(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】同軸の円筒形状エレメント同士の間に半径方向のスペーサーを備えるステアラブル器具
(51)【国際特許分類】
A61B 1/018 20060101AFI20220517BHJP
【FI】
A61B1/018 515
(21)【出願番号】P 2019571690
(86)(22)【出願日】2018-07-03
(86)【国際出願番号】 NL2018050430
(87)【国際公開番号】W WO2019009710
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-06-22
(32)【優先日】2017-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】517197509
【氏名又は名称】フォーティメディックス・アセッツ・ザ・セカンド・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】FORTIMEDIX ASSETS II B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】ティッセン、マテウス・ヘンドリック・ルイス
【審査官】鷲崎 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/082720(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102010000787(DE,A1)
【文献】国際公開第2016/089202(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/014624(WO,A1)
【文献】特表2011-510773(JP,A)
【文献】特表2016-540572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00- 1/32
G02B 23/24-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科的手術などにおける、内視鏡および/または侵襲性タイプの用途のためのステアラブル器具(10)であって、前記器具は、長手方向に延在し、前記ステアラブル器具の近位側において、少なくとも1つの作動手段(14;15)を有し、前記ステアラブル器具の遠位側において、少なくとも1つの曲げ可能なゾーン(16;17)を有する、細長いチューブ状の本体部(18)を備え、前記少なくとも1つの作動手段(14;15)は、少なくとも1つの長手方向エレメントによって、前記少なくとも1つのフレキシブルゾーン(16;17)の曲げを制御するように配置されており、
前記器具は、第1の円筒形状エレメント(204)と、第2の円筒形状エレメント(206)と、第3の円筒形状エレメント(208)とを備え、前記第1の円筒形状エレメント(204)は、前記第2の円筒形状エレメント(206)を取り囲み、前記第2の円筒形状エレメント(206)は、前記第3の円筒形状エレメント(208)を取り囲み、
前記第2の円筒形状エレメント(206)は、前記少なくとも1つの長手方向エレメントの長手方向エレメント部分(274;282)を有する少なくとも1つのゾーン(14;15;16;17)を備え、前記長手方向エレメント部分(274;282)は、前記器具の半径方向に第1の高さを有している、ステアラブル器具(10)において、
前記器具は、前記長手方向エレメント部分(274;282)の相互の側部において、少なくとも2つの半径方向のスペーサー(275;279)を設けられており、前記半径方向のスペーサー(275;279)のそれぞれ1つは、少なくとも局所的に、前記第1の高さよりも大きい、前記半径方向への第2の高さを有していることを特徴とする、ステアラブル器具(10)。
【請求項2】
前記第2の高さは、前記第1の高さよりも1~40%多い範囲にあり、より好ましくは、1~30%多い範囲にあり、最も好ましくは、1~15%多い範囲にある、請求項1に記載のステアラブル器具。
【請求項3】
前記器具は、前記ゾーンの中に少なくとも2つの長手方向エレメント部分(274;282)を備え、それらの間にスペースを画定しており、1つの半径方向のスペーサー(275;279)が、前記スペースの中に配置されており、隣接する長手方向エレメント部分(274;282)同士の間に接線方向のスペーサーも形成するようになっている、請求項1または2に記載のステアラブル器具。
【請求項4】
前記半径方向のスペーサー(275;279)は、フレキシブルスペーサーである、請求項1から3のいずれか一項に記載のステアラブル器具。
【請求項5】
前記半径方向のスペーサー(275;279)は、スリットによって分離されている複数の個別の部分(275a、275b、275c)を備える、請求項4に記載のステアラブル器具。
【請求項6】
前記個別の部分は、前記長手方向に延在しており、長手方向スリットによって分離されている、ワイヤー形状のユニット(275a、275b、275c)である、請求項5に記載のステアラブル器具。
【請求項7】
前記スリットは、長手方向に延在するスリット部分、接線方向に延在するスリット部分、および、湾曲した形状を有するスリット部分のうちの少なくとも1つを備える、請求項5に記載のステアラブル器具。
【請求項8】
前記半径方向のスペーサーは、前記ステアラブル器具のフレキシブルゾーン(14;15;16;17)の中に位置付けされている、請求項4から7のいずれか一項に記載のステアラブル器具。
【請求項9】
前記器具は、少なくとも、その遠位端部において、第1のフレキシブルゾーン(16)を備え、その遠位端部において、第2のフレキシブルゾーン(17)を備え、前記第1のフレキシブルゾーン(16)は、1つまたは複数の長手方向エレメントの第1のセットによって制御可能であり、前記第2のフレキシブルゾーン(17)は、1つまたは複数の長手方向エレメントの第2のセットによって制御可能であり、前記第1のセットの少なくとも1つの長手方向エレメント(274)、および、前記第2のセットの少なくとも1つは、前記2つの半径方向のスペーサー(275;279)の間に平行に位置付けされている、請求項1から8のいずれか一項に記載のステアラブル器具。
【請求項10】
前記半径方向のスペーサーは、曲げられたリップ形状の部分(294c、294e)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のステアラブル器具。
【請求項11】
前記リップ形状の部分(294c)は、前記第1の円筒形状エレメント(204)の一部であり、前記長手方向エレメント部分(282)に隣接する前記第2の円筒形状エレメント(206)の一部分に対抗して内向きに曲げられている、請求項10に記載のステアラブル器具。
【請求項12】
前記リップ形状の部分(294e)は、前記第1の円筒形状エレメント(204)の一部であり、前記長手方向エレメント部分(282)に隣接する前記第2の円筒形状エレメント(206)の中の自由スペース320を通して、前記第3の円筒形状エレメント(208)の一部分に対抗して内向きに曲げられている、請求項10に記載のステアラブル器具。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のステアラブル器具を製造する方法であって、前記方法は、
- 前記第1の円筒形状エレメント(204)を提供することと、
- 前記第2の円筒形状エレメント(206)を前記第1の円筒形状エレメント(204)の中へ挿入し、前記少なくとも2つの半径方向のスペーサー(275;279)を前記第1の円筒形状エレメント(204)に局所的に溶接し、前記2つの半径方向のスペーサー(275;279)が前記第2の高さを局所的に取得することを引き起こすようになっていることと、
- 前記第3の円筒形状エレメント(208)を前記第2の円筒形状エレメント(206)の中へ挿入することと
を備えるか、
または、
- 前記第2の円筒形状エレメント(206)を提供することと、
- 前記第3の円筒形状エレメント(208)を前記第2の円筒形状エレメント(206)の中へ挿入し、前記少なくとも2つの半径方向のスペーサー(275;279)を前記第3の円筒形状エレメント(208)に局所的に溶接し、前記2つの半径方向のスペーサー(275;279)が前記第2の高さを局所的に取得することを引き起こすようになっていることと、
- 前記第2の円筒形状エレメント(206)と、第3の円筒形状エレメント(208)とを前記第1の円筒形状エレメント(204)の中へ一緒に挿入することと
を備えるか、
または、
- 前記第3の円筒形状エレメント(208)が前記第2の円筒形状エレメント(206)の中へ挿入されており、前記第2の円筒形状エレメント(206)が前記第1の円筒形状エレメントの中へ挿入されているように、前記第1の円筒形状エレメント(204)、前記第2の円筒形状エレメント(206)、および前記第3の円筒形状エレメント(208)のアッセンブリを提供することと、
- 前記少なくとも2つの半径方向のスペーサー(275;279)を前記第1の円筒形状エレメント(204)および前記第3の円筒形状エレメント(208)のうちの少なくとも1つに局所的に溶接し、前記2つの半径方向のスペーサー(275;279)が前記第2の高さを局所的に取得することを引き起こすようになっていることと
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、外科的手術などにおける、内視鏡および/または侵襲性タイプの用途のためのステアラブル器具(steerable instrument)に関する。本発明によるステアラブル器具は、医療的な用途と非医療的な用途の両方において使用され得る。後者の例は、到達することが困難な場所における、機械的なおよび/または電子的なハードウェアの検査および/または修理を含む。したがって、内視鏡用途または侵襲性器具などのような、以下の説明の中で使用されている用語は、広い様式で解釈されなければならない。
【背景技術】
【0002】
[0002]標的エリアを露出させるための大きい切開部を必要とする外科的介入から、最小侵襲性の外科的介入(すなわち、標的エリアへのアクセスを確立するために自然のオリフィスまたは小さい切開部のみを必要とする)への変換は、周知の進行中のプロセスである。最小侵襲性の外科的介入を実施する際に、医師などのようなオペレーターは、アクセスデバイスを必要とし、アクセスデバイスは、身体のアクセスポートを介して人間のまたは動物の身体の中へ侵襲性器具を導入およびガイドするように配置されている。人間または動物の患者に対する瘢痕組織の形成および疼痛を低減させるために、アクセスポートは、好ましくは、皮膚および皮下組織の中の単一の小さい切開部によって提供される。その点において、身体の自然のオリフィスを使用する可能性は、さらにより良好になることとなる。そのうえ、アクセスデバイスは、好ましくは、侵襲性器具が提供する1つまたは複数の自由度をオペレーターが制御することを可能にする。このように、オペレーターは、使用される器具の衝突のリスクを低減して、人間工学的で正確な様式で人間または動物の身体の中の標的エリアにおいて必要な措置を実施することが可能である。
【0003】
[0003]外科的な侵襲性器具および内視鏡(これらの器具が内視鏡を通して標的エリアに向けてガイドされる)は、当技術分野において周知である。侵襲性器具と内視鏡の両方は、ステアラブルチューブを備えることが可能であり、ステアラブルチューブは、そのナビゲーションおよびステアリング能力を強化する。そのようなステアラブルチューブは、好ましくは、少なくとも1つのフレキシブルゾーンを含む近位端部パーツと、少なくとも1つのフレキシブルゾーンを含む遠位端部パーツと、リジッド中間パーツとを備え、ステアラブルチューブは、ステアリング構成体をさらに備え、ステアリング構成体は、リジッド中間パーツに対する近位端部パーツの少なくとも一部の撓みを、遠位端部パーツの少なくとも一部の関連の撓みへ伝達するように適合されている。
【0004】
[0004]そのうえ、ステアラブルチューブは、好ましくは、複数の同軸に配置された円筒形状エレメントを備え、複数の同軸に配置された円筒形状エレメントは、チューブの近位端部パーツおよび遠位端部パーツの中のフレキシブルゾーンの数、ならびに、ステアリング構成体のステアリング部材の所望の実装形態に応じて、外側エレメントと、内側エレメントと、1つまたは複数の中間エレメントとを含み、すなわち、すべてのステアリング部材が単一の中間エレメントの中に配置され得るか、または、ステアリング部材は異なるセットに分割され、ステアリング部材のそれぞれのセットが異なる中間部材の中に配置されている。ほとんどの先行技術デバイスでは、ステアリング構成体は、ステアリング部材として、たとえば、1mm以下の直径を有する従来のステアリングケーブルを備え、ステアリングケーブルは、チューブの近位端部パーツおよび遠位端部パーツにおける関連のフレキシブルゾーン同士の間に配置されている。しかし、ステアリングケーブルは多くの周知の不利益を有するので、それらを回避すること、および、1つまたは複数の中間エレメントの一体パーツを形成する長手方向エレメントの1つまたは複数のセットによってステアリング部材を実装することが好適である。中間エレメントのそれぞれは、射出成形もしくはめっきなどのような適切な材料付加技法を使用することによって製作され得るか、または、円筒形状エレメントから開始して、次いで、適切な材料除去技法、たとえば、レーザー切断、光化学エッチング、ディーププレッシング(deep pressing)、ドリル加工もしくはフライス加工などのような従来のチッピング技法、または高圧ウォータージェット切断システムなどを使用することによって製作され得るかのいずれかである。上述の材料除去技法のうち、レーザー切断が非常に有利である。その理由は、それが、合理的な経済的条件下において、非常に正確でクリーンな材料の除去を可能にするからである。上記に述べられているステアラブルチューブおよびそのステアリング構成体の設計および製作に関するさらなる詳細は、たとえば、本出願人のWO2009/112060A1、WO2009/127236A1、米国特許出願第13/160,949号、および米国特許出願第13/548,935号に説明されており、それらの文献のすべては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0005】
