(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】クラッド化アルミニウム合金を使用した強化された抵抗スポット溶接
(51)【国際特許分類】
B23K 11/11 20060101AFI20220517BHJP
【FI】
B23K11/11 540
(21)【出願番号】P 2019520155
(86)(22)【出願日】2017-10-20
(86)【国際出願番号】 US2017057613
(87)【国際公開番号】W WO2018075904
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2019-04-12
(32)【優先日】2016-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100088801
【氏名又は名称】山本 宗雄
(72)【発明者】
【氏名】シャオ・チャイ
(72)【発明者】
【氏名】フリオ・マルピカ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイニー・アーメッド
(72)【発明者】
【氏名】シリル・ブザンソン
(72)【発明者】
【氏名】コッラード・バッシ
(72)【発明者】
【氏名】イェルク・ジモン
【審査官】黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-160130(JP,A)
【文献】特表2013-501628(JP,A)
【文献】特開平06-007955(JP,A)
【文献】特表2015-503448(JP,A)
【文献】特開2008-105087(JP,A)
【文献】特開平8-10964(JP,A)
【文献】特開平6-7957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 11/00 - 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗スポット溶接の方法であって、
2つの電極間に第1の金属シートおよび第2の金属シートを位置決めすることであって、前記第1の金属シートの少なくとも一部分が、前記2つの電極間で前記第2の金属シートの一部分と重なり合い、前記第1の金属シートおよび第2の金属シートがアルミニウム合金を含
むことと、
前記2つの電極を一緒にクランプして前記電極が前記第1の金属シートおよび前記第2の金属シートの対向面に接触することと、
前記2つの電極を介して前記第1の金属シートおよび前記第2の金属シートに電流を印加して、前記第1の金属シートを前記第2の金属シートと結合するように、最小溶接サイズを有する溶接部を形成することであって、前記電流が、溶接エンベロープ内にあり、前記溶接エンベロープが、前記最小溶接サイズを形成するために十分な最小電流、および金属散りおよび/または面亀裂が起こる最大電流を含むことと、を含む、方法
であって、
前記第1の金属シートが第1のアルミニウム合金のコアと、前記第1のアルミニウム合金とは異なる第2のアルミニウム合金の少なくとも1つの外側層と、を含む溶解合金であり、かつ
前記第2の金属シートがモノリシックアルミニウムシートを含む、
ことを特徴とする抵抗スポット溶接の方法。
【請求項2】
前記第1のアルミニウム合金が、1xxxシリーズのアルミニウム合金、2xxxシリーズのアルミニウム合金、3xxxシリーズのアルミニウム合金、4xxxシリーズのアルミニウム合金、5xxxシリーズのアルミニウム合金、6xxxシリーズのアルミニウム合金、7xxxシリーズのアルミニウム合金、8xxxシリーズのアルミニウム合金、または高亜鉛レベルを有するろう付け系合金からなる群から選択され、前記第2のアルミニウム合金が、前記第1のアルミニウム合金とは異なる1xxxシリーズのアルミニウム合金、2xxxシリーズのアルミニウム合金、3xxxシリーズのアルミニウム合金、4xxxシリーズのアルミニウム合金、5xxxシリーズのアルミニウム合金、6xxxシリーズのアルミニウム合金、7xxxシリーズのアルミニウム合金、8xxxシリーズのアルミニウム合金、または高亜鉛レベルを有するろう付け系合金からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のアルミニウム合金が、6014アルミニウム合金、6111アルミニウム合金、および6451アルミニウム合金からなる群から選択され、前記第2のアルミニウム合金が、4045アルミニウム合金である、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のアルミニウム合金が、前記溶解合金の厚さの80%~90%であり、前記第2のアルミニウム合金が、前記溶解合金の前記厚さの10%~20%であり、前記第2のアルミニウム合金が、前記溶解合金の前記厚さの10%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1項に記載の方法による溶接部の形成方法。
【請求項6】
第1の金属シートと第2の金属シートとの間に抵抗スポット溶接により形成された溶接部であって、前記第1の金属シートの少なくとも一部が前記第2の金属シートの一部分と重なり合い、前記第1の金属シートおよび第2の金属シートがアルミニウム合金を含み、前記第1の金属シー
トが、第1のアルミニウム合金のコアと、前記第1のアルミニウム合金とは異なる第2のアルミニウム合金の少なくとも1つの外側層と、を含む、溶解合金であ
り、前記第2の金属シートがモノリシックアルミニウムシートを含む、溶接部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
