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特許7074770天井患者リフトシステムのための受入モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】天井患者リフトシステムのための受入モジュール
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/14 20060101AFI20220517BHJP
   B66C 11/00 20060101ALN20220517BHJP
【FI】
A61G7/14
B66C11/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019559756
(86)(22)【出願日】2018-04-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 CA2018050482
(87)【国際公開番号】W WO2018201232
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-02-15
(31)【優先権主張番号】62/492,819
(32)【優先日】2017-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513242254
【氏名又は名称】アルジョハントレー・マゴグ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョスラン・パトリー
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ・クストー-ボワクレール
(72)【発明者】
【氏名】マルタン・フォシェ
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・ルデュク
(72)【発明者】
【氏名】フランシス・ラポワント
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/076668(WO,A2)
【文献】実開昭62-083091(JP,U)
【文献】特公昭55-010519(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/10-7/14
B66C 11/00-11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井患者リフトのための受入モジュールであって、前記受入モジュールは、軌道に沿って滑動可能に移動可能な移動式滑車であり、前記受入モジュールは、
モータユニットを維持するように構成された内部空洞を定める筐体と、
前記筐体の側面にヒンジで連結される扉であって前記扉は、前記扉が閉じられ、前記筐体の前記内部空洞へのアクセスを防止する第1の位置と、前記扉が開けられ、前記受入モジュールを前記軌道に対して固定するためにブレーキを作動させる第2の位置と、の間で移動可能であり、前記扉は、前記軌道の一部分と係合し、前記扉を前記第2の位置において前記軌道に係止させ、かつ、前記扉は、前記第2の位置において前記扉を係止することを支援する、前記扉の上側に設けられた摩擦点または外れ止めを有する、扉と、
前記筐体に動作可能に連結された滑動要素と、
前記滑動要素に連結され、前記筐体の側面を滑動可能に受け入れる少なくとも1つの保持部材と、
前記筐体の上部面に設けられる少なくとも1つの対抗支持部と、
前記筐体の前記内部空洞に設けられる少なくとも1つの傾斜部材と
を備える受入モジュール。
【請求項2】
人を持ち上げて移転させるためのリフトシステムであって、前記リフトシステムは、
人を持ち上げるための巻上組立体と、
前記軌道と係合可能な、請求項1に記載の受入モジュールとを備え、
前記筐体は、前記巻上組立体が前記筐体に切り離し可能に結合されるように前記巻上組立体の一部分を取り外し可能に受け入れるように構成され
前記扉は、枢動可能であり、前記筐体の前記内部空洞へのアクセスを許容し、前記巻上組立体の前記一部分を前記筐体内で固定する、リフトシステム。
【請求項3】
前記扉は、前記軌道の一部分に対してスナップ留めされ、それによって前記扉を前記第2の位置において前記軌道に係止させるように構成される、請求項2に記載のリフトシステム。
【請求項4】
前記扉は、前記軌道から離間された枢動点の周りで前記筐体に枢動可能にヒンジ留めされ、前記扉は、前記枢動点に隣接すると共に前記枢動点からずれた摩擦点をさらに備え、前記摩擦点は、前記扉を前記第2の位置において前記軌道に固定させ、前記受入モジュールの移動を防止するために、前記枢動点と前記軌道との間で位置決め可能である、請求項2に記載のリフトシステム。
【請求項5】
前記扉は、前記軌道から離間された枢動点の周りで前記筐体に枢動可能にヒンジ留めされ、前記扉は、前記枢動点に隣接すると共に前記枢動点からずれた端に、タブの付いた舌部をさらに備える、請求項2に記載のリフトシステム。
【請求項6】
前記筐体は、4つの側面、上部面、および下部面を備える筐体として構成され、前記巻上組立体の一部分を収容するために前記下部面内にスロットが定められる、請求項2から5のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【請求項7】
前記扉が、前記扉を手動で回転させることで、使用者によって前記第1の位置と前記第2の位置とに枢動可能に位置決めされる、請求項2から6のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【請求項8】
前記保持部材は、前記筐体の幅を横断するように構成され、前記滑動要素は、前記筐体の前記内部空洞へのアクセスを許容するために、および、前記巻上組立体の前記一部分を前記筐体内で固定するために、鉛直方向において滑動可能に移動可能である、請求項2から7のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【請求項9】
前記筐体は、前記巻上組立体の前記一部分を前記筐体内で固定するために、前記扉に隣接して開口する前記筐体の縁と隣り合う座部を有する、請求項2から8のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【請求項10】
前記対抗支持部は、前記扉が開いているとき、および/または、前記巻上組立体の前記一部分を前記筐体内に受け入れるとき、前記受入モジュールが実質的に安定および/または水平になるように、前記受入モジュールの位置を調節するように構成される請求項2から9のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【請求項11】
前記扉は、前記扉の開閉を容易にするために、前記扉の側部から前記筐体の側部を越えて延びるタブをさらに備える、請求項2から10のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【請求項12】
前記巻上組立体は、巻上連結器と、前記巻上連結器から延びるモータユニットとを備える、請求項2から11のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【請求項13】
前記受入モジュールは前記軌道に取り外し可能に取り付けられ、前記受入モジュールは、前記軌道の長さに沿って移動可能な複数の車輪軸受を備える、請求項2から12のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【請求項14】
前記受入モジュールと前記巻上組立体とは電気的に連結され、単一の供給源によって電力供給され得る、および/または、単一の制御装置によって命令され得る、請求項2から13のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、大まかには、患者リフトシステムおよびそれらの構成要素および組立体に関し、より詳細には、患者リフトシステムのための巻上運搬具および受入モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
患者リフトは、例えば、ベッドから浴室へ、または、ベッドから椅子へといった、人および/または機器を建物の異なる場所へと運ぶために、病院および他の介護センタで、ならびに運動障害を伴う人の自宅で、一般的に使用されている。患者リフトは、動けない個人の快適性および尊厳を保つのを助ける一方で、介護人側の労力をはるかに低減させた個人の移動を可能にする。患者リフトは、救急治療施設、病院、長期ケア施設、看護施設、ホスピス、自宅、または、健康管理サービスが提供される、および/もしくは、患者の取り扱いが必要とされるあらゆる種類の環境において使用され得る。
【0003】