[0005]ステアラブル侵襲性器具は、典型的に、ハンドルを備え、ハンドルは、チューブをステアリングするために、および/または、ステアラブルチューブの遠位端部パーツに配置されているツールを操縦するために、ステアラブルチューブの近位端部パーツに配置されている。たとえば、そのようなツールは、カメラ、手動マニピュレーター、たとえば、1対のはさみ、鉗子、または、エネルギー供給源、たとえば、電気的な、超音波の、もしくは光学的なエネルギー供給源を使用するマニピュレーターであることが可能である。
【0006】
[0006]本出願において、「近位」および「遠位」という用語は、オペレーター、たとえば、器具または内視鏡を動作させる医師に対して定義される。たとえば、近位端部パーツは、医師の近くに位置付けされているパーツとして解釈されるべきであり、遠位端部パーツは、医師から所定の距離に位置付けされているパーツとして解釈されるべきである。
【0007】
[0007]これらのステアラブル器具において、長手方向エレメント(または、ステアリングワイヤー)は、器具の少なくともそれらの部分において、フレキシブルである必要があり、それは、近位端部と遠位端部の両方において、器具の長手方向軸線に対する曲げを可能にするべきである。これらの長手方向エレメントは、隣接する外側円筒形状エレメントと隣接する内側円筒形状エレメントとの間に位置付けされていることが多い。それぞれのそのようなゾーンにおいて、器具のこれらのフレキシブルゾーンを曲げるときに、これらの長手方向エレメントは、外側円筒形状エレメントおよび内側円筒形状エレメントの曲げ可能な部分とともに曲がる。しかし、ときには、そのようなゾーンの曲げは、曲がっている外側円筒形状エレメントおよび曲がっている内側円筒形状エレメントが、外側円筒形状エレメントと内側円筒形状エレメントとの間に長手方向エレメントをクランプすることを引き起こし、長手方向エレメントを長手方向にさらに移動させることが困難になるようになっている。また、この効果は、曲げ可能な部分の中にお互いに重なり合って配置されている異なる長手方向エレメントによって引き起こされ/増加させられ得る。
【発明の概要】
【0008】
[0008]本発明の目的は、器具を曲げるときにそのようなクランピングが起こることを防止する、内視鏡および/または侵襲性タイプの用途のためのステアラブル器具を提供することである。
【0009】
[0009]これは、請求項1に記載のステアラブル器具によって実現される。
【0010】
[0010]ステアラブル器具は、独立方法請求項に特許請求されているような方法によって製造され得る。
【0011】
[0011]本発明の実施形態は、従属請求項に特許請求されている。
【0012】
[0012]本発明によるステアラブル器具は、クランピングの上記に述べられている問題を解決する。
【0013】
[0013]本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的で非排他的な実施形態によって、本発明の説明から明らかになることとなる。これらの実施形態は、保護の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の他の代替的なおよび均等の実施形態が、本発明の範囲を逸脱することなく実施するために想像および低減され得るということを当業者は認識することとなる。本発明の実施形態は、添付の図面の各図を参照して説明されることとなり、図面において、同様のまたは同じ参照符号は、同様の、同じ、または対応するパーツを示している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】[0014]2つのステアラブル器具を有する侵襲性器具アッセンブリの概略斜視図。
【
図2a】[0015]ステアラブル侵襲性器具の非限定的な実施形態の側面図。
【
図2b】[0016]ステアラブル器具の細長いチューブ状の本体部の非限定的な実施形態の詳細斜視図。
【
図2c】[0017]
図2bに示されているような細長いチューブ状の本体部の遠位端部パーツのより詳細な図。
【
図2d】[0018]
図2bに示されているようなステアラブル器具の細長いチューブ状の本体部の縦断面図。
【
図2e】[0019]
図2bに示されているようなステアラブル器具の細長いチューブ状の本体部の縦断面図であり、ここにおいて、第1の近位フレキシブルゾーンおよび第1の遠位フレキシブルゾーンが曲げられており、それによって、ステアリング構成体の動作を図示している図。
【
図2f】[0020]
図2eに示されているようなステアラブル器具の細長いチューブ状の本体部の縦断面図であり、ここにおいて、追加的に、第2の近位フレキシブルゾーンおよび第2の遠位フレキシブルゾーンが曲げられており、それによって、ステアリング構成体の動作をさらに図示している図。
【
図2g】[0021]1つの近位フレキシブルゾーンと、1つの遠位フレキシブルゾーンとを有するステアラブル器具の例示的な実施形態の縦断面図。
【
図2h】[0022]
図2gに示されているステアラブル器具の3つの円筒形状エレメントの斜視分解図。
【
図2i】[0023]
図2hに示されているステアラブル器具の中間円筒形状エレメントの例示的な実施形態のアンロールされたバージョンの上面図。アンロールされたバージョンを円筒形状の構成へとロールすることによって、および、溶接技法などのような任意の公知の取り付け手段によって、ロールアップされた構成の隣接する側部を取り付けることによって、中間円筒形状エレメントは形成され得る。
【
図2j】[0024]
図2bに示されているような細長いチューブ状の本体部の一部の斜視図であり、ここにおいて、外側円筒形状エレメントは、部分的に除去されており、細長いチューブ状の本体部の第1の近位フレキシブルゾーンと、第1の遠位フレキシブルゾーンとを相互接続する中間円筒形状エレメントの壁部に長手方向スリットを提供した後に取得された長手方向ステアリングエレメントの例示的な実施形態を示している図。
【
図3】[0025]本発明によって対処される問題を図示するための、器具のフレキシブルゾーンを通る断面の例を示す図。
【
図4】[0026]本発明の例示的な実施形態の3D図。
【
図5A】[0027]器具の組み立てられた状態において、器具の1つのフレキシブル近位部分を形成する、5つのうちの一つの同軸の円筒形状エレメントを示す図。
【
図5B】[0027]器具の組み立てられた状態において、器具の1つのフレキシブル近位部分を形成する、5つのうちの一つの同軸の円筒形状エレメントを示す図。
【
図5C】[0027]器具の組み立てられた状態において、器具の1つのフレキシブル近位部分を形成する、5つのうちの一つの同軸の円筒形状エレメントを示す図。
【
図5D】[0027]器具の組み立てられた状態において、器具の1つのフレキシブル近位部分を形成する、5つのうちの一つの同軸の円筒形状エレメントを示す図。
【
図5E】[0027]器具の組み立てられた状態において、器具の1つのフレキシブル近位部分を形成する、5つのうちの一つの同軸の円筒形状エレメントを示す図。
【
図6A】[0028]器具の組み立てられた状態において、器具の1つの他のフレキシブル近位部分を形成する、4つのうちの一つの同軸の円筒形状エレメントを示す図。
【
図6B】[0028]器具の組み立てられた状態において、器具の1つの他のフレキシブル近位部分を形成する、4つのうちの一つの同軸の円筒形状エレメントを示す図。
【
図6C】[0028]器具の組み立てられた状態において、器具の1つの他のフレキシブル近位部分を形成する、4つのうちの一つの同軸の円筒形状エレメントを示す図。
【
図6D】[0028]器具の組み立てられた状態において、器具の1つの他のフレキシブル近位部分を形成する、4つのうちの一つの同軸の円筒形状エレメントを示す図。
【
図7A】[0029]
図6Aの円筒形状エレメントの詳細を示す図。
【
図7B】[0029]
図6Bの円筒形状エレメントの詳細を示す図。
【
図8】[0030]
図7Bの円筒形状エレメントの拡大された部分を示す図。
【
図9A】[0031]内向きに曲げられたリップ形状の部分が使用されている、本発明のさらなる実施形態の概略的な図面。
【
図9B】[0031]内向きに曲げられたリップ形状の部分が使用されている、本発明のさらなる実施形態の概略的な図面。
【
図10】[0031]内向きに曲げられたリップ形状の部分が使用されている、本発明のさらなる実施形態の概略的な図面。
【
図11A】[0032]内向きに曲げられたリップ形状の部分が使用されている、本発明の一層さらなる実施形態の概略的な図面。
【
図11B】[0032]内向きに曲げられたリップ形状の部分が使用されている、本発明の一層さらなる実施形態の概略的な図面。
【
図12】[0032]内向きに曲げられたリップ形状の部分が使用されている、本発明の一層さらなる実施形態の概略的な図面。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0033]
図2aは、ステアラブル侵襲性器具10の非限定的な実施形態を示している。
図1は、2つのそのようなステアラブル侵襲性器具10を備えたイントロデューサーを有する侵襲性器具アッセンブリ1の非限定的な実施形態を示している。ステアラブル侵襲性器具10の詳細は、
図2bから
図2jに関連して説明されている。
【0016】
[0034]
図2aは、ステアラブル侵襲性器具10の側面図を示している。ステアラブル器具10は、細長いチューブ状の本体部18を備え、細長いチューブ状の本体部18は、2つの作動フレキシブルゾーン14、15を含む近位端部パーツ11と、2つの遠位フレキシブルゾーン16、17を含む遠位端部パーツ13と、リジッド中間パーツ12とを有している。本実施形態における作動フレキシブルゾーン14、15は、フレキシブル近位ゾーンとして構成されており、フレキシブル近位ゾーンとさらに称されることとなる。これらのフレキシブル近位ゾーン14、15は、適切な長手方向エレメント(
図2aには示されていない)によって、遠位フレキシブルゾーンに接続されている。以降に詳細に説明されることとなるように、1つのそのような近位フレキシブルゾーン14、15をそれぞれ曲げることによって、対応するフレキシブル遠位ゾーンも曲がることとなる。また、リジッド中間パーツは、もう1つの曲げ可能なゾーンを有することが可能である。しかし、これらの曲げ可能なゾーンは、単にフレキシブルであるだけであり、それらの曲げは、別の曲げ可能なゾーンによって制御されない。望まれる場合には、3つ以上のステアラブルフレキシブル遠位ゾーンが提供され得る。遠位端部パーツ13において、鉗子2のようなツールが配置されている。近位端部パーツ11において、ハンドル3が配置されており、ハンドル3は、たとえば、器具の中に配置されている適切なケーブル(図示せず)を介して、鉗子2のジョーを開閉するように適合されている。そのように行うためのケーブル配置は、当技術分野において周知である。
【0017】
[0035]
図2bは、ステアラブル器具10の細長いチューブ状の本体部18の遠位部分の詳細斜視図を提供しており、また、細長いチューブ状の本体部18が、外側円筒形状エレメント104を含む、複数の同軸に配置された層または円筒形状エレメントを備えることを示しており、外側円筒形状エレメント104は、遠位端部部分13において第1の遠位フレキシブルゾーン16の後に終了している。外側円筒形状エレメント104の遠位端部部分13は、たとえば、溶接スポット100におけるスポット溶接によって、外側円筒形状エレメント104の中におよび外側円筒形状エレメント104に隣接して位置付けされている円筒形状エレメント103に固定して取り付けられている。しかし、任意の機械的なスナップフィット接続、または、適切な接着剤による接着を含む、任意の他の適切な取り付け方法も使用され得る。
【0018】
[0036]
図2cは、遠位端部パーツ13のより詳細な図を提供しており、また、遠位端部パーツ13が、3つの同軸に配置された層または円筒形状エレメントを含み、それは、内側円筒形状エレメント101、第1の中間円筒形状エレメント102、および第2の中間円筒形状エレメント103であるということを示している。内側円筒形状エレメント101、第1の中間円筒形状エレメント102、および第2の中間円筒形状エレメント103の遠位端部は、3つすべてが互いに固定して取り付けられている。これは、溶接スポット100におけるスポット溶接によって行われ得る。しかし、任意の機械的なスナップフィット接続、または、適切な接着剤による接着を含む、任意の他の適切な取り付け方法も使用され得る。取り付けのポイントは、図に示されているように、内側円筒形状エレメント101、第1の中間円筒形状エレメント102、および第2の中間円筒形状エレメント103の端部縁部にあってもよい。しかし、これらの取り付けのポイントは、また、これらの縁部からいくらかの距離だけ離れて位置付けされてもよく、好ましくは、端部縁部とフレキシブルゾーン17の場所との間に位置付けされてもよい。
【0019】
[0037]
図2bに示されているような細長いチューブ状の本体部18は、合計で4つの円筒形状エレメントを備えるということが、当業者には明らかになることとなる。
図2bに示されている実施形態による細長いチューブ状の本体部18は、2つの中間円筒形状エレメント102および103を備え、2つの中間円筒形状エレメント102および103の中に、ステアリング構成体のステアリング部材が配置されている。
