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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-17
(45)【発行日】2022-05-25
(54)【発明の名称】コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/46 20060101AFI20220518BHJP
   H01R 13/516 20060101ALI20220518BHJP
【FI】
H01R13/46 301A
H01R13/516
H01R13/46 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017243505
(22)【出願日】2017-12-20
(65)【公開番号】P2019110082
(43)【公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-11-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
(72)【発明者】
【氏名】深澤 豪紀
(72)【発明者】
【氏名】久保 貴史
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03840839(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0311631(US,A1)
【文献】実開昭60-046671(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/46
H01R 13/516
H01R 24/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄コンタクトと、該雄コンタクトと雌コンタクトのうちの該雄コンタクトのみを収容した第1インナハウジングと、第1シール部材とを有し、該第1インナハウジングが、該第1シール部材を互いの間に挟んで互いに分離された第1前側ハウジングと第1後側ハウジングとからなる第1副組立体、および該雄コンタクトと組み合う雌コンタクトと、該雌コンタクトと雄コンタクトのうちの該雌コンタクトのみを収容した、前記第1インナハウジングと同一形状の第2インナハウジングと、前記第1シール部材と同一形状の第2シール部材とを有し、該第2インナハウジングが、互いの間に、該第2シール部材を互いの間に挟んで互いに分離された第2前側ハウジングと第2後側ハウジングとからなる第2副組立体のうちの該第1副組立体と、該第1副組立体および該第2副組立体のいずれをも収容可能な形状であって該第1副組立体が収容された第1アウタハウジングとを有する第1コネクタ、並びに
前記第2副組立体と、前記第1副組立体および該第2副組立体のいずれをも収容可能かつ前記第1アウタハウジングとは異形な形状であって該第2副組立体が収容された第2アウタハウジングとを有し、前記第1コネクタと組み合う第2コネクタを備えたことを特徴とするコネクタ組立体。
【請求項2】
前記第1アウタハウジングが、プラグハウジングおよびレセプタクルハウジングのうちの一方のアウタハウジングであり、前記第2アウタハウジングが、プラグハウジングおよびレセプタクルハウジングのうちの、該一方のアウタハウジングと組み合う他方のアウタハウジングであることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに組み合う2つのコネクタからなるコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、雌雄同形のコンタクトが互いに同形のハウジングに収容されて互いに組み合う2つのコネクタからなるコネクタ組立体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開WO2016/063377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上掲の特許文献1に開示されているコネクタ組立体の場合、雄コンタクトを備えたコネクタと雌コンタクトを備えたコネクタとの組合せであって、ハウジングと雌雄のコンタクトの組合せを変更したいユーザの要望には応えることができない。すなわち、一方のコネクタの外形が決まっていて、その一方のコネクタに、雄コンタクトを収容する必要がある用途と雌コンタクトを収容する必要がある用途との双方の用途に対応することは出来ない。例えば、電力供給側のコネクタには、指などが不用意に触れることがないように雌コンタクトを収容したいという要望がある。