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7074719列車座席情報提供システム及び列車座席情報提供方法
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  • -列車座席情報提供システム及び列車座席情報提供方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】列車座席情報提供システム及び列車座席情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20220517BHJP
【FI】
G06Q50/30
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019088192
(22)【出願日】2019-05-08
(65)【公開番号】P2020184189
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】神谷 尚保
(72)【発明者】
【氏名】稗圃 泰彦
【審査官】安田 勇太
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-258038(JP,A)
【文献】特開2016-110366(JP,A)
【文献】特開2016-161978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座乗客登録装置と座席情報管理装置と端末装置とを備え、
前記着座乗客登録装置は、列車の車両において座席に着座した着座乗客の着座乗客属性情報と、前記列車における前記着座乗客の着座乗客位置情報とを関連付けて前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報送信部を備え、
前記座席情報管理装置は、
前記着座乗客登録装置から受信した前記着座乗客属性情報及び前記着座乗客位置情報を関連付けて格納する着座乗客登録情報格納部と、
前記端末装置から受信した着座乗客情報要求メッセージに応じて、当該着座乗客情報要求メッセージに含まれる乗客位置情報に該当する前記着座乗客位置情報に関連付けられた前記着座乗客属性情報を前記端末装置へ送信する着座乗客登録情報送信部と、を備え、
前記端末装置は、
前記列車における乗客の乗客位置情報を含む着座乗客情報要求メッセージを前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報要求部と、
前記座席情報管理装置から受信した前記着座乗客属性情報に基づいて、前記着座乗客を認識するための着座乗客認識処理を実行する着座乗客認識部と、
前記着座乗客認識処理の実行結果を報知する着座乗客認識結果報知部と、を備え
前記端末装置は、撮像部を備え、
前記着座乗客認識部は、前記撮像部が撮像した撮像画像において、前記着座乗客属性情報に含まれる前記着座乗客の個人の特徴に基づいたマッチングを行う、
列車座席情報提供システムであって、
前記着座乗客属性情報は、前記着座乗客の年齢、性別又は身長を示す情報であり、
前記着座乗客認識部は、前記撮像部が撮像した撮像画像に対して、前記着座乗客属性情報が示す年齢、性別又は身長に合致する被写体が存在するか否かを画像認識により判断する、
列車座席情報提供システム。
【請求項2】
着座乗客登録装置と座席情報管理装置と端末装置とを備え、
前記着座乗客登録装置は、列車の車両において座席に着座した着座乗客の着座乗客属性情報と、前記列車における前記着座乗客の着座乗客位置情報とを関連付けて前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報送信部を備え、
前記座席情報管理装置は、
前記着座乗客登録装置から受信した前記着座乗客属性情報及び前記着座乗客位置情報を関連付けて格納する着座乗客登録情報格納部と、
前記端末装置から受信した着座乗客情報要求メッセージに応じて、当該着座乗客情報要求メッセージに含まれる乗客位置情報に該当する前記着座乗客位置情報に関連付けられた前記着座乗客属性情報を前記端末装置へ送信する着座乗客登録情報送信部と、を備え、
前記端末装置は、
前記列車における乗客の乗客位置情報を含む着座乗客情報要求メッセージを前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報要求部と、
前記座席情報管理装置から受信した前記着座乗客属性情報に基づいて、前記着座乗客を認識するための着座乗客認識処理を実行する着座乗客認識部と、
前記着座乗客認識処理の実行結果を報知する着座乗客認識結果報知部と、を備える、
列車座席情報提供システムであって、
前記着座乗客登録装置は前記着座乗客に携帯される装置であり、
前記着座乗客登録装置は第1近距離無線通信部を備え、
前記端末装置は、
前記着座乗客属性情報に含まれる前記第1近距離無線通信部の通信識別情報を使用して前記第1近距離無線通信部に接続する第2近距離無線通信部と、
前記第2近距離無線通信部の無線出力を制御する無線出力制御部と、を備え、
前記無線出力制御部は、前記第2近距離無線通信部の無線出力を、前記列車の車両において前記端末装置を携帯する乗客が他の乗客を視認することができる範囲内に前記第2近距離無線通信部の通信可能範囲を制限する値に制御する、
列車座席情報提供システム。
【請求項3】
前記無線出力制御部は、前記第2近距離無線通信部の無線出力を段階的に低下させる、
請求項に記載の列車座席情報提供システム。
【請求項4】
前記着座乗客認識部は、前記第2近距離無線通信部が検出した前記第1近距離無線通信部が発信した電波の受信強度の変化に基づいて、前記着座乗客が存在する方向を判断する、