図2bに示されているような細長いチューブ状の本体部18の例示的な実施形態におけるステアリング構成体は、細長いチューブ状の本体部18の近位端部パーツ11における2つのフレキシブルゾーン14、15と、細長いチューブ状の本体部18の遠位端部パーツ13における2つのフレキシブルゾーン16、17と、ステアリング部材とを備え、ステアリング部材は、近位端部パーツ11における関連のフレキシブルゾーンと遠位端部パーツ13における関連のフレキシブルゾーンとの間に配置されている。ステアリング部材の例示的な実際の配置が
図2dに示されており、
図2dは、
図2bに示されているような細長いチューブ状の本体部18の例示的な実施形態の概略縦断面図を提供している。
【0020】
[0038]
図2dは、上記に述べられている4つの層または円筒形状エレメント、すなわち、内側円筒形状エレメント101、第1の中間円筒形状エレメント102、第2の中間円筒形状エレメント103、および外側円筒形状エレメント104の断面を示している。
【0021】
[0039]内側円筒形状エレメント101は、器具の遠位端部から近位端部へその長さに沿って見られるように、ステアラブル器具10の遠位端部パーツ13に配置されているリジッドリング111と、第1のフレキシブル部分112と、第1の中間リジッド部分113と、第2のフレキシブル部分114と、第2の中間リジッド部分115と、第3のフレキシブル部分116と、第3の中間リジッド部分117と、第4のフレキシブル部分118と、ステアラブル器具10の近位端部部分11に配置されているリジッド端部部分119とを備える。
【0022】
[0040]第1の中間円筒形状エレメント102は、器具の遠位端部から近位端部へその長さに沿って見られるように、リジッドリング121と、第1のフレキシブル部分122と、第1の中間リジッド部分123と、第2のフレキシブル部分124と、第2の中間リジッド部分125と、第3のフレキシブル部分126と、第3の中間リジッド部分127と、第4のフレキシブル部分128と、リジッド端部部分129とを備える。部分122、123、124、125、126、127、および128は、長手方向エレメント120を一緒に形成しており、長手方向エレメント120は、ワイヤーのように長手方向に移動させられ得る。第1の中間エレメント102のリジッドリング121、第1のフレキシブル部分122、第1の中間リジッド部分123、第2のフレキシブル部分124、第2の中間リジッド部分125、第3のフレキシブル部分126、第3の中間リジッド部分127、第4のフレキシブル部分128、およびリジッド端部部分129の長手方向寸法は、それぞれ、内側円筒形状エレメント101のリジッドリング111、第1のフレキシブル部分112、第1の中間リジッド部分113、第2のフレキシブル部分114、第2の中間リジッド部分115、第3のフレキシブル部分116、第3の中間リジッド部分117、第4のフレキシブル部分118、およびリジッド端部部分119の長手方向寸法と整合させられており、好ましくは、それぞれ、それらにおおよそ等しくなっており、同様に、これらの部分と一致している。この説明において、「おおよそ等しい」は、それぞれの同じ寸法が、10%未満、好ましくは、5%未満のマージン内で等しいということを意味している。
【0023】
[0041]同様に、第1の中間円筒形状エレメント102は、1つまたは複数の他の長手方向エレメントを備え、そのうちの1つは、参照数字120aによって示されている。
【0024】
[0042]第2の中間円筒形状エレメント103は、器具の遠位端部から近位端部へその長さに沿って見られるように、第1のリジッドリング131と、第1のフレキシブル部分132と、第2のリジッドリング133と、第2のフレキシブル部分134と、第1の中間リジッド部分135と、第1の中間フレキシブル部分136と、第2の中間リジッド部分137と、第2の中間フレキシブル部分138と、リジッド端部部分139とを備える。部分133、134、135、および136は、長手方向エレメント130を一緒に形成しており、長手方向エレメント130は、ワイヤーのように長手方向に移動させられ得る。第2の中間シリンダー103の第1のリジッドリング131、第2のリジッドリング133および第2のフレキシブル部分134を伴う第1のフレキシブル部分132、第1の中間リジッド部分135、第1の中間フレキシブル部分136、第2の中間リジッド部分137、第2の中間フレキシブル部分138、ならびにリジッド端部部分139の長手方向寸法は、それぞれ、第1の中間エレメント102のリジッドリング111、第1のフレキシブル部分112、第1の中間リジッド部分113、第2のフレキシブル部分114、第2の中間リジッド部分115、第3のフレキシブル部分116、第3の中間リジッド部分117、第4のフレキシブル部分118、およびリジッド端部部分119の長手方向寸法と整合させられており、好ましくは、それぞれ、それらにおおよそ等しくなっており、同様に、これらの部分と一致している。
【0025】
[0043]同様に、第2の中間円筒形状エレメント103は、1つまたは複数の他の長手方向エレメントを備え、そのうちの1つは、参照数字130aによって示されている。
【0026】
[0044]外側円筒形状エレメント104は、器具の遠位端部から近位端部へその長さに沿って見られるように、第1のリジッドリング141と、第1のフレキシブル部分142と、第1の中間リジッド部分143と、第2のフレキシブル部分144と、第2のリジッドリング145とを備える。外側円筒形状エレメント104の第1のフレキシブル部分142、第1の中間リジッド部分143、および第2のフレキシブル部分144の長手方向寸法は、それぞれ、第2の中間エレメント103の第2のフレキシブル部分134、第1の中間リジッド部分135、および第1の中間フレキシブル部分136の長手方向寸法と整合させられており、好ましくは、それぞれ、それらにおおよそ等しくなっており、同様に、これらの部分と一致している。リジッドリング141は、リジッドリング133とおおよそ同じ長さを有しており、たとえば、スポット溶接または接着によって、それに固定して取り付けられている。好ましくは、リジッドリング145は、たとえば、スポット溶接または接着によって、それぞれリジッドリング145と第2の中間リジッド部分137との間の適切な固定された取り付けを行うのに必要とされる長さのみにわたって、第2の中間リジッド部分137と重なり合っている。リジッドリング111、121、および131は、たとえば、スポット溶接または接着によって、互いに取り付けられている。これは、その端部縁部において行われてもよいが、これらの端部縁部から所定の距離において行われてもよい。
【0027】
[0045]ある実施形態では、同じことが、リジッド端部部分119、129、および139にも当てはまることが可能であり、リジッド端部部分119、129、および139は、同様に、同等の様式で一緒に取り付けられ得る。しかし、その構造は、近位部分における円筒形状エレメントの直径が、遠位部分における直径に対して、より大きくなるかまたはより小さくなるようになっていることも可能である。そのような実施形態では、近位部分における構造は、
図2dに示されている構造とは異なっている。直径の増加または減少の結果として、増幅または減衰が実現され、すなわち、遠位部分におけるフレキシブルゾーンの曲げ角度は、近位部分における対応するフレキシブル部分の曲げ角度よりも大きくなるかまたは小さくなることとなる。
【0028】
[0046]円筒形状エレメント101、102、103、および104の内径および外径は、細長いチューブ状の本体部18に沿った同じ場所において、内側円筒形状エレメント101の外径が、第1の中間円筒形状エレメント102の内径よりもわずかに小さくなっており、第1の中間円筒形状エレメント102の外径が、第2の中間円筒形状エレメント103の内径よりもわずかに小さくなっており、第2の中間円筒形状エレメント103の外径が、外側円筒形状エレメント104の内径よりもわずかに小さくなるように選ばれており、隣接する円筒形状エレメントの互いに対するスライド移動が可能となるようになっている。寸法決めは、滑り嵌めが隣接するエレメント同士の間に提供されるようなものであるべきである。隣接するエレメント同士の間のクリアランスは、一般的に、0.02mmから0.1mmのオーダーにあることが可能であるが、特定の用途および使用される材料に依存する。クリアランスは、好ましくは、その重なり合う構成を防止するために、長手方向エレメントの壁部厚さよりも小さくなっている。長手方向エレメントの壁部厚さの約30%から40%にクリアランスを制限することは、一般的に十分である。
【0029】
[0047]
図2dにおいて見ることができるように、近位端部パーツ11のフレキシブルゾーン14は、第2の中間円筒形状エレメント103の部分134、135、および136によって、遠位端部パーツ13のフレキシブルゾーン16に接続されており、第2の中間円筒形状エレメント103は、ステアラブル器具10のステアリング構成体の長手方向ステアリング部材の第1のセットを形成している。そのうえ、近位端部パーツ11のフレキシブルゾーン15は、第1の中間円筒形状エレメント102の部分122、123、124、125、126、127、および128によって、遠位端部パーツ13のフレキシブルゾーン17に接続されており、第1の中間円筒形状エレメント102は、ステアリング構成体の長手方向ステアリング部材の第2のセットを形成している。上記に説明されているような構造の使用は、ステアラブル器具10が二重曲げのために使用されることを可能にする。この構造の作動原理は、
図2eおよび
図2fに示されている例に関して説明されることとなる。
【0030】
[0048]便宜上、
図2d、
図2e、および
図2fに示されているように、円筒形状エレメント101、102、103、および104の異なる部分は、ゾーン151~160へとグループ化されており、ゾーン151~160は、以下の通りに定義される。ゾーン151は、リジッドリング111、121、および131を備える。ゾーン152は、部分112、122、および132を備える。ゾーン153は、リジッドリング133および141、ならびに、部分113および123を備える。ゾーン154は、部分114、124、134、および142を備える。ゾーン155は、部分115、125、135、および143を備える。ゾーン156は、部分116、126、136、および144を備える。ゾーン157は、リジッドリング145、ならびに、それと一致する部分117、127、および137の一部を備える。ゾーン158は、ゾーン157の外側の部分117、127、および137の一部を備える。ゾーン159は、部分118、128、および138を備える。最後に、ゾーン160は、リジッド端部部分119、129、および139を備える。
【0031】
[0049]ステアラブル器具10の遠位端部パーツ13の少なくとも一部を撓ませるために、任意の半径方向にゾーン158に曲げ力を印加することが可能である。
図2eおよび
図2fに示されている例によれば、ゾーン158は、ゾーン155に対して下向きに曲げられている。結果的に、ゾーン156は、下向きに曲げられている。ステアリング部材の第1のセットが、第2の中間リジッド部分137と第2のリジッドリング133との間に配置されている第2の中間円筒形状エレメント103の部分134、135、および136を備えることに起因して、ゾーン156の下向きの曲げは、ステアリング部材の第1のセットの長手方向の変位によって、ゾーン155に対するゾーン154の上向きの曲げへと伝達される。これは、
図2eと
図2fの両方に示されている。
【0032】
[0050]ゾーン156の例示的な下向きの曲げは、
図2eに示されているように、器具の遠位端部におけるゾーン154の上向きの曲げを結果として生じさせるに過ぎないということが留意されるべきである。ゾーン156の曲げの結果としてのゾーン152の曲げは、ゾーン152とゾーン154との間に配置されているゾーン153によって防止される。その後に、曲げ力が任意の半径方向にゾーン160に印加されるときには、ゾーン159も曲げられる。
図2fに示されているように、ゾーン160は、
図2eに示されている位置に対して上向き方向に曲げられる。結果的に、ゾーン159は、上向き方向に曲げられる。ステアリング部材の第2のセットが、リジッドリング121とリジッド端部部分129との間に配置されている第1の中間円筒形状エレメント102の部分122、123、124、125、126、127、および128を備えることに起因して、ゾーン159の上向きの曲げは、ステアリング部材の第2のセットの長手方向の変位によって、
図2eに示されているその位置に対して、ゾーン152の下向きの曲げへと伝達される。
【0033】
[0051]
図2fは、
図2eに示されているようなゾーン154における器具の初期の曲げが維持されることとなるということをさらに示している。その理由は、この曲げが、ゾーン156の曲げのみによって支配されるからであり、一方、ゾーン152の曲げは、上記に説明されているように、ゾーン159の曲げのみによって支配される。ゾーン152および154は互いに対して独立して曲げ可能であるという事実に起因して、ステアラブル器具10の遠位端部パーツ13に、互いに独立している位置および長手方向軸線方向を与えることが可能である。とりわけ、遠位端部パーツ13は、有利なS字のような形状をとることが可能である。ゾーン152および154を互いに対して独立して曲げる能力は、遠位端部パーツ13の操縦性を著しく強化し、したがって、全体として、ステアラブル器具10の操縦性を著しく強化するということを当業者は認識することとなる。
【0034】
[0052]明らかに、ステアラブル器具10の遠位端部パーツ13および近位端部パーツ11の曲げ半径および全長に関する特定の要件に対処するために、または、近位端部パーツ11の少なくとも一部の曲げと遠位端部パーツ13の少なくとも一部の曲げとの間の増幅率または減衰率に対処するために、
