(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】りんご飴及びりんご飴の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23G 3/00 20060101AFI20220518BHJP
A23G 3/48 20060101ALI20220518BHJP
A23G 3/54 20060101ALI20220518BHJP
A23G 3/56 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
A23G3/00
A23G3/48
A23G3/54
A23G3/56
(21)【出願番号】P 2020074449
(22)【出願日】2020-04-18
【審査請求日】2021-07-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年4月20日に西武池袋本店の催事で発明したりんご飴を販売
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520099081
【氏名又は名称】株式会社ポムダムール
(74)【代理人】
【識別番号】100133547
【氏名又は名称】木戸 基文
(72)【発明者】
【氏名】池田 喬俊
【審査官】田ノ上 拓自
(56)【参考文献】
【文献】Candy Apples,instructables cooking, 2010年,p.1-11,検索日:2021年8月20日
【文献】Candy Apples,Heroes, Heroines, and History, 2018年,p.1-4,https://www.hhhistory.com/2018/07/candy-apples.html, 検索日:2021年8月21日
【文献】[移転]タテマチストリートのはりねずみカフェ「つんつん ぶんの りんご」がリニューアルオープン!,週末、金沢。, 2019年,p.1-12,https://www.weekend-kanazawa.com/entry/2019/06/17/090000,検索日:2021年8月20日
【文献】りんご飴が新食感スイーツに!?新宿「ポムダムールトーキョー」で衝撃の味わいを,るるぶ&more., 2018年,p.1-6,https://rurubu.jp/andmore/article/4014, 検索日:2021年8月20日
【文献】専門店のりんご飴,cocoの「ここだよー!」, 2016年,p.1-4,https://ameblo.jp/coco703love/entry-12217748386.html, 2021年8月20日
【文献】つやつやでパリパリの[りんごアメ]の作り方,すイエんサー, 2018年,p.1-4,https://www.nhk.or.jp/suiensaa-blog/koremade/302157.html, 2021年8月20日
【文献】[プチ 簡単りんご飴 いちご飴にも!] by さか子, 2009年,p.1-2,https://cookpad.com/recipe/922214, 検索日:2021年8月20日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 1/00-9/52
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
串刺しのりんごを、飴でコーティングしたりんご飴であって、
コーティングした甘味料としては砂糖のみからなる飴の表面に、粉状もしくは粒状のもの、又はその両方がまぶされていることを特徴とするりんご飴。
【請求項2】
串刺しのりんごを、飴でコーティングしたりんご飴の製造方法であって、
150℃~160℃まで銅鍋で加熱した甘味料としては砂糖のみからなる飴を、りんごに絡めてコーティングした串刺しのりんごを、湯気にくぐらせてから、コーティングした飴の表面に、粉状もしくは粒状のもの、又はその両方をまぶすことを特徴とするりんご飴の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、りんご飴(あめ)とりんご飴の製造方法に関し、特に飴が薄くてパリパリした食感のりんご飴であって、りんご飴の表面にシナモンやココアなどの粉状や、グラニュー糖など粒状のものをまぶしたりんご飴とそのりんご飴の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
