(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】クローキングデバイス
(51)【国際特許分類】
G02B 17/08 20060101AFI20220517BHJP
B60R 1/08 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
G02B17/08 Z
B60R1/08 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017228613
(22)【出願日】2017-11-29
【審査請求日】2020-09-02
(32)【優先日】2016-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】デバシシュ バナージー
(72)【発明者】
【氏名】チョンカン チー
(72)【発明者】
【氏名】高木 茉佑
【審査官】堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0183375(US,A1)
【文献】国際公開第2016/152322(WO,A1)
【文献】特開2015-194670(JP,A)
【文献】中国実用新案第206086541(CN,U)
【文献】特開2017-161896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
G02B 5/00-5/136
B60R 1/00-1/04
B60R 1/08-1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クローキングデバイスであって、
第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー及び第4のミラーであって、入射光が、前記第1のミラーから前記第2のミラーへ反射し、前記第2のミラーから前記第3のミラーへ反射し、前記第3のミラーから前記第4のミラーへ反射し、前記第4のミラーから観者へ反射するように、遮蔽領域の周囲に入射光を導くように構成された、第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー及び第4のミラーと、
第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ及び第4のレンズであって、前記第1のレンズが前記入射光を受光して前記入射光を前記第1のミラー上に放射するように位置決めされ、前記第4のレンズが前記第4のミラーから反射光を受光して前記反射光を前記観者へ放射するように位置決めされ、
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズであるか、又は、
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、
第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ及び第4のレンズと、
を備えるクローキングデバイス。
【請求項2】
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズである、請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項3】
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項4】
前記遮蔽領域の境界が、前記第1のミラー及び前記第4のミラーによって、少なくとも部分的に画定される、請求項1から3のいずれか一項に記載のクローキングデバイス。
【請求項5】
前記第1のミラー、前記第2のミラー、前記第1のレンズ及び前記第2のレンズが、前記第3のミラー、前記第4のミラー、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズと対称である、請求項1から4のいずれか一項に記載のクローキングデバイス。
【請求項6】
前記第1のミラー、前記第2のミラー、前記第3のミラー及び前記第4のミラーがそれぞれ、実質的に平らである、請求項1から5のいずれか一項に記載のクローキングデバイス。
【請求項7】
前記第2のレンズが前記第1のミラーと前記第2のミラーとの間に位置決めされ、前記第3のレンズが前記第3のミラーと前記第4のミラーとの間に位置決めされる、請求項1から6のいずれか一項に記載のクローキングデバイス。
【請求項8】
クローキングデバイスであって、
第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー、第4のミラー、第5のミラー、第6のミラー、第7のミラー及び第8のミラーであって、
前記第1のミラー、前記第2のミラー、前記第3のミラー及び前記第4のミラーが、入射光が、前記第1のミラーから前記第2のミラーへ反射し、前記第2のミラーから前記第3のミラーへ反射し、前記第3のミラーから前記第4のミラーへ反射し、前記第4のミラーから見る者へ反射するように、遮蔽領域の周囲に入射光を導くように構成され、
前記第5のミラー、前記第6のミラー、前記第7のミラー及び前記第8のミラーが、入射光が、前記第5のミラーから前記第6のミラーへ反射し、前記第6のミラーから前記第7のミラーへ反射し、前記第7のミラーから前記第8のミラーへ反射し、前記第8のミラーから観者へ反射するように、前記遮蔽領域の周囲に入射光を導くように構成された、第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー、第4のミラー、第5のミラー、第6のミラー、第7のミラー及び第8のミラーと、
第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ、第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ及び第8のレンズであって、
前記第1のレンズが前記入射光を受光して前記入射光を前記第1のミラー上に放射するように位置決めされ、前記第4のレンズが前記第4のミラーから反射光を受光して前記反射光を前記観者へ放射するように位置決めされ、
前記第5のレンズが前記入射光を受光して前記入射光を前記第5のミラー上に放射するように位置決めされ、前記第8のレンズが前記第8のミラーから反射光を受光して前記反射光を前記観者へ放射するように位置決めされ、
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ、前記第4のレンズ、前記第5のレンズ、前記第6のレンズ、前記第7のレンズ及び前記第8のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズであるか、又は、
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ、前記第4のレンズ、前記第5のレンズ、前記第6のレンズ、前記第7のレンズ及び前記第8のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、
第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ、第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ及び第8のレンズと、
を備えるクローキングデバイス。
【請求項9】
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ、前記第4のレンズ、第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ及び前記第8のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、請求項8に記載のクローキングデバイス。
【請求項10】
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ、前記第4のレンズ、前記第5のレンズ、前記第6のレンズ、前記第7のレンズ及び前記第8のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズである、請求項8又は9に記載のクローキングデバイス。
【請求項11】