これは、「ENHANCED RESISTANCE SPOT WELDING USING CLADDED ALUMINUM ALLOYS」と題する、2016年10月21日に提出された米国仮特許出願公開第62/411,196号の利益を主張し、本開示のその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、抵抗スポット溶接に関し、より具体的には、多合金金属シートの抵抗スポット溶接に関する。
【背景技術】
【0003】
金属製造は、金属シートまたは金属合金シートを一緒に溶接して、最終製品の様々な部品または構成要素を形成することを包含し得る。例えば、抵抗スポット溶接(「RSW」)を含む様々な技術またはプロセスを使用して、金属シートを溶接することができる。RSWは、複数の電極間に金属シートを位置決めすることと、電極を使用して、金属シートにクランプ力および電流を印加することと、を包含し得る。電流に対する金属シートの抵抗から生成される熱は、電極からのクランプ力と共に、金属シートを金属間層で結合するために使用することができ、これは一般に溶接ナゲットとして知られている。
【発明の概要】
【0004】
本特許で使用される「発明(invention)」「その発明(the invention)」、「この発明(this invention)」、および「本発明(the present invention)」という用語は、この特許の主題の全ておよび以下の特許請求の範囲を広く指すことを意図している。これらの用語を含む言明は、本明細書に記載された主題を限定するものではなく、または以下の特許請求の範囲の意味もしくは範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。この特許に含有される本発明の実施例は、この概要ではなく、以下の特許請求の範囲によって規定される。この概要は、本発明の様々な実施例のハイレベルな概観であり、以下の詳細な説明の項でさらに説明される概念のいくつかを紹介するものである。本概要は、特許請求された主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図していない。主題は、本特許の明細書全体の適切な部分、任意のまたは全ての図面、および各請求項を参照することによって理解されるべきである。
【0005】
いくつかの例では、抵抗スポット溶接の方法は、2つの電極間に第1の金属シートおよび第2の金属シートを位置決めすることを含む。いくつかの態様では、第1の金属シートの少なくとも一部分は、2つの電極間で第2の金属シートの一部分に重なり合う。様々な例では、第1の金属シートおよび第2の金属シートのうちの少なくとも一方は、コアと少なくとも1つの外側層とを含む溶解合金である。コアは、第1のアルミニウム合金を含み、少なくとも1つの外側層は、第1のアルミニウム合金とは異なる第2のアルミニウム合金を含む。他の態様では、方法は、第1の金属シートおよび第2の金属シートの対向面に2つの電極を位置決めすることも含む。
【0006】
他の例では、この方法は、2つの電極を介して第1の金属シートおよび第2の金属シートに少なくとも最小電流を印加して、第1の金属シートを第2の金属シートと結合するための最小溶接サイズを有する溶接部を形成することを含む。様々な例では、最小電流は、第1のアルミニウム合金および第2のアルミニウム合金を溶融させるために十分な電流である
【0007】
他の例では、この方法は、2つの電極を介して第1の金属シートおよび第2の金属シートに電流を印加して、第1の金属シートを第2の金属シートと結合するように、最小溶接サイズを有する溶接部を形成することを含む。これらの例では、電流は、溶接エンベロープ内にあり、溶接エンベロープは、最小溶接サイズを形成するために十分な最小電流、ならびに金属散りおよび/または面亀裂が起こる最大電流を含む。
【0008】
他の様々な例では、第1の金属シートおよび第2の金属シートとの間に形成された溶接部が開示されている。第1の金属シートおよび第2の金属シートの少なくとも一方は、第1のアルミニウム合金のコアと、第1のアルミニウム合金とは異なる第2のアルミニウム合金の少なくとも1つの外側層と、を含む溶解合金である。
【0009】
本開示に記載された様々な実施は、付加的なシステム、方法、特徴、および利点を含むことができ、これらを、必ずしも本明細書に明白に開示することができるわけではないが、以下に続く詳細な説明および添付の図面を考察した場合、当業者には明らかであろう。全てのそのようなシステム、方法、特徴、および利点は、本開示内に含まれ、添付の請求項によって保護されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下の図面の特徴および構成要素は、本開示の一般的な原則を強調するために図示される。図面全体にわたって、対応する特徴および構成要素は、一貫性および明瞭性のために参照番号を一致させることによって指定することができる。
【0011】
【
図1A】本開示の一例によるRSWプロセスの一例を示す図である。
【
図1B】本開示の一例によるRSWプロセスのステップを示す図である。
【
図1C】
図1Bに示されるようなRSWプロセスの異なるステップでの溶解合金溶接のサンプルの金属切断部から撮影された走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【
図2A】モノリシック溶接の溶接エンベロープを示すチャートである。
【
図2B】本開示の一例による溶解合金溶接部の溶接エンベロープを示すチャートである。
【
図3A】モノリシック溶接の溶接成長曲線を示すチャートである。
【
図3B】本開示の一例による溶解合金溶接部の溶接成長曲線を示すチャートである。
