(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】マルチビューバックライト、モード切り替え可能バックライト、および2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G02B 30/33 20200101AFI20220517BHJP
H04N 13/312 20180101ALI20220517BHJP
H04N 13/359 20180101ALI20220517BHJP
H04N 13/351 20180101ALI20220517BHJP
H04N 13/32 20180101ALI20220517BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20220517BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
G02B30/33
H04N13/312
H04N13/359
H04N13/351
H04N13/32
G02F1/13 505
G02F1/13357
(21)【出願番号】P 2019554335
(86)(22)【出願日】2017-04-08
(86)【国際出願番号】 US2017026728
(87)【国際公開番号】W WO2018186892
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2019-10-01
(73)【特許権者】
【識別番号】514274546
【氏名又は名称】レイア、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEIA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【氏名又は名称】藤田 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ファタル,デイヴィッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】マ,ミン
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-168544(JP,A)
【文献】国際公開第2017/041073(WO,A1)
【文献】特開2007-025683(JP,A)
【文献】特開2013-003494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0231952(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0087499(US,A1)
【文献】特開平08-254767(JP,A)
【文献】特開2004-264762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 30/00
H04N 13/312
H04N 13/359
H04N 13/351
H04N 13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチビューディスプレイに使用するためのマルチビューバックライトであって、
散乱光を放射するように構成された平面バックライトと、
前記平面バックライトの表面に隣接する複数の開口部を有する遮光層であって、前記複数の開口部
の前記開口部(the apertures of the plurality of apertures)が、光の一部
を複数の
指向性光ビームとして前記遮光層を通過
させるように構成され
ている、遮光層と
を備え、
開口部のサイズ(a size of an aperture)が、前記マルチビューディスプレイのマルチビューピクセル内のサブピクセルのサイズ
(a size of a sub-pixel)の50パーセントから200パーセントの間である、マルチビューバックライト。
【請求項2】
前記複数の
指向性光ビームが、前記マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する
指向性光ビームを含む、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項3】
前記平面バックライトが、
光源によ
り供給される光を
ガイド光として導くように構成されたライトガイドと、
前記ガイド光の一部を散乱光として前記ライトガイドの外へ散乱するように構成された光抽出機能部とを備える、請求項1または2に記載のマルチビューバックライト。
【請求項4】
前記遮光層が反射性遮光層である、請求項1から3のいずれか一項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のマルチビューバックライトを備えるモード切り替え可能バックライトであって、前記マルチビューバックライトが、3次元(3D)動作モードにおいて前記複数の
指向性光ビームを供給するように構成された第1の平面バックライトであり、前記モード切り替え可能バックライトが、2次元(2D)動作モードにおいて拡散光を供給するように構成された第2の平面バックライトをさらに備える、モード切り替え可能バックライト。
【請求項6】
前記遮光層が、前記第1の平面バックライトと前記第2の平面バックライトとの間に位置し、前記第2の平面バックライトが、
第2の光源により供給される光をガイド光として導くように構成された第2のライトガイドを備え、前記複数の開口部
の前記開口部(the apertures of the plurality of apertures)と位置合わせされた複数の開口を有し、前記開口が
、前記
指向性光ビームを、前記第1の平面バックライトから前記第2の平面バックライト
を通して通過させるように構成され
ている、請求項5に記載のモード切り替え可能バックライト。
【請求項7】
前記第1の平面バックライトおよび前記第2の平面バックライトが、共通ライトガイドを共有し、前記モード切り替え可能バックライトが、
前記3D動作モードにおいて第1の偏光を有する光を前記共通ライトガイドに供給するように構成された第1の光源と、
前記2D動作モードにおいて第2の偏光を有する光を前記ライトガイドに供給するように構成された第2の光源とをさらに備え、
前記遮光層が、前記共通ライトガイドから散乱される前記第2の偏光の光に対して透明であり、前記共通ライトガイドから散乱される前記第1の偏光の光に対する前記開口部を除いて不透明であるように構成され
ている、請求項5または6に記載のモード切り替え可能バックライト。
【請求項8】
前記第1の偏光が横磁気(TM)であり、前記第2の偏光が横電気(TE)である、請求項7に記載のモード切り替え可能バックライト。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか一項に記載のマルチビューバックライトを備える2次元/3次元(2D/3D)モード切り替え可能ディスプレイであって、
2次元(2D)動作モードにおいて拡散光を供給するように構成された平面バックライトであって、前記マルチビューバックライトが、3次元(3D)動作モードにおいて前記複数の
指向性光ビームを供給するように構成された、平面バックライトと、
前記3D動作モードにおいて前記マルチビューバックライトからの前記複数の
指向性光ビームを変調して3D画像を提供し、前記2D動作モードにおいて前記平面バックライトからの前記拡散光を変調して2D画像を提供するように構成されたライトバルブのアレイとをさらに備える、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
【請求項10】
2次元/3次元(2D/3D)モード切り替え可能ディスプレイであって、
3次元(3D)動作モードにおいて複数の
指向性光ビームを供給し、2次元(2D)動作モードにおいて拡散光を供給するように構成されたモード切り替え可能バックライトであって、ライトガイドおよび前記ライトガイドの第1の表面に複数の開口部を有する遮光層を備え、前記複数の開口部の各開口部が、前記ライトガイドからの散乱光を受光し、前記3D動作モードにおいて前記複数の
指向性光ビームを供給するように構成された、モード切り替え可能バックライトと、
前記2D動作モードにおいて前記拡散光を変調し、前記3D動作モードにおいて前記複数の
指向性光ビームの
指向性光ビーム(directional light beams of the directional light beam plurality)を変調するように構成されたライトバルブアレイとを備え、
前記複数の開口部
の開口部(an aperture of the plurality of apertures)のサイズが、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズの50パーセントから200パーセントの間である、2次元/3次元(2D/3D)モード切り替え可能ディスプレイ。
【請求項11】
前記ライトガイドおよび遮光層が、第1の平面バックライトであり、前記モード切り替え可能バックライトが、前記2D動作モードにおいて前記拡散光を供給するように構成された第2の平面バックライト
であって、第2の光源により提供される光をガイド光として導くように構成された第2のライトガイドを備える第2の平面バックライトをさらに備え、前記第2の平面バックライトが、前記ライトバルブアレイと前記遮光層との間に位置し、前記遮光層の前記複数の開口部
の開口部(apertures of the plurality of apertures)と位置合わせされた複数の開口を有し、前記複数の
指向性光ビームが前記3D動作モードにおいて前記第2の平面バックライトを通過することを可能にする、請求項10に記載の2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
【請求項12】
前記第2の平面バックライトが、
光源によ
り供給される光を
ガイド光として導くように構成されたライトガイドであって、前記第2の平面バックライトの前記ライトガイドが前記第1の平面バックライトの前記ライトガイドとは別個である、ライトガイドと、
前記ガイド光の一部を散乱光として前記第2の平面バックライトのライトガイドから散乱するように構成された光抽出機能部と、
前記散乱光を前記拡散光に変換する光拡散器とを備え、
光が、前記2D動作モードにおいて前記光源によって前記第2の平面バックライトのライトガイドに選択的に供給される、請求項11に記載の2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
【請求項13】
前記モード切り替え可能バックライトが、
前記3D動作モードにおいて第1の偏光を有する光を前記ライトガイドに供給するように構成された第1の光源であって、前記遮光層が、前記ライトガイドから散乱される前記第1の偏光の光に対する前記開口部を除いて不透明であるように構成された第1の光源と、
前記2Dモードにおいて第2の偏光を有する光を前記ライトガイドに供給するように構成された第2の光源であって、前記遮光層が、前記ライトガイドから散乱される前記第2の偏光の光に対して透明であるように構成された第2の光源とをさらに備える、請求項10から12のいずれか一項に記載の2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
【請求項14】
前記モード切り替え可能バックライトによって2D/3Dモード切り替えを選択的に制御するように構成されたモード制御回路をさらに備える、請求項10から13のいずれか一項に記載の2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
【請求項15】
前記遮光層が反射性遮光層である、請求項10から14のいずれか一項に記載の2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
【請求項16】
前記ライトガイドの前記遮光層に隣接する面の反対側の面に反射フィルムをさらに備え、前記反射フィルムが、迷光を反射して前記ライトガイドに戻して前記迷光を再利用するように構成された、請求項10から15のいずれか一項に記載の2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
【請求項17】
バックライト動作の方法であって、
平面バックライトを使用して散乱光を供給することと、
前記平面バックライトからの前記散乱光を複数の開口部を有する遮光層に向けて導くことと、
前記複数の開口部
の開口部(an aperture of the plurality of apertures)を使用して前記散乱光から複数の
指向性光ビームを供給することとを備え、
前記開口部のサイズが、前記バックライトが使用されるディスプレイのライトバルブアレイのライトバルブのサイズの50パーセントから200パーセントの間である、バックライト動作の方法。
【請求項18】
前記複数の
指向性光ビームが、マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する
指向性光ビームを含む、請求項17に記載のバックライト動作の方法。
【請求項19】
2次元(2D)動作モード中に拡散光を供給し、前記複数の
指向性光ビームが3次元(3D)動作モード中に供給されることをさらに備え、
前記バックライトが2D/3Dモード切り替え可能バックライトである、請求項17または18に記載のバックライト動作の方法。
