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特許7074666操縦可能なシースカテーテル及び使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】操縦可能なシースカテーテル及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/092 20060101AFI20220517BHJP
   A61M 25/09 20060101ALI20220517BHJP
   A61M 25/01 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
A61M25/092 510
A61M25/092 500
A61M25/09 530
A61M25/01
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018521399
(86)(22)【出願日】2016-11-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-11-29
(86)【国際出願番号】 US2016063251
(87)【国際公開番号】W WO2017091542
(87)【国際公開日】2017-06-01
【審査請求日】2019-10-24
(31)【優先権主張番号】62/260,062
(32)【優先日】2015-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399125104
【氏名又は名称】メリット・メディカル・システムズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Merit Medical Systems,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【弁理士】
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】マーク フライゲル
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ディー ジェンキンス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジェンセン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー アール マッカーサー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ポール ジェンキンス
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0184642(US,A1)
【文献】特表2014-516669(JP,A)
【文献】米国特許第05987344(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/092
A61M 25/09
A61M 25/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステムであって、
ハンドル部と、
前記ハンドル部に動作可能に連結されたアクチュエータと、
前記ハンドル部に連結されたカテーテルであって、前記カテーテルは、前記ハンドル部から延在する本体部と、前記本体部の遠位端に連結された先端部と、を含む、カテーテルと、
前記ハンドル部に対する前記アクチュエータの変位が前記カテーテルの前記本体部に対する前記カテーテルの前記先端部の位置を操作するように、前記アクチュエータに動作可能に連結された前記カテーテルの前記先端部と、
長手方向にスライドするようにねじ付き駆動チューブの周りに配置される右ガイドと左ガイドを備える駆動機構と、
前記カテーテルの前記本体部に対する前記カテーテルの前記先端部の前記位置に関するフィードバックをユーザに提供するように構成されたフィードバック機構と、を備え
前記フィードバック機構は、前記右ガイドから延在する第1のタブと、前記左ガイドから延在する第2のタブと、を含み、前記第1及び第2のタブは、前記右及び左ガイドが長手方向に逆向きに変位する際に互いに接触することによって前記フィードバックを提供する、カテーテルシステム。
【請求項2】
前記フィードバック機構は、触覚フィードバックを提供する、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記フィードバック機構は、可聴フィードバックを提供する、請求項1又は2に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記カテーテルの前記先端部は、
