(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】クイックリリースエンドエフェクターおよび関連するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20220517BHJP
A61B 17/29 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
A61B34/35
A61B17/29
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020091101
(22)【出願日】2020-05-26
(62)【分割の表示】P 2017514416の分割
【原出願日】2015-09-14
【審査請求日】2020-06-25
(32)【優先日】2014-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508221224
【氏名又は名称】ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ネブラスカ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ファリター シェーン
(72)【発明者】
【氏名】シャショー ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】バックマン アラン
(72)【発明者】
【氏名】ブリエ ケネス
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0046340(US,A1)
【文献】特表平11-507252(JP,A)
【文献】特表平10-510169(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0312102(US,A1)
【文献】米国特許第05462546(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30 - 34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器のためのアームコンポーネントであって、
前記アームコンポーネントは、以下を備える:
(a)アーム本体;
(b)前記アーム本体内に配置された、回転可能なシリンダー、
前記の回転可能なシリンダーは、以下を備える:
(i)
前記アーム本体の内部コンポーネントがエンドエフェクタールーメン内に存在する任意の流体から流体的に密封されるように、前記の回転可能なシリンダー内に規定される、
流体的に密封されたエンドエフェクタールーメン;および
(ii)前記エンドエフェクタールーメンの壁に
規定される、少なくとも1つの第一のトルク伝送構造;
および、
(c)前記の回転可能なシリンダーに動作可能に連結された、回転可能な直線駆動コンポーネント、
前記直線駆動コンポーネントは、以下を備える:
(i)回転可能な本体;および
(ii)前記の回転可能な本体の遠位部に規定される、駆動コンポーネントルーメン、
ここで、前記駆動コンポーネントルーメンは、
第一の連結構造がエンドエフェクターの一部に連結可能であり、前記エンドエフェクターの一部が前記の回転可能な本体に回転的に拘束されるように、前記駆動コンポーネントルーメン
内に規定される、第一の連結構造を備える、
アームコンポーネント。
【請求項2】
請求項1のアームコンポーネントであって、
前記アーム本体と前記の回転可能なシリンダーとの間に配置されたリングシールをさらに備える、
アームコンポーネント。
【請求項3】
請求項1または2のアームコンポーネントであって、
第一の駆動歯車に動作可能に連結された第一のモーターをさらに備え、
ここで、前記の第一の駆動歯車は、前記の回転可能なシリンダーの外壁上に配置された外歯車に動作可能に連結されて、
ここで、前記の第一のモーターの作動は、前記の回転可能なシリンダーの回転を引き起こす、
アームコンポーネント。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項のアームコンポーネントであって、
第二の駆動歯車に動作可能に連結された第二のモーターをさらに備え、
ここで、前記の第二の駆動歯車は、前記の直線駆動コンポーネントに動作可能に連結された被駆動歯車に動作可能に連結されて、
ここで、前記の第二のモーターの作動は、前記直線駆動コンポーネントの回転を引き起こす、
アームコンポーネント。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項のアームコンポーネントであって
:
(
a)前記エンドエフェクタールーメンの内壁上に配置された、第一の内側接触リング;
(
b)前記エンドエフェクタールーメンの内壁上に配置された、第二の内側接触リング;
(c
)第一の接触コンポーネントが前記の第一の内側接触リングと
電気的に連結されるように、前記の回転可能なシリンダーの外壁上に配置された、第一の接触コンポーネント;および、
(d
)第二の接触コンポーネントが前記の第二の内側接触リングと
電気的に連結されるように、前記の回転可能なシリンダーの外壁上に配置された、第二の接触コンポーネント;
を、さらに備える、
アームコンポーネント。
【請求項6】
請求項5のアームコンポーネントであって、
前記エンドエフェクタールーメン内に配置可能であるように構成されたクイックリリースエンドエフェクターをさらに備え、
前記クイックリリースエンドエフェクターは、第一および第二のエンドエフェクター接触コンポーネントを備え、
ここで、前記クイックリリースエンドエフェクターが前記アーム本体に動作可能に連結されると、前記の第一のエンドエフェクター接触コンポーネントは、前記の第一の内側接触リングと接触して、前記の第二のエンドエフェクター接触コンポーネントは、前記の第二の内側接触リングと接触する、
アームコンポーネント。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項のアームコンポーネントであって、
前記エンドエフェクタールーメン内に配置可能であるように構成されたクイックリリースエンドエフェクターをさらに備え、
前記クイックリリースエンドエフェクターは:
(a)エンドエフェクター本体;
(b)前記エンドエフェクター本体の外部
に規定される、少なくとも1つの第二のトルク伝送構造
ここで、前記の少なくとも1つの第二のトルク伝送構造は、前記のエンドエフェクタールーメン内の前記の少なくとも1つの第一のトルク伝送構造と
、前記の少なくとも1つの第二のトルク伝送構造が前記の少なくとも1つの第一のトルク伝送構造に回転的に拘束されるように、連結可能であるように構成される;
(c)前記エンドエフェクター本体内に配置された、ロッド;および
(d)前記ロッドの近位部に配置された、ロッド連結コンポーネント
ここで、前記ロッド連結コンポーネントは、前記の回転可能な直線駆動コンポーネントの前記駆動コンポーネントルーメン
内に規定される前記
第一の連結構造と
、前記ロッド連結コンポーネントが前記第一の連結構造に回転的に拘束されるように、連結可能であるように構成される、
を備える、
アームコンポーネント。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項のアームコンポーネントであって、
前記の少なくとも1つのトルク伝送構造は、前記のエンドエフェクタールーメンの遠位端から前記壁に沿って長軸方向に伸びているチャネルを備える、
アームコンポーネント。
【請求項9】
請求項1のアームコンポーネントであって、
前記アームコンポーネント内に配置可能なクイックリリースエンドエフェクターをさらに備え、
前記
クイックリリースエンドエフェクターは:
(a)エンドエフェクター本体;
(b)前記エンドエフェクター本体の周りに配置された、エンドエフェクター連結コンポーネント
ここで、前記エンドエフェクター連結コンポーネントは、前記連結コンポーネントから伸びる少なくとも1つの雄突出部を備える;
(c)前記エンドエフェクター本体の外部
に規定される、少なくとも1つの
第二のトルク伝送構造
ここで、少なくとも1つの第二のトルク伝送構造は、前記のエンドエフェクタールーメン内の前記の少なくとも1つの第一のトルク伝送構造と、前記の少なくとも1つの第二のトルク伝送構造が前記の少なくとも1つの第一のトルク伝送構造に回転的に拘束されるように、連結可能であるように構成される;
(d)前記エンドエフェクター本体内に配置された、ロッド;および、
(e)前記ロッドの近位部に配置された、ロッド連結コンポーネント
ここで、前記ロッド連結コンポーネントは、前記ロッド連結コンポーネントの外部
に規定される第二の連結構造を備え
、前記ロッド連結コンポーネントは、前記の回転可能な直線駆動コンポーネントの前記駆動コンポーネントルーメン内に規定される前記第一の連結構造と、前記ロッド連結コンポーネントが前記第一の連結構造に回転的に拘束されるように、連結可能であるように構成される;
を備える、
アームコンポーネント。
【請求項10】
請求項9の
アームコンポーネントであって、
前記エンドエフェクター本体の遠位端に配置されたエンドエフェクターをさらに備え、
ここで、前記エンドエフェクターは、前記ロッドの作動が前記エンドエフェクターの作動を引き起こすように、前記ロッドに動作可能に連結される、
アームコンポーネント。
【請求項11】
請求項9または10の
アームコンポーネントであって、
前記のエンドエフェクター本体は、
前記エンドエフェクタールーメン内に配置可能であるように構成される、
アームコンポーネント。
【請求項12】
請求項9から
11のいずれか一項の
アームコンポーネントであって、
前記エンドエフェクター本体は、
前記エンドエフェクタールーメン内に配置可能であるように構成され、
前記アーム
コンポーネントは、前記アーム
コンポーネントの遠位部に規定される少なくとも1つの雌チャネルを備え、
前記エンドエフェクター連結コンポーネントは、前記の少なくとも1つの雄突出部が前記の少なくとも1つの雌チャネルと係合可能であるように、前記アーム
コンポーネントに連結可能であるように構成される、
アームコンポーネント。
【請求項13】
医療機器のアームコンポーネントであって、
前記アームコンポーネントは、以下を備える:
(a)アーム本体;
(b)前記アーム本体内に配置された、回転可能なシリンダー、
前記の回転可能なシリンダーは、以下を備える:
(i)前記アーム本体の内部コンポーネントがエンドエフェクタールーメン内に存在する任意の流体から流体的に密封されるように、前記の回転可能なシリンダー内に規定される、流体的に密封されたエンドエフェクタールーメン;および
(ii)前記エンドエフェクタールーメンの壁に規定される、少なくとも1つの第一のトルク伝送構造;
(c)前記の回転可能なシリンダーに動作可能に連結された、回転可能な直線駆動コンポーネント、
前記直線駆動コンポーネントは、以下を備える:
(i)回転可能な本体;および
(ii)前記の回転可能な本体の遠位部に規定される、駆動コンポーネントルーメン、
ここで、前記駆動コンポーネントルーメンは、第一の連結構造がエンドエフェクターの一部に連結可能であり、前記エンドエフェクターの一部が前記の回転可能な本体に回転的に拘束されるように、前記駆動コンポーネントルーメン内に規定される、第一の連結構造を備える、
(d)前記エンドエフェクタールーメンの内壁上に配置された、内側接触リング;
および、
