は、本実施形態に係る印刷装置のヘッド部に保管用受皿が取り付けられた状態を示す正面図であり、
図7の(b)は、
図7の(a)に示すヘッド部に保管用受皿が取り付けられた状態の平面図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る印刷装置において、印刷部へのインクジェット部の着脱方法の一例を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0028】
図1は、本発明に係る印刷装置の一実施形態を概略的に示す側面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る印刷装置100は、被印刷体Wを給紙するための給紙部1と、被印刷体Wに印刷を施すための複数の印刷部3と、各印刷部3に対して着脱可能な輪転部4及びインクジェット部5と、印刷部3で印刷された印刷体W1を回収する回収部2と、を備える。
このように、印刷装置100は、印刷部3に取り付け可能な輪転部4だけでなく、印刷部3に取り付け可能なインクジェット部5も有している。このため、印刷装置100においては、印刷部3毎に、輪転部4又はインクジェット部5を選択して取り付けることが可能となっている。
【0029】
本実施形態に係る印刷装置100においては、給紙部1から給紙された被印刷体Wが、各印刷部3で印刷され、回収部2により回収されるようになっている。
このとき、印刷装置100においては、複数の印刷部3のうちの上流側には輪転部4が取り付けられ、下流側には、インクジェット部5が取り付けられている。このため、印刷装置100においては、上流側の輪転部4のみによる印刷、下流側のインクジェット部5のみによる印刷、並びに、上流側の輪転部4及び下流側のインクジェット部5の組合せによる印刷のうちの何れかを選択して行うことが可能となっている。したがって、この場合、印刷方式が異なるものへのロット替え等があったとしても、輪転部4又はインクジェット部5に変更することなく、そのまま対応して印刷することが可能であり、輪転部4又はインクジェット部5の印刷部3への着脱作業の手間を省くことができる。
なお、本明細書において、上流側とは、被印刷体Wの搬送経路における上流側、すなわち給紙部1側を意味し、下流側とは、被印刷体Wの搬送経路における下流側、すなわち回収部2側を意味する。
【0030】
また、印刷装置100においては、複数の印刷部3のうちの少なくとも1つにインクジェット部5が取り付けられ、且つ、複数の印刷部3のうちの最上流側に輪転部4が取り付けられているので、上流側の輪転部4による被印刷体Wの印刷に応じて、下流側のインクジェット部5が被印刷体Wに印刷する位置を調整することが可能となる。その結果、両者間による印刷のずれを防止することができる。なお、この点の具体例については後述する。
【0031】
給紙部1は、被印刷体Wを給紙するための部位である。
ここで、上記被印刷体Wとしては、特に限定されず、市販のものを適宜採用することができる。具体的には、例えば、紙、フィルム、布帛等が挙げられる。
給紙部1においては、被印刷体Wが巻き出し軸R1に巻き取られた状態となっており、被印刷体Wが引き出されると、巻き出し軸R1が巻き出し方向(例えば、時計回り方向)に回転し、被印刷体Wが順次給紙されるようになっている。
【0032】
印刷部3は、被印刷体Wに印刷を施す部位である。上述したように、印刷装置100においては、上流側の印刷部3には輪転部4が取り付けられ、下流側の印刷部3には、インクジェット部5が取り付けられている。
まず、印刷部3に輪転部4が取り付けられている場合について説明する(
図1の左側の印刷部3参照)。
印刷部3は、輪転用インキ供給部30と、これが内蔵されたハウジング部35とを有する。
そして、輪転用インキ供給部30は、インキツボ31と、該インキツボ31から供給されるインキを転移させるインキングローラー群32と、該インキングローラー群32から供給されるインキを版胴41に供給するためのインキ着ローラー33とを有する。
なお、かかるインキングローラー群32には、水船37から版胴41に湿し水を供給する水着けローラー群が含まれている。また、インキツボ31、インキングローラー群32及びインキ着ローラー33の構造は、何れも、従来の輪転印刷機と同様であるため、詳細な説明は省略する。
印刷部3において、インキ着ローラー33の下方は、空間部となっており、そこに輪転部4が取り付けられている。
【0033】
輪転用インキ供給部30においては、インキツボ31から、インキングローラー群32に順次輪転用インキが供給され、インキングローラー群32からインキ着ローラー33に輪転用インキが供給され、インキ着ローラー33から版胴41に輪転用インキが供給され、当該輪転用インキが版の印刷面に付着する(
図1並びに
図2の(a)及び(b)参照)。
なお、輪転用インキとしては、特に限定されず、公知の輪転印刷機に用いられる市販のインキを適宜採用することができる。ちなみに、市販のインキがUVインキである場合は、輪転部4が取り付けられた印刷部3の下流側に公知のUV照射機38を取り付ければよい。
【0034】
図2の(a)は、本実施形態に係る印刷装置の輪転部を拡大して示す一方側の側面図であり、