前記カテーテルの前記先端部に連結された右ガイドワイヤ及び左ガイドワイヤと、
前記右ガイドワイヤに接続された前記右ガイド及び前記左ガイドワイヤに接続された前記左ガイドと、
前記右及び左ガイドの対応するねじ部に動作可能に接続された右及び左ねじ部を有する前記ねじ付き駆動チューブと、を含む前記駆動機構により前記アクチュエータに動作可能に連結され、前記ねじ付き駆動チューブは、前記アクチュエータによって前記ねじ付き駆動チューブが回転する際、前記左及び右ガイドが反対方向に長手方向に移動するように、前記アクチュエータに連結されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
前記第1及び第2のタブは、前記カテーテルの前記先端部が前記カテーテルの前記本体部に対して中立位置にあるときに互いに接触する、請求項1~4のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記中立位置は、前記カテーテルの前記先端部と前記カテーテルの前記本体部との長手方向における位置合わせに対応する、請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
前記フィードバック機構は、中立位置以外の位置でユーザにフィードバックを提供するように構成された第3のタブを更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記第1のタブ及び前記第2のタブのうちの少なくとも一方は、カンチレバーアームに配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記ハンドル部に対する前記アクチュエータの回転により、中立位置と選択した左位置との間及び前記中立位置と選択した右位置との間で前記先端部を操作する、請求項1~8のいずれか一項に記載の操縦可能なシースカテーテルシステム。
【請求項10】
前記アクチュエータは、前記中立位置と、前記選択した左位置及び前記選択した右位置のうちの少なくとも一方との間で前記先端部を操作する際、前記ハンドルに対して360°を超えて回転するように構成されている、請求項9に記載の操縦可能なシースカテーテルシステム。
【請求項11】
前記選択した左位置及び前記選択した右位置のうちの少なくとも一方は、それぞれ、前記先端の左方向への最大の変位又は前記先端の右方向への最大の変位を含む、請求項9又は10に記載の操縦可能なシースカテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出題は、2015年11月25日に出願され、「STEERABLE SHEATH CATHETER AND METHODS OF USE」と題する米国仮特許出願第62/260,062号に対する優先権を主張し、その全内容が参照により本明細書に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本開示の分野は、概して医療用装置に関する。より具体的には、本開示は、体内へのアクセスを提供するために使用されるカテーテル、又は更により具体的には、追加の用具、器具、薬物又は流体の導入/送達のために、体の脈管構造へのアクセスを提供するために使用される操縦可能なシースカテーテルに関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本明細書に開示される実施形態は、添付の図面と併用して、以下の記載及び添付の特許請求の範囲からより完全に明白となるであろう。これらの図面は、典型的な実施形態のみを描写しており、それらの実施形態は、図面と関連付けて追加の特異性及び詳細と共に記載されるであろう。
【0004】
図1】第1の実施形態による、操縦可能なシースカテーテルの上部等角図である。
図1A】第1の実施形態による、操縦可能なシースカテーテルの底部等角図である。
図2図1の操縦可能なシースカテーテルの分解組立図である。
図2A図2のシースハンドルの前ノブ部の内部を示す拡大平面図である。
図3】ガイドが中立位置にある、トップカバーが取り除かれた、図1のシースハンドルの上部の等角図である。
図4】ガイドが左ガイド後退位置にある、トップカバーが取り除かれた、図1のシースハンドルの上部の等角図である。
図5】ガイドが右ガイド後退位置にある、トップカバーが取り除かれた、図1のシースハンドルの上部の等角図である。
