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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】義歯の結合組立材
(51)【国際特許分類】
   A61C 8/00 20060101AFI20220518BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020184887
(22)【出願日】2020-11-05
(65)【公開番号】P2021112556
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2020-11-09
(31)【優先権主張番号】109101786
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520398043
【氏名又は名称】九齒大精工股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】特許業務法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】呉 文元
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05782918(US,A)
【文献】独国特許出願公開第102010060567(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第10333013(DE,A1)
【文献】特表平06-505645(JP,A)
【文献】特表2017-500135(JP,A)
【文献】特表2019-524384(JP,A)
【文献】特開2015-139705(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0668368(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
義歯の結合組立材であって、
第1本体(11)及び複数の弾性爪(12)を有し、複数の前記弾性爪(12)がリング状に配列されるように前記第1本体(11)の一端に接続され、隣接する前記弾性爪(12)の間にスロット(13)が設けられ、複数の前記弾性爪(12)が外側に突出する爪先端部(123)を有する第1結合部材(1)と、
第2本体(21)を有し、前記第2本体(21)に結合孔(22)が設けられ、前記結合孔(22)の側壁面にリング溝(221)が設けられ、前記結合孔(22)内に複数の前記弾性爪(12)が挿入され、複数の前記弾性爪(12)の爪先端部(123)が前記リング溝(221)と係合する第2結合部材(2)と、を含
拘束リング(3)をさらに含み、
前記拘束リング(3)は、前記第1結合部材(1)及び前記第2結合部材(2)の外面に設けられる、
義歯の結合組立材。
【請求項2】
前記第1本体(11)には、リング状凹溝(111)が設けられる、
請求項1に記載の義歯の結合組立材。
【請求項3】
前記第2本体(21)には、前記結合孔(22)の他方側に、ねじ(231)が設けられる延在部(23)が設けられる、
請求項1に記載の義歯の結合組立材。
【請求項4】
前記結合孔(22)の底部には、駆動部(222)が設けられる、
請求項3に記載の義歯の結合組立材。
【請求項5】
第3結合部材(4)をさらに含み、
前記第3結合部材(4)には、組付孔(41)及びボルト(42)が設けられ、
前記ねじ(231)は、前記組付孔(41)に結合され、
前記ボルト(42)は、人体骨格にロックされる、
請求項3に記載の義歯の結合組立材。
【請求項6】
複数の前記弾性爪(12)の外側末端には、案内面(122)が設けられる、
請求項1に記載の義歯の結合組立材。
【請求項7】
前記結合孔(22)は、テーパ孔として形成され、
前記第1結合部材(1)と前記第2結合部材(2)とが結合される過程において、複数の前記弾性爪(12)は、前記テーパ孔によって圧縮されて弾性変形する、
請求項6に記載の義歯の結合組立材。
【請求項8】
前記拘束リング(3)の外面には、複数のフランジ(32)が設けられる、
請求項に記載の義歯の結合組立材。
【請求項9】
複数の前記弾性爪(12)の外面には、接続面(121)が設けられ、
前記接続面(121)には、前記爪先端部(123)に接続される弧状面が形成される、
請求項1に記載の義歯の結合組立材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合組立材に関し、特に義歯用の結合組立材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