(e)接触コンポーネントが前記の内側接触リングと電気的に連結されるように、前記の回転可能なシリンダーの外壁上に配置された、接触コンポーネント;
アームコンポーネント。
【請求項14】
請求項13のアームコンポーネントであって、
前記アーム本体と前記の回転可能なシリンダーとの間に配置されたリングシールをさらに備える、
アームコンポーネント。
【請求項15】
請求項13または14のアームコンポーネントであって、
第一の駆動歯車に動作可能に連結された第一のモーターをさらに備え、
ここで、前記の第一の駆動歯車は、前記の回転可能なシリンダーの外壁上に配置された外歯車に動作可能に連結されて、
ここで、前記の第一のモーターの作動は、前記の回転可能なシリンダーの回転を引き起こす、
アームコンポーネント。
【請求項16】
請求項13から15のいずれか一項のアームコンポーネントであって、
前記エンドエフェクタールーメン内に配置可能であるように構成されたクイックリリースエンドエフェクターをさらに備え、
前記クイックリリースエンドエフェクターは:
(a)エンドエフェクター本体;
(b)前記エンドエフェクター本体の外部に規定される、少なくとも1つの第二のトルク伝送構造
ここで、前記の少なくとも1つの第二のトルク伝送構造は、前記のエンドエフェクタールーメン内の前記の少なくとも1つの第一のトルク伝送構造と、前記の少なくとも1つの第二のトルク伝送構造が前記の少なくとも1つの第一のトルク伝送構造に回転的に拘束されるように、連結可能であるように構成される;
(c)前記エンドエフェクター本体内に配置された、ロッド;および
(d)前記ロッドの近位部に配置された、ロッド連結コンポーネント
ここで、前記ロッド連結コンポーネントは、前記の回転可能な直線駆動コンポーネントの前記駆動コンポーネントルーメン内に規定される前記第一の連結構造と、前記ロッド連結コンポーネントが前記第一の連結構造に回転的に拘束されるように、連結可能であるように構成される、
を備える、
アームコンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年9月12日に出願されて「Quick-Release End Effectors and Related Systems and Methods」と題された米国仮出願62/049,419に対して、合衆国法典第35巻第119条(e)の下での利益を主張し、それは、参照によりその全体で本明細書中に援用される。
【0002】
[本発明の分野]
本明細書に開示される様々な実施態様は、ロボットおよび/またはインビボ医療機器および関連するコンポーネントを含む、様々な医療機器システムおよび関連するコンポーネントに関する。より具体的には,特定の実施態様は、「エンドエフェクター」としばしば呼ばれる様々な医療機器操作コンポーネントを含む。本明細書に開示される特定のエンドエフェクターの実施態様は、簡単かつ効率的に、医療機器-ロボット医療機器の前腕を含む-に簡単に連結および取り外され得る、クイックリリースエンドエフェクターに関する。さらなる実施態様は、前記のコンポーネントを操作するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
侵襲性の外科的手順は、様々な医学的状態を扱うために必須である。可能である場合、腹腔鏡検査のような低侵襲的処置が好ましい。しかしながら、腹腔鏡検査のような公知の低侵襲技術は、アクセスポートのサイズに起因して外科的器具を変更する場合に、体腔内に新たな外科的ツールを挿入および取り外す必要性に一部起因して、範囲および複雑性が制限される。また、da Vinci(登録商標)Surgical System(カリフォルニア州サニーベールに位置するIntuitive Surgical,Inc.,から入手可能)のような公知のロボットシステムは、アクセスポートおよびトロカール、医療専門家が新たな外科的ツールを腹腔内に挿入および取り外す必要性、ならびに、非常に大きくて、非常に高価で、ほとんどの病院で利用不可能であるというさらなる不利な点を有することによっても制限されて、制限された感覚および可動性の能力を有する。
【0004】
様々なロボット外科的ツールは、患者の標的空洞の内側で特定の手順を行なうように開発されている。これらのロボットシステムは、外科的ツールが標的空洞の中に伸びて外科医が長いツールを用いて手順を行なうのを可能にするように、患者内の切開を通して配置されたトロカールを通した長い外科的ツールの挿入を伴う、標準的な腹腔鏡下ツールおよび手順-例えば、da Vinci(登録商標)システム-を置き換えることを意図する。これらのシステムが開発されると、様々な新しいコンポーネントが開発されて、これらのシステムの操作および有効性をさらに改善する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロボット外科的システムを含む医療機器との使用のための、改善されたエンドエフェクターに関する必要性が、当技術分野に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に述べるのは、クイックリリースエンドエフェクターを受け入れるように構成された、医療機器の様々なアームまたは前腕である。さらなる実施態様は、そのようなクイックリリースエンドエフェクターに関する。さらなる実施は、そのようなクイックリリースエンドエフェクターに連結された医療機器のアームまたは前腕に関する。
【0007】
実施例1では、医療機器のためのアームコンポーネントは、アーム本体、アーム本体内に配置された回転可能なシリンダー、および、回転可能なシリンダーに動作可能に連結された回転可能な直線駆動コンポーネントを備える。回転可能なシリンダーは、回転可能なシリンダー内に規定される流体的に密封されたエンドエフェクタールーメン、および、エンドエフェクタールーメンの壁に規定される少なくとも1つのトルク伝送チャネルを備える。回転可能な直線駆動コンポーネントは、回転可能な本体、および、回転可能な本体の遠位部に規定される駆動コンポーネントルーメンを備え、ここで、駆動コンポーネントルーメンは、駆動コンポーネントルーメン内に規定される係合機構を備える。
【0008】
実施例2は、実施例1に係るアームコンポーネントに関し、アーム本体と回転可能なシリンダーとの間に配置されたリングシールをさらに備える。
【0009】
実施例3は、実施例1に係るアームコンポーネントに関し、第一の駆動歯車に動作可能に連結された第一のモーターをさらに備え、第一の駆動歯車は、回転可能なシリンダーの外壁上に配置された外歯車に動作可能に連結されて、第一のモーターの作動は、回転可能なシリンダーの回転を引き起こす。
【0010】
実施例4は、実施例1に係るアームコンポーネントに関し、第二の駆動歯車に動作可能に連結された第二のモーターをさらに備え、第二の駆動歯車は、直線駆動コンポーネントに動作可能に連結された被駆動歯車に動作可能に連結されて、第二のモーターの作動は、直線駆動コンポーネントの回転を引き起こす。実施例5は、実施例1に係るアームコンポーネントに関し、回転可能なシリンダーの周りに配置された第一の外側接触リング、回転可能なシリンダーの周りに配置された第二の外側接触リング、回転可能なシリンダーの回転位置にかかわらず第一の接触コンポーネントが第一の内側接触リングと継続的に接触するように回転可能なシリンダーの外壁上に配置された第一の接触コンポーネント、回転可能なシリンダーの回転位置にかかわらず第二の接触コンポーネントが第二の内側接触リングと継続的に接触するように回転可能なシリンダーの外壁上に配置された第二の接触コンポーネント、エンドエフェクタールーメンの内壁上に配置された第一の内側接触リング、および、エンドエフェクタールーメンの内壁上に配置された第二の内側接触リングをさらに備える。
【0011】
実施例6は、実施例5に係るアームコンポーネントに関し、エンドエフェクタールーメン内に配置可能であるように構成されたクイックリリースエンドエフェクターをさらに備え、クイックリリースエンドエフェクターは、第一のおよび第二のエンドエフェクター接触コンポーネントを備え、ここで、クイックリリースエンドエフェクターがアームに動作可能に連結されると、第一のエンドエフェクター接触コンポーネントは第一の内側接触リングと接触し、第二のエンドエフェクター接触コンポーネントは第二の内側接触リングと接触する。
【0012】
実施例7は、実施例1に係るアームコンポーネントに関し、エンドエフェクタールーメン内に配置可能であるように構成されたクイックリリースエンドエフェクターをさらに備える。クイックリリースエンドエフェクターは、エンドエフェクター本体、エンドエフェクター本体の外部に規定される少なくとも1つのトルク伝送突出部、エンドエフェクター本体内に配置されたロッド、および、ロッドの近位部に配置されたロッド連結コンポーネントを備える。少なくとも1つのトルク伝送突出部は、エンドエフェクタールーメン内の少なくとも1つのトルク伝送チャネルと係合可能であるように構成される。ロッド連結コンポーネントは、回転可能な直線駆動コンポーネントのルーメン内に規定される係合機構と連結可能であるように構成される。
【0013】
実施例8では、医療機器のためのクイックリリースエンドエフェクターは、エンドエフェクター本体、エンドエフェクター本体の周りに配置されたエンドエフェクター連結コンポーネント、エンドエフェクター本体の外部に規定される少なくとも1つのトルク伝送突出部、エンドエフェクター本体内に配置されたロッド、ロッドの近位部に配置されたロッド連結コンポーネント、および、ロッドの周りに配置された第一および第二の接触リングを備える。エンドエフェクター連結コンポーネントは、連結コンポーネントから伸びる少なくとも1つの雄突出部を備える。ロッド連結コンポーネントは、ロッド連結コンポーネントの外部に配置された第一の係合機構を備える。
【0014】
実施例9は、実施例8に係るクイックリリースエンドエフェクターに関し、エンドエフェクター本体の遠位端に配置されたエンドエフェクターをさらに備え、ここで、エンドエフェクターは、ロッドの作動がエンドエフェクターの作動を引き起こすように、ロッドに動作可能に連結される。
【0015】
実施例10は、実施例8に係るクイックリリースエンドエフェクターに関し、第一および第二の把持器アームを備える把持器エンドエフェクターをさらに備え、ここで、第一の接触リングは第一の把持器アームに電気的に接続されて、第二の接触リングは第二の把持器アームに電気的に接続される。
【0016】
実施例11は、実施例8に係るクイックリリースエンドエフェクターに関し、エンドエフェクターは、医療機器のアームのルーメン内に配置可能であるように構成される。
【0017】
実施例12は、実施例8に係るクイックリリースエンドエフェクターに関し、エンドエフェクターは、医療機器のアームのルーメン内に配置可能であるように構成され、ルーメンは、ルーメン内に規定される少なくとも1つのトルク伝送チャネルを備え、ここで、少なくとも1つのトルク伝送突出部は、エンドエフェクタールーメン内の少なくとも1つのトルク伝送チャネルと係合可能であるように構成される。
【0018】
実施例13は、実施例8に係るクイックリリースエンドエフェクターに関し、エンドエフェクターは、医療機器のアームのルーメン内に配置可能であるように構成され、アームは、アームの遠位部内に規定される少なくとも1つの雌チャネルを備え、ここで、エンドエフェクター連結コンポーネントは、少なくとも1つの雄突出部が少なくとも1つの雌チャネルと係合可能であるように、アームに連結可能であるように構成される。
【0019】