ピラーとクローキングデバイスとを備えるビークルであって、前記ピラーが、少なくとも部分的に、前記クローキングデバイスの遮蔽領域内にあり、前記クローキングデバイスが、
第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー及び第4のミラーであって、入射光が、前記第1のミラーから前記第2のミラーへ反射し、前記第2のミラーから前記第3のミラーへ反射し、前記第3のミラーから前記第4のミラーへ反射し、前記第4のミラーから観者へ反射するように、前記遮蔽領域の周囲に前記入射光を導くように構成された、第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー及び第4のミラーと、
第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ及び第4のレンズであって、前記第1のレンズが前記入射光を受光して前記入射光を前記第1のミラー上に放射するように位置決めされ、前記第4のレンズが前記第4のミラーから反射光を受光して前記反射光を前記観者へ放射するように位置決めされ、
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズであるか、又は、
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、
第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ及び第4のレンズと、
を備えるビークル。
【請求項12】
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズである、請求項11に記載のクローキングデバイス。
【請求項13】
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、請求項11に記載のクローキングデバイス。
【請求項14】
前記ピラーがAピラー又はBピラーである、請求項11から13のいずれか一項に記載のビークル。
【請求項15】
前記クローキングデバイスが、
第5のミラー、第6のミラー、第7のミラー及び第8のミラーであって、入射光が、前記第5のミラーから前記第6のミラーへ反射し、前記第6のミラーから前記第7のミラーへ反射し、前記第7のミラーから前記第8のミラーへ反射し、前記第8のミラーから観者へ反射するように、遮蔽領域の周囲に入射光を導くように構成された、第5のミラー、第6のミラー、第7のミラー及び第8のミラーと、
第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ及び第8のレンズであって、前記第5のレンズが前記入射光を受光して前記入射光を前記第5のミラー上に放射するように位置決めされ、前記第8のレンズが前記第8のミラーから反射光を受光して前記反射光を前記観者へ放射するように位置決めされ、
前記第5のレンズ、前記第6のレンズ、前記第7のレンズ及び前記第8のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズであるか、又は、
前記第5のレンズ、前記第6のレンズ、前記第7のレンズ及び前記第8のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、
第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ及び第8のレンズと、
をさらに備える、請求項11に記載のビークル。
【請求項16】
前記第2のレンズ及び前記第3のレンズがそれぞれ前記第2のミラーと前記第3のミラーとの間に配置され、又は
前記第2のレンズが前記第1のミラーと前記第2のミラーとの間に配置され、かつ、前記第3のレンズが前記第3のミラーと前記第4のミラーとの間に配置される、
請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項17】
前記第2のレンズ及び前記第3のレンズがそれぞれ前記第2のミラーと前記第3のミラーとの間に配置され、又は
前記第2のレンズが前記第1のミラーと前記第2のミラーとの間に配置され、かつ、前記第3のレンズが前記第3のミラーと前記第4のミラーとの間に配置される、
請求項8に記載のクローキングデバイス。
【請求項18】
前記第2のレンズ及び前記第3のレンズがそれぞれ前記第2のミラーと前記第3のミラーとの間に配置され、又は
前記第2のレンズが前記第1のミラーと前記第2のミラーとの間に配置され、かつ、前記第3のレンズが前記第3のミラーと前記第4のミラーとの間に配置される、
請求項11に記載のビークル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年11月30日に出願された「クローキングデバイス」という名称の米国仮特許出願第62/428,104号の利益を主張し、当該仮特許出願は、全体として参照により本開示に援用される。
【0002】
技術分野
本明細書は、概して、物体を透明に見せる装置及び方法に関し、具体的には、クローキングデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
ビークル(車両、乗り物、輸送機関)のピラーを透明に見せるクローキングデバイスに関する研究が公表されている。このような研究には、メタマテリアルを用い又はディスプレイ画面と組み合わせてビデオカメラを用いて、ビークルの乗員が表向きには、ビークルのピラーを通して「見る」ことを可能にし、これによってビークルのブラインドスポット(死角)を減少させることが開示されている。しかしながら、メタマテリアル及びビデオ技術は、複雑な材料設計及び機器を用いる。
【発明の概要】
【0004】
したがって、ビークルのピラーを透明にする代替的なデバイスが必要とされている。
【0005】
概要
一実施形態では、クローキングデバイスは、第1のミラーと、第2のミラーと、第3のミラーと、第4のミラーと、を備え得る。第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー及び第4のミラーは、入射光が、第1のミラーから第2のミラーへ反射し、第2のミラーから第3のミラーへ反射し、第3のミラーから第4のミラーへ反射し、第4のミラーから観者へ反射するように、遮蔽領域の周囲に入射光を導くように構成され得る。クローキングデバイスは、さらに、第1のレンズと、第2のレンズと、第3のレンズと、第4のレンズと、を備え得る。第1のレンズは、入射光を受光して入射光を第1のミラー上に放射するように位置決めされてもよく、第4のレンズは、第4のミラーから反射光を受光して反射光を観者へ放射するように位置決めされてもよい。第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ及び第4のレンズはそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズであってよく、又は、第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ及び第4のレンズはそれぞれ、アシリンドリカルレンズであってよい。
【0006】
別の実施形態によれば、クローキングデバイスは、第1のミラーと、第2のミラーと、第3のミラーと、第4のミラーと、第5のミラーと、第6のミラーと、第7のミラーと、第8のミラーと、を備え得る。第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー及び第4のミラーは、入射光が、第1のミラーから第2のミラーへ反射し、第2のミラーから第3のミラーへ反射し、第3のミラーから第4のミラーへ反射し、第4のミラーから観者へ反射するように、遮蔽領域の周囲に入射光を導くように構成され得る。第5のミラー、第6のミラー、第7のミラー及び第8のミラーは、入射光が、第5のミラーから第6のミラーへ反射し、第6のミラーから第7のミラーへ反射し、第7のミラーから第8のミラーへ反射し、第8のミラーから観者へ反射するように、遮蔽領域の周囲に入射光を導くように構成され得る。クローキングデバイスは、さらに、第1のレンズと、第2のレンズと、第3のレンズと、第4のレンズと、第5のレンズと、第6のレンズと、第7のレンズと、第8のレンズと、を備え得る。第1のレンズは、入射光を受光して入射光を第1のミラー上に放射するように位置決めされてもよく、第4のレンズは、第4のミラーから反射光を受光して反射光を観者へ放射するように位置決めされてもよい。第5のレンズは、入射光を受光して入射光を第5のミラー上に放射するように位置決めされてもよく、第8のレンズは、第8のミラーから反射光を受光して反射光を観者へ放射するように位置決めされてもよい。第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ、第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ及び第8のレンズはそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズであってよく、又は、第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ、第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ及び第8のレンズはそれぞれ、アシリンドリカルレンズであってよい。