義歯は、主に可動式義歯と固定式義歯の二種類に分けられる。義歯を固定する手段には、ブレース、ブリッジ、金属バックルフック、磁石及びインプラントなどがある。
【0003】
ブリッジでは、主に三本以上連続的に配列された義歯の両端を健康な歯にはめることにより、義歯が受ける力を左右両側の実歯に分散させる。しかしながら、ブリッジによる義歯の装着では、接続された義歯が設けられるようにまず左右両端の健康な歯を研磨しなければならない。また、咀嚼や咬合により歯が力を受ける場合、接続された義歯の左右両端に歯が欠損した箇所が本来受ける必要がある力を分担させる必要がある。例えば、並列する五本の歯における中央の三本が欠損した歯である場合、左右二本の歯に五本の歯が受ける咬合力を分担させる必要があり、長期にわたると左右二本の歯及び歯槽骨に損傷を引き起こし、結果としてブリッジ義歯の配置は、本来健康な二本の歯に病変が生じることを引き起こしやすくする。
【0004】
上記ブリッジ義歯の問題を回避するために、別のやり方は、インプラント義歯である。インプラント義歯は、歯が欠損した箇所において歯槽骨にインプラント本体を埋め込み、次に完全な義歯が形成されるように義歯アセンブリをインプラント本体にロックする。インプラント義歯の大半は、固定式義歯であり、装着過程が複雑で煩瑣であり、清掃しにくく、取付や修理が容易ではないという欠点を有する。
【発明の概要】
【0005】
従来技術の欠点を改善するために、本発明は、係合式義歯の結合組立材を開発することを目的とし、少なくとも二つの分離可能又は結合可能な組立材によって本発明に係る義歯の結合組立材を形成する。
【0006】
そこで、本発明の目的は、取付が容易な義歯の結合組立体を提供することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、優れた結合強度を有する義歯の結合組立材を提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、実歯又はインプラントと結合することができる義歯の結合組立材を提供することにある。
【0009】
上記目的を達成するために、一実施例において、本発明に係る義歯の結合組立材は、第1結合部材と、第2結合部材とを含む。第1結合部材は、第1本体及び複数の弾性爪を有し、複数の前記弾性爪がリング状に配列されるように前記第1本体の一端に接続され、隣接する前記弾性爪の間にスロットが設けられ、複数の前記弾性爪が外側に突出する爪先端部を有する。第2結合部材は、第2本体を有し、前記第2本体に結合孔が設けられ、前記結合孔の側壁面にリング溝が設けられ、前記結合孔内に複数の前記弾性爪が挿入され、複数の前記弾性爪の爪先端部が前記リング溝と係合する。そして、弾性爪の爪先端部が前記リング溝に係合することにより、優れた結合強度が得られる。
【0010】
一実施例において、前記第1本体には、リング状凹溝が設けられる。これにより、義歯などの要素と強固に結合することができ、離脱しにくくなる。
【0011】
一実施例において、前記第2本体には、前記結合孔の他方側に、ねじが設けられる延在部が設けられる。これにより、インプラント本体と容易に結合することになる。
【0012】
一実施例において、前記結合孔の底部には、駆動部が設けられる。これにより、レンチなどの工具によって、第2本体を回転してロックするように駆動することができる。
【0013】
一実施例において、第3結合部材をさらに含み、前記第3結合部材には、組付孔及びボルトが設けられ、前記ねじは、前記組付孔に結合され、前記第3結合部材は、インプラント本体を形成し、前記ボルトによって、人体骨格にロックされる。
【0014】
一実施例において、複数の前記弾性爪の外側末端には、案内面が設けられる。案内面は傾斜面の原理を利用して弾性爪を結合孔にスムーズに滑り込ませることができる。
【0015】
一実施例において、前記結合孔は、テーパ孔として形成され、前記第1結合部材と前記第2結合部材とが結合される過程において、前記案内面は、前記テーパ孔によって圧縮されて弾性変形する。テーパ孔と案内面との組み合わせにより、弾性爪をより容易に結合孔にスムーズに滑り込ませることができる。
【0016】
一実施例において、拘束リングをさらに含み、前記拘束リングは、前記第1結合部材及び前記第2結合部材の外面に設けられる。拘束リングは、第1結合部材及び第2結合部材の外側スリーブを形成し、両者に半径方向のスイングを生じさせないようにすることができる。
【0017】
一実施例において、前記第1本体には、凹孔が設けられ、前記第2本体には、前記凹孔の位置に対応する突出ブロックが設けられる。
【0018】