【請求項20】
前記拡散光が、前記遮光層と前記ディスプレイの前記ライトバルブアレイとの間に位置する他の平面バックライトによ
り供給される、請求項19に記載のバックライト動作の方法。
【請求項21】
前記遮光層が、前記複数の開口部を除き、第1の偏光を有する光の透過を遮断し、第2の偏光を有する光の透過を可能にし、前記複数の
指向性光ビームが、前記遮光層に隣接する前記平面バックライトのライトガイドを前記第1の偏光にしたがって偏光された光によって照明することにより前記3D動作モード中に供給され、前記拡散光が、前記第2の偏光にしたがって偏光された光によって前記ライトガイドを照明することにより前記2D動作モード中に供給される、請求項19または20に記載のバックライト動作の方法。
【請求項22】
マルチビュー画像の指向性ピクセルを提供するために前記3D動作モードにおいて前記ライトバルブアレイを使用して前記複数の
指向性光ビームの
指向性光ビーム(directional light beams of the directional light beam plurality)を変調し、2D画像のピクセルを提供するために前記2D動作モードにおいて前記拡散光を変調することをさらに備え、前記バックライトが、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイの2D/3Dモード切り替え可能バックライトである、請求項19から21のいずれか一項に記載のバックライト動作の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
該当なし
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
該当なし
【背景技術】
【0003】
電子ディスプレイは、様々な装置や製品のユーザに情報を伝達するためのほぼどこにでもある媒体である。最も一般的に採用されている電子ディスプレイは、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネセントディスプレイ(EL)、有機発光ダイオード(OLED)、アクティブマトリックスOLED(AMOLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EP)および電気機械式または電気流体式の光変調を使用する様々なディスプレイ(例えば、デジタルマイクロミラーデバイス、エレクトロウェッティングディスプレイなど)を含む。一般に、電子ディスプレイは、アクティブディスプレイ(すなわち、発光するディスプレイ)またはパッシブディスプレイ(すなわち、他の光源から供給される光を変調するディスプレイ)のいずれかとして分類されることができる。アクティブディスプレイの最も明白な例には、CRT、PDPおよびOLED/AMOLEDがある。放射光を考慮するときに一般的にパッシブとして分類されるディスプレイは、LCDおよびEPディスプレイである。パッシブディスプレイは、これに限定されるものではないが、本質的に低消費電力を含む魅力的な性能特性を呈することがよくあるが、発光する能力がないことを考えると、多くの実際の用途における使用が若干制限されることがある。
【0004】
放射光に関連するパッシブディスプレイの制限を克服するために、多くのパッシブディスプレイは、外部光源に結合されている。結合された光源は、これらの他のパッシブディスプレイが光を放射し、実質的にアクティブディスプレイとして機能することを可能にすることができる。そのような結合された光源の例は、バックライトである。バックライトは、パッシブディスプレイを照射するために他のパッシブディスプレイの背後に配置される光源(多くの場合、パネルバックライト)として機能することができる。例えば、バックライトは、LCDまたはEPディスプレイに結合されることができる。バックライトは、LCDまたはEPディスプレイを通過する光を放射する。放射光は、LCDまたはEPディスプレイによって変調され、変調された光は、次にLCDまたはEPディスプレイから放射される。多くの場合、バックライトは、白色光を放射するように構成されている。そして、カラーフィルタが使用され、白色光をディスプレイで使用される様々な色に変換する。カラーフィルタは、例えば、LCDまたはEPディスプレイの出力に(あまり一般的ではない)、またはバックライトとLCDもしくはEPディスプレイとの間に配置されることができる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は以下の[1]から[24]を含む。
[1]マルチビューバックライトであって、
散乱光を放射するように構成された平面バックライトと、
上記平面バックライトの表面に隣接する複数の開口部を有する遮光層であって、上記複数の開口部の上記開口部(the apertures of the plurality of apertures)が、光の一部を複数の指向性光ビームとして上記遮光層を通過させるように構成されている、遮光層とを備え、
開口部のサイズが、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセル内のサブピクセルのサイズに匹敵する、マルチビューバックライト。
[2]上記複数の指向性光ビームが、マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する指向性光ビームを含む、上記[1]に記載のマルチビューバックライト。
[3]上記平面バックライトが、
光源により供給される光をガイド光として導くように構成されたライトガイドと、
上記ガイド光の一部を散乱光として上記ライトガイドの外へ散乱するように構成された光抽出機能部とを備える、上記[1]に記載のマルチビューバックライト。
[4]上記遮光層が反射性遮光層である、上記[1]に記載のマルチビューバックライト。
[5]上記開口部サイズが、上記サブピクセルサイズの50パーセントから200パーセントの間である、上記[1]に記載のマルチビューバックライト。
[6]上記[1]に記載のマルチビューバックライトを備えるモード切り替え可能バックライトであって、上記マルチビューバックライトが、3次元(3D)動作モードにおいて上記複数の指向性光ビームを供給するように構成された第1の平面バックライトであり、上記モード切り替え可能バックライトが、2次元(2D)動作モードにおいて拡散光を供給するように構成された第2の平面バックライトをさらに備える、モード切り替え可能バックライト。
[7]上記遮光層が、上記第1の平面バックライトと上記第2の平面バックライトとの間に位置し、上記第2の平面バックライトが、上記複数の開口部の上記開口部(the apertures of the plurality of apertures)と位置合わせされた複数の開口を有し、上記開口が、上記第1の平面バックライトからの上記指向性光ビームを上記第2の平面バックライトに通過させるように構成されている、上記[6]に記載のモード切り替え可能バックライト。
[8]上記第1の平面バックライトおよび上記第2の平面バックライトが、共通ライトガイドを共有し、上記モード切り替え可能バックライトが、
上記3D動作モードにおいて第1の偏光を有する光を上記共通ライトガイドに供給するように構成された第1の光源と、
上記2D動作モードにおいて第2の偏光を有する光を上記ライトガイドに供給するように構成された第2の光源とをさらに備え、
上記遮光層が、上記共通ライトガイドから散乱される上記第2の偏光の光に対して透明であり、上記共通ライトガイドから散乱される上記第1の偏光の光に対する上記開口部を除いて不透明であるように構成されている、上記[6]に記載のモード切り替え可能バックライト。
[9]上記第1の偏光が横磁気(TM)であり、上記第2の偏光が横電気(TE)である、上記[8]に記載のモード切り替え可能バックライト。
[10]上記[1]に記載のマルチビューバックライトを備える2次元/3次元(2D/3D)モード切り替え可能ディスプレイであって、
2次元(2D)動作モードにおいて拡散光を供給するように構成された平面バックライトであって、上記マルチビューバックライトが、3次元(3D)動作モードにおいて上記複数の指向性光ビームを供給するように構成された、平面バックライトと、
上記3D動作モードにおいて上記マルチビューバックライトからの上記複数の指向性光ビームを変調して3D画像を提供し、上記2D動作モードにおいて上記平面バックライトからの上記拡散光を変調して2D画像を提供するように構成されたライトバルブのアレイとをさらに備える、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
[11]2次元/3次元(2D/3D)モード切り替え可能ディスプレイであって、
3次元(3D)動作モードにおいて複数の指向性光ビームを供給し、2次元(2D)動作モードにおいて拡散光を供給するように構成されたモード切り替え可能バックライトであって、ライトガイドおよび上記ライトガイドの第1の表面に複数の開口部を有する遮光層を備え、上記複数の開口部の各開口部が、上記ライトガイドからの散乱光を受光し、上記3D動作モードにおいて上記複数の指向性光ビームを供給するように構成された、モード切り替え可能バックライトと、
上記2D動作モードにおいて上記拡散光を変調し、上記3D動作モードにおいて上記複数の指向性光ビームの指向性光ビーム(directional light beams of the directional light beam plurality)を変調するように構成されたライトバルブアレイとを備える、2次元/3次元(2D/3D)モード切り替え可能ディスプレイ。
[12]上記ライトガイドおよび遮光層が、第1の平面バックライトであり、上記モード切り替え可能バックライトが、上記2D動作モードにおいて上記拡散光を供給するように構成された第2の平面バックライトをさらに備え、上記第2の平面バックライトが、上記ライトバルブアレイと上記遮光層との間に位置し、上記遮光層の上記複数の開口部の開口部(apertures of the plurality of apertures)と位置合わせされた複数の開口を有し、上記複数の指向性光ビームが上記3D動作モードにおいて上記第2の平面バックライトを通過することを可能にする、上記[11]に記載の2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
[13]上記第2の平面バックライトが、
光源により供給される光をガイド光として導くように構成されたライトガイドであって、上記第2の平面バックライトの上記ライトガイドが上記第1の平面バックライトの上記ライトガイドとは別個である、ライトガイドと、
上記ガイド光の一部を散乱光として上記第2の平面バックライトのライトガイドから散乱するように構成された光抽出機能部と、
上記散乱光を上記拡散光に変換する光拡散器とを備え、
光が、上記2D動作モードにおいて上記光源によって上記第2の平面バックライトのライトガイドに選択的に供給される、上記[12]に記載の2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
[14]上記モード切り替え可能バックライトが、
上記3D動作モードにおいて第1の偏光を有する光を上記ライトガイドに供給するように構成された第1の光源であって、上記遮光層が、上記ライトガイドから散乱される上記第1の偏光の光に対する上記開口部を除いて不透明であるように構成された第1の光源と、
上記2Dモードにおいて第2の偏光を有する光を上記ライトガイドに供給するように構成された第2の光源であって、上記遮光層が、上記ライトガイドから散乱される上記第2の偏光の光に対して透明であるように構成された第2の光源とをさらに備える、上記[11]に記載の2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
[15]上記複数の開口部の開口部(an aperture of the plurality of apertures)のサイズが、上記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズの50パーセントから200パーセントの間である、上記[11]に記載の2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
[16]上記モード切り替え可能バックライトによって2D/3Dモード切り替えを選択的に制御するように構成されたモード制御回路をさらに備える、上記[11]に記載の2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
[17]上記遮光層が反射性遮光層である、上記[11]に記載の2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
[18]上記ライトガイドの上記遮光層に隣接する面の反対側の面に反射フィルムをさらに備え、上記反射フィルムが、迷光を反射して上記ライトガイドに戻して上記迷光を再利用するように構成された、上記[11]に記載の2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ。
[19]バックライト動作の方法であって、
平面バックライトを使用して散乱光を供給することと、
上記平面バックライトからの上記散乱光を複数の開口部を有する遮光層に向けて導くことと、
上記複数の開口部の開口部(an aperture of the plurality of apertures)を使用して上記散乱光から複数の指向性光ビームを供給することとを備え、
