(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】ベランダ用間仕切りの取付方法
(51)【国際特許分類】
E04B 1/00 20060101AFI20220518BHJP
【FI】
E04B1/00 502N
(21)【出願番号】P 2018088235
(22)【出願日】2018-05-01
【審査請求日】2021-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】308017375
【氏名又は名称】株式会社アキト
(74)【代理人】
【識別番号】100104927
【氏名又は名称】和泉 久志
(72)【発明者】
【氏名】阿部 淳
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-174270(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00
E04B 2/72 - 2/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベランダのほぼ床面から天井面にかけて設けられ、下側が手摺りに固定されるとともに上端が天井面に固定された手摺り側支持部材と、窓側壁面に固定された窓側支持部材との間に、相対的に大きな寸法の上段パーティションと相対的に小さな寸法の下段パーティションとが上下段で備えられたベランダ用間仕切りの取付方法であって、
前記上段パーティションを前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材に沿って下方側から上方側に向けてスライドさせたとき、前記手摺り側支持部材に、前記上段パーティションの手摺り側縦枠材が係合可能な第1係合部材を設けるとともに、前記窓側支持部材に、前記上段パーティションの窓側縦枠材が係合可能な第2係合部材を設けておき、
前記上段パーティションを前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材の間の下端部にセットし、前記手摺り側縦枠材及び窓側縦枠材をそれぞれ前記第1係合部材及び第2係合部材に係合させながら、前記上段パーティションを前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材に沿って上方側に向けてスライドさせ、所定の位置で前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材に固定した後、前記上段パーティションの下側に前記下段パーティションを嵌め込み、前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材に固定することを特徴とするベランダ用間仕切りの取付方法。
【請求項2】
前記第1係合部材は、前記上段パーティションのパネル面とほぼ直交する方向及び室内外方向への移動を制限するスライドロック材からなる請求項1記載のベランダ用間仕切りの取付方法。
【請求項3】
前記スライドロック材は、前記手摺り側支持部材のパーティション側端面に設けられた突部の両側に、前記パーティション側端面とほぼ平行して部材長手方向に沿って延びるロック用延出部を備え、
前記上段パーティションの手摺り側縦枠材の手摺り側端面に、部材長手方向に沿って手摺り側開口溝を設けておき、前記上段パーティションを前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材に沿って下方側から上方側に向けてスライドさせたとき、前記手摺り側開口溝の内側に前記ロック用延出部が係合可能となっている請求項2記載のベランダ用間仕切りの取付方法。
【請求項4】
前記第2係合部材は、前記上段パーティションのパネル面とほぼ直交する方向への移動を制限する複数のピン部材からなる請求項1~3いずれかに記載のベランダ用間仕切りの取付方法。
【請求項5】
前記ピン部材は、前記窓側支持部材を窓側壁面に固定するためのアンカーボルトの頭部に固着した軸部材によって構成され、
前記上段パーティションの窓側縦枠材の窓側端面に、部材長手方向に沿って窓側開口溝を設けておき、前記上段パーティションを前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材に沿って下方側から上方側に向けてスライドさせたとき、前記窓側開口溝に前記軸部材が係合可能となっている請求項4記載のベランダ用間仕切りの取付方法。
【請求項6】
前記手摺り側支持部材の上端が、天井面から垂下する垂下片に対して、前記手摺り側支持部材のパーティション側端面から螺入される固定ボルトによって固定され、
前記固定ボルトの頭部と前記手摺り側支持部材のパーティション側端面との間に、前記手摺り側縦枠材が係合可能な間隙が形成されている請求項1~5いずれかに記載のベランダ用間仕切りの取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅の同一階を複数戸に跨って連続的に設けられるベランダを各戸毎に仕切るため、ベランダのほぼ床面から天井面にかけて設けられる間仕切りの取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ベランダの間仕切り50として、
