(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-16
(45)【発行日】2022-05-24
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220517BHJP
【FI】
A63F5/04 611B
A63F5/04 620
(21)【出願番号】P 2021025125
(22)【出願日】2021-02-19
(62)【分割の表示】P 2016183142の分割
【原出願日】2016-09-20
【審査請求日】2021-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】鶴岡 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特許第7044917(JP,B2)
【文献】特許第6586033(JP,B2)
【文献】特開2015-116290(JP,A)
【文献】特許第5857328(JP,B1)
【文献】特開2016-047108(JP,A)
【文献】特開2015-008876(JP,A)
【文献】特開2005-312676(JP,A)
【文献】特開2015-163112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を
複数備え、
複数の可変表示部を変動表示した後に表示結果を導出し、
複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技の制御を行う遊技制御手段と、
前記遊技制御手段から送信された制御情報に基づいて演出を行う演出制御手段と、
複数の可変表示部の変動表示を開始させるための開始操作手段と、
複数の可変表示部のそれぞれに対応して設けられ、遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前記導出操作手段の操作態様を識別可能に報知することが可能な操作態様報知手段と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
表示結果
の組合せが導出される前に、導出が許容される表示結果
の組合せを決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果が報知の対象となる報知対象結果となったときに遊技者にとって有利な有利操作態様が報知される報知状態に制御する報知状態制御手段と、
制御情報を生成し、制御情報格納領域に格納する制御情報生成手段と、
前記制御情報格納領域に格納された制御情報を前記演出制御手段に対して送信する制御情報送信手段と、
前記開始操作手段の操作にもとづく開始操作タイミングと、複数の可変表示部のうち最後に表示結果が導出される可変表示部に対応する前記導出操作手段の操作が終了したことにもとづく導出操作タイミングと、に制御状態を更新する処理を行うことが可能な制御状態更新手段と、を含み、
前記制御情報生成手段は、
前記事前決定手段の決定結果に基づいて事前決定制御情報を生成する事前決定制御情報生成手段と、
一の変動表示における
前記開始操作タイミングと
前記導出操作タイミングを含む複数のタイミング毎に前記遊技制御手段の制御状態を特定可能な複数種類の状態制御情報を生成する状態制御情報生成手段と、を含み、
前記事前決定制御情報生成手段は、前記報知状態と該報知状態と異なる非報知状態のいずれにおいても前記事前決定手段の決定結果が前記報知対象結果となったときに前記報知対象結果となったことは特定できるが前記有利操作態様を特定することができないように事前決定制御情報を生成し、
前記状態制御情報生成手段が一のタイミングにおいて生成する複数種類の状態制御情報は、一の
変動表示と他の
変動表示で変化し得る制御状態であって、一の
変動表示における
前記開始操作タイミングと
前記導出操作タイミングで変化しない制御状態を特定可能な第1状態制御情報と、一の
変動表示における
前記開始操作タイミングと
前記導出操作タイミングで変化し得る制御状態を特定可能な第2状態制御情報と、を含み、
前記状態制御情報生成手段は、複数のタイミングのうちいずれのタイミングにおいても、共通する複数種類の状態制御情報を、共通の制御にて生成する、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンにおいて、遊技の制御を行う遊技制御手段と、遊技制御手段からのコマンドの受信に応じて演出の制御を行う演出制御手段と、を備えるとともに、遊技制御手段から演出制御手段に対して遊技制御手段側の制御状態を示すコマンドを送信することで、演出制御手段側で遊技制御手段側の制御状態を特定できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のようなスロットマシンにおいて、コマンドの送信に係るプログラム容量が増大してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、コマンドを送信する際のプログラム容量を削減することができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(A) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を
複数備え、
複数の可変表示部を変動表示した後に表示結果を導出し、
複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技の制御を行う遊技制御手段と、
前記遊技制御手段から送信された制御情報に基づいて演出を行う演出制御手段と、
複数の可変表示部の変動表示を開始させるための開始操作手段と、
複数の可変表示部のそれぞれに対応して設けられ、遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前記導出操作手段の操作態様を識別可能に報知することが可能な操作態様報知手段と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
表示結果
の組合せが導出される前に、導出が許容される表示結果
の組合せを決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果が報知の対象となる報知対象結果となったときに遊技者にとって有利な有利操作態様が報知される報知状態に制御する報知状態制御手段と、
制御情報を生成し、制御情報格納領域に格納する制御情報生成手段と、
前記制御情報格納領域に格納された制御情報を前記演出制御手段に対して送信する制御情報送信手段と、
前記開始操作手段の操作にもとづく開始操作タイミングと、複数の可変表示部のうち最後に表示結果が導出される可変表示部に対応する前記導出操作手段の操作が終了したことにもとづく導出操作タイミングと、に制御状態を更新する処理を行うことが可能な制御状態更新手段と、を含み、
前記制御情報生成手段は、
前記事前決定手段の決定結果に基づいて事前決定制御情報を生成する事前決定制御情報生成手段と、
一の変動表示における
前記開始操作タイミングと
前記導出操作タイミングを含む複数のタイミング毎に前記遊技制御手段の制御状態を特定可能な複数種類の状態制御情報を生成する状態制御情報生成手段と、を含み、
前記事前決定制御情報生成手段は、前記報知状態と該報知状態と異なる非報知状態のいずれにおいても前記事前決定手段の決定結果が前記報知対象結果となったときに前記報知対象結果となったことは特定できるが前記有利操作態様を特定することができないように事前決定制御情報を生成し、
前記状態制御情報生成手段が一のタイミングにおいて生成する複数種類の状態制御情報は、一の
変動表示と他の
変動表示で変化し得る制御状態であって、一の
変動表示における
前記開始操作タイミングと
前記導出操作タイミングで変化しない制御状態を特定可能な第1状態制御情報と、一の
変動表示における
前記開始操作タイミングと
前記導出操作タイミングで変化し得る制御状態を特定可能な第2状態制御情報と、を含み、
前記状態制御情報生成手段は、複数のタイミングのうちいずれのタイミングにおいても、共通する複数種類の状態制御情報を、共通の制御にて生成する。
(手段1) 遊技が可能な遊技機(例えば、スロットマシン1)であって、
操作部(例えば、移動体365)が押されたことにより、遊技者の操作を検出する操作手段(例えば、演出ボタンユニット310)と、
前記操作部を被覆するように設けられる被覆手段(例えば、弾性体366)と、
を備え、
前記被覆手段は、変形可能な第1部位(例えば、被覆部366aにおける中央部以外の部位)と該第1部位よりも変形し難い第2部位(例えば、被覆部366aの中央付近の部位)とを有し、
前記第2部位は、前記操作部に対応する位置に設けられている(例えば、演出ボタン300における移動体365の前方側に弾性体366が配設されている。
図13参照。)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、操作部が被覆手段により被覆されていることで、従来にない操作感を生じさせることができる。また、操作部に対応する第2部位は、操作部に対応しない第1部位よりも変形し難いので、変形により操作感が著しく損なわれることがない。
【0007】
本発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記第2部位は、前記第1部位とは異なる材質を含む(例えば、被覆部366aの中央部には、変形し難いインサート部材309が取付けられている。
図13参照。)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、変形し難さを部分的に異ならせることができる。
【0008】
本発明の手段3の遊技機は、手段1または2に記載の遊技機であって、
前記第2部位は、前記第1部位よりも肉厚に形成されている(例えば、被覆部366aの中央部は、その他の部位よりも若干肉厚に形成されている。
図13参照。)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、変形し難さを部分的に異ならせることができる。
【0009】
本発明の手段4の遊技機は、手段1~3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記操作部を動作させる駆動手段(例えば、演出ボタン300は、該演出ボタン300を動作させる圧縮バネ302、駆動モータ327b、突起部307A,307B、カム部材321及び振動モータ364)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、操作部が操作されなくても動作可能となるので、遊技の興趣を高めることができる。
【0010】
本発明の手段5の遊技機は、手段1~4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第2部位は、前記操作部に係止されている(例えば、インサート部材309の鉤部309aにより移動体365と被覆部366aとが中央部分同士で係止されている。
図13参照。)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第2部位が操作部に追従するように第1部位が変形するようになるので、操作感が向上する。
【0011】
本発明の手段6の遊技機は、手段1~5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記操作部は、ベース部(例えば、下部パネル200/非移動部311)に形成された孔部(例えば、開口部203)に臨むように配置され、
前記被覆手段は、前記孔部を被覆するように前記ベース部に取付けられている(例えば、弾性体366は、開口部203を被覆するように下部パネル200に取付けられている。
図13参照。)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、孔部が被覆手段により塞がれるので、孔部と操作部との間の隙間から異物を進入させるといった不正行為を抑制できる。
【0012】
本発明の手段7の遊技機は、手段1~6のいずれかに記載の遊技機であって、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部(リール2L、2C、2R)の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(スロットマシン1)において、
遊技の制御を行う遊技制御手段(メイン制御部41)と、
遊技制御手段から送信された制御情報(コマンド)に基づいて演出を行う演出制御手段(サブ制御部91)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段の操作態様(停止順)を識別可能に報知することが可能な操作態様報知手段(ナビ報知、ナビ演出)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
表示結果が導出される前に、導出が許容される表示結果を決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果毎に各々異なる数値(当選番号)を設定する数値設定手段と、
前記数値設定手段により設定された数値(当選番号)に応じて所定制御(内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等)を行う所定制御手段と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が報知(ナビ報知)の対象となる報知対象結果(報知対象役)となったときに遊技者にとって有利な有利操作態様が(遊技者にとって有利な停止順)報知される報知状態(ナビ報知が実行される状態)に制御する報知状態制御手段と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果に関する特定制御情報(第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンド)を前記演出制御手段に対して送信する特定制御情報送信手段と、
を含み、
前記報知対象結果(報知対象役)となったときに前記数値設定手段により設定される数値(当選番号)として、所定の数値範囲(2~19、23~34)からなる連続する数値が割り当てられており、
前記特定制御情報送信手段は、前記報知状態(ナビ報知が実行される状態)に制御されているか否かに関わらず、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記報知対象結果(報知対象役)となったときに、前記報知対象結果となった旨は特定できるが前記有利操作態様(遊技者にとって有利な停止順)を特定できない前記特定制御情報(第2の内部当選コマンド)を前記演出制御手段に対して送信するとともに、
少なくとも前記報知状態(ナビ報知が実行される状態)以外の状態において、前記数値設定手段により設定された数値(当選番号)が、前記所定の数値範囲(2~19、23~34)であるときに、前記報知対象結果(報知対象役)となった旨は特定できるが前記有利操作態様(遊技者にとって有利な停止順)を特定できない前記特定制御情報(第2の内部当選コマンド)を前記演出制御手段(サブ制御部91)に対して送信する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技制御手段と演出制御手段とを備え、遊技制御手段から送信された特定制御情報から事前決定手段の決定結果に関する情報が特定される構成において、遊技制御手段側で操作手順報知手段により遊技者にとって有利な有利操作手順が報知される報知状態に制御するとともに、遊技制御手段は、報知状態に制御されているか否かに関わらず、事前決定手段の決定結果が報知対象結果となったとき、及び少なくとも報知状態以外の状態において事前決定手段の決定結果が報知対象結果となったときに、報知対象結果となった旨は特定できるが有利操作態様を特定できない特定制御情報を演出制御手段に対して送信するので、遊技制御手段側で報知状態に制御しているか否かに関わらず、特定制御情報から事前決定手段の決定結果に応じた有利操作手順が特定されることはないため、特定制御情報の送信に係る処理を簡素化できるとともに、演出制御手段側に不正がなされても報知状態に制御されていない状態で有利操作態様が報知されてしまうことを防止できる。また、報知対象結果となったときに数値設定手段により設定される数値として、所定の数値範囲からなる連続する数値が割り当てられているとともに、遊技制御手段は、報知対象結果であるか否かを、所定制御を行う際に用いられる数値が報知対象結果に対して割り当てられた所定の数値範囲であるか否かにより判定できるため、特定制御情報を送信する際の処理を簡素化できる。
【0013】
尚、手段7において導出操作手段の操作態様は、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作態様、複数の操作順のうちいずれかの操作順で操作する操作態様、これらの組合せによる操作態様等が該当する。
【0014】
本発明の手段8の遊技機は、手段1~6のいずれかに記載の遊技機であって、
第1の制御手段(メイン制御部41)と、
前記第1の制御手段から受信した制御情報に応じて制御を行う第2の制御手段(サブ制御部91)と、
を備え、
前記第1の制御手段(メイン制御部41)は、1単位の遊技(ゲーム)における第1のタイミング(ゲームの開始時)と第2のタイミング(ゲームの終了時)を含む複数のタイミング毎に前記第1の制御手段(メイン制御部41)の制御状態を特定可能な複数種類の状態制御情報(制御状態コマンド)を前記第2の制御手段(サブ制御部91)に対して送信する状態制御情報送信手段を含み、
前記状態制御情報送信手段が一のタイミングにおいて送信する複数種類の状態制御情報(制御状態コマンド)は、第1のタイミング(ゲームの開始時)と第2のタイミング(ゲームの終了時)で変化しない制御状態(例えば、遊技者にとって有利な停止順等)を特定可能な第1の状態制御情報(制御状態コマンド2)と、第1のタイミング(ゲームの開始時)と第2のタイミング(ゲームの終了時)で変化し得る制御状態(例えば、遊技状態等)を特定可能な第2の状態制御情報(制御状態コマンド1)と、を含み、
前記状態制御情報送信手段(制御状態コマンド一括設定処理)は、複数のタイミングのうちいずれのタイミングにおいても共通の制御にて複数種類の状態制御情報(制御状態コマンド)を送信する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、1単位の遊技における第1のタイミングと第2のタイミングで変化しない制御状態を特定可能な第1の状態制御情報と、1単位の遊技における第1のタイミングと第2のタイミングで変化し得る制御状態を特定可能な第2の状態制御情報と、を含む複数種類の状態制御情報を、1単位の遊技における第1のタイミングと第2のタイミングを含む複数のタイミング毎に送信する構成において、いずれのタイミングにおいても共通の制御にてこれら複数種類の状態制御情報を送信するので、第2の制御手段側で第1の制御手段の制御状態を詳細に把握しつつ、第1の制御手段が状態制御情報を送信する際のプログラム容量を削減することができる。
【0015】
尚、手段8において第1の制御手段は、遊技の制御を行う制御手段であっても良いし、遊技の制御以外の制御、例えば、演出の制御を行う制御手段であっても良い。また、第2の制御手段は、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて何らかの制御を行う制御手段であれば良く、例えば、第1の制御手段が遊技の制御を行う制御手段である場合に、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて演出の制御を行う制御手段を第2の制御手段としても良いし、第1の制御手段が演出の制御を行う制御手段である場合に、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて演出装置の制御を行う制御手段を第2の制御手段としても良い。
【0016】
本発明の手段9の遊技機は、手段8に記載の遊技機であって、
第1のタイミングは、遊技の開始に伴うタイミング(スタートスイッチ7の操作が行われたとき)であり、第2のタイミングは、遊技の終了に伴うタイミング(第3停止のストップスイッチの操作が終了されたとき)である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第2の制御手段側で遊技の最初と最後に第1の制御手段の制御状態を把握することができる。
【0017】
本発明の手段10の遊技機は、手段8または9に記載の遊技機であって、
状態制御情報(制御状態コマンド)は、遊技状態が特定の遊技状態(遊技者にとって有利な有利状態)にあるときは1単位の遊技毎に変化し得る一方で特定の遊技状態以外では1単位の遊技毎に変化しない制御状態を特定可能な状態制御情報(AT関連コマンドA)を含む
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技状態に応じて変化し得ることもあれば変化することのない制御状態を特定可能な状態制御情報についても共通の制御にてこれら複数種類の状態制御情報として送信するので、第2の制御手段側で第1の制御手段の制御状態を詳細に把握しつつ、第1の制御手段が状態制御情報を送信する際のプログラム容量を削減することができる。
【0018】
本発明の手段11の遊技機は、手段8~10のいずれかに記載の遊技機であって、
前記状態制御情報送信手段が一のタイミングにおいて送信する複数種類の状態制御情報(制御状態コマンド)には、種類別に連続する番号(例えば、B0~CF)が付されており、
前記状態制御情報送信手段は、一のタイミングにおいて番号順に複数種類の状態制御情報(制御状態コマンド)を送信する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第2の制御手段側で制御情報の送信順序が正常であるかを把握することができる。
【0019】
本発明の手段12の遊技機は、手段8~11のいずれかに記載の遊技機であって、
前記状態制御情報送信手段は、複数種類の状態制御情報(制御状態コマンド)を送信する際に、状態制御情報(制御状態コマンド)の少なくとも一部を演算(加算処理)にて作成する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、状態制御情報を作成するためのデータ容量を削減することができる。
【0020】
本発明の手段13の遊技機は、手段8~12のいずれかに記載の遊技機であって、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部(リール2L、2C、2R)の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機(スロットマシン1)において、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段の操作態様(停止順)を識別可能に報知することが可能な操作態様報知手段(ナビ報知、ナビ演出)と、
を備え、
前記第1の制御手段は、
表示結果が導出される前に、導出が許容される表示結果を決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が報知(ナビ報知)の対象となる報知対象結果(報知対象役)となったときに遊技者にとって有利な有利操作態様(遊技者にとって有利な停止順)が報知される報知状態(ナビ報知が実行される状態)に制御する報知状態制御手段と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果に関する特定制御情報(第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンド)を前記第2の制御手段(サブ制御部91)に対して送信する特定制御情報送信手段(内部当選コマンド設定処理)と、
を含み、
前記特定制御情報送信手段は、前記報知状態(ナビ報知が実行される状態)に制御されているか否かに関わらず、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記報知対象結果(報知対象役)となったときに、前記報知対象結果となった旨は特定できるが前記有利操作態様(遊技者にとって有利な停止順)を特定できない前記特定制御情報(第2の内部当選コマンド)を前記第2の制御手段に対して送信する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1の制御手段と第2の制御手段とを備え、第1の制御手段から送信された特定制御情報から事前決定手段の決定結果に関する情報が特定される構成において、第1の制御手段側で操作手順報知手段により遊技者にとって有利な有利操作手順が報知される報知状態に制御するとともに、第1の制御手段は、報知状態に制御されているか否かに関わらず、事前決定手段の決定結果が報知対象結果となったときに、報知対象結果となった旨は特定できるが有利操作態様を特定できない特定制御情報を第2の制御手段に対して送信するので、第1の制御手段側で報知状態に制御しているか否かに関わらず、特定制御情報から事前決定手段の決定結果に応じた有利操作手順が特定されることはないため、特定制御情報の送信に係る処理を簡素化できるとともに、第2の制御手段側に不正がなされても報知状態に制御されていない状態で有利操作態様が報知されてしまうことを防止できる。
【0021】
本発明の手段14の遊技機は、手段8~13のいずれかに記載の遊技機であって、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部(リール2L、2C、2R)の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機(スロットマシン1)において、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段の操作態様(停止順)を識別可能に報知することが可能な操作態様報知手段(ナビ報知、ナビ演出)と、
を備え、
前記第1の制御手段は、
表示結果が導出される前に、導出が許容される表示結果を決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果毎に各々異なる数値(当選番号)を設定する数値設定手段と、
前記数値設定手段により設定された数値(当選番号)に応じて所定制御(内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等)を行う所定制御手段と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が報知(ナビ報知)の対象となる報知対象結果(報知対象役)となったときに遊技者にとって有利な有利操作態様(遊技者にとって有利な停止順)が報知される報知状態(ナビ報知が実行される状態)に制御する報知状態制御手段と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果に関する特定制御情報(第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンド)を前記第2の制御手段に対して送信する特定制御情報送信手段と、
を含み、
前記報知対象結果(報知対象役)となったときに前記数値設定手段により設定される数値(当選番号)として、所定の数値範囲からなる連続する数値が割り当てられており、
前記特定制御情報送信手段は、少なくとも前記報知状態(ナビ報知が実行される状態)以外の状態において、前記数値設定手段により設定された数値(当選番号)が、前記所定の数値範囲であるときに、前記報知対象結果(報知対象役)となった旨は特定できるが前記有利操作態様(遊技者にとって有利な停止順)を特定できない前記特定制御情報(第2の内部当選コマンド)を前記第2の制御手段(サブ制御部91)に対して送信する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1の制御手段と第2の制御手段とを備え、第2の制御手段から送信された特定制御情報から事前決定手段の決定結果に関する情報が特定される構成において、第1の制御手段側で操作手順報知手段により遊技者にとって有利な有利操作手順が報知される報知状態に制御するとともに、第1の制御手段は、少なくとも報知状態以外の状態において事前決定手段の決定結果が報知対象結果となったときに、報知対象結果となった旨は特定できるが有利操作態様を特定できない特定制御情報を第2の制御手段に対して送信するので、第1の制御手段側で報知状態に制御しているか否かに関わらず、特定制御情報から事前決定手段の決定結果に応じた有利操作手順が特定されることはないため、第2の制御手段側に不正がなされても報知状態に制御されていない状態で有利操作態様が報知されてしまうことを防止できる。また、報知対象結果となったときに数値設定手段により設定される数値として、所定の数値範囲からなる連続する数値が割り当てられているとともに、第1の制御手段は、報知対象結果であるか否かを、所定制御を行う際に用いられる数値が報知対象結果に対して割り当てられた所定の数値範囲であるか否かにより判定できるため、特定制御情報を送信する際の処理を簡素化できる。
【0022】
尚、手段13、14において導出操作手段の操作態様は、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作態様、複数の操作順のうちいずれかの操作順で操作する操作態様、これらの組合せによる操作態様等が該当する。
【0023】
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明が適用された実施例のスロットマシンの正面図である。
【
図2】スロットマシンの内部構造を示す斜視図である。
【
図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
【
図5】(A)は演出ボタンが第2位置にある状態を示す斜視図、(B)は第1位置 にある状態を示す斜視図である。
【
図6】(A)は演出ボタンが第2位置にある状態を示す側面図、(B)は第1位置 にある状態を示す側面図である。
【
図7】下部パネル、基体及び演出ボタンユニットを斜め前から見た状態を示す分解 斜視図である。
【
図8】下部パネル、基体及び演出ボタンユニットを斜め後ろから見た状態を示す分 解斜視図である。
【
図9】演出ボタンユニットの構造を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。
【
図10】演出ボタンユニットの構造を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図であ る。
【
図12】(A)は演出ボタンユニットを示す背面図、(B)は演出ボタンユニット 及び下部パネルを示す背面図、(C)は演出ボタンユニット、下部パネル及び取付部 材を示す背面図である。
【
図17】(A)は演出ボタンが第2位置にある状態を示す概念図、(B)は第2位 置の演出ボタンが押された状態を示す概念図である。
【
図18】(A)は演出ボタンが第1位置にある状態を示す概念図、(B)は第1位 置の演出ボタンが押された状態を示す概念図である。
【
図19】(A)は演出ボタンが第1位置にある状態を示す概念図、(B)は(A) の状態から演出ボタンが第2位置に復帰する途中の状態を示す概念図、(C)は演出 ボタンが第2位置に復帰した状態を示す概念図である。
【
図20】(A)~(D)は、演出ボタンの突出動作を用いた演出の一例を示す説明 図である。
【
図21】(A)~(D)は、演出ボタンの突出動作を用いた別の演出の一例を示す 説明図である。
【
図22】メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信する制御状態コマンドに ついて説明するための図である。
【
図23】メイン制御部41が実行するゲーム開始時送信コマンド設定処理の制御内 容を示すフロー図である。
【
図24】メイン制御部41が実行する制御状態コマンド一括設定処理の制御内容を 示すフロー図である。
【
図25】メイン制御部41が実行するコマンド設定処理の制御内容を示すフロー図 である。
【
図26】メイン制御部41が実行するゲーム終了時送信コマンド設定処理の制御内 容を示すフロー図である。
【
図27】メイン制御部41が実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示す フロー図である。
【
図28】サブ制御部のRAMに含まれるデータ領域について説明するための図であ る。
【
図29】サブ制御部が実行する起動処理(サブ)の制御内容を示すフロー図である 。
【
図30】サブ制御部が実行するコマンド履歴記録処理の制御内容を示すフロー図で ある。