【
図3C】本開示の一例によるモノリシック/溶解溶接部の溶接成長曲線を示すチャートである。
【
図4A】溶解合金溶接のサンプルの金属切断部から撮影したSEM写真である。
【
図4B】モノリシック溶接のサンプルの金属切断部から撮影したSEM写真である。
【
図4C】
図4AのボックスAから撮影した拡大SEM写真である。
【
図5A】モノリシック溶接の引張試験を示すチャートである。
【
図5B】溶解合金溶接の引張試験を示すチャートである。
【
図6】モノリシック溶接の溶接成長と溶解合金溶接の溶接成長を示すチャートである。
【
図7】モノリシック溶接部および溶解合金溶接部の微小硬さをマッピングするチャートである。
【
図8】本開示の一態様によるモノリシック溶接部および溶解合金溶接部の溶接強度を示すチャートである。
【
図9】本開示の一態様による、モノリシック溶接の溶接成長および溶解合金溶接の溶接成長を示すSEM写真を含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の例の主題は、法定要件を満たすために、限定的に本明細書に記載されるが、この説明は必ずしも特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求される主題は、他の方法で具体化されてもよく、異なる要素またはステップを含んでいてもよく、他の既存または将来の技術と一緒に使用されてもよい。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記載されている場合を除いて、様々なステップまたは要素の間(3つ以上の間または2つの間)に任意の特定の順序または配置を意味するものと解釈されるべきではない。
【0013】
図1Aは、第2の金属シート104への第1の金属シート102の強化抵抗スポット溶接(RSW)のための例示的なシステム100を示す。様々な例では、第1の金属シート102は、コア106と、コアの組成とは異なる組成を有する少なくとも1つの外側層108(すなわち、「溶解合金」)とを含むアルミニウムクラッド化合金シートである。溶解合金は、Fusion(商標)鋳造、圧延クラッド化、または任意の他の好適な方法によって形成され得る。いくつかの例では、コア106は、1xxxシリーズのアルミニウム合金、2xxxシリーズのアルミニウム合金、3xxxシリーズのアルミニウム合金、4xxxシリーズのアルミニウム合金、5xxxシリーズのアルミニウム合金、6xxxシリーズのアルミニウム合金、7xxxシリーズのアルミニウム合金、8xxxシリーズのアルミニウム合金、または高亜鉛レベルを有するろう付け系合金であり得る。いくつかの非限定的な例では、コア106は、6014アルミニウム合金、6016アルミニウム合金、6111アルミニウム合金、6451アルミニウム合金、または他の様々な種類のアルミニウム合金であり得る。
【0014】
1つ以上の外側層108は、コア106のアルミニウム合金とは異なる組成を有するアルミニウム合金である。いくつかの例では、外側層108は、1xxxシリーズのアルミニウム合金、2xxxシリーズのアルミニウム合金、3xxxシリーズのアルミニウム合金、4xxxシリーズのアルミニウム合金、5xxxシリーズのアルミニウム合金、6xxxシリーズのアルミニウム合金、7xxxシリーズのアルミニウム合金、8xxxシリーズのアルミニウム合金、または高亜鉛レベルを有するろう付け系合金を含む群から選択される。ろう付け系合金は、約80%の亜鉛を含有し、残部がアルミニウムである亜鉛系ろう付け材料などの、アルミニウム合金のろう付けにフィラー材料を使用できることを意味する。他の様々なろう付け合金を使用することができる。非限定的な一例では、少なくとも1つの外側層108は、4045アルミニウム合金である。別の非限定的な例では、少なくとも1つの外側層108は、1050アルミニウム合金である。いくつかの例では、コア106のアルミニウム合金は、少なくとも1つの外側層108のアルミニウム合金の融点よりも高い融点を有する。いくつかの例では、コア106のアルミニウム合金は、1つ以上の外側層108のアルミニウム合金の融点よりも低い融点を有する。他の様々な例では、コア106のアルミニウム合金は、1つ以上の外側層108のアルミニウム合金の融点にほぼ等しい融点を有する。以下に詳細に説明するように、いくつかの例では、コア106の溶融温度より低い溶融温度を有する外側層108を有する溶解合金は、最小溶接サイズを形成するために必要な溶接電流の量を減少させることができる。
【0015】
特定の場合では、1つ以上の外側層108は、第1の金属シート102の厚さの約0~50%、例えば厚さの約5~45%または厚さの約10~40%または厚さの約15~35%を構成する。いくつかの例では、1つ以上の外側層108は、第1の金属シート102の厚さの約20%を構成する。
【0016】
第1の金属シート102の非限定的な一例では、コア106のアルミニウム合金は6014アルミニウム合金であり、1つ以上の外側層のアルミニウム合金は、4045アルミニウム合金である。第1の金属シート102の別の非限定的な例では、コア106のアルミニウム合金は6111アルミニウム合金であり、1つ以上の外側層108のアルミニウム合金は、4045アルミニウム合金である。第1の金属シート102のさらなる非限定的な例では、コア106のアルミニウム合金は6451アルミニウム合金であり、1つ以上の外側層108のアルミニウム合金は、4045アルミニウム合金である。
【0017】