上記開口部のサイズが、上記バックライトが使用されるディスプレイのライトバルブアレイのライトバルブのサイズに匹敵する、バックライト動作の方法。
[20]上記複数の指向性光ビームが、マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する指向性光ビームを含む、上記[19]に記載のバックライト動作の方法。
[21]2次元(2D)動作モード中に拡散光を供給し、上記複数の指向性光ビームが3次元(3D)動作モード中に供給されることをさらに備え、
上記バックライトが2D/3Dモード切り替え可能バックライトである、上記[19]に記載のバックライト動作の方法。
[22]上記拡散光が、上記遮光層と上記ディスプレイの上記ライトバルブアレイとの間に位置する他の平面バックライトにより供給される、上記[21]に記載のバックライト動作の方法。
[23]上記遮光層が、上記複数の開口部を除き、第1の偏光を有する光の透過を遮断し、第2の偏光を有する光の透過を可能にし、上記複数の指向性光ビームが、上記遮光層に隣接する上記平面バックライトのライトガイドを上記第1の偏光にしたがって偏光された光によって照明することにより上記3D動作モード中に供給され、上記拡散光が、上記第2の偏光にしたがって偏光された光によって上記ライトガイドを照明することにより上記2D動作モード中に供給される、上記[21]に記載のバックライト動作の方法。
[24]マルチビュー画像の指向性ピクセルを提供するために上記3D動作モードにおいて上記ライトバルブアレイを使用して上記複数の指向性光ビームの指向性光ビーム(directional light beams of the directional light beam plurality)を変調し、2D画像のピクセルを提供するために上記2D動作モードにおいて上記拡散光を変調することをさらに備え、上記バックライトが、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイの2D/3Dモード切り替え可能バックライトである、上記[21]に記載のバックライト動作の方法。
本明細書に記載の原理にかかる例および実施形態の様々な特徴は、添付の図面とあわせて以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解されることができ、同様の参照符号は、同様の構造的要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態にかかる、マルチビューバックライトの側面図を示している。
【
図1B】本明細書に記載の原理と一致する他の実施形態にかかる、例におけるマルチビューバックライトの側面図を示している。
【
図2A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態にかかる、3Dモードで動作する、2D/3Dモード切り替え可能バックライトの一部の第1の例の側面図を示している。
【
図2B】本明細書に記載の原理と一致する実施形態にかかる、2Dモードで動作する、2D/3Dモード切り替え可能バックライトの一部の第1の例の側面図を示している。
【
図3A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態にかかる、3Dモードで動作する、2D/3Dモード切り替え可能バックライトの一部の第2の例の側面図を示している。
【
図3B】本明細書に記載の原理と一致する実施形態にかかる、2Dモードで動作する、2D/3Dモード切り替え可能バックライトの一部の第2の例の側面図を示している。
【
図4】本明細書に記載の原理と一致する実施形態にかかる、例における2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイのブロック図を示している。
【
図5】本明細書に記載の原理と一致する実施形態にかかる、例におけるバックライト動作の方法のフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
特定の例および実施形態は、上記参照した図に示された特徴に加えて、およびその代わりの1つである他の特徴を有する。これらの特徴および他の特徴については、上記参照した図を参照して以下に詳細に説明される。
【0008】
本明細書に記載の原理にかかる実施形態および例は、散乱光を放射するように構成された平面バックライトと、平面バックライトの表面に隣接する複数の開口部を有する遮光層とを備えるマルチビューバックライトを提供する。開口部は、光の一部が複数の指向性光ビームとして通過することを可能にするように構成されている。指向性光ビームは、例えば、マルチビューディスプレイの視線方向に対応する方向を有することができる。
【0009】
本明細書に記載の原理にかかる実施形態および例は、2次元(2D)情報と3次元(3D)情報の表示と間の切り替えをサポートする2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイも提供する。特に、本明細書に記載の原理にしたがって、情報は、2D動作モードまたは3D動作モードのいずれかで選択的に表示されることができる。3D動作モードは、いわゆる「メガネなし」または自動立体視ディスプレイシステムと組み合わせて画像および同様の情報を表示するために使用されることができるが、2D動作モードは、3次元が不足しているかまたは少なくとも3次元から利益が得られない情報(例えば、テキスト、2D画像などの情報)を提示するために使用されることができる。さらに、切り替え可能2Dおよび3D動作モードは、本明細書に記載の原理の様々な例にしたがって、同じディスプレイユニットまたはシステムに提供されることができる。同じディスプレイシステムに2D情報および3D情報の両方を選択的に表示することができるモード切り替え可能ディスプレイシステムは、2Dディスプレイのみまたは3Dディスプレイのみを使用して可能な場合よりも単一のディスプレイシステムをより広範囲の異なるデータ表示要件に適合させるのに役立つことができる。
【0010】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態では、格子ベースのバックライトおよび他の同様のバックライト構成においてよく経験する色分離の問題は、白色または略白色の光源の使用および散乱光の格子の欠如に起因して軽減されることができるかあるいはなくすことさえできる。さらに、本明細書に記載の様々なバックライトの実施形態を使用するディスプレイは、以下で説明されるバックライトの略均一な照明により、優れた輝度均一性を呈することができる。最後に、様々な実施形態は、プリズムフィルムなどの使用を通じて容易に達成されることができる例えば±30°ほどの単純なコリメーションのみを使用することができる。
【0011】
本明細書では、「マルチビューディスプレイ」は、異なるビュー方向でマルチビュー画像の異なるビューを提供するように構成された電子ディスプレイまたはディスプレイシステムとして定義される。さらに、本明細書では、「マルチビュー画像」および「マルチビューディスプレイ」という用語で使用される「マルチビュー」という用語は、異なる視点を表すかまたは複数のビューのビュー間の角度視差を含む複数のビューとして定義される。さらに、「マルチビュー」という用語は、ここでの定義により、3つ以上の異なるビュー(すなわち、最低3つのビュー、一般的に4つ以上のビュー)を明示的に含む。したがって、本明細書で使用される「マルチビューディスプレイ」は、シーンまたは画像を表すために2つの異なるビューのみを含む立体ディスプレイとは明確に区別される。しかしながら、マルチビュー画像およびマルチビューディスプレイは、3つ以上のビューを含むが、本明細書における定義により、マルチビュー画像は、マルチビューのうち2つのみを選択することによって立体画像のペアとして(例えば、マルチビューディスプレイにおいて)一度に(例えば、1つの眼あたり1つのビュー)見ることができることに留意されたい。
【0012】
「マルチビューピクセル」は、本明細書では、マルチビューディスプレイの同様の複数の異なるビューのそれぞれにおける「ビュー」ピクセルを表すサブピクセルのセットとして定義される。特に、マルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれのビューピクセルに対応するまたはビューピクセルを表す個々のサブピクセルを有することができる。さらに、マルチビューピクセルのサブピクセルは、定義により、各サブピクセルが異なるビューの対応するビューの所定のビュー方向に関連付けられるという点で、いわゆる「方向性ピクセル」である。さらに、様々な例および実施形態によれば、マルチビューピクセルのサブピクセルによって表される異なるビューピクセルは、異なるビューのそれぞれにおいて同等または少なくとも略同様の位置または座標を有することができる。例えば、第1のマルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれにおける{x1,y1}に位置するビューピクセルに対応する個々のサブピクセルを有することができるとともに、第2のマルチビューピクセルは、異なるビューのそれぞれにおける{x2,y2}に位置するビューピクセルに対応する個々のサブピクセルを有することができる。本明細書に記載の様々な実施形態によれば、「サブピクセル」は、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルを実装するために使用されるライトバルブアレイのライトバルブと同等とすることができる。したがって、「サブピクセル」、「ビューピクセル」、および「ライトバルブ」という用語は、本明細書では互換的に使用されることができる。
【0013】
本明細書では、「ライトガイド」は、全内部反射を使用して構造内の光を導く構造として定義される。特に、ライトガイドは、ライトガイドの動作波長において略透明なコアを含むことができる。様々な実施形態において、「ライトガイド」という用語は、一般に、全内部反射を使用して、ライトガイドの誘電体材料とそのライトガイドを囲む材料または媒体との間の界面において光を導く誘電体光導波路を指す。定義により、全内部反射の条件は、ライトガイドの屈折率が、ライトガイド材料の表面に隣接する周囲の媒体の屈折率よりも大きいということである。いくつかの実施形態では、ライトガイドは、前述の屈折率差に加えてまたはその代わりにコーティングを含み、全内部反射をさらに促進してもよい。コーティングは、例えば、反射コーティングとすることができる。ライトガイドは、これらに限定されるものではないが、プレートまたはスラブガイドおよびストリップガイドの一方または両方を含むいくつかのライトガイドのいずれかとすることができる。
【0014】
さらに本明細書では、「プレートライトガイド」のようにライトガイドに適用される場合、「プレート」という用語は、「スラブ」ガイドと呼ばれることもある、区分的または区別可能に平面層またはシートとして定義される。特に、プレートライトガイドは、ライトガイドの上面および下面(すなわち、反対側の面)によって境界を定められた略直交する2つの方向に光を導くように構成されたライトガイドとして定義される。さらに、本明細書における定義により、いくつかの実施形態によれば、上面および下面は、両方とも互いに分離され、少なくとも区別可能な意味で互いに略平行であってもよい。すなわち、プレートライトガイドのいかなる異なる小さなセクション内でも、上面および下面は、略平行であるまたは同一平面上にある。
【0015】
いくつかの実施形態では、プレートライトガイドは、略平坦(すなわち、平面に限定)とすることができ、そのため、プレートライトガイドは、平面ライトガイドである。他の実施形態では、プレートライトガイドは、1つまたは2つの直交する次元で湾曲していてもよい。例えば、プレートライトガイドは、円柱状のプレートライトガイドを形成するために1次元で湾曲していてもよい。しかしながら、いかなる曲率も、十分に大きい曲率半径を有し、光を導くためにプレートライトガイド内で全内部反射が維持されることを確実にする。
【0016】
他の実施形態では、プレートライトガイドは、プレートライトガイドを横切る距離の関数として上面と下面の間の空間が変化するくさび形状を有してもよい。特に、いくつかの実施形態では、くさび形状は、くさび形状プレートライトガイドの入射端(例えば、光源に隣接)から出射端または終端までの距離とともに増加する上面から下面までの間隔を含んでもよい。そのようなくさび形状ライトガイドは、例えば、入射端に導入された光のコリメーション(例えば、垂直コリメーション)を提供することができる。他の実施形態では、くさび形状は、くさび形状プレートライトガイドの入射端(例えば、光源に隣接)から出射端または終端までの距離とともに減少する上面と下面の間隔を含んでもよい。そのようなくさび形状ライトガイドは、例えば、くさびライトガイドからの光の散乱を促進するための光抽出機能部(light extraction feature)として役立つことができる。
【0017】
本明細書では、「光源」は、光源(例えば、光を生成および放射する装置またはデバイス)として定義される。例えば、光源は、作動すると光を放射する発光ダイオード(LED)とすることができる。本明細書では、光源は、これらに限定されるものではないが、発光ダイオード(LED)、レーザ、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード、プラズマベースの光放射器、蛍光灯、白熱灯、および事実上任意の他の光源のうちの1つまたはそれ以上を含む実質的に任意の光源または発光体とすることができる。光源によって生成された光は、色を有することができる(すなわち、特定の波長の光を含むことができる)、または波長の範囲(例えば、白色光)とすることができる。