【
図31】サブ制御部が実行するエラー履歴記録処理の制御内容を示すフロー図であ る。
【
図32】サブ制御部が履歴表示制御における詳細履歴表示及び簡易履歴表示におい て表示させるエラー等の種類について説明する図である。
【
図33】第1の履歴表示条件が成立した際に、サブ制御部がエラー履歴表示制御に おいて液晶表示器にエラー履歴等を表示させる際の表示位置及びエラー履歴表示制御 における履歴表示選択画面について説明する図である。
【
図34】エラー履歴表示制御における簡易履歴表示画面について説明する図である 。
【
図35】エラー履歴表示制御における詳細履歴表示画面について説明する図である 。
【
図36】エラー履歴表示制御におけるコマンド履歴表示画面について説明する図で ある。
【
図37】第2の履歴表示条件が成立した際に、サブ制御部がエラー履歴表示制御に おいて表示させる履歴表示選択画面及び簡易履歴表示画面について説明する図である 。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0026】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例について図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、
図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
【0027】
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、
図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、
図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0028】
リール2L、2C、2Rの外周部には、
図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイa」、「リプレイb」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
【0029】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(
図4参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0030】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0031】
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(
図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
【0032】
前面扉1bには、
図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いられる演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0033】
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
【0034】
また、前面扉1bには、
図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0035】
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(
図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(
図4参照)がそれぞれ設けられており、演出用スイッチ56の内部には、演出用スイッチ56の操作が有効である旨を点灯により報知する演出用LED56a(
図4参照)が設けられている。
【0036】
前面扉1bの内側には、
図2に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23(
図4参照)、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a(
図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(
図4参照)、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31(
図4参照)、投入メダルセンサ31の上流側で異物の挿入を検出する投入口センサ26(
図4参照)を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(
図4参照)が設けられている。
【0037】
筐体1aの内部には、
図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(
図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(
図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(
図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(
図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(
図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
【0038】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(
図4参照)が設けられている。
【0039】
電源ボックス100の前面には、
図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0040】
尚、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
【0041】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(
図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0042】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、
図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
【0043】
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1~4を設定している。無効ラインLM1~4は、これら無効ラインLM1~4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1~4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(例えば、ベル‐ベル‐ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
【0044】
本実施例では、
図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
【0045】
また、本実施例では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せ(例えば、「ベル‐スイカ‐チェリーb」)が揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1~LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せ(例えば、「スイカ‐スイカ‐スイカ」)が揃うことにより、無効ラインLM1~LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。以下では、所定の図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに無効ラインLM1~LM4のいずれかに揃う図柄の組合せを、指標となる図柄の組合せと呼び、指標となる図柄の組合せを構成する図柄を指標図柄と呼ぶ。
【0046】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0047】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(
図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0048】
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
【0049】
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていても良い。
【0050】
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
【0051】
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
【0052】
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
【0053】
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
【0054】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、
図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0055】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0056】
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1~3BETLED14~16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0057】
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部41と、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42と、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44と、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送するモータ駆動回路45と、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46と、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49と、が搭載されている。
【0058】
メイン制御部41は、サブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
【0059】
メイン制御部41は、メイン処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、メイン処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0060】
演出制御基板90には、演出用スイッチ56及び待機演出スイッチ57が接続されており、この演出用スイッチ56及び待機演出スイッチ57の検出信号が入力されるようになっている。また、液晶表示器51、演出効果LED52a~c、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0061】
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52a~c、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52a~c、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
【0062】
また、演出制御基板90には、サブ制御部91が液晶表示器51を用いて演出を実行する際に当該液晶表示器51に表示させる演出用の画像データ等が記憶されたCGROM99a~cの搭載されたCGROM基板99が接続されており、CGROM99a~cに記憶された画像データ等を表示制御回路92が参照可能となっている。また、演出制御基板90には、チェック中LED59が搭載されており、後述するCGROM99a~cの検査の実行中にサブ制御部91により所定の点灯態様で点灯制御されるようになっている。また、演出制御基板90には、サブ制御部91等に電力を供給する電源と接続された電源LED60が搭載されており、演出制御基板90に電源が供給されているときに当該電源LED60が点灯するようになっている。
【0063】
演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52a~cと、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93a~eと、スピーカ53、54、からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、その他の回路等、が搭載されている。
【0064】
演出効果LED52a~cは、前面扉1bに配置され、その発光を遊技者側から視認可能な複数のLED(図示略)で構成されており、演出効果LED52aは、主に前面扉1bにおいて液晶表示器51の上方部分に配置されたLED群であり、演出効果LED52bは、主に前面扉1bにおいて液晶表示器51の左右方部分に配置されたLED群であり、演出効果LED52cは、主に前面扉1bにおいてスロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷されるパネル200部分に配置されるLED群である。
【0065】
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、ROM91bに記憶されている演出制御用のプログラム等に従って演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0066】
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
【0067】
また、待機演出スイッチ57は、前面扉1bの内側に配置されており、メイン制御部41側において待機状態に制御されているときにサブ制御部91が実行する待機演出を通常のデモ演出とするか、当該デモ演出よりも消費電力を抑えた省電力モードとするかを選択可能なスイッチであり、店員等により当該スイッチが操作されることでデモ演出または省電力モードのいずれか一方に対応する信号が演出制御基板90に入力されるようになっている。
【0068】
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
【0069】
演出制御基板90には、サブ制御部91により読込み及び書込みが可能であり、RAM91cのデータをバックアップ可能なバックアップRAM61と、当該バックアップRAM61に対して電力を供給可能なバックアップ電池62、が搭載されている。バックアップRAM61は、スロットマシン1に電力が供給されている状態では、電源基板101より電力が供給されることで、記憶領域内のデータの保持、サブ制御部91によるデータの読込み及び書込みが可能である一方、電源基板101より供給される電圧が低下したとき及びスロットマシン1に電力が供給されていない状態では、バックアップ電池62より電力が供給されることで、記憶領域内のデータの保持、サブ制御部91によるデータの読込み及び書込みが可能である。バックアップRAM61は、演出制御基板90上に搭載されたバックアップ電池62により電源がバックアップされるようになっているので、バックアップ電池62により電力が供給され続ける限り、バックアップRAM61の記憶領域内のデータを保持することが可能となっている。また、バックアップRAM61及びバックアップ電池62は、ともに演出制御基板90上に搭載されているので、演出制御基板90をスロットマシン1から取外した状態でも、バックアップ電池62により電力が供給され続ける限り、バックアップRAM61の記憶領域内のデータを保持することが可能となっている。
【0070】
また、演出制御基板90には、バックアップ電池62を脱着自在に係止して保持可能な電池ホルダ(図示略)が設けられており、当該電池ホルダにバックアップ電池62が保持されている。また、演出制御基板90は、それぞれ基板ケース(図示略)に収容された状態でスロットマシン1の内部に設置さており、演出制御基板90が不正に接触されることがないようになっている。また、基板ケースには、演出制御基板90を当該基板ケース(図示略)内に収容した状態で、演出制御基板90に配置された電池ホルダ(図示略)の位置と対応する位置に、電池ホルダに向けて突出する突出部(図示略)が設けられている。当該突出部は、演出制御基板90が基板ケース内に収容された状態で、当該突出部の先端部と、電池ホルダに保持されているバックアップ電池62の上面と、が接触するように形成されており、突出部の先端部がバックアップ電池62に接触することで、バックアップ電池62が移動することが規制され、スロットマシン1に加えられた振動の影響等によりバックアップ電池62が電池ホルダから脱離することが防止されるようになっている。
【0071】
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選、上乗せ抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0072】
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
【0073】
尚、設定キースイッチ37がon状態で電源投入された場合に、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成においては、設定変更状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定変更状態を維持することが好ましく、これにより、設定変更中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定変更状態に移行させるための操作を必要とせず、設定変更操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定変更状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態を終了して遊技の進行が可能な状態に移行する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。
【0074】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
【0075】
尚、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がon状態となったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成においては、設定確認状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定確認状態を維持することが好ましく、これにより、設定確認中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定確認状態に移行させるための操作を必要とせず、設定確認操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定確認状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態を終了して遊技の進行が可能な状態に復帰する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。
【0076】
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
【0077】
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
【0078】
エラー状態は、リセット操作(リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作)により解除される通常エラー状態と、前述した設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない特殊エラー状態と、を含み、RAM異常エラー状態は、特殊エラー状態であり、一度RAM異常エラー状態に制御されると、設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
【0079】
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(サブ)を実行する。電断処理(サブ)では、後述するエラー履歴記録処理を実行して、スロットマシン1への電力供給が停止される旨すなわち電源がオフにされた旨をRAM91cの診断用データ内のエラー履歴データに加えた後、RAM91cに記憶されているデータのうち後述の制御状態データ及び診断用データをバックアップデータとしてバックアップRAM61に複製するとともに、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かの判定(破壊判定)を行う際に使用する破壊判定データ(RAM91cの制御状態データのチェックサムの演算値)をバックアップデータとしてバックアップRAM61に設定する。
【0080】
そして、サブ制御部91は、その起動時において後述する起動処理(サブ)を実行して、バックアップRAM61に記憶されているバックアップデータのうち制御状態データが正常であることを条件に、バックアップRAM61に記憶されている制御状態データをRAM91cに設定することで、RAM91cのデータを電断前の状態に復帰させ、当該復帰された制御状態データに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、バックアップデータのうち制御状態データが正常でない場合には、バックアップRAM61の異常と判定し、バックアップデータの制御状態データをRAM91cに復帰させないようになっている。
【0081】
また、バックアップデータの制御状態データをRAM91cに復帰させない場合は、RAM91cが初期化された状態のままとなるのみで演出の実行が不能化されることはない。また、バックアップデータの制御状態データをRAM91cに復帰させる場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合には、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
【0082】
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。RAM41cの格納領域のうちの使用可能領域は、遊技RAM領域、未使用領域、非遊技RAM領域に区分されている。さらに遊技RAM領域は、特別ワーク、重要ワーク、一般ワーク、未使用領域3、遊技スタック領域に区分されている。特別ワークは、設定値が変更されても初期化されないデータが格納されるワークであり、ソフトウェア乱数、設定値、遊技状態を示すデータ等が格納される。重要ワークは、特定の遊技状態(RB、BB)の終了時に初期化すると不都合のあるデータが格納されるワークであり、LEDの表示用データ、入力ポート、出力ポートの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等が格納される。一般ワークは、特定の遊技状態の終了時に初期化可能なデータが格納されるワークであり、停止図柄、メダルの払出枚数等が格納される。未使用領域3は、いずれのプログラムでも使用されないワークである。遊技スタック領域は、遊技プログラムの実行中にメイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域である。
【0083】
尚、遊技プログラムとは、遊技の進行に係わるプログラムであり、当該プログラムに基づく処理を実行しないと、遊技の進行に支障をきたす処理を実行するためのプログラムである。一方、非遊技プログラムとは、遊技の進行に係わらないプログラムであり、遊技プログラムから呼び出されて当該プログラムに基づく処理が実行されずに遊技プログラムに復帰した場合でも、遊技を進行させることが可能な処理を実行するためのプログラムである。
【0084】
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、設定変更状態が終了されたとき、特定の遊技状態(RB、BB)の終了時、1ゲームの終了時、の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
【0085】
初期化0は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているときに行う初期化であり、初期化0では、使用可能領域全ての領域が初期化される。初期化1は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないときに行う初期化であり、初期化1では、遊技RAM領域の特別ワーク以外の領域、非遊技RAM領域の全ての領域が初期化される。初期化2は、設定キースイッチ37がONの状態での起動で設定変更状態が終了された後に行う初期化であり、初期化2では、遊技RAM領域のうち特別ワーク及び遊技スタック領域(使用中)以外の領域が初期化される。初期化3は、特定の遊技状態の終了時に行う初期化であり、初期化3では、遊技RAM領域のうち一般ワーク、未使用領域3及び遊技スタック領域(未使用)が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、遊技RAM領域の未使用領域3及び遊技スタック領域(未使用)が初期化される。尚、設定値や遊技状態を示すデータの格納領域は、特別ワークに割り当てられており、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、すなわちRAM41cのデータが正常で設定変更される場合には、設定値や遊技状態を示すデータが保持されることとなる。また、後述のタイマカウンタの格納領域は、重要ワークに割り当てられており、ゲームの終了時や特定の遊技状態の終了時には初期化されることなく保持されることとなる。
【0086】
また、本実施例のメイン制御部41は、上述の初期化実行する際には、初期化対象のRAMアドレスとして開始アドレスと終了アドレスが指定されることで、指定された開始アドレスから1バイト分のデータを0で上書きした後、当該1バイトのデータの論理和を計算し、計算結果が0であれば、次のアドレスに移動する処理を、指定された終了アドレスに達するまで繰り返し行うことで、指定されたアドレスの範囲のRAM領域を初期化する。
【0087】
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
【0088】
そして、本実施例では、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。
【0089】
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払出を伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態(RB(レギュラーボーナス)、BB(ビックボーナス))への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0090】
次に、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、上述の各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0~65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路により生成され、乱数回路の乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
【0091】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
【0092】
そして、内部抽選の結果を示す当選番号をRAM41cに設定する。当選番号は、内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等に用いられる。
【0093】
また、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選番号に基づいて当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、特別役格納ワーク及び一般役格納ワークをクリアする。
【0094】
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、当選番号及びROM41bに格納されているテーブルインデックス、テーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
【0095】
本実施例では、滑りコマ数として0~4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
【0096】
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
【0097】
また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
【0098】
尚、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としても良い。
【0099】
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技のためのリールの回転を開始させる。一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点でリールの回転を開始させる。
【0100】
本実施例においてメイン制御部41は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する制御を行う。これら外部出力信号は、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
【0101】
メイン制御部41は、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態がRB(レギュラーボーナス)中の旨を示すRB中信号、遊技状態がBB(ビッグボーナス)中の旨を示すBB中信号、後述するARTの開始を示すART信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号をそれぞれ出力する。
【0102】
外部出力基板1000には、リレー回路、パラレル・シリアル変換回路、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタが設けられている。遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、ART信号は、リレー回路を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板に出力される。これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換されて情報提供端子板に出力される。
【0103】
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
【0104】
本実施例では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、制御状態コマンド、内部当選コマンド、押し順特定コマンド、リール加速情報コマンド、加速完了コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞番号コマンド、払出枚数コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
【0105】