この場合において、一方のコネクタが電力供給側となる用途と、同じ外形の一方のコネクタが電力の供給を受ける側となる用途とがある場合とが存在する。このような場面では、上掲の特許文献1のコネクタ組立体では対応することはできない。一方、ハウジングの外形が同じであって、雄コンタクトを収容したコネクタと雌コンタクトを収容したコネクタとの2種類のコネクタを別途に設計・製造することも考えられる。しかし、その場合は、部品の種類が増加すると共に、コストアップとなるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、コネクタの外形を規定するハウジングと、そのハウジングに収容されるコンタクトとの組合せが自由な2つのコネクタからなるコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明のコネクタ組立体は
雄コンタクトと、該雄コンタクトと雌コンタクトのうちの該雄コンタクトのみを収容した第1インナハウジングと、第1シール部材とを有し、該第1インナハウジングが、該第1シール部材を互いの間に挟んで互いに分離された第1前側ハウジングと第1後側ハウジングとからなる第1副組立体、および該雄コンタクトと組み合う雌コンタクトと、該雌コンタクトと雄コンタクトのうちの該雌コンタクトのみを収容した、上記第1インナハウジングと同一形状の第2インナハウジングと、上記第1シール部材と同一形状の第2シール部材とを有し、第2インナハウジングが、互いの間に、第2シール部材を互いの間に挟んで互いに分離された第2前側ハウジングと第2後側ハウジングとからなる第2副組立体のうちの第1副組立体と、第1副組立体および第2副組立体のいずれをも収容可能な形状であって第1副組立体が収容された第1アウタハウジングとを有する第1コネクタ、並びに
上記第2副組立体と、第1副組立体および第2副組立体のいずれをも収容可能かつ上記第1アウタハウジングとは異形な形状であって第2副組立体が収容された第2アウタハウジングとを有し、上記第1コネクタと組み合う第2コネクタを備えたことを特徴とする。
ここで、本発明のコネクタ組立体において、上記第1アウタハウジングが、プラグハウジングおよびレセプタクルハウジングのうちの一方のアウタハウジングであり、上記第2アウタハウジングが、プラグハウジングおよびレセプタクルハウジングのうちの、該一方のアウタハウジングと組み合う他方のアウタハウジングであってもよい。
【0007】
本発明のコネクタ組立体の場合、コンタクトはインナハウジングに収容されている。そして、雄コンタクトを収容した第1インナハウジング(第3インナハウジング)および雌コンタクトを収容した第2インナハウジング(第4インナハウジング)のいずれもが、コネクタの外形を規定する第1アウタハウジング(第4アウタハウジング)および第2アウタハウジング(第3インナハウジング)のいずれにも収容可能である。したがって、本発明のコネクタ組立体の場合、外形を規定するハウジングと雌雄のコンタクトとの組合せが自由である。
【0010】
ここで、本発明の第2のコネクタ組立体において、第1副組立体乃至第4副組立体が、互いに同一形状のシール部材を備えていることが好ましい。
第1副組立体乃至第4副組立体がシール部材を備えることにより防水型のコネクタ組立体が実現する。また、そのシール部材を第1副組立体乃至第4副組立体のシール部材を同一形状とすることにより、部品の種類も減り、またアウタハウジングとの組合せも良好となる。

【発明の効果】
【0011】
以上の本発明によれば、コネクタの外形を規定するハウジングと、そのハウジングに収容されるコンタクトとの組合せが自由なコネクタ組立体が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態としてのコネクタ組立体を構成する第1コネクタ(A)と第2コネクタ(B)の斜視図である。
図2図1(A)に示す第1コネクタの正面図(A)、側面図(B)、および背面図(C)である。
図3図2(C)に示す、矢印A-Aに沿う断面図(A)および矢印B-Bに沿う断面図(B)である。
図4図1(B)に示す第2コネクタの正面図(A)、側面図(B)、および背面図(C)である。
図5図4(C)に示す、矢印A-Aに沿う断面図(A)および矢印B-Bに沿う断面図(B)である。
図6】嵌合状態にある第1コネクタおよび第2コネクタの断面図である。
図7】本発明の第2実施形態としてのコネクタ組立体を構成する第1コネクタ(A)と第2コネクタ(B)の斜視図である。
図8図7(A)に示す第1コネクタの正面図(A)、側面図(B)、および背面図(C)である。