図6図1及び図2のシースハンドルのねじ付きロッド又は駆動チューブの等角図である。
図6A図6のねじ付き駆動チューブの拡大正面平面図である。
図7】右ガイド(ワイヤアクチュエータ)の等角図である。
図8】左ガイド(ワイヤアクチュエータ)の等角図である。
図9A図7の右ガイドの一部の詳細図である。
図9B】右ガイドの代替的な設計の詳細図である。
図10】動作時に組み立てられた場合を示す位置にある、図7の右ガイド及び図8の左ガイドの拡大概略上面図である。
図11】ガイドが右ガイド後退位置にある、カバーが取り除かれた、図1のシースハンドルの底部の等角図である。
図12】ガイドが左ガイド後退位置にある、カバーが取り除かれた、図1のシースハンドルの底部の等角図である。
図13】ガイドが中立位置にある、カバーが取り除かれた、図1のシースハンドルの底部の等角図である。
図14】複数の触覚フィードバック位置を有する操縦可能なシースハンドルの代替実施形態の概略上面図である。
図15】複数の触覚フィードバック位置を有する操縦可能なシースハンドルの代替実施形態の概略上面図である。
図16】複数の触覚フィードバック位置を有する操縦可能なシースハンドルの代替実施形態の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明から、実施形態の構成要素は、本明細書の図面にて一般的に説明及び図示されるように、広範囲の異なる構成にて配置及び設計可能であることが理解される。したがって、図に表される様々な実施形態の以下のより詳細な記載は、本開示の範囲を制限するものではなく、単に様々な実施形態を表す。実施形態の様々な態様が図面で提示される一方で、図面は、具体的に示されない限りは縮尺に合わせて描かれているとは限らない。
【0006】
「に接続される」及び「に連結される」という語句は、機械的、電気的、磁気的、電磁気的、流体的、及び熱的相互作用を含む2つ以上の実体間の相互作用の任意の形態を指す。2つの構成要素は、互いに直接接触していないとしても、互いに接続され又は連結され得る。例えば、2つの構成要素は、中間構成要素を介して互いに結合され得る。
【0007】
方向を示す用語「近位」及び「遠位」は、医療用装置上の反対側の位置を指すように本明細書で使用される。装置の近位端は、施術者による装置の使用時に、施術者に最も近い装置の端と定義される。遠位端は、装置の長手方向に沿って近位端と反対側の端部、又は施術者から最も遠い端である。
【0008】
本明細書に記載の特定の実施形態は、追加の用具、器具、薬剤又は流体の観察又は導入/送達のために、体腔に通じる通路内に位置決めされるカテーテルと共に使用するための操縦可能なシースに関する。
【0009】
「第1」、「第2」などの指示語を使用する本明細書の要素への言及はいずれも、かかる限定が明示的に述べられていない限り、これらの要素の数量又は順序を限定するものではないことを理解されたい。むしろ、これらの指示語は、本明細書において、2つ以上の要素又は要素の例を区別する便利な方法として使用することができる。したがって、第1及び第2の要素への言及は、そこで2つの要素のみが使用され得ること、又は第1の要素が何らかの方法で第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。また、特に明記しない限り、要素のセットは、1つ以上の要素を含んでもよい。
【0010】
以下の説明及び添付の図面を概して参照すると、本開示の様々な実施形態が、構造及び動作の方法を示すために例示されている。例示された実施形態の共通要素は、同様の参照符号で指定され得る。したがって、かかる特徴の関連する記載は、全ての図面中の特徴及び関連する構成要素に同等に適用される。図1に図示する構成要素に対して記載される特徴の任意の好適な組み合わせ及びそれらの変形例は、図2の構成要素と共に使用可能であり、逆もしかりである。この開示様式は、その後の図に示し、かつ後述される更なる実施形態にも同等に適用される。提示された図面は、実際の構造又は方法の任意の特定の部分の実際の図を示すことは意図しておらず、以下の「特許請求の範囲」によって定義される本発明をより明確かつ完全に示すために用いられる理想的な描写にすぎないことを理解されたい。
【0011】
図1は、第1の実施形態による、操縦可能なシースカテーテル10の上部等角図であり、図1Aは、第1の実施形態による、操縦可能なシースカテーテル10の底部等角図であり、図2は、図1の操縦可能なシースカテーテル10の分解組立図である。図1の実施形態では、操縦可能なシースカテーテル10は、操縦可能なシースハンドル20(制御ハンドルとも記載され得る)と、体の脈管構造内に位置決めされ得るシース90を含むカテーテル部と、を含む。操縦可能なシースハンドル20は、近位端12及び遠位端14を有するハンドルハウジング21と、遠位端14にあるアクチュエータ部分又はノブアセンブリ74/80と、を含む。ハンドルハウジング21は、流体をカテーテル10に導入するための三方活栓56に接続されたチューブ54に接続されたポート52と、同じく近位端12にある止血弁50と、を含む。