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
【0106】
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
【0107】
制御状態コマンドは、ゲームに関連する制御状態を特定可能なコマンドあり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、内部当選コマンドの送信前、及びリールの第3停止の操作が行われたときであって、第3停止に関する停止コマンドの送信後に送信される。制御状態コマンドは、当該ゲームの開始時と終了時とで内容が変化することがある制御状態を特定可能な複数の制御状態コマンド1と、当該ゲームの開始時と終了時とで内容が変化しない制御状態を特定可能な複数を制御状態コマンド2とを含み、制御状態コマンド1が送信された後に制御状態コマンド2が送信される。
【0108】
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、ART状態コマンドの後に送信される。内部当選コマンドは、特別役が当選しているか否かを特定可能な第1の内部当選コマンドと、一般役が当選しているか否かを特定可能な第2の内部当選コマンドと、を含み、第1の内部当選コマンドが送信された後に、第2の内部当選コマンドが送信される。
【0109】
内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
【0110】
押し順特定コマンドは、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンドであり、リールの第1停止及び第2停止の停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、停止コマンドが送信された後に送信される。尚、後述のナビ報知が実行されるゲームにおいては、ゲームの開始時に、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な停止順データを含むコマンド(上述の制御状態コマンド)が送信され、リールの第1停止及び第2停止の停止操作時に、有利な停止順を特定可能な停止順データを含む押し順特定コマンドが送信される一方で、ナビ報知が実行されないゲームにおいては、有利な停止順が確定する前であるゲーム開始時には、有利な停止順を特定不能な停止順データを含むコマンド(上述の制御状態コマンド)が送信され、有利な停止順が確定したとき以降の第1停止及び第2停止の停止操作時には、有利な停止順データを含む押し順特定コマンドが送信される。
【0111】
リール加速情報コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。
【0112】
加速完了コマンドは、遊技の開始に伴うリールの加速が完了した旨を特定可能なコマンドであり、遊技が開始された際にリール2L、2C、2Rの回転が開始させた後、最初に全てのリール2L、2C、2Rが定速回転となったときに送信される。
【0113】
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。
【0114】
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
【0115】
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
【0116】
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
【0117】
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
【0118】
入賞番号コマンドは、入賞の有無、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せを特定可能な入賞番号を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
【0119】
払出枚数コマンドは、入賞の種類またははずれに応じて払出されるメダルの枚数を特定可能なコマンドであり、入賞番号コマンドの送信後に送信される。
【0120】
遊技終了コマンド、入賞判定コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
【0121】
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
【0122】
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施例では60秒)経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
【0123】
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
【0124】
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
【0125】
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
【0126】
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
【0127】
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
【0128】
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、及びドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
【0129】
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
【0130】
これらコマンドのうち操作検出コマンド以外のコマンドは、メイン処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において送信される。
【0131】
一方、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において送信される。
【0132】
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
【0133】
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52a~c、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52a~cの点灯態様、スピーカ53、54、の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
【0134】
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
【0135】
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
【0136】
本実施例におけるスロットマシン1では、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能である。また、メイン制御部41は、再遊技役の当選確率が相対的に高くなるリプレイタイム(RT)に制御することが可能であり、ATかつRTに制御される状態をアシストリプレイタイム(ART)と呼ぶことがある。
【0137】
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行して、当選したナビ報知役の当選番号に基づいて遊技者にとって有利となる停止順を報知するとともに、当該当選番号に基づいて遊技者にとって有利となる停止順を特定可能な押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信することで、液晶表示器51等を用いたナビ演出を実行させる。また、本実施例においてメイン制御部41は、ATに制御していない通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
【0138】
本実施例のスロットマシンでは、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
【0139】
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じた報知対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンド、押し順コマンドを送信することで、サブ制御部91によるナビ演出を実行させる。また、本実施例においてメイン制御部41は、ATに制御していない通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。本実施例のナビ報知は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な停止順を識別可能に報知する。
【0140】
報知対象役とは、該報知対象役に対応する複数種類の内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順が異なることにより、報知対象役に対応する複数種類の内部抽選結果のうちいずれの種類の内部抽選結果となったかにより遊技者にとって有利な停止順が変化する内部抽選の対象役である。遊技者にとって有利な停止順とは、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態に移行させる停止順、遊技者にとって有利な遊技状態の終了を回避させる停止順、有利な役を入賞させる停止順などである。尚、本実施例では、遊技者にとって有利な停止順が変化する構成であるが、遊技者にとって有利な停止タイミング、遊技者にとって有利な停止順と停止タイミングの組合せが変化するものでも良い。
【0141】
本実施例のナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54、からのナビ音声の出力とによって報知する。例えば、左中右の停止順を報知する場合には、「123」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声として、例えば、「左中右!」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。また、左リールを第1停止とする停止順を報知する場合には、「1‐‐」(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声としては、例えば、「左!」(左リールが第1停止であることを示す)(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。尚、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51、スピーカ53、54、を用いたものに限らず、演出効果LED52a~c、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
【0142】
以上のように、ナビ報知及びナビ演出では、遊技者にとって有利となる停止順が識別可能に報知される。このため、遊技者は、ナビ演出に従った停止順で停止操作を行うことにより、例えば、意図的に遊技者にとって有利な遊技状態に移行させること、遊技者にとって有利な遊技状態の終了を回避させること、意図的に有利な役を入賞させることができる。
【0143】
次に、下部パネル200及び演出ボタン300を有する演出ボタンユニット310の構造について、
図5~
図8に基づいて説明する。
図5は、(A)は演出ボタンが第2位置にある状態を示す斜視図、(B)は第1位置にある状態を示す斜視図である。
図6は、(A)は演出ボタンが第2位置にある状態を示す側面図、(B)は第1位置にある状態を示す側面図である。
図7は、下部パネル、基体及び演出ボタンユニットを斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。
図8は、下部パネル、基体及び演出ボタンユニットを斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。
【0144】
図1、
図5及び
図6に示すように、下部パネル200(ベース部)は、前面扉1bの前面上下方向の略中央位置に左右方向に向けて形成された操作台120と、前面扉1bの前面下部に左右方向に向けて形成されメダル払出口9から払い出されたメダルを貯留可能な下皿121と、の間に配設されている。下部パネル200は、正面視略横長長方形状に形成され、表示面200aが上辺から下辺に向けて前側に傾斜するように設けられているとともに、表示面200aは、上辺から下辺に向けて前側に湾曲している(
図6参照)。当該スロットマシン1にて遊技を行う遊技者の目線は、透視窓3L,3C,3Rと略同等の高さにあるため、第2位置においても表示面200aがやや上向きになるように傾斜することで、表示面200aを遊技者が視認しやすくなっている。
【0145】
また、演出ボタン300は、通常状態での位置である第2位置(
図5(A),
図6(A)参照)と、該第2位置よりも前方に突出する第1位置(
図5(B),
図6(B)参照)と、第2位置よりも後方に押された第3位置(
図17(B),
図18(C)参照)の間で前後方向に移動可能に設けられている。
【0146】
図7及び
図8に示すように、下部パネル200は、透光性を有する合成樹脂材にて構成され表示面200aを形成するカバーパネルと、該カバーパネルの背面側に設けられ透光性を有する合成樹脂材にて構成される装飾シート(図示略)と、から構成されている。前記装飾シートの背面には、特に図示しないが所定の装飾(例えば、機種のタイトル名や演出で登場するキャラクタなど)が印刷等により施されており、該装飾は、下部パネル200の前側から、下部パネル200及び装飾シートを透して視認できるようになっている。尚、本実施例では、印刷により装飾が施されていたが、液晶表示装置や導光板等により装飾を視認可能となるようにしてもよい。
【0147】
下部パネル200の略中央部には、所定の形状(例えば、本実施例ではハート形状)を成す開口部203(孔部)が形成されている。このように構成された下部パネル200は、前面扉1bを構成する基体1cの前面に固定された取付部材205に前側から取付けられる。また、取付部材205には、演出ボタンユニット310(操作手段)が図示しないネジ等により取付けられており、下部パネル200の開口部203には、演出ボタン300が挿通可能となっている。尚、下部パネル200は、基体1cに対し取付部材205を介して着脱可能に取付けられるが、前面扉1bを開放しない限り取外すことができないようになっている。
【0148】
また、特に図示しないが、取付部材205には、複数の下部パネル発光ダイオード(下部パネルLED)が前方に向けて光を照射可能に配設されており、装飾シートを後側から照らすことができるようになっている。
【0149】
次に、演出ボタンユニット310の構造について、
図9~
図16に基づいて説明する。
図9は、演出ボタンユニットの構造を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。
図10は、演出ボタンユニットの構造を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。
図11は、カム部材を示す六面図である。
図12は、(A)は演出ボタンユニットを示す背面図、(B)は演出ボタンユニット及び下部パネルを示す背面図、(C)は演出ボタンユニット、下部パネル及び取付部材を示す背面図である。
図13は、
図10のA-A断面図である。
図14は、(A)は
図10のB-B断面図、(B)は
図10のC-C断面図である。
図15は、
図10のD-D断面図である。
図16は、
図10のE-E断面図である。
【0150】
図9~
図14に示すように、演出ボタンユニット310は、基体1cの取付部材205に固設され前後方向に移動しない非移動部311と、非移動部311に対し前後方向に移動可能に設けられた可動部としての移動部312(特に
図13、
図14の囲い部分参照)と、から主に構成されている。
【0151】
非移動部311は、前面が開口する四角箱状に形成される第1固定ベース320と、第1固定ベース320に対し前後方向を向く回転軸を中心として回転可能に取付けられるカム部材321を有するカム装置322と、カム部材321を駆動させる駆動装置327と、第1固定ベース320の前面側を被覆するように固定される第2固定ベース323と、第2固定ベース323の前面側に固定される第3固定ベース324と、を備えている。第1固定ベース320と第2固定ベース323との間には、カム装置322、駆動装置327、後述する第1移動ベース360、第2移動ベース361、及び第3移動ベース362が配設されている。尚、第2固定ベース323及び第3固定ベース324には、後述する第3移動ベース362を挿通可能な開口部323a、開口部324aがそれぞれ形成されている。
【0152】
第1固定ベース320は、取付部材205に固設されており、その略中央部には、前方側に延びる環状筒320aが形成されている。この第1固定ベース320には、環状筒320aに対してカム部材321が回動可能な状態でカム装置322が取付けられている。
【0153】
図11に示すように、カム装置322は、カム部材321と、カム部材321を挿通可能な断面視凹形状のカバー部材325と、カム部材321の後端部に連結されるとともにカバー部材325内に収容されるギヤ部材326と、を備えている。カム部材321は、円筒形状に形成され、外周面340には、外周面340に対してカム部材321の径方向の内側に凹む凹部341が形成されている。外周面340と凹部341との段差部分には、カム部材321の軸方向(前後方向)に対し平行に延びる2つの平行面342A,342Bと、カム部材321の軸方向に対し傾斜した方向に延びる曲面状の2つの傾斜面343A,343Bと、平行面342A,342Bの後端部と傾斜面343A,343Bの後端部とを両端としてカム部材321の軸方向に対し直交方向に延びる2つの直交面344A,344Bとが形成されている。
【0154】
これら2つの平行面342A,342B、2つの傾斜面343A,343B及び2つの直交面344A,344Bは、それぞれ回転軸を挟んで対向する位置に配置されている。また、平行面342A,342Bの前端部と傾斜面343A,343Bの前端部との間は離れている。また、直交面344A,344Bには、後述する突起部307A,307Bが嵌合する凹部345A,345Bが形成されている。
【0155】
図10に示すように、駆動装置327は、第1固定ベース320に固定されるベース板327aと、ベース板327aの前面側に配設される駆動モータ327bと、ベース板327aの背面側に配設され駆動モータ327bの駆動軸に固定される第1ギヤ327cと、ベース板327aの背面側に回動自在に配設され第1ギヤ327cと噛合する第2ギヤ327dと、を備えており、第2ギヤ327dは、カム部材321の後端部に連結されるギヤ部材326にも噛合している。
【0156】
すなわち、駆動モータ327bが駆動されると、第1ギヤ327c及び第2ギヤ327dを介してギヤ部材326に駆動力が伝わり、カム部材321が前後方向の回動軸(環状筒320a)を中心として回動するようになっている。尚、カム部材321は、ギヤ部材326が第1固定ベース320とカバー部材325とで前後から挟まれていることから前後方向の移動が規制される。
【0157】
移動部312は、第1固定ベース320に対し前後方向に移動可能に設けられる第1移動ベース360と、第1移動ベース360に対し前後に相対移動可能に組付けられる第2移動ベース361と、第2移動ベース361に固設される断面視コ字状の第3移動ベース362と、第2固定ベース323及び第3固定ベース324よりも前方側で第3移動ベース362に固定される移動体365と、移動体365の前方側を被覆する弾性体366(被覆手段)と、を主に備え、該移動部312は、演出ボタン300を構成する。尚、演出ボタン300は、遊技者が操作可能な操作部としての移動体365(移動体365の前面部)を有する。
【0158】
図14(A)に示すように、第1移動ベース360は、その中央部にカム部材321を挿通可能な開口部360cを有するとともに、左右両端部に前後方向に延びる貫通孔360aを有している。この貫通孔360aには、第1固定ベース320及び第2固定ベース323に渡って連結される固定軸328が挿通されており、この固定軸328には圧縮バネ302が環装されている。また、貫通孔360aの前端側には、固定軸328を挿通可能な貫通軸部367aを有するキャップ367が固定されており、圧縮バネ302は、貫通軸部367aの後端部と第1固定ベース320との間に配置されている。つまり、第1移動ベース360は、固定軸328に沿って前後に移動可能となっているとともに、圧縮バネ302により前方側に向けて付勢されている。尚、第1移動ベース360の左右両側には、開口部360cの内径側に向けて突出する突起部307A,307Bが取付けられている。
【0159】
図14(B)に示すように、第2移動ベース361は、その中央部にカム部材321を挿通可能な開口部361cを有するとともに、背面側に突出する突出軸361aを複数有しており(本実施例では4つ)、これら突出軸361aは、コイルバネ303を環装された状態で第1移動ベース360に設けられた複数の孔部360bに挿通されている。また、突出軸361aの後端部には、ビス304が螺挿されており、このビス304の頭部は孔部360bの径より大径となっている。すなわち、第2移動ベース361は、第1移動ベース360に対して前後に相対移動可能となっており、コイルバネ303により第1移動ベース360から離間するように付勢されているとともに、ビス304により突出軸361aが孔部360bから離脱することが防止されている。
【0160】
また、
図16に示すように、第2移動ベース361の背面側には、背面側に突出する突出片361bが第1固定ベース320に設けられた孔部320bに前後で対応する位置に設けられている。この突出片361bは、後述するように演出ボタン300(移動体365の前面部)が押されたときに、後方側へ移動して孔部320bに挿通され、孔部320bの背面側に取付けられる操作検出センサ306により検出されるようになっている。
【0161】
図13及び
図14に示すように、第3移動ベース362は、第2移動ベース361に固定され一体化されており、第3移動ベース362の前端部は、開口部323a及び開口部324aを介して第2固定ベース323及び第3固定ベース324の前方側に配置されるようになっている。この第3移動ベース362は、断面視コ字状を成し、その内側には振動モータ364が固定されている。この振動モータ364は、モータ本体364aと、モータ本体364aのシャフト364bに偏心して取付けられる錘364cと、からなり、モータ本体364aによりシャフト364bと共に錘364cが回転し振動するようになっている。
【0162】
また、第3移動ベース362の前面の外周縁には、前方に向けて突出する壁部362aが形成されており、該壁部362aと第3移動ベース362の前面とにより凹部362bが形成されている。この凹部362bの内側には、複数の演出用LED308aを備えたLED基板308が配設されており、演出用LED308aが前方に向けて光を照射可能となっている。尚、第3移動ベース362の前面には、移動体365と接続するためのボス軸362cが前方側に突出するように形成されている。
【0163】
図13及び
図15に示すように、移動体365は、透光性を有する合成樹脂材により略ドーム状に形成されている。詳しくは、移動体365は、略垂直に延びる垂直部365aと、垂直部365aの外縁から後方側に湾曲する環状の湾曲部365bと、湾曲部365bの後端部から前後方向に延びる環状の水平部365cと、から成る。また、垂直部365aの背面には、第3移動ベース362のボス軸362cを挿入可能な軸受ボス365gが後方側に突出して形成されており、ボス軸362cを軸受ボス365gに挿入することで第3移動ベース362と移動体365とが連結される。
【0164】
また、垂直部365aの背面には、凹部365dが形成されているとともに、垂直部365aにおける凹部365dの下部に対応する位置に開口部365eが形成されている。また、凹部365dの背面側上部には、開口部365fが形成されている。すなわち、開口部365e及び開口部365fは、前後で上下方向に互い違いとなるように配設されている。
【0165】
図13及び
図15に示すように、弾性体366は、透光性及び弾性を有する変形可能な合成樹脂材により形成されている。この弾性体366は、移動体365の前面側を被覆する被覆部366aと、被覆部366aの後端側外縁から外側に張り出す取付部366bと、を有している。被覆部366aは、正面視略ハート形状であり、前方側に張り出す立体形状を成しており、下部パネル200の開口部203に背面側から挿入可能となっている。尚、被覆部366aは、自然状態(外力が働いていない状態)において立体的なハート形状が保たれるようになっている(
図9,
図10参照)。
【0166】
また、被覆部366aの中央部背面側には、弾性体366よりも硬質の合成樹脂材により構成されるインサート部材309を収納可能な収納部366cが形成されている。尚、被覆部366aの中央付近の部位(第2部位)は、弾性変形可能であるが、被覆部366aにおける他の部位よりも厚く形成されており、被覆部366aにおける他の部位(第1部位)よりも弾性変形し難くなっている。
【0167】
また、収納部366cの背面側の一部には開口部366dが形成されており、開口部366dには、インサート部材309から背面側に延び、且つ上方へ立ち上がる形状の鉤部309aが挿通されている。この鉤部309aは、移動体365の開口部365eを通じて凹部365d内に挿入され、これにより移動体365と被覆部366aとが係止されて連結される。前述のように、移動体365の開口部365e及び開口部365fは、前後で上下方向に互い違いとなるように配設されているため、鉤部309aを凹部365d内に挿入する際には、開口部365e側から開口部365fに向けて斜め方向に差し込むことができ、移動体365と被覆部366aとの連結作業を簡便に行うことができる。
【0168】
取付部366bは、第3固定ベース324の前面に図示しないボルト等で固定されるとともに、下部パネル200の背面側に配置される装飾シートを該下部パネル200の背面に固定するための固定パネル201により前方側から被覆されるようになっている。つまり、取付部366bは、下部パネル200及び固定パネル201により前方から視認不能または視認困難となっている。また、固定パネル201は、被覆部366aに接触して隙間が形成されないようになっている。
【0169】
このように演出ボタンユニット310は、第1位置(
図17(A)参照)と第2位置(
図16(A)参照)と第3位置(
図17(B),
図18(B)参照)の間で非移動部311に対し前後方向に移動可能に設けられた移動部312(演出ボタン300)と、該移動部312を移動させる駆動手段としての圧縮バネ302、駆動モータ327b、突起部307A,307B、カム部材321、及び振動モータ364とを有している。また、非移動部311には、移動部312が第1位置にあるか否かを判定するフォトセンサからなる突出位置センサ398(
図4参照)が設けられている。具体的には、特に図示しないが、突出位置センサ398は、カム部材321の後端部に連結されるギヤ部材326に設けられた図示しない検出片を検出するようになっており、移動部312が第1位置にあるときに前記検出片を非検出状態(突出位置センサ398;off)となり、第1位置から第2位置へ移動したときに前記検出片を検出状態(突出位置センサ398;on)となる。尚、移動部312が第1位置にあるときに前記検出片を検出状態(突出位置センサ398;on)となり、第1位置から第2位置へ移動したときに前記検出片を非検出状態(突出位置センサ398;off)となるようにしてもよい。
【0170】
また、カム部材321は、駆動モータ327bにより、移動部312が第2位置にあるときに左右の突起部307A,307Bに対し直交面344A,344Bがそれぞれ当接し、付勢手段としての圧縮バネ302による移動部312の第1位置側(前方)への移動を規制する第2回転状態(
図17参照)と、移動部312が第1位置にあるときに左右の突起部307A,307Bに対し、直交面344A,344B及び傾斜面343A,343Bが圧縮バネ302による移動部312の前方移動を規制しない第1回転状態(
図18(A)参照)とに変化(回転)可能に設けられている。駆動モータ327bはステッピングモータからなり、該駆動モータ327bを制御するサブ制御部91は、第1回転状態からのステップ数により第1回転状態からの回転角度を特定できるようになっている。尚、ステップ数でなくロータリエンコーダ等により第1回転状態からの回転角度を特定するようにしてもよい。
【0171】
また、移動体365と弾性体366とは、透光性を有しているため、第3移動ベース362に設けられる演出用LED308aが前方へ光を照射した際に、その光が移動体365と弾性体366とを介して前方側(遊技者側)に照射されるため、演出性及び装飾性を高めることができる(
図13,
図15参照)。
【0172】
次に、演出ボタン300を構成する移動部312の移動制御内容について、
図17~
図19に基づいて説明する。
図17は、(A)は演出ボタンが第2位置にある状態を示す概念図、(B)は第2位置の演出ボタンが押された状態を示す概念図である。
図18は、(A)は演出ボタンが第1位置にある状態を示す概念図、(B)は第1位置の演出ボタンが押された状態を示す概念図である。
図19は、(A)は演出ボタンが第1位置にある状態を示す概念図、(B)は(A)の状態から演出ボタンが第2位置に復帰する途中の状態を示す概念図、(C)は演出ボタンが第2位置に復帰した状態を示す概念図である。
【0173】
まず、
図17(A)に示すように、通常状態(駆動初期状態)においては、カム部材321は左右の突起部307A,307Bの周面が直交面344A,344Bにそれぞれ当接する第2回転状態であり、圧縮バネ302による移動部312の第1位置側(前方)への移動が規制されていることで、移動部312は第2位置(第2操作受付位置)に維持されている。尚、移動部312が第2位置にあるときには、突出位置センサ398により移動部312が第1位置に位置していないことを判定している(突出位置センサ398;on)。
【0174】
また、通常状態においては、弾性体366の被覆部366aの中央部が移動部312により後方側に若干引っ張られた状態となっている。詳しくは、弾性体366の取付部366bが第3固定ベース324に固定されており、被覆部366aの中央部が移動部312により後方側に若干引っ張られることにより、被覆部366aの中央部以外の部位が変形し被覆部366aの中央部が後方側に凹むようになっている(
図5(A),
図6(A)参照)。すなわち、通常状態においては、移動体365の湾曲部365bと弾性体366の被覆部366aとが接触しないようになっている。
【0175】
尚、特に図示しないが、通常状態においては、突起部307A,307Bは、直交面344A,344Bに形成された凹部345A,345B(
図11参照)に嵌合するようになっているため、振動等の外力が働いた場合であっても、突起部307A,307Bが直交面344A,344Bから外れることを抑制できるようになっている。
【0176】
また、通常状態においては、第2移動ベース361の突出軸361aに螺挿されるビス304の頭部が、第1移動ベース360の背面側に当接している。つまり、第1移動ベース360と第2移動ベース361とは、コイルバネ303により相対的に離間した状態となっている。
【0177】
したがって、
図17(B)に示すように、第1移動ベース360と第2移動ベース361とが離間している距離L1分、演出ボタン300(移動部312)が後方側に移動可能であるため、遊技者が演出ボタン300を第3位置(操作検出位置)に押圧操作することができるようになっている。演出ボタン300が押圧操作された際には、第2移動ベース361の突出片361bが操作検出センサ306により検出される。
【0178】
このように、突出位置センサ398により移動部312が第1位置に位置していないことを判定した状態(突出位置センサ398;on)において、第2移動ベース361の突出片361bが操作検出センサ306により検出された際には、サブ制御部91が、例えば、液晶表示器51にてメニュー画面等を表示する等の所定の処理を行う。
【0179】