図21に示されるように、両側部の縦材51、51と上下部の横材52、52とによって四周が枠組みされた枠組内部に、高さ方向の中間部に横桟53が配置されるとともに、その上下枠内にパネル54、54が配置されることにより、正面視略「日」の字状に形成されたものが知られている。かかる間仕切り壁50は、ベランダ床面より所定の隙間を空けた位置から、高さ約1800mm程度で設けられるものが一般的である。ところが、1800mm程度の高さでは、その上方のベランダ天井面までの間に広い空間Mが形成されるため、この空間Mを通じて、隣戸からの覗き見等のプライバシー上の問題や、侵入等の防犯上の問題などが懸念されていた。
【0003】
そこで本出願人は、下記特許文献1において、ベランダのほぼ床面から天井面にかけて設けられるベランダ用間仕切り壁の取付構造であって、前記間仕切り壁は、両側部の縦材と上下部の横材とによって四周が枠組みされた枠組内部にパネルが配置された下側ユニットと、この上段に取り付けられるとともに、両側部の縦材と上下部の横材とによって四周が枠組みされた枠組内部にパネルが配置された上側ユニットとから構成され、前記下側ユニット及び上側ユニットのベランダ窓側において、窓側縦材はベランダの窓側壁面に対し縦方向配置で固設されたガイドレールによって支持され、前記下側ユニット及び上側ユニットのベランダ手摺り側において、手摺り側縦材は、前記下側ユニットの手摺り側縦材がブラケットによって手摺り支柱に固定されるとともに、室外側面に部材長手方向に沿って形成された連結用溝部が前記下側ユニット及び上側ユニット間に亘って連続しており、部材長手方向に沿って手摺り側縦材に向けて突出して形成される連結用突部を前記連結用溝部に挿入させて取り付けられる連結部材を少なくとも前記下側ユニット及び上側ユニットの接続部に跨るように配設し、前記連結部材の下端側を前記ブラケットに固定するとともに、その上端側をベランダ天井面に固定したことを特徴とするベランダ用間仕切り壁の取付構造を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に係るベランダ用間仕切りでは、ベランダのほぼ床面から天井面にかけて設けられるため、プライバシー上の問題や、侵入等の防犯上の問題が解消されるようになったが、かかる間仕切り構造では、連結部材を少なくとも下段パーティション(前記下側ユニット)及び上段パーティション(前記上側ユニット)の接続部に跨るように配設する関係上、下段パーティションと上段パーティションとの境界が上側に位置するようになり、当該境界部に存在する横材が外観を損ねる等の問題が指摘されるようになった。
【0006】
そこで、上段パーティションの寸法を大きくし下段パーティション及び上段パーティションの境界部を下側に位置させることによって上記問題は解消できるようになるが、今度は上段パーティションをベランダの上部側に取り付ける際に、大きな上段パーティションが風に煽られ非常に危険な作業となることが大きな問題となっていた。
【0007】
そこで本発明の主たる課題は、相対的に大きな寸法の上段パーティションと相対的に小さな寸法の下段パーティションとを上下段で備えたベランダ用間仕切り構造において、これらの上段パーティションと下段パーティションとを風に煽られることなく安全に取付けできる取付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、ベランダのほぼ床面から天井面にかけて設けられ、下側が手摺りに固定されるとともに上端が天井面に固定された手摺り側支持部材と、窓側壁面に固定された窓側支持部材との間に、相対的に大きな寸法の上段パーティションと相対的に小さな寸法の下段パーティションとが上下段で備えられたベランダ用間仕切りの取付方法であって、
前記上段パーティションを前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材に沿って下方側から上方側に向けてスライドさせたとき、前記手摺り側支持部材に、前記上段パーティションの手摺り側縦枠材が係合可能な第1係合部材を設けるとともに、前記窓側支持部材に、前記上段パーティションの窓側縦枠材が係合可能な第2係合部材を設けておき、
前記上段パーティションを前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材の間の下端部にセットし、前記手摺り側縦枠材及び窓側縦枠材をそれぞれ前記第1係合部材及び第2係合部材に係合させながら、前記上段パーティションを前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材に沿って上方側に向けてスライドさせ、所定の位置で前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材に固定した後、前記上段パーティションの下側に前記下段パーティションを嵌め込み、前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材に固定することを特徴とするベランダ用間仕切りの取付方法が提供される。
【0009】