【0018】
さらに、本明細書で使用される場合、冠詞「a」は、特許技術におけるその通常の意味、すなわち「1つまたはそれ以上」を有することを意図している。例えば、「開口部」は、1つまたはそれ以上の開口部を意味するため、「開口部」とは、本明細書では「1つまたはそれ以上の開口部」を意味する。また、「上(top)」、「下(bottom)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「上(up)」、「下(down)」、「前(front)」、「後(back)」、「第1(first)」、「第2(second)」、「左(left)」または「右(right)」という本明細書におけるいかなる言及も、本明細書における限定を意図するものではない。本明細書では、「約(about)」という用語は、値に適用される場合、一般的に、値を生成するために使用される機器の許容範囲内を意味し、または特に明記しない限り、プラスもしくはマイナス10%、プラスもしくはマイナス5%、またはプラスもしくはマイナス1%を意味することができる。さらに、本明細書で使用される場合、「略(substantially)」という用語は、過半数、またはほぼ全て、または全て、または約51%から約100%の範囲内の量を意味する。さらに、本明細書の例は、例示のみを目的とするものであり、限定目的ではなく、議論の目的で提示される。
【0019】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、バックライト、より具体的にはマルチビューバックライトが提供される。
図1Aは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態にかかる、例におけるマルチビューバックライト100の側面図を示している。
図1Aに示されるマルチビューバックライト100は、(例えば、ライトフィールドとして)互いに異なる主角度方向を有する複数の
指向性光ビーム(directional light beams)106aを放射または提供するように構成される。特に、提供された複数の
指向性光ビーム106aは、様々な実施形態にしたがって、マルチビューディスプレイの各ビュー方向に対応する異なる主角度方向にマルチビューバックライト100から離れるように向けられる。いくつかの実施形態では、
指向性光ビーム106aは、(例えば、以下に説明するようにライトバルブを使用して)変調され、3Dコンテンツを有する情報の表示を促進することができる。
【0020】
図1Aに示されるように、マルチビューバックライト100は、ライトガイド108を備える。いくつかの実施形態によれば、ライトガイド108は、プレートライトガイド108とすることができる。ライトガイド108は、光をガイド光101としてライトガイド108の長さに沿って導くように構成される。例えば、ライトガイド108は、光導波路として構成された誘電体材料を含むことができる。誘電体材料は、誘電体光導波路を囲む媒体の第2の屈折率よりも大きい第1の屈折率を有することができる。屈折率の差は、例えば、ライトガイド108の1つまたはそれ以上のガイドモードにしたがってガイド光101の全内部反射を促進するように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、ライトガイド108は、光学的に透明な誘電体材料の延長された略平面シートを含むスラブまたはプレート光導波路とすることができる。誘電体材料の略平面シートは、全内部反射を使用してガイド光101を導くように構成される。様々な例によれば、ライトガイド108の光学的に透明な材料は、これらに限定されるものではないが、1つまたはそれ以上の様々な種類のガラス(例えば、シリカガラス、アルカリ-アルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラスなど)および略光学的に透明なプラスチックまたはポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)または「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)を含む様々な誘電体材料のいずれかを含むかまたはそれらから構成されることができる。いくつかの例では、ライトガイド108は、ライトガイド108の表面(例えば、第1の表面108’および第2の表面108’’の一方または両方)の少なくとも一部にクラッド層(図示せず)をさらに含むことができる。クラッド層は、いくつかの例によれば、全内部反射をさらに促進するために使用されてもよい。
【0022】
さらに、いくつかの実施形態によれば、ライトガイド108は、ライトガイド108の第1の表面108’(例えば、「前」面または側面)と第2の表面108’’(例えば、「背」面または側面)との間の非ゼロ伝播角での全内部反射にしたがってガイド光101を導くように構成される。特に、ガイド光101は、ライトガイド108の第1の表(前)面108’と第2の表(後)面108’’との間を非ゼロ伝播角で反射または「跳ね返る」ことにより伝播することができる。いくつかの実施形態では、異なる色の光を含む複数のガイド光ビームは、異なる色固有の非ゼロの伝播角のそれぞれにおいてライトガイド108によって導かれてもよい。説明を簡単にするために、非ゼロ伝播角は、
図1Aには示されていないことに留意されたい。しかしながら、伝播方向103を示す太矢印は、
図1Aのライトガイド長に沿ったガイド光101の一般的な伝播方向を示している。
【0023】
本明細書において定義されるように、「非ゼロ伝播角」は、ライトガイド108の表面(例えば、第1の表面108’または第2の表面108’’)に対する角度である。さらに、様々な実施形態によれば、非ゼロ伝播角は、ゼロよりも大きく且つライトガイド108内の全内部反射の臨界角よりも小さい。例えば、ガイド光101の非ゼロ伝播角は、約10°から約50°、またはいくつかの例では、約20°から約40°、または約25°から約35°とすることができる。例えば、非ゼロ伝播角は、約30°とすることができる。他の例では、非ゼロ伝播角は、約20°、または約25°、または約35°であってもよい。さらに、特定の非ゼロ伝播角がライトガイド108内の全内部反射の臨界角よりも小さくなるように選択される限り、特定の実装に対して特定の非ゼロ伝播角が(例えば、任意に)選択されてもよい。
【0024】
マルチビューバックライト100は、光源124をさらに備えてもよい。様々な実施形態によれば、光源124は、ライトガイド108内に導かれる光を供給するように構成される。特に、光源124は、ライトガイド108の入射面または端部(入射端)に隣接して配置されることができる。様々な実施形態では、光源124は、これらに限定されるものではないが、1つまたはそれ以上の発光ダイオード(LED)またはレーザ(例えば、レーザダイオード)を含む実質的に任意の光源(例えば、光放射器)を備えることができる。いくつかの実施形態では、光源124は、特定の色で示される狭帯域スペクトルを有する略単色光を生成するように構成された光放射器を備えてもよい。特に、単色光の色は、特定の色空間または色モデル(例えば、赤緑青(RGB)色モデル)の原色とすることができる。他の例では、光源124は、実質的に広帯域または多色の光を供給するように構成された実質的に広帯域の光源であってもよい。例えば、光源124は、白色光を供給することができる。いくつかの実施形態では、光源124は、異なる色の光を供給するように構成された複数の異なる光放射器を備えてもよい。異なる光放射器は、異なる色の光のそれぞれに対応するガイド光の異なる色固有の非ゼロ伝播角を有する光を供給するように構成されてもよい。
【0025】
ライトガイド108におけるガイド光101は、光源124によって、非ゼロ伝播角(例えば、約30°から約35°)でライトガイド108に導入または結合されることができる。レンズ、ミラーまたは同様の反射器(例えば、傾斜コリメート反射器)、およびプリズム(図示せず)のうちの1つまたはそれ以上は、例えば、非ゼロ伝播角でガイド光101としてライトガイド108の入射端への光の結合を促進することができる。ライトガイド108に結合されると、ガイド光101は、ライトガイド108に沿って、一般的に入射端から離れる方向に伝播する(例えば、
図1Aのx軸に沿った太矢印で示される)。
【0026】
さらに、様々な実施形態によれば、光をライトガイド108に結合することによって生成されるガイド光101は、コリメート光とすることができる。本明細書では、「コリメート光」または「コリメート光ビーム」は、一般に、光ビームの光線が光ビーム内で互いに略平行である光ビーム(例えば、ガイド光101)として定義される。さらに、コリメート光ビームから発散または散乱される光線は、本明細書の定義により、コリメート光ビームの一部とはみなされない。いくつかの実施形態では、マルチビューバックライト100は、例えば光源からの光をコリメートするために、レンズ、反射器またはミラー(例えば、傾斜コリメート反射器)などのコリメータを含むことができる。いくつかの実施形態では、光源124は、コリメータを備えてもよい。ガイド光101は、様々な実施形態において、コリメータによってコリメーション係数σにしたがってコリメートされることができるかまたはコリメーション係数を有することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、ライトガイド108は、ガイド光101を「再利用」するように構成されてもよい。特に、ライトガイドの長さに沿って導かれたガイド光101は、伝播方向103とは異なる他の伝播方向103’においてその長さに沿って戻されることができる。例えば、ライトガイド108は、光源に隣接する入射端の反対側のライトガイド108の端部に反射器(図示せず)を含むことができる。反射器は、ガイド光101を再利用ガイド光として入射端に向かって反射するように構成されることができる。このようにガイド光101を再利用することは、ガイド光を例えば後述する開口部に対して2回以上利用可能にすることにより、マルチビューバックライト100の輝度(例えば、
指向性光ビーム106aの強度)を高めることができる。
図1Aでは、再利用ガイド光の伝播方向103’を示す太矢印(例えば、負のX方向に向けられている)は、ライトガイド108内の再利用ガイド光の一般的な伝播方向を示している。あるいは(例えば、ガイド光の再利用とは対照的に)、他の伝播方向103’によって光をライトガイド108に導入する
ことにより、他の伝播方向103’において伝播するガイド光101が提供されてもよい(例えば、伝播方向103を有するガイド光101に加えて)。
【0028】
図1Aに示されるように、また本明細書に開示される原理にしたがって、マルチビューバックライト100は、遮光層110をさらに備える。遮光層110は、ライトガイドの長さに沿って互いに離間した複数の開口部112を有する。特に、複数の開口部の開口部112は、有限空間によって互いに分離されており、遮光層110に沿った個々の別個の開口を表している。すなわち、本明細書の定義により、複数の開口部の開口部112は、有限の(すなわち、非ゼロの)開口部間距離(すなわち、有限の中心間距離)にしたがって互いに離間している。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、複数の開口部の開口部(the apertures)112は、遮光層110に沿ってまたは遮光層を横切って1次元(1D)アレイまたは2次元(2D)アレイのいずれかに配置されることができる。例えば、複数の開口部112は、線形1Dアレイとして配置されることができる。他の例では、複数の開口部112は、矩形2Dアレイまたは円形2Dアレイとして配置されてもよい。さらに、アレイ(すなわち、1Dまたは2Dアレイ)は、いくつかの例では、規則的なアレイまたは均一なアレイとすることができる。特に、開口部112の間の開口部間距離(例えば、中心間距離または間隔)は、アレイにわたって略均一または一定とすることができる。他の例では、開口部112の間の要素間距離は、アレイ全体およびライトガイド108の長さに沿って、一方または両方を変化させることができる。
【0030】
様々な実施形態によれば、複数の開口部112
の開口部
(an aperture)112は、ガイド光101の一部を複数の
指向性光ビーム106aとして放射するように構成される。特に、
図1Aは、
指向性光ビーム106aを、ライトガイド108の第1の表面(または前面)108’から離れるように向けられるように描かれた複数の発散矢印として示している。さらに、様々な実施形態によれば、開口部112のサイズは、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセル140内のサブピクセル140’のサイズに匹敵する。
【0031】
議論を容易にするために、マルチビューピクセル140がマルチビューバックライト100とともに