いくつかの例では、第2の金属シート104は、モノリシック合金(鋼、アルミニウムなど)、圧延接合合金、他の溶解合金、または第1の金属シート102に溶接される他の様々な種類の金属シートであり得る。非限定的な一例では、第1の金属シート102は、溶解合金であり、第2の金属シート104は、鋼を含む。非限定的な一例では、第2の金属シート104は、亜鉛コーティングを有する鋼である。別の非限定的な例では、第1の金属シート102と第2の金属シート104の両方は、溶解合金である。さらなる非限定的な一例では、第1の金属シート102は、溶解合金であり、第2の金属シート104は、アルミニウム合金である。さらに別の非限定的な一例では、第1の金属シート102は、溶解合金であり、第2の金属シート104は、圧延接合合金である。
【0018】
第1の金属シート102を第2の金属シート104に溶接するために、第1の金属シート102および第2の金属シート104が少なくとも部分的に重なり合うように、第1の金属シート102の少なくとも一部分および第2の金属シート104の少なくとも一部分は、少なくとも2つの電極110の間に位置決めされる。任意の好適な数の電極110を使用することができる。電極110は、
図1Aに示されるように、電極110が第1の金属シート102および第2の金属シート104の対向面と接触するように、一緒にクランプされる。電極110を介して電流を印加して溶接部を形成する。
【0019】
図1Bは、第1の金属シート102と第2の金属シート104の両方が溶解合金であるRSWプロセスのステップの非限定的な例を示す。ステップ1において、電極110を一緒にクランプして電流を印加する。2つの外側層108の間の界面で熱が発生し、外側層108が最初に変形して小さな溶接ナゲット112を形成する。ステップ2では、コア106に対する外側層108の溶融温度がより低いために、溶接ナゲット112が外側層108内で成長して伸びる。ステップ3では、コア106が溶融し始めるように、外側層108とコア106との界面で十分な熱が発生する。ステップ4において、ナゲット112は、コア106と外側層108の両方に広がる。
図1Cは、第1の金属シートおよび第2の金属シートの両方が溶解合金であるRSWプロセス中のステップ1~4での溶接部112の成長の非限定的な例のSEM写真である。
【0020】
様々な例では、印加される電流は、第1の金属シート102を第2の金属シート104と結合するための最小溶接サイズ(MWS)を有する溶接部を形成するための少なくとも最小電流である。MWSは、4√tとして定義され、ここでt、は支配的な金属の厚さの厚さである。2つのアルミニウム合金シートの積み重ねにおいて、支配的な金属の厚さは、一般に最も薄いシートである。3つのアルミニウム合金シートの積み重ねにおいて、支配的な金属の厚さは、一般に中央のシート厚さである。様々な例では、厚さは、RSW技術に好適な任意の厚さであり得る。非限定的な一例として、厚さは、約0mm超~約4mmであり得る。いくつかの例では、電流は、約50ミリ秒~2秒の間印加される。1つの非限定的な例として、電流は、1.0mmのatに対して、約50ミリ秒~約150ミリ秒印加することができる。別の非限定的な例では、電流は、約400ミリ秒~約2秒印加することができる。
【0021】
様々な場合において、最小電流は、溶解合金のコア106を形成するアルミニウム合金および溶解合金の1つ以上の外側層108を形成するアルミニウム合金を溶融するために十分な電流である。いくつかの例では、電流は、最小溶接サイズ(MWS)を形成するために十分な最小電流、および最小溶接サイズを形成するために十分な最大電流を有する溶接エンベロープ内の電流である。これらの例では、最大電流は、金属散りおよび/または面亀裂が発生する可能性がある部分である。様々な例では、金属シート102および104の少なくとも1つが溶解合金である金属シート102および104の溶接エンベロープのサイズは、金属散り、面亀裂、または溶接部の他の欠陥の発生なしに大きな溶接ナゲットを得るために改善される。
【0022】
図2A~Bは、本開示による例示的な溶解合金の改善された溶接エンベロープを示すチャートである。これらの実施例では、モノリシックシートの溶接エンベロープ(2つの溶接された6014アルミニウム合金シートからなる)(
図2A)は、溶解合金シートの溶接エンベロープ(6014アルミニウム合金コアおよび4045アルミニウム合金外側層を各々有する2つの溶接された溶解合金シートからなる)と比較することができる(
図2B)。
図2Aのモノリシックシートおよび
図2Bの溶解合金シートは、両方とも1.0mmの厚さを有し、約550~650Lbfの電極力が両方のシートに印加された。示されるように、チャートは、溶接時間(ミリ秒)、印加電流(kA)、およびMWSの下に溶接が形成されたかどうか(「~」で示される)少なくともMWSを有する溶接が達成されたかどうか(「○」で示される)、散りが起ったかどうか(「X」で示される)、面亀裂が起こったか否か(「△」で示される)の指標を含む。
【0023】
溶接エンベロープは、5つの溶接を得るために各時間期間に各レベルの電流を5回印加することによって形成され、溶接サイズの平均が代表的な溶接サイズとして使用された。5つの溶接部のうちの1つが散りまたは面亀裂を有していた場合、現在および時間の組み合わせは、それぞれ散りまたは面亀裂として記録された。溶接エンベロープは、一般に、MWSを有する溶接部が得られる範囲の電流および溶接時間の組み合わせを指す。
図2Aにおいて、曲線202は、モノリシックシートのための溶接エンベロープの開始、またはMWSとの溶接が得られる電流および時間の組み合わせを表し、曲線204は、モノリシックシートのための溶接エンベロープの端部、または面亀裂および散りのような欠陥が発生した後の電流と時間の組み合わせを表す。同様に、
