IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コヴィディエン リミテッド パートナーシップの特許一覧

特許7074813電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム
<>
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図1
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図2
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図3
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図4
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図5
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図6
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図7
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図8
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図9
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図10
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図11
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図12
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図13
  • 特許-電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びそれを含む電磁ナビゲーションシステム
(51)【国際特許分類】
   H01Q 7/00 20060101AFI20220517BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20220517BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
H01Q7/00
A61B34/20
H01Q21/06
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020141539
(22)【出願日】2020-08-25
(62)【分割の表示】P 2019521447の分割
【原出願日】2017-10-26
(65)【公開番号】P2020195159
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2020-08-25
(31)【優先権主張番号】15/337,056
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/337,092
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/337,074
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ショーン エム. モーガン
(72)【発明者】
【氏名】レブ エー. コイラク
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0247511(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0284255(US,A1)
【文献】国際公開第2011/108340(WO,A1)
【文献】特開2000-261231(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0186018(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0038354(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
A61B 34/00-90/98
A61M 25/00-29/04
G06K 7/00- 7/14
G06K 19/00-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁ナビゲーション用の複数の電磁界を放射するためのアンテナ組立体であって、前記アンテナ組立体は、
複数の層を有する基板と、
第1の群の平面アンテナおよび第2の群の平面アンテナおよび第3の群の平面アンテナであって、前記第1の群の平面アンテナおよび前記第2の群の平面アンテナおよび前記第3の群の平面アンテナのそれぞれは、それぞれのトレースを含み、前記それぞれのトレースは、前記複数の層のそれぞれの層上に堆積され、かつそれぞれの複数のループ内に配置されており、前記第1の群の平面アンテナおよび前記第2の群の平面アンテナおよび前記第3の群の平面アンテナのそれぞれは、第1の平面アンテナ第2の平面アンテナ第3の平面アンテナを含む、第1の群の平面アンテナおよび第2の群の平面アンテナおよび第3の群の平面アンテナと
を備え、
前記第1の群の平面アンテナおよび前記第2の群の平面アンテナおよび前記第3の群の平面アンテナのそれぞれに対して、
前記第1の平面アンテナの最も内側のループは、第1の線形部分と、前記第1の線形部分に対して略垂直である第2の線形部分とを有し、
前記第2の平面アンテナの最も内側のループは、第1の線形部分と、前記第1の線形部分に対して略垂直であり、かつ前記第1の線形部分よりも長い第2の線形部分を有し、
前記第3の平面アンテナの最も内側のループは、第1の線形部分と、前記第1の線形部分に対して略垂直であり、かつ前記第1の線形部分よりも長い第2の線形部分を有し、
前記第2の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第1の線形部分は、前記第1の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第1の線形部分に対して略平行であり、
前記第3の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第1の線形部分は、前記第1の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第2の線形部分に対して略平行であり、
前記第2の群の平面アンテナおよび前記第3の群の平面アンテナは、前記第1の群の平面アンテナによって画定される外側境界内に幾何学的に分散されており、
前記第1の群の平面アンテナおよび前記第2の群の平面アンテナおよび前記第3の群の平面アンテナのそれぞれの前記第1の平面アンテナのそれぞれの最も内側のループは、前記複数の層の前記それぞれの層上で、互いに異なるそれぞれの角度で位置付けられており、前記角度は、X軸およびZ軸に対するものである、アンテナ組立体。
【請求項2】
前記平面アンテナのそれぞれに対して、前記複数のループのうちの隣接するループ間のそれぞれの距離は、前記複数のループのうちの最も内側のループから前記複数のループのうちの最も外側のループへの方向増加する、請求項1に記載のアンテナ組立体。
【請求項3】
前記複数のループのそれぞれは、複数の直線状の線形部分複数の頂点を含む、請求項1に記載のアンテナ組立体。
【請求項4】
前記複数の平面アンテナの各平面アンテナに対して、前記複数の頂点のそれぞれは、前記複数の平面アンテナそれぞれの平面アンテナに対応するシード矩形の4つのそれぞれの頂点の角度を二分する4つの対角線のうちの1つに沿って配置されている、請求項に記載のアンテナ組立体。
【請求項5】
前記複数の平面アンテナの前記複数の頂点のうちのそれぞれ最も外側の頂点は、前記基板の縁から所定の閾値以下だけ離れている、請求項に記載のアンテナ組立体。
【請求項6】
前記複数の平面アンテナは、互いに異なる前記基板の平面に対して複数のそれぞれの重心を有する、請求項1に記載のアンテナ組立体。
【請求項7】
前記平面アンテナのそれぞれは、同数のループを含む、請求項1に記載のアンテナ組立体。
【請求項8】
前記アンテナ組立体は、複数の端子を有するコネクタをさらに備え、
前記複数の平面アンテナの前記それぞれのトレースのそれぞれは、前記複数の端子のそれぞれの端子に結合されている、請求項1に記載のアンテナ組立体。
【請求項9】
電磁ナビゲーションシステムであって、前記電磁ナビゲーションシステムは、
電磁界を放射するように構成されたアンテナ組立体であって、前記アンテナ組立体は、
複数の層を有する基板と、
第1の群の平面アンテナおよび第2の群の平面アンテナおよび第3の群の平面アンテナであって、前記第1の群の平面アンテナおよび前記第2の群の平面アンテナおよび前記第3の群の平面アンテナのそれぞれは、それぞれのトレースを含み、前記それぞれのトレースは、前記複数の層のそれぞれの層上に堆積され、かつそれぞれの複数のループ内に配置されており、前記第1の群の平面アンテナおよび前記第2の群の平面アンテナおよび前記第3の群の平面アンテナのそれぞれは、第1の平面アンテナ第2の平面アンテナ第3の平面アンテナを含む、第1の群の平面アンテナおよび第2の群の平面アンテナおよび第3の群の平面アンテナと
を含み、
前記第1の群の平面アンテナおよび前記第2の群の平面アンテナおよび前記第3の群の平面アンテナのそれぞれに対して、
前記第1の平面アンテナの最も内側のループは、第1の線形部分と、前記第1の線形部分に対して略垂直である第2の線形部分とを有し、
前記第2の平面アンテナの最も内側のループは、第1の線形部分と、前記第1の線形部分に対して略垂直であり、かつ前記第1の線形部分よりも長い第2の線形部分を有し、
前記第3の平面アンテナの最も内側のループは、第1の線形部分と、前記第1の線形部分に対して略垂直であり、かつ前記第1の線形部分よりも長い第2の線形部分を有し、
前記第2の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第1の線形部分は、前記第1の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第1の線形部分に対して略平行であり、
前記第3の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第1の線形部分は、前記第1の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第2の線形部分に対して略平行である、アンテナ組立体と、
カテーテルと、
前記カテーテルに固定されている電磁センサであって、前記放射された電磁界に基づいて1つ以上の信号を受信するように構成されている電磁センサと、
プロセッサと、
命令を含むメモリであって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記受信された1つ以上の信号に基づいて、前記電磁センサの場所または配向のうちの少なくとも一方を計算することを前記プロセッサに行わせる、メモリ
を備え
前記第2の群の平面アンテナおよび前記第3の群の平面アンテナは、前記第1の群の平面アンテナによって画定される外側境界内に幾何学的に分散されており、
前記第1の群の平面アンテナおよび前記第2の群の平面アンテナおよび前記第3の群の平面アンテナのそれぞれの前記第1の平面アンテナのそれぞれの最も内側のループは、前記複数の層の前記それぞれの層上で、互いに異なるそれぞれの角度で位置付けられており、前記角度は、X軸およびZ軸に対するものである、電磁ナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記平面アンテナのそれぞれに対して、前記複数のループのうちの隣接するループ間のそれぞれの距離は、前記複数のループのうちの最も内側のループから前記複数のループのうちの最も外側のループへの方向増加する、請求項に記載の電磁ナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記複数のループのそれぞれは、複数の直線状の線形部分複数の頂点を含む、請求項に記載の電磁ナビゲーションシステム。
【請求項12】
前記複数の平面アンテナの各平面アンテナに対して、前記複数の頂点のそれぞれは、前記複数の平面アンテナそれぞれの平面アンテナに対応するシード矩形の4つのそれぞれの頂点の角度を二分する4つの対角線のうちの1つに沿って配置されている、請求項11に記載の電磁ナビゲーションシステム。
【請求項13】
前記複数の平面アンテナの前記複数の頂点のうちのそれぞれ最も外側の頂点は、前記基板の縁から所定の閾値以下だけ離れている、請求項11に記載の電磁ナビゲーションシステム。
【請求項14】
前記複数の平面アンテナは、互いに異なる前記基板の平面に対して複数のそれぞれの重心を有する、請求項に記載の電磁ナビゲーションシステム。
【請求項15】
前記平面アンテナのそれぞれは、同数のループを含む、請求項に記載の電磁ナビゲーションシステム。
【請求項16】
前記電磁ナビゲーションシステムは、複数の端子を有するコネクタをさらに備え、
前記複数の平面アンテナの前記それぞれのトレースのそれぞれは、前記複数の端子のそれぞれの端子に結合されている、請求項に記載の電磁ナビゲーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電磁ナビゲーション用のアンテナ組立体及びかかるアンテナ組立体を設計するための方法に関する。より具体的には、本開示は、電磁ナビゲーション用の電磁界を放射するためのアンテナ組立体、かかるアンテナ組立体を含む電磁ナビゲーションシステム、及びかかるアンテナ組立体を設計するコンピュータ実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁(Electromagnetic、EM)ナビゲーション(Electromagnetic navigation、EMN)は、医療デバイスが患者の体内にある間にデバイスの場所及び/又は配向が正確に決定されることを可能にすることによって、医療用撮像、診断、予後、及び治療能力を拡張することを助ける。EMNが用いられる医療手技の一例は、計画段階及びナビゲーション段階を含むELECTROMAGNETIC
NAVIGATION BRONCHOSCOPY(登録商標)(ENB(商標))である。計画段階の間、患者の胸部のコンピュータ断層撮影(computed tomography、CT)スキャンが、患者の仮想3次元気管支マップ及びナビゲーション段階のための計画された経路を生成するために使用される。ナビゲーション段階の間、アンテナ組立体が、患者の胸部全体に電磁界を放射し、施術者が、放射された電磁界を検知する電磁センサを患者の気道内に挿入し、コンピューティングデバイスが、検知された電磁界の特性に基づいて、電磁センサの場所及び/又は配向(例えば、計画された経路に対する)を決定する。
【0003】
センサの場所及び/又は配向の正確な決定を可能にするために、それぞれのセンサの場所における電磁界測定の詳細なマッピングが生成される。しかしながら、かかるマッピングの生成は、場合によっては高価な機械を必要とする、労力及び時間がかかるプロセスである、予測された電磁ボリューム内の多く(例えば、何十万以上)の場所で精密な電磁界測定を行うことを必要とする。
【0004】
電磁界マッピング生成の負荷は、複数のアンテナ組立体が用いられる状況において増加する。例えば、電磁センサが患者の身体のより深い部分に到達すること、及び/又は追加の医療デバイスを妨害せずに後続の医療手技中に体内に留まることを可能にするために、単一コイル電磁センサ等の小型電磁センサを用いることが望ましい場合がある。しかしながら、センサの多自由度(例えば、6自由度)を決定する能力を維持しながら、EMN用の小型電磁センサを用いるために、複数のアンテナ組立体が、検知されることになる、放射された電磁界の数を増加させるために必要とされ得る。かかる場合において、上記の網羅的マッピング手順が、各アンテナ組立体設計に対して行われる必要があり得る。更に、製造からの潜在的な変更を考慮すると、マッピング手順は、特定のアンテナ組立体設計(すなわち、製造された各々のアンテナ組立体)の各インスタンスに対して完了される必要さえあり得る。
【0005】
