(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】LIDAR測定システム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/486 20200101AFI20220517BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20220517BHJP
【FI】
G01S7/486
G01C3/06 120Q
G01C3/06 140
(21)【出願番号】P 2020552103
(86)(22)【出願日】2018-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2018081598
(87)【国際公開番号】W WO2019115151
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】102017222970.5
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520208100
【氏名又は名称】イベオ オートモーティヴ システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Ibeo Automotive Systems GmbH
【住所又は居所原語表記】Merkurring 60-62, 22143 Hamburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ボイシェル
(72)【発明者】
【氏名】ライナー キーゼル
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-188808(JP,A)
【文献】特開2015-227781(JP,A)
【文献】特開2009-192499(JP,A)
【文献】国際公開第2014/207983(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0178991(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03168641(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48 - 7/51
G01S 17/00 -17/95
G01C 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LIDAR送信ユニット(14)及びLIDAR受信ユニット(12)を有する、焦点面アレイ配置で構成されるLIDAR測定システム(10)であって、
前記LIDAR受信ユニット(12)が複数のセンサ素子(26)を有し、
前記LIDAR送信ユニット(14)が複数のエミッタ素子(22)を有し、
複数のセンサ素子(26)がマクロ・セル(1、2、3、4)を形成し、前記マクロ・セル(1、2、3、4)が単一のエミッタ素子(22)と関連付けられ、
二つの隣接するエミッタ素子(22)の間の距離(D)は、二つの隣接するセンサ素子(26)の間の距離(d)の整数倍と一致しない、
ことを特徴とする、LIDAR測定システム(10)。
【請求項2】
前記エミッタ素子(22)及び前記マクロ・セル(1、2、3、4)がそれぞれ、ある種の行-列配置で離隔して配置され、
前記センサ素子(26)が同様にある種の行-列配置で配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のLIDAR測定システム(10)。
【請求項3】
前記エミッタ素子(22)及び前記マクロ・セル(1、2、3、4)がそれぞれ、ある種の行-列配置で離隔して配置され、
前記センサ素子(26)が同様にある種の行-列配置で配置される、
ことを特徴とし、
複数の隣接するマクロ・セル(1、2、3、4)のうちでセンサ素子(26)の共通する行の数は、関連するエミッタ素子(22)の整数倍と一致しない、
ことを特徴とする請求項
1に記載のLIDAR測定システム(10)。
【請求項4】
多数の行のN個のエミッタ素子(22)及び多数の行の関連するN個のマクロ・セル(1、2、3、4)が存在する場合、前記N個のマクロ・セル(1、2、3、4)のセンサ素子(26)の行の数が、(m・N)+kによって決定され、
ここで、mが
自然数であり、kが1とN-1の間の整数である、
ことを特徴とする請求項
3に記載のLIDAR測定システム(10)。
【請求項5】
奇数番目の隣接するセンサ素子(26)がオフセットを有し、偶数番目の隣接するセンサ素子(26)がオフセットを有さない、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のLIDAR測定システム(10)。
【請求項6】
列方向に隣接するセンサ素子(26)が行方向のオフセットを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のLIDAR測定システム(10)。
【請求項7】