【0007】
別の実施形態によれば、ビークルは、ピラーと、クローキングデバイスと、を備え得る。ピラーは、少なくとも部分的に、クローキングデバイスの遮蔽領域内にあり得る。クローキングデバイスは、第1のミラーと、第2のミラーと、第3のミラーと、第4のミラーと、を備え得る。第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー及び第4のミラーは、入射光が、第1のミラーから第2のミラーへ反射し、第2のミラーから第3のミラーへ反射し、第3のミラーから第4のミラーへ反射し、第4のミラーから観者へ反射するように、遮蔽領域の周囲に入射光を導くように構成され得る。クローキングデバイスは、さらに、第1のレンズと、第2のレンズと、第3のレンズと、第4のレンズと、を備え得る。第1のレンズは、入射光を受光して入射光を第1のミラー上に放射するように位置決めされてもよく、第4のレンズは、第4のミラーから反射光を受光して反射光を観者へ放射するように位置決めされてもよい。第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ及び第4のレンズはそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズであってよく、又は、第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ及び第4のレンズはそれぞれ、アシリンドリカルレンズであってよい。
【0008】
本開示で説明する実施形態によって示されているこれらの特徴及び付加的な特徴は、図面とともに次の詳細な説明を考慮して、更に十分に理解される。
【0009】
図面に示されている実施形態は、本来的に実例となるもので例示的であり、特許請求の範囲によって規定されている主題を限定することを意図するものではない。実例となる実施形態の次の詳細な説明は、次の図面とともに読み取ることにより、理解することができ、図面において同様の構造は同様の参照符号によって示されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示で説明する1又は複数の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に示す図である。
【0011】
【
図2】本開示で説明する別の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に示す図である。
【0012】
【
図3】本開示で説明する別の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に示す図である。
【0013】
【
図4】本開示で説明する別の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に示す図である。
【0014】
【
図5】本開示で説明する別の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に示す図である。
【0015】
【
図6】本開示で説明する別の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に示す図である。
【0016】
【
図7】本開示で説明する1又は複数の実施形態に係る、クローキングデバイスを含むビークルを概略的に示す図である。
【0017】
【
図8】本開示で説明する1又は複数の実施形態に係る、クローキングデバイスを含むビークルの運転者の視界を概略的に示す図である。
【0018】
【
図9】本開示で説明する1又は複数の実施形態に係る、実施例1のクローキングデバイスによって作成された画像を示す図である。
【0019】
【
図10】本開示で説明する1又は複数の実施形態に係る、実施例2のクローキングデバイスによって作成された画像を示す図である。
【0020】
【
図11】本開示で説明する1又は複数の実施形態に係る、実施例3のクローキングデバイスによって作成された画像を示す図である。
【0021】
【
図12】本開示で説明する1又は複数の実施形態に係る、実施例4のクローキングデバイスによって作成された画像を示す図である。
【0022】
【
図13】本開示で説明する1又は複数の実施形態に係る、実施例5のクローキングデバイスによって作成された画像を示す図である。
【0023】
【
図14】本開示で説明する1又は複数の実施形態に係る、実施例6のクローキングデバイスによって作成された画像を示す図である。
【0024】
【
図15】本開示で説明する1又は複数の実施形態に係る、アシリンドリカルレンズの斜視図を概略的に示す図である。
【0025】
【
図16】本開示で説明する1又は複数の実施形態に係る、アクロマティックシリンドリカルレンズの斜視図を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
本開示で説明する1又は複数の実施形態によれば、クローキングデバイスは、概して、遮蔽(覆い隠された)領域の周囲に入射光を導く複数のミラー及びレンズを備え得る。本開示で説明するクローキングデバイスは、シリンドリカルレンズ、例えば、アクロマティックシリンドリカルレンズ又はアシリンドリカルレンズを利用することができる。本開示で説明するクローキングデバイス100は、ビークルのAピラー、Bピラー、Cピラー、Dピラーなどのビークルの部材を遮蔽して、ビークルの部材によって生じる「ブラインドスポット」を除去するのに用いることができる。アクロマティックシリンドリカルレンズ又はアシリンドリカルレンズを利用することによって、見える画質が向上し、運転者は、クローキングデバイスがなければビークルのピラーによって覆われる画像を知覚することができる。
【0027】
図1の実施形態に係るクローキングデバイスは、第1のミラー装置120と、第2のミラー装置130と、を備えている。第1のミラー装置120は、第1のミラー122と、第2のミラー124と、第3のミラー126と、第4のミラー128と、を備え得る。第1のミラー装置120と同様に、第2のミラー装置130は、第5のミラー132と、第6のミラー134と、第7のミラー136と、第8のミラー138と、を備え得る。第1のミラー装置120及び第2のミラー装置130は、遮蔽領域110を少なくとも部分的に取り囲んでもよく、それぞれ、遮蔽領域110の周囲にそして観者108へ入射光102を反射してもよい。一部の実施形態では、第1のミラー装置120及び第2のミラー装置130は、互いに実質的に対称であり得る。加えて、第1のミラー装置120の光伝搬経路内には、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144及び第4のレンズ146が配置され、第2のミラー装置130の光伝搬経路内には、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154及び第8のレンズ156が配置されている。
【0028】
図1に示されているように、第1のミラー122、第2のミラー124、第3のミラー126及び第4のミラー128は、遮蔽領域110の周囲にそして観者108へ入射光102を導くように構成され得る。
図1に示されているように、入射光102は、第1のミラー122から第2のミラー124へ反射し、第2のミラー124から第3のミラー126へ反射し、第3のミラー126から第4のミラー128へ反射し、最後に、第4のミラー128から出射光104として観者108の方へ向かって反射し得る。