上記請求項1記載の発明では、相対的に大きな寸法の上段パーティションと相対的に小さな寸法の下段パーティションとが上下段で備えられ、これらのパーティションが手摺り側支持部材と窓側支持部材との間に固定されたベランダ用間仕切り構造において、前記手摺り側支持部材に、前記上段パーティションの手摺り側縦枠材が係合可能な第1係合部材を設けるとともに、前記窓側支持部材に、前記上段パーティションの窓側縦枠材が係合可能な第2係合部材を設けておき、前記上段パーティションを手摺り側支持部材及び窓側支持部材の間の下端部にセットし、上段パーティションをこれらの手摺り側支持部材及び窓側支持部材に沿って上方側に向けてスライドさせる際、上段パーティションの手摺り側縦枠材及び窓側縦枠材をそれぞれ前記第1係合部材及び第2係合部材に係合させているため、上段パーティションが風に煽られることなく安全に取り付けできるようになる。また、下段パーティションについても、前記上段パーティションを手摺り側支持部材及び窓側支持部材に固定した後、この上段パーティションの下側に嵌め込んで手摺り側支持部材及び窓側支持部材に固定しているので、風に煽られることなく安全に取り付けできるようになる。
【0010】
請求項2に係る本発明として、前記第1係合部材は、前記上段パーティションのパネル面とほぼ直交する方向及び室内外方向への移動を制限するスライドロック材からなる請求項1記載のベランダ用間仕切りの取付方法が提供される。
【0011】
上記請求項2記載の発明では、前記手摺り側支持部材に設けられる第1係合部材としてスライドロック材を用いている。このスライドロック材は、前記上段パーティションの手摺り側縦枠材との係合により、前記上段パーティションのパネル面とほぼ直交する方向及び室内外方向への移動を制限する作用を有するため、上段パーティションが風に煽られることなく安全に取り付けできるようになる。
【0012】
請求項3に係る本発明として、前記スライドロック材は、前記手摺り側支持部材のパーティション側端面に設けられた突部の両側に、前記パーティション側端面とほぼ平行して部材長手方向に沿って延びるロック用延出部を備え、
前記上段パーティションの手摺り側縦枠材の手摺り側端面に、部材長手方向に沿って手摺り側開口溝を設けておき、前記上段パーティションを前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材に沿って下方側から上方側に向けてスライドさせたとき、前記手摺り側開口溝の内側に前記ロック用延出部が係合可能となっている請求項2記載のベランダ用間仕切りの取付方法が提供される。
【0013】
上記請求項3記載の発明は、前記スライドロック材の具体的な構造に関するものである。前記スライドロック材は、手摺り側支持部材のパーティション側端面に設けられた突部の両側に、前記パーティション側端面とほぼ平行して部材長手方向に沿って延びるロック用延出部を備えている。一方、前記上段パーティションの手摺り側縦枠材の手摺り側端面には、部材長手方向に沿って手摺り側開口溝を設けておく。これによって、上段パーティションを手摺り側支持部材及び窓側支持部材に沿って下方側から上方側に向けてスライドさせたとき、前記手摺り側開口溝の内側に前記ロック用延出部が係合することによって、前記上段パーティションがパネル面とほぼ直交する方向及び室内外方向に移動するのが制限され、上段パーティションが風に煽られることなく安全に取り付けできるようになる。
【0014】
請求項4に係る本発明として、前記第2係合部材は、前記上段パーティションのパネル面とほぼ直交する方向への移動を制限する複数のピン部材からなる請求項1~3いずれかに記載のベランダ用間仕切りの取付方法が提供される。
【0015】
上記請求項4記載の発明では、前記窓側支持部材に設けられた第2係合部材を複数のピン部材によって構成している。前記上段パーティションの取付けにおいて上段パーティションを上方側にスライドさせたとき、この複数のピン部材を窓側支持部材に係合させることにより、前記上段パーティションのパネル面とほぼ直交する方向への移動が制限されるため、上段パーティションが風に煽られることなくより安全に取り付けできるようになる。
【0016】
請求項5に係る本発明として、前記ピン部材は、前記窓側支持部材を窓側壁面に固定するためのアンカーボルトの頭部に固着した軸部材によって構成され、
前記上段パーティションの窓側縦枠材の窓側端面に、部材長手方向に沿って窓側開口溝を設けておき、前記上段パーティションを前記手摺り側支持部材及び窓側支持部材に沿って下方側から上方側に向けてスライドさせたとき、前記窓側開口溝に前記軸部材が係合可能となっている請求項4記載のベランダ用間仕切りの取付方法が提供される。
【0017】
上記請求項5記載の発明は、前記ピン部材の具体的な構造に関するものである。前記ピン部材は、窓側支持部材を窓側壁面に固定するためのアンカーボルトの頭部に固着した軸部材によって構成されている。一方、前記上段パーティションの窓側縦枠材には部材長手方向に沿って窓側開口溝を設けておく。これによって、上段パーティションの取付けにおいて上段パーティションを上方側にスライドさせたとき、前記窓側開口溝に前記軸部材が係合することによって、前記上段パーティションがパネル面とほぼ直交する方向に移動するのが制限されるため、上段パーティションが風に煽られることなくより安全に取り付けできるようになる。
【0018】
請求項6に係る本発明として、前記手摺り側支持部材の上端が、天井面から垂下する垂下片に対して、前記手摺り側支持部材のパーティション側端面から螺入される固定ボルトによって固定され、
前記固定ボルトの頭部と前記手摺り側支持部材のパーティション側端面との間に、前記手摺り側縦枠材が係合可能な間隙が形成されている請求項1~5いずれかに記載のベランダ用間仕切りの取付方法が提供される。
【0019】