上記を考慮すると、改善された電磁ナビゲーションアンテナ組立体及びかかるアンテナ組立体を設計するための方法に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によると、電磁ナビゲーション用の少なくとも1つの電磁界を放射するためのアンテナ組立体が提供される。アンテナ組立体は、基板と、基板上に堆積され、かつ複数のループ内に配置されたトレースを含む平面アンテナと、を含む。隣接するループ対の間のそれぞれの距離は、最も内側のループから最も外側のループへの方向において増加する。
【0007】
本開示の別の態様において、ループの各々は、複数の直線状の線形部分及び複数の頂点を含む。例えば、いくつかの態様において、ループの各々は、4つの直線状の線形部分及び4つの頂点を含む。
【0008】
本開示の更なる態様において、頂点の各々が、平面アンテナに対応するシード矩形の4つのそれぞれの頂点を二分する4つの対角線のうちの1つに沿って配設されている。
【0009】
本開示の更に別の態様において、アンテナ組立体は、少なくとも2つの端子を有するコネクタを更に含み、トレースは、2つの端子にそれぞれ連結される2つの端を有する。
【0010】
本開示の別の態様において、アンテナ組立体は、複数の平面アンテナを含み、複数の平面アンテナの各々は、基板上に堆積され、かつそれぞれのループセット内に配置されたそれぞれのトレースを含む。平面アンテナの各々に関して、それぞれの平面アンテナのループ対の間のそれぞれの距離は、最も内側のループから最も外側のループへの方向において増加する。
【0011】
本開示の別の態様において、基板は、複数の層及び平面アンテナを含み、複数の平面アンテナの各々は、層のそれぞれの1つの上に堆積されている。
【0012】
本開示の別の態様において、平面アンテナの各々は、同数のループを含む。
【0013】
本開示の別の態様において、ループの各々は、複数の直線状の線形部分及び複数の頂点を含む。
【0014】
本開示の別の態様において、平面アンテナは、互いに異なるそれぞれの位置に配設されている基板の平面に対して、それぞれの重心を有する。
【0015】
本開示の別の態様によると、電磁ナビゲーションシステムが提供される。システムは、アンテナ組立体と、アンテナ組立体を駆動する交流(alternating current、AC)電流ドライバと、カテーテルと、電磁センサと、プロセッサと、メモリと、を含む。アンテナ組立体は、基板及び平面アンテナを含み、電磁界を放射するように構成されている。平面アンテナは、基板上に堆積され、かつ複数のループ内に配置されたトレースを含む。隣接するループ対の間のそれぞれの距離は、ループのうちの最も内側のループからループのうちの最も外側のループへの方向において増加する。電磁センサは、カテーテルに固定され、かつ放射された電磁界に基づいて信号を受信するように構成されている。メモリは、プロセッサによって実行されたときに、プロセッサに、受信された信号に基づいて、電磁センサの場所及び/又は配向のうちの少なくとも一方を計算させる命令を含む。
【0016】
本開示の別の態様において、ループの各々は、複数の直線状の線形部分及び複数の頂点を含む。例えば、いくつかの態様において、ループの各々は、4つの直線状の線形部分及び4つの頂点を含む。
【0017】
本開示の更なる態様において、頂点の各々が、平面アンテナに対応するシード矩形の4つのそれぞれの頂点を二分する4つの対角線のうちの1つに沿って配設されている。
【0018】
本開示の更に別の態様において、アンテナ組立体は、少なくとも2つの端子を有するコネクタを更に含み、トレースは、2つの端子にそれぞれ連結される2つの端を有する。
【0019】
本開示の別の態様において、アンテナ組立体は、複数の平面アンテナを含み、複数の平面アンテナの各々は、基板上に堆積され、かつそれぞれのループセット内に配置されている、それぞれのトレースを含む。平面アンテナの各々に関して、隣接するループ対の間のそれぞれの距離は、それぞれの平面アンテナのループのうちの最も内側のループからループのうちの最も外側のループへの方向において増加する。
【0020】
本開示の別の態様において、基板は、複数の層を含み、平面アンテナの各々は、複数の層のそれぞれの層上に堆積される。
【0021】
本開示の別の態様において、平面アンテナの各々は、同数のループを含む。
【0022】
本開示の別の態様において、平面アンテナの各々のループの各々は、複数の直線状の線形部分及び複数の頂点を含む。
【0023】
本開示の別の態様において、複数の平面アンテナは、互いに異なるそれぞれの位置に配設されている基板の平面に対して、複数の重心を有する。
【0024】
本開示の別の態様によると、電磁ナビゲーション用の複数の電磁界を放射するためのアンテナ組立体が提供される。アンテナ組立体は、基板及び複数の平面アンテナ群を含む。基板は、複数の層を含み、平面アンテナの各々は、複数の層のそれぞれの層上に堆積され、かつそれぞれの数のループ内に配置されている、それぞれのトレースを含む。平面アンテナ群の各々は、第1の平面アンテナ、第2の平面アンテナ、及び第3の平面アンテナを含む。平面アンテナ群の各々に関して、(1)第1の平面アンテナの最も内側のループは、第1の線形部分と、第1の線形部分に対して略垂直の第2の線形部分とを有し、(2)第2の平面アンテナの最も内側のループは、第1の線形部分と、第1の線形部分に対して略垂直の、かつ第1の線形部分よりも長い第2の線形部分とを有し、(3)第3の平面アンテナの最も内側のループは、第1の線形部分と、第1の線形部分に対して略垂直の、かつ第1の線形部分よりも長い第2の線形部分とを有し、(4)第2の平面アンテナの最も内側のループの第1の線形部分は、第1の平面アンテナの最も内側のループの第1の線形部分に対して略平行であり、(5)第3の平面アンテナの最も内側のループの第1の線形部分は、第1の平面アンテナの最も内側のループの第2の線形部分に対して略平行である。
【0025】
本開示の別の態様において、平面アンテナの各々に関して、複数のループの隣接するループ間のそれぞれの距離は、複数のループの最も内側のループから複数のループの最も外側のループへの方向において増加する。
【0026】
本開示の更なる態様において、各群の第1の平面アンテナのそれぞれの最も内側のループは、複数の層のそれぞれの層上で、互いに異なるそれぞれの角度で位置付けられている。
【0027】
本開示の更に別の態様において、複数のループの各々は、複数の直線状の線形部分及び複数の頂点を含む。
【0028】
本開示の別の態様において、複数の平面アンテナの各平面アンテナに関して、複数の頂点の各々は、複数のアンテナのそれぞれの平面アンテナに対応するシード矩形の4つのそれぞれの頂点を二分する4つの対角線のうちの1つに沿って配設されている。
【0029】
本開示の更なる態様において、複数の平面アンテナの複数の頂点のうちの最も外側の頂点は、基板の縁から所定の閾値以下だけ離れている。
【0030】
本開示の更に別の態様において、平面アンテナは、互いに異なる、基板の平面に対して、それぞれの重心を有する。
【0031】
本開示の別の態様において、平面アンテナの各々は、同数のループを含む。
【0032】
本開示の更なる態様において、平面アンテナ群の数は、少なくとも3つである。
【0033】
本開示の更に別の態様において、アンテナ組立体は、複数の端子を有するコネクタを更に含み、複数の平面アンテナのそれぞれのトレースの各々は、複数の端子のそれぞれの端子に連結される。
【0034】
本開示の別の態様によると、アンテナ組立体、カテーテル、電磁センサ、プロセッサ、及びメモリを含む電磁ナビゲーションシステムが提供される。アンテナ組立体は、電磁界を放射するように構成され、基板及び複数の平面アンテナ群を含む。基板は、複数の層を含み、平面アンテナの各々は、複数の層のそれぞれの層上に堆積され、かつそれぞれの数のループ内に配置されている、それぞれのトレースを含む。平面アンテナ群の各々は、第1の平面アンテナ、第2の平面アンテナ、及び第3の平面アンテナを含む。複数の平面アンテナ群の各々に関して、(1)第1の平面アンテナの最も内側のループは、第1の線形部分と、第1の線形部分に対して略垂直の第2の線形部分とを有し、(2)第2の平面アンテナの最も内側のループは、第1の線形部分と、第1の線形部分に対して略垂直の、かつ第1の線形部分よりも長い第2の線形部分とを有し、(3)第3の平面アンテナの最も内側のループは、第1の線形部分と、第1の線形部分に対して略垂直の、かつ第1の線形部分よりも長い第2の線形部分とを有し、(4)第2の平面アンテナの最も内側のループの第1の線形部分は、第1の平面アンテナの最も内側のループの第1の線形部分に対して略平行であり、(5)第3の平面アンテナの最も内側のループの第1の線形部分は、第1の平面アンテナの最も内側のループの第2の線形部分に対して略平行である。電磁センサは、カテーテルに固定され、かつ放射された電磁界に基づいて1つ以上の信号を受信するように構成されている。メモリは、プロセッサによって実行されたときに、プロセッサに、受信された信号に基づいて、電磁センサの場所及び/又は配向のうちの少なくとも一方を計算させる命令を含む。
【0035】
本開示の別の態様において、平面アンテナの各々に関して、複数のループの隣接するループ間のそれぞれの距離は、複数のループの最も内側のループから複数のループの最も外側のループへの方向において増加する。
【0036】
本開示の更なる態様において、各群の第1の平面アンテナのそれぞれの最も内側のループは、複数の層のそれぞれの層上で、互いに異なるそれぞれの角度で位置付けられている。
【0037】
本開示の更に別の態様において、複数のループの各々は、複数の直線状の線形部分及び複数の頂点を含む。
【0038】
本開示の別の態様において、複数の平面アンテナの各平面アンテナに関して、複数の頂点の各々は、複数のアンテナのそれぞれの平面アンテナに対応するシード矩形の4つのそれぞれの頂点を二分する4つの対角線のうちの1つに沿って配設されている。
【0039】
本開示の更なる態様において、複数の平面アンテナの複数の頂点のうちの最も外側の頂点は、基板の縁から所定の閾値以下だけ離れている。
【0040】
本開示の更に別の態様において、複数の平面アンテナは、互いに異なる、基板の平面に対して、複数のそれぞれの重心を有する。
【0041】
本開示の別の態様において、平面アンテナの各々は、同数のループを含む。
【0042】
本開示の更なる態様において、平面アンテナ群の数は、少なくとも3つである。
【0043】
本開示の更に別の態様において、電磁ナビゲーションシステムは、複数の端子を有するコネクタを更に含み、複数の平面アンテナのそれぞれのトレースの各々は、複数の端子のそれぞれの端子に連結される。
【0044】
本開示の別の態様によると、電磁ナビゲーション用の複数の電磁界を放射するためのアンテナ組立体を設計するコンピュータ実装方法が提供される。方法は、境界を有する基板の座標系に対して、複数の頂点を有するシード矩形に基づく複数の対角線をそれぞれ算出することを含む。複数の対角線は、シード矩形の複数の頂点をそれぞれ二分し、かつシード矩形の複数の頂点から、それぞれ、境界までそれぞれ延在する。方法はまた、複数の対角線の各々について、(1)それぞれの対角線に沿って位置付けられる複数の隣接する平面アンテナ頂点対の間の複数の距離をそれぞれ決定することであって、複数の距離が、シード矩形のそれぞれの頂点から境界の方向において増加する、決定することと、(2)決定された複数の距離に基づいて、平面アンテナ頂点をそれぞれの対角線に沿って位置付けることと、も含む。平面アンテナレイアウトが、平面アンテナ頂点をそれぞれの直線状の線形部分によって相互接続することによって生成されて、複数の対角線の各々を順次横断する複数のループを形成する。
【0045】
本開示の別の態様において、複数の距離は、平面アンテナの所定の数のループに少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0046】
本開示の更なる態様において、複数の距離は、隣接する頂点間の所定の最小間隔、及び/又は隣接するトレース間の所定の最小間隔に少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0047】
本開示の更に別の態様において、基板は、複数の層を有し、方法は、複数の層に対応する複数の平面アンテナレイアウトをそれぞれ生成することを更に含む。
【0048】
本開示の別の態様において、コンピュータ実装方法は、平面アンテナレイアウトに、平面アンテナ頂点のうちの少なくとも2つから基板の座標系に対するコネクタの場所まで配索された複数の直線状の線形部分を追加することを更に含む。
【0049】
本開示の更なる態様において、コンピュータ実装方法は、複数の対角線のそれぞれについて、シード矩形のそれぞれの頂点とそれぞれの対角線に沿った境界との間のレイアウト距離を算出することを更に含み、複数の隣接する平面アンテナ頂点対の間の複数の距離をそれぞれ決定することは、算出されたレイアウト距離に少なくとも部分的に基づく。
【0050】
本開示の更に別の態様において、複数のループの各々は、複数の直線状の線形部分及び複数の平面アンテナ頂点を含む。
【0051】
本開示の別の態様において、複数の平面アンテナ頂点のうちの最も外側の平面アンテナ頂点は、基板の境界から所定の閾値以下だけ離れている。
【0052】
本開示の更なる態様において、コンピュータ実装方法は、生成された平面アンテナレイアウトに対応するデータを、回路基板配索ツール及び/又は回路基板製造ツールのうちの少なくとも一方にエクスポートすることを更に含む。
【0053】
本開示の更に別の態様において、コンピュータ実装方法は、生成された平面アンテナレイアウトに対応するデータを電磁シミュレーションツールにエクスポートすることと、エクスポートされたデータに基づいて、平面アンテナレイアウトの複数の直線状の線形部分からの複数の電磁界構成要素の重畳に基づいて電磁界をそれぞれシミュレートすることと、を更に含む。
【0054】
本開示の別の態様によると、プロセッサによって実行されたときに、プロセッサに、電磁ナビゲーション用の電磁界を放射するためのアンテナ組立体を設計する方法を実施させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。方法は、境界を有する基板の座標系に対して、複数の頂点を有するシード矩形に基づく複数の対角線をそれぞれ算出することを含む。複数の対角線は、シード矩形の複数の頂点をそれぞれ二分し、かつシード矩形の複数の頂点から、それぞれ、境界までそれぞれ延在する。方法は、複数の対角線の各々について、(1)それぞれの対角線に沿って位置付けられる複数の隣接する平面アンテナ頂点対の間の複数のそれぞれの距離を決定することと、(2)決定された複数の距離に基づいて、平面アンテナ頂点をそれぞれの対角線に沿って位置付けることと、を更に含む。複数の距離は、シード矩形のそれぞれの頂点から境界への方向において増加する。平面アンテナレイアウトが、平面アンテナ頂点をそれぞれの直線状の線形部分によって相互接続することによって生成されて、複数の対角線の各々を順次横断する複数のループを形成する。
【0055】
本開示の別の態様において、複数の距離は、平面アンテナの所定の数のループに少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0056】
本開示の更なる態様において、複数の距離は、隣接する頂点間の所定の最小間隔、及び/又は隣接するトレース間の所定の最小間隔に少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0057】
本開示の更に別の態様において、基板は、複数の層を有し、方法は、複数の層に対応する複数の平面アンテナレイアウトをそれぞれ生成することを更に含む。
【0058】
本開示の別の態様において、方法は、平面アンテナレイアウトに、平面アンテナ頂点のうちの少なくとも2つから基板の座標系に対するコネクタの場所まで配索された複数の直線状の線形部分を追加することを更に含む。
【0059】
本開示の更なる態様において、方法は、複数の対角線のそれぞれについて、シード矩形のそれぞれの頂点とそれぞれの対角線に沿った境界との間のレイアウト距離を算出することを更に含み、複数の隣接する平面アンテナ頂点対の間の複数の距離をそれぞれ決定することは、算出されたレイアウト距離に少なくとも部分的に基づく。
【0060】
本開示の更に別の態様において、複数のループの各々は、複数の直線状の線形部分及び複数の平面アンテナ頂点を含む。
【0061】
本開示の別の態様において、複数の平面アンテナ頂点のうちの最も外側の平面アンテナ頂点は、基板の境界から所定の閾値以下だけ離れている。
【0062】
本開示の更なる態様において、方法は、生成された平面アンテナレイアウトに対応するデータを、回路基板配索ツール及び/又は回路基板製造ツールのうちの少なくとも一方にエクスポートすることを更に含む。
【0063】