【0029】
第1のミラー装置120と同様に、第2のミラー装置130は、第5のミラー132と、第6のミラー134と、第7のミラー136と、第8のミラー138と、を備え得る。第5のミラー132、第6のミラー134、第7のミラー136及び第8のミラー138は、遮蔽領域110の周囲にそして観者108へ入射光102を導くように構成され得る。
図1に示されているように、入射光102は、第5のミラー132から第6のミラー134へ反射し、第6のミラー134から第7のミラー136へ反射し、第7のミラー136から第8のミラー138へ反射し、最後に、第8のミラー138から出射光104として観者108の方へ向かって反射し得る。
【0030】
本開示で説明するように、ミラー(例えば、第1のミラー122、第2のミラー124、第3のミラー126、第4のミラー128、第5のミラー132、第6のミラー134、第7のミラー136及び第8のミラー138のうちの1又は複数)とは、反射面を備えた物をさし、反射面の反射率は、約400nmから700nmの全波長の、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は更に少なくとも99.5%であり得る。1又は複数の実施形態によれば、第1のミラー122、第2のミラー124、第3のミラー126、第4のミラー128、第5のミラー132、第6のミラー134、第7のミラー136及び第8のミラー138のうちの1又は複数は、実質的に平らである。
【0031】
図1から6に示されているように、1又は複数のレンズ、例えば、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第4のレンズ146、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154及び第8のレンズ156は、入射光102の伝搬経路内に位置決めされる。
図1のクローキングデバイス100の第1のミラー装置120を参照すると、1又は複数の実施形態によれば、第1のレンズ140は、入射光102を受光して入射光102を第1のミラー122上に放射するように位置決めされ得る。第4のレンズ146は、第4のミラー128から反射光を受光して反射光を観者108の方へ放射するように位置決めされ得る。同様に、1又は複数の実施形態によれば、第5のレンズ150は、入射光102を受光して入射光102を第5のミラー132上に放射するように位置決めされ得る。第8のレンズ156は、第8のミラー138から反射光を受光して反射光を観者108の方へ放射するように位置決めされ得る。
【0032】
1又は複数の実施形態では、
図1に示されているように、第2のレンズ142は、第1のミラー122と第2のミラー124との間に位置決めされ得る。このような実施形態では、第3のレンズ144は、第3のミラー126と第4のミラー128との間に位置決めされ得る。同様に、第6のレンズ152は、第5のミラー132と第6のミラー134との間に位置決めされ得るとともに、第7のレンズ154は、第7のミラー136と第8のミラー138との間に位置決めされ得る。別の実施形態によれば、例えば
図2に示されているように、第2のレンズ142及び第3のレンズ144は、第2のミラー124と第3のミラー126との間に位置決めされ得る。同様に、第6のレンズ152及び第7のレンズ154は、第6のミラー134と第7のミラー136との間に位置決めされ得る。
【0033】
1又は複数の実施形態によれば、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第4のレンズ146、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154及び第8のレンズ156のうちの1又は複数は、アクロマティックシリンドリカルレンズ又はアシリンドリカルレンズなどのシリンドリカルレンズであり得る。本開示で説明する「シリンドリカルレンズ」は、(球面レンズのように)点ではなく線に光を集束させるレンズをさす。一部の実施形態では、シリンドリカルレンズは、一方向(例えば、
図1のz方向)に対して一定のプロファイルを有し得る。一部の実施形態では、シリンドリカルレンズの1又は複数の曲面は、円筒の一部であり得る。ただし、他の実施形態では、曲面は円筒の一部ではない(例えば、アシリンドリカルレンズ)。第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第4のレンズ146、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154及び第8のレンズ156のうちの1又は複数は、ガラス、プラスチック、又は他の適切な実質的に透明な材料であり得る。
【0034】
別の実施形態によれば、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第4のレンズ146、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154及び第8のレンズ156のうちの1又は複数は、アシリンドリカルレンズであり得る。本開示に用いられている「アシリンドリカル」レンズは、非球面プロファイルを備えたシリンドリカルレンズをさす。シリンドリカルレンズは、非点収差などの収差を低減することができる。一部の実施形態では、非球面プロファイルは、次の非球面レンズの式によって説明することができる。
【数1】
【0035】
適切なアシリンドリカルレンズの例としては、AYL5040-Aレンズ又はAYL108-Aレンズ(Thorlabs社(ニュートン、ニュージャージー州)からそれぞれ市販されている。)が挙げられる。アシリンドリカルレンズ180の斜視図は、
図15に示されている。
【0036】
一実施形態では、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144及び第4のレンズ146はそれぞれ、アシリンドリカルレンズである。別の実施形態では、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154及び第8のレンズ156はそれぞれ、アシリンドリカルレンズである。別の実施形態によれば、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第4のレンズ146、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154及び第8のレンズ156はそれぞれ、アシリンドリカルレンズであり得る。
【0037】
さらなる実施形態によれば、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第4のレンズ146、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154及び第8のレンズ156のうちの1又は複数は、プラノコンベックス(平凸)アシリンドリカルレンズであり得る。
【0038】
一実施形態によれば、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第4のレンズ146、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154及び第8のレンズ156のうちの1又は複数は、アクロマティックシリンドリカルレンズであり得る。本開示に用いられている「アクロマティックシリンドリカル」レンズは、色収差及び球面収差の影響を制限するように設計された複合シリンドリカルレンズをさす。アクロマティックシリンドリカルレンズは、概して、2つの光波長(例えば、赤色と青色)を同じ平面に集束させることができる。一部の実施形態によれば、アクロマティックシリンドリカルレンズは、ダブレットであり得る。本開示に用いられている「ダブレット」は、異なる分散量を有する透明材料から製造された2つの個別のレンズコンポーネントを備えるレンズをさす。通常、レンズコンポーネントのうちの1つは、負(例えば、凹)要素を備え、1つのレンズコンポーネントは、正(例えば、凸)要素を備え、2つのレンズコンポーネントは、隣接し、互いに取り付けられる。
【0039】
アクロマティックシリンドリカルレンズ160の斜視図は、