図1Aに示されている。本明細書では、「サイズ」は、これらに限定されるものではないが、長さ、幅または面積を含むように様々な方法のいずれかで定義されることができる。例えば、サブピクセル140’のサイズは、その長さとすることができ、開口部112の匹敵するサイズはまた、開口部112の長さとすることもできる。他の例では、サイズは、開口部112の面積がサブピクセル140’の面積に匹敵するような面積を指してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、開口部112のサイズは、開口部サイズがサブピクセルサイズの約50パーセント(50%)から約200パーセント(200%)であるように、サブピクセルサイズに匹敵する。例えば、開口部サイズが「s」で示され、サブピクセルサイズが「S」で示される場合(例えば、
図1Aに示すように)、開口部サイズsは、式(1)によって与えられることができる。
【数1】
他の例では、開口部サイズは、サブピクセルサイズの約60%よりも大きい、またはサブピクセルサイズの約70%よりも大きい、またはサブピクセルサイズの約80%よりも大きい、またはサブピクセルサイズの約90%よりも大きく、開口部サイズは、サブピクセルサイズの約180%未満、またはサブピクセルサイズの約160%未満、またはサブピクセルサイズの約140%未満、またはサブピクセルサイズの約130%未満である。例え
ば、「匹敵するサイズ」を有する場合、開口部サイズは、サブピクセルサイズの約75%から約150%の間とすることができる。他の例では、開口部112は、開口部サイズがサブピクセルサイズの約125%から約85%であるサブピクセル140’とサイズが同等であってもよい。いくつかの実施形態によれば、開口部112およびサブピクセル140’の匹敵するサイズは、マルチビューディスプレイのビュー間の暗いゾーンを低減するか、またはいくつかの例では最小化するように選択されることができ、マルチビューディスプレイのビュー間のオーバーラップを同時に低減するかまたはいくつかの例では最小化するように選択されることができる。
【0033】
図1Aはまた、マルチビューバックライト100によって放射された複数の
指向性光ビームの
指向性光ビーム106aを変調するように構成されたライトバルブ152のアレイを示している。ライトバルブアレイは、例えば、マルチビューバックライト100を使用するマルチビューディスプレイの一部とすることができ、本明細書での議論を容易にする目的でマルチビューバックライト100とともに
図1Aに示されている。
【0034】
図1Aに示されるように、異なる主角方向を有する
指向性光ビーム106aの異なるものは通過し、ライトバルブアレイ内のライトバルブ152の異なるものによって変調されることができる。さらに、図示のように、アレイのライトバルブ152は、サブピクセル140’に対応し、ライトバルブ152のセットは、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセル140に対応する。特に、ライトバルブアレイのライトバルブ152の異なるセットは、開口部112の異なるものからの
指向性光ビーム106aを受光して変調するように構成される。すなわち、図示のように、各開口部112に対して1つの固有のライトバルブ152のセットがある。様々な実施形態では、これらに限定されるものではないが、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、およびエレクトロウェッティングベースのライトバルブのうちの1つまたはそれ以上を含むライトバルブアレイのライトバルブ152として異なる種類のライトバルブが使用されることができる。
【0035】
特に、
図1Aに示すように、第1のライトバルブセット152aは、第1の開口部112aから
指向性光ビーム106aを受光して変調するように構成され、第2のライトバルブセット152bは、第2の開口部112bから
指向性光ビーム106aを受光して変調するように構成されている。したがって、ライトバルブアレイにおける各ライトバルブセット(例えば、第1および第2のライトバルブセット152a、152b)は、それぞれ、異なる開口部112に対応し、ライトバルブセットの個々のライトバルブ152は、
図1Aに示すように、各マルチビューピクセル140のサブピクセル140’に対応する。
【0036】
図1Aに示すように、サブピクセル140’のサイズは、ライトバルブアレイにおけるライトバルブ152のサイズに対応することができることに留意されたい。他の例では、サブピクセルサイズは、ライトバルブアレイの隣接するライトバルブ152の間の距離(例えば、中心間距離)として定義されてもよい。例えば、ライトバルブ152は、ライトバルブアレイにおけるライトバルブ152の間の中心間距離よりも小さくてもよい。サブピクセルサイズは、例えば、ライトバルブ152のサイズまたはライトバルブ152の間の中心間距離に対応するサイズのいずれかとして定義されることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、複数の対応するマルチビューピクセル140の開口部112(例えば、ライトバルブ152のセット)の間の関係は、1対1の関係とすることができる。すなわち、同数のマルチビューピクセル140および開口部112があってもよい。他の実施形態(図示せず)では、マルチビューピクセル140および開口部112の数は、互いに異なっていてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、複数の隣接する一対の開口部112の間の開口部間距離(例えば、中心間距離)は、例えば、ライトバルブセットによって表される、対応するマルチビューピクセル140の隣接対の間の画素間距離(例えば、中心間距離)に等しくてもよい。例えば、
図1Aに示されるように、第1の開口部112aと第2の開口部112bとの間の中心間距離dは、第1のライトバルブセット152aと第2のライトバルブセット152bとの間の中心間距離Dに略等しい。他の実施形態(図示せず)では、開口部112および対応するライトバルブセットの対の相対的な中心間距離は、異なってもよい。例えば、開口部112は、マルチビューピクセル140を表すライトバルブセット間の間隔(すなわち、中心間距離D)よりも大きいかまたは小さいものの1つである開口部間間隔(すなわち、中心間距離d)を有してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、開口部112の形状は、マルチビューピクセル140の形状に類似しているか、または同等に、マルチビューピクセル140に対応するライトバルブ152のセット(または「サブアレイ」)の形状に類似している。例えば、開口部112は、正方形の形状を有してもよく、マルチビューピクセル140(または対応するライトバルブ152のセットの配置)は、略正方形であってもよい。他の例では、開口部112は、矩形形状を有してもよく、すなわち、幅または横方向寸法よりも大きい長さまたは縦方向寸法を有してもよい。この例では、開口部112に対応するマルチビューピクセル140(または同等にライトバルブ152のセットの配置)は、類似の矩形形状を有することができる。さらに他の例(図示せず)では、開口部112および対応するマルチビューピクセル140は、これらに限定されるものではないが、三角形、六角形、および円形を含むかまたは少なくともそれらによって近似される様々な形状を有する。
【0040】
さらに(例えば、
図1Aに示されるように)、いくつかの実施形態によれば、各開口部112は、
指向性光ビーム106aをただ1つのマルチビューピクセル140に供給するように構成される。特に、開口部112のうちの所与の1つについて、マルチビューディスプレイの異なるビューに対応する異なる主角方向を有する
指向性光ビーム106aは、単一の対応するマルチビューピクセル140およびそのサブピクセル140’、すなわち、
図1Aに示すように、開口部に対応する単一のライトバルブ152のセットに実質的に限定される。したがって、マルチビューバックライト100の各開口部112は、マルチビューディスプレイの異なるビューに対応する異なる主角方向のセットを有する
指向性光ビーム106aの対応するセットを提供する(すなわち、
指向性光ビーム106aのセットは、異なるビュー方向のそれぞれに対応する方向を有する光ビームを含む)。
【0041】
図1Aでは、遮光層110は、ライトガイド108の前面108’とライトバルブ152との間にあり、光が
指向性光ビーム106aとして遮光層110を通過することを可能にする開口部112を除いて、ライトガイド108からの光を遮断するように構成される。いくつかの実施形態では、遮光層110は、反射性遮光層である。特に、ライトガイド108に隣接する反射性遮光層110の背面110’は、反射光として光105をライトガイド108に反射して戻すように構成されることができる。そして、そのような反射光は、追加の再利用光105’(例えば、上述した再利用光に加えて)としてライトガイド108の背面108’’から反射されることができる。この追加の再利用光105’は、例えば開口部112に複数回誘導光を利用可能にすることにより、マルチビューバックライト100の輝度(例えば、
指向性光ビーム106aの強度)をさらに高めることができる。ライトガイド108の背面108’’には、光の再利用をさらに強化するための反射体(
図1Aには示されていないが、
図1Bには要素122として示されている)を設けることができる。
【0042】
図1Bは、本明細書に記載の原理と一致する他の実施形態にかかる、例におけるマルチビューバックライト100’の側面図を示している。マルチビューバックライト100’は、これに限定されるものではないが、液晶ディスプレイ(LCD)要素などのライトバルブ152のアレイを含む電子ディスプレイの一部とすることができる。ライトバルブ152のアレイは、マルチビューバックライト100’によって放射される
指向性光ビーム106aを変調するように構成される。
図1Bに示されるマルチビューバックライト100’は、後述するプリズムおよび拡散層などの追加の層を示すという点で、
図1Aに示されるバックライト100のより詳細なバージョンとすることができる。
【0043】
図1Bに示されるマルチビューバックライト100’は、平面バックライト102を含む。平面バックライト102は、ライトガイド108と、複数の開口部112を有する遮光層110とを備える。いくつかの実施形態では、遮光層110は、反射性遮光層110(例えば、
図1Aに関して上述したような)とすることができるが、他の実施形態では、遮光層110は、非反射性または少なくとも略非反射性とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、遮光層110は、吸収性遮光層とすることができる。明確にするために、
図1B(および以下で説明する
図2Aおよび
図3Aでも)では、
指向性光ビーム106aは、開口部112から発せられるV字型ビームとして表されている。しかしながら、これは、
図1Aに示される異なる主角方向を有する
指向性光ビーム106aの単なる表現であることが理解されるであろう。
【0044】
ライトガイド108は、光抽出機能部108aをさらに含むことができる。光抽出機能部108aは、ライトガイド108から光を抽出するためのいくつかの構成のいずれかを含むことができる。例えば、ライトガイド108の背面108’’上の拡散白色スポットが使用されることができる。光抽出機能部108aの追加の例は、均一であろうとチャープであろうと、前面108’または背面108’’上の回折格子を含む。間隔または格子ピッチは、サブ波長(すなわち、ガイド光の波長未満)とすることができる。格子は、ライトガイド108の表面108’、108’’にある溝、または表面108’、108’’にあるリッジを含むことができる。光抽出機能部のさらに他の例は、光がライトガイドを横切るときに背面108’’が前面108’から離れるように傾斜するように、ライトガイド108にくさび形状を提供することを含む。光抽出機能部108aのさらなる例は、背面108’’内のプリズムキャビティまたは半球形素子などの微小反射素子を含む。
図1Bは、限定ではなく例として、複数の半球形素子として光抽出機能部108aを示している。
【0045】
いくつかの実施形態では、
図1Aに示すように、開口部112を有する遮光層110は、ライトガイド108の第1の表面108’上にあり、以下により詳細に説明するように、光を反射して平面バックライト102に戻す反射面を含む(または単に反射性である)ことができる。他の実施形態では、
図1Bに示されるように、開口部112を有する遮光層110は、以下に説明するように、いくつかの層114~120の1つまたはそれ以上によってライトガイド108の第1の表面108’から分離される。いずれの場合でも、複数の開口部の各開口部112は、ライトガイド108から散乱光を受光し、受光した散乱光から複数の
指向性光ビーム106aを供給するように構成される。
【0046】
図1Bに示すマルチビューバックライト100’は、平面バックライト102上に配置された光拡散フィルム114をさらに含む。さらに、図示されたマルチビューバックライト100’はまた、例えば互いに直交する向きの一対のプリズムフィルム116、118も含む。例えば、第1のプリズムフィルム116は、第1の配向、例えば垂直を有することができ、第2のプリズムフィルム118は、第2の配向、例えば水平を有することができ、一方が他方の上に配置されて2つのプリズムフィルム116、118のスタックを形成する。2つのプリズムフィルム116、118のスタックは、光拡散フィルム114上に配置されることができる。さらに、