請求項又はのいずれか1項に記載の列車座席情報提供システム。
【請求項5】
前記着座乗客認識結果報知部は、前記撮像部が撮像した撮像画像に前記着座乗客認識処理の実行結果を重ね合わせて表示する、
請求項1に記載の列車座席情報提供システム。
【請求項6】
着座乗客登録装置と座席情報管理装置と端末装置とを備える列車座席情報提供システムの列車座席情報提供方法であって、
前記着座乗客登録装置が、列車の車両において座席に着座した着座乗客の着座乗客属性情報と、前記列車における前記着座乗客の着座乗客位置情報とを関連付けて前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報送信ステップと、
前記座席情報管理装置が、前記着座乗客登録装置から受信した前記着座乗客属性情報及び前記着座乗客位置情報を関連付けて着座乗客登録情報格納部に格納する着座乗客登録情報格納ステップと、
前記端末装置が、前記列車における乗客の乗客位置情報を含む着座乗客情報要求メッセージを前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報要求ステップと、
前記座席情報管理装置が、前記端末装置から受信した前記着座乗客情報要求メッセージに応じて、当該着座乗客情報要求メッセージに含まれる前記乗客位置情報に該当する前記着座乗客位置情報に関連付けられた前記着座乗客属性情報を前記端末装置へ送信する着座乗客登録情報送信ステップと、
前記端末装置が、前記座席情報管理装置から受信した前記着座乗客属性情報に基づいて、前記着座乗客を認識するための着座乗客認識処理を実行する着座乗客認識ステップと、
前記端末装置が、前記着座乗客認識処理の実行結果を報知する着座乗客認識結果報知ステップと、
を含み、
前記端末装置は、撮像部を備え、
前記着座乗客認識ステップは、前記撮像部が撮像した撮像画像において、前記着座乗客属性情報に含まれる前記着座乗客の個人の特徴に基づいたマッチングを行う、
列車座席情報提供方法であり、
前記着座乗客属性情報は、前記着座乗客の年齢、性別又は身長を示す情報であり、
前記着座乗客認識ステップは、前記撮像部が撮像した撮像画像に対して、前記着座乗客属性情報が示す年齢、性別又は身長に合致する被写体が存在するか否かを画像認識により判断する、
列車座席情報提供方法。
【請求項7】
着座乗客登録装置と座席情報管理装置と端末装置とを備える列車座席情報提供システムの列車座席情報提供方法であって、
前記着座乗客登録装置が、列車の車両において座席に着座した着座乗客の着座乗客属性情報と、前記列車における前記着座乗客の着座乗客位置情報とを関連付けて前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報送信ステップと、
前記座席情報管理装置が、前記着座乗客登録装置から受信した前記着座乗客属性情報及び前記着座乗客位置情報を関連付けて着座乗客登録情報格納部に格納する着座乗客登録情報格納ステップと、
前記端末装置が、前記列車における乗客の乗客位置情報を含む着座乗客情報要求メッセージを前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報要求ステップと、
前記座席情報管理装置が、前記端末装置から受信した前記着座乗客情報要求メッセージに応じて、当該着座乗客情報要求メッセージに含まれる前記乗客位置情報に該当する前記着座乗客位置情報に関連付けられた前記着座乗客属性情報を前記端末装置へ送信する着座乗客登録情報送信ステップと、
前記端末装置が、前記座席情報管理装置から受信した前記着座乗客属性情報に基づいて、前記着座乗客を認識するための着座乗客認識処理を実行する着座乗客認識ステップと、
前記端末装置が、前記着座乗客認識処理の実行結果を報知する着座乗客認識結果報知ステップと、
を含む列車座席情報提供方法であり、
前記着座乗客登録装置は前記着座乗客に携帯される装置であり、
前記着座乗客登録装置は第1近距離無線通信部を備え、
前記端末装置は、
前記着座乗客属性情報に含まれる前記第1近距離無線通信部の通信識別情報を使用して前記第1近距離無線通信部に接続する第2近距離無線通信部と、
前記第2近距離無線通信部の無線出力を制御する無線出力制御部と、を備え、
前記無線出力制御部は、前記第2近距離無線通信部の無線出力を、前記列車の車両において前記端末装置を携帯する乗客が他の乗客を視認することができる範囲内に前記第2近距離無線通信部の通信可能範囲を制限する値に制御する、
列車座席情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車座席情報提供システム及び列車座席情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、列車の自由席車両内の空席状況を案内する情報提供技術が例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された従来技術では、自由席車両の空席情報、乗車駅における乗車口ごとの待ち人数情報及び乗車口ごとの降車予測人数に基づいて乗車口ごとの空席数を算出して乗車口に対応する空席に着座できる可能性を評価し、当該評価に基づいて乗車口の案内を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-207116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来技術では、乗客が案内された座れそうな乗車口から乗車しても、当該乗客は一体どの座席が空くのかが分からない。