図16に示されている。アクロマティックレンズ190には、第1のレンズコンポーネント192と、第2のレンズコンポーネント194と、が含まれている(すなわち、ダブレット)。適切なアクロマティックシリンドリカルレンズの例としては、AC080-010-Aレンズ又はAC080-010-Aレンズ(Thorlabs社(ニュートン、ニュージャージー州)からそれぞれ市販されている。)が挙げられる。
【0040】
さらなる実施形態によれば、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第4のレンズ146、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154及び第8のレンズ156のうちの1又は複数は、ダブレットレンズであり得る。例えば、ダブレットレンズは、バイコンベックス(両凸)レンズコンポーネントと、プラノコンケーブ(平凹)レンズコンポーネントと、を備えていてもよい。
【0041】
一実施形態では、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144及び第4のレンズ146はそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズである。別の実施形態では、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154及び第8のレンズ156はそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズである。別の実施形態によれば、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第4のレンズ146、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154及び第8のレンズ156はそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズであり得る。
【0042】
クローキングデバイス100の少なくとも1つの実施形態によれば、クローキングデバイス100は、第2のミラー装置130を含むことなく第1のミラー装置120を含んでもよく、又はその逆であってもよいことが理解されるべきである。第1のミラー装置120のみ又は第2のミラー装置130のみを含む実施形態では、利用されるミラーに入射する光に影響を及ぼさないレンズを含む必要がないことが理解されるべきである。例えば、第2のミラー装置130が含まれていない場合、クローキングデバイス100には、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144及び第4のレンズ146が含まれていてもよく、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154又は第8のレンズ156が含まれていなくてもよい。
【0043】
図1から6に示されているように、遮蔽領域110の境界は、第1のミラー122、第4のミラー128、第5のミラー132及び第8のミラー138のうちの1又は複数によって、少なくとも部分的に画定され得る。1又は複数の実施形態では、第1のミラー122、第4のミラー128、第5のミラー132及び第8のミラー138のうちの1又は複数は、ビークルのピラーの表面であり得る。さらなる実施形態では、第1のミラー122と第2のミラー124は、互いにほぼ垂直であり得る。同様に、第5のミラー132と第6のミラー134は、互いにほぼ垂直であり得る。
【0044】
1又は複数の実施形態では、第1のミラー122は、第2のミラー124とほぼ平行であってよく、かつ/又は、第3のミラー126は、第4のミラー128とほぼ平行であってよい。同様に、ある実施形態では、第5のミラー132は、第6のミラー134とほぼ平行であってよく、かつ/又は、第7のミラー136は、第8のミラー138とほぼ平行であってよい。さらなる実施形態では、第1のミラー122と第4のミラー128は、互いに垂直であってよく、かつ/又は、第5のミラー132と第8のミラー138は、互いに垂直であってよい。さらなる実施形態では、第1のミラー122は、第2のミラー124とほぼ平行であってよく、かつ/又は、第3のミラー126は、第4のミラー128とほぼ平行であってよい。同様に、第5のミラー132は、第6のミラー134とほぼ平行であってよく、かつ/又は、第7のミラー136は、第8のミラー138とほぼ平行であってよい。
【0045】
図1から6に示されているように、第1のレンズ140は第5のレンズ150に隣接してよく、かつ/又は、第4のレンズ146は第8のレンズ156に隣接してよい。ある実施形態では、第1のレンズ140は第5のレンズ150と平行であってよく、かつ/又は、第4のレンズ146は第8のレンズ156と平行であってよい。さらなる実施形態では、第2のレンズ142と第3のレンズ144は、第1のレンズ140及び/又は第4のレンズ146に垂直であり得る。同様に、第6のレンズ152と第7のレンズ154は、第5のレンズ150及び/又は第8のレンズ156に垂直であり得る。
【0046】
図1から6は、クローキングデバイス100の実施形態を示し、頂面図を形成することが認識されるべきである。このため、クローキングデバイス100は、z軸の方向に高さを有し得る。例えば、第1のミラー122、第2のミラー124、第3のミラー126、第4のミラー128、第5のミラー132、第6のミラー134、第7のミラー136、第8のミラー138、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第4のレンズ146、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154又は第8のレンズ156のうちの1又は複数は、約1mから約10mm、例えば、約50cmから約10mm、約25cmから約10mm、約100mmから約10mm、又は約50mmから約10mmのz軸方向の高さを有していてもよい。一部の実施形態では、第1のミラー122、第2のミラー124、第3のミラー126、第4のミラー128、第5のミラー132、第6のミラー134、第7のミラー136、第8のミラー138、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第4のレンズ146、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154又は第8のレンズ156のうちの1又は複数は、ビークルのAピラー又はBピラーの長さほどのz軸方向の高さを有し得る。さらなる実施形態では、第1のミラー122、第2のミラー124、第3のミラー126、第4のミラー128、第5のミラー132、第6のミラー134、第7のミラー136、第8のミラー138、第1のレンズ140、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第4のレンズ146、第5のレンズ150、第6のレンズ152、第7のレンズ154又は第8のレンズ156は、ほぼ同じ高さ(例えば、互いに10%以内)を有する。
【0047】
1又は複数の実施形態によれば、第1のミラー122及び第4のミラー128はそれぞれ、第2のミラー124又は第3のミラー126のいずれかの反射面よりも大きな反射面を有し得る。同様に、第5のミラー132及び第8のミラー138はそれぞれ、第6のミラー134又は第7のミラー136のいずれかの反射面よりも大きな反射面を有し得る。
【0048】
1又は複数の実施形態によれば、第1のミラー122、第4のミラー128、第5のミラー132又は第8のミラー138のうちの1又は複数は、xy平面上の長さが約20mmから約60mm、例えば、約30mmから約50mm、約30mmから40mm、約45mmから約55mm、又は約35mmから約45mmであり得る。1又は複数の実施形態によれば、第2のミラー124、第3のミラー126、第6のミラー134又は第7のミラー136のうちの1又は複数は、xy平面上の長さが約5mmから約30mm、例えば、約10mmから約20mm、約15mmから約25mm、又は約20mmから約30mmであり得る。
【0049】