本開示の更に別の態様において、方法は、生成された平面アンテナレイアウトに対応するデータを電磁シミュレーションツールにエクスポートすることと、エクスポートされたデータに基づいて、平面アンテナレイアウトの複数の直線状の線形部分からの複数の電磁界構成要素の重畳に基づいて電磁界をそれぞれシミュレートすることと、を更に含む。
【0064】
本開示の上記の態様及び実施形態のうちの任意のものを、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わせ得る。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
電磁ナビゲーション用の少なくとも1つの電磁界を放射するためのアンテナ組立体であって、
基板と、
前記基板上に堆積され、かつ複数のループ内に配置されたトレースを含む平面アンテナと、を備え、
前記複数のループのうちの隣接するループ間のそれぞれの距離が、前記複数のループのうちの最も内側のループから前記複数のループのうちの最も外側のループへの方向において増加する、アンテナ組立体。
(項目2)
前記複数のループの各々が、複数の直線状の線形部分及び複数の頂点を含む、項目1に記載のアンテナ組立体。
(項目3)
前記複数のループの各々が、4つの直線状の線形部分及び4つの頂点を含む、項目2に記載のアンテナ組立体。
(項目4)
前記複数の頂点の各々が、前記平面アンテナに対応するシード矩形の4つのそれぞれの頂点を二分する4つの対角線のうちの1つに沿って配設されている、項目3に記載のアンテナ組立体。
(項目5)
少なくとも2つの端子を有するコネクタを更に備え、
前記トレースが、それぞれ、前記2つの端子に連結されている2つの端を有する、項目1に記載のアンテナ組立体。
(項目6)
複数の平面アンテナを更に備え、
前記複数の平面アンテナの各々が、前記基板上に堆積され、かつそれぞれの複数のループ内に配置された、それぞれのトレースを含み、
前記複数の平面アンテナの各々に関して、前記それぞれの複数のループの隣接するループ間のそれぞれの距離が、前記それぞれの平面アンテナの前記それぞれの複数のループのうちの最も内側のループから前記それぞれの複数のループのうちの最も外側のループへの方向において増加する、項目1に記載のアンテナ組立体。
(項目7)
前記基板が、複数の層及び前記平面アンテナを含み、前記複数の平面アンテナの各々が、前記複数の層のそれぞれの層上に堆積されている、項目6に記載のアンテナ組立体。
(項目8)
前記平面アンテナ及び前記複数の平面アンテナの各々が、同数のループを各々含む、項目6に記載のアンテナ組立体。
(項目9)
前記複数の平面アンテナの各々の前記ループの各々が、複数の直線状の線形部分及び複数の頂点を含む、項目6に記載のアンテナ組立体。
(項目10)
前記平面アンテナ及び前記複数の平面アンテナが、互いに異なるそれぞれの位置に配設されている前記基板の平面に対して、それぞれ、複数の重心を有する、項目6に記載のアンテナ組立体。
(項目11)
電磁ナビゲーションシステムであって、
電磁界を放射するように構成されたアンテナ組立体であって、
基板と、
前記基板上に堆積され、かつ複数のループ内に配置されたトレースを含む平面アンテナと、を備え、
前記複数のループのうちの隣接するループ間のそれぞれの距離が、前記複数のループのうちの最も内側のループから前記複数のループのうちの最も外側のループへの方向において増加する、アンテナ組立体と、
カテーテルと、
前記カテーテルに固定され、かつ前記放射された電磁界に基づいて信号を受信するように構成された電磁センサと、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、前記受信された信号に基づいて、前記電磁センサの場所又は配向のうちの少なくとも一方を計算させる命令を含むメモリと、を備える、電磁ナビゲーションシステム。
(項目12)
前記複数のループの各々が、複数の直線状の線形部分及び複数の頂点を含む、項目11に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目13)
前記複数のループの各々が、4つの直線状の線形部分及び4つの頂点を含む、項目12に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目14)
前記複数の頂点の各々が、前記平面アンテナに対応するシード矩形の4つのそれぞれの頂点を二分する4つの対角線のうちの1つに沿って配設されている、項目13に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目15)
前記アンテナ組立体が、
少なくとも2つの端子を有するコネクタを更に備え、
前記トレースが、それぞれ、前記2つの端子に連結されている2つの端を有する、項目11に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目16)
前記アンテナ組立体が、
複数の平面アンテナを更に備え、
前記複数の平面アンテナの各々が、前記基板上に堆積され、かつそれぞれの複数のループ内に配置された、それぞれのトレースを含み、
前記複数の平面アンテナの各々に関して、前記それぞれの複数のループの隣接するループ間のそれぞれの距離が、前記それぞれの平面アンテナの前記それぞれの複数のループのうちの最も内側のループから前記それぞれの複数のループのうちの最も外側のループへの方向において増加する、項目11に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目17)
前記基板が、複数の層及び前記平面アンテナを含み、前記複数の平面アンテナの各々が、前記複数の層のそれぞれの層上に堆積されている、項目16に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目18)
前記平面アンテナ及び前記複数の平面アンテナの各々が、同数のループを各々含む、項目16に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目19)
前記複数の平面アンテナの各々の前記ループの各々が、複数の直線状の線形部分及び複数の頂点を含む、項目16に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目20)
前記平面アンテナ及び前記複数の平面アンテナが、互いに異なるそれぞれの位置に配設されている前記基板の平面に対して、それぞれ、複数の重心を有する、項目16に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目21)
電磁ナビゲーション用の電磁界を放射するためのアンテナ組立体を設計するコンピュータ実装方法であって、
境界を有する基板の座標系に対して、複数の頂点を有するシード矩形に基づく複数の対角線をそれぞれ算出することであって、
前記複数の対角線が、前記シード矩形の前記複数の頂点をそれぞれ二分し、かつ前記シード矩形の前記複数の頂点から、それぞれ、前記境界までそれぞれ延在する、算出することと、
前記複数の対角線の各々に関して、
前記それぞれの対角線に沿って位置付けられる複数の隣接する平面アンテナ頂点対の間の複数の距離をそれぞれ決定することであって、前記複数の距離が、前記シード矩形の前記それぞれの頂点から前記境界の方向において増加する、決定することと、
前記決定された複数の距離に基づいて、前記平面アンテナ頂点を前記それぞれの対角線に沿って位置付けることと、
前記平面アンテナ頂点をそれぞれの直線状の線形部分によって相互接続することによって、平面アンテナレイアウトを生成して、前記複数の対角線の各々を順次横断する複数のループを形成することと、を含む、コンピュータ実装方法。
(項目22)
前記複数の距離が、前記平面アンテナの所定の数のループに少なくとも部分的に基づいて決定される、項目21に記載のコンピュータ実装方法。
(項目23)
前記複数の距離が、隣接する頂点間の所定の最小間隔、又は隣接するトレース間の所定の最小間隔のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づいて決定される、項目21に記載のコンピュータ実装方法。
(項目24)
前記基板が、複数の層を有し、前記方法が、前記複数の層に対応する複数の平面アンテナレイアウトをそれぞれ生成することを更に含む、項目21に記載のコンピュータ実装方法。
(項目25)
前記平面アンテナレイアウトに、前記平面アンテナ頂点のうちの少なくとも2つから前記基板の前記座標系に対するコネクタの場所まで配索された複数の直線状の線形部分を追加することを更に含む、項目21に記載のコンピュータ実装方法。
(項目26)
前記複数の対角線の各々に関して、
前記シード矩形の前記それぞれの頂点と前記それぞれの対角線に沿った前記境界との間のレイアウト距離を算出することを更に含み、
前記複数の隣接する平面アンテナ頂点対の間の前記複数の距離をそれぞれ決定することが、前記算出されたレイアウト距離に少なくとも部分的に基づく、項目21に記載のコンピュータ実装方法。
(項目27)
前記複数のループの各々が、複数の前記直線状の線形部分及び複数の前記平面アンテナ頂点を含む、項目21に記載のコンピュータ実装方法。
(項目28)
前記複数の平面アンテナ頂点のうちの最も外側の平面アンテナ頂点が、前記基板の前記境界から所定の閾値以下だけ離れている、項目21に記載のコンピュータ実装方法。
(項目29)
前記生成された平面アンテナレイアウトに対応するデータを、回路基板配索ツール又は回路基板製造ツールのうちの少なくとも一方にエクスポートすることを更に含む、項目21に記載のコンピュータ実装方法。
(項目30)
前記生成された平面アンテナレイアウトに対応するデータを電磁シミュレーションツールにエクスポートすることと、
前記エクスポートされたデータに基づいて、前記平面アンテナレイアウトの前記複数の直線状の線形部分からの複数の電磁界構成要素の重畳に基づいて電磁界をそれぞれシミュレートすることと、を更に含む、項目21に記載のコンピュータ実装方法。
(項目31)
プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、電磁ナビゲーション用の電磁界を放射するためのアンテナ組立体を設計する方法を実施させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法が、
境界を有する基板の座標系に対して、複数の頂点を有するシード矩形に基づく複数の対角線をそれぞれ算出することであって、
前記複数の対角線が、前記シード矩形の前記複数の頂点をそれぞれ二分し、かつ前記シード矩形の前記複数の頂点から、それぞれ、前記境界まで延在する、算出することと、
前記複数の対角線の各々に関して、
前記それぞれの対角線に沿って位置付けられる複数の隣接する平面アンテナ頂点対の間の複数の距離をそれぞれ決定することであって、前記複数の距離が、前記シード矩形の前記それぞれの頂点から前記境界の方向において増加する、決定することと、
前記決定された複数の距離に基づいて、前記平面アンテナ頂点を前記それぞれの対角線に沿って位置付けることと、
前記平面アンテナ頂点をそれぞれの直線状の線形部分によって相互接続することによって、平面アンテナレイアウトを生成して、前記複数の対角線の各々を順次横断する複数のループを形成することと、を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目32)
前記複数の距離が、前記平面アンテナの所定の数のループに少なくとも部分的に基づいて決定される、項目31に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目33)
前記複数の距離が、隣接する頂点間の所定の最小間隔、又は隣接するトレース間の所定の最小間隔のうちの少なくとも一方に少なくとも部分的に基づいて決定される、項目31に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目34)
前記基板が、複数の層を有し、前記方法が、前記複数の層に対応する複数の平面アンテナレイアウトをそれぞれ生成することを更に含む、項目31に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目35)
前記方法が、
前記平面アンテナレイアウトに、前記平面アンテナ頂点のうちの少なくとも2つから前記基板の前記座標系に対するコネクタの場所まで配索された複数の直線状の線形部分を追加することを更に含む、項目31に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目36)
前記方法が、
前記複数の対角線の各々に関して、
前記シード矩形の前記それぞれの頂点と前記それぞれの対角線に沿った前記境界との間のレイアウト距離を算出することを更に含み、
前記複数の隣接する平面アンテナ頂点対の間の前記複数の距離をそれぞれ決定することが、前記算出されたレイアウト距離に少なくとも部分的に基づく、項目31に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目37)
前記複数のループの各々が、複数の前記直線状の線形部分及び複数の前記平面アンテナ頂点を含む、項目31に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目38)
前記複数の平面アンテナ頂点のうちの最も外側の平面アンテナ頂点が、前記基板の前記境界から所定の閾値以下だけ離れている、項目31に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目39)
前記方法が、
前記生成された平面アンテナレイアウトに対応するデータを、回路基板配索ツール又は回路基板製造ツールのうちの少なくとも一方にエクスポートすることを更に含む、項目31に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目40)
前記方法が、
前記生成された平面アンテナレイアウトに対応するデータを電磁シミュレーションツールにエクスポートすることと、
前記エクスポートされたデータに基づいて、前記平面アンテナレイアウトの前記複数の直線状の線形部分からの複数の電磁界構成要素の重畳に基づいて電磁界をそれぞれシミュレートすることと、を更に含む、項目31に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
(項目41)
電磁ナビゲーション用の複数の電磁界を放射するためのアンテナ組立体であって、
複数の層を有する基板と、
複数の平面アンテナ群であって、前記平面アンテナの各々が、前記複数の層のそれぞれの層上に堆積され、かつそれぞれの複数のループ内に配置されたそれぞれのトレースを含み、前記平面アンテナ群の各々が、第1の平面アンテナ、第2の平面アンテナ、及び第3の平面アンテナを含む、複数の平面アンテナ群と、を備え、
前記複数の平面アンテナ群の各々に関して、
前記第1の平面アンテナの最も内側のループが、第1の線形部分と、前記第1の線形部分に対して略垂直の第2の線形部分とを有し、
前記第2の平面アンテナの最も内側のループが、第1の線形部分と、前記第1の線形部分に対して略垂直の、かつ前記第1の線形部分よりも長い第2の線形部分を有し、
前記第3の平面アンテナの最も内側のループが、第1の線形部分と、前記第1の線形部分に対して略垂直の、かつ前記第1の線形部分よりも長い第2の線形部分を有し、
前記第2の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第1の線形部分が、前記第1の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第1の線形部分に対して略平行であり、
前記第3の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第1の線形部分が、前記第1の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第2の線形部分に対して略平行である、アンテナ組立体。
(項目42)
前記平面アンテナの各々に関して、前記複数のループのうちの隣接するループ間のそれぞれの距離が、前記複数のループのうちの最も内側のループから前記複数のループのうちの最も外側のループへの方向において増加する、項目41に記載のアンテナ組立体。
(項目43)
各群の前記第1の平面アンテナの前記それぞれの最も内側のループが、前記複数の層の前記それぞれの層上で、互いに異なるそれぞれの角度で位置付けられている、項目41に記載のアンテナ組立体。
(項目44)
前記複数のループの各々が、複数の直線状の線形部分及び複数の頂点を含む、項目41に記載のアンテナ組立体。
(項目45)
前記複数の平面アンテナの各平面アンテナに関して、前記複数の頂点の各々が、前記複数の平面アンテナの前記それぞれの平面アンテナに対応するシード矩形の4つのそれぞれの頂点を二分する4つの対角線のうちの1つに沿って配設されている、項目44に記載のアンテナ組立体。