りんご飴ではないものの、飴の表面に、水飴を主成分とする糖衣液を掛けてから、微粉末状の抹茶やハーブなどを糖衣したキャンデーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このキャンデーでは、飴の表面を微粉末状の抹茶やハーブなどで糖衣して、抹茶やハーブなどの素材が本来有する香りを味わえるようにしている。
【0003】
また、りんご飴ではないものの、水飴の表面に、か粒状や粉末状のぶとう糖などを付着させた粒状の調整ロイヤルゼリーが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この調整ロイヤルゼリーでは、水飴の表面をか粒状や粉末状のぶとう糖で覆って、調整ロイヤルゼリーがべたつかないようにしている。
【0004】
りんご飴としては、りんごの表面に、飴を絡めたものが一般に提供されている。この一般的なりんご飴では、砂糖と食紅に水を加えたものを火に掛けて煮詰めてから、りんごに絡ませるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-208529号公報(段落0009,0040)
【文献】特開平1-262761号公報(第2頁右上欄第13行-第19行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に係るキャンデーでは、飴の表面に糖衣液を掛けるようにしているところ、この技術をりんご飴に適用すると、糖衣液を掛けることによって、りんごをコーティングしている飴が流れてしまい、りんご飴の見た目が悪くなってしまう。
【0007】
また、前記特許文献1に係るキャンデーでは、水飴を主成分とする糖衣液を掛けるようにしているところ、この技術をりんご飴に適用すると、粘り気のある糖衣液を掛けることによって、りんごをコーティングしている飴がべたついてしまい、パリパリした食感の飴にならない。
【0008】
前記特許文献2に係る調整ロイヤルゼリーでは、水飴の表面をか粒状や粉末状のぶとう糖で覆うようにしているところ、この技術をりんご飴に適用すると、りんごをコーティングしている飴には水飴と異なって粘り気がないために、飴の表面にか粒状や粉末状のぶとう糖を振り掛けても付着しない。
【0009】
前記一般に提供されているりんご飴では、りんごに砂糖と水を煮詰めた飴を絡ませるようにしているところ、りんごをコーティングしている飴には粘り気がないために、りんご飴の表面に粉状や粒状のものを振り掛けても付着しない。
【0010】
また、前記一般に提供されているりんご飴は、お祭りや縁日の屋台で提供される定番メニューになっていて、お祭りや縁日の屋台で提供するための合理的な仕上がりでもあるために、その形や味を変えることなく提供され続けている。
【0011】
そこで、この発明では、前記した課題を解決し、薄くてパリパリした食感の飴の表面に、シナモンやココアなどの粉状や、グラニュー糖など粒状のものをまぶしたりんご飴を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明では、りんご飴の表面に、粉状もしくは粒状のもの、又はその両方をまぶすようにした。
【0013】
請求項2に係る発明では、150℃~160℃まで加熱した飴を、りんごに絡めてコーティングするようにした。
【0014】
請求項3に係る発明では、りんごに絡める飴を、銅鍋で加熱するようにした。
【0015】
請求項4に係る発明では、飴でコーティングした串刺しのりんごを、湯気にくぐらせてから、コーティングした飴の表面に、粉状もしくは粒状のもの、又はその両方をまぶすようにした。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、りんご飴の表面に、粉状もしくは粒状のもの、又はその両方をまぶすようにしたので、例えば、りんご飴の表面にシナモンやココアなどの粉状や、グラニュー糖など粒状のものをまぶして、りんご飴の味と見た目にバリエーションを与えることができる。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、150℃~160℃まで加熱した飴を、りんごに絡めてコーティングするようにしたので、飴が薄くてパリパリしたりんご飴を作ることができる。そのため、請求項2に係る発明によれば、りんご飴を食べたときにりんごと飴が一体化して、りんごを生のまま食べる以上においしく食べられるりんご飴を作ることができる。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、りんごに絡める飴を、銅鍋で加熱するようにしたので、銅鍋の熱伝導率の高さによって、飴を目標の温度に素早く加熱することができる。そのため、請求項3に係る発明によれば、飴を目標の温度に素早く加熱して、褐変などの劣化を防ぐことができる。