図2Bにおいて、曲線206は、溶解合金シートのための溶接エンベロープの開始、またはMWSとの溶接が得られる電流および時間の組み合わせを表し、曲線208は、溶解合金シートのための溶接エンベロープの端部、または面亀裂および散りのような欠陥が発生した後の電流と時間の組み合わせを表す。
【0024】
図示のように、
図2Bの溶解合金シートの溶接エンベロープは、
図2Aのモノリシックシートの溶接エンベロープに対して増加している。この態様では、モノリシックシートと比較して、溶解合金シートでより多数の電流および溶接時間を利用して、散り、面亀裂、または他の欠陥のない溶接を達成することができる。場合によっては、
図2Aのモノリシックシートの溶接エンベロープと比較したとき、
図2Bの溶解合金シートの溶解エンベロープは、約3kA増加した。
【0025】
図3A~Cは、溶解シートの溶接成長曲線(
図3B)およびモノリシック/溶解シートの溶接成長曲線(
図3C)と比較した、モノリシックシートの溶接成長曲線(
図3A)の非限定的な例を示す。
図3A~Cの各々において、溶接成長曲線および溶接エンベロープ(または溶接範囲)は、様々な溶接サイズ4√t(MWS)、5√tおよび6√tについて示されており、ここで、上記のように、tは、支配的な金属厚の厚さである。これらの非限定的な例では、モノリシックシートは、2枚の溶接された6111アルミニウム合金シートからなり(
図3A)、溶解合金シートは、各々が6111アルミニウムコアと4045アルミニウム合金外側層とを有する2つの溶接されたシートからなり(
図3B)、モノリシック/溶解シートは、6111アルミニウム合金コアと4045アルミニウム外側層とを有する溶解合金シートに溶接された1つのモノリシック6111アルミニウム合金シートからなる(
図3C)。シートは、全て2.0mmの厚さである。これらの図の黄色いバーは、面亀裂の発生を示している。
【0026】
図3Aを参照すると、この例では、モノリシックシートは、MWSを有する溶接部を作成するために少なくとも38kAの電流を必要とした。このモノリシックシートの溶接エンベロープ(もしくは溶接範囲)302は、約38から41kA~約38から40kAであり、または溶接範囲は、約2kA~約3kAの範囲であった。
図3Bを参照すると、この例では、溶解シートは、MWSを有する溶接部を作成するために少なくとも30kAの溶接電流を必要とした。この溶解シートの溶接エンベロープ304は、約28から38kA~約30から38kAであり、または溶接範囲は、約8~約10kAの範囲であった。
図3Cを参照すると、この例では、モノリシック/溶解シートは、MWSを有する溶接部を作成するために少なくとも約34kA~約35kAの溶接電流を必要とした。溶接エンベロープ306は、約34から41kA~約35から41kAであり、または溶接範囲は、約6~約7kAの範囲であった。
【0027】
したがって、図示のように、溶解シート(
図3B)は、より大きい溶接エンベロープ304を有し、モノリシックシート(
図3A)およびモノリシック/溶解シート(
図3C)と比較して、低い溶接電流で、MWS以上でより大きい溶接サイズを得た。モノリシック/溶解シート(
図3C)は、より大きい溶接エンベロープ306を有し、モノリシックシート(
図3A)比較して、低い溶接電流でMWS以上でより大きい溶接サイズを得た。増加した溶接範囲または溶接エンベロープは、溶解合金のRSWが、モノリシックシートと比較してよりマージンを有するので、より良好な溶接堅牢性に寄与する。一例として、より多くの溶接電流を利用して好適な溶接を作成することができる。加えて、溶解シートに必要とされる最小溶接電流の減少は、エネルギーおよびコストの節約をユーザに提供することができる。
【0028】
金属シート102および104の少なくとも1つが溶解合金シートである場合、金属シート102および104のRSWを介して形成された溶接部もまた、金属シート内の溶け込みを低減しながらMWSを得ることができる。いくつかの態様では、溶接部の低減された溶け込みは、電極110の先端寿命の向上に寄与する。場合によっては、溶解合金シートの外側層108のより低い溶融温度が溶接部内の温度分布および熱放散を変化させる可能性があり、それが溶け込みの減少を引き起こす可能性がある。場合によっては、RSW中の溶解シートの電極-外側層界面の温度が低下する可能性があり、これにより電極の先端寿命がさらに延びる可能性がある。場合によっては、溶解合金シートの1つ以上の外側層108は、シリコーンを含み、それは、アルミニウムはシリコーンよりも銅とより容易に接合するので、1つ以上の外側層108と電極110との間の拡散を低減させ、したがって、電極の先端寿命を延ばす。いくつかの例では、溶解で使用される電極は、モノリシックで使用される電極と比較して、金属の拾い上げ(metal pick up)および浸食が少ない(したがって劣化が少ない)ので、溶解合金シート内に溶接部を形成するために使用される電極の先端寿命は、モノリシックシート内に溶接部を形成するために使用される電極の先端寿命に対して予想外に改善された。
【0029】
図4A~Bは、溶接ナゲットの非限定的な例のSEM写真であり、モノリシックシートと比較した場合の溶解合金シートにおける溶接部の溶け込みを示す。これらの図において、6014アルミニウム合金モノリシックシート中の溶接ナゲット(
図4A)は、6014アルミニウム合金コアおよび4045アルミニウム合金外側層を有する溶解合金中の溶接ナゲット(
図4B)と比較することができる。図示のように、
図4Aの溶解合金の溶接は、よりパンケーキ形状であり、その結果、
図4Aの溶解合金内の溶接部の溶け込みは、
図4Bのモノリシック合金シート内の溶接部の溶け込みよりも小さい。溶接部の直径は、溶接部の溶け込みよりも溶接部の強度に影響を与えると考えられている。
図4Bはまた、
