(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】セカンダリセルビーム失敗リカバリ時のユーザー機器受信機空間フィルタ設定
(51)【国際特許分類】
H04W 76/20 20180101AFI20220518BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220518BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20220518BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
H04W76/20
H04W72/04 111
H04W16/28
H04B7/06 956
(21)【出願番号】P 2020552355
(86)(22)【出願日】2019-03-07
(86)【国際出願番号】 FI2019050180
(87)【国際公開番号】W WO2019193239
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-10-12
(32)【優先日】2018-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315002955
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】コスケラ ティモ
(72)【発明者】
【氏名】トルティネン サムリ
(72)【発明者】
【氏名】カイッコネン ヨーマ
(72)【発明者】
【氏名】エネスク ミハイ
(72)【発明者】
【氏名】ハコラ サミ
(72)【発明者】
【氏名】カルヤライネン ユハ
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】Huawei, HiSilicon,Beam failure recovery for SCell[online],3GPP TSG RAN WG2 #101 R2-1801814,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_101/Docs/R2-1801814.zip>,2018年02月14日
【文献】MediaTek Inc.,Clarifications on Beam Failure Recovery Procedure[online],3GPP TSG RAN WG2 #101 R2-1802406,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_101/Docs/R2-1802406.zip>,2018年02月16日
【文献】Huawei, HiSilicon,Remaining issues on beam failure recovery[online],3GPP TSG RAN WG1 #92 R1-1801454,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92/Docs/R1-1801454.zip>,2018年02月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/06
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー機器によって、媒体アクセス制御層でセカンダリセル(SCell)のビーム失敗を検出することと、
失敗が生じた前記SCellについて、候補ビーム測定値を物理層から受信することと、
前記候補ビーム測定値に基づいて、SCellビーム失敗リカバリ媒体アクセス制御制御要素
の中で報告される少なくとも1つの候補ビームリソースを決定すること、但し前記候補ビームリソースは、チャネル状態情報基準信号
インデックスおよび/または同期信号ブロックインデックスの
セットである、前記決定することと、
前記SCellビーム失敗リカバリ媒体アクセス制御制御要素を生成および送信することと、
前記少なくとも1つの候補ビームリソースに基づいて、空間受信機フィルタを設定することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記
少なくとも1つの候補ビームリソースを決定することは、前記受信した候補ビーム測定値に対する特定の選択基準に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記SCellビーム失敗リカバリ媒体アクセス制御制御要素
において前記少なくとも1つの候補ビームリソースを前記物理層に示すことをさらに含
む、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項4】
前記物理層に示された、前記少なくとも1つの
候補ビームリソースが、複数の
候補ビームリソースを含む場合、前記設定することは、
報告される最高の報告量を有するダウンリンク基準信号と、前記SCellの物理ダウンリンク制御チャネル復調基準信号とが疑似同位置であるという仮定の下、前記空間受信機フィルタを設定することを含むこと、
前記物理層に示された、前記少なくとも1つの
候補ビームリソースが、チャネル状態情報基準信号からなる場合、前記設定することは、
報告される最高の報告量を有するチャネル状態情報基準信号に応じて、前記空間受信機フィルタを設定することを含むこと、
前記物理層に示された、前記少なくとも1つの
候補ビームリソースが、少なくとも1つのチャネル状態情報基準信号および少なくとも1つの同期信号ブロックを含む場合、前記設定することは、
報告される最高の報告量を有する同期信号ブロックを想定して、前記空間受信機フィルタを設定することを含むこと、
のうち少なくとも1つを含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記空間受信機フィルタを設定することは、物理ダウンリンク制御チャネルの送信設定標示状態テーブルのエントリを考慮する、請求項
1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザー機器がサービングSCellごとに複数のパネルと、複数の送信機ユニットとともに動作可能であれば、前記設定することは、物理ダウンリンク制御チャネル復調基準信号が、
報告される最高の報告量を有する複数のダウンリンク基準信号と疑似同位置であるという仮定の下、前記空間受信機フィルタを選択することを含む、請求項
1から
5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記
少なくとも1つの候補ビームリソースが、2つ以上の同期信号ブロックおよび少なくとも1つのチャネル状態情報基準信号からなる場合、もしくは前記
少なくとも1つの候補ビームリソースが、少なくとも1つの同期信号ブロックおよび1つのチャネル状態情報基準信号からなる場合、前記設定することは、少なくとも1つの同期信号ブロックおよび少なくとも1つのチャネル状態情報基準信号を選択することを含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記装置に少なくとも、
媒体アクセス制御層でセカンダリセル(SCell)のビーム失敗を検出することと、
失敗が生じた前記SCellについて、候補ビーム測定値を物理層から受信することと、
前記候補ビーム測定値に基づいて、SCellビーム失敗リカバリ媒体アクセス制御制御要素
の中で報告される少なくとも1つの候補ビームリソースを決定することであって、前記候補ビームリソースは、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS)
インデックスおよび/または同期信号ブロック(SSB)インデックスの
セットである、前記決定することと、
前記SCellビーム失敗リカバリ媒体アクセス制御制御要素を生成および送信することと、
前記少なくとも1つの候補ビームリソースに基づいて、空間受信機フィルタを設定することと、
を遂行させるように構成された、装置。
【請求項9】
前記
少なくとも1つの候補ビームリソースを決定することは、前記受信した候補ビーム測定値に対する特定の選択基準に基づく、請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記装置に少なくとも、前記SCellビーム失敗リカバリ媒体アクセス制御制御要素
において前記少なくとも1つの候補ビームリソースを前記物理層に示させるようにさらに構成され
る、請求項
8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記物理層に示された、前記少なくとも1つの
候補ビームリソースが、複数の
候補ビームリソースを含む場合、前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記装置に少なくとも、
報告される最高の報告量を有するダウンリンク基準信号と、前記SCellの物理ダウンリンク制御チャネル復調基準信号とが疑似同位置であるという仮定の下、前記空間受信機フィルタを設定させるように構成され、
前記物理層に示された、前記少なくとも1つの
候補ビームリソースが、チャネル状態情報基準信号からなる場合、前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記装置に少なくとも、
報告される最高の報告量を有するチャネル状態情報基準信号に応じて、前記空間受信機フィルタを設定させるように構成され、
前記物理層に示された、前記少なくとも1つの
候補ビームリソースが、少なくとも1つのチャネル状態情報基準信号および少なくとも1つの同期信号ブロックを含む場合、前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記装置に少なくとも、
報告される最高の報告量を有する同期信号ブロックを想定して、前記空間受信機フィルタを設定させるように構成される
請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記空間受信機フィルタを設定することは、物理ダウンリンク制御チャネルの送信設定標示状態テーブルのエントリを考慮する、請求項
8から11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記装置がサービングSCellごとに複数のパネルと、複数の送信機ユニットとともに動作可能であれば、前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記装置に少なくとも、物理ダウンリンク制御チャネル復調基準信号が、