図2の(b)は、
図2の(a)に示す輪転部の他方側の側面図である。
図2の(a)及び(b)に示すように、輪転部4は、版胴41と、該版胴41に当接されるブランケット胴42と、該ブランケット胴42に被印刷体Wを介して当接される圧胴43と、版胴41、ブランケット胴42及び圧胴43を支持する一対の輪転用フレームF1,F2とを有する。
【0035】
版胴41は、版が巻き付けられた胴(シリンダ)であり、インキ着ローラー33及びブランケット胴42に当接されている。
ブランケット胴42は、一般にゴム製又は樹脂製のブランケットが巻き付けられた胴であり、版胴41と、被印刷体Wを介して圧胴43と、に当接されている。
圧胴43は、被印刷体Wをブランケット胴42に押圧するための胴であり、被印刷体Wを介してブランケット胴42に当接されている。
【0036】
輪転部4においては、版の印刷面に付着した輪転用インキが、ブランケット胴42に転写され、当該ブランケット胴42から、圧胴43により押圧された被印刷体Wに転写(印刷)される。
輪転部4においては、短時間に大量の同じ画像の印刷を施すことが可能となっている。
【0037】
輪転部4は、両側に、一定の厚みを有する板状の輪転用フレームF1,F2を有する。なお、本明細書において、輪転用フレームF1,F2の底の面を「輪転用フレーム底面部45a」、前側の面を「輪転用フレーム前面部45b」、後ろ側の面を「輪転用フレーム後面部45d」とする。また、前側とは、被印刷体Wの搬送経路における下流側、すなわち回収部2側を意味し、後ろ側とは、被印刷体Wの搬送経路における上流側、すなわち給紙部1側を意味する。
輪転部4において、版胴41、ブランケット胴42及び圧胴43は、両側の輪転用フレームF1,F2により支持されている。
【0038】
輪転部4は、輪転用フレームF1,F2の輪転用フレーム後面部45dが、ハウジング部35の空間部の後面部35aに当接され、輪転用フレーム底面部45aが、ハウジング部35の空間部の底面部35bに当接される。
このとき、
図2の(a)に示す一方側の輪転用フレームF1の外側面には、固定具46が取り付けられており、当該固定具46は、一部が、一方側の輪転用フレームF1の輪転用フレーム後面部45dよりも後方に延出した板状となっている。また、固定具46の延出した部分には第1穴部46aが設けられている。
同じ側のハウジング部35には、板状の第1ブラケットB1が、第1支持部C1を介して取り付けられている。この第1支持部C1は、ハウジング部35に取り付け固定されており、第1ブラケットB1は、第1支持部C1に支持された状態で、第1支持部C1(ハウジング部35)に対して前後方向にスライド可能となっている。また、第1ブラケットB1の前側には、第1ピンB11が取り付け固定されており、後ろ側には第1偏芯用穴部B12が設けられている。
そして、第1偏芯用穴部B12には、ハウジング部35に取り付けられた偏芯軸E1が挿入され、固定具46の第1穴部46aには、第1ブラケットB1の第1ピンB11が挿入される。
【0039】
一方、
図2の(b)に示す他方側の輪転用フレームF2の外側面には、第2ピンB21が取り付け固定されている。
同じ側のハウジング部35には、板状の第2ブラケットB2が、第2支持部C2を介して取り付けられている。この第2支持部C2は、ハウジング部35に取り付け固定されており、第2ブラケットB2は、第2支持部C2に支持された状態で、第2支持部C2(ハウジング部35)に対して前後方向にスライド可能となっている。また、第2ブラケットB2は、一部が、他方側の輪転用フレームF2の輪転用フレーム後面部45dよりも前方に延出した板状となっており、第2ブラケットB2の延出した部分には第2穴部46bが設けられ、後ろ側には第2偏芯用穴部B22が設けられている。
そして、第2偏芯用穴部B22には、ハウジング部35に取り付けられた偏芯軸E1が挿入され、第2ブラケットB2の第2穴部46bには、第2ピンB21が挿入される。
【0040】
輪転部4においては、偏芯軸E1の軸端に取り付けられたレバーL1(
図2の(a)参照)により偏芯軸E1を回動させることにより、第1ブラケットB1及び第2ブラケットB2が輪転部4と一体となって後方に引き付けられ、輪転用フレームF1,F2の輪転用フレーム後面部45dとハウジング部35の空間部の後面部35aとが当接された状態で固定される。これにより、輪転部4のハウジング部35に対する前後方向の位置決めがなされる。
【0041】
輪転部4においては、その下端に、後述する当該輪転部4をスライドさせるための車輪Tが設けられている。
具体的には、一方側の輪転用フレームF1の内側面の下端から他方側の輪転用フレームF2の内側面の下端に亘って矩形のステーMが設けられており、当該ステーMの両端側に車輪用偏芯軸E2が設けられている(
図8参照)。
そして、各車輪用偏芯軸E2は、中央部がステーMに取り付けられ、両端側に車輪Tが取り付けられている。
【0042】
輪転部4においては、車輪用偏芯軸E2の軸端に取り付けられた車輪用レバーL2を回動させることにより、車輪Tが輪転用フレーム底面部45aより上方に移動するため、輪転部4の本体が下降移動し、輪転用フレーム底面部45aとハウジング部35の空間部の底面部35bとが当接された状態で固定される。これにより、輪転部4のハウジング部35に対する上下方向の位置決めがなされる。