患者リフトの1つの種類に、天井リフトがある。天井リフトは天井巻上技術を使用し、天井巻上技術は、様々な形態の巻上機を使用して人を上方から巻き上げる。このような天井リフトの一形態は、天井または高所構造体から吊り下げられた1つまたは複数の軌道を走行することができるリフトである。このようなリフトシステムは固定天井リフトを備え、固定天井リフトでは、軌道が天井に固定され、持ち上げ組立体が軌道とポータブル天井リフトとに直接的に取り付けられ、リフト組立体が、天井の軌道、または、天井の軌道に取り付けられた部材に取り外し可能に取り付けられる。このようなリフトシステムの一部の例が、Faucherらへの米国特許第7,237,491号(特許文献1)、Faucherらへの米国特許第6,675,412号(特許文献2)、および、Faucherらへの米国特許第8,701,226号(特許文献3)に示されており、それら特許の各々は、本明細書において参照によりその全体が組み込まれている。米国特許第8,701,226号に示された例では、組立体の構成要素同士が、壁または他の場所に備え付けられた制御ユニットを利用して、それらの間で電力およびデータを伝送することができる。
【0004】
いくつかの天井患者リフトシステムは、天井または高所構造体に備え付けられた軌道に動作可能に連結された移動式滑車、運搬具、または他の受入モジュールを備える。これらの受入モジュールは、システムの巻上ユニットを上昇および下降させるために使用されるモータユニットに取り付け可能である。一部のシステムでは、受入モジュールは、持ち上げられる個人の体重および状態に応じて、個人を巻き上げるために適切なモータユニットがリフト組立体で使用されるように、受入モジュール内で交換可能な様々なモータユニットを受け入れるように構成されている。しかしながら、個人が異なるモータユニットを取り外して挿入することがしばしば難しいため、モータユニットを交換する容易で効率的な方法を提供する受入モジュールに対する要求がある。従来の受入モジュールは、設置されたモータユニットを取り外し、それを異なるモータユニットと交換するために、多くの時間と労力とを必要とする可能性がある。また、従来の受入モジュールは、モータユニットが受入モジュールに固定されたことを確実にする優れた安全性の特徴を有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第7,237,491号明細書
【文献】米国特許第6,675,412号明細書
【文献】米国特許第8,701,226号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のことを考慮して、受入モジュール内でのモータユニットの容易で効率的な交換を可能にする患者リフトシステムのための受入モジュールに対する要求が現在ある。さらに、自己固定し、モータユニットが中に維持されているときに受入モジュールの偶発的な係止解除を防止する受入モジュールに対する要求が現在ある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様では、天井患者リフトのための受入モジュールは、モータユニットを維持するように構成された内部空洞を定める筐体と、筐体の側面にヒンジで連結され、開位置と閉位置との間で移動可能な扉と、筐体に動作可能に連結された滑動要素と、滑動要素に連結され、筐体の側面を滑動可能に受け入れる少なくとも1つの保持部材と、筐体の上部面に設けられる少なくとも1つの対抗支持部と、筐体の内部空洞に設けられる少なくとも1つの傾斜部材とを備える。
【0008】
ここで、さらなる態様が、以下の番号付けされた条項に記載される。
【0009】
条項1: 人を持ち上げて移転させるためのリフトシステムであって、リフトシステムは、人を持ち上げるための巻上組立体と、軌道と係合可能な受入モジュールとを備え、受入モジュールは、巻上組立体が筐体に切り離し可能に結合されるように巻上組立体の一部分を取り外し可能に受け入れるための筐体と、筐体の内部空洞へのアクセスを許容し、巻上組立体の一部分を筐体内で固定する枢動可能な扉とを備え、扉は、扉が閉じられ、筐体の内部空洞へのアクセスを防止する第1の位置と、扉が開けられ、受入モジュールを軌道に対して固定するためにブレーキを作動させる第2の位置との間で移動可能である、リフトシステム。
【0010】
条項2: 開位置において、扉は軌道の一部分と係合し、扉を開位置において軌道に係止させる、条項1に記載のリフトシステム。
【0011】
条項3: 扉は、軌道の一部分に対してスナップ留めされ、それによって扉を開位置において軌道に係止させるように構成される、条項1に記載のリフトシステム。
【0012】
条項4: 扉は、軌道から離間された枢動点の周りで筐体に枢動可能にヒンジ留めされ、扉は、枢動点に隣接すると共に枢動点からずれた摩擦点をさらに備え、前記摩擦点は、扉を開位置において軌道に固定させ、受入モジュールの移動を防止するために、枢動点と軌道との間で位置決め可能である、条項1に記載のリフトシステム。
【0013】
条項5: 扉は、軌道から離間された枢動点の周りで筐体に枢動可能にヒンジ留めされ、扉は、枢動点に隣接すると共に枢動点からずれた端に、タブの付いた舌部をさらに備える、条項1に記載のリフトシステム。
【0014】
条項6: 筐体は、4つの側面、上部面、および下部面を備える筐体として構成され、巻上組立体の一部分を収容するために下部面内にスロットが定められる、条項1から5のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0015】
条項7: 扉が、扉を手動で回転させることで、使用者によって第1の位置と第2の位置とに枢動可能に位置決めされる、条項1から6のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0016】
条項8: 受入モジュールは、筐体の幅を横断する保持部材を備える滑動要素をさらに備え、滑動要素は、筐体の内部空洞へのアクセスを許容するために、および、巻上組立体の一部分を筐体内で固定するために、鉛直方向において滑動可能に移動可能である、条項1から7のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0017】
条項9: 筐体は、滑動要素の保持要素を受け入れるために、筐体の互いに反対の側面に2つのスロットを備え、保持要素の互いに反対の端は、筐体の側部を突き抜けて延び出し、使用者に保持部材の位置を受入モジュールの外部から判別させることができる、条項8に記載のリフトシステム。
【0018】
条項10: 保持部材の互いに反対の端は、保持部材をスロット内で固定するために、スロットより広い幅を有する頭部を各々備える、条項9に記載のリフトシステム。
【0019】
条項11: 保持部材はリベットとして構成される、条項8から10のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0020】
条項12: 滑動要素は、扉に向かって延びると共に、扉を閉位置で係止するために扉のスロットと係合可能である係止タブをさらに備える、条項8から11のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0021】
条項13: 係止タブは、扉を閉位置で固定するために、扉のスロットに摩擦嵌めされる、条項12に記載のリフトシステム。
【0022】
条項14: 滑動要素は、保持部材および係止タブの一方を手作業で昇降させることで、鉛直方向において使用者によって滑動可能に位置決めされる、条項8から13のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0023】
条項15: 滑動要素は、筐体の内部空洞へのアクセスを許容する開位置、および巻上組立体を筐体内に固定するための閉位置から移動可能であり、リフトシステムは、滑動要素の開位置および/または閉位置を検出するためのセンサを備える、条項8から14のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0024】
条項16: 筐体は、巻上組立体の一部分を筐体内で固定するために、扉に隣接して開口する筐体の縁と隣り合う座部を有する、条項1から15のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0025】
条項17: 座部は傾斜部材として構成される、条項15に記載のリフトシステム。
【0026】
条項18: 傾斜部材は先細りとされ、筐体開口および扉から離れていくにつれて高さが低減する、条項15に記載のリフトシステム。
【0027】
条項19: 傾斜部材のうちの2つは、巻上組立体の互いに反対の下部面に接触するために、座部の互いに反対の側に位置決めされる、条項15から17のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0028】