行方向に隣接するセンサ素子(26)が列方向に配向されたオフセットを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のLIDAR測定システム(10)。
【請求項8】
前記LIDAR送信ユニット(14)のエミッタ素子(22)の列及び前記LIDAR
受信ユニット(12)のセンサ素子(26)の列が、互いに平行になるように、或いは互いに対して角度αを有するように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のLIDAR測定システム(10)。
【請求項9】
前記角度αが0°から45°の間であり、2°から10°の間であることが好ましい、
ことを特徴とする請求項8に記載のLIDAR測定システム(10)。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のLIDAR測定システム(10)に
用いられるLIDAR受信ユニット(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LIDAR受信ユニットを有するLIDAR測定システムに関する。
【発明の概要】
【0002】
LIDAR測定システムはWO 2017 081 294で知られている。このLIDAR測定システムは、特に、送信ユニット、送信光学系、受信光学系及び受信ユニットを有している。レーザ光は、送信ユニットの一つ又は複数のエミッタ素子から出射され、送信光学系を介して異なる空間方向に散乱する。その後、レーザ光は対象物で反射され、受信光学系を介して受信ユニットへ導かれる。入射する反射レーザ光はセンサ素子によって検出される。このシステムの利点は、コンパクトな方法でシステムを構築することができ、且つ、システムが静的であること、即ちエミッタ素子及びセンサ素子に何らかの可動調整要素を必要としないことである。
【0003】
ここでの目的は、入射するレーザ光を可能な限り最適に検出することができるように、このようなLIDAR測定システム、特にそのLIDAR受信ユニットを改善することである。
【0004】
この目的は、請求項1に係るLIDAR測定システムによって達成される。後続する従属請求項は好ましい実施形態を構成している。
【0005】
LIDAR測定システムの基本構造は、従来技術に関する説明に従って構成される。LIDAR測定システムは、LIDAR送信ユニット及びLIDAR受信ユニットを備える。更に、LIDAR測定システム及びその構成要素は、自動車両上に静的に配置されるように、即ち不動に配置されるように設けられることが好ましい。これは、LIDAR測定システム及びその構成要素が測定プロセスのための積極的可動性/調整機構、例えば電動モータを有さないことを意味している。
【0006】
LIDAR受信ユニット及び/又はLIDAR送信ユニットは、焦点面アレイ構成で形成されることが好ましい。それぞれのユニットの素子は、実質的に平面に配置され、好適にはチップ上に配置される。それぞれのユニットは、LIDAR測定システム上の、対応する光学系、送信光学系又は受信光学系の焦点に配置されることが好ましい。具体的には、センサ素子及びエミッタ素子は、受信光学系の焦点に配置される。このような光学系は、例えば光学レンズ系によって形成することができる。
【0007】
LIDAR受信ユニットは複数のセンサ素子を有し、この複数のセンサ素子はSPAD、即ち単一光子アバランシェ・ダイオードとして構成されることが好ましい。LIDAR送信ユニットは、レーザ・パルスであることが好ましいレーザ光を出射するための複数のエミッタ素子を有する。エミッタ素子は、VCSEL、即ち垂直共振器面発光レーザとして構成されることが好ましい。
【0008】
LIDAR受信ユニット及びLIDAR送信ユニットは、LIDAR測定システムの上に互いに隣接して配置されることが好ましい。互いに隣接とは、ここではLIDAR受信ユニット及びLIDAR送信ユニットの隣接配置を暗に意味しており、即ち互いに上下に、或いは対角状に隣接する配置を同じく暗に意味している。センサ素子及びエミッタ素子は、共通の平面上に配置されることが好ましい。したがって、センサ素子及びエミッタ素子が同じ平面上に位置するように、これらの各チップは互いに配置されることが好ましい。法線方向に対してオフセットを有する平行配置も可能である。
【0009】
LIDAR送信ユニットは、複数のエミッタ素子を有し、その照射レーザ光は、送信光学系を介して異なる立体角に照射される。これは、所定の立体角が各エミッタ素子と関連付けられていることを意味している。LIDAR受信ユニットのセンサ素子及びその受信光学系の配置は同等であるため、受信光学系は所定の立体角をLIDAR受信ユニットの所定の表面領域上にマッピングする。
【0010】
言い換えると、エミッタ光学系を介して遠距離場における対象物に出射されるエミッタ素子のレーザ光は、常に、受信光学系を介してLIDAR受信ユニット上の同じ領域上にマッピングする。マクロ・セルを形成する複数のセンサ素子は、レーザ光の入射が予想されるこの領域に配置されることが好ましい。エミッタ素子及びこのようなマクロ・セルは、互いに関連付けられる。
【0011】