ちなみに、車輪用レバーL2を元に戻すように回動させると、車輪Tが輪転用フレーム底面部45aより下方に突出するようになっている。
【0043】
次に、印刷部3にインクジェット部5が取り付けられている場合について説明する(
図1の右側の印刷部3参照)。
印刷部3は、上述したことと同様に、輪転用インキ供給部30と、これが内蔵されたハウジング部35とを有する。
そして、印刷部3において、インキ着ローラー33の下方は、空間部となっており、そこにインクジェット部5が取り付けられている。
すなわち、インクジェット部5が取り付けられた印刷部3は、輪転部4の代わりにインクジェット部5が取り付けられていること以外は、輪転部4が取り付けられた印刷部3と同じである。なお、インクジェット部5が取り付けられた印刷部3は、輪転用インキ供給部30を有しているが、インクジェット部5による印刷にはこれを使用しない。
【0044】
図3の(a)は、本実施形態に係る印刷装置のインクジェット部を拡大して示す一方側の側面図であり、
図3の(b)は、
図3の(a)に示すインクジェット部の他方側の側面図である。
図3の(a)及び(b)に示すように、インクジェット部5は、少なくとも、被印刷体Wに対し、インクジェット用インクを吐出するためのヘッド部51と、当該ヘッド部51にインクジェット用インクを供給するためのインクジェット用インク供給部52と、インクジェット用インク供給部52及びヘッド部51を支持する支持枠部56と、側方に延出可能なレール部71と、進入する被印刷体Wを案内すると共に、冷却するための冷却ローラー53aと、当該冷却ローラー53aに対向するように、被印刷体Wを介して設けられたマークセンサー54と、印刷が施された印刷体W1を排出するために案内する排出案内ローラー53bと、ヘッド部51からのインクジェット用インクの吐出を制御するための制御装置(図示しない)と、当該制御装置からの指令を受信する制御基板Sと、少なくとも、ヘッド部51、インクジェット用インク供給部52、支持枠部56、マークセンサー54、冷却ローラー53a、排出案内ローラー53b及び制御基板Sを間に挟むように設けられた一対のインクジェット用フレームF3,F4とを有する。
【0045】
インクジェット用インク供給部52としては、ヘッド部51に連結されており、当該ヘッド部51の各ヘッドに分配供給するためのインクジェット用インクを貯留している分配タンクを有している。
なお、かかるインクジェット用インク供給部52は、外部に設置されたインクタンク70aと、ポンプ70b及びインクフィルタ70cを介して、配管Cで連結されていてもよい(
図5参照)。この場合、インクジェット用インク供給部52の分配タンクに、インクタンク70aからインクジェット用インクを適宜補充することが可能となる。また、インクジェット用インク供給部52と、外部のインクタンク70a、ポンプ70b及びインクフィルタ70cとは、配管Cに設けたカプラ等により、ワンタッチで着脱可能となっていてもよい。
【0046】
ヘッド部51は、複数のヘッドを有しており、これらのヘッドから被印刷体Wに対し、インクジェット用インクが吐出されるようになっている。
ここで、ヘッドとしては、シリアルヘッドやラインヘッド等が採用可能であるが、上流側で輪転部4による印刷を行う場合は、高速印字の観点から、ラインヘッドを採用することが好ましい。
【0047】
冷却ローラー53aは、インクジェット部5内において、最初に被印刷体Wと接する部分であり、被印刷体Wを案内する機能と、被印刷体Wを冷却する機能とを発揮する。
まず、冷却ローラー53aにおいては、ヘッド部51よりも上流側に設けられているので、ヘッド部51が被印刷体Wに印刷を施す前に、被印刷体Wの温度を所定の温度に調整することができる。
図4は、
図3のインクジェット部をA-A線で切断した矢視断面図である。すなわち、本実施形態に係るマークセンサー及び冷却ロールを示す部分断面図である。
図4に示すように、冷却ローラー53aは、中空円柱状の本体部61と、当該本体部61に内蔵された円筒部62と、本体部61の一端に取り付けられたロータリージョイント63と、当該ロータリージョイント63に取り付けられた往路管64a及び復路管64bとを有する。
冷却ローラー53aにおいては、本体部61の内部と、ロータリージョイント63の内部並びに往路管64a及び復路管64bの内部とが連通している。
【0048】
冷却ローラー53aにおいては、ロータリージョイント63を介して、本体部61内に冷却水が流通するようになっている。
具体的には、冷却ローラー53aにおいて、冷却水は、往路管64aからロータリージョイント63を介して円筒部62の内部流路62aに流入され、本体部61の他端に衝突すると、円筒部62の外部流路62b(円筒部62の外面と本体部61の内面との間)に案内され、当該外部流路62bからロータリージョイント63を介して復路管64bに流出されるようになっている。
このように、冷却ローラー53aは、冷却水を折り返して流通させる構成となっているので、冷却ローラー53aに接する被印刷体Wを効率良く冷却することが可能となる。