条項20: 扉が開いているとき、および/または、巻上組立体の一部分を筐体内に受け入れるとき、受入モジュールが実質的に安定および/または水平になるように、受入モジュールの位置を調節するための対抗支持部をさらに備える、条項1から19のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0029】
条項21: 受入モジュールは、軌道内に取り外し可能に受け入れられると共に、連結器の下方で延びる筐体に取り付けられるフランジを備え、対抗支持部は、扉の反対の筐体の遠位端の上部面から上向きに延びる突出部として構成される、条項20に記載のリフトシステム。
【0030】
条項22: 扉が閉位置にあるとき、突出部は軌道の下部面から離間され、扉が開位置にあるとき、および/または、巻上機が筐体内に装着されているとき、突出部は軌道の下部面と係合し、受入モジュールの揺動を実質的に防止する、条項21に記載のリフトシステム。
【0031】
条項23: 突出部が、軌道の互いに反対の側と係合する、条項22に記載のリフトシステム。
【0032】
条項24: 受入モジュールは、軌道内に取り外し可能に受け入れられると共に、連結器の下方で延びる筐体に取り付けられるフランジを備え、対抗支持部は、扉の反対のフランジの遠位端の上部面から上向きに延びる突出部として構成される、条項20に記載のリフトシステム。
【0033】
条項25: 扉が閉位置にあるとき、突出部は軌道の表面から離間され、扉が開位置にあるとき、および/または、巻上組立体が筐体内に装着されているとき、突出部は軌道の下部面と係合し、受入モジュールの揺動を実質的に防止する、条項24に記載のリフトシステム。
【0034】
条項26: 突出部が、軌道の互いに反対の側と係合する、条項25に記載のリフトシステム。
【0035】
条項27: 扉は、扉の開閉を容易にするために、扉の側部から筐体の側部を越えて延びるタブをさらに備える、条項1から26のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0036】
条項28: 扉は、扉の開閉を容易にするために、扉の互いに反対の側部から筐体の側部を越えて延びる一対のタブを備える、条項1から27のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0037】
条項29: 筐体に対する扉の開位置および/または閉位置を検出するためのセンサを備える、条項1から28のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0038】
条項30: 軌道に対する受入モジュールの係止状態および/または係止解除状態を検出するためのセンサを備える、条項1から29のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0039】
条項31: 巻上組立体は、巻上連結器と、巻上連結器から延びるモータユニットとを備える、条項1から30のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0040】
条項32: 巻上連結器は、筐体内に取り外し可能に収容できると共に回転可能に軌道と係合できる車輪のセットを備える、条項21に記載のリフトシステム。
【0041】
条項33: モータユニットは巻上連結器および筐体の下方で延びる、条項32に記載のリフトシステム。
【0042】
条項34: 巻上組立体は、モータユニットから延びるストラップと、ストラップに連結されるスプレッダバーとをさらに備え、スプレッダバーは、人を支持するための吊り索に取り外し可能に取り付けできる、条項31から33のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0043】
条項35: 受入モジュールは軌道に取り外し可能に取り付けられ、受入モジュールは、軌道の長さに沿って移動可能な複数の車輪軸受を備える、条項1から34のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0044】
条項36: 軌道をさらに備える、条項1から35のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0045】
条項37: 受入モジュールと巻上組立体とは電気的に連結され、単一の供給源によって電力供給され得る、および/または、単一の制御装置によって命令され得る、条項1から36のいずれか一項に記載のリフトシステム。
【0046】
条項38: リフトシステムのための受入モジュールであって、受入モジュールは、巻上組立体が受入モジュールに切り離し可能に結合されるように巻上組立体の一部分を取り外し可能に受け入れるための筐体と、筐体の内部空洞へのアクセスを許容し、巻上組立体の一部分を筐体内で固定する枢動可能な扉とを備え、扉は、扉が閉じられ、筐体へのアクセスを防止する第1の位置と、扉が開けられる第2の位置との間で移動可能である、受入モジュール。
【0047】
条項39: 巻上組立体をさらに備える、条項38に記載のリフトシステムのための受入モジュール。
【0048】
条項40: リフトシステムのための受入モジュールであって、受入モジュールは、巻上組立体が筐体に切り離し可能に結合されるように巻上組立体の一部分を取り外し可能に受け入れるための筐体と、筐体の幅を横断する保持部材を備える滑動要素とを備え、滑動要素と保持部材は、筐体の内部空洞へのアクセスを許容するために、および、巻上組立体の一部分を筐体内で固定するために、鉛直方向において滑動可能に移動可能である、受入モジュール。
【0049】
条項41: 筐体は、保持部材を受け入れるために、筐体の互いに反対の側面に2つのスロットを備え、保持部材の互いに反対の端は、筐体の側部を突き抜けて延び出し、使用者に保持部材の位置を受入モジュールの外部から判別させることができる、条項40に記載の受入モジュール。
【0050】
条項42: 保持部材の互いに反対の端は、保持部材をスロット内で固定するために、スロットより広い幅を有する頭部を各々備える、条項41に記載の受入モジュール。
【0051】
条項43: 保持部材はリベットとして構成される、条項40から42のいずれか一項に記載の受入モジュール。
【0052】
条項44: 滑動要素は、筐体の扉に向かって延びると共に、扉を閉位置で係止するために扉内で係合可能である係止タブをさらに備える、条項40から43のいずれか一項に記載の受入モジュール。
【0053】
条項45: 係止タブは、扉を閉位置で固定するために、扉のスロットに摩擦嵌めされる、条項44に記載の受入モジュール。
【0054】
条項46: 滑動要素は、保持部材および係止タブの一方を手作業で昇降させることで、鉛直方向において使用者によって滑動可能に位置決めされる、条項40から45のいずれか一項に記載の受入モジュール。
【0055】
条項47: 滑動要素は、筐体の内部空洞へのアクセスを許容する開位置、および巻上組立体を筐体内に固定するための閉位置から移動可能であり、リフトシステムは、滑動要素の開位置および/または閉位置を検出するためのセンサを備える、条項40から46のいずれか一項に記載の受入モジュール。
【0056】
条項48: 巻上組立体をさらに備える、条項40から47のいずれか一項に記載の受入モジュール。
【0057】
条項49: リフトシステムのための受入モジュールであって、受入モジュールは、巻上組立体が筐体に切り離し可能に結合されるように巻上組立体の一部分を取り外し可能に受け入れるための筐体と、筐体の内部空洞へのアクセスを許容し、巻上組立体の一部分を筐体内で固定する枢動可能な扉であって、扉は、扉が閉じられ、筐体へのアクセスを防止する第1の位置と、扉が開けられる第2の位置との間で移動可能である、枢動可能な扉と、扉が開いているとき、および/または、巻上組立体の一部分を筐体内に受け入れるとき、受入モジュールが実質的に水平および/または安定になるように、受入モジュールの位置を調節するための対抗支持部とを備える受入モジュール。
【0058】
条項50: 巻上組立体をさらに備える、条項49に記載の受入モジュール。
【0059】
条項51: リフトシステムのための受入モジュールであって、受入モジュールは、巻上組立体が筐体に切り離し可能に結合されるように巻上組立体の一部分を取り外し可能に受け入れるための筐体と、筐体の内部空洞へのアクセスを許容する開口とを備え、筐体は、巻上組立体の一部分を筐体内で固定するために、筐体開口の縁に隣り合う傾斜部材を備える床面を有する、受入モジュール。
【0060】
条項52: 巻上組立体をさらに備える、条項49に記載の受入モジュール。
【0061】