図1Bには、2つのプリズムフィルム116、118のスタック上に配置された反射偏光フィルム120が示されている。次に、図示のように、開口部112を有する遮光層110が反射偏光フィルム120上に配置される。様々な実施形態によれば、2つのプリズムフィルム116、118および反射偏光フィルム120のそれぞれが使用され、マルチビューバックライト100’の輝度を高め、特に
指向性光ビーム106aの輝度を高めることができる。これに関連して、光拡散フィルム114、一対のプリズムフィルム116、118、および反射偏光フィルム120のスタックは、ライトガイド108と遮光層110との間において
図1Aのマルチビューバックライト100に追加されることができることが理解されよう。
【0047】
さらに、いくつかの実施形態では、反射フィルム122がライトガイド108の背面108’’に隣接して配置され、いかなる迷光も反射してライトガイドに戻し、それによって
図1Aに関連して上述したように迷光を「再利用」することができる。2つのプリズムフィルム116、118および反射偏光フィルム120と同様に、反射フィルム122は、マルチビューバックライト100’の輝度を高めることができる。
【0048】
照明は、エッジ照明または背面照明によって提供されることができる。ライトガイド108のエッジに取り付けられた白色光源などの光源124を示すエッジ照明が
図1Bに示されている。白色光は、例えば、発光ダイオード(LED)、有機LED、ネオンランプ、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)などによって提供されることができる。
【0049】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、モード切り替え可能バックライトが提供される。モード切り替え可能バックライトは、2次元/3次元(2D/3D)モード切り替え可能ディスプレイと組み合わせて使用され、例えば、2D動作モードにおける2次元(2D)情報の表示と3D動作モードにおける3次元(3D)情報の表示との間の切り替えを容易にすることができる。いくつかの実施形態によれば、上述したマルチビューバックライト100、100’は、モード切り替え可能バックライトにおいて利用されてもよい。
【0050】
具体的には、
図2A~
図2Bおよび
図3A~
図3Bに示されるように、本明細書に開示される原理によれば、モード切り替え可能バックライト200、300が開示される。
図2A~
図2Bおよび
図3A~
図3Bでは、モード切り替え可能バックライト200、300は、それぞれ、ここでは第1の平面バックライト102と呼ばれる平面バックライト102を含む、
図1A~
図1Bのマルチビューまたは「3D」バックライト100、100’を備える。様々な実施形態によれば、モード切り替え可能バックライト200、300は、第2の平面バックライト104をさらに備える。モード切り替え可能バックライト200、300では、第2の平面バックライト104は、2D動作モードにおいて第2の平面バックライト104の発光面104’において拡散光106b(
図2Bおよび
図3B)を供給するように構成される。
【0051】
本明細書では、モード切り替え可能バックライトの2つの非限定的な例を説明する。モード切り替え可能バックライト200として
図2Aおよび
図2Bに示される第1の例では、第1の平面バックライト102および第2の平面バックライトは、互いに分離している。2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイで使用される場合、2D画像は、第2の平面バックライト104によって提供される光(すなわち、拡散光106b)から得られることができ、3D画像は、別個の第1の平面バックライト102によって提供される光(すなわち、
指向性光ビーム106a)から得られることができる。したがって、第1の平面バックライト102および第2の平面バックライト104は、
図2A~
図2Bに示されるモード切り替え可能バックライト200の物理的に別個の要素として存在する。モード切り替え可能バックライト300として
図3Aおよび
図3Bに示される第2の例では、第1および第2の平面バックライト102、104は、それぞれ、2D動作モードおよび3D動作モードのそれぞれにおいて使用されるその部分を区別するために、本明細書で説明される補助要素を有する同じまたは略同じ要素である。したがって、第1の平面バックライト102および第2の平面バックライト104は、
図3A~
図3Bに示されるように、モード切り替え可能バックライト300の実質的に1つの要素に組み合わされる。
【0052】
モード切り替え可能バックライト200、300の両方の例では、第1の平面バックライト102は、3D動作モードにおいて複数の
指向性光ビーム106aを供給するように構成される。第1の平面バックライト102は、マルチビューバックライト100、100’に関連して上述したように、ライトガイド108と、複数の開口部112を有する遮光層110とを備える。遮光層110は、ライトガイド108に隣接するかまたはライトガイドの表面上にあり、複数の開口部の各開口部112は、ライトガイド108から散乱光を受光し、受光した散乱光から複数の
指向性光ビーム106aを供給するように構成される。両方の例において、
図1Aに関連して上述したように、開口部112を備えた遮光層110はまた、反射性であってもよい。他の実施形態では、やはり上述したように、遮光層110の反射態様が存在しなくてもよい。例えば、遮光層110は、吸収性または略吸収性であってもよい。
【0053】
図2A~
図2Bは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態にかかる、モード切り替え可能バックライト200の第1の例を示している。特に、
図2Aは、3D動作モードにおける動作を示し、
図2Bは、2D動作モードにおける動作を示している。この第1の例では、第2の平面バックライト104(2D動作モード用)は、第1の平面バックライト102(3D動作モード用)のライトガイド108とは別個のライトガイド208を備える。ライトガイド108は、第1の光源124aによって供給される光を導くように構成される一方で、別個のライトガイド208は、第2の光源124bによって供給される光を導くように構成される。開口部112を有する遮光層110は、図示されるように、第2の平面バックライト104と第1の平面バックライト102との間に配置される。第1の平面バックライト102は、以下でさらに説明されるように、第2の平面バックライト104における開口212を通して
指向性光ビーム106aを供給または放射するように構成される。
【0054】
モード切り替え可能バックライト200の両方のライトガイド208および108は、
図1Bに示される光抽出機能部108aなどの光抽出機能部をさらに含むことができる。ライトガイド208は、ガイド光の一部を散乱光または拡散光106bとして散乱させるように構成される(2D動作モード用)。偏光子およびプリズムフィルムに加えて、モード切り替え可能バックライト200は、ライトガイド208からの散乱光を拡散光106bに変換するための光拡散器をさらに含むことができる。光は、第2の光源124bによって2D動作モードにおいて別個のライトガイド208に選択的に供給される。ライトガイド108は、3D動作モードにおいて
指向性光ビーム106aとしてガイド光の一部を放射するように構成される。
図2A~
図2Bの混乱を減らすために、これらの要素(光抽出機能部108a、反射偏光フィルム120、プリズムフィルム116、118、および光拡散フィルム114)は、
図2A~
図2Bには示されていないが、
図1Bでは例として示されている。
【0055】
図2A~
図2Bに示されるモード切り替え可能バックライト200では、第2の平面バックライト104は、第1の平面バックライト102の遮光層110とライトバルブ152のアレイとの間に配置される。発光面104’から光を放射するように構成された第2の平面バックライト104は、複数の開口部の開口部112と位置合わせされた複数の開口212を有する。開口212は、
指向性光ビーム106aを開口部112から第2の平面バックライト104を介してライトバルブ152のアレイに通過させるように構成される。開口部112と整列する開口212は、発光面104’から遮光層110に隣接する第2の平面バックライトの反対面まで第2の平面バックライト104を通る開口を備える。開口212は、
図2A~
図2Bに示され説明されるようないくつかの実施形態では、第2の平面バックライト104を通る物理的開口を備えることができるが、他の実施形態では、代替として、開口は、第2の平面バックライト104の1つまたはそれ以上の散乱特徴を省略する透明領域であってもよい。したがって、開口は、
図2A~
図2Bに示すように、物理的開口とは対照的に「光学的開口」を備えてもよい。
【0056】
図3A~
図3Bは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態にかかる、モード切り替え可能バックライト300の第2の例を示している。特に、
図3Aは、3D動作モードにおける動作を示し、
図3Bは、2D動作モードにおける動作を示している。この第2の例では、第1の平面バックライト102(3D動作モード用)および第2の平面バックライト104(2D動作モード用)が組み合わされ、ライトガイド108は、両方の動作モードに役立つ。すなわち、第1の平面バックライト102および第2の平面バックライト104は、共通ライトガイド108を共有する。この例では、遮光層110は、組み合わされた第1の平面バックライト102および第2の平面バックライト104の発光面の上方に配置された開口部112を有する偏光遮光層110aを備える。この第2の例のモード切り替え可能バックライト300は、様々な実施形態にしたがって、偏光に依存して、2D動作モードにおける動作と3D動作モードにおける動作とを区別する。
【0057】
図3A~
図3Bに示されるように、第1の平面バックライト102は、ライトガイド108および第1の光源124aを備える。さらに、第1の光源124aは、3D動作モードにおいて第1の偏光を有する光をライトガイド108に供給するように構成される。第1の偏光は、例えば、第1の偏光子126aによって供給されることができる。様々な実施形態によれば、偏光遮光層110aは、第1の偏光の光に対して(開口部112を除いて)不透明になるように構成される。したがって、偏光遮光層110a全体ではなく偏光遮光層110aの開口部112のみが、ライトガイド108から散乱された第1の偏光の光を(すなわち、
指向性光ビーム106aとして)通過するように構成される。第1の偏光を有する光に対する偏光遮光層110aの不透明性は、例えば、光の第1の偏光に垂直な偏光遮光層110aの偏光によって提供されることができる。
【0058】
図3A~
図3Bでは、第2の平面バックライト104は、ライトガイド108(第1の平面バックライト102と共有または組み合わされる)および第2の光源124bを備える。第2の光源124bは、2D動作モードにおいて第2の偏光を有する光をライトガイド108に供給するように構成される。例えば、第2の偏光は、第2の偏光子126bによって供給されることができる。さらに、例えば、第2の偏光は、第1の偏光と直交していてもよい。様々な実施形態によれば、偏光遮光層110aは、ライトガイド108から散乱される第2の偏光の光に対して透明であるが、そうでなければ第1の偏光の光に対して不透明であるように構成される。第2の偏光の光に対する偏光遮光層110aの透明性は、例えば、第2の偏光を有する光の偏光と同じ(例えば、平行)である遮光層110aの偏光によって提供されることができる。前述のように、偏光遮光層110aの底面または背面110’は、第1の偏光を有する光の再利用を支援するために反射性であってもよい。
【0059】
一例では、第1の偏光は、横磁気(TM)であり、第2の偏光は、横電気(TE)である。もちろん、偏光は、逆にするか、または交換されることができ、第1の偏光はTEであり、第2の偏光は、TMである。いずれの場合でも、偏光遮光層110aの偏光は、ライトガイド内の光の第2の偏光またはTE偏光に一致するか、または同等に、第2の光源124bおよび第2の偏光子126bの組み合わせから発せられる。同様に、偏光遮光層110aは、この例では、第1の偏光またはTM偏光に直交する偏光を有する。
【0060】
図3A~
図3Bでは、第1の光源124aは、ライトガイド108の第1の入射端108e1にある光放射器124a’および第1の偏光子126aを備える。第2の光源124bは、ライトガイド108の第2の入射端108e2に配置された、光放射器124b’および第2の偏光子126bを備える。例として、第1の偏光子126aは、TM光のみがライトガイド108を通過することを可能にする一方で、第2の偏光子126bは、TE光のみがライトガイド108を通過することを可能にする。
【0061】
偏光遮光層110aは、開口部112を提供するようにパターン化され且つTE偏光を可能にし且つTM偏光を反射する遮光層110を備える。一実施形態では、第1の偏光の光が反射され且つ第2の偏光の光が許容されるように、第1の偏光はTMであり、第2の偏光はTEである。あるいは、遮光層110の偏光を逆にし、第1の偏光をTEにし、第2の偏光をTMにする場合、偏光遮光層110aは、TM偏光を可能にし、TE偏光を反射する。
【0062】
引き続き