【0019】
また、請求項3に係る発明によれば、銅鍋は火加減にすぐに反応し、余熱の影響を受けにくいために、火を止めてから飴の温度が上がることがない。さらに、請求項3に係る発明によれば、銅鍋は熱がまんべんなく伝わるために、飴を均一な温度にムラなく加熱することができ、ガス火の炎が当たったところだけが極端に温度が上がることもない。加えて、請求項3に係る発明によれば、銅鍋は弱火でも全体に熱が回りやすいために、少ない量を加熱したり、加熱し直したりするときにも、弱火で素早く加熱することができる。このように、請求項3に係る発明によれば、飴を目標の温度に素早く、確実に加熱することができる。
【0020】
請求項4に係る発明によれば、飴でコーティングした串刺しのりんごを、湯気にくぐらせてから、コーティングした飴の表面に、粉状のものなどをまぶすようにしたので、霧吹きで霧状の水を吹き付けたときのように、りんごをコーティングしている飴が流れてしまうこともない。また、湯気には粘り気もないために、りんごをコーティングしている飴がべたつかず、飴のパリパリした食感が損なわれることもない。さらに、湯気には味もないために、りんご飴の味が変わることもない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】他の実施形態に係るりんご飴の斜視図である。
【
図3】他の実施形態に係るりんご飴の断面図である。
【
図4】(a)は実施形態に係るりんご飴の製造方法を説明する斜視図のうち、飴を加熱する工程の斜視図であり、(b)は飴をりんごに絡める工程の斜視図である。
【
図5】(a)は他の実施形態に係るりんご飴の製造方法を説明する斜視図のうち、湯気にくぐらせる工程の斜視図であり、(b)は別の湯気にくぐらせる工程の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず、この発明の創作の基礎となる事項について簡単に説明する。出願人は、日本初のりんご飴専門店「ポムダムールトーキョー」(商願2020-30719)を運営しており、おいしいりんご飴が食べられるということで、多くのりんご飴ファンに足を運んでいただいている。
【0023】
発明者は、出願人の代表取締役であり、お菓子としておいしいりんご飴を広めたいとの思いから、日本初のりんご飴専門店をオープンさせた。オープンのきっかけは、発明者がお祭りの屋台で食べたりんご飴に違和感を覚えたことで、りんご飴が見た目の美しさほどはおいしくなかったことであった。
【0024】
発明者は、りんご飴に覚えた違和感を正すことに使命を感じ、純粋にりんご飴の味と食感を追求し始めた。この発明は、りんご飴が見た目の美しさほどはおいしくないことを正したいという、発明者の使命感から創作されたものである。
【0025】
発明者は、りんご飴の味と食感を追求する中で、りんご飴のこれまでの在り方に疑問を感じ、りんご飴の真実を探求してきた。例えば、りんご飴はお祭りや縁日で屋台の定番メニューであることから、日本発祥のものと思われやすいところ、りんご飴はアメリカが発祥であり、欧米ではフルーツ菓子として、菓子職人の手によって作られていることに着目した。
【0026】
そして、発明者は、りんご飴は西洋に起源をもつ洋菓子であることから、和菓子のように職人の経験と勘に頼るのではなく、科学的なアプローチを取り入れることで、りんご飴をよりおいしくできると考えるようになった。
【0027】
そこで、発明者は、砂糖の状態が加熱温度によって様々に変化することに注目し、りんご飴を食べたときにりんごと飴が一体化するよう、薄くてパリパリした食感の飴にできれば、りんごを生のまま食べる以上においしく食べられるりんご飴を作れることを見いだし、この発明を創作するに至ったものである。
【0028】
また、発明者は、りんご飴の味と見た目にバリエーションを与えることができれば、りんご飴をお祭りや縁日の屋台で食べる非日常的なものではなく、他のお菓子のように、日常的に親しんでいただけることを見いだし、この発明を創作するに至ったものである。