このため、特に車両内が込み合っている場合には、座れそうな乗車口が案内されても着座することができない可能性があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、列車の車両において座席の譲り合いを円滑に行うことに寄与することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、着座乗客登録装置と座席情報管理装置と端末装置とを備え、前記着座乗客登録装置は、列車の車両において座席に着座した着座乗客の着座乗客属性情報と、前記列車における前記着座乗客の着座乗客位置情報とを関連付けて前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報送信部を備え、前記座席情報管理装置は、前記着座乗客登録装置から受信した前記着座乗客属性情報及び前記着座乗客位置情報を関連付けて格納する着座乗客登録情報格納部と、前記端末装置から受信した着座乗客情報要求メッセージに応じて、当該着座乗客情報要求メッセージに含まれる乗客位置情報に該当する前記着座乗客位置情報に関連付けられた前記着座乗客属性情報を前記端末装置へ送信する着座乗客登録情報送信部と、を備え、前記端末装置は、前記列車における乗客の乗客位置情報を含む着座乗客情報要求メッセージを前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報要求部と、前記座席情報管理装置から受信した前記着座乗客属性情報に基づいて、前記着座乗客を認識するための着座乗客認識処理を実行する着座乗客認識部と、前記着座乗客認識処理の実行結果を報知する着座乗客認識結果報知部と、を備え、前記端末装置は、撮像部を備え、前記着座乗客認識部は、前記撮像部が撮像した撮像画像において、前記着座乗客属性情報に含まれる前記着座乗客の個人の特徴に基づいたマッチングを行う、列車座席情報提供システムであって、前記着座乗客属性情報は、前記着座乗客の年齢、性別又は身長を示す情報であり、前記着座乗客認識部は、前記撮像部が撮像した撮像画像に対して、前記着座乗客属性情報が示す年齢、性別又は身長に合致する被写体が存在するか否かを画像認識により判断する、列車座席情報提供システムである。
(2)本発明の一態様は、着座乗客登録装置と座席情報管理装置と端末装置とを備え、前記着座乗客登録装置は、列車の車両において座席に着座した着座乗客の着座乗客属性情報と、前記列車における前記着座乗客の着座乗客位置情報とを関連付けて前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報送信部を備え、前記座席情報管理装置は、前記着座乗客登録装置から受信した前記着座乗客属性情報及び前記着座乗客位置情報を関連付けて格納する着座乗客登録情報格納部と、前記端末装置から受信した着座乗客情報要求メッセージに応じて、当該着座乗客情報要求メッセージに含まれる乗客位置情報に該当する前記着座乗客位置情報に関連付けられた前記着座乗客属性情報を前記端末装置へ送信する着座乗客登録情報送信部と、を備え、前記端末装置は、前記列車における乗客の乗客位置情報を含む着座乗客情報要求メッセージを前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報要求部と、前記座席情報管理装置から受信した前記着座乗客属性情報に基づいて、前記着座乗客を認識するための着座乗客認識処理を実行する着座乗客認識部と、前記着座乗客認識処理の実行結果を報知する着座乗客認識結果報知部と、を備える、列車座席情報提供システムであって、前記着座乗客登録装置は前記着座乗客に携帯される装置であり、前記着座乗客登録装置は第1近距離無線通信部を備え、前記端末装置は、前記着座乗客属性情報に含まれる前記第1近距離無線通信部の通信識別情報を使用して前記第1近距離無線通信部に接続する第2近距離無線通信部と、前記第2近距離無線通信部の無線出力を制御する無線出力制御部と、を備え、前記無線出力制御部は、前記第2近距離無線通信部の無線出力を、前記列車の車両において前記端末装置を携帯する乗客が他の乗客を視認することができる範囲内に前記第2近距離無線通信部の通信可能範囲を制限する値に制御する、列車座席情報提供システムである。
)本発明の一態様は、前記無線出力制御部は、前記第2近距離無線通信部の無線出力を段階的に低下させる、上記()の列車座席情報提供システムである。
)本発明の一態様は、前記着座乗客認識部は、前記第2近距離無線通信部が検出した前記第1近距離無線通信部が発信した電波の受信強度の変化に基づいて、前記着座乗客が存在する方向を判断する、上記()又は()のいずれかの列車座席情報提供システムである。
)本発明の一態様は、前記端末装置は、撮像部を備え、前記着座乗客認識結果報知部は、前記撮像部が撮像した撮像画像に前記着座乗客認識処理の実行結果を重ね合わせて表示する、上記(1)の列車座席情報提供システムである。
【0007】
)本発明の一態様は、着座乗客登録装置と座席情報管理装置と端末装置とを備える列車座席情報提供システムの列車座席情報提供方法であって、前記着座乗客登録装置が、列車の車両において座席に着座した着座乗客の着座乗客属性情報と、前記列車における前記着座乗客の着座乗客位置情報とを関連付けて前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報送信ステップと、前記座席情報管理装置が、前記着座乗客登録装置から受信した前記着座乗客属性情報及び前記着座乗客位置情報を関連付けて着座乗客登録情報格納部に格納する着座乗客登録情報格納ステップと、前記端末装置が、前記列車における乗客の乗客位置情報を含む着座乗客情報要求メッセージを前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報要求ステップと、前記座席情報管理装置が、前記端末装置から