受入モジュールのこれらおよび他の特徴および特性と、システムの関連する要素の動作の方法および機能とは、添付の図面を参照しつつ、以下の記載および添付の特許請求の範囲の検討によってより明らかとなり、添付の図面のすべてがこの明細書の一部を形成しており、同様の参照符号は、様々な図において対応する構成要素を指示している。しかしながら、図面は図示および記載の目的だけのためであり、本開示の限定の定義として意図されていないことは、明確に理解されるものである。明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、「1つ(a、an)」および「その(the)」といった単数形は、文脈が他に明確に指示していない場合、複数の指示対象を含む。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】本開示の一態様による天井患者リフトシステムの側面図である。
図2】本開示の天井患者リフトシステムの別の態様の斜視図である。
図3図1の天井患者リフトシステムによって巻き上げられている個人を描写している側面図である。
図4】軌道に位置決めされた本開示の一態様による受入モジュールの斜視図である。
図5】本開示の態様による2つの異なる受入モジュールの斜視図である。
図6】扉が開位置にある状態での図4の受入モジュールの斜視図である。
図7】扉が開位置にある状態での図4の受入モジュールの側面図である。
図8】扉が開位置にある状態での図4の受入モジュールの側面図である。
図9】扉が開位置にある状態での図4の受入モジュールの前面図である。
図10】扉が閉位置にある状態での図4の受入モジュールの前面図である。
図11】扉が閉位置にあり、滑動要素が係止位置にある状態での図4の受入モジュールの側面図である。
図12】扉が開位置にあり、滑動要素が係止位置にある状態での図4の受入モジュールの側面図である。
図13図4の受入モジュールにおける本開示の一態様による対抗支持部の斜視図である。
図14図4の受入モジュールにおける本開示の別の態様による対抗支持部の斜視図である。
図15】係合解除状態における図14の対抗支持部の側面図である。
図16】係合状態における図15の対抗支持部の側面図である。
図17】モータユニットを受け入れる図4の受入モジュールの斜視図である。
図18】モータユニットが設置されている状態での図4の受入モジュールの斜視図である。
図19】モータユニットを受け入れる図4の受入モジュールの側面図である。
図20】モータユニットが設置されている状態での図4の受入モジュールの側面図である。
図21図4の受入モジュールの滑動要素の前面図である。
図22図4の受入モジュールの滑動要素の斜視図である。
図23】滑動要素が取り外されている状態での図4の受入モジュールの斜視図である。
図24】滑動要素が取り外されている状態での図4の受入モジュールの斜視図である。
図25図4の受入モジュールおよび受入モジュールに設置されたモータユニットの側面図である。
図26】モータユニットを図4の受入モジュールに設置するための方法を示す概略図である。
図27】モータユニットを図4の受入モジュールから取り外すための方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以後における記載の目的のために、「上方」、「下方」、「右」、「左」、「鉛直」、「水平」、「上」、「下」、「横」、「縦」の用語、およびそれらの派生語は、図における方向付けに従って本発明に関連するものとする。しかしながら、本発明が、明示的にそれと反対であると特定される場合を除いて、代替の変形およびステップの連続を取ることができることは、理解されるものである。添付の図面に図示され、以下の記述において記載されている特定のシステムおよび過程が、本発明の単純に例示の例であることも、理解されるものである。したがって、本明細書で開示されている例に関する特定の寸法および他の物理的特性は、限定として解釈されるものではない。
【0064】
本出願は、患者リフトシステム10の受入モジュール18を対象とする。例示の実施形態では、本出願は、移動式滑車および/または運搬具として構成された受入モジュール18を備える患者リフトシステム10を対象とする。システム10は、受入モジュール18がそれに沿って乗るように構成される天井もしくは他の高所構造体に取り付けられるか、その天井もしくは他の高所構造体から吊り下げられる1つまたは複数の軌道11、一部が受入モジュール18内に取り外し可能に固定され得る巻上組立体12、および/または、リフト組立体9を任意選択でさらに備え得る。
【0065】
軌道11(複数の軌道が使用される場合もある)は、天井もしくは高所構造体に直接的に取り付けられ得る、または、天井もしくは高所構造体から吊り下げられ得る。軌道11は、受入モジュール18に係合するための転がり面を有する輪郭とされた軌道であり得る。軌道11は、所望の場所への患者運搬部の移動を容易にする直線、曲線、または任意の他の所望の構成であり得る。軌道11は、巻上組立体12が2つの次元(上方軌道の方向と下方軌道の方向との両方)において移動できるように、受入モジュール18が上方軌道に沿って進行する状態で上方および下方の両方の軌道11をさらに含み得る。この構成は、本明細書において参照により組み込まれている米国特許第8,701,226号の図4に示されており、段落[0015]および[0020]~[0023]に記載されている。軌道組立体は、米国特許第7,237,491号(例えば、図12図19参照、および、段19の8~67行目および段20の1~65行目に記載されており、すべて本明細書において参照により組み込まれている)に示されたものなど、主レールおよび横断レールを有するX-Y系として構成されてもよい。軌道11は、金属または剛体のプラスチックなどの任意の適切な材料から作られ得る。代替で、軌道11は、折り曲げ可能とできるように、および、望むように方向付けできるように、柔軟であり得るか、または、関節接合され得る。例えば、軌道11は、半柔軟性のプラスチック材料から作られてもよい。さらに、軌道組立体は、本明細書において参照によりすべて組み込まれている米国特許第8,701,226号の図4に示されており、段落[0010]および[0020]~[0021]に記載されているものなど、固定された軌道システムまたは移動する軌道システムであり得る。
【0066】
軌道11は、受入モジュール18へと、電力を送ることができる、および/または、データを伝送することができる。軌道11が受入モジュール18に電力またはデータをどのように送ることができるかの例は、本明細書において参照により組み込まれている米国特許第8,701,226号に記載されている。したがって、壁または他の場所に備え付けられる制御ユニットが、軌道を経由して電力および/またはデータを受入モジュールへと伝送することができる。
【0067】
受入モジュール18は、それに取り付けられる巻上組立体12を移転および位置決めするために、軌道11に取り外し可能に取り付けられ、軌道11に沿って移動可能である。受入モジュール18は、巻上組立体12に、後で記載されているように直接的または間接的に取り付けられる。受入モジュール18は、軌道11と係合する車輪を備え得る。代替で、軌道11と受入モジュール18との間の関係は摩擦的であり得る。受入モジュール18は、巻上組立体12を動作させて個人を上昇および下降させるように構成されたモータユニットを備える巻上組立体12を受け入れることができる。受入モジュール18は、持ち上げられる個人の状態および体重に基づいて使用される様々な種類の巻上組立体12を受け入れるように構成されている。
【0068】
リフト組立体9を上昇および下降させる巻上組立体12は、柔軟な荷重支持部材13を巻き付けおよび巻き解きするための巻付けユニットまたは巻付け組立体を有し得る。巻上組立体12はモータユニットによって駆動され、伝達構成要素は受入モジュール18において維持される。巻付け組立体は、柔軟な荷重支持部材13が巻き付けられるドラムを備え得る。一部の例では、巻上組立体12は、患者についての異なる巻上条件に適応するために、受入モジュール18内において異なる種類の巻上組立体12と交換可能であり得る。
【0069】
巻上組立体12に連結され、巻上組立体12の下方で位置決めされ得るリフト組立体9は、患者リフトの支持部もしくは運搬部19を備える、または、患者リフトの支持部もしくは運搬部19に連結するように構成される。例えば、患者の支持部または運搬部19は、吊り索、装具、籠などであり得る。リフト組立体9は、持ち上げバーもしくはスプレッダバー14、または、患者の支持部もしくは運搬部19を支持するための搭載ブロックを備えてもよい。リフト組立体9および/またはその構成要素は、電力供給されてもよく、また、例えば視覚的表示装置、センサ、音響発生構成要素、制御装置などを経由して、データを生成、使用、および/または伝送してもよい。例えば、リフト組立体9は、運搬部における患者の体重の分配を監視するためのロードセル、患者の全体重および運搬部における体重の分配の視覚的表示装置もしくは聴覚通信部、安全でない状態を指示する何らかの性質のアラーム、ならびに/または、リフト組立体の上昇もしくは下降、もしくは、軌道における受入モジュールの進行を停止するための緊急停止部を備え得る。一例では、持ち上げバー、スプレッダバー、または搭載ブロック14がロードセルを備え得る。