VCSELは、通常、SPADより大きく、それ故にそのレーザ光は複数のセンサ素子を照射することができるため、複数のセンサ素子をマクロ・セルの中に構成することも好ましい。このようなマクロ・セルは、例えば対象物で反射した後に、エミッタ素子が理論的又は実際的にマッピングすることができる表面領域によって定義することができる。以下、この表面領域をマッピング領域と称し、一方、このマッピング領域より小さい、レーザ光によって実際に照射される領域を照射領域と称する。入射するレーザ光は、様々な影響、例えば送信光学系及び受信光学系の光学的マッピング誤差、調整不良又はフロント・パネル等によって偏向する可能性がある。このように、レーザ表面領域はマッピング領域内の領域上にマッピングされる。マッピング領域は、通常、照射領域より何倍も大きい。
【0012】
したがって、動作中、レーザ光によって実際に照射されるのはセンサ素子の一部にすぎないが、センサ素子は、少なくともマッピング領域をカバーすることが好ましい。センサ素子は、個々に、又はグループで活動状態及び非活動状態にすることができることが好ましい。照射されないセンサ素子は、環境放射の検出を低減するために非活動状態にされることが好ましい。
【0013】
電子システムは、通常、検出されたレーザ光を評価するためにLIDAR測定システムの上に構成される。しかしながらこの電子システムについては、ここでは詳細に説明されない。例えば、マクロ・セルの画定をハードウェアの側で利用することができるように、複数のセンサ素子、具体的にはマクロ・セルの全てのセンサ素子は、電子評価システムの読出し素子によって読み出すことができる。例えば、1行のマクロ・セルに対して1つの読出し素子が設けられる。
【0014】
光学系又は光学レンズ系は、隣接する領域の入射する光が、潜在的マッピング誤差を含めて実質的に同じマッピングを受けるという効果を有する。これは、隣接するマクロ・セルの場合、及び、静的マッピング誤差が発生した場合に、入射するレーザ光が、マッピング領域の内で基本的に同じ偏向を受けることを意味している。したがって隣接するマクロ・セルにおけるレーザ光の偏向は互いに相関している。
【0015】
よって、潜在的マッピング誤差に依存せず、隣接するマクロ・セルのセンサ素子を統計的平均で常に一様に照射することが可能な、センサ素子の構成を提案する。センサ素子及びエミッタ素子は非相関な配置を有する。
【0016】
例えば、4つのエミッタ素子及び関連する16行のセンサ素子からなる構成を用いる。この構成では、エミッタ素子とエミッタ素子との間の距離は、センサ素子の行と行の間との距離の倍数に対応する。センサ素子の行の数は、エミッタ素子の行の数の整数倍に対応するため、個々のエミッタ素子は、マクロ・セルのマッピング領域の内の同じ点上にマッピングする。したがって、4つの全てのマクロ・セルのセンサ素子は同様に照射される、即ち、最適に照射されるか、ほとんど照射されないかのいずれかである。
【0017】
二つの隣接するエミッタ素子同士の距離は、二つの隣接するセンサ素子同士の距離の整数倍とは一致しない。したがって非相関LIDAR測定システムが得られる。これにより、あるエミッタ素子がマクロ・セルの不良領域中にマッピングしても、隣接するエミッタ素子がそれらのマクロ・セル内でもっと好ましい他の領域中に確実にマッピングすることができる。その結果、個々のマクロ・セルの照射が不十分であっても、隣接するマクロ・セルが実質的により良好に照射されるため、統計的平均では良好な照射が達成される。したがって良好な検出がLIDAR測定システムによって確実に行われる。このような比率は、例えば一次元的又はそれ以上の次元で実現することができる。例えば、列方向、又は列方向と行方向とで実現することができる。
【0018】
隣接するセンサ素子も同様に、互いに対する、エミッタ素子とセンサ素子の間の配置又は非相関配置に応じて変化する距離を有する。隣接するセンサ素子とセンサ素子の間の距離は、列方向及び行方向において異なっていてもよい。隣接するセンサ素子とセンサ素子の間の距離は、全ての方向において同じであることが好ましい。より好ましい実施形態では、隣接するセンサ素子同士の間の行方向における距離は、列方向における距離より短い。行方向は、LIDAR送信ユニットからLIDAR受信ユニットへの方向を指していることが好ましい。
【0019】
好ましい実施形態では、エミッタ素子及びマクロ・セルをそれぞれ別々に行-列配置で配置することが提案される。この配置では、センサ素子も同様に、一種の行-列配置で配置される。
【0020】
このことは上記で概説したマクロ・セル及びエミッタ素子の分割に本質的に対応し、エミッタ素子は、それぞれの光学系を介して対応する立体角を照射、或いは観察する。言い換えると、それぞれのユニット上におけるマクロ・セル及びエミッタ素子の配置は全く同じである。同じタイプ又は類似のタイプの行-列配置でセンサ素子を配置することは特に好ましい。可能なタイプの行-列配置については、以下でより詳細に説明される。
【0021】
二つの隣接する、具体的には行方向に隣接するエミッタ素子同士の距離は、二つの隣接するセンサ素子の行同士の距離の整数倍とは一致しないことが好ましい。
【0022】
請求項3に係るLIDAR測定システムが更に提案される。このLIDAR測定システムは序文で説明した目的を同様に達成する。従属請求項は好ましい実施形態を構成する。
【0023】