図2dから
図2fに示されているフレキシブル部分の長さを変化させることが可能である。
【0035】
[0053]ステアリング部材は、1つまたは複数の中間円筒形状エレメント102、103の一体パーツを形成する長手方向エレメントの1つまたは複数のセットを備える。好ましくは、長手方向エレメントは、中間円筒形状エレメント102、103の壁部が、残りの長手方向ステアリングエレメントを画定する長手方向スリットを設けられた後に、中間円筒形状エレメント102、103の壁部の残りのパーツを備える。
【0036】
[0054]後者の長手方向ステアリングエレメントの製作に関するさらなる詳細が、その近位端部パーツ11と遠位端部パーツ13の両方において1つだけのフレキシブルゾーンを備えるステアラブル器具の例示的な実施形態に関して、
図2gから
図2iを参照して提供されている。
【0037】
[0055]
図2gは、ステアラブル器具2201の縦断面を示しており、ステアラブル器具2201は、3つの同軸に配置された円筒形状エレメント、すなわち、内側円筒形状エレメント2202と、中間円筒形状エレメント2203と、外側円筒形状エレメント2204とを備える。円筒形状エレメント2202、2203、および2204を作製するために使用されることとなる適切な材料は、ステンレス鋼、コバルト-クロム、ニチノール(登録商標)などのような形状記憶合金、プラスチック、ポリマー、複合材、または、他のカット可能な材料を含む。代替的に、円筒形状エレメントは、3Dプリンティングプロセスによって作製され得る。
【0038】
[0056]内側円筒形状エレメント2202は、器具2201の遠位端部パーツ13に位置付けされている第1のリジッド端部パーツ2221と、第1のフレキシブルパーツ2222と、中間リジッドパーツ2223と、第2のフレキシブルパーツ2224と、器具2201の近位端部パーツ11に位置付けされている第2のリジッド端部パーツ2225とを備える。
【0039】
[0057]また、外側円筒形状エレメント2204は、第1のリジッド端部パーツ2241と、第1のフレキシブルパーツ2242と、中間リジッドパーツ2243と、第2のフレキシブルパーツ2244と、第2のリジッド端部パーツ2245とを備える。円筒形状エレメント2202および2204の異なるパーツの長さは、実質的に同じになっており、内側円筒形状エレメント2202が外側円筒形状エレメント2204の中へ挿入されているときに、異なるパーツが互いに対抗して位置決めされるようになっている。
【0040】
[0058]また、中間円筒形状エレメント2203は、第1のリジッド端部パーツ2331と、第2のリジッド端部パーツ2335とを有しており、第1のリジッド端部パーツ2331および第2のリジッド端部パーツ2335は、組み立てられた条件において、2つの他の円筒形状エレメント2202、2204のそれぞれの対応するリジッドパーツ2221、2241および2225、2245の間に位置付けされている。中間円筒形状エレメント2203の中間パーツ2333は、下記に説明されることとなるように、異なる形態および形状を有することが可能である3つ以上の別個の長手方向エレメントを備える。3つの円筒形状エレメント2202、2203、および2204の組み立ての後に(それによって、エレメント2202がエレメント2203の中に挿入されており、2つの組み合わせられたエレメント2202、2203がエレメント2204の中へ挿入されている)、少なくとも、器具の遠位端部における内側円筒形状エレメント2202の第1のリジッド端部パーツ2221、中間円筒形状エレメント2203の第1のリジッド端部パーツ2331、および、外側円筒形状エレメント2204の第1のリジッド端部パーツ2241は、互いに取り付けられている。
図2gおよび
図2hに示されている実施形態では、また、器具の近位端部における内側円筒形状エレメント2202の第2のリジッド端部パーツ2225、中間円筒形状エレメント2203の第2のリジッド端部パーツ2335、および、外側円筒形状エレメント2204の第2のリジッド端部パーツ2245が、互いに取り付けられており、3つの円筒形状エレメント2202、2203、2204が、1つの一体的なユニットを形成するようになっている。
【0041】
[0059]
図2hに示されている実施形態では、中間円筒形状エレメント2203の中間パーツ2333は、均一な断面を有する複数の長手方向エレメント2338を備え、中間パーツ2333が、
図2iの中の中間円筒形状エレメント2203のアンロールされた条件に示されているような全体的な形状および形態を有するようになっている。また、
図2iから、中間パーツ2333が、中間円筒形状パーツ2203の周囲にわたって等しく間隔を置いて配置された複数の平行な長手方向エレメント2338によって形成されているということが明らかになる。有利には、長手方向エレメント2338の数は、少なくとも3つであり、器具2201が任意の方向に完全に制御可能となるようになっているが、任意のより多い数も同様に可能である。好ましくは、長手方向エレメント2338の数は、6または8である。
【0042】
[0060]そのような中間パーツの生産は、射出成形もしくはめっき技法によって、または、所望の内径および外径を有する円筒形状のチューブから出発して、最終的には中間円筒形状エレメント2203の所望の形状となるために必要とされる円筒形状のチューブの壁部の一部を除去することによって、最も好都合に行われる。しかし、代替的に、任意の3Dプリンティング方法も使用され得る。
【0043】
[0061]材料の除去は、レーザー切断、光化学エッチング、ディーププレッシング、ドリル加工またはフライス加工などのような従来のチッピング技法、高圧ウォータージェット切断システム、または、利用可能な任意の適切な材料除去プロセスなどのような、異なる技法によって行われ得る。好ましくは、レーザー切断が使用される。その理由は、これが、合理的な経済的条件下において、非常に正確でクリーンな材料の除去を可能にするからである。上記に述べられているプロセスは好都合な方式である。その理由は、従来の器具において必要とされるような、中間円筒形状エレメントの異なるパーツを接続するための追加的なステップを必要とすることなく、部材2203がいわゆる1つのプロセスで作製され得るからであり、ここで、従来のステアリングケーブルは、何らかの方式で端部パーツに接続されなければならない。同じタイプの技術が、それらのそれぞれのフレキシブルパーツ2222、2224、2242、および2244を備えた内側および外側円筒形状エレメント2202および2204を作り出すために使用され得る。
【0044】
[0062]
図2jは、上記に説明されているように近位フレキシブルゾーン14および遠位フレキシブルゾーン16を相互接続する第2の中間円筒形状エレメント103の壁部に長手方向スリット5を提供した後に取得された長手方向(ステアリング)エレメント4の例示的な実施形態を示している。すなわち、長手方向ステアリングエレメント4は、少なくとも部分的に、器具の長手方向軸線の周りに螺旋状になっており、器具の近位部分におけるそれぞれのステアリングエレメント4の端部部分が、器具の遠位部分における同じ長手方向ステアリングエレメント4の端部部分とは、長手方向軸線の周りの別の角度配向において配置されるようになっている。長手方向ステアリングエレメント4が線形の配向で配置されているとすれば、特定の平面の中での近位部分における器具の曲げは、同じ平面の中ではあるが180度反対側方向に、遠位部分における器具の曲げを結果として生じさせることとなる。長手方向ステアリングエレメント4のこの螺旋構造は、特定の平面の中での近位部分における器具の曲げが、別の平面の中で、または、同じ平面の中で同じ方向に、遠位部分における器具の曲げを結果として生じさせることができるという効果を可能にする。好適な螺旋構造は、器具の近位部分におけるそれぞれのステアリングエレメント4の端部部分が、器具の遠位部分における同じ長手方向ステアリングエレメント4の端部部分に対して、長手方向軸線の周りに180度の角度方向にシフトされた配向で配置されるようになっている。しかし、たとえば、任意の他の角度方向にシフトされた配向、たとえば、90度は、この文献の範囲内にある。長手方向エレメントの移動が、ステアラブル器具の中の適切な場所に提供されるときに、隣接する長手方向エレメントによってガイドされるように、スリットは寸法決めされている。
【0045】
[0063]
図2dに示されているようなフレキシブル部分112、132、114、142、116、144、118、および138、ならびに、
図2gおよび
図2hに示されているフレキシブルパーツ2222、2224、2242、および2244は、2008年10月3日に出願された欧州特許出願08004373.0号明細書、5ページ、第15~26行に説明されている方法によって取得され得るが、任意の他の適切なプロセスが、フレキシブル部分を作製するために使用され得る。
【0046】
[0064]そのようなフレキシブルパーツは、
図2bおよび
図2cに示されているような構造を有することが可能である。すなわち、フレキシビリティーは、複数のスリット14a、15a、16a、17aによって取得され得る。たとえば、2つの円周方向のスリットが、同じ円周方向のラインに沿って円筒形状エレメントの中に設けられ得、ここで、両方のスリットは、互いから特定の距離に位置付けされている。円周方向のスリット14a、15a、16a、17aの複数の同一のセットが、器具の長手方向に複数の距離に設けられ、ここで、連続するセットが、所定の角度方向に回転させられた位置に配置されており、たとえば、90度回転させられるごとに配置されている。そのような配置では、円筒形状エレメントのすべてのパーツが、依然として互いに接続されている。
【0047】
[0065]そのうえ、
図2dに示されているように、長手方向ステアリング部材の第1および第2のセットをそれぞれ形成する、第1の中間円筒形状エレメント102の部分122、123、124、125、126、127、および128、ならびに、第2の中間円筒形状エレメント103の部分134、135、および136が、
図2hに示されているような長手方向ステアリングエレメント4として実装される場合には、上記に説明されている製作方法が使用され得る。同じことが、
図2hおよび
図2iの長手方向エレメント2338にも当てはまる。そのうえ、EP2762058Aに説明されている任意の実施形態が、本発明にしたがって使用され得る。
【0048】
[0066]そうでなければ、長手方向エレメント4、2338は、また、たとえば、EP1708609Aに説明されているような、当技術分野で公知の任意の他の技法によって取得され得る。これらの部分の中で使用される長手方向エレメントの構造に関する唯一の制限は、フレキシブル部分が一致するこれらの場所における器具の合計のフレキシビリティーが維持されなければならないということである。
【0049】
[0067]
図2d、
図2e、および
図2fに示されているステアラブル器具の例示的な実施形態に関して上記に説明されているような、異なる同軸に配置された層または円筒形状エレメント101、102、103、104、2202、2203、および2204は、それぞれ、それらが多層システムを作製するのに適切であるという条件で、公知の方法のいずれかによって作り出され得る。多層システムは、近位端部パーツの移動を遠位端部パーツに伝達するための長手方向エレメント4、2338の少なくとも2つの別個のセットを備えるステアラブル器具であるとして理解されるべきである。異なる円筒形状エレメントのアッセンブリは、同様に同じ方式で現実化され得る。異なる円筒形状エレメントを作り出す好適な方法が、上記に述べられているEP2762058Aに説明されており、それは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0050】
[0068]上記の実施形態では、近位部分および遠位部分は、同様の方式で構築されている。しかし、以降で明らかになるように、それは、常にそうである必要があるわけではない。
【0051】
[0069]本文献において対処される特定の問題のうちの1つが、
図3を参照して説明されている。
【0052】
[0070]
図3は、
図2d、
図2e、および
図2fに示されている器具のフレキシブルゾーン14の拡大図である。しかし、同じことが、フレキシブルゾーン15、16、17のうちの任意の他の1つにも当てはめることが可能である。同様の参照数字は、これらの
図2d、
図2e、および
図2fのものと同じエレメントを表している。
図3は、
図1のセットアップのもののように、曲げられた位置にあるフレキシブルゾーン14を示している。また、それは、非フレキシブル部分115と、フレキシブル部分116と、非フレキシブル部分117とを備えた内側円筒形状エレメント101の一部分を示している。
【0053】
[0071]内側円筒形状エレメント101を同軸に取り囲んでいるのは、中間円筒形状エレメント102であり、中間円筒形状エレメント102は、器具の遠位端部におけるフレキシブルゾーン17の曲げを制御するためのいくつかの長手方向エレメント120、120aを有している。1つのそのような長手方向エレメント120の詳細が、
図3の上側パーツ、すなわち、非フレキシブル部分125、フレキシブル部分126、および非フレキシブル部分127に示されている。
【0054】
[0072]中間円筒形状エレメント102を同軸に取り囲んでいるのは、円筒形状エレメント103であり、円筒形状エレメント103は、フレキシブルゾーン16の曲げを制御しているいくつかの長手方向エレメント130、130aを有している。1つのそのような長手方向エレメント130の詳細は、
図3の上側パーツ、すなわち、非フレキシブル部分135およびフレキシブル部分136に示されている。参照数字137は、部分117および127を円周方向に取り囲んでいる非フレキシブル部分を表している。
【0055】