図9図8(C)に示す、矢印A-Aに沿う断面図(A)および矢印B-Bに沿う断面図(B)である。
図10図7(B)に示す第2コネクタの正面図(A)、側面図(B)、および背面図(C)である。
図11図10(C)に示す、矢印A-Aに沿う断面図(A)および矢印B-Bに沿う断面図(B)である。
図12】第2実施形態における、嵌合状態にある第1コネクタおよび第2コネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1実施形態としてのコネクタ組立体を構成する第1コネクタ(A)と第2コネクタ(B)の斜視図である。
【0015】
図1(A)に示す第1コネクタ10は、プラグハウジング11と雄コンタクト12とを備えた構造のコネクタである。また、図1(B)に示す第2コネクタ20は、レセプタクルハウジング21と雌コンタクト22(例えば、図5を参照)とを備えた構造のコネクタである。これら第1コネクタ10と第2コネクタ20は、互いに組み合う2つのコネクタであって、それら第1コネクタ10と第2コネクタ20が、本発明の第1実施形態としてのコネクタ組立体を構成している。
【0016】
ここで、第1コネクタ10のプラグハウジング11は、本発明にいう第1アウタハウジングの一例に相当する。また、第2コネクタ20のレセプタクルハウジング21は、本発明にいう第2アウタハウジングの一例に相当する。あるいは、これとは逆に、プラグハウジング11およびレセプタクルハウジング21を、本発明にいう、それぞれ第2アウタハウジングおよび第1アウタハウジングの各一例に相当するハウジングであると捉えてもよい。
【0017】
これら第1コネクタ10と第2コネクタ20との嵌合にあたっては、第2コネクタ20の嵌合部211に設けられている突起212と第1コネクタ10の嵌合開口111に設けられているキー溝112とを位置合わせする。そして、その位置合わせの後に、第2コネクタ20の嵌合部211が第1コネクタ10の嵌合開口111との嵌合が完了する。すると、第1コネクタ10の雄コンタクト12の先端部が第2コンタクト20の雌コンタクト22と嵌合し、それら雄コンタクト12と雌コンタクト22が電気的に接続される。
【0018】
ここで、第2コンタクト20のレセプタクルハウジング21には、その後端部に鍔部213が設けられている。また、この鍔部213と嵌合部211との間には、ナット29の雌ねじ291(図5参照)と組み合う雄ねじ214(図4参照)が設けられている。これら鍔部213とナット29との間には不図示のパネルが挟まれ、この第2コネクタ20は、そのパネルに固定された状態で使用される構造となっている。ナット29とパネルとの間にはナット29の緩み防止用のワッシャ30(図4(B))参照)が配置されている。
【0019】
以下、この図1に示す、第1コネクタ10と第2コネクタ20とからなるコネクタ組立体について、さらに詳細に説明する。
【0020】
図2は、図1(A)に示す第1コネクタの正面図(A)、側面図(B)、および背面図(C)である。図2(C)には、図3に示す断面図の断面位置を表わす矢印A-A,B-Bが示されている。
【0021】
図3は、図2(C)に示す、矢印A-Aに沿う断面図(A)および矢印B-Bに沿う断面図(B)である。
【0022】
第1コネクタ10を構成するプラグハウジング11内には、雄コンタクト12と、その雄コンタクト12を収容したインナハウジング13とを有する副組立体18が収容されている。また、この副組立体18には、防水用のシール部材14も備えられている。このシール部材14は、インナハウジング13を構成する前側ハウジング131と後側ハウジング132とに挟まれた位置に配置されている。ここで、副組立体18は、本発明にいう第1副組立体の一例に相当する。また、インナハウジング13は、本発明にいう第1インナハウジングの一例に相当する。
【0023】
また、プラグハウジング11内には、コイルスプリング15とOリング16も配置されている。コイルスプリング15は、第1コネクタ10に嵌合した状態の第2コネクタ20の嵌合部211をロックする部材である。また、Oリング16は、プラグハウジング11の内壁面113とレセプタクルハウジング21の外壁面(第2コネクタ20の嵌合部211)との間に介在して、第1コネクタ10と第2コネクタ20との間を防水する役割を担っている。
【0024】
雄コンタクト12、インナハウジング13、およびシール部材14からなる副組立体18は、プラグハウジング11内にその後方から収容される。そして、プラグハウジング11の後端部に、リング形状の抜止部材17が圧入される。これにより、副組立体18がプラグハウジング11内に固定される。
【0025】