【0070】
柔軟な荷重支持部材13は、ストラップ、ケーブルなどであり得る。柔軟な荷重支持部材13は、耐荷重性であり、荷重支持部材の長さに沿って電力および/またはデータを送る、例えば光送信体、電力導体、データまたは信号の導体など、一体とされた耐荷重性の電力および/またはデータ伝送線を備え得る。一例では、耐荷重性構成要素、伝送体、および電力伝送構成要素は、柔軟な荷重支持部材と一体である。柔軟な荷重支持部材13は、巻上組立体12とリフト組立体9との間、または、受入モジュール18と巻上組立体12との間に位置付けることができ、電力および/または通信を、巻上組立体12とリフト組立体9との間で、その様態で構成される場合には送り、または、受入モジュール18と巻上組立体12との間で、その様態で構成される場合には送る。柔軟な荷重支持部材13は、ストラップ、ケーブルなどとでき、電力線および/またはデータ線が撚線または層を定めているウェビング、メッシュ、編組ケーブル、層状ケーブルなどから形成されてもよい。
【0071】
前述したように、例示の実施形態では、天井患者リフトシステム10は、固定天井リフトおよびポータブル天井リフトとして構成され得る。固定天井リフトの例が図1図3に示されている。図1は、固定天井患者リフトシステム10(以後「システム10」)の例を示している。システム10は、軌道11と、受入モジュール18と、巻上組立体12と、柔軟な荷重支持部材13と、リフト組立体9とを備える。一態様では、リフト組立体9は、患者支持部および/または患者の支持部もしくは運搬部19を取り付ける取付ハンドル15または他の手段を有するスプレッダバー14を備え得る。図1において矢印16によって指示されているように、スプレッダバー14は、例えば患者をベッド、椅子、担架などから上昇させるために、柔軟な荷重支持部材13を引き込むことで鉛直方向において移動できる。矢印17によって指示されているように、柔軟な荷重支持部材13およびスプレッダバー14(延いては、患者運搬部)を伴う巻上組立体12は、患者をある場所から別の場所へと移動させるために水平に移動させられ得る。図3は、患者のための運搬部としてのスプレッダバー14に連結された吊り索19を使用してシステム10が患者を所望の場所に運んでいるところを示している。
【0072】
図示されている軌道11は直線であるが、軌道11は、特定の要求に応じて、湾曲、円形、または何らかの他の構成であってよい。例示の態様では、軌道システム11、受入モジュール18、巻上組立体12、柔軟な荷重支持部材13、スプレッダバーまたは持ち上げバー14、および患者の支持部または運搬部19の組み合わせが、集合的に天井患者リフトシステム10と呼ばれる。本開示は軌道11の使用を参照して記載されるが、システム10が他の高所リフト組立体と使用され得ることも検討されている。
【0073】
図2は、軌道11と、受入モジュール18と、巻上組立体12と、柔軟な荷重支持部材13、スプレッダバー14、およびハンドル15を含むリフト組立体9とを有する別の固定天井リフトシステム10を示している。さらに示されているのは、患者または機器のための運搬部を提供するためにハンドル15に取り付けられ得る吊り索19である。
【0074】
図4図8は、本開示の一態様による受入モジュール18を示している。図4では、受入モジュール18は、軌道11に設置されて示されており、患者を軌道長さに沿う任意の所望の場所へと移動させるために、軌道11に沿って滑動可能に移動可能である。受入モジュール18は、軌道連結器21を介して軌道11に動作可能に連結された筐体または受部20を備える。一態様では、受入モジュール18と巻上組立体12とは、単一の供給源から電力を受けるために電気的に連結される、および/または、制御装置(図示せず)からデータを受信できる。一実施形態では、筐体20は、下面22と、上面24と、4つの側面26、28、30、32とを備える。図5に示されているように、軌道連結器21は、フランジ34を備え、筐体または受部20の上面24から延びている。一態様では、軌道連結器21は、フランジ34において回転可能に軸支された少なくとも2つの車輪軸受36をさらに備える。1つの車輪軸受36は、フランジ34の互いに反対の側において互いと反対に位置決めされ得る。一態様では、2つの車輪軸受36がフランジ34の各々の側に設けられる。別の態様では、4つの車輪軸受36がフランジ34の各々の側に位置決めされる。図9に示されているように、車輪軸受36とフランジ34の一部分とは、軌道11によって形成された内部空洞38に位置決めされている。車輪軸受36は、軌道11の座部40に圧し掛かり、受入モジュール18を軌道11に沿う異なる位置へと移動させるために座部40に沿って滑動可能である。車輪軸受36は、手作業で個人によって、または、モータユニット37によって、移動させることができる。
【0075】
図4図8を参照すると、扉またはカバー42が筐体または受部20にヒンジで連結されている。扉またはカバー42は、ヒンジ44を介して筐体または受部20に連結されている。一態様では、ヒンジ44は筐体または受部20の上面24を通じて延び、扉またはカバー42は、扉/カバー42が完全に開いた状態において、軌道11の下部面と係合するようにヒンジ44の周りで上向きに回転させられる。扉またはカバー42は、開位置と閉位置との間で枢動可能に移動可能である。別の態様では、扉またはカバー42は、開位置と閉位置との間で回転可能である。一態様では、センサ(図示せず)が、扉またはカバー42の開/閉位置を検出するために設けられてもよい。開位置では、扉またはカバー42は、受入モジュール18へのモータユニット/巻上組立体37の挿入と、受入モジュール18からのモータユニット/巻上組立体37の取り外しとを許容する。閉位置では、扉またはカバー42は、受入モジュール18へのモータユニット/巻上組立体37の挿入、または、受入モジュール18からのモータユニット/巻上組立体37の取り外しを防止する。扉またはカバー42は、扉またはカバー42を開けるときおよび閉じるときに、個人を支援するために、側部から延びる1つまたは複数のタブ、羽部、または把持部46を備え得る。一実施形態では、2つのタブ、羽部、または把持部46は、扉またはカバー42の開閉を容易にするために、筐体または受部20の側部を越えて扉またはカバー42の互いに反対の側から延び得る。
【0076】
図6図8図11、および図12に示されているように、扉またはカバー42は、モータユニット37の巻上組立体連結器または一部分などの巻上組立体12の一部分の受入モジュール18内での挿入/取り外しを容易にするために、開位置において扉またはカバー42を係止することを支援する、扉またはカバー42の上側に設けられた摩擦点または外れ止め48を備える。扉またはカバー42は図11において閉位置で示されている。一態様では、摩擦点または外れ止め48は、扉もしくはカバー42の一部であるか、または、扉もしくはカバー42と一体である。別の例では、摩擦点または外れ止め48は、扉もしくはカバー42に取り付けられるかまたは扉もしくはカバー42から延びるタブ、突出部、突起、または延長部であり得る。
【0077】
図示した実施形態では、扉またはカバー42は、扉またはカバー42が完全に開かれて軌道11と係合するときに湾曲および屈曲することができる、ヒンジ44から離間されると共にヒンジ44からずれている舌部要素または片持ち梁要素を有する。摩擦点または外れ止め48は、扉またはカバー42の角度位置に応じて変わる摩擦点または外れ止め48と軌道11との間の干渉による可変力で軌道11の下面に係合するという点で、カムと同様に作用するように輪郭形成されている。一態様では、摩擦点または外れ止め48は、扉またはカバー42がその閉位置にあるとき、軌道11と係合されない。例えば、図11に示されているように、扉またはカバー42の摩擦点または外れ止め48は、扉またはカバー42が閉位置にあるとき、扉またはカバー42を筐体または受部20に連結するヒンジ44から第1の距離50でずれている。しかしながら、他の実施形態では、摩擦点または外れ止め48は閉位置で軌道11に係合され得ることは、理解されるべきである。任意の事象において、扉またはカバー42が閉位置から開位置へと回転させられるとき、摩擦点または外れ止め48は軌道11の下面に接触して滑ることになる。摩擦点または外れ止め48が軌道11に当たって滑るため、摩擦点または外れ止め48の輪郭は、扉またはカバー42をその完全な開位置へと移動するために個人が増加した力を加える必要性を生じさせる干渉を生む。
【0078】