受信した前記着座乗客情報要求メッセージに応じて、当該着座乗客情報要求メッセージに含まれる前記乗客位置情報に該当する前記着座乗客位置情報に関連付けられた前記着座乗客属性情報を前記端末装置へ送信する着座乗客登録情報送信ステップと、前記端末装置が、前記座席情報管理装置から受信した前記着座乗客属性情報に基づいて、前記着座乗客を認識するための着座乗客認識処理を実行する着座乗客認識ステップと、前記端末装置が、前記着座乗客認識処理の実行結果を報知する着座乗客認識結果報知ステップと、を含み、前記端末装置は、撮像部を備え、前記着座乗客認識ステップは、前記撮像部が撮像した撮像画像において、前記着座乗客属性情報に含まれる前記着座乗客の個人の特徴に基づいたマッチングを行う、列車座席情報提供方法であり、前記着座乗客属性情報は、前記着座乗客の年齢、性別又は身長を示す情報であり、前記着座乗客認識ステップは、前記撮像部が撮像した撮像画像に対して、前記着座乗客属性情報が示す年齢、性別又は身長に合致する被写体が存在するか否かを画像認識により判断する、列車座席情報提供方法である。
(7)本発明の一態様は、着座乗客登録装置と座席情報管理装置と端末装置とを備える列車座席情報提供システムの列車座席情報提供方法であって、前記着座乗客登録装置が、列車の車両において座席に着座した着座乗客の着座乗客属性情報と、前記列車における前記着座乗客の着座乗客位置情報とを関連付けて前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報送信ステップと、前記座席情報管理装置が、前記着座乗客登録装置から受信した前記着座乗客属性情報及び前記着座乗客位置情報を関連付けて着座乗客登録情報格納部に格納する着座乗客登録情報格納ステップと、前記端末装置が、前記列車における乗客の乗客位置情報を含む着座乗客情報要求メッセージを前記座席情報管理装置へ送信する着座乗客情報要求ステップと、前記座席情報管理装置が、前記端末装置から受信した前記着座乗客情報要求メッセージに応じて、当該着座乗客情報要求メッセージに含まれる前記乗客位置情報に該当する前記着座乗客位置情報に関連付けられた前記着座乗客属性情報を前記端末装置へ送信する着座乗客登録情報送信ステップと、前記端末装置が、前記座席情報管理装置から受信した前記着座乗客属性情報に基づいて、前記着座乗客を認識するための着座乗客認識処理を実行する着座乗客認識ステップと、前記端末装置が、前記着座乗客認識処理の実行結果を報知する着座乗客認識結果報知ステップと、を含む列車座席情報提供方法であり、前記着座乗客登録装置は前記着座乗客に携帯される装置であり、前記着座乗客登録装置は第1近距離無線通信部を備え、前記端末装置は、前記着座乗客属性情報に含まれる前記第1近距離無線通信部の通信識別情報を使用して前記第1近距離無線通信部に接続する第2近距離無線通信部と、前記第2近距離無線通信部の無線出力を制御する無線出力制御部と、を備え、前記無線出力制御部は、前記第2近距離無線通信部の無線出力を、前記列車の車両において前記端末装置を携帯する乗客が他の乗客を視認することができる範囲内に前記第2近距離無線通信部の通信可能範囲を制限する値に制御する、列車座席情報提供方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、列車の車両において座席の譲り合いを円滑に行うことに寄与することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る列車座席情報提供システムの構成例を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係る着座乗客登録情報格納部の構成例を示す図である。
図3】一実施形態に係る列車座席情報提供方法の手順の例を示すフローチャートである。
図4】一実施形態に係る列車座席情報提供方法の手順の例を示すフローチャートである。
図5】一実施形態に係る列車座席情報提供方法の手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る列車座席情報提供システムの構成例を示すブロック図である。図1に示される列車座席情報提供システムは、着座乗客登録装置100と座席情報管理装置200と端末装置300とを備える。
【0011】
[着座乗客登録装置]
着座乗客登録装置100は、列車の車両内に存在する装置である。着座乗客登録装置100は、列車の車両において座席に着座した乗客(以下、着座乗客と称する)の属性情報(以下、着座乗客属性情報と称する)と当該列車における当該着座乗客の位置情報(以下、着座乗客位置情報と称する)とを座席情報管理装置200へ登録する。本実施形態において、座席情報管理装置200に登録される対象の着座乗客は、列車の車両において座席に着座した乗客のうち、他の乗客に座席を譲る意思を持つ乗客である。
【0012】
着座乗客登録装置100は、セルラ通信部101と情報入力部102と列車内位置情報取得部103と着座乗客情報送信部104と近距離無線通信部105とを備える。着座乗客登録装置100は、例えば乗客が携帯するスマートフォンやタブレット型のコンピュータ(タブレットPC)等の携帯通信端末装置であってもよい。着座乗客登録装置100の各機能は、例えば携帯通信端末装置が備えるCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)がコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0013】