(項目46)
前記複数の平面アンテナの前記複数の頂点のうちのそれぞれ最も外側の頂点が、前記基板の縁から所定の閾値以下だけ離れている、項目44に記載のアンテナ組立体。
(項目47)
前記複数の平面アンテナが、互いに異なる前記基板の平面に対して複数のそれぞれの重心を有する、項目41に記載のアンテナ組立体。
(項目48)
前記平面アンテナの各々が、同数のループを含む、項目41に記載のアンテナ組立体。(項目49)
前記複数の群の数が、少なくとも3つである、項目41に記載のアンテナ組立体。
(項目50)
複数の端子を有するコネクタを更に備え、
前記複数の平面アンテナの前記それぞれのトレースの各々が、前記複数の端子のそれぞれの端子に連結されている、項目41に記載のアンテナ組立体。
(項目51)
電磁ナビゲーションシステムであって、
電磁界を放射するように構成されたアンテナ組立体であって、
複数の層を有する基板と、
複数の平面アンテナ群であって、前記平面アンテナの各々が、前記複数の層のそれぞれの層上に堆積され、かつそれぞれの複数のループ内に配置されたそれぞれのトレースを含む、複数の平面アンテナ群と、を含み、
前記平面アンテナ群の各々が、第1の平面アンテナ、第2の平面アンテナ、及び第3の平面アンテナを含み、
前記複数の平面アンテナ群の各々に関して、
前記第1の平面アンテナの最も内側のループが、第1の線形部分と、前記第1の線形部分に対して略垂直の第2の線形部分とを有し、
前記第2の平面アンテナの最も内側のループが、第1の線形部分と、前記第1の線形部分に対して略垂直の、かつ前記第1の線形部分よりも長い第2の線形部分を有し、
前記第3の平面アンテナの最も内側のループが、第1の線形部分と、前記第1の線形部分に対して略垂直の、かつ前記第1の線形部分よりも長い第2の線形部分を有し、
前記第2の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第1の線形部分が、前記第1の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第1の線形部分に対して略平行であり、
前記第3の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第1の線形部分が、前記第1の平面アンテナの前記最も内側のループの前記第2の線形部分に対して略平行である、アンテナ組立体と、
カテーテルと、
前記カテーテルに固定され、かつ前記放射された電磁界に基づいて1つ以上の信号を受信するように構成された電磁センサと、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに、前記受信された1つ以上の信号に基づいて、前記電磁センサの場所又は配向のうちの少なくとも一方を計算させる命令を含むメモリと、を備える、電磁ナビゲーションシステム。
(項目52)
前記平面アンテナの各々に関して、前記複数のループのうちの隣接するループ間のそれぞれの距離が、前記複数のループのうちの最も内側のループから前記複数のループのうちの最も外側のループへの方向において増加する、項目51に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目53)
各群の前記第1の平面アンテナの前記それぞれの最も内側のループが、前記複数の層の前記それぞれの層上で、互いに異なるそれぞれの角度で位置付けられている、項目51に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目54)
前記複数のループの各々が、複数の直線状の線形部分及び複数の頂点を含む、項目51に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目55)
前記複数の平面アンテナの各平面アンテナに関して、前記複数の頂点の各々が、前記複数の平面アンテナの前記それぞれの平面アンテナに対応するシード矩形の4つのそれぞれの頂点を二分する4つの対角線のうちの1つに沿って配設されている、項目54に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目56)
前記複数の平面アンテナの前記複数の頂点のうちのそれぞれ最も外側の頂点が、前記基板の縁から所定の閾値以下だけ離れている、項目54に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目57)
前記複数の平面アンテナが、互いに異なる前記基板の平面に対して複数のそれぞれの重心を有する、項目51に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目58)
前記平面アンテナの各々が、同数のループを含む、項目51に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目59)
前記複数の群の数が、少なくとも3つである、項目51に記載の電磁ナビゲーションシステム。
(項目60)
複数の端子を有するコネクタを更に備え、
前記複数の平面アンテナの前記それぞれのトレースの各々が、前記複数の端子のそれぞれの端子に連結されている、項目51に記載の電磁ナビゲーションシステム。
【0065】
特許又は出願ファイルは、少なくとも1つの彩色図面を含む。彩色図面を含む本特許又は特許出願公開のコピーは、請求及び必要な手数料の支払いにより、米国特許商標庁によって提供されることになる。
【0066】
本開示のシステム及び方法の目的及び特徴は、添付の図面を参照して様々な実施形態の説明を読むことにより、当業者には明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】本開示の実施形態による、電磁ナビゲーション(EMN)システムの一例の斜視図である。
図2】本開示の実施形態による、EMNシステムのアンテナ組立体の設計の一例を示す。
図3】本開示の実施形態による、アンテナ組立体を設計するための手順の一例を例示するフローチャートである。
図4】本開示の実施形態による、図3の手順の一定の態様の図解表現の例である。
図5】本開示の実施形態による、図3の手順の一定の態様の図解表現の例である。
図6】本開示の実施形態による、図3の手順の一定の態様の図解表現の例である。
図7】本開示の実施形態による、図3の手順の一定の態様の図解表現の例である。
図8】本開示の実施形態による、図3の手順の一定の態様の図解表現の例である。
図9】本開示の実施形態による、図3の手順の一定の態様の図解表現の例である。
図10】本開示の実施形態による、図3の手順の一定の態様の図解表現の例である。
図11】本開示の実施形態による、図3の手順の一定の態様の図解表現の例である。
図12】本開示の実施形態による、図3の手順によって設計され得るアンテナの複数の例の例示である。
図13】本開示の実施形態による、ループアンテナレイアウトトレース配置の設計の一例を示す。
図14】本開示の様々な実施形態での使用のためのコンピューティングデバイスの一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本開示は、電磁ナビゲーション用の電磁界を放射するためのアンテナ組立体、かかるアンテナ組立体を含む電磁ナビゲーションシステム、及びかかるアンテナ組立体を設計するコンピュータ実装方法を対象とする。一例において、本明細書のアンテナ組立体の幾何学的及び他の態様により、詳細な電磁界マッピング生成及び採用する必要性は、代わりに、アンテナ組立体の特性に基づいて理論的に算出される、電磁界マッピングが、単独で、又は測定から得られるより容易に生成された低密度電磁界マッピングと併せて採用されることを可能にすることによって回避され得る。言い換えると、本明細書のアンテナ組立体は、高価な測定設備を使用する必要なく、そして、時間がかかり、かつ労力がかかる測定を実施する必要なく、EMN用の正確な高密度の理論的電磁界マッピングを生成する基盤として機能することができる。
【0069】
別の例において、本明細書のアンテナ組立体は、単一コイルセンサ等の小型電磁センサの複数の自由度(例えば、6自由度)が決定されることを可能にする、互いに異なる幾何学的形状及び/又は相対位置等の特性を有する、単一基板上の複数の平面アンテナを含む。
【0070】
更に別の例において、本明細書のアンテナ組立体は、基板の層上に堆積され、かつループ間の間隔及び基板の境界又は縁からの間隔を有する複数のループを形成するトレースを含み、結果として、基板の利用可能なエリアの効率的な使用をもたらす。
【0071】
更なる例において、アンテナ組立体を設計するための自動化又は半自動化され、高度に再現可能なコンピュータ実装方法が本明細書に提供される。このようにして生成されたアンテナ組立体設計は、大量の手動レイアウトの必要性を最小にするためにプリント回路基板(printed circuit board、PCB)レイアウトソフトウェアツールにエクスポートされ得る。アンテナ組立体設計はまた、アンテナ組立体の理論的電磁界マッピングの生成を可能にする電磁界シミュレータソフトウェアツールにもエクスポートされ得る。
【0072】
かかるアンテナ組立体の詳細な実施形態、かかるアンテナ組立体を組み込むシステム、及びそれを設計する方法が本明細書に説明される。しかしながら、これらの詳細な実施形態は、単に本開示の実施例であり、本開示は、様々な形態で具現化され得る。したがって、本明細書で開示する特定の構造的及び機能的な詳細は、制限的と解釈されず、単に請求項の基盤として、及び、事実上いずれの当業者が本開示を適切に詳説した構造で様々に採用することを可能にする代表的な基盤として解釈されるべきである。以下に説明される実施形態の例は、患者の気道の気管支鏡検査法を対象としているが、当業者は、同一又は類似の組立体、システム、及び方法が、例えば、血管網、リンパ系ネットワーク、及び/又は消化管ネットワークなど、他の管腔ネットワーク内でも使用され得ると認識するであろう。
【0073】
図1は、本開示によって提供される電磁ナビゲーション(EMN)システム100の一例を例示する。一般に、EMNシステム100は、とりわけ、医療デバイスに固定されたセンサによって検知される1つ以上の電磁界を生成するアンテナ組立体を使用することによって、患者の身体内の標的場所に向かってナビゲートされている医療デバイスの場所及び/又は配向を識別するように構成されている。いくつかの場合において、EMNシステム100は、患者の肺の管腔網内の死んだ部分等の、関心の標的に向かって患者の身体を通る医療デバイスのナビゲーションの間に用いられるコンピュータ断層撮影(CT)画像、磁気共鳴撮像(magnetic resonance imaging、MRI)画像、及び/又は透視画像を拡張するように更に構成される。
【0074】
EMNシステム100は、カテーテルガイド組立体110、気管支鏡115、コンピューティングデバイス120、監視デバイス130、患者台(EMボード140と呼ばれ得る)、追跡デバイス160、及び基準センサ170を含む。気管支鏡115は、有線接続(図1に示されるような)又は無線接続(図1に図示せず)によって、それぞれコンピューティングデバイス120(追跡デバイス160を経由して)及び監視デバイス130に動作可能に連結される。
【0075】
EMN気管支鏡手技のナビゲーション段階中、気管支鏡115は、患者150の口腔内に挿入され、肺の管腔網の画像を捕捉する。カテーテルガイド組立体110は、患者150の肺の管腔網の周辺にアクセスするために気管支鏡115内に挿入される。カテーテルガイド組立体110は、カテーテル又は拡張作業チャネル(extended working channel、EWC)111の一部分(例えば、遠位部分)に固定されたEMセンサ112を有するEWC111を含み得る。配置可能なガイドカテーテル(locatable guide catheter、LG)が、LGの一部分(例えば、遠位部分)に固定された別のEMセンサ(図1に図示せず)と共にEWC111内に挿入され得る。EWC111に固定されたEMセンサ112又はLGに固定されたEMセンサは、アンテナ組立体145によって放射された電磁界に基づいて信号を受信するように構成され、かつ受信された信号に基づいて、肺の管腔網を通るナビゲーション中のEWC111又はLGの場所及び/又は配向を決定するために使用される。EWC111又はLGに対するEMセンサ112のサイズ制限に起因して、いくつかの場合においてEMセンサ112は、以下に更に詳細に説明されるように、アンテナ組立体145によって生成された1つ以上のEM信号を受信するための単一コイルのみを含み得る。しかしながら、EMセンサ112内のコイルの数は、1つに限定されず、2つ、3つ、又はそれより多くてもよい。
【0076】
ラップトップ、デスクトップ、タブレット、又は他の適切なコンピューティングデバイス等のコンピューティングデバイス120は、ディスプレイ122、1つ以上のプロセッサ124、1つ以上のプロセッサメモリ126、AC電流信号をアンテナ組立体145に提供するためのAC電流ドライバ127、ネットワークインターフェースコントローラ128、及び1つ以上の入力デバイス129を含む。図1に例示されるコンピューティングデバイス120の特定の構成は、一例として提供されるが、コンピューティングデバイス120内に含められる図1に示される構成要素の他の構成もまた考えられる。具体的には、いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス120内に含められる、図1に示される構成要素(122、124、126、127、128、及び/又は129)のうちの1つ以上は、代わりに、コンピューティングデバイス120から分離されてもよく、システム100全体にわたる電力及び/又はデータ信号の送信を容易にするために、1つ以上のそれぞれの有線又は無線経路によって、コンピューティングデバイス120及び/又はシステム100の任意の構成要素に連結されてもよい。例えば、図1に示されていないが、AC電流ドライバ127は、態様のいくつかの例において、コンピューティングデバイス120から分離されてもよく、アンテナ組立体145に連結され、及び/又は1つ以上の対応する経路によって、プロセッサ124及びメモリ126等のコンピューティングデバイス120の1つ以上の構成要素に連結されてもよい。
【0077】
いくつかの態様において、EMNシステム100はまた、複数のコンピューティングデバイス120を含んでもよく、複数のコンピューティングデバイス120は、計画、治療、映像化、及び医療手術に適する方法で臨床医を支援する他の態様のために用いられる。ディスプレイ122は、ディスプレイ122が入力デバイス及び出力デバイスの両方として働くことを可能にする、接触感知式及び/又は音声起動式であってもよい。ディスプレイ122は、施術者が肺疾患の症状を呈する肺の一部分を定位及び識別することを可能にするために、肺の3Dモデル等の、2次元(two-dimensional、2D)画像又は3次元(three-dimensional、3D)画像を表示し得る。
【0078】
1つ以上のメモリ126は、1つ以上のプログラム及び/又はコンピュータ実行可能命令を記憶し、この命令は、1つ以上のプロセッサ124によって実行されたときに、1つ以上のプロセッサ124に様々な機能及び/又は手順を実施させる。例えば、プロセッサ124は、アンテナ組立体145によって放射され、かつEMセンサ112によって受信される電磁信号に基づいて、EMセンサ112の場所及び/又は配向を計算し得る。プロセッサ124はまた、肺の3Dモデルをディスプレイ122上に表示させるように、画像処理機能を実施し得る。プロセッサ124はまた、アンテナ組立体145によって放射される1つ以上の電磁信号を生成し得る。いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス120は、1つ以上のプロセッサ124が他のプログラムに使用可能であるように、画像処理機能のみを実施する別個のグラフィックアクセラレータ(図1に図示せず)を更に含み得る。1つ以上のメモリ126はまた、EMN用のマッピングデータ、画像データ、患者の医療記録データ、処方箋データ、及び/若しくは患者の疾患の履歴に関するデータ、並びに/又は他のタイプのデータ等のデータも記憶する。
【0079】
マッピングデータは、複数のグリッド点を、医療デバイス(例えば、EWC111、LG、治療プローブ、又は別の外科用デバイス)がナビゲートする、EMボリュームの座標系において、グリッド点に対応するEM信号特性(例えば、信号強度)にリンクさせ得る。このようにして、EMセンサ112が特定のグリッド点で一定の特性を有するEM信号を検知したとき、1つ以上のプロセッサ124は、検知されたEM信号特性をマッピングデータ内のEM信号特性と比較し、比較の結果に基づいてEMボリューム内のEMセンサ112の場所及び/又は配向を決定し得る。