報告される最高の報告量を有する複数のダウンリンク基準信号と疑似同位置であるという仮定の下、前記空間受信機フィルタを選択させるようにさらに構成される、請求項
8から
12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記
少なくとも1つの候補ビームリソースが、2つ以上の同期信号ブロックおよび少なくとも1つのチャネル状態情報基準信号からなる場合、もしくは前記
少なくとも1つの候補ビームリソースが、少なくとも1つの同期信号ブロックおよび1つのチャネル状態情報基準信号からなる場合、前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記装置に少なくとも、少なくとも1つの同期信号ブロックおよび少なくとも1つのチャネル状態情報基準信号を選択させるようにさらに構成される、請求項
13に記載の装置。
【請求項15】
請求項1から7のいずれかに記載の方法を遂行する手段を備える装置。
【請求項16】
装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項1から7のいずれかに記載の方法を少なくとも遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【請求項17】
ネットワークノードによって、ユーザー機器
である請求項8から15のいずれかに記載の装置から、セカンダリセル(SCell)のビーム失敗の標示、または失敗が生じたSCellの新候補リソースを示す媒体アクセス制御制御要素を受信することと、
送信設定標示状態設定を含む、前記SCell上のビーム失敗リカバリに対する応答を受信するための、ユーザー機器空間受信機フィルタ仮定を
、前記受信した前記標示または前記制御要素に基づいて決定する
ことと、
を含む方法。
【請求項18】
新送信設定標示状態設定を送信するため、プライマリセルまたはSCellを選択することをさらに含む、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記装置に少なくとも、
ユーザー機器
である請求項8から15のいずれかに記載の装置から、セカンダリセル(SCell)のビーム失敗の標示、または失敗が生じたSCellの新候補リソースを示す媒体アクセス制御制御要素を受信することと、
送信設定標示状態設定を含む、前記SCell上のビーム失敗リカバリに対する応答を受信するための、ユーザー機器空間受信機フィルタ仮定を
、前記受信した前記標示または前記制御要素に基づいて決定する
ことと、
を遂行させるように構成される、装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、新送信設定標示状態設定を送信するため、プライマリセルまたはSCellを選択させるように構成された、請求項
19に記載の装置。
【請求項21】
請求項
17または
18に記載の方法を遂行する手段を備える装置。
【請求項22】
装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項
17または
18に記載の方法を少なくとも遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2018年4月5日に出願された米国仮特許出願62/653,001号に基づく優先権主張を伴う。この先の出願の全体的な内容は、本明細書に参照により援用される。
【技術分野】
【0002】
一部の例示的実施形態は概して、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)、または5G(第5世代)無線アクセステクノロジすなわち新無線(New Radio:NR)アクセステクノロジ等の移動、無線通信システムに関する。例えば、特定の実施形態は当該通信システムにおけるビーム失敗リカバリ(beam failure recovery)に関し得る。
【背景】
【0003】
移動、無線通信システムの例としては、UTRAN(Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)Terrestrial Radio Access Network)、LTE E-UTRAN(Evolved UTRAN)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-A Pro、および/または5G無線アクセステクノロジすなわちNRアクセステクノロジが挙げられ得る。5GすなわちNR無線システムは、新世代(New Generation:NG)の無線システムおよびネットワークアーキテクチャを指す。NRは、毎秒約10から20ギガビット以上のビットレートを実現し、少なくとも高速大容量モバイルブロードバンド(enhanced Mobile Broadband:eMBB)および高信頼低レイテンシ通信(Ultra Reliable Low Latency Communication:URLLC)に対応するものとみられる。NRは、IoT対応のため、超広帯域、極めて高いロバスト性、低レイテンシ接続性、および大規模ネットワークを実現するものと期待される。IoTやマシンツーマシン(M2M)通信の普及に伴い、低電力、低データレート、および長電池寿命のような要求に応えるネットワークの必要性も高まるであろう。なお、5GすなわちNRでは、(E-UTRANのノードB、またはLTEのeNBと同様)ユーザー機器に無線アクセス機能を提供可能なノードは、次世代または5GノードB(gNB)と称され得る。
【摘要】
【0004】
一実施形態は、UEによって、MAC層でSCellのビーム失敗(beam failure)を検出および/または通知することを含んでもよい方法に関する。ある実施形態では、前記方法は、失敗が生じた前記SCellについて、候補ビーム測定値を物理層(L1)から要求および/または受信することをさらに含んでもよい。一実施形態によると、前記方法は、ネットワーク構成(すなわち、N個の最高の)に応じて、SCell BFR MAC制御要素において報告するCSI-RSおよび/またはSSBインデックスのセットを決定および/または選択することをさらに含んでもよい。前記方法は、SCell BFR MAC制御要素を生成および/または送信することと、前記MAC制御要素がいつ適切に送信されたかを決定することを含んでもよい。
【0005】
特定の実施形態では、前記方法は、前記UEにより、前記SCell BFR MAC制御要素において報告する少なくとも1つのリソースを前記物理層に示すことをさらに含んでもよく、前記示すことは、示された候補ビームに応じた特定の選択基準に基づく。一実施形態では、前記UEがN個の候補(SSB/CSI-RS)を示した場合、前記示すことは、報告される最高の報告量を有する、示されたDL RS(例えば、RSRP、RSRQ等)と、SCellのPDCCH DMRSとが疑似同位置であるという仮定の下、空間Rxフィルタを設定することを含んでもよい。別の実施形態では、前記UEが新候補としてCSI-RSリソースのみを示した場合、前記示すことは、報告される最高のCSI-RSに応じて前記空間Rxフィルタを設定することを含んでもよい。さらに別の実施形態では、前記UEが新候補としてCSI-RSおよびSSBの両方を示した場合、前記示すことは、リンクのロバスト性により、報告される最高のSSBを想定して、前記空間Rxフィルタを設定することを含んでもよい。
【0006】
一つの例示的実施形態によると、前記空間Rxフィルタを設定することは、前記PDCCH TCI状態テーブルのエントリを考慮してもよい。例えば、UEが新候補としてCSI-RSのみを示し、少なくとも1つのCSI-RSリソースが現在TCI状態と設定されているが有効ではない場合、設定することは、報告される最高の非有効TCI状態に応じて空間Rxフィルタを設定することを含んでもよい。別の例示的実施形態では、UEがSSBリソースのみを新候補として示した場合、設定することは、報告される最高のSSBに応じて空間Rxフィルタを設定することを含んでよい。さらに別の例示的実施形態では、UEがSSBのみを新候補として示し、少なくとも1つのCSI-RSリソースが現在TCI状態と設定されているが有効でない場合、設定することは、報告される最高の非有効TCI状態に応じて空間Rxフィルタを設定することを含んでもよい。別の実施形態では、各TCIテーブルに初期設定のTCI状態が定義され、示された候補のうちの1つが前記初期設定のTCI状態である場合、前記UEはそれに基づいて空間Rxフィルタを想定する。
【0007】
別の例示的実施形態では、前記UEが、サービングセル/SCellごとに複数のパネルと、複数のTXRUとともに動作可能であれば、前記設定することは、例えば、報告量に基づき、M個の最高のDL RSに応じて、PDCCH DMRSがQCLであるという仮定の下、前記空間Rxフィルタを選択することを含んでもよい。別の実施形態では、2つ以上のSSブロックおよび2つ以上のCSI-RSが示された、または2つ以上のSSブロックおよび少なくとも1つのCSI-RS、もしくは少なくとも1つのSSブロックおよび1つのCSI-RSが示された場合、M≧2であれば、前記選択することは、少なくとも1つのSSブロックおよび少なくとも1つのCSI-RSを選択することを含んでもよい。
【0008】
別の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備える装置に関する。前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、MAC層でSCellビーム失敗を検出および/または通知させるように構成されてもよい。ある実施形態では、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、失敗が生じた前記SCellについて、候補ビーム測定値を物理層(L1)から要求および/または受信させるように構成されてもよい。一実施形態によると、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、ネットワーク構成(すなわち、N個の最高の)に応じて、SCell BFR MAC制御要素において報告するCSI-RSおよび/またはSSBインデックスのセットを決定および/または選択させるように構成されてもよい。前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、SCell BFR MAC制御要素を生成および/または送信させ、前記MAC制御要素がいつ適切に送信されたかを決定させるように構成されてもよい。特定の実施形態では、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、前記SCell BFR MAC制御要素において報告する少なくとも1つの報告されたリソースを前記物理層に示させるように構成されてもよく、前記示すことは、示された候補ビームに応じた特定の選択基準に基づく。