また、冷却ローラー53aにおいては、冷却水の流入及び流出をインクジェット部5の一方側で行っているので、メンテナンス等がし易く、配管等をまとめることができる。
【0049】
インクジェット部5は、後述するインクジェット用フレームF3,F4に支持され被印刷体Wの幅方向に延びるセンサー案内レール54aと、当該センサー案内レール54aに沿ってスライド可能に取り付けられた基部54bと、当該基部54bに取り付けられたマークセンサー54とを有する。
かかるマークセンサー54は、冷却ローラー53aの対向する位置に、被印刷体Wを介して取り付けられる(
図3参照)。
【0050】
図3の(a)及び(b)に戻り、マークセンサー54は、インクジェット部5よりも上流側の輪転部4で被印刷体Wに印刷されたマークを検出可能となっている。
このとき、マークセンサー54は、被印刷体Wに印刷されたマークの位置に応じて、センサー案内レール54aに沿ってスライドさせることができる。
また、マークセンサー54は、インクジェット部5内において、ヘッド部51よりも上流側に設けられている。このため、上流側のマークセンサー54が検出した検出信号を、外部に設置された制御装置(図示しない)が受信すると、当該制御装置は、その検出信号に基づいて、下流側のヘッド部51に所定の位置から所定のタイミングで印刷を開始するように指令を出すことができる。
そうすると、制御基板Sが制御装置からの指令を受信し、ヘッド部51が印刷を開始する位置及びタイミングが調整されることになる。これにより、輪転部4による印刷と、インクジェット部5による印刷とでずれが生じることを防止することができる。
【0051】
インクジェット部5においては、インクジェット用インク供給部52から、ヘッド部51のヘッドにインクジェット用インクが供給され、ヘッド51から、上述した制御装置の指令に基づいて、被印刷体に対し、インクジェット用インクが吐出される。
インクジェット部5においては、可変データに応じた印刷が可能となっている。
なお、インクジェット用インクとしては、特に限定されず、公知のインクジェット印刷装置に用いられる市販のインクを適宜採用することができる。具体的には、例えば、YMCKの水性染料、水性顔料、油性染料、油性顔料等が挙げられる。ちなみに、市販のインクがUVインクである場合は、インクジェット部5が取り付けられた印刷部3の下流側に公知のUV照射機38を取り付ければよい(
図1参照)。
【0052】
インクジェット部5は、両側に、一定の厚みを有する板状のインクジェット用フレームF3,F4を有する。なお、本明細書において、インクジェット用フレームF3,F4の底の面を「インクジェット用フレーム底面部55a」、前側の面を「インクジェット用フレーム前面部55b」、後ろ側の面を「インクジェット用フレーム後面部55d」とする。
インクジェット部5において、少なくとも、冷却ローラー53a及びセンサー案内レール54aは、両側のインクジェット用フレームF3,F4により支持されている(
図4参照)。
【0053】
ここで、インクジェット部5においては、両側のインクジェット用フレームF3,F4の間の天井部分に保護カバー55eが設けられている。このため、印刷部3内(例えば輪転用インキ供給部30)に付着した水滴や、浮遊するインキミストや紙粉等がインクジェット部5内に進入することを防止することができる。
また、インクジェット部5においては、保護カバー55eが設けられているので、インキ着ローラー33は、当該保護カバー55eとの干渉を避けるため、印刷部3に取り付けられるインクジェット部5から離れる方向に移動可能となっている。かかる移動手段は特に限定されないが、例えば、エアシリンダにより、インキ着ローラー33を移動させる方法が挙げられる。
また、インクジェット部5による印刷を行う場合は、インキ着ローラー33は使用しないので、逃がした状態で維持することが可能となっている。
なお、
図2の印刷部3内のインキ着ローラー33は、移動していない状態を示しており、
図3に示す印刷部3内のインキ着ローラー33は、インクジェット部5から離れる方向に移動した状態を示している。
【0054】
インクジェット部5は、上述した輪転部4と同様に、インクジェット用フレームF3,F4のインクジェット用フレーム後面部55dが、ハウジング部35の空間部の後面部35aに当接され、インクジェット用フレーム底面部55aが、ハウジング部35の空間部の底面部35bに当接される。
このとき、
図3の(a)に示す一方側のインクジェット用フレームF3の外側面には、上述した輪転部4と同様に、固定具46が取り付けられている。
また、
図3の(b)に示す他方側のインクジェット用フレームF4の外側面には、上述した輪転部4と同様に、第2ピンB21が取り付け固定されている。
したがって、この状態から、偏芯軸E1の軸端に取り付けられたレバーL1(
図3の(a)参照)により偏芯軸E1を回動させることにより、上述した輪転部4と同様に、第1ブラケットB1及び第2ブラケットB2がインクジェット部5と一体となって後方に引き付けられ、インクジェット用フレームF3,F4のインクジェット用フレーム後面部55dとハウジング部35の空間部の後面部35aとが当接された状態で固定される。これにより、インクジェット部5のハウジング部35に対する前後方向の位置決めがなされる。