【0080】
図1に示されるように、台140は、患者150がEMNナビゲーション手順中に横になる平坦な表面を提供するように構成されている。EM場生成デバイスとも呼ばれ得るアンテナ組立体145は、台140の上に配置されるか、又は台140の構成要素として含められる。アンテナ組立体145は、平面ループアンテナ(図1に図示せず)等の1つ以上のアンテナを含む。アンテナ組立体145の態様の例は、以下で更に詳細に説明される。
【0081】
患者150が台140の上に横たわっている状態で、1つ以上のプロセッサ124(又は図1に示されていない別の信号発生器)は、アンテナが1つ以上のそれぞれのEM信号に変換し、かつ患者150の一部分を囲むために十分な様式で放射する1つ以上のAC電流信号を生成し、AC電流ドライバ127によってアンテナ組立体145のアンテナに提供する。いくつかの態様において、アンテナ組立体145は、少なくとも2つの端子を有するコネクタを含み、アンテナのトレース(図1に図示せず)は、2つの端を有し、2つの端は、2つのコネクタ端子にそれぞれ連結されて、1つ以上のプロセッサ145からアンテナへの信号通信経路を形成する。
【0082】
EMNシステム100の一例を説明しているが、ここで、本開示の実施形態による、EMNシステム100のアンテナ組立体145のアンテナ組立体レイアウト200の一例の図解例示である、図2を参照する。アンテナ組立体レイアウト200は、電気絶縁材料で形成され、かつ1つ以上の層を含み得る、プリント回路基板(PCB)等の基板210を含む。アンテナ組立体レイアウト200はまた、PCBトレース等の導電性材料で形成され、基板210上に堆積され、かつ複数のループに又はコイルとして配置された、複数の平面アンテナ220も含む。一例において、平面アンテナ220の各々は、基板210の層のうちのそれぞれの1つの上に堆積される。図2のアンテナ組立体レイアウト200の一例において、基板210の複数の層が同時に示されている。
【0083】
複数のアンテナの各々は、例えば、プロセッサ124によって、又は別の発生器によって制御される周波数分割多重化及び/又は時分割多重化を使用して、別個のEM場を放射するように構成され得る。例えば、アンテナは、いくつかの態様において、十分な数及び/又は十分な特性の多様性(例えば、周波数、時間、変調方式等)の複数のEM場を放射して、EWC111上、又は任意の他の医療デバイス上に装着された単一コイル電磁センサが、センサ、EWC111、及び/又は医療デバイスの場所及び/又は配向を決定するために使用されることを可能にするように構成されている。アンテナ組立体145は、例えば、6~9つ以上のループアンテナを含み得る。いくつかの実施形態において、ループアンテナの各々について、ループがより大きくなるにつれて、隣接するループ間の距離が増加する。例えば、平面アンテナの各々に関して、隣接するループ対の間のそれぞれの距離は、それぞれの平面アンテナのループのうちの最も内側のループからループのうちの最も外側のループへの方向において増加し得る。様々な実施形態において、アンテナ組立体145のループアンテナのうちの2つ以上は、同数のループを有してもよく、又はそれぞれ異なる数のループを有してもよい。
【0084】
EMNシステム100のアンテナ組立体145のアンテナ組立体レイアウト200の一例を説明しているが、ここで、本開示の実施形態による、アンテナ組立体145等のアンテナ組立体を設計するための手順300の一例を例示するフローチャートである、図3を参照する。様々な実施形態において、手順300は、完全にコンピュータ実装され得るか、又は部分的にコンピュータ実装され得る。また、本開示の実施形態による、手順300の一定のステップの図解例示である、図4図13も参照する。図3の方法300の例は、1つのアンテナを含むアンテナ組立体又は複数のアンテナを含むアンテナ組立体を設計するために実装され得る。例示的目的のために、方法300の本説明は、複数のアンテナを含むアンテナ組立体を設計する文脈で行われることになる。しかしながら、方法300の一定の態様は、複数のアンテナのうちの単一のアンテナの設計に関してのみ説明されることになるが、方法300のそれらの態様は、複数のアンテナのうちの他のアンテナに同様に適用される。
【0085】
手順300の詳細を説明する前に、手順300の概要が提供されることになる。一般に、手順300によると、アンテナ組立体の設計は、設計されるアンテナ組立体のアンテナの数Mを含む設計パラメータ及び/又は制約のセット、並びにアンテナ組立体の各アンテナに関して、アンテナのシード形状、アンテナが製造される基板上のシード形状の重心の場所、アンテナのループの数(N)、アンテナの最小トレース中心間隔(trace center-to-center spacing、TCCM)、及び基板の縁又は境界の寸法に基づく。アンテナのアンテナ頂点の場所は、シード形状に基づいて決定される。アンテナ設計は、次いで、アンテナ頂点を、最も内側の頂点から始まり、かつ最も外側のアンテナ頂点に進む直線状の線形部分によって相互接続することによって進み、その結果、アンテナ全体が複数のループ内に配置された単一トレースを含むコイルを形成する。一態様において、アンテナ組立体の各ループは、シード形状から基板の境界に向かって成長し、シード形状の外側の基板層の利用可能な表面積の大部分を効果的に被覆する。トレースの2つの端は、アンテナが信号発生器に連結されることを可能にするようにコネクタの場所まで配索される。
【0086】
複数の層基板のそれぞれの層の上に複数の平面アンテナを有するアンテナ組立体に関して、この一般的な手順は、アンテナの各々に対して繰り返される。加えて、設計されたアンテナレイアウトに対応するデータは、それぞれのアンテナがそれらの特定の特性に基づいて生成する電磁界をシミュレートするための電磁界シミュレーションツール(例えば、上記のEMNの理論的電磁界マッピング)にエクスポートされ得る。設計されたアンテナレイアウトに対応するデータはまた、アンテナ組立体が、設計されたアンテナレイアウトによって、自動化された様式で製造されることを可能にするPCB製造ツールにもエクスポートされ得る。
【0087】
手順300の詳細を説明する前に、シード形状の例及びそれらの特性を説明するために図4を参照する。具体的には、図4は、手順300によって設計されるアンテナ組立体の9つのシード矩形401~409の例を示す。シード矩形401~409の各々は、基板の縁400内に4つの頂点を含む。図4の例に示されるシード矩形の数、したがってアンテナの数Mは、9つであるが、これは、例示的目的のみのためのものであり、限定として解釈されるべきではない。他の実施形態において、シード形状の数、したがってアンテナの数Mは、例えば、6つ、9つ、又はそれより多くてもよい。一例として、正方形400は、基板の縁を表してもよく、アンテナの配置に利用可能である基板のエリアを表す境界(図4に図示せず)は、基板の縁400内に収容され、かつ所定の閾値又はバッファ量だけ基板の縁400よりも小さい、x-z平面内の正方形から形成されてもよい。
【0088】
別の例において、本明細書のアンテナ組立体は、単一コイルセンサ等の小型電磁センサの複数の自由度(例えば、6自由度)が決定されることを可能にする、互いに異なる幾何学的形状及び/又は相対位置等の特性を有する、単一基板上(例えば、多層基板のそれぞれの層上)の複数の平面アンテナを含む。例えば、図4に示されるように、9つのシード矩形401~409は、3つに群化されてもよく、シード矩形401-403は、第1の群にある。シード矩形404~406は、第2の群にあり、シード矩形407~409は、第3の群にある。図4に示されるように、各群内の3つのシード矩形は、互いに対して特定の地理的関係を有する。例えば、1つのシード矩形は、正方形(又は実質的に正方形様)であり、他の2つのシード矩形は、非正方形の矩形であり、正方形の2つの辺の近くに位置する。例えば、シード矩形401は、正方形であり、シード矩形402は、シード矩形401の長さと列をなして位置し、シード矩形403は、シード矩形401の幅と列をなして位置する。更に、シード矩形402の長さは、正方形401の幅よりも長く、シード矩形401の長さと同様であり、一方でシード矩形402の幅は、正方形401の幅よりも短く、シード矩形403の幅は、正方形401の長さよりも長く、正方形401の幅と同様であり、一方でシード矩形402の長さは、正方形401の長さよりも短い。第2の群のシード矩形404~406及び第3の群のシード矩形407~409もまた、第1の群のシード矩形401~403と同様の幾何学的特徴を有する。
【0089】
言い換えると、シード矩形401~409に基づいて生成され得る複数の平面アンテナ群の各々に関して、第1の平面アンテナ(例えば、シード矩形401に対応する)の最も内側のループは、第1の線形部分(例えば、第1の線形部分410)と、第1の線形部分(例えば、第1の線形部分410)に対して略垂直な第2の線形部分(例えば、第2の線形部分411)を有し、第2の平面アンテナ(例えば、シード矩形402に対応する)の最も内側のループは、第1の線形部分(例えば、第1の線形部分412)と、第1の線形部分(例えば、第1の線形部分412)に対して略垂直、かつそれよりも長い第2の線形部分(例えば、第2の線形部分413)を有し、第3の平面アンテナ(例えば、シード矩形403に対応する)の最も内側のループは、第1の線形部分(例えば、第1の線形部分414)と、第1の線形部分(例えば、第1の線形部分414)に対して略垂直、かつそれよりも長い第2の線形部分(例えば、第2の線形部分415)を有し、第2の平面アンテナの最も内側のループのシード矩形の第1の線形部分(例えば、第1の線形部分412)は、第1の平面アンテナの最も内側のループの第1の線形部分(例えば、第1の線形部分410)に対して略平行であり、第3の平面アンテナの最も内側のループの第1の線形部分(例えば、第1の線形部分414)は、第1の平面アンテナの最も内側のループの第2の線形部分(例えば、第2の線形部分411)に対して略平行である。シード矩形404~409(したがって、対応する平面アンテナ)の第1及び第2の線形部分に関する追加の参照番号は、明瞭性のために図4から省略されているが、第2の群のシード矩形404~406及び第3の群のシード矩形407~409は各々、第1の群のシード矩形401~403の文脈で上に説明されたものと同様、互いに対して同様の幾何学的関係を有する。
【0090】
一態様において、これら3つの群は、基板210内の各群から幾何学的に分散されてもよい。分散は、幾何学的関係及び/又は角度関係によって実現され得る。例えば、各群の平面アンテナのそれぞれの最も内側のループは、多層基板のそれぞれの層上で、互いに異なるそれぞれの角度で位置付けられ得る。加えて、平面アンテナ、及び/又は平面アンテナが基礎付けられるシード矩形は、互いに相互に異なる、基板の平面に対する、それぞれの重心(例えば、図4の円形ドットによって表される)を有し得る。更に、第1の群の外側境界は、第2及び第3の群の全てのシード矩形404~409を含む。また、第2及び第3の群のシード矩形404~409は、第1の群の外側境界内に幾何学的に分散される。
【0091】
更に、各群は、2つの軸(すなわち、x軸及びz軸)に対して角度関係を有する。例えば、第1の群のシード矩形401は、2つの軸と一致しており、一方で第2及び第3の群のシード矩形404及び407は、異なる角度を有する2つの軸に対してそれぞれ角度付けられている。言い換えると、シード矩形401又は第1の群の正方形とx軸との間の最小角度は、ゼロであり、シード矩形404とx軸との間の最小角度は、ゼロよりも大きいが、第3の群のシード矩形407とx軸との間の最小角度よりも小さい。しかしながら、3つの群間の関係は、幾何学的関係及び角度関係に限定されるものではなく、本開示の範囲内で当業者にとって容易に考えられる方式で拡張され得る。
【0092】
シード矩形401~409の各々の4つの頂点は、x-z平面内の座標形態(x、z)で提供され得る。一態様において、シード矩形401~409の各々の重心もまた、座標形態で提供され得るか、又は4つの頂点から計算され得る。分散はまた、基板210内に重心を分散させることによって達成され得る。一態様において、全てのシード矩形401~409の重心は、互いに異なる位置で基板上に配設される。
【0093】
ここで図3を参照すると、ブロック301の前に、設計されるアンテナ組立体の第1のアンテナに関する設計パラメータ及び/又は制約のセット(例えば、アンテナのシード形状、アンテナが製造されることになる基板上のシード形状の重心の場所、アンテナのループの数(N)、アンテナの最小トレース中心間隔(TCCM)、及び基板の縁又は境界の寸法)が設定される(図3に図示せず)。例示的目的のために、各アンテナ関して手順300で利用されるシード形状は、シード矩形であるが、しかしながら、これは限定として解釈されるべきではない。他のシード形状(例えば、シード三角形、シード五角形、シード六角形、任意の凸状多角形、凸状湾曲形状(例えば、楕円、卵形、円等)、又は任意の他の適切なシード形状)が考えられ、手順300で使用され得る。いくつかの実施形態において、異なるシード形状の任意の組み合わせが、アンテナ組立体のアンテナにそれぞれ使用され得る。各シード形状は、複数の頂点を有する。より具体的には、各シード矩形は、4つの頂点を有する。
【0094】
ブロック301において、アンテナインデックスiantennaが初期化される。例えば、iantennaは、設計されるアンテナ組立体の複数(M、ここでM>1)のアンテナのうちの第1のアンテナに対応するように、1に設定される。以下に説明されるように、アンテナインデックスiantennaの目的は、アンテナ組立体が複数のアンテナを含む場合において、手順300が、アンテナ組立体のM個のアンテナの各アンテナに対して繰り返されることを可能にすることである。例えば、いくつかの例において、基板は、複数の層を有し(例えば、多層PCBにおけるように)、方法300は、基板の複数の層のうちの対応する層上に堆積されるアンテナに対応する複数の平面アンテナレイアウトを生成するために採用される。
【0095】
ブロック302において、複数の対角線が、基板の座標系に対して、シード矩形に基づいて算出される。一般に、ブロック302で算出された対角線の数は、シード形状の頂点の数に等しい。具体的には、4つの頂点を有するシード矩形の場合、4つの対角線が算出され、これらは、シード矩形の4つの頂点をそれぞれ二分し、シード矩形の4つの頂点から、それぞれ、基板の境界まで延在する。基板の境界は、PCBの縁等の基板の物理的境界であってもよく、又は所定のバッファ距離によってPCBの縁からオフセットされた境界等の理論的に与えられた境界であってもよい。
【0096】
一例において、ブロック302において実施される複数の対角線の算出の一部として、シード矩形の頂点の各々の対角線の起点が最初に計算され、次いで、アンテナの最も内側のループの頂点(シード頂点とも呼ばれる)が、シード矩形に基づいて決定される。例えば、図5は、図4のシード矩形405に関して計算される起点511及び512を示す。起点511及び512は、シード矩形405の4つの頂点501~504によって境界付けられる。一態様において、1つの起点が、シード矩形の単一の頂点に対応してもよく、又は1つの起点が、2つの隣接する頂点に対応してもよい。別の態様において、起点511及び512は、シード矩形の対角線、又は2つの45度の角度を形成するように対応する角度を二分する対角線上に位置し得る。この場合において、対角線は、ループアンテナの頂点の場所を画定する。一例として、起点511は、頂点501で90度の角度を二分して2つの45度の角度を形成する、対角線上に位置する。また図5に示されるように、起点511は、頂点501及び502における角度を二分する、対角線の交点上に位置する。同様に、起点512は、頂点503及び504における角度を二分する、対角線の交点に位置する。一例において、シード矩形の各頂点の対角線の起点は、特異値分解を利用して、4つの頂点501~504の座標にわたって主成分分析(principal component analysis、PCA)を実施することによって計算され得る。本明細書では、
jkは、j番目のループのk番目の頂点を表し、jは、1~Nであり、kは、1~4であり、
jkx及びPjkzは、それぞれ、頂点Pjkのx座標及びz座標を表し、
{Pj1、Pj2、Pj3、Pj4}又は単に{Pjk}は、j番目のループの4つの頂点Pj1、Pj2、Pj3、Pj4をその行として有する4×2の行列であり、
Uは、{Pjk}{Pjkの正規直交の固有ベクトルをその列として有する4×4の行列を表し、
Vは、{Pjk{Pjk}の正規直交の固有ベクトルをその列として有する2×2の行列を表し、
Sは、4×2の行列を表し、その非ゼロ要素は、その対角のみに位置し、{Pjk}{Pjk又は{Pjk{Pjk}の固有値の平方根であり、かつ
【数1】