上記請求項6記載の発明は、前記手摺り側支持部材の上端を天井面に固定する構造に関するものであり、この際に用いる固定ボルトの頭部を上段パーティションの手摺り側縦枠材に係合させる係合部材として兼用できるようにしている。
【発明の効果】
【0020】
以上詳説のとおり本発明によれば、上段パーティションと下段パーティションとを風に煽られることなく安全に取り付けできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係るベランダ用間仕切り1の正面図である。
【
図5】手摺り側支持部材15の上端部の固定状態を示す、
図1のA部拡大図である。
【
図8】嵌合部材23を示す、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【
図9】スライドロック材27を示す、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【
図10】ピン部材30が備えられたアンカーボルト24を示す、(A)は側面図、(B)は正面図である。
【
図11】ベランダ用間仕切り1の取付手順(その1)を示す正面図である。
【
図14】ベランダ用間仕切り1の取付手順(その2)を示す正面図である。
【
図16】ベランダ用間仕切り1の取付手順(その3)を示す正面図である。
【
図20】ベランダ用間仕切り1の取付手順(その4)を示す正面図である。
【
図21】従来のベランダ用間仕切り50の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0023】
本発明に係るベランダ用間仕切り1は、
図1に示されるように、集合住宅の同一階を複数戸に跨がって連続的に設けられ、ベランダ床面B
F、ベランダ天井面B
C及び窓側壁面B
Wによって3方向が建物躯体で囲まれ、室外側に手摺りHが立設されたベランダを各戸毎に仕切るためのものである。本ベランダ用間仕切り1では特に、上下のベランダ天井面B
C及びベランダ床面B
Fとの間に人が通れる隙間の無い程度にベランダのほぼ床面から天井面にかけて設けられている。
【0024】
前記ベランダ用間仕切り1には、相対的に大きな寸法の上段パーティション2と、相対的に小さな寸法の下段パーティション3とが上下段で備えられている。前記上段パーティション2は、両側の手摺り側縦枠材4及び窓側縦枠材5と、上下の横枠材6、7とによって四周が枠組みされた枠組内部にパネル8が配置された構造を成している。また、下段パーティション3も同様に、両側の手摺り側縦枠材9及び窓側縦枠材10と、上下の横枠材11、12とで枠組みされた内部にパネル13が配置されている。
【0025】
前述の通り、前記上段パーティション2は、下段パーティション3に比べて相対的に大きな寸法で形成されている。つまり、上段パーティション2の方が下段パーティション3より高さ寸法が高く形成されている。これら上段パーティション2と下段パーティション3との境界部は任意であるが、手摺りHの高さ以下とするのが好ましい。これにより、当該境界部に存在する上段パーティション2及び下段パーティション3の各横枠材7、11が間仕切り1の外観を損ねる等の問題が生じなくなる。
【0026】
前記上段パーティション2及び下段パーティション3の各枠材4~7及び9~12はそれぞれ、押出し成形されたアルミ形材とされ、パネル側端面には、部材長手方向に沿って断面略コ字状に開口したパネル嵌合溝が形成されている(
図2の6a、7a、11a、12a、
図3及び
図4の4a、5a参照)。また、その両端部にはそれぞれ、枠材連結用のビスポケットが設けられている。
【0027】
前記上段パーティション2及び下段パーティション3はそれぞれ、上記の枠材4~7及び9~12によって四周が枠組みされることにより、前記パネル嵌合溝が周方向に沿って連続して形成されるとともに、このパネル嵌合溝に樹脂製のグレチャン14を介して四角形のパネル8、13が支持されている。前記上段パーティション2及び下段パーティション3はそれぞれ、基本的に工場製作され、現場に搬入される。
【0028】
前記上段パーティション2及び下段パーティション3の手摺り側縦枠材4、9にはそれぞれ、前記パネル側端面と反対側の手摺り側端面(後述する手摺り側支持部材15と対向する面)に、部材長手方向の全長に亘って手摺り側開口溝が形成されている(上段パーティション2の手摺り側開口溝は、
図3、
図4及び
図6の4b参照。下段パーティション3の手摺り側開口溝は特に図示せず。)。同様に、上段パーティション2及び下段パーティション3の窓側縦枠材5、10にもそれぞれ、前記パネル側端面と反対側の窓側端面(窓側壁面B
Wと対向する面)に、部材長手方向の全長に亘って窓側開口溝が形成されている(上段パーティション2の窓側開口溝は、
図3及び
図4の5b参照。下段パーティション3の窓側開口溝は特に図示せず。)。
【0029】
前記上段パーティション2と下段パーティション3とは、
図2に示されるように、上段パーティション2の下側の横枠材7と下段パーティション3の上側の横枠材11とが係合可能に構成されているのが好ましい。図示例では、上段パーティション2の横枠材7の下面に部材長手方向に沿って開口溝7bが形成されるとともに、下段パーティション3の横枠材11の上面に、前記開口溝7bに係合可能な突部11b、11bが部材長手方向に沿って形成されている。これにより、上段パーティション2の下側に下段パーティション3を配置した状態で、これら上段パーティション2と下段パーティション3とが係合しているため、間仕切り1の構造強度が増すとともに、上段パーティション2と下段パーティション3との間に隙間が生じなくなる。