一実施例において、前記第1本体には、雄ねじが設けられる。これにより、義歯などの要素とロックにより強固に結合することができ、離脱しにくくなる。
【0019】
一実施例において、前記第2本体の結合孔の底部には、貫通孔が設けられる。そして、貫通孔を設けることにより、第2本体を他の方法により他の要素又は歯と結合することができる。
【0020】
一実施例において、複数の前記弾性爪の外面には、接続面が設けられ、前記接続面には、前記爪先端部に接続される弧状面が形成される。そして、弧状の接続面がリング溝の開口角縁に係合するにより、摩擦力を増加することができる。
【0021】
一実施例において、前記拘束リングの外面には、複数のフランジが設けられ、これにより結合強度が高まる。
【0022】
一実施例において、プラグ部及びストッパ部を有する支持部材をさらに含み、前記第1結合部材には、貫通孔が設けられ、前記プラグ部は、前記貫通孔に結合され、前記ストッパ部は、複数の前記弾性爪の内側に位置する。
【0023】
一実施例において、前記ストッパ部と複数の前記弾性爪との間には、隙間が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施例の分解斜視図を示す。
図2】本発明の第1実施例の分解部分断面図を示す。
図3】本発明の第1実施例の組合せ過程の分解部分断面図を示す。
図4】本発明の第1実施例の組合せが完成した部分断面図を示す。
図5】本発明の第1実施例の組合せが完成した部分拡大図を示す。
図6】本発明の第1実施例の第1結合部材の端面図を示す。
図7】本発明の第2実施例の分解斜視図を示す。
図8】本発明の第2実施例の組合せの正面図を示す。
図9図8のA-A線に沿った断面図を示す。
図10】本発明の第3実施例の分解斜視図を示す。
図11】本発明の第4実施例の分解斜視図を示す。
図12】本発明の第5実施例の分解斜視図を示す。
図13】本発明の第6実施例の分解斜視図を示す。
図14】本発明の第6実施例の組合せの断面図を示す。
図15】本発明の第6実施例の組合せの部分拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の目的、特徴及び利点を明確に理解できるようにするために、以下では、本発明の好適実施例について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。以下の実施例は、本発明の可能な実施態様を説明するものであり、本発明の保護範囲を制限することを意図するものではない。
【0026】
図1図5を参照して、図1は本発明の第1実施例の分解斜視図を示す。図2は本発明の第1実施例の分解部分断面図を示す。図3は本発明の第1実施例の組合せ過程の分解部分断面図を示す。図4は本発明の第1実施例の組合せが完成した部分断面図を示す。図5は本発明の第1実施例の組合せが完成した部分拡大図を示す。
【0027】
一実施例において、本発明に係る義歯の結合組立材は、第1結合部材1と、第2結合部材2とを含む。前記第1結合部材1は、第1本体11及び複数の弾性爪12を有する。複数の前記弾性爪12がリング状に配列されるように前記第1本体11の一端に接続され、隣接する前記弾性爪12の間にスロット13が設けられる。複数の前記弾性爪12が外側に突出する爪先端部123を有する。前記第2結合部材2は、第2本体21を有する。前記第2本体21には、結合孔22が設けられ、前記結合孔22の側壁面には、リング溝221が設けられる。前記結合孔22内に複数の前記弾性爪12が挿入され、複数の前記弾性爪12の爪先端部123が前記リング溝221と係合する。このような構造によれば、優れた結合強度が得られる。
【0028】
第1結合部材1の材料は、高い強度及び適切な弾性の特性を有する必要があり、チタン金属又はその合金からなることが好ましいが、これに限定されない。前記第1結合部材1は、第1本体11及び複数の弾性爪12を有する。第1本体11は、円柱として形成されることが好ましく、図に示すような正円柱であってもよく、単一義歯の任意の回転を回避するために非正円の柱体として形成されてもよい。前記第1本体11には、リング状凹溝111が設けられることがより好ましい。リング状凹溝111は、第1本体11の外面に設けられるので、義歯などの要素と強固に結合することができ、離脱しにくくなる。例えば、第1本体11は、義歯に埋め込まれて義歯と一体構造を形成することができ、リング状凹溝111は、第1結合部材1が義歯から離脱しないことを確保することができる。
【0029】