1又は複数の実施形態では、第1のレンズ140及び第8のレンズ156はそれぞれ、第2のレンズ142又は第3のレンズ144のいずれかよりも大きくてもよい。同様に、ある実施形態では、第5のレンズ150及び第8のレンズ156はそれぞれ、第6のレンズ152又は第7のレンズ154のいずれかよりも大きくてもよい。1又は複数の実施形態によれば、第1のレンズ140、第4のレンズ146、第5のレンズ150及び第8のレンズ156のうちの1又は複数は、xy平面の幅が約20mmから約80mm、例えば、約40mmから約60mm、約45mmから約55mm、又は約30mmから約40mmであり得る。1又は複数の実施形態によれば、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第6のレンズ152及び第7のレンズ154のうちの1又は複数は、幅が約2mmから約15mm、例えば約6mmから約10mmであり得る。
【0050】
1又は複数の実施形態では、クローキングデバイス100は、第1のレンズ140又は第5のレンズ150の外縁から、第4のレンズ146又は第8のレンズ156の外縁までの測定されたy軸方向(入射光102及び出射光104の方向)の長さを有し得る。ある実施形態では、クローキングデバイスは、y軸方向の長さが約25mmから約500mm、例えば約100mmから約200mmであり得る。1又は複数の実施形態によれば、遮蔽領域は、約10,000mm2から約10mm2、例えば約7,000mm2から約3,000mm2であり得る。
【0051】
ここで
図7及び8を参照すると、クローキングデバイスによって遮蔽されたビークルのピラーの実施形態が示されている。
図7は、Aピラー220とBピラー210とを含むビークル200を示している。本開示で説明するクローキングデバイス100は、Aピラー220又はBピラー210を少なくとも部分的に取り囲んでもよく、Aピラー220又はBピラー210は、少なくとも部分的に、クローキング装置の遮蔽領域内にある。加えて、
図8は、ほぼ運転者の視界からビークル200のAピラー220の一部を遮蔽するクローキングデバイス100を示している。Aピラー220の一部は、クローキングデバイス100の遮蔽領域110(図示されていない。)内に位置決めされ、Aピラー220の一部は、クローキングデバイスを越えて延び、トリム260によって覆われている。ビークル200の外側には、歩行者の形態のターゲット250が図示されている。ターゲット250の一部は、ビークル200のサイドウインドウを通して視認可能であり、歩行者の一部は、クローキングデバイス100によって遮蔽されたAピラー220を「通して」視認可能である。クローキングデバイス100は、ターゲット250から反射した光の向きを、クローキングデバイス100の遮蔽領域内に位置決めされたAピラー220の周囲に変え、ターゲット250の方を見ているビークル200の乗員に視認可能なターゲット250の画像270をクローキングデバイス100上に作成する。したがって、ターゲット250からの光は、Aピラー220を通過するように見え、Aピラー220によって通常生じるブラインドスポットは存在しない。ある実施形態では、Aピラー220自体は、遮蔽領域の少なくとも一部を占める。クローキングデバイス100によってAピラー220を遮蔽すること、及び、Aピラー220によって生じるブラインドスポットを除去することが、メタマテリアル、ビデオ画像、カメラ、精巧な電子機器などを用いずに行われることが認識されるべきである。さらに、ピラーが少なくとも部分的に遮蔽領域内にあるようにそれぞれのピラーの周囲にクローキングデバイス100を位置決めすることによって、Aピラー、Bピラー、Cピラー、Dピラーといったビークルの他の部分に、図面に関連して説明した遮蔽する原理を適用できることが理解されるべきである。
【0052】
実施例
種々の実施形態は、次の実施例によって更に明らかになる。実施例は、詳細な説明に説明されている特徴を限定するものと解釈されるべきではない。
【0053】
実施例1
図1の設計に基づいて、クローキングデバイスを組み立てた。第1のレンズ140と第4のレンズ146との間の距離(y軸方向)は、100mmであった。クローキングデバイス100のy軸方向の全長は、128mmであった。クローキングデバイス100のx軸方向の全長は、100mmであった。遮蔽領域110は、約70mm×70mmの面積を有していた。利用されたレンズはすべて、アシリンドリカルレンズであった。具体的には、第1のレンズ140、第4のレンズ146、第5のレンズ150及び第8のレンズは、x軸方向の長さが50mm、焦点距離が8mmのAYL5040-Aレンズ(Thorlabs社から市販されている。)であり、また、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第6のレンズ152及び第7のレンズ154は、y軸方向の長さが10mm、焦点距離が8mmのAYL108-Aレンズ(Thorlabs社から市販されている。)であった。第1のミラー122、第4のミラー128、第5のミラー132及び第8のミラー138は、xy軸平面内の長さが36mmであった。第2のミラー124、第3のミラー126、第6のミラー134及び第7のミラー136は、xy軸平面内の長さが14mmであった。すべてのミラーは、y軸方向に対して45°の向きを有していた。すべてのレンズは、z軸方向の高さが50mmであり、これは、z軸方向に互いに重なり合うように配置された複数のレンズを利用することによって達成された。
【0054】
図9は、実施例1のクローキングデバイスによって観者108に対し作成された画像を示している。
図9に示されているように、出力画像は、色収差による影響を受けた。
【0055】
実施例2
図2の設計に基づいて、クローキングデバイスを組み立てた。第1のレンズ140と第4のレンズ146との間の距離(y軸方向)は、108mmであった。クローキングデバイス100のy軸方向の全長は、144mmであった。クローキングデバイス100のx軸方向の全長は、119.2mmであった。遮蔽領域110は、約70mm×70mmの面積を有していた。利用されたレンズはすべて、アクロマティックシリンドリカルサーキュラ(円形)レンズであった。具体的には、第1のレンズ140、第4のレンズ146、第5のレンズ150及び第8のレンズは、x軸方向の長さが50.8mm、焦点距離が80mmのサーキュラAC508-080-Aレンズ(Thorlabs社から市販されている。)であり、また、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第6のレンズ152及び第7のレンズ154は、y軸方向の長さが8mm、焦点距離が10mmのAC080-010-Aレンズ(Thorlabs社から市販されている。)であった。AC080-010-Aレンズは円形であったため、これらを切り取り積み重ねた。第1のミラー122、第4のミラー128、第5のミラー132及び第8のミラー138は、xy軸平面内の長さが53mmであった。第2のミラー124、第3のミラー126、第6のミラー134及び第7のミラー136は、xy軸平面内の長さが21mmであった。すべてのミラーは、y軸方向に対して45°の向きを有していた。すべてのレンズは、z軸方向の高さが50.8mmであった。第2のミラー124及び第3のミラー126は、第1のレンズ140及び第4のレンズ146をx軸方向に8.6mm越えて延びていた。同様に、第6のミラー134及び第7のミラー136は、第5のレンズ150及び第8のレンズ156をx軸方向に8.6mm越えて延びていた。
【0056】
図10は、実施例2のクローキングデバイスによって観者108に対し作成された画像を示している。
図10の出力画像の大部分は、狭い縁を除いて、色収差がない。
【0057】
実施例3
図3の設計に基づいて、クローキングデバイスを組み立てた。実施例3は、クローキングデバイスをy軸方向に拡張した以外は、実施例2と同一である。具体的には、第1のレンズ140と第4のレンズ146との間の距離(y軸方向)は、123mmであった。クローキングデバイス100のy軸方向の全長は、159mmであった。第2のレンズ142と第3のレンズ144との間の距離、及び、第6のレンズと第7のレンズとの間の距離は、15mmであった。
【0058】
図11は、実施例3のクローキングデバイスによって観者108に対し作成された画像を示している。クローキングデバイスの拡張によって、実施例2で観察された色収差が修正された。
実施例4
