(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】バケットコンベヤ
(51)【国際特許分類】
B65G 17/16 20060101AFI20220518BHJP
B65G 21/22 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
B65G17/16 B
B65G21/22 B
(21)【出願番号】P 2018037559
(22)【出願日】2018-03-02
【審査請求日】2021-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390015130
【氏名又は名称】エステック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡部 尚
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-023112(JP,U)
【文献】特開昭50-007277(JP,A)
【文献】実開平01-147315(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/16
B65G 21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤ本体と、環状体と、閉塞部と、回転伝達部とを具備し、
前記コンベヤ本体は、無端回転軌道に沿って無端回転すると共に、隣接するように配列された多数のバケットを備え、
前記環状体は、前記コンベヤ本体の回転軸と平行な回転軸を有する無端回転軌道に沿って無端回転するように、前記バケットの開口部側に配置され、
前記閉塞部は、前記環状体の内周に前記環状体の周方向に沿って複数配列された複数の閉塞杆を有し、
前記回転伝達部は、前記コンベヤ本体と前記環状体の外周のいずれか一方側に設けられた複数の嵌合部と、他方側に設けられ、前記嵌合部と向かい合って該嵌合部が嵌脱自在に嵌合する複数の受部とを有して、前記嵌合部の前記受部に対する嵌合時に前記コンベヤ本体の無端回転を前記環状体の無端回転として伝達するようにされ、
前記閉塞杆は、前記環状体の無端回転方向に沿う幅方向側の両面に、前記バケットの前記開口部に向かって落下する搬送物を前記開口部に案内する案内面を有し、前記環状体の前記回転軸と平行な軸方向を前記バケットの配列方向と交差する方向と平行として、隣り合う前記バケットの境部のピッチと同ピッチとすると共に、前記環状体の無端回転に伴って前記開口部側に移動した前記閉塞杆が、前記境部の直上で該境部を塞ぐように配置され
、
前記案内面には、落下する前記搬送物を前記閉塞杆の軸方向中央側に案内する案内傾斜面が備えられており、
前記案内傾斜面は、前記閉塞杆の軸方向両端部側から軸方向中央側に向かって低くなる方向に傾斜するように形成されていることを特徴とするバケットコンベヤ。
【請求項2】
前記閉塞杆は、前記軸方向の長さが、前記バケットの前記回転軸と平行な方向の前記境
部の全域以上の長さを有し、前記幅方向の形状が、前記環状体の内周で囲まれる内周空間
側を頂点とすると共に、前記環状体の前記内周を底辺とし、前記頂点から前記底辺へ向か
って末広がり方向に傾斜する前記案内面を有する形状にされ、前記底辺の幅が、前記環状
体の無端回転方向に沿う前記境部の幅と同等以上の幅にされていることを特徴とする請求
項1に記載のバケットコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のバケットが無端状に連結されて無端回転するバケットコンベヤに関し、バケットコンベヤの搬送動作の無端回転中に搬送物が投入される機能を有するバケットコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