一態様では、摩擦点または外れ止め48と軌道11の下面との間の干渉の力は、扉またはカバー42が開位置に到達または接近すると少なくとも一部低減することになる。この方法では、摩擦点または外れ止め48が、扉またはカバー42の閉位置から開位置への移行の間、最大の干渉の係合力に到達する。一態様では、これは、図12に示されているように、摩擦点または外れ止め48とヒンジ44の軸との間にずれ51を設定することで達成される。この干渉力の低減は、例えば、摩擦点または外れ止め48に楕円または半楕円形の輪郭を提供し、軌道11への摩擦点または外れ止め48の係合が楕円の頂点をちょうど越える向きに回転させられる位置に、扉またはカバー42の開位置を設定すること(軌道11が楕円形の頂点と係合されるとき、この例では、最大の干渉の係合力が発生する)といった、任意の他の手法で達成されてもよい。この方法では、摩擦点または外れ止め48と軌道11との間の最大の干渉の係合力に打ち勝ち、扉またはカバー42をその閉位置まで戻すために、増加した外力(例えば、使用者による)が扉またはカバー42に発揮されるまで、扉またはカバー42は開位置に留まる。一態様では、開位置における干渉力が、最大の干渉の係合力より約30%小さい。一態様では、個人は、摩擦点または外れ止め48を最大の干渉の係合を超えて移動させるために、約20~25Nの間の力を扉またはカバー42に加える必要があり得る。
【0079】
それによって、上記および本明細書において記載した手法では、摩擦点または外れ止め48は、受入モジュール18へのモータユニット37の挿入/取り外しの間に扉またはカバー42を開位置で維持するための、軌道11に沿って動かなくさせるブレーキとして作用できる。扉またはカバー42が開位置にあるときであっても十分な度合いの干渉力を維持することで、摩擦点または外れ止め48は、受入モジュール18が軌道11に沿って移動するのを実質的に防止するために、扉またはカバー42が開位置へと移動させられるときに受入モジュール18のための動かなくさせる特徴部またはパーキングブレーキとしても作用することができる。
【0080】
(例えば、摩擦点または外れ止め48を最大の干渉の係合を超えて移動させることによって)扉またはカバー42が開位置へと十分に回転させられた後、扉またはカバー42は開位置で維持される。開位置では、扉またはカバー42と摩擦点または外れ止め48とは、受入モジュール18を軌道11における特定の位置において固定および係止するパーキングブレーキとして作用するように、軌道11に圧し掛かる。受入モジュール18を現在の位置で係止させることで、個人がモータユニット37を受入モジュール18に挿入する間/個人がモータユニット37を受入モジュール18から取り外す間、受入モジュール18は移動するのを防止される。扉またはカバー42を開けることは、モータユニット37を挿入/取り外しするために、受入モジュール18によって定められた内部空洞へのアクセスを許容もする。扉またはカバー42は、個人がモータユニット37を挿入/取り外ししようとする間に扉またはカバー42を維持する必要がないように、開位置で維持される。
【0081】
扉またはカバー42は、前述したような摩擦点または外れ止め48と軌道11との間の干渉によって提供される制動の特徴部を起動または作動させるために、レバーまたはアクチュエータとして効果的に作用する。したがって、受入モジュール18は、扉またはカバー42が開けられるとき、軌道11に沿って制動された状態へと自動的にさせることができる。先に記載されているように、扉またはカバー42は典型的には、受入モジュール18からのモータユニット/巻上組立体37の取り外し、または、受入モジュール18へのモータユニット/巻上組立体37の挿入が望まれるときに開けられる。そして、受入モジュール18を制動された状態にすること(つまり、前述の取り外し/挿入を容易にするために)が通例望まれるのは、正にこれらの状況である。そのため、有利には、使用者が別体の制動組立体を作動または起動させることを覚えておく必要がなく、扉またはカバー42を開ける行動だけで受入モジュール18を自動的に制動された状態にする。他の言い方をすれば、この方法では、巻上組立体37が受入モジュール18から取り外されるときに、および/または、巻上組立体37が受入モジュール18へ挿入されるときに受入モジュール18が制動されなければならないように、システムは配置され得るが、これは、扉またはカバー42が開けられるときだけこれらの作動が実施され得るためであり、また、扉またはカバー42を開ける行動が、前述したように、摩擦輪郭48を軌道11への係合へと作動させることによって、制動する機能を自動的に有効にするためである。
【0082】
一態様では、扉またはカバー42が開位置で維持されるとき、扉またはカバー42の端における摩擦点または外れ止め48の間におおよそ1mmの干渉があってもよく、そのため、扉またはカバー42は軌道11に対して曲げられ、それによって受入モジュール18のパーキングブレーキ効果を作り出す。開位置では、扉またはカバー42は、軌道11に対する摩擦力を作り出し、パーキングブレーキ力をもたらす。摩擦力は、受入モジュール18が軌道11に沿って移動するのを防止するように十分に大きく、受入モジュール18が、受入モジュール18におけるモータユニット37の交換の間に静止したままとなることを確実にする。モータユニット37が、受入モジュール18へと挿入された後/受入モジュール18から取り外しされた後、扉またはカバー42は、受入モジュール18を閉じるために開位置から閉位置へと移動させられ得る。扉またはカバー42を開けることと同様に、個人は、扉またはカバー42における摩擦点または外れ止め48と軌道11との間の干渉の係合を通じて扉またはカバー42を回転させるために、十分な下向きの力を扉またはカバー42に加えなければならない。扉またはカバー42が干渉の係合を超えて移動させられると、扉またはカバー42は、新たなモータユニットを受入モジュール18において固定するために、閉位置へと下へ回転させられ得る。
【0083】
図5および図9図12に示されているように、扉またはカバー42が開位置と閉位置との間で移動させられるとき、および/または、巻上組立体12を受け入れるとき、受入モジュール18に加えられる追加的な力のため、受入モジュール18は筐体または受部20の反対の側面28、32の回転または揺動を被る可能性がある。個人が摩擦点または外れ止め48を軌道11との干渉の係合を超えて移動させるために扉またはカバー42を上向きに押すとき、個人によって発揮される上向きの力は、扉またはカバー42のヒンジ44を筐体または受部20へと押し下げる。ヒンジ44が筐体または受部20を押すため、例えば扉またはカバー42の反対の側面28といった、筐体または受部20の反対の端は、軌道11に向かって上向きに回転し始めることができる。筐体または受部20のこの上向きの移動を相殺するために、対抗支持部52が、筐体または受部20が軌道11に向かって上向きに回転するのを防止するために、ならびに、受入モジュール18を軌道11と実質的に水平に(または平行に)、および/または、安定した向きで保つために、筐体または受部20に設けられ得る。本開示は、筐体または受部20における対抗支持部52のいくつかの異なる態様を提供している。
【0084】
図13の実施形態に示されているように、本開示の一態様では、少なくとも1つの対抗支持部52がフランジ34または軌道連結器21に提供され得る。対抗支持部52をフランジ34に設けることで、受入モジュール18が軌道11に位置決めされるとき、対抗支持部52は軌道11の内部空洞38に位置決めされる。一態様では、対抗支持部52は、フランジ34において軸支される車輪軸受である。一態様では、フランジ34の上部面から上向きに延びるように、1つの対抗支持部52がフランジ34の一方の側に設けられ、別の対抗支持部52がフランジ34の反対の側において第1の対抗支持部52の反対に設けられる。対抗支持部52は、軌道11において、梁に近接して、または、梁に接して位置決めされる。筐体または受部20における扉またはカバー42を開けるとき、および、筐体または受部20が軌道11に対して回転し始めるにつれて、対抗支持部52の上部面は、軌道11に対する筐体または受部20の回転を防止するために、軌道11の内側梁に圧し掛かり、それによって、扉またはカバー42が開けられる間、筐体または受部20が実質的に水平および安定のままであることを確実にする。対抗支持部52は、筐体もしくは受部20のあらゆる回転を防止するように位置決めされ得る、または、軌道11に対する筐体もしくは受部20の最小の回転を許容するように位置決めされ得る。いずれの態様でも、対抗支持部52は、筐体または受部20を軌道11と実質的に平行に保つように構成されるべきである。
【0085】