【0009】
別の実施形態は、装置に関し、当該装置は、MAC層でSCellビーム失敗を検出および/または通知する手段を備えてもよい。ある実施形態では、前記装置は、失敗が生じた前記SCellについて、候補ビーム測定値を物理層(L1)から要求および/または受信する手段をさらに備えてもよい。一実施形態によると、前記装置は、ネットワーク構成(すなわち、N個の最高の)に応じて、SCell BFR MAC制御要素において報告するCSI-RSおよび/またはSSBインデックスのセットを決定および/または選択する手段をさらに備えてもよい。前記装置はさらに、SCell BFR MAC制御要素を生成および/または送信する手段と、MAC制御要素がいつ適切に送信されたかを決定する手段を備えてもよい。特定の実施形態では、前記装置はさらに、示された候補に応じた特定の選択基準に基づいて、SCell BFR MAC制御要素において報告する少なくとも1つのリソースを前記物理層に示す手段を備える。
【0010】
別の実施形態は、方法に関し、当該方法は、ネットワークノードによって、SCellビーム失敗の標示、または失敗が生じたSCellの新候補リソースを示すMAC制御要素を受信することを含んでもよい。前記方法は、SCell BFR MAC制御要素を受信すると、SCell(TCI状態設定)上のBFRに対する応答を受信するため、UE空間受信機フィルタ仮定を決定するために、リソース選択に対してUEと同じ選択論理を適用することを含んでもよい。前記方法はその後、新TCI状態設定/有効化を送信するために、PCellまたはSCellを選択することを含んでもよい。
【0011】
別の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備える装置に関する。前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、SCellビーム失敗の標示、または失敗が生じたSCellの新候補リソースを示すMAC制御要素を受信させるように構成されてもよい。SCell BFR MAC制御要素を受信すると、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、SCell(TCI状態設定)上のBFRに対する応答を受信するため、UE空間受信機フィルタ仮定を決定するために、リソース選択に対してUEと同じ選択論理を適用させるように構成されてもよい。前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に少なくとも、新TCI状態設定/有効化を送信するために、PCellまたはSCellを選択させるように構成されてもよい。
【0012】
別の実施形態は、装置に関し、当該装置は、SCellビーム失敗の標示、または失敗が生じたSCellの新候補リソースを示すMAC制御要素を受信する手段を備えてもよい。前記装置は、SCell BFR MAC制御要素を受信すると、SCell(TCI状態設定)上のBFRに対する応答を受信するため、UE空間受信機フィルタ仮定を決定するために、リソース選択に対してUEと同じ選択論理を適用する手段を備えてもよい。前記装置はさらに、新TCI状態設定/有効化を送信するために、PCellまたはSCellを選択する手段を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
例示的実施形態を正しく理解するために、以下の添付図面を参照して説明する。
【
図1】一例に係るキャリア間の基準信号の空間的および非空間的QCL仮定のシナリオを示す例示的図である。
【
図2a】ある実施形態に係る方法の例示的フローチャートを示す。
【
図2b】別の実施形態に係る方法の例示的フローチャートを示す。
【
図2c】別の実施形態に係る方法の例示的フローチャートを示す。
【
図3】
図3aは、ある実施形態に係る装置の例示的ブロック図を示す。
図3bは、別の実施形態に係る装置の例示的ブロック図を示す。
【詳細説明】
【0014】
本明細書に概して記載され図面に示される特定の例示的実施形態の要素は、各種異なる設定で配置され、設計されてもよい。したがって、ビーム失敗リカバリのためのシステム、方法、装置、およびコンピュータプログラム製品の一部の例示的実施形態の下記の詳細な説明は、特定の実施形態の範囲を限定するものではなく、選択された例示的実施形態を示すことを意図される。
【0015】
本明細書の全体にわたって記載された例示的実施形態の特性、構成、または特徴は、1つ以上の実施形態において任意の形で組み合わされてもよい。例えば、本明細書の全体にわたって記載された「特定の実施形態」、「一部の実施形態」、または同様の表現は、ある実施形態に関連して記載された特定の特性、構成、または特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれていてもよいことを示している。したがって、本明細書の全体にわたって記載された「特定の実施形態」、「一部の実施形態」、「別の実施形態」、または同様の表現により、必ずしも同じ群の実施形態を示しているわけではなく、記載された特性、構成、または特徴は、1つ以上の実施形態において任意の好適な形で組み合わされてもよい。
【0016】
さらに必要に応じて、以下で説明する様々な機能や工程が異なる順序で、および/または同時に実行されてもよい。さらに必要に応じて、記載した機能の1つまたは複数が任意選択できたり、統合されたりしてもよい。したがって、以下の説明は、特定の例示的実施形態の原理や教示の説明に過ぎないと考えるべきであり、これらを限定するものであると考えてはならない。
【0017】
現在、3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、リンク接続回復用のビーム失敗リカバリ(Beam Failure Recovery:BFR)処理の規格化が行われている。ビームリカバリの目的は、(物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)等の)1または複数のサービング制御チャネルリンクが、失敗状態になったと考えられると、当該リンクのリカバリが必要であることを検知することである。リンクの回復のため、UEはリンク失敗と、新しく使用され得るリンク(候補リンク)を示すように、ネットワークにシグナリングを開始し得る。候補リンクの要求に対して、ネットワークはUEに新たなPDCCH リンクを設定し得る。なお、ビームリカバリはリンク再設定とも称され得、3GPPの技術仕様書TS 38.213、38.321および38.331に規定されている。
【0018】
ネットワークは、リンクの品質を監視するため、基準信号(RS)セットでUEを設定可能である。このセットは、q0またはビーム失敗検出RS(BFD-RS)とも称され得る。典型的には、BFD-RSは、これらの信号が空間的にPDCCH復調基準信号(Demodulation Reference Signal:DMRS)と疑似的にコロケートされるように、設定され得る。すなわち、これら基準信号は、PDCCHの送信に使用されるダウンリンクビームに対応する。ダウンリンクビームは、基準信号により識別され得る。基準信号は、例えば、同期信号(Synchronization Signal:SS)/物理ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast Channel:PBCH)ブロックインデックス、またはチャネル状態情報基準信号(Channel State Information Reference Signal:CSI-RS)リソースインデックスのいずれかである。ネットワークは、無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)シグナリングにより、BFD-RSリストを設定してもよい。さらに、RRCおよび媒体アクセス制御(MAC)制御要素(Control Element:CE)シグナリングの組合せを利用する方法も定義され得る。すなわち、まずRRCにより設定を行い、その後、MAC制御要素により特定のリソースまたはリソースセットを示すのである。
【0019】
UEがBFD-RSリストで明確に設定されない場合、UEは、制御リソースセット(CORESET)ごとに設定された/示された/有効化されたPDCCH送信設定標示(Transmission Configuration Indication:TCI)状態(PDCCH DMRSと空間的にQCLであるダウンリンク基準信号(CSI-RS、SS/PBCHブロック)、言い換えるとPDCCHビーム)に暗に基づいて、BFD-RSリソースを判定し得る。
【0020】
物理層は、無線リンクの品質を周期的に評価し得る(例えば、q0のセットのBFD-RSに基づく)。評価はBFD-RSごとに行われ得る。また、ビーム失敗検出セットの各BFD-RSの無線リンク状態が失敗状態と考えられると、すなわち、RSを使用して推定された仮PDCCHブロック誤り率(Block Error Ratio:BLER)が、設定閾値を超える場合、ビーム失敗インスタンス(BFI)標示が、上位層(例えば、MAC層)に提供され得る。BLER値の一例として、無線リンク監視に使用される非同期(Out-Of-Sync:OOS)閾値が挙げられ得る(OOS/Qout=10%)。評価および標示提供は周期的に実行され得る。少なくとも1つのBFD-RSが失敗状態でない場合、上位層に標示が提供されない。すなわち、この手法の場合、全てのリンクが失敗とならない限り、ビーム失敗とはされない。
【0021】
MAC層は、当該層からのBFI標示を数えるためのカウンタを実現できる。BFIカウンタが最大値(ネットワークにより設定)に達すると、ビーム失敗とされる。カウンタはタイマにより監視されるように構成可能である。例えば、MACがBFI標示を下位層から受信するたび、タイマが起動される。タイマ切れとなると、BFI カウンタはリセットされる(すなわち、カウンタ値が0にリセットされる)。あるいは、タイマはビーム失敗リカバリ手順を監視するように構成されてもよい。タイマはビーム失敗検出により起動され、タイマが切れると、UEはビーム失敗リカバリ失敗とする。タイマ計測中、UEはリンクリカバリを試み得る。
【0022】
ビーム失敗とされ、層1(L1)測定(例えば、L1-RSRP)に基づいて1または複数の新候補ビームがUEにより検出されると、候補ビームL1基準信号受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)測定値がMAC層に提供され得る。MAC層は、新候補(複数可)の選択を行い、ネットワークにこれらの新候補を示すためのアップリンクリソースを決定し得る。ネットワークは、候補ビーム固有の専用シグナリングリソース(例えば、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)リソース)でUEを設定してもよい。UEは、プレアンブル送信により新候補を示すことが可能である。