実施例14は、実施例8に係るクイックリリースエンドエフェクターに関し、エンドエフェクターは、医療機器のアーム内に配置可能であるように構成される。アームは、アーム本体、アーム本体内に配置された回転可能なシリンダー、および、回転可能なシリンダーに動作可能に連結された回転可能な直線駆動コンポーネントを備える。回転可能なシリンダーは、回転可能なシリンダー内に規定されるエンドエフェクタールーメン、および、エンドエフェクタールーメンの壁に規定される少なくとも1つのトルク伝送チャネルを備える。直線駆動コンポーネントは、回転可能な本体、および、回転可能な本体の遠位部に規定されるルーメンを備え、ここで、ルーメンは、ルーメン内に規定される第二の係合機構を備える。ロッド連結コンポーネントの第一の係合機構は、回転可能な直線駆動コンポーネントのルーメン内に規定される第二の係合機構と連結可能であるように構成される。
【0020】
実施例15では、医療機器のためのアームコンポーネントは、前腕およびクイックリリースエンドエフェクターを備える。前腕は、前腕本体、前腕本体内にエンドエフェクタールーメンを規定する流体的に密封されたチューブ、エンドエフェクタールーメンの周りに配置された磁性リング、および、エンドエフェクタールーメンの近位端に配置された直線駆動コンポーネントを備える。直線駆動コンポーネントは、直線駆動コンポーネントの遠位部に規定されるスロットおよび雄ネジを備える近位部を備える。クイックリリースエンドエフェクターは、エンドエフェクタールーメン内に配置可能であるように構成され、エンドエフェクター本体、エンドエフェクター本体の周りに配置された磁性カラー、エンドエフェクター本体内に配置されたロッド、および、ロッドに動作可能に連結された少なくとも1つのフィンガーコンポーネントを備え、ここで、少なくとも1つのフィンガーコンポーネントは、ロッドから近位に伸び、直線駆動コンポーネント内のスロットと連結可能であるように構成される。
【0021】
実施例16は、実施例15に係る医療機器のためのアームコンポーネントに関し、第一の駆動歯車に動作可能に連結された第一のモーターをさらに備え、ここで、第一の駆動歯車は、第一の被駆動歯車に動作可能に連結され、被駆動歯車は、磁性リングに動作可能に連結され、ここで、第一のモーターの作動は、磁性リングの回転を引き起こす。
【0022】
実施例17は、実施例16に係る医療機器のためのアームコンポーネントに関し、ここで、磁性カラーは、磁性リングの回転が磁性カラーの回転を引き起こすように、磁性リングと磁気的に連結可能である。
【0023】
実施例18は、実施例15に係る医療機器のためのアームコンポーネントに関し、第二の駆動歯車に動作可能に連結された第二のモーターをさらに備え、ここで、第二の駆動歯車は、駆動シリンダーに動作可能に連結され、駆動シリンダーは、直線駆動コンポーネントの近位部に動作可能に連結され、ここで、第二のモーターの作動は、直線駆動コンポーネントの軸方向の移動を引き起こす。
【0024】
実施例19は、実施例15に係る医療機器のためのアームコンポーネントに関し、流体的に密封されたチューブは、直線駆動コンポーネントに固定連結され、ここで、流体的に密封されたチューブは、直線駆動コンポーネントが軸方向に移動するときに曲がるように構成される。
【0025】
実施例20は、実施例15に係る医療機器のためのアームコンポーネントに関し、前腕本体内に配置された圧縮スプリングをさらに備え、圧縮スプリングは、前腕本体および少なくとも1つのフィンガーに動作可能に連結される。
【0026】
実施例21では、医療機器のためのアームコンポーネントは、前腕本体を含む前腕、前腕本体内にエンドエフェクタールーメンを規定する流体的に密封されたチューブ、前腕本体の遠位端またはその近くにおいてエンドエフェクタールーメンの周りに配置された第一の磁性リング、第一の駆動歯車に動作可能に連結された第一のモーター、前腕本体の近位端またはその近くにおいてエンドエフェクタールーメンの周りに配置された第二の磁性リング、および、第二の駆動歯車に動作可能に連結された第二のモーターを含む。ルーメンは、前腕本体の遠位端に規定される開口部を備える。第一の駆動歯車は、第一の被駆動歯車に動作可能に連結されて、第一の被駆動歯車は、第一の磁性リングに動作可能に連結される。第二の駆動歯車は、第二の被駆動歯車に動作可能に連結されて、第二の被駆動歯車は、第二の磁性リングに動作可能に連結される。
【0027】
実施例22では、医療機器のためのアームコンポーネントは、前腕およびクイックリリースエンドエフェクターを備える。前腕は、前腕本体、前腕本体内に配置された回転可能なシリンダー、回転可能なシリンダーに動作可能に連結された直線駆動コンポーネント、および、雌ネジを備える駆動コンポーネントルーメンを規定する回転可能な駆動コンポーネントを備える。回転可能なシリンダーは、回転可能なシリンダー内に規定されるエンドエフェクタールーメンを備える。直線駆動コンポーネントは、雄ネジを備える近位部、直線駆動コンポーネントの遠位部に規定されるルーメン、および、直線駆動コンポーネントに連結されたシリンダー連結ピンを備える。ルーメンは、ルーメン内に配置されたフック連結ピンを備える。シリンダー連結ピンの各末端は、回転可能なシリンダー内に規定される縦スロット内にスライド可能に配置される。駆動コンポーネントルーメンは、直線駆動コンポーネントの近位部にネジ連結されるように構成される。クイックリリースエンドエフェクターは、エンドエフェクタールーメン内に配置可能であるように構成されて、エンドエフェクター本体、エンドエフェクター本体内に配置されたロッド、および、ロッドの近位部に動作可能に連結された連結フックを備え、ここで、連結フックは、ロッドから近位に伸びて、フック連結ピンと連結可能であるように構成される。
【0028】
多数の実施態様が開示されるが、本発明のさらに他の実施態様が、本発明の例示的な実施態様を示して説明する以下の詳細な説明から、当業者に明らかになるであろう。認識されるように、本発明は、様々な自明の態様における改変が可能であり、全て、本発明の主旨および範囲を逸脱しない。したがって、図面および詳細な説明は、実際に例示であり限定ではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】アームを備えるロボット外科的デバイスの斜視図である。
【
図1B】アームを備える別のロボット外科的デバイスの斜視図である。
【
図1C】アームを備えるさらなるロボット外科的デバイスの斜視図である。
【
図1D】一実施態様に係る、クイックリリースエンドエフェクターを備える、ロボット外科的デバイスの前腕の斜視図である。
【
図2】一実施態様に係る、クイックリリースエンドエフェクターの斜視図である。
【
図3A】一実施態様に係る、前腕の部分に配置された、
図2のクイックリリースエンドエフェクターの部分の、拡大した断面側面図である。
【
図3B】
図3Aの前腕の部分に配置された、クイックリリースエンドエフェクターの部分のさらに拡大された断面側面図である。
【
図4A】別の実施態様に係る、クイックリリースエンドエフェクターを受け入れるように構成されたクイックリリース前腕の斜視図である。
【
図5A】さらなる実施態様に係る、別のクイックリリースエンドエフェクターの斜視図である。
【
図5B】一実施態様に係る、前腕の部分に配置された
図5Aのクイックリリースエンドエフェクターの部分の拡大された断面斜視図である。
【
図6】さらに別の実施態様に係る、別のクイックリリースエンドエフェクターの斜視図である。
【
図7】別の実施態様に係る、別のクイックリリースエンドエフェクターの斜視図である。
【
図8】別の実施態様に係る、クイックリリースエンドエフェクターを受け入れるように構成された別のクイックリリース前腕の断面側面図である。
【
図9A】一実施態様に係る、
図8のクイックリリース前腕にエンドエフェクタールーメンを規定し得る、回転可能なシリンダーの斜視図である。
【
図10】一実施態様に係る、
図8のクイックリリース前腕内に配置され得る、直線駆動コンポーネントの斜視図である。
【
図11】一実施態様に係る、
図8のクイックリリース前腕において回転可能なシリンダーの周りに配置され得る、支持シリンダーの斜視図である。
【
図12】一実施態様に係る、クイックリリースエンドエフェクターが中に配置された、
図8のクイックリリース前腕の断面側面図である。
【
図13】前腕の特定の部分をより見やすくするために特定のコンポーネントが取り除かれた、
図8のクイックリリース前腕の拡大された斜視図である。
【
図14】エンドエフェクターの特定の部分をより見やすくするために特定のコンポーネントが取り除かれた、
図6のクイックリリースエンドエフェクターの拡大された斜視図である。
【
図15】エンドエフェクターの特定の部分をより見やすくするために特定のコンポーネントが取り除かれた、
図7のクイックリリースエンドエフェクターの拡大された斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に開示される様々なシステムおよびデバイスは、医学的手順およびシステムでの使用のためのデバイスに関する。より具体的には、様々な実施態様は、様々な手順デバイスおよびシステムにおいて用いられ得るデバイスまたはエンドエフェクターコンポーネントに関する。例えば、特定の実施態様は、ロボットおよび/またはインビボ医療機器を含む様々な医療機器に組み込まれ、またはそれとともに用いられる、クイックリリースエンドエフェクターコンポーネントに関する。本明細書において用いられる用語「クイックリリース」は、(迅速または簡単に連結または分離することのできない、または技術的専門知識を有する者を必要とする、コンポーネントとは対照的に)、任意の看護師または助手を含む外科的現場内の者により簡単および/または迅速に連結および/または分離され得る任意のエンドエフェクター、前腕、またはそれらの組み合わせを説明することを意図することが理解される。
【0031】
本明細書に開示されるエンドエフェクターデバイスまたはコンポーネントの様々な実施態様は、制限されないが、本明細書に定義されるロボットまたはインビボデバイスを含む、任意の他の公知の医療機器、システムおよび方法に組み込まれ得て、またはそれらとともに用いられ得ることが理解される。例えば、
図1A~
図1Dは、本明細書において開示または考慮されるクイックリリースエンドエフェクターを組み込むことができる、特定の例示的な医療機器およびシステムを示す。より具体的には、
図1A~
図1Cは、特定のエンドエフェクター22A、22B、24A、24B、26A、26Bが連結されているアーム16A、16B、18A、18B、20A、20Bを備える、ロボット外科的デバイス10、12、14を示す。一実施では、エンドエフェクター22A、22B、24A、24B、26A、26Bは、本明細書に開示されるクイックリリースエンドエフェクターである。さらに、
図1Dは、クイックリリースエンドエフェクター30を備える前腕28を示す。
【0032】