尚、演出ボタン300を押圧操作した際には、弾性体366の弾力により遊技者に、合成樹脂材からなるストップスイッチ8L、8C、8Rや演出用スイッチ56等とは異なる感触や操作感(押し心地)を与えることができる。また、インサート部材309の鉤部309aにより移動体365と被覆部366aとが中央部分同士で係止されているため、移動体365に追従するように被覆部366aの中央部が変形するようになるので、操作感が向上する。
【0180】
また、遊技者が操作する部分である弾性体366における被覆部366aの中央部には、変形し難いインサート部材309が取付けられているため、弾力により操作感が著しく損なわれることがない。また、被覆部366aの中央部は、その他の部位よりも若干肉厚に形成されているため、遊技者が操作する部分の変形を小さくでき、操作感の低下を抑制できる。
【0181】
ここで、駆動制御手段としてのサブ制御部91が、移動部312を第2位置から第1位置(第1操作受付位置)へ移動させる場合、
図18(A)に示すように、サブ制御部91は、駆動モータ327bによりカム部材321を第2方向(
図18(A)中矢印方向)に所定角度回転させる。これにより、直交面344A,344Bが突起部307A,307Bより第2方向側に移動して、突起部307A,307Bの周面に対する直交面344A,344Bによる規制が解除されると、突起部307A,307Bが平行面342A,342Bに沿って圧縮バネ302による付勢力により前方へと移動する。これにより、移動部312(演出ボタン300)が第2位置から第1位置へ勢いよく飛び出し、第1位置において移動体365の湾曲部365bが弾性体366の被覆部366aの内周面に衝突して移動部312の前方移動が規制されると、圧縮バネ302による付勢力により第1位置に維持される(第2位置から距離L2分前方に突出する)。これによれば、被覆部366aは、移動部312の突出動作により該移動部312の自然状態(外力が働いていない状態)よりも前方側に膨出するようになる。尚、移動部312が第1位置にあるときには、突出位置センサ398により移動部312が第1位置に位置していることを判定している(突出位置センサ398;off)。
【0182】
図18(B)に示すように、移動部312(演出ボタン300)が第1位置にあるときに、遊技者が手により圧縮バネ302による付勢力に抗して後方に向けて押圧すると、第1位置から第2位置まで押し戻されるとともに、第1移動ベース360と第2移動ベース361とがコイルバネ303による付勢力に抗して相対的に近接されることで第2位置から第3位置へ退避され、第2移動ベース361の突出片361bが操作検出センサ306により検出される。つまり、移動部312(演出ボタン300)は、第1位置から第3位置まで距離L3分後方へ移動する。尚、距離L3は、第2位置から第1位置までの距離L2分と、押圧操作分の距離である第2位置から第3位置までの距離L2分と、の和である(L3=L1+L2)。
【0183】
操作検出センサ306により検出されると、サブ制御部91は、駆動モータ327bによりカム部材321を第1方向(
図18(B)中矢印方向)に所定角度回転させる。これにより、平行面342A,342Bが突起部307A,307Bよりも第2方向側に移動し、突起部307A,307Bの周面が直交面344A,344Bに当接して前方への移動が規制される状態に復帰して、移動部312は第2位置に維持される。
【0184】
また、突出位置センサ398により移動部312が第1位置に位置していることを判定した状態(突出位置センサ398;off)において、第2移動ベース361の突出片361bが操作検出センサ306により検出された際には、サブ制御部91が振動モータ364を駆動させる。これにより、遊技者の手に対して振動を与える演出を行うことができ遊技の興趣を高めることができる。
【0185】
次に、サブ制御部91が、移動部312(演出ボタン300)を第1位置と第2位置とで連続的に動作させる場合を説明する。尚、説明の便宜上、突起部307Aとカム部材321との関係性について説明し、突起部307Bとカム部材321との関係性の説明を省略する。
【0186】
先ず、
図19(A)に示すように、サブ制御部91は、駆動モータ327bによりカム部材321を第2方向(
図19(A)中矢印方向)に所定角度回転させ、直交面344Aによる突起部307Aの前方移動の規制を解除することで、移動部312(演出ボタン300)を第2位置から第1位置に移動させる。
【0187】
そして、
図19(B)に示すように、サブ制御部91は、駆動モータ327bによりカム部材321を第2方向(
図19(B)中矢印方向)にさらに所定角度回転させると、突起部307Aの周面が傾斜面343Bに当接する。突起部307Aの周面は、駆動モータ327bによりカム部材321が第2方向(
図19(B)中矢印方向)へ回転するにつれて、傾斜面343Bから受ける後方への押圧力によって、圧縮バネ302による付勢力に抗して後方に押し戻される。
【0188】
そして、
図19(C)に示すように、サブ制御部91は、駆動モータ327bによりカム部材321を第2方向(
図19(C)中矢印方向)にさらに所定角度回転させると、突起部307Aの周面が直交面344Bに当接して移動部312(演出ボタン300)の前方への移動が規制される状態に復帰する。このように、駆動モータ327bによりカム部材321を第2方向に回転させ続けることで、移動部312(演出ボタン300)を第1位置と第2位置とで連続的に前後に移動させることができる。
【0189】
尚、突起部307A,307Bの周面が傾斜面343A,343Bに接している状態で、カム部材321の回転方向を第1方向と第2方向に交互に繰り返し切り替えることで、演出ボタン300を小刻みに前後移動させることも可能である。
【0190】
次に、演出ボタン300の突出動作を用いた演出の一例について説明する。
図20は、(A)~(D)は、演出ボタンの突出動作を用いた演出の一例を示す説明図である。
【0191】
本実施例では、スロットマシン1は、前述したように、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置としてのリール2L,2C,2Rに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該リール2L,2C,2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされており、遊技を行う(例えば、賭数が設定された状態でスタートスイッチ7が操作されたことに基づいて内部抽選を実行することなど)ことにより所定条件が成立したとき(例えば、いずれかの入賞の発生が許容されたとき)に所定の遊技価値を付与することが決定されるようになっている。所定の遊技価値には、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナスや、通常よりも特定の入賞の発生が許容される確率が高まるリプレイタイム(RT)や、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様など遊技者にとって有利な情報が報知されること等により通常よりも多くの遊技用価値の獲得が期待できるアシストタイム(AT)等)や、該遊技状態が継続する権利(例えば、ATの継続、ATゲーム数の上乗せなど)等が含まれる。
【0192】
また、サブ制御部91は、内部抽選などにより上記所定条件が成立したとき、上記のような各種遊技価値のいずれかが付与される可能性を示唆する示唆演出を実行可能であるとともに、上記所定条件の成立状況に基づいて、示唆演出における所定のタイミングにおいて、演出ボタン300を第2位置から第1位置へ移動させるとともに、該演出ボタン300の押圧操作を促進する促進演出を実行し、該促進演出の実行中に演出ボタン300が押圧操作されたとき、所定の遊技価値が付与された可能性を示唆したり、付与することが決定された遊技価値を報知する演出を実行する。
【0193】
以下、例えば、サブ制御部91がATゲーム数の上乗せ抽選を実行した結果、100ゲームの上乗せが決定されたときに実行する上乗せ演出において、演出ボタン300を突出させる突出動作を実行する場合の一例について説明する。
【0194】
図20に示すように、サブ制御部91は、ATゲーム数の上乗せ抽選等にて100ゲームの上乗せを決定した場合、例えば、ゲームの開始時に液晶表示器51の表示領域51aに味方キャラクタと敵キャラクタを表示した後(
図20(A)参照)、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決する上乗せ演出の画像を表示する(
図20(B)参照)。このとき、演出ボタン300は第2位置にあるが、例えば、演出用LED308aを所定の点灯態様にて点灯して、演出ボタン300が第1位置へ移動する可能性があることを示唆する。
【0195】
次いで、上乗せ演出が開始された後、所定のタイミング(例えば、全てのリール2L,2C,2Rの可変表示が停止されたときなど)で、「演出ボタンを押せ!」という文字を液晶表示器51の表示領域51aに表示して、演出ボタン300の押圧操作を遊技者に促す促進演出を開始するとともに、演出ボタン300を第2位置から第1位置へ移動させる(
図20(C)参照)。
【0196】
この演出ボタン300の移動により、弾性体366が遊技者側に膨出する。また、この演出ボタン300の移動に応じて、演出用LED308aを所定の点灯態様にて点灯することにより、演出用LED308aからの光が、弾性体366の被覆部366aを透して外側に向けて出射される。
【0197】
そして、所定の操作有効期間内に演出ボタン300が押圧操作されて第2位置へ移動したとき、または演出ボタン300が押圧操作されずに操作有効期間が経過して駆動モータ327bにより第2位置へ移動したとき、ATゲーム数の上乗せ抽選にて決定されたATゲーム数(例えば、100ゲーム)を示す「+100」及び味方キャラクタの画像を表示して、所定数のATゲーム数の上乗せを決定したことを遊技者に報知する(
図20(D)参照)。
【0198】
次に、演出ボタン300の突出動作を用いた別の演出の一例について説明する。
図21は、(A)~(D)は、演出ボタンの突出動作を用いた別の演出の一例を示す説明図である。
【0199】
前述のように、サブ制御部91は、ATゲーム数の上乗せ抽選等にて100ゲームの上乗せを決定した場合、例えば、ゲームの開始時に液晶表示器51の表示領域51aに味方キャラクタと敵キャラクタを表示した後(
図20(A)参照)、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決する上乗せ演出の画像を表示し(
図20(B)参照)、上乗せ演出が開始された後、所定のタイミング(例えば、全てのリール2L,2C,2Rの可変表示が停止されたときなど)で、演出ボタン300を第1位置と第2位置とで連続的に前後に移動させ、弾性体366が膨出と収縮を繰り返すような演出を行う(
図21(A)~(D)参照)。これにより、遊技者に対し、ATゲーム数の上乗せ抽選に当選したか否かに興味を持たせることができる。
【0200】
尚、サブ制御部91は、ATゲーム数の上乗せ抽選に当選したか否かまたは当選したゲーム数に応じて、演出ボタン300の前後動作の移動量を決定するようにしてもよく、例えば、ATゲーム数の上乗せ抽選に当選しなかったときに、当選したときよりも高い割合で第1位置及び第2位置間の中間位置で演出ボタン300が小刻みに前後移動することを選択するようにしてもよい。このようにすることで、演出ボタン300が第1位置と第2位置との間で大きく前後移動することへの遊技者の期待感を高めることができる。
【0201】
また、サブ制御部91は、ATゲーム数の上乗せ抽選に当選したか否かまたは当選したゲーム数に応じて、演出ボタン300の動作速度を変更するようにしてもよく、例えば、ATゲーム数の上乗せ抽選に当選したときに、当選しなかったときよりも高い割合で、駆動モータ327bによるカム部材321の回転速度を高めて演出ボタン300の動作速度を高速にしたり、第1ゲーム数が当選したときに、第1ゲーム数よりも少ない第2ゲーム数が当選したときよりも高い割合で演出ボタン300の動作速度を高速にすることが好ましく、このようにすることで、演出ボタン300が高速動作することへの遊技者の期待感を高めることができる。
【0202】
また、ここでは上乗せ演出にて演出ボタン300を突出させるパネル演出を実行する例を記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の演出等において演出ボタン300の突出動作を実行するようにしてもよい。
【0203】
以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1にあっては、移動体365が押されたことにより、遊技者の操作を検出する演出ボタンユニット310と、移動体365を被覆するように設けられる弾性体366と、を備え、弾性体366は、変形可能な第1部位(例えば、被覆部366aにおける中央部以外の部位)と該第1部位よりも変形し難い第2部位(例えば、被覆部366aの中央付近の部位)とを有し、第2部位は、移動体365に対応する位置に設けられている。
【0204】
このように移動体365が弾性体366により被覆されていることで、硬質の合成樹脂材からなる従来のボタンにはない操作感を生じさせることができる。また、移動体365に対応する被覆部366aの第2部位は、移動体365に対応しない被覆部366aの第1部位よりも変形し難いので、変形により操作感が著しく損なわれることがない。言い換えれば、操作力が演出ボタン300に伝達されやすい。
【0205】
具体的には、演出ボタン300における移動体365の前方側に弾性を有する弾性体366が配設されており、弾性体366は、演出ボタン300よりも外側の位置で第3固定ベース324に固定されているため、遊技者が演出ボタン300を押圧操作した際には、第2部位に比べて変形しやすい軟質の被覆部366aの第1部位が弾性変形し、その弾性変形する感触が遊技者の手に伝わるため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rや演出用スイッチ56等とは異なる操作感を遊技者に与えることができる。
【0206】
また、被覆部366aの第2部位は、被覆部366aの第1部位に比べて硬質であり変形し難いので、弾力による手の沈み込み等により、演出ボタン300に押圧力が十分に伝達されず反応(検出)しない等の操作感が失われることを抑制できる。
【0207】
尚、本実施例では、弾性体366は、第2部位は第1部位よりも硬質となっている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2部位が第1部位よりも変形し難くなっていれば、例えば、第2部位は第1部位よりも弾性率が高いなど、第1部位と第2部位の物性が異なるものでもよい。
【0208】
また、第2部位及び第1部位の弾力(はね返そうとする力)は、同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。例えば、第1部位と第2部位との弾力を異なるようにした場合には、操作部を押した後に、弾性体が自然状態に復帰する速度を変化させることができる。また、弾性体366はゴム材で形成されていてもよいし、粘弾性ポリウレタン等、種々の部材で構成されていてもよい。
【0209】
また、弾性体366は、第1部位と第2部位とが弾性率(変形のし難さ)の異なる別々の材料により構成されていてもよいし、第1部位と第2部位とが弾性率(変形のし難さ)の異なる一の材料で構成されていてもよい。
【0210】
また、被覆部366aの第2部位は、被覆部366aの第1部位とは異なる材質を含むため、被覆部366aの変形し難さを部分的に異ならせることができる。すなわち、被覆部366aの第2部位には、弾性体366よりも硬質の合成樹脂材により構成されるインサート部材309が埋め込まれて配置されていることにより、遊技者が操作する部分を変形し難くでき、操作感の低下を抑制できる。
【0211】
尚、本実施例では、インサート部材309が弾性体366の内部に埋め込まれている形態を説明したが、インサート部材309は被覆部366aの第2部位(遊技者が操作する部位)に配設されていればよく、例えば、被覆部366aの第2部位の前面または後面に貼着されていてもよい。
【0212】
尚、本実施例では、インサート部材309が弾性体366よりも硬質の合成樹脂材により構成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、インサート部材は弾性体よりも硬質(変形しにくい材質)であればよく、例えば、金属などにより構成されていてもよい。
【0213】
また、被覆部366aの第2部位は、第1部位よりも肉厚に形成されているため、被覆部366aの変形し難さを部分的に異ならせることができる。すなわち、被覆部366aの第2部位の厚みを第1部位よりも厚く形成することで、被覆部366aの第2部位を被覆部366aの第1部位よりも変形しにくくして、操作感の低下を抑制できる。尚、被覆部366aの第2部位の厚みは、第1部位よりも厚く形成されていれば、自由に設定することができる。
【0214】
また、演出ボタン300を動作させる圧縮バネ302、駆動モータ327b、突起部307A,307B、カム部材321及び振動モータ364(駆動手段)を備えるため、演出ボタン300が操作されなくても動作可能となるので、遊技の興趣を高めることができる。具体的には、駆動モータ327bによりカム部材321が回動されることにより、圧縮バネ302による突起部307A,307Bの前方への移動が規制されたり、規制が解除されることで演出ボタン300が第1位置と第2位置との間で移動するようになっているため、例えば、遊技者の操作なしに演出ボタン300を動作させることができ、演出効果が高まる。尚、カム部材321の回転方向、回転量、回転速度等を適宜変更することにより、演出ボタン300の動作態様を多様化することができるため、演出効果が向上する。
【0215】
また、第1位置の演出ボタン300を押圧操作した際に、振動モータ364が振動し、遊技者の手に対して振動を与える演出を行うことができるため、遊技の興趣を高めることができる。
【0216】
また、被覆部366aの第2部位は、演出ボタン300の移動体365に係止されている。具体的には、被覆部366aの第2部位に埋め込まれたインサート部材309の鉤部309aが移動体365の凹部365d内に挿入されることより移動体365の中央部と被覆部366aの第2部位とが係止されて連結されている。
【0217】
このように、移動体365の中央部と被覆部366aの第2部位とが連結されていることから、演出ボタン300を直接的に押圧操作できるとともに、押圧操作時に被覆部366aの第2部位が演出ボタン300に追従しても被覆部366aの第1部位が変形可能であるため、被覆部366aの第2部位が演出ボタン300の押圧操作を阻害しないので、操作感が向上する。
【0218】
さらに、移動体365の中央部と被覆部366aの第2部位とが連結されているため、演出ボタン300の押圧操作の際、または演出ボタン300が第1位置と第2位置との間を移動動作する際に、例えば、移動体365の中央部と被覆部366aの第2部位とが離間している場合に比べて、弾性体366をスムーズに伸縮動作させることができるため、演出効果が向上する。
【0219】
また、移動体365の中央部と被覆部366aの第2部位とは、硬質のインサート部材309を介して連結されているため、前述のように振動モータ364が振動した際(
図18(B)参照)に、振動モータ364の振動の減衰を抑えることができ、遊技者の手に伝わりやすい。
【0220】
また、演出ボタン300は、下部パネル200に形成された開口部203に臨むように配置され、弾性体366は、開口部203を被覆するように下部パネル200に取付けられている。すなわち、開口部203が弾性体366により塞がれるので、開口部203と開口部203との間の隙間から針金等の異物が差し込まれても、弾性体366により異物の進入が規制されるため、異物を進入させることによる不正行為を抑制できる。
【0221】
具体的には、弾性体366の取付部366bは、第3固定ベース324と下部パネル200とにより前後から挟持されるように固定されており、取付部366bは、下部パネル200により前方から視認不能または視認困難となっているため、取付部366bと下部パネル200に形成された開口部203との間や、取付部366bと第3固定ベース324との間から異物を進入させるといった不正行為を行い難い。また、下部パネル200は、被覆部366aに接触しており前方からの隙間が形成されないようになっているため、下部パネル200と被覆部366aとの間から異物を進入させることによる不正行為を好適に抑制できる。
【0222】
尚、取付部366bは下部パネル200の背面における開口部203の周辺に取付けられていてもよい。これによれば、パネルと一体化されるため、好適に異物の進入を防止できる。
【0223】
また、第3移動ベース362の前面には、突出方向(前方)に向けて光を出射する発光手段としての演出用LED308aが設けられていることで、本実施例の場合、透光性を有する移動体365及び弾性体366から光が透過するため、演出効果が向上する。
【0224】
また、演出ボタン300は、第1位置へ移動することで遊技者側に近づき、第2位置へ移動することで遊技者側から遠ざかるように前後方向に移動可能に設けられていることで、演出ボタン300が第1位置に移動すると遊技者側に突出するため、迫力ある演出を提供することができる。
【0225】
また、演出ボタン300は、下部パネル200に設けられており、弾性体366に被覆されていることから、例えば、離着席時等に遊技者の膝や足などが演出ボタン300に誤って衝突した場合であっても、演出ボタン300への衝撃が弾性体366により緩衝され、演出ボタン300の破損を抑制することができる。
【0226】
尚、前記実施例では、演出ボタン300は、通常状態において、第1位置よりも後方に退避した第2位置に配置されており、被覆部366aの第2部位が後方側に若干凹んだ状態となっている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出ボタン300が第2位置に配置されている際に、弾性体366が自然状態(立体形状)を成すようになっており、演出ボタン300が第1位置に配置された際に、弾性体366が前方に膨出するようになっていてもよい。
【0227】
また、通常状態時において演出ボタン300が第1位置に配置されていてもよい。この場合、演出ボタン300が被覆部366aを前方側に膨出させるように圧接されていない状態(移動体365と弾性体366が離間した状態)にすることが好ましく、これによれば、通常状態時に駆動モータ327bにかかる負荷を抑えることができる。
【0228】
また、前記実施例では、被覆部366aの中央部を演出ボタン300に対応する第2部位とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出ボタン300の外側に第1部位があれば、被覆部366aの中央部からずれた位置を演出ボタン300に対応する第2部位としてもよい。
【0229】
また、前記実施例では、1つの演出ボタン300に対して1つの弾性体366が被覆する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、下部パネル200の略全面を被覆手段とし、該被覆手段の背面側の複数箇所に複数の演出ボタン300が対応して配置されていてもよい。
【0230】
また、前記実施例では、演出ボタン300が下部パネル200に対応する位置に配置されている形態について例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、操作台120等の別の場所に設けられていてもよい。
【0231】
尚、前記実施例では、弾性体366が第3固定ベース324に固定されていたが、本発明は、これに限られず、例えば、移動部312以外の場所であれば、下部パネル200や非移動部311等に固定されていてもよい。
【0232】
また、前記実施例では、弾性体366が第3固定ベース324に取付けられる形態について例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作部に連結されていれば、ベース部に対して固定されていなくともよい。この場合であっても、遊技者が操作部を押圧操作する際には、先ず弾性体を押圧することから、例えば、硬質の合成樹脂材から成るストップスイッチ8L、8C、8Rや演出用スイッチ56等を押圧操作する場合と異なる操作感(感触)を遊技者に与えることができる。また、操作部を押圧操作した際に弾性体が非移動部311や下部パネル200等に当接するように構成することで、従来とは異なる操作感を生じさせるようにしてもよい。
【0233】
また、前記実施例では、演出ボタン300は、圧縮バネ302の付勢力により弾性体366の被覆部366aに対して移動体365が圧接することで第1位置に維持される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、下部パネル200、カム部材321及び非移動部311等に演出ボタン300の第1位置よりも前方側への移動することを規制する規制部を設け、演出ボタン300を第1位置で維持させるようにしてもよい。
【0234】
また、本実施例では、演出ボタン300を前方側へ付勢する付勢手段の一例として、コイルバネからなる圧縮バネ302を用いる形態を例示したが、例えば、演出ボタン300を付勢できるものであれば、圧縮バネだけでなく、ゴム材等の弾性部材を用いてもよい。
【0235】
尚、本実施例では、演出ボタン300は第1位置~第3位置との間で前後方向に移動可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、上下・左右方向あるいは斜め方向など、移動方向は任意に変更可能である。
【0236】
また、下部パネル200とは別個に設けられた非移動部311を有し、演出ボタン300は、非移動部311を構成する第2固定ベース323の開口部323a、第3固定ベース324の開口部324a及び固定軸328により移動案内されるので、第1位置において移動方向に対し直交する方向(例えば、上下方向)に外力が加えられても、演出ボタン300が非移動部311により安定して支持される。
【0237】
また、本実施例では、演出ボタン300を構成する弾性体366は、正面視ハート形状を成すように構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、円筒状を成していてもよいし、演出に登場するキャラクタ等を模した立体形状に形成されていてもよく、形状は任意に変形可能である
【0238】
尚、本実施例では、弾性体366は、立体形状を成していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、平面シート状を成し、演出ボタン300の前後動作に追従することで立体形状を成すようにしてもよい。
【0239】
また、本実施例では、演出ボタン300を第1位置と第2位置との間で移動させる移動手段の一例として、例えば、圧縮バネ302、駆動モータ327b、突起部307A,307B、カム部材321及び振動モータ364が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動部としての演出ボタン300を移動させる移動手段は任意であり、種々に変更可能である。
【0240】
また、本実施例では、遊技者が操作可能な演出ボタン300により弾性体366を伸縮動作させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技者が操作不能に設けられた演出用の可動体を弾性体により被覆し、該可動体の動作に応じて該弾性体が伸縮動作されるようにしてもよい。
【0241】
次に、本実施例のメイン制御部41がコマンドを送信するための処理について、
図22~
図27に基づいて説明する。
【0242】
本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始時においては、当該ゲームの開始に伴い各種の制御状態(例えば、遊技状態やナビ報知が実行される状態か否か等)を更新し、更新された制御状態に基づいてゲームに関する制御(例えば、内部抽選やナビ報知、遊技者にとって有利な有利状態に関する抽選等)を行い、当該ゲームの終了時においては、当該ゲームの結果(例えば、各リールに停止した図柄の組合せ、有利状態に関する抽選の結果)に応じて各種の制御状態を維持または更新する。また、ゲームの開始時及び終了時に、その時点における各種の制御状態を特定可能な制御状態コマンドをサブ制御部91に対して送信する。尚、制御状態には、スロットマシン1の機種毎の遊技性や設計思想等に応じて固有に設定される複数種類の状態が含まれており、制御状態コマンドの個数は、当該制御状態の種類数に応じて設定されるようになっている。
【0243】
図22に示すように、制御状態を特定可能な制御状態コマンドは、制御状態のうち、一単位のゲームの開始時とゲームの終了時とで内容が変化し得る制御状態を特定可能な制御状態コマンド1と、当該ゲームに固有であり、ゲームの開始時とゲームの終了時とで内容が変化することのない制御状態を特定可能な制御状態コマンド2と、を含む。
【0244】
制御状態コマンド1には、メイン制御部41での遊技状態に関連する制御状態を特定可能な複数の遊技状態関連コマンドと、AT中すなわち遊技者にとって有利な有利状態としてATの制御が行われていることに関連する制御状態を特定可能な複数のAT関連コマンドAと、非AT中すなわちATの制御が行われていないことに関連する制御状態を特定可能な複数のAT関連コマンドBと、が含まれ、制御状態コマンド2には、当該ゲームに固有な制御状態を特定可能な複数のゲーム内固有情報コマンドが、含まれる。
【0245】
また、遊技状態関連コマンドには、例えば、メイン制御部41での遊技状態を特定可能なコマンド、遊技状態が所定数のゲームが行われることに伴い移行されるものである場合に、当該ゲームで制御されている遊技状態が終了するまでの残りのゲーム数を特定可能なコマンド、遊技状態が所定の枚数のメダルが払出されることで移行されるものである場合に、当該ゲームで制御されている遊技状態が終了するまでの残りのメダルの枚数を特定可能なコマンド等が、含まれる。
【0246】
また、AT関連コマンドAには、例えば、遊技者にとって有利な有利状態としてATに制御される権利の数を特定可能なコマンド、当該ゲームで制御されているATの制御が継続される残りのゲーム数を特定可能なコマンド等が、含まれる。
【0247】
AT関連コマンドBには、例えば、前のATの制御が終了された後からATの制御が行われていない通常状態で行われる通常ゲームの累積数を特定可能なコマンド、通常状態で行われた通常ゲーム数が所定ゲーム数に達することで遊技者にとって有利な有利状態に制御される場合に、有利状態に制御されるまでの残りのゲーム数を特定可能なコマンド、ATに制御される権利が付与され当該ATの制御が開始されるまでの残りゲーム数の等が、含まれる。
【0248】
ゲーム内固有情報コマンド群には、例えば、遊技者にとって有利な有利状態としてATに制御される権利を付与するか否かを決定するAT抽選の当選状況を特定可能なコマンド、ATに制御されるゲーム数の上乗せ状況を特定可能なコマンド、ゲームの開始時に内部抽選の結果に応じて決定される遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンド、ゲームの開始時に内部抽選結果に応じて決定される演出(例えば、遊技の進行を所定期間にわたり遅延させるフリーズ状態、当該フリーズ状態においてリールを用いて行うリール演出、内部抽選結果を示唆する演出等)の種類を特定可能なコマンド、含まれる。
【0249】
本実施例のメイン制御部41がサブ制御部91に対して送信する一のコマンドは、2バイト(1バイトの通信データ2つで1組)で構成され、1バイト目(MODE)はコマンドの分類を表し、2バイト目(EXT)はコマンドの内容を表すようになっている。制御状態コマンドに含まれる各コマンドについても、他のコマンドと同様に2バイトで構成されており、特に、
図22に示すように、制御状態コマンドに含まれる一連の各コマンドのMODEは、送信される順番に対応する連続した数値(本実施例では、B0~CF)に設定されている。
【0250】
尚、本実施例で示すコマンドの形態(1バイトの通信データ2つで1組のコマンドをなす形態)は一例であって、他のデータ形態、例えば、一の通信データを2バイト以上とする形態、1つまたは3つ以上の通信データで一のコマンドを構成する形態、これらの形態の組合せた形態等、を用いても良い。また、本実施例では、制御状態コマンドに含まれる各コマンドのMODEは、初期値(B0)から順次加算処理(1を加算する処理)により得られる連続した数値であるが、加算処理以外の他の演算処理(四則演算等)により得られる数値であっても良い。