は、4×2の行列を表し、その非ゼロ要素は、その対角のみに位置し、Sの最小非ゼロ要素に等しい。
【0097】
所与のi番目のシード矩形の4つの頂点R(Rkx、Rkz)によると、i番目のシード矩形の重心C(C、C)が、次式のように計算される:
【数2】


重心を減算された4つの頂点R上で特異値分解を実施することによって、S、V、及びDの行列が、次式のように得られる:
【数3】

式中、{R-C}は、4×2の行列であり、{R-C}の各行は、重心を減算された頂点(Rkx-C、Rkz-C)であり、kは、1~4である。
【0098】
Sは、対角、すなわち、S11及びS22のみに非ゼロ要素を有する4×2の行列である。特異値分解に基づいて、S11は、S22以上である。S22の値をS11の値で置換することによって、新たな4×2の対角行列
【数4】


を得ることができ、ここで
【数5】


は、S22に等しい。次いで、各頂点の起点Oは、次式によって得られ得る。
【数6】


【数7】


の対角成分がSの対角成分の最小値であるため、{O}は、図5に示されるように、i番目のシード矩形内において、起点511及び512に対応する2つの異なる行のみを含む。
【0099】
起点511及び512を取得した後、i番目のシード矩形内の第1の4つのシード頂点P1kのセットが決定される。これらの第1の4つのシード頂点P1kは、それぞれのアンテナの最も内側のループのシード頂点であり、そのアンテナの他の頂点を決定するために使用され得る。
【0100】
特定のアンテナの、又は特定のアンテナ組立体の全てのアンテナのトレース又はループ間の所定の最長距離を表す、所与の最小トレース中心(TCCM)間隔によると、第1のシード頂点P11は、Rを、Rにおける90度の角度を二分するその対応する対角に、i番目のシード矩形の内側に向けて移動させることによって決定される。これは、次式のように、Rから2つのベクトルを最初に画定することによって行われ得る:
【数8】


式中、
【数9】


は、それぞれの起点OからRの方を指すベクトルであり、
【数10】


は、RからRの方を指すベクトルであり、
【数11】


は、RからRの方を指すベクトルである。
【数12】


の単位ベクトルを、
【数13】


に加算することによって、Rにおける90度の角度を二分して2つの45度の角度を形成する、それぞれの対角線と列をなす方向を有するベクトルが得られ、記号
【数14】


は、記号
【数15】


の内側のベクトルの大きさを表す。次いで、第1のシード頂点P11が、次の方程式によって得られる:
【数16】


式中、
【数17】


は、それぞれの起点Oに由来するベクトルであり、したがってP11の座標を表す。図6は、R、R、及びRに一致する、アンテナの他の3つのシード頂点P12、P13、及びP14を例示する。P1kとi番目のシード矩形の4辺との間の最小距離は、TCCMに等しい。図7は、ベクトルDiag、Diag、Diag、及びDiagを示しており、これらは、シード頂点P11、P12、P13、及びP14を二分し、かつそれぞれのシード頂点P11、P12、P13、及びP14から基板の境界まで延在する、対角線のそれぞれの部分を形成し得る。
【0101】
再び図3を参照すると、ブロック303において、対角線インデックスidiagonalが初期化される。例えば、idiagonalは、シード矩形の4つの対角線の第1の対角線に対応するように、1に設定される。以下に説明されるように、対角線インデックスidiagonalの目的は、手順の態様が、シード矩形の対角線の各々に対して繰り返されることを可能にすることである。
【0102】
ブロック304において、それぞれの対角線に関して、それぞれの対角線に沿った、シード矩形のそれぞれの頂点と基板の境界との間の頂点レイアウト距離(本明細書ではレイアウト距離とも呼ばれる)Vlayout_kが算出される。レイアウト距離は、シード矩形のそれぞれの頂点と基板の境界との間の最大使用可能距離を表し得るか、又はこれに関連し得る。
【0103】
実施形態のいくつかの例において、ブロック304におけるレイアウト距離の算出の一部として、起点Oと基板の境界との間のそれぞれの交点Tは、例えば、図9に示されるように、それぞれの対角線
【数18】


が起点Oから突出したときに、計算及び識別される。交点Tは、複数の従来の手法を使用して見出され得る。交点Tが見出されたとき、次式の関係が満たされる:
【数19】


式中、
【数20】


は、起点Oから交点Tまでのベクトルである。言い換えると、ベクトル
【数21】


は、対角ベクトル
【数22】


と同一方向を有する。
【0104】
第1のループの4つの頂点P11、P12、P13、及びP14、並びに識別された交点T、T、T、及びTを用いて、頂点レイアウト距離Vlayout_kが次の方程式から計算され得る:
【数23】