図4は、図1(B)に示す第2コネクタの正面図(A)、側面図(B)、および背面図(C)である。図4(B)は、ナット29とワッシャ30がレセプタクルハウジング21から外された状態の分解斜視図となっている。また、図4(C)には、図5に示す断面図の断面位置を表わす矢印A-A,B-Bが示されている。
【0026】
図5は、図4(C)に示す、矢印A-Aに沿う断面図(A)および矢印B-Bに沿う断面図(B)である。
【0027】
第2コネクタ20を構成するレセプタクルハウジング21内には、雌コンタクト22とその雌コンタクト22を収容したインナハウジング23とを有する副組立体28が収容されている。また、この副組立体28には、防水用のシール部材24も備えられている。このシール部材24は、インナハウジング23を構成する前側ハウジング231と後側ハウジング232とに挟まれた位置に配置されている。ここで、この副組立体28は、本発明にいう第2副組立体の一例に相当する。また、インナハウジング23は、本発明にいう第2インナハウジングの一例に相当する。
【0028】
ここで、副組立体28を構成するインナハウジング23およびシール部材24は、図3に示す副組立体18を構成しているインナハウジング13およびシール部材14とそれぞれ同一形状、同一寸法の部材である。すなわち、第1コネクタ10を構成している副組立体18と第2コネクタ20を構成している副組立体28は、形状の異なるコンタクト(雄コンタクト12と雌コンタクト22)を備えている点のみが異なっている。
【0029】
雌コンタクト22、インナハウジング23、およびシール部材24からなる副組立体28は、レセプタクルハウジング21内にその後方から収容される。そして、レセプタクルハウジング21の後端部に、リング形状の抜止部材27が圧入される。これにより、副組立体28がレセプタクルハウジング21内に固定される。
【0030】
また、この第2コネクタ20では、そのレセプタクルハウジング21の鍔部213に、不図示のパネルとの間の防水を担うOリング31が配置されている。
【0031】
図6は、嵌合状態にある第1コネクタおよび第2コネクタの断面図である。ここで、図6(A)は、図2(C)に示した矢印A-Aおよび図4(C)に示した矢印A-Aに沿う断面図である。また、図6(B)は、図2(C)に示した矢印B-Bおよび図4(C)に示した矢印B-Bに沿う断面図である。
【0032】
第1コネクタ10と第2コネクタ20が嵌合すると、図6(B)に示すように、第1コネクタ10の雄コンタクト12の先端部が第2コネクタ20の雌コンタクト22と嵌合した状態となる。これにより、雄コンタクト12と雌コンタクト22が電気的に接続される。また、第2コネクタ20の嵌合部211は、その溝215がプラグハウジング11内でコイルスプリング15と係合した状態となる。また、第1コネクタ10と第2コネクタ20との間は、Oリング16でシールされた状態となる。
【0033】
次に、本発明の第2実施形態としてのコネクタ組立体について説明する。
【0034】
図7は、本発明の第2実施形態としてのコネクタ組立体を構成する第1コネクタ(A)と第2コネクタ(B)の斜視図である。
【0035】
図7(A)に示す第1コネクタ50は、プラグハウジング51と雌コンタクト52(図9(B)参照)とを備えた構造のコネクタである。
【0036】
ここで、図7(A)に示す第1コネクタ50を図1(A)に示した第1コネクタ10と比べると、それら両者の第1コネクタ50,10において、プラグハウジング51,11は同一形状および同一寸法のハウジングである。一方、コンタクトに関しては、図1(A)に示した第1コネクタ10が雄コンタクト12を備えているのに対し、図7(A)に示す第1コネクタ50は、雌コンタクト52を備えている。この雌コンタクト52は、図1(B)に示した第2コネクタ20が備えている雌コンタクト22と同一のコンタクトである。
【0037】
また、図7(B)に示す第2コネクタ60は、レセプタクルハウジング61と雄コンタクト62(例えば、図11を参照)とを備えた構造のコネクタである。
【0038】
ここで、図7(B)に示す第2コネクタ60を図1(B)に示した第2コネクタ20と比べると、それら両者の第2コネクタ60,20において、レセプタクルハウジング61,21は同一形状および同一寸法のハウジングである。第2コネクタ60が備えている鍔部613と、雄ねじ614と組み合うナット69との間に不図示のパネルが挟まれる点についても、図1(B)に示した第2コネクタ20と同一である。また、レセプタクルハウジング61の鍔部613に、パネルとの間の防水を担うOリング71(図11参照)が配置されている点も、図1(B)に示した第2コネクタ20と同一である。一方、コンタクトに関しては、図1(A)に示した第2コネクタ10が雌コンタクト22を備えているのに対し、図7(B)に示す第2コネクタ60は、雄コンタクト62を備えている。この雄コンタクト62は、図1(A)に示した第1コネクタ10が備えている雄コンタクト12と同一のコンタクトである。