【0251】
また、制御状態コマンドに含まれる各コマンドにおいてEXTとしてサブ制御部91に送信されることとなる具体的なコマンドの内容を示すデータは、上述のメイン処理及びタイマ割込処理(メイン)において実行される各種処理により、各データに対応するRAM41cの所定のデータアドレスの領域に設定されるようになっており、各データのデータアドレスは、MODEの値と同様に、送信される順番に対応する連続する数値となるように設定されており、初期値(制御状態コマンドのうち最初に送信されるコマンドのデータアドレス)から順次加算処理(1を加算する処理)を行うことにより得られるようになっている。尚、制御状態コマンドに含まれる各コマンドのデータアドレスにより特定されるRAM41cの所定領域には、コマンドの内容を示すデータが記憶され、当該データアドレスの領域を参照することで該当するデータを直接的に読み出すことができる構成であっても良いし、当該データアドレスを参照することで間接的に該当するデータを読み出せる構成、例えば、当該データアドレスにRAM41cの所定領域を示す第2のアドレスが記憶されており、第2のアドレスに従って所定領域をさらに参照することで、該当するデータを読み出すことができるような構成や、当該データアドレスを参照することで、該当するデータを演算することが可能となっており、演算の結果として当該データが得られる構成等であっても良い。当該データアドレスを参照することで間接的に該当するデータを読み出せる構成とすることで、例えば、連続する数値のデータアドレスの領域に当該データが記憶されない構成であっても、初期値に対する所定の演算処理(例えば、加算処理)により該当するデータを読み出すことが可能である。
【0252】
次に、本実施例のメイン制御部41が実行するコマンドを送信するための処理であって、ゲームの開始時に実行するゲーム開始時送信コマンド設定処理について、
図23~
図25に基づいて説明する。
【0253】
メイン制御部41は、ゲームのスタート操作が行われたときに、当選番号設定処理を実行し、内部抽選の結果に応じて内部抽選の当選状況を特定可能な当選番号をRAM41cの所定領域に設定した後、停止順データ設定処理を実行して、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利な停止順を特定できる停止順データまたは遊技者にとって有利な停止順を特定できないが標準押し順(例えば、左第1停止)を特定できる停止順データをRAM91cの所定領域に設定する。その後、ゲーム開始時送信コマンド設定処理を実行して、当該ゲームの開始時における制御状態を特定可能な制御状態コマンド、内部抽選結果を特定可能な当選番号を含む内部当選コマンドを、サブ制御部91に対して送信するためにコマンドキューに設定する。
【0254】
図23に示すように、ゲーム開始時送信コマンド設定処理では、まず、ゲームが開始されることに伴って複数の制御状態のうち該当する制御状態を更新する制御状態更新処理を実行する(Sa1)。制御状態更新処理では、制御状態のうち、例えば、遊技状態、所定の遊技状態が終了するまでの残りのゲーム数、所定の遊技状態が終了するまでの残りのメダルの枚数、通常ゲームの累積数等、前回のゲームの結果により定められている制御状態については、更新することなく維持する。また、例えば、ATに制御される権利の数、ATに制御される残りゲーム数等、ゲームの開始に伴って所定の条件が成立することで変化し得る制御状態については、所定の条件の成立状況に応じて更新する。また、例えば、AT抽選の当選状況、遊技者にとって有利な停止順、演出の種類等、ゲームの開始に伴って新たに決定される制御状態については、新たに設定する。
【0255】
Sa1のステップにおいて制御状態更新処理を実行した後には、各制御状態を特定可能な制御状態コマンドに含まれる上述のコマンド群を一括してコマンドキューに設定する制御状態コマンド一括設定処理を実行する(Sa2)。
【0256】
図24に示すように、制御状態コマンド一括設定処理では、RAM41cの所定領域に設定されているMODEの値を、初期値(本実施例では、制御状態コマンドに含まれる遊技状態関連コマンドのMODEであるB0)に設定する(Sb1)。また、RAM41cの所定領域に設定されているデータアドレスの値を、初期値(遊技状態関連コマンドのデータが記憶されている領域のアドレスの値)に設定する(Sb2)。また、RAM41cの所定領域に設定されている処理回数の値を、制御状態コマンド群に含まれるコマンドの個数に設定する(Sb3)。
【0257】
その後、タイマ割込を禁止に設定して(Sb4)、タイマ割込を禁止した状態で、RAM41cの所定領域のMODEをコマンドキューに設定する(Sb5)。そして、データアドレスの値に対応するアドレスのRAM41cの領域に記憶されているデータを取得し、RAM41cの所定領域にEXTとして設定して(Sb6)、当該EXTをコマンドキューに設定する(Sb7)。
【0258】
その後、タイマ割込待ち処理を実行する(Sb8)。タイマ割込待ち処理では、タイマ割込を許可に設定して、タイマ割込処理(メイン)が行われるまで待機し、タイマ割込処理(メイン)が終了した後に呼び出し元の処理に戻る。タイマ割込処理(メイン)では、後述するように、スロットマシン1への電力供給が停止することが検出されない場合に、当該タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に通常時コマンド送信処理を実行して、コマンドキューに設定されているデータ(コマンドを構成するMODE及びEXT)を1バイトずつサブ制御部91に対して送信するようになっている。よって、Sb8のステップにおいてタイマ割込待ち処理が実行されることで、通常コマンド送信処理が実行されることとなり、Sb5及びSb7のステップにおいてコマンドキューに設定されたMODE及びEXTのうち先に設定されたMODEが、コマンドの1バイト目としてサブ制御部91に対して送信されることとなる。
【0259】
Sb8のステップにおけるタイマ割込待ち処理が終了した後には、再びタイマ割込待ち処理を実行する(Sb9)。これにより、タイマ割込処理(メイン)において実行される通常コマンド送信処理により、Sb5及びSb7のステップにおいてコマンドキューに設定されたMODE及びEXTのうち後に設定されたEXTが、コマンドの2バイト目としてサブ制御部91に対して送信されることとなり、Sb8及びSb9のステップによる2回のタイマ割込待ち処理が実行されることにより、一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTがサブ制御部91に対して送信されることとなる。
【0260】
その後、RAM41cの所定領域のMODEの値に1加算し(Sb10)、RAM41cの所定領域のデータアドレスの値に1加算する(Sb11)。そして、RAM41cの所定領域の処理回数の値を1減算し(Sb12)、減算後の残りの処理回数の値が0であるか否かを判定して(Sb13)、制御状態コマンド群の全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定したか否かを判定する。
【0261】
Sb13のステップにおいて残りの処理回数の値が0でないと判定した場合、すなわち制御状態コマンド群の全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定しておらず、未だコマンドキューに設定していないコマンドが残っている場合には、Sb4のステップに戻り、再びタイマ割込を禁止に設定した状態で、Sb5~Sb7のステップの処理を行った後にSb10及びSb11のステップの処理を実行することで、未だコマンドキューに設定していないコマンドのMODE及びEXTをコマンドキューに順次設定する処理を繰り返し行う。
【0262】
そして、Sb13のステップにおいて残りの処理回数が0であると判定した場合、すなわち制御状態コマンド群に含まれる全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定した場合には、制御状態コマンド一括設定処理を終了させて、呼び出し元のゲーム開始時コマンド送信処理に戻る。
【0263】
ゲーム開始時コマンド送信処理では、Sa2のステップにおける制御状態コマンド一括設定処理が終了した後に、内部当選コマンド設定処理(第1の内部当選コマンド)を実行して(Sa3)、内部抽選結果に基づいて特別役の当選状況を特定可能な第1の内部当選コマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定する。その後、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定するコマンド送信処理を実行する(Sa4)。
【0264】
コマンド設定処理では、
図25に示すように、タイマ割込を禁止に設定し(Sc1)、RAM41cの所定領域のMODEをコマンドキューに設定した後、RAM41cの所定領域のEXTをコマンドキューに設定する(Sc2)。そして、Sc1のステップにおいて設定したタイマ割込の禁止を解除し(Sc3)、当該コマンド設定処理を終了して、ゲーム開始時送信コマンド設定処理に戻る。コマンド設定処理では、制御状態コマンド一括設定処理のように、一のコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後にタイマ割込待ち処理を実行しないが、Sc3のステップにおいてタイマ割込の禁止が解除されることで、その後割込の行われる所定のタイミングでタイマ割込処理(メイン)が行われるので、コマンド設定処理のSc2のステップにおいてコマンドキューに設定されたMODE及びEXTは、Sc3のステップ後の所定のタイミングのタイマ割込処理(メイン)において通常コマンド送信処理が実行されることで、サブ制御部91に対して送信されることとなる。
【0265】
Sa4のステップにおけるコマンド設定処理が終了した後、ゲーム開始時送信コマンド設定処理では、内部当選コマンド設定処理(第2の内部当選コマンド)を実行して(Sa5)、内部抽選結果に基づいて一般役の当選状況を特定可能な第2の内部当選コマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定する。その後、コマンド送信処理を実行し(Sa6)、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定する。Sa6のステップのコマンド設定処理においてコマンドキューに設定された第2の内部当選コマンドのMODE及びEXTは、Sa4におけるコマンド設定処理の場合と同様に、その後割込の行われる所定のタイミングでタイマ割込処理(メイン)において通常コマンド送信処理が実行されることで、サブ制御部91に対して送信されることとなる。
【0266】
Sa6のステップにおいて内部当選コマンド設定処理(第2の内部当選コマンド)に対応するコマンド設定処理を実行した後、当該コマンド設定処理を終了させ、ゲーム開始時送信コマンド設定処理を終了させる。その後は、スタート操作が行われたことに伴いリール2L、2C、2Rの回転制御を行うなどゲームの進行状況に応じた制御を行う。
【0267】
このように、本実施例のメイン制御部41は、第1のタイミングとしてスタートスイッチ7の操作がされたとき、すなわちゲームの開始時に、制御状態コマンド一括設定処理を実行して、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドをサブ制御部91に対して送信させるようになっている。
【0268】
また、メイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドを送信させる際には、割込み禁止した状態で一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後、タイマ割込処理(メイン)が1回行われるまで待機するタイマ割込待ち処理を2回連続して実行することで、2回続けてタイマ割込み処理(メイン)を実行させて、コマンドキューのMODE及びEXTをサブ制御部91に対して送信させることで、一のコマンドを構成する1組の単位データ(各1バイトのMODE及びEXT)を2つ続けて送信させるようになっている。
【0269】
また、メイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドを送信させる際には、一のコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後にタイマ割込待ち処理を2回実行して、1組の単位データを送信させた後に、他の一のコマンドについて同様にMODE及びEXTをコマンドキューに設定してタイマ割込待ち処理を2回の実行する処理を行うことで、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドを送信させる際には、一のコマンドずつコマンドキューに設定して送信させるようになっている。
【0270】
また、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドの各MODEは、初期値から1ずつ加算処理することで得られる連続する数値に設定されている。そして、メイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドを送信させる際に、初期値から1ずつ加算処理した値を制御状態コマンドの各コマンドのMODEとしてコマンドキューに設定することで、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドは、MODEとして設定されている連続する数値の順番で、サブ制御部91に対して送信されるようになっている。
【0271】
また、メイン制御部41は、ゲーム開始時送信コマンド設定処理において、制御状態コマンド一括設定処理を実行してスロットマシン1の機種毎に固有に設定され得る制御状態コマンドを全て送信させた後に、内部当選コマンド設定処理を実行してスロットマシン1の機種に関わらず共通して送信される内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信させ、その後、ゲームの進行状況に応じた制御を行うようになっているので、共通の内部当選コマンドが送信されたことに基づいてゲームの進行状況に応じた制御が開始されることを特定させることができるようになっている。これに対して、サブ制御部91は、共通の内部当選コマンドを受信することで、メイン制御部41側において、その後、ゲームの進行状況に応じた制御が行われることを特定し、その制御に応じた演出等の制御を開始させることができるようになっている。
【0272】
次に、本実施例のメイン制御部41がゲームの終了時に所定のコマンドを送信するための処理について、
図26に基づいて説明する。
【0273】
メイン制御部41は、ゲームのスタート操作に伴い回転制御が開始されたリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき(第3停止の操作のストップスイッチが離されたとき)、すなわちゲームの終了時に、上述の制御状態コマンド及びゲームの結果に関連するコマンドをサブ制御部91に対して送信するためにコマンドキューに設定するゲーム終了時送信コマンド設定処理を実行する。
【0274】
図26に示すように、ゲーム終了時送信コマンド設定処理では、まず、ドア開放検出スイッチ25の出力状態に基づいてドアコマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定した後(Sd1)、コマンド送信処理を実行して(Sd2)、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定する。
【0275】
その後、制御状態更新処理を実行して(Sd3)、ゲームが終了すること及びゲームの結果に基づいて該当する制御状態を更新する。制御状態更新処理では、制御状態のうち、リール2L、2C、2Rに停止した図柄の組合せ、すなわちゲームの結果に応じて変化し得る制御状態、例えば、遊技状態、所定の遊技状態が終了するまでの残りのゲーム数、ATに制御される権利の数等については、当該ゲームの結果に応じて更新または維持し、所定の状態においてゲームが行われたことに伴い変化する制御状態、例えば、所定の遊技状態が終了するまでの残りのメダルの枚数、通常ゲームの累積数、ATに制御される残りゲーム数等については、該当する状態でゲームが行われたことに応じて1減算させるように更新または減算させることなく維持し、ゲームの結果や所定の状態でゲームが行われたことに関わらず変化することがない制御状態、例えば、AT抽選の当選状況、遊技者にとって有利な停止順、演出の種類等については変更することなく維持するように制御する。
【0276】
Sd3のステップにおいて制御状態更新処理を行った後は、上述の制御状態コマンド一括設定処理を行い(Sd4)、Sd3のステップにおいて更新または維持された制御状態を特定可能な制御状態コマンド1及び制御状態コマンド2をサブ制御部91に対して送信させる。
【0277】
その後、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せに基づいてRAM41cの所定領域に設定された入賞番号を取得し、当該入賞番号に基づいて入賞番号コマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定した後(Sd5)、コマンド送信処理を実行して(Sd6)、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定する。その後、Sd5及びSd6のステップにおいて入賞番号コマンドをコマンドキューに設定するのと同様にして、ゲームの終了に伴い送信する所定のコマンド(例えば、払出枚数コマンド、遊技終了コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、エラーコマンド等)について、MODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定した後に、コマンド送信処理を実行して、MODE及びEXTをコマンドキューに設定する。そして、ゲームの終了に伴い送信する全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後には、当該ゲーム終了時送信コマンド設定処理を終了させる。その後は、ゲームの結果に応じてメダルの払出や再遊技の設定を行うなどゲームの進行状況に応じた制御を行う。
【0278】
このように、本実施例のメイン制御部41は、第2のタイミングとしてリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき、すなわちゲームの終了時に、制御状態コマンド一括設定処理を実行して、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドをサブ制御部91に対して送信させるようになっている。
【0279】
また、本実施例のメイン制御部41は、ゲーム終了時送信コマンド設定処理において、制御状態更新処理を実行して、ゲームの終了に伴い変化し得る制御状態を更新または維持する制御を行った後に、制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、制御状態コマンド一括設定処理では制御状態更新処理により更新または維持された制御状態を特定可能な制御状態コマンドを送信させるようになっている。
【0280】
また、メイン制御部41は、ゲーム終了時送信コマンド設定処理において、制御状態コマンド一括設定処理を実行してスロットマシン1の機種毎に固有に設定され得る制御状態コマンドを全て送信させた後に、入賞番号コマンド等のスロットマシン1の機種に関わらず共通して送信されるコマンドをサブ制御部91に対して送信させ、その後、ゲームの進行状況に応じた制御を行うようになっているので、入賞番号コマンド等の共通のコマンドが送信されたことに基づいてゲームの進行状況に応じた制御が開始されることを特定させることができるようになっている。これに対して、サブ制御部91は、共通のコマンドを受信することで、メイン制御部41側において、その後、ゲームの進行状況に応じた制御が行われることを特定し、その制御に応じた演出等の制御を開始させることができるようになっている。
【0281】
次に、本実施例のメイン制御部41が実行するタイマ割込処理(メイン)について、
図27に基づいて説明する。
【0282】
図27に示すように、タイマ割込処理(メイン)では、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Se1)。次いで、停電判定処理を行う(Se2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には、スロットマシン1への電力供給が停止されて停電が発生していると判定し、その旨を示す電断フラグをRAM41cの所定領域に設定する。
【0283】
Se2のステップにおける停電判定処理の後、RAM41cの所定領域に電断フラグが設定されているか否かを判定し(Se3)、電断フラグが設定されていなければ、メイン処理により制御されるゲームの進行段階に応じて各種制御を行うための処理(例えば、カウンタの更新に関する処理、スイッチ類の入力判定に関する処理、リールモータの位相信号の更新に関する処理、コマンドの送信に関する処理等)を順次実行する。
【0284】
タイマ割込処理(メイン)では、当該タイマ割込処理(メイン)において行う複数の処理の一つとして、コマンドキューに設定された各種コマンドをサブ制御部91に送信する通常時コマンド送信処理を実行する(Se4)。通常時コマンド送信処理では、コマンドキューに設定されているコマンドを構成する1バイトのMODEまたは1バイトのEXTであって、未送信のMODEまたはEXTのうち最初に設定されたものをコマンドキューの送信ポインタ値に基づいて特定して、特定したMODEまたはEXTを出力ポートから出力させた後、MODEまたはEXTを出力した旨をサブ制御部91に通知するためのストローブ信号を所定時間(本実施例では、10μs)出力させる。そして、送信ポインタ値を次の未送信のMODEまたはEXTを示す値に更新して、当該通常時コマンド送信処理を終了させる。これにより、タイマ割込処理(メイン)が行われる毎に、コマンドキューに設定されているMODEおよびEXTが1バイトずつサブ制御部91に対して送信されて、コマンドキューに残された未送信のMODEおよびEXTは、次回以降のタイマ割込処理(メイン)において送信されることとなる。
【0285】
そして、タイマ割込処理(メイン)では、当該タイマ割込処理(メイン)において行う複数の処理が全て終了した後には、Se1のステップにおいてスタック領域に退避したレジスタを復帰させて、当該処理を終了させ、タイマ割込処理(メイン)が実行される前のメイン処理における処理に戻る。
【0286】
また、Se3のステップにおいて、RAM41cの所定領域に電断フラグが設定されているか否かを判定し、電断フラグが設定されていると判定した場合には、電断処理前にコマンドキューに設定されている未送信の全てのMODE及びEXTをサブ制御部91に対して送信する電断時コマンド送信処理を実行する(Se6)。
【0287】
電断時コマンド送信処理では、コマンドキューの送信ポインタ値に基づいて、未送信のMODEまたはEXTのうち最初に設定されたものを特定し、特定したMODEまたはEXTを出力ポートから出力させた後、ストローブ信号を出力させ、送信ポインタ値を次の未送信のMODEまたはEXTを示す値に更新する処理を繰り返し行って、停電判定処理において電断が検出された時点においてコマンドキューに設定されている未送信の全てのMODE及びEXTを1バイトずつ順次、サブ制御部91に対して送信させる。
【0288】
そして、Se6のステップにおける電断時コマンド送信処理により、コマンドキューに設定されている未送信の全てのMODE及びEXTを送信させた後には、電断処理(メイン)を実行して、スロットマシン1への電力供給が再開されたときに電断前の制御状態に復帰可能とするための処理を行って、その後のゲームに関する制御等のメイン制御部41での処理を不能化する。
【0289】
このように、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において、電断が検出されない場合には、通常時コマンド送信処理を実行する一方で、電断が検出される場合には、電断時コマンド送信処理を実行して、コマンドキューに設定されているコマンドを構成するMODE及びEXTをサブ制御部91に対して送信するようになっている。
【0290】
また、通常時コマンド送信処理では、コマンドキューに最初に設定された一のMODEまたはEXTのみがサブ制御部91に対して送信され、未送信のMODE及びEXTは、次回以降のタイマ割込処理(メイン)において送信されるのに対して、電断時コマンド送信処理では、コマンドキューに格納された未送信の全てのMODE及びEXTがサブ制御部91に対して送信され、未送信のMODE及びEXTが残ることがないようになっている。
【0291】
本実施例では、メイン制御部41は、ゲームの制御を行うことが可能であり、ゲームの制御状態を示す制御状態コマンドを含む複数のコマンドを送信することが可能であり、これに対して、サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドの受信に応じてメイン制御部41側での制御状態を特定して、演出の制御を行うことが可能である。
【0292】
このような構成では、サブ制御部91に対してメイン制御部41側の制御状態を詳細に把握させるために、メイン制御部41側において制御状態が変化する毎に変化した制御状態を示す制御状態をその都度送信するような構成とすると、メイン制御部41がコマンドの送信に係るプログラム容量が増大してしまうという問題がある。
【0293】
これに対して、本実施例のメイン制御部41は、1単位のゲームにおける第1のタイミングとしてスタートスイッチ7の操作がされたとき、すなわちゲームの開始時と、第2のタイミングとしてリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき、すなわちゲームの終了時とに、メイン制御部41側でのゲームの制御状態を特定可能な複数種類のコマンドを含む制御状態コマンドをサブ制御部91に対して送信可能であり、制御状態コマンドには、第1のタイミングと第2のタイミングで変化しない制御状態、すなわち1単位のゲームのうち複数のタイミングにおいて変化することがない制御状態を特定可能な第1の制御状態コマンドとしての制御状態コマンド2と、第1のタイミングと第2のタイミングで変化し得る制御状態、すなわち1単位のゲームのうち複数のタイミングにおいて変化することがある制御状態を特定可能な第2の制御状態コマンドとしての制御状態コマンド1と、を含んでおり、メイン制御部41は、第1のタイミングにおいても第2のタイミングにおいても共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、制御状態コマンドに含まれる全てのコマンドを送信させるので、制御状態コマンドに基づいてサブ制御部91側でメイン制御部41側での制御状態を詳細に把握させつつ、メイン制御部41が制御状態コマンドを送信する際の処理を行うためのプログラム容量を削減することができる。
【0294】
尚、本実施例では、第1の制御手段として遊技の制御を行うメイン制御部41が、第2の制御手段として演出の制御を行うサブ制御部91に対してコマンドを送信可能な構成であるが、第1の制御手段は、第2の制御手段に対してコマンド等の制御情報を送信する制御手段であり、第2の制御手段は、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて何らかの制御を行う制御手段であれば良く、第1の制御手段として遊技の制御以外の制御、例えば、演出の制御を行う制御手段を適用し、第2の制御手段として、例えば、第1の制御手段が演出の制御を行う制御手段である場合に、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて演出装置の制御を行う制御手段を適用しても良い。
【0295】
また、本実施例では、メイン制御部41は、第1のタイミングとしてゲームの開始時と、第2のタイミングとしてゲームの終了時とに、共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、1単位ゲームにおける複数のタイミングで制御状態コマンドを送信させる構成であるが、メイン制御部41は、少なくとも1単位ゲームにおいて制御状態が変化する前後のタイミングを含む複数のタイミングで制御状態コマンドを送信させる構成であれば良く、ゲームの開始時以外や終了時以外の複数のタイミングを含む構成であっても良いし、ゲームの開始時及び終了時とその他のタイミングを含む構成、3つ以上の複数のタイミングを含む構成であっても良い。このような構成とすることで、サブ制御部91に対して制御状態が変化したことをより詳細に把握させられる。
【0296】
また、本実施例では、制御状態の一種類である遊技者にとって有利な有利状態としてATの制御を適用しているが、遊技者にとって有利な有利状態として他の制御、例えば、ATに制御される権利を付与するか否かを決定する抽選に当選する確率が他の状態よりも高まる有利状態、ATに制御されるゲーム数を上乗せするか否かを決定する抽選に当選する確率が他の状態よりも高まる有利状態、内部抽選にて再遊技役が当選する確率が他の状態よりも高まる有利状態、内部抽選にて小役が当選する確率が他の状態よりも高まる有利状態を適用しても良く、このような構成においても、各有利状態に関する制御状態を、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドとしてメイン制御部41からサブ制御部91に対して送信する構成とすることで、サブ制御部91に対してメイン制御部41側の制御状態を詳細に把握させることができる。
【0297】
本実施例のメイン制御部41は、1単位のゲームにおける第1のタイミング及び第2のタイミングにおいて制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、1単位ゲームにおける複数のタイミングで制御状態コマンドを送信させる構成であり、第1のタイミングは、スタートスイッチ7の操作がされたとき、すなわちゲームの開始に伴うタイミングであり、第2のタイミングは、リール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき、すなわちゲームの終了に伴うタイミングであるので、第2の制御手段であるサブ制御部91側でゲームの最初と最後に第1の制御手段であるメイン制御部41の制御状態を把握させることができる。
【0298】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、ゲームの開始に伴うタイミングである第1のタイミングとして、スタートスイッチ7の操作がされたときに、制御状態コマンド一括設定処理を実行して制御状態コマンドを送信させる構成であるが、第1のタイミングは、ゲームの開始時であれば良く、第1のタイミングとして、ゲームの開始に伴ってリール2L、2C、2Rの回転制御が開始されたタイミング、ゲームの開始に伴ってリール2L、2C、2Rが定速状態となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受け付けが有効化されたタイミング、ゲームの開始に伴って行われた内部抽選の当選状況を特定可能な内部当選コマンドを送信した後のタイミング等のタイミングを適用しても良い。
【0299】
また、本実施例では、メイン制御部41は、ゲームの終了に伴う第2のタイミングとしてリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき(第3停止のストップスイッチが押下された後、離されたとき)に、制御状態コマンド一括設定処理を実行して制御状態コマンドを送信させる構成であるが、第2のタイミングは、ゲームの終了時であれば良く、第2のタイミングとして、ゲームの開始に伴ってリール2L、2C、2Rの回転制御が開始されたタイミングや、ゲームの開始に伴ってリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が開始されたタイミング(第3停止のストップスイッチが押下されたとき)、ゲームの終了に伴い全てのリール2L、2C、2Rの停止制御が終了したタイミング、ゲームの終了に伴い全てのリール2L、2C、2Rが停止状態となったタイミング、リール2L、2C、2Rの第3停止の操作が行われてから次のゲームのスタート操作が行われるまでの間のタイミング(例えば、払出が行われるタイミング、再遊技の設定または賭数の設定が行われるタイミング等)等のタイミングを適用しても良い。