請求項1及び2に関する上記説明は、同様にこのLIDAR測定システムにも当てはまる。
【0024】
ここで、複数の隣接するマクロ・セルのうちでセンサ素子の共通する行の数は、関連するエミッタ素子の整数倍とは一致しないである。これは、少なくとも二つのエミッタ素子及びそれらの関連するマクロ・セルが考慮されることを意味している。マクロ・セルは、複数の行で配置された複数のセンサ素子を有する。行で配置することに加えて、センサ素子を列で配置することも同様に好ましく、行毎に二つ、三つ、四つ又はそれ以上のセンサ素子が配置される。
【0025】
これらのマクロ素子の全ての行の数は、マクロ素子の行の整数倍とは一致しない。このような配置により、対応する同一の繰返しを回避することができる。即ち、上で説明したように、二つの隣接するエミッタ素子が関連するマクロ・セル上へマッピングする際に、センサ素子を同じ不良位置上へマッピングすることを回避することができる。例えば、マクロ・セルを有する四つのエミッタ素子が使用され、一方、マクロ・セルのセンサ素子の行数は18とする。このようにして、理論的に完全なマッピングを仮定すると、或いは光学系が同じ光学誤差で空間的に隣接するマクロ・セル中にマッピングすると仮定すると、第4マイクロセルにおいて同様にマクロ・セル上へのエミッタ素子のマッピングが繰り返される。あるエミッタ素子がマクロ・セル上の不良な点の上にマッピングしても、少なくとも他の三つのエミッタ素子が別のより良好な点の上にマッピングする。
【0026】
請求項4に係る他のLIDAR測定システムが更に提案される。従属請求項は、LIDAR測定システムの好ましい実施形態を表している。
【0027】
請求項1、2及び3に関する上記説明は、同様にこのLIDAR測定システムに適用することができる。したがって異なるLIDAR測定システムは、非常に技術的な関連する特徴が重複している。
【0028】
多数の行のN個のエミッタ素子及びいくつかの行の関連するN個のマクロ・セルが存在する場合、N個のマクロ・セルのセンサ素子の行の数は、(m・N)+kによって決定される。ここで、mは整数であり、また、kは1とN-1の間の整数である。数m及び数kは任意に選択することができる。
【0029】
以下では、LIDAR測定システムの好ましい実施形態が説明される。
【0030】
例えば一つ又は複数の空の行のセンサ素子の形態において、二つのマクロ・セルの間に距離を形成することができることが特に好ましい。これらは、行の配置において、或いは上で説明した変形例に従って、必要に応じてカウントしてもいいし、カウントしなくてもよい。対応する空の行は、センサ素子を有する行より広くてもいいし、狭くてもよい。このことは、空の行の幅は、二つの隣接するセンサ素子の間の距離より長くなるように、或いは短くなるように構成することができることを意味している。
【0031】
奇数番目の隣接するセンサ素子はオフセットを有し、偶数番目の隣接するセンサ素子はオフセットを有さないことが更に提案される。
【0032】
素子、即ちセンサ素子又はエミッタ素子は、第一次の隣接素子である直接隣接素子(直接に隣接する素子)を有する。この隣接素子に続く素子は第二次の隣接素子に対応し、後続する素子は第三次の隣接素子に対応し、以下同様である。隣接素子は、ここでは行方向隣接又は列方向隣接に関連していることが好ましい。言い換えると、これは、センサ素子がその隣接素子に対する関係でオフセットを有し、このオフセットは、後続するセンサ素子に対する関係で相殺されることを意味している。行方向における隣接する素子は列方向にオフセットしていることが好ましく、列方向における隣接する素子は行方向における互いに対する関係でオフセットしていることが好ましい。
【0033】
別の変形例では、行毎に、或いは列毎にオフセットが加えられる。更に、オフセットの値は、行毎に、或いは列毎に変えることができる。したがって行及び列の形態は、長方形のパターンにするだけでなく、例えば菱形又は六角形などの他のパターン形状でもよい。
【0034】
列方向に隣接するセンサ素子は、行方向に向かうオフセットを有することが好ましい。
【0035】
行方向に隣接するセンサ素子は、列方向のオフセットを有することが特に好ましい。
【0036】
直角方向における隣接するセンサ素子のこのようなオフセットにより、改善された被覆がチップ上で達成される。具体的には、六角形のセンサ素子を使用して、1チップ表面領域つき大きい検出器表面領域が得られる。
【0037】
オフセットに対する望ましい値は、例えばセンサ素子とセンサ素子の間の距離の1/3又は1/2である。
【0038】
好ましい実施形態では、センサ素子は、円形、正方形又は六角形になるように構成される。
【0039】
センサ素子の円形設計並びに正方形設計は、特にSPADの製造の観点から好ましい。それとは対照的に、比較的大きい検出器表面領域は、六角形センサ素子を使用することによって達成される。特にSPADにおけるセンサ素子は、隅が丸くなっていることが好ましい。
【0040】
LIDAR送信ユニットのエミッタ素子の列、及びLIDAR受信ユニットのセンサ素子の列は、互いに対して角度αを有する、或いは互いに平行になるように構成されることが特に好ましい。
【0041】