図4Bの溶解合金の溶接断面上に気孔がどのように見られないかを示す。
図4Cは、
図4Aの溶接部の丸で囲まれた領域Aの詳細図である。
図4Cに示すように、いくつかの例では、溶解合金で形成された溶接部は、金属シートに現れる亀裂402または他の欠陥を硬化または充填することがある。場合によっては、溶解層の1つ以上の外側層108は、より低い融点を有し、したがって亀裂に溶け込んで亀裂402を修復または除去する溶融アルミニウムのプールを生成する。場合によっては、コア106と外側層108との間に得られる混合物は、凝固亀裂の感受性を低減するのを助けるであろう(モノリシックの溶接部と比較して)異なる組成を有するであろう。例えば、かつ限定することなく、いくつかの例では、より高いケイ素含有量は、亀裂を低減することを助けることができる。他の例では、溶解合金の溶接から生じる他の様々な組成が亀裂を減少させることがある。このように、溶解合金を溶接することは、モノリシックシートを溶接することと比較して、面亀裂または散りの発生なしにより大きい溶接サイズを可能にする。
【0030】
図5A~Bは、6014アルミニウム合金モノリシックシート(
図5A)と6014アルミニウム合金コアおよび4045アルミニウム合金外側層を有する溶解合金(
図5B)の両方に対する溶接引張荷重の引張試験の結果を示すチャートである。新しい電極から始めて、両方の金属シートに100個の溶接が行われた。モノリシックシートと溶解合金シートの両方に形成された溶接部は、引張荷重の変動がほとんどなかった。例えば、モノリシックシートでは、平均引張荷重は1917Nであり、標準偏差は86Nであった。溶解合金シートでは、平均引張荷重は1936Nであり、標準偏差は、93Nであった。したがって、溶解合金シート溶接部は、モノリシックシート溶接部と同等以上の強度を有する。したがって、溶解合金シートのRSWは、モノリシック溶接部と比較してより大きな溶接エンベロープおよび低減された最小溶接電流を有しながら、モノリシック溶接部と同等またはそれ以上の溶接強度を有する溶接を生成する。
【0031】
図6は、溶解合金シートにおける溶接部の溶接成長(「◇」)と比較した、モノリシックシートにおける溶接部の溶接成長(「□」)を示す別のチャートである。これらの非限定的な例では、モノリシックシートは、2つの溶接された6111アルミニウム合金シートからなり、溶解合金シートは、各々6111アルミニウムコアと4045アルミニウム合金外側層とを有する2つの溶接されたシートからなる。
図6に示すように、約30回の溶接後にモノリシックシートに面亀裂が始まったのに対し、約90回の溶接後に溶解シートに面散りが始まった。特定の実施例では、溶解シートを有する電極の劣化は、モノリシックシートを有する電極の劣化よりも少なかった(例えば、より少ない金属拾い上げおよび侵食)。
【0032】
図7は、5√tの溶接サイズを有する溶解溶接ナゲット702、6√tの溶接サイズを有する溶解溶接ナゲット704、5√tの溶接サイズを有するモノリシック溶接ナゲット706、6√tの溶接サイズを有するモノリシック溶接708の微小硬さの非限定的な例をマッピングするチャートである。図示のように、溶解溶接ナゲット702および704は、それぞれコア金属703および705と同様の硬度を有する一方、モノリシック溶接ナゲット706および708はそれぞれ卑金属707および709よりも柔らかい。場合によっては、モノリシック溶接ナゲット706および708は、卑金属より約25%柔らかい。
【0033】
図8は、モノリシック自己穿孔リベット(SPR)接合部(2枚の6111アルミニウム合金シートのSPRから形成された接合部)の溶接強度曲線802、モノリシック溶接ナゲット804(2つの溶接された6111アルミニウム合金シートのRSWから形成された溶接ナゲット)の溶接強度曲線804、5√tの溶接サイズを有する溶解溶接ナゲット(6111アルミニウム合金コアと4045アルミニウム合金外側層とを各々有する2つの溶解アルミニウム合金シートの溶接から形成された溶接ナゲット)の溶接強度曲線806、および6√tの溶接サイズを有する溶解溶接ナゲット(6111アルミニウム合金コアと4045アルミニウム合金外側層とを各々有する2つの溶解アルミニウム合金シートの溶接から形成された溶接ナゲット)の溶接強度曲線808を示すチャートである。この図に示すように、溶解溶接ナゲットは、SPR継手よりも高いピーク強度を有する。さらに、溶解溶接部のピーク荷重は、モノリシック溶接部のそれよりも変動が小さかった。
【0034】
図9は、モノリシック溶接ナゲット904の成長と比較した溶解溶接ナゲット902の成長の非限定的な例を示すSEM写真を含む。この例では、モノリシック溶接ナゲット904は、2つの溶接された6111アルミニウム合金シートのRSWから形成され、溶解溶接ナゲット902は、各々6111アルミニウム合金コアと4045アルミニウム合金の外側層とを有する2つの溶解アルミニウム合金シートの溶接から形成された。溶解溶接ナゲット902およびモノリシック溶接ナゲットの両方の溶接時間は、100msであった。図に示すように、溶解溶接ナゲット902は、モノリシック溶接ナゲット904の成長と比較して、経時的により制御された成長を有する。例えば、かつ限定することなく、モノリシック溶接ナゲット904は、100ms後にシートのうちの1つの底面に接近するようになり、一方、溶解溶接ナゲット902は、溶解シート間のほぼ中央に位置したままである。
【0035】
「EC」(実施例の組み合わせ)としての少なくともいくつかの明確な列記を含み、本明細書に記載された概念による多種多様な例示のタイプのさらなる説明を提供する、例示的な実施例の集合が、以下に提供される。これらの実施例は、相互に排他的であるか、網羅的であるか、または限定的であることは意図されず、本発明は、これらの例示的な例に限定されず、むしろ、発行された請求項およびそれらの等価物の範囲内の全ての可能な改変および変種を包含する。