【0023】
UEがビーム失敗とし、新候補ビームが存在する場合、ネットワークは専用信号を使用して示され得る、リカバリ用の候補RSリストをUEに提供し得る。専用信号(例えば、PRACHプレアンブル信号リソースセットからの)は、非競合ランダムアクセス(Contention Free Random Access:CFRA)リソースとも称され得る。しかし、候補-ビーム-RSリスト内の補RSが示された際のgNB応答に関して、ビームリカバリ手順はCFRA手順と若干異なり得る。特定の閾値を設定して、新候補のいずれか(L1-RSRP測定値に基づく)が、専用信号(q1セットのリソースセットとも称され得る)を使用して示すことができる閾値を超える場合、UEが当該セット内の候補を選択し得る。あるいは、UEは競合式シグナリングを利用して、新候補を示してもよい(競合式ランダムアクセス(Contention Based Random Access:CBRA)プレアンブルリソースが、SS/PBCHブロックおよび/またはCSI-RS等の特定のダウンリンクRSにマッピングされる)。
【0024】
UEは、ビームリカバリ応答期間中(例えば、ランダムアクセス応答期間と同様であり得る)にBFRR(またはビーム失敗リカバリ要求(Beam Failure Recovery Request:BFRQ))へのネットワーク応答を監視してもよい。この際、ネットワーク応答(gNB応答)と同じビームアライメント(リカバリ信号(TX)を送信するのに使用されるのと同じビーム方向を使用して、(RX)を受信)を使用する。ここで、UEはネットワークが、示されたダウンリンク基準信号と空間的にQCLであるビームを使用して応答を提供することを想定する。この対応関係が成立しない状況はまだ定義されていない。ビームリカバリのために使用される非競合シグナリングの場合、ビーム失敗リカバリのためのCFRA手順が使用される際に、UEはネットワークが、ランダムアクセス無線ネットワーク一時アイデンティティ(Random Access Radio Network Temporary Identity:RA-RNTI)の代わりにセル無線ネットワーク一時アイデンティティ(Cell Radio Network Temporary Identity:C-RNTI)を使用してUEに応答することを想定する。リカバリにCBRAリソースを使用する場合、UEはRA手順の通常の応答を想定する。
【0025】
現在、BFRまたはリンク再設定手順がサービングセルに適用可能であるが、プライマリセル(PCell)とセカンダリセル(SCell)とで手順に違いはない(キャリアアグリゲーションの場合)。一例として、BFRはSCellが対応するULキャリアを持つ場合にも適用可能である。一例として、CBRACH(CFRAも設定可能)設定でSCellに対応するULキャリアが存在する場合、現行のBFR/リンク再設定手順が直接適用される。
【0026】
図1は、要素キャリア間の、基準信号(CSI-RS、SS/PBCHブロック)の、空間的および非空間的QCL仮定の状況を示す、例示的図である。
図1は、SCellをDLのみで示すが、アップリンク(すなわち、物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH))も、SCellにマッピングされ得る。したがって、
図1は、あくまで要素キャリアの可能な例示的設定を示したものであり、別の実施形態では別の例も考えられる。さらに、デュアルコネクティビティの場合、PCellはPSCellとも称され得る。PCellおよびSCell(1または複数)BFD-RSリソース(CSI-RS、SS/PBCHブロック)に関して、キャリア間空間的QCLが有効であれば(1A)、PCellでビーム失敗が検出可能である。これは、リンク品質を評価するために使用される基準信号の空間的QCL仮定により、全SCell(複数可)がビーム失敗状態にあることを暗示する。キャリア間でBFD-RSについての空間的QCL仮定が成立しない場合(1B)、UEは、ビーム失敗を検出して、各サービングセルについて個別にリカバリを実行可能である必要がある。
【0027】
一例として、例えば、PCellが周波数帯1(FR1)(すなわち、6GHz未満)内にあり、SCellが周波数帯2(FR2)(すなわち、6GHz超)のみでダウンリンク(DL)に設定される、シナリオ1Bが生じ得る。あるいは、PCellおよびSCellが同一のFR上で動作するが、(セル固有の)PDCCH TCI設定により、BFD-RS検出リソースが異なり得るシナリオ1Bが生じ得る。すなわち、PCell失敗およびSCell失敗間の対応関係がなくてもよい。さらに、SCellに対するアップリンクキャリアが存在しない場合、ビーム失敗からの現行のリカバリ方法は直接適用されない可能性があり、また、望ましくすらない可能性もある。
【0028】
したがって、一部の例示的実施形態は、
図1に示すシナリオ1Bに関し得る。ここで、PCellが非失敗状態で、すなわち利用可能なアップリンクがある一方、SCellビーム失敗が検出されている。このシナリオでは、SCellにアップリンクはなく、アップリンク制御シグナリングはPCell上で送信される。PCellのアップリンクは、SCell上でビーム失敗と新候補ビームが検出された場合に利用可能になるため、UEはPCell上でビーム失敗リカバリシグナリングを実行する。
【0029】
PCellの場合と同様に、ビーム失敗時にSCellをリカバリできる方法として、SCellの候補ビーム固有アップリンク信号(Candidate Beam Specific Uplink Signal:CFRA)をPCell上で設定し、PCell上でSCell候補ビームを示すことが考えられ得る。
【0030】
SCellをリカバリする別の方法として、MACによる手法が利用され得る。この場合、1または複数のSCell候補ビームは、PCell上で送信される固有MAC制御要素により示され得る。このMAC層による手法の場合、UEは複数の候補を示し得る。MAC制御要素は、ビームインデックスまたはSS/PBCHブロックインデックスおよびCSI-RSリソースインデックスを含み得、任意でRSRP、RSRQ、SINR、仮定的PDCCH BLER等の品質を報告する測定値も含んでもよい。現在、NRは、L1-RSRP測定に基づく候補選択と、PHY(物理層)からMACへのL1-RSRP測定値の提供に対応する。
【0031】
具体的には、SCellビーム失敗が生じ、新候補ビームが存在し、UEがPCell(またはより広義では、アップリンクが利用できるサービングセル、すなわち対応するULキャリアがあるSCell)を使用して、1または複数の新候補ビームを示した場合に、UERXビームアライメント、言い換えるとSCell PDCCH受信に対するQCL仮定に問題が生じ得る。
【0032】
一例示的手法として、全ネットワーク側リカバリシグナリングを、PCellを使用して取り扱ってもよい。この際、UEは、SCellダウンリンク上で何も受信しないか(すなわち、UEは固有RXビームアライメントを仮定しない)、新たなものが有効になるまで、失敗が生じたPDCCHに対応する古いRXアライメントを単に維持する。しかし、このような動作は、UE側でのアンテナパネル起動遅延の可能性や、RRCによるTCIテーブル設定およびMAC制御要素による有効化を考慮すると、レイテンシの観点から望ましくない可能性がある。UEでは一度に少なくとも1つのパネルを常に起動状態とすることを原則として、省電力のため、UEはパネルをオフにしてもよい。gNBがUEに送信ビームを設定し、測定段階で送信ビーム送信の測定にパネルが必要となった際に、UEは、測定のためパネルをオンにしてもよい。現在、3GPPでは、アンテナパネルのサブセットが起動状態でUEが動作し得ることが検討中であり、1つのパネルの切り替え/起動には数ミリ秒かかり得る。
【0033】
上述のように、現在ビーム失敗リカバリはサービングセルごとに定義されている。しかし、SCellビーム失敗とされているが、SCellの失敗を示すアップリンクがなく、PCellアップリンク(すなわち、SCell PUCCH)でアップリンク制御シグナリングが送信され得る状況が考慮されていない。
【0034】
一部の例示的実施形態は、SCellビーム失敗とされ(しかし、PCellまたは失敗が生じたSCellに関連付けられたアップリンクが動作するSCellは失敗状態ではない)、SCell上に1または複数の新候補ビームが存在し、UEがアップリンクプレアンブルシグナリングまたはMAC制御要素を使用してネットワークにビーム(複数可)を示した場合を想定する。MAC制御要素により、UEは例えば、ネットワーク構成に応じてN個の最上の候補を報告し得る。
【0035】
したがって、一例示的実施形態は、SCellビーム失敗が生じた場合に、UEがPDCCH受信に対する空間的QCL仮定を判定する方法を提供する。本明細書に記載の一部の例では、一度に1つの有効パネルおよびサービングセルごとのTXRU(すなわち、M=1)でUEが動作すると仮定され得る。
【0036】
特定の実施形態では、ネットワークに2つ以上の候補ビームRS(CSI-RSリソースインデックスおよび/またはSSBリソース/時間位置インデックス)が示された場合、固有候補DL RSのPDCCH DMRSに対する空間的QCL仮定によるSCell上のUE空間Rxフィルタ(RXビームアライメント)設定のための論理に以下の選択肢が提供される。第1の選択肢として、N個の候補(SSB/CSI-RS)をUEが示した場合、UEは、報告される最高の報告量(RSRP、RSRQ等)を有する、示されたDL RSと、SCellのPDCCH DMRSとがQCLであるという仮定の下、空間Rxフィルタを設定してもよい。別の選択肢として、UEが新候補としてCSI-RSリソースのみを示した場合、UEは報告される最高のCSI-RSに応じて空間Rxフィルタを設定してもよい。さらに別の選択肢として、UEが新候補としてCSI-RSおよびSSBの両方を示した場合、リンクのロバスト性により、報告される最高のSSBを仮定して、空間Rxフィルタを設定してもよい。その後、ネットワークはSSBリンクを使用して、PDCCH受信のための有効TCI状態として、例えば示された候補CSI-RSまたは代わりのSSブロックの1つを有効化してもよい。ネットワークはさらに、PDSCH受信に対する新TCI状態を設定してもよい。
【0037】