複数の前記弾性爪12がリング状に配列されるように前記第1本体11の一端に接続され、隣接する前記弾性爪12の間にスロット13が設けられ、複数の前記弾性爪12が外側に突出する爪先端部123を有する。図6を参照して、図6は本発明の第1実施例の第1結合部材の端面図を示す。本実施例において、前記弾性爪12の数は、12個である。前記弾性爪12の数は、8~16個であることが好ましい。これにより、良好な強度及び適切な弾性が得られる。
【0030】
第2結合部材2の材料は、高い強度の特性を有する必要があり、チタン金属又はその合金からなることが好ましいが、これに限定されない。第2結合部材2は、少なくとも第2本体21を有し、前記第2本体21に結合孔22が設けられ、前記結合孔22の側壁面にリング溝221が設けられる。リング溝221が設けられる深さは、弾性爪12から爪先端部123までの距離に相当する。弾性爪12が結合孔22内に挿入されると、弾性爪12が結合孔22によって拘束されて弾性変形し、内側に曲がる(図3参照)。弾性爪12が結合孔22の底部まで挿入されると、第1本体11が第2本体21に接触するとともに、弾性爪12が弾性的にリセットされて外側に拡張し、爪先端部123がリング溝221に係合する(図4及び図5参照)。
【0031】
前記結合孔22内に複数の前記弾性爪12が挿入され、複数の前記弾性爪12の爪先端部123が前記リング溝221と係合する。弾性爪12の爪先端部123が前記リング溝221に係合することにより、このような構造は優れた結合強度を有する。
【0032】
複数の前記弾性爪12の外面には、接続面121が設けられ、前記接続面121には、前記爪先端部123に接続される弧状面が形成されることがより好ましい。弧状の接続面121がリング溝221の開口角縁(図5参照)に係合することにより、弧状の接続面121には、リング溝221の開口角縁に対して離脱方向におけるより大きな当接角度が形成され、摩擦力を増加ことができる。
【0033】
本実施例において、複数の前記弾性爪12の外側末端には、案内面122が設けられることが好ましい。案内面122は傾斜面の原理を利用して弾性爪12を結合孔22にスムーズに滑り込ませることができる。
【0034】
本実施例において、前記結合孔22は、さらにテーパ孔として形成され、前記第1結合部材1と前記第2結合部材2とが結合される過程において、前記案内面122は、前記テーパ孔によって圧縮されて弾性変形することがより好ましい(図3参照)。テーパ孔と案内面122との両者の傾斜面の組み合わせにより、弾性爪12をより容易に結合孔22にスムーズに滑り込ませることができる。
【0035】
本実施例において、前記第2本体21には、前記結合孔22の他方側に、ねじ231が設けられる延在部23が設けられることがより好ましい。ねじ231を設けることにより、インプラント本体と結合するのに便利である。
【0036】
本実施例において、前記結合孔22の底部には、駆動部222を設けることがより好ましい。駆動部222は、六角レンチ孔又はマイナス溝孔、プラス溝孔などであってもよい。これにより、レンチ、ドライバなどの工具によって、第2本体を回転させてロックするように駆動することができる。
【0037】
図7図9を参照して、図7は本発明の第2実施例の分解斜視図を示す。図8は本発明の第2実施例の組合せの正面図を示す。図9図8のA-A線に沿った断面図を示す。本実施例において、前記第1結合部材1及び前記第2結合部材2の構造は、前の実施例の構造と同じであり、拘束リング3又は第3結合部材4をさらに含むことができる。
【0038】
この実施例において、拘束リング3は、剛性の高い材料、例えばチタン金属若しくはその合金又はセラミック材料からなることが好ましいが、これに限定されない。前記拘束リング3は、前記第1結合部材1及び前記第2結合部材2の外面に設けられる。拘束リング3は、第1結合部材1及び第2結合部材2の外側スリーブを形成し、両者に半径方向のスイングを生じさせないようにするので、本発明によれば、より優れた横強度が得られる。
【0039】
拘束リング3の中心には、第1結合部材1及び第2結合部材2の外面に共通に設けることができる貫通孔31が設けられる。貫通孔31の直径は、第1結合部材1及び第2結合部材2の外径と同じであることが好ましく、強固に結合して拘束効果を形成することができる。
【0040】
拘束リング3の外面には、さらに複数のフランジ32が設けられてもよい。フランジ32は拘束リング3の外面に設けられるので、義歯などの要素と強固に結合することができ、離脱しにくくなる。例えば、拘束リング3は、義歯に埋め込まれて義歯と一体構造を形成することができ、フランジ32は、拘束リング3が義歯から離脱しないことを確保することができる。
【0041】