図14図16に示されているように、本開示の別の態様において、少なくとも1つの対抗支持部52が筐体または受部20の上面24に設けられている。一態様では、対抗支持部52は、筐体または受部20の上面24から上向きに延びる突出部である。一態様では、突出部は、筐体もしくは受部20と一体に形成され得る、または、筐体もしくは受部20の上面24に取り付けられる別体の構成要素であり得る。別の態様では、突出部は、後アクセス扉54に形成されてもよい、および/または、フランジ34にヒンジで連結されてもよい。一態様では、1つの対抗支持部52が筐体または受部20に設けられる。別の態様では、1つの対抗支持部52が、フランジ34の一方の側において筐体または受部20の上部面から上向きに延び、別の対抗支持部52が、第1の対抗支持部52と反対のフランジ34の側において筐体または受部20に設けられる。対抗支持部52が筐体または受部20の上面24に設けられるため、受入モジュール18が軌道11に結合されるとき、対抗支持部52は軌道11の下部面の下方に設けられる。受入モジュール18が軌道11において位置決めされるとき、対抗支持部52は、軌道11の外側の下面に近接して位置決めされるか、または、軌道11の外側の下面に圧し掛かる。摩擦点または外れ止め48と軌道11との間の干渉のため、扉またはカバー42が開けられるとき、筐体または受部20は軌道11に対して回転し始めることができる。この例では、対抗支持部52は、軌道11に対する筐体または受部20の回転を防止するために軌道11の外側の下面に圧し掛かり、それによって、軌道11への受入モジュール18の制動力を増加させ、扉またはカバー42が開けられている間に筐体または受部20が固定および/または水平のままであることを確実にする。対抗支持部52は、筐体もしくは受部20のあらゆる回転を防止するように位置決めされ得る、または、軌道11に対する筐体もしくは受部20の最小の回転を許容するように位置決めされ得る。いずれの態様でも、対抗支持部52は、筐体または受部20を軌道11と実質的に平行に保つように構成されるべきである。本開示の別の態様では、受入モジュール18が図13の対抗支持部52と図14図16の対抗支持部52との両方を備え得ることも検討されている。
【0086】
図12図20を参照すると、受入モジュール18のための自己固定係止構成が記載されている。滑動要素またはゲート56が、筐体または受部20によって定められた内部空洞内に滑動可能に位置決めされる。滑動要素またはゲート56は、筐体または受部20内で軌道11に向かって、および軌道11から離れるように鉛直方向で移動するように構成されている。一態様では、滑動要素またはゲート56は、筐体または受部20の側面32から延び出す係止タブまたは滑動外れ止め58を備える。一態様では、係止タブまたは滑動外れ止め58は軌道11に向かって上向きに湾曲される。滑動要素またはゲート56は、滑動要素またはゲート56に連結されると共に滑動要素またはゲート56から延びる1つまたは複数の保持部材60を介して、筐体または受部20内で維持される。本開示の一態様では、保持部材60は、筐体または受部20の幅を横断する棒材またはリベットとして構成される。ナットおよびボルトの組立体の代わりでのリベットの使用は、リベットが滑動要素またはゲート56に永久的に取り付けられるため有利であり得る。ナットおよびボルトの組立体と異なり、リベットは受入モジュール18の使用の間、偶発的に分解することはない。ナットおよびボルトの組立体は、偶発的に緩むことで分解してしまう可能性がある。
【0087】
1つの保持部材60が滑動要素またはゲート56の各々の側部から延び、筐体または受部20の側面26、30に定められたスロット62に受け入れられる。各々の保持部材60は、保持部材60がスロット62において位置決めされるとき、筐体または受部20の外側に位置決めされる拡大された頭部64を備える。保持部材60の頭部64は、スロット62の直径より大きい直径を有し、それによって、保持部材60が筐体または受部20に落下するのを防止する。保持部材60はスロット62内で鉛直方向に移動可能であり、これは、筐体または受部20内での滑動要素またはゲート56の鉛直方向の移動に対応する。保持部材60がスロット62から変位させられるのを防止する拡大された頭部を保持部材60が有するならば、リベット以外の保持部材が、滑動要素またはゲート56を筐体または受部20内に保持および維持するために使用され得ることも検討されている。
【0088】
図17図20に示されているように、滑動要素またはゲート56は、重力によって係止位置へと落下する自己係止要素として構成されている。圧力が滑動要素またはゲート56に加えられないとき、滑動要素またはゲート56は、保持部材60がスロット62の底に位置決めされる係止位置へと落下するように構成されている。滑動要素またはゲート56は、係止位置にあるとき、受入モジュール18への巻上組立体12の一部分(例えば、モータユニット37または巻上連結器31の一部分)の挿入を防止するが、受入モジュール18にすでに設置されているモータユニット37が受入モジュール18から滑り出すのを防止もする。一態様では、センサ(図示せず)が、滑動要素またはゲート56の開/閉位置を検出するために設けられてもよい。図4に示されているように、保持部材60の別の対が、扉またはカバー42の反対の筐体または受部20の端において筐体または受部20に設けられている。筐体または受部20のこの端における保持部材60は、モータユニット37が受入モジュール18に対して滑動できないように、モータユニット37の一部分を受入モジュール18内で保持することを支援する。モータユニット37が受入モジュール18に設置されるとき、モータユニット37および巻上連結器31は、筐体または受部20に設けられた保持部材60の対の間で維持される。
【0089】
滑動要素またはゲート56は、個人が上向きの力を滑動要素またはゲート56の下面に加えるときに受入位置へと移動するように構成されてもいる。図18に示されているように、扉またはカバー42が開位置で位置決めされるとき、個人は、滑動要素またはゲート56を軌道11に向かって鉛直方向に移動させるために、滑動要素またはゲート56を押し上げることができる。滑動要素またはゲート56の鉛直方向の移動のため、保持部材60もスロット62内で軌道11に向かって鉛直方向に移動させられる。滑動要素またはゲート56を軌道11に向かって移動させることで、滑動要素またはゲート56は、筐体または受部20の内部空洞へのアクセスをもはや防止しない。そのため、個人は、モータユニット37を筐体または受部20から取り外しさせることができるように、または、モータユニット37を筐体または受部20へ挿入させることができるように、滑動要素またはゲート56を筐体または受部20内で鉛直方向に移動させることを意図している。個人が、滑動要素またはゲート56を筐体または受部20内で鉛直方向に移動させるために、受入モジュール18に設置されるモータユニット37を滑動要素またはゲート56の係止タブ58に対して押すことができることも、検討されている。滑動要素またはゲート56が受入位置へと鉛直方向で移動させられると、モータユニット37は、モータユニット37を受入モジュール18内で設置するために筐体または受部20へと滑動させられることができる。モータユニット37が筐体または受部20において滑動要素またはゲート56を越えて滑動させられるとき、滑動要素またはゲート56は重力のため係止位置へ落下する。そのため、個人は、モータユニット37が筐体または受部20において滑動要素またはゲート56を越えて移動すると滑動要素またはゲート56が自己係止するため、手作業で滑動要素またはゲート56を係止位置へと戻すように移動させる必要がない。
【0090】
図4図11、および図12を参照すると、滑動要素またはゲート56の係止タブまたは外れ止め58が、受入モジュール18のための追加の係止特徴部として使用される。モータユニット37が滑動要素またはゲート56を越えて滑動させられた後に、滑動要素またはゲート56がモータユニット37を筐体または受部20の内部で固定する一方で、受入モジュール18の扉またはカバー42が開いたままであり、これは、埃および他の潜在的に破壊的なゴミを受入モジュール18へと入らせる可能性がある。そのため、個人は、モータユニット37が受入モジュール18に設置されると、扉またはカバー42を閉じることになる。扉またはカバー42が下向きに回転させられるとき、滑動要素またはゲート56の係止タブまたは外れ止め58は、扉またはカバー42に定められたスロット66に受け入れられる。扉またはカバー42が下向きに回転させられるとき、扉またはカバー42は、スロット66を通じて係止タブまたは外れ止め58を移動させるために、係止タブまたは外れ止め58を下向きに押すことになる。係止タブまたは外れ止め58がスロット66を通って移動するとき、係止タブまたは外れ止め58が係止位置へと戻ってスナップ留めすることで、扉またはカバー42を閉位置で固定する。係止タブまたは外れ止め58は、扉またはカバー42が係止タブまたは外れ止め58の湾曲部分に接触するため、開位置へ向かう扉またはカバー42の回転が防止されるように軌道11に向かって上向きに湾曲する。扉またはカバー42は、扉またはカバー42のスロット66を通じて係止タブ58を滑動させるために、個人が係止タブ58を軌道11から離すように下向きに押すまで閉位置で係止されたままである。扉またはカバー42が閉位置で係止されるとき、扉またはカバー42は、係止タブまたは外れ止め58の手作業の移動が係止タブまたは外れ止め58を係止位置から移動させるために必要とされるため、偶発的に開けられるのが防止される。扉またはカバー42を開けるために、個人は、係止タブまたは外れ止め58を軌道11から離すように下向きの方向で移動させ、扉またはカバー42を開位置へと回転させるために、扉またはカバー42のタブ、羽部、または把持部46を引っ張ることになる。