一例示的実施形態において、UEによる空間Rxフィルタ設定は、PDCCH TCI状態テーブルのエントリを考慮してもよい。例えば、UEが新候補としてCSI-RSのみを示し、少なくとも1つのCSI-RSリソースが現在TCI状態と設定されているが有効ではない場合、UEは、報告される最高の非有効TCI状態に応じて空間Rxフィルタを設定してもよい。別の例では、UEがSSBリソースのみを新候補として示した場合、UEは、報告される最高のSSBに応じて空間Rxフィルタを設定してもよい。さらに別の例では、UEがSSBのみを新候補として示し、少なくとも1つのCSI-RSリソースが現在TCI状態と設定されているが有効でない場合、UEは、報告される最高の非有効TCI状態に応じて空間Rxフィルタを設定してもよい。
【0038】
特定の例示的実施形態によると、ネットワークは、互いに合意(設定または指定のいずれかによる)の下、UE RXアライメントを把握しているため、新PDCCH TCI状態有効化MAC制御要素を送信するため、SCellまたはPCellを使用する選択肢がある。この合意により、ネットワークが仮定された候補を新TCI状態として示した場合に、パネル有効化遅延が避けられる。さらに、SCellシグナリングを使用して、MAC制御要素を送信することも可能である。これにより、リンクが使用可能であることが確認され、MAC制御要素がPCellを使用して認識され得る。
【0039】
一実施形態において、ネットワークが、UEは現在アライメントされていないというPDCCH TCI状態を有効化すると判断した場合、すなわち、仮定アライメントが、ネットワークが示す新TCI状態に対応しない場合、ネットワークは、PCellダウンリンクを使用して、UEに新TCI状態をシグナリングしてもよい。この場合、新TCI状態有効化は、パネル有効化遅延の可能性を考慮してもよい。
【0040】
一例示的実施形態によると、SCell CORESETに対して、示された候補ビームは、示されたDL RSの1つが新TCI状態として有効化され、ネットワークによって再設定が行われるまで、新PDCCH TCIテーブルおよび/またはPDSCH TCIテーブルとして暗示的に仮定されてもよい。例えば、PDCCH/PDSCH TCIテーブルは、PUSCH上のMAC制御要素/UCIにおいて、示されたDL RSが列挙された順序で投入されるものであってもよい。これは、例えばSCell CORESETに対するTCIテーブルのエントリが、SCell上でのビーム失敗検出によりフラッシュされた場合に有効となる。別の例では、TCIテーブルのエントリがビーム失敗により除去されない場合、示された候補が現在のTCIテーブルへの新エントリとして追加されてもよい(リストに含まれた既に同一のRSインデックスは除く)。
【0041】
追加の例示的実施形態では、UEが、サービングセル/SCellごとに複数のパネルと、複数のTXRU(M個のTXRUで有効となったM個のパネル)とともに動作可能であれば、UEは例えば、M≦Nである場合に、報告量に基づき、M個の最高のDL RSに応じて、PDCCH DMRSがQCLであるという仮定の下、空間Rxフィルタを選択してもよい。あるいは、2つ以上のSSブロックおよび2つ以上のCSI-RSが示された、または2つ以上のSSブロックおよび少なくとも1つのCSI-RS、もしくは少なくとも1つのSSブロックおよび1つのCSI-RSが示された場合、M≧2であれば、UEは少なくとも1つのSSブロックおよび少なくとも1つのCSI-RSを選択してもよい。
【0042】
図2aは、実施形態に係る、SCell BFR時の受信機空間フィルタ設定方法のフローチャートの例を示す。特定の実施形態では、
図2aの方法は、UE、移動局、携帯機器、またはIoTデバイス等により実行されてもよい。一部の実施形態では、
図2aの例示的方法は、SCell候補に対するリソース選択は、MAC層上(MAC制御要素内に含まれる)であるものと仮定し得る。
図2aの例に示すように、この方法は200において、MAC層でSCellビーム失敗を検出および/または通知することを含んでもよい。ある実施形態において、この方法はさらに205において、失敗が生じたSCellについて、候補ビーム測定値を物理層(L1)から要求および/または受信することを含んでもよい。一実施形態によると、この方法はさらに210において、ネットワーク構成(すなわち、N個の最高の)に応じて、SCell BFR MAC制御要素に
おいて報告されるCSI-RSおよび/またはSSBインデックスのセットを決定および/または選択することを含んでもよい。この方法はさらにその後、215において、SCell BFR MAC制御要素を生成および送信することと、220において、MAC制御要素がいつ適切に送信されたかを決定することとを含んでもよい。
【0043】
特定の実施形態では、この方法はさらに225において、詳細に上述した選択論理基準に基づいて、SCell BFR MAC制御要素において報告する少なくとも1つの報告されたリソースを物理層に示すことを含んでもよい。例えば、UEがN個の候補(SSB/CSI-RS)を示した場合、225における示すことは、報告される最高の報告量(RSRP、RSRQ等)を有する、示されたDL RSと、SCellのPDCCH DMRSとがQCLであるという仮定の下、空間Rxフィルタを設定することを含んでもよい。別の選択肢として、UEが新候補としてCSI-RSリソースのみを示した場合、225の示すことは、報告される最高のCSI-RSに応じて空間Rxフィルタを設定することを含んでもよい。さらに別の選択肢として、UEが新候補としてCSI-RSおよびSSBの両方を示した場合、225の示すことは、リンクのロバスト性により、報告される最高のSSBを想定して、空間Rxフィルタを設定することを含んでもよい。その後、ネットワークはSSBリンクを使用して、示されたCSI-RSを、有効TCI状態として有効化してもよい。
【0044】
一例によると、空間Rxフィルタを設定することは、PDCCH TCI状態テーブルのエントリを考慮してもよい。例えば、UEが新候補としてCSI-RSのみを示し、少なくとも1つのCSI-RSリソースが現在TCI状態と設定されているが有効ではない場合、設定することは、報告される最高の非有効TCI状態に応じて空間Rxフィルタを設定することを含んでもよい。別の例では、UEがSSBリソースのみを新候補として示した場合、設定することは、報告される最高のSSBに応じて空間Rxフィルタを設定することを含んでよい。さらに別の例では、UEがSSBのみを新候補として示し、少なくとも1つのCSI-RSリソースが現在TCI状態と設定されているが有効でない場合、設定することは、報告される最高の非有効TCI状態に応じて空間Rxフィルタを設定することを含んでもよい。
【0045】
別の例示的実施形態では、UEが、サービングセル/SCellごとに複数のパネルと、複数のTXRU(M個のTXRUで有効となったM個のパネル)とともに動作可能であれば、設定することは、例えば、報告量に基づき、M個の最高のDL RSに応じて、PDCCH DMRSがQCLであるという仮定の下、空間Rxフィルタを選択することを含んでもよい。あるいは、2つ以上のSSブロックおよび2つ以上のCSI-RSが示された、または2つ以上のSSブロックおよび少なくとも1つのCSI-RS、もしくは少なくとも1つのSSブロックおよび1つのCSI-RSが示された場合、M≧2であれば、選択することは、少なくとも1つのSSブロックおよび少なくとも1つのCSI-RSを選択することを含んでもよい。
【0046】
図2bは、一実施形態に係る、リンク再設定の方法の例示的フローチャートを示す。特定の実施形態では、
図2bの方法は、UE、移動局、携帯機器、またはIoTデバイス等により実行されてもよい。
図2bの例に示すように、方法は
230において、UEが、上位層からの要求に応じて、リクエストされた各サービングセルに
ついて、セットq
new_serving_cell
から選択される(周期的)CSI-RS設定インデックスおよび/またはSS/PBCHブロックインデックスと、対応するL1-RSRP測定値とを上位層に複数提供することを含んでもよい。UEは、これらの情報を、(a)Q
in,LR_Scell
(すなわち、RSRP閾値)以上のリソースについて提供するか、(b)CSI-RSインデックスおよび/またはSS/PBCHブロックインデックスとL1-RSRPの測定値の全てを提供するか、若しくは値の高いN個を提供するか、(c)Q
in
(すなわち、同期状態についての仮定PDCCH BLER閾値(例えば2%))以下のリソースについて提供するか、のいずれかである。
【0047】
UEが上位層により、提供されたqnew_serving_cellのセットからの1つ以上の選択された周期的CSI-RSリソースまたはSS/PBCHブロックインデックスを示された場合、235において、上位層からリソース標示を受信した後の次のスロットから始まる、CRCが(SCell)C-RNTIでスクランブルされたDCI(フォーマット0)の受信用に、サービングセル(SCell)PDCCHを監視する。ここで、UE固有サーチスペースにおいてPDCCH受信に関連付けられたDM-RSアンテナポートが、(上位層により)選択された周期的CSI-RSリソースまたはSS/PBCHブロックインデックスと疑似同位置であると仮定される。これは、利用可能であれば遅延スプレッド、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、平均遅延、および/または空間Rxパラメータについて行われる。そうでなければ、上位層に示される前に、235において、ビーム失敗前に、疑似同位置と仮定されたPDCCHを監視する。一実施形態において、この方法はその後、240において、UEがTCI状態の有効化またはTCI-StatesPDCCHパラメータを上位層により受信するまで、サービングセル(SCell)上のPDCCHを監視するため、アンテナポート疑似同位置パラメータを有効であると仮定することを含んでもよい。PDSCH受信のため、この方法は、UEがTCI状態の有効化またはTCI-StatesPDCCHパラメータを上位層により受信するまで、PDCCH監視のための同一アンテナポート疑似同位置パラメータをUEが想定することを含んでもよい。
【0048】
図2cは、一実施形態に係る、SCell BFR中の空間フィルタ設定方法の例示的フローチャートを示す。特定の実施形態では、
図2cのフローチャートは、基地局、ノードB、eNB、gNB、またはその他任意のアクセスノード等のネットワークノードにより実行され得る。