【0055】
インクジェット部5においては、その下端に、上述した輪転部4と同様に、当該インクジェット部5をスライドさせるための車輪Tが設けられている。
具体的には、一方側のインクジェット用フレームF3の内側面の下端から他方側のインクジェット用フレームF4の内側面の下端に亘って矩形のステーMが設けられており、当該ステーMの両端側に車輪用偏芯軸E2が設けられている(
図8参照)。
そして、各車輪用偏芯軸E2は、中央部がステーMに取り付けられ、両端側に車輪Tが取り付けられている。
【0056】
インクジェット部5においては、車輪用偏芯軸E2の軸端に取り付けられた車輪用レバーL2を回動させることにより、車輪Tがインクジェット用フレーム底面部55aより上方に移動するため、インクジェット部5の本体が下降移動し、インクジェット用フレーム底面部55aとハウジング部35の空間部の底面部35bとが当接された状態で固定される。これにより、インクジェット部5のハウジング部35に対する上下方向の位置決めがなされる。
ちなみに、車輪用レバーL2を元に戻すように回動させると、車輪Tがインクジェット用フレーム底面部55aより下方に突出するようになっている。
このように、輪転部4とインクジェット部5とは、ハウジング部35に対する位置決め方法が共通している。
【0057】
図5の(a)は、本実施形態に係る印刷装置の印刷部にインクジェット部が取り付けられた状態を示す正面図であり、
図5の(b)は、
図5の(a)の状態から支持枠部を取り出した状態を示す正面図である。
図5の(a)及び(b)に示すように、インクジェット部5において、支持枠部56は、インクジェット用インク供給部52及びヘッド部51を支持した状態で、一対のインクジェット用フレームF3,F4の間に配置されている。
また、インクジェット部5には、一端が、一方側のインクジェット用フレームF3及び他方側のインクジェット用フレームF4に架橋された受け板77に固定され、他端が支持枠部56に固定されたケーブルベア72が取り付けられている。なお、かかるケーブルベアの内部には、インクタンク70aからインクジェット用インク供給部52にインクジェット用インクを供給するための配管C等が通っている。
【0058】
インクジェット部5において、一方側のインクジェット用フレームF3は、一部が開口しており、その開口した部分からレール部71を延出させることが可能となっている。
そして、支持枠部56を、延出させたレール部71に沿ってスライドさせることにより、当該支持枠部56が、インクジェット用フレームF3,F4の間から取り出される。すなわち、支持枠部56を、印刷が行われる印刷位置P1から、印刷部3外側のメンテナンス等の作業が行われる作業位置P2にスライドさせることができる。なお、作業位置P2は、例えば、支持枠部56をレール部71に沿って印刷位置P1とは反対方向にスライドさせた場合の終端の位置とすればよい。
これにより、インクジェット用インク供給部52及びヘッド部51に対するメンテナンス等の作業性が向上する。
また、インクジェット部5に設けられたレール部71は、支持枠部56が印刷位置P1にある場合は、延出せず、インクジェット部5内に収納されているので、通常の印刷時には邪魔にならないという利点もある。
【0059】
また、インクジェット部5においては、他方側のインクジェット用フレームF4に近接センサー76aが取り付けられており、支持枠部56に検出体76b(ドグ)が取り付けられている。
このため、近接センサー76aは、検出体76bが近接することで、支持枠部56が印刷位置P1にあることを検出することができる。すなわち、近接センサー76aが検出体76bを検出しない場合は、支持枠部56が印刷位置P1にないことを意味する。
【0060】
インクジェット部5において、作業位置P2にある支持枠部56を印刷位置P1に戻す場合、支持枠部56の位置決めがなされる。
具体的には、一方側のインクジェット用フレームF3に設けられた第1側壁部ピン73aを、支持枠部56の一方側に設けられた第1支持枠ピン受け穴73bに嵌合させ、他方側のインクジェット用フレームF4に設けられた第2側壁部ピン受け穴74bに、支持枠部56の他方側に設けられた第2支持枠ピン74aを嵌合させ、一方側のインクジェット用フレームF3と支持枠部56の一方側とをクランプ部75で固定することにより、支持枠部56の位置決めがなされる。なお、第1側壁部ピン73aと第1支持枠ピン受け穴73bは2箇所に設けられており、第2側壁部ピン受け穴74bと第2支持枠ピン74aは1箇所に設けられている(
図3参照)。
【0061】
印刷装置100においては、ヘッド部51が作業位置P2にある場合、当該ヘッド部51に対し、パージや保管のための処置を施すことができる。
例えば、インクジェット部5が、着脱自在なパージ用受皿と、着脱自在な保管用受皿とを更に有する場合、作業位置P2にあるヘッド部51に対し、パージ用受皿又は保管用受皿を容易に取り付けることができる。
【0062】
図6の(a)は、本実施形態に係る印刷装置のヘッド部にパージ用受皿が取り付けられた状態を示す正面図であり、
図6の(b)は、
図6の(a)に示すヘッド部にパージ用受皿が取り付けられた状態の平面図である。
