(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】含水パルプ系原料処理機
(51)【国際特許分類】
D21C 9/18 20060101AFI20220518BHJP
D21C 9/02 20060101ALI20220518BHJP
B01D 33/06 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
D21C9/18
D21C9/02
B01D33/06 D
(21)【出願番号】P 2018129921
(22)【出願日】2018-07-09
【審査請求日】2021-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】391011814
【氏名又は名称】株式会社大善
(74)【代理人】
【識別番号】100098936
【氏名又は名称】吉川 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100098888
【氏名又は名称】吉川 明子
(72)【発明者】
【氏名】井出 丈史
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-064186(JP,A)
【文献】特開昭60-099088(JP,A)
【文献】特開昭62-243896(JP,A)
【文献】特開昭49-006554(JP,A)
【文献】特開2017-080695(JP,A)
【文献】特開平01-097292(JP,A)
【文献】特表平03-505759(JP,A)
【文献】実開平05-027097(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B1/00-D21J7/00
B01D24/00-37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下を軸方向とし、軸周りに回転可能な多孔質の
円筒形回転ドラムと、前記回転ドラムの軸中心に配置され、前記回転ドラム内で外方に張り出すように下側には撹拌羽根が上側には搬送用スクリュー羽根がそれぞれ取り付けられ、前記回転ドラムと逆方向に軸周りに
且つ前記回転ドラムより高速で回転
する回転シャフトと、前記回転ドラムに向けて外側からノズルを利用して高圧水を噴射する水噴射手段とを備え、前記回転ドラムに投入された含水パルプ系原料由来の廃液が前記回転ドラムの多数の孔から排出されて濾過排水機能が実現される、含水パルプ系原料の処理機において、
前記回転ドラムはパンチングメタルで構成され、その孔は断面円形で内方から外方に向かって拡径されてテーパ状になっており、内方端の孔径寸法が0.1~0.6mmであ
り、
前記水噴射手段のノズルは多数の噴射孔が形成されたシャワーノズルで構成され、上下方向に移動しながら高圧水を噴射することを特徴とする含水パルプ系原料処理機。
【請求項2】
請求項1に記載した含水パルプ系原料処理機において、
孔のテーパ角度(θ)が、1/15≦tanθ≦1/5を満たすことを特徴とする含水パルプ系原料処理機。
【請求項3】
請求項1または2に記載した含水パルプ系原料処理機において、
外方端の回転ドラム表面積に対して開孔率が15~35%を満たすことを特徴とする含水パルプ系原料処理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷紙等の各種古紙を再利用する際の最終的な脱墨処理や、濃度の低い製紙排水に含まれる有効繊維分の選択的な回収処理に利用できる含水パルプ系原料処理機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
印刷紙等の各種古紙を再利用するときには、薬剤を利用して脱墨処理するが、更に、100%近くまで脱墨処理したい場合や薬剤の量を減らしたい場合には、特許文献1に記載の縦型濃縮洗浄機を使用した追加の洗浄処理が提案されている。
この縦型濃縮洗浄機は実機化されており、パンチングメタルで構成された回転ドラムの内面への内張りにより金網が回転可能に円筒形に保持され、その内部に撹拌羽根や搬送用スクリュー羽根が配設されており、処理原料を投入し、金網側と撹拌羽根側とを軸周りに逆方向に回転させると、揉み洗いが行われ、金網の網目から濾液が排出されて脱水されるようになっている。
回転ドラムをパンチングメタルだけで構成すると、パンチ孔がある程度のサイズになるため、そこから有効繊維分のパルプが濾液と共に排出されてしまい、一方、金網だけで構成すると、回転ドラムの強度を維持することが難しかったため、上記の構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の縦型濃縮洗浄機では、金網と撹拌羽根等が互いに逆方向に軸周り回転するようになっており、格段の揉み洗い効果が確認されている。
その一方で、金網のワイヤーの交差部にパルプが引っ掛かり易くなっている。一旦引っ掛かると、その後はその引っ掛かったパルプが基点となってパルプの絡み合いが次々と進行して、僅かな時間で目詰まりを起こしてマット状になってしまう。