搬送時の無端回転中に搬送物が投入されるバケットコンベヤは、特許文献1に記載されているように、搬送動作時にバケットの上方から搬送物がバケット内に投入されると共に、搬送物の投入時に搬送方向で隣り合うバケット同士の隙間からの搬送物のこぼれ落ちを防止できるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のバケットコンベヤは、隣り合うバケットの縁にフランジが設けられており、このフランジが上下でオーバーラップしていることで、バケット同士の隙間が塞がれて搬送物のこぼれ落ちを防止できるようになっている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、投入される搬送物の一部が隙間を塞いでいるフランジ上に載るが、フランジ上に載った搬送物が、搬送時の振動や勢いでバケット外にこぼれ落ちてしまうという問題があった。
【0006】
また、フランジがないバケットを備えたバケットコンベヤにあっては、バケット間の隙間を避けてバケットに投入できるように、電気信号によりタイミングを合わせて開閉するシャッタや回転する間歇フィーダを設けている。
【0007】
しかしながら、シャッタや間歇フィーダによって、搬送物のこぼれ落ちを防止する方式では、バケットの位置と投入のタイミングが搬送物の種類や量によって異なるため、その調整が面倒であった。
【0008】
また、搬送動作の機械的な誤差や電気信号の集積誤差で、タイミングにずれが生じた場合には、バケット間の隙間を含む部位に搬送物が投入され、隙間から搬送物がこぼれ落ちてしまうことがあるため、搬送動作中のタイミングのずれの検知、ずれが生じた場合の調整という面倒な作業を要していた。
【0009】
すなわち、現在では、容易な構造で搬送物のこぼれ落ち防止性能を高めたバケットコンベヤが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明は、下記の手段を採用した。
【0011】
コンベヤ本体と、環状体と、閉塞部と、回転伝達部とを具備し、前記コンベヤ本体は、無端回転軌道に沿って無端回転すると共に、隣接するように配列された多数のバケットを備え、前記環状体は、前記コンベヤ本体の回転軸と平行な回転軸を有する無端回転軌道に沿って無端回転するように、前記バケットの開口部側に配置され、前記閉塞部は、前記環状体の内周に前記環状体の周方向に沿って複数配列された複数の閉塞杆を有し、前記回転伝達部は、前記コンベヤ本体と前記環状体の外周のいずれか一方側に設けられた複数の嵌合部と、他方側に設けられ、前記嵌合部と向かい合って該嵌合部が嵌脱自在に嵌合する複数の受部とを有して、前記嵌合部の前記受部に対する嵌合時に前記コンベヤ本体の無端回転を前記環状体の無端回転として伝達するようにされ、前記閉塞杆は、前記環状体の無端回転方向に沿う幅方向側の両面に、前記バケットの前記開口部に向かって落下する搬送物を前記開口部に案内する案内面を有し、前記環状体の前記回転軸と平行な軸方向を前記バケットの配列方向と交差する方向と平行として、隣り合う前記バケットの境部のピッチと同ピッチとすると共に、前記環状体の無端回転に伴って前記開口部側に移動した前記閉塞杆が、前記境部の直上で該境部を塞ぐように配置され、前記案内面には、落下する前記搬送物を前記閉塞杆の軸方向中央側に案内する案内傾斜面が備えられており、前記案内傾斜面は、前記閉塞杆の軸方向両端部側から軸方向中央側に向かって低くなる方向に傾斜するように形成されていることを特徴とするバケットコンベヤにしたことである。
【0012】
前記閉塞杆は、前記軸方向の長さが、前記バケットの前記回転軸と平行な方向の前記境部の全域以上の長さを有し、前記幅方向の形状が、前記環状体の内周で囲まれる内周空間側を頂点とすると共に、前記環状体の前記内周を底辺とし、前記頂点から前記底辺へ向かって末広がり方向に傾斜する前記案内面を有する形状にされ、前記底辺の幅が、前記環状体の無端回転方向に沿う前記境部の幅と同等以上の幅にされていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る第1実施形態のバケットコンベヤの全体図である。
【
図5】(a)~(c)は、閉塞杆の他の形態を示す側面図である。
【
図6】本発明に係る第2実施形態のバケットコンベヤの要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る第1実施形態のバケットコンベヤAを
図1~
図5に基づいて説明する。
【0016】
バケットコンベヤAは、