さらなる例としては、本明細書に開示される様々な実施態様は、同時係属の米国出願11/766,683(2007年6月21日に出願された表題「Magnetically Coupleable Robotic Devices and Related Methods」)、11/766,720(2007年6月21日に出願された表題「Magnetically Coupleable Surgical Robotic Devices and Related Methods」)、11/966,741(2007年12月28日に出願された表題「Methods,Systems,and Devices for Surgical Visualization and Device Manipulation」)、61/030,588(2008年2月22日に出願)、12/171,413(2008年7月11日に出願された表題「Methods and Systems of Actuation in Robotic Devices」)、12/192,663(2008年8月15日に出願された表題「Medical Inflation,Attachment,and Delivery Devices and Related Methods」)、12/192,779(2008年8月15日に出願された表題「Modular and Cooperative Medical Devices and Related Systems and Methods」)、12/324,364(2008年11月26日に出願された表題「Multifunctional Operational Component for Robotic Devices」)、61/640,879(2012年5月1日に出願)、13/493,725(2012年6月11日に出願された表題「Methods,Systems,and Devices Relating to Surgical End Effectors」)、13/546,831(2012年7月11日に出願された表題「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」)、61/680,809(2012年8月8日に出願)、13/573,849(2012年10月9日に出願された表題「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」)、13/738,706(2013年1月10日に出願された表題「Methods,Systems,and Devices for Surgical Access and Insertion」)、13/833,605(2013年3月15日に出願された表題「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」)、13/839,422(2013年3月15日に出願された表題「Single Site Robotic Devices and Related Systems and Methods」)、13/834,792(2013年3月15日に出願された表題「Local Control Robotic Surgical Devices and Related Methods」)、14/208,515(2014年3月13日に出願された表題「Methods,Systems,and Devices Relating to Robotic Surgical Devices,End Effectors,and Controllers」)、14/210,934(2014年3月14日に出願された表題「Methods,Systems,and Devices Relating to Force Control Surgical Systems」)、14/212,686(2014年3月14日に出願された表題「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」)、および、14/334,383(2014年7月17日に出願された表題「Robotic Surgical Devices,Systems,and Related Methods」)、および、米国特許第7,492,116号(2007年10月31日に出願された表題「Robot for Surgical Applications」)、第7,772,796号(2007年4月3日に出願された表題「Robot for Surgical Applications」)、および、第8,179,073号(2011年5月15日に発行された表題「Robotic Devices with Agent Delivery Components and Related Methods」)に開示される任意の医療機器およびシステムに組み込むことができ、またはそれらとともに用いることができ、それらの全ては、それらの全体で参照により本明細書中に援用される。
【0033】
特定の例示的な実施態様によれば、本明細書に開示される任意の様々な実施態様は、NOTESデバイスのような、天然のオリフィス経管的な内視鏡的外科的デバイスに組み込むことができ、またはそれとともに用いることができる。当業者は、当技術分野で知られている機能とともに本明細書に開示される機能を含む、機能の様々な組み合わせが利用可能であることを認識および理解するであろう。
【0034】
上記に挙げた本出願に開示される特定のデバイスの実施は、患者の体腔内または体腔中に配置することができ、内側の中空壁に対して、または実質的に隣接して配置することができる特定のデバイスおよび関連するシステムを含む。本明細書において用いられる「インビボデバイス」は、患者の体腔中または体腔内に配置されている間に、ユーザーによって少なくとも部分的に配置、操作または制御され得る任意のデバイスを意味し、患者の体腔の壁に実質的に対してまたは隣接して配置される任意のデバイスを含み、内部で作動される任意のそのようなデバイス(原動力の外部電源を有さない)をさらに含み、外科的手順中に腹腔鏡下または内視鏡的に用いられ得る任意のデバイスをさらに含む。本明細書において用いられる用語「ロボット」および「ロボットデバイス」は、自動的またはコマンドに応答してタスクを行なうことのできる任意のデバイスを指す。
【0035】
さらに、様々なエンドエフェクター実施態様は、外部から作動される様々なロボット医療機器システム、例えば、Apollo Endosurgery,Inc.,Hansen Medical,Inc.,Intuitive Surgical,Inc.から入手可能なもの、および他の同様のシステム、例えば、本出願の他のどこかで本明細書中に援用される出願に開示される任意のデバイスに組み込むことができる。あるいは、様々なエンドエフェクター実施態様は、エンドエフェクターを使用する任意の医療機器に組み込むことができる。
【0036】
図2~
図3Bは、一実施態様に係る、前腕52にリリース可能に連結された、クイックリリースの、磁気的に連結されたエンドエフェクター50を示す。
図2に最もよく示されるように、本実施におけるエンドエフェクター50は、把持器54を備える。
図2および
図3Aに最もよく示されるように、エンドエフェクター50は、係合可能な連結器56、磁性カラー58、ディスク60、中央ロッド68、ロッド68の上にスライド可能に配置されたスライド可能なシリンダー62である本体(本明細書において「前腕本体」とも呼ばれる)62、シリンダー62内およびロッド68上に配置された圧縮スプリング70、2つのリーフスプリング(1つのリーフスプリング64は
図2に見ることができ、一方で、第二のリーフスプリングはシリンダー62の向こう側に配置され、したがって図に示されない)、および、連結フィンガー(「フィンガーコンポーネント」または「連結コンポーネント」とも呼ばれる)66も備える。
図3Aおよび
図3Bに最もよく示されるように、係合可能な連結器56は、その近位側に、前腕52の遠位端上の連結突起84を受け入れてそれと係合可能であるように構成された開口部72を備える(さらに以下に述べる)。一実施態様に係る開口部72は、
図3Aおよび
図3Bに最もよく示されるように、前腕52の突起84と連結器56との間の密封された連結を維持することのできる、o-リング74を備えることができる。一実施では、磁性カラー58は、示されるように、エンドエフェクター50の全周の周りのカラー上に配置された、多数のマグネット58A、58B、58Cで構成される。
【0037】
ディスク60は、シリンダー62がディスク60ならびに中央ロッド68に対してスライド可能であるように、スライド可能なシリンダー62内のスロット78(
図2に最もよく示される)内に配置された連結タブ76を介して、中央ロッド68に固定連結される。したがって、ディスク60は、さらに詳細に以下に説明されるように、前腕52中へのエンドエフェクター50の挿入中の軸方向の制約として、および、前腕52に対するエンドエフェクター50の回転中の軸受として、役割を果たすことができる。
【0038】
第一のリーフスプリング64は、ワイヤまたは他の電気接続(示さず)を介して把持器54のブレードの1つに電気的に接続され、一方で、第二のリーフスプリング(示さず)は、把持器54の2つのブレードの他方に同一または同様の様式で電気的に接続される。本実施では、把持器54のブレードは、互いから電気的に単離されている。したがって、把持器54は、さらに詳細に以下に説明されるように、リーフスプリング64を介して把持器54ブレードに伝送される電気エネルギーを用いた焼灼ツールであり得る(示さず)。
【0039】
2つのフィンガーコンポーネント66は、中央ロッド68の反対側に配置されて、フィンガー66がロッド68に対して軸方向に移動しないように、フィンガー66の遠位端において(またはフィギュア66(figures 66)の遠位部に沿って)ロッド68に取り付けられる。フィンガー66の近位端は、ロッド68よりも遠くに近位に伸びて、それらの近位端においてロッドに連結されず、それにより、フィンガー66の近位端がロッド68から放射状に離れて伸びることを可能にさせる。シリンダー62は、シリンダー62が、さらに詳細に以下に述べられるように連結器56および連結フィンガー66と組み合わせて操作して、エンドエフェクター50を前腕52に連結することができるように、エンドエフェクター50の長さに沿って、より具体的には中央ロッド68の長さに沿って、横方向にスライド可能である。
【0040】
一実施では、前腕52は、ルーメン80が流体的に密封されるように、流体を通さないチューブ82により規定されるエンドエフェクタールーメン80を備える。結果として、前腕52の内部コンポーネントは、ルーメン80内に存在する任意の流体から離れて流体的に密封される。したがって、ルーメン80は、ルーメン80(およびルーメン80内の任意の流体)および前腕52の内部の間の完全な流体または密封シールを維持しながら、エンドエフェクター(例えばエンドエフェクター50)を受け入れることが可能である。本実施では、チューブ82により作られる流体シールは、前腕52の内部コンポーネントの汚染の危険を伴わずに、任意のエンドエフェクター(例えばエンドエフェクター50)を迅速に取り外して置き換えることを可能にする。
【0041】
一実施態様では、ルーメン80は、より大きな直径部80Aをより小さな直径部80Cから分離するショルダー80Bを備える。チューブ82は、チューブ82がルーメン80を規定するように、ルーメン80内に配置される。一実施では、チューブ82は、
図3Aに最もよく示されるように、チューブ82の近位端において直線駆動コンポーネント92に固定連結または固定される。一実施態様によれば、チューブ82は、以下に記載のように直線駆動コンポーネント92が横方向に移動するときに、チューブ82が駆動コンポーネント92に取り付けられたままであり単純に曲がるまたは変形して駆動コンポーネント92の移動に適応するように、曲がることのできる材料で作られる。
【0042】