そのため、引っ掛かりが確認されると、縦型濃縮洗浄機の操業を停止し、金網を清掃することになるが、上記した過酷な状況ではかかる面倒な清掃頻度が高くなるだけでなく、金網の耐久性が低下するので、装置寿命にも有意的な影響をもたらすことになる。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、金網に代えて、別の部材で金網と同等の濾過機能を担わせることで、揉み洗い効果をそのまま維持しつつ、上記の欠点を解消できる縦型濃縮洗浄機を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、試行錯誤の結果、金網の円筒保形及び軸周りの回転機能を担っていた回転ドラムの孔の形状に特徴を持たせることにより、撹拌羽根や搬送用スクリュー羽根の回転やノズルからの水噴射の作用が上手く生かされ、金網と同等の排水機能が得られ、その一方で絡みが発生し難く、金網の欠点が解消されること、すなわち濾過機能が長時間にわたって安定的に維持されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
製紙排水の有効繊維分の濃度が低いものは回収のしようがなく、排水処理設備にて製紙スラッジとなり、廃棄物として処分されていたが、上記の装置によれば、濾過排水機能が長時間にわたって連続的に安定的に維持されるだけでなく、濾過面に着目すれば、有効繊維分を選択的に回収できることが見出された。従って、上記のような製紙排水からの有効繊維分の回収に使用することもできる。
そのため、本発明の装置は、洗浄作用は意図せずに働くとしても、上記したように洗浄効果を目的としない用途での利用も考えられることから、特許文献1での「濃縮洗浄機」に代えて、「含水パルプ系原料処理機」と表現している。
【0008】
本発明の請求項1の発明は、上下を軸方向とし、軸周りに回転可能な多孔質の円筒形回転ドラムと、前記回転ドラムの軸中心に配置され、前記回転ドラム内で外方に張り出すように下側には撹拌羽根が上側には搬送用スクリュー羽根がそれぞれ取り付けられ、前記回転ドラムと逆方向に軸周りに且つ前記回転ドラムより高速で回転する回転シャフトと、前記回転ドラムに向けて外側からノズルを利用して高圧水を噴射する水噴射手段とを備え、前記回転ドラムに投入された含水パルプ系原料由来の廃液が前記回転ドラムの多数の孔から排出されて濾過排水機能が実現される、含水パルプ系原料の処理機において、前記回転ドラムはパンチングメタルで構成され、その孔は断面円形で内方から外方に向かって拡径されてテーパ状になっており、内方端の孔径寸法が0.1~0.6mmであり、前記水噴射手段のノズルは多数の噴射孔が形成されたシャワーノズルで構成され、上下方向に移動しながら高圧水を噴射することを特徴とする含水パルプ系原料処理機である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載した含水パルプ系原料処理機において、孔のテーパ角度(θ)が、1/15≦tanθ≦1/5を満たすことを特徴とする含水パルプ系原料処理機である。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した含水パルプ系原料処理機において、外方端の回転ドラム表面積に対して開孔率が15~35%を満たすことを特徴とする含水パルプ系原料処理機である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の含水パルプ系原料処理機によれば、回転ドラムの孔が目詰まりしない濾過排水用の孔として働く。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態に係る含水パルプ系原料処理機の概略縦断面図である。
【
図2】
図1の含水パルプ系原料処理機の回転ドラムの詳細な構造を示す斜視図である。
【
図3】
図2のA-A断面の一部を示す断面図である。
【
図4】
図1のパンチ孔における作用のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態に係る含水パルプ系原料処理機Aについて、図面にしたがって詳細に説明する。
含水パルプ系原料には、既に薬剤により脱墨処理された段階の紙料や、製紙排水が含まれる。
【0016】
図1に示すように、含水パルプ系原料処理機Aは、縦型になっており、基台1の上に載置される。この含水パルプ系原料処理機Aでは、鋼板、例えばステンレススチール製の円筒ドラムケース2を軸方向を上下にして立設されている。
【0017】
この円筒ドラムケース2の内周側には、水噴射手段3として水供給管3Aが直立されており、この水供給管3Aにはシャワーノズル3Bが上下方向に直列で複数配置されている。いずれのシャワーノズル3Bも軸方向中心を向いている。水供給管3Aは周方向に間隔をあけて複数設置することも可能である。また、別の水噴射手段3’の水供給管3A’が直立方向に設けられている。このシャワーノズル3B’も上記したシャワーノズル3Bと同様に配置されている。但し、水供給管3A’は、水供給管3Aよりも短尺になっており、適宜な移動手段により矢印に示すように、上下方向に移動可能になっている。