セルラ通信部101は、移動通信ネットワークを介して通信を行う。移動通信ネットワークは、例えばLTE(Long Term Evolution)やWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)(登録商標)等の無線通信方式のものである。着座乗客登録装置100は、セルラ通信部101により座席情報管理装置200と通信を行う。
【0014】
情報入力部102は、着座乗客の入力操作によって着座乗客属性情報の入力を受付ける。着座乗客属性情報は、着座乗客の個人情報を含む情報である。着座乗客の個人情報は、当該着座乗客の個人の特徴を表す情報であって、例えば、年齢、性別、身長、ニックネームなどである。ニックネームについては、適宜変更してもよい。例えば、情報入力部102は、ニックネームの入力時に、無作為にニックネームを生成するニックネーム生成機能を備えてもよい。
【0015】
また、情報入力部102は、着座乗客の入力操作によって着座乗客位置情報の入力を受付けてもよい。着座乗客は、着座乗客位置情報を入力する場合、自分が乗車している列車番号と自分が座っている座席の列車における位置を示す情報を入力する。着座乗客位置情報は、列車番号及び車両番号を含む情報である。さらには、着座乗客位置情報は、車両内のどの辺り例えば車両進行方向に向かって車両前方か車両後方かを示す情報を含んでもよい。例えば、情報入力部102は、着座乗客位置情報の入力メニューとして列車番号及び車両番号を運行情報(列車の路線名、停車駅及び停車予定時刻など)と共に選択形式で提示し、着座乗客が当該入力メニューから選択するようにしてもよい。
【0016】
列車内位置情報取得部103は、着座乗客位置情報を取得する。着座乗客位置情報の取得方法の例1,例2,例3を以下に示す。
【0017】
(着座乗客位置情報の取得方法の例1)
各車両内に無線LAN(Local Area Network)の基地局(アクセスポイント:AP)を備える。列車内位置情報取得部103は、自己が接続したAPの識別情報に対応付けられた列車番号及び車両番号をAP情報提供サーバから取得する。また、列車内位置情報取得部103は、自己が接続したAPから発信された電波の受信強度に基づいて、車両内の車両進行方向に向かって車両前方か車両後方かを示す情報を取得する。車両内のAPの位置は、AP情報提供サーバから取得する。なお、車両内に複数のAPを設けてもよい。例えば、車両進行方向に向かって車両前方と車両後方とにそれぞれ1つずつAPを設けてもよい。
【0018】
(着座乗客位置情報の取得方法の例2)
列車内位置情報取得部103は、GPS(Global Positioning System)を利用して、停車駅に停車時の自己の位置を示す位置情報を取得する。列車内位置情報取得部103は、当該取得した位置情報と当該位置情報の取得時刻とに基づいて、列車番号を列車情報提供サーバから取得する。また、列車内位置情報取得部103は、当該取得した位置情報と停車駅における当該列車の各車両の停車位置の情報とに基づいて、車両番号を列車情報提供サーバから取得する。また、列車内位置情報取得部103は、当該取得した位置情報と停車駅における当該列車の各車両の停車位置の情報とに基づいて、車両内の車両進行方向に向かって車両前方か車両後方かを示す情報を取得する。
【0019】
(着座乗客位置情報の取得方法の例3)
列車内位置情報取得部103は、他の着座乗客登録装置100との間で着座乗客位置情報を近距離無線通信により交換する座乗客位置情報交換機能を備える。列車内位置情報取得部103は、座乗客位置情報交換機能により、他の着座乗客登録装置100から着座乗客位置情報を取得する。
【0020】
なお、上述した着座乗客位置情報の取得方法の例1,例2,例3において、車両内の車両進行方向に向かって車両前方か車両後方かを示す情報については、車両内における列車の走行音に基づいて、車両内の車両進行方向に向かって車両前方か車両後方かを判断してもよい。
【0021】
着座乗客情報送信部104は、列車の車両において座席に着座した着座乗客の着座乗客属性情報と、当該列車における当該着座乗客の着座乗客位置情報とを関連付けて座席情報管理装置200へセルラ通信部101により送信する。なお、情報入力部102により着座乗客位置情報が入力された場合、列車内位置情報取得部103が取得した着座乗客位置情報と、情報入力部102により入力された着座乗客位置情報とのうちいずれを使用するのかは、着座乗客位置情報選択条件として予め設定される。例えば、着座乗客が誤って入力する可能性が懸念される場合には、列車内位置情報取得部103が取得した着座乗客位置情報を優先して使用するように、着座乗客位置情報選択条件を設定してもよい。
【0022】
近距離無線通信部105(第1近距離無線通信部)は、近距離無線通信を行う。近距離無線通信部105の通信識別情報(通信ID)は着座乗客情報送信部104へ通知される。着座乗客情報送信部104は、近距離無線通信部105の通信IDを着座乗客属性情報に含める。
【0023】
[座席情報管理装置]
座席情報管理装置200は、移動通信ネットワークを介してアクセスすることができる通信ネットワークに接続される装置である。座席情報管理装置200は、通信部201と着座乗客登録情報格納部202と着座乗客登録情報送信部203とを備える。座席情報管理装置200の各機能は、座席情報管理装置200が備えるCPUがコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、座席情報管理装置200として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、座席情報管理装置200は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成される。
【0024】
通信部201は、通信ネットワークを介して通信を行う。座席情報管理装置200は、通信部201により、着座乗客登録装置100及び端末装置300と通信を行う。