平行配置の場合、センサ素子とセンサ素子の間の距離を介して、エミッタ素子とセンサ素子とを互いに非相関にすることが既に可能である。角度αの周りの列の回転又は行の回転により、更なる非相関構成要素を取り入れるができる。あるいは、センサ素子及びエミッタ素子の行に基づいて角度を設定することも可能である。
【0042】
ここで、角度αは、ユニットの焦点面アレイに対して直角な表面の周りを回転する。LIDAR送信ユニット及びLIDAR受信ユニットの焦点面アレイの平面は、結果として互いに向かって傾斜していないことが好ましい。したがってエミッタ素子及びセンサ素子は、同じ平面上、又は互いに平行な二つの平面上にある。
【0043】
角度αは、0度から45度までの間であればよく、2度から10度までの間であることが好ましい。
【0044】
非相関は、センサ素子の最適照射を実現するためには、これらの範囲内で可能であることが特に好ましい。
【0045】
請求項10に係るLIDAR受信ユニットが更に提案される。その受信ユニットは、上記実施形態のうちの少なくとも一つに係るLIDAR測定システム、又は請求項1から9に係るLIDAR測定システムに適している。
【0046】
したがってLIDAR受信ユニットに関する上記の説明及び下記の説明がLIDAR受信ユニットに適用される。
【0047】
LIDAR測定システム及びLIDAR受信ユニットは、例示のためにいくつかの図を用いながら以下で更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図2】LIDAR受信ユニット及びLIDAR送信ユニットの断面図である。
【
図3】相関LIDAR測定システムを使用した異なるマッピング可能性を示す図である。
【
図4】非相関LIDAR測定システムの第1の変形例を示す図である。
【
図5】非相関LIDAR測定システムの第2の変形例を示す図である。
【
図6】
図5による非相関LIDAR測定システムのマッピング可能性を示す図である。
【
図7】非相関LIDAR測定システムの第3の変形例を示す図である。
【
図8】非相関LIDAR測定システムの第4の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1には、LIDAR受信ユニット12及びLIDAR送信ユニット14を有するLIDAR測定システム10が示されている。LIDAR測定システム10は、受信光学系16及び送信光学系18を更に備えている。このLIDAR測定システム10は環境をモニタして、自動車両に対する対象物20の距離及び動きを決定するために、自動車両上に静的に取り付けられるように設計されている。このような測定システムは、例えば自動運転に使用することができる。動作原理は以下の通りである。
【0050】
LIDAR送信ユニット14はエミッタ素子22を有しており、これらのエミッタ素子22は、光パルスの形態のレーザ光を出射する。これらのエミッタ素子22は、例えば一つ又は複数の垂直共振器面発光レーザ、略してVCSELによって形成することができる。エミッタ素子22によって出射されたパルス24は送信光学系18を透過し、対象物20で反射され、受信光学系16を介して複数のセンサ素子26のうちの一つへ導かれる。このようなセンサ素子は、例えばSPADとも呼ばれる単一光子アバランシェ・ダイオードによって形成することができる。
【0051】
図を単純にするために、
図1には、パルス24の進行を示すビーム25が一つだけ示されている。光学系16及び18、及び複数のエミッタ素子22並びにセンサ素子26を用いて、測定システム10によって対象物について空間を走査することができる。対応する光学系16及び18によって所定の立体角が最終的に個々のエミッタ素子22及び個々のセンサ素子26に関連付けられる。センサ素子26によって検出された光パルス24は、読出し素子28によって読み出され、メモリ素子等を有する評価ユニット30へ中継される。ここでは、自動車両からの対象物20の距離を決定するために、TOFとも呼ばれる飛行時間の原理が使用される。出射されたパルスは、受信ユニット12に到達するまでに経過した時間と相関され、そこから光パルス24の経路を決定することができる。実行中のプロセスの対応調整は、制御ユニット32によって行われる。この実施形態における読出し素子は時間-デジタル変換器、即ちTDCによって形成され、これはメモリ素子に格納され、ヒストグラムをモデル化している。しかしながらこれらの説明はごく基本的であり、一般的原理を例示するためのものにすぎない。この実施形態は、測定システムの電子構造を何ら限定するものではない。この明細書の範囲を超えないように、それぞれの電子的構成要素間の相互作用及びそれらの詳細な構造を全て図示し、説明することはできない。LIDAR測定システムは、接続34を介して自動車両の他の構成要素に接続されており、この接続34を介して対応するデータを送信することができる。
【0052】
図2は、LIDAR受信ユニット12の断面上面図、及びLIDAR送信ユニット14の関連する断面を示したものである。図に示すように、図中のエミッタ素子22は、受信ユニット12の図中の断面上にマッピングする。
【0053】