図6の(a)に示すように、インクジェット部5においては、ヘッド部51に箱状のパージ用受皿81が取り付けられた状態でパージが行われる。このため、ヘッド部51のパージ時に吐出されるインクジェット用インクは、パージ用受皿81に受け止められ、パージ用受皿81の底部に貯留されることになる。なお、パージ用受皿81の底部には図示しない排水口が設けられていてもよい。この場合、排水口により貯留されたインクジェット用インクを排出することが可能となる。
【0063】
印刷装置100において、パージ用受皿81の両側の端部には、パージ皿側ピン81aが設けられている。
一方で、ヘッド部51には、パージ皿側ピン81aを取り付け可能なパージ皿側ピン受け穴81bと、少なくとも一方のパージ皿側ピン受け穴81bに対向するように取り付けられたパージ皿側ピン81aを検出するための第1検出センサー81cとが設けられている。
したがって、パージ皿側ピン81aをパージ皿側ピン受け穴81bに勘合させることにより、パージ用受皿81がヘッド部51に取り付けられることになる。このとき、第1検出センサー81cが下方のパージ皿側ピン受け穴81bに対して、パージ皿側ピン81aの存在の有無を検出することにより、ヘッド部51にパージ用受皿81が取り付けられているか否かを認識することができる。なお、パージ時においては、上述したパージ用受皿81をヘッド部51に取り付けることに加え、パージ用受皿81に設けられた、ねじ81dにより、当該パージ用受皿81をヘッド部51に固定させる。
【0064】
また、
図6の(b)に示すように、ヘッド部51は、上面視で矩形状であり、パージ皿側ピン81aとパージ皿側ピン受け穴81bとの連結位置は、ヘッド部51に対して対角となる位置にある。この場合、2箇所の連結位置が極力離れることになるので、ヘッド部51に対するパージ用受皿81の取り付け精度も向上する。
【0065】
図7の(a)は、本実施形態に係る印刷装置のヘッド部に保管用受皿が取り付けられた状態を示す正面図であり、
図7の(b)は、
図7の(a)に示すヘッド部に保管用受皿が取り付けられた状態の平面図である。
図7の(a)に示すように、インクジェット部5においては、ヘッド部51に箱状の保管用受皿82が取り付けられた状態でヘッド部51が保管される。なお、保管用受皿82は、パージ用受皿81よりも底が浅くなっており、開口部の周縁に取り付けたゴム製のパッキン82eを介してヘッド部51に取り付けられる。このため、ヘッド部51の保管時には、保管用受皿82を取り付けることにより、保管用受皿82内の湿度を極力維持することができる。また、ヘッド部51のノズルからインクジェット用インクが垂れることを抑制することもできる。なお、保管用受皿82の取り付けは、作業位置P2で行われるものの、保管用受皿82の取付け後は、ヘッド部51(支持枠部56)を印刷位置P1に戻して保管してもよい。
【0066】
印刷装置100において、保管用受皿82の両側の端部には、保管皿側ピン82aが設けられている。
一方で、ヘッド部51には、保管皿側ピン82aを取り付け可能な保管皿側ピン受け穴82bと、少なくとも一方の保管皿側ピン受け穴82bに対向するように取り付けられた保管皿側ピン82aを検出するための第2検出センサー82cとが設けられている。
したがって、保管皿側ピン82aを保管皿側ピン受け穴82bに勘合させることにより、保管用受皿82がヘッド部51に取り付けられることになる。このとき、第2検出センサー82cが下方の保管皿側ピン受け穴82bに対して、保管皿側ピン82aの存在の有無を検出することにより、ヘッド部51に保管用受皿82が取り付けられているか否かを認識することができる。なお、保管時においては、上述した保管用受皿82をヘッド部51に取り付けることに加え、保管用受皿82に設けられた、ねじ82dにより、当該保管用受皿82をヘッド部51に固定させる。
【0067】
また、
図7の(b)に示すように、ヘッド部51は、上面視で矩形状であり、保管皿側ピン82aと保管皿側ピン受け穴82bとの連結位置は、ヘッド部51に対して対角となる位置にある。この場合、2箇所の連結位置が極力離れることになるので、ヘッド部51に対する保管用受皿82の取り付け精度も向上する。
ここで、上述したパージ皿側ピン81aとパージ皿側ピン受け穴81bとの連結位置、及び、保管皿側ピン82aと保管皿側ピン受け穴82bとの連結位置、は一致しない。すなわち、パージ皿側ピン81aとパージ皿側ピン受け穴81bとの連結位置同士を結ぶ対角線と、保管皿側ピン82aと保管皿側ピン受け穴82bとの連結位置同士を結ぶ対角線とは、ヘッド部51の略中央でクロスするようになっている。
【0068】
インクジェット部5において、制御装置は、上述した近接センサー76a、第1検出センサー81c及び第2検出センサー82cの検出結果に基づいて、ヘッド部51の各動作に対する指令の許可を制御している。すなわち、制御装置は、上述したヘッド部51によるインクジェット用インクの吐出に関する印刷動作の指令に加え、ヘッド部51の保管動作及びパージ動作の指令も制御するようになっている。
例えば、支持枠部56が印刷位置P1にあることを近接センサー76aが検出せず、且つ、第1検出センサー81cがヘッド部51にパージ用受皿81が取り付けられていることを検出した場合、制御装置は、パージ動作指令は許可し、保管動作指令及び印刷動作指令は許可しない。