【0300】
本実施例のメイン制御部41は、所定の条件が成立することで遊技者にとって有利な有利状態としてATに制御することが可能であるとともに、1単位のゲームにおける第1のタイミング及び第2のタイミングに、共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行して、制御状態コマンドをサブ制御部91に対して送信可能な構成であって、制御状態コマンドには、第1のタイミングと第2のタイミングで変化し得る制御状態を特定可能な制御状態コマンド1が含まれ、当該制御状態コマンド1には、有利状態としてATに制御されている状態では1単位のゲーム毎に変化し得る一方で有利状態としてATに制御されている状態以外では1単位のゲーム毎に変化しない制御状態を特定可能なAT関連コマンドAを含んでおり、当該AT関連コマンドAについても共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、制御状態コマンドに含まれる複数種類のコマンドとして送信するので、第2の制御手段としてのサブ制御部91側で第1の制御手段としてのメイン制御部41の制御状態を詳細に把握しつつ、第1の制御手段としてのメイン制御部41が制御状態コマンドを送信する際のプログラム容量を削減することができる。
【0301】
本実施例のメイン制御部41は、1単位のゲームにおける第1のタイミング及び第2のタイミングに、共通の制御状態コマンド一括設定処理を実行して、制御状態を特定可能な複数種類のコマンド含む制御状態コマンドをサブ制御部91に対して送信可能な構成であって、制御状態コマンドに含まれる各コマンドは、当該コマンドを構成するデータでありコマンドの分類を表すMODEとして、種類別に連続する番号が付されており、メイン制御部41は、一のタイミングで実行される制御状態コマンド一括設定処理において、MODEとして付されている連続する番号の順番で、制御状態コマンドに含まれる各コマンドをコマンドキューに設定して送信させるので、第2の制御手段としてのサブ制御部91側で制御状態コマンドが送信された順序が正常であるかを把握することができる。
【0302】
本実施例のメイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる各コマンドを送信させる際に、初期値または初期値から各コマンドを送信させる毎に1加算処理して得られた値を、コマンドを構成するMODEとして設定するので、複数種類の制御状態コマンドを作成するためにデータテーブルのような比較的大きなデータを必要とせずに、初期値と加算用値のみで済むので、制御状態コマンドを作成するためのデータ容量を削減することができる。また、このような構成では、一般的にスロットマシン1の設計においては、スロットマシン1の機種等によってサブ制御部91に把握させる制御状態の種類の数が増減することとなるが、制御状態の種類の数に関わらず、制御状態コマンド一括設定処理において、初期値と加算用値のみで制御状態コマンドに含まれる各コマンドを作成することができる。
【0303】
本実施例では、メイン制御部41は、ゲームの制御を行うことが可能であり、ゲームの制御状態を示す制御状態コマンドを含む複数のコマンドを送信することが可能であり、これに対して、サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドの受信に応じてメイン制御部41側での制御状態を特定して、演出の制御を行うことが可能な構成であり、メイン制御部41は、ゲームの進行に応じてコマンドを生成してコマンドキューに格納し、タイマ割込により定期的に実行される通常時コマンド送信処理においてコマンドキューに格納されたコマンドをサブ制御部91に対して送信する構成である。
【0304】
このような構成では、例えば、サブ制御部91に対してメイン制御部41側の制御状態を詳細に把握させるために、メイン制御部41側において制御状態が変化する毎に変化した制御状態を示す複数種類の制御状態コマンドをその都度送信しようとすると、複数のコマンドが短期間に集中して生成されることとなり、コマンドキューがオーバーフローしてしまうことにより全てのコマンドを送信できなくなる虞がある。
【0305】
これに対して、本実施例では、メイン制御部41が送信する一のコマンドは、1バイトのMODE及び1バイトのEXTから構成されており、メイン制御部41は、ゲームの進行に応じてコマンドのMODE及びEXTを作成してコマンドキューに設定し、その後、定期的にタイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、コマンドキューに設定されているMODE及びEXTを1バイトずつサブ制御部91に対して送信する構成であり、制御状態コマンドに含まれる複数種類のコマンドをサブ制御部91に対して送信させるための制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれる一のコマンドを送信させる際に、当該コマンドのMODE及びEXTを作成してコマンドキューに設定した後、タイマ割込処理(メイン)が実行されるまで待機する割込待ち処理を2回実行することで、コマンドキューに設定されている当該コマンドのMODE及びEXTが送信されるのに要する期間にわたり制御の進行を待機させることで、当該コマンドのMOED及びEXTがサブ制御部91に対して送信されていない状態で、新たに他の一のコマンドがコマンドキューに設定されることを防止するため、新たに作成されたコマンドのMODE、EXTによってコマンドキューがオーバーフローすることがなく、制御状態コマンドをサブ制御部91に対して確実に送信することができる。
【0306】
尚、本実施例では、第1の制御手段として遊技の制御を行うメイン制御部41が、第2の制御手段として演出の制御を行うサブ制御部91に対してコマンドを送信可能な構成であるが、第1の制御手段は、第2の制御手段に対してコマンド等の制御情報を送信する制御手段であり、第2の制御手段は、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて何らかの制御を行う制御手段であれば良く、第1の制御手段として遊技の制御以外の制御、例えば、演出の制御を行う制御手段を適用し、第2の制御手段として、例えば、第1の制御手段が演出の制御を行う制御手段である場合に、第1の制御手段から送信された制御情報に基づいて演出装置の制御を行う制御手段を適用しても良い。
【0307】
また、本実施例では、メイン制御部41は、定期的にタイマ割込処理(メイン)を実行して、コマンドキューに設定されているMODE、EXTを1バイトずつサブ制御部91に対して送信する構成であるが、コマンドキューに設定されているMODE、EXT等のデータが、所定周期毎に送信される構成であれば、メイン制御部41による割込処理等のプログラム(ソフトウェア)により送信する構成でも良いし、メイン制御部41以外の送信回路等の制御手段を設けて、コマンドキューに設定されているデータを所定周期毎に当該制御手段(ハードウェア)により送信する構成でも良い。
【0308】
また、本実施例では、メイン制御部41は、制御状態コマンドに含まれる複数種類のコマンドをサブ制御部91に対して送信させるための制御状態コマンド一括設定処理において、制御状態コマンドに含まれるコマンドをコマンドキューに設定した後に、割込待ち処理を2回実行することで、コマンドキューに設定したMODE及びEXTが送信されるのに要する期間にわたり制御の進行を待機させる構成であるが、制御状態コマンドに含まれるコマンドをコマンドキューに設定した後には、コマンドキューに設定したMODE及びEXTが送信されるのに要する所定の期間以上の期間にわたり制御の進行を待機させる構成であれば良く、例えば、割込待ち処理を3回以上実行することで、所定の期間以上の時間にわたり制御の進行を待機させる構成、コマンドキューに一のコマンドを設定した後からの経過時間を計時するタイマを設けて、当該タイマによりタイマ割込処理(メイン)が2回行われるのに要する所定時間以上の時間が計時されたときに、新たな一のコマンドをコマンドキューに設定する構成等とすることで、一のコマンドが送信されるのに要する所定の期間以上の期間にわたり制御の進行を待機させることができる。
【0309】
本実施例では、メイン制御部41が送信するコマンドは、MODE及びEXTから構成される2バイトのコマンドであり、タイマ割込処理(メイン)では、コマンドキューに設定されているMODE及びEXTを1バイトずつサブ制御部91に対して送信する構成であるが、タイマ割込処理(メイン)では、所定周期毎にコマンドキューに設定されているコマンドを、コマンドを構成するデータの総容量よりも少ない容量ずつ第2の制御手段としてのサブ制御部91に対して送信する構成において、第1の制御手段としてのメイン制御部41は、コマンドを構成する全てのデータをコマンドキューに設定した後、タイマ割込処理(メイン)により一のコマンドを構成する全てのデータが送信されるために要する期間にわたり制御の進行を待機する構成であっても良く、このような構成においても、本実施例の構成と同様の効果を奏することができる。
【0310】
本実施例のメイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、スロットマシン1への電力供給が停止されるか否かを判定し、スロットマシン1への電力供給が停止されると判定した場合には、ゲームの制御の進行を不能化する構成であって、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、スロットマシン1への電力供給が停止さないと判定した場合には、通常時コマンド送信処理を実行して、コマンドキューに設定されているコマンドを構成するMODE及びEXTの1つを第2の制御手段としてのサブ制御部91に対して送信し、スロットマシン1への電力供給が停止されると判定した場合には、通常時コマンド送信処理を実行せずに、ゲームの制御の進行を不能化する前に、電断時コマンド送信処理を実行して、コマンドキューに設定されている全てのMODE及びEXTをサブ制御部91に対して送信するので、コマンドを構成するMODE及びEXTの送信中にゲームの制御の進行が不能化されてしまうことがない。また、コマンドキューに格納されている一のコマンドを構成するMODE及EXTの一部が送信された後、スロットマシン1への電力供給が停止される場合であっても、一のコマンドを構成するMODE及EXTの全て送信させることができる。
【0311】
本実施例のメイン制御部41は、内部当選コマンドやドアコマアンドなど制御状態コマンド以外の一のコマンドを送信する第1の送信契機においては、コマンド設定処理を実行してコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに設定し、制御状態コマンドに含まれる複数種類のコマンドを送信する第2の送信契機においては、制御状態コマンド一括設定処理を実行してコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに設定する構成であり、第2の送信契機である制御状態コマンド一括設定処理においては、一のコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後、タイマ割込処理(メイン)が実行されるまで待機する割込待ち処理を実行して、ゲームの制御の進行を待機させるので、短期間に複数のコマンドを構成するMODE及びEXTがコマンドキューに設定される場合でもコマンドキューがオーバーフローしてしまうことを防止できる。
【0312】
本実施例のメイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)においてコマンドキューに設定されているコマンドを構成するMODE及びEXTを1バイトずつ送信する構成であって、制御状態コマンド一括設定処理では、制御状態コマンドに含まれる一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後、タイマ割込処理(メイン)が1回実行されるまで待機する割込待ち処理を2回実行することで、一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTが送信するのに要する期間にわたりゲームの制御の進行を待機させるので、制御状態コマンド一括設定処理以外の他の処理においても使用される共通の割込待ち処理を複数回実行することで、ゲーム制御の進行を待機させるので待機に係るプログラム容量を削減できる。
【0313】
また、本実施例のメイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において、タイマ割込処理(メイン)においてコマンドキューに設定されているコマンドを構成するMODE及びEXTを1バイトずつ送信するとともに、スタートスイッチ7やストップスイッチ8L、8C、8Rなどのスイッチ類の出力状態を更新し、その後のメイン処理において該当するスイッチの出力状態を参照し、当該出力状態に基づいてゲームの進行を制御する構成であって、メイン処理においてゲームの進行を制御する際に、タイマ割込処理(メイン)が1回実行されるまで待機する割込待ち処理を実行した後に、各スイッチ類の出力状態を参照する構成であり、メイン処理において実行する制御状態コマンド一括設定処理では、制御状態コマンドに含まれる一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後、タイマ割込処理(メイン)が1回実行されるまで待機する割込待ち処理を2回実行することで、一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTが送信するのに要する期間にわたりゲームの制御の進行を待機させるので、制御状態コマンド一括設定処理以外の他の処理としてスイッチ類の操作を検出する処理においても使用される共通の割込待ち処理を複数回実行することで、ゲーム制御の進行を待機させるので待機に係るプログラム容量を削減できる。
【0314】
本実施例のメイン制御部41は、制御状態コマンド一括設定処理においてタイマ割込みを禁止に設定した後、タイマ割込みが禁止に設定されている状態で、制御状態コマンドに含まれる一のコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに設定し、その後、タイマ割込待ち処理を実行して、タイマ割込処理(メイン)を実行させることで、一のコマンドを構成するMODE及びEXTをコマンドキューに設定する処理が完了される前にコマンドが送信されてしまうことを防止できる。
【0315】
本実施例のメイン制御部41は、内部抽選結果を特定可能な内部当選コマンドとして、内部抽選結果として特別役の当選状況を特定可能な第1の内部当選コマンド及び一般役の当選状況を特定可能な第2の内部当選コマンドを内部当選コマンド設定処理において設定し、当該コマンドをサブ制御部91に対して送信可能である。内部当選コマンド設定処理では、ATに制御されているか否かに関わらず、内部抽選結果が報知対象役となったときに、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないように、一般役に係る第2の内部当選コマンドを設定するようになっている。このため、メイン制御部41側でATに制御しているか否かに関わらず、第2の内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順が特定されることなく、ATに制御されているか否かに関わらず、共通の第2の内部当選コマンドを送信するので、第2の内部当選コマンドの送信に係る処理を簡素化できるとともに、サブ制御部91側に不正がなされても、ATに制御されていない状態で遊技者にとって有利な停止順がナビ演出により報知されてしまうことを防止できる。
【0316】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、内部当選により当選した報知対象役に応じて遊技者にとって有利なリール2L、2C、2Rの停止順をナビ報知により報知する構成であるが、メイン制御部41は、ナビ報知により、複数の異なる操作タイミングのうちのいずれかの操作タイミングで操作する操作態様、複数の操作順のうちのいずれかの操作順で操作する操作態様、これらの組合せによる操作態様を、ナビ報知により報知する構成であっても良く、このような構成においても、メイン制御部41は、メイン制御部41側でATに制御しているか否かに関わらず、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な操作態様を特定することができないように第2の内部当選コマンドを設定することで、第2の内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な操作態様がサブ制御部91側で特定されることがない。
【0317】
また、本実施例では、メイン制御部41がナビ報知を実行する報知対象役として、第1の報知対象役と、第2の報知対象役とを含み、メイン制御部41は、内部当選コマンド設定処理において、内部抽選結果が報知対象役となったときに、当該報知対象役が第1の報知対象役であるか第2の報知対象役であるかを特定できるように第2の内部当選コマンドを設定して、サブ制御部91に対して送信するので、内部抽選結果が報知対象役となったときに、サブ制御部91側で報知対象役が第1の報知対象役であるか第2の報知対象役であるかを特定でき、サブ制御部91は、報知対象役の種類に応じて異なる演出を行うことも可能となる。
【0318】
また、本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始時に、ATの制御を行っており、ナビ報知が実行される状態において、内部抽選結果が報知対象役となったときに、遊技者にとって有利な停止順を特定できる停止順データをRAM91cの所定領域に設定する停止順データ設定処理を実行し、停止順データを含むコマンドを上述のゲーム開始時送信コマンド設定処理にて設定してサブ制御部91に対して送信させるので、ナビ報知が実行される状態においてサブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順を報知するナビ演出を行うことができる。
【0319】
また、本実施例では、メイン制御部41がナビ報知を実行する報知対象役として、第1の報知対象役と第2の報知対象役とを含み、メイン制御部41は、停止順データ設定処理において、ナビ報知が実行される状態で内部抽選結果が第1の報知対象役となったときにも、第2の報知対象役となったときにも、すなわちナビ報知が実行される状態において内部抽選にて当選した報知対象役が異なる種類であっても、遊技者にとって有利な停止順が共通の場合に、該遊技者にとって有利な停止順を特定できる共通のナビ番号を含む停止順データを設定するので、停止順データの種類を削減することができる。
【0320】
また、本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始時に、当該ゲームの制御状況に応じて遊技者にとって有利な停止順を特定できる停止順データをRAM91cの所定領域に設定する停止順データ設定処理を実行し、当該停止順データ設定処理において、ナビ報知が実行される状態では、内部抽選結果が報知対象役となったときに、遊技者にとって有利な停止順を特定できる停止順データを設定する一方で、ナビ報知が実行される状態以外の状態では、内部抽選結果が報知対象役となったときに、遊技者にとって有利な停止順を特定できないが標準押し順(例えば、左第1停止)を特定できる停止順データを設定するので、ナビ報知が実行される状態であるか否かに関わらず、内部抽選結果が報知対象役となったときに、停止順データを設定する処理を共通化することができる。
【0321】
また、本実施例のメイン制御部41は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が行われる毎に該当するリール2L、2C、2Rを段階的に停止させる構成であり、遊技者にとって有利な停止順は、全てのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作、すなわち第3停止の操作が完了するよりも前に確定するようになっており、メイン制御部41は、遊技者にとって有利な停止順が確定したときに、確定した有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドを設定する押し順特定コマンド設定処理を実行し、設定した押し順特定コマンドをサブ制御部91に対して送信させる。押し順特定コマンド設定処理において、ナビ報知が実行される状態以外の状態において内部抽選結果が報知対象役となったときに、遊技者にとって有利な停止順が確定した段階、すなわち第1停止、第2停止の操作が行われたとき以降に、内部当選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順を特定できる押し順特定コマンドを設定して送信するので、サブ制御部91に不正が施されても遊技者にとって有利な停止順が特定されることを防止しつつ、内部抽選結果が報知対象役となったときにサブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順で操作されたか否かに応じた演出を行うことができる。
【0322】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、押し順特定コマンド設定処理において、ナビ報知が実行される状態以外の状態において、報知対象役が当選した場合に、リール2L、2C、2Rの停止操作が行われて停止する役が確定したと判定されたときに、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドを設定し、当該押し順特定コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、リール2L、2C、2Rの停止操作が行われて停止する役が確定した後に、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンドは、押し順特定コマンドとは別のコマンドでもあっても良く、例えば、内部抽選にて当選した報知対象役の種類を特定可能な別のコマンドを送信することで、当選した報知対象役の種類に基づいて遊技者にとって有利な停止順を特定可能とする構成であっても良いし、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な別途コマンドを設ける構成であっても良い。このような構成においては、メイン制御部41は、停止する役が確定したときに、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンドを設定する処理を行う構成とすることで、メイン制御部41による遊技者にとって有利な停止順を特定可能な別途コマンド等の送信に係る負荷を削減することができる。
【0323】
また、本実施例では、メイン制御部41は、内部抽選が行われたとき、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行われたときに、停止順データ設定処理を実行して、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な停止順データを含むコマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であり、停止する役が確定した後には、押し順特定コマンド設定処理を実行する毎に、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、停止する役が確定した後に遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドは、少なくとも停止する役が確定したときに一度送信される構成であれば良く、停止する役が確定して、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順特定コマンドを送信した後には、押し順特定コマンド設定処理を実行しない構成であっても良い。このような構成とすることで、メイン制御部41による押し順特定コマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
【0324】
また、本実施例では、メイン制御部41は、ナビ報知を行う状態において、内部抽選が行われたときに停止順データ設定処理を実行し、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行われたときに、押し順特定コマンド設定処理を実行する構成であるが、ナビ報知を行う状態である場合には、内部抽選が行われたときに、停止順データ設定処理のみを実行する構成であっても良い。このような構成とすることで、ナビ報知を行う状態である場合に、メイン制御部41による押し順特定コマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
【0325】
本実施例のメイン制御部41は、スタート操作が行われたときに、内部抽選を行い、内部抽選結果に応じて内部抽選結果毎に各々異なる当選番号をRAM41cに設定し、設定された当選番号に応じて内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等を行うとともに、内部抽選結果を特定可能な内部当選コマンドとして、特別役の当選状況を特定可能な第1の内部当選コマンド及び一般役の当選状況を特定可能な第2の内部当選コマンドを内部当選コマンド設定処理において設定し、設定された当該コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であり、内部当選結果として報知対象役が当選したときの当選番号として、所定の数値範囲からなる連続する数値が割り当てられており、内部当選コマンド設定処理では、ATに制御されていてナビ報知が実行される状態以外の状態において、RAM41cに設定された当選番号が、当該所定の数値範囲であるときに、報知対象役となった旨は特定できるが遊技者にとって有利な停止順を特定できない第2の内部当選コマンドを設定し、設定された第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信するようになっている。これにより、メイン制御部41側でATに制御しているか否かに関わらず、第2の内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順が特定されることはないため、サブ制御部91側に不正がなされてもATに制御されていない状態で遊技者にとって有利な停止順がナビ演出により報知されてしまうことを防止できる。
【0326】
また、内部抽選結果が報知対象役となったときに設定される当選番号として、所定の数値範囲からなる連続する数値を割り当て、メイン制御部41が、内部抽選結果が報知対象役であるか否かを、所定制御を行う際に用いられる当選番号が報知対象役に対して割り当てられた所定の数値範囲内にあるか否かにより判定することで、第2の内部当選コマンドを送信する際の処理を簡素化できる。
【0327】
また、本実施例では、メイン制御部41がナビ報知を実行する報知対象役として、第1の報知対象役と、第1の報知対象役と、を含み、内部抽選結果が第1の報知対象役となったときの当選番号として、第1の数値範囲の連続する数値を割り当て、内部抽選結果が第2の報知対象役となったときの当選番号として、第2の数値範囲の連続する数値を割り当て、メイン制御部41が、内部抽選結果が報知対象役となったときに、当選番号が第1の数値範囲であるか、第2の数値範囲であるかに応じて、内部抽選結果が第1の報知対象役であるか、第2の報知対象役であるかを判定することで、内部当選コマンド設定処理において第2の内部当選コマンドを設定する処理を簡素化できる。
【0328】
また、本実施例のメイン制御部41が、第1の状態及び第2の状態を含む複数の遊技状態に制御することが可能であり、各遊技状態で内部抽選において決定される報知対象役の種類が異なる構成とした場合に、遊技状態が第1の状態において内部抽選結果が報知対象役となったときの当選番号、及び遊技状態が第2の状態において内部抽選結果が報知対象役となったときの当選番号が、いずれも共通の数値範囲に割り当てられてられることで、内部当選コマンド設定処理において、第1の状態においても第2の状態においても内部抽選結果が報知対象役であるか否かを判定するための処理を共通化できる。
【0329】
また、本実施例のメイン制御部41は、内部当選コマンド設定処理において、ATに制御していない状態において内部抽選結果が、報知対象役以外の役またははずれであるときには、該内部抽選結果に応じた当選番号を含む第2の内部当選コマンドを設定し、内部抽選結果が報知対象役であるときには、第1の数値範囲に含まれる一の当選番号を含み、内部抽選結果が報知対象役であるときには、第2の数値範囲に含まれる一の当選番号を含む第2の内部当選コマンドを設定することで、ATに制御していない状態において、内部抽選結果が、報知対象役であっても報知対象役以外の役またははずれであっても、内部抽選結果に対応する当選番号を含む第2の内部当選コマンドを送信することが可能となるので、内部抽選結果が報知対象役であるか否かかかわらず、第2の内部当選コマンドを作成して送信する処理を共通化することができる。
【0330】
尚、ATに制御されている状態でないときには、内部抽選結果が報知対象役となったときに、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないように一般役に係る第2の内部当選コマンドを設定する一方で、ATに制御されている状態であるときには、内部抽選結果が報知対象役となったときに、当選した報知対象役の種類に応じた当選番号を含む第2の内部当選コマンドを設定することで、ATに制御されている状態であるときには、当選した報知対象役の種類を特定可能な第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であっても良い。このような構成では、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から、報知対象役の種類に応じた遊技者にとって有利な停止順を特定できるので、サブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順をナビ演出により報知することができる。また、このような構成では、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から内部抽選における抽選対象役の当選番号を特定できるので、内部当選した抽選対象役に含まれる入賞役の種類に応じた演出を行うことができる。
【0331】
また、このような構成では、メイン制御部41は、停止順データ設定処理を実行せず、遊技者にとって有利な有利停止順を特定可能な停止順データを含むコマンドを送信しない構成としても良く、このような構成とすることで、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から、報知対象役の種類に応じた遊技者にとって有利な停止順を特定でき、サブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順をナビ演出により報知することができるとともに、メイン制御部41による遊技者にとって有利な有利停止順を特定可能な停止順データを含むコマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
【0332】
尚、第1の報知対象役の当選番号と第2の報知対象役の当選番号とは、それぞれが連続する数値範囲に設定されている構成であれば、第1の報知対象役の当選番号が設定される第1の数値範囲と第2の報知対象役の当選番号が設定される第2の数値範囲とが連続する構成であっても良い。このような構成であっても、メイン制御部41は、内部抽選結果が報知対象役であるか否かを、所定制御を行う際に用いられる当選番号が報知対象役に対して割り当てられた所定の数値範囲内にあるか否かにより判定できるため、第2の内部当選コマンドを送信する際の処理を簡素化できる。
【0333】
また、内部当選コマンド送信処理において、同じ送信用当選番号が設定される報知対象役のグループは、少なくとも、ATに制御されているか否かに関わらず、内部抽選結果が報知対象役となったときに、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないようにすれば良く、一の遊技状態において抽選対象となる同じ種類の報知対象役のグループについては、一のグループ毎に遊技者にとって有利な役が一ずつ含まれるように複数のグループに分けて、分けられたグループ毎に異なる送信用当選番号を設定する構成としても良い。これにより、サブ制御部91側で複数のグループのうちいずれかのグループに属する報知対象役が当選したかを特定し、特定したグループに応じた演出を実行することが可能となる。