【0012】
ここで、操縦可能なシースカテーテル10の構成要素の詳細を、図2の分解組立図及び図3図9Aに示す詳細を参照して説明する。ハンドルハウジング21は、内部構成要素を取り囲む、上部/上側ハウジング部22及び底部/下側ハウジング部24を含む。内部構成要素は、止血弁50及びポート52、右ガイド32及び左ガイド42、ねじ付き駆動チューブ60、ガイドチューブ70、前ノブ部74、減衰リング72、並びにシース90(近位部分)を含む。シース90は、対応する穴93a、93bを介してシース90内の内部通路に挿通される、一対の引張ワイヤ又はガイドワイヤ92a、92bを含み、ガイドワイヤ92a、92bは、シース90の長さに延在し、先端91に取り付けられている(図1参照)。したがって、シース90は、先端91の近位の本体部を含み得る。ガイドワイヤ92aは、圧接コネクタ39aを介して右ガイド32に連結又は固定され、ガイドワイヤ92bは、圧接コネクタ49aを介して左ガイド42に連結又は固定されている(図3参照)。上部及び底部ハウジング部22、24には、より良好な把持面を提供するために、可撓性/把持可能なオーバーモールド部26、28がそれぞれ設けられている。
【0013】
上部及び底部ハウジング部22、24には、様々な構成要素を所望の位置に支持及び固定するために、かつ特定の構成要素の所望の回転能力を可能にするために、内部リブ及び支持部分が設けられている。右及び左ガイド32、42は、図3図5に示すように長手方向にスライドするように、ねじ付き駆動チューブ60の周りに配置され、ハンドルハウジング21内に支持されている。ねじ付き駆動チューブ60は、中央管状部61上に配置された左ねじ部64及び右ねじ部65を含む。ねじ付き駆動チューブ60はまた、ハウジング部22、24内の対応するレッジに着座する肩部を有する端部66を含む。ねじ付き駆動チューブ60は、その遠位端に、ノッチ63b、63bを有するフランジ62を含む(図6図6A参照)。ノッチ63a、63bは、前ノブ部74の遠位端で、対応するタブ73a、73b(図2A参照)に連結され、かつ嵌合している。組み立てられると、右及び左ガイド32、42は、ねじ付き駆動チューブ60の周りに固定され、ガイドチューブ70内に挿入される。減衰リング72は、発泡体又は他の材料などの、圧縮性又は弾性の材料を含んでもよい。減衰リング72は、操作中の平滑な感触を促進にするために、アセンブリの他の構成要素間の公差又は緩みを考慮に入れるための弾性クッションを提供してもよい。
【0014】
右ガイド32は、図7に示すように、中央部33、前部34及び後部37を含む。ガイドワイヤ92aは、後部37にあるワイヤ孔39を通過し、そこで、圧接コネクタ39a(図3参照)により固定される。前部34(詳細は図9Aの拡大された詳細図に示す)は、ねじ付き駆動チューブ60の対応する右ねじ部65に係合するための右ねじ部35、36を含む。タブ38は、前部34の内面に配置されており、下で更に記載するように、触覚フィードバックを提供する。
【0015】
同様に、左ガイド42(詳細は図8に示す)は、中央部43、前部44及び後部47を含む。ガイドワイヤ92bは、後部47にあるワイヤ孔49を通過し、そこで、圧接コネクタ49a(図3参照)により固定される。前部44は、ねじ付き駆動チューブ60の対応する左ねじ部64に係合するための左ねじ部45、46を含む。タブ48は、前部44の内面に配置されており、下で更に記載するように、触覚フィードバックを提供する。
【0016】
図9Bは、中央部33’、前部34’、及び右ねじ部35’、36’を示す右ガイド32’の代替実施形態である。右ガイド32’は、図9Aの右ガイド32に類似している。右ガイド32’は、タブ38’を更に含む。タブ38’は、図9Aの右ガイド32のタブ38と類似の方法で機能してもよい。図9Aの実施形態と比較すると、右ガイド32’は、タブ38’と連通する切欠き部分を含み、タブ38’に連結されたカンチレバーアーム38’’を形成する。このカンチレバーアーム38’’は、カンチレバースプリングとして機能してもよく、タブ38’が他のタブ(左ガイドのタブなど)と接触する際に部分的に歪んでもよい。これにより、システムに対して適合性がもたらされ得、平滑な操作が促進され得、触覚フィードバックの認識が増大し得る。アセンブリの右及び左ガイドの両方の上に、又は単一のガイド上に、タブに関連してカンチレバーアームを設けることは、本開示の範囲内である。