[0073]中間円筒形状エレメント103を同軸に取り囲んでいるのは、円筒形状エレメント104である。円筒形状エレメント104の詳細が示されており、すなわち、非フレキシブル部分143、フレキシブル部分144、および、円筒形状エレメント103の部分137に取り付けられているリング145が示されている。
【0056】
[0074]
図3の下側パーツは、上側パーツと同様の構造を示している。円周方向に閉じたユニットを形成しているエレメントに属するそれらのパーツは、同じ参照数字を有している。参照数字125a、126a、127a、135a、および136aは、それぞれ、参照数字125、126、127、135、および136と同様のエレメントをそれぞれ表しているが、しかし、それらは、他の長手方向エレメントと関連付けられる。
【0057】
[0075]内側円筒形状エレメント101は、ステアラブル器具の近位端部から遠位端部へ延在する中空のスペースを画定している。中空のスペースは、ワイヤー140を収容しており、ワイヤー140は、また、器具の近位端部から遠位端部へ延在している。近位端部において、このワイヤー140は、適切なアクチュエーター(図示せず)に取り付けられており、アクチュエーターは、手動でまたはモーターによって動作可能であり得、モーターは、たとえば、オペレーターまたはロボット(同様に図示せず)によって制御される。その遠位端部において、ワイヤー140は、その動作を制御するためにツール2(
図1)に取り付けられているかまたは接続されている。
【0058】
[0076]フレキシブルゾーン14が
図3に示されている方式で曲げられているときには、円筒形状エレメント102および103の中の長手方向エレメントは、たとえば、器具の遠位端部におけるフレキシブルゾーンのうちの1つの曲げを制御するように、器具の長手方向に移動する。すなわち、示されている曲げによって引き起こされ、長手方向エレメント120および130は、
図3の右方向に移動させられ、引っ張り力を働かせることとなる。結果的に、この引っ張り力は、事実上の円形経路の外側に働かされるので、器具の長手方向軸線に向けて内向きに方向付けられた力A1、A2、A3が、長手方向エレメント120および130の上に働かされることとなる。特に、フレキシブル部分126は、円筒形状エレメント101のフレキシブル部分116に対抗して内向きに押される傾向を有することとなる。結果的に、円筒形状エレメント101の反対側は、長手方向エレメント120aのフレキシブル部分126aを押すこととなる。
【0059】
[0077]また、長手方向エレメント130は、内向きに押されることとなり、それは、フレキシブル部分136が長手方向エレメント120のフレキシブル部分126を押すこと、および、フレキシブル部分126aに対するこの影響を増加させることを引き起こす可能性がある。そのうえ、フレキシブル部分126は、遠位端部における対応するフレキシブルゾーンの移動を制御するのに必要な摩擦および過剰な力を引き起こす曲げ移動によって、両側においてクランプされ得る。また、長手方向エレメント130の長手方向の移動は、フレキシブル部分126と136の両方の間のこの係合によって妨げられ得る。
【0060】
[0078]同時に、示されている条件では、ユーザーは、ツール2の移動を制御するためにワイヤー140を動作させることが可能である。フレキシブルゾーン14が曲げられているので、法線方向の力がワイヤー140によって働かせられ、ワイヤー140が、内側円筒形状エレメント101を、その内側の湾曲した位置(すなわち、
図3の下側パーツ)において押し付けているようになっている。これは、矢印A4、A5、およびA6によって示されている。使用時に、ワイヤー140の上の引っ張り力は、長手方向エレメント120の引っ張り力よりもはるかに高くなっている可能性があり、たとえば、10倍高くなっている可能性がある。したがって、力A4、A5、およびA6は、力A1、A2、およびA3よりもはるかに高くなっている可能性がある。したがって、ワイヤー140を引っ張ることは、フレキシブル部分126aがそれ以上移動することがほとんどできないようにクランプされることになることを引き起こす可能性がある。同じことは、フレキシブル部分136aに関しても真実である可能性がある。
【0061】
[0079]結果的に、長手方向エレメント120、130およびワイヤー140によって内側円筒形状エレメント101に働かされる法線方向の力は、内側円筒形状エレメント101が長手方向エレメント130aに対抗して長手方向エレメント120aをクランプすることを引き起こしている。これは、長手方向エレメント130aの任意のさらなる長手方向の移動を妨げるかまたはさらには防止することが可能であり、フレキシブルゾーン17の曲げを制御することを非常に困難にするかまたは非効果的なものにさえする。
【0062】
[0080]
図3の状況は単なる例に過ぎないということが観察される。実際のステアラブル器具は、長手方向エレメントのセット同士の間に、追加的な円筒形状エレメントを有することが可能である。そのうえ、ステアラブル器具は、2つ以上のフレキシブルゾーンを有することが可能であり、したがって、長手方向エレメントの3つ以上のセットを有することが可能である。
【0063】
[0081]本発明は、これらの摩擦問題を解決する。
【0064】
[0082]本発明の解決策は、
図4~
図8をさらに参照して、最良に理解されることとなる。
【0065】
[0083]
図4は、本発明によるステアラブル器具の例の3D図を示している。同様の参照数字は、他の図のものと同じエレメントを表している。それらの説明は、ここでは繰り返されていない。器具は、5つの同軸の円筒形状エレメント202~210を備える。内側円筒形状エレメント210は、中間円筒形状エレメント208によって取り囲まれており、中間円筒形状エレメント208は、中間円筒形状エレメント206によって取り囲まれており、中間円筒形状エレメント206は、中間円筒形状エレメント204によって取り囲まれており、最後に、中間円筒形状エレメント204は、外側円筒形状エレメント202によって取り囲まれている。内側中間円筒形状エレメントは、フレキシブル螺旋状スプリングから作製され得る。器具の近位端部および遠位端部は、それぞれ、参照数字226および227によってそれぞれ示されている。
【0066】
[0084]ここで、本発明は、「円筒形状」エレメントを参照して詳細に説明されることとなるということが観察される。しかし、「円筒形状」は、円形の断面のみに限定されるべきではないということが理解されるべきである。楕円形、長方形などを含む、任意の他の適切な断面が適用され得る。
【0067】
[0085]
図5A~
図5Eは、分解された状態の器具のフレキシブルゾーン15の場所における5つの同軸の円筒形状エレメント202~210の部分を示している。すべての
図5A~
図5Eの長手方向寸法は、同じになっており、それぞれの
図5A~
図5Eの中に互いに上記に示されているコンポーネントが、器具の組み立てられた状態において、互いに同軸に整合させられるようになっている。
【0068】
[0086]
図5Aは、その右手側において、外側円筒形状エレメント202を示している。円筒形状エレメント202は、好ましくは、チューブ形状のエレメントから作製されており、たとえば、適切な金属またはプラスチックから作製されている。その左手側において、
図5Aは、その組み立てられた状態にある中間円筒形状エレメント204の小さい部分を示している。その近位端部226において、外側円筒形状エレメント202は、リジッド部分212を備える。リジッド部分212は、フレキシブル部分15aの一方の側に取り付けられており、フレキシブル部分15aは、その他方の反対側において、リジッド部分216に取り付けられている。フレキシブル部分15aは、任意の適切なフレキシブル手段を備えることが可能である。好ましくは、フレキシブル手段は、チューブのようなエレメントの中に適切なスリットおよび/または開口部をカットすることによって製造された複数のヒンジに基づいている。それは、当業者が理解するように、レーザー切断によって行われ得る。実施形態は、たとえば、WO2009112060A1、NL2017570、および、未公開のオランダ特許出願NL2019173[代理人ファイル番号P6063253NL1]に示されて参照されているヒンジタイプを含むことが可能である。
【0069】
[0087]リジッド部分212は、1つまたは複数のスリットを備え、1つまたは複数のスリットは、リジッド部分212を1つまたは複数のスモールリップ形状の部分218を備えた状態にするように形状決めされている。これらのスモールリップ形状の部分218は、
図5Bに示されているように、溶接によって、リジッド部分212を中間円筒形状エレメント204のリジッド部分244に固定して取り付けるために使用される。リップ形状の部分218は、十分に小さくなっており、レーザービームのような適切な熱源によって放射されるときに、それらが容易に溶融されることとなる。リップ形状の部分の溶融された材料は、固化することとなり、次いで、熱源が除去されるときに、リジッド部分212と244との間で接着剤として作用することとなる。リップ形状の部分218を備えた溶接ユニットを画定するスリットは、
図8の中のリップ形状の部分294bを画定するスリットのように、S字形状になっていることが可能であり、
図8は、それらをより大きいスケールで示している。容易にレーザー溶融され得る溶接ユニット218の他の形態も使用され得る。それらは、端部226の近くに位置付けされ得る。
【0070】
[0088]リジッド部分216は、円周方向に配向された1つまたは複数のスリット形状の開口部220を有することが可能であり、それは、また、たとえば、レーザー切断から結果として生じている。それらは、リジッド部分を別のチューブの一部分にクリックするために使用され得る。
【0071】
[0089]リジッド部分216は、1つまたは複数の溶接ユニット224を設けられ得、1つまたは複数の溶接ユニット224は、溶接ユニット218と同じ構造を有することが可能である。それらは、端部226に対向する外側円筒形状エレメント202の端部の近くに位置付けされ得る。適切なレーザービームによって溶融され、再び固化されたときに、それらは、外側円筒形状エレメント202と1つまたは複数の溶接ユニット224によって同軸に整合させられた中間円筒形状エレメント204の部分との間の確かな取り付けを形成することとなる。
【0072】
[0090]
図5Bは、器具のフレキシブルゾーン15の場所において、中間円筒形状エレメント204を詳細に示している。中間円筒形状エレメント204は、好ましくは、チューブ形状のエレメントから製造されており、たとえば、適切な金属またはプラスチックから製造されている。中間円筒形状エレメント204のすべての個々のエレメントは、そのチューブ形状のエレメントの中に適切なパターンをレーザー切断した結果である。
【0073】
[0091]その最近位端部において、中間円筒形状エレメント204は、リジッド部分244を備える。フレキシブル部分15bは、器具のフレキシブルゾーン15の場所に設けられており、それは、その近位端部において、リジッド部分244に取り付けられている。その遠位端部において、フレキシブル部分15bは、好ましくは、中間セクション234によって、長手方向エレメント部分236に取り付けられている。それらの遠位端部において、それぞれの長手方向エレメント部分236は、より小さい幅の端部部分237に取り付けられている。組み立てられた状態において、これらの端部部分237は、長手方向にスリットの中を移動することができ、そのスリットは、中間円筒形状エレメント204のリジッド部分246の端部部分245を延在させることによって画定されている。
【0074】
[0092]1つまたは複数のスモールリップ形状の部分238が、それぞれの長手方向エレメント部分236の中に形成されている。それらは、それぞれの長手方向エレメント部分236を中間円筒形状エレメント206(
図5C)の中の対応する長手方向エレメント部分256に溶接するために、適切なレーザービームによって溶融可能であるように設計されている。リップ形状の部分238は、内向きに曲げられ、溶接動作の間に、それらを対応する長手方向エレメント部分256のより近くに持って行くことが可能であり、したがって、より良好な溶接を保証することが可能である。この配置によって、長手方向軸線に対する「同じ」長手方向エレメントの部分の距離が変化させられ得、当業者に明らかになることとなるように、これらの長手方向エレメントが取り付けられている器具の遠位端部における対応するフレキシブルゾーンに対するフレキシブルゾーン15の曲げ移動の増幅/減衰効果を引き起こすようになっている。
【0075】
[0093]フレキシブル部分15bは、細いワイヤーの複数のセット232a、232bを備えることが可能である。細いワイヤーのそれぞれのセット232a、232bは、単一の長手方向エレメントの一部分を形成している。それらの近位端部において、それぞれのセット232a、232bは、リジッド部分244に取り付けられており、また、それらの遠位端部において、1つの中間セクション234に取り付けられている。隣接するセット232a、232bは、適切なスペーサー230によって、たとえば、