この図における受信ユニットは、四つのエミッタ素子22に関連付けられた四つのマクロ・セル1、2、3、4を有する。受信ユニット12上へのそれぞれのエミッタ素子22の実際のマッピングは、円36によって図示されている。円36は、
図2では、受信ユニット12上へのエミッタ素子22の理論的マッピング位置を表しており、この目的のために、レーザ光36は対象物で無限に、又は最大検出範囲で反射され、且つ、受信ユニット12に衝突することが仮定されている。円36はこの図では斜線が付けられている。
【0054】
複数のセンサ素子26が個々のエミッタ素子22に関連付けられており、表現を明確にするために、ここではセンサ素子26の一部のみが参照符号を付けられている。エミッタ素子22はセンサ素子26より大きく、それによりレーザ光36は複数のセンサ素子26を照射する、或いは照射することができる。
【0055】
例えば光学的効果、又は経年変化効果などの効果により、入射するレーザ光はずれることがあり、このずれ量は円38によって示される。入射するレーザ光36はこの円38内で移動しうる。環境放射の検出を低減するために照射されていないセンサ素子26を非活動状態にできるように、センサ素子26は、個々に活動状態にすることも、個々に非活動状態にすることもできる。
【0056】
センサ素子は、結合してマクロ・セル1、2、3、4にされ、マクロ・セル1、2、3、4及びエミッタ素子22は互いに関連付けられている。この関連付けは、対応するマクロ・セル1、2、3、4の数字を使用して個々のセンサ素子26を指定することによって
図2に示されている。したがってエミッタ素子22は、それぞれのマクロ・セル1、2、3、4のセンサ素子22の上にマッピングするだけである。マクロ・セル1を構成している数字1を有するセンサ素子26は、一番上のエミッタ素子22と関連付けられており、マクロ・セル2のセンサ素子は、その下のエミッタ素子22と関連付けられ、以下同様である。
【0057】
センサ素子は六角形の形を有している。それらの隅は丸くなっていることが好ましい。エミッタ素子のマクロ・セル及びセンサ素子のマクロ・セルの配置は、行-列形式で構成されている。エミッタ素子及びマクロ・セルの列は、大文字のローマ数表示によって指定されており、一方、行は、それに応じて大文字のラテン文字によって指定されている。センサ素子の列は、小文字のローマ数表示によって指定されており、また、センサ素子の行は、同様に小文字のラテン文字によって指定されている。
【0058】
列方向に隣接しているセンサ素子は、行方向に配向されたオフセットを有しており、それにより六角形の形が実現される。第1番目の隣接するセンサ素子及び他の奇数番目の隣接するセンサ素子は、ここでは行方向においてオフセットを有しており、一方、第2番目の隣接するセンサ素子及び他の偶数番目の隣接するセンサ素子は、行方向において互いに対するオフセットを有していない。
【0059】
図3は、相関LIDAR測定システムのための複数のマッピング変形例を示したものである。このLIDAR測定システムは、例えばエミッタ素子又はマクロ・セル毎に4行のセンサ素子26を備えている。エミッタ素子22の入射するレーザ光は、ここでも同じく円36によって図示されている。センサ素子26は個々に活動状態並びに非活動状態にすることができるが、活動状態のセンサ素子26のみが測定値を電子評価システムに送信する。
【0060】
検出表面領域の微小部分のみが照射されたセンサ素子26は、エミッタ素子22によって能動的に照射された測定可能なレーザ光と比較して、検出された環境放射を不均衡に大きく増加する原因になる。図では、活動状態のセンサ素子26には斜線が付けられ、一方、非活動状態のセンサ素子26は六角形の枠として示されている。
【0061】
LIDAR測定システム10の相関は、
図3で明確に理解することができる。マクロ・セル1とマクロ・セル2の入射レーザ光36を比較すると、光が同様にマクロ・セル上のセンサ素子26の上にマッピングすることが分かる。これは、LIDAR受信ユニット12上へのLIDAR送信ユニット14のマッピングの理論的位置を表している
図3a、入射するレーザ光24の最も悪い場合の偏向を示している
図3b、及び入射するレーザ光の最も良い場合の偏向を示している
図3cについても当てはまる。
【0062】
図3aでは、二つのセンサ素子26がほぼ完全に照射されている。通常、センサ素子の表面領域の50パーセントを超える領域が照射されると、センサ素子を活動状態にするに値する。したがって
図3aにおける、その微小部分しか照射されていないセンサ素子26は非活動状態にされる。最悪事例シナリオである
図3bでは、六つのセンサ素子にレーザ光24が当たっているが、十分に照射されているのは一つのセンサ素子26のみである。したがって
図1の照射と比較すると、背景雑音に対する測定信号の比率が不利に小さくなっている。更に、その微小部分しか照射されていない他の五つのセンサ素子26を活動状態にしても、背景雑音に対する測定信号の低下を招くだけである。
【0063】
レーザ光24の最良のシフトは
図3cに示されており、三つのセンサ素子26が十分に照射され、即ち50パーセントを超える表面領域が照射されている。
図3a~
図3cは、レーザ光36の対応する偏向を示したものであり、これらの偏向は、例えば光学的マッピング誤差によってもたらされる。
【0064】