【0334】
次いで、本実施例のサブ制御部91のRAM91cに記憶されるデータ及び当該データに基づいてサブ制御部91がエラー等の発生の履歴を液晶表示器51に表示させるエラー履歴表示制御について、
図28~
図37に基づいて説明する。
【0335】
図28に示すように、本実施例のサブ制御部91のRAM91cには、サブ制御部91が受信した各種コマンドに基づいて特定されるメイン制御部41側の制御の状態及びサブ制御部91における演出等の制御の状態に関する制御状態データが記憶される制御状態データ領域と、メイン制御部41及びサブ制御部91の診断に関する診断用データが記憶される診断用データ領域とが含まれる。診断用データ領域には、サブ制御部91が受信したコマンドの履歴に関するコマンド履歴データが記憶されるコマンド履歴データ領域と、サブ制御部91がコマンドに基づいて特定したメイン制御部41側でのエラー等やサブ制御部91が検出したエラー等に関するエラー履歴データが記憶されるエラー履歴データ領域とが含まれる。
【0336】
制御状態データ領域は、後述するサブ制御部91の起動処理(サブ)における初期化条件の成立時の初期化対象であり、初期化条件として、設定コマンドに基づいて、設定変更状態が開始されることが検出されたとき(設定変更検出時)、及びサブ制御部91のRAM91cの異常が検出されたとき(サブRAM異常時)、のいずれかの条件が成立することで初期化される。また、制御状態データ領域は、エラーコマンドに基づいてメイン制御部41側におけるRAM41cの異常が検出されたとき(メインRAM異常時)に、直接的には初期化されることはないが、メイン制御部41のRAM41cの異常時には、サブ制御部91によりエラー報知が行われて設定変更操作が行われるように促され、設定変更の操作が行われることで、設定変更状態が開始されることが検出されて、間接的に初期化される。また、制御状態データ領域は、復帰コマンドに基づいてメイン制御部41の正常な復帰が検出されるとき及びその後(メイン復帰検出時)には、初期化対象ではなく、初期化されない。一方で、診断用データ領域は、制御状態データ領域の初期化条件(設定変更検出時、サブRAM異常時、メインRAM異常時、メイン復帰検出時)のいずれの条件の成立時にも、初期化対象とはならず、診断用データ領域に含まれるコマンド履歴データ領域及びエラー履歴データ領域は、サブ制御部91により初期化されることはない。
【0337】
また、制御状態データ領域、診断用データ領域に含まれるコマンド履歴データ領域及びエラー履歴データ領域は、スロットマシン1への電力供給が停止される場合(電断時)のバックアップ対象であり、電断検出回路98からの電圧低下信号が検出される場合に、制御状態データ領域に記憶されている制御状態データ、診断用データ領域に記憶されているコマンド履歴データ及びエラー履歴データは、サブ制御部91によりバックアップRAM61の記憶領域に複製され、バックアップデータとして保持される。
【0338】
また、制御状態データは、バックアップRAM61にバックアップされているバックアップデータが正常であるか否かを判定する破壊判定の対象であり、後述する起動処理(サブ)において実行される破壊判定にてバックアップデータ内の制御状態データが参照される一方で、コマンド履歴データ及びエラー履歴データは、バックアップデータの破壊判定の対象でなく、破壊判定においてバックアップデータ内のコマンド履歴データ及びエラー履歴データが参照されることはない。
【0339】
また、コマンド履歴データ領域は、少なくとも1ゲームにおいてメイン制御部41からサブ制御部91に送信され得る最大個数より多い個数(本実施例では、100個)のコマンドを記録可能な容量が設定されており、エラー履歴データ領域は、少なくとも1日以上の営業期間においてメイン制御部41及びサブ制御部91において発生する可能性があるエラー等の数よりも多い個数(本実施例では、3日程度の営業期間において想定され得る100個)のエラー等を記録可能な容量が設定されている。
【0340】
次に、サブ制御部91が実行する起動処理(サブ)について
図29に基づいて説明する。
【0341】
図29に示すように、サブ制御部91は、リセット回路95からリセット信号が入力されることで起動すると、起動処理(サブ)を実行して、まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化する(Sp1)。その後、RAM91cへのアクセスを許可し(Sp2)、RAM91cの使用可能領域の全ての領域を初期化する(Sp3)。
【0342】
そして、バックアップRAM61の所定領域を参照して、バックアップRAM61に記憶されているバックアップデータに含まれる制御状態データのチェックサムを計算する(Sp4)。その後、バックアップデータに含まれる破壊判定用の破壊判定データを取得して、Sp4でのチェックサムの計算結果が破壊判定データと一致するか否かを比較し(Sp5)、当該比較結果が一致するか否かを判定する(Sp6)。
【0343】
Sp6のステップにおいて、バックアップデータに含まれる制御状態データのチェックサムの計算結果が破壊判定データと一致すると判定した場合、すなわちバックアップデータが破壊されておらず正常であると判定した場合には、バックアップデータに含まれる制御状態データをRAM91cの制御状態データ領域に複製して設定して(Sp7)、RAM91cの制御状態データ領域を電断の前の状態に復帰させる。
【0344】
そして、Sp7のステップにおいてバックアップデータの制御状態データをRAM91cに設定した後、または、Sp6のステップにおいてチェックサムの計算結果が破壊判定データと一致しないと判定した場合には、バックアップRAM61のバックアップデータに含まれるコマンド履歴データをRAM91cのコマンド履歴データ領域に複製するとともにバックアップデータに含まれるエラー履歴データをRAM91cのエラー履歴データ領域に複製することで、バックアップデータに含まれる診断用データをRAM91cの診断データ領域に設定して(Sp8)、RAM91cの診断用データ領域を電断の前の状態に復帰させる。
【0345】
その後、バックアップRAM61のバックアップデータを全て初期化し(Sp9)、エラーコマンド、設定コマンド(開始)、復帰コマンドのいずれかのコマンドをメイン制御部41から受信するか(Sp10~12)、起動処理(サブ)を開始してから所定時間が経過するまで待機する(Sp13)。
【0346】
Sp10のステップにてエラーコマンドを受信したと判定した場合には、Sp17のステップに進み、各演出装置の制御パターンとして、メイン制御部41側においてエラー状態の制御が行われている旨を報知するエラー中報知パターンをRAM91cの所定領域に設定した後、Sp18のステップに進む。
【0347】
Sp11のステップにて設定コマンド(開始)を受信したと判定した場合には、Sp15のステップに進み、メイン制御部41側において設定変更に伴いRAM41cが初期化されることに対応してRAM91cの制御状態データ領域を初期化した後(Sp15)、各演出装置の制御パターンとして、メイン制御部41側において設定変更状態の制御が行われている旨を報知する設定変更中報知パターンをRAM91cの所定領域に設定する(Sp16)。そして、Sp18のステップに進む。
【0348】
Sp12のステップにて復帰コマンドを受信したと判定した場合には、RAM91cの記憶内容を、Sp3~Sp8のステップにより設定された記憶内容のまま維持して、すなわち各演出装置の制御パターンを電断時に設定されていた制御パターンで維持して、Sp18のステップに進む。
【0349】
Sp18のステップでは、RAM91cの制御状態データに基づいて各演出装置の制御を再開させる復帰処理を実行して、Sp3~Sp8、Sp16、Sp17のステップにより設定された制御パターンでの各演出装置の出力を開始させる。また、復帰処理では、後述のエラー履歴記録処理を実行して、スロットマシン1への電力供給が開始された旨すなわち電源がオンにされた旨をエラー履歴データに加える処理を行う。その後は、メイン制御部41から受信したコマンド等に基づいてゲームの進行状況等に応じた演出の制御を行う。
【0350】
Sp10~Sp12のステップにおいてエラーコマンド、設定コマンド(開始)、復帰コマンドのいずれのコマンドを受信したと判定されることがなく、Sp13のステップにおいて、起動処理(サブ)を開始してから所定時間が経過したと判定した場合には、Sp14のステップに進み、検査モードに移行して、上述のように、CGROM基板99に搭載されたCGROM99a~cの記憶内容を検査するための簡易チェックの制御を開始する。簡易チェックの制御の開始後には、再度起動されることで起動処理(サブ)を最初から実行することとなる。
【0351】
このように、サブ制御部91は、起動処理(サブ)においてRAM91cの全ての領域を初期化した後、バックアップデータが正常であると判定した場合には、バックアップデータに含まれる制御状態データをRAM91cの制御状態データ領域に設定することで、バックアップデータが正常である場合には、電断からの復帰後も電断前の制御状態データを保持することが可能である。一方、バックアップデータが正常でないと判定した場合には、バックアップデータに含まれる制御状態データをRAM91cの制御状態データ領域に設定せずにバックアップデータの全てを初期化することで、バックアップデータが正常でない場合には、電断からの復帰後には、電断前の制御状態データを保持しないようになっている。
【0352】
また、サブ制御部91は、起動処理(サブ)においてバックアップデータが正常であると判定し、バックアップデータに含まれる制御状態データをRAM91cの制御状態データ領域に設定した後、バックアップデータを全て初期化し、その後、設定コマンド(開始)を受信した場合には、RAM91cの制御状態データ領域を初期化することで、メイン制御部41側にて設定変更に伴いRAM41cの記憶内容が初期化される場合に、電断前の制御状態データを保持しないようになっている。
【0353】
また、サブ制御部91は、起動処理(サブ)においてRAM91cの全ての領域を初期化した後、バックアップデータが正常であるか否かにかかわらず、バックアップデータに含まれる診断用データをRAM91cの診断用データ領域に設定した後、バックアップデータを全てを初期化することで、バックアップデータが正常であるか否かにかかわらず、電断からの復帰後も電断前の診断用データ、すなわちコマンド履歴データ及びエラー履歴データを保持するようになっている。
【0354】
また、サブ制御部91は、起動処理(サブ)において、RAM91cの初期化条件として設定コマンド(開始)を受信した場合には、RAM91cの制御状態データ領域のみを初期化し、診断用データ領域を初期化しないことで、メイン制御部41側にて設定変更に伴いRAM41cの記憶内容が初期化されるか否かにかかわらず、電断からの復帰後も電断前の診断用データ、すなわちコマンド履歴データ及びエラー履歴データを保持するようになっている。
【0355】
次に、サブ制御部91がコマンド履歴データを作成するためにコマンド受信する毎に実行するコマンド履歴記録処理について
図30に基づいて説明する。
【0356】
サブ制御部91は、上述のようにタイマ割込処理(サブ)によりコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行し、コマンド受信割込処理においてコマンド履歴記録処理を実行して、コマンド履歴データをRAM91cのコマンド履歴データ領域に作成する。
【0357】
図30に示すように、コマンド履歴記録処理では、コマンドを受信したことを判定した場合に(Sq1)、RAM91cの診断用データ領域内の所定領域を参照して、コマンド履歴データ領域内の領域であって、新たに受信したコマンドの情報を記録する領域を特定可能な記録用アドレス1を取得する(Sq2)。
【0358】
そして、Sq2のステップにおいて取得した記録用アドレス1に基づいて、コマンド履歴データ領域内の所定領域(当該記録用アドレス1の領域)を指定して、新たに受信したコマンド(種類及び内容を含む)を記録させる(Sq3)。その後、Sq2のステップにおいて参照した診断用データ領域内の記録用アドレス1を1つ分だけ次のアドレスに更新し(Sq4)、診断用データ領域内の更新後の記録用アドレス1がコマンド履歴データ領域の最終値であるか否かを判定し(Sq5)、更新後の記録用アドレス1が最終値である場合には、当該記録用アドレス1を初期値としてコマンド履歴データ領域の最初の値に設定し(Sq6)、コマンド履歴記録処理を終了させてコマンド受信割込処理に戻る。
【0359】
一方で、Sq5のステップにおいて更新後の記録用アドレス1が最終値に達していないと判定した場合には、更新後の記録用アドレス1をそそまま維持し、コマンド履歴記録処理を終了させてコマンド受信割込処理に戻る。
【0360】
このように、サブ制御部91は、コマンドを受信する毎にコマンド履歴記録処理を実行して、コマンド履歴データ領域に受信したコマンドを記録することで、コマンド履歴データを作成する。
【0361】
また、サブ制御部91は、コマンド履歴記録処理において、記録用アドレス1を順次更新しつつ、当該記録用アドレス1により指定されるコマンド履歴データ領域の最初のアドレスから最終のアドレスまでの領域に、受信したコマンドを記録することでコマンド履歴データを作成するようになっており、コマンド履歴データ領域、すなわち当該コマンド履歴データ領域の最初のアドレスから最終のアドレスまでの領域は、1ゲームにおいて受信し得る個数以上の個数(本実施例では、100個)のコマンドを記録可能な容量が設定されているので、コマンド履歴記録処理が実行されることで、当該コマンド履歴記録処理が実行される際に受信したコマンドから、それよりも前に受信した100個のコマンドがコマンド履歴データとして記録される。
【0362】
また、サブ制御部91は、コマンド履歴記録処理において、記録用アドレス1を順次更新し、更新後の記録用アドレス1がコマンド履歴データ領域の最終値に達する場合には、記録用アドレス1を初期値としてコマンド履歴データ領域の最初の値に設定して、当該記録用アドレス1により指定される領域に、受信したコマンドを記録してコマンド履歴データを作成するとともに、コマンド履歴データの記録用アドレス1を診断用データ領域に記憶することで、当該記録用アドレス1に基づいて、コマンド履歴データに記録されたコマンドの受信順序を特定すること、すなわち記録用アドレス1に基づいて最後に記録された最新のコマンド(記録用アドレス1の1つ前のアドレスのコマンド)を特定することや、記録用アドレス1よりも前のアドレスを1つずつ参照すること(コマンド履歴データ領域の最初のアドレスに達した場合には、最後のアドレスの1つ前のアドレスから1つずつ参照すること)で過去に受信したコマンドを、受信した順番に遡って特定することができるようになっている。
【0363】
尚、受信したコマンドと受信番号(例えば、0~99までの範囲で順次更新される値)を1組として特定可能に記録することで、コマンド履歴データに記録されたコマンドの受信順序を特定することが可能な構成であっても良い。
【0364】
次に、サブ制御部91がエラー履歴データを作成するためにタイマ割込処理(サブ)において実行するエラー履歴記録処理について
図31に基づいて説明する。
【0365】
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)、起動処理(サブ)における復帰処理、電断処理(サブ)においてエラー履歴記録処理を実行して、コマンド履歴データをRAM91cのエラー履歴データ領域に作成する。
【0366】
図31に示すように、エラー履歴記録処理では、メイン制御部41からエラーコマンドを受信したか否か(Sr1)、設定コマンド(開始)を受信したか否か(Sr2)、ドアコマンドに基づいて前面扉1bが開放されたことまたは閉鎖されたことを検出したか否か(Sr3)、サブ制御部91のRAM91cの異常やコマンドの受信異常(通信エラー)等のサブエラーをサブ制御部91が検出したか否か(Sr4)、後述する遊技履歴クリア操作によりサブ制御部91により保持している遊技履歴がクリアされたか否か(Sr5)、電源オン時すなわち起動処理(サブ)の実行中であるか否か(Sr6)、電源オフ時すなわち電断処理(サブ)の実行中であるか否か(Sr7)を判定する。
【0367】
Sr1~Sr7のステップにおいて、これらに該当する事象を検出したと判定した場合には、Sr8のステップに進み、RAM91cの診断用データ領域内の所定領域を参照して、エラー履歴データ領域内の領域であって、新たに検出されたエラー等の情報を記録する領域を特定可能な記録用アドレス2を取得し、時計装置97の出力に基づいて現在の時間情報(年月日及び時刻を含む情報)を取得する(Sr9)。そして、Sr8のステップにおいて取得した記録用アドレス2に基づいて、エラー履歴データ領域内の所定領域(当該記録用アドレス2の領域)を指定して、Sr9のステップで取得した現在の時間情報を記録させるとともに、Sr1~Sr7のステップにおいて新たに検出されたエラー等の種類(
図32参照)を記録させる(Sr10)。
【0368】
Sr10においてエラー履歴データ領域に新たに検出されたエラー等の種類を記録させた後は、Sq8のステップにおいて参照した診断用データ領域内の記録用アドレス2を1つ分だけ次のアドレスに更新し(Sr11)、診断用データ領域内の更新後の記録用アドレス2がエラー履歴データ領域の最終値であるか否かを判定し(Sr12)、更新後の記録用アドレス2が最終値である場合には、当該記録用アドレス2を初期値としてエラー履歴データ領域の最初の値に設定し(Sr13)、エラー履歴記録処理を終了させて呼び出し元の処理に戻る。一方で、Sr12のステップにおいて更新後の記録用アドレス2が最終値に達していないと判定した場合には、更新後の記録用アドレス2をそそまま維持し、エラー履歴記録処理を終了させて呼び出し元の処理に戻る。
【0369】
Sr9のステップにおいてRAM91cに記録させるエラー等の種類は、
図32に示すように、オーバーフローエラー(E1)、ホッパーエンプティエラー(E2)、メダル詰りエラー(E3)、メダル払出エラー(E4)、メダル投入エラー(E5)、リール回転エラー(E6)、異常入賞エラー(E7)、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、エラー解除、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖、通信エラー、サブ制御部エラー、遊技履歴クリア、サブバックアップエラー、電源オン、電源オフを含む。
【0370】
そして、Sr1のステップにおいて、エラーコマンドを受信したと判定した場合には、エラー等の種類として、受信したエラーコマンドに基づき特定されるエラーに該当するオーバーフローエラー(E1)、ホッパーエンプティエラー(E2)、メダル詰りエラー(E3)、メダル払出エラー(E4)、メダル投入エラー(E5)、リール回転エラー(E6)、異常入賞エラー(E7)、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、エラー解除のいずれかがRAM91cに設定される。また、Sr2のステップにおいて設定コマンド(開始)を受信したと判定した場合には、エラー等の種類として、RAMクリア(設定変更)がRAM91cに設定される。また、Sr3のステップにおいてドアコマンドに基づいて前面扉1bが開放されたことまたは閉鎖されたことを検出したと判定した場合であって、前面扉1bが開放されたことを検出した場合には、エラー等の種類としてドア開放を記録させる一方、前面扉1bが閉鎖されたことを検出した場合には、エラー等の種類としてドア閉鎖を記録させる。また、Sr4のステップにおいてサブエラーが検出されていると判定した場合には、エラー等の種類として、サブ制御部91により検出されているサブエラーの種類に該当する通信エラー(サブ制御部91でのコマンドの受信エラー)、サブ制御部エラー(RAM91cに関するエラー)、バックアップエラー(バックアップRAM61に関するエラー)を記録させる。また、Sr5のステップにおいて、遊技履歴がクリアされたと判定した場合には、エラー等の種類として、遊技履歴クリアを記録させる。また、Sr6のステップにおいて電源オン時であると判定した場合には、エラー等の種類として、電源オンを記録させる。また、Sr7のステップにおいて電源オフ時であると判定した場合には、エラー等の種類として、電源オフを記録させるようになっている。
【0371】
このように、サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)、起動処理(サブ)における復帰処理、電断処理(サブ)においてエラー履歴記録処理を実行して、各処理のタイミングにおいて該当するエラー等が発生している場合には、RAM91cのエラー履歴データ領域に該当するエラー等の種類を記録させることで、エラー履歴データを作成する。
【0372】
また、サブ制御部91は、エラー履歴記録処理において、記録用アドレス2を順次更新しつつ、当該記録用アドレス2により指定されるエラー履歴データ領域の最初のアドレスから最終のアドレスまでの領域に、該当するエラー等の種類を記録することでエラー履歴データを作成するようになっており、エラー履歴データ領域、すなわち当該エラー履歴データ領域の最初のアドレスから最終のアドレスまでの領域は、所定の営業期間においてメイン制御部41及びサブ制御部91において発生する可能性があるエラー等の数よりも多い個数(本実施例では、3日程度の営業期間において想定され得る100個)のエラー等を記録可能な容量が設定されているので、エラー履歴記録処理が実行されることで、当該エラー履歴記録処理が実行される際に、発生したエラー等から、それよりも前に発生した100個のエラー等がエラー履歴データとして記録される。
【0373】
また、サブ制御部91は、エラー履歴記録処理において、記録用アドレス2を順次更新し、更新後の記録用アドレス2がエラー履歴データ領域の最終値に達する場合には、記録用アドレス2を初期値としてエラー履歴データ領域の最初の値に設定して、当該記録用アドレス2により指定される領域に、エラー等の種類を記録してエラー履歴データを作成するとともに、エラー履歴データの記録用アドレス2を診断用データ領域に記憶することで、当該記録用アドレス2に基づいて、エラー履歴データに記録されたエラー等の順序を特定すること、すなわち記録用アドレス2に基づいて最後に記録された最新のエラー等(記録用アドレス2の1つ前のアドレスのエラー等)を特定することや、記録用アドレス2よりも前のアドレスを1つずつ参照すること(エラー履歴データ領域の最初のアドレスに達した場合には、最後のアドレスの1つ前のアドレスから1つずつ参照すること)で過去に発生したエラー等を、発生した順番に遡って特定することができるようになっている。
【0374】
また、サブ制御部1は、エラー履歴記録処理において、記録用アドレス2により指定するエラー履歴データ領域にエラー等の種類を記録させる際に、時計装置97により取得した現在の時間情報を同領域に合わせて記録させることで、エラー履歴データに記録された各エラー等について発生した時間を特定できるようになっている。
【0375】
次に、サブ制御部91が所定の出力条件の成立時にコマンド履歴データ及びエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させる履歴表示制御について、
図32~
図37に基づいて説明する。
【0376】
サブ制御部91は、メイン制御部41側においてゲーム中の制御が行われているか否かを、コマンドの受信状況に基づいて判定し、メイン制御部41側においてゲーム中の制御が行われていない、すなわちゲーム中でないと判定した場合には、所定の出力条件として、第1の履歴表示条件(前面扉1bが開放状態(エラー状態中及びエラー状態後を除く)であり、設定キースイッチ37のオン状態が検出されたこと)または第2の履歴表示条件(前面扉1bが開放状態(エラー状態中及びエラー状態後を除く)であり、演出用スイッチ56のオン状態が所定時間(本実施例では、5秒間)にわたりに検出されたこと)が成立した場合に、履歴表示制御を開始する。尚、第1の履歴表示条件及び第2の履歴表示条件におけるエラー状態中とは、メイン制御部41側においてエラー状態の制御が開始されてから、当該エラー状態の制御が終了されるまでの期間であり、エラー状態後とは、メイン制御部41側においてエラー状態の制御が終了されてから前面扉1bが少なくとも1度閉鎖されるまでの期間である。また、ゲーム中とは、所定の賭数(本実施例では、3枚または2枚)の設定操作が行われ、スタートスイッチ7の操作が行われたときから、第3停止の操作が行われて全てのリール2L、2C、2Rが停止したときまでの期間である。尚、第3停止の操作が行われて全てのリール2L、2C、2Rが停止したときに、再遊技役の組合せが停止したことで再遊技が付与される場合には、全てのリール2L、2C、2Rが停止した後からスタートスイッチ7の操作が行われるまでの期間においては、所定の出力条件が成立しているか否かを判定せず、履歴表示制御を実行しない構成であっても良いし、所定の出力条件が成立しているか否かを判定して、履歴表示制御を実行し得る構成であっても良い。
【0377】
履歴表示制御では、履歴表示制御が開始された後に検出される操作態様に応じて、上述のエラー履歴データに含まれる全ての内容を液晶表示器51に表示させる詳細履歴表示、上述のエラー履歴データのうち一部の特定の内容のみを液晶表示器51に表示させる簡易履歴表示、上述のコマンド履歴データに含まれる全ての内容を液晶表示器51に表示させるコマンド履歴表示、サブ制御部91がRAM91cに記録している遊技履歴情報(RB、BB、ATの当選回数、RB、BB、AT後のゲーム数、払出メダル数など遊技に関する情報の履歴)を削除する遊技履歴クリアを行うことが可能である。
【0378】
図32に示すように、詳細履歴表示では、液晶表示器51に表示させる情報として、エラー履歴データに含まれるオーバーフローエラー(E1)、ホッパーエンプティエラー(E2)、メダル詰りエラー(E3)、メダル払出エラー(E4)、メダル投入エラー(E5)、リール回転エラー(E6)、異常入賞エラー(E7)、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、エラー解除、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖、通信エラー、サブ制御部エラー、遊技履歴クリア、サブバックアップエラー、電源オン、電源オフに関する情報、及び各エラー等の記録した時間情報を含む。一方、簡易履歴表示では、液晶表示器51に表示させる情報として、エラー履歴データに含まれる内容のうち、オーバーフローエラー(E1)、ホッパーエンプティエラー(E2)、メダル詰りエラー(E3)、リール回転エラー(E6)、エラー解除、サブバックアップエラー、電源オン、電源オフに関する情報、及び各エラー等の記録した時間情報を含み、その他のメダル払出エラー(E4)、メダル投入エラー(E5)、異常入賞エラー(E7)、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖、通信エラー、サブ制御部エラー、遊技履歴クリアに関する情報は、液晶表示器51に表示させる情報から除かれている。
【0379】
図33に示すように、サブ制御部91は、第1の履歴表示条件が成立した際、すなわちメイン制御部41がエラー状態の制御を行っている期間及びエラー状態の制御を開始してから、当該エラー状態の制御を終了した後に前面扉1bが閉鎖されるまでの期間以外の期間において、前面扉1bが開放状態とされて、設定キースイッチ37がオン状態とされたことで、履歴表示制御を開始した際には、液晶表示器51の表示領域51aのうちリール2L、2C、2Rの透視窓3の上方側に設けられた履歴等表示領域(
図33(a)参照)に、所定の操作態様(演出ボタンの長押し及び短押し)に応じて、上述の詳細履歴表示、簡易履歴表示、コマンド履歴表示、遊技履歴クリアを行うことが可能である旨を示唆する履歴表示選択画面1(
図33(b)参照)を表示させる。第1の履歴表示条件が成立した際に実行する履歴表示制御では、所定の操作態様による操作により、詳細履歴表示、簡易履歴表示、コマンド履歴表示、遊技履歴クリアのいずれも行うことが可能である。
【0380】
図34(a)に示すように、履歴表示制御では、第1の履歴表示条件が成立したことで履歴表示選択画面1が表示されているときに、演出用スイッチ56を短押し(本実施例では、1未満の押下)の操作態様で操作することで、簡易履歴表示が選択されている状態(本実施例では、
図34(a)に示すよう三角画像が当該簡易履歴表示の左右に位置する状態)で、演出用スイッチ56を長押し(本実施例では、1秒以上にわたる押下)の操作態様で操作することで、液晶表示器51に表示している履歴表示選択画面1を簡易履歴表示画面に切り替えるように制御する。
【0381】
図34(b)に示すように、サブ制御部91は、液晶表示器51の表示を簡易履歴表示画面に切り替えた後は、RAM91cのエラー履歴データを参照し、簡易履歴表示に対応するエラー等(
図32参照)及び当該エラー等に対応する時間情報を、当該エラー等が記録された順序を特定可能に所定個数(本実施例では、10組)ずつ簡易履歴表示画面上に順次表示させる。また、時計装置97の出力に基づいて特定される現在の時間情報(現在の年月日及び時刻)を簡易履歴表示画面上に表示させる。この状態で、演出用スイッチ56が長押しされたことが検出された場合には、簡易履歴表示画面を履歴表示選択画面1に切り替える(メニューに戻る)ように制御する一方、演出用スイッチ56が短押しされたことが検出された場合には、表示しているエラー等及び時間情報を次の所定個数の内容に切り替える(ページ送り)ように制御する。
【0382】
図35(a)に示すように、履歴表示制御では、第1の履歴表示条件が成立したことで履歴表示選択画面1が表示されているときに、演出用スイッチ56を短押しの操作態様で操作することで、詳細履歴表示が選択されている状態(本実施例では、
図35(a)に示すよう三角画像が当該詳細履歴表示の左右に位置する状態)で、演出用スイッチ56を長押しの操作態様で操作することで、液晶表示器51に表示している履歴表示選択画面1を詳細履歴表示画面に切り替えるように制御する。
【0383】
図35(b)に示すように、サブ制御部91は、液晶表示器51の表示を詳細履歴表示画面に切り替えた後は、RAM91cのエラー履歴データを参照し、詳細履歴表示に対応するエラー等(
図32参照)及び当該エラー等に対応する時間情報を、当該エラー等が記録された順序を特定可能に所定個数(本実施例では、15組)ずつ詳細履歴表示画面上に順次表示させる。また、時計装置97の出力に基づいて特定される現在の時間情報(現在の年月日及び時刻)を詳細履歴表示画面上に表示させる。この状態で、演出用スイッチ56が長押しされたことが検出された場合には、詳細履歴表示画面を履歴表示選択画面1に切り替える(メニューに戻る)ように制御する一方、演出用スイッチ56が短押しされたことが検出された場合には、表示しているエラー等及び時間情報を次の所定個数の内容に切り替える(ページ送り)ように制御する。
【0384】
図36(a)に示すように、履歴表示制御では、第1の履歴表示条件が成立したことで履歴表示選択画面1が表示されているときに、演出用スイッチ56を短押しの操作態様で操作することで、コマンド履歴表示が選択されている状態(本実施例では、
図36(a)に示すよう三角画像が当該コマンド履歴表示の左右に位置する状態)で、演出用スイッチ56を長押しの操作態様で操作することで、液晶表示器51に表示している履歴表示選択画面1をコマンド歴表示画面に切り替えるように制御する。
【0385】
図29(b)に示すように、サブ制御部91は、液晶表示器51の表示をコマンド履歴表示画面に切り替えた後は、RAM91cのコマンド履歴データを参照し、記録されている全てのコマンドを、当該コマンドが記録された順序を特定可能にコマンド履歴表示画面上に表示させる。また、時計装置97の出力に基づいて特定される現在の時間情報(現在の年月日及び時刻)をコマンド履歴表示画面上に表示させる。また、コマンド履歴データに記録されている全てのコマンドを当該コマンドが記録された順序とともに特定可能な2次元コードをコマンド履歴表示画面上に表示させる。
【0386】
図37に示すように、サブ制御部91は、第2の履歴表示条件が成立した際、すなわちメイン制御部41がエラー状態の制御を行っている期間及びエラー状態の制御を開始してから、当該エラー状態の制御を終了した後に前面扉1bが閉鎖されるまでの期間以外の期間において、前面扉1bが開放状態とされて、演出用スイッチ56が所定時間にわたり長押しの操作態様(本実施例では5秒間にわたりオン状態に押下する態様)で操作されたことで、履歴表示制御を開始した際には、液晶表示器51の履歴等表示領域(