図3Aを参照すると、偏光遮光層110aは、ライトガイド108から散乱される第1の偏光の光に対する開口部112を除いて不透明である。3D動作モードでは、第1の偏光の散乱光は、モード切り替え可能バックライト300から
指向性光ビーム106aとして順に現れる。最終的に、
指向性光ビーム106aは、
図3Aにも示されるように、ライトバルブアレイのライトバルブ152(例えば、LCD素子)に入射されることができる。
【0063】
あるいは、
図3Bに示すように、ライトガイド108および第2の光源124bを備える第2の平面バックライト104は、2D動作モードにおいてライトガイド108に第2の偏光を有する光を供給するように構成される。偏光遮光層110aは、ライトガイド108から散乱される第2の偏光の光を透過するように構成される。したがって、2D動作モードでは、第2の偏光の散乱光は、モード切り替え可能バックライト300から拡散光106bとして現れる。さらに、偏光遮光層110aを介した散乱により放射される拡散光106bは、
図3Bに示されるように、最終的にライトバルブ152のアレイに入射されることができる。上記のように、拡散光106bは、拡散性であり、2D画像を提供することができる一方で、
指向性光ビーム106aは、指向性であり、例えばモード切り替え可能バックライト300が2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイとともに使用される場合、3D画像を提供することができる。
【0064】
図3A~
図3Bは、組み合わされた第1および第2の平面バックライト102、104の任意の追加層をさらに示している。特に、互いに90度に向けられた一対のプリズムフィルム116、118が示されている。図示のように、一対のプリズムフィルム116、118は、ライトガイド108と偏光遮光層110aとの間に設けられてもよい。プリズムフィルム116、118は、
図1Bに関連して上述したものと実質的に同様であってもよい。
【0065】
様々な実施形態では、
図2A~
図3Bのモード切り替え可能バックライト200、300の3D動作モードは、第1の光源124aをオンにすることにより起動されることができる。第1の光源124aが起動されると、第1の偏光子126aは、例えば第1の偏光子126aにより、第1の(例えば、TM)偏光を有する光のみが、起動された第1の光源124aからライトガイド108に入ることを可能にする。そして、光抽出機能部108aにより、第1の偏光を有するこの光は、散乱光として開口部112を有する偏光遮光層110aの方向にライトガイド108の外に向けられるかまたは散乱されることができる。開口部112と整列する散乱光は、
指向性光ビーム106aとして通過し、ライトバルブアレイのライトバルブ152に到達する。開口部112と整列していない偏光遮光層110aに入射する第1の偏光を有する他の散乱光は、例えば、遮断されるかまたは反射されてライトガイド108に戻り、そこで反射フィルム122を通過することができる。反射フィルム122に到達すると、第1の偏光の反射光は、偏光遮光層110aに向かってさらにもう一度反射されることができ、反射光が開口部112と整列すると、それは通過して
指向性光ビーム106aなどになる。
【0066】
様々な実施形態では、第2の光源124bをオンにする(および第1の光源124aをオフにする)ことにより、2D動作モードを起動することができる。第2の光源124bが起動されると、第2の偏光子126bは、起動された第2の光源124bからライトガイド108に第2の偏光(例えば、TE)の光のみを通過することを可能にする。そして、光抽出機能部108aにより、第2の偏光を有するこの光は、散乱光として偏光遮光層110aの方向にライトガイド108から散乱されるかまたは導かれることができる。上記で示したように、偏光遮光層110aは、第1の偏光を有する光を遮光および反射しながら、第2の偏光を有する光が通過することを可能にするように構成される。したがって、偏光遮光層110aに向かって導かれた第2の偏光の散乱光は、拡散光106bとしてそこを通過する。
図3Bに示されるように、拡散光は、2D動作モードにおいてライトバルブ152に入射されることができる。
【0067】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、2次元/3次元(2D/3D)モード切り替え可能ディスプレイが提供される。
図4は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態にかかる、例における2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400のブロック図を示している。様々な実施形態によれば、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400が使用され、2D情報および3D情報のいずれかまたは両方を提示することができる。2D情報は、これらに限定されるものではないが、2D画像およびテキストを含むことができる一方で、3D情報は、これらに限定されるものではないが、マルチビューまたは3D画像を含むことができる。特に、
図4Aおよび
図4Bに示される2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400は、2Dピクセルを表す変調光402を放射するように構成される。2Dピクセルを表す変調光402は、例えば、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400の2D動作モードにおいて放射されることができる。さらに、
図4に示すように、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400は、3D動作モードにおいて互いに異なる主角方向を有し且つ2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400の異なるビューに対応する3Dピクセルを表す変調光ビーム404を放射するように構成される。いくつかの実施形態では、変調光402および変調光ビーム404は、さらに異なる色を表してもよく、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400は、カラー電子ディスプレイであってもよい。
【0068】
図4は、説明を簡単にするために、それぞれ「2Dモード」および「3Dモード」とラベル付けされたモード切り替え可能ディスプレイ400の異なる領域において放射される変調光402および変調光ビーム404の両方を示すことに留意されたい。これは、いくつかの実施形態によれば、2D動作モードおよび3D動作モードが2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400において選択的に起動され、2D情報および3D情報の両方を同時に提供することができることを示すためである。様々な実施形態によれば、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400はまた、2D動作モードまたは3D動作モードのいずれかの間で排他的に選択的に動作するかまたは選択的に切り替えられるように構成されることができることを理解すべきである。
【0069】
図4に示すように、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400は、モード切り替え可能バックライト410を備える。モード切り替え可能バックライト410は、3D動作モードにおいて複数の
指向性光ビーム406aを供給するように構成される。さらに、モード切り替え可能バックライト410は、2D動作モードにおいて拡散光406bを供給するように構成される。いくつかの実施形態では、モード切り替え可能バックライト410は、上述され且つ
図2A~
図2Bに示される第1の例のモード切り替え可能バックライト200と実質的に同様であってもよい。他の実施形態では、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400のモード切り替え可能バックライト410は、上述され且つ
図3A~
図3Bに示される第2の例のモード切り替え可能バックライト300と実質的に同様であってもよい。さらに、3D動作モードにおいて2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400のモード切り替え可能バックライト410によって提供される複数の
指向性光ビーム406aは、いくつかの実施形態にかかるマルチビューバックライト100、100’およびモード切り替え可能バックライト200、300に関して様々に上述した複数の
指向性光ビーム106aと実質的に同様であってもよい。同様に、モード切り替え可能バックライト410によって供給される拡散光406bは、モード切り替え可能バックライト200、300に関して上述した拡散光106bと実質的に同様であってもよい。
【0070】
様々な実施形態によれば、モード切り替え可能バックライト410は、光を導き且つさらにガイド光を散乱光として散乱させるように構成されたライトガイドを備える。いくつかの実施形態では、モード切り替え可能バックライト410のライトガイドは、上述したライトガイド108、例えば、上述したモード切り替え可能バックライト200、300のライトガイド108、ならびに例えば、
図1A~
図1Bに示されるライトガイド108と実質的に同様であってもよい。ガイド光は、例えば、マルチビューバックライト100に関して上述したガイド光101と実質的に同様であってもよい。
【0071】
モード切り替え可能バックライト410は、複数の開口部を有する遮光層をさらに備える。様々な実施形態によれば、遮光層は、ライトガイドの第1の表面上にあるかまたはそれに隣接してもよい。複数の開口部の各開口部は、ライトガイドから散乱光を受光し、3D動作モードにおいて複数の指向性光ビーム406aを供給するように構成される。いくつかの実施形態では、遮光層は、反射性遮光層であってもよい。いくつかの実施形態では、遮光層は、偏光遮光層であってもよい。さらに、開口部のサイズは、ライトバルブアレイのライトバルブまたは同等に2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400のマルチビューピクセルのサブピクセルのサイズに匹敵することができる(例えば、50パーセントから200パーセントの間)。
【0072】
例えば、いくつかの実施形態では、
図4に示されるモード切り替え可能バックライト410の遮光層は、マルチビューバックライト100、100’またはモード切り替え可能バックライト200のいずれかの遮光層110と実質的に同様であってもよい。同様に、開口部は、様々に上述された開口部112と実質的に同様であってもよい。これらの実施形態では、ライトガイドおよび遮光層は、3D動作モードにおいて複数の
指向性光ビーム406aを供給するように第1の平面バックライトであるかまたはそれとして機能する。いくつかの実施形態では、第1の平面バックライトは、モード切り替え可能バックライト200に関して上述した第1の平面バックライト102と実質的に同様であってもよい。
【0073】
これらの実施形態では、モード切り替え可能バックライト410は、2D動作モードにおいて拡散光を供給するように構成された第2の平面バックライトをさらに備えてもよい。第2の平面バックライトは、遮光層の複数の開口部の開口部と位置合わせされた複数の開口を有してもよい。開口は、複数の
指向性光ビーム406aが3D動作モードにおいて第2の平面バックライトを通過することを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、第2の平面バックライトは、上述され且つ
図2A~
図2Bに示されたモード切り替え可能バックライト200の第2の平面バックライト104と実質的に同様であってもよい。
【0074】
特に、第2の平面バックライトは、第1の平面バックライトのライトガイドとは別個のライトガイドを備えてもよい。第2の平面バックライトのライトガイドは、光源によってガイド光として供給される光を導くように構成される。いくつかの実施形態では、第2の平面バックライトは、ライトガイドから散乱光としてガイド光の一部を散乱させるように構成された光抽出機能部をさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、第2の平面バックライトは、散乱光を拡散光に変換する光拡散器をさらに備えてもよい。拡散光は、例えば、2D動作モードにおいて拡散光406bとして供給されてもよい。
【0075】
他の実施形態では、
図4に示されるモード切り替え可能バックライト410の遮光層は、
図3A~
図3Bに示される上述したモード切り替え可能バックライト300の偏光遮光層110aと実質的に同様であってもよい。特に、複数の開口部を有する遮光層は、第1の偏光(例えば、それぞれTMまたはTE)の光を遮断するとともに、第2の偏光(例えば、それぞれTEまたはTM)の光を通過させるように構成されることができる。したがって、3D動作モードでは、ライトガイドから(例えば、ライトガイドの散乱特徴によって)散乱される第1の偏光の光は、開口部を除いて、遮光層によって遮光される。さらに、開口部と一致する散乱光は、3D動作モード中に複数の
指向性光ビーム406aとして放射される。あるいは、2D動作モード中、ライトガイドから散乱される第2の偏光の光は、拡散光406bとして遮光層を通して放射される。したがって、開口部は、拡散光406bを放射する役割を果たさない。