【0029】
次に、この発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るりんご飴の斜視図である。
図1に示すように、りんご飴1は、串刺しのりんご2を、飴3でコーティングしたものであって、りんご2と、りんご2を覆う飴3と、りんご2に刺した串4とで構成されている。
【0030】
りんご2は、生の果実であり、水で洗って水気を拭き取ったものが用いられている。りんご2の品種は、時期に合わせておいしいものが選ばれ、ここでは、青森県産のサンふじである。
【0031】
飴3は、砂糖を加熱したものをりんご2に絡ませて、りんご2を覆うようにしたものである。ここでは、コーティングされた飴3の表面に、点々とクレーター状の気泡Bが浮き上がっている。気泡Bは、りんご2が新鮮な場合にでき、特に品種がふじの場合にできやすく、おいしいりんご飴を見分ける目印になるものである。
【0032】
串4は、先をとがらせた細い棒であり、ここでは、フランクフルトやアメリカンドッグなどに使われるドッグ棒と呼ばれるものである。串4は、りんご2の果柄S側から、その反対の萼(がく)側に向けて刺すことで、りんご2に触れることなく、りんご2を持てるようになっている。
【0033】
図2は、他の実施形態に係るりんご飴の斜視図である。
図2に示すように、他の実施形態に係るりんご飴1′は、りんご2を覆う飴3の表面に、粉状や粒状のものがまぶされている。ここでは、粉状や粒状のものは、シナモンCの粉末に細かい粒状のグラニュー糖Gを混ぜたシナモンシュガー5である。
【0034】
他の実施形態に係るりんご飴1′は、りんご2を覆う飴3の表面にシナモンシュガー5がまぶされていて、りんご飴の味と見た目にバリエーションを付けられる。
【0035】
図3は、他の実施形態に係るりんご飴1′の断面図である。
図3に示すように、他の実施形態に係るりんご飴1′は、りんご2を覆う飴3の表面に、シナモンシュガー5がまぶされている。ここでは、他の実施形態に係るりんご飴1′は、りんご2に完熟の証しの蜜Nが入っている。
【0036】
また、
図3に示すように、他の実施形態に係るりんご飴1′は、りんご2の萼側に、絡めた飴が垂れて固まった、いわゆる飴の耳31ができている。飴の耳31は、粘りの弱い飴をりんごに絡ませたときに大きくなりやすく、飴が薄くてパリパリした食感のおいしいりんご飴を見分ける目印になるものである。
【0037】
図4は、実施形態に係るりんご飴1の製造方法を説明する斜視図である。
図4の(a)は、飴を加熱する工程の斜視図であり、
図4の(b)は、飴をりんごに絡める工程の斜視図である。
【0038】
図4の(a)に示すように、飴を加熱する工程は、砂糖と水を入れた銅鍋6を火に掛けて、砂糖を薄くてパリパリの飴になる温度まで、具体的には150℃~160℃まで加熱する工程である。材料の分量は、砂糖100gに対して水24~30mlで、ここでは、砂糖が200g、水が60ml、食紅が適量である。
【0039】
図4の(a)に示すように、実施形態に係るりんご飴の製造方法は、飴を加熱する工程を、調理人の経験や勘に頼るのではなく、薄くてパリパリの飴になる温度に、温度計Tを使って調整するものである。ここでは、温度計Tを使って、飴の温度が153℃になったことを確認してから火を止めて、飴をりんごに絡める工程に進むものである。
【0040】
また、
図4の(a)に示すように、実施形態に係るりんご飴の製造方法は、飴を加熱する工程で、熱伝導率の高い銅鍋6を使うものである。そして、実施形態に係るりんご飴の製造方法は、銅鍋6を使うことで、飴3を150℃~160℃まで素早く、均一にムラなく加熱できる。また、銅鍋6は火加減にすぐに反応し、余熱の影響を受けにくいために、火を止めてから飴3の温度が上がることがなく、例えば、飴の温度が153℃になったことを確認してから火を止めれば、飴3の温度は160℃を超えない。さらに、銅鍋6は弱火でも全体に熱が回りやすいことから、少ない量を加熱したり、加熱し直したりするときにも、弱火で素早く加熱できる。
【0041】