【0030】
前記上段パーティション2及び下段パーティション3は、
図1、
図3及び
図4に示されるように、下側が手摺りHに固定されるとともに上端がベランダ天井面B
Cに固定された手摺り側支持部材15と、窓側壁面B
Wに固定された窓側支持部材16との間に、上下段で備えられている。
【0031】
前記手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16はそれぞれ、押出し成形されたアルミ形材からなり、ベランダのほぼ床面から天井面にかけて連続して設けられている。
【0032】
前記手摺り側支持部材15は、概ね断面略四角形からなる中空角形の部材であり、そのパーティション側端面には、部材長手方向の全長に亘って、長手方向中心線の両側に離隔して配置され、パーティション側に向けて突出するとともに、前記上段パーティション2及び下段パーティション3の手摺り側縦枠材4、9に形成された手摺り側開口溝4bと係合する第1突部15a、15aが形成されるとともに、更にその両側に離隔して前記第1突部15aより低い高さでパーティション側に向けて突出し、先端が前記上段パーティション2及び下段パーティション3の手摺り側縦枠材4、9の手摺り側端面と当接することにより手摺り側縦枠材4との離隔距離を一定に保持するための第2突部15b、15bが形成されている。
【0033】
前記手摺り側支持部材15の下側は、
図1及び
図3に示されるように、所定のブラケット17によって手摺りHの手摺り支柱H
Pに固定されている。前記ブラケット17は、手摺り支柱H
Pの少なくとも上部及び下部の複数箇所に設けるのが好ましく、図示例では、手摺り支柱H
Pの上部及び下部の2箇所に設けられ、上部に設けられたブラケット17が上段パーティション2と下段パーティション3とに跨がる位置に配置され、上段パーティション2及び下段パーティション3を両方とも手摺り支柱H
Pに固定している。このため、上部に配置されたブラケット17は、下部に配置されたブラケット17より高さ寸法が大きく形成されている。なお、
図1に示される例では、前記ブラケット17は、手摺り上部及び下部の2箇所に設けられているが、取付強度を増すとともに、ベランダ用間仕切り1と手摺りHとの隙間をなくすため、手摺り支柱H
Pの上部から下部に亘って連続して形成してもよい。
【0034】
前記ブラケット17は、
図3に示されるように、手摺り支柱H
Pに固定される固定側ブラケット18と、この固定側ブラケット18に係合して取り付けられる係合側ブラケット19とから構成され、前記固定側ブラケット18と係合側ブラケット19との間に前記手摺り側支持部材15が支持されるとともに、上段パーティション2及び下段パーティション3の手摺り側縦枠材4、9が固定されている。
【0035】
前記固定側ブラケット18は、手摺り支柱HPを嵌入する呑込み溝18aが形成されるとともに、この呑込み溝18aの一方がわ側面から溝対向面側に延在して一方側固定片18bが備えられている。また、前記呑込み溝18a底面の溝対向面側には、前記一方側固定片18bの基端部から第1係合片18cが突設されるとともに、前記呑込み溝18aの他方がわ側面から溝対向面側に延在し、その先端部が内側に屈折した第2係合片18dが設けられている。また、前記固定側ブラケット18の呑込み溝18aの両側面には、取付ビス17bによって手摺り支柱HPに固定するためのビス孔18fが形成されている。さらに、前記一方側固定片18bには、上段パーティション2又は下段パーティション3の手摺り側縦枠材4、9を固定するためのボルト・ナット17aが挿通される通孔18eが1又は複数形成されるとともに、手摺り側支持部材15を固定するための取付ビス17cが挿通されるビス孔18gが形成されている。
【0036】
一方、前記係合側ブラケット19は、前記固定側ブラケット18の第1係合片18c及び第2係合片18dにそれぞれ係合する第1係合片19b及び第2係合片19cが備えられた係合部19aと、この係合部19aの先端部から連続して前記固定側ブラケット18の呑込み溝18aの他方がわ側面の溝対向面側に延在して設けられる他方側固定片19dとによって略L字形に形成されている。また、前記係合側ブラケット19には、上段パーティション2又は下段パーティション3の手摺り側縦枠材4、9を固定するためのボルト・ナット17aが挿通される通孔19eが1又は複数形成されるとともに、手摺り側支持部材15を固定するための取付ビス17cが挿通されるビス孔19fが形成されている。
【0037】
前記ブラケット17は、手摺り支柱HPに前記固定側ブラケット18の呑込み溝18aを嵌合するとともに取付ビス17b、17bによって手摺り支柱HPに固定した後、前記手摺り側支持部材15を固定するとともに上段パーティション2、下段パーティション3を所定の位置に配置した状態で、前記固定側ブラケット18の第1係合片18c及び第2係合片18dと、係合側ブラケット19の第1係合片19b及び第2係合片19cとをそれぞれ係合させた状態で、固定側ブラケット18の上方側又は下方側から係合側ブラケット19をスライドさせるようにして組み立て、前記ボルト・ナット17aによって上段パーティション2、下段パーティション3を固定するとともに、取付ビス17cによって手摺り側支持部材15を固定する。
【0038】