【0025】
着座乗客登録情報格納部202は、着座乗客登録装置100から受信した着座乗客属性情報及び着座乗客位置情報を関連付けて格納する。図2は、着座乗客登録情報格納部の構成例を示す図である。図2に示されるように、着座乗客登録情報格納部202は、列車番号ごとに、着座乗客のユーザ識別情報(ユーザID)と着座乗客属性情報と着座乗客位置情報とを関連付けて格納する。
【0026】
着座乗客登録情報送信部203は、着座乗客登録情報格納部202に格納された着座乗客属性情報を、当該着座乗客属性情報に関連付けられた着座乗客位置情報に該当する列車に乗車する乗客の端末装置300へ通信部201により送信する。例えば、着座乗客情報送信部104は、端末装置300から受信した着座乗客情報要求メッセージに応じて、当該着座乗客情報要求メッセージに含まれる列車番号及び車両番号に該当する着座乗客属性情報を着座乗客登録情報格納部202から取得し、当該取得した着座乗客属性情報を当該端末装置300へ応答する。
【0027】
[端末装置]
端末装置300は、列車に乗車する乗客に携帯される端末装置である。端末装置300は、セルラ通信部301と着座乗客情報要求部302と列車内位置情報取得部303と撮像部304と着座乗客認識部305と着座乗客認識結果報知部306と近距離無線通信部307と無線出力制御部308とを備える。端末装置300は、例えばスマートフォンやタブレットPC等の携帯通信端末装置であってもよい。端末装置300の各機能は、例えば携帯通信端末装置が備えるCPUがコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0028】
セルラ通信部301は、移動通信ネットワークを介して通信を行う。端末装置300は、セルラ通信部301により座席情報管理装置200と通信を行う。
【0029】
着座乗客情報要求部302は、乗客の着座乗客情報要求操作に応じて、着座乗客情報要求メッセージを座席情報管理装置200へセルラ通信部301により送信する。着座乗客情報要求メッセージは、乗客位置情報を含むメッセージである。乗客位置情報は、乗客が乗車する列車の列車番号及び車両番号を含む情報である。着座乗客情報要求メッセージに含める列車番号及び車両番号は、乗客が端末装置300を操作して入力してもよい。例えば、着座乗客情報要求部302は、着座乗客情報要求の入力メニューとして列車番号及び車両番号を運行情報(列車の路線名、停車駅及び停車予定時刻など)と共に選択形式で提示し、乗客が当該入力メニューから選択するようにしてもよい。
【0030】
列車内位置情報取得部303は、乗客位置情報である列車番号及び車両番号を取得する。乗客位置情報の取得方法は、上述した着座乗客位置情報の取得方法の例1,例2,例3と同様である。
【0031】
なお、着座乗客情報要求メッセージに含める列車番号及び車両番号が乗客の端末操作により入力された場合、列車内位置情報取得部303が取得した列車番号及び車両番号と、乗客の端末操作により入力された列車番号及び車両番号とのうちいずれを使用するのかは、予め設定される。例えば、乗客が誤って入力する可能性が懸念される場合には、列車内位置情報取得部303が取得した列車番号及び車両番号を優先して使用するようにしてもよい。
【0032】
撮像部304は、撮像した撮像画像を出力する。
【0033】
着座乗客認識部305は、座席情報管理装置200から受信した着座乗客属性情報に基づいて、着座乗客を認識するための着座乗客認識処理を実行する。
【0034】
着座乗客認識結果報知部306は、着座乗客認識部305による着座乗客認識処理の実行結果を報知する。
【0035】
近距離無線通信部307(第2近距離無線通信部)は、近距離無線通信を行う。着座乗客認識部305は、座席情報管理装置200から受信した着座乗客属性情報に含まれる通信IDを近距離無線通信部307へ通知する。近距離無線通信部307は、当該通知された通信IDを使用して着座乗客登録装置100の近距離無線通信部105に接続する。
【0036】
無線出力制御部308は、近距離無線通信部307の無線出力を制御する。
【0037】
次に図3図4及び図5を参照して本実施形態に係る列車座席情報提供方法を説明する。図3図4及び図5は、本実施形態に係る列車座席情報提供方法の手順の例を示すフローチャートである。
【0038】
まず図3を参照して着座乗客登録装置100の動作を説明する。
【0039】
(ステップS1) 情報入力部102は、着座乗客の入力操作により着座乗客属性情報の入力を受付ける。情報入力部102は、当該入力された着座乗客属性情報を着座乗客情報送信部104へ渡す。近距離無線通信部105は、自己の通信IDを着座乗客情報送信部104へ通知する。
【0040】
(ステップS2) 列車内位置情報取得部103は、着座乗客位置情報を取得する。列車内位置情報取得部103は、当該取得した着座乗客位置情報を着座乗客情報送信部104へ渡す。
【0041】
(ステップS3) 着座乗客情報送信部104は、情報入力部102から受け取った着座乗客属性情報及び近距離無線通信部105の通信IDを含む着座乗客属性情報と、列車内位置情報取得部103から受け取った着座乗客位置情報とを関連付けて座席情報管理装置200へセルラ通信部101により送信する。なお、情報入力部102により着座乗客位置情報が入力された場合、予め設定された着座乗客位置情報選択条件に基づいて、列車内位置情報取得部103から受け取った着座乗客位置情報と、情報入力部102により入力された着座乗客位置情報とのうちいずれを使用するのかが選択される。
【0042】
次に図4を参照して座席情報管理装置200の動作を説明する。
【0043】