さらに、前腕52は、連結突起84(上述)、磁性リング86、および2つの接触リング88、90を備える。加えて、前腕52は、ネジ山付きの近位シャフト94およびコンポーネント92の遠位部に規定されるスロット108を備える直線駆動コンポーネント92を備える。あるいは、ネジ山付きのシャフト94は、直線駆動コンポーネント92に動作可能に連結された別個のコンポーネントである。また、前腕52は、ネジ山付きのルーメン(示さず)を備える駆動シリンダー95も備え、それを通して、ネジ山付きのシャフト94が駆動シリンダー95にネジ連結されるようにネジ山付きのシャフト94が配置される。加えて、2つの軸受104、106は、駆動シリンダー95が軸受104、106内に回転可能に配置されるように、駆動シリンダー95の周りに配置される。
【0043】
接触リング88、90のそれぞれは、リング88、90のそれぞれがルーメン80を取り囲むように、ルーメン80のチューブ82の壁の周りに配置される。接触リング88、90の一方は、エンドエフェクター50が
図3Bに示されるように前腕52に連結されるときにリーフスプリング64と接触して、一方で、2つの接触リング88、90の他方は、他方のリーフスプリングと接触するように配置されるように(示さず)、ルーメン80の長さに沿って配置される。この構造では、エンドエフェクター50が前腕52と連結された時点で、リーフスプリング(64、示さず)は、前腕本体62が回転しているときでさえ、接触リング88、90と継続的に接触する。さらに、接触リング88、90のそれぞれは、電気エネルギーが電源からリング88、90に、および-リング88、90とリーフスプリング(64、示さず)との間の接触を介して-リーフスプリング(64、示さず)に、およびそれにより把持器54ブレードに、伝送され得るように、電気エネルギー源(例えば、焼灼発生器など)に伸びる別個のワイヤ(示さず)に動作可能に連結される。結果として、把持器54は、二極式の焼灼ツールであり得る。あるいは、エンドエフェクター50は、同一の電気エネルギーが接触リング88、90の両方に供給されるならば、単極式の焼灼ツールであってもよい。実際に、以下の特定のさらなる実施態様で具体的に述べられるように、本明細書において開示および考慮される全ての前腕の実施は、二極式のまたは単極式の焼灼ツールのいずれかとして操作することのできる焼灼エンドエフェクターと連結可能であるように構成される。
【0044】
磁性リング86は、少なくとも1つのマグネットで構成され、リングは、ルーメン80の周りを回転するように構成される。エンドエフェクター50は、エンドエフェクター50上の磁性カラー58および前腕52上の磁性リング86の磁性相互作用を介して回転される。すなわち、前腕52内のモーター102が作動されて駆動歯車98を駆動させることができ、それが、磁性リング86が回転されるように磁性リング86に動作可能に連結された被駆動歯車96を駆動する。磁性リング86は、磁性リング86の回転が磁性カラー58を回転させるように磁性カラー58に磁気的連結されて、それによりエンドエフェクター50を回転させる。すなわち、前腕52内の磁性リング86およびエンドエフェクター50上の磁性カラー58の磁気的連結は、エンドエフェクター50と前腕52との間の物理的連結なしに、エンドエフェクター50の回転を引き起こすことができる。
【0045】
加えて、エンドエフェクター50は、直線駆動コンポーネント92を介して開放位置および閉鎖位置の間を把持器54が移動するように作動される。エンドエフェクター50は、
図3Aおよび
図3Bに示されるように、駆動コンポーネント92の周りおよび駆動コンポーネント92内に規定されるスロット108中に配置された連結フィンガー66を介して直線駆動コンポーネント92に連結される。すなわち、フィンガー66は、中央ロッド68の近位端を超えて近位に伸びて、したがって、フィンガー66の近位端は、示されるようにスロット108中に配置することができる。連結フィンガー66を介したエンドエフェクター50への駆動コンポーネント92の連結は、エンドエフェクター50が駆動コンポーネント92に対して直線状に移動することができないように、エンドエフェクター50を直線駆動コンポーネント92に直線状に連結させる。一方で、連結フィンガー66は、エンドエフェクター50が駆動コンポーネント92に対して回転するのを可能にさせる。すなわち、フィンガー66は、フィンガー66が
図3Bに示されるようにスロット108内に配置される場合に、直線駆動コンポーネント92に対してフィンガー66の回転を可能にして、一方で、直線駆動コンポーネント92に対してフィンガー66の直線状の移動を可能にしないように構成される。あるいは、連結フィンガー66の代わりに、連結コンポーネント66は、本明細書中に記載されるようにスロット108内に配置されるように構成されて駆動コンポーネント92をエンドエフェクター50に連結する、任意の1つまたは複数の機構またはコンポーネントからなる。
【0046】
結果として、直線駆動コンポーネント92の作動は、エンドエフェクター50を作動させて直線状に移動させる。すなわち、上述のように、ネジ山付きのシャフト94は、その近位端で、ネジ山付きのシャフト94を軸方向に移動させるように作動され得る駆動シリンダー95に、ネジ連結される。より具体的には、駆動シリンダー95は、駆動歯車を回転させるように作動されてそれにより駆動シリンダー95を回転させるモーター(示さず)に動作可能に連結された駆動歯車(示さず)に、動作可能に連結される。駆動シリンダー95の回転は、駆動シリンダー95とネジ山付きのシャフト94との間のネジ連結を介して、ネジ山付きのシャフト94を軸方向に移動させる。ネジ山付きのシャフト94は、回転され得ないように構成される。すなわち、ネジ山付きのシャフト94は、前腕52に連結された突起(「タン」または「キー」とも呼ばれる)(示さず)がスロット97内に配置され得るように、シャフト94内に縦に規定されるスロット97を備え、それにより、ネジ山付きのシャフト94が軸方向に移動するのを可能にしながら、ネジ山付きのシャフト94が回転するのを防止する。直線駆動コンポーネント92は、駆動シリンダー95の回転がネジ山付きのシャフト94を軸方向に移動させるように、ネジ山付きのシャフト94に連結されて、それにより、直線駆動コンポーネント92を軸方向に移動させる。したがって、モーター(示さず)による駆動シリンダー95の作動は、ネジ山付きのシャフト94および直線駆動コンポーネント92の直線状の移動を引き起こし、それにより、中央ロッド68の直線状の移動を引き起こし、開放構造および閉鎖構造の間の把持器5の移動を、これらの2つの構造の間の移動を達成するための公知の把持器コンポーネントを介してもたらす。
【0047】
エンドエフェクター50は、医学的手順中にユーザー(例えば外科医)が容易に1つのエンドエフェクターを取り外して別のものと置き換えることができるように、前腕52に簡単に連結および分離されるように構成される。
図3Aに示されるように、エンドエフェクター50は、ルーメン80中に挿入されているが、まだ前腕52に完全に連結されていない。すなわち、
図3Aでは、エンドエフェクター50は、中央ロッド68が直線駆動コンポーネント92と接触して、連結フィンガー66が駆動コンポーネント92のスロット108内に配置されているように、ルーメン80中に挿入されているが、連結器56はまだ突起84に連結されていない。この位置では(
図3Aでは)、スライド可能なシリンダー62は、その引っ込んだ位置にあることに留意する。
【0048】
図3Bでは、連結器56は、突起84に連結されていて、それにより、使用のためにエンドエフェクター50を前腕52に連結している。すなわち、前腕52の方へ近位に連結器56を促すことは、エンドエフェクター50全体を前腕の方へ近位に促す。しかしながら、エンドエフェクター50上のディスク60は、
図3Aにおいてルーメン80内のショルダー80Bと既に接触していたので、連結器56が前腕に向かって近位に促されると、ディスク60は、ショルダー80Bによって、ルーメン80の中にそれ以上移動するのが抑制される。したがって、ロッド68がディスク60に対して直線状に移動できないようにディスク60に直接連結された中央ロッド68は、ルーメン80の中にそれ以上移動するのも抑制される。しかしながら、ディスク60に対して直線状に移動することのできるシリンダー62は(ディスク60は、上記に説明したように、シリンダー62内のスロット78内にスライド可能に配置されたタブ76内に固定されるので)、連結器56を近位に促すことに起因して、前腕の方へ近位に移動する。これは、
図3Bに最もよく示されるように、シリンダー62の近位端を、スロット108内に配置された連結フィンガー66の上に近位に移動させる。結果は、シリンダー62がスロット108の上に少なくとも部分的に配置されて、それにより、スロット108内のフィンガー66を固定して、それにより、エンドエフェクター50を前腕52に固定する。これはまた、シリンダー内のショルダー110とフィンガー66の遠位端のタブ112との間に配置されるので、シリンダー62内に配置された張力スプリング70を圧縮させる。すなわち、上述のシリンダー62の近位の進行は、ショルダー110をフィンガー66上のタブ112へ向かって近位に移動させて、それにより、スプリング70を示されるように圧縮させる。
【0049】
エンドエフェクター50は、同様に簡単に取り外すこともできることが理解される。第一に、連結器56は、前腕52から離して遠位に引かれて、それにより、
図3Aに最もよく示されるように、連結器56を突起84から分離する。このことは、エンドエフェクター50に置かれた制約を取り除き、それにより、
図3Bに示されるように圧縮スプリング70がシリンダー62を把持器54の方へ遠位に促すのを可能にする。このことは、シリンダー62の近位端を、直線駆動コンポーネント92から、具体的にはスロット108から、離れて遠位に移動させて、それにより、
図3Aに最もよく示されるように、フィンガー66の近位端をスロット108内のそれらの位置から自由にする。フィンガー66がスロット108からリリースされるので、エンドエフェクター50は、前腕52のルーメン80から取り外すことができる。
【0050】
エンドエフェクター50は、二極式または単極式のいずれかであり得ることが理解される。同様に、本明細書中に開示または考慮される、任意の他のエンドエフェクターの実施態様は、
図6~
図15に示されるエンドエフェクター260、262に関して以下に詳細に述べられるものを除き、二極式または単極式のいずれかであってもよい。
【0051】
図4A~
図4Dは、一実施態様に係る、クイックリリースの、磁気的に連結されたエンドエフェクター(示さず)を取り付けることのできる、磁気的連結前腕150の別の実施態様を示す。この実施態様では、前腕本体150は、(
図2~
図3Bに示される以前の実施態様での1セットのマグネットとは対照的に)、2セットのマグネットを備える。第一の磁性リング152は、前腕150の遠位端に配置されて、エンドエフェクター(示さず)の回転を駆動し、一方で、第二の磁性リング154は、前腕150の近位端に配置されて、エンドエフェクター(示さず)の直線作動を駆動して、それにより、エンドエフェクターの操作を作動する。例えば、エンドエフェクター(示さず)が把持器である実施態様では、第二の磁性リング154は、把持器の開放および閉鎖を作動する。磁性リング152、154の両方とも、少なくとも1つのマグネットでそれぞれ構成される。より具体的には、この例示的な実施態様では、第一のリング152は、6個のマグネット156で構成されて、一方で、第二のリング154もまた、6個のマグネット158で構成される。あるいは、リング152、154のそれぞれは、少なくとも1つのマグネットで構成される。さらなる代替では、各リング152、154におけるマグネットの数は、1個から、リング内に適合して本明細書に記載の目的を達成し得る多さのマグネットまでの範囲であり得る。