減算項
【数24】


は、N番目のループの最後の頂点PNkが交点Tから離れていることを確実にする。言い換えると、P1kから始まるVlayout_kの長さの線形部分のみが、P1kとTとの間に(N-1)頂点を分布させるために使用される。
【0105】
交点Tが識別された後、ループアンテナの全ての頂点が決定され得る。初期条件の1つが、ループアンテナのループの数がNであり、第1のループの4つの頂点P11、P12、P13、及びP14がステップ330で決定されることであるため、第2、第3、...、及びN番目のループの各々の4つの頂点は、再帰的に決定される。具体的には、ブロック305において、それぞれの対角線に関して、それぞれの対角線に沿って位置付けられる、隣接する平面アンテナ頂点対の間のそれぞれの距離は、ブロック304で算出されたレイアウト距離に少なくとも部分的に基づいて決定される。例えば、それぞれの対角線に沿って位置付けられる、隣接する平面アンテナ頂点対の間のそれぞれの距離は、アンテナの所定の数Nのループに適合し、一方でシード矩形の頂点から基板の境界までの利用可能な直線距離の使用を最大にするように決定され得る。このようにして、基板の利用可能なエリアは、効率的に利用され得る。加えて、態様のいくつかの例において、それぞれの平面アンテナの平面アンテナ頂点の最も外側の平面アンテナ頂点は、利用可能な基板エリアの効率的な利用のために、基板の境界から所定の閾値以下だけ離れている。
【0106】
いくつかの例において、それぞれの距離は、平面アンテナの所定の数Nのループ、隣接する頂点間の所定の最小間隔、隣接するトレース間の所定の最小間隔、及び/又はそれらの因子又は他の因子のうちの1つ以上の任意の組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、ブロック305で決定される。具体的には、一例において、頂点は、4つの群に群化され、各群は、矩形形状を形成し、同群の頂点は、対応する頂点として説明される。例えば、第1の群は、P11、P21、...、及びPN1を含み、第2の群は、P12、P22、...、及びPN2を含み、第3の群は、P13、P23、...、及びPN3を含み、第4の群は、P14、P24、...、及びPN4を含む。したがって、P3k及びPNkは、同じk番目の群にあり、かつ対応する頂点であり、一方でP33及びP42は、同群ではなく、対応する頂点ではない。各群に関して、PjkとP(j+1)kとの間の距離は、P(j-1)kとPjkとの間の距離よりも大きく設定され、jは、2~N-1であり、kは、1~4である。言い換えると、2つの隣接する対応する頂点間の距離は、基板の境界に向かって増加する。言い換えると、一例において、図10に例示されるように、隣接するアンテナ頂点対の間の距離は、頂点のうちの最も内側の頂点から頂点のうちの最も外側の頂点への方向において漸増的に大きくなる。シード矩形のそれぞれの頂点から境界への方向において漸増的に増加する距離は、等差数列、等比数列、指数的漸化式、及び/又は同様のもの等の様々な方法によって実装され得る。
【0107】
例えば、等差数列が、各群内の残りの頂点を分布させるために採用され得る。djkを、k番目の群のPjkとP(j+1)kとの間の距離とし、次のように再帰的形態で表現する:
【数25】


式中、
【数26】


は、頂点Pjkとp(j+1)kとの間の距離を表し、slopeは、k番目の群の定数であり、これは、2つの距離djkとd(j+1)kとの間の公差であり、jは、1~(N-2)である。したがって、k番目の群の各頂点は、T及びP1kを接続する線形部分上に位置付けられ、PNkとP1kとの間の全長は、頂点レイアウト距離Vlayout_k以下である。TとPNkとの間の最小トレース中心(TCCM)間隔の半分の追加の禁止エリアを作製するために、次の方程式が満たされ得る:
【数27】


方程式(20)が定数slopeについて解かれるとき、次の方程式が得られ得る:
【数28】


方程式(20)が、方程式(16)及び(17)と組み合わせられたとき、次の方程式が得られる:
【数29】


このように、2つの隣接する対応する頂点PjkとP(j+1)kとの間の距離は、jが増加するにつれて増加する。対応する頂点間のこの漸増的パターンは、第2及び第3の群よりも第1及び第4の群でより明確に図10に示されている。
【0108】
ブロック306において、平面アンテナ頂点は、ブロック305で決定された隣接する平面アンテナ頂点対の間のそれぞれの距離に基づいて、それぞれの対角線に沿って位置付けられる。
【0109】
ブロック307において、対角線インデックスidiagonalが、シード矩形の対角線の数、すなわち4と比較されて、ブロック305及びブロック306の手順がそれぞれのアンテナの追加の対角線に対して繰り返されるか否かを決定する。ブロック307において、idiagonalが、対角線の数未満であると決定された場合、ブロック308において、idiagonalは、シード矩形の4つの対角線の次の対角線(例えば、第2の対角線)に対応するように1ずつ増分される。次に、ブロック305及びブロック306の手順が、上記の様式で次の対角線に対して繰り返される。
【0110】
一方で、ブロック307において、idiagonalが対角線の数に等しいと決定された場合、ブロック305及びブロック306の手順がシード矩形の4つの対角線の各々に対して実行されたことを示し、次いで、ブロック309において、最小頂点間距離(minimum vertex to vertex distance、VVM)が計算されて、頂点が線の線形部分又は区分によって接続されたときに、2つの隣接する対応する線形部分間の最小距離がTCCMよりも大きいことを確認し、「2つの隣接する対応する線形部分」のフレーズは、異なるループ内に位置付けられるが、任意の他の線形部分よりも互いに近く位置する線形部分を指すために使用される。これは、対角ベクトル
【数30】


を画定し、一時的な頂点P’21及びP’22を設定し、一時的な頂点P’21及びP’22を接続する線形部分とP11及びP12を接続する線形部分との間の距離を測定し、最小距離がTCCMよりも大きくなるまでVVMの値を調整することによって行われる。このステップの詳細は、以下に更に説明される。
【0111】
対角ベクトル
【数31】


は、次式のように画定される:
【数32】


式中、kは、1~4である。これらの対角ベクトル
【数33】


が原点(0,0)に配置されたとき、それらは、図7の中央に示されるように、4つの90度の角度を形成することを示す十字を形成する。
【0112】
一時的な距離Dp2to5が、TCCMの値として初期化される。ベクトル
【数34】