【0076】
これらの他の実施形態では、モード切り替え可能バックライト410のライトガイドは、両方の動作モードの間で共有され、光の偏光(すなわち、散乱光偏光)の選択的制御が使用され、2D動作モードと3D動作モードを区別する。すなわち、ライトガイド内の偏光は、複数の指向性光ビーム406aまたは拡散光406bが放射されるかどうかを決定する。これらの実施形態のいくつかでは、モード切り替え可能バックライト410は、ライトガイド108が2D動作モードと3D動作モードの両方において機能するモード切り替え可能バックライト300に関して上述したように、組み合わされた第1の平面バックライト102および第2の平面バックライト104と実質的に同様であってもよい。
【0077】
図4に示すように、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400は、ライトバルブアレイ420をさらに備える。ライトバルブアレイ420は、2D動作モードにおいて拡散光406bを変調するように構成される。ライトバルブアレイ420によって変調された拡散光406bは、2Dピクセルを表す変調光402としてライトバルブアレイ420によって放射される。2Dピクセルは、例えば、2D画像のピクセルであってもよい。さらに、ライトバルブアレイ420は、3D動作モードにおいて複数の
指向性光ビームの
指向性光ビーム406aを変調するように構成される。ライトバルブアレイ420によって変調された
指向性光ビーム406aは、順次、互いに異なる主角方向を有し且つ3Dピクセル、すなわち、マルチビュー画像の異なるビュー方向の方向を有する指向性ピクセルを表す変調光ビーム404である。特に、3Dピクセルは、3D動作モードにおいて2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400によって表示されるマルチビューまたは3D画像の異なるビューに対応することができる。いくつかの実施形態では、ライトバルブアレイ420は、本明細書で上述したライトバルブ152のアレイと実質的に同様であってもよい。例えば、様々な異なる種類のライトバルブは、これらに限定されるものではないが、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、およびエレクトロウェッティングベースのライトバルブのうちの1つまたはそれ以上を含む、ライトバルブアレイ420のライトバルブとして使用されることができる。
【0078】
いくつかの実施形態では(例えば、
図4に示されるように)、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400は、モード切り替え可能バックライト410から散乱されるかまたはそうでなければ放射される光を供給するように構成される光源をさらに備える。特に、
図4は、モード切り替え可能バックライト410に光を供給するように配置された第1の光源430aおよび第2の光源430bを示している。いくつかの実施形態では、第1の光源430aは、第1の光源124aと実質的に同様であってもよく、第2の光源430bは、第2の光源124bと実質的に同様であってもよく、それぞれ、
図2A~
図3Bならびにモード切り替え可能バックライト200、300を参照して上述される。様々な実施形態によれば、モード切り替え可能バックライト410への光の供給間の切り替えは、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400のモードを切り替えるために使用されることが。
【0079】
モード切り替え可能バックライト410が別個の第1および第2の平面バックライトを含む2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400の実施形態では、第1の光源430aは、第1の平面バックライトに光学的に結合されることができるとともに、第2の光源430bは、第2の平面バックライトに光学的に結合されることができる。例えば、第1および第2の光源430a、430bは、上述され且つ
図2A~
図2Bに示されるように、第1および第2の光源124a、124bおよびそれぞれ別個の第1および第2の平面バックライト102、104の間の接続と実質的に同様の構成で、モード切り替え可能バックライト410の別個の第1および第2の平面バックライトにそれぞれ接続されることができ
る。
【0080】
3D動作モードでは、第1の光源430aが作動され、第1の平面バックライトのライトガイドに光を供給することができる。そして、第1の光源430aによって供給される光は、散乱され、複数の指向性光ビーム406aとして遮光層の開口部によって最終的に放射されることができる。第2の光源430bは、拡散光406bが複数の指向性光ビーム406aと干渉するように生成されないことを保証するために、3D動作モード中に停止されてもよい。あるいは、2D動作モードでは、第2の光源430bが作動され、第2の平面バックライトのライトガイドに光を供給することができる。次に、第2の光源430bによって供給される光は、2D動作モード中に拡散光406bとして第2の平面バックライトのライトガイドから散乱されることができる。
【0081】
モード切り替え可能バックライト410が組み合わされた第1および第2の平面バックライトおよび偏光遮光層を含む2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400の他の実施形態では、第1の光源430aおよび第2の光源430bは、光学的に結合されることができ、したがって、モード切り替え可能バックライト410のライトガイド(すなわち、組み合わされた第1および第2の平面バックライトの共通ライトガイド)に光を供給するように構成されることができる。さらに、第1の光源430aは、第1の偏光(例えば、TMまたはTE)を有する光を供給するように構成されることができ、第2の光源430bは、第2の偏光(例えば、TEまたはTM)を有する光を供給するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、これらの第1および第2の光源430a、430bは、上述したモード切り替え可能バックライト300の第1および第2の光源124a、124bならびにライトガイド108と実質的に同様であってもよい。特に、第1および第2の光源430a、430bのそれぞれは、各光源によって放射または供給される光を偏光する偏光子を含むことができる。さらに、異なる偏光を供給するように構成された第1および第2の光源430a、430bとこれらの実施形態のモード切り替え可能バックライト410のライトガイドとの間の接続は、例えば、
図3A~
図3Bに示されるライトガイド108と第1および第2の光源124a、124bとの接続と実質的に同様であってもよい。
【0082】
図4に示されるように、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400は、モード制御回路440をさらに備える。モード制御回路440は、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400による2D/3Dモード切り替えを選択的に制御するように構成される。特に、モード制御回路440は、第1および第2の光源430a、430bを切り替えることにより、2D/3Dモード切り替えを選択的に制御することができる。例えば、モード制御回路440は、第1の光源430aをオンにし且つ第2の光源430bをオフにして、3D動作モードを(またはその最中に)実行するように構成されてもよい。さらに、モード制御回路440は、第1の光源430aをオフにし且つ第2の光源430bをオンにして、2D動作モードを(またはその最中に)実行するように構成されてもよい。様々な実施形態によれば、第1および第2の光源430a、430bの切り替えは、手動で、またはより一般的には、モード制御回路440に制御入力を提供することにより切り替えを実行するように構成されたソフトウェアによって制御されることができる。
【0083】
本明細書に記載の原理の様々な実施形態によれば、バックライト動作の方法が提供される。
図5は、本明細書の動作に記載の原理と一致する実施形態にかかる、一例におけるバックライト動作の方法500のフローチャートを示している。図示されるように、バックライト動作の方法500は、平面バックライトを使用して散乱光を供給すること510を備える。いくつかの実施形態では、平面バックライトは、モード切り替え可能バックライト200、300に関して上述した第1の平面バックライト102と実質的に同様であってもよい。バックライト動作の方法500は、平面バックライトからの光を複数の開口部を有する遮光層に向けること520をさらに備える。いくつかの実施形態では、遮光層は、モード切り替え可能バックライト200、300に関して上述した開口部112を有する遮光層110、110aと実質的に同様であってもよい。例えば、遮光層は、反射性遮光層であってもよい。他の例では、遮光層は、偏光遮光層(例えば、反射性または非反射性)であってもよい。
【0084】
バックライト動作の方法500は、複数の開口部の開口部(an aperture of the apertures)を使用して散乱光から複数の指向性光ビームを供給すること530をさらに備える。いくつかの実施形態では、530において供給される複数の指向性光ビームは、本明細書において上述した複数の指向性光ビーム106a、406aと実質的に同様であってもよい。例えば、複数の指向性光ビームは、マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する指向性光ビームを含むことができる。様々な実施形態によれば、開口部のサイズは、バックライトが使用されるディスプレイのライトバルブアレイのライトバルブに匹敵する。例えば、バックライトは、マルチビューディスプレイにおいて使用されるマルチビューバックライトであってもよい。バックライト動作の方法500のマルチビューバックライトは、例えば、上述したマルチビューバックライト100、100’と実質的に同様であってもよい。
【0085】
いくつかの実施形態(図示せず)では、バックライト動作の方法500は、2次元(2D)動作モード中に拡散光を供給することをさらに備える。複数の指向性光ビームは、例えば、3次元(3D)動作モード中に供給されることができる530。これらの実施形態では、バックライトは、2D/3Dモード切り替え可能バックライトであってもよい。さらに、2D/3Dモード切り替え可能バックライトとして、バックライトは、いくつかの実施形態では、上述したモード切り替え可能バックライト200、300と実質的に同様であってもよい。特に、いくつかの実施形態では、拡散光は、ディスプレイの遮光層とライトバルブアレイとの間に位置する他の平面バックライトによって供給される。
【0086】
いくつかの実施形態(例えば、遮光層が偏光遮光層である場合)では、遮光層は、第1の偏光を有する光の透過を遮断または少なくとも実質的に遮断するように構成されることができる。これらの実施形態では、複数の指向性光ビームは、遮光層に隣接するライトガイドを第1の偏光にしたがって偏光された光で照明することにより供給される。さらにこれらの実施形態では、遮光層は、第2の偏光を有する光を透過するように構成されてもよい。拡散光は、例えば、ライトガイドを第2の偏光にしたがって偏光された光で照明することにより、2D動作モード中に供給されることができる。
【0087】
いくつかの実施形態(図示せず)によれば、バックライト動作の方法500は、3D動作モードにおいてライトバルブアレイを使用して複数の指向性光ビームの指向性光ビーム(directional light beams of the directional light beam plurality)
を変調することをさらに備える。変調された指向性光ビームは、マルチビュー画像の指向性ピクセルを提供してもよい。特に、いくつかの実施形態によれば、変調された指向性光ビームは、上述した2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400の変調光ビーム404と実質的に同様であってもよい。さらに、いくつかの実施形態(図示せず)によれば、バックライト動作の方法500は、2D動作モードにおいて拡散光を変調して2D画像のピクセルを提供することをさらに備えることができる。したがって、方法500のバックライトは、いくつかの実施形態では、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイの2D/3Dモード切り替え可能バックライト(例えば、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ400のモード切り替え可能バックライト410)であってもよい。
【0088】
したがって、マルチビューバックライト、2D/3Dモード切り替え可能バックライト、2D/3Dモード切り替え可能ディスプレイ、および平面バックライトの表面に隣接する複数の開口部を有する遮光層を使用するバックライト動作の方法の例および実施形態が説明された。上述した例は、本明細書に記載の原理を表す多くの特定の例の一部を単に例示するにすぎないことを理解すべきである。明らかに、当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、多数の他の構成を容易に考案することができる。