【0039】
この図7に示す第1コネクタ50と第2コネクタ60は、互いに組み合う2つのコネクタであって、それら第1コネクタ50と第2コネクタ60が、本発明の第2実施形態としてのコネクタ組立体を構成している。
【0040】
ここで、第1コネクタ50のプラグハウジング51は、本発明にいう第1アウタハウジングの一例に相当する。また、第2コネクタ60のレセプタクルハウジング61は、本発明にいう第2アウタハウジングの一例に相当する。あるいは、これとは逆に、プラグハウジング51およびレセプタクルハウジング61を、本発明にいう、それぞれ第2アウタハウジングおよび第1アウタハウジングの各一例に相当するハウジングであると捉えてもよい。
【0041】
これら第1コネクタ50と第2コネクタ60との嵌合は、雌雄のコンタクト52,62が逆の関係であることを除き、図1に示した第1コネクタ10と第2コネクタ20との嵌合と同一である。すなわち、図7に示す第1コネクタ50と第2コネクタ60との嵌合にあたっては、第2コネクタ60の嵌合部611に設けられている突起612と第1コネクタ50の嵌合開口511に設けられているキー溝512とを位置合わせする。そして、その位置合わせの後に、第2コネクタ60の嵌合部611が第1コネクタ50の嵌合開口511との嵌合が完了する。すると、第1コネクタ50の雌コンタクト52に第2コンタクト20の雄コンタクト62の先端部が嵌合し、それら雌コンタクト52と雄コンタクト62が電気的に接続される。
【0042】
以下、この図7に示す、第1コネクタ50と第2コネクタ60とからなるコネクタ組立体について、さらに詳細に説明する。
【0043】
図8は、図7(A)に示す第1コネクタの正面図(A)、側面図(B)、および背面図(C)である。図8(C)には、図9に示す断面図の断面位置を表わす矢印A-A,B-Bが示されている。
【0044】
図9は、図8(C)に示す、矢印A-Aに沿う断面図(A)および矢印B-Bに沿う断面図(B)である。
【0045】
第1コネクタ50を構成するプラグハウジング51内には、雌コンタクト52とその雌コンタクト52を収容したインナハウジング53とを有する副組立体58が収容されている。また、この副組立体58には、防水用のシール部材54も備えられている。このシール部材54は、インナハウジング53を構成する前側ハウジング531と後側ハウジング532とに挟まれた位置に配置されている。ここで、この副組立体58は、本発明にいう第2副組立体の一例に相当する。また、インナハウジング53は、本発明にいう第2インナハウジングの一例に相当する。
【0046】
また、プラグハウジング51内には、コイルスプリング55とOリング56も配置されている。コイルスプリング55は、第1コネクタ50に嵌合した状態の第2コネクタ60の嵌合部611を支持する部材である。また、Oリング56は、プラグハウジング51の内壁面513とレセプタクルハウジング61の外壁面(第2コネクタ60の嵌合部611)との間に介在して、第1コネクタ50と第2コネクタ60との間を防水する役割を担っている。
【0047】
雌コンタクト52、インナハウジング53、およびシール部材54からなる副組立体58は、プラグハウジング51内にその後方から収容される。そして、プラグハウジング51の後端部に、リング形状の抜止部材57が圧入される。これにより、第1副組立体58がプラグハウジング51内に固定される。
【0048】
図10は、図7(B)に示す第2コネクタの正面図(A)、側面図(B)、および背面図(C)である。図10(B)は、ナット69とワッシャ70がレセプタクルハウジング61から外された状態の分解斜視図となっている。図10(C)には、図11に示す断面図の断面位置を表わす矢印A-A,B-Bが示されている。
【0049】
図11は、図10(C)に示す、矢印A-Aに沿う断面図(A)および矢印B-Bに沿う断面図(B)である。
【0050】
第2コネクタ60を構成するレセプタクルハウジング61内には、雄コンタクト62と、その雄コンタクト62を収容したインナハウジング63とを有する副組立体68が収容されている。また、この副組立体68には、防水用のシール部材64も備えられている。このシール部材64は、インナハウジング63を構成する前側ハウジング631と後側ハウジング632とに挟まれた位置に配置されている。ここで、この副組立体68は、本発明にいう第1副組立体の一例に相当する。また、インナハウジング63は、本発明にいう第1インナハウジングの一例に相当する。