は、次式によって画定される:
【数35】


一時的な頂点P’22は、次式のようなベクトル形態で画定される。
【数36】


式中、記号「・」は、2つのベクトル間の内積である。要するに、一時的な頂点P’22は、i番目のシード矩形の外側に向かう対角
【数37】


の方向において
【数38】


だけP12から離れている。次に、VVMは、次の方程式で一時的に初期化される:
【数39】


一時的な頂点P’21は、次式のようなベクトル形態で画定される:
【数40】


P’22と同様に、一時的な頂点P’21は、i番目のシード矩形の外側に向かう対角
【数41】


の方向において
【数42】


だけP11から離れている。
【0113】
図8に示されるように、一時的な頂点P’21及びP’22を接続する線形部分と、P11及びP12間の線形部分との間の距離が計算される。一時的な頂点P’21及びP’22を接続する線形部分、並びにP11及びP12間の線形部分が平行ではなくてもよいため、2つの線形部分の間に複数の距離が存在する。ブロック309において、2つの線形部分間の複数の距離のうちの最小距離DがTCCM以下であるか否かの決定が行われる。ブロック309において、複数の距離のうちの最小距離DがTCCM以下であると決定された場合、次にブロック311において、一時的な距離Dp2to5が所定の量だけ増加され、最小距離DがTCCMよりも大きくなるまで(9)~(13)を使用することを含む、ブロック302~309の上記の手順が繰り返される。VVMの最終結果は、頂点間最小値の値として設定される。
【0114】
一方、ブロック309において、複数の距離のうちの最小距離DがTCCMよりも大きいと決定された場合、次にブロック312において、平面アンテナレイアウトが、それぞれの直線状の線形部分を経由して平面アンテナ頂点を相互接続して、それぞれの平面アンテナの複数の対角線の各々を順次横断する複数のループ(例えば、N個のループ)を形成することによって生成される。ループの各々は、複数の直線状の線形部分及び複数の平面アンテナ頂点を含み、すなわち、シード形状がシード矩形である場合、4つの直線状の線形部分及び4つの平面アンテナ頂点を含む。例えば、図11に示されるループアンテナ等の各ループアンテナの第1のループは、4つの頂点(すなわち、P11、P12、P13、及びP14)、及び4つの線形部分(すなわち、P11及びP12を接続するL11、P12及びP13を接続するL12、P13及びP14を接続するL13、並びにP14及びP21を接続するL14)を含み、...(N-1)番目のループは、4つの頂点(すなわち、P(N-1)1、P(N-1)2、P(N-1)3、及びP(N-1)4)、及び4つの線形部分(すなわち、P(N-1)1及びP(N-1)2間を接続するL(N-1)1、P(N-1)2及びP(N-1)3を接続するL(N-1)2、P(N-1)3及びP(N-1)4を接続するL(N-1)3、並びにP(N-1)4及びPN1を接続するL(N-1)4)(明瞭性のため、図11では符号付けされていない)を含み、そして、N番目のループは、4つの頂点(すなわち、PN1、PN2、PN3、及びPN4)、及び3つの線形部分(すなわち、PN1及びPN2を接続するLN1、PN2及びPN3を接続するLN2、並びにPN3及びPN4を接続するLN3)を含む。図11は、手順300によって設計される、複数のループを含むループアンテナの設計を示す。
【0115】
ブロック313において、複数の追加の直線状の線形部分が、平面アンテナ頂点のうちの少なくとも2つから(具体的には、それぞれ、直線平面アンテナレイアウトの2つの端に位置する2つの端子アンテナ頂点から)、基板の座標系に対する1つ以上のコネクタの場所まで配索される。複数の追加の直線状の線形部分は、平面アンテナレイアウトに追加される。多層基板のそれぞれの層上に配置される複数の平面アンテナを含むアンテナ組立体を設計するために手順300が採用される実施形態において、平面アンテナレイアウトは、単一のコネクタの場所までか、各アンテナに対応する別個のコネクタの場所までか、又はコネクタの任意の組み合わせまで配索され得る。
【0116】
ブロック314において、アンテナインデックスiantennaは、ブロック302~ブロック313の手順がアンテナ組立体の追加のアンテナに対して繰り返されるか否かを決定するために、アンテナ組立体のアンテナの数Mと比較される。ブロック314において、iantennaがアンテナの数Mよりも小さいと決定された場合、次にブロック315において、iantennaがアンテナ組立体のM個のアンテナのうちの次のアンテナ(例えば、第2のアンテナ)に対応するように1ずつ増分される。次に、ブロック302~ブロック313の手順が、上記の様式でその次のアンテナに対して繰り返される。図12は、手順300によって設計され得る6つのループアンテナの設計を示す。
【0117】
一方、ブロック314において、iantennaがアンテナの数Mに等しいと決定された場合、ブロック302~ブロック313の手順がアンテナ組立体のM個のアンテナの各々に対して実行されたことを示し、次いで、いくつかの実施形態で任意選択であり得るブロック316において、生成された平面アンテナレイアウトに対応するデータが、回路基板配索ツール、回路基板製造ツール、及び/又は電磁シミュレーションツールにエクスポートされる。
【0118】
一例において、生成された平面アンテナレイアウトに対応するデータを、ブロック316で電磁シミュレーションツールにエクスポートすることによって、アンテナ組立体のアンテナによって生成され得る1つ以上の電磁界は、それぞれ、エクスポートされたデータ、及び平面アンテナレイアウトの複数の直線状の線形部分の各々からの複数の電磁界構成要素の重畳に基づいてシミュレートされ得る。例えば、シード形状に基づく各ループは、デカルト方程式又はパラメタリック方程式等の明確な数学的方程式によって表現されることができ、それにより、各ループによって生成されたEM場の強度は、数学的方程式に基づく空間内の任意の点でビオ-サヴァール-ラプラスの法則によって計算され得る。言い換えると、アンテナ組立体の幾何学的及び他の態様(アンテナ組立体のアンテナ内の相互接続としての直線状の線形部分の使用等)により、詳細な電磁界マッピングを生成及び採用する必要性は、代わりに、電磁界マッピングが、アンテナ組立体の特性に基づいて理論的に算出されることを可能にすることによって回避され得る。算出された電磁界マッピングは、次いで、単独又は測定から得られたより容易に生成された低密度電磁界マッピングと併せて採用され得る。言い換えると、手順300によって設計されたアンテナ組立体は、高価な測定設備を使用する必要なく、そして、時間がかかり、かつ労力がかかる測定を実施する必要なく、EMN用の正確な高密度の理論的電磁界マッピングを生成する基盤として機能することができる。
【0119】
本明細書の説明から明らかであるように、手順300によると、アンテナ組立体は、少数の設計パラメータ及び/又は制約、例えば、シード形状、ループの数、TCCM、及び/又は同様のものに基づいて、効率的かつ繰り返し可能な様式で設計され得る。設計されたアンテナ組立体のアンテナの各々は、それぞれの基板層上に印刷、堆積、又は製作されることができ、図1のEMNシステム100のEM場発生器145として使用され得る。更に、ループアンテナを構築するために直線状の線形部分を採用することにより、各線形部分によって生成された電磁界は、EMボリューム内の任意の点でビオ-サヴァール-ラプラスの法則を使用して、理論的かつ正確に計算され得る。
【0120】
図13は、図3の方法300によって設計されたループアンテナレイアウトの図解例示を示す。全ての頂点を接続した後、追加のレイアウトが、トレース長さ及び配索配向性に関連した定位置に少数の設計規則に基づいて自動的に生成され得る。これらの規則は、PCBソフトウェアプログラム又は設計要件に特有であり得る。一態様において、方法300によって行われたアンテナ設計は、2次元DXF(Drawing eXchange
Format)CADファイルに変換されてもよく、これは、次いで、Altium PCBレイアウトソフトウェアにインポートされる。PCBレイアウトソフトウェアは、Altium PCBレイアウトソフトウェアに限定されるものではなく、当業者が容易に理解及び使用することができる任意のソフトウェアとすることができる。
【0121】
ソフトウェアの設計規則又は設計要件に基づいて、頂点P11及びPN4は、それぞれ、ループアンテナの少なくとも2つの導体1301a、1301bを含むコネクタ1301に電気的に連結され、ループアンテナの完全な図面が完成する。
【0122】
アンテナ組立体の設計が完了すると、アンテナは、図13に示されるように、基板上に導電性材料(例えば、銀又は銅)を堆積させることによって、アンテナ組立体設計に基づいて製作される。基板上に印刷されたアンテナは、ループ間の構造的及び/又は幾何学的関係を含み、これらは、以下に詳細に説明される。
【0123】
態様の一例において、ループアンテナの頂点は、4つの群に群化され得る。頂点の第1の群は、P11、P21、...、及びPN1を含み、頂点の第2の群は、P12、P22、...、PN2を含み、頂点の第3の群は、P13、P23、...、PN3を含み、頂点の第4の群は、P14、P24、...、PN4を含む。Vlayout_kが各群に関して異なるため、1つの頂点群は、他の頂点群よりも密に分布され得る。図13に示されるように、第4の群の頂点は、他の群の頂点よりも緩く分布され、第2又は第3の群の頂点は、第1及び第4の群の頂点よりも密に分布されている。
【0124】
別の態様において、2つの対応する線形部分(例えば、Ljk及びL(j+1)k)間の最小距離は、jが増加するにつれて増加する。言い換えると、2つの隣接する対応する線形部分間の距離は、最も内側の線形部分から対応する最も外側の線形部分への方向において増加する。ループと頂点との間のこの構造的及び/又は幾何学的関係に基づいて、ループアンテナは、かかる関係を維持しながら、可能な限り基板を被覆し得る。
【0125】
一実施形態において、頂点を線形部分と接続した後、別の安全対策が、全ての要件がアンテナ設計において満たされていることを確認するために採用され得る。例えば、2つの隣接する対応する線形部分間の最短距離が、再び計算され得る。最短距離がTCCM以下である、任意の2つの隣接する対応する線形部分が存在する場合において、手順300は、異なる最小頂点間距離VVMを用いて繰り返され得る。
【0126】
一態様において、設計手順300は、インダクタンスがアンテナ幾何学的形状に少なくとも部分的に基づいて画定されるため、各ループアンテナの実質的に同一のインダクタンスを維持することを可能にし得る。ループアンテナの抵抗は、各層上の銅厚さと共に変化し得る。したがって、アンテナ組立体が意図された銅厚さを維持することを確実にするために、2つの追加の層(頂部上の一方の層、及び底部上の他方の層)が追加される。これらの追加層により、ビアのメッキ処理は、内部層上のアンテナ層に銅を追加しない。したがって、銅厚さは、使用されるコア材料、及び最初に選択された銅重量のみに依存し得る。別の態様において、PCB設計は、直列抵抗を最小化し、各電流経路の堅牢性を向上させるために、各通電経路のための単一ビアを含み得る。より多くのビアを有することによって、抵抗は、アンテナ幾何学的形状及び制御された銅厚さに基づいて、高精度で予測され、自動的に計算され得る。
【0127】
ここで図14を参照すると、EMNシステム100、制御ワークステーション102、追跡デバイス160、及び/又は図3の手順300を実施するコンピュータとして使用され得る、コンピューティングデバイス1400のブロック図が示されている。コンピューティングデバイス1400は、メモリ1402、プロセッサ1404、ディスプレイ1406、ネットワークインターフェースコントローラ1408、入力デバイス1410、及び/又は出力モジュール1412の各々のうちの1つ以上を含み得る。
【0128】
メモリ1402は、プロセッサ1404によって実行可能であり、コンピューティングデバイス1400の動作を制御するデータ及び/又はソフトウェアを記憶する任意の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。一実施形態において、メモリ1402としては、フラッシュメモリチップ等の1つ以上のソリッドステート記憶デバイスを挙げることができる。代替的に、又は、1つ以上のソリッドステート記憶デバイスに加えて、メモリ1402としては、大容量記憶制御デバイス(図14に図示せず)及び通信バス(図14に図示せず)を介してプロセッサ1404に接続された1つ以上の大容量記憶デバイスを挙げることができる。本明細書に含まれるコンピュータ可読媒体の説明はソリッドステートストレージを指すが、当業者は、コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサ1404がアクセスすることができる任意の利用可能な媒体とすることができることを理解するであろう。すなわち、コンピュータ可読記憶媒体の例としては、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータなどの情報の記憶のために任意の方法又は技術で実行される非一時的、揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不能媒体が挙げられる。例えば、コンピュータ可読記憶媒体としては、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のソリッドステートメモリ技術、CD-ROM、DVD、Blu-Ray又は他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、又は、他の磁気記憶装置、又は、所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピューティングデバイス1400がアクセスすることができる任意の他の媒体を挙げることができる。
【0129】
メモリ1402は、アプリケーション1416及び/又はデータ1414を記憶し得る。アプリケーション1416は、プロセッサ1404によって実行されたとき、ディスプレイ1406に、ユーザインターフェース1418をディスプレイ1406上に提示させ得る。
【0130】
プロセッサ1404は、汎用プロセッサ、汎用プロセッサが他のタスクを実施することを解放しながら特定のグラフィック処理タスクを実施するように構成された特殊グラフィックスプロセッサ(graphic processing unit、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate
array、FPGA)若しくは複合プログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device、CPLD)等のプログラマブルロジックデバイス、及び/又は独立して若しくは協調して動作するように構成された、かかるプロセッサ若しくはデバイスの任意の数若しくは組み合わせとすることができる。
【0131】
ディスプレイ1406は、ディスプレイ1406が入力及び出力デバイスの両方として働くことを可能にする、接触感知式及び/又は音声起動式であってもよい。代替的に、キーボード(図示せず)、マウス(図示せず)、又は他のデータ入力デバイスを用いることができる。
【0132】
ネットワークインターフェース1408は、有線ネットワーク及び/又は無線ネットワークを含むローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、広域ネットワーク(wide area network、WAN)、無線携帯電話ネットワーク、ブルートゥース(登録商標)ネットワーク、及び/又はインターネット等のネットワークに接続するように構成され得る。例えば、コンピューティングデバイス1400は、設計要件及び所定の変数を受信し、アンテナ組立体を設計するために図3の手順300を実施し得る。コンピューティングデバイス1400は、そのソフトウェア、例えば、アプリケーション1416に対する更新を、ネットワークインターフェースコントローラ1408を介して、受信し得る。コンピューティングデバイス1400はまた、ソフトウェアの更新が入手可能であるという通知をディスプレイ1406上に表示し得る。
【0133】
別の態様において、コンピューティングデバイス1400は、手術計画中の使用のためのサーバ、例えば、病院のサーバ、インターネットサーバ、又は他の同様のサーバから患者のコンピュータ断層撮影(CT)画像データを受信し得る。患者のCT画像データはまた、取り外し可能メモリ(図14に図示せず)を介してコンピューティングデバイス1400に提供されてもよい。
【0134】
入力デバイス1410は、例えば、マウス、キーボード、フットペダル、タッチスクリーン、及び/又は音声インターフェース等の、ユーザがコンピューティングデバイス1400と対話することができる任意のデバイスであり得る。
【0135】
出力モジュール1412としては、例えば、パラレルポート、シリアルポート、ユニバーサルシリアルバス(universal serial buss、USB)、又は当業者に知られている任意の他の同様の接続ポート等の任意の接続ポート又はバスを挙げることができる。
【0136】
アプリケーション1416は、メモリ1402内に記憶され、コンピューティングデバイス1400のプロセッサ1404によって実行される1つ以上のソフトウェアプログラムであり得る。ループアンテナの設計段階中、アプリケーション1416内の1つ以上のソフトウェアプログラムは、メモリ1402からロードされ、プロセッサ1404によって実行されて、ループアンテナを自動的に設計し、シード形状情報、各ループアンテナ内のループの数、及び/又は同様のもの等の、一定のパラメータ及び/又は制約を与えられる。いくつかの実施形態において、計画段階中、アプリケーション1416内の1つ以上のプログラムは、標的、標的のサイズ、治療ゾーンのサイズを識別する、及び/又はナビゲーション又は手技段階中の後の使用のための標的へのアクセス経路を決定するように、一連のステップを通して臨床医をガイドする。いくつかの他の実施形態において、アプリケーション1416内の1つ以上のソフトウェアプログラムは、手術室又は外科手技が実施される他の施設内のコンピューティングデバイス上にロードされ得、外科手技を実施する臨床医をガイドするために計画又はマップとして使用されるが、医療デバイスが計画に関連して位置する場所を示すために手技で使用される医療デバイスからのいかなるフィードバックも伴わない。
【0137】
アプリケーション1416は、コンピューティングデバイス1400上に直接設置されてもよいし、別のコンピュータ、例えば、中央サーバ上に設置されて、ネットワークインターフェース1408を介してコンピューティングデバイス1400上で開かれてもよい。アプリケーション1416は、ウェブベースのアプリケーションとして、又は当業者に既知の任意の他の形式で、コンピューティングデバイス1400上でネイティブに動作し得る。いくつかの実施形態において、アプリケーション1416は、本開示に説明される特徴及び機能の全てを有する単一のソフトウェアプログラムであることになる。他の実施形態において、アプリケーション1416は、これらの特徴及び機能の様々な部分を提供する2つ以上の別個のソフトウェアプログラムであり得る。例えば、アプリケーション1416は、ループアンテナを自動的に設計するための1つのソフトウェアプログラム、設計をCADファイルに変換するための別のソフトウェアプログラム、及びPCBレイアウトソフトウェアプログラムのための第3のプログラムを含み得る。かかる例において、アプリケーション1416の一部を形成する様々なソフトウェアプログラムは、互いに通信すること、並びに/又はループアンテナの設計に関連する設定及びパラメータを含む様々なデータをインポート及びエクスポートすることを可能にされ得る。例えば、1つのソフトウェアプログラムによって生成されたループアンテナの設計は、CADファイルに変換するために第2のソフトウェアプログラムによって使用されるように記憶及びエクスポートされてもよく、変換されたファイルはまた、ループアンテナの図面を完成させるために、PCBレイアウトソフトウェアプログラムによって使用されるように記憶及びエクスポートされてもよい。
【0138】
アプリケーション1416は、ユーザインターフェース1418と通信し得、これは、例えば、ディスプレイ1406上でユーザに視覚対話型特徴を提示するため、及び、例えば、ユーザ入力デバイスを介して、ユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースを生成する。例えば、ユーザインターフェース1418は、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)を生成し、GUIをユーザによる閲覧のためにディスプレイ1406に出力し得る。
【0139】
コンピューティングデバイス1400が、EMNシステム100、制御ワークステーション102、又は追跡デバイス160として使用され得る場合において、コンピューティングデバイス1400は、監視デバイス130にリンクされ得、したがって、コンピューティングデバイス1400が、ディスプレイ1406上の出力と共に、監視デバイス130上の出力を制御することを可能にする。コンピューティングデバイス1400は、ディスプレイ1406上に表示された出力と同一又は同様である出力を表示するように監視デバイス130を制御し得る。例えば、ディスプレイ1406上の出力は、監視デバイス130上にミラーリングされ得る。代替的に、コンピューティングデバイス1400は、ディスプレイ1406上に表示された出力とは異なる出力を表示するように監視デバイス130を制御し得る。例えば、監視デバイス130は、外科手技中にガイダンスの画像及び情報を表示するように制御され得るが、一方でディスプレイ1406は、電気外科発電機(図1に図示せず)の構成又はステータス情報等の他の出力を表示するように制御される。
【0140】
例えば、アプリケーション1416は、計画段階中の使用のための1つのソフトウェアプログラム、及びナビゲーション又は手技段階中の使用のための第2のソフトウェアプログラムを含み得る。かかる事例において、アプリケーション1416の一部を形成する様々なソフトウェアプログラムは、互いに通信すること、かつ/又は情報を共有するために、ナビゲーション及び治療並びに/若しくは患者に関連する様々な設定及びパラメータをインポート及びエクスポートすることを可能にし得る。例えば、計画段階中に1つのソフトウェアプログラムによって生成された治療計画及びその構成要素のうちのいずれかを記憶し、手技段階中に第2のソフトウェアプログラムによって使用されるようにエクスポートすることができる。
【0141】
例示及び説明のための添付の図面を参照して実施形態が詳細に説明されてきたが、本発明のプロセス及び装置が限定されるものと解釈すべきではないことを理解されたい。本開示の範囲から逸脱することなく上述の実施形態に対する様々な修正が行われ得ることは当業者には明白であろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14