図1に示すように、搬送物Bを低所から高所へ搬送するように、水平搬送と垂直搬送とを交互に行うようにされた連続バケットコンベヤである。
【0017】
具体的には、駆動スプロケットA1と、複数の従動スプロケットA2と、駆動スプロケットA1と従動スプロケットA2とにわたり巻回されたローラチェーンA3と、ローラチェーンA3に沿って無端状となるように、このローラチェーンA3に連結された多数のバケット10とを備えたコンベヤ本体1を備えたものであり、駆動スプロケットA1の駆動を、ローラチェーンA3を介して従動スプロケットA2に伝達するようにされている。
【0018】
尚、以下では、
図1において、駆動スプロケットA1、及び従動スプロケットA2の軸(回転軸)方向を左右とし、バケット10の無端回転におけるコンベヤ本体1の水平搬送部での搬送方向(矢印方向)を前、非搬送方向を後とし、コンベヤ本体1の低所側の水平搬送部100側を下、高所側の水平搬送部101側を上として説明する。
【0019】
バケットコンベヤAは、コンベヤ本体1の低所側の水平搬送部100の上側において供給される搬送物Bが、搬送物案内部A4に設けられた搬送物投入口A40からバケット10に投入され、ローラチェーンA3の回動によってバケット10が、低所側での水平搬送から従動スプロケットA2で方向変換されて垂直搬送部102での垂直搬送に切り替わると共に、垂直搬送から方向変換されて水平搬送部101での水平搬送に切り替わり、且つ水平搬送部101側でバケット10を反転させることで、バケット10内の搬送物Bを排出するようにされている。
【0020】
尚、バケットコンベヤAは、例示する連続バケットコンベヤに限らず、前後方向で隣り合うバケット10の縁に、互いにオーバーラップするようにフランジが設けられたピボットコンベヤも含まれる。
【0021】
バケットコンベヤAには、搬送物投入口A40から落下する搬送物Bを隣り合うバケット10に振り分けると共に、隣り合うバケット10同士の境部T(
図2、
図4参照)を閉塞する複数の閉塞杆3Aからなる閉塞部3を備えた環状体2が備えられている。
【0022】
環状体2は、コンベヤ本体1の水平搬送部100の上面側に位置するバケット10の上方に配置されている。
【0023】
環状体2は、駆動スプロケットA1及び従動スプロケットA2の回転軸と平行な回転軸を有する4個のスプロケット2Bにローラチェーン2Aを巻回したものであり、
図1において、前後方向に長い長方形を呈するようにスプロケット2Bを配置して形成されている。
【0024】
環状体2は、回転伝達部4を介してローラチェーンA3の無端回転に連動して無端回転するようにされており、ローラチェーンA3の無端回転中において環状体2が無端回転するようになっている。
【0025】
ローラチェーン2AとローラチェーンA3とは、
図2、
図3に示すように、ローラチェーン2Aの外周20とローラチェーンA3の外周A31とが上下方向で正対するように配置されていると共に、
図3に示すように、夫々左右一対として配置されている。
【0026】
図3に示すように、左右のローラチェーン2Aにわたって閉塞杆3Aが架設され、
図2、
図3に示すように、ローラチェーン2AとローラチェーンA3とにわたって回転伝達部4が設けられている。
【0027】
ここで搬送物案内部A4は、一方のローラチェーン2A(図示において右側のローラチェーン2A)の外側部21方向から、このローラチェーン2Aの内周22を径方向から貫通するように配置されている。
【0028】
閉塞部3は、閉塞杆3Aによって、隣接するバケット10同志の間で生じる境部Tを閉塞し、搬送物投入口A40から供給される搬送物Bが、境部Tに載ってしまうことや、境部Tの隙間Sから機外にこぼれ落ちないようにするためのものであると共に、落下する搬送物Bを隣接するバケット10の開口部10Aに振り分けるように案内するものである。
【0029】
ここで境部Tは、
図4に示すように、隣接するバケット10同士の縁面10B及び前述の隙間Sを含む範囲であり、この境部Tの範囲は、バケット10の縁面10Bの前後幅や隙間Sの前後幅に応じて変更される。
【0030】
以下、閉塞部3の具体的な構成及び回転伝達部4の具体的な構成を説明する。
【0031】