図2cの例に示すように、この方法は、250において、SCell(またはサービングセル)ビーム失敗の標示、または失敗が生じたSCellの新候補リソースを示すMAC制御要素を受信することを含んでもよい。この方法は、SCell BFR MAC制御要素を受信すると、255において、SCell(TCI状態設定)上のBFRに対するgNB応答を受信するため、UE空間Rxフィルタ仮定を決定するために、リソース選択に対してUEと同じ選択論理を適用することを含んでもよい。この方法は、その後260において、新TCI状態設定/有効化を送信するために、PCellまたはSCellを選択することを含んでもよい。
【0049】
図3aは、ある実施形態に係る装置10の一例を描いた図である。ある実施形態では、装置10は、通信ネットワーク内のノード、ホスト、あるいはサーバであってもよく、このようなネットワークに対応するものであってもよい。例えば、装置10は、GSM(登録商標)ネットワーク、LTEネットワーク、5G、NR等の無線アクセスネットワークに関連する基地局、ノードB、進化型ノードB(evolved node B:eNB)、5GノードB(5G node B)またはアクセスポイント、次世代型ノードB(NG-NB、gNB)、WLANアクセスポイント、移動性管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)、サブスクリプションサーバであってもよい。
【0050】
なお、一部の例示的実施形態では、装置10は、分散型コンピューティングシステムとして、エッジクラウドサーバによって構成されてもよい。ここで、サーバと無線ノードとは、互いに無線路または有線接続を介して互いに通信するスタンドアロン装置として構成されるか、同一エンティティ内に配置され、有線接続を介して通信してもよい。例えば、装置10がgNBとなる特定の例示的実施形態では、gNB機能を分割するように、中央ユニット(CU)と、分散ユニット(DU)アーキテクチャとして構成されてもよい。当該アーキテクチャの場合、CUは、ユーザーデータ転送、移動性制御、無線アクセスネットワーク共有、位置特定、および/またはセッション管理等のgNB機能を有する論理ノードであってもよい。CUはフロントホールインターフェースを介して、DU(複数可)の動作を制御してもよい。DUは、機能分割選択肢に応じた、gNB機能のサブセットを含む論理ノードであってもよい。なお、当業者であれば、装置10が
図3aに示されていない構成要素や特徴を含んでもよいことが理解されよう。
【0051】
図3aに示されているように、装置10は、情報を処理し、命令または操作を実行するためのプロセッサ12を備えてもよい。プロセッサ12は、汎用性のあるプロセッサ、特定用途向けのプロセッサ等いかなる種類のものでもよい。さらにいえば、プロセッサ12は、例えば、1または複数の多目的用コンピュータ、特殊用途向けのコンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マルチコアプロセッサのアーキテクチャを基礎とするプロセッサ等の場合がある。
図3aには単一のプロセッサ12が図示されているが、別の実施形態によると、マルチプロセッサを使用することもできる。例えば、特定の実施形態では、装置10が2つ以上のプロセッサを備えてもよく、これらがマルチプロセッシングをサポートし得るマルチプロセッサシステムを形成してもよい(例えば、このケースでは、プロセッサ12がマルチプロセッサを表す)ことが理解されるべきである。特定の実施形態では、マルチプロセッサシステムは、強固に連結していてもよいし、緩く連結していてもよい(例えば、コンピュータクラスタを形成するため等)。
【0052】
プロセッサ12は、装置10の動作に関連する機能を実行することができる。この機能には、例えば、アンテナ利得および/またはアンテナ位相のパラメータのプリコーディング(precoding)、通信メッセージを形成する個々のビットのエンコードおよびデコード、情報のフォーマット、装置10の制御全般(通信資源の管理に関する処理を含む)が含まれる。
【0053】
さらに装置10は、プロセッサ12と接続可能なメモリ14を備えてもよく、またはメモリ14と(内部または外部で)接続されていてもよく、このメモリ14は、プロセッサ12によって実行され得る情報および命令を記憶する。メモリ14は、1または複数のメモリであってもよいし、ローカルなアプリケーション環境に適したあらゆる種類のものであってよい。例えば、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学式メモリデバイスおよびシステム、固定式メモリ、移動式メモリ等の様々な好適な揮発性または不揮発性のデータ格納技術を用いて実装されてもよい。メモリ14は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、磁気または光ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等の静的記憶装置、その他のあらゆる種類の非一時的マシン、コンピュータ可読媒体のあらゆる組合せからなり得る。メモリ14に記憶された命令は、プログラム命令またはコンピュータプログラムコードを含んでもよく、これらがプロセッサ12によって実行されると、装置10は本明細書に記載されたタスクを実行することができる。
【0054】
ある実施形態では、装置10がドライブまたはポートをさらに備えるか、または、それらと(内部または外部で)接続されていてもよい。ここで、これらドライブまたはポートは、光ディスク、USBドライブ、フラッシュドライブ、その他の記憶媒体等の外付けのコンピュータ可読記憶媒体に対応し、読取りを行うように構成されている。例えば、外付けのコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサ12および/または装置10によって実行されるコンピュータプログラムまたはソフトウェアを記憶することができる。
【0055】
一部の実施形態では、装置10はさらに、信号および/またはデータを送受信するための1つまたは複数のアンテナ15を備えてもよく、またはこれらアンテナ15と接続されていてもよい。装置10はさらに、情報を送受信するように構成された送受信機18を備えてもよく、またはこの送受信機18と接続されていてもよい。送受信機18は、例えば、アンテナ15と接続され得る複数の無線インターフェースを備えていてもよい。無線インターフェースは、GSM(登録商標)、NB-IoT、LTE、5G、WLAN、Bluetooth(登録商標)、BT-LE、NFC、RFID、UWB、MulteFire、その他これに類するものの1つ以上を含む、複数の無線アクセス技術に対応することができる。無線インターフェースは、フィルタ、(D/Aコンバータ等のような)変換器、マッパー(mapper)、高速フーリエ変換(FFT)モジュール等の要素を備えてもよく、1または複数のダウンリンクを通じて送信するシンボルを生成し、(例えばアップリンクを通じて)シンボルを受信する。
【0056】
このように、送受信機18は、アンテナ15による送信のために情報を変調して搬送波波形に乗せ、装置10の他の要素によるさらなる処理のためにアンテナ15を介して受信された情報を復調するように構成され得る。別の実施形態では、送受信機18は、信号またはデータを直接送受信できる場合がある。さらに/あるいは、一部の実施形態では、装置10は入出力デバイス(I/Oデバイス)を備えてもよい。
【0057】
ある実施形態において、メモリ14は、プロセッサ12によって実行されたときに機能を実現するソフトウェアモジュールを記憶することができる。上記のモジュールには、例えば、装置10のオペレーティングシステム機能を提供するオペレーティングシステムが含まれている場合がある。メモリは、装置10の追加機能を実現するアプリケーションまたはプログラム等、1つまたは複数の機能モジュールを記憶することもできる。装置10の構成要素は、ハードウェアにて実装、またはハードウェアとソフトウェアとの適切な組合せとして実装される場合がある。
【0058】
一部の実施形態によると、プロセッサ12およびメモリ14は、処理回路構造または制御回路構造に含まれるか、その一部を形成してもよい。さらに、一部の実施形態では、送信機18は、送受信回路構造に含まれるか、その一部を形成してもよい。
【0059】
本明細書に記載の用語「回路構造」は以下を指し得る。すなわち、ハードウェアだけの回路構造実装(例えば、アナログおよび/またはデジタル回路構造)、ハードウェア回路およびソフトウェアの組合せ、アナログおよび/またはデジタルハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアの組合せ、各種機能を実行するため、装置(例えば、装置10)を収容する、ハードウェアプロセッサ(複数可)の任意部分とソフトウェア(デジタル信号プロセッサを含む)との組合せ、および/またはソフトウェアを動作に使用するが、動作時に不要であればソフトウェアが存在しなくてもよい、ハードウェア回路(複数可)および/またはプロセッサ(複数可)あるいはその一部である。さらなる例として、本明細書に記載の用語「回路構造」は、ハードウェア回路またプロセッサ(また複数のプロセッサ)、あるいはハードウェア回路またはプロセッサの一部、およびそれが含むソフトウェアおよび/またはファームウェアのみによる実装も網羅し得る。回路構造という用語はさらに、例えばサーバ、セルラネットワークノードまたはデバイス、あるいはその他コンピューティングまたはネットワークデバイス内のベースバンド一体化回路を網羅し得る。
【0060】
上述のように、特定の実施形態では、装置10は、基地局、アクセスポイント、ノードB、eNB、gNB、またはWLANアクセスポイント等の、ネットワークノードまたはRANノードであってもよい。特定の実施形態によると、装置10は、
図2a、2b、または2c等に示すフローチャートまたは信号図に示されるような、本明細書に記載の任意の実施形態に関連付けられた機能を実行するように、メモリ14およびプロセッサ12により制御されてもよい。例えば、特定の実施形態では、装置10は、
図2cに示す1つ以上のステップを実行するようにメモリ14およびプロセッサ12により制御されてもよい。特定の実施形態では、装置10は、SCell BFR時に、受信機空間フィルタ設定用の手順を実行するように構成されてもよい。
【0061】
例えば、一実施形態では、装置10は、SCell(またはサービングセル)ビーム失敗の標示、あるいは失敗が生じたSCellの新候補リソースを示すMAC制御要素を受信するように、メモリ14およびプロセッサ12により制御されてもよい。SCell BFR MAC制御要素が受信されると、装置10は、メモリ14およびプロセッサ12により制御され、SCell(TCI状態設定)上のBFR用のgNB応答を受信するためのUE空間Rxフィルタ仮定を決定するために、リソース選択に対してUEと同じ選択論理(例えば、