図33(a)参照)に、所定の操作態様(演出ボタンの長押し)により、上述の簡易履歴表示を行うことが可能である旨を示唆する履歴表示選択画面2(
図37(a)参照)を表示させる。第2の履歴表示条件が成立した際に実行する履歴表示制御では、所定の操作態様による操作により、簡易履歴表示のみを行うことが可能である。履歴表示選択画面2では、履歴表示制御として行うことができない詳細履歴表示、コマンド履歴表示、遊技履歴クリアの表示態様は、簡易履歴表示の表示態様と異なる態様(本実施例では、文字の色を反転させて表示させる態様)で表示させることにより、これらの詳細履歴表示、コマンド履歴表示、遊技履歴クリアを選択して行わせることが不可能な旨を示唆する。
【0387】
図37(a)に示すように、第2の履歴表示条件が成立したことで履歴表示選択画面2が表示されているときに、演出用スイッチ56を長押し(本実施例では、1秒以上にわたる押下)の操作態様で操作することで、液晶表示器51に表示している履歴表示選択画面を簡易履歴表示画面に切り替えるように制御する。
【0388】
図37(b)に示すように、サブ制御部91は、履歴表示選択画面2から簡易履歴表示画面に切り替えた後は、履歴表示選択画面2から簡易履歴表示画面に切り替えた場合と同様に、簡易履歴表示に対応するエラー等(
図32参照)及び当該エラー等に対応する時間情報、現在の時間情報(現在の年月日及び時刻)を簡易履歴表示画面上に表示させるように制御する。
【0389】
このように、サブ制御部91は、所定の出力条件として、第1の履歴表示条件(前面扉1bが開放状態(エラー状態中及びエラー状態後を除く)であり、設定キースイッチ37のオン状態が検出されたこと)が成立した場合に、履歴表示制御を実行することで、受信したコマンドの履歴を液晶表示器51に表示させることが可能である。
【0390】
また、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立した場合に、RAM91cのコマンド履歴データ領域に記録されているコマンド履歴データを含むコマンド履歴表示画面を液晶表示器51に表示されることが可能であり、コマンド履歴表示画面では、コマンド履歴データとして記録されている全てのコマンドを、当該コマンド当該コマンドが記録された順序すなわちコマンドを受信した順序を特定可能に表示させる。
【0391】
また、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立した場合に、RAM91cのコマンド履歴データ領域に記録されているコマンド履歴データを含むコマンド履歴表示画面を、液晶表示器51の表示領域51aのうちリール2L、2C、2Rの透視窓3の上方側の領域すなわち透過領域51b以外の領域に表示させる。
【0392】
また、サブ制御部91は、所定の出力条件として、第1の履歴表示条件(前面扉1bが開放状態(エラー状態中及びエラー状態後を除く)であり、設定キースイッチ37のオン状態が検出されたこと)または第2の履歴表示条件(前面扉1bが開放状態(エラー状態中及びエラー状態後を除く)であり、演出用スイッチ56のオン状態が所定時間(本実施例では、5秒間)にわたりに検出されたこと)が成立した場合に、履歴表示制御を実行することで、スロットマシン1において発生したエラー等の履歴を液晶表示器51に表示させることが可能である。
【0393】
また、サブ制御部91は、所定の出力条件として、第1の履歴表示条件が成立した場合には、履歴表示制御を実行することで、詳細履歴表示画面を表示させることが可能であり、詳細履歴表示画面ではエラー履歴データに含まれる第1の事象(オーバーフローエラー(E1)、ホッパーエンプティエラー(E2)、メダル詰りエラー(E3)、メダル払出エラー(E4)、メダル投入エラー(E5)、リール回転エラー(E6)、異常入賞エラー(E7)、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、エラー解除、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖、通信エラー、サブ制御部エラー、遊技履歴クリア、サブバックアップエラー、電源オン、電源オフ)を含めて表示させる一方で、第2の履歴表示条件が成立した場合には、履歴表示制御を実行することで、簡易履歴表示画面を表示させることが可能であり、簡易履歴表示画面ではエラー履歴データに含まれる第2の事象(オーバーフローエラー(E1)、ホッパーエンプティエラー(E2)、メダル詰りエラー(E3)、リール回転エラー(E6)、エラー解除、サブバックアップエラー、電源オン、電源オフ)を含めて表示させる。
【0394】
本実施例のメイン制御部41では、設定キースイッチ37を特定のキーにより操作することで設定変更状態に移行させることが可能であり、一般にスロットマシン1が設置される店舗等では、当該特定のキーを所持する店員等の者のみが当該設定キースイッチ37を操作可能であり、その他の者は設定キースイッチ37を操作することができないようになっている。このような構成において、仮に、履歴表示制御において簡易履歴表示画面または詳細履歴表示画面において、設定キースイッチ37を操作するために関連する情報、例えば、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖等が表示されると、特定のキーを所持する店員等の者のみしか行うことができない設定変更が行われた可能性があることや設定キースイッチ37を操作した可能性があることを推測可能となってしまう。これに対して、サブ制御部91は、第2の履歴表示条件が成立した場合、すなわち設定キースイッチ37を操作することなくエラー履歴データを表示させる場合には、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖に関する情報を、液晶表示器51に表示させる情報から除いている。
【0395】
本実施例のサブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドの受信に応じて演出の制御を行うことが可能であり、演出の制御に用いるデータ及びコマンドを受信した履歴を含むデータを保持して、所定の出力条件が成立したときには、コマンドの受信履歴を液晶表示器51に表示させる構成である。
【0396】
このような構成では、サブ制御部91が演出の制御に用いるデータに異常が検出された場合に、サブ制御部91が保持するデータを初期化する構成とすると、コマンドの受信に伴い生じた異常を特定できなくなってしまうこととなる。
【0397】
これに対して、本実施例のサブ制御部91は、演出の制御に用いるデータである制御状態データ及びコマンドを受信した履歴のデータであるコマンド履歴データを記憶可能なRAM91cを備えており、RAM91cには、第1の記憶領域として、制御状態データを記憶可能な制御状態データ領域と、第2の記憶領域として、コマンド履歴データを記憶可能なコマンド履歴データ領域とが設けられており、所定の出力条件が成立することでコマンド履歴データ領域に記憶されているコマンド履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、スロットマシン1への電力供給が停止される場合に、第1の記憶領域に記憶されている制御状態データ及び第2の記憶領域に記憶されているコマンド履歴データを、電力供給が停止しても記憶データを保持することが可能なバックアップRAM61により保持させ、その後、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、初期化条件が成立しているか否かを判定し、初期化条件が成立していると判定したときに、バックアップRAM61により保持されているデータのうち制御状態データを初期化する一方でコマンド履歴データは初期化せずに保持するので、初期化条件が成立してバックアップRAM61により保持されているデータが初期化された場合でも、初期化条件が成立する前のコマンドの受信状況を特定することができる。
【0398】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、遊技の制御を行う一方で、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信したコマンドに応じて演出の制御を行う構成であるが、所定の制御を行う第1の制御手段がコマンド等の指示を送信し、当該コマンド等を受信した第2の制御手段が当該コマンド等に基づいて所定の制御を行う構成であっても良く、例えば、第1の制御手段としてのメイン制御部41が遊技及び演出の制御を行って、第2の制御手段としてのサブ制御部91が、第1の制御手段から送信されたコマンドに基づいて何らかの制御を行うである構成であっても良い。このような構成においては、第2の制御手段が制御に用いるデータ及び第1の制御手段からのコマンドの履歴データを、電力供給が停止しても記憶データを保持することが可能な保持手段により保持させ、初期化条件が成立していると判定したときに、保持手段により保持されているデータのうち第2の制御手段が制御に用いるデータを初期化する一方でコマンド履歴データは初期化せずに保持する構成とすることで、初期化条件が成立し、保持手段により保持されているデータが初期化される場合であっても、初期化条件が成立する前のコマンドの受信状況を特定することができる。
【0399】
また、本実施例では、サブ制御部91は、該サブ制御部91が備えるRAM91cとは別個の記憶手段であってスロットマシン1への電力供給が停止してもデータが保持されるバックアップRAM61に、RAM91cの記憶されているデータを保持させることが可能な構成であるが、RAM91c自体を、スロットマシン1への電力供給が停止しても記憶しているデータを保持可能な構成としても良い。
【0400】
また、本実施例では、サブ制御部91は、RAM91cとは別個に電力供給が停止してもデータが保持されるバックアップRAM61に対して、RAM91cに記憶されているデータを保存することでRAM91cに記憶されているデータを保持させる構成であり、スロットマシン1への電力供給が開始された際に、初期化条件が成立した場合に、バックアップRAM61に記憶されているデータのうち制御状態データをRAM91cに複製せずに初期化することで、電力供給が停止される前にRAM91cに記憶されていた制御状態データをRAM91cに復帰させない構成であるが、初期化条件が成立した場合に、バックアップRAM61に記憶されているデータのうち制御状態データをRAM91cに複製及び初期化しないことで、電力供給が停止される前にRAM91cに記憶されていた制御状態データをRAM91cに復帰させない構成であっても良い。
【0401】
また、本実施例では、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立することで、コマンド履歴データ領域に記憶されているコマンド履歴データの内容を液晶表示器51に表示する構成であり、コマンド履歴データの内容を文字列及び2次元コード化した画像を表示する構成であるが、コマンド履歴データの内容を外部機器で特定可能な電磁気的な信号等により出力する構成でも良い。
【0402】
本実施例のサブ制御部91は、所定の出力条件が成立することで、コマンド履歴データ領域に記憶されているコマンド履歴データの内容を液晶表示器51に表示する構成であり、コマンド履歴データの内容を液晶表示器51に表示する際には、コマンド履歴データに含まれるコマンドを受信した順序に従って表示させるので、液晶表示器51に表示された内容からサブ制御部91がコマンドを受信した順番を特定することができる。
【0403】
本実施例のサブ制御部91は、メイン制御部41からコマンドを受信する毎にコマンド履歴記録処理を実行し、受信したコマンドの履歴をRAM91cのコマンド履歴データ領域に記録する構成であり、コマンド履歴データ領域は、少なくとも1単位のゲームにおいてメイン制御部41からサブ制御部91に送信され得る最大個数より多い個数(本実施例では、100個)のコマンドを記録可能な容量が設定されているので、1単位以上のゲームにわたりメイン制御部41から受信したコマンドの受信状況を特定することができる。
【0404】
本実施例のサブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときにバックアップRAM61により保持されているデータが正常か否かを判定する破壊判定を実行可能であり、破壊判定では、バックアップRAM61により保持されているデータのうち制御状態データに基づいて、すなわちコマンド履歴データを除くデータに基づいてバックアップRAM61により保持されているデータが正常か否かを判定し、バックアップRAM61により保持されているデータが正常でないと判定した場合に、バックアップRAM61により保持されているデータのうち制御状態データを初期化するので、破壊判定において、バックアップRAM61により保持されているデータのうちサブ制御部91が演出の制御に用いる制御状態データ以外のデータが正常でないことにより、バックアップRAM61により保持されているデータが正常でないと判定してしまう不要な判定を行わずに済む。
【0405】
本実施例のメイン制御部41及びRAM91cが搭載された演出制御基板90には、バックアップRAM61及びバックアップ電池62が搭載されており、バックアップRAM61は、当該バックアップ電池62から供給される電力によって該バックアップRAM61に記憶しているデータを保持することが可能であるので、演出制御基板90をスロットマシン1本体から取外した状態であっても、バックアップRAM61に記憶されているデータを保持することができる。
【0406】
尚、本実施例では、RAM91cの記憶内容を、当該RAM91cとは別個のスロットマシン1への電力供給が停止しても記憶するバックアップRAM61により保持可能な構成であるが、RAM91c自体を、スロットマシン1への電力供給が停止しても記憶しているデータを保持可能な構成としても良く、このような構成においては、例えば、RAM91cに電力を供給することが可能なバックアップ電池を演出制御基板90に設けることで、演出制御基板90をスロットマシン1本体から取外した状態であっても、RAM91c自体に記憶されているデータを保持することができる。
【0407】
本実施例のバックアップRAM61は、バックアップ電池62から供給される電力によって記憶しているデータを保持可能な構成であるので、電池以外の逐電手段、例えばキャパシタ等から供給される電力によって記憶しているデータを保持可能な構成と比較して、長時間にわたり大容量のデータを保持し続けることができる。
【0408】
尚、本実施例では、バックアップRAM61は、バックアップ電池62から供給される電力によって保持可能な構成であるが、バックアップRAM61に電力を供給する手段は、電池以外のキャパシタ等の逐電手段であっても良い。
【0409】
また、本実施例では、スロットマシン1への電力供給が停止される場合に、バックアップデータを保持する記憶手段として、バックアップ電池62から電力が供給されることで記憶内容を保持可能なバックアップRAM61を用いる構成であるが、記憶手段として、EEPROM等の不揮発性の記憶手段を用いる構成であっても良く、このような構成とすることで、スロットマシン1への電力供給が停止される場合に、記憶手段に対して電力を供給するための電力供給手段を用いることなく、アックアップデータを保持することができる。
【0410】
本実施例のサブ制御部91は、所定の出力条件が成立することでRAM91cのコマンド履歴データ領域に記憶されているコマンド履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、コマンド履歴データの内容を液晶表示器51に表示させる際には、液晶表示器51における透過領域51b以外の表示領域51aに、コマンド履歴データの内容を表示させるので、液晶表示器51に表示されたコマンド履歴データの内容の視認性を確保することができる。
【0411】
本実施例のサブ制御部91は、所定の出力条件が成立することで、エラーや前面扉1bの開閉状態等のスロットマシン1に関する事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させることが可能な構成である。
【0412】
このような構成では、スロットマシン1に関する所定の事象の発生履歴を表示する場合に、例えば、設定変更に関わる事象など、事象の種類によっては閲覧を一部の者に制限する必要があるが、全ての事象について閲覧を制限すると、相対的に重要度の低い事象の発生履歴を表示させる場合でも面倒な操作が必要となってしまうこととなる。
【0413】
これに対して、本実施例のサブ制御部91は、RAM91cにスロットマシン1に関する複数種類の事象の発生履歴をエラー履歴データとして記憶させ、所定の出力条件が成立することで、エラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、第1の操作として、設定キースイッチ37の操作がされたことを含む所定の出力条件が成立したときに、RAM91cに記憶されているエラー履歴データのうち第1種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる詳細履歴表示を実行する一方、第2の操作として、演出用スイッチ56が長押しの操作態様で操作されたことを含む所定の出力条件が成立したときに、RAM91cに記憶されているエラー履歴データのうち第2種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる簡易履歴表示を実行し、第1種類の事象は、第2種類の事象に含まれるいずれの事象よりも重要な事象を含むようになっているので、第2種類の事象に含まれるいずれの事象よりも重要な事象を含む第1種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる詳細履歴表示を実行させる場合には、第2種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる簡易履歴表示を実行させる際の第2の操作ではなく第1の操作が必要となるため、相対的に重要ではない第2種類の事象については簡易な操作で閲覧可能とすることができる一方で、相対的に重要な事象を含む第1種類の事象については簡易履歴表示では表示されないので閲覧を制限することができる。
【0414】
尚、本実施例では、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立したことで、RAM91cに記憶されているエラー履歴データの内容を文字列の表示態様により液晶表示器51に表示させる構成であるが、エラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させる際には、2次元コードなどにコード化した画像を表示する構成でも良い。
【0415】
また、本実施例では、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立したことで、RAM91cに記憶されているエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させる構成であるが、所定の出力条件が成立したことで、RAM91cに記憶されているエラー履歴データの内容を外部機器で特定可能な電磁気的な信号等により出力する構成でも良い。
【0416】
また、本実施例では、サブ制御部91は、エラー履歴データのうち第1種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる詳細履歴表示において、第2種類の事象に含まれるいずれの事象よりも重要な事象として、メダル払出エラー(E4)、メダル投入エラー(E5)、異常入賞エラー(E7)、RAMエラー(E8)、設定変更エラー、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖、通信エラー、サブ制御部エラー、遊技履歴クリアに関する情報を含めて表示させる構成であるが、重要な事象は、第2種類の事象に比較して重要度が相対的に高い事象であれば良い。
【0417】
第1種類の事象は、重要な事象として、第1の操作に関連する操作等が行われたことを推測可能な情報(例えば、遊技者にとっての有利度の変更、電源のON/OFF、扉の開放などの事象)や、不正に関する事象の発生の可能性を示唆する事象(メダルセレクタ29に関するエラー、通信エラー等の情報)等を含むととともに、これらの事象にくらべて第2種類の事象に含まれる重要度が相対的に低い事象等、その他の事象を含むものであっても良い。
【0418】
また、本実施例では、サブ制御部91は、第1種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる詳細履歴表示では、エラー履歴データの内容の全てを表示させる一方で、第2種類の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させる簡易履歴表示では、第1種類の事象に含まれる事象のうち重要な事象については表示を制限して、相対的に重要な事象でない一部の事象についてのみを表示させる構成であり、詳細履歴表示において表示される第1種類の事象と、簡易履歴表示において表示される第2種類の事象とは、一部が重複する構成であるが、第1種類の事象と第2種類の事象が重複しない構成でも良い。
【0419】
本実施例のメイン制御部41は、設定キースイッチ37の操作により遊技者にとっての有利度である設定値を設定可能であり、サブ制御部91は、簡易履歴表示において、重要な事象として、有利度の設定が変更されたことを特定または推測可能な、設定変更エラー、RAMクリア(設定変更)、ドア開放、ドア閉鎖を含まない第2種類の事象の発生履歴を表示するので、遊技者にとっての有利度の設定が変更されたことを特定または推測可能な事象の閲覧を制限することができる。
【0420】
本実施例のサブ制御部91は、第1の操作として、設定キースイッチ37の操作がされたことを含む所定の出力条件が成立したときに詳細履歴表示を実行する一方、第2の操作として、演出用スイッチ56が長押しの操作態様で操作されたことを含む所定の出力条件が成立したときに簡易履歴表示を実行する構成であり、第1の操作としての設定キースイッチ37の操作は、所定の設定キーを所持している有利度を設定する権限を有する者が行える操作であり、第2の操作としての演出用スイッチ56の長押しの操作態様での操作は、有利度を設定する権限を有する者か否かに関わらず行える操作であるので、有利度の設定が変更されたことを特定または推測可能な事象の閲覧を、設定キーを所持しており設定キースイッチ37の操作を行うことが可能な者、すなわち有利度を設定する権限を有する者に制限することができる。
【0421】
尚、本実施例では、サブ制御部91は、第1の操作として、設定キースイッチ37の操作がされたことを含む所定の出力条件が成立したときに詳細履歴表示を実行する構成であるが、第1の操作は、有利度を設定する権限を有する者が行うことが可能な操作であれば良く、有利度を設定する権限を有する者のみが知り得る所定の暗証番号や暗号等の入力や所定の操作順での所定スイッチ類の操作、所定の外部機器の接続操作などであっても良い。
【0422】
本実施例のサブ制御部91は、所定の出力条件が成立することで詳細履歴表示画面または簡易履歴表示画面を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、詳細履歴表示画面及び簡易履歴表示画面では、所定の事象の発生日時を表示させるとともに、当該履歴表示画面に、時計装置97により取得した現在日時も表示させるので、履歴表示画面上で所定の事象の発生日時と現在日時とを比較しつつ事象の発生状況を確認できる。
【0423】
本実施例のサブ制御部91は、演出の制御に用いるデータである制御状態データ及びスロットマシン1に関する所定の事象の発生履歴のデータであるエラー履歴データを記憶可能なRAM91cを備えており、RAM91cには、第1の記憶領域として、制御状態データを記憶可能な制御状態データ領域と、第2の記憶領域として、エラー履歴データを記憶可能なエラー履歴データ領域とが設けられており、所定の出力条件が成立することでエラー履歴データ領域に記憶されているエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、スロットマシン1への電力供給が停止される場合に、第1の記憶領域に記憶されている制御状態データ及び第2の記憶領域に記憶されているエラー履歴データを、電力供給が停止しても記憶データを保持することが可能なバックアップRAM61により保持させること、及びスロットマシン1への電力供給が開始されたときに、初期化条件が成立しているか否かを判定し、初期化条件が成立していると判定したときに、バックアップRAM61により保持されているデータのうち制御状態データを初期化する一方でエラー履歴データは初期化せずに保持するので、初期化条件が成立してバックアップRAM61により保持されているデータが初期化された場合でも、初期化条件が成立する前の所定の事象の発生履歴を特定することができる。
【0424】
尚、本実施例では、サブ制御部91は、該サブ制御部91が備えるRAM91cとは別個の記憶手段であってスロットマシン1への電力供給が停止してもデータが保持されるバックアップRAM61に、RAM91cの記憶されているデータを保持させることが可能な構成であるが、RAM91c自体を、スロットマシン1への電力供給が停止しても記憶しているデータを保持可能な構成としても良い。
【0425】
また、本実施例では、サブ制御部91は、RAM91cとは別個に電力供給が停止してもデータが保持されるバックアップRAM61に対して、RAM91cに記憶されているデータを保存することでRAM91cに記憶されているデータを保持させる構成であり、スロットマシン1への電力供給が開始された際に、初期化条件が成立した場合に、バックアップRAM61に記憶されているデータのうち制御状態データをRAM91cに複製せずに初期化することで、電力供給が停止される前にRAM91cに記憶されていた制御状態データをRAM91cに復帰させない構成であるが、初期化条件が成立した場合に、バックアップRAM61に記憶されているデータのうち制御状態データをRAM91cに複製及び初期化しないことで、電力供給が停止される前にRAM91cに記憶されていた制御状態データをRAM91cに復帰させない構成であっても良い。
【0426】
本実施例のサブ制御部91は、前面扉1bを開いた状態において所定の操作がされることにより、エラー等、スロットマシン1に関する所定の事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させることが可能な構成である。
【0427】
このような構成では、本来遊技場の店員がこれらの事象の発生履歴を液晶表示器51に表示させて確認するものであるが、例えば、遊技者が遊技を行っている状況でエラーを解消するために前面扉1bを開放した場合にも、誤って所定の操作がされることでスロットマシン1に関する事象の発生履歴が表示されてしまう虞がある。
【0428】
これに対して、本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1に関する所定のエラーが検出されることでエラー状態に制御することが可能であり、エラー状態は、エラーの原因を除去するのに前面扉1bの開放を必要とするエラー状態を含む構成であり、サブ制御部91は、サブ制御部91は、RAM91cにスロットマシン1に関する複数種類の事象の発生履歴をエラー履歴データとして記憶させ、所定の出力条件が成立することで、エラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、所定の出力条件として、前面扉1bが開放状態であること及び所定の操作がされたことを含み、メイン制御部41側においてエラー状態に制御された後、該エラー状態が解除される前に、前面扉1bが開放状態である場合には、所定の操作がされてもエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させないので、エラーの原因を除去するために前面扉1bが開放されている状況では、その間に所定の操作がされてもエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示されることがないため、遊技者が遊技を行っている状況でスロットマシン1に関連する所定の事象の発生履歴が誤って出力されてしまうことを防止できる。
【0429】
尚、本実施例では、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立したことで、RAM91cに記憶されているエラー履歴データの内容を文字列の表示態様により液晶表示器51に表示させる構成であるが、エラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させる際には、2次元コードなどにコード化した画像を表示する構成でも良い。
【0430】
また、本実施例では、サブ制御部91は、所定の出力条件が成立したことで、RAM91cに記憶されているエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させる構成であるが、所定の出力条件が成立したことで、RAM91cに記憶されているエラー履歴データの内容を外部機器で特定可能な電磁気的な信号等により出力する構成でも良い。
【0431】
本実施例のサブ制御部91は、サブ制御部91は、RAM91cにエラー履歴データを記憶させ、所定の出力条件が成立することで、エラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、所定の出力条件として、前面扉1bが開放状態であること及び所定の操作がされたことを含み、メイン制御部41側においてエラー状態に制御された後、該エラー状態が解除される前に、前面扉1bが開放状態となった場合には、その後、エラー状態が解除された場合に、前面扉1bが閉鎖状態となる前に、所定の操作がされてもエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示されないので、エラーの原因を除去するために前面扉1bが開放された状況では、その間に所定の操作がされてもエラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示されることがないため、遊技者が遊技を行っている状況でスロットマシン1に関連する所定の事象の発生履歴が誤って出力されてしまうことを防止できる。
【0432】
本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1に関する所定のエラーとして、例えば、オーバーフロータンクが満タンとなったことやホッパーのメダルが不足することが検出されることでエラー状態に制御することが可能であり、これらのエラー状態は、エラーの原因を除去するのに前面扉1bの開放を必要とする構成であり、サブ制御部91は、RAM91cにスロットマシン1に関する所定のエラーを含む複数種類の事象の発生履歴をエラー履歴データとして記憶させ、所定の操作を含む出力条件が成立することで、エラー履歴データの内容を液晶表示器51に表示させることが可能な構成であり、所定の操作は、所定のエラーとして、例えば、オーバーフロータンクが満タンとなったことやホッパーのメダルが不足することを解除するための操作とは、異なる演出用スイッチ56の長押し操作態様での操作であるので、エラー状態の解除操作と同様の流れで、エラー履歴データの内容が液晶表示器51に表示されてしまうことを防止できる。
【0433】
以上、本発明の実施例及び変形例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0434】
前記実施例及び変形例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0435】
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
【0436】
また、前記実施例及び変形例では、本発明が遊技機の一例であるスロットマシン1に適用された例が示されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明を遊技領域に遊技球を発射することにより遊技を行うパチンコ遊技機等の他の遊技機に適用しても良い。
【符号の説明】
【0437】
1 スロットマシン
91 サブ制御部
300 演出ボタン
301A 操作面部
301B 側周面部
310 演出ボタンユニット
311 非移動部
312 移動部
321 カム部材
336 回転用モータ
361 発光ベース
362 レンズ部材
363 カバー部材
375A,375B 突起部
379 演出用LED