【0052】
さらに、以前の実施態様(上記)と同様に、前腕本体150は、ルーメン160が流体的または密閉的に密封されるように、流体を通さないチューブ162により規定されるエンドエフェクタールーメン160を備えて、それにより、前腕150の内部コンポーネントをルーメン160内に存在する任意の流体から流体的にシールする。チューブ162は、チューブ162がルーメン160を規定するように、ルーメン160内に配置される。ルーメン162は、2つの接触リング164、166を備える。
【0053】
リング152、154のそれぞれは、ルーメン160の周りを回転して、それにより、上述のエンドエフェクター(示さず)を作動するように構成される。より具体的には、第一の磁性リング152が回転させられて、それにより、磁性カラー(示さず)またはエンドエフェクター(示さず)上の他の磁性コンポーネントを、リング152とカラー(示さず)との間の磁気的連結を介して回転させて、それにより、エンドエフェクター(示さず)を回転させる。さらに、第二の磁性リング154が回転させられて、第二の磁性カラー(示さず)またはエンドエフェクター(示さず)上の他の磁性コンポーネントを、2つのコンポーネントの間の磁気的連結を介して回転させて、それにより、エンドエフェクターを操作するのを作動させる。
【0054】
接触リング164、166のそれぞれは、リング164、166のそれぞれがルーメン160を取り囲むように、ルーメン160のチューブ162の壁の周りに配置される。この実施態様では、接触リング164、166のそれぞれは、それぞれがエンドエフェクター(示さず)上の1つの接触コンポーネントと接触するように、ルーメン160の長さに沿って配置される。例えば、上述されて
図2に示されるエンドエフェクター50と同様のエンドエフェクターが用いられた場合は、リング164、166は、そのエンドエフェクター50のリーフスプリング(64、示さず)に接触するように配置される。あるいは、リング164、166は、前腕150に連結されるエンドエフェクター上の任意の接触コンポーネントに接触するように構成することができる。それにもかかわらず、接触リング164、166は、エンドエフェクター50に関して上述したものと同様の様式で、電気エネルギーを、電源からリング164、166へ、およびエンドエフェクター上に、伝送することを可能にさせる。結果として、前腕150とともに用いられる任意のエンドエフェクターは、二極式の焼灼ツールであってよく、または、代替的に、同一の電気エネルギーが接触リング164、166の両方に供給されるならば、単極式の焼灼ツールであってよい。
【0055】
第一の磁性リング152は、第一の磁性リング152に動作可能に連結された被駆動歯車184に動作可能に連結された駆動歯車182に動作可能に連結された、第一のモーター180により作動される。したがって、第一のモーター180の作動は、第一の磁性リング152を回転させるように作動する。同様に、第二の磁性リング154は、第二の磁性リング154に動作可能に連結された被駆動歯車194に動作可能に連結された、駆動歯車192に動作可能に連結された、第二のモーター190により作動される。したがって、第二のモーター180の作動は、第二の磁性リング154を回転させるように作動する。
【0056】
したがって、本実施態様では、前腕150は、機械的連結よりむしろ、全体的に磁気的連結によって、エンドエフェクター(示さず)を作動する。第一の磁性リング152は、リング152と、対応する磁性カラー(示さず)またはエンドエフェクター(示さず)上の他の磁性コンポーネントとの間の磁性相互作用を介して、エンドエフェクター(示さず)を回転させて、一方で、第二の磁性リング154は、リング154と、対応する磁性カラー(示さず)またはエンドエフェクター(示さず)上の他の磁性コンポーネントとの間の磁性相互作用を介して、エンドエフェクター(示さず)を作動する。
【0057】
それ故に、前腕150は、医学的手順中にユーザー(例えば外科医)が簡単に1つのエンドエフェクターを取り外して別のものと置き換えることができるように、エンドエフェクター(示さず)の簡単な連結および取り外しを可能にするように構成される。
【0058】
図5Aおよび
図5Bは、一実施態様に係る、リリース可能なように前腕202に連結されたクイックリリースエンドエフェクター200の別の実施を示す。より具体的には、この例示的な実施は、エンドエフェクター200が前腕202のルーメン220内に配置された時点で、エンドエフェクター200を1回、90度回転させることにより、エンドエフェクター200を前腕202に連結するのを可能にするように構成される。この実施態様は磁気的連結を利用しない。
【0059】
図5Aに最もよく示されるように、この実施でのエンドエフェクター200は、把持器204を備える。また、エンドエフェクター200は、管状本体206、その中に配置されたロッド(「中央ロッド」とも呼ばれる)208は、管状本体206に対してスライド可能であってそこから近位に伸びる、2つの突出部(第一の突出部210は
図5Aに示され、第二の突出部は示されない)、リリースボタン212、中央ロッド208の近位端の連結フック214、および、管状本体206の周りに配置されたo-リング216も備える。加えて、ロッド208は、一方のストリップ209が1つのブレードに連結して他方のストリップ211が他方のブレードに連結するように、別個のワイヤまたは他の連結コンポーネントを介して把持器204のブレードに電気的に接続された2つの接触エレメント(「接触ストリップ」とも呼ばれる)209、211を備える。中央ロッド208は、管状本体206に対する中央ロッド208の直線作動が把持器204をその開放および閉鎖の構造の間で移動させるように、把持器204に動作可能に連結される。第一の突出部210および第二の突出部(示さず)は、管状本体206の反対側に配置されて、以下に説明するように前腕202内の対応するチャネル内に配置されるように構成される。
【0060】
前腕本体202は、シリンダー222がルーメン220を規定するように、回転可能なシリンダー222によって規定されるエンドエフェクタールーメン220を備える。シリンダー222は、エンドエフェクター200がルーメン220内に配置されたときにリリースボタン212を収容するためのシリンダー222内に規定されたボタンチャネル224、および2つの接触リング226、228を備える。加えて、シリンダー222は、第一の突出部210(
図5Aに示される)を受け入れるように構成されたルーメン220の内壁の反対側に規定された2つの縦チャネル(示さず)、および、エンドエフェクター200が前腕202のルーメン220中に挿入されるとチャネルに沿って突出部210が移動するような、エンドエフェクター200上の第二の突出部(示さず)を備える。さらに、チャネル(示さず)は両方とも、チャネルの近位端において実質的に90度の回転を有し、縦チャネルと連通した2つの軸スロットをもたらす。軸スロットは、以下に説明されるように、前腕202に連結されるときにエンドエフェクター200の回転に適応するように構成される。
【0061】
接触リング226、228のそれぞれは、各リングがルーメン220を取り囲むように、各リング226、228の部分がシリンダー222の内壁の周りに配置されるように、シリンダー222上に配置される。本実施態様では、接触リング226、228のそれぞれは、
図5Bに示されるようにエンドエフェクター200が前腕202に連結されるときに、それぞれがロッド208上の2つの接触ストリップ209、211の1つと接触するように、ルーメン220の長さに沿って配置される。より具体的には、接触リング226は接触ストリップ209に接触して、一方で、接触リング228は接触ストリップ211に接触する。この構造では、エンドエフェクター200が前腕202に連結された時点で、接触ストリップ209、211は、ロッド208が回転または軸方向に移動しているときでさえ、接触リング226、228と継続的に接触する。すなわち、ストリップ209、211は、前腕202に連結されている間にロッド208が作動されて軸方向に移動するときに、リング226、228は軸方向に移動しないという事実にもかかわらず、ストリップ209、211が接触リング226、228と接触したままであるように、
図5Aに示されるようにいくらかの縦の長さを有するように構成される。
【0062】
さらに、接触リング226、228のそれぞれは、シリンダー222を取り囲むように、前腕202内に配置された静止接触リング227、229と接触する。一部がシリンダー222の内壁の周りに配置されるように配置されるのに加えて、リング226、228のそれぞれは、リング226、228のそれぞれが2つの静止接触リング227、229の1つと同様に接触するように、シリンダー222の外壁の周りに配置される部分も有する。したがって、電気エネルギーは、電源から静止接触リング227、229へ、および-静止リング227、229および接触リング226、228の間の接触を介して-接触ストリップ209、221へ、およびそれにより、把持器204ブレードへ、伝送することができる。結果として、把持器204は、二極式の焼灼ツールであり得る。あるいは、エンドエフェクター200は、同一の電気エネルギーが静止接触リング227、229の両方に供給されるならば、単極式の焼灼ツールであってもよい。
【0063】
加えて、前腕202は、回転可能なシリンダー222の近位端に配置された直線駆動コンポーネント230を備える。駆動コンポーネント230は、その遠位端に規定されるルーメン232を備え、ルーメン232は、ルーメン232の片側から他方へ伸びる連結ピン(「フック連結ピン」とも呼ばれる)234を備える。ピン234は、以下にさらに詳細に説明されるように、エンドエフェクター200の連結フック214と連結可能であるように構成される。さらに、駆動コンポーネント230は、回転可能なシリンダー222の内壁に規定されるスロット237A、237B内にピン235の末端が配置されるように、駆動コンポーネント230の外周を超えて伸びる連結ピン(「シリンダー連結ピン」とも呼ばれる)235も備える。ピン235は、駆動コンポーネント230に固定連結される。これらのスロット237A、237Bのそれぞれは、回転可能なシリンダー222の長さに沿って縦に伸びる長さを有する。結果として、このピン235は、駆動コンポーネント230が直線状に移動することはできるが回転可能なシリンダー222に対して回転することができないように、スロット237A、237B内にスライド可能に配置される。したがって、駆動コンポーネント230の任意の回転は、回転可能なシリンダー222の回転を引き起こす。この構造は、フック214がピン234から分離されるのを防ぐ。すなわち、ピン235は、駆動コンポーネント230が回転可能なシリンダー222に対して回転するのを防ぎ、それにより、フック214がピン234に連結したままであるのを確実にする。
【0064】
さらに、駆動コンポーネント230の近位端は、雄ネジ近位シャフト(直線並進コンポーネントとも呼ばれる)236を備える。あるいは、シャフト236は、保持リング241を介して駆動コンポーネント230に動作可能に連結された別個のコンポーネントである。保持リング241は、駆動コンポーネント230を直線並進コンポーネント236に対して回転可能にさせる。さらに、シャフト236は、タン243と係合するシャフト236内に規定される溝(示さず)により、回転することが防がれる。加えて、シャフト236は、回転可能な直線駆動コンポーネント239内のルーメン238内に配置されて、ルーメン238内に規定される雌ネジにネジ連結される。したがって、回転可能な駆動コンポーネント239が直線作動モーター(示さず)により回転される場合、回転可能な駆動コンポーネント239へのシャフト236のネジ連結は、シャフト236を直線状に移動させて、それにより、駆動コンポーネント230を同様に直線状に移動させる。