【0017】
前ノブ部74は、その遠位端に先端部分78、並びに、前端又は近位端に中央本体部75及びカラーフランジ76を含み、カラーフランジは、ハウジング部22、24内のノッチ内に着座している。(例えば、より可撓性のプラスチック又はゴムのオーバーモールドの)ノブ部80は、ユニットを把持及び操作するためのより可撓性で優れた把持面を提供するように、前ノブ部74の中央部分75の周りに、かつ先端部分78を覆って、配置される。ノブ部80は、把持リブ84と、位置ボタン又は親指マーカ82と、前ノブ部74の先端部分78を包囲する先端部86と、を含む。
【0018】
図3図5に示すように、ノブアセンブリ74/80の回転は、内部ねじ付きチューブ60を回転させるように機能する(前述のとおり、ノッチ63a、63bを有する遠位フランジ62が、前ノブ部74内のタブ73a、73bに係合するため、ノブアセンブリ74/80の回転が、ねじ付き駆動チューブ60を回転させるように機能する)。ねじ付き駆動チューブ60の回転は、要素間のねじ接続の動作によって、左及び右ガイド42、32を、反対方向に、長手方向に移動させるように機能する。図3は、中立位置にある右及び左ガイド32、42を示す。図4は、左ガイドが、より近位位置へと長手方向に移動し、その結果ガイドワイヤ92bを引っ張っている、後退位置にあり、一方、右ガイド32が、より遠位位置へと移動して、ガイドワイヤ92aを前方又はより遠位の場所に延在させており、これによって、先端91を左に操作することを示す。図5は、右ガイド32が、より近位位置へと長手方向に移動して、ガイドワイヤ92aを引っ張っている、後退位置にあり、一方、左ガイド42が、より遠位位置へと移動して、ガイドワイヤ92bをより遠位の場所に動かしており、これによって、先端91を右に操作することを示す。したがって、操縦可能なシースハンドル20は、先端91の双方向の偏向を提供する。
【0019】
ねじ付き駆動チューブ60上のねじ部64、65、右ガイド32内のねじ部35、36、及び左ガイド42内のねじ部45、46には、ノブアセンブリ74/80の所望の回転に対応する、操縦可能なシースの操作による、所望の長手方向の移動を生じさせるように、好適なピッチが設けられている。装置には、作動ノブが例えば時計回りに所望の量だけ回転した場合などの止め具が設けられていてもよく、左ガイド42は、例えば前ノブ部74の内側遠位端に沿った止め具に対する停止点に到達し、同様に、反時計回りの方向に回転すると、右ガイド32は、前ノブ部74内の停止点に到達し、ユーザに触覚フィードバックを提供する。
【0020】
シースハンドル20の外部には、触覚機構も提供されている。上側ハウジング部22の上部にある把持面26は、シースハンドル20の上部中心位置のフィードバックを提供するように、施術者が感じることのできる触覚機構27を含む。底部ハウジング部24の把持面28は、同様の触覚機構29を含み得る。ノブ部80はまた、ユーザが感じることのできるボタン82が設けられていてもよく、これにより、(ノブアセンブリ74/80によって制御される)ユニットの制御位置が図3に示すような中立位置にあることをユーザにフィードバックする。前述のとおり、ねじ部64,65、35、36、45、46の対応するピッチは、右及び左ガイド32、42の最大移動量を提供するために、左又は右への1回の回転が、図3に示す中立位置から最大の360°よりも小さくなるように設計されてもよい。
【0021】
ボタン82は、有用ではあるが、十分な又は完全に正確なフィードバックを提供しない場合がある。ユーザは、ボタン82に接触することなく、操縦可能なシースハンドル20を操作し、そのため、ボタン82による制御位置の任意のフィードバックを得ない場合がある。更に、ノブアセンブリ74/80がそれぞれの方向に合計360°を超えて回転可能となる、より細かな制御をユーザに提供することが望ましいであろう。許容される合計移動量がいずれかの方向への360°よりも大きい回転によって制御される場合、ノブアセンブリ74/80が、図3のような右及び左ガイド32、42が中立位置にある「ゼロ」位置にあるとき、又は他の位置にあるときを判定することは、ユーザにとっては困難であり得る。したがって、操縦可能なシースカテーテル10には、タブ38、48を含む触覚インジケータを設けられており、タブ38、48は、図10に概略的に示されるように、制御の中立中心点を超えていずれかの方向に通過するときに、互いに接触する。