前記固定側ブラケット18の一方側固定片18bと、係合側ブラケット19の他方側固定片19dとで挟まれた空間内には、前記手摺り側支持部材15及び上段パーティション2の手摺り側縦枠材4、下段パーティション3の手摺り側縦枠材9を嵌入させた状態で、一方側固定片18b及び他方側固定片19dの外面側からそれぞれ取付ビス17cを螺入することによって手摺り側支持部材15が手摺りHに固定されるとともに、前記一方側固定片18b、他方側固定片19d及び手摺り側縦枠材4、9を一体的に結合する前記ボルト・ナット17aによって上段パーティション2及び下段パーティション3が手摺りHに固定されている。
【0039】
前記手摺り側支持部材15の上端は、詳細には
図5~
図7に示されるように、ベランダの天井面B
Cに固定されている。手摺り側支持部材15の上端を天井面B
Cに固定するには、L字形の固定金具20を用いるのが好ましい。具体的には、前記固定金具20の一方側部分をアンカーボルト21によって天井面B
Cに固定するとともに、他方側部分を天井面B
Cから垂下させ、この垂下片20aに対して手摺り側支持部材15の上端を固定ボルト22によって固定する。
【0040】
前記垂下片20aには、
図8に示されるように、底部とその両側で一方側に屈折する側部とからなる断面略コ字形の嵌合部材23が固定され、前記底部の中央部に前記固定ボルト22が挿通される通孔23aが形成されるとともに、この通孔23aにネジ孔が連通するようにナット23bが溶接されている。また、前記垂下片20aにも前記固定ボルト22が挿通可能な通孔20bが形成されている。
【0041】
前記嵌合部材23が固定された垂下片20aは、
図6に示されるように、手摺り側支持部材15の上端から、該手摺り側支持部材15の中空内部に嵌合可能な大きさで形成されている。前記嵌合部材23を設けることによって、前記手摺り側支持部材15を取り付ける際、手摺り側支持部材15が大きく位置ズレしにくくなるため、固定作業が容易になる。
【0042】
前記固定ボルト22は、手摺り側支持部材15のパーティション側端面から、前記ナット23bに螺入されるようになっている。つまり、前記固定ボルト22によって手摺り側支持部材15の上端部を固定した状態では、固定ボルト22の頭部が手摺り側支持部材15のパーティション側端面から突出して設けられるようになっている。この際、後段で詳述するように、前記固定ボルト22のねじ部を手摺り側支持部材15の第1突部15a、15a間に挿入し、前記固定ボルト22の頭部が前記第1突部15a、15aの先端に係止されるようにするのが好ましい。
【0043】
一方、前記上段パーティション2及び下段パーティション3を窓側壁面B
Wに固定する窓側支持部材16は、
図3に示されるように、断面略L字形に形成され、L字形の一方側部分が部材長手方向に間隔を空けて複数設けられたアンカーボルト24によって上下方向に沿って窓側壁面B
Wに固定され、他方側部分が上下方向に沿って窓側壁面B
Wからほぼ垂直に突出するように配置されている。この他方側部分には、上段パーティション2及び下段パーティション3を固定するための固定ボルト25が挿通される通孔16aが部材長手方向に間隔を空けて複数形成されている。
【0044】
図1及び
図4に示されるように、前記手摺り側支持部材15には、前記上段パーティション2を手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16に沿って下方側から上方側に向けてスライドさせたとき、前記上段パーティション2の手摺り側縦枠材4が係合可能な第1係合部材が設けられている。この第1係合部材としては、係合する上段パーティション2が、該上段パーティション2のパネル8とほぼ直交する方向及び室内外方向に移動するのを制限するように形成されたスライドロック材27によって構成するのが好ましい。
【0045】
前記スライドロック材27は、
図9に示されるように、手摺り側支持部材15の部材長手方向に長い平板部27aと、その一方側面に、部材長手方向の全長に亘って部材長手方向中心線の両側に所定の離隔距離を空けて形成された平行する2本の脚部27b、27bとから構成され、前記平板部27aの前記脚部27b、27b間に部材長手方向に間隔を空けて複数のビス止め用通孔27c、27c…が形成されている。このスライドロック材27を手摺り側支持部材15に配置した状態では、
図4に示されるように、前記2本の脚部27b、27bが手摺り側支持部材15のパーティション側端面に形成された2本の第1突部15a、15a間に嵌合して設けられるとともに、前記平板部27aがパーティション側端面から前記第1突部15aの突出高さ分だけ離隔して、パーティション側端面とほぼ平行して配置されるようになっている。前記平板部27aの前記第1突部15a、15aより外側に延出する部分はそれぞれ、前記パーティション側端面とほぼ平行して部材長手方向に沿って延びるロック用延出部28、28を構成している。前記スライドロック材27は、前記通孔27cに挿通される固定ビス29によって、手摺り側支持部材15のパーティション側端面に固定されている。
【0046】
前記上段パーティション2の取付けにおいて、前記上段パーティション2を手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16に沿って下方側から上方側に向けてスライドさせたとき、