図5Bに示されているような、および、特許出願PCT/NL2015/050798に詳細に説明されているような、M字形状のスペーサーによって分離されている。それぞれのセット232a、232bの2つのワイヤーは、たとえば、レーザー切断から結果として生じる細いスリットによって分離されている。したがって、フレキシブル部分15bの中の長手方向エレメントの部分は、2つのワイヤーへの分離がなかったとしたときよりもフレキシブルであると言うことが可能である。同時に、同じ幅を有する単一のワイヤーの代わりに2つのワイヤーを適用することは、フレキシブルゾーン15の場所における長手方向エレメント部分の潜在的な引っ張り力を強化する。それぞれの中間セクション234は、ロープイコライザー(rope equalizer)を備え、その近位端部において、それぞれのロープイコライザーは、セット232a、232bの2つのワイヤーに取り付けられており、その遠位端部において、1つの長手方向エレメント部分236に取り付けられている。示されている配置では、長手方向エレメント部分236は、セット232a、232bのワイヤーよりもはるかに幅広くなっており、したがって、はるかに低フレキシブルになっているが、しかし、それは、はるかに強い。中間セクション234は、未公開のオランダ特許出願NL2019173[代理人ファイル番号P6063253NL1]に詳細に説明されているように、ロープイコライザーとして動作するために任意の適切な設計を有することが可能である。1つの長手方向エレメント部分236、1つのロープイコライザー234、および、細いワイヤーの1つのセット232a、232bは、長手方向エレメントの第1のセットの単一の長手方向エレメントの一部を一緒に形成している。長手方向エレメントのこの第1のセットは、ユーザーによって動作させられ、ユーザーは、フレキシブルゾーン15を曲げ、したがって、長手方向エレメントの第1のセットの長手方向エレメントの個々のものが長手方向に移動することを引き起こす。それらのうちのいくつかは、長手方向の引っ張り力を働かせることとなり、一方、他のものは、フレキシブルゾーン15の曲げ方向に応じて、長手方向の押し込み力を働かせることとなる。したがって、フレキシブルゾーン15の曲げは、長手方向エレメントの第1のセットの長手方向エレメントが取り付けられている器具の遠位端部における対応するフレキシブルゾーン(
図1の例では、それは、フレキシブルゾーン17である)の曲げ移動を引き起こす。
【0076】
[0094]その最近位端部の近くにおいて、中間円筒形状エレメント204は、1つまたは複数の溶融ユニット228を設けられており、1つまたは複数の溶融ユニット228は、たとえば、1つまたは複数のリップ形状の部分を備えており、1つまたは複数のリップ形状の部分は、たとえば、レーザービームによって、容易に溶融され、溶接によって中間円筒形状エレメント204の内側に位置付けされている中間円筒形状エレメント206に中間円筒形状エレメント204を取り付けることが可能である。
【0077】
[0095]器具を組み立てる間に、中間円筒形状エレメント204は、外側円筒形状エレメント202の中へ挿入される。使用時に、すべての隣接するワイヤーのセット232a、232b、および、すべての隣接する長手方向エレメント部分236は、それらが独立した方式で長手方向に移動することができるように、接続されていないべきである。しかし、中間円筒形状エレメント204の中の長手方向エレメントのすべてのこれらの部分がすでに接続されていないこととなる状態で、中間円筒形状エレメント204を外側円筒形状エレメント202の中へ挿入するときに、これは、複雑で時間のかかる製造プロセスを結果として生じさせることとなる。その理由は、円筒形状エレメントのオリジナルの形状が失われることとなるからである。したがって、隣接する長手方向エレメントの隣接する部分は、いわゆる「ブレークアイランド(break islands)」によって、組み立てプロセスの間に、依然として互いに取り付けられている。たとえば、隣接する長手方向エレメント部分236は、1つまたは複数のブレークアイランド240によって、依然として互いに取り付けられている。それらは、より大きいスケールで示されている
図7Bの中のブレークアイランド280と同じ構造を有することが可能である。すなわち、ブレークアイランド240は、円形の形態を有することが可能であり、また、容易に破壊され得る非常に細いブリッジによって、2つの隣接する長手方向エレメント部分236に取り付けられている。器具が完全に組み立てられると、隣接する長手方向エレメントは、これらの細いブリッジのうちの少なくとも1つが破壊する程度に、互いに対して長手方向に移動することを強要される。したがって、ブレークアイランド240のブリッジは、隣接する長手方向エレメントの上に働かされる長手方向の力が、隣接する長手方向エレメント自身の任意の部分を恒久的に変形させるように、設計されているべきである。そのようなブレークアイランドは、PCT/NL/2014/050837に詳細に説明されており、それは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。PCT/NL/2014/050837に示されているブレークアイランドのいずれかが、ここで適用され得る。
【0078】
[0096]器具を組み立てる前および間に、端部部分237は、依然として、ブレークアイランド242によって、リジッド部分246の延長端部部分245に取り付けられている。また、これらのブレークアイランドは、端部部分237が延長端部部分245に対して移動することとなるときに、器具の最初の使用の間に破壊するように設計されている。ブレークアイランド242は、ブレークアイランド240と同様の設計を有することが可能である。しかし、それらは、PCT/NL/2014/050837に開示されているような任意の他の適切な設計を有することが可能である。
【0079】
[0097]
図5Cは、フレキシブルゾーン15の場所において、中間円筒形状エレメント206の一部分を詳細に示している。このゾーン15において、中間円筒形状エレメント206は、フレキシブル部分15cを備える。その近位側において、フレキシブル部分15cは、リジッド部分248に取り付けられており、その遠位側において、リジッド部分250に取り付けられている。リジッド部分250は、遠位方向に延在するいくつかの延長端部部分253を設けられている。フレキシブル部分15cは、好ましくは、複数のヒンジを備え、複数のヒンジは、フレキシブル部分15a(
図5A)を参照して説明されたように、円筒形状エレメント206の中へ適切なパターンをレーザー切断することによって容易に作製され得る。
【0080】
[0098]左手側において、
図5Cは、中間円筒形状エレメント206が、長手方向エレメントのいくつかの隣接する部分256を設けられているということを示している。示されている実施形態では、隣接する部分256は、レーザー切断から結果として生じる小さい長手方向スリットによって分離されている。したがって、部分256は、長手方向に独立して移動することが可能である。上記に述べられているように、それぞれの長手方向エレメント部分256は、リップ形状の部分238(
図5B)を溶融することによって、長手方向エレメント部分236の対応する1つに溶接されており、単一の長手方向エレメントを形成するようになっており、その部分は、器具の長手方向軸線に対して異なる距離に配置されている。
【0081】
[0099]それらの近位端部において、これらの部分256は、より細い延長端部部分255を備える。したがって、これらの延長端部部分は、長手方向開口部を画定しており、長手方向開口部の中に、延長端部部分253が位置付けされている。器具を組み立てる前および間に、2つの隣接する延長端部部分255は、依然として、ブレークアイランド254によって、それらの間に位置付けされている1つの延長端部部分253に取り付けられている。器具の最初の使用の間に、上記に説明されているように、これらのブレークアイランド254は破壊することとなり、部分256に関連付けられる長手方向エレメントは、長手方向に独立して自由に移動することができる。PCT/NL/2014/050837に示されているブレークアイランドのいずれかが、ここで適用され得る。
【0082】
[00100]リジッド部分250は、1つまたは複数の溶接ユニット252を設けられており、1つまたは複数の溶接ユニット252は、溶接ユニット218のように形状決めされ得、たとえば、レーザービームによって、容易に溶融され、中間円筒形状エレメント206の内側に位置付けされている中間円筒形状エレメント208の適切な部分に中間円筒形状エレメント206を取り付けることが可能である。
【0083】
[00101]
図5Dは、フレキシブルゾーン15の場所において、中間円筒形状エレメント208を詳細に示している。そのゾーン15において、中間円筒形状エレメント208は、フレキシブル部分15dを設けられている。フレキシブル部分15dは、示されているように、単純な螺旋形状のスリットによって作製され得、単純な螺旋形状のスリットは、レーザー切断から結果として生じ、中間円筒形状エレメント208の特定の長さに沿って延在している。その近位端部において、フレキシブル部分15dは、リジッド部分260に取り付けられている。その遠位端部において、フレキシブル部分15dは、リジッド部分264に取り付けられている。リジッド部分264は、1つまたは複数の溶接ユニット262を備え、1つまたは複数の溶接ユニット262は、溶接ユニット218のように形状決めされ得、たとえば、レーザービームによって、容易に溶融され、中間円筒形状エレメント208の内側に位置付けされている内側円筒形状エレメント210の適切な部分に中間円筒形状エレメント208を取り付けることが可能である。
【0084】
[00102]
図5Eは、フレキシブルゾーン15の場所において、内側円筒形状エレメント210を詳細に示している。そのゾーン15において、内側円筒形状エレメント210は、フレキシブル部分15eを設けられている。フレキシブル部分15eは、示されているように、単純な螺旋形状のスリットによって作製され得、単純な螺旋形状のスリットは、レーザー切断から結果として生じ、内側円筒形状エレメント210の特定の長さに沿って延在している。その近位端部において、フレキシブル部分15eは、リジッド部分270に取り付けられている。その遠位端部において、フレキシブル部分15eは、リジッド部分272に取り付けられている。
【0085】
[00103]内側円筒形状エレメント210、中間円筒形状エレメント204、206、208、および、外側円筒形状エレメント202の外径および内径は、それらが
図4に示されている器具を形成するために互いの中へ挿入されているときに、それらの間のそれぞれの相互クリアランスが十分に小さくなっており、隣接する円筒形状エレメントが長手方向に互いに対して容易に移動することができるが、相互の半径方向の遊びが最小に維持されるように選択される。相互クリアランスは、0.02mmから0.1mmの範囲にあることが可能である。円筒形状エレメントの厚さは、0.1~2.0mmの範囲にあり、好ましくは、0.1~1.0mmの範囲にあり、より好ましくは、0.1~0.5mmの範囲にあり、最も好ましくは、0.2~0.4mmの範囲にあることが可能である。円筒形状エレメントの直径は、0.5~20mmの範囲にあり、好ましくは、0.5~10mmの範囲にあり、より好ましくは、0.5~6mmの範囲にあることが可能である。
【0086】
[00104]
図6A~
図6Dは、フレキシブルゾーン14の場所において、それぞれ、中間円筒形状エレメント204、206、および208、ならびに、内側円筒形状エレメント210を詳細に示している。
図7Aおよび
図7Bは、それぞれ、本発明のより良好な理解のために、拡大されたスケールで、
図6Aおよび
図6Bの一部をそれぞれ示している。
【0087】
[00105]
図6Aは、器具の遠位方向への
図5Bの拡張であり、
図6Aは、右手側においてリジッド部分246を示している。リジッド部分246の遠位端部は、フレキシブルゾーン14の中に位置付けされているフレキシブル部分14aの一方の端部に取り付けられている。その他方の端部において、フレキシブル部分14aは、リジッド部分296に取り付けられている。フレキシブル部分14aは、フレキシブル部分15a、15c、15d、および15cのものと同様のヒンジから作製され得る。
【0088】
[00106]いくつかの場所において、フレキシブル部分14aは、スモールリップ形状の部分294aを設けられており、スモールリップ形状の部分294aは、以降で明らかになることとなるように、溶接ユニットとして使用される。
【0089】
[00107]リジッド部分246は、1つまたは複数のリップ形状の部分292を設けられていることが示されている。それらは、さらに下記に説明されることとなるように、溶接ユニットとして使用される。
【0090】
[00108]
図6Bは、器具の遠位方向への
図5Cの拡張であり、
図6Bは、中間円筒形状エレメント206のさらなる詳細を示している。右手側において、
図6Bは、複数の長手方向エレメント部分256を示している。それらの遠位端部において、それらのそれぞれ1つは、小さい幅の長手方向エレメント部分274へと幅が狭くなるかまたはテーパー付きになっている。したがって、これらの長手方向エレメント部分274は、細いワイヤーであると想像され得、細いワイヤーは、非常にフレキシブルであり、容易に曲げられ得る。これらの長手方向エレメント部分274のそれぞれ1つは、フレキシブルゾーン14の全体長さに沿って延在している。それらの遠位端部において、長手方向エレメント部分274のそれぞれ1つは、より幅広い長手方向エレメント部分276へと広がっている。
【0091】
[00109]隣接する長手方向エレメント部分274は、それらの近位端部において、所定の距離に配置されており、オープンスペースがそれらの間に画定されるようになっている。それぞれのそのようなオープンスペースの中に、パッド形状の部分278が位置付けされている。それぞれのパッド形状の部分278は、スペーサーとして作用し、隣接する長手方向エレメント部分274を離した状態に維持し、それらが使用時に接線方向に移動することを防止する。パッド形状の部分278は、長手方向エレメントの第2のセットのそれぞれの長手方向エレメントの開始部分である。パッド形状の部分278のそれぞれ1つは、好ましくは、溶接ユニット292によって、中間円筒形状エレメント204(
図6Aおよび