図4の設計に基づいて、クローキングデバイスを組み立てた。実施例4は、クローキングデバイスがy軸方向に拡張したことと、第2のミラー124及び第3のミラー126が第1のレンズ140及び第4のレンズ146をx軸方向を越えないこととを除いて、実施例2と同一である。同様に、第6のミラー134及び第7のミラー136は、第5のレンズ150及び第8のレンズ156をx軸方向に越えて延びない。第1のレンズ140と第4のレンズ146との間の距離(y軸方向)は、139mmであった。クローキングデバイス100のy軸方向の全長は、175mmであった。クローキングデバイス100のx軸方向の全長は、102mmであった。
図12は、実施例4のクローキングデバイスによって観者108に対し作成された画像を示している。クローキングデバイスの拡張によって、実施例2で観察された色収差が修正され、x軸方向に更に狭いプロファイルを有していた。
【0059】
実施例5
図5の設計に基づいて、クローキングデバイスを組み立てた。第1のレンズ140と第4のレンズ146との間の距離(y軸方向)は、70mmであった。クローキングデバイス100のy軸方向の全長は、106mmであった。クローキングデバイス100のx軸方向の全長は、95.6mmであった。遮蔽領域110は、約50mm×50mmの面積を有していた。利用されたレンズはすべて、正方形に切り取られたアクロマティックシリンドリカルサーキュラレンズであった。具体的には、第1のレンズ140、第4のレンズ146、第5のレンズ150及び第8のレンズは、x軸方向の長さが35mm、焦点距離が80mmの、正方形に切り取られたサーキュラAC508-080-Aレンズ(Thorlabs社から市販されている。)であり、また、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第6のレンズ152及び第7のレンズ154は、y軸方向の長さが8.8mm、焦点距離が15mmで、正方形に切り取られた#48350レンズ(Edmunds Optics社から市販されている。)であった。第1のミラー122、第4のミラー128、第5のミラー132及び第8のミラー138は、xy軸平面内の長さが40mmであった。第2のミラー124、第3のミラー126、第6のミラー134及び第7のミラー136は、xy軸平面内の長さが22mmであった。すべてのミラーは、y軸方向に対して45°の向きを有していた。第2のミラー124及び第3のミラー126は、第1のレンズ140及び第4のレンズ146をx軸方向に12.8mm越えて延びていた。同様に、第6のミラー134及び第7のミラー136は、第5のレンズ150及び第8のレンズ156をx軸方向に12.8mm越えて延びていた。
【0060】
図13は、実施例5のクローキングデバイスによって観者108に対し作成された画像を示している。実施例2の色収差は、サーキュラレンズから縁を切り取ることによって減少した。
【0061】
実施例6
第1のレンズ140と第4のレンズ146との間の距離(y軸方向)は、100mmであった。クローキングデバイス100のy軸方向の全長は、140mmであった。クローキングデバイス100のx軸方向の全長は、132.2mmであった。遮蔽領域110は、約70mm×70mmの面積を有していた。利用されたレンズはすべて、アクロマティックシリンドリカルレンズであった。具体的には、第1のレンズ140、第4のレンズ146、第5のレンズ150及び第8のレンズは、x軸方向の長さが508mm、焦点距離が100mmのAC508-100-Aレンズ(Thorlabs社から市販されている。)であり、また、第2のレンズ142、第3のレンズ144、第6のレンズ152及び第7のレンズ154は、y軸方向の長さが12.8mm、焦点距離が15mmの#48350レンズ(Edmunds Optics社から市販されている。)であった。第1のミラー122、第4のミラー128、第5のミラー132及び第8のミラー138は、xy軸平面内の長さが57mmであった。第2のミラー124、第3のミラー126、第6のミラー134及び第7のミラー136は、xy軸平面内の長さが38mmであった。すべてのミラーは、y軸方向に対して45°の向きを有していた。すべてのレンズは、z軸方向の高さが約5cm(2インチ)であり、これは、z軸方向に互いに重なり合うように配置された複数のレンズを利用することによって達成された。第2のミラー124及び第3のミラー126は、第1のレンズ140及び第4のレンズ146をx軸方向に15.1mm越えて延びていた。同様に、第6のミラー134及び第7のミラー136は、第5のレンズ150及び第8のレンズ156をx軸方向に15.1mm越えて延びていた。
【0062】
図14は、実施例6のクローキングデバイスによって観者108に対し作成された画像を示している。実施例2の色収差は、長い焦点距離のレンズを用いることによって減少した。
【0063】
本開示において、「概して(generally)」、「およそ(approximately)」及び「約(about)」という用語は、定量的な比較、値、測定又は他の表現に起因し得る不確実性の本質的な程度を表すのに利用することができる。また、本開示において、これらの用語は、定量的な表現が、問題となる主題の基本機能を変化させずに、記載されている基準から変化し得る程度を表すのにも利用される。
【0064】
本開示では特定の実施形態を示し説明してきたが、特許請求の範囲に記載されている主題の真意及び範囲から逸脱することなく、種々の他の変更及び改変を行えることが理解されるべきである。さらに、特許請求の範囲に記載されている主題の種々の態様が本開示で説明されるが、このような態様を組み合わせて利用する必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、特許請求の範囲に記載されている主題の範囲内にある、このような変更及び改変のすべてを包含する、ということが意図されている。
【0065】
また、本開示の記載は、特定の方法により「構成された(configured)」本発明のコンポーネントを指す、ということが指摘される。この点に関して、このようなコンポーネントは、特定の特性又は機能を特定の方法により具体化するように「構成」されており、このような記載は、意図される用途の記載とは対照的な構造的記載である。より具体的には、コンポーネントが「構成される」仕方に対する本開示の言及は、コンポーネントの既存の物理的状態を示し、このため、コンポーネントの構造的特徴の明確な記載と解釈されるべきである。
【0066】
例1
クローキングデバイスであって、
第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー及び第4のミラーであって、入射光が、前記第1のミラーから前記第2のミラーへ反射し、前記第2のミラーから前記第3のミラーへ反射し、前記第3のミラーから前記第4のミラーへ反射し、前記第4のミラーから観者へ反射するように、遮蔽領域の周囲に入射光を導くように構成された、第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー及び第4のミラーと、
第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ及び第4のレンズであって、前記第1のレンズが前記入射光を受光して前記入射光を前記第1のミラー上に放射するように位置決めされ、前記第4のレンズが前記第4のミラーから反射光を受光して前記反射光を前記観者へ放射するように位置決めされ、
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズであるか、又は、
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、
第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ及び第4のレンズと、
を備えるクローキングデバイス。
例2
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズである、例1に記載のクローキングデバイス。
例3
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、例1に記載のクローキングデバイス。
例4
前記遮蔽領域の境界が、前記第1のミラー及び前記第4のミラーによって、少なくとも部分的に画定される、例1に記載のクローキングデバイス。
例5