閉塞部3は、
図1及び
図2に示すように、複数の閉塞杆3Aを有し、これら閉塞杆3Aが、
図3に示すように、左右のローラチェーン2Aの内側部23の夫々に取り付けられたチャンネル3Cにおける内周22側の面同士にわたって、ローラチェーン2Aの内周22に沿うと共に、バケット10をまたぐように取り付けられている。
【0032】
閉塞杆3Aは、隣り合う閉塞杆3Aのピッチが、ローラチェーン2Aの内周22に沿って、互いに同ピッチ、且つ隣り合う境部Tのピッチと同ピッチとして並べられており、回転伝達部4によるローラチェーン2Aの無端回転に伴って、バケット10とともに移動するようにされている。
【0033】
閉塞杆3Aは、水平搬送部100において、境部Tの直上に位置した状態を保ちながら、バケット10の移動に伴う境部Tの移動に伴って移動するように設定されている。
【0034】
閉塞杆3Aは、軸長がバケット10の左右幅よりも長い側面三角形状の三角棒形状に形成されており、側面視において、環状体2で囲まれた環状体2の内周空間2S側を頂点30Aとすると共に、内周部側を底辺31Aとし、前後方向の斜面を案内面32Aとして配置され、
図3に示すように軸方向を境部Tの左右方向に沿わせるように配置されている。
【0035】
閉塞杆3Aの底辺31Aの幅(前後方向の幅)は、
図4に示すように、境部Tの前後幅よりも大幅に形成されており、閉塞杆3Aの底辺31Aの幅及び閉塞杆3の軸長によって、境部Tの全域を閉塞できるようになっている。
【0036】
閉塞杆3Aは、搬送物供給口A40から落下する搬送物Bがバケット10に向かうときに、
図2に示すように、閉塞部3の頂点30Aから底辺31A側に向かう前後の案内面32Aに案内されて、境部Tを境とする前後のバケット10に振り分けて投入される。
【0037】
すなわち、このような閉塞部3によって、落下する搬送物Bを、境部T上に残留させることなく、しかも、境部Tの隙間Sからこぼれ落とすことなくバケット10に案内しながら投入することができる。
【0038】
閉塞杆3Aの側面形状は、落下する搬送物Bを隣り合うバケット10に振り分けるように案内し、境部T上に残留させないようにすることができる形状であれば、例示した側面三角形状以外の形状としてもよく、例えば、三角形の頂点を円弧状とした形状(
図5(a))、側面半円形状(
図5(b))、側面弾頭形状(
図5(c))等が挙げられる。
【0039】
回転伝達部4は、ローラチェーン2Aの外周20から外方に突設された嵌合部4Aと、ローラチェーンA3に確保された受部4Bとを備えている。
【0040】
回転伝達部4は、ローラチェーンA3の無端回転中に、嵌合部4Aが受部4Bに嵌合することによって、ローラチェーンA3の無端回転をローラチェーン2Aの無端回転として伝達するようにされている。
【0041】
嵌合部4Aは、
図3に示すように、ローラチェーン2Aの外側部21に取り付けられたアングル3Dと内側部23に取り付けられたチャンネルCにわたって、ローラチェーン2Aをまたぐように固着されており、閉塞部3とローラチェーン2Aを挟んで向かい合うと共に、閉塞部3と同数、且つ同ピッチとなるように配置されている。
【0042】
嵌合部4Aは、例えば、駆動スプロケットA1及び従動スプロケットA2の歯と同様の形状を有する突起物であり、ローラチェーンA3に嵌合するようにされている。
【0043】
受部4Bは、
図2、
図3に示すように、ローラチェーンA3に対して駆動スプロケットA1及び従動スプロケットA2の歯が嵌合する隙間であり、この隙間を利用して受部4Bとし、この受部4Bに嵌合部4Aが嵌合するようにされている。
【0044】
このような回転伝達部4によると、ローラチェーン2AとローラチェーンA3とが上下で対向した範囲において、嵌合部4Aが受部4Bに嵌合しており、この嵌合によって、ローラチェーンA3の無端回転をローラチェーン2Aに伝達すると共に、ローラチェーン2Aを無端回転させることができる。
【0045】
また、ローラチェーン2AとローラチェーンA3とが対向した範囲外においては、嵌合部4Aが受部4Bから脱出しており、ローラチェーン2Aの無端回転に伴って回転方向に沿って移動することで、ローラチェーンA3の前方側で嵌合部4Aを受部4Bから脱出させることができると共に、ローラチェーンA3の後方側で嵌合部4Aを受部4Bに嵌合させることができる。