また、支持枠部56が印刷位置P1にあることを近接センサー76aが検出せず、且つ、第2検出センサー82cがヘッド部51に保管用受皿82が取り付けられていることを検出した場合、制御装置は、保管動作指令、パージ動作指令、印刷動作指令のいずれも許可しない。
また、支持枠部56が印刷位置P1にあることを近接センサー76aが検出せず、第1検出センサー81cがヘッド部51にパージ用受け皿が取り付けられていることを検出せず、且つ、第2検出センサー82cがヘッド部51に保管用受皿82が取り付けられていることを検出しない場合、制御装置は、保管動作指令、パージ動作指令、印刷動作指令のいずれも許可しない。
また、支持枠部56が印刷位置P1にあることを近接センサー76aが検出し、且つ、第2検出センサー82cがヘッド部51に保管用受皿82が取り付けられていることを検出した場合、制御装置は、保管動作指令は許可し、パージ動作指令及び印刷動作指令は許可しない。
また、支持枠部56が印刷位置P1にあることを近接センサー76aが検出し、第1検出センサー81cがヘッド部51にパージ用受皿81が取り付けられていることを検出せず、且つ、第2検出センサー82cがヘッド部51に保管用受皿82が取り付けられていることを検出しない場合、制御装置は、印刷動作指令は許可し、パージ動作指令及び保管動作指令は許可しない。
また、支持枠部56が印刷位置P1にあることを近接センサー76aが検出し、且つ、第1検出センサー81cがヘッド部51にパージ用受皿81が取り付けられていることを検出した場合、制御装置は、保管動作指令、パージ動作指令、印刷動作指令のいずれも許可しない。
なお、本明細書において、「印刷動作」とは、印刷を行う行為、具体的には、被印刷体Wに対してインクジェット用インクを吐出する行為を意味し、「パージ動作」とは、ヘッド部51からインクジェット用インクを強制的に吐出させる行為を意味し、「保管動作」とは、ヘッド部51を保管に適した状態を保つ行為を意味する。
【0069】
制御装置は、少なくとも、中央処理部(CPU)、演算処理部、記憶部、画像処理部、入出力部(キーボード、ディスプレイ)等を備えるコンピュータである。
【0070】
図8は、本実施形態に係る印刷装置において、印刷部へのインクジェット部の着脱方法の一例を説明するための正面図である。なお、
図8中、右側の印刷部は、輪転部又はインクジェット部が取り付けられていない状態を示している。
図8に示すように、印刷部3には、被印刷体Wの幅方向に延びる着脱用レール36aが前後に設けられている(
図2及び
図3参照)。
一方で、輪転部4及びインクジェット部5は、着脱用レール36aに対応する位置に車輪Tが設けられている。
【0071】
印刷装置100において、輪転部4又はインクジェット部5の着脱の際には、連絡レール36bが用いられる。なお、かかる連絡レール36bは、印刷部3の側方から、着脱用レール36aに連絡させることが可能となっている。
例えば、台車に設けた連絡レール36bに、インクジェット部5を載置する。
そして、連絡レール36bを着脱用レール36aに連絡させ、インクジェット部5の車輪Tを連絡レール36bから着脱用レール36aに沿って続けて転がすことにより、インクジェット部を印刷部3の空間部にスライドさせることができる。
その後は、上述したように、インクジェット部5のハウジング部35に対する位置決めを行うことにより、インクジェット部5が印刷部3に取り付けられる。
なお、インクジェット部5の取り外し方法は、これらの逆の操作を行えばよい。
また、輪転部4の着脱については、インクジェット部5の着脱と同じであるので説明を省略する。
【0072】
図1に戻り、回収部2は、印刷が施された印刷体W1を回収するための部位である。
回収部2においては、印刷部3により印刷が施された印刷体W1が巻き取り軸R2に連結されており、巻き取り軸R2が巻き取り方向(例えば、時計回り方向)に回転することにより、印刷体W1が順次巻き取られるようになっている。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0074】
本実施形態に係る印刷装置100においては、上流側の印刷部3に輪転部4が取り付けられ、下流側の印刷部3にインクジェット部5が取り付けられているが、両印刷部3の間、若しくは、インクジェット部5が取り付けられた印刷部3の下流側、に更に他の印刷部3が設けられていてもよい。なお、他の印刷部3には、輪転部4が取り付けられていてもよく、インクジェット部5が取り付けられていてもよい。
【0075】
本実施形態に係る印刷装置100において、給紙部1は、被印刷体Wが巻き出し軸R1に巻き取られた状態から被印刷体Wを引き出す方式を採用しているが、被印刷体Wを給紙可能であれば、この方式に限定されない。
【0076】
本実施形態に係る印刷装置100において、輪転部4は、版胴41と、該版胴41に当接されるブランケット胴42と、該ブランケット胴42に被印刷体Wを介して当接される圧胴43とを有しているが、少なくとも版胴41を有していれば、これに限定されない。