図7A)のリジッド部分246に取り付けられている。そのうえ、器具を組み立てる前および間に、パッド形状の部分278のそれぞれ1つは、依然として、1つまたは複数のブレークアイランド280によって、隣接する長手方向エレメント部分274のうちの1つ(または複数)に取り付けられている。器具の最初の使用の間に、上記に説明されているように、これらのブレークアイランド280は破壊することとなり、それぞれのパッド形状の部分278は、隣接する長手方向エレメント部分274同士の間のオープンスペースの中で長手方向に独立して自由に移動することができる。PCT/NL/2014/050837に示されているブレークアイランドのいずれかが、ここで適用され得る。
【0092】
[00110]パッド形状の部分278のそれぞれ1つは、その遠位側において、長手方向エレメント部分282へと幅が狭くなっている。したがって、これらの長手方向エレメント部分282は、細いワイヤーであると想像され得、細いワイヤーは、非常にフレキシブルであり、容易に曲げられ得る。長手方向エレメント部分282は、フレキシブルゾーン14の場所において、長手方向エレメントの第1のセットの長手方向エレメント部分274に対して平行に長手方向に走っている。それらの遠位側において、長手方向エレメント部分282は、長手方向エレメント部分284へと広がっている。これらの長手方向エレメント部分284は、特定のさらに遠位の場所において、長手方向エレメント部分285へと幅が狭くなっており、長手方向エレメント部分285は、より小さい幅を有しており、隣接する長手方向エレメント部分285同士の間にオープンスペースを画定している。
【0093】
[00111]パッド形状の部分277は、これらの後者のオープンスペースの中に位置付けされている。これらのパッド形状の部分277は、スペーサーとして作用し、長手方向エレメント部分285を離した状態に維持し、それらが接線方向に移動することを防止する。パッド形状の部分277のそれぞれ1つは、それらが取り付けられている1つの長手方向エレメント部分276の端部ユニットを形成している。そのうえ、パッド形状の部分277のそれぞれ1つは、好ましくは、レーザー溶接によって、中間円筒形状エレメント208の中に位置付けされている1つの長手方向エレメント部分310(以降をさらに参照)に取り付けられている。
【0094】
[00112]それらの遠位端部において、長手方向エレメント部分285のそれぞれ1つは、より幅広い長手方向エレメント部分286へと広がっており、長手方向エレメント部分286は、互いに隣接しており、好ましくは、単に小さいスリットによって分離されており、長手方向エレメント部分286の接線方向の移動が防止されるようになっている。器具の組み立ての前および間に、これらの長手方向エレメント部分286は、依然として、ブレークアイランド290によって、互いに取り付けられている。器具の最初の使用の間に、上記に説明されているように、これらのブレークアイランド290は破壊することとなり、それぞれの長手方向エレメント部分286は、長手方向に独立して自由に移動することができる。PCT/NL/2014/050837に示されているブレークアイランドのいずれかが、ここで適用され得る。
【0095】
[00113]
図1に示されている配置では、長手方向エレメント部分286に関連付けられる長手方向エレメントは、フレキシブルゾーン16に取り付けられることとなる。結果的に、ユーザーがフレキシブルゾーン14を曲げる場合には、フレキシブルゾーン16も曲がることとなる。長手方向エレメント部分286に関連付けられる長手方向エレメントが、それらの全体長さに沿って真っ直ぐになっている場合には、そのような曲げは、当業者が知るように、互いに反対になることとなる。すなわち、たとえば、
図6Aの図面の表面の中で見られるように、リジッド部分246(
図6A)を下向きに曲げることは、フレキシブルゾーン16の遠位側がその同じ表面の中で上向きに移動することを引き起こすこととなる。しかし、
図6Bに示されているように、遠位方向に向けて、隣接する長手方向エレメント部分286は、螺旋経路で配置されている。遠位端部に向けての螺旋巻きの量に応じて、このように、フレキシブルゾーンの遠位端部は、任意の事前決定された他のスペース角度で移動することが引き起こされ得る。
図1では、リジッド部分246が所定の表面の中で下向きに移動させられている場合には、フレキシブルゾーン16の遠位端部もその表面の中で下向きに移動させられているという状況が示されている。
【0096】
[00114]
図6Bおよび
図7Bに示されている実施形態では、フレキシブル部分14bにおいて、長手方向エレメントの第1のセットの複数の長手方向エレメント部分274、および、長手方向エレメントの第2のセットの複数の長手方向エレメント部分282は、以下の通りに配置されている。
【0097】
- それらは、互いに取り付けられることなく長手方向に互いに接触している1つの長手方向エレメント部分274および1つの長手方向エレメント部分282のセットの中にグループ化されている。
【0098】
- 合計で8個のそのようなセットが、
図6Bおよび
図7Bに示されている。2つの隣接するセットの間に、1つまたは複数の接線方向のスペーサー275、279によって充填されたスペースが存在している(
図7Bにおいて、また、
図8において、拡大されたスケールで示されている)。
【0099】
[00115]示されている実施形態では、それぞれの接線方向のスペーサー275は、3つの別個のワイヤー形状のユニット275a、275b、275cを備える(
図8)。ワイヤー形状のユニット275a、275b、275cは、長手方向に互いに平行に配置されている。それらは、レーザー切断から結果として生じる小さいスリットによって、互いから分離されている。それらは、1つまたは複数の場所において、ブリッジによって互いに接線方向に取り付けられており、それらが単一のユニットとして長手方向にのみ移動することができるようになっている。それらのブリッジは、長手方向に沿ってどこかに位置付けされ得る。これらのブリッジの場所において(または、任意の他の適切な場所において)、スペーサー275は、溶接ユニット294bを設けられており、溶接ユニット294bは、以降で説明されることとなるように、スモールリップ形状の部分であることが可能である。これらの溶接ユニット294bは、任意の他の適切な形状、たとえば、単一のリップを有することが可能である。3つよりも多いかまたは3つよりも少ないそのようなワイヤー形状のユニット275a、275b、275cが存在することが可能である。
【0100】
[00116]器具を組み立てる前および間に、スペーサー275は、依然として、1つまたは複数のブレークアイランド316によって、隣接する長手方向エレメント部分282および/または長手方向エレメント部分274に取り付けられている。また、1つまたは複数のワイヤー形状のユニット275a、275b、275cは、次いで、依然として、1つまたは複数のブレークアイランド318によって、互いに取り付けられ得る。これらのブレークアイランドは、容易に破壊され得る単純な小さいブリッジであることが可能である。器具の最初の使用の間に、上記に説明されているように、これらのブレークアイランド316は破壊することとなり、それぞれのスペーサー275は、隣接する長手方向エレメント部分282および/または長手方向エレメント部分274から分離される。同時に、ブレークアイランド318が破壊することとなる。PCT/NL/2014/050837に示されているブレークアイランドの任意の他の実施形態が、その代わりに、ここで適用され得る。
【0101】
[00117]示されているように、スペーサー279は、スペーサー275と同じ方式で構築され得る。
【0102】
[00118]フレキシブル部分14aおよび14bが整合させられるように、中間円筒形状エレメント206が中間円筒形状エレメント204の中へ挿入されると、フレキシブル部分14aの中のそれぞれの溶接ユニット294aは、1つのスペーサー275、279の上の1つの溶接ユニット294bに溶接される。それぞれのスペーサー275、279とフレキシブル部分14aとの間に、2つ以上の溶接接続が存在することが可能であるが、それは、フレキシブルゾーン14のフレキシビリティーを低減させることとなる。いくらかの過剰な材料(溶接ユニット294a、294bのリップ形状の部分から生じる)が、溶接ユニット294a、294bの場所において、スペーサー275、279とフレキシブル部分14aとの間に残るように、それぞれのスペーサー275、279とフレキシブル部分14aとの間の溶接が実施されることとなる。溶接作用から結果として生じるこの過剰な材料は、それぞれのスペーサー275、279が、半径方向において見られるように、隣接する長手方向エレメント部分274、282の高さよりも、溶接場所において半径方向に大きい高さを有することを引き起こす。したがって、スペーサー275、279は、また、半径方向のスペーサーとして作用する。したがって、フレキシブルゾーン14の曲げ条件においても、フレキシブル部分14aおよび14cの材料は、長手方向エレメント部分274、282の高さよりも大きい特定の最小距離に維持されている。すなわち、ケージが形成され、ケージの中では、長手方向エレメント部分274、282が、フレキシブル部分14aと14cとの間でクランプされることなく、長手方向に自由に移動することが可能である。半径方向に見られるように、半径方向のスペーサーの追加的な高さは、好ましくは、長手方向エレメント部分274、282の高さの1~40%の範囲にあり、より好ましくは、1~30%の範囲にあり、最も好ましくは、1~15%の範囲にある。
【0103】
[00119]代替的な実施形態では、スペーサー275、279は、たとえば、レーザー溶接によって、中間円筒形状エレメント208に取り付けられており、そのような半径方向のスペーサーを形成している。そのような実施形態では、中間円筒形状エレメント206および208が中間円筒形状エレメント204の中へ一緒に挿入される前に、取り付けが行われる。その後に、溶接ユニット294aは、半径方向のスペーサー275、279にも溶接され得る。
【0104】
[00120]さらなる代替例では、両方の中間円筒形状エレメント206および208は、中間円筒形状エレメント204の中へ挿入され、必要に応じて同軸に整合させられる。次いで、溶接ユニット294aは、レーザービームによって十分に強烈に照射され、溶接ユニット294aと下にある溶接ユニット294bの両方が溶融することとなり、半径方向のスペーサー275、279が中間円筒形状エレメント206と208の両方に取り付けられるようになっている。
【0105】
[00121]長手方向エレメント部分274、282の高さよりも、半径方向に大きい高さを有する側壁部を有するケージを形成することによって、
図3を参照して説明されているような先行技術の問題が解決される。しかし、この問題は、また、長手方向エレメントのすべてのセットのフレキシブルゾーン14の中に位置付けされているフレキシブル長手方向エレメント部分274、282を同じ単一の円筒形状エレメントの中に配置することによって、大いに低減されるということが観察される。すなわち、長手方向エレメントの異なるセットの長手方向エレメントのそのようなフレキシブル部分は、もはや、お互いに重なり合って(場合によっては、フレキシブル部分の材料がその間にある状態で)配置されておらず、それは、
図3に示されている状況が起こることを防止する。
【0106】
[00122]
図6Cは、フレキシブルゾーン14の場所において、中間円筒形状エレメント208の一部分を詳細に示している。このゾーン14において、中間円筒形状エレメント208は、フレキシブル部分14cを備える。その近位側において、フレキシブル部分14cは、リジッド部分300に取り付けられており、その遠位側において、リジッド部分301に取り付けられている。リジッド部分301は、遠位方向に延在するいくつかの延長端部部分304を設けられている。フレキシブル部分14cは、好ましくは、複数のヒンジを備え、複数のヒンジは、フレキシブル部分15a(
図5A)を参照して説明されたように、円筒形状エレメント208の中へ適切なパターンをレーザー切断することによって容易に作製され得る。
【0107】
[00123]左手側において、
図6Cは、中間円筒形状エレメント208が、長手方向エレメントのいくつかの隣接する部分310を設けられているということを示している。示されている実施形態では、隣接する部分310は、レーザー切断から結果として生じる小さい長手方向スリットによって分離されている。したがって、部分310は、長手方向に独立して移動することが可能である。それぞれの長手方向エレメント部分310は、たとえば、レーザー溶接によって、パッド形状の部分277(
図6B)のに対応する1つに溶接されており、単一の長手方向エレメントを形成するようになっており、その部分は、器具の長手方向軸線に対して異なる距離に配置されている。
【0108】
[00124]それらの近位端部において、これらの部分310は、より細い延長端部部分308を備える。したがって、これらの延長端部部分308は、長手方向開口部を画定しており、長手方向開口部の中に、延長端部部分304が位置付けされている。器具を組み立てる前および間に、2つの隣接する延長端部部分308は、依然として、ブレークアイランド306によって、それらの間に位置付けされている1つの延長端部部分304に取り付けられている。器具の最初の使用の間に、上記に説明されているように、これらのブレークアイランド306は破壊することとなり、部分310に関連付けられる長手方向エレメントは、長手方向に独立して自由に移動することができる。PCT/NL/2014/050837に示されているブレークアイランドのいずれかが、ここで適用され得る。
【0109】
[00125]リジッド部分301は、たとえば、リップ形状の部分の形態の1つまたは複数の溶接ユニット302を設けられており、1つまたは複数の溶接ユニット302は、たとえば、レーザービームによって、容易に溶融され、中間円筒形状エレメント208の内側に位置付けされている中間円筒形状エレメント210の適切な部分に中間円筒形状エレメント208を取り付けることが可能である。