説明されている相関LIDAR測定システムでは、対応する偏向により、検出能力が大幅に改善、又は大幅に低下する。後者の問題は、製造プロセスのばらつきと経済的理由から回避されるべきである。
【0065】
このような一様なシフトの原因は、特に、光学系、即ち受信光学系16及び送信光学系18について通常の製造不正確性が生じ、そのために射出するレーザ光又は入射するレーザ光がわずかに偏向するためである。このようなマッピング誤差は、光学系の特定の領域に対して実質的に同じ、または、特定の領域に対して少なくとも相関する。センサ素子同士の距離が短いため、互いに近接して位置しているセンサ素子についての光学的マッピング誤差は互いに相関する。これは、光学的マッピング誤差によるシフトによって、隣接するマクロ・セルについてレーザ光36をと実質的に同様にシフトさせることを意味している。ここで、相関LIDAR測定システム内においてマクロ・セルの不良領域にレーザ光が当たって場合、これは、この領域の全てのマクロ・セルに対して不良である。このような効果は、以下に述べる非相関LIDAR測定システムの実現化によって回避されるべきものである。
【0066】
図4には非相関LIDAR測定システム10が示されている。ここで、四つのエミッタ素子22と関連付けられる四つのマクロ・セル1、2、3、4を有するLIDAR受信ユニット12は、LIDAR測定システム10の断面で表されている。エミッタ素子22の表現として、入射するレーザ光36が、レーザ光36に対する可能境界領域を表している円38とともに、示されている。
【0067】
図4aは、レーザ光36が無限遠又は最大検出範囲にある対象物で反射した後のLIDAR受信ユニット上への理論的マッピングを示したものである。
図4bは、LIDAR受信ユニット上へのレーザ光36の可能な限り最良のマッピングを示したものであり、また、
図4cは、可能な限り最悪の例を示したものである。表は、それぞれの図と関連付けられ、個々のマクロ・セル1、2、3、4及びそれらのセンサ素子26に対する照射を示している。
【0068】
センサ素子26の照射は、
図4a、
図4b及び
図4cの下の表にそれぞれ数値で示されている。これらの数値は、レーザ光によって照射されるセンサ素子26の表面領域の比率に対応している。値1は表面領域全体の照射に相当し、0.5は表面領域の50%が照射されることに相当し、また、0は表面領域の0%が照射されることに相当している。上で述べたように、50%を超える表面領域がレーザ光によって照射されるセンサ素子26のみが活動状態にされる。
【0069】
この図では、活動状態のセンサ素子26には同じく斜線が付けられており、マクロ・セル1、2、3、4別に、活動状態のセンサ素子26の照射された表面領域が合算されている。
図4では、隣接するマクロ・セル1、2、3、4の円38内のセンサ素子26の配置が変更されている。レーザ光36の偏向は、異なるマクロ・セル1、2、3、4に対して様々な影響を与える。このことは、隣接するマクロ・セル1、2、3、4内で配置が異なる二つのセンサ素子26にレーザ光36が当たる
図4aでも認めることができる。センサ素子26の配置は、マクロ・セル1、2、3、4の二つおきに繰り返されている。奇数のマクロ・セル1、3及び偶数のマクロ・セル2、4は、それぞれ同じ照射パターンを有している。
【0070】
具体的には、
図4aによれば、標準位置におけるマクロ・セル1、2、3、4毎に、二つのセンサ素子26がそれぞれ完全に照射されており、8.0の総合照射が得られている。レーザ光36の可能な限り最良のシフトを示している
図4bでは、マクロ・セル毎にそれぞれ三つのセンサ素子が活動状態であり、11.4の総合照射が得られている。
図4cには、エミッタ素子22による照射について可能な限り最悪の位置が示されている。マクロ・セル1及びマクロ・セル3では、三つのセンサ素子26がそれぞれほぼ全体にわたって照射されており、一方、マクロ・セル2及びマクロ・セル4では、一つのセンサ素子26のみが活動状態であり、照射されている。しかしながら総合照射は、それにもかかわらず7.9であり、理論的マッピングより0.1小さいだけである。非相関により、レーザ光36の偏向が生じる際においても、常に十分な照射が確保される。
【0071】
図4に示されている例の非相関は、四つのマクロ・セル及び四つのエミッタ素子が関連付けられる19行のセンサ素子を使用することによって実現されている。数字19は数字4の倍数ではない。センサ素子26の行の数と、エミッタ素子の関連する行の数の倍数とは一致しない。同様に、隣接するエミッタ素子22の間の距離Dは、センサ素子26の二つの行の間の距離dの整数倍ではない。距離d及びDは
図4aに示されている。上記説明による、一般記述における数式の変数は、N=4、M=4及びK=3である。
【0072】
図5及び
図6、
図17に係る他の変形例では、センサ素子26の行は、エミッタ素子22の四つの行と関連付けられるように配置されている。
図5は、LIDAR送信ユニット14の断面とLIDAR受信ユニット12の対応する断面との比較を示したものである。ここでは、エミッタ素子22へのマクロ・セル1、2、3、4の割り当ても明確に示されている。
【0073】