図2aを参照して記載した論理)を実行してもよい。一実施形態では、その後装置10は、メモリ14およびプロセッサ12に制御され、PCellまたはSCellを選択して、新TCI状態設定/有効化を送信してもよい。
【0062】
図3bは、別の実施形態に係る装置20の例を示す。ある実施形態では、装置20は、UE、携帯機器(Mobile Equipment:ME)、移動局、移動デバイス、固定デバイス、IoTデバイス、その他のデバイス等、通信ネットワーク内または同様のネットワークに関連するノードまたは要素であってもよい。本明細書に記載のように、UEは、代替的に例えば、移動局、携帯機器、携帯ユニット、携帯デバイス、ユーザーデバイス、加入者局、無線端末、タブレット、スマートフォン、IoTデバイスまたはNB-IoTデバイス、その他これに類するものを意味する場合がある。一例として、装置20は、例えば、無線ハンドヘルドデバイスや無線プラグインアクセサリ等に実装されてもよい。
【0063】
一部の例示的実施形態では、装置20は、1つまたは複数のプロセッサ、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ、ストレージ、その他これに類するもの)、1つまたは複数の無線アクセスコンポーネント(例えば、モデム、送受信機、その他これに類するもの)、および/またはユーザーインターフェースを含む場合がある。一部の実施形態によれば、装置20は、GSM(登録商標)、LTE、LTE-A、NR、5G、WLAN、WiFi、NB-IoT、Bluetooth(登録商標)、NFC、MulteFire、その他の無線アクセス技術等、1または複数の無線アクセス技術の使用を操作するように構成され得る。当業者であれば、装置20が、
図3bに示されていない構成要素や特徴を含んでもよいことが理解されよう。
【0064】
図3bに示されているように、装置20は、情報を処理し、命令または操作を実行するためのプロセッサ22を備えていてもよく、または、そのようなプロセッサ22と接続されていてもよい。プロセッサ22は、汎用性のあるプロセッサ、特定用途向けのプロセッサ等いかなる種類のものでもよい。さらにいえば、プロセッサ22は、例えば、1または複数の多目的用コンピュータ、特殊用途向けのコンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マルチコアプロセッサのアーキテクチャを基礎とするプロセッサ等であってもよい。
図3bには単一のプロセッサ22が図示されているが、別の実施形態によると、マルチプロセッサを使用することもできる。例えば、特定の実施形態では、装置20が2つ以上のプロセッサを備えてもよく、これらがマルチプロセッシングをサポートし得るマルチプロセッサシステムを形成してもよい(例えば、このケースでは、プロセッサ22がマルチプロセッサを表す)ことが理解されるべきである。特定の実施形態では、マルチプロセッサシステムは、強固に連結していてもよいし、緩く連結していてもよい(例えば、コンピュータクラスタを形成するため等)。
【0065】
プロセッサ22は、装置20の動作に関連する機能を実行することができる。この機能には、例えば、アンテナ利得および/またはアンテナ位相のパラメータのプリコーディング(precoding)、通信メッセージを形成する個々のビットのエンコードおよびデコード、情報のフォーマット、装置20の制御全般(通信資源の管理に関する処理を含む)が含まれる。
【0066】
さらに装置20は、プロセッサ22と接続可能なメモリ24を備えてもよく、またはメモリ24と(内部または外部で)接続されていてもよく、このメモリ24は、プロセッサ22によって実行され得る情報および命令を記憶する。メモリ24は、1または複数のメモリであってもよいし、ローカルなアプリケーション環境に適したあらゆる種類のものであってよい。例えば、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学式メモリデバイスおよびシステム、固定式メモリ、移動式メモリ等の様々な好適な揮発性または不揮発性のデータ格納技術を用いて実装されてもよい。メモリ24は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、磁気ディスクまたは光ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等の静的記憶装置、その他のあらゆる種類の非一時的マシン、コンピュータ可読媒体のあらゆる組合せからなり得る。メモリ24に記憶された命令は、プログラム命令またはコンピュータプログラムコードを含んでもよく、これらがプロセッサ22によって実行されると、装置20は本明細書に記載されたタスクを実行することができる。
【0067】
ある実施形態では、装置20は、ドライブまたはポートをさらに備えてもよく、または、それらと(内部または外部で)接続されていてもよい。ここで、これらドライブまたはポートは、光ディスク、USBドライブ、フラッシュドライブ、その他の記憶媒体等の外付けのコンピュータ可読記憶媒体に対応し、読取りを行うように構成されている。例えば、外付けのコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサ22および/または装置20によって実行されるコンピュータプログラムまたはソフトウェアを記憶することができる。
【0068】
一部の実施形態では、装置20はさらに、ダウンリンク信号の受信および装置20からのアップリンクを介した送信を行うため、1または複数のアンテナ25を備えてもよく、またはこれらアンテナ25と接続されてもよい。装置20はさらに、情報を送受信するように構成された送受信機28を備えてもよい。送受信28はさらに、アンテナ25に接続された無線インターフェース(例えば、モデム)を備えてもよい。無線インターフェースは、GSM(登録商標)、LTE、LTE-A、5G、NR、WLAN、NB-IoT、Bluetooth(登録商標)、BT-LE、NFC、RFID、UWB、その他これに類するものの1つ以上を含む、複数の無線アクセス技術に対応することができる。無線インターフェースは、フィルタ、(D/Aコンバータ等のような)変換器、シンボル・デマッパー(symbol demappaer)、信号整形要素、逆高速フーリエ変換(IFFT)モジュール等のその他の要素をさらに備えてもよく、ダウンリンクやアップリンクで搬送されるシンボル(OFDMAシンボル等)を処理する。
【0069】
例えば、送受信機28は、アンテナ25による送信のために情報を変調して搬送波波形に乗せ、装置20の他の要素によるさらなる処理のためにアンテナ25を介して受信された情報を復調するように構成され得る。別の実施形態では、送受信機28は、信号またはデータを直接送受信できる場合がある。さらに/あるいは、一部の実施形態では、装置10は入出力デバイス(I/Oデバイス)を備えてもよい。特定の実施形態では、装置20はさらに、グラフィックユーザーインターフェース、タッチスクリーン等のユーザーインターフェースを備えてもよい。
【0070】
ある実施形態において、メモリ24は、プロセッサ22によって実行されたときに機能を実現するソフトウェアモジュールを記憶する。上記のモジュールには、例えば、装置20のオペレーティングシステム機能を提供するオペレーティングシステムが含まれている場合がある。メモリは、装置20の追加機能を実現するアプリケーションまたはプログラム等、1つまたは複数の機能モジュールを記憶することもできる。装置20の構成要素は、ハードウェアにて実装、またはハードウェアとソフトウェアとの適切な組合せとして実装される場合がある。ある例示的実施形態によると、装置20は任意で、無線または有線通信リンク70を介して、NR等の任意の無線アクセス技術に応じて、装置10と通信するように構成されてもよい。
【0071】
一部の実施形態によると、プロセッサ22およびメモリ24は、処理回路構造または制御回路構造に含まれるか、その一部を形成してもよい。さらに、一部の実施形態では、送信機28は、送受信回路構造に含まれるか、その一部を形成してもよい。
【0072】
一部の実施形態では、装置20は例えば、UE、携帯デバイス、移動局、ME、IoTデバイスおよび/またはNB-IoTデバイスであってもよい。特定の実施形態では、装置20が、メモリ24およびプロセッサ22によって制御され、本明細書に記載された例示的実施形態に関連する機能を実行することができる。例えば、一部の実施形態では、装置20は、
図2a、2b、また2c等に示すフローチャートに示されるような、本明細書の記載されたフローチャートや信号図で示された1または複数のプロセスを実行するように構成されていてもよい。例えば、特定の実施形態では、装置20はSCell BFR時に、受信機空間フィルタ設定用の手順を実行するように構成されてもよい。一部の実施形態では、SCell候補のリソース選択がMAC層上に(MAC制御要素に含まれる)あると仮定してもよい。
【0073】
一部の実施形態によると、装置20は、MAC層でSCellビーム失敗を検出および/または通知するようにメモリ24およびプロセッサ22に制御され得る。一実施形態では、装置20は、失敗が生じたSCellについて、物理層(L1)から候補ビーム測定値を要求および/または受信するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。一実施形態によると、装置20は、ネットワーク構成(すなわち、N個の最高の)に応じて、SCell BFR MAC制御要素において報告するCSI-RSおよび/またはSSBインデックスのセットを決定および/または選択するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。一実施形態では、装置20は、SCell BFR MAC制御要素を生成および送信し、MAC制御要素がいつ適切に送信されたかを決定するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。
【0074】
特定の実施形態では、装置20は、詳細に上述した選択論理基準に基づいて、SCell BFR MAC制御要素において報告する少なくとも1つの報告されたリソースを物理層に示すようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。例えば、装置20がN個の候補(SSB/CSI-RS)を示した場合、装置20は、報告される最高の報告量(RSRP、RSRQ等)を有する、示されたDL RSと、SCellのPDCCH DMRSとがQCLであるという仮定の下、空間Rxフィルタを設定するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。別の選択肢として、装置20が新候補としてCSI-RSリソースのみを示した場合、装置20は、報告される最高のCSI-RSに応じて空間Rxフィルタを設定するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。さらに別の選択肢として、装置20が新候補としてCSI-RSおよびSSBの両方を示した場合、装置20は、リンクのロバスト性により、報告される最高のSSBを想定して、空間Rxフィルタを設定するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。その後、ネットワークはSSBリンクを使用して、示されたCSI-RSを、有効TCI状態として有効化してもよい。