【0018】
いずれの水噴射手段3、3’とも、噴射状態が広がるように、上記したように、シャワーノズル3B、3B’が1つ以上設けられている。
噴射圧力は、シャワーノズル3B、3B’とも、金網が設けられていないので、金網の耐久性を気にせず、特許文献1の縦型濃縮洗浄機を使用した場合よりも、高圧に設定可能になっている。具体的な数値は、高圧水は、一般的に、孔径0.7~1.5mmの噴射孔から、1.5~3MPaの圧力で水が噴射されて得られるものである。なお、この含水パルプ系原料処理機Aでは、下記のように回転ドラム4の寸法関係が提案されており、その寸法関係では、孔径1.0mmの噴射孔から、2.2MPaの圧力で水を噴射することが推奨される。
シャワーノズル3B、3B、3B‥‥は縦方向に並べられており、シャワーノズル3B’、3B’、3B’‥‥も縦方向に並べられている。噴射面積を広げるために、複数のノズルが設けられているが、いずれも縦方向に並べられているので、ノズルの数を減らすことができる。そのため、それぞれの噴射孔から高圧で水を噴射することが容易になっている。
【0019】
水供給管3A、3A’の内方に、回転ドラム(胴部)4が軸周りに回転可能に設けられている。この回転ドラム4は断面がほぼ真円の円筒形で、円筒ドラムケース2と同軸状に配置されている。水供給管3Aはシャワーノズル3Bから回転ドラム4全面に水を噴射できるように、回転ドラム4の高さ方向のほぼ全長にわたって対向している。また、水供給管3A’はシャワーノズル3B’から回転ドラム4全面に水を噴射できるように、回転ドラム4の高さ方向のほぼ全長にわたって上下移動可能になっている。
【0020】
回転ドラム4はステンレススチール製になっており、パンチングメタルで構成されている。多数のパンチ孔4aは、いずれも、断面がほぼ真円の丸孔で内方から外方に向かって周方向に均等に拡径されてテーパ状になっている。そして、
図2、
図3に示すように、内方端の孔径寸法(IR)が0.1~0.6mmの範囲内になっている。有効繊維は、0.1mm以上であるが、これよりも大きい孔径寸法が許容されており、現在の孔開け加工の技術で十分に対応できるものになっている。
【0021】
テーパ角度(θ)は、1/15≦tanθ≦1/5を満たす範囲内になっている。角度(°)に換算すると、3~12°程度であり、図面では視認の便宜のために角度が実際よりも極端に大きく描かれている。
回転ドラム4の厚さ寸法(T)は、強度等を考慮して、1.5mm前後が現時点では最適とされており、回転ドラム4のサイズ等により変更しようとも、極端に厚くしたり薄くしたりしなければ、上記のテーパ角度(θ)の範囲内で所望のテーパ効果が得られる。
また、この実施の形態では、外方端の回転ドラム表面積に対して開孔率が15~35%を満たすことが好ましい。この範囲内であれば、回転ドラム4の強度と排水効率の両方のバランスを最適化できる。
【0022】
この実施の形態では、推奨する一例の設計寸法として、厚さ寸法(T)は1.5mmであり、内方端の孔縁4bの孔径寸法(IR)は0.3mmであり、外方端の孔縁4cの孔径寸法(OR)は0.5mm、開孔率は25%が提案されている。
【0023】
回転ドラム4の内部には、その軸方向中心に、撹拌羽根5、搬送用スクリュー羽根6が取り付けられた回転シャフト7が立った状態で設けられている。回転シャフト7を中心とし、外方に張り出すように下側には撹拌羽根5が取り付けられ、上側には搬送用スクリュー羽根6が取り付けられている。撹拌羽根5の形状は、例えば扇風機の羽根と略同形状のものが有効である。回転シャフト7の軸周り回転により、撹拌羽根5、搬送用スクリュー羽根6も連れ回転する。
回転ドラム4と、回転シャフト7は逆方向に回転する。これまでの実験によれば、回転シャフト7を回転ドラム4より高速に回転させることが好ましいことが確認されている。
【0024】
回転ドラム4の下端側は、放射状に設けられた板状の支持部材12を介して基台1に回転可能に載せられている。回転ドラム4と基台1との境界はシール構造になっている。また、上端側にはドラム回転シリンダ28が取り付けられている。
また、回転シャフト7は筒状になっており、洗浄水用パイプ22により洗浄水が通水されて、給水口13から回転ドラム4内に給水できるようになっている。タイマー等を利用して、原料の濃度に合わせて給水を制御できる。製紙排水を処理する場合には、給水を停止したり少なくするなど、用途に応じた適切な操業が可能となっている。
【0025】
回転ドラム4の下方には、掃除用の排水口14が設けられ、円筒ドラムケース2の下方には常時開状態の排水口15が設けてある。回転ドラム4内には下方から原料が供給されるように原料供給管16が設けられている。この原料供給管16からは、脱墨処理を待つものや製紙排水等の含水パルプ系原料(以下「原料」と略記)が供給されることになる。
円筒ドラムケース2の上蓋17上に取り付けられたモータ架台18に、回転数可変なインバータ調整できる回転シャフト用サーボモータ19が設置されており、その駆動力がベルト・プーリー式の伝達機構を介して回転シャフト7に伝達されて、回転シャフト7が回転するようになっている。