ここで、薄くてパリパリの飴になる温度について説明すると、砂糖は加熱する温度によってその状態が変化し、シロップ状から、飴状、カラメル状と変化するものである。砂糖に水を加えた砂糖水は、無色透明のさらっとした液体であるところ、この砂糖水を実施形態に係るりんご飴の製造方法よりも低い、例えば140℃まで加熱すると、粘りのある大きめの泡が出て、薄い黄色になる。そして、この低い温度の飴をりんごに絡めると、飴の粘りが強いために、飴が分厚くなってしまう。また、この低い温度の飴では、やわらかく固まるために、飴が歯にくっつきやすくなってしまう。そのため、150℃よりも低い温度の飴をりんごに絡めると、コーティングした飴が分厚くなり、食べると飴の甘さが際立ってりんごと飴が一体化しない。また、コーティングした飴がやわらかくて歯にくっつきやすいため、かじるよりはなめる方が食べやすい。
【0042】
一方、実施形態に係るりんご飴の製造方法よりも高い、例えば160℃を超えるまで加熱した飴では、冷えて固まるとべっこう飴のように固くなってしまう。そのため、160℃を超えるまで加熱した飴をりんごに絡めてコーティングすると、コーティングした飴が固くてりんご飴をかじりにくく、かじれたとしてもりんごと飴が一体化しない。さらに、実施形態に係るりんご飴の製造方法よりもかなり高い、例えば165℃を超えるまで加熱した飴では、色が濃いオレンジ色から茶褐色になり、味も香ばしくなって、りんご飴の味と見た目を損ねてしまう。
【0043】
そして、砂糖水を実施形態に係るりんご飴の製造方法に定めた150℃~160℃まで加熱すると、粘りの弱い細かい泡が出て、黄色になる。この飴をりんごに絡めると、飴の粘りが弱いために、飴が分厚くならない。また、この温度の飴は、冷えて固まると、もろくてガラス状になるために、薄くてパリパリの、キラキラ光る飴になるものである。そのため、実施形態に係るりんご飴は、コーティングした飴が薄くてパリパリで、りんご飴をかじりやすい。例えば、実施形態に係るりんご飴は、りんごの芯を避けるように包丁でカットすると食べやすく、りんごと飴の一体化をより楽しめる。
【0044】
図4の(b)に示すように、飴をりんごに絡める工程は、串4を銅鍋6に対して斜めに差し入れ、手首と指先をひねってりんご2を一回転させて、飴3をりんご2に絡める工程である。このとき、りんご2を均一なスピードで一回転させることで、薄くて均一な厚さの飴になる。
【0045】
図5は、他の実施形態に係るりんご飴1′の製造方法を説明する斜視図である。
図5の(a)は、湯気にくぐらせる工程の斜視図であり、
図5の(b)は別の湯気にくぐらせる工程の斜視図である。
【0046】
図5の(a)に示すように、湯気にくぐらせる工程は、鍋Pで湯Wを沸かし、立ちのぼる湯気Stにりんご飴1をくぐらせるものである。ここで、実施形態に係るりんご飴1(
図1参照)は、りんご2をコーティングしている飴3に粘り気がないために、飴3の表面に粉状や粒状のものを振り掛けてもくっ付かないところ、りんご飴1を湯気にくぐらせて飴3に湿気を与えることで、飴3の表面に粉状や粒状のものが付きやすくなる。このとき、りんご飴1を湯気にくぐらせるだけなので、りんごをコーティングしている飴が流れてしまうこともない。また、湯気Stには粘り気もないために、りんごをコーティングしている飴がべたつかず、飴のパリパリ感が損なわれることもない。
【0047】
図5の(b)に示すように、別の湯気にくぐらせる工程は、鍋PをふたLで覆って湯気Stが逃げないようにして、りんご飴1を湯気にくぐらせるものである。別の湯気にくぐらせる工程は、湿度の低い季節や、飴をりんごに絡める工程に続いて、粉状や粒状のものをまぶすときなど、たっぷり湯気を当てたいときに適するものである。
【0048】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は前記実施形態には限定されない。例えば、実施形態に係るりんご飴1では、串4をドッグ棒と説明したところ、割り箸でも、フォークでも、手で持つことができればどのようなものでも構わない。
【0049】
また、実施形態に係るりんご飴1の製造方法では、温度計Tとしてデジタル温度計を図示したところ、アルコール棒温度計でも構わない。
【0050】
さらに、他の実施形態に係るりんご飴1′の製造方法では、鍋Pで湯Wを沸かし、立ちのぼる湯気Stにりんご飴1をくぐらせると説明したところ、電動蒸し器でも、電気ケトルでも、超音波加湿器でも、湯気が立てばどのようなものでも構わない。
【0051】
この発明において湯気とは、湯や水、氷などの表面から立ちのぼる水蒸気が小さな水滴となり、白く煙のように見えるものをいい、湯や熱いものから立ちのぼる水蒸気のほか、熱源を使わない水蒸気、例えば、超音波で発生させた水蒸気も含むものをいう。
【符号の説明】
【0052】
1 りんご飴
2 りんご
3 飴
4 串(ドッグ棒)
5 シナモンシュガー