タブ38、48が通過して互いに接触すると、触覚フィードバック及び/又は「クリック」音(したがって、触覚及び/又は可聴フィードバック)は、装置が中立位置に到達したことの指標又は確認をユーザに提供し、これにより、ユーザは、位置を感じる(かつ/又は聞く)ことができ、装置が実際の中心点又は中立位置にあることを確認するために、表示画面を見る又はシースハンドル20を見下ろす必要がない。触覚フィードバック機構は、いずれかの方向に360°未満回転可能なデバイスに使用してもよいが、ノブアセンブリ74/80が、先端91に対してより細かく/小さくかつより正確な調整を提供するために、いずれかの方向に1回転以上回転するように構成された装置に特に有用であり得る。ノブインジケータ/ボタン82は、ノブアセンブリ74/80がいずれかの方向に1回転以上回転するように構成された装置に関しては、中立位置を示すことができないことに留意されたい。
【0022】
図11図13は、外側ハウジングが取り除かれ、主に右及び左ガイド32、42のみを示している、シースハンドル20を示す。図は底部からのものであり、それにより様々な位置に対するタブ38、48の相対位置を示している。具体的には、図11は、ガイドワイヤ92bを引っ張っている後退位置又は近位位置にある左ガイド42を示し、図12は、近位端により近位の後退位置にある右ガイドを示し、図13は、右及び左ガイド32、42が中心点又は中立位置にあり、このため、タブ38、48がほぼ接触状態にあることを示す。
【0023】
別の例では、シースハンドル20は、操縦可能なシースカテーテル10のために異なる先端調整位置を示す、複数の触覚インジケータを含んでもよい。図14図16は、3つの触覚インジケータを提供する構成を図示している。図14は、中心点又は中立位置にある右及び左ガイド132、142を示す。右ガイド132は、第1のタブ138及び第2のタブ139を含み、左ガイド142は、第1のタブ148及び第2のタブ149を含む。図14のような中立位置では、右ガイド132の第1のタブ138は、左ガイド142の第1のタブ148と並んで接触し、右ガイド132の第2のタブ139は、左ガイド142の第2のタブ149と並んで接触する。右及び左ガイド132、142が作動されていずれかの方向に移動すると、接触しているタブの組み合わせにより、中心位置の触覚フィードバックが施術者に対して提供される。図15に示すように、左ガイド142が前方に移動し、右ガイド132が後方に移動すると、右ガイド132の第1のタブ138が、左ガイド142の第2のタブ149に接触して、例えばカテーテル先端91の右方向90°の屈曲に対応する位置の触覚フィードバック指標を提供する。図16は、右ガイド132の第2のタブ139が左ガイド142の第1のタブ148に接触して、例えば先端が左方向に例えば90°の角度で屈曲する第3の位置の触覚フィードバックを提供する位置へと、右ガイド132が前方に移動し、左ガイド142が後方に移動したことを示す。
【0024】
ガイド132、142の前部は、同じ前部にある第1のタブ138(又は148)と第2のタブ139(又は149)との間の間隔に適応させるように、先の実施形態の前部34、44よりも若干長いことに留意されたい。追加の触覚フィードバック位置を提供するために、追加のタブが設けられてもよい。図14図16の例では、中心点/中立位置指標は、2組の接触するタブ(図14参照)を有し、これにより、図15及び図16の90°の位置での単一のタブ対の接触と比較して、より大きな又はより多い規模の触覚フィードバックを提供し得ることに更に留意されたい。
【0025】
動作時、操縦可能なシースハンドル20は、カテーテルシース90の屈曲可能な先端91を所望の方向に制御又は操作するために使用されてもよく、また、装置のアクチュエータが操縦機構を所望の角度位置(中立位置及び/又は他の位置など)を通過して移動させた際に、フィードバック(すなわち、ユーザが感じることのできる触覚フィードバック及び/又は可聴フィードバック)を提供するために使用されてもよい。
【0026】
更なる詳細なしに、当業者は、前述の記載を使用して、本開示をその最大限利用し得ると考えられる。本明細書に開示される実施例及び実施形態は、単に例証及び例示であり、決して本開示の範囲を制限するものではないと解釈されるべきである。当業者にとっては、本開示の利益をもって、上記の実施形態の詳細が本開示の根本にある原則から逸脱することなく変更可能であることは明白にわかるであろう。
図1
図1A
図2
図2A
図3
図4
図5
図6
図6A
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16