【0046】
尚、回転伝達部4の嵌合部4Aと受部4Bとの配置形態は、例示した形態に限らず、ローラチェーンA3側に嵌合部4Aを設け、ローラチェーン2A側に受部4Bを設けた形態としてもよい。
【0047】
以上の構成とするバケットコンベヤAによると、搬送物Bの搬送動作において、無端回転するローラチェーンA3に伴って途切れることなく連続して移動するバケット10に対して、搬送物Bが連続的に投入される。
【0048】
搬送物Bがバケットに投入されているとき、ローラチェーンA3の無端回転が回転伝達部4を介して環状体2に伝達され、ローラチェーンA3の無端回転に伴って環状体2が無端回転する。
【0049】
環状体2が無端回転しているとき、ローラチェーン2AとローラチェーンA3とが上下で対向する範囲において、閉塞杆3Aが境部Tの直上に位置した状態を保ちながら、バケット10の移動に伴う境部Tの移動に伴って移動する。
【0050】
すなわち、連続して移動するバケット10に対して連続的に搬送物Bを投入しても、閉塞杆3Aによって境部Tが閉塞されているので、搬送物Bを機外にこぼすことなく隣り合うバケット10に案内して投入することができる。
【0051】
また、閉塞杆3Aが、境部Tの左右幅及び前後幅の全域を隠すと共に、上方を頂点30Aとし、下方を底辺31Aとする側面三角形状に形成され、前後方向の斜面を案内面32Aとしているので、投入される搬送物Bを境部T上に残さず、隣り合うバケット10にスムーズに案内して投入することができる。
【0052】
また、回転伝達部4は、ローラチェーン2Aに設けられた嵌合部4Aと、ローラチェーンA3に設けられた受部4Bとの嵌合という簡単な方法で、バケット10を搬送動作させるローラチェーンA3の無端回転を、ローラチェーン2Aに対して途切れさせることなく伝達することができる。
【0053】
したがって、容易な構造で搬送物のこぼれ落ち防止性能を高めたバケットコンベヤAを提供することができる。
【0054】
次に、本発明に係る第2実施形態のバケットコンベヤA′を
図6、
図7に基づいて説明する。尚、第1実施形態のバケットコンベヤAと重複する部位の説明については、図面に同符号を付すことによって省略する。
【0055】
バケットコンベヤA′は、案内面32Aに、落下する前記搬送物Bを、閉塞杆3Aの左右方向の中央側に案内する案内傾斜面33Aが備えられている。
【0056】
案内傾斜面33Aは、片側の案内面32Aの底辺31A側の縁から頂点30Aを経て、反対側の案内面32Aの底辺31A側の縁までの範囲で、閉塞杆3Aの外周から外方へ突出させた板状のものであり、閉塞杆3Aの左右の両端部側の頂点30Aから左右方向の中央側の底辺31Aに向かって傾斜するように形成されて左右対称となるように2か所設けられている。
【0057】
このような案内傾斜面33Aによって、
図3に示すように、図面上、搬送物案内部A4によって右方向から左方向へ斜め下方向に流れる際の勢いによる搬送物Bの左側から機外への飛び出しを防止すると共に、落下した搬送物Bを閉塞杆3Aの中央側に向けて案内することができる。
【0058】
例示した案内傾斜面33Aは、左右対称となるように2か所設けた形態としているが、本発明では、例示した形態に限らず、1か所の案内傾斜面33Aとした形態としてもよい。
【0059】
この1か所の案内傾斜面33Aとした形態の場合、搬送物案内部A4の搬送物供給口A40と向かい合う方向に案内傾斜面33Aを設けることが好ましい。
【0060】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0061】
また、前述の各実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0062】
A:バケットコンベヤ
B:搬送物
1:コンベヤ本体
2:環状体
3:閉塞部
4:回転伝達部
10:バケット
10A:開口部
20:外周
22:内周
2S:内周空間
3A:閉塞杆
30A:頂点
31A:底辺
32A:案内面
33A:案内傾斜面
4A:嵌合部
4B:受部4
T:境部