前記第1のミラー、前記第2のミラー、前記第1のレンズ及び前記第2のレンズが、前記第3のミラー、前記第4のミラー、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズと対称である、例1に記載のクローキングデバイス。
例6
前記第1のミラー、前記第2のミラー、前記第3のミラー及び前記第4のミラーがそれぞれ、実質的に平らである、例1に記載のクローキングデバイス。
例7
前記第2のレンズが前記第1のミラーと前記第2のミラーとの間に位置決めされ、前記第3のレンズが前記第3のミラーと前記第4のミラーとの間に位置決めされる、例1に記載のクローキングデバイス。
例8
前記第2のレンズと前記第3のレンズが前記第2のミラーと前記第3のミラーとの間に位置決めされる、例1に記載のクローキングデバイス。
例9
前記第1のミラーが前記第2のミラーとほぼ平行であり、前記第3のミラーが前記第4のミラーとほぼ平行である、例1に記載のクローキングデバイス。
例10
クローキングデバイスであって、
第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー、第4のミラー、第5のミラー、第6のミラー、第7のミラー及び第8のミラーであって、
前記第1のミラー、前記第2のミラー、前記第3のミラー及び前記第4のミラーが、入射光が、前記第1のミラーから前記第2のミラーへ反射し、前記第2のミラーから前記第3のミラーへ反射し、前記第3のミラーから前記第4のミラーへ反射し、前記第4のミラーから見る者へ反射するように、遮蔽領域の周囲に入射光を導くように構成され、
前記第5のミラー、前記第6のミラー、前記第7のミラー及び前記第8のミラーが、入射光が、前記第5のミラーから前記第6のミラーへ反射し、前記第6のミラーから前記第7のミラーへ反射し、前記第7のミラーから前記第8のミラーへ反射し、前記第8のミラーから前記観者へ反射するように、前記遮蔽領域の周囲に入射光を導くように構成された、第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー、第4のミラー、第5のミラー、第6のミラー、第7のミラー及び第8のミラーと、
第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ、第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ及び第8のレンズであって、
前記第1のレンズが前記入射光を受光して前記入射光を前記第1のミラー上に放射するように位置決めされ、前記第4のレンズが前記第4のミラーから反射光を受光して前記反射光を前記観者へ放射するように位置決めされ、
前記第5のレンズが前記入射光を受光して前記入射光を前記第5のミラー上に放射するように位置決めされ、前記第8のレンズが前記第8のミラーから反射光を受光して前記反射光を前記観者へ放射するように位置決めされ、
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ、前記第4のレンズ、前記第5のレンズ、前記第6のレンズ、前記第7のレンズ及び前記第8のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズであるか、又は、
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ、前記第4のレンズ、前記第5のレンズ、前記第6のレンズ、前記第7のレンズ及び前記第8のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、
第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ、第4のレンズ、第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ及び第8のレンズと、
を備えるクローキングデバイス。
例11
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ、前記第4のレンズ、第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ及び前記第8のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、例10に記載のクローキングデバイス。
例12
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ、前記第4のレンズ、前記第5のレンズ、前記第6のレンズ、前記第7のレンズ及び前記第8のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズである、例10に記載のクローキングデバイス。
例13
前記遮蔽領域の境界が、前記第1のミラー、前記第4のミラー、前記第5のミラー及び前記第8のミラーによって、少なくとも部分的に画定される、例10に記載のクローキングデバイス。
例14
前記第1のミラー、前記第2のミラー、前記第3のミラー及び前記第4のミラーが、前記第5のミラー、前記第6のミラー、前記第7のミラー及び前記第8のミラーと対称である、例10に記載のクローキングデバイス。
例15
ピラーとクローキングデバイスとを備えるビークルであって、前記ピラーが、少なくとも部分的に、前記クローキングデバイスの遮蔽領域内にあり、前記クローキングデバイスが、
第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー及び第4のミラーであって、入射光が、前記第1のミラーから前記第2のミラーへ反射し、前記第2のミラーから前記第3のミラーへ反射し、前記第3のミラーから前記第4のミラーへ反射し、前記第4のミラーから観者へ反射するように、前記遮蔽領域の周囲に前記入射光を導くように構成された、第1のミラー、第2のミラー、第3のミラー及び第4のミラーと、
第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ及び第4のレンズであって、前記第1のレンズが前記入射光を受光して前記入射光を前記第1のミラー上に放射するように位置決めされ、前記第4のレンズが前記第4のミラーから反射光を受光して前記反射光を前記観者へ放射するように位置決めされ、
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズであるか、又は、
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、
第1のレンズ、第2のレンズ、第3のレンズ及び第4のレンズと、
を備えるビークル。
例16
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズである、例15に記載のクローキングデバイス。
例17
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、例15に記載のクローキングデバイス。
例18
前記ピラーがAピラー又はBピラーである、例15に記載のビークル。
例19
前記遮蔽領域の境界が、前記第1のミラー及び前記第4のミラーによって、少なくとも部分的に画定される、例15に記載のクローキングデバイス。
例20
前記クローキングデバイスが、
第5のミラー、第6のミラー、第7のミラー及び第8のミラーであって、入射光が、前記第5のミラーから前記第6のミラーへ反射し、前記第6のミラーから前記第7のミラーへ反射し、前記第7のミラーから前記第8のミラーへ反射し、前記第8のミラーから観者へ反射するように、遮蔽領域の周囲に入射光を導くように構成された、第5のミラー、第6のミラー、第7のミラー及び第8のミラーと、
第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ及び第8のレンズであって、前記第5のレンズが前記入射光を受光して前記入射光を前記第5のミラー上に放射するように位置決めされ、前記第8のレンズが前記第8のミラーから反射光を受光して前記反射光を前記観者へ放射するように位置決めされ、
前記第5のレンズ、前記第6のレンズ、前記第7のレンズ及び前記第8のレンズがそれぞれ、アクロマティックシリンドリカルレンズであるか、又は、
前記第5のレンズ、前記第6のレンズ、前記第7のレンズ及び前記第8のレンズがそれぞれ、アシリンドリカルレンズである、
第5のレンズ、第6のレンズ、第7のレンズ及び第8のレンズと、
をさらに備える、例15に記載のビークル。