【0036】
EC1.抵抗スポット溶接の方法であって、2つの電極間に第1の金属シートおよび第2の金属シートを位置決めすることであって、第1の金属シートの少なくとも一部が、2つの電極間で第2の金属シートの一部分と重なり合い、第1の金属シートおよび第2の金属シートの少なくとも一方が、コアと少なくとも1つの外側層とを含む溶解合金であり、コアが、第1のアルミニウム合金を含み、少なくとも1つの外側層が、第1のアルミニウム合金とは異なる第2のアルミニウム合金を含む、位置決めすることと、2つの電極を第1の金属シートおよび第2の金属シートの対向面に位置決めすることと、2つの電極を介して第1の金属シートおよび第2の金属シートに少なくとも最小の電流を印加して、第1の金属シートを第2の金属シートに結合するように、最小溶接サイズを有する溶接部を形成することであって、最小電流が、第1のアルミニウム合金および第2のアルミニウム合金を溶融するために十分な電流である、形成することと、を含む、方法。
【0037】
EC2.第1のアルミニウム合金が、1xxxシリーズのアルミニウム合金、2xxxシリーズのアルミニウム合金、3xxxシリーズのアルミニウム合金、4xxxシリーズのアルミニウム合金、5xxxシリーズのアルミニウム合金、6xxxシリーズのアルミニウム合金、7xxxシリーズのアルミニウム合金、8xxxシリーズのアルミニウム合金、または高亜鉛レベルを有するろう付け系合金からなる群から選択され、第2のアルミニウム合金が、1xxxシリーズのアルミニウム合金、2xxxシリーズのアルミニウム合金、3xxxシリーズのアルミニウム合金、4xxxシリーズのアルミニウム合金、5xxxシリーズのアルミニウム合金、6xxxシリーズのアルミニウム合金、7xxxシリーズのアルミニウム合金、8xxxシリーズのアルミニウム合金、または第1のアルミニウム合金とは異なる高亜鉛レベルを有するろう付け系合金からなる群から選択される、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0038】
EC 3.第1のアルミニウム合金が、6014アルミニウム合金であり、第2のアルミニウム合金が、4045アルミニウム合金である、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0039】
EC 4.第1のアルミニウム合金が、6111アルミニウム合金であり、第2のアルミニウム合金が、4045アルミニウム合金である、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0040】
EC 5.第1のアルミニウム合金が、6451アルミニウム合金であり、第2のアルミニウム合金が、4045アルミニウム合金である、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0041】
EC 6.第1のアルミニウム合金が、溶解合金の厚さの約80%~90%であり、第2のアルミニウム合金が、溶解合金の厚さの約10%~20%である、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0042】
EC 7.最小電流が、電流の溶接エンベロープ内にあり、溶接エンベロープが、最小溶接サイズを形成するために十分な最小電流および最小溶接サイズを形成するために十分な最大電流を含む、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0043】
EC 8.第1のアルミニウム合金が、第2のアルミニウム合金の融点よりも低い融点を有する、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0044】
EC 9.第1のアルミニウム合金が、第2のアルミニウム合金の融点と実質的に等しい融点を有する、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0045】
EC 10.第1のアルミニウム合金が、第2のアルミニウム合金の融点を超える融点を有する、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0046】
EC 11.第1の金属シートが、溶解合金であり、第2の金属シートが、鋼を含む、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0047】
EC 12.第1の金属シートおよび第2の金属シートが、両方溶解合金である、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0048】
EC 13.第1の金属シートが、溶解合金であり、第2の金属シートが、モノリシックアルミニウムシートを含む、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0049】
EC 14.第1の金属シートが、溶解合金であり、第2の金属シートが、圧延接合合金を含む、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0050】
EC 15.最小電流が印加される時間期間が、少なくとも約1ミリ秒~2秒などの0ミリ秒より大きい間にある、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0051】
EC 16.時間期間が、100ミリ秒~150ミリ秒である、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0052】