【0110】
[00126]
図6Dは、フレキシブルゾーン14の場所において、内側円筒形状エレメント210を詳細に示している。そのゾーン14において、内側円筒形状エレメント210は、フレキシブル部分14dを設けられている。フレキシブル部分14dは、示されているように、円筒形状エレメント210の中に適切なスリットパターンをレーザー切断することによって、フレキシブル部分14aと同様の様式で作製され得る。しかし、代替的に、それは、単純な螺旋形状のスリットまたは任意の他の技法によって作製され得、単純な螺旋形状のスリットは、レーザー切断から結果として生じ、内側円筒形状エレメント210の特定の長さに沿って延在している。その近位端部において、フレキシブル部分14dは、リジッド部分312に取り付けられている。その遠位端部において、フレキシブル部分14dは、リジッド部分314に取り付けられている。
【0111】
[00127]
図9A、
図9B、および
図10は、半径方向のスペーサーの実装形態のさらなる実施形態を示している。これらの図の実施形態では、
図9Aに示されているように、中間円筒形状エレメント204の中のリップ形状の部分294aは、リップ形状の部分294cによって置換されており、リップ形状の部分294cは、以降で説明されることとなるように、溶接プロセスにおいて使用される必要はないが、製造の間に内側に曲げられることとなる。
【0112】
[00128]
図9Bに示されているように、スペーサー275、279は、もはや、溶接ユニット294bを設けられないが、随意的に、溶接ユニット294bの場所において、半径方向のスペーサー部分281を設けられる。これは、
図10により良好に示されており、
図10は、そのような半径方向のスペーサー部分281の場所において器具を通る長手方向の断面を示している。
図10は、中間円筒形状エレメント204、206、208が互いの中へ挿入されている状態において、中間円筒形状エレメント204、206、208の部分を通る断面を示している。
【0113】
[00129]中間円筒形状エレメント206が円筒形状エレメント204の中へ挿入されると、リップ形状の部分294cは内向きに曲げられ、それが内向きに曲げられた位置に留まり、1つの半径方向のスペーサー部分281に触れるようになっている。したがって、曲げられたリップ形状の部分294cの場所において、中間円筒形状エレメント204と206との間に一定の半径方向のスペースが生成される。
図10は、半径方向のスペーサー部分281の場所における中間エレメント206が、その内側の表面からその外側の表面へ測定されるときに、高さh1を有するということを示している。曲げられたリップ形状の部分294cに起因して、円筒形状エレメント206の内側の表面と円筒形状エレメント204の内側の表面との間に、距離h2が存在しており、ここで、h2>h1である。別の言い方をすれば、リップ形状の部分294cは、h2-h1の半径方向の距離にわたって、内側に曲げられている。したがって、良好に画定された半径方向のスペースが、長手方向エレメント部分282のために生成され、長手方向エレメント部分282は、スペーサー275、279に沿って配置されており、スペーサー275、279は、全体的な器具がフレキシブルゾーン14において曲げられている状況においても、長手方向へのこれらの長手方向エレメント部分282の自由移動を支持する。
【0114】
[00130]リップ形状の部分294cは、高さh2が高さh1よりも1~40%多い範囲にあり、より好ましくは、1~30%多い範囲にあり、最も好ましくは、1~15%多い範囲にあるように、曲げられ得る。
【0115】
[00131]ある実施形態では、溶接ユニット294bは、依然として、中間円筒形状エレメント206の上に設けられており、リップ形状の部分294cは、これらのリップ形状の部分294cが内向きに曲げられた後に、そのような溶接ユニットに溶接される。このように、スペーサー275、279は、自由に浮遊することを防止され、それは、より大きい安定性を器具に提供することが可能である。
【0116】
[00132]長手方向エレメント部分282に沿ったいくつかの場所において、中間円筒形状エレメント204と206との間にh2-h1の良好に画定された距離を生成させるために使用されるリップ形状の部分294cの数に関して、限界値は存在しない。
【0117】
[00133]
図11A、
図11B、および
図12は、一層さらなる実施形態を示している。中間円筒形状エレメント204は、リップ形状の部分294eを設けられており、リップ形状の部分294eは、
図9A、
図9B、および
図10のリップ形状の部分294cよりも大きい、長手方向への長さを有することが可能である。1つのスペーサー275のワイヤー形状ユニット275a、275b、275cが、スペーサー部分294fによって一緒に保持されている。いくつかの場所において、隣接する長手方向エレメント部分282は、スペーサー275、279によって間隔を離して配置されているのではなく、自由スペース320によって間隔を離して配置されている。
【0118】
[00134]中間円筒形状エレメント206が円筒形状エレメント204の中へ挿入されると、リップ形状の部分294eが、自由スペース320の上方に位置付けされる。それぞれのリップ形状の部分294eは、内向きに曲げられており、それが内向きに曲げられた位置に留まり、自由スペース320を通って延在し、中間円筒形状エレメント208の一部分に触れるようになっている。
図12を参照されたい。
図12は、中間円筒形状エレメント204、206、208が示されているように互いの中へ挿入されているときの、そのような自由スペース320の場所における長手方向への器具の断面を示している。
【0119】
[00135]中間円筒形状エレメント206が高さh1を有していると再び仮定すると、次いで、リップ形状の部分294eは、h3の距離にわたって内向きに曲げられており、ここで、h3>h1である。したがって、曲げられたリップ形状の部分294eの場所において、中間円筒形状エレメント204と208との間の良好に画定された半径方向のスペースが生成され、それは、長手方向エレメント部分282の高さh1よりも大きくなっている。これは、全体的な器具がフレキシブルゾーン14において曲げられている状況においても、長手方向へのそれらの自由移動を支持する。
【0120】
[00136]長手方向エレメント部分282に沿って中間円筒形状エレメント204と208との間の良好に画定された半径方向のスペースの場所を画定するために使用されるリップ形状の部分294eおよび自由スペース320の数に関して、限界値は存在しない。
【0121】
[00137]リップ形状の部分294eは、高さh3が高さh1よりも1~40%多い範囲にあり、より好ましくは、1~30%多い範囲にあり、最も好ましくは、1~15%多い範囲にあるように、曲げられ得る。
【0122】
[00138]
図9A、
図9B、
図10、
図11A、
図11B、および
図12のリップ形状の部分294c、294eが、内向きに曲げられるように示されてきたけれども、原理的には、半径方向のスペーサーは、代替的に、中間円筒形状エレメント208の中にリップ形状の部分を提供することによって、および、たとえば、スペーサー275、279の部分281に対抗して、または、自由スペース320を通して中間円筒形状エレメント204に対抗して、これらのリップ形状の部分を外向きに曲げることによって、作製され得る。しかし、これは、いくつかのケースでは、より複雑な製造プロセスを結果として生じさせる可能性がある。
【0123】
[00139]すべての円筒形状エレメント202、204、206、208、210は、好ましくは、ステンレス鋼、コバルト-クロム、ニチノール(登録商標)などのような形状記憶合金、プラスチック、ポリマー、複合材、または、他のカット可能な材料のような、任意の適切な材料の単一の円筒形状のチューブから製造されている。代替的に、円筒形状エレメントは、3Dプリンティングプロセスによって作製され得る。そのチューブの厚さは、その用途に依存する。医療的な用途に関して、厚さは、0.1~2.0mmの範囲にあり、好ましくは、0.1~1.0mmの範囲にあり、より好ましくは、0.1~0.5mmの範囲にあり、最も好ましくは、0.2~0.4mmの範囲にあることが可能である。内側円筒形状エレメントの直径は、その用途に依存する。医療的な用途に関して、直径は、0.5~20mmの範囲にあり、好ましくは、0.5~10mmの範囲にあり、より好ましくは、0.5~6mmの範囲にあることが可能である。
【0124】
[00140]すべての円筒形状エレメントの中のスリットおよび開口部は、レーザー切断によって作製され得る。隣接するエレメントを単に分離するために作製される、より小さいスリットは、好ましくは、5~50μmの範囲にある幅、より好ましくは、15~30μmの範囲にある幅を有することが可能である。
【0125】
[00141]本発明の範囲は、先述のものの中で議論されている例に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲の中で定義されているような本発明の範囲から逸脱することなく、そのいくつかの補正および修正が可能であるということが当業者に明らかになることとなる。本発明は、図および説明の中で詳細に図示および説明されてきたが、そのような図示および説明は、単なる例示目的のものまたは例示的なものに過ぎず、限定的なものと考慮されるべきではない。本発明は、開示されている実施形態に限定されるのではなく、利益になり得る開示されている実施形態の任意の組み合わせを備える。
【0126】
[00142]たとえば、半径方向のスペーサーは、1つの円筒形状エレメントの別個のパーツを参照して説明されており、別個のパーツは、前記円筒形状エレメントの内側に位置付けされている別の円筒形状エレメント、および、前記円筒形状エレメントの外側に位置付けされている別の円筒形状エレメントのうちの少なくとも1つに溶接されている。溶接行為は、これらの円筒形状エレメントのうちの1つまたは複数の中の溶接ユニットを溶融させることによって実施され、その溶融は、溶接ユニットのいくらかの材料が残り、別個のパーツに追加的な高さを提供することを結果として生じさせ、それらが半径方向のスペーサーになるようになっている。しかし、原理的には、この技法の代わりに、他のものも使用され得、そこでは、いずれにせよ長手方向エレメント部分自身よりも大きい高さを有する別個の半径方向のスペーサーが使用される。しかし、説明されている技法は、円筒形状エレメントから始めることができ、円筒形状エレメントが、所望のパターンにするようにレーザー切断され、説明されているように溶接ユニットをレーザー溶接することがそれに続くという利点を有している。
【0127】
[00143]半径方向のスペーサー275、279は、フレキシブルである。それらに所望のフレキシビリティーを提供するために適用されるスリットパターンは、示されている例に限定されないということが理解されるべきである。スリットは、任意の適切なパターンで画定され得、長手方向および/または接線方向に方向付けられたスリット、ならびに、任意の湾曲したスリットを含む。
【0128】
[00144]上記の実施形態は、器具の近位端部において曲げ可能なゾーン14および15を備えて示されており、長手方向エレメントの2つのセットによって、遠位端部において、曲げ可能なゾーン16、17の曲げを制御するように配置されている。曲げ可能なゾーン14、15は、長手方向エレメントの移動を制御するように配置されている適切なモーターのような他の作動手段によって交換され得る。さらなる代替例では、そのような作動手段は、長手方向エレメントが取り付けられているボールとして構築され得る。ボールを回転させることは、長手方向エレメントを長手方向に移動させることとなり、したがって、フレキシブルゾーン16、17の曲げを制御することとなる。
【0129】
[00145]また、本発明は、1つだけの曲げ可能なゾーン、ひいては、長手方向エレメントの1つだけのセットを有する器具にも適用可能である。示されているようなケージは、2つの隣接する長手方向エレメントを収容するが、しかし、本発明は、この数に限定されない。単一のケージの中の収容された長手方向エレメントの数は、1つまたは複数であることが可能である。長手方向エレメントの3つ以上のセットが存在することが可能であり、それぞれのセットは、器具の遠位端部における1つのフレキシブルゾーンの曲げを制御するように配置されている。ケージは、同様に、器具の非フレキシブルゾーンにおいて適用され得る。
【0130】
[00146]本発明は、フレキシブルゾーン14の中のケージを参照して説明されてきたが、そのようなケージは、器具の近位端部と遠位端部の両方におけるフレキシブルゾーン15、16、および17のうちの任意の他の1つにおいても適用され得る。
【0131】
[00147]開示されている実施形態に対する変形例は、図、説明、および添付の特許請求の範囲を検討することから、特許請求されている発明を実践する当業者によって理解および実現され得る。説明および特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という語句は、他のエレメントを除外せず、不定冠詞「a」または「an」は、複数を除外しない。実際には、それは、「少なくとも1つの」を意味するものとして解釈されるべきである。特定の特徴が相互に異なる従属請求項の中に記載されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが有利に使用されることができないということを示すわけではない。特許請求の範囲の中の任意の参照記号は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。上記に説明されている実施形態および態様の特徴は、それらの組み合わせが明白な技術的衝突を結果として生じさせない限り、組み合わせられ得る。