例えば、3胴式(平版印刷(オフセット))の他に、版胴と圧胴の2胴式(凸版印刷)、圧胴がなく被印刷体を挟んで上部と下部のそれぞれに版胴とブランケット胴がある4胴式等であってもよい。
【0077】
また、輪転用インキ供給部30は、インキツボ31と、該インキツボ31から供給されるインキを転移させるインキングローラー群32と、該インキングローラー群32から供給されるインキを版胴41に供給するためのインキ着ローラー33とを有しているが、少なくとも、インキツボと、該インキツボから供給されるインキを版胴に供給するためのインキ着ローラーとを有してれば、これに限定されない。
【0078】
本実施形態に係る印刷装置100において、インクジェット用インク供給部52は、外部に設置されたインクタンク70aと、ポンプ70b及びインクフィルタ70cを介して、配管Cで連結されているが、インクジェット用インク供給部52は、これらを有していてもよい。すなわち、インクジェット部5が、分配タンク及びインクタンク70aを有するインクジェット用インク供給部を内蔵していてもよい。
【0079】
本実施形態に係る印刷装置100において、輪転部4及びインクジェット部5は、偏芯軸E1や車輪用偏芯軸E2を用いて、印刷部3に対する位置決めを行っているが、位置決めの方法はこれに限定されない。
【0080】
本実施形態に係る印刷装置100において、輪転部4及びインクジェット部5の着脱は、車輪Tを連絡レール36bから着脱用レール36aに沿って続けて転がすことにより行っているが、着脱方法は、これに限定されない。
【0081】
本実施形態に係る印刷装置100において、市販のインキがUVインキである場合、輪転部4が取り付けられた印刷部3の下流側に公知のUV照射機38が取り付けられているが、市販のインキがUVインキでない場合、UV照射機38の代わりに乾燥機を取り付ければよい。
同様に、市販のインクがUVインクである場合、インクジェット部5が取り付けられた印刷部3の下流側に公知のUV照射機38が取り付けられているが、市販のインクがUVインクでない場合、UV照射機38の代わりに乾燥機を取り付ければよい。
【0082】
本実施形態に係る印刷装置100において、回収部2は、印刷が施された印刷体W1を巻き取り軸R2に連結し、巻き取り軸R2を回転させることにより、印刷体W1を巻き取って回収しているが、これに限定されない。
例えば、振り落としにより、印刷体W1を回収してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の印刷装置は、被印刷体Wに対し、印刷を施す装置として利用できる。
本発明の印刷装置によれば、装置自体を大型化することなく、輪転部による印刷とインクジェット部による印刷とを選択して用いることができる。
【符号の説明】
【0084】
1・・・給紙部
100・・・印刷装置
2・・・回収部
3・・・印刷部
30・・・輪転用インキ供給部
31・・・インキツボ
32・・・インキングローラー群
33・・・インキ着ローラー
35・・・ハウジング部
35a・・・後面部
35b・・・底面部
36a・・・着脱用レール
36b・・・連絡レール
37・・・水船
38・・・UV照射機
4・・・輪転部
41・・・版胴
42・・・ブランケット胴
43・・・圧胴
45a・・・輪転用フレーム底面部
45b・・・輪転用フレーム前面部
45d・・・輪転用フレーム後面部
46・・・固定具
46a・・・第1穴部
46b・・・第2穴部
5・・・インクジェット部
51・・・ヘッド部
52・・・インクジェット用インク供給部
53a・・・冷却ローラー
53b・・・排出案内ローラー
54・・・マークセンサー
54a・・・センサー案内レール
54b・・・基部
55a・・・インクジェット用フレーム底面部
55b・・・インクジェット用フレーム前面部
55d・・・インクジェット用フレーム後面部
55e・・・保護カバー
56・・・支持枠部
61・・・本体部
62・・・円筒部
62a・・・内部流路
62b・・・外部流路
63・・・ロータリージョイント
64a・・・往路管
64b・・・復路管
70a・・・インクタンク
70b・・・ポンプ
70c・・・インクフィルタ
71・・・レール部
72・・・ケーブルベア
73a・・・第1側壁部ピン
73b・・・第1支持枠ピン受け穴
74a・・・第2支持枠ピン
74b・・・第2側壁部ピン受け穴
75・・・クランプ部
76a・・・近接センサー
76b・・・検出体
77・・・受け板
81・・・パージ用受皿
81a・・・パージ皿側ピン
81b・・・パージ皿側ピン受け穴
81c・・・第1検出センサー
81d,82d・・・ねじ
82・・・保管用受皿
82a・・・保管皿側ピン
82b・・・保管皿側ピン受け穴
82c・・・第2検出センサー
82e・・・パッキン
B1・・・第1ブラケット
B11・・・第1ピン
B12・・・第1偏芯用穴部
B2・・・第2ブラケット
B21・・・第2ピン
B22・・・第2偏芯用穴部
C・・・配管
C1・・・第1支持部
C2・・・第2支持部
E1・・・偏芯軸
E2・・・車輪用偏芯軸
L1・・・レバー
L2・・・車輪用レバー
M・・・ステー
P1・・・印刷位置
P2・・・作業位置
R1・・・巻き出し軸
R2・・・巻き取り軸
S・・・制御基板
T・・・車輪
W・・・被印刷体
W1・・・印刷体