(ステップS11) 座席情報管理装置200は、通信部201により、着座乗客登録装置100から着座乗客属性情報及び着座乗客位置情報を受信する。
【0044】
(ステップS12) 着座乗客登録情報格納部202は、着座乗客登録装置100から受信した着座乗客属性情報及び着座乗客位置情報を関連付けて、図2に例示されるように格納する。着座乗客登録情報格納部202は、着座乗客登録装置100から受信した着座乗客属性情報及び着座乗客位置情報を格納する時にユーザIDを割り当てる。
【0045】
(ステップS13) 座席情報管理装置200は、通信部201により、端末装置300から着座乗客情報要求メッセージを受信する。
【0046】
(ステップS14) 着座乗客情報送信部104は、端末装置300から受信した着座乗客情報要求メッセージに応じて、当該着座乗客情報要求メッセージに含まれる列車番号及び車両番号に該当する着座乗客属性情報を着座乗客登録情報格納部202から取得する。着座乗客情報送信部104は、当該取得した着座乗客属性情報を当該端末装置300へ応答する。
【0047】
次に図5を参照して端末装置300の動作を説明する。
【0048】
(ステップS21) 着座乗客情報要求部302は、乗客の着座乗客情報要求操作に応じて、着座乗客情報要求メッセージを座席情報管理装置200へセルラ通信部301により送信する。着座乗客情報要求メッセージは、当該乗客が乗車する列車の列車番号及び車両番号を含むメッセージである。
【0049】
(ステップS22) 端末装置300は、セルラ通信部301により、座席情報管理装置200から、着座乗客属性情報を含む応答メッセージを受信する。
【0050】
(ステップS23) 着座乗客認識部305は、座席情報管理装置200から受信した応答メッセージに含まれる着座乗客属性情報に基づいて、着座乗客を認識するための着座乗客認識処理を実行する。
【0051】
(ステップS24) 着座乗客認識結果報知部306は、着座乗客認識部305による着座乗客認識処理の実行結果(例えば、着座乗客の認識結果)を報知する。
【0052】
次に本実施形態に係る着座乗客認識方法の例を説明する。着座乗客認識部305は、座席情報管理装置200から受信した応答メッセージに含まれる着座乗客属性情報に基づいて、着座乗客を認識するための着座乗客認識処理を実行する。以下、着座乗客認識処理の方法(着座乗客認識方法)についていくつかの例を挙げて説明する。
【0053】
[着座乗客認識方法の例1]
着座乗客認識方法の例1では、撮像部304が撮像した撮像画像において、着座乗客属性情報に含まれる着座乗客の個人の特徴に基づいたマッチングを行うことにより、着座乗客を認識する。撮像部304は、列車の車両内において端末装置300の周辺を撮像する。着座乗客認識部305は、撮像部304が撮像した撮像画像において、着座乗客属性情報に含まれる着座乗客の個人の特徴に基づいたマッチングを行う。例えば、着座乗客認識部305は、撮像部304が撮像した撮像画像に対して、着座乗客属性情報が示す年齢、性別、身長などの着座乗客の個人の特徴に類似する人物像に合致する被写体が存在するか否かを画像認識により判断する。着座乗客認識結果報知部306は、着座乗客認識部305によるマッチングが成功した場合にその旨を報知する。例えば、着座乗客認識結果報知部306は、端末装置300の画面表示、音声やアラーム音の再生又は振動発生などによって当該マッチングの成功を報知する。これにより、端末装置300を携帯する乗客が、他の乗客に座席を譲る意思を持つ着座乗客を容易に認識することができる効果が得られる。
【0054】
[着座乗客認識方法の例2]
着座乗客認識方法の例2では、近距離無線通信部307が着座乗客登録装置100の近距離無線通信部105に接続する動作における通信接続状況に基づいて、着座乗客を認識する対象の認識範囲を決定する。着座乗客認識部305は、座席情報管理装置200から受信した着座乗客属性情報に含まれる通信IDを近距離無線通信部307へ通知する。近距離無線通信部307は、当該通知された通信IDを使用して着座乗客登録装置100の近距離無線通信部105に接続する動作を開始する。近距離無線通信部307は、当該着座乗客登録装置100の近距離無線通信部105に接続することが成功すると、当該通信接続の成功を着座乗客認識部305へ通知する。また、近距離無線通信部307は、当該着座乗客登録装置100の近距離無線通信部105との通信接続が断すると、当該通信接続の断を着座乗客認識部305へ通知する。着座乗客認識部305は、近距離無線通信部307から通知された通信接続状況「通信接続の成功」及び「通信接続の断」に基づいて、着座乗客を認識する対象の認識範囲を決定する。具体的には、「通信接続の成功」が通知された端末装置300の位置から「通信接続の断」が通知された端末装置300の位置までの範囲を着座乗客を認識する対象の認識範囲に決定する。着座乗客認識結果報知部306は、端末装置300が着座乗客を認識する対象の認識範囲内に存在する場合にその旨を報知する。例えば、着座乗客認識結果報知部306は、端末装置300の画面表示、音声やアラーム音の再生又は振動発生などによって当該認識範囲内に存在することを報知する。これにより、端末装置300を携帯する乗客は、他の乗客に座席を譲る意思を持つ着座乗客をやみくもに探す場合に比して効率的に当該着座乗客を探すことができる。
【0055】
なお、着座乗客認識方法の例1に着座乗客認識方法の例2を適用し、着座乗客認識部305は、着座乗客を認識する対象の認識範囲内で撮像部304が撮像した撮像画像において、着座乗客属性情報に含まれる着座乗客の個人の特徴に基づいたマッチングを行ってもよい。
【0056】
[着座乗客認識方法の例3]