EC 17.時間期間が、400ミリ秒~2秒である、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0053】
EC 18.先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法によって形成された溶接部。
【0054】
EC 19.抵抗スポット溶接の方法であって、2つの電極間に第1の金属シートおよび第2の金属シートを位置決めすることであって、第1の金属シートの少なくとも一部分が、2つの電極間で第2の金属シートの一部分と重なり合い、第1の金属シートおよび第2の金属シートの少なくとも一方が、第1のアルミニウム合金のコアと、第1のアルミニウム合金とは異なる第2のアルミニウム合金の少なくとも1つの外側層と、を含む、溶解合金である、位置決めすることと、2つの電極を一緒にクランプすることと、2つの電極を介して第1の金属シートおよび第2の金属シートに電流を印加して、第1の金属シートを第2の金属シートに結合するように、最小溶接サイズを有する溶接部を形成することであって、電流が、溶接エンベロープ内にあり、溶接エンベロープは、最小溶接サイズを形成するために十分な最小電流、および最小溶接サイズを形成するために十分な最大電流を含む、形成することと、を含む、方法。
【0055】
EC 20.第1のアルミニウム合金が、1xxxシリーズのアルミニウム合金、2xxxシリーズのアルミニウム合金、3xxxシリーズのアルミニウム合金、4xxxシリーズのアルミニウム合金、5xxxシリーズのアルミニウム合金、6xxxシリーズのアルミニウム合金、7xxxシリーズのアルミニウム合金、8xxxシリーズのアルミニウム合金、または高亜鉛レベルを有するろう付け系合金からなる群から選択され、第2のアルミニウム合金が、1xxxシリーズのアルミニウム合金、2xxxシリーズのアルミニウム合金、3xxxシリーズのアルミニウム合金、4xxxシリーズのアルミニウム合金、5xxxシリーズのアルミニウム合金、6xxxシリーズのアルミニウム合金、7xxxシリーズのアルミニウム合金、8xxxシリーズのアルミニウム合金、または第1のアルミニウム合金とは異なる高亜鉛レベルを有するろう付け系合金からなる群から選択される、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0056】
EC 21.第1のアルミニウム合金が、6014アルミニウム合金であり、第2のアルミニウム合金が、4045アルミニウム合金である、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0057】
EC 22.第1のアルミニウム合金が、6111アルミニウム合金であり、第2のアルミニウム合金が、4045アルミニウム合金である、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0058】
EC 23.第1のアルミニウム合金が、6451アルミニウム合金であり、第2のアルミニウム合金が、4045アルミニウム合金である、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0059】
EC 24.第1のアルミニウム合金が、溶解合金の厚さの約80%であり、第2のアルミニウム合金が、溶解合金の厚さの約20%である、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0060】
EC 25.第1のアルミニウム合金が、溶解合金の厚さの約90%であり、第2のアルミニウム合金が、溶解合金の厚さの約10%である、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0061】
EC 26.先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法によって形成された溶接部。
【0062】
EC 27.第1のアルミニウム合金が、6014アルミニウム合金、6111アルミニウム合金、および6451アルミニウム合金からなる群から選択され、第2のアルミニウム合金が、4045アルミニウム合金である、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0063】
EC 28.第1の金属シートが、溶解合金であり、第2の金属シートが、鋼、モノリシックアルミニウムシート、および圧延接合合金からなる群から選択される、先行するまたは後続の実施例の組み合わせのうちのいずれか1つに記載の方法。
【0064】
EC 29.第1の金属シートおよび第2の金属シートとの間に形成された溶接部であって、第1の金属シートおよび第2の金属シートの少なくとも一方が、第1のアルミニウム合金のコアと、第1のアルミニウム合金とは異なる第2のアルミニウム合金の少なくとも1つの外側層と、を含む、溶解合金である、溶接部。
【0065】
上記の態様は、単に本開示の原理の明確な理解のために記載された、単に可能な実装例であることを強調しなければならない。本開示の趣旨および原理から実質的に逸脱することなく、上記の実施例(複数可)に関しては多くの変形および修正をなすことができる。そのような修正および変形の全てが、本開示の範囲内で本明細書に含まれるものとし、要素またはステップの個々の態様または組み合わせに対する全ての可能性のある請求項は、本開示によって裏付けられることが意図されている。さらに、特定の用語が、本明細書ならびに以下の特許請求の範囲で使用されるが、それらは、包括的および説明的な意味でのみ使用され、記載された発明または以下の特許請求の範囲を限定することを目的としていない。