【0091】
図22図24を参照すると、モータユニット37を受入モジュール18において固定するための追加の特徴部が記載されている。モータユニット37を受入モジュール18へと挿入するとき個人を支援するために、少なくとも1つの段差または傾斜部材68が、筐体または受部20によって定められた内部空洞に設けられている。段差または傾斜部材68は、輪郭が平面または湾曲であり得る。一態様では、2つの段差または傾斜部材68が筐体または受部20に設けられる。一態様では、段差または傾斜部材68は筐体または受部20と一体に形成される。別の態様では、段差または傾斜部材68は筐体または受部20に取り付けられる別体の構成要素である。段差または傾斜部材68は、モータユニット37を受入モジュール18へと挿入するときに個人を支援するために、筐体または受部20の底の内面から延びている。段差または傾斜部材68は、高さが段差または傾斜部材68の一端から段差または傾斜部材68の反対の端へと低下して構成されている。段差または傾斜部材68のより高い端は、受入モジュール18の扉またはカバー42に隣接して位置決めされている。段差または傾斜部材68のより低い端は、筐体または受部20の内部空洞においてより遠くに位置決めされている。筐体または受部20へのモータユニット37の挿入の間、段差または傾斜部材68は、モータユニット37を受入モジュール18内で自己固定することを支援する。個人がモータユニット37の少なくとも一部分を受入モジュールへと挿入した後、モータユニット37における車輪軸受は、モータユニット37が個人からのさらなる支援または押すことなしで受入モジュール18における所定位置へと転がるように、段差または傾斜部材68の傾いた面を転がり落ちることになる。モータユニット37が段差または傾斜部材68に沿って転がるとき、モータユニット37の車輪は、筐体または受部20の内部空洞の水平面において転がり、滑動要素またはゲート56は、モータユニット37を受入モジュール18内で自己固定するために、係止位置へと落下することになる。受入モジュール18内に設置されたモータユニット37の側面図が図25に設けられている。
【0092】
図26を参照すると、受入モジュール18においてモータユニット37を設置するための方法が記載されている。この方法の一態様では、受入モジュール18と巻上組立体12とは、単一の供給源から電力を受けるために電気的に連結される、および/または、制御装置(図示せず)からデータを受信できる。受入モジュール18が軌道11に設置された後、扉またはカバー42が開けられて「パーキングブレーキ」モードに設定されることにより、軌道11における現在の場所に受入モジュール18を固定する。扉またはカバー42を開けるために、個人は、扉またはカバー42を開位置へと回転させることができるように、滑動要素またはゲート56の係止タブまたは外れ止め58を押し下げなければならない。一態様では、センサ(図示せず)が、扉またはカバー42の開/閉位置を検出するために設けられてもよい。受入モジュール18において扉またはカバー42を開けることで、筐体または受部20の内部空洞へのアクセスを可能にする。次に、個人は、手作業、または、モータユニット37の上部面の使用のいずれかで、滑動要素またはゲート56を軌道11に向けて上向きに押す。一態様では、センサ(図示せず)が、滑動要素またはゲート56の開/閉位置を検出するために設けられてもよい。次に、個人は、巻上連結器31またはモータユニット37の一部分を筐体または受部20における段差または傾斜部材68で転がり落とすことができるように、巻上連結器31またはモータユニット37の一部分を受入モジュール18へと押す。モータユニット37が段差または傾斜部材68を設置位置へと転がり落ちるとき、滑動要素またはゲート56は、巻上連結器またはモータユニット37の一部分を受入モジュール18に自己固定するために係止位置へと戻るように落下することになる。次に、個人は扉またはカバー42を係止位置へと下向きに回転させる。扉またはカバー42が係止位置へと回転するとき、滑動要素またはゲート56の係止タブまたは外れ止め58は、扉またはカバー42を受入モジュール18における係止位置で固定するために扉またはカバー42内に係止する。係止タブ58が扉またはカバー42における所定位置へスナップ留めするとき、扉またはカバー42が係止されたことを個人に通知するために、音による指示が発せられる。音による指示は、ゲートもしくは滑動要
素56の下降、保持部材60の下降、および/または、扉もしくはカバー42への係止タブもしくは外れ止め58の外れ止めによって作り出され得る。
【0093】
図27を参照すると、モータユニット37を受入モジュール18から取り外す方法が記載されている。モータユニット37が受入モジュール18から取り外される場合、個人は、筐体または受部20の内部空洞へのアクセスを可能とするために扉またはカバー42を開ける。次に、個人は、受入モジュール18内のモータユニット37を係止解除するために、滑動要素またはゲート56を軌道11に向けて上向きに押す。滑動要素またはゲート56が上向きに移動させられるとき、保持部材60もスロット66内で上向きに移動する。滑動要素またはゲート56が開位置へと移動させられると、個人は、モータユニット37を筐体または受部20から引っ張り出すことでモータユニット37を取り外すことができる。モータユニット37が受入モジュール18から取り外しされた後、扉またはカバー42は、受入モジュールを閉じるために係止位置へと移動させられる。
【0094】
受入モジュールのいくつかの例が添付の図に示され、先に詳細に記載されているが、他の態様が、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであり、当業者によって容易に行われる。したがって、先の記載は、制限ではなく例示となるように意図されている。前述した本発明は、添付の特許請求の範囲によって定められ、特許請求の範囲の等価の意味および範囲に入る本発明へのすべての変更は、特許請求の範囲内に含まれるものである。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
【0099】
【表5】
【0100】
【表6】
【0101】
【表7】
【0102】
【表8】
【0103】
【表9】
【0104】
【表10】
【0105】
【表11】
【0106】
【表12】
【0107】
【表13】
【0108】
【表14】
【0109】
【表15】
【0110】
【表16】
【0111】
【表17】
【0112】
【表18】
【0113】
【表19】
【0114】
【表20】
【0115】
【表21】
【0116】
【表22】
【0117】
【表23】
【0118】
【表24】
【符号の説明】
【0119】
9 リフト組立体
10 患者リフトシステム、天井患者リフトシステム、システム、天井リフトシステム
11 軌道、軌道システム
12 巻上組立体
13 荷重支持部材
14 持ち上げバー、スプレッダバー、搭載ブロック
15 取付ハンドル
18 受入モジュール
19 支持部、運搬部、吊り索
20 筐体、受部
21 軌道連結器
22 下面
24 上面
26、28、30、32 側面
31 巻上連結器
34 フランジ
36 車輪軸受
37 モータユニット、巻上組立体
38 内部空洞
40 座部
42 扉、カバー
44 ヒンジ
46 タブ、羽部、把持部
48 摩擦点、外れ止め、摩擦輪郭
50 第1の距離
51 ずれ
52 対抗支持部
54 後アクセス扉
56 滑動要素、ゲート
58 係止タブ、滑動外れ止め
60 保持部材
62 スロット
64 頭部
66 スロット
68 段差、傾斜部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
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図15
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図20
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図26
図27