図4に示されるように、前記上段パーティション2の手摺り側縦枠材4の手摺り側端面に形成された手摺り側開口溝4bの内側に、前記ロック用延出部28が係合可能となっている。すなわち、上段パーティション2を上方側に向けてスライドさせたとき、手摺り側縦枠材4の上端から、スライドロック材27のロック用延出部28が、手摺り側縦枠材4の内側に挿入されるとともに、手摺り側開口溝4bに手摺り側支持部材15の第1突部15a、15aが係合することにより、前記手摺り側開口溝4bの両側に配置された手摺り側縦枠材4の部分がロック用延出部28及び第1突部15a、15aにそれぞれ係止するため、上段パーティション2が、該上段パーティション2のパネル8とほぼ直交する方向及び室内外方向にそれぞれ移動するのが制限されるようになる。
【0047】
なお、
図4及び
図6に示されるように、前記手摺り側開口溝4bの両側に配置された手摺り側縦枠材4部分の開口溝側の端縁は、内側に屈折したL字形に形成され、この屈折した部分の先端がスライドロック材27のロック用延出部28に当接するとともに、屈折した部分の開口溝に臨む面が手摺り側支持部材15の第1突部15aの側面に係合している。また、このL字形に屈折した部分の先端をスライドロック材27のロック用延出部28に当接させた状態で、前記手摺り側縦枠材4の手摺り側端面と、前記手摺り側支持部材15の第2突部15bの先端との間には、極僅かな隙間Sが形成され、上段パーティション2の手摺り側縦枠材4をスライドロック材27に係合させながら上段パーティション2を上方側にスムーズにスライドできるようになっている。この隙間Sとしては任意であるが、0.1~2mm程度とするのが好ましい。
【0048】
一方、前記窓側支持部材16には、前記上段パーティション2の窓側縦枠材5が係合可能な第2係合部材が設けられている。この第2係合部材としては、
図4に示されるように、係合する上段パーティション2が、該上段パーティション2のパネル8とほぼ直交する方向に移動するのを制限するように形成されたピン部材30によって構成するのが好ましい。
【0049】
前記ピン部材30は、
図10に示されるように、窓側支持部材16を窓側壁面B
Wに固定するためのアンカーボルト24の頭部に溶接などの接合手段によって固着した軸部材とするのが好ましい。前記ピン部材30は、ステンレス製の断面円形からなる軸部材であり、その先端に拡径した頭部が設けられるようにするのが好ましい。
【0050】
前記上段パーティション2の取付けにおいて、前記上段パーティション2を手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16に沿って下方側から上方側に向けてスライドさせたとき、
図4に示されるように、上段パーティション2の窓側縦枠材5の窓側端面に形成された窓側開口溝5bに、前記ピン部材30が挿入可能となっている。前記ピン部材30は、窓側開口溝5bに遊嵌されているため、上段パーティション2がスムーズにスライドできる一方で、前記ピン部材30が窓側開口溝5bに係合することによって、上段パーティション2が風に煽られたときでも、該上段パーティション2のパネル8と直交する方向に移動するのを制限している。
【0051】
前記スライドロック材27及びピン部材30は、上段パーティション2の配置区間のうち、中間部のみに設けるのが好ましい。より詳細には、前記手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16をそれぞれ所定の位置に固定し、これら手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16の間の下端部に上段パーティション2をセットした状態(
図13に示される状態)で、この上段パーティション2より上方側であって、上端が前記手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16の上端まで達しない区間に配置されている。
【0052】
ところで、前述の通り、手摺り側支持部材15の上端は、
図5及び
図6に示されるように、天井面B
Cから垂下する垂下片20aに対して、手摺り側支持部材15のパーティション側端面から螺入される固定ボルト22によって固定されるが、この固定ボルト22の頭部を利用して、前記スライドロック材27と同様の考え方で構成される係合部を形成するのが好ましい。具体的には、
図6に示されるように、固定ボルト22のねじ部が手摺り側支持部材15の第1突部15a、15a間に形成された通孔に挿入されるとともに、頭部が第1突部15a、15aの先端に係止されるようにし、前記上段パーティション2を手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16に沿って下方側から上方側に向けてスライドさせたとき、前記手摺り側開口溝4bの内側に固定ボルト22の頭部が係合可能となるように形成することにより、前記第1突部15a、15aの両側に突出する固定ボルト22の頭部部分をロック用延出部として利用するのが好ましい。これにより、上段パーティション2を取り付ける際、上段パーティション2の上端部においても支持されるため、上段パーティション2が風に煽られるのがより確実に防止できる。なお、図示例では、固定ボルト22に座金22aが備えられ、実際には、この座金22aが第1突部15aの先端に係止されている。この座金22aは、固定ボルト22のサイズに合った一般的な座金を用いてもよいし、前記スライドロック材27のロック用延出部28と同じように、第1突部15a、15aの両側に大きく延出するように形成された特殊な座金を用いてもよい。