着座乗客認識方法の例3では、上記した着座乗客認識方法の例2において、近距離無線通信部307の無線出力を、列車の車両において端末装置300を携帯する乗客が他の乗客を視認することができる範囲内に近距離無線通信部307の通信可能範囲を制限する値(以下、無線出力制限値と称する)に制御する。無線出力制御部308は、近距離無線通信部307の無線出力を、無線出力制限値に制御する。無線出力制限値は、予め端末装置300に設定される。これにより、列車の車両において端末装置300を携帯する乗客が他の乗客を視認することができる範囲内に存在する場合には、近距離無線通信部307と着座乗客登録装置100の近距離無線通信部105との接続が成功するが、当該乗客が当該範囲外に存在する場合には近距離無線通信部307と着座乗客登録装置100の近距離無線通信部105との接続が成功しない。したがって、着座乗客認識部305が着座乗客を認識する対象の認識範囲が、列車の車両において端末装置300を携帯する乗客が他の乗客を視認することができる範囲内に限定される。これにより、端末装置300を携帯する乗客が、他の乗客に座席を譲る意思を持つ着座乗客を容易に視認することができる。
【0057】
なお、無線出力制限値に上限値及び下限値を設け、無線出力制御部308は、無線出力制限値の上限値から下限値までの範囲内で、近距離無線通信部307の無線出力を変化させてもよい。例えば、無線出力制御部308は、無線出力制限値の上限値から下限値まで段階的に、近距離無線通信部307の無線出力を低下させる。これにより、端末装置300を携帯する乗客を、他の乗客に座席を譲る意思を持つ着座乗客が着座する座席の位置へ誘導することができる。
【0058】
また、着座乗客認識部305は、近距離無線通信部307が検出した着座乗客登録装置100の近距離無線通信部105が発信した電波の受信強度の変化に基づいて、着座乗客が存在する方向を判断してもよい。着座乗客認識結果報知部306は、着座乗客認識部305が判断した着座乗客が存在する方向を報知する。例えば、着座乗客認識結果報知部306は、端末装置300の画面表示又は音声の再生などによって着座乗客が存在する方向を報知する。これにより、端末装置300を携帯する乗客は、他の乗客に座席を譲る意思を持つ着座乗客が列車の車両内の前方に存在するのか又は後方に存在するのかを認識して効率的に当該着座乗客を探すことができる。
【0059】
また、着座乗客認識方法の例1に着座乗客認識方法の例3を適用し、着座乗客認識部305は、無線出力制御部308が近距離無線通信部307の無線出力を無線出力制限値に制御し且つ着座乗客を認識する対象の認識範囲内において撮像部304が撮像した撮像画像において、着座乗客属性情報に含まれる着座乗客の個人の特徴に基づいたマッチングを行ってもよい。
【0060】
[着座乗客認識方法の例4]
着座乗客認識方法の例4では、着座乗客認識結果報知部306は、撮像部304が撮像した撮像画像に着座乗客認識部305が認識した結果を重ね合わせて表示する。この重ね合わせには、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を適用してもよい。撮像部304が撮像した撮像画像に着座乗客認識部305が認識した結果をAR技術により重ね合わせて表示することによって、端末装置300を携帯する乗客は、実際の車両内の映像を見ながら、他の乗客に座席を譲る意思を持つ着座乗客を容易に探すことができる。
【0061】
また、着座乗客認識方法の例1、例2又は例3に着座乗客認識方法の例4を適用してもよい。
【0062】
次に本実施形態に係る座席情報管理装置200の変形例を説明する。
【0063】
(変形例1)
変形例1では、座席情報管理装置200は、同じ列車番号且つ同じ車両番号を含む着座乗客情報要求メッセージを複数の乗客の端末装置300から受信した場合、当該列車番号及び車両番号に該当する着座乗客属性情報を送信する送信先として、特定属性を有する乗客の端末装置300を優先して選択する。着座乗客情報要求メッセージには、乗客の属性が含められる。特定属性として、身体が不自由な人、高齢者、妊婦などが挙げられる。
【0064】
(変形例2)
変形例2では、座席情報管理装置200は、同じ列車番号且つ同じ車両番号を含む着座乗客情報要求メッセージを複数の乗客の端末装置300から受信した場合、当該列車番号及び車両番号に該当する着座乗客属性情報を送信する送信先として、より大きい対価を提示した乗客の端末装置300を優先して選択する。
【0065】
以上が本実施形態に係る座席情報管理装置200の変形例の説明である。
【0066】
上述した実施形態によれば、端末装置300を携帯する乗客が列車の車両内において他の乗客に座席を譲る意思を持つ着座乗客を容易に認識することができる。これにより、列車の車両において座席の譲り合いを円滑に行うことに寄与することができるという効果が得られる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0068】
上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0069】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0070】
100…着座乗客登録装置、101…セルラ通信部、102…情報入力部、103…列車内位置情報取得部、104…着座乗客情報送信部、105…近距離無線通信部、200…座席情報管理装置、201…通信部、202…着座乗客登録情報格納部、203…着座乗客登録情報送信部、300…端末装置、301…セルラ通信部、302…着座乗客情報要求部、303…列車内位置情報取得部、304…撮像部、305…着座乗客認識部、306…着座乗客認識結果報知部、307…近距離無線通信部、308…無線出力制御部
図1
図2
図3
図4
図5