【0065】
また、前腕202は、駆動シャフト242を介して駆動歯車244に連結されたモーター240も備える。駆動歯車244は、被駆動歯車246の回転が回転可能なシリンダー222を回転させるように、回転可能なシリンダー222を取り囲んでそれに連結された被駆動歯車246に連結される。
【0066】
エンドエフェクター200は、被駆動歯車246に動作可能に連結されたモーター240を介して回転される。すなわち、前腕202内のモーター240が作動されて駆動歯車244を駆動することができ、回転可能なシリンダー222が回転するように上述の回転可能なシリンダー222に動作可能に連結された被駆動歯車246を駆動する。回転可能なシリンダー222の回転がエンドエフェクター200を回転させるようにエンドエフェクター200が前腕202のルーメン220内に完全に固定されると、回転可能なシリンダー222は、エンドエフェクター200に連結される。すなわち、
図5Aに最もよく示される第一の突出部210および第二の突出部(示さず)は、シリンダー222が回転すると管状本体206が回転するように管状本体206がシリンダー222に連結されるように、ルーメン220内のチャネル(示さず)内に配置される。
【0067】
加えて、エンドエフェクター200は、直線駆動コンポーネント230を介して開放位置および閉鎖位置の間を把持器204が移動するように作動される。エンドエフェクター200は、駆動コンポーネント230のルーメン232の中、およびルーメン232内に配置されたピン234の周りに配置された、連結フック214を介して、直線駆動コンポーネント230に連結される。すなわち、前腕202へのエンドエフェクター200の挿入中に、フック214は、フック214がピン234を超えて近位に伸びるようにエンドエフェクター200が実質的に90度回転する前に、ルーメン232の中に配置される。したがって、エンドエフェクター200が回転すると、フック214はピン234に連結して、それにより、エンドエフェクター200を駆動コンポーネント230に連結する。フック214およびピン234を介したエンドエフェクター200への駆動コンポーネント230の連結は、エンドエフェクター200が駆動コンポーネント230に対して直線状に移動できないように、エンドエフェクター200を直線駆動コンポーネント230に直線状に連結させる。
【0068】
ピン234へのフック214の連結の結果として、直線駆動コンポーネント230の作動は、エンドエフェクター200を直線状に移動させるように作動させる。すなわち、回転可能な直線駆動コンポーネント239は、その近位端において、被駆動歯車250およびその結果として回転可能な駆動コンポーネント239を回転させるように作動することのできるモーター(示さず)に連結された、駆動歯車(示さず)に連結された被駆動歯車250に連結される。上述のように、直線駆動コンポーネント230のネジ部236は、回転可能な駆動コンポーネント239内のルーメン238内に配置されて、それとネジ連結される。結果として、駆動コンポーネント239の回転は、直線駆動コンポーネント230を軸方向に移動させる。したがって、モーター(示さず)による駆動コンポーネント239の作動は、直線駆動コンポーネント230を直線状に移動させて、それにより、中央ロッド208を直線状に移動させて、開放構造および閉鎖構造の間の把持器204の移動を、これらの2つの構造間の移動を達成するための公知の把持器コンポーネントを介して生じさせる。
【0069】
エンドエフェクター200は、医学的手順中にユーザー(例えば外科医)が簡単に1つのエンドエフェクターを取り外して別のものと置き換えることができるように、前腕202に簡単に連結および分離されるように構成される。前腕202の中にエンドエフェクター200を挿入して、
図5Bに示されるようにそれをそこに連結するために、エンドエフェクター200は、第一の突出部210および第二の突出部(示さず)がルーメン220内のチャネル(示さず)内に配置されるように、ルーメン220の中に挿入される。エンドエフェクター200がルーメン220の中に近位に促されると、フック214は、ルーメン232の中へ移動してピン234を超えるまで近位に進む。フック214がそれ以上近位に進むことができない場合は、突出部212(示さず)も、チャネル(示さず)に沿って出来る限り遠く近位に進行する。この時点で、ユーザーは、エンドエフェクター200を回転させて、それにより、フック214をピン234に連結させて、突出部212(示さず)を上述のように軸スロットに沿って進める。したがって、ユーザーは、エンドエフェクター200の1回のひねりまたは回転による2つの機構を介して、エンドエフェクター200を前腕202に連結することができる。
【0070】
エンドエフェクター200は、簡単に取り外すこともできることが理解される。エンドエフェクター200上のリリースボタン212は、ボタン212の作動がフック214をピン234から分離させるように、連結フック214に動作可能に連結される。したがって、エンドエフェクター200を前腕202から取り外すために、ユーザーは、ボタン212を押して、それから、エンドエフェクター200を、(エンドエフェクター200を連結するために必要な方向と反対に)回転またはひねることができる。エンドエフェクター200の回転は、チャネル(示さず)に沿って遠位に移動することができるように突出部212(示さず)がチャネル(示さず)内に配置されるように、軸スロット(示さず)に沿って突出部212(示さず)を移動させる。この時点で、エンドエフェクター200は、前腕202のルーメン220から取り外すことができる。
【0071】
図6~
図14は、一実施態様に係る、前腕264にリリース可能に連結可能なクイックリリースエンドエフェクター260、262の特定のさらなる実施態様を示す。より具体的には、これらの例示的な実施は、エンドエフェクター260、262が前腕264のルーメン300内に配置された時点で、エンドエフェクター260、262の1回の回転によって、エンドエフェクター260、262を前腕264に連結するのを可能にするように構成される。
【0072】
図6および
図14に示されるように、エンドエフェクター260は、一実施では、把持器266を備える。また、エンドエフェクター260は、管状本体270、管状本体270内に配置されてそれに対して回転可能であって管状本体270から近位に伸びるロッド連結コンポーネント274を備えるロッド(本明細書において「中央ロッド」とも呼ばれる)272、ハンドル276、エンドエフェクター連結コンポーネント278、トルク伝送突出部280、2つの接触リング282、284、ハンドル276に隣接するo-リング286、および、管状本体270内に規定されるピンホール290も備える。さらに、
図14に最もよく示されるように、第一の接触リング282は、接触リング282からエンドエフェクター260の遠位端に伸びる第一の接触ワイヤ400に連結されて、そこで、ワイヤ400は把持器266の1つのアーム266Aの近位部に動作可能に連結されている。同様に、第二の接触リング284は、リング284からエンドエフェクター260の遠位端に伸びる第二の接触ワイヤ402に連結されて、そこで、ワイヤ402は把持器266の他方のアーム266Bの近位部に動作可能に連結されている。したがって、2つの接触リング282、284のそれぞれは、電気エネルギーがリング282、284のそれぞれからアーム266A、266Bの1つに別個に伝送され得るように、把持器アーム266A、266Bの1つに電気的に接続されて、それにより、二極式の把持器266をもたらす。中央ロッド272は、(ロッド連結コンポーネント274を介した)管状本体270に対する中央ロッド272の回転作動が、把持器266をその開放および閉鎖の構造の間を移動させるように、把持器266に動作可能に連結される。エンドエフェクター連結コンポーネント278は、突出部288をチャネル380の中に配置することができて、エンドエフェクター260の1回のひねりまたは回転によってエンドエフェクター260を前腕264に連結することができるように、前腕上の雌チャネル380と係合する雄突出部288を備える。トルク伝送突出部280は、管状本体270の周りに形成または配置されて、突出部280がチャネル304に固定された場合にエンドエフェクター260が前腕264に対して回転可能でないように、以下に説明されるように前腕264内の対応するトルク伝送チャネル304内に配置されるように構成される。トルク伝送突出部280の末端が先細であって突出部280をチャネル304と並べるのをより簡単にさせることは注目に値する。
図6の実施態様では、4つの突出部280が存在する(図では3つが見える)。あるいは、前腕264にエンドエフェクター260を連結するのに用いることのできる、1~3個の突出部、または5個以上の突出部を含む、任意の他の数の突出部が存在し得る。
【0073】
代替の実施態様では、エンドエフェクター262は、
図7に示すようにハサミ268を備えてよい。一実施によれば、このエンドエフェクター262の他のコンポーネントは、
図6に示されて上述されたエンドエフェクター260のものと実質的に同一である。したがって、これらのコンポーネントは、上述したものがこれらのコンポーネントに同様に等しく適用するように、同一の参照番号で特定される。1つの違いは、特定の実施態様では、ハサミアーム268A、268Bへの接触リング282、284の電気接続に関する。すなわち、一部の実施態様によれば、両方のアーム268A、268Bは両方のリング282、284に電気的に接続されて、それにより、以下にさらに詳細に説明するように単極式のハサミ268をもたらす。より具体的には、
図15に最もよく示されるように、第一の接触リング282は、接触リング282からエンドエフェクター262の遠位端に伸びる第一の接触ワイヤ400に連結されて、そこで、接触リング282がハサミ268の両方のアーム268A、268Bに電気的に接続されるように、ワイヤ400がハサミ268の近位部に動作可能に連結されている。同様に、第二の接触リング284は、リング284からエンドエフェクター262の遠位端に伸びる第二の接触ワイヤ402に連結されて、そこで、接触リング284がハサミ268の両方のアーム268A、268Bに電気的に接続されるように、ワイヤ402がハサミ268の近位部に動作可能に連結されている。したがって、2つの接触リング282、284のそれぞれは、電気エネルギーがリング282、284の両方からアーム266A、266Bの両方に伝送されるように、ハサミのアーム268A、268Bの両方に電気的に接続されて、それにより、単極式の把持器268をもたらす。
【0074】
図8~
図13に示されるように、前腕本体264は、シリンダー302がルーメン300を規定するように、回転可能なシリンダー302(
図8、
図9A、および