【0026】
回転ドラム用モータ24も設置されており、その駆動力がベルト・プーリー式の伝達機構を介してドラム回転シリンダ28に伝達されて、ドラム回転シリンダ28に取り付けられた回転ドラム4が回転するようになっている。
このように回転シャフト7と回転ドラム4は、別々のモータにより互いに独立して駆動される。
【0027】
かき羽根29も設けられており、撹拌洗浄されて搬送用スクリュー羽根6によってパルプ濃度の高くなった原料が徐々に上昇すると、このかき羽根29によって排出口30より排出される。このかき羽根29は、放射状に複数枚、例えば6枚設けるものが最良である。
【0028】
含水パルプ系原料処理機Aを運転すると、原料は原料供給管16より回転する回転ドラム4の中に吐出供給され、回転ドラム4の回転と撹拌羽根5の逆回転により揉まれながら、遠心力により外側に飛ばされ脱水されるので、揉み洗い洗浄及び脱水の効果が得られる。また、並行して水を供給していれば、置換洗浄の効果も得られる。そのためパルプに付着した薬剤などが揉みほぐされ分離される。
廃液は回転ドラム4の多数のパンチ孔4aから排出され、原料は綺麗に洗浄され濃縮されながら搬送用スクリュー羽根6で回転ドラム4の中を上昇し、徐々に排出口30から排出される。
パンチ孔4aからは有効繊維分は排出されずに濾過機能が働く。
従って、原料を更に脱墨処理したい場合の洗浄だけでなく、製紙排水も含めた幅広い濃度範囲の原料に対する脱水による濃縮化にも積極的に利用できるようになっている。
【0029】
含水パルプ系原料処理機Aでは、上述したように、金網に代えて、パンチ孔4aに濾過排水機能を直接担わせており、上記した運転の際に発揮される特徴的な作用を、
図4、
図5にしたがって詳細に説明する。
含水パルプ系原料処理機Aの運転中においては、回転ドラム4内において、撹拌羽根5等の回転により乱流が発生しているので、意外なことに、パンチ孔4aの内方端の孔径寸法(IR)が有効繊維分のパルプPよりも大きくなっていても、所定の上限以下では、パルプPがそのパンチ孔4aから抜け出ることが阻止される。
図4のイメージ図では、パルプP1の移動軌跡を矢印で示しているが、これに示すように、有効繊維分のパルプP1はパンチ孔4aに向かった後に戻されるか、内方縁に引っ掛かってパンチ孔4a内に留まり、外には排出されない。
【0030】
図5のイメージ図に示すように、パルプP1、P2、P3、P4がパンチ孔4aの内方端側に留まり始めると、そこを基点として後続のパルプP5、P6がそこに向かって次々と堆積し始めるが、回転ドラム4が回転しているので、水噴射手段3、3’のシャワーノズル3B、3B’の対向箇所に着くと、そこで、シャワーノズル3B、3B’から高圧で噴射された水流(黒枠矢印)に叩かれる。パンチ孔4aがテーパ状になっているので、絡んだパルプPを水流が種々の方向から叩き易くなっており、「叩き効果」が有効に働く。従って、堆積によりマット状になる前に、パルプPをパンチ孔4aから取り除くことができる。
水噴射手段3’のシャワーノズル3B’は上下方向に移動できるので、水流が種々の位置から噴射されることになり、結果的に最適な位置で「叩き」を実行することが可能となっている。
【0031】
なお、シャワーノズル3B、3B’は、特許文献1に記載の装置でも備えられているが、目詰まりの剥ぎ取り用に設置される旨が記載されているように、パルプが堆積してマット状になって金網が目詰まりを起こしてしまった時に、一旦、装置を停止して、マット状になったパルプの堆積物に横から水流を当てて文字通り「剥ぎ取る」のに使用していた。
【0032】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
【実施例】
【0033】
パルプ30%、水分70%から成るものを離解機に注入し、清水(工業用水)を補充して、分解撹拌し、この分解撹拌されたものを圧送ポンプで従来公知のスクリーンに流入して、異物、雑物(特に比重の重いもの)を除去し、このスクリーンを経由したものを原料(パルプ1%、水分99%)として、本発明の含水パルプ系原料処理機Aで処理したところ、ほぼ100%近く脱墨化でき、且つ、パルプ7%、水分93%まで濃縮できた。
また、有効繊維分0.05%の製紙排水を、本発明の含水パルプ系原料処理機Aで処理したところ、有効繊維分が5%に上がったものを回収できた。
【符号の説明】
【0034】
A…含水パルプ系原料処理機
1…基台 2…円筒ドラムケース 3、3’…水噴射手段
3A、3A’…水供給管 3B、3B’…シャワーノズル
4…回転ドラム 4a…パンチ孔
4b…パンチ孔の内方端の孔縁 4c…パンチ孔の外方端の孔縁
5…撹拌羽根 6…搬送用スクリュー羽根 7…回転シャフト
12…支持部材 13…給水口 14…掃除用の排水口
15…排水口 16…原料供給管 17…上蓋
18…モータ架台 19…回転シャフト用サーボモータ
22…洗浄水用パイプ 24…回転ドラム用モータ 28…ドラム回転シリンダ
29…かき羽根 30…排出口
P…パルプ