図4に係る実施形態の他の発展例として、個々のエミッタ素子が、異なる配置のセンサ素子の上にマッピングする。これらの配置は、例えば第4のマクロ・セル毎に繰り返される。
【0074】
図6a、
図6b及び
図6cには、三つのマッピング変形例が示されている。マクロ・セル1、2、3、4の各々及びそれらの活動状態のセンサ素子26の照射に関する異なる数値は、ここでも異なる照射パターンを示している。
【0075】
個々のマクロ・セル1、2、3、4は、独自の照射強度に遭遇する。理論的入射レーザ光、可能な限り最悪の入射レーザ光及び可能な限り最良の入射レーザ光の場合、総合照射強度の変化は、8.9から9.2の間である。光学的マッピング誤差の結果としてのレーザ光の偏向にもかかわらず、四つのマクロ・セルのグループの照射により実質的に不変の照射強度が得られる。
【0076】
したがって、非相関により、LIDAR測定システム10は、使用される光学系の潜在マッピング誤差に依存しなくなる。それほど高価ではない光学系を使用しつつ、同じ機能性を維持することにより、製造コストを削減することができる。
【0077】
このように、立体角は常に十分に照射され、それにより対象物の信頼性の高い検出が実現される。
図6によれば、51個のセンサ素子26を利用して最適照射及び検出を実現することができる。エミッタ素子の理論的マッピング領域の外側に存在しているセンサ素子26は、例えば製造中に省略することができる。しかしながら製造プロセスの結果として、それらを同時に単純に製造することが好ましい。別の方法としては、これらのSPADは、後方反射効果が生じ得る近距離範囲で活動状態である開口SPADとして同じく使用することも可能である。このような後方反射は、例えば出射されたレーザ光を部分的に反射するフロント・パネルを介してトリガすることができる。したがって開口SPADは、この反射によってトリガされるのを回避するために、或いはこのようなトリガ化の可能性を小さく維持するために、例えばコーティングによって適合される。
【0078】
図7は、六角形のセンサ素子の代わりに実質的に正方形のセンサ素子を使用している他の実施形態を示したものである。これらの正方形のセンサ素子は丸い隅を有している。
【0079】
この例では、三つの列i、ii、iii及び13の行が4行のエミッタ素子22の向かいに形成されている。この比率も、行の数又はエミッタ素子22の数の整数倍とは同じく一致しないである。エミッタ素子とエミッタ素子の間の距離Dも、センサ素子とセンサ素子の間の距離dの整数倍ではない。
【0080】
距離は、通常、素子の一つの点から隣接する素子の同じ点までの距離を介して画定される。この点は、例えば当該素子の中心又は縁であってもよい。
【0081】
LIDAR受信ユニット12のセンサ素子26の行aでは、対応する列オフセットは、行方向に隣接するセンサ素子22に対して示されている。列iiは、約50パーセントだけ下に向かって、即ち列方向、又は行方向に対して横方向にシフトされている。その次に隣接する列iiiのセンサ素子26は、シフトされておらず、列iと向かい合っている。
【0082】
偶数番目の行方向に隣接するセンサ素子は、互いに対してシフトされておらず、非偶数番目の行方向に隣接するセンサ素子は、互いに対して列方向にシフトされている。この非相関LIDAR測定システム10では、照射構造もマクロ・セル毎に異なっている。
【0083】
図8には、六角形パターンに対する他の変形例が示されている。これは、上で説明した
図4又は
図5及び
図6に係る六角形の変形例に実質的に対応している。15行のセンサ素子26がセンサ・ユニット・セグメント上の四つのエミッタ素子22に関連付けられている。センサ素子は六角形配置であり、角度αだけ回転されている。回転は、焦点面アレイの表面領域に対する法線周りに生じる。この角度αは、例えば6.9度になるように選択される。しかしながら0度から45度の間の角度でもよく、角度αは2度から10度の間であることが好ましい。具体的には、マクロ・セル1、2、3、4又はセンサ素子26の列方向srは、エミッタ素子22の列方向SRに対して角度αを有している。
【0084】
上記説明は、例示として送信ユニット並びに該送信ユニットの右側に配置された受信ユニットを有する測定システムに基づいている。ここでは、上下の配置又は互いに対して対角状の配置も、暗に包含されており、特にこれらについて別に説明する必要はない。一方又は両方のユニットの回転も以上の説明に包含されている。一方又は両方のユニットの回転は、ユニットのチップの回転であってもよい。
【符号の説明】
【0085】
1、2、3、4 マクロ・セル
10 LIDAR測定システム
12 LIDAR受信ユニット
14 LIDAR送信ユニット
16 受信光学系
18 送信光学系
20 対象物
22 エミッタ素子、VCSEL
24 レーザ光、パルス
25 ビーム
26 センサ素子
28 読出しユニット
30 評価ユニット
32 制御ユニット
34 接続
36 円、レーザ光
38 円、入射するレーザ光の境界
I、II、III マクロ・セル、エミッタ素子列
i、ii、iii センサ素子列
A、B、C マクロ・セル、エミッタ素子行
a、b、c センサ素子行
d 距離
D 距離
α 角度
sr マクロ・セル、センサ素子列方向
SR エミッタ素子列方向