【0075】
一例によると、装置20は、空間Rxフィルタを設定する際に、PDCCH TCI状態テーブルのエントリを考慮するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。例えば、装置20が新候補としてCSI-RSのみを示し、少なくとも1つのCSI-RSリソースが現在TCI状態と設定されているが有効ではない場合、装置20は、報告される最高の非有効TCI状態に応じて空間Rxフィルタを設定するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。別の例では、装置20がSSBリソースのみを新候補として示した場合、装置20は報告される最高のSSBに応じて空間Rxフィルタを設定するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。さらに別の例では、装置20がSSBのみを新候補として示し、少なくとも1つのCSI-RSリソースが現在TCI状態と設定されているが有効でない場合、装置20は報告される最高の非有効TCI状態に応じて空間Rxフィルタを設定するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。
【0076】
別の例示的実施形態では、装置20が、サービングセル/SCellごとに複数のパネルと、複数のTXRU(M個のTXRUで有効となったM個のパネル)とともに動作可能であれば、装置20は、例えば、報告量に基づき、M個の最高のDL RSに応じて、PDCCH DMRSがQCLであるという仮定の下、空間Rxフィルタを選択するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。あるいは、2つ以上のSSブロックおよび2つ以上のCSI-RSが示された、または2つ以上のSSブロックおよび少なくとも1つのCSI-RS、もしくは少なくとも1つのSSブロックおよび1つのCSI-RSが示された場合、M≧2であれば、装置20は、少なくとも1つのSSブロックおよび少なくとも1つのCSI-RSを選択するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。
【0077】
別の実施形態によると、装置20は、リンク再設定の方法を実行するように構成されてもよい。特定の実施形態では、装置20は、上位層からの要求に応じて、リクエストされた各サービングセルに対し、230でUEがセットqnew_serving_cellおよびリソースについての対応するL1-RSRP測定値から、上位層に(周期的)CSI-RS設定インデックスおよび/またはSS/PBCHブロックインデックスを提供するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。この測定値は、(a)Qin,LR_Scell(すなわち、RSRP閾値)以上、(b)全測定値またはN個の最高のCSI-RSおよび/またはSS/PBCHブロックインデックスと、L1-RSRP、(c)Qin(すなわち、同期状態についての仮定PDCCH BLER閾値(例えば2%))以下、のいずれかである。
【0078】
装置20が上位層により、提供されたqnew_serving_cellのセットからの1つ以上の選択された周期的CSI-RSリソースまたはSS/PBCHブロックインデックスを示された場合、装置20は、上位層からリソース標示を受信した後の次のスロットから始まる、CRCが(SCell)C-RNTIでスクランブルされたDCI(フォーマット0)の受信用に、サービングセル(SCell)PDCCHを監視するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。ここで、UE固有サーチスペースにおいてPDCCH受信に関連付けられたDM-RSアンテナポートが、(上位層により)選択された周期的CSI-RSリソースまたはSS/PBCHブロックインデックスと疑似同位置であると仮定される。これは、利用可能であれば遅延スプレッド、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、平均遅延、および/または空間Rxパラメータについて行われる。そうでなければ、上位層に示される前に、装置20はビーム失敗前に、疑似同位置と仮定されたPDCCHを監視するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。一実施形態において、装置20は、TCI状態の有効化またはTCI-StatesPDCCHパラメータ(TCI-Statesのリスト)を上位層により受信するまで、サービングセル(SCell)上のPDCCHを監視するため、アンテナポート疑似同位置パラメータを有効であると仮定するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。PDSCH受信のため、装置20は、TCI状態の有効化またはTCI-StatesPDCCHパラメータを上位層により受信するまで、PDCCH監視のための同一アンテナポート疑似同位置パラメータを想定するようにメモリ24およびプロセッサ22により制御され得る。
【0079】
上記のことを考慮すると、特定の例示的実施形態は、いくつかの技術的効果および/または改良および/または利点を提供する。各種例示的実施形態は、例えば、PCellが失敗状態でなく、SCellビーム失敗が検出された際に、ビーム失敗からリカバリするための方法を提供できる。したがって、一部の例示的実施形態は、これまで適切に対処されてこなかった状況における、ビーム失敗リカバリ用手法を提供する。結果的に、特定の例示的実施形態では、ネットワークの信頼性と速度向上を図ることができる。したがって、例示的実施形態では、ネットワークやネットワークノード(例えば、アクセスポイント、基地局/eNB/gNB、および携帯デバイスまたはUEを含む)の性能、レイテンシ、および/または処理量を向上させることができる。これにより、特定の例示的実施形態の使用は、通信ネットワークおよびそのノードの機能の改良をもたらす。
【0080】
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法、プロセス、信号図、アルゴリズム、またはフローチャートの機能が、ソフトウェアおよび/またはメモリ、その他のコンピュータ可読媒体、もしくは有形媒体に記憶されたコンピュータプログラムコードまたはその一部によって実装され、プロセッサによって実行される場合がある。
【0081】
特定の実施形態では、装置が、少なくとも1つのソフトウェアアプリケーション、モジュール、ユニット、エンティティに含まれ、またはこれらと連携していてもよい。ここで、このエンティティは算術演算として構成されるか、または、少なくとも1つのオペレーションプロセッサによって実行されるプログラムまたはその一部(追加または更新ソフトウェアルーチンを含む)として構成される。プログラムは、プログラム製品またはコンピュータプログラムとも呼ばれることがあり、これらはソフトウェアルーチンやアプレット、マクロも含む。これらは、装置可読データ記憶媒体に格納され、特定のタスクを遂行させるためのプログラム命令を含んでもよい。
【0082】
コンピュータプログラム製品は、プログラムが実行されると、一部の例示的実施形態を実施するように構成される1つ以上のコンピュータ実行可能な要素を含んでもよい。この1つ以上のコンピュータ実行可能な要素は、少なくとも1つのソフトウェアコードであってもよいし、またはその一部であってもよい。ある例示的実施形態の機能を実装するために必要な変形や構成は、追加または更新ソフトウェアルーチン(複数可)として実装され得るルーチン(複数可)として実施されてもよい。ソフトウェアルーチンが装置にダウンロードされてもよい。
【0083】
一例として、ソフトウェアまたはコンピュータプログラムコードまたはコードの一部は、ソースコード形式、オブジェクトコード形式、または何らかの中間形式であってもよく、ある種のキャリア、流通媒体、またはコンピュータ可読媒体に記憶されていてもよく、プログラムを搬送可能な任意のエンティティまたはデバイスであってもよい。これらのキャリアの例としては、記録媒体、コンピュータメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、光電および/または電気的搬送波信号、通信信号、およびソフトウェア配布パッケージが挙げられる。必要とされる処理電力によって、コンピュータプログラムは、単一の電子デジタルコンピュータで実行されてもよいし、複数のコンピュータ間で分散されてもよい。コンピュータ可読媒体またはコンピュータ可読記憶媒体は、非一時的媒体であってもよい。
【0084】
他の例示的実施形態では、上記機能が、例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、その他のハードウェアとソフトウェアとの組合せ等の使用によって、装置(例えば、装置10または装置20)に含まれるハードウェアまたは回路構造によって実施されてもよい。さらに別の例示的実施形態では、上記機能は、信号、すなわち、インターネット等のネットワークからダウンロードされる電磁信号によって搬送される無形手段として実装され得る。
【0085】
ある例示的実施形態によると、ノード、デバイス、または対応する構成要素等の装置は、回路構造、コンピュータ、またはシングルチップのコンピュータ要素、またはチップセット(少なくとも算術演算用にストレージ容量を提供するメモリ、その算術演算を実行するためのオペレーションプロセッサを含む)等のマイクロプロセッサとして構成されてもよい。
【0086】
当業者であれば、上述の例示的実施形態は、異なる順序で実施されてもよく、さらに/もしくは開示されたものとは異なる構成のハードウェア要素で実施されてもよいことを容易に理解するであろう。したがって、例としての好適な実施形態に基づいて一部の実施形態を説明したが、当業者には、例示的実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく、ある種の変形、変更、および代替の構造が自明であろう。