【0053】
次に、前記ベランダ用間仕切り1の取付方法について説明する。先ずはじめに、
図11~
図13に示されるように、前記手摺り側支持部材15の所定位置にスライドロック材27を取り付けるとともに、天井面B
Cに固定金具20を取付ける。その後、前記手摺り側支持部材15の下側を手摺りHに固定するとともに上端を前記固定金具20によって天井面B
Cに固定し、且つ窓側支持部材16を窓側壁面B
Wに固定する。
【0054】
前記手摺り側支持部材15の下側を手摺りHに固定するブラケット17のうち、前記固定側ブラケット18のみを手摺り支柱HPに固定しておき、前記係合側ブラケット19は上段パーティション2及び下段パーティション3の設置が終わった後に取り付けるようにするのが好ましい。
【0055】
前記手摺り側支持部材15の上端を天井面BCに固定するには、天井面BCから垂下する垂下片20aを手摺り側支持部材15の内部に挿入するとともに、パーティション側端面から固定ボルト22を螺入することにより行う。
【0056】
前記窓側支持部材16を窓側壁面BWに固定するには、アンカーボルト24を窓側壁面BWに螺入することにより行う。前記上段パーティション2の配置区間に配置される所定のアンカーボルト24の頭部には前記ピン部材30が備えられている。
【0057】
前記手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16を設置し終えたならば、
図14に示されるように、上段パーティション2を前記手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16の間の下端部にセットする。上段パーティション2をこれら支持部材15、16間にセットするには、
図15に示されるように、前記固定側ブラケット18の一方側固定片18b及び窓側支持部材16の窓側壁面B
Wから突出した部分に当接させた状態で、手摺り側縦枠材4の手摺り側開口溝4bに、手摺り側支持部材15の第1突部15a、15aが係合するように、室内外方向の手摺りH側に若干スライドさせる。
【0058】
その後、
図16に示されるように、上段パーティション2を手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16に沿って上方側に向けてスライドさせる。このとき、
図17に示されるように、上段パーティション2の手摺り側縦枠材4の手摺り側開口溝4b及び窓側縦枠材5の窓側開口溝5bをそれぞれ前記スライドロック材27及びピン部材30に係合させながらスライドさせる。また、手摺り側支持部材15の上端部においても、
図18に示されるように、手摺り側縦枠材4の手摺り側開口溝4bを固定ボルト22の頭部に係合させる。これによって、上段パーティション2が風に煽られることなく安全に取り付けできるようになる。
【0059】
前記上段パーティション2を手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16の上端部までスライドさせたなら、上段パーティション2を手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16に固定する(
図16)。窓側支持部材16への固定は、
図19に示されるように、上段パーティション2の窓側縦枠材5の外側にカバー材31を配置して、前記窓側支持部材16、窓側縦枠材5及びカバー材31を一体的に貫通する固定ボルト25を取り付けることにより行う。また、手摺り側支持部材15への固定は、
図19に示されるように、手摺り側縦枠材4の下端部に設けられるブラケット17の係合側ブラケット19を取付け、ブラケット17及び手摺り側縦枠材4を貫通するボルト・ナット17aを取り付けることにより行う。なお、前記上段パーティション2の固定の際、上段パーティション2がずり落ちないように、施工治具などによって上段パーティション2の自重を保持しながら作業を行うのが好ましい。
【0060】
前記カバー材31は、前記上段パーティション2の配置区間における前記窓側支持部材16の窓側壁面BWから突出する部分とほぼ同じ形状に形成された板材である。このカバー材31は、上段パーティション2の配置区間と、下段パーティション3の配置区間とにそれぞれ設けられている。
【0061】
しかる後、
図20に示されるように、前記上段パーティション2の下側に下段パーティション3を嵌め込み、同様にして手摺り側支持部材15及び窓側支持部材16に固定する。
【0062】
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、第1係合部材としてスライドロック材27を用い、第2係合部材としてピン部材30を用いていたが、第1係合部材としてピン部材30を用い、第2係合部材としてスライドロック材27を用いてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…ベランダ用間仕切り、2…上段パーティション、3…下段パーティション、4…手摺り側縦枠材、5…窓側縦枠材、6・7…横枠材、8…パネル、9…手摺り側縦枠材、10…窓側縦枠材、11・12…横枠材、13…パネル、15…手摺り側支持部材、16…窓側支持部材、17…ブラケット、18…固定側ブラケット、19…係合側ブラケット、20…固定金具、23…嵌合部材、27…スライドロック材、28…ロック用延出部、30…ピン部材、31…カバー材