【0051】
ここで、第2コネクタ60に備えられている副組立体68を構成するインナハウジング63は、第1コネクタ50に備えられている副組立体58を構成しているインナハウジング53と同一形状、同一寸法の部材である。また、シール部材64についても、シール部材54と同一形状、同一寸法の部材である。すなわち、第1副組立体58と第2副組立体68は、形状の異なるコンタクト(雌コンタクト52と雄コンタクト62)を備えている点のみが異なっている。
【0052】
雄コンタクト62、インナハウジング63、およびシール部材64からなる副組立体68は、レセプタクルハウジング61内にその後方から収容される。そして、レセプタクルハウジングの後端部に、リング形状の抜止部材67が圧入される。これにより副組立体68がレセプタクルハウジング61内に固定される。
【0053】
ここで、上記の通り、副組立体58,68を構成しているインナハウジング53,63は互いに同一であって、シール部材54,64も互いに同一である。さらに、これらのインナハウジング53,63は、図1図7を参照して説明した第1実施形態におけるインナハウジング13,23とも同一である。シール部材54,64についても、第1実施形態におけるシール部材14,24とも同一である。また、第1コネクタ50を構成している副組立体58の雌コンタクト52は、第1実施形態における第2コネクタ20を構成している副組立体28の雌コンタクト22と同一である。これと同様に、第2コネクタ60を構成している副組立体68の雄コンタクト62は、第1実施形態における第1コネクタ10を構成している副組立体18の雄コンタクト12と同一である。すなわち、第1実施形態における副組立体18は、第2実施形態における副組立体68と同一である。これと同様に、第1実施形態における副組立体28は、第2実施形態における副組立体58と同一である。換言すると、第1実施形態においてレセプタクルハウジング21に収容されていた副組立体28が、この第2実施形態ではプラグハウジング51に収容されている。また、これと同様に、第1実施形態においてプラグハウジング11に収容されていた副組立体18が、この第2実施形態ではレセプタクルハウジング61に収容されている。さらに換言すると、ここで説明したコネクタ組立体の場合、プラグハウジングとレセプタクルハウジングのいずれのハウジングを有するコネクタであっても、雄コンタクトを備えたコネクタとし、あるいは雌コンタクトを備えたコネクタとすることができる。
【0054】
図12は、第2実施形態における、嵌合状態にある第1コネクタおよび第2コネクタの断面図である。ここで、図12(A)は、図8(C)に示した矢印A-Aおよび図10(C)に示した矢印A-Aに沿う断面図である。また、図12(B)は、図8(C)に示した矢印B-Bおよび図10(C)に示した矢印B-Bに沿う断面図である。
【0055】
第1コネクタ50と第2コネクタ60が嵌合すると、図12(B)に示すように、第1コネクタ50の雌コンタクト52に第2コネクタ60の雄コンタクト62の先端部と嵌合した状態となる。これにより、雌コンタクト52と雄コンタクト62が電気的に接続される。また、第2コネクタ60の嵌合部611は、その溝615がプラグハウジング51内でコイルスプリング55と係合した状態となる。また、第1コネクタ50と第2コネクタ60との間は、Oリング56でシールされた状態となる。
【0056】
なお、ここでは、プラグハウジングとレセプタクルハウジングとの組合せについて説明した。ただし、本発明は、第1コネクタおよび第2コネクタの各外形を規定しているハウジングの形状を問うものではなく、互いに組み合う形状を有していればよい。
【符号の説明】
【0057】
10,50 第1コネクタ
11,51 プラグハウジング
111,511 嵌合開口
112,512 キー溝
113、513 内壁面
12,62 雄コンタクト
13,53 インナハウジング
131,531 前側ハウジング
132,532 後側ハウジング
14,54 シール部材
15,55 コイルスプリング
16,56 Oリング
17,57 抜止部材
18,58 副組立体
20,60 第2コネクタ
211,611 嵌合部
212,612 突起
213,613 鍔部
214,614 雄ねじ
22,52 雌コンタクト
23,63 インナハウジング
231,631 前側ハウジング
232,632 後側ハウジング
24,64 シール部材
27,67 抜止部材
28,68 副組立体
29,69 ナット
30,70 ワッシャ
31,71 Oリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12