図9Bに最もよく示される)により規定されるエンドエフェクタールーメン300を備える。上述したように、シリンダー302は、トルク伝送チャネル304、2つの電気接触コンポーネント306、308、シリンダー302の外壁の周りに規定および配置される回転歯車310、シリンダーの周りに配置されるo-リング316、および、ルーメン300の遠位開口部の周りに配置されるシール(本実施態様では「リングシール」または「リップシール」)318を備える。トルク伝送チャネル304は、シリンダー302内に規定されて、エンドエフェクター260/262いずれかのトルク伝送突出部280を、そのエンドエフェクター260/262がルーメン300内に配置された場合に収容する。チャネル304は先細であり、突出部280をチャネル304と並べるのを簡単にさせる。この例示的な実施態様では、2つの電気接触コンポーネント306、308は、(電気接触コンポーネント306が接触リング312に連結されて、接触コンポーネント308が接触リング314に連結されるように)接触リング312、314(
図9Bに最もよく示される)に電気的に接続されたリーフレット306、308に接触される。接触リング312、314は、ルーメン300の内壁に沿って配置されて、エンドエフェクター260/262が前腕264に連結された場合にエンドエフェクター260/262上の接触リング282、284と接触するように構成されるように、ルーメン300の長さに沿って配置される。
図9Bに示される一実施態様では、接触リーフレットペア306、308は、シリンダー302から離れて近位方向に伸びる。あるいは、接触リーフレット306、308は、シリンダー302から離れて遠位方向に伸びることができることが理解される。さらなる代替では、接触コンポーネント306、308は、それぞれ、接触コンポーネントに関する任意の公知の構造をとり得る。
【0075】
図9Aおよび
図9Bに最もよく示されるように、リップシール318は、前腕264の流体シールを保持する一次シールとして作用するように作動して、それにより、流体が前腕264に近づくのを防止する。一実施態様によれば、o-リング316(
図9Aおよび
図9Bにも、最もよく示される)は、シリンダー302に関する構造的支持体として作用するように作動して、シリンダー302の回転を可能にしながら、前腕264に対してシリンダー302を適切な位置に保持することができる。加えて、o-リング316は、リップシール318に対するバックアップとして作用することもでき、それにより、リップシール318を通り抜ける任意の流体が前腕264の内部コンポーネントに近づくのを防ぐ流体シールを与える。さらに、別の実施によれば、o-リング316は、リップシール318とo-リング316との間に置かれた潤滑材を保持するように作用することもできる。
【0076】
あるいは、回転可能なシリンダー302から伸びるシール318の代わりに、前腕264の液体シールを保持するためのシール(示さず)は、その代わりに、前腕264-雌チャネル380に近位の前腕264の部分など-の内側ルーメンから伸びて、回転可能なシリンダー302に接触して、それにより、上述のように前腕264のための所望の流体シールを与えることができる。
【0077】
加えて、前腕264は、
図8および
図10に最もよく示されるように、前腕264内に回転可能なシリンダー302に近位に配置された回転可能な直線駆動コンポーネント330を備える。駆動コンポーネント330は、その遠位端に規定されるルーメン332を備え(
図10に最もよく示される)、ルーメン332は、エンドエフェクター260/262の近位端上のロッド連結コンポーネント274と係合するように構成されたルーメン332の内壁から伸びる歯334を備える。あるいは、ルーメン332は、ロッド連結コンポーネント274と係合または連結するための、任意のタイプの構造または機構-例えばリブ、ネジ山、チャネルなど-を備え得る。加えて、駆動コンポーネント330は、外部構造機構336、シール338(例えば「リングシール」)、および、o-リング340を備える。リングシール338およびo-リング40は、一実施態様によれば、上述のシール318およびo-リング316と実質的に同一の様式で機能し得る。外部構造機構336は、
図10に最もよく示されるように、モーター346の作動が回転可能な駆動コンポーネント330の回転を引き起こすように、モーター346(
図8に最もよく示される)と動作可能に連結された駆動歯車344と動作可能に連結された被駆動歯車342と係合するように構成された、外部の六角336である。
【0078】
あるいは、直線駆動コンポーネント330から伸びるリングシール338の代わりに、流体シールを保持するためのシール(示さず)は、その代わりに、回転可能なシリンダー302のルーメン300から伸びて、回転可能な直線駆動コンポーネント330に接触して、それにより、所望の流体シールを与えることができる。
【0079】
図12に最もよく示されるようにエンドエフェクター260/262が、前腕264に連結されると、エンドエフェクター260/262のロッド連結コンポーネント274は、駆動コンポーネント330のルーメン332内に配置されて、それにより、回転可能な駆動コンポーネント330に連結される。この連結の結果として、回転可能な駆動コンポーネント330が回転されると、ロッド連結コンポーネント274が回転させられて、それにより、エンドエフェクター260/262の中央ロッド272を回転させる。中央ロッド272は、筺体273内に配置されて、
図12、
図14、および
図16に最もよく示されるように、ピン292を受け入れるように構成されたロッド272の外周の周りに規定されたスロット294を備える。ピン292は、
図6および
図7に最もよく示されるように管状本体270内のピンホール290を通して配置される。
図12に最もよく示されるように、ピン292は、ピン292がスロット294内にあるときは、ロッド272は回転することができるが軸方向に移動できないように、スロット294内に配置される。あるいは、ピンの代わりに、筺体273は、突出部をピン292と同様の様式でスロット294内に配置することができるように筺体273の内側ルーメンから伸びる、ピン292と同様の突出部を備え、それにより、ロッド272の回転を可能にするが軸方向への移動を可能にしない。中央ロッド272は、その遠位端上に雄ネジ部390を備え、それは、中央ロッド272の回転が直線駆動コンポーネント392を直線状に移動させるように、直線駆動コンポーネント392とネジ連結される。直線駆動コンポーネント392は、駆動コンポーネント392の直線移動が把持器266またはハサミ268を開放および閉鎖の構造の間で移動させるように、把持器266またはハサミ268に動作可能に連結される。したがって、中央ロッド272の回転は、把持器266またはハサミ268を、開放および閉鎖の位置の間で移動させる。
【0080】
図8に戻り、一実施によると、前腕264は、駆動歯車352に連結されたモーター350も備える。駆動歯車352は、駆動歯車352の回転が回転可能なシリンダー302を回転させるように、回転可能なシリンダー302(
図9Aに最もよく示される)上の回転歯車310に連結される。回転可能なシリンダー302は、エンドエフェクター260/262が前腕264のルーメン300に完全に固定された場合に、回転可能なシリンダー302の回転がエンドエフェクター260/262を回転させるように、エンドエフェクター260/262に連結される。すなわち、突出部280は、シリンダー302が回転すると管状本体270が回転するように管状本体270がシリンダー302に連結されるように、ルーメン300内のチャネル304内に配置される。
【0081】
一実施態様では、
図8、
図11、および
図13に最もよく示されるように、前腕264は、支持シリンダー360も備えて、それは、回転可能なシリンダー302の周りに配置されて、回転可能なシリンダー302がルーメン362内に配置されて支持シリンダー360に対して回転することができるようにルーメン362を備える。
図13に最もよく示されるように、支持シリンダー360(点線で示される)は、支持シリンダールーメン362の内壁上に配置された、2つの内側接触リング364、366を備える。2つのリング364、366は、回転可能なシリンダー302上の2つの接触リーフレットペア306、308と接触するように構成される。
【0082】
図8および
図12に最もよく示されるように、エンドエフェクター260、262の両方とも、医学的手順中にユーザー(例えば外科医)が1つのエンドエフェクターを簡単に取り外して別のものと置き換えることができるように、前腕264に簡単に連結および分離されるように構成される。
図12に示すように、エンドエフェクター260/262のいずれかを前腕264の中に挿入して、それをそこに連結するために、トルク伝送突出部280がルーメン300内のチャネル304内に配置されるように、エンドエフェクター260/262がルーメン300の中に挿入される。エンドエフェクター260/262がルーメン300の中に近位に促されると、ロッド連結コンポーネント274は、回転可能な駆動コンポーネント330のルーメン332内に配置されてその中の歯334と係合するまで、近位に進む。同時に、エンドエフェクター260/262の近位の進行は、エンドエフェクター連結コンポーネント278上の雄突出部288を、
図8に最もよく示されるように、前腕264の遠位端内に規定される雌チャネル380の中に近位に進ませる。雌チャネル380は、突出部288がチャネル380の中に近位に進行した時点で、エンドエフェクター260/262がユーザーによってハンドル276を介して回転されて、突出部288をチャネル288内で回転させて、それにより、エンドエフェクター260/262を前腕264に固定することができるように構成される。したがって、ユーザーは、エンドエフェクター260/262の1回のひねりまたは回転によって、エンドエフェクター260/262を前腕264に連結することができる。さらに、ユーザーは、同一の様式でハンドル276を反対方向に単純にひねる、または回転させることにより、エンドエフェクター260/262を取り外すこともできる。
【0083】
一実施では、本明細書において記載または考慮される任意の前腕デバイス内の任意のルーメンは、滅菌しやすいように構成される。すなわち、各ルーメンは、滅菌中にアクセスできない、またはアクセスすることが困難な、隙間または他の機構を有さないように構成される。さらに、特定の実施態様は、簡単な滅菌に役立つ寸法を有するルーメンを備える。すなわち、そのようなルーメンは、適切な滅菌ツールおよび技術によりアクセス可能である十分に短い長さおよび十分に大きい直径を有する。1つの具体例では、本明細書において開示または考慮される任意の1つまたは複数のルーメンは、少なくとも3mmの内径および400mmまたはそれより短い長さを有し得る。あるいは、ルーメン(単数または複数)は、少なくとも2mmの内径および250mmまたはそれより短い長さを有し得る。さらなる代替では、ルーメン(単数または複数)は、少なくとも1mmの内径および125mmまたはそれより短い長さを有し得る。さらに別の代替では、ルーメン(単数または複数)は、滅菌を単純化する任意の寸法を有し得る。
【0084】
特定の実施態様によれば、本明細書において開示および考慮される様々な前腕およびエンドエフェクターの実施態様は、1つまたは実に2つの機械的連結または接点および1つまたは2つの電気接続または接点を与えながら、前腕へのエンドエフェクターの簡単、迅速な連結および分離を提供する。すなわち、本明細書に開示される様々な実施態様は、前腕とエンドエフェクターとの間の2つまでの電気接続および2つまでの機械的連結も与えながら、前腕へのエンドエフェクターの単純な取り付けを可能にする。
【0085】
好ましい実施態様に関して様々な実施態様が説明されているが、当業者は、変更が、本発明の主旨および範囲を逸脱せずに、形式および詳細においてなされ得ることを認識するであろう。