本実施例において、第3結合部材4をさらに含み、前記第3結合部材4には、組付孔41及びボルト42が設けられ、前記ねじ231は、前記組付孔41に結合され、前記ボルト42は、人体骨格にロックされてもよい。前記第3結合部材4は、インプラント本体を直接形成し前記ボルト42によって人体骨格にロックすることができる。組付孔41は、ねじ231がねじ込みより組付孔41に結合されるようにねじ孔を形成してもよい。
【0042】
図10を参照して、図10は本発明の第3実施例の分解斜視図を示す。本実施例において、第1実施例との違いは、前記第1本体11の外面に雄ねじ112が設けられてもよいことにある。雄ねじ112により他の義歯又はインプラント本体などの要素とロックにより強固に結合することができ、組付けやすく離脱しにくくなる。
【0043】
本実施例において、第1実施例との別の違いは、前記第2本体21の結合孔22の底部に貫通孔223が設けられることにある。貫通孔223は、第2本体21の底部を貫通する。貫通孔223を設けることにより、第2本体21を例えばねじなどの他の方法によって他の要素又は歯と結合することができる。
【0044】
図11を参照して、図11は本発明の第4実施例の分解斜視図を示す。義歯を任意に回転させないために、対向する要素と要素の間に回転防止手段を追加することができる。本実施例において、第1本体11には、凹孔14が追加で設けられ、第2本体21には、前記凹孔14の位置に対応する突出ブロック24が設けられてもよい。これにより、第1本体11が第2本体21に対して任意に回転することを回避することができる。
【0045】
図12を参照して、図12は本発明の第5実施例の分解斜視図を示す。同様に、義歯を任意に回転させないために、要素に回転防止手段を直接追加してもよい。本実施例において、前記第1本体11の頂部が長円形の非正円形状に設けられ、第1本体11が義歯の歯冠に埋め込まれると歯冠に対して回転しない。また、インプラント本体に回転防止手段が直接追加されてもよい。本実施例において、延在部23の下端が平坦でない鋸歯状に設けられ、結果として第2結合部材2の任意の回転を回避することができる。
【0046】
図13図15を参照して、図13は本発明の第6実施例の分解斜視図を示す。図14は本発明の第6実施例の組合せの断面図を示す。図15は本発明の第6実施例の組合せの部分拡大図を示す。第1結合部材1の複数の弾性爪12は、長年の使用後に材料疲労が生じる可能性があるため、結果として弾性爪12の剛性が低下し、咀嚼中に爪先端部123が不意にリング溝221から離脱し、義歯が脱落するおそれがある。このような状況の発生を防止するために、本実施例では、第1結合部材1に貫通孔15を設け、前記義歯の結合組立材は、支持部材5をさらに含み、前記支持部材5は、後退する弾性爪12を食い止めるために前記貫通孔15内に設けられる。
【0047】
本実施例において、前記義歯の結合組立材は、プラグ部51及びストッパ部52を有する支持部材5をさらに含み、前記第1結合部材1には、貫通孔15が設けられ、前記プラグ部51は、前記貫通孔15に結合され、前記ストッパ部52は、複数の前記弾性爪12の内側に位置することが好ましい。
【0048】
前記プラグ部51及び前記貫通孔15は、テーパ整合とすることが好ましいが、これに限定されない。
【0049】
前記ストッパ部52と複数の前記弾性爪12との間には、隙間が形成されることがより好ましい(不図示)。結果として、義歯を取り付ける過程では、依然として弾性爪12に適切な変形空間を保有させて弾性変形させることができる。ストッパ部52は、弾性爪12の内側に隙間をもって支持され、弾性爪12の変形量が前記隙間を超えると、ストッパ部52が後退することなく弾性爪12を支えることができ、義歯が不意に離脱することを防止する。
【0050】
上記実施例は、本発明の技術的思想及び特徴を説明するだけのものであり、その目的は、当業者が本発明の内容を理解し、それに応じて実施できるようにすることにある。これにより本発明の特許範囲を限定することはできない。本発明の趣旨及び明細書の内容に従ってなされた均等な変更又は修正は、いずれも本発明の特許範囲に含まれるべきものとする。
【符号の説明】
【0051】
1…第1結合部材
11…第1本体
111…リング状凹溝
112…雄ねじ
12…弾性爪
121…接続面
122…案内面
123…爪先端部
13…スロット
14…凹孔
15…貫通孔
2…第2結合部材
21…第2本体
22…結合孔
221…リング溝
222…駆動部
223…貫通孔
23…延在部
24…突出ブロック
231…ねじ
3…拘束リング
31…貫通孔
32…フランジ
4…第3結合部材
41…組付孔
42…ボルト
5…支